JP2004287921A - エネルギ提供手段の運用支援システム - Google Patents

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詳明 山崎
Makoto Yamaguchi
誠 山口
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泰基 久保田
Yusuke Nakajima
裕介 中島
Hiroshi Fujii
弘 藤井
Yoshiaki Maeda
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    • Y02P90/84Greenhouse gas [GHG] management systems

Abstract

【課題】必要とする量のエネルギを提供しつつ、その際に排出される環境負荷を低減させることができるエネルギ提供手段の運用支援システムを提供する。
【解決手段】エネルギ提供手段の運用支援システム20が、需要家が単位期間内に必要とするエネルギ需要量を予測するエネルギ需要量予測手段22と、予測される単位期間内のエネルギ需要量に基づいて所定期間内のエネルギ需要量を導出し、所定期間内のエネルギ需要量に対する単位期間内のエネルギ需要量の割合を所定期間内の環境負荷許容量に乗算して、単位期間内の環境負荷許容量を導出する環境負荷許容量導出手段23と、燃料の消費に伴い発生する単位期間内の環境負荷量が、単位期間内の環境負荷許容量を上回らないことを条件として、エネルギ提供手段の運用コストが最小になるような単位期間内の運用計画を行う運用計画作成手段21とを備える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は需要家が必要とするエネルギを提供するエネルギ提供手段の利用計画を立案する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エネルギの効率的な使用を促進するために「エネルギーの使用の合理化に関する法律」が制定されて運用されてきた。特に、地球温暖化の原因と指摘されている二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減することも要求される。例えば、エネルギ使用量が所定値以上の事業者は、そのエネルギ使用量に応じて第1種エネルギー管理指定工場と第2種エネルギー管理指定工場とに分類され、エネルギ消費原単位の年平均1%以上の低減を達成するという目標に向けて事業を行うことが要求される。
【0003】
従って、事業者が自身の二酸化炭素排出量の削減を目標にするためには、自身による二酸化炭素排出量を正確に知ることが必要となる。そのような二酸化炭素排出量算出方法としては、まず事業者の二酸化炭素排出に係わる少なくとも1つのエネルギの使用量又はそれに対応する量を計測し、上記エネルギ使用量又はそれに対応する量に基づいて二酸化炭素排出量を算出するような方法がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、ビル、工場などに設置される空調制御システムなどの各種エネルギ消費型システムについて、運用コストの低減、省エネルギ対策、地球環境の負荷低減を考慮した最適運転を実現するシステム運転監視制御装置についての提案が行われている(例えば、特許文献2を参照)。この装置は、例えば、エネルギ消費型システムから大気に排出される排出量(環境負荷量)を燃料の種類と消費量に基づいて予測して、その環境負荷量が軽減されるようなエネルギ消費型システムの最適運転を図っている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−183186号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2000−105603号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の方法では、事業者による過去の二酸化炭素排出量や将来の二酸化炭素排出量の予測値を算出するだけであるため、事業者が所有する機器をどのように運用すれば二酸化炭素排出量が削減されるのか、というような二酸化炭素を効果的に削減するための提案を行うことができなかった。また、単に二酸化炭素排出量を削減するだけでなく、その事業者に対する制約として設定される二酸化炭素の許容排出量内に、実際の二酸化炭素排出量を収めるための機器運用方法などを提案することもできない。
【0008】
また、上述の特許文献2に記載の装置では、結果として環境負荷の低減が図られているだけであり、規制値として許容されている環境負荷許容量を目標としたエネルギ消費型システムの運転は行われていない。具体的には、エネルギ消費型システムの運転計画を作成する際に、そのエネルギ消費型システムを運転したことによる環境負荷量を上記環境負荷許容量以下に収めようとするような運転計画の作成は行われていない。その結果、特許文献2に記載の装置を使用することで、エネルギ消費型システムを運転したことによる環境負荷量は少なくなると思われるものの、それが環境負荷許容量に対して多いか少ないかは不明である。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、需要家が必要とする量のエネルギを提供しつつ、その際に排出される環境負荷の低減を行うことができるエネルギ提供手段の運用支援システムを提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明に係る運用支援システムの特徴構成は、需要家が必要とする量のエネルギを提供する複数のエネルギ提供手段の運用計画を行うエネルギ提供手段の運用支援システムであって、前記需要家が単位期間内に必要とするエネルギ需要量を予測するエネルギ需要量予測手段と、所定期間内に前記需要家に対して許容される環境負荷許容量が存在する場合、前記エネルギ需要量予測手段によって予測される前記単位期間内のエネルギ需要量に基づいて前記所定期間内のエネルギ需要量を導出し、前記所定期間内のエネルギ需要量に対する前記単位期間内のエネルギ需要量の割合を前記環境負荷許容量に乗算して、前記単位期間内の環境負荷許容量を導出する環境負荷許容量導出手段と、前記エネルギ需要量を前記需要家に提供するために前記エネルギ提供手段が消費する燃料量から換算される、燃料の消費に伴い発生する前記単位期間内の環境負荷量が、前記単位期間内の環境負荷許容量を上回らないことを条件として、前記エネルギ提供手段の運用コストが最小になるような前記単位期間内の運用計画を行う運用計画作成手段とを備える点にある。
