JP2004288511A - 帯電除去装置およびこれを用いた機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電除去装置において、オゾンが発生することなく、簡単に酸素のマイナス粒子が発生し、これを部材に吹き付けることにより、部材のプラスの帯電を除去すること。
【解決手段】波長域が200nm以上の光源1と、光照射すると光電子を放出する光電子放出板2と、前記光電子放出板2の表面近傍に少なくとも酸素を含むガスを通過させるファン(通風手段)3とを有し、前記光電子放出板2の表面近傍を通過したガスを部材に吹き付けることで、前記部材のプラスの帯電を除去する帯電除去装置とすることで、オゾンを発生することなく、簡単に酸素のマイナス粒子を発生でき、プラスの帯電を除去することが可能で、さらにダストの除去も容易な帯電除去装置が実現できるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】波長域が200nm以上の光源1と、光照射すると光電子を放出する光電子放出板2と、前記光電子放出板2の表面近傍に少なくとも酸素を含むガスを通過させるファン(通風手段)3とを有し、前記光電子放出板2の表面近傍を通過したガスを部材に吹き付けることで、前記部材のプラスの帯電を除去する帯電除去装置とすることで、オゾンを発生することなく、簡単に酸素のマイナス粒子を発生でき、プラスの帯電を除去することが可能で、さらにダストの除去も容易な帯電除去装置が実現できるようになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスにマイナス粒子を付加し、これを部材に吹き付けることで部材のプラスの帯電を除去する装置に関するものであり、特に静電気により付着したダストを除去する分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマイナス粒子を発生させる手法としては、放電タイプのものがある(例えば、特許文献1参照)。前記特許文献1にはマイナス粒子を発生させる手法におけるガス中放電について開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−78471号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記開示されている方法によると、オゾンが発生し、人体に対する安全性の問題や、部材がオゾンにより劣化するという問題あった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、オゾンの発生がない、帯電除去装置およびこれを用いた機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、これらの課題に対して鋭意研究を行い、200nm以上の波長域の光照射により光電子が生成する光電子放出板に少なくとも酸素を含むガスを吹き付けるとオゾンが発生することなく簡単に酸素のマイナス粒子が発生し、これを部材に吹き付けるとプラスの帯電を除去することを見いだした。
【0007】
【発明実施の形態】
請求項1に記載の発明は、波長域が200nm以上の光源と、光照射すると光電子を放出する光電子放出板と、前記光電子放出板の表面近傍に少なくとも酸素を含むガスを通過させる通風手段とを有し、前記光源により光照射された光電子放出材表面近傍を通過したガスを部材に吹き付けることで、前記部材のプラスの帯電を除去する帯電除去装置とした。これにより、オゾンを発生することなく、簡単に酸素のマイナス粒子が発生し、これを部材に吹き付けると部材のプラスの帯電を除去することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、光電子放出板の表面が、光照射されると光電子を放出し、かつバリア膜であることを特徴とする帯電除去装置とし、また、請求項3に記載の発明は、光電子放出板の表面が光照射されると光電子を放出する膜でありその直下にバリア膜を有することを特徴とする帯電除去装置とした。これにより、光照射によって光電子を放出する膜を拡散して、下地材がこの膜表面を被覆することを防ぐことで、マイナス粒子発生時間により、マイナスイオン数が大きく減少することのない、すなわち長期にわたり耐久性に優れた帯電除去装置となる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、光電子放出材の表面が電気的に接地されていることを特徴とする帯電除去装置とするもので、電子放出によるプラスに帯電した光電子放出材が速やかに除去されるので、より多くのマイナス粒子を発生させることができ、すばやく部材のプラス帯電の除去やダストの除去を行うことができる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、吸込ノズルから床面に向けて前記帯電除去装置のガスの吹き付けを行うことで、床面付着しているダストおよび床面のプラス帯電を除去し、床面に付着したダストを吸引除去する電気掃除機とするもので、マイナスのみの帯電となるため、床面をブラシ等でこすることなく、しかもオゾンの発生がないため床面にダメージを与えることがなく、また作業者に不快さを与えないで床面に付着したダストを取り除くことができる。