JP2004287711A - 移動台車の移動機構および移動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガイドレールを設置することなく、誰でも容易に、かつ短時間にセッティングでき、しかも繰り返し再現性に優れた高精度のトラックが可能な移動台車の移動機構および移動制御方法を提供する。
【解決手段】互いに対向して移動台車または固定位置に配置された受光器5と発光器6を備え、発光器6から照射された光を受光器5で受光し、受光された光の受光量および位相に基づいて移動台車の移動方向に対する変位誤差および方位誤差を検出する検出装置7と、検出された変位誤差および方位誤差を相殺するように前記移動台車の操舵を制御する制御装置8とを備え、移動台車の移動方向を連続的に制御できるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】互いに対向して移動台車または固定位置に配置された受光器5と発光器6を備え、発光器6から照射された光を受光器5で受光し、受光された光の受光量および位相に基づいて移動台車の移動方向に対する変位誤差および方位誤差を検出する検出装置7と、検出された変位誤差および方位誤差を相殺するように前記移動台車の操舵を制御する制御装置8とを備え、移動台車の移動方向を連続的に制御できるようにした。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン番組の制作、映画の制作、遠隔テレビ会議等におけるカメラ移動機構、ファクトリーオートメーション(以下、単に「FA」という)における移動ロボット、自動搬送車等に使用される移動台車の移動機構および移動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビジョン番組の制作、映画の制作等において、ロボットカメラやクレーンカメラ等のカメラ本体を移動台車に搭載した装置を用いてカメラを移動させながら撮影する場合、予め床、路面等に設けられたガイドレールに沿って移動台車を移動させる機構が一般的に用いられてきた。
【0003】
また、FAにおける移動ロボット、自動搬送車等では、ガイドレールに沿って移動する機構のほか、予め移動経路に光学反射テープや磁気テープなどからなるガイドテープを貼り付けておき、このガイドテープをセンサーで検出し同軌道となるようにフィードバック制御しながら移動する機構が用いられている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−87513号公報
【特許文献2】
特開2001−125640号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、いわゆるモーションコントロールカメラと呼ばれる自動撮影カメラが話題に上っている。これは、カメラワークを記憶していて何度でも同じ動きを繰り返して再現することができるロボットカメラの一種である。このカメラを用いて繰返し撮影を行えば、映像の多重合成が実現でき、例えば、合戦シーンの制作において、少ないエキストラで多数の人が演じているような映像が手軽に得られたり、コンピュータグラフィクス(CG)と組み合わせて多様な映像表現が可能になる。
【0006】
モーションコントロールカメラは、その性格上、高精度な動きが要求され、パン又はチルトはもとより、ドリー・イン、ドリー・アウト等のトラック(移動)にも同じ動きを繰り返して再現できること(繰返し再現性)が求められる。しかし、トラックに関しては、移動量が大きいこともあり、移動方向に対する方位精度、移動方向に対する変位精度を制御することが非常に難しい。たとえガイドテープを用いる方法を適用しても、テープ自体を精度よく貼ること自体が困難であり、直線移動の精度を確保することができない。そのため、従来のモーションコントロールカメラは、ガイドレールを用いて移動させねばならなかった。しかし、一般にガイドレールは非常に重く、運搬が大変なだけでなく、ガイドレールを水平に設置するためのレベル出し等のセッティング作業が非常に手間がかかるという欠点があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ガイドレールを設置することなく、誰でも容易に、かつ短時間にセッティングでき、しかも繰り返し再現性に優れた高精度のトラックが可能な移動台車の移動機構および移動制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動機構であって、前記移動台車に装備された受光器と、前記受光器と対向する外部固定位置に配置され、前記受光器に向けて光を照射する発光器と、前記受光器に受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する方位誤差を検出する検出装置と、前記検出装置により検出された前記変位誤差および前記方位誤差を補償するように前記移動台車の操舵を制御する制御装置とを備え、前記移動台車の進行方向が前記移動方向に沿うように連続的に制御するようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動機構であって、前記移動台車に装備された発光器と、前記発光器と対向する外部固定位置に配置され、前記発光器から照射された光を受光する受光器と、前記受光器に受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する方位誤差を検出する検出装置と、前記検出装置により検出された前記変位誤差および前記方位誤差を補償するように前記移動台車の操舵を制御する制御装置とを備え、前記移動台車の進行方向が前記移動方向に沿うように連続的に制御するようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0010】
これらの請求項1または2の構成を有する移動台車の移動機構では、光を照射する発光器と、発光器から照射された光を受光する受光器が互いに対向する位置に配置されている。このような移動機構によれば、移動台車を移動させながら、受光器に受光された光の受光量および位相によって所定の移動方向に対する移動台車の変位誤差および方位誤差が検出される。検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、移動台車が所定の移動方向に沿って移動できるように移動台車の進行方向を連続的に制御することができる。
【0011】
さらに、請求項3に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動機構であって、外部固定位置に配設され、前記移動台車に向けて光を照射する発光器と、前記発光器と対向して前記移動台車に配設された台車側受光器と、前記移動台車の前記移動方向に沿って少なくとも1つ配設された固定側受光器と、前記台車側受光器の前面に配設され、前記発光器から照射された光を前記台車側受光器に向かう方向とその方向と直交する方向との2つの方向に分光する分光器と、前記台車側受光器によって受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の移動方向に対する方位誤差を検出するとともに、前記固定側受光器によって受光された光に基づいて移動台車の移動距離を検出する検出装置と、前記検出装置により検出された前記変位誤差、前記方位誤差および前記移動距離に基づいて前記移動台車の動きを制御する制御装置とを備え、前記移動台車の進行方向が前記移動方向に沿うように連続的に制御するとともに、前記移動台車の移動速度を連続的に制御するようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0012】
この移動機構によれば、台車側受光器に受光された光の受光量および位相によって、所定の移動方向に対する移動台車の変位誤差および方位誤差が検出されるとともに、固定側受光器によって受光された光の受光量および位相に基づいて移動台車の移動距離が検出される。検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、移動台車が所定の移動方向に沿って移動できるように移動台車の進行方向を連続的に制御することができるとともに、検出された移動距離に基づいて移動台車の移動速度を連続的に制御することができ、さらに高精度のトラックを実現できる。
【0013】
さらにまた、請求項4に記載の移動機構は、前記請求項1ないし3のいずれかに記載の移動台車の移動機構において、前記受光器、前記台車側受光器、並びに前記固定側受光器の少なくとも1つが、受光面に配置された複数の受光素子で構成され、前記検出装置が、前記複数の受光素子に受光された光の受光量を比較対照して前記移動台車の前記移動方向に対する前記変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相を比較対照して前記移動台車の前記移動方向に対する前記方位誤差を検出する装置であることを特徴とする。
【0014】
この移動機構によれば、複数の受光素子で構成される受光器において、各受光素子に受光された光の受光量および位相を比較対照することにより、所定の移動方向に対する移動台車の変位誤差および方位誤差が高精度に検出される。高精度に検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、移動台車が所定の移動方向に沿って移動できるように移動台車の進行方向を連続的に制御することができる。
【0015】
さらにまた、請求項5に係る発明は、請求項1ないし4に記載の移動機構において、前記移動台車が、ロボットカメラの移動台座部であることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、所定の移動方向に沿って配置された発光器と受光器とによって、ロボットカメラを搭載した移動台車を移動させながら、受光器に受光された光の受光量および位相によって移動台車の移動方向に対する変位誤差および方位誤差(さらに移動速度)が検出される。このようにして検出された変位誤差および方位誤差(さらに移動速度)に基づいて、移動台車に搭載されたロボットカメラが所定の移動方向に沿って移動できるように移動台車の進行方向(および移動速度)を連続的に制御することができる。
【0017】
