JP2004288044A - 通信端末装置およびネットワークノード装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信端末装置間で画像データや音声データなどを効率的に授受することのできる通信技術を提供する。
【解決手段】本発明による通信システムでは、通信元である通信端末装置10aにより送信される接続設定情報に、ネットワーク上のルータ20が、自身のトラフィック状況を挿入する(S14、S18)。通信先である通信端末装置10bは、トラフィック状況を挿入された接続設定情報をもとに、通信端末装置10aから送信される画像データなどの符号化方式を設定する(S20)。トラフィック状況をもとに符号化方式を設定するため、安定した通信を実現することが可能となる。
【選択図】 図6
【解決手段】本発明による通信システムでは、通信元である通信端末装置10aにより送信される接続設定情報に、ネットワーク上のルータ20が、自身のトラフィック状況を挿入する(S14、S18)。通信先である通信端末装置10bは、トラフィック状況を挿入された接続設定情報をもとに、通信端末装置10aから送信される画像データなどの符号化方式を設定する(S20)。トラフィック状況をもとに符号化方式を設定するため、安定した通信を実現することが可能となる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は通信技術に関し、とくにネットワークを介して通信端末装置間で通信を行う通信技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットが広く普及し、ネットワークのインフラの整備も進みつつある現在、通話音声信号を符号化したデータをパケット化し、インターネットなどのネットワークを介して送受信するIP(Internet Protocol)電話装置が注目を集めている。通話音声と同時にビデオ映像を送ることにより、ビデオ電話装置として利用することも可能であり、従来のアナログ電話装置に取って代わる次世代の電話装置として期待されている。このIP電話は、一般にインターネット電話と呼ばれることもある。例えば、IPネットワーク上で音声通信を行う際の音声コーデックを設定する方法として、発信の際に発呼者が希望する音声コーデックを使用して、音声変換装置により音声信号をパケット信号に変換する技術が提案されている(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−37683号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通信端末装置間で画像データや音声データなどを授受するにあたり、データ送信前にデータの符号化方式を決定する必要がある。送信側の通信端末装置において予め符号化方式を設定しておいてもよいが、受信側の復号器がその符号化方式に対応していなければ、符号化データを復号することができず、またネットワークの通信状態によっては、設定された符号化方式がデータ送信に効率的でない場合も生じうる。特許文献1のように発呼者が音声コーデックを指定することは、符号化方式を決定する一つの方法であるが、上記したような受信側の復号器やネットワークの通信状態の問題に十分に対応しているとは言えない。
【0005】
本発明は、そうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信端末装置間で画像データや音声データなどを効率的に授受することのできる通信技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、通信端末装置に関する。この態様の通信端末装置は、通信先に到達するまでにネットワーク上に介在するネットワークノード装置によりトラフィック状況を挿入される接続設定情報を生成する接続設定情報生成部と、接続設定情報を通信先に送信する送信部と、通信先が接続設定情報に基づいて生成した応答情報を受信する受信部と、応答情報に基づいて通信先に送信すべきデータの符号化方式を決定する決定部とを備える。この態様の通信端末装置によると、トラフィック状況が挿入された接続設定情報に基づいて通信先で生成された応答情報をもとに符号化方式を決定するため、通信状態に即したデータ伝送を実現することが可能となる。
【0007】
接続設定情報生成部は、送信すべきデータのデータ情報を接続設定情報に含めてもよい。また接続設定情報生成部は、送信すべきデータの符号化条件を接続設定情報に含めてもよい。さらに、接続設定情報生成部は、決定部において符号化方式を決定できない場合に、符号化方式が未決定であることに関する情報を含んだ接続設定情報を再生成してもよい。
【0008】
本発明の別の態様は、通信端末装置に関する。この態様の通信端末装置は、通信元から送信され、ネットワークノード装置によりトラフィック状況が挿入された接続設定情報を受信する受信部と、接続設定情報に基づいて、通信元から送信されるデータの符号化方式を設定する符号化方式設定部と、設定した符号化方式を含めた応答情報を生成する応答情報生成部と、応答情報を通信元に送信する送信部とを備える。この態様の通信端末装置によると、トラフィック状況が挿入された接続設定情報をもとにデータの符号化方式を設定するため、通信状態に即したデータ伝送を実現することが可能となる。
【0009】
符号化方式設定部は、接続設定情報に含まれるトラフィック状況をもとに、符号化方式を設定してもよい。また符号化方式設定部は、接続設定情報に含まれるトラフィック状況のうち、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況をもとに、符号化方式を設定してもよい。
【0010】
通信端末装置は、複数のネットワークノード装置を経由するルートを設定するルート設定部をさらに備えてもよく、ルート設定部は、複数のルートにより到達した複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況に基づいて、データ伝送用のルートを設定してもよい。ルート設定部は、複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況から、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況をそれぞれ抽出し、抽出したトラフィック状況の中から最も通信状態の良いものを選択した結果を受けて、データ伝送用のルートを設定してもよい。
【0011】
接続設定情報が、通信元から送信されるデータのデータ情報を含んでいる場合に、符号化方式設定部は、データ情報をもとに、符号化方式を設定してもよい。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、ネットワーク上に配置されるネットワークノード装置に関する。この態様のネットワークノード装置は、他のネットワークノード装置または通信端末装置からの信号を受信する受信部と、受信した信号が、通信状態を確認するための接続設定情報であるか否かを判断する判断部と、受信した信号が接続設定情報である場合に、自身のトラフィック状況を接続設定情報に挿入する挿入部と、自身のトラフィック状況を挿入した接続設定情報を送信する送信部とを備える。
【0013】
ネットワークノード装置は、受信部において受信した信号が接続設定情報である場合に、送信先に複数のネットワークノード装置を設定する送信先設定部をさらに備え、送信部は、送信先設定部により設定された複数の送信先に、自身のトラフィック状況を挿入した接続設定情報を送信してもよい。受信部が、他のネットワークノード装置または通信端末装置からデータ伝送用のルートを設定するためのルート設定情報を受けると、送信先設定部が、ルート設定情報に基づいてデータ伝送用の送信先を1つに決定してもよい。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システム1の全体構成を示す。通信システム1において、複数の通信端末装置10aおよび10b(以下、総称する場合は「通信端末装置10」と呼ぶ)が、複数のIP(Internet Protocol)ネットワーク12aおよび12e(以下、総称する場合は「IPネットワーク12」と呼ぶ)と、複数のネットワークノード装置、この例ではIPネットワーク12間を接続する複数のルータ20aおよび20d(以下、総称する場合には「ルータ20」と呼ぶ)を介して接続される。IPネットワーク12は、インターネットやイントラネットなどのインターネットプロトコル上で通信を可能とするネットワークである。実施の形態では、ネットワークノード装置の一例としてルータ20を示すが、ネットワークノード装置は、ルーティングを行うマルチレイヤスイッチなどの各種スイッチ装置であってもよい。
【0016】