【0011】
上記特徴構成により、エネルギ提供手段をどのように組み合わせて運用すれば、需要家に対する環境負荷許容量の制約条件を満足させた上で、需要家が必要とするエネルギ需要量の提供を最小の運用コストで行うことができるのかを提示することができる運用支援システムを構成することができる。また、運用計画が行われる単位期間内の環境負荷許容量が、エネルギ需要量予測手段によって予測された上記単位期間内のエネルギ需要量に基づいて導出されるので、上記運用計画が実施された場合には、予め需要家に対して設定されている所定期間内の環境負荷許容量を上回らないようにすることができる。
【0012】
上記課題を解決するための本発明に係る運用支援システムの別の特徴構成は、需要家が必要とする量のエネルギを提供する複数のエネルギ提供手段の運用計画を行うエネルギ提供手段の運用支援システムであって、前記需要家が単位期間内に必要とするエネルギ需要量を予測するエネルギ需要量予測手段と、所定期間内に前記需要家に対して許容される運用コスト許容量が存在する場合、前記エネルギ需要量予測手段によって予測される前記単位期間内のエネルギ需要量に基づいて前記所定期間内のエネルギ需要量を導出し、前記所定期間内のエネルギ需要量に対する前記単位期間内のエネルギ需要量の割合を前記運用コスト許容量に乗算して、前記単位期間内の運用コスト許容量を導出する運用コスト許容量導出手段と、前記単位期間内の前記エネルギ提供手段の運用コストが前記単位期間内の運用コスト許容量を上回らないことを条件として、前記エネルギ需要量を前記需要家に提供するために前記エネルギ提供手段が消費する燃料量から換算される、燃料の消費に伴い発生する環境負荷量が最小になるような前記単位期間内の運用計画を行う運用計画作成手段とを備える点にある。
【0013】
上記特徴構成により、エネルギ提供手段をどのように組み合わせて運用すれば、需要家に対するエネルギ提供手段の運用コストの制約条件を満足させた上で、需要家が必要とするエネルギ需要量の提供を最小の環境負荷排出量で行うことができるのかを提示することができる運用支援システムを構成することができる。また、運用計画が行われる単位期間内の運用コスト許容量が、エネルギ需要量予測手段によって予測された上記単位期間内の運用コストに基づいて導出されるので、上記運用計画が実施された場合には、予め需要家に対して設定されている所定期間内の運用コスト許容量を上回らないようにすることができる。
【0014】
上記課題を解決するための本発明に係る運用支援システムの更に別の特徴構成は、前記運用コストが、前記エネルギ提供手段が消費する燃料量及び燃料単価から導出される点にある。
【0015】
上記特徴構成により、エネルギ提供手段の運用計画を作成する際に参照される運用コストが、消費する燃料量と燃料単価とから導出されるので、できるだけ消費する燃料量が少なく(つまり、燃料量から換算される環境負荷量及び燃料代が少なく)、且つできるだけ燃料単価が安い(つまり、運用コストが低い)ような運用計画が作成されるという利点がある。
【0016】
上記課題を解決するための本発明に係る運用支援システムの更に別の特徴構成は、前記運用コストが、前記環境負荷量に対する従量課金額を含む点にある。
【0017】
上記特徴構成により、エネルギ提供手段の運用計画を作成する際に参照される運用コストが、消費する燃料量から換算される環境負荷量に対する従量課金額を含んで導出されるので、できるだけ消費する燃料が少ない(つまり、燃料量から換算される環境負荷量及び燃料代が少ない)ような運用計画が作成されるという利点がある。
【0018】
上記課題を解決するための本発明に係る運用支援システムの更に別の特徴構成は、需要家が必要とする量のエネルギを提供する複数のエネルギ提供手段の運用計画を行うエネルギ提供手段の運用支援システムであって、前記需要家が単位期間内に必要とするエネルギ需要量を予測するエネルギ需要量予測手段と、前記エネルギ需要量を前記需要家に提供するために前記エネルギ提供手段が消費する燃料量及び燃料単価から導出される燃料コストと、前記エネルギ提供手段が消費する燃料量から換算される、燃料の消費に伴い発生する環境負荷量に対する従量課金額との合計から導出される前記エネルギ提供手段の運用コストが最小になるような運用計画を行う運用計画作成手段とを備える点にある。
【0019】
上記特徴構成により、エネルギ提供手段の運用コストを最小にすることが目的とされ、その運用コストには燃料コスト(燃料量と燃料単価の積)が含まれているため、できるだけ消費する燃料量が少なく(つまり、燃料量から換算される環境負荷量及び燃料代が少なく)、且つできるだけ燃料単価が安い(つまり、運用コストが低い)ような運用計画が作成されるという利点がある。更に、その運用コストにはエネルギ提供手段による燃料の消費に伴い発生する環境負荷量に対する従量課金額も含まれているため、結果として、発生する環境負荷量を少なくすることについても運用計画作成にあたっての目的の一つとなる。
【0020】
上記課題を解決するための本発明に係る運用支援システムの更に別の特徴構成は、前記エネルギ提供手段が消費する燃料量が、前記エネルギ提供手段の稼動特性を参照して導出される点にある。
【0021】