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、集塵部内に向けて前記帯電除去装置のガスの吹き付けを行うことで、集塵したダストおよび集塵部壁のプラスの帯電を除去し、集塵部内に付着したダストを取り出し易くした電気掃除機で、マイナスのみの帯電となるため、集塵したダストをこすり取ることなく簡単に取り除くことができ、しかもオゾンの発生がないので、壁面の材料、例えばプラスチック等にダメージを与えない。また作業者に不快さを与えない。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、前記帯電除去装置のガスの吹きつけを高圧で行うことにより部材に付着しているダストおよび部材のプラスの帯電を除去し、部材に付着したダストを吹き飛ばすエアブロー装置で、マイナスのみの帯電となるため、強力なブロー力を必要とせずに簡単に部材のダストを取り除くことができる。また、オゾンが発生しないので、部材に対するダメージを与えない。また作業者に不快さを与えない。
【0013】
請求項8記載の発明は、特に、請求項7記載の部材が、半導体または液晶または光ディスク部材であることを特徴とする。そして、これらの部材はサブミクロンレベルのダストを嫌うので、本発明の方法が最適である。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、前記帯電除去装置のガスの吹きつけを高圧で行うことにより、人体に付着しているダストおよび部材のプラスの帯電を除去し、人体に付着したダストを吹き飛ばすエアシャワー装置で、マイナスのみの帯電となるため、強力なブロー力を必要とせずに簡単に人体のダストを取り除くことができる。また、オゾンが発生しないので、人体に対するダメージ、不快感を与えない。
【0015】
なお、バリア性を有しかつ、光照射することにより光電子を放出する膜をとして、導電性膜やセラミック膜がよく、具体的には窒化チタン、チタンカーバイト、窒化ジルコニウム、ジルコニウムカーバイトはおよびそれらの複合化合物が有効である。
【0016】
また、基板としてはステンレス、アルミニウム等の導電性を有する金属もしくは合金が有効である。このような構成をとると、表面だけでなく、基板とも電気的に接地することができる。また導電性を有しなくてもよく、ガラス、プラスチック等が有効であり、バリア性を有しかつ、光照射することにより光電子を放出する膜との間に導電性膜を設け、それとも電気的に接地することができる。その導電性膜としては、金属膜の他、例えば、ITOとか酸化錫のような導電性セラミックまたはそれらの複合化合物が有効である。
【0017】
【実施例】
本発明の実施例における帯電除去装置について図1を用いて説明する。1は200nm以下の波長域を有する光源、2は光電子放出板で、光電子放出板2は光源1を挟み込むように通風口の上下壁に接地されている。通風口の背後には少なくとも酸素を含むガスを通過させる通風手段として、ファン3が設置され、通風口に空気を送るようになっている。また特に明記のない場合には光電子放出板2の基板の最表面に電気的に接地するアース線4が設置されている。
【0018】
なお、光源1は6Wの冷陰極管を使用し、空気の送風量を200L/min(圧力可変)とした。また、特に明記しない場合、すべてのスイッチをONにした。
【0019】
(実施例1)
真鍮基板に金1μmをメッキし、光電子放出板を作製し、図1の帯電除去装置1Aに搭載し、動作時間に対するプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的設置は真鍮で行った。
【0020】
(実施例2)
真鍮基板に窒化チタン1μmを蒸着し、光電子放出板を作製し、図1の帯電除去装置に搭1B載し、動作時間に対するプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的接地は真鍮で行った。
【0021】
(実施例3)
真鍮基板にSiOx膜を蒸着し、その上に金を蒸着し、光電子放出板を作製し、図1の帯電除去装置1Cに搭載し、動作時間に対するプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的接地は金で行った。