実施の形態では、複数の通信端末装置10が、複数のIPネットワーク12およびルータ20などのネットワークノード装置により構成されるWAN(Wide Area Network:広域通信網)などのネットワーク14に接続され、通信端末装置10同士の間で音声データや画像データなどの授受を行う。通信端末装置10は、PC(パーソナルコンピュータ)や、携帯電話などの無線端末であってもよく、またコンテンツのストリーミング配信を行うサーバであってもよい。さらに、通信端末装置10は、IP電話機能を備えた機器であってもよい。このように、通信端末装置10は、ネットワーク14に接続して、他の通信端末装置10との間で音声や画像などのデータを送受信する機能を有していればよく、その形状や形態は問わない。
【0017】
図2は、通信端末装置10の構成を示す。図1を参照して、実施の形態では、通信元となる通信端末装置10aと、通信先となる通信端末装置10bとの間で通信を行う場合を例にとる。そのため図2では、通信端末装置10aの通信元としての機能ブロックと、通信端末装置10bの通信先としての機能ブロックとを示すが、通信端末装置10aおよび10bのそれぞれが、両者の機能すなわち通信元および通信先としての機能を備えてもよい。以下では、通信端末装置10aから音声データや画像データを含んだデータを通信端末装置10bに送信するために、通信端末装置10aと通信端末装置10bとの間でデータの符号化方式を決定する方法を示す。
【0018】
通信端末装置10は、ハードウエアコンポーネントでいえば、コンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
通信元となる通信端末装置10aは、接続設定情報生成部30、データ情報生成部32、データ格納部34、符号化部36、符号化方式決定部38、ネットワークインタフェース部40を備える。ネットワークインタフェース部40は、送信部42および受信部44を含む。データ格納部34は、音声データや画像データなど、通信先の通信端末装置10bに送信すべきデータを格納する。
【0020】
接続設定情報生成部30は、通信先となる通信端末装置10bとの間で接続を確立するための呼設定メッセージや、データ伝送中に、符号化方式を見直すべく通信端末装置10bに適切な符号化方式を選択させるためのコマンドなどを含んだ接続設定情報を生成する。すなわち、接続設定情報生成部30は、通信先との間で、通信接続や符号化方式などに関して通信状態を確認するための接続設定情報を生成する。後述するが、接続設定情報が通信先に送信される際、ネットワーク14上に介在する複数のネットワークノード装置が、接続設定情報に自身のトラフィック状況をそれぞれ挿入していく。そのため接続設定情報は、ネットワークノード装置、例えばルータ20によるトラフィック状況の挿入を可能とするようなデータフォーマットおよびデータ構造を有するように構成される。
【0021】
データ情報生成部32は、データ格納部34に格納されたデータに関するデータ情報、例えば送信すべきデータの仕様や、符号化の条件などに関する情報を生成する。例えば、通信先に送信するデータが画像データである場合には、データ格納部34に格納されている画像データの仕様、具体的にはフレームレート、解像度や階調などの画像情報を含んだデータ情報を生成する。また、データ情報生成部32は、画像データの符号化条件を設定して、データ情報に組み込む。符号化条件は、元の画像データの仕様により定められ、データ送信時に例えばフレームレート、解像度や階調などのレベルや値を落とすことが可能か否かをフラグで表現したものであってよい。また、符号化条件は、フレームレート、解像度、階調などにつき、それぞれレベルや値を落とすことのできる下限を表現したものであってもよい。下限のレベルや値は、そのレベルや値までフレームレート、解像度および階調などを下げても、通信先の通信端末装置10bで再生した場合に、ユーザに過度の違和感を生じさせることのない程度に設定されることが好ましい。再生時に許容されるのであれば、例えば毎秒30フレーム数の画像データのフレームレートの下限を、毎秒15フレーム数に設定することができ、また24ビットでカラー表現される画像データの階調の下限を、15ビットのカラー表現に設定することができる。下限の設定は画像データに応じて行う必要があるため、画像データの仕様を把握することのできるデータ情報生成部32が、符号化条件としてこれらの下限を設定する。接続設定情報生成部30は、データ情報生成部32において設定されたデータ情報を受け取り、接続設定情報に含める。
【0022】
接続設定情報は、送信部42からネットワーク14を介して、通信先の通信端末装置10bに送信される。ネットワーク14において、通信端末装置10aから通信端末装置10bまでのルートに介在するネットワークノード装置が、自身のトラフィック状況を接続設定情報に挿入する。
【0023】
図3は、ネットワークノード装置の一例であるルータ20の構成を示す。ルータ20は、トラフィック状況管理部80、トラフィック状況挿入部82、送信先設定部84、ルーティングテーブル記憶部86、信号判断部88およびネットワークインタフェース部90を備える。ネットワークインタフェース部90は、送信部92および受信部94を有する。トラフィック状況管理部80は、自身が接続するIPネットワーク12のトラフィック状況を管理し、所定の周期でトラフィック状況を監視している。
【0024】
受信部94が、他のルータ20または通信端末装置10aからの信号を受信する。信号判断部88は、この信号が、通信状態を確認するための接続設定情報であるか否かを判断する。接続設定情報である場合、信号判断部88は、それをトラフィック状況挿入部82に送る。トラフィック状況挿入部82は、トラフィック状況管理部80からトラフィック状況を受け取り、接続設定情報に挿入する。
挿入するトラフィック状況を示すデータは、接続するIPネットワーク12の通信状態を示すものであればよく、データの形式または内容について限定するものではない。例えば、挿入するトラフィック状況を示すデータは、そのときのIPネットワーク12のトラフィック状況に基づいて通信端末装置10aに対して割り当てることのできる帯域であってもよいし、プロトコルで予めトラフィック状況を複数のレベルに分割して設定している場合には、トラフィック状況の該当するレベルであってもよい。以下では、理解を容易にするために、トラフィック状況を示すデータが、トラフィック状況から求められるデータ伝送のビットレートである場合を例にとる。データ伝送のビットレートは、通信状態が良好であれば高く設定され、通信状態が悪ければ低く設定されることになる。
【0025】
送信先設定部84は、ルーティングテーブル記憶部86に格納されたルーティングテーブルから、次の送信先を設定し、送信部92に伝達する。送信部92は、トラフィック状況を挿入した接続設定情報を、送信先設定部84により設定された送信先に送信する。
【0026】
上記のルータ20における処理は、通信端末装置10aから通信端末装置10bに到達するまでに介在するルータ20のそれぞれにより実行される。したがって、通信端末装置10bに到達した接続設定情報には、複数のルータ20により挿入されたトラフィック状況が含まれることになる。
【0027】
図2に戻って、通信端末装置10bは、解析部50、符号化方式設定部52、応答情報生成部54、復号化部56、データ蓄積部58およびネットワークインタフェース部60を備える。ネットワークインタフェース部60は、受信部62および送信部64を有する。受信部62が、ネットワーク14において複数のネットワークノード装置によりトラフィック状況が挿入された接続設定情報を受信する。
【0028】
解析部50は、受信した接続設定情報を受け取り、複数のネットワークノード装置により挿入されたトラフィック状況を解析する。実施の形態では、トラフィック状況として、各ネットワークノード装置においてデータ伝送可能なビットレートが挿入されており、解析部50は、挿入されたビットレートを接続設定情報からそれぞれ抽出する。ネットワーク14全体の通信速度は、最も通信状態の悪いIPネットワーク12によって制約を受けることから、解析部50は、抽出したトラフィック状況から、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況を取り出す。上記の例では、最も低い伝送ビットレートを挿入したネットワークノード装置が、最も悪い通信状態にあることを意味する。
【0029】
符号化方式設定部52は、接続設定情報に含まれるトラフィック状況をもとに、通信元の通信端末装置10aから送信されるデータの符号化方式を設定する。
具体的には、符号化方式設定部52は、解析部50による解析結果、すなわち接続設定情報に含まれるトラフィック状況のうち、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況をもとに符号化方式を設定する。符号化方式設定部52は、取り出された最低の伝送ビットレートを最大限活用できる符号化方式を設定してもよい。