上記特徴構成により、エネルギ提供手段の運用計画を作成する際に参照されるエネルギ提供手段の消費燃料量が、エネルギ提供手段の稼動特性を参照して導出されるので、消費する燃料量が少ないといった稼動特性が参照されるので、できるだけ消費する燃料量が少ない(つまり、燃料量から換算される環境負荷量及び燃料代が少ない)ような運用計画が作成されるという利点がある。
【0022】
上記課題を解決するための本発明に係る運用支援システムの更に別の特徴構成は、前記運用計画が、前記需要家によって確認可能な形態及び前記エネルギ提供手段にとっての運用制御情報の形態の少なくとも一方の形態で出力される点にある。
【0023】
上記特徴構成により、上記運用計画が需要家によって確認可能な形態で出力された場合には、需要家はエネルギ提供手段を今後どのような運用計画に沿って運用させれば良いのかを確認することができ、上記運用計画が上記エネルギ提供手段にとっての運用制御情報の形態で出力された場合には、需要家が意識すること無しにエネルギ提供手段の適切な運用を行うことが出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】
様々な生産活動に必要な電力や熱の提供を受けるためには、石油やガスなどの燃料を消費して、電気エネルギや熱エネルギを発生させる必要がある。しかし、電気エネルギや熱エネルギを発生させると同時に、化学反応により発生する二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物などの廃棄物も同時に排出されることとなる。これらの廃棄物は、地球環境を悪化させる環境負荷となるため、それらの排出量を抑えることが要求されている。以下には、電気エネルギや熱エネルギを提供するために需要家側に設置されている複数のエネルギ提供手段をどのように組み合わせて運用すれば、環境負荷量の削減効果を享受することができるのかについての知見を得ることができるエネルギ提供手段の運用支援システムについて図面を参照して説明する。
【0025】
図1に例示するのは、本発明に係るエネルギ提供手段の運用支援システムを経由する情報の流れを説明する図である。
まず、需要家10のエネルギ需要量(電力需要量、熱需要量など)に関する情報を取得した運用支援システム20は、所望のエネルギ需要量を提供するために、需要家10が所有する又は使用可能な複数のエネルギ提供手段40の内、どのエネルギ提供手段40を組み合わせて運用するかを計画する。
【0026】
ここで、エネルギ提供手段40は、需要家10に対して電力供給や熱供給が可能に構成される商用受電手段、コジェネレーションシステム、吸収式冷凍機、電動ターボ冷凍機、ガスボイラ、オイルボイラなどであり、その運転を行うためにガス、灯油、軽油などの燃料を消費して、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物などの廃棄物(環境負荷)を排出する。また、運転を行うために上記燃料ではなく電力が消費される場合もあるが、その電力を発生させるためには例えばガスを燃料とする上記コジェネレーションシステムが使用されるため、同様に燃料の消費に伴う環境負荷の発生が起こる。更に、商用受電手段から受け取る電力は、水力発電所、火力発電所、原子力発電所などを有する電力会社(一般電気事業者)の各種発電設備で発電された電力や、種々の発電設備を有する他の電気事業者(特定規模電気事業者)で発電された電力であるのだが、その商用受電手段から電力を受け取る場合にも環境負荷の発生(例えば、火力発電所で燃料を燃焼させたことによる排出物の発生)が起こる。以上のように、需要家10に対して電気や熱などのエネルギを供給する場合、そのエネルギ供給量に応じた燃料の消費が行われ、その結果、燃料量に応じた環境負荷量が導出されることが分かる。
【0027】
ここで、燃料の消費に伴い発生する環境負荷は、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物などが代表的なものである。この中の二酸化炭素は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスと見なされている化合物であり、その排出量の削減が求められている。1以上のエネルギ提供手段をどのように組み合わせて運用するかによって環境負荷の排出量も大きく変わってくるのだが、その運用支援システムについて以下に説明する。尚、以下の実施形態では環境負荷として二酸化炭素を例示するが、上述したような一酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物などの他の排出物であっても同様である。
【0028】
<第1実施形態>
図2に例示する運用支援システム20は、単位期間内に需要家10が必要とするエネルギ需要量を予測するエネルギ需要量予測手段22と、所定期間内に需要家10に対して許容される環境負荷許容量が存在する場合、エネルギ需要量予測手段22によって予測される上記単位期間内のエネルギ需要量に基づいて上記所定期間内のエネルギ需要量を導出し、上記所定期間内のエネルギ需要量に対する単位期間内のエネルギ需要量の割合を環境負荷許容量に乗算して、上記単位期間内の環境負荷許容量を導出する環境負荷許容量導出手段25と、エネルギ需要量を需要家10に提供するためにエネルギ提供手段40が消費する燃料の原単位から換算される、燃料の消費に伴い発生する上記単位期間内の環境負荷量が、需要家10に対して許容されている上記単位期間内の環境負荷許容量を上回らないことを条件として、エネルギ提供手段40の運用コストの最小化を1つの処理ステップとする単位期間内の運用計画を行う運用計画作成手段21とを備えて構成される。ここで、燃料の消費に伴い発生する環境負荷量は環境負荷量導出手段23によって導出される。また、エネルギ提供手段40の運用コストは運用コスト導出手段24によって導出される。
【0029】
また、データベース30は、需要情報データベース(DB)31と、機器情報データベース(DB)32と、環境情報データベース(DB)33とを備えて構成される。