【0022】
(プラスに帯電したプラスチックの帯電除去)
実施例1、2、3のガスをプラスに帯電している樹脂に吹き付け、プラスの帯電量を測定したところ、プラスの帯電量が減少していることがわかり、本発明の効果が発揮されていることがわかった。また、いずれもオゾン臭は認められなかった。
【0023】
(バリア性を有し、かつ光照射することにより光電子を放出する光電子放出材の特性)
図2は、帯電除去装置1A、1B、1Cの、動作時間に対するマイナス粒子の数である。バリア性を有する光電子放出板1B、1Cの方が、バリア性を有しない光電子放出板1Aに比べ、長期にわたりマイナス粒子の数を維持していることがわかり、光電子放出板1B、1Cが本発明の効果を発揮していることがわかる。
【0024】
(比較例1)
実施例2の帯電除去装置1Bの接地を外した帯電除去装置1Dについて、上記と同様にプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数を測定した。
【0025】
(接地の有無によるプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数)
プラスに帯電した部材を中和するマイナスイオンの数を測定したところ、帯電除去装置1Bの場合が100万個/cm3に対し、帯電除去装置1Dの場合は3000個/cm3であり、本発明の効果が明らかになった。
【0026】
(実施例4)
図3のように、実施例2の帯電除去装置1Bと同じ機能を有する帯電除去装置5を、電気掃除機の吸引ノズルの床面側に搭載し、本発明の電気掃除機2A(吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、5gのゼオライトが付着しているプラスチックの床(幅は吸引ノズルと同じ幅)上で吸引ノズルを一往復させた。
【0027】
(比較例2)
帯電除去装置5を搭載しないこと以外は全く実施例4と同じ電機掃除機2B(吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、実施例4と全く同じ方法で、5gのゼオライトが付着しているプラスチックの床(幅は吸引ノズルと同じ幅)上で吸引ノズルを一往復させた。
【0028】
(ゼオライトの集塵能力の評価)
電気掃除機2Aと電気掃除機2Bでゼオライトの集塵量を比較したところ、電気掃除機2Aの場合が4.9gに対し、電気掃除機2Bの場合は3.9gであり、本発明の帯電除去装置5搭載の効果が実証された。また、電気掃除機2Aにおいて、オゾン臭は認められなかった。
【0029】
(実施例5)
図4のように実施例2の帯電除去装置1Bと同じ機能を有する帯電除去装置5を、電気掃除機本体の集塵部に搭載し、本発明の電気掃除機3A(吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、10gのゼオライトを吸引した後、集塵部蓋を開け、集塵部蓋を下にして、集塵したゼオライトが自然落下する量を測定した。
【0030】
(比較例3)
帯電除去装置5を搭載しないこと以外は全く実施例5と同じ電気掃除機3B(吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、実施例5と全く同じ方法で、10gのゼオライトを吸引した後、集塵部蓋を開け、集塵部蓋を下にして、集塵したゼオライトが自然落下する量を測定した。
【0031】
(ゼオライトの集塵能力の評価)
電気掃除機3Aと電気掃除機3Bでゼオライトの落下量を比較したところ、電気掃除機2Aの場合が7.9gに対し、電気掃除機2Bの場合は5.9gであり、本発明の帯電除去装置5搭載の効果が実証された。なお、吸引量10gに対し集塵量が少なかったのは、電気掃除機の吸引路例えばホース等に付着していたためであり、そこにも本発明の帯電除去装置によりガスを送れば、回収率が上がることがわかった。また、電気掃除機3Aにおいて、オゾン臭は認められなかった。
【0032】
(実施例6)
実施例2の帯電除去装置1Bにおけるファン3の代わりに高圧ガスを生成するコンプレッサー(送風圧3kgf/cm2)を搭載したエアブロー装置4A(図示せず)を作製した。これを用いて、0.1gのガラスビーズ(3μm径)を塗布した13.3インチ液晶パネルガラス部材に吹きつけ、残存するガラスビーズ密度を測定した。
【0033】
(比較例4)
帯電除去装置1Bを搭載しないこと以外は全く実施例6と同じエアブロー装置4B(図示せず、吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、実施例6と全く同じ方法で、0.1gのガラスビーズ(3μm径)を塗布した13.3インチ液晶パネルガラス部材に吹きつけ、残存するガラスビーズ密度を測定した。