請求項6に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動を制御する方法であって、前記移動台車及びこの移動台車と対向する固定位置のいずれか一方に受光器を配置し、他方に発光器を配置して、当該発光器から照射された光を前記受光器で受光するステップと、前記受光器で受光された前記光の受光量に基づいて前記移動台車の方位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出するステップと、検出された前記方位誤差および前記変位誤差を補償するように前記移動台車の操舵を制御するステップとを備え、前記移動台車の進行方向を前記移動方向に沿うように連続的に制御するようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0018】
この請求項6に記載の移動台車の移動制御方法では、所定の移動方向に沿って、互いに対向する位置に配置された発光器と受光器とによって、移動台車を移動させながら、受光器に受光された光の受光量および位相によって移動台車の移動方向に対する変位誤差および方位誤差が検出される。このようにして検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、所定の移動方向に沿って移動台車が移動するように移動台車の進行方向を連続的に制御することができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動を制御する方法であって、外部固定位置に配置された発光器から前記移動台車に向けて照射された光を、前記発光器と対向して前記移動台車に配置された台車側受光器に向かう方向と、その方向に直交する方向の2つに分光するステップと、前記台車側受光器によって受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ前記台車側受光器によって受光された光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する方位誤差を検出するとともに、前記移動台車の前記移動方向に沿って少なくとも1つ配設された固定側受光器によって受光された光によって前記移動台車の移動距離を検出するステップと、検出された変位誤差、方位誤差および移動距離に基づいて前記移動台車の動きを制御するステップと、を備え、前記移動台車の進行方向を前記移動方向に沿うように連続的に制御するとともに、前記移動台車の移動速度を連続的に制御できるようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0020】
この移動制御方法によれば、請求項6に記載の移動制御方法と同様に、台車側受光器に受光された光の受光量および位相によって移動台車の移動方向に対する変位誤差および方位誤差が検出され、検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、所定の移動方向に沿って移動台車が移動するように移動台車の進行方向を連続的に制御することができる。そして、固定側受光器によって受光された光の受光量および位相に基づいて移動台車の移動距離が検出され、検出された移動距離に基づいて移動台車の移動速度を連続的に制御することができる。これによって、さらに高精度のトラックを実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態に係る移動台車の移動機構について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る移動機構によって移動方向を制御する移動台座(移動台車)を備えるモーションコントロールカメラを説明する概念図である。
【0022】
図1に示す本発明の第1の実施形態に係る移動機構は、移動台座3(移動台車)と、受光器5と、発光器6と、検出装置7と、制御装置8とから構成されている。この第1の実施形態において、移動台座3に搭載されるモーションコントロールカメラ1は、被写体2に向かって真っ直ぐの進行方向(図1中、矢印Aで示す方向)に移動しながら、被写体2を撮影できるように構成されている。
【0023】
モーションコントロールカメラ1は、その下部に移動台座3を備え、移動台座3の前面4には、受光器5が取り付けられている。また、移動台座3には、後記の制御装置8から出力される制御信号によって操舵される車輪9が取り付けられている。なお、移動台座(移動台車)とは、カメラ等の機器を搭載または機材等を積載して所定の移動経路に沿って移動する装置をいう。例えば、クレーンカメラ、ロボットカメラ、モーションコントロールカメラのカメラ本体を移動させるためにそのカメラ本体に一体的に設けられた移動台座、あるいは各種機材、機器、荷物等を積載して移動する搬送車の車台部分などをいう。また、「移動」とは、移動台車(移動台座)が移動経路に沿って進行することをいう。
【0024】
また、受光器5と対向して、移動台座3とは別個独立の位置(外部固定位置)に発光器6が配置されている。この発光器6は移動台座3の受光器5に向けてレーザ光Bを照射する。レーザ光Bの照射方向は、その光軸が、移動台座3の移動方向と一致するように調整される。なお、移動台座(移動台車)の移動方向とは、移動台車について予め設定される移動経路に沿って移動台車が進行する方向をいい、例えば、移動台車が直線状に設定された移動経路に沿って真っ直ぐ移動する場合には、移動台車の移動の始点から終点を結ぶ直線の方向をいう。
【0025】
この受光器5は、受光したレーザ光Bの受光量および位相に関する信号を出力するように構成され、検出装置7に図示しない信号伝送線を介して接続されている。この受光器5は、発光器から照射される光を受光して、受光した光の受光量および位相に関する信号を検出装置に出力することができる装置であればよく、特に制限されない。例えば、CCD、フォトダイオード等からなる受光素子を少なくとも1つ備える装置である。
【0026】
この受光器5は、移動方向に対する水平方向の変位誤差のみを検出することが求められる場合には、移動方向に対して水平方向に、すなわち、移動台車の進行方向に沿った中心軸(以下、単に「進行軸」という)Aに対して受光面に左右対称に配列された少なくとも2つの受光素子から構成されるものでよい。また、移動方向に対する鉛直方向の変位誤差のみを検出することが求められる場合には、移動方向に対して鉛直方向に、すなわち、進行軸に対して受光面に上下対称に配列された少なくとも2つの受光素子から構成されるものでよい。また、水平方向および鉛直方向の変位誤差を検出することが求められる場合には、移動方向に対して水平方向および鉛直方向に、すなわち、進行軸を中心として上下左右に配列された少なくとも3つの受光素子で構成されるものでよい。
【0027】
なお、移動台座(移動台車)の「移動方向に対する変位誤差」とは、移動方向に対する移動台車の進行軸の水平方向および鉛直方向の変位量、すなわち、ずれをいう。
【0028】
この受光器5における受光素子の配列について、例えば、下記に示す形態のものが挙げられる。
(A)図6(a)に示されるように、中心軸点60を中心として受光素子61aおよび61bが左右対称に配列された形態
(B)図6(b)に示されるように、中心軸点60を中心として受光素子62aおよび62bが上下対称に配列された形態
(C)図6(c)に示されるように、中心軸点60を中心として放射状に3つの受光素子63a、63bおよび63cが配列された形態、
(D)図6(d)に示されるように、中心軸点60を中心として3つの受光素子64a、64bおよび64cが逆三角形状に配列された形態
(E)図6(e)に示されるように、中心軸点60を中心として4つの受光素子65a、65b、65cおよび65dが上下左右に格子状に配列された形態
【0029】
発光器6は、受光器5に光を照射してその受光量および位相が検出可能な光スポットを受光面に形成できるものであれば、いかなる装置でもよい。例えば、レーザ照射器等が挙げられる。通常、受光器を構成する受光素子の受光面積、受光感度等に応じて、例えば、ビーム径に対し所定のエネルギー密度に収束して受光器の受光面に照射できるものが望ましい。
【0030】
検出装置7は、受光器5から出力された受光量に関する信号に基づいて移動台座3の移動方向に対する変位誤差を検出するとともに、受光器5から出力された受光した位相に関する信号に基づいて移動台座3の移動方向に対する方位誤差を検出するものである。
そして、検出装置7は、検出した変位誤差および方位誤差に関する信号を、信号伝送線7aを介して接続された制御装置8に出力するものである。なお、移動台座(移動台車)の「移動方向に対する方位誤差」とは、移動方向と移動台車の進行軸の方向との方位ずれをいう。
【0031】
この検出装置7において、移動台車の移動方向に対する変位誤差は、移動方向に対する移動台車の進行軸の水平方向および鉛直方向の変位量、すなわち、ずれをいい、図1に示すように、所定の移動方向に沿って発光器から直線的に照射される光の光軸Bと移動台車の進行軸Aの水平方向および鉛直方向のずれをいい、図1では、L1が水平方向の変位誤差であり、L2が鉛直方向の変位誤差を示す。
【0032】
また、移動台車の移動方向に対する方位誤差は、移動方向と移動台車の進行軸の方向との方位ずれをいい、図1に示すように、所定の移動方向に沿って発光器から直線的に照射される光の光軸Bと移動台車の進行軸Aとのなす角度θが方位誤差を示す。
【0033】
制御装置8は、検出装置7から出力された変位誤差および方位誤差に関する信号に基づいて、その変位誤差および方位誤差を補償するための制御信号を出力するように構成されている。なお、前記変位誤差または方位誤差を「補償する」とは、変位誤差または方位誤差を打ち消し、移動台座(移動台車)の進行方向を所定の方向に向けることをいう。
【0034】
変位誤差を補償するための制御信号は、例えば、移動台座3の変位誤差において、所定の移動方向に対して水平方向の変位誤差L1が+δ、鉛直方向の変位誤差L2が+σであるときは、移動台座3の進行方向を水平方向に−δ、鉛直方向に−σ変更し、水平方向および鉛直方向の変位誤差を打ち消すための信号である。また、方位誤差を補償するための制御信号は、例えば、移動台座3の方位誤差がΔθであるときは、移動台座3の進行方向の方位を−Δθ変更し、方位誤差を打ち消すための信号である。この制御信号は、例えば、移動台車の車輪の操舵軸、駆動軸等の各軸の回転量、回転方向、回転速度等を制御する信号である。また、その制御の結果、さらに検出装置を介してフィードバックされる移動台車の変位誤差および方位誤差に関する信号に基づいて、移動台車の動きを逐次制御するように構成されている。