需要情報DB31は、需要家10の過去の電力需要量データ、熱需要量データなどを例えば1時間毎又は30分毎の需要量データとして格納している。過去の電力需要量データは、各需要家側に設置される検針メータの指針値を自動検針して収集することができる。また、検針員が各需要家を訪問して検針メータの指針値を読み取り、需要情報DB31に入力することもできる。また、電力需要量データに属性情報を付与して格納することもできる。例えば、ある電力需要量データに対して、そのデータが何月何日何曜日(更には、平日、土曜日、日曜日、祝日の何れであるのか)に測定されたデータであるのかといった情報を付与しておくことができる。更に、需要家の電力需要特性を表す情報(電力需要のピーク時刻に関する情報など)を需要家属性情報として格納しておくこともできる。
【0030】
機器情報DB32は、需要家10が使用するエネルギ提供手段40の稼動特性に関する情報が格納されている。つまり、機器情報DB32を参照することで、各エネルギ提供手段40を運用して所定の電力需要量又は熱需要量を提供するために必要な燃料の量を導出することができる。尚、エネルギ提供手段40の稼動特性が、例えば最大出力の50%で運用されている場合と、最大出力の100%で運用されている場合とで異なる際には、エネルギ提供手段40の運用状態毎に稼動特性に関する情報を格納しておけばよい。エネルギ提供手段40の一例としてのコジェネレーションシステムを例に説明すると、同じ量のエネルギ(電力及び熱)を出力するために消費される燃料の量は、コジェネレーションシステムを最高出力の100%で運用する場合の方が、最高出力の50%で運用する場合よりも少なくなることがあり、このような稼動特性が機器情報DB32に格納されている。ここで、運用支援システム20は、エネルギ提供手段40がどのような状態で運用されているかを示す稼動情報を収集することができる。
【0031】
環境情報DB33は、エネルギ需要量と密接に関連する気象情報などの環境情報を格納する。例えば、需要情報DB31に格納される需要量データとリンクして、ある日の需要量データに対する、気温、天候など純粋な環境情報や、気候変動に伴う燃料価格の変動に関する情報などを格納しておくことができる。
【0032】
エネルギ需要量予測手段22は、需要情報DB31に記憶されている需要家10の過去の電力需要量及び熱需要量を参照して、将来の電力需要量及び熱需要量を導出することができる。以下に、電力需要量を導出する場合の例について説明するが、熱需要量を導出する場合も同様である。例えば、「12月8日(月曜日:平日)」の電力需要量を導出したい場合、需要情報DB31に記憶されている昨年の電力需要量データから「12月8日」のデータを選択して読み出し、そのデータを今年の12月8日の電力需要量の予測値とすることができる。また、昨年の12月8日が日曜日であり、今年の12月8日が月曜日であるというように属性が異なる場合、昨年の電力需要量データをそのまま今年の電力需要量の予測値とすることはせずに、昨年の12月9日(月曜日)の電力需要量データを、今年の12月8日(月曜日)の電力需要量の予測値とすることもできる。
【0033】
更に、上述のように過去の電力需要量のデータをそのまま使用するのではなく、過去と今年との間に存在する何らかの電力需要量変動要因を考慮して補正した上で使用することもできる。電力需要量変動要因の例としては、環境情報DB33に格納されている気候の変動、燃料価格の変動などを挙げることができる。
【0034】
尚、電力需要量及び熱需要量のエネルギ需要量が1時間毎の需要量データであることが必要となる場合もあるが、需要家によっては需要情報DB31に格納されているデータが1時間毎の需要量データでは無く、1ヶ月の需要量データ(例えば、一般家庭における1ヶ月の電力の検針値)である可能性がある。その場合には、上述のような1ヶ月の需要量データを、1時間毎の需要量データに換算することが行われる。
【0035】
環境負荷量導出手段23は、各エネルギ提供手段40の機器特性に関する情報を機器情報DB32から取得して、各エネルギ提供手段40を運用して所定の電力需要量及び熱需要量を提供する際に発生する環境負荷量を導出する。具体的には、燃費とも呼ばれるように、所定の電力需要量及び熱需要量を導出する際に消費する燃料量がエネルギ提供手段40毎に異なるのだが、その機器特性を考慮することで、消費されるガス、灯油、軽油などの燃料量が導出され、そして、導出された量の燃料を消費した場合に発生する廃棄物量(環境負荷量)が所定の換算式によって導出される。
【0036】
運用コスト導出手段24は、エネルギ提供手段40において消費される燃料量とその単価から燃料コストを導出する。また、エネルギ提供手段40によって発生される環境負荷量に対して課金される場合(例えば、二酸化炭素の排出に対する税金など)には、燃料量に関するコスト(例えば、燃料消費量×燃料単価)と環境負荷量に対する従量課金額(例えば、二酸化炭素排出量×炭素税の従量課金単価)との和が全体としての運用コストとなる。
【0037】
環境負荷許容量導出手段25は、需要家10が排出可能な環境負荷量について何らかの制約又は目標を設けている場合、エネルギ提供手段40の運用期間中にどれだけの量の環境負荷を排出することができるのかといった環境負荷の許容量を導出する。
【0038】
以上のように構成された運用支援システム20を用いてエネルギ提供手段40の1日(単位期間)の運用計画を作成する工程について図2及び図3を参照して説明する。
【0039】
まず工程100において、エネルギ需要量予測手段22が需要家10の将来の単位期間のエネルギ需要量を導出する。ここでは、例として1日(単位期間)の電力需要量及び熱需要量を導出する。電力需要量及び熱需要量は、上述したように需要情報DB31に格納されている過去の電力需要量及び熱需要量を参照して導出される。
【0040】