【0034】
(ガラスビーズの除去能力の評価)
エアブロー装置4Aとエアブロー装置4Bでガラスビーズの残存量を比較したところ、エアブロー装置4Aの場合は1個/cm2以下に対し、エアブロー装置2Bの場合は4×103個/cm2であり、本発明の帯電除去装置搭載の効果が実証された。また、エアブロー装置4Aにおいて、オゾン臭は認められなかった。
【0035】
また、半導体、光ディスク部材についても同様な効果が認められた。
【0036】
また、部材だけではなく、人体にも同様な効果があり、半導体工場等のエアシャワーに利用可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜9に記載の発明によれば、オゾンを発生することなく、簡単に酸素のマイナス粒子が発生し、それを部材に吹き付けることでプラスの帯電を除去することができ、さらに、ダストの除去が容易な帯電除去装置が実現できるようになる。
【0038】
そして上記帯電除去装置はオゾン発生がなく安全であり、半導体、液晶の分野の機器に用いた場合には静電防止やダスト防止に効果を発揮し、また掃除機に用いた場合には掃除能力のアップにも効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における帯電除去装置の構造図
【図2】本発明の実施例における帯電除去装置1A、1B、1Cの動作時間と発生するマイナス粒子の数の相関を表す図
【図3】本発明の実施例4における帯電除去装置を吸引ノズルに搭載した電気掃除機の構造図
【図4】本発明の実施例5における帯電除去装置を本体の集塵部に搭載した電気掃除機の構造図
【符号の説明】
1 波長域が200nm以下の光源
2 光電子放出板
2A、3A 電気掃除機
3 ファン(通風手段)
4 アース線
5 帯電除去装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスにマイナス粒子を付加し、これを部材に吹き付けることで部材のプラスの帯電を除去する装置に関するものであり、特に静電気により付着したダストを除去する分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマイナス粒子を発生させる手法としては、放電タイプのものがある(例えば、特許文献1参照)。前記特許文献1にはマイナス粒子を発生させる手法におけるガス中放電について開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−78471号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記開示されている方法によると、オゾンが発生し、人体に対する安全性の問題や、部材がオゾンにより劣化するという問題あった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、オゾンの発生がない、帯電除去装置およびこれを用いた機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、これらの課題に対して鋭意研究を行い、200nm以上の波長域の光照射により光電子が生成する光電子放出板に少なくとも酸素を含むガスを吹き付けるとオゾンが発生することなく簡単に酸素のマイナス粒子が発生し、これを部材に吹き付けるとプラスの帯電を除去することを見いだした。
【0007】
【発明実施の形態】
請求項1に記載の発明は、波長域が200nm以上の光源と、光照射すると光電子を放出する光電子放出板と、前記光電子放出板の表面近傍に少なくとも酸素を含むガスを通過させる通風手段とを有し、前記光源により光照射された光電子放出材表面近傍を通過したガスを部材に吹き付けることで、前記部材のプラスの帯電を除去する帯電除去装置とした。これにより、オゾンを発生することなく、簡単に酸素のマイナス粒子が発生し、これを部材に吹き付けると部材のプラスの帯電を除去することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、光電子放出板の表面が、光照射されると光電子を放出し、かつバリア膜であることを特徴とする帯電除去装置とし、また、請求項3に記載の発明は、光電子放出板の表面が光照射されると光電子を放出する膜でありその直下にバリア膜を有することを特徴とする帯電除去装置とした。