【0030】
図4は、複数の音声符号化方式のビットレートおよび音声帯域幅を示す。音声帯域幅の設定値は、4kHzが電話、7kHzがラジオ、15kHzがCDレベルで再生するときに必要な周波数帯域を示す。図4に示すように、音声符号化方式はビットレートと相関を有するため、伝送可能なビットレートに応じて音声符号化方式の選択に制約が生じる。例えば、通信元から通信先に送信するデータが音声データであり、最も通信状態の悪い経路の伝送ビットレートが12kbpsであるとき、符号化方式設定部52は、G.729を、12kbpsを最大限活用できる符号化方式として設定してもよい。なお、符号化方式設定部52が、12kbps以下のビットレートで対応できる他の符号化方式を選択してもよいことは言うまでもない。
【0031】
図5(a)は、複数の画像符号化方式のビットレートを示す。画像符号化方式では、解像度およびフレームレートの他、符号化時のオプション設定によってもビットレートが変わってくる。図5(b)は、H.263において定義される画像フォーマットのレベルの解像度、フレームレートおよびビットレートを示す。
【0032】
図5(a)および(b)に示すように、音声符号化方式と同様に、画像符号化方式もビットレートと相関を有するため、伝送可能なビットレートに応じて画像符号化方式の選択に制約が生じる。通信元から通信先に画像データを送信する場合、最も通信状態の悪い経路の伝送ビットレートが1Mbpsであるとき、符号化方式設定部52は、H.261を、1Mbpsを最大限活用できる符号化方式として設定してもよい。符号化方式設定部52が、1Mbps以下のビットレートで対応できる他の符号化方式を選択してもよいことは言うまでもない。なお通信元から音声データおよび画像データが送信される場合、符号化方式設定部52は、両方のデータの伝送が可能な符号化方式をそれぞれ設定する。
【0033】
上記のように符号化方式設定部52は、トラフィック状況に基づいて、通信元から送信されるデータの符号化方式を設定することができる。さらに符号化方式設定部52は、特に送信されるデータが画像データである場合に、その解像度やフレームレートなどを考慮して、符号化方式を設定することが好ましい。
【0034】
この場合、符号化方式設定部52は、接続設定情報に含まれるデータ情報を抽出する。既述のごとく、データ情報には、通信元の通信端末装置10aにおいて格納されている画像データのフレームレート、解像度や階調などの画像情報が含まれ、さらに、画像データの符号化条件、すなわちフレームレート、解像度や階調に関して許容される下限値が含まれている。
【0035】
伝送ビットレートを最大限活用する符号化方式を用いて画像データ伝送できる場合には、符号化方式設定部52は、既述のごとく、その符号化方式を採用すればよい。一方、通信元の画像データの容量が大きく、その符号化方式では画像データを伝送できない場合には、符号化方式を変更するか、または画像データのフレームレートなどを下げる必要がある。後者を選択する場合、符号化方式設定部52は、データ情報に組み込まれた下限値に基づき、フレームレート、解像度、階調などのレベルや値を落とした符号化を設定する。この設定した情報を符号化情報と呼ぶ。符号化方式設定部52は、どの要素のレベルや値を下げるかを定め、例えば、視覚的な影響が少ないと思われる階調レベルを下げることを定めてもよい。符号化方式設定部52は、下限値を下回らない範囲で各要素のレベルや値を下げることができ、それぞれの要素に対して設定したレベルや値を含めた符号化情報を生成する。なお、全ての要素を下限値まで落としても、伝送ビットレートが低すぎて、データの伝送ができない場合には、通信をあきらめるか、または通信状態の回復を待つことになる。
【0036】
トラフィック状況および画像データの符号化条件に基づいて設定した符号化方式は、応答情報生成部54に伝達される。応答情報生成部54は、設定した符号化方式を含めた応答情報を生成し、送信部64が、ネットワーク14を介して、応答情報を通信元である通信端末装置10aに送信する。
【0037】
通信端末装置10aにおいて、受信部44が応答情報を受信し、符号化方式決定部38に伝達する。符号化方式決定部38は、この応答情報を受けて符号化方式を決定する。符号化部36は、符号化方式決定部38で決定した符号化方式を受け取り、その符号化方式で、データ格納部34に格納されているデータを符号化する。送信部42は、符号化したデータを送信し、通信先の通信端末装置10bの受信部62が、符号化データを受信する。データ蓄積部58は、符号化データを蓄積し、復号化部56は、決定した符号化方式に対応する復号化方式により、符号化されたデータを復号する。
【0038】
上記の例では、データ格納部34に符号化されるべき元データが格納されているが、別の例では、データ格納部34が、予め複数の符号化方式で符号化したデータを格納しておいてもよい。その場合には、符号化方式決定部38が通信先からの応答情報をもとに符号化方式を決定すると、その符号化方式で符号化されたデータをデータ格納部34から読み出して、送信部42から通信先に送信してもよい。
【0039】
なお、通信端末装置10bの符号化方式設定部52において設定された符号化方式に、通信端末装置10a側の符号化部36が対応していない場合、符号化方式決定部38は、符号化方式を決定できない。このときは、接続設定情報生成部30が、符号化方式が未決定であることに関する情報、例えば設定された符号化方式に通信端末装置10a側が対応していないことを示す情報を含んだ接続設定情報を再生成し、送信部42が、再生成された接続設定情報を再送信する。これにより、再度、符号化方式の設定処理を行い、符号化方式を決定していくことが可能となる。
【0040】
なお、この符号化方式の設定処理は、データの伝送前に行われるが、さらにデータの伝送中においても所定の周期で行われることが望ましい。ネットワーク14の通信状態は刻一刻と変わるため、その通信状態に応じて符号化方式などを適宜変更することにより、安定した通信を行うことが可能となる。
【0041】
図6は、通信端末装置10aと通信端末装置10bとの間で符号化方式を決定する処理のシーケンス図を示す。まず、通信端末装置10aが、データ情報を含んだ接続設定情報を生成し(S10)、ネットワーク14に送信する(S12)。ルータ20aは接続設定情報を受け取り、自身のトラフィック状況を接続設定情報に挿入する(S14)。ルータ20aは、ルーティングテーブルに基づいて接続設定情報を別のルータ20に送信する(S16)。以後、接続設定情報には、ルートに介在する複数のルータ20によりトラフィック状況が順次挿入されていく。最後に、ルータ20dが接続設定情報を受け取り、トラフィック状況を接続設定情報に挿入して(S18)、接続設定情報を通信端末装置10bに送信する(S20)。
【0042】
通信端末装置10bは、データ情報と、複数のルータ20によりトラフィック状況を挿入された接続設定情報をもとに、符号化方式を設定する(S22)。通信端末装置10bは、設定した符号化方式を含んだ応答情報を生成し、ネットワーク14を介して通信端末装置10aに送信する(S24、S26、S28)。
通信端末装置10aは、応答情報に含まれる符号化方式をもとに、送信すべきデータを符号化する。以上の処理により、通信状態および送信すべきデータに応じた符号化を行うことができ、効率的なデータ伝送を実現することが可能となる。
【0043】
<第2の実施の形態>
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る通信システム1を示す。ルータ20間のIPネットワーク12については図示を省略する。通信端末装置10aと通信端末装置10bの間の通信は、ネットワーク14上の複数のルータ20により経路を順次設定されることにより行われる。
【0044】
第2の実施の形態では、接続設定情報が、ネットワーク14上の複数の経路により通信端末装置10bに送信される。この例では、通信端末装置10aから送信された接続設定情報が、ルータ20a、20bを経由して、3つの経路、すなわちルータ20e、20fを通る経路、ルータ20g、20hを通る経路、ルータ20i、20jを通る経路に分岐し、ルータ20dから通信端末装置10bにて受信される。このようにルータ20bは、接続設定情報を複数のルータ20e、20g、20iに送信する。これにより、通信端末装置10bは、複数のルートを経由した接続設定情報を取得することができ、複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況に基づいて、最も通信状態の良好なデータ伝送用のルートを設定することが可能となる。
【0045】