次に工程102において、環境負荷許容量導出手段25が需要家10の単位期間の環境負荷許容量を導出する。まず、需要家10に対して1年間(所定期間)の環境負荷許容量(例えば、二酸化炭素排出許容量)が規制値又は目標値として設定されているとする。この場合、1日の環境負荷許容量は以下の数1に従って、1年間のエネルギ需要量に対する1日間のエネルギ需要量の割合を、1年間に許容される環境負荷許容量に乗算して導出することができる。以下の数1において「1年間のエネルギ需要量」は、エネルギ需要量予測手段22により導出される1日のエネルギ需要量を1年間分積算することで導出することができる。
【0041】
【数1】
Figure 2004287921
【0042】
その後、工程104において、1日の環境負荷許容量を制約条件として、運用コストが最小になるようなエネルギ提供手段40の1日の運用計画が運用計画作成手段21によって計算される。詳細には、まず工程100において導出された1日のエネルギ需要量(電力需要量及び熱需要量)と、需要家10が使用することのできるエネルギ提供手段40の種類及びその機器特性とを参照することで、運用計画作成手段21によって作成される1日の運用計画に従ってエネルギ提供手段40を運用した場合の1日の燃料消費量が導出され、更に燃料の単価に基づいて、上記運用計画に従ってエネルギ提供手段40を運用した場合の1日の運用コストが運用コスト導出手段24によって導出される。また、燃料の消費に伴い発生する環境負荷量は、上記燃料消費量を参照する環境負荷量導出手段23により導出される。
【0043】
尚、エネルギ提供手段40によって発生される環境負荷量に対して課金される場合(例えば、二酸化炭素排出税など)には、燃料量に関するコスト(例えば、燃料消費量×燃料単価)と環境負荷量に対する従量課金額(例えば、二酸化炭素排出量×炭素税の従量課金単価)との和が全体としての運用コストとなる。
【0044】
そして、運用計画作成手段21によって作成される1以上の運用計画の内、その運用計画に従ってエネルギ提供手段40を運用した場合に発生する環境負荷量が、工程102において導出された環境負荷許容量を上回らないことを制約条件として、運用コストが最小となる運用計画が運用計画作成手段21により確定される(工程106)。その後、確定された運用計画は運用支援システム20からエネルギ提供手段40に対して伝達され、その運用計画に従ったエネルギ提供手段40の運用が行われる。また、確定された運用計画が需要家に対して印刷物や情報処理端末の表示画面上で出力されることもある。
【0045】
以上のように、エネルギ提供手段をどのように組み合わせて運用すれば、需要家に対する環境負荷許容量の制約条件を満足させた上で、需要家が必要とするエネルギ需要量の提供を最小の運用コストで行うことができるのかを提示することができる運用支援システムを構成することができる。尚、1日の運用計画を作成するのではなく、複数の日(例えば、1ヶ月や1年間)の運用計画を作成する場合には、上記演算処理を各日について1ヶ月分又は1年間分行えばよい。
【0046】
<第2実施形態>
上述の第1実施形態では、エネルギ提供手段40を運用した場合に発生する環境負荷量が環境負荷許容量を上回らないことを条件(制約条件)として、エネルギ提供手段40の運用コストが最小になるような運用計画を行う方法について説明したが、運用コストとして環境負荷量に対する従量課金額(例えば、二酸化炭素排出量×炭素税の従量課金単価)が含まれる場合には、環境負荷許容量に関する制約条件に関係なく運用コストを最小にするようなエネルギ提供手段40の運用計画を行う方法もある。
【0047】
以下には、運用支援システム20を用いて、第1実施形態とは異なるエネルギ提供手段40の1日(単位期間)の運用計画を作成する工程について図2及び図4を参照して説明する。
【0048】
まず、工程200において、エネルギ需要量予測手段22が需要家10の将来の単位期間のエネルギ需要量を導出する。ここでは、例として1日(単位期間)の電力需要量及び熱需要量を導出する。電力需要量及び熱需要量は、上述したように需要情報DB31に格納されている過去の電力需要量及び熱需要量を参照して導出される。
【0049】
次に工程202において、燃料量に関するコスト(燃料コスト)と環境負荷量に関するコストとの合計から導出される運用コストが最小になるようなエネルギ提供手段40の運用計画が運用計画作成手段21によって計算される。詳細には、まず工程200において導出された1日のエネルギ需要量(電力需要量及び熱需要量)と、需要家10が使用することのできるエネルギ提供手段40の種類及びその機器特性とを参照することで、運用計画作成手段21によって作成される運用計画に従ってエネルギ提供手段40を運用した場合の燃料消費量と燃料の単価との積から、燃料量に関するコスト(燃料コスト)が運用コスト導出手段24によって導出される。更に、燃料の消費に伴って発生する環境負荷量は、上記燃料消費量を参照する環境負荷量導出手段23によって導出され、運用計画作成手段21によって作成される運用計画に従ってエネルギ提供手段40を運用した場合の環境負荷量に対する従量課金額(例えば、二酸化炭素排出量×炭素税の従量課金単価)が運用コスト導出手段24によって導出される。以上の結果、運用コスト導出手段24によって、燃料量に関するコスト(燃料コスト)と環境負荷量に対する従量課金額の合計である、エネルギ需要量を需要家10に提供するための運用コストが導出される。
【0050】
そして、運用計画作成手段21によって作成される1以上の運用計画の内、その運用計画に従ってエネルギ提供手段40を運用した場合の運用コストが最小となる運用計画が運用計画作成手段21により確定される(工程204)。その後、確定された運用計画は運用支援システム20からエネルギ提供手段40に対して伝達され、その運用計画に従ったエネルギ提供手段40の運用が行われる。
【0051】