【0035】
制御装置8から出力された制御信号は、信号伝送線7aを通ってモーションコントロールカメラ1に備えられた車輪操舵部(図示せず)に入力される。そして、本実施形態では、その制御信号に基づいて移動台座3の車輪9が操舵されることによって、移動台座3の移動方向に対する変位誤差および方位誤差が補償されて、モーションコントロールカメラ1の進行方向が、所定の移動方向に沿うように制御されるようになっている。
【0036】
次に、この移動機構の動作を説明するとともに、本発明に係る移動制御方法について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る移動機構における移動台座の動作を示す上面図、図3(a)〜(e)および図4は、第1の実施形態に係る移動機構における受光器の受光面上のスポットを示す模式図である。
【0037】
この移動台座3の移動機構においては、前述のとおり、発光器6から照射されたレーザ光を受光器5で受光し、検出装置7により移動台座3の移動方向に対する変位誤差および方位誤差を検出し、この変位誤差および方位誤差を補償するように、連続的に移動台座3の車輪の操舵が制御されることにより、移動台座3の移動方向が制御される。
【0038】
図2に示すように、この移動制御方法では、各移動台座3a、3b、3cの変位誤差を補償するように各移動台座3a、3b、3cの移動方向が制御される。すなわち、移動方向(図2中、矢印Cで示すレーザ光B(図1参照)の光軸方向に対して逆向きの方向)に対して左(紙面上左斜め上の方向)に進行軸が変位している移動台座3aについては、この変位を補償するように、右方向(紙面上右斜め上の方向)に移動台座3aの車輪が操舵される。また、進行軸が、移動方向に対して右(紙面上右斜め上の方向)に変位している移動台座3bについては、左方向に移動台座3bの車輪が操舵される制御が行われる。こうした移動台座(3a、3b)の移動方向に対する変位誤差を補償する制御を逐次連続的に行うことにより、移動台座3cのように、移動方向に沿った移動台座3の高精度の直線移動が実現される。
【0039】
次に、検出装置7において、受光器5で計測される受光量に基づいて、移動台座3の移動方向に対する変位誤差を検出する原理について、図3(a)〜(e)に示すように、受光面に移動台座3(図1参照)の進行軸を中心として上下左右に格子状に配列された4つの受光素子10、11、12および13から構成される受光器を例に取り説明する。なお、説明を容易にするため、図3(a)〜(e)は、移動台座3の移動方向に対する方位誤差が0である場合を示す。この受光器では、各受光素子における受光量を計測し、受光量に応じた信号が検出装置7に出力される。
【0040】
移動台座3が発光器6に正対している場合、すなわち、移動方向に対する変位誤差が0の場合には、図3(a)に示すように、4つの受光素子10、11、12、13のそれぞれにおける受光量は等しくなり、各受光素子から出力される受光量を示す信号の出力レベルは等しくなる。
【0041】
これに対して、移動台座3の進行軸が、移動方向、すなわち、照射されるレーザ光B(図1参照)の光軸に対して右に位置がずれた変位誤差を有する場合には、図3(b)に示すように、受光素子11、13による受光量を示す信号の出力レベルが、受光素子10、12による受光量を示す信号の出力レベルよりも高くなる。反対に、移動台車3の進行軸が、移動方向に対して左に位置がずれた変位誤差を有する場合には、図3(c)に示すように、受光素子10、12による受光量を示す信号の出力レベルが、受光素子11、13の受光量を示す出力レベルよりも高くなる。
【0042】
同様に、移動台座3の進行軸が移動方向に対して上下にずれた場合には、図3(d)または(e)に示すように、受光素子10、11と、受光素子12、13との間に受光量の差が発生する。すなわち、移動台座3の進行軸が移動方向に対して上方向にずれた場合は、図3(d)に示すように、受光素子12、13における受光量が、受光素子10、11における受光量よりも多く、受光量を示す信号の出力レベルが高くなる。また、移動台座3の進行軸が移動方向に対して下方向にずれた場合には、図3(e)に示すように、逆に受光素子10、11における受光量を示す信号の出力レベルが高くなる。この移動台座3の上下方向の変位誤差は、移動台座3に搭載されたカメラ本体(図1中、符合14で示す部分)の高さ方向の位置を修正するように、モーションコントロールカメラの各動作軸のアクチュエータを駆動することによって制御することが望ましい。
【0043】
次に、移動台座3の進行軸が移動方向に対して方位誤差を生じている場合の受光器の受光素子におけるスポット形状について説明する。移動台座3が発光器6に正対して方位誤差が生じていない場合は、前述の図3(a)〜(e)に示すように、受光素子10、11、12、13の受光面上に形成されるスポット15の形状は、真円になる。これに対して、方位誤差が生じている場合には、図4に示すように、発光器6から照射されたレーザ光Bによって、受光器5の受光素子10、11、12、13の受光面上に形成されるスポット15の形状が楕円になる。そこで、各受光素子10、11、12、13で受光された光の位相を計測する。
【0044】
検出装置7においては、受光素子10および12で受光されるレーザ光Bの位相に対して、受光素子11および13で受光されるレーザ光Bの位相が早ければ、移動台車の進行軸は左方向(図2中、紙面上の左斜め上の方向)を向いていることが検出される。このとき、移動台座3の車輪を右に操舵することによって、移動台座3の移動方向に対する方位誤差を補償することができる。反対に、受光素子10および12で受光される光の位相に対して、受光素子11および13で受光される光の位相が遅れていれば、移動台車は右方向(図2中、紙面上の右斜め上の方向)を向いていることが検出される。この場合には、移動台座3の車輪を左に操舵することによって、移動台座3の移動方向に対する方位誤差が補償される。
【0045】
以上のとおり、本発明の第1の実施形態によれば、受光器5で受光されるレーザ光Bの受光量および位相によって、移動台座3の移動方向に対する変位誤差および方位誤差を検出し、検出された変位誤差および方位誤差を補償するように、移動台座3の動きを逐次連続的に制御し、所定の移動方向に沿うように移動台座3の進行方向を連続的に制御することができる。
【0046】
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動機構を説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るモーションコントロールカメラの移動台座20の移動機構を示す模式図である。
【0047】
第2の実施形態に係る移動機構は、図5に示すように、モーションコントロールカメラ1(図1参照)の移動台座20の前面に取り付けられた台座側受光器21(台車側受光器)と、台座側受光器21の前部に設けられた分光器22と、外部固定位置に設置された発光器23と、移動台座20の移動方向に沿って、移動方向と平行に配置された固定側受光器24、25と、図示しない検出装置および制御装置とから構成されている。なお、移動台座20(移動台車)の前面とは、移動台座の進行方向に向いた面をいう。
【0048】
また、以下の説明において、検出装置および制御装置は、図示を省略し、前記第1の実施形態と異なる事項についてのみ説明する。この移動台座20の移動機構において、発光器23から照射されるレーザ光Dは、分光器22によって台座側受光器21に向かう方向のレーザ光Eと、その方向に直交する方向に向かうレーザ光Fの2つのレーザ光に分光される。
【0049】
レーザ光Eは台座側受光器21によって受光され、レーザ光Fは、移動方向に沿って配置された固定側受光器24、25に受光される。分光器22としては、例えば、プリズム、ハーフミラー、ビームスプリッター等を用いることができる。
【0050】
この移動機構においては、台座側受光器21によって、レーザ光Eを受光して、そのレーザ光Eの受光量および位相に関する信号を検出装置(図示せず)に入力し、前記第1の実施形態における検出装置7と同様に、移動台座20の移動方向に対する変位誤差および方位誤差が検出される。
【0051】
さらに、固定側受光器24、25がレーザ光Fを受光することによって、移動台座20の移動距離が検出装置(図示せず)によって検出される。すなわち、移動台座20が、固定側受光器24(25)が配置された位置を通過する際に、レーザ光Fが固定側受光器24(25)によって受光され、これによって、移動台座20が、移動方向に沿って始点から固定側受光器24(25)の位置まで移動したことが検出される。このように、移動台車の移動距離を検出することにより、移動台座20の移動速度を求めることができる。なお、移動台座の「移動距離」とは、移動台座の出発点からレーザ光Fを受光した固定側受光器24(25)がある位置における移動台座までの距離をいう。また、固定側受光器24(25)に受光される光の受光量および位相の変化を逐次検出すれば、その固定側受光器24(25)の配置位置の前後での移動台座の移動速度を検出することもできる。
【0052】
この固定側受光器(24、25)は、移動台座の移動距離もしくは移動速度を高精度で制御する必要がある場合には、移動経路の距離に応じてその移動経路に沿って少なくとも複数個が配置されることが望ましい。また、その配置個所、配置数等は、移動経路、移動距離または移動速度の制御に求められる精度等に応じて適宜選択される。例えば、移動速度をより高精度に制御するためには、複数の固定側受光器(24、25)を配置間隔を狭くして配置すればよい。
【0053】
台座側受光器21によって受光される光の受光量および位相に基づいて検出装置により検出される移動台座20の移動方向に対する変位誤差および方位誤差に基づき、制御装置(図示せず)によって、移動台座20の操舵が制御される。さらに、固定側受光器24(25)によって検出された移動台座20の移動距離によって、移動台座20の移動速度が求められ、この移動速度に関する信号によって、所定の移動速度で移動するように、移動台座20の移動速度を制御することができる。
【0054】