図3に戻って、第2の実施の形態におけるルータ20bがもつルーティング機能について説明する。ルーティングテーブル記憶部86に格納されたルーティングテーブルには、送信先となる複数のルータが記録されている。信号判断部88が、受信部94において受信した信号が接続設定情報であることを判断すると、送信先設定部84が、その判断を受けて、ルーティングテーブルから複数の送信先を設定する。図7の例では、ルータ20bが、ルーティングテーブルから、送信先となるルータ20e、20g、20iを設定することになる。送信部92は、設定された複数の送信先を送信先設定部84から受け取り、トラフィック状況を挿入した接続設定情報を、複数の送信先に送信する。以上のルーティング処理により、1つのルータ20bから複数のルータ20e、20g、20iに接続設定情報を送信することが可能となる。
【0046】
なお、ネットワーク14上の全てのネットワークノード装置が複数のネットワークノード装置に接続設定情報を送信すると、接続設定情報の通るルートが鼠算的に増えることになり、ネットワーク14上の他の通信を圧迫することになる。したがって、全てのネットワークノード装置が、複数の送信先へのルーティング機能をもつ必要は必ずしもなく、信号を中継する可能性の高いネットワークノード装置のみに、このルーティング機能をもたせてもよい。また、全てのネットワークノード装置がこのルーティング機能をもつ場合には、複数の送信先に信号を送信する際、その信号に所定のフラグをたてることとし、他のネットワークノード装置は、そのフラグを検出すると、複数の送信先へのルーティング機能を実施しないようにしてもよい。
【0047】
図8は、通信先の通信端末装置10bの構成の変形例を示す。通信端末装置10bは、図2に関して説明した解析部50、符号化方式設定部52、応答情報生成部54、復号化部56、データ蓄積部58およびネットワークインタフェース部60と、さらにルート設定部66を備える。ネットワークインタフェース部60は、受信部62および送信部64を有する。図2に示す構成と同一の符号を付した構成は、図2に示す構成と同一または同様の機能および動作を実現する。
【0048】
受信部62が、複数のルートにより到達した複数の接続設定情報を受け取り、解析部50に伝達する。解析部50は、複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況から、それぞれの接続設定情報において最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況を抽出する。続いて、解析部50は、取り出した複数のトラフィック状況を比較し、通信状態の最も良好なものを選択する。
【0049】
ルート設定部66は、複数のルートにより到達した複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況に基づいて、データ伝送用のルートを設定する。具体的には、解析部50が複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況から、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況をそれぞれ抽出し、続いて、抽出したトラフィック状況の中から最も通信状態の良好なものを選択した結果を受けて、ルート設定部66が、データ伝送用のルートを設定する。つまり、ルート設定部66は、複数のルートを通った接続設定情報の解析結果から、通信状態の最も良好なルートを、以後のデータ伝送用のルートとして設定する。ルート設定部66は、ルート設定情報を応答情報生成部54に伝達する。応答情報生成部54は、データ伝送用のルートを設定するためのルート設定情報を含んだ応答情報を生成し、送信部64が、応答情報を通信端末装置10aに送信する。
【0050】
図3および図7を参照して、複数の送信先へのルーティング機能を実施したルータ20bの受信部94がこの応答情報を受信すると、信号判断部88が、応答情報であることを判断し、送信先設定部84に伝達する。送信先設定部84は、応答情報に含まれるルート設定情報に基づいて、データ伝送用のルートとして、送信先を1つのネットワークノード装置に決定し、決定した送信先をルーティングテーブルに書き込む。これにより、データ伝送時には、通信状態の良好なルートを利用することができ、通信端末装置10間で安定した通信を実現することが可能となる。このルート設定処理は、データ伝送前に行うことが好ましいが、例えば所定の周期でデータ伝送中に行ってもよい。通信状態が突然悪化した場合にも好適なルートを確保することができ、通信障害に強い通信システム1を実現することが可能となる。
【0051】
以上、本発明を複数の実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、通信端末装置間で画像データや音声データなどを効率的に授受することのできる通信技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】通信端末装置の構成を示す図である。
【図3】ネットワークノード装置の一例であるルータの構成を示す図である。
【図4】音声符号化方式のビットレートおよび音声帯域幅を示す図である。
【図5】(a)は画像符号化方式のビットレートを示す図であり、(b)はH.263において定義される画像フォーマットのレベルの解像度、フレームレートおよびビットレートを示す図である。
【図6】通信端末装置間で符号化方式を決定する処理のシーケンス図である。
【図7】第2の実施の形態に係る通信システムを示す図である。
【図8】通信端末装置の構成の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・通信システム、10・・・通信端末装置、12・・・IPネットワーク、14・・・ネットワーク、20・・・ルータ、30・・・接続設定情報生成部、32・・・データ情報生成部、34・・・データ格納部、36・・・符号化部、38・・・符号化方式決定部、40・・・ネットワークインタフェース部、42・・・送信部、44・・・受信部、50・・・解析部、52・・・符号化方式設定部、54・・・応答情報生成部、56・・・復号化部、58・・・データ蓄積部、60・・・ネットワークインタフェース部、62・・・受信部、64・・・送信部、66・・・ルート設定部、80・・・トラフィック状況管理部、82・・・トラフィック状況挿入部、84・・・送信先設定部、86・・・ルーティングテーブル記憶部、88・・・信号判断部、90・・・ネットワークインタフェース部、92・・・送信部、94・・・受信部。
【発明の属する技術分野】
本発明は通信技術に関し、とくにネットワークを介して通信端末装置間で通信を行う通信技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットが広く普及し、ネットワークのインフラの整備も進みつつある現在、通話音声信号を符号化したデータをパケット化し、インターネットなどのネットワークを介して送受信するIP(Internet Protocol)電話装置が注目を集めている。通話音声と同時にビデオ映像を送ることにより、ビデオ電話装置として利用することも可能であり、従来のアナログ電話装置に取って代わる次世代の電話装置として期待されている。このIP電話は、一般にインターネット電話と呼ばれることもある。例えば、IPネットワーク上で音声通信を行う際の音声コーデックを設定する方法として、発信の際に発呼者が希望する音声コーデックを使用して、音声変換装置により音声信号をパケット信号に変換する技術が提案されている(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−37683号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通信端末装置間で画像データや音声データなどを授受するにあたり、データ送信前にデータの符号化方式を決定する必要がある。送信側の通信端末装置において予め符号化方式を設定しておいてもよいが、受信側の復号器がその符号化方式に対応していなければ、符号化データを復号することができず、またネットワークの通信状態によっては、設定された符号化方式がデータ送信に効率的でない場合も生じうる。特許文献1のように発呼者が音声コーデックを指定することは、符号化方式を決定する一つの方法であるが、上記したような受信側の復号器やネットワークの通信状態の問題に十分に対応しているとは言えない。
【0005】