以上のように、エネルギ提供手段をどのように組み合わせて運用すれば、需要家が必要とするエネルギ需要量の提供を最小の運用コストで行うことができるのかを提示することができる運用支援システムを構成することができる。更に本実施形態では、運用コストを最小にすることが目的とされているが、その運用コストには環境負荷量に対する従量課金額も含まれているため、結果として、環境負荷量を少なくすることについても目的の一つとなる。
【0052】
<第3実施形態>
図5に例示する運用支援システム20’は、単位期間内に需要家10が必要とするエネルギ需要量を予測するエネルギ需要量予測手段22と、所定期間内に需要家10に対して許容される運用コスト許容量が存在する場合、エネルギ需要量予測手段22によって予測される上記単位期間内のエネルギ需要量に基づいて所定期間内のエネルギ需要量を導出し、上記所定期間内のエネルギ需要量に対する上記単位期間内のエネルギ需要量の割合を運用コスト許容量に乗算して、上記単位期間内の運用コスト許容量を導出する運用コスト許容量導出手段26と、上記単位期間内のエネルギ提供手段40の運用コストが上記単位期間内の運用コスト許容量を上回らないことを条件として、エネルギ需要量を需要家10に提供するためにエネルギ提供手段40が消費する燃料の原単位から換算される、燃料の消費に伴い発生する環境負荷量が最小になるような上記単位期間内の運用計画を行う運用計画作成手段21とを備えて構成される。ここで、燃料の消費に伴い発生する環境負荷量は環境負荷量導出手段23によって導出される。また、エネルギ提供手段40の運用コストは運用コスト導出手段24によって導出される。
【0053】
運用コスト許容量導出手段26は、エネルギ提供手段40を稼動させた場合に発生する運用コストについて何らかの制約を受けている場合、エネルギ提供手段40の運用期間中にどれだけの量の運用コストの発生が許容されているのかといった運用コストの許容量を導出する。その他のシステム構成については図3を参照して第1実施形態で説明したのと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0054】
以上のように構成された運用支援システム20’を用いてエネルギ提供手段40の1日(単位期間)の運用計画を作成する工程について図5及び図6を参照して説明する。
【0055】
まず工程300において、エネルギ需要量予測手段22が需要家10の将来の単位期間のエネルギ需要量を導出する。ここでは、例として1日(単位期間)の電力需要量及び熱需要量を導出する。電力需要量及び熱需要量は、上述したように需要情報DB31に格納されている過去の電力需要量及び熱需要量を参照して導出される。
【0056】
次に工程302において、運用コスト許容量導出手段26が需要家10の単位期間の運用コスト許容量を導出する。まず、需要家10に対して1年間(所定期間)の運用コスト許容量が規制値又は目標値として設定されているとする。この場合、1日の運用コスト許容量は以下の数2に従って、1年間のエネルギ需要量に対する1日間のエネルギ需要量の割合を、1年間に許容される運用コスト許容量に乗算して導出することができる。以下の数2において「1年間のエネルギ需要量」は、エネルギ需要量予測手段22により導出される1日のエネルギ需要量を1年間分積算することで導出することができる。
【0057】
【数2】
Figure 2004287921
【0058】
その後、工程304において、1日の運用コスト許容量を制約条件として、環境負荷量が最小になるようなエネルギ提供手段40の1日の運用計画が運用計画作成手段21によって計算される。詳細には、まず工程300において導出された1日のエネルギ需要量(電力需要量及び熱需要量)と、需要家10が使用することのできるエネルギ提供手段40の種類及びその機器特性とを参照することで、運用計画作成手段21によって作成される1日の運用計画に従ってエネルギ提供手段40を運用した場合の1日の燃料消費量が導出され、更に燃料の単価に基づいて、上記運用計画に従ってエネルギ提供手段40を運用した場合の1日の運用コストが運用コスト導出手段24によって導出される。また、燃料の消費に伴い発生する環境負荷量は、上記燃料消費量を参照する環境負荷量導出手段23により導出される。
【0059】
尚、エネルギ提供手段40によって発生される環境負荷量に対して課金される場合(例えば、二酸化炭素排出税など)には、燃料量に関するコスト(例えば、燃料消費量×燃料単価)と環境負荷量に対する従量課金額(例えば、二酸化炭素排出量×炭素税の従量課金単価)との和が全体としての運用コストとなる。
【0060】
そして、運用計画作成手段21によって作成される1以上の運用計画の内、その運用計画に従ってエネルギ提供手段40を運用した場合に発生する運用コストが、工程302において導出された運用コスト許容量を上回らないことを制約条件として、環境負荷量が最小となる運用計画が運用計画作成手段21により確定される(工程306)。その後、確定された運用計画は運用支援システム20’からエネルギ提供手段40に対して伝達され、その運用計画に従った運用が行われる。
【0061】
以上のように、エネルギ提供手段をどのように組み合わせて運用すれば、需要家に対する運用コスト許容量の制約条件を満足させた上で、需要家が必要とするエネルギ需要量の提供を最小の運用コストで行うことができるのかを提示することができる運用支援システムを構成することができる。
【0062】
<実施例>
図7に示すのは、上記第1実施形態に例示した運用支援システム20を用いて、複数のエネルギ提供手段40をどのような運用計画に従って組み合わせながら運用して、需要家10が必要とする1日の電力需要量と熱需要量(冷熱量及び蒸気量を含む)を提供したのかを説明する図である。尚、本実施例では、エネルギ提供手段40として、ガスにより稼動して電力及び熱(蒸気)を提供するコジェネレーションシステム(CGS1〜CGS3)と、電気により稼動して熱(冷熱)を提供する電動ターボ冷凍機(ET1、ET2)と、熱(蒸気)により稼動して熱(冷熱)を提供する吸収式冷凍機(R1、R2)と、灯油により稼動して熱(温水および蒸気)を提供するオイル焚きボイラ(OB1、OB2)と、ガスにより稼動して熱(温水及び蒸気)を提供するガス焚きボイラ(B1)とを備えて構成されている。また電気事業者からの受電手段もエネルギ提供手段の一つである。