なお、前記第1の実施形態では、検出装置7と制御装置8は、信号伝送線7aによって接続されているが、検出装置7と制御装置8は、信号伝送線で接続されず、他の信号伝送手段によって信号が伝送されるように構成されていてもよい。例えば、赤外線、無線、超音波等を用いる信号伝送線を要しない通信手段によって信号が検出装置7から制御装置8に伝送されるように構成されていてもよい。さらに、制御装置8と移動台座3の車輪操舵部(図示せず)への制御信号を前記信号伝送線を要しない通信手段によって伝送されるようにしてもよい。これによって、信号伝送線によって制御装置8の設置個所が制約されず、その制御装置の配置の自由度が大となる。また、第2の実施形態において、台座側受光器21と検出装置7(図1参照)の間、さらに、固定側受光器24(25)と検出装置7の間、さらに、検出装置7と制御装置8、制御装置8と移動台座20の車輪操舵部との間の信号伝送についても同様である。
【0055】
また、前記第2の実施形態において、移動台座の移動経路が移動方向が変化する複数の直線路を1または2以上の曲折点を境に組み合わせた形態である場合、移動経路を構成する直線路の終点ごとに固定側受光器を配置する構成としてもよい。この構成において、各終点に設けられた固定側受光器によって光が受光されたときに、移動台座の進行方向が各直線路に沿った所定の移動方向に変更されるようにすれば、複数の固定側受光素子の配置によって所望の移動経路に沿って移動台車が移動するようにすることも可能である。
【0056】
本発明において、移動台車は、駆動機構を含むものでもよいし、駆動機構を含まないものでもよい。例えば、モータ等の駆動源によって車輪が駆動される機構を備えるものでもよいし、あるいは移動台車とは別個独立した駆動装置あるいは人力によって後押しされるものでもよい。
【0057】
以上、図1〜4に示す第1の実施形態、および図5に示す第2の実施形態は、移動台車(移動台座3,20)側に受光器5(台車側受光器21)を、外部の固定位置に発光器6,23を配置した構成を有する移動機構およびその移動機構による移動制御方法、すなわち、請求項1および請求項3に記載の移動機構ならびにその移動機構による移動制御方法を説明するものである。これに対して、請求項2に記載のとおり、移動台車(移動台座)側に発光器を、外部固定位置に受光器を配置した構成を有する移動機構およびその移動機構による移動制御方法に関する実施形態については、発光器および受光器の配置位置等を除いて、各構成およびその構成による移動台車(移動台座)の移動制御の方法は、前記第1の実施形態および第2の実施形態と同様である。
【0058】
また、本発明において、発光器および受光器を脱着自在として、移動台車が移動する床、路面、あるいは機材、機器の配置状況等に応じて、発光器および受光器の配置場所をそれぞれ選択できるようにすれば、使用条件等に応じて適宜、発光器および受光器を移動台車および固定位置のいずれかに配置でき、移動台車の使用環境に応じてより適切な構成とすることが可能となり、有効である。例えば、ロボットカメラに本発明の移動機構および移動制御方法を適用する場合、ロボットカメラが操作される撮影現場の床、路面の状態、撮影現場に配置された各種機器、機材の配置状況等に応じて、発光器および受光器の配置個所を選択し、より適切な構成とすることが可能となり、有効である。
【0059】
本発明の移動機構および移動制御方法を適用して、その移動を制御できる装置は、特に制限されず、例えば、ロボットカメラ、クレーンカメラ、モーションコントロールカメラ等のカメラ本体の下部に移動台座を備える装置に限られず、FAにおける移動ロボット、自動搬送車等の装置にも適用可能である。特に、本発明の移動機構および移動制御方法は、ロボットカメラ、クレーンカメラ、モーションコントロールカメラ等に適用して、カメラ本体を搭載して移動する移動台座の移動方向を正確に制御して高精度なトラックを実現するために有用である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明に係る移動台車の移動機構およびその移動制御方法によれば、以下に示す効果を奏することができる。
【0061】
請求項1、2、4および6に記載の発明に係る移動台車の移動機構および移動制御方法によれば、従来の移動機構に必要であった重いガイドレールを設営することなく、移動台車および外部固定位置のいずれか一方に発光器を設置し、もう一方に受光器を設置すれば、移動台車の移動方向に対する水平方向および鉛直方向の変位誤差および方位誤差を非接触で高精度に検出できる。そして、検出された変位誤差および方位誤差に基づいて移動台車の移動方向を連続的に自動制御することができ、誰でも簡単に移動台車を備えた装置の高精度なトラックを実現できる。
【0062】
また、請求項3および7に記載の発明に係る移動機構および移動制御方法によれば、移動台車の移動方向に対する水平方向および鉛直方向の変位誤差および方位誤差を非接触で高精度に検出し、検出された変位誤差および方位誤差に基づいて移動台車の移動方向を連続的に自動制御することができる。そして、この移動機構および移動制御方法によれば、とともに、固定側受光器によって移動台車の移動距離を検出することができ、検出された移動距離に基づいて移動台車の移動速度をも連続的に制御することができ、より高精度なトラックを実現できる。
【0063】
また、請求項5に記載の発明に係る移動機構では、ロボットカメラの移動台座部に、本発明の移動機構を適用している。したがって、この移動機構によれば、ロボットカメラを、撮影現場に重いガイドレールを搬入して設営する必要がないので、ハンドリング性に優れたロボットカメラ、例えば、モーションコントロールカメラを提供することができ、この移動機構は、ドラマのロケや情報番組など、幅広い用途に活用していくことができる。
【0064】
本発明の移動機構および移動制御方法によれば、これをテレビジョン番組の制作、映画の制作、遠隔テレビ会議等におけるカメラ移動機構、FAにおける移動ロボット、自動搬送車等に適用することによって、多重合成などの特撮技術を手軽に活用できるようになるので、表現豊かな映像を制作することができ、かつ効率的な番組制作が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るモーションコントロールカメラの移動機構を説明する概念図である。
【図2】第1の実施形態に係るモーションコントロールカメラの移動台座の動作例を示す上面図である。
【図3】(a)は移動台座が移動方向に対して正しい位置にある場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図、(b)は移動台座が移動方向に対して右にずれた場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図、(c)は移動台座が移動方向に対して左にずれた場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図、(d)は移動台座が移動方向に対して上にずれた場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図、(e)は移動台座が移動方向に対して下にずれた場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図である。
【図4】移動台座が移動方向に対する方位誤差を生じた場合の受光器の受光面におけるスポット形状の例を示す模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るモーションコントロールカメラの移動台座を模式的に示す図である。
【図6】(a)は2つの受光素子を左右に配列した例を示す図、(b)は2つの受光素子を上下に配列した例を示す図、(c)は3つの受光素子を放射状に配列した例を示す図、(d)は矩形状の3つの受光素子を上下左右に配列した例を示す図、(e)は4つの受光素子を上下左右に格子状に配列した例を示す図である。
【符号の説明】
1……モーションコントロールカメラ
2……被写体
3,3a、3b,3c……移動台座(移動台車)
4……移動台座の前面
5……受光器
6……発光器
7……検出装置
8……制御装置
9……移動台座の車輪
10,11,12,13……受光素子
14……カメラ本体
15……スポット
20……移動台座(移動台車)
21……台座側受光器(台車側受光器)
22……分光器
23……発光器
24,25……固定側受光器
60……中心軸点
61a,61b,62a,62b,63a,63b,63c,64a,64b,64c,65a,65b,65c,65d……受光素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン番組の制作、映画の制作、遠隔テレビ会議等におけるカメラ移動機構、ファクトリーオートメーション(以下、単に「FA」という)における移動ロボット、自動搬送車等に使用される移動台車の移動機構および移動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビジョン番組の制作、映画の制作等において、ロボットカメラやクレーンカメラ等のカメラ本体を移動台車に搭載した装置を用いてカメラを移動させながら撮影する場合、予め床、路面等に設けられたガイドレールに沿って移動台車を移動させる機構が一般的に用いられてきた。
【0003】
また、FAにおける移動ロボット、自動搬送車等では、ガイドレールに沿って移動する機構のほか、予め移動経路に光学反射テープや磁気テープなどからなるガイドテープを貼り付けておき、このガイドテープをセンサーで検出し同軌道となるようにフィードバック制御しながら移動する機構が用いられている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−87513号公報
【特許文献2】
特開2001−125640号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、いわゆるモーションコントロールカメラと呼ばれる自動撮影カメラが話題に上っている。これは、カメラワークを記憶していて何度でも同じ動きを繰り返して再現することができるロボットカメラの一種である。このカメラを用いて繰返し撮影を行えば、映像の多重合成が実現でき、例えば、合戦シーンの制作において、少ないエキストラで多数の人が演じているような映像が手軽に得られたり、コンピュータグラフィクス(CG)と組み合わせて多様な映像表現が可能になる。
【0006】