これにより、光照射によって光電子を放出する膜を拡散して、下地材がこの膜表面を被覆することを防ぐことで、マイナス粒子発生時間により、マイナスイオン数が大きく減少することのない、すなわち長期にわたり耐久性に優れた帯電除去装置となる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、光電子放出材の表面が電気的に接地されていることを特徴とする帯電除去装置とするもので、電子放出によるプラスに帯電した光電子放出材が速やかに除去されるので、より多くのマイナス粒子を発生させることができ、すばやく部材のプラス帯電の除去やダストの除去を行うことができる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、吸込ノズルから床面に向けて前記帯電除去装置のガスの吹き付けを行うことで、床面付着しているダストおよび床面のプラス帯電を除去し、床面に付着したダストを吸引除去する電気掃除機とするもので、マイナスのみの帯電となるため、床面をブラシ等でこすることなく、しかもオゾンの発生がないため床面にダメージを与えることがなく、また作業者に不快さを与えないで床面に付着したダストを取り除くことができる。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、集塵部内に向けて前記帯電除去装置のガスの吹き付けを行うことで、集塵したダストおよび集塵部壁のプラスの帯電を除去し、集塵部内に付着したダストを取り出し易くした電気掃除機で、マイナスのみの帯電となるため、集塵したダストをこすり取ることなく簡単に取り除くことができ、しかもオゾンの発生がないので、壁面の材料、例えばプラスチック等にダメージを与えない。また作業者に不快さを与えない。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、前記帯電除去装置のガスの吹きつけを高圧で行うことにより部材に付着しているダストおよび部材のプラスの帯電を除去し、部材に付着したダストを吹き飛ばすエアブロー装置で、マイナスのみの帯電となるため、強力なブロー力を必要とせずに簡単に部材のダストを取り除くことができる。また、オゾンが発生しないので、部材に対するダメージを与えない。また作業者に不快さを与えない。
【0013】
請求項8記載の発明は、特に、請求項7記載の部材が、半導体または液晶または光ディスク部材であることを特徴とする。そして、これらの部材はサブミクロンレベルのダストを嫌うので、本発明の方法が最適である。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、前記帯電除去装置のガスの吹きつけを高圧で行うことにより、人体に付着しているダストおよび部材のプラスの帯電を除去し、人体に付着したダストを吹き飛ばすエアシャワー装置で、マイナスのみの帯電となるため、強力なブロー力を必要とせずに簡単に人体のダストを取り除くことができる。また、オゾンが発生しないので、人体に対するダメージ、不快感を与えない。
【0015】
なお、バリア性を有しかつ、光照射することにより光電子を放出する膜をとして、導電性膜やセラミック膜がよく、具体的には窒化チタン、チタンカーバイト、窒化ジルコニウム、ジルコニウムカーバイトはおよびそれらの複合化合物が有効である。
【0016】
また、基板としてはステンレス、アルミニウム等の導電性を有する金属もしくは合金が有効である。このような構成をとると、表面だけでなく、基板とも電気的に接地することができる。また導電性を有しなくてもよく、ガラス、プラスチック等が有効であり、バリア性を有しかつ、光照射することにより光電子を放出する膜との間に導電性膜を設け、それとも電気的に接地することができる。その導電性膜としては、金属膜の他、例えば、ITOとか酸化錫のような導電性セラミックまたはそれらの複合化合物が有効である。
【0017】
【実施例】
本発明の実施例における帯電除去装置について図1を用いて説明する。1は200nm以下の波長域を有する光源、2は光電子放出板で、光電子放出板2は光源1を挟み込むように通風口の上下壁に接地されている。通風口の背後には少なくとも酸素を含むガスを通過させる通風手段として、ファン3が設置され、通風口に空気を送るようになっている。また特に明記のない場合には光電子放出板2の基板の最表面に電気的に接地するアース線4が設置されている。
【0018】
なお、光源1は6Wの冷陰極管を使用し、空気の送風量を200L/min(圧力可変)とした。また、特に明記しない場合、すべてのスイッチをONにした。
【0019】
(実施例1)
真鍮基板に金1μmをメッキし、光電子放出板を作製し、図1の帯電除去装置1Aに搭載し、動作時間に対するプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的設置は真鍮で行った。
【0020】
(実施例2)
真鍮基板に窒化チタン1μmを蒸着し、光電子放出板を作製し、図1の帯電除去装置に搭1B載し、動作時間に対するプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的接地は真鍮で行った。