【0063】
以下の数3に例示するように、機器情報DB32は、上述のエネルギ提供手段40の稼動特性として、どれだけの燃料を消費してどれだけのエネルギを提供するのかという情報を格納している。尚、各エネルギ提供手段40において消費する燃料は灯油、ガスなどであるが、数3では消費する燃料量を都市ガスを原単位として換算している。また、係数A〜Iは機器に固有の値である。
【0064】
【数3】
<コジェネレーションシステム>
電力(kWh)=A×(都市ガス:m)+B
蒸気(t)=C×(都市ガス:m
<冷凍機>
冷熱(kWh)=D×(都市ガス:m)+E
<ボイラ>
蒸気(t)=F×(都市ガス:m)+G
温水(kWh)=H×(都市ガス:m)+I
【0065】
つまり、同じ量の電力、蒸気、冷熱、温水などを提供するために必要となる「都市ガス:m」の量が大きいほど、機器の稼動特性が悪いと言うことができる。従って、運用計画作成手段21は、各機器(エネルギ提供手段)の稼動特性を考慮して、必要とされるエネルギ需要量を提供するための各機器の組み合わせを決定する。そして、決定された各機器の運用計画が図7に示すグラフである。
【0066】
図7に例示するように、需要家10の電力需要量と熱需要量(冷熱量及び蒸気量)を満たすために、各機器をどのようなスケジュールで運用するかの計画が1時間毎に作成されている。また、この運用計画を作成するために参照された、各機器が消費する燃料量から換算される二酸化炭素排出量(環境負荷量)と運用コストについても図示する。
【0067】
<別実施形態>
<1>
運用支援システム20、20’の利用例について以下に説明する。
図8に例示するのは、需要家10とエネルギ提供手段40とを含む需要家サイトが各地に存在し、それらの需要家サイトと運用支援システム20、20’とがインターネットや専用回線などの通信ネットワーク50を介して互いに通信可能に接続されている状態を示す図である。運用支援システム20、20’は、CPU(Central Processing Unit)を中心とした演算処理部と、演算処理部において実行される各種プログラムや、演算処理過程又は演算処理前後の情報を記憶するメモリ、ハードディスクドライブ、外部記憶装置(図8ではデータベース30で示す)などの記憶媒体で構成される記憶部と、キーボードや通信ネットワーク50に接続される通信ポートなどの情報入出力手段と、処理結果や処理過程を表示する表示部といった装置を備えて構成される1台または複数台のコンピュータ(情報処理装置)によって実現可能である。
【0068】
図8に例示したような需要家10が、自身のサイトにあるエネルギ提供手段40の運用計画の作成を運用支援システム20、20’に対して依頼してきた場合、運用支援システム20、20’は第1実施形態から第3実施形態において説明したのと同様の手法でエネルギ提供手段40の運用計画を作成し、通信ネットワーク50を介してその運用計画を各需要家サイトに送信し、エネルギ提供手段40をその運用計画に従って運用することができる。
【0069】
例えば、第1実施形態及び第3実施形態で説明したように、需要家10に対する制約として、所定期間内(例えば、4月から翌年の3月までの年度内など)に発生させることが許容されている環境負荷量(二酸化炭素排出量など)や運用コストの年間制約値が規定されていることがある。本来ならば年度始めから本発明に係る運用支援システム20、20’を使用して1年間を通して計画的にエネルギ提供手段40を運用することで、上記年間制約値を満足させればよいのだが、年度の途中で上記年間制約値を満足させることが困難であることに気づき、その時点で、本発明に係る運用支援システム20、20’の支援に基づくエネルギ提供手段40の運用計画の実施を始めることもできる。但し、上述の数1及び数2に含まれる「1年間の環境負荷許容量」及び「1年間の運用コスト許容量」の項に対して修正を加える必要があり、数1を修正したものを数4に示し、数2を修正したものを数5に示す。
【0070】
【数4】
Figure 2004287921
【0071】
【数5】
Figure 2004287921
【0072】
以上のような数4又は数5に基づいて導出される1日の環境負荷許容量、1日の運用コスト許容量を参照して、運用支援システム20、20’がエネルギ提供手段40の1日毎の運用計画を作成できるので、同様の演算処理によって今後の複数の日のそれぞれにおける運用計画を作成することができる。そして、作成された運用計画は、需要家10によって確認可能な形態及びエネルギ提供手段40にとっての運用制御情報の形態の少なくとも一方の形態で通信ネットワーク50を介して出力される。
【0073】
例えば、通信ネットワーク50を介して運用支援システム20、20’と接続されている情報処理装置(需要家10)に対して運用計画が出力された場合、上記情報処理装置を使用する需要家10は、その情報処理装置の表示画面上で運用計画の内容を確認することができる。また、通信ネットワーク50を介して運用支援システム20、20’と接続されているエネルギ提供手段40に対して、それを遠隔制御するための運用制御情報として上記運用計画が出力された場合、そのエネルギ提供手段40は上記運用計画に従って運用される。
【0074】
図9に例示するのは、上述の運用支援システム20、20’を用いてエネルギ提供手段40を運用した場合の環境評価(環境負荷量)及びコスト評価(運用コスト)の結果を需要家10の情報処理装置の表示部に対して出力提示している表示画面例である。尚、エネルギ提供手段40として、ガス冷温水機(ガス及び電気を消費)、ターボ冷凍機(電気を消費)、冷温水ポンプ(電気を消費)、冷却水ポンプ(電気を消費)、冷却塔(電気を消費)、冷却水ろ過器(電気を消費)、冷却塔補給水ポンプ(電気を消費)を用いている。図示するように、1日毎の環境負荷量及び運用コスト量が需要家10によって認識できるように表示されている。また、各エネルギ提供手段40の成績係数:COPも併せて表示されている。ここで、図中の環境負荷量は各エネルギ提供手段40で消費された電力量及びガス量から導出され、消費された電力量及びガス量から換算される量のCO、NO、SOが排出されたことによる環境への影響の大きさを示している。尚、数6において各ガスの排出量に乗算されている係数は、CO排出量による環境への影響と、NO及びSOによる環境への影響とを同じ基準で比較するための係数である。