モーションコントロールカメラは、その性格上、高精度な動きが要求され、パン又はチルトはもとより、ドリー・イン、ドリー・アウト等のトラック(移動)にも同じ動きを繰り返して再現できること(繰返し再現性)が求められる。しかし、トラックに関しては、移動量が大きいこともあり、移動方向に対する方位精度、移動方向に対する変位精度を制御することが非常に難しい。たとえガイドテープを用いる方法を適用しても、テープ自体を精度よく貼ること自体が困難であり、直線移動の精度を確保することができない。そのため、従来のモーションコントロールカメラは、ガイドレールを用いて移動させねばならなかった。しかし、一般にガイドレールは非常に重く、運搬が大変なだけでなく、ガイドレールを水平に設置するためのレベル出し等のセッティング作業が非常に手間がかかるという欠点があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ガイドレールを設置することなく、誰でも容易に、かつ短時間にセッティングでき、しかも繰り返し再現性に優れた高精度のトラックが可能な移動台車の移動機構および移動制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動機構であって、前記移動台車に装備された受光器と、前記受光器と対向する外部固定位置に配置され、前記受光器に向けて光を照射する発光器と、前記受光器に受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する方位誤差を検出する検出装置と、前記検出装置により検出された前記変位誤差および前記方位誤差を補償するように前記移動台車の操舵を制御する制御装置とを備え、前記移動台車の進行方向が前記移動方向に沿うように連続的に制御するようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動機構であって、前記移動台車に装備された発光器と、前記発光器と対向する外部固定位置に配置され、前記発光器から照射された光を受光する受光器と、前記受光器に受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する方位誤差を検出する検出装置と、前記検出装置により検出された前記変位誤差および前記方位誤差を補償するように前記移動台車の操舵を制御する制御装置とを備え、前記移動台車の進行方向が前記移動方向に沿うように連続的に制御するようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0010】
これらの請求項1または2の構成を有する移動台車の移動機構では、光を照射する発光器と、発光器から照射された光を受光する受光器が互いに対向する位置に配置されている。このような移動機構によれば、移動台車を移動させながら、受光器に受光された光の受光量および位相によって所定の移動方向に対する移動台車の変位誤差および方位誤差が検出される。検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、移動台車が所定の移動方向に沿って移動できるように移動台車の進行方向を連続的に制御することができる。
【0011】
さらに、請求項3に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動機構であって、外部固定位置に配設され、前記移動台車に向けて光を照射する発光器と、前記発光器と対向して前記移動台車に配設された台車側受光器と、前記移動台車の前記移動方向に沿って少なくとも1つ配設された固定側受光器と、前記台車側受光器の前面に配設され、前記発光器から照射された光を前記台車側受光器に向かう方向とその方向と直交する方向との2つの方向に分光する分光器と、前記台車側受光器によって受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の移動方向に対する方位誤差を検出するとともに、前記固定側受光器によって受光された光に基づいて移動台車の移動距離を検出する検出装置と、前記検出装置により検出された前記変位誤差、前記方位誤差および前記移動距離に基づいて前記移動台車の動きを制御する制御装置とを備え、前記移動台車の進行方向が前記移動方向に沿うように連続的に制御するとともに、前記移動台車の移動速度を連続的に制御するようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0012】
この移動機構によれば、台車側受光器に受光された光の受光量および位相によって、所定の移動方向に対する移動台車の変位誤差および方位誤差が検出されるとともに、固定側受光器によって受光された光の受光量および位相に基づいて移動台車の移動距離が検出される。検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、移動台車が所定の移動方向に沿って移動できるように移動台車の進行方向を連続的に制御することができるとともに、検出された移動距離に基づいて移動台車の移動速度を連続的に制御することができ、さらに高精度のトラックを実現できる。
【0013】
さらにまた、請求項4に記載の移動機構は、前記請求項1ないし3のいずれかに記載の移動台車の移動機構において、前記受光器、前記台車側受光器、並びに前記固定側受光器の少なくとも1つが、受光面に配置された複数の受光素子で構成され、前記検出装置が、前記複数の受光素子に受光された光の受光量を比較対照して前記移動台車の前記移動方向に対する前記変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相を比較対照して前記移動台車の前記移動方向に対する前記方位誤差を検出する装置であることを特徴とする。
【0014】
この移動機構によれば、複数の受光素子で構成される受光器において、各受光素子に受光された光の受光量および位相を比較対照することにより、所定の移動方向に対する移動台車の変位誤差および方位誤差が高精度に検出される。高精度に検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、移動台車が所定の移動方向に沿って移動できるように移動台車の進行方向を連続的に制御することができる。
【0015】
さらにまた、請求項5に係る発明は、請求項1ないし4に記載の移動機構において、前記移動台車が、ロボットカメラの移動台座部であることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、所定の移動方向に沿って配置された発光器と受光器とによって、ロボットカメラを搭載した移動台車を移動させながら、受光器に受光された光の受光量および位相によって移動台車の移動方向に対する変位誤差および方位誤差(さらに移動速度)が検出される。このようにして検出された変位誤差および方位誤差(さらに移動速度)に基づいて、移動台車に搭載されたロボットカメラが所定の移動方向に沿って移動できるように移動台車の進行方向(および移動速度)を連続的に制御することができる。
【0017】
請求項6に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動を制御する方法であって、前記移動台車及びこの移動台車と対向する固定位置のいずれか一方に受光器を配置し、他方に発光器を配置して、当該発光器から照射された光を前記受光器で受光するステップと、前記受光器で受光された前記光の受光量に基づいて前記移動台車の方位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出するステップと、検出された前記方位誤差および前記変位誤差を補償するように前記移動台車の操舵を制御するステップとを備え、前記移動台車の進行方向を前記移動方向に沿うように連続的に制御するようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0018】
この請求項6に記載の移動台車の移動制御方法では、所定の移動方向に沿って、互いに対向する位置に配置された発光器と受光器とによって、移動台車を移動させながら、受光器に受光された光の受光量および位相によって移動台車の移動方向に対する変位誤差および方位誤差が検出される。このようにして検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、所定の移動方向に沿って移動台車が移動するように移動台車の進行方向を連続的に制御することができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動を制御する方法であって、外部固定位置に配置された発光器から前記移動台車に向けて照射された光を、前記発光器と対向して前記移動台車に配置された台車側受光器に向かう方向と、その方向に直交する方向の2つに分光するステップと、前記台車側受光器によって受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ前記台車側受光器によって受光された光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する方位誤差を検出するとともに、前記移動台車の前記移動方向に沿って少なくとも1つ配設された固定側受光器によって受光された光によって前記移動台車の移動距離を検出するステップと、検出された変位誤差、方位誤差および移動距離に基づいて前記移動台車の動きを制御するステップと、を備え、前記移動台車の進行方向を前記移動方向に沿うように連続的に制御するとともに、前記移動台車の移動速度を連続的に制御できるようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0020】
この移動制御方法によれば、請求項6に記載の移動制御方法と同様に、台車側受光器に受光された光の受光量および位相によって移動台車の移動方向に対する変位誤差および方位誤差が検出され、検出された変位誤差および方位誤差に基づいて、所定の移動方向に沿って移動台車が移動するように移動台車の進行方向を連続的に制御することができる。そして、固定側受光器によって受光された光の受光量および位相に基づいて移動台車の移動距離が検出され、検出された移動距離に基づいて移動台車の移動速度を連続的に制御することができる。これによって、さらに高精度のトラックを実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態に係る移動台車の移動機構について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る移動機構によって移動方向を制御する移動台座(移動台車)を備えるモーションコントロールカメラを説明する概念図である。