本発明は、そうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信端末装置間で画像データや音声データなどを効率的に授受することのできる通信技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、通信端末装置に関する。この態様の通信端末装置は、通信先に到達するまでにネットワーク上に介在するネットワークノード装置によりトラフィック状況を挿入される接続設定情報を生成する接続設定情報生成部と、接続設定情報を通信先に送信する送信部と、通信先が接続設定情報に基づいて生成した応答情報を受信する受信部と、応答情報に基づいて通信先に送信すべきデータの符号化方式を決定する決定部とを備える。この態様の通信端末装置によると、トラフィック状況が挿入された接続設定情報に基づいて通信先で生成された応答情報をもとに符号化方式を決定するため、通信状態に即したデータ伝送を実現することが可能となる。
【0007】
接続設定情報生成部は、送信すべきデータのデータ情報を接続設定情報に含めてもよい。また接続設定情報生成部は、送信すべきデータの符号化条件を接続設定情報に含めてもよい。さらに、接続設定情報生成部は、決定部において符号化方式を決定できない場合に、符号化方式が未決定であることに関する情報を含んだ接続設定情報を再生成してもよい。
【0008】
本発明の別の態様は、通信端末装置に関する。この態様の通信端末装置は、通信元から送信され、ネットワークノード装置によりトラフィック状況が挿入された接続設定情報を受信する受信部と、接続設定情報に基づいて、通信元から送信されるデータの符号化方式を設定する符号化方式設定部と、設定した符号化方式を含めた応答情報を生成する応答情報生成部と、応答情報を通信元に送信する送信部とを備える。この態様の通信端末装置によると、トラフィック状況が挿入された接続設定情報をもとにデータの符号化方式を設定するため、通信状態に即したデータ伝送を実現することが可能となる。
【0009】
符号化方式設定部は、接続設定情報に含まれるトラフィック状況をもとに、符号化方式を設定してもよい。また符号化方式設定部は、接続設定情報に含まれるトラフィック状況のうち、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況をもとに、符号化方式を設定してもよい。
【0010】
通信端末装置は、複数のネットワークノード装置を経由するルートを設定するルート設定部をさらに備えてもよく、ルート設定部は、複数のルートにより到達した複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況に基づいて、データ伝送用のルートを設定してもよい。ルート設定部は、複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況から、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況をそれぞれ抽出し、抽出したトラフィック状況の中から最も通信状態の良いものを選択した結果を受けて、データ伝送用のルートを設定してもよい。
【0011】
接続設定情報が、通信元から送信されるデータのデータ情報を含んでいる場合に、符号化方式設定部は、データ情報をもとに、符号化方式を設定してもよい。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、ネットワーク上に配置されるネットワークノード装置に関する。この態様のネットワークノード装置は、他のネットワークノード装置または通信端末装置からの信号を受信する受信部と、受信した信号が、通信状態を確認するための接続設定情報であるか否かを判断する判断部と、受信した信号が接続設定情報である場合に、自身のトラフィック状況を接続設定情報に挿入する挿入部と、自身のトラフィック状況を挿入した接続設定情報を送信する送信部とを備える。
【0013】
ネットワークノード装置は、受信部において受信した信号が接続設定情報である場合に、送信先に複数のネットワークノード装置を設定する送信先設定部をさらに備え、送信部は、送信先設定部により設定された複数の送信先に、自身のトラフィック状況を挿入した接続設定情報を送信してもよい。受信部が、他のネットワークノード装置または通信端末装置からデータ伝送用のルートを設定するためのルート設定情報を受けると、送信先設定部が、ルート設定情報に基づいてデータ伝送用の送信先を1つに決定してもよい。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システム1の全体構成を示す。通信システム1において、複数の通信端末装置10aおよび10b(以下、総称する場合は「通信端末装置10」と呼ぶ)が、複数のIP(Internet Protocol)ネットワーク12aおよび12e(以下、総称する場合は「IPネットワーク12」と呼ぶ)と、複数のネットワークノード装置、この例ではIPネットワーク12間を接続する複数のルータ20aおよび20d(以下、総称する場合には「ルータ20」と呼ぶ)を介して接続される。IPネットワーク12は、インターネットやイントラネットなどのインターネットプロトコル上で通信を可能とするネットワークである。実施の形態では、ネットワークノード装置の一例としてルータ20を示すが、ネットワークノード装置は、ルーティングを行うマルチレイヤスイッチなどの各種スイッチ装置であってもよい。
【0016】
実施の形態では、複数の通信端末装置10が、複数のIPネットワーク12およびルータ20などのネットワークノード装置により構成されるWAN(Wide Area Network:広域通信網)などのネットワーク14に接続され、通信端末装置10同士の間で音声データや画像データなどの授受を行う。通信端末装置10は、PC(パーソナルコンピュータ)や、携帯電話などの無線端末であってもよく、またコンテンツのストリーミング配信を行うサーバであってもよい。さらに、通信端末装置10は、IP電話機能を備えた機器であってもよい。このように、通信端末装置10は、ネットワーク14に接続して、他の通信端末装置10との間で音声や画像などのデータを送受信する機能を有していればよく、その形状や形態は問わない。
【0017】
図2は、通信端末装置10の構成を示す。図1を参照して、実施の形態では、通信元となる通信端末装置10aと、通信先となる通信端末装置10bとの間で通信を行う場合を例にとる。そのため図2では、通信端末装置10aの通信元としての機能ブロックと、通信端末装置10bの通信先としての機能ブロックとを示すが、通信端末装置10aおよび10bのそれぞれが、両者の機能すなわち通信元および通信先としての機能を備えてもよい。以下では、通信端末装置10aから音声データや画像データを含んだデータを通信端末装置10bに送信するために、通信端末装置10aと通信端末装置10bとの間でデータの符号化方式を決定する方法を示す。
【0018】
通信端末装置10は、ハードウエアコンポーネントでいえば、コンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
通信元となる通信端末装置10aは、接続設定情報生成部30、データ情報生成部32、データ格納部34、符号化部36、符号化方式決定部38、ネットワークインタフェース部40を備える。ネットワークインタフェース部40は、送信部42および受信部44を含む。データ格納部34は、音声データや画像データなど、通信先の通信端末装置10bに送信すべきデータを格納する。
【0020】
接続設定情報生成部30は、通信先となる通信端末装置10bとの間で接続を確立するための呼設定メッセージや、データ伝送中に、符号化方式を見直すべく通信端末装置10bに適切な符号化方式を選択させるためのコマンドなどを含んだ接続設定情報を生成する。すなわち、接続設定情報生成部30は、通信先との間で、通信接続や符号化方式などに関して通信状態を確認するための接続設定情報を生成する。後述するが、接続設定情報が通信先に送信される際、ネットワーク14上に介在する複数のネットワークノード装置が、接続設定情報に自身のトラフィック状況をそれぞれ挿入していく。そのため接続設定情報は、ネットワークノード装置、例えばルータ20によるトラフィック状況の挿入を可能とするようなデータフォーマットおよびデータ構造を有するように構成される。
【0021】