【0075】
【数6】
Figure 2004287921
【0076】
以上のように、需要家10は、上述の運用支援システム20、20’を用いてエネルギ提供手段40を運用したことによる環境負荷量及び運用コスト量がどの程度であったのかに関する情報や、その際の各エネルギ提供手段40の成績係数:COPを知ることができるので、環境負荷量及び運用コスト量の低減効果の確認や各エネルギ提供手段40の高効率化の確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエネルギ提供手段の運用支援システムを経由する情報の流れを説明する図である。
【図2】第1実施形態に係る運用支援システムの構成図である。
【図3】第1実施形態の運用計画作成工程を説明する図である。
【図4】第2実施形態の運用計画作成工程を説明する図である。
【図5】第3実施形態に係る運用支援システムの構成図である。
【図6】第3実施形態の運用計画作成工程を説明する図である。
【図7】エネルギ提供手段の運用計画の例である。
【図8】運用支援システムと各需要家及び各エネルギ提供手段とが通信ネットワークを介して接続された状態を示す図である。
【図9】需要家の情報処理装置における表示画面例である。
【符号の説明】
10 需要家
20 運用支援システム
20’ 運用支援システム
21 運用計画作成手段
22 エネルギ需要量予測手段
23 環境負荷量導出手段
24 運用コスト導出手段
25 環境負荷許容量導出手段
26 運用コスト許容量導出手段
30 データベース
31 需要情報データベース(DB)
32 機器情報データベース(DB)
33 環境情報データベース(DB)
40 エネルギ提供手段
50 通信ネットワーク

Claims (7)

  1. 需要家が必要とする量のエネルギを提供する複数のエネルギ提供手段の運用計画を行うエネルギ提供手段の運用支援システムであって、
    前記需要家が単位期間内に必要とするエネルギ需要量を予測するエネルギ需要量予測手段と、
    所定期間内に前記需要家に対して許容される環境負荷許容量が存在する場合、前記エネルギ需要量予測手段によって予測される前記単位期間内のエネルギ需要量に基づいて前記所定期間内のエネルギ需要量を導出し、前記所定期間内のエネルギ需要量に対する前記単位期間内のエネルギ需要量の割合を前記環境負荷許容量に乗算して、前記単位期間内の環境負荷許容量を導出する環境負荷許容量導出手段と、
    前記エネルギ需要量を前記需要家に提供するために前記エネルギ提供手段が消費する燃料量から換算される、燃料の消費に伴い発生する前記単位期間内の環境負荷量が、前記単位期間内の環境負荷許容量を上回らないことを条件として、前記エネルギ提供手段の運用コストが最小になるような前記単位期間内の運用計画を行う運用計画作成手段とを備える運用支援システム。
  2. 需要家が必要とする量のエネルギを提供する複数のエネルギ提供手段の運用計画を行うエネルギ提供手段の運用支援システムであって、
    前記需要家が単位期間内に必要とするエネルギ需要量を予測するエネルギ需要量予測手段と、
    所定期間内に前記需要家に対して許容される運用コスト許容量が存在する場合、前記エネルギ需要量予測手段によって予測される前記単位期間内のエネルギ需要量に基づいて前記所定期間内のエネルギ需要量を導出し、前記所定期間内のエネルギ需要量に対する前記単位期間内のエネルギ需要量の割合を前記運用コスト許容量に乗算して、前記単位期間内の運用コスト許容量を導出する運用コスト許容量導出手段と、
    前記単位期間内の前記エネルギ提供手段の運用コストが前記単位期間内の運用コスト許容量を上回らないことを条件として、前記エネルギ需要量を前記需要家に提供するために前記エネルギ提供手段が消費する燃料量から換算される、燃料の消費に伴い発生する環境負荷量が最小になるような前記単位期間内の運用計画を行う運用計画作成手段とを備える運用支援システム。
  3. 前記運用コストが、前記エネルギ提供手段が消費する燃料量及び燃料単価から導出される請求項1または請求項2に記載の運用支援システム。
  4. 前記運用コストが、前記環境負荷量に対する従量課金額を含む請求項3に記載の運用支援システム。
  5. 需要家が必要とする量のエネルギを提供する複数のエネルギ提供手段の運用計画を行うエネルギ提供手段の運用支援システムであって、
    前記需要家が単位期間内に必要とするエネルギ需要量を予測するエネルギ需要量予測手段と、
    前記エネルギ需要量を前記需要家に提供するために前記エネルギ提供手段が消費する燃料量及び燃料単価から導出される燃料コストと、前記エネルギ提供手段が消費する燃料量から換算される、燃料の消費に伴い発生する環境負荷量に対する従量課金額との合計から導出される前記エネルギ提供手段の運用コストが最小になるような運用計画を行う運用計画作成手段とを備える運用支援システム。
  6. 前記エネルギ提供手段が消費する燃料量が、前記エネルギ提供手段の稼動特性を参照して導出される請求項1から請求項5の何れか1項に記載の運用支援システム。
  7. 前記運用計画が、前記需要家によって確認可能な形態及び前記エネルギ提供手段にとっての運用制御情報の形態の少なくとも一方の形態で出力される請求項1から請求項6の何れか1項に記載の運用支援システム。
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