【0022】
図1に示す本発明の第1の実施形態に係る移動機構は、移動台座3(移動台車)と、受光器5と、発光器6と、検出装置7と、制御装置8とから構成されている。この第1の実施形態において、移動台座3に搭載されるモーションコントロールカメラ1は、被写体2に向かって真っ直ぐの進行方向(図1中、矢印Aで示す方向)に移動しながら、被写体2を撮影できるように構成されている。
【0023】
モーションコントロールカメラ1は、その下部に移動台座3を備え、移動台座3の前面4には、受光器5が取り付けられている。また、移動台座3には、後記の制御装置8から出力される制御信号によって操舵される車輪9が取り付けられている。なお、移動台座(移動台車)とは、カメラ等の機器を搭載または機材等を積載して所定の移動経路に沿って移動する装置をいう。例えば、クレーンカメラ、ロボットカメラ、モーションコントロールカメラのカメラ本体を移動させるためにそのカメラ本体に一体的に設けられた移動台座、あるいは各種機材、機器、荷物等を積載して移動する搬送車の車台部分などをいう。また、「移動」とは、移動台車(移動台座)が移動経路に沿って進行することをいう。
【0024】
また、受光器5と対向して、移動台座3とは別個独立の位置(外部固定位置)に発光器6が配置されている。この発光器6は移動台座3の受光器5に向けてレーザ光Bを照射する。レーザ光Bの照射方向は、その光軸が、移動台座3の移動方向と一致するように調整される。なお、移動台座(移動台車)の移動方向とは、移動台車について予め設定される移動経路に沿って移動台車が進行する方向をいい、例えば、移動台車が直線状に設定された移動経路に沿って真っ直ぐ移動する場合には、移動台車の移動の始点から終点を結ぶ直線の方向をいう。
【0025】
この受光器5は、受光したレーザ光Bの受光量および位相に関する信号を出力するように構成され、検出装置7に図示しない信号伝送線を介して接続されている。この受光器5は、発光器から照射される光を受光して、受光した光の受光量および位相に関する信号を検出装置に出力することができる装置であればよく、特に制限されない。例えば、CCD、フォトダイオード等からなる受光素子を少なくとも1つ備える装置である。
【0026】
この受光器5は、移動方向に対する水平方向の変位誤差のみを検出することが求められる場合には、移動方向に対して水平方向に、すなわち、移動台車の進行方向に沿った中心軸(以下、単に「進行軸」という)Aに対して受光面に左右対称に配列された少なくとも2つの受光素子から構成されるものでよい。また、移動方向に対する鉛直方向の変位誤差のみを検出することが求められる場合には、移動方向に対して鉛直方向に、すなわち、進行軸に対して受光面に上下対称に配列された少なくとも2つの受光素子から構成されるものでよい。また、水平方向および鉛直方向の変位誤差を検出することが求められる場合には、移動方向に対して水平方向および鉛直方向に、すなわち、進行軸を中心として上下左右に配列された少なくとも3つの受光素子で構成されるものでよい。
【0027】
なお、移動台座(移動台車)の「移動方向に対する変位誤差」とは、移動方向に対する移動台車の進行軸の水平方向および鉛直方向の変位量、すなわち、ずれをいう。
【0028】
この受光器5における受光素子の配列について、例えば、下記に示す形態のものが挙げられる。
(A)図6(a)に示されるように、中心軸点60を中心として受光素子61aおよび61bが左右対称に配列された形態
(B)図6(b)に示されるように、中心軸点60を中心として受光素子62aおよび62bが上下対称に配列された形態
(C)図6(c)に示されるように、中心軸点60を中心として放射状に3つの受光素子63a、63bおよび63cが配列された形態、
(D)図6(d)に示されるように、中心軸点60を中心として3つの受光素子64a、64bおよび64cが逆三角形状に配列された形態
(E)図6(e)に示されるように、中心軸点60を中心として4つの受光素子65a、65b、65cおよび65dが上下左右に格子状に配列された形態
【0029】
発光器6は、受光器5に光を照射してその受光量および位相が検出可能な光スポットを受光面に形成できるものであれば、いかなる装置でもよい。例えば、レーザ照射器等が挙げられる。通常、受光器を構成する受光素子の受光面積、受光感度等に応じて、例えば、ビーム径に対し所定のエネルギー密度に収束して受光器の受光面に照射できるものが望ましい。
【0030】
検出装置7は、受光器5から出力された受光量に関する信号に基づいて移動台座3の移動方向に対する変位誤差を検出するとともに、受光器5から出力された受光した位相に関する信号に基づいて移動台座3の移動方向に対する方位誤差を検出するものである。
そして、検出装置7は、検出した変位誤差および方位誤差に関する信号を、信号伝送線7aを介して接続された制御装置8に出力するものである。なお、移動台座(移動台車)の「移動方向に対する方位誤差」とは、移動方向と移動台車の進行軸の方向との方位ずれをいう。
【0031】
この検出装置7において、移動台車の移動方向に対する変位誤差は、移動方向に対する移動台車の進行軸の水平方向および鉛直方向の変位量、すなわち、ずれをいい、図1に示すように、所定の移動方向に沿って発光器から直線的に照射される光の光軸Bと移動台車の進行軸Aの水平方向および鉛直方向のずれをいい、図1では、L1が水平方向の変位誤差であり、L2が鉛直方向の変位誤差を示す。
【0032】
また、移動台車の移動方向に対する方位誤差は、移動方向と移動台車の進行軸の方向との方位ずれをいい、図1に示すように、所定の移動方向に沿って発光器から直線的に照射される光の光軸Bと移動台車の進行軸Aとのなす角度θが方位誤差を示す。
【0033】
制御装置8は、検出装置7から出力された変位誤差および方位誤差に関する信号に基づいて、その変位誤差および方位誤差を補償するための制御信号を出力するように構成されている。なお、前記変位誤差または方位誤差を「補償する」とは、変位誤差または方位誤差を打ち消し、移動台座(移動台車)の進行方向を所定の方向に向けることをいう。
【0034】
変位誤差を補償するための制御信号は、例えば、移動台座3の変位誤差において、所定の移動方向に対して水平方向の変位誤差L1が+δ、鉛直方向の変位誤差L2が+σであるときは、移動台座3の進行方向を水平方向に−δ、鉛直方向に−σ変更し、水平方向および鉛直方向の変位誤差を打ち消すための信号である。また、方位誤差を補償するための制御信号は、例えば、移動台座3の方位誤差がΔθであるときは、移動台座3の進行方向の方位を−Δθ変更し、方位誤差を打ち消すための信号である。この制御信号は、例えば、移動台車の車輪の操舵軸、駆動軸等の各軸の回転量、回転方向、回転速度等を制御する信号である。また、その制御の結果、さらに検出装置を介してフィードバックされる移動台車の変位誤差および方位誤差に関する信号に基づいて、移動台車の動きを逐次制御するように構成されている。
【0035】
制御装置8から出力された制御信号は、信号伝送線7aを通ってモーションコントロールカメラ1に備えられた車輪操舵部(図示せず)に入力される。そして、本実施形態では、その制御信号に基づいて移動台座3の車輪9が操舵されることによって、移動台座3の移動方向に対する変位誤差および方位誤差が補償されて、モーションコントロールカメラ1の進行方向が、所定の移動方向に沿うように制御されるようになっている。
【0036】
次に、この移動機構の動作を説明するとともに、本発明に係る移動制御方法について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る移動機構における移動台座の動作を示す上面図、図3(a)〜(e)および図4は、第1の実施形態に係る移動機構における受光器の受光面上のスポットを示す模式図である。
【0037】
この移動台座3の移動機構においては、前述のとおり、発光器6から照射されたレーザ光を受光器5で受光し、検出装置7により移動台座3の移動方向に対する変位誤差および方位誤差を検出し、この変位誤差および方位誤差を補償するように、連続的に移動台座3の車輪の操舵が制御されることにより、移動台座3の移動方向が制御される。
【0038】
図2に示すように、この移動制御方法では、各移動台座3a、3b、3cの変位誤差を補償するように各移動台座3a、3b、3cの移動方向が制御される。すなわち、移動方向(図2中、矢印Cで示すレーザ光B(図1参照)の光軸方向に対して逆向きの方向)に対して左(紙面上左斜め上の方向)に進行軸が変位している移動台座3aについては、この変位を補償するように、右方向(紙面上右斜め上の方向)に移動台座3aの車輪が操舵される。また、進行軸が、移動方向に対して右(紙面上右斜め上の方向)に変位している移動台座3bについては、左方向に移動台座3bの車輪が操舵される制御が行われる。こうした移動台座(3a、3b)の移動方向に対する変位誤差を補償する制御を逐次連続的に行うことにより、移動台座3cのように、移動方向に沿った移動台座3の高精度の直線移動が実現される。
【0039】
次に、検出装置7において、受光器5で計測される受光量に基づいて、移動台座3の移動方向に対する変位誤差を検出する原理について、図3(a)〜(e)に示すように、受光面に移動台座3(図1参照)の進行軸を中心として上下左右に格子状に配列された4つの受光素子10、11、12および13から構成される受光器を例に取り説明する。なお、説明を容易にするため、図3(a)〜(e)は、移動台座3の移動方向に対する方位誤差が0である場合を示す。この受光器では、各受光素子における受光量を計測し、受光量に応じた信号が検出装置7に出力される。
【0040】
移動台座3が発光器6に正対している場合、すなわち、移動方向に対する変位誤差が0の場合には、図3(a)に示すように、4つの受光素子10、11、12、13のそれぞれにおける受光量は等しくなり、各受光素子から出力される受光量を示す信号の出力レベルは等しくなる。
【0041】
これに対して、移動台座3の進行軸が、移動方向、すなわち、照射されるレーザ光B(図1参照)の光軸に対して右に位置がずれた変位誤差を有する場合には、図3(b)に示すように、受光素子11、13による受光量を示す信号の出力レベルが、受光素子10、12による受光量を示す信号の出力レベルよりも高くなる。反対に、移動台車3の進行軸が、移動方向に対して左に位置がずれた変位誤差を有する場合には、図3(c)に示すように、受光素子10、12による受光量を示す信号の出力レベルが、受光素子11、13の受光量を示す出力レベルよりも高くなる。
