JP2004287247A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、同じ巻き数のコイルが巻かれたコイルボビン110Aであっても、加熱ローラ101に与える単位面積あたりの電力を変更することができ、所望の温度分布を加熱ローラ101上に形成することが可能となる。
【解決手段】この発明は、誘導加熱型の定着装置において、異なるボビン有効幅のコイル領域に同じ巻き数のコイルを巻きつけた複数のコイルボビン110Aを保持部材110Bに保持させた構成としたものである。
【選択図】 図7
【解決手段】この発明は、誘導加熱型の定着装置において、異なるボビン有効幅のコイル領域に同じ巻き数のコイルを巻きつけた複数のコイルボビン110Aを保持部材110Bに保持させた構成としたものである。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機やプリンタなどの画像形成装置に搭載され、用紙上の現像剤像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル技術を利用した画像形成装置たとえば電子複写機では、加圧状態で加熱することにより現像剤像を用紙に定着させる定着装置を有している。
例えば、電子複写機では、原稿が載置された原稿台が露光され、その原稿からの反射光が光電変換素子たとえばCCD(charge coupled device)に導かれる。CCDは、原稿の画像に対応する画像信号を出力する。この画像信号に応じたレーザ光が感光体ドラムに照射されて、感光体ドラムの周面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像剤(トナー)の付着により顕像化される。感光体ドラムには、その感光体ドラムの回転にタイミングを合わせて用紙が送られ、その用紙に感光体ドラム上の顕像(現像剤像)が転写される。現像剤像が転写された用紙は、定着装置に送られる。
【0003】
定着装置は、加熱ローラと、この加熱ローラに加圧状態で接しながらその加熱ローラと共に回転する加圧ローラとを備え、この両ローラ間に用紙を挟み込んでその用紙を搬送しながら、加熱ローラの熱によって用紙上の現像剤像を定着させる。
また、定着装置の加熱ローラの熱源としては、誘導加熱がある。これは、加熱ローラ内にコイルを収め、そのコイルにコンデンサを接続して共振回路を形成し、その共振回路を1つの共振回路に対して1つの周波数で励起することにより、コイルに高周波電流を流してコイルから高周波磁界を発生させ、その高周波磁界によって加熱ローラに渦電流を生じさせ、その渦電流によるジュール熱で加熱ローラを自己発熱させる。
【0004】
さらに、近年では、省エネ対応技術としてウォーミングアップの短縮化が技術課題となっているが、対策として加熱ローラの薄肉化が上げられる。
しかしながら、加熱ローラの肉厚が薄いほど熱容量が小さくなるため、加熱ローラ上の温度分布を均一に保つことが難しくなる。例えば、誘導加熱型の定着装置では、コイルにより加熱する加熱ローラに対する単位面積あたりの電力を所望の値に設定しなければ、加熱ローラ上の温度分布にむらが生じることがある。また、画像形成装置に用いられる定着装置では、様々なサイズの用紙が使用される可能性があるため、どのようなサイズの用紙に対しても加熱ローラ上の温度分布を所望の温度分布になるようにコイルを設計しなければ、種々の用紙全体に対する定着温度を均一に保つことができないという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−312165号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、その目的とするところは、簡単な構成で、コイルにより加熱される被加熱部材における温度分布を所望の温度分布にすることができる誘導加熱手段を有する定着装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の定着装置は、コイルにより発生する磁界の変化により発生する渦電流によって発熱する被加熱部材により現像剤を被画像形成媒体上に定着させるものにおいて、所定巻数の第1のコイルを形成する電線が巻きつけられる第1のコイル領域を有する第1のコイルボビンと、前記第1のコイルと同じ巻数の第2のコイルを形成する電線が巻きつけられる前記第1のコイル領域とは異なる大きさの第2のコイル領域を有する第2のコイルボビンと、前記第1のコイルボビン及び第2のコイルボビンを所定位置に保持する保持部材とを有する誘導加熱手段を具備する。