【0021】
(実施例3)
真鍮基板にSiOx膜を蒸着し、その上に金を蒸着し、光電子放出板を作製し、図1の帯電除去装置1Cに搭載し、動作時間に対するプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数を測定した。なお、電気的接地は金で行った。
【0022】
(プラスに帯電したプラスチックの帯電除去)
実施例1、2、3のガスをプラスに帯電している樹脂に吹き付け、プラスの帯電量を測定したところ、プラスの帯電量が減少していることがわかり、本発明の効果が発揮されていることがわかった。また、いずれもオゾン臭は認められなかった。
【0023】
(バリア性を有し、かつ光照射することにより光電子を放出する光電子放出材の特性)
図2は、帯電除去装置1A、1B、1Cの、動作時間に対するマイナス粒子の数である。バリア性を有する光電子放出板1B、1Cの方が、バリア性を有しない光電子放出板1Aに比べ、長期にわたりマイナス粒子の数を維持していることがわかり、光電子放出板1B、1Cが本発明の効果を発揮していることがわかる。
【0024】
(比較例1)
実施例2の帯電除去装置1Bの接地を外した帯電除去装置1Dについて、上記と同様にプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数を測定した。
【0025】
(接地の有無によるプラスに帯電した部材を中和するマイナス粒子の数)
プラスに帯電した部材を中和するマイナスイオンの数を測定したところ、帯電除去装置1Bの場合が100万個/cm3に対し、帯電除去装置1Dの場合は3000個/cm3であり、本発明の効果が明らかになった。
【0026】
(実施例4)
図3のように、実施例2の帯電除去装置1Bと同じ機能を有する帯電除去装置5を、電気掃除機の吸引ノズルの床面側に搭載し、本発明の電気掃除機2A(吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、5gのゼオライトが付着しているプラスチックの床(幅は吸引ノズルと同じ幅)上で吸引ノズルを一往復させた。
【0027】
(比較例2)
帯電除去装置5を搭載しないこと以外は全く実施例4と同じ電機掃除機2B(吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、実施例4と全く同じ方法で、5gのゼオライトが付着しているプラスチックの床(幅は吸引ノズルと同じ幅)上で吸引ノズルを一往復させた。
【0028】
(ゼオライトの集塵能力の評価)
電気掃除機2Aと電気掃除機2Bでゼオライトの集塵量を比較したところ、電気掃除機2Aの場合が4.9gに対し、電気掃除機2Bの場合は3.9gであり、本発明の帯電除去装置5搭載の効果が実証された。また、電気掃除機2Aにおいて、オゾン臭は認められなかった。
【0029】
(実施例5)
図4のように実施例2の帯電除去装置1Bと同じ機能を有する帯電除去装置5を、電気掃除機本体の集塵部に搭載し、本発明の電気掃除機3A(吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、10gのゼオライトを吸引した後、集塵部蓋を開け、集塵部蓋を下にして、集塵したゼオライトが自然落下する量を測定した。
【0030】
(比較例3)
帯電除去装置5を搭載しないこと以外は全く実施例5と同じ電気掃除機3B(吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、実施例5と全く同じ方法で、10gのゼオライトを吸引した後、集塵部蓋を開け、集塵部蓋を下にして、集塵したゼオライトが自然落下する量を測定した。
【0031】
(ゼオライトの集塵能力の評価)
電気掃除機3Aと電気掃除機3Bでゼオライトの落下量を比較したところ、電気掃除機2Aの場合が7.9gに対し、電気掃除機2Bの場合は5.9gであり、本発明の帯電除去装置5搭載の効果が実証された。なお、吸引量10gに対し集塵量が少なかったのは、電気掃除機の吸引路例えばホース等に付着していたためであり、そこにも本発明の帯電除去装置によりガスを送れば、回収率が上がることがわかった。また、電気掃除機3Aにおいて、オゾン臭は認められなかった。
【0032】
(実施例6)
実施例2の帯電除去装置1Bにおけるファン3の代わりに高圧ガスを生成するコンプレッサー(送風圧3kgf/cm2)を搭載したエアブロー装置4A(図示せず)を作製した。これを用いて、0.1gのガラスビーズ(3μm径)を塗布した13.3インチ液晶パネルガラス部材に吹きつけ、残存するガラスビーズ密度を測定した。
【0033】
(比較例4)