【0042】
同様に、移動台座3の進行軸が移動方向に対して上下にずれた場合には、図3(d)または(e)に示すように、受光素子10、11と、受光素子12、13との間に受光量の差が発生する。すなわち、移動台座3の進行軸が移動方向に対して上方向にずれた場合は、図3(d)に示すように、受光素子12、13における受光量が、受光素子10、11における受光量よりも多く、受光量を示す信号の出力レベルが高くなる。また、移動台座3の進行軸が移動方向に対して下方向にずれた場合には、図3(e)に示すように、逆に受光素子10、11における受光量を示す信号の出力レベルが高くなる。この移動台座3の上下方向の変位誤差は、移動台座3に搭載されたカメラ本体(図1中、符合14で示す部分)の高さ方向の位置を修正するように、モーションコントロールカメラの各動作軸のアクチュエータを駆動することによって制御することが望ましい。
【0043】
次に、移動台座3の進行軸が移動方向に対して方位誤差を生じている場合の受光器の受光素子におけるスポット形状について説明する。移動台座3が発光器6に正対して方位誤差が生じていない場合は、前述の図3(a)〜(e)に示すように、受光素子10、11、12、13の受光面上に形成されるスポット15の形状は、真円になる。これに対して、方位誤差が生じている場合には、図4に示すように、発光器6から照射されたレーザ光Bによって、受光器5の受光素子10、11、12、13の受光面上に形成されるスポット15の形状が楕円になる。そこで、各受光素子10、11、12、13で受光された光の位相を計測する。
【0044】
検出装置7においては、受光素子10および12で受光されるレーザ光Bの位相に対して、受光素子11および13で受光されるレーザ光Bの位相が早ければ、移動台車の進行軸は左方向(図2中、紙面上の左斜め上の方向)を向いていることが検出される。このとき、移動台座3の車輪を右に操舵することによって、移動台座3の移動方向に対する方位誤差を補償することができる。反対に、受光素子10および12で受光される光の位相に対して、受光素子11および13で受光される光の位相が遅れていれば、移動台車は右方向(図2中、紙面上の右斜め上の方向)を向いていることが検出される。この場合には、移動台座3の車輪を左に操舵することによって、移動台座3の移動方向に対する方位誤差が補償される。
【0045】
以上のとおり、本発明の第1の実施形態によれば、受光器5で受光されるレーザ光Bの受光量および位相によって、移動台座3の移動方向に対する変位誤差および方位誤差を検出し、検出された変位誤差および方位誤差を補償するように、移動台座3の動きを逐次連続的に制御し、所定の移動方向に沿うように移動台座3の進行方向を連続的に制御することができる。
【0046】
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動機構を説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るモーションコントロールカメラの移動台座20の移動機構を示す模式図である。
【0047】
第2の実施形態に係る移動機構は、図5に示すように、モーションコントロールカメラ1(図1参照)の移動台座20の前面に取り付けられた台座側受光器21(台車側受光器)と、台座側受光器21の前部に設けられた分光器22と、外部固定位置に設置された発光器23と、移動台座20の移動方向に沿って、移動方向と平行に配置された固定側受光器24、25と、図示しない検出装置および制御装置とから構成されている。なお、移動台座20(移動台車)の前面とは、移動台座の進行方向に向いた面をいう。
【0048】
また、以下の説明において、検出装置および制御装置は、図示を省略し、前記第1の実施形態と異なる事項についてのみ説明する。この移動台座20の移動機構において、発光器23から照射されるレーザ光Dは、分光器22によって台座側受光器21に向かう方向のレーザ光Eと、その方向に直交する方向に向かうレーザ光Fの2つのレーザ光に分光される。
【0049】
レーザ光Eは台座側受光器21によって受光され、レーザ光Fは、移動方向に沿って配置された固定側受光器24、25に受光される。分光器22としては、例えば、プリズム、ハーフミラー、ビームスプリッター等を用いることができる。
【0050】
この移動機構においては、台座側受光器21によって、レーザ光Eを受光して、そのレーザ光Eの受光量および位相に関する信号を検出装置(図示せず)に入力し、前記第1の実施形態における検出装置7と同様に、移動台座20の移動方向に対する変位誤差および方位誤差が検出される。
【0051】
さらに、固定側受光器24、25がレーザ光Fを受光することによって、移動台座20の移動距離が検出装置(図示せず)によって検出される。すなわち、移動台座20が、固定側受光器24(25)が配置された位置を通過する際に、レーザ光Fが固定側受光器24(25)によって受光され、これによって、移動台座20が、移動方向に沿って始点から固定側受光器24(25)の位置まで移動したことが検出される。このように、移動台車の移動距離を検出することにより、移動台座20の移動速度を求めることができる。なお、移動台座の「移動距離」とは、移動台座の出発点からレーザ光Fを受光した固定側受光器24(25)がある位置における移動台座までの距離をいう。また、固定側受光器24(25)に受光される光の受光量および位相の変化を逐次検出すれば、その固定側受光器24(25)の配置位置の前後での移動台座の移動速度を検出することもできる。
【0052】
この固定側受光器(24、25)は、移動台座の移動距離もしくは移動速度を高精度で制御する必要がある場合には、移動経路の距離に応じてその移動経路に沿って少なくとも複数個が配置されることが望ましい。また、その配置個所、配置数等は、移動経路、移動距離または移動速度の制御に求められる精度等に応じて適宜選択される。例えば、移動速度をより高精度に制御するためには、複数の固定側受光器(24、25)を配置間隔を狭くして配置すればよい。
【0053】
台座側受光器21によって受光される光の受光量および位相に基づいて検出装置により検出される移動台座20の移動方向に対する変位誤差および方位誤差に基づき、制御装置(図示せず)によって、移動台座20の操舵が制御される。さらに、固定側受光器24(25)によって検出された移動台座20の移動距離によって、移動台座20の移動速度が求められ、この移動速度に関する信号によって、所定の移動速度で移動するように、移動台座20の移動速度を制御することができる。
【0054】
なお、前記第1の実施形態では、検出装置7と制御装置8は、信号伝送線7aによって接続されているが、検出装置7と制御装置8は、信号伝送線で接続されず、他の信号伝送手段によって信号が伝送されるように構成されていてもよい。例えば、赤外線、無線、超音波等を用いる信号伝送線を要しない通信手段によって信号が検出装置7から制御装置8に伝送されるように構成されていてもよい。さらに、制御装置8と移動台座3の車輪操舵部(図示せず)への制御信号を前記信号伝送線を要しない通信手段によって伝送されるようにしてもよい。これによって、信号伝送線によって制御装置8の設置個所が制約されず、その制御装置の配置の自由度が大となる。また、第2の実施形態において、台座側受光器21と検出装置7(図1参照)の間、さらに、固定側受光器24(25)と検出装置7の間、さらに、検出装置7と制御装置8、制御装置8と移動台座20の車輪操舵部との間の信号伝送についても同様である。
【0055】
また、前記第2の実施形態において、移動台座の移動経路が移動方向が変化する複数の直線路を1または2以上の曲折点を境に組み合わせた形態である場合、移動経路を構成する直線路の終点ごとに固定側受光器を配置する構成としてもよい。この構成において、各終点に設けられた固定側受光器によって光が受光されたときに、移動台座の進行方向が各直線路に沿った所定の移動方向に変更されるようにすれば、複数の固定側受光素子の配置によって所望の移動経路に沿って移動台車が移動するようにすることも可能である。
【0056】
本発明において、移動台車は、駆動機構を含むものでもよいし、駆動機構を含まないものでもよい。例えば、モータ等の駆動源によって車輪が駆動される機構を備えるものでもよいし、あるいは移動台車とは別個独立した駆動装置あるいは人力によって後押しされるものでもよい。
【0057】
以上、図1〜4に示す第1の実施形態、および図5に示す第2の実施形態は、移動台車(移動台座3,20)側に受光器5(台車側受光器21)を、外部の固定位置に発光器6,23を配置した構成を有する移動機構およびその移動機構による移動制御方法、すなわち、請求項1および請求項3に記載の移動機構ならびにその移動機構による移動制御方法を説明するものである。これに対して、請求項2に記載のとおり、移動台車(移動台座)側に発光器を、外部固定位置に受光器を配置した構成を有する移動機構およびその移動機構による移動制御方法に関する実施形態については、発光器および受光器の配置位置等を除いて、各構成およびその構成による移動台車(移動台座)の移動制御の方法は、前記第1の実施形態および第2の実施形態と同様である。
【0058】
また、本発明において、発光器および受光器を脱着自在として、移動台車が移動する床、路面、あるいは機材、機器の配置状況等に応じて、発光器および受光器の配置場所をそれぞれ選択できるようにすれば、使用条件等に応じて適宜、発光器および受光器を移動台車および固定位置のいずれかに配置でき、移動台車の使用環境に応じてより適切な構成とすることが可能となり、有効である。例えば、ロボットカメラに本発明の移動機構および移動制御方法を適用する場合、ロボットカメラが操作される撮影現場の床、路面の状態、撮影現場に配置された各種機器、機材の配置状況等に応じて、発光器および受光器の配置個所を選択し、より適切な構成とすることが可能となり、有効である。
【0059】
本発明の移動機構および移動制御方法を適用して、その移動を制御できる装置は、特に制限されず、例えば、ロボットカメラ、クレーンカメラ、モーションコントロールカメラ等のカメラ本体の下部に移動台座を備える装置に限られず、FAにおける移動ロボット、自動搬送車等の装置にも適用可能である。特に、本発明の移動機構および移動制御方法は、ロボットカメラ、クレーンカメラ、モーションコントロールカメラ等に適用して、カメラ本体を搭載して移動する移動台座の移動方向を正確に制御して高精度なトラックを実現するために有用である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明に係る移動台車の移動機構およびその移動制御方法によれば、以下に示す効果を奏することができる。