データ情報生成部32は、データ格納部34に格納されたデータに関するデータ情報、例えば送信すべきデータの仕様や、符号化の条件などに関する情報を生成する。例えば、通信先に送信するデータが画像データである場合には、データ格納部34に格納されている画像データの仕様、具体的にはフレームレート、解像度や階調などの画像情報を含んだデータ情報を生成する。また、データ情報生成部32は、画像データの符号化条件を設定して、データ情報に組み込む。符号化条件は、元の画像データの仕様により定められ、データ送信時に例えばフレームレート、解像度や階調などのレベルや値を落とすことが可能か否かをフラグで表現したものであってよい。また、符号化条件は、フレームレート、解像度、階調などにつき、それぞれレベルや値を落とすことのできる下限を表現したものであってもよい。下限のレベルや値は、そのレベルや値までフレームレート、解像度および階調などを下げても、通信先の通信端末装置10bで再生した場合に、ユーザに過度の違和感を生じさせることのない程度に設定されることが好ましい。再生時に許容されるのであれば、例えば毎秒30フレーム数の画像データのフレームレートの下限を、毎秒15フレーム数に設定することができ、また24ビットでカラー表現される画像データの階調の下限を、15ビットのカラー表現に設定することができる。下限の設定は画像データに応じて行う必要があるため、画像データの仕様を把握することのできるデータ情報生成部32が、符号化条件としてこれらの下限を設定する。接続設定情報生成部30は、データ情報生成部32において設定されたデータ情報を受け取り、接続設定情報に含める。
【0022】
接続設定情報は、送信部42からネットワーク14を介して、通信先の通信端末装置10bに送信される。ネットワーク14において、通信端末装置10aから通信端末装置10bまでのルートに介在するネットワークノード装置が、自身のトラフィック状況を接続設定情報に挿入する。
【0023】
図3は、ネットワークノード装置の一例であるルータ20の構成を示す。ルータ20は、トラフィック状況管理部80、トラフィック状況挿入部82、送信先設定部84、ルーティングテーブル記憶部86、信号判断部88およびネットワークインタフェース部90を備える。ネットワークインタフェース部90は、送信部92および受信部94を有する。トラフィック状況管理部80は、自身が接続するIPネットワーク12のトラフィック状況を管理し、所定の周期でトラフィック状況を監視している。
【0024】
受信部94が、他のルータ20または通信端末装置10aからの信号を受信する。信号判断部88は、この信号が、通信状態を確認するための接続設定情報であるか否かを判断する。接続設定情報である場合、信号判断部88は、それをトラフィック状況挿入部82に送る。トラフィック状況挿入部82は、トラフィック状況管理部80からトラフィック状況を受け取り、接続設定情報に挿入する。
挿入するトラフィック状況を示すデータは、接続するIPネットワーク12の通信状態を示すものであればよく、データの形式または内容について限定するものではない。例えば、挿入するトラフィック状況を示すデータは、そのときのIPネットワーク12のトラフィック状況に基づいて通信端末装置10aに対して割り当てることのできる帯域であってもよいし、プロトコルで予めトラフィック状況を複数のレベルに分割して設定している場合には、トラフィック状況の該当するレベルであってもよい。以下では、理解を容易にするために、トラフィック状況を示すデータが、トラフィック状況から求められるデータ伝送のビットレートである場合を例にとる。データ伝送のビットレートは、通信状態が良好であれば高く設定され、通信状態が悪ければ低く設定されることになる。
【0025】
送信先設定部84は、ルーティングテーブル記憶部86に格納されたルーティングテーブルから、次の送信先を設定し、送信部92に伝達する。送信部92は、トラフィック状況を挿入した接続設定情報を、送信先設定部84により設定された送信先に送信する。
【0026】
上記のルータ20における処理は、通信端末装置10aから通信端末装置10bに到達するまでに介在するルータ20のそれぞれにより実行される。したがって、通信端末装置10bに到達した接続設定情報には、複数のルータ20により挿入されたトラフィック状況が含まれることになる。
【0027】
図2に戻って、通信端末装置10bは、解析部50、符号化方式設定部52、応答情報生成部54、復号化部56、データ蓄積部58およびネットワークインタフェース部60を備える。ネットワークインタフェース部60は、受信部62および送信部64を有する。受信部62が、ネットワーク14において複数のネットワークノード装置によりトラフィック状況が挿入された接続設定情報を受信する。
【0028】
解析部50は、受信した接続設定情報を受け取り、複数のネットワークノード装置により挿入されたトラフィック状況を解析する。実施の形態では、トラフィック状況として、各ネットワークノード装置においてデータ伝送可能なビットレートが挿入されており、解析部50は、挿入されたビットレートを接続設定情報からそれぞれ抽出する。ネットワーク14全体の通信速度は、最も通信状態の悪いIPネットワーク12によって制約を受けることから、解析部50は、抽出したトラフィック状況から、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況を取り出す。上記の例では、最も低い伝送ビットレートを挿入したネットワークノード装置が、最も悪い通信状態にあることを意味する。
【0029】
符号化方式設定部52は、接続設定情報に含まれるトラフィック状況をもとに、通信元の通信端末装置10aから送信されるデータの符号化方式を設定する。
具体的には、符号化方式設定部52は、解析部50による解析結果、すなわち接続設定情報に含まれるトラフィック状況のうち、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況をもとに符号化方式を設定する。符号化方式設定部52は、取り出された最低の伝送ビットレートを最大限活用できる符号化方式を設定してもよい。
【0030】
図4は、複数の音声符号化方式のビットレートおよび音声帯域幅を示す。音声帯域幅の設定値は、4kHzが電話、7kHzがラジオ、15kHzがCDレベルで再生するときに必要な周波数帯域を示す。図4に示すように、音声符号化方式はビットレートと相関を有するため、伝送可能なビットレートに応じて音声符号化方式の選択に制約が生じる。例えば、通信元から通信先に送信するデータが音声データであり、最も通信状態の悪い経路の伝送ビットレートが12kbpsであるとき、符号化方式設定部52は、G.729を、12kbpsを最大限活用できる符号化方式として設定してもよい。なお、符号化方式設定部52が、12kbps以下のビットレートで対応できる他の符号化方式を選択してもよいことは言うまでもない。
【0031】
図5(a)は、複数の画像符号化方式のビットレートを示す。画像符号化方式では、解像度およびフレームレートの他、符号化時のオプション設定によってもビットレートが変わってくる。図5(b)は、H.263において定義される画像フォーマットのレベルの解像度、フレームレートおよびビットレートを示す。
【0032】
図5(a)および(b)に示すように、音声符号化方式と同様に、画像符号化方式もビットレートと相関を有するため、伝送可能なビットレートに応じて画像符号化方式の選択に制約が生じる。通信元から通信先に画像データを送信する場合、最も通信状態の悪い経路の伝送ビットレートが1Mbpsであるとき、符号化方式設定部52は、H.261を、1Mbpsを最大限活用できる符号化方式として設定してもよい。符号化方式設定部52が、1Mbps以下のビットレートで対応できる他の符号化方式を選択してもよいことは言うまでもない。なお通信元から音声データおよび画像データが送信される場合、符号化方式設定部52は、両方のデータの伝送が可能な符号化方式をそれぞれ設定する。
【0033】
上記のように符号化方式設定部52は、トラフィック状況に基づいて、通信元から送信されるデータの符号化方式を設定することができる。さらに符号化方式設定部52は、特に送信されるデータが画像データである場合に、その解像度やフレームレートなどを考慮して、符号化方式を設定することが好ましい。
【0034】
この場合、符号化方式設定部52は、接続設定情報に含まれるデータ情報を抽出する。既述のごとく、データ情報には、通信元の通信端末装置10aにおいて格納されている画像データのフレームレート、解像度や階調などの画像情報が含まれ、さらに、画像データの符号化条件、すなわちフレームレート、解像度や階調に関して許容される下限値が含まれている。
【0035】
伝送ビットレートを最大限活用する符号化方式を用いて画像データ伝送できる場合には、符号化方式設定部52は、既述のごとく、その符号化方式を採用すればよい。一方、通信元の画像データの容量が大きく、その符号化方式では画像データを伝送できない場合には、符号化方式を変更するか、または画像データのフレームレートなどを下げる必要がある。後者を選択する場合、符号化方式設定部52は、データ情報に組み込まれた下限値に基づき、フレームレート、解像度、階調などのレベルや値を落とした符号化を設定する。この設定した情報を符号化情報と呼ぶ。符号化方式設定部52は、どの要素のレベルや値を下げるかを定め、例えば、視覚的な影響が少ないと思われる階調レベルを下げることを定めてもよい。符号化方式設定部52は、下限値を下回らない範囲で各要素のレベルや値を下げることができ、それぞれの要素に対して設定したレベルや値を含めた符号化情報を生成する。なお、全ての要素を下限値まで落としても、伝送ビットレートが低すぎて、データの伝送ができない場合には、通信をあきらめるか、または通信状態の回復を待つことになる。