帯電除去装置1Bを搭載しないこと以外は全く実施例6と同じエアブロー装置4B(図示せず、吸い込み効率200W)を作製した。これを用いて、実施例6と全く同じ方法で、0.1gのガラスビーズ(3μm径)を塗布した13.3インチ液晶パネルガラス部材に吹きつけ、残存するガラスビーズ密度を測定した。
【0034】
(ガラスビーズの除去能力の評価)
エアブロー装置4Aとエアブロー装置4Bでガラスビーズの残存量を比較したところ、エアブロー装置4Aの場合は1個/cm2以下に対し、エアブロー装置2Bの場合は4×103個/cm2であり、本発明の帯電除去装置搭載の効果が実証された。また、エアブロー装置4Aにおいて、オゾン臭は認められなかった。
【0035】
また、半導体、光ディスク部材についても同様な効果が認められた。
【0036】
また、部材だけではなく、人体にも同様な効果があり、半導体工場等のエアシャワーに利用可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜9に記載の発明によれば、オゾンを発生することなく、簡単に酸素のマイナス粒子が発生し、それを部材に吹き付けることでプラスの帯電を除去することができ、さらに、ダストの除去が容易な帯電除去装置が実現できるようになる。
【0038】
そして上記帯電除去装置はオゾン発生がなく安全であり、半導体、液晶の分野の機器に用いた場合には静電防止やダスト防止に効果を発揮し、また掃除機に用いた場合には掃除能力のアップにも効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における帯電除去装置の構造図
【図2】本発明の実施例における帯電除去装置1A、1B、1Cの動作時間と発生するマイナス粒子の数の相関を表す図
【図3】本発明の実施例4における帯電除去装置を吸引ノズルに搭載した電気掃除機の構造図
【図4】本発明の実施例5における帯電除去装置を本体の集塵部に搭載した電気掃除機の構造図
【符号の説明】
1 波長域が200nm以下の光源
2 光電子放出板
2A、3A 電気掃除機
3 ファン(通風手段)
4 アース線
5 帯電除去装置
Claims (9)
- 波長域が200nm以上の光源と、光照射すると光電子を放出する光電子放出板と、前記光電子放出板の表面近傍に少なくとも酸素を含むガスを通過させる通風手段とを有し、前記光源により光照射された光電子放出材表面近傍を通過したガスを部材に吹き付けることで、前記部材のプラスの帯電を除去する帯電除去装置。
- 光電子放出板の表面は、光照射されると光電子を放出し、かつバリア膜であることを特徴とする請求項1記載の帯電除去装置。
- 光電子放出板の表面は、光照射されると光電子を放出する膜でありその直下にバリア膜を有することを特徴とする請求項1記載の帯電除去装置。
- 光電子放出板の表面が電気的に接地されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の帯電除去装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、吸込ノズルから床面に向けて上記帯電除去装置のガスの吹き付けを行うことで、床面付着しているダストおよび床面のプラス帯電を除去し、床面に付着したダストを吸引除去する電気掃除機。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、集塵部内に向けて前記帯電除去装置のガスの吹き付けを行うことで、集塵したダストおよび集塵部壁のプラスの帯電を除去し、集塵部内に付着したダストを取り出し易くした電気掃除機。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、前記帯電除去装置のガスの吹きつけを高圧で行うことにより、部材に付着しているダストおよび部材のプラスの帯電を除去し、部材に付着したダストを吹き飛ばすエアブロー装置。
- 部材が、半導体または液晶または光ディスク部材であることを特徴とする請求項7に記載のエアブロー装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の帯電除去装置を備え、前記帯電除去装置のガスの吹きつけを高圧で行うことにより、人体に付着しているダストおよび部材のプラスの帯電を除去し、人体に付着したダストを吹き飛ばすエアシャワー装置。
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2003
- 2003-03-24 JP JP2003080264A patent/JP2004288511A/ja not_active Withdrawn
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