【0061】
請求項1、2、4および6に記載の発明に係る移動台車の移動機構および移動制御方法によれば、従来の移動機構に必要であった重いガイドレールを設営することなく、移動台車および外部固定位置のいずれか一方に発光器を設置し、もう一方に受光器を設置すれば、移動台車の移動方向に対する水平方向および鉛直方向の変位誤差および方位誤差を非接触で高精度に検出できる。そして、検出された変位誤差および方位誤差に基づいて移動台車の移動方向を連続的に自動制御することができ、誰でも簡単に移動台車を備えた装置の高精度なトラックを実現できる。
【0062】
また、請求項3および7に記載の発明に係る移動機構および移動制御方法によれば、移動台車の移動方向に対する水平方向および鉛直方向の変位誤差および方位誤差を非接触で高精度に検出し、検出された変位誤差および方位誤差に基づいて移動台車の移動方向を連続的に自動制御することができる。そして、この移動機構および移動制御方法によれば、とともに、固定側受光器によって移動台車の移動距離を検出することができ、検出された移動距離に基づいて移動台車の移動速度をも連続的に制御することができ、より高精度なトラックを実現できる。
【0063】
また、請求項5に記載の発明に係る移動機構では、ロボットカメラの移動台座部に、本発明の移動機構を適用している。したがって、この移動機構によれば、ロボットカメラを、撮影現場に重いガイドレールを搬入して設営する必要がないので、ハンドリング性に優れたロボットカメラ、例えば、モーションコントロールカメラを提供することができ、この移動機構は、ドラマのロケや情報番組など、幅広い用途に活用していくことができる。
【0064】
本発明の移動機構および移動制御方法によれば、これをテレビジョン番組の制作、映画の制作、遠隔テレビ会議等におけるカメラ移動機構、FAにおける移動ロボット、自動搬送車等に適用することによって、多重合成などの特撮技術を手軽に活用できるようになるので、表現豊かな映像を制作することができ、かつ効率的な番組制作が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るモーションコントロールカメラの移動機構を説明する概念図である。
【図2】第1の実施形態に係るモーションコントロールカメラの移動台座の動作例を示す上面図である。
【図3】(a)は移動台座が移動方向に対して正しい位置にある場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図、(b)は移動台座が移動方向に対して右にずれた場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図、(c)は移動台座が移動方向に対して左にずれた場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図、(d)は移動台座が移動方向に対して上にずれた場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図、(e)は移動台座が移動方向に対して下にずれた場合の受光器の受光面上のスポット位置を示す模式図である。
【図4】移動台座が移動方向に対する方位誤差を生じた場合の受光器の受光面におけるスポット形状の例を示す模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るモーションコントロールカメラの移動台座を模式的に示す図である。
【図6】(a)は2つの受光素子を左右に配列した例を示す図、(b)は2つの受光素子を上下に配列した例を示す図、(c)は3つの受光素子を放射状に配列した例を示す図、(d)は矩形状の3つの受光素子を上下左右に配列した例を示す図、(e)は4つの受光素子を上下左右に格子状に配列した例を示す図である。
【符号の説明】
1……モーションコントロールカメラ
2……被写体
3,3a、3b,3c……移動台座(移動台車)
4……移動台座の前面
5……受光器
6……発光器
7……検出装置
8……制御装置
9……移動台座の車輪
10,11,12,13……受光素子
14……カメラ本体
15……スポット
20……移動台座(移動台車)
21……台座側受光器(台車側受光器)
22……分光器
23……発光器
24,25……固定側受光器
60……中心軸点
61a,61b,62a,62b,63a,63b,63c,64a,64b,64c,65a,65b,65c,65d……受光素子
Claims (7)
- 所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動機構であって、
前記移動台車に装備された受光器と、
前記受光器と対向する外部固定位置に配置され、前記受光器に向けて光を照射する発光器と、
前記受光器に受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する方位誤差を検出する検出装置と、
前記検出装置により検出された前記変位誤差および前記方位誤差を補償するように前記移動台車の操舵を制御する制御装置とを備え、
前記移動台車の進行方向が前記移動方向に沿うように連続的に制御するようにしたことを特徴とする移動台車の移動機構。 - 所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動機構であって、
前記移動台車に装備された発光器と、
前記発光器と対向する外部固定位置に配置され、前記発光器から照射された光を受光する受光器と、
前記受光器に受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する方位誤差を検出する検出装置と、
前記検出装置により検出された前記変位誤差および前記方位誤差を補償するように前記移動台車の操舵を制御する制御装置とを備え、
前記移動台車の進行方向が前記移動方向に沿うように連続的に制御するようにしたことを特徴とする移動台車の移動機構。 - 所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動機構であって、
外部固定位置に配設され、前記移動台車に向けて光を照射する発光器と、
前記発光器と対向して前記移動台車に配設された台車側受光器と、
前記移動台車の前記移動方向に沿って少なくとも1つ配設された固定側受光器と、
前記台車側受光器の前面に配設され、前記発光器から照射された光を前記台車側受光器に向かう方向とその方向と直交する方向との2つの方向に分光する分光器と、
前記台車側受光器によって受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の移動方向に対する方位誤差を検出するとともに、前記固定側受光器によって受光された光に基づいて移動台車の移動距離を検出する検出装置と、
前記検出装置により検出された前記変位誤差、前記方位誤差および前記移動距離に基づいて前記移動台車の動きを制御する制御装置とを備え、
前記移動台車の進行方向が前記移動方向に沿うように連続的に制御するとともに、前記移動台車の移動速度を連続的に制御するようにしたことを特徴とする移動台車の移動機構。 - 前記台車側受光器、並びに前記固定側受光器の少なくとも1つが、受光面に配置された複数の受光素子で構成され、前記検出装置が、前記複数の受光素子に受光された光の受光量を比較対照して前記移動台車の前記移動方向に対する前記変位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相を比較対照して前記移動台車の前記移動方向に対する前記方位誤差を検出する装置であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の移動台車の移動機構。
- 前記移動台車が、ロボットカメラの移動台座部である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の移動台車の移動機構。
- 所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動を制御する方法であって、
前記移動台車及びこの移動台車と対向する固定位置のいずれか一方に受光器を配置し、他方に発光器を配置して、当該発光器から照射された光を前記受光器で受光するステップと、
前記受光器で受光された前記光の受光量に基づいて前記移動台車の方位誤差を検出し、かつ受光された前記光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出するステップと、
検出された前記方位誤差および前記変位誤差を補償するように前記移動台車の操舵を制御するステップとを備え、前記移動台車の進行方向を前記移動方向に沿うように連続的に制御するようにしたことを特徴とする移動台車の移動制御方法。 - 所定の移動方向に沿って移動する移動台車の移動を制御する方法であって、
外部固定位置に配置された発光器から前記移動台車に向けて照射された光を、前記発光器と対向して前記移動台車に配置された台車側受光器に向かう方向と、その方向に直交する方向の2つに分光するステップと、
前記台車側受光器によって受光された光の受光量に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する変位誤差を検出し、かつ前記台車側受光器によって受光された光の位相に基づいて前記移動台車の前記移動方向に対する方位誤差を検出するとともに、前記移動台車の前記移動方向に沿って少なくとも1つ配設された固定側受光器によって受光された光によって前記移動台車の移動距離を検出するステップと、
検出された前記変位誤差、前記方位誤差および前記移動距離に基づいて前記移動台車の動きを制御するステップと、
を備え、前記移動台車の進行方向を前記移動方向に沿うように連続的に制御するとともに、前記移動台車の移動速度を連続的に制御できるようにしたことを特徴とする移動台車の移動制御方法。
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2003
- 2003-03-20 JP JP2003077596A patent/JP2004287711A/ja active Pending
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