【0036】
トラフィック状況および画像データの符号化条件に基づいて設定した符号化方式は、応答情報生成部54に伝達される。応答情報生成部54は、設定した符号化方式を含めた応答情報を生成し、送信部64が、ネットワーク14を介して、応答情報を通信元である通信端末装置10aに送信する。
【0037】
通信端末装置10aにおいて、受信部44が応答情報を受信し、符号化方式決定部38に伝達する。符号化方式決定部38は、この応答情報を受けて符号化方式を決定する。符号化部36は、符号化方式決定部38で決定した符号化方式を受け取り、その符号化方式で、データ格納部34に格納されているデータを符号化する。送信部42は、符号化したデータを送信し、通信先の通信端末装置10bの受信部62が、符号化データを受信する。データ蓄積部58は、符号化データを蓄積し、復号化部56は、決定した符号化方式に対応する復号化方式により、符号化されたデータを復号する。
【0038】
上記の例では、データ格納部34に符号化されるべき元データが格納されているが、別の例では、データ格納部34が、予め複数の符号化方式で符号化したデータを格納しておいてもよい。その場合には、符号化方式決定部38が通信先からの応答情報をもとに符号化方式を決定すると、その符号化方式で符号化されたデータをデータ格納部34から読み出して、送信部42から通信先に送信してもよい。
【0039】
なお、通信端末装置10bの符号化方式設定部52において設定された符号化方式に、通信端末装置10a側の符号化部36が対応していない場合、符号化方式決定部38は、符号化方式を決定できない。このときは、接続設定情報生成部30が、符号化方式が未決定であることに関する情報、例えば設定された符号化方式に通信端末装置10a側が対応していないことを示す情報を含んだ接続設定情報を再生成し、送信部42が、再生成された接続設定情報を再送信する。これにより、再度、符号化方式の設定処理を行い、符号化方式を決定していくことが可能となる。
【0040】
なお、この符号化方式の設定処理は、データの伝送前に行われるが、さらにデータの伝送中においても所定の周期で行われることが望ましい。ネットワーク14の通信状態は刻一刻と変わるため、その通信状態に応じて符号化方式などを適宜変更することにより、安定した通信を行うことが可能となる。
【0041】
図6は、通信端末装置10aと通信端末装置10bとの間で符号化方式を決定する処理のシーケンス図を示す。まず、通信端末装置10aが、データ情報を含んだ接続設定情報を生成し(S10)、ネットワーク14に送信する(S12)。ルータ20aは接続設定情報を受け取り、自身のトラフィック状況を接続設定情報に挿入する(S14)。ルータ20aは、ルーティングテーブルに基づいて接続設定情報を別のルータ20に送信する(S16)。以後、接続設定情報には、ルートに介在する複数のルータ20によりトラフィック状況が順次挿入されていく。最後に、ルータ20dが接続設定情報を受け取り、トラフィック状況を接続設定情報に挿入して(S18)、接続設定情報を通信端末装置10bに送信する(S20)。
【0042】
通信端末装置10bは、データ情報と、複数のルータ20によりトラフィック状況を挿入された接続設定情報をもとに、符号化方式を設定する(S22)。通信端末装置10bは、設定した符号化方式を含んだ応答情報を生成し、ネットワーク14を介して通信端末装置10aに送信する(S24、S26、S28)。
通信端末装置10aは、応答情報に含まれる符号化方式をもとに、送信すべきデータを符号化する。以上の処理により、通信状態および送信すべきデータに応じた符号化を行うことができ、効率的なデータ伝送を実現することが可能となる。
【0043】
<第2の実施の形態>
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る通信システム1を示す。ルータ20間のIPネットワーク12については図示を省略する。通信端末装置10aと通信端末装置10bの間の通信は、ネットワーク14上の複数のルータ20により経路を順次設定されることにより行われる。
【0044】
第2の実施の形態では、接続設定情報が、ネットワーク14上の複数の経路により通信端末装置10bに送信される。この例では、通信端末装置10aから送信された接続設定情報が、ルータ20a、20bを経由して、3つの経路、すなわちルータ20e、20fを通る経路、ルータ20g、20hを通る経路、ルータ20i、20jを通る経路に分岐し、ルータ20dから通信端末装置10bにて受信される。このようにルータ20bは、接続設定情報を複数のルータ20e、20g、20iに送信する。これにより、通信端末装置10bは、複数のルートを経由した接続設定情報を取得することができ、複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況に基づいて、最も通信状態の良好なデータ伝送用のルートを設定することが可能となる。
【0045】
図3に戻って、第2の実施の形態におけるルータ20bがもつルーティング機能について説明する。ルーティングテーブル記憶部86に格納されたルーティングテーブルには、送信先となる複数のルータが記録されている。信号判断部88が、受信部94において受信した信号が接続設定情報であることを判断すると、送信先設定部84が、その判断を受けて、ルーティングテーブルから複数の送信先を設定する。図7の例では、ルータ20bが、ルーティングテーブルから、送信先となるルータ20e、20g、20iを設定することになる。送信部92は、設定された複数の送信先を送信先設定部84から受け取り、トラフィック状況を挿入した接続設定情報を、複数の送信先に送信する。以上のルーティング処理により、1つのルータ20bから複数のルータ20e、20g、20iに接続設定情報を送信することが可能となる。
【0046】
なお、ネットワーク14上の全てのネットワークノード装置が複数のネットワークノード装置に接続設定情報を送信すると、接続設定情報の通るルートが鼠算的に増えることになり、ネットワーク14上の他の通信を圧迫することになる。したがって、全てのネットワークノード装置が、複数の送信先へのルーティング機能をもつ必要は必ずしもなく、信号を中継する可能性の高いネットワークノード装置のみに、このルーティング機能をもたせてもよい。また、全てのネットワークノード装置がこのルーティング機能をもつ場合には、複数の送信先に信号を送信する際、その信号に所定のフラグをたてることとし、他のネットワークノード装置は、そのフラグを検出すると、複数の送信先へのルーティング機能を実施しないようにしてもよい。
【0047】
図8は、通信先の通信端末装置10bの構成の変形例を示す。通信端末装置10bは、図2に関して説明した解析部50、符号化方式設定部52、応答情報生成部54、復号化部56、データ蓄積部58およびネットワークインタフェース部60と、さらにルート設定部66を備える。ネットワークインタフェース部60は、受信部62および送信部64を有する。図2に示す構成と同一の符号を付した構成は、図2に示す構成と同一または同様の機能および動作を実現する。
【0048】
受信部62が、複数のルートにより到達した複数の接続設定情報を受け取り、解析部50に伝達する。解析部50は、複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況から、それぞれの接続設定情報において最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況を抽出する。続いて、解析部50は、取り出した複数のトラフィック状況を比較し、通信状態の最も良好なものを選択する。
【0049】
ルート設定部66は、複数のルートにより到達した複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況に基づいて、データ伝送用のルートを設定する。具体的には、解析部50が複数の接続設定情報に含まれるトラフィック状況から、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況をそれぞれ抽出し、続いて、抽出したトラフィック状況の中から最も通信状態の良好なものを選択した結果を受けて、ルート設定部66が、データ伝送用のルートを設定する。つまり、ルート設定部66は、複数のルートを通った接続設定情報の解析結果から、通信状態の最も良好なルートを、以後のデータ伝送用のルートとして設定する。ルート設定部66は、ルート設定情報を応答情報生成部54に伝達する。応答情報生成部54は、データ伝送用のルートを設定するためのルート設定情報を含んだ応答情報を生成し、送信部64が、応答情報を通信端末装置10aに送信する。
【0050】
図3および図7を参照して、複数の送信先へのルーティング機能を実施したルータ20bの受信部94がこの応答情報を受信すると、信号判断部88が、応答情報であることを判断し、送信先設定部84に伝達する。送信先設定部84は、応答情報に含まれるルート設定情報に基づいて、データ伝送用のルートとして、送信先を1つのネットワークノード装置に決定し、決定した送信先をルーティングテーブルに書き込む。これにより、データ伝送時には、通信状態の良好なルートを利用することができ、通信端末装置10間で安定した通信を実現することが可能となる。このルート設定処理は、データ伝送前に行うことが好ましいが、例えば所定の周期でデータ伝送中に行ってもよい。通信状態が突然悪化した場合にも好適なルートを確保することができ、通信障害に強い通信システム1を実現することが可能となる。
【0051】
以上、本発明を複数の実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、通信端末装置間で画像データや音声データなどを効率的に授受することのできる通信技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】通信端末装置の構成を示す図である。
【図3】ネットワークノード装置の一例であるルータの構成を示す図である。
【図4】音声符号化方式のビットレートおよび音声帯域幅を示す図である。
【図5】(a)は画像符号化方式のビットレートを示す図であり、(b)はH.263において定義される画像フォーマットのレベルの解像度、フレームレートおよびビットレートを示す図である。
【図6】通信端末装置間で符号化方式を決定する処理のシーケンス図である。
【図7】第2の実施の形態に係る通信システムを示す図である。
【図8】通信端末装置の構成の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・通信システム、10・・・通信端末装置、12・・・IPネットワーク、14・・・ネットワーク、20・・・ルータ、30・・・接続設定情報生成部、32・・・データ情報生成部、34・・・データ格納部、36・・・符号化部、38・・・符号化方式決定部、40・・・ネットワークインタフェース部、42・・・送信部、44・・・受信部、50・・・解析部、52・・・符号化方式設定部、54・・・応答情報生成部、56・・・復号化部、58・・・データ蓄積部、60・・・ネットワークインタフェース部、62・・・受信部、64・・・送信部、66・・・ルート設定部、80・・・トラフィック状況管理部、82・・・トラフィック状況挿入部、84・・・送信先設定部、86・・・ルーティングテーブル記憶部、88・・・信号判断部、90・・・ネットワークインタフェース部、92・・・送信部、94・・・受信部。
Claims (10)
- 通信先に到達するまでにネットワーク上に介在するネットワークノード装置によりトラフィック状況を挿入される接続設定情報を生成する接続設定情報生成部と、
前記接続設定情報を通信先に送信する送信部と、
通信先が前記接続設定情報に基づいて生成した応答情報を受信する受信部と、前記応答情報に基づいて通信先に送信すべきデータの符号化方式を決定する決定部と、を備えることを特徴とする通信端末装置。 - 前記接続設定情報生成部は、送信すべきデータのデータ情報を前記接続設定情報に含めることを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
- 前記接続設定情報生成部は、送信すべきデータの符号化条件を前記接続設定情報に含めることを特徴とする請求項1または2に記載の通信端末装置。
- 通信元から送信され、ネットワークノード装置によりトラフィック状況が挿入された接続設定情報を受信する受信部と、
前記接続設定情報に基づいて、通信元から送信されるデータの符号化方式を設定する符号化方式設定部と、
設定した符号化方式を含めた応答情報を生成する応答情報生成部と、
前記応答情報を通信元に送信する送信部と、を備えることを特徴とする通信端末装置。 - 前記符号化方式設定部は、前記接続設定情報に含まれるトラフィック状況をもとに、符号化方式を設定することを特徴とする請求項4に記載の通信端末装置。
- 前記符号化方式設定部は、前記接続設定情報に含まれるトラフィック状況のうち、最も通信状態が悪いことを示すトラフィック状況をもとに、符号化方式を設定することを特徴とする請求項5に記載の通信端末装置。
- 複数のネットワークノード装置を経由するルートを設定するルート設定部をさらに備え、
前記ルート設定部は、複数のルートにより到達した複数の前記接続設定情報に含まれるトラフィック状況に基づいて、データ伝送用のルートを設定することを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の通信端末装置。 - 前記接続設定情報が、通信元から送信されるデータのデータ情報を含んでおり、
前記符号化方式設定部は、前記データ情報をもとに、符号化方式を設定することを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の通信端末装置。 - ネットワーク上に配置されるネットワークノード装置であって、
他のネットワークノード装置または通信端末装置からの信号を受信する受信部と、
受信した信号が、通信状態を確認するための接続設定情報であるか否かを判断する判断部と、
受信した信号が接続設定情報である場合に、自身のトラフィック状況を前記接続設定情報に挿入する挿入部と、
自身のトラフィック状況を挿入した前記接続設定情報を送信する送信部と、を備えることを特徴とするネットワークノード装置。 - 前記受信部において受信した信号が接続設定情報である場合に、送信先に複数のネットワークノード装置を設定する送信先設定部をさらに備え、
前記送信部は、前記送信先設定部により設定された複数の送信先に、自身のトラフィック状況を挿入した前記接続設定情報を送信することを特徴とする請求項9に記載のネットワークノード装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003081411A JP2004288044A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 通信端末装置およびネットワークノード装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003081411A JP2004288044A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 通信端末装置およびネットワークノード装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004288044A true JP2004288044A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33294989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003081411A Pending JP2004288044A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 通信端末装置およびネットワークノード装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004288044A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011035565A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Casio Computer Co Ltd | サーバベース・コンピューティング・システムにおけるゲートウェイ装置、サーバ装置、帯域制御方法及びプログラム |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003081411A patent/JP2004288044A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011035565A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Casio Computer Co Ltd | サーバベース・コンピューティング・システムにおけるゲートウェイ装置、サーバ装置、帯域制御方法及びプログラム |
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