【0008】
この発明の定着装置は、コイルにより発生する磁界の変化により発生する渦電流によって発熱する被加熱部材により現像剤を被画像形成媒体上に定着させるものにおいて、第1の巻数の電線からなる第1のコイルがコイル領域に巻きつけられる第1のコイルボビンと、この第1のコイルボビンと同じ大きさのコイル領域を有し、前記第1の巻数とは異なる第2の巻数の電線からなる第2のコイルが巻きつけられる第2のコイルボビンと、前記第1のコイルボビン及び第2のコイルボビンを所定位置に保持する保持部材とを有する誘導加熱手段を具備する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、画像形成装置としての複合型電子複写機の内部構成を示すものである。まず、本体1の上面部には、原稿載置用の透明の原稿台(ガラス板)2が設けられており、キャリッジ4に設けられた露光ランプ5が点灯することにより、原稿台2に載置されている原稿Dが露光される。
【0010】
この露光による反射光が光電変換素子、例えばCCD(charge coupled device)10に投影されることで画像信号が出力される。上記CCD10から出力される画像信号は、デジタル信号に変換され、そのデジタル信号が適宜に処理された後、レーザユニット27に供給される。上記レーザユニット27は、入力信号に応じてレーザビームBを発する。
【0011】
本体1の上面部において、自動原稿送りユニット40が被さらない位置に、図示しない動作条件設定用のコントロールパネルが設けられている。上記コントロールパネルは、タッチパネル式の液晶表示部、数値入力用のテンキー、コピーキーなどを備えている。
【0012】
一方、本体1内の略中央部には、感光体ドラム20が回転自在に設けられている。この感光体ドラム20の周囲には、帯電器21、現像ユニット22、転写器23、剥離器24、クリーナ25、及び除電器26が順次に配設され、既知のプロセス方法にて感光体ドラム20上にトナー(現像剤)画像が形成され、そのトナー画像が用紙上に転写され、後述する定着装置100により、用紙上のトナーが加熱、加圧定着される。
【0013】
図2は、定着装置100の概略構成を示すものである。
図2において定着装置100は、コピー用紙Sの搬送路を上下に挟む位置に加熱ローラ101と加圧ローラ102とが設けられている。加圧ローラ102は、図示しない加圧機構により、加熱ローラ101の周面に加圧状態で接している。これらローラ101、102の接触部は、一定のニップ幅を持っている。
【0014】
上記加熱ローラ101は、導電性材料、例えば鉄を筒状に成形し、その鉄の外周面に、例えば、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂などを被覆したものである。上記加熱ローラ101は、図示しない駆動モータなどにより図示右方向に回転駆動される。上記加圧ローラ102は、上記加熱ローラ101の回転を受けて図示左方向に回転する。上記加熱ローラ101と上記加圧ローラ102との接触部をコピー用紙Sが通過し、且つコピー用紙が加熱ローラ101から熱を受けることにより、コピー用紙S上の現像剤像Tがコピー用紙Sに定着される。
【0015】
上記加熱ローラ101の周囲には、コピー用紙Sを加熱ローラ101から剥離するための隔離爪103、上記加熱ローラ101上に残るトナー及び紙屑等を除去するためのクリーニング部材104、上記加熱ローラ101の表面に離型剤を塗布するための塗布ローラ105とが配設されている。
【0016】
上記加熱ローラ101の内部には、誘導加熱用の誘導加熱部110が収容されている。上記誘導加熱部110は、コイル111としての電線が周面に巻かれたコイルボビン110Aと、そのコイルボビン110Aを保持する保持部材110Bとを有する。上記コイルボビン110Aは、コイル111が複数のコイル(111a、…)からなる場合、コイルの数に応じた複数のコイルボビン110A(110Aa、…)で構成される。上記誘導加熱部110には、後述する高周波回路により高周波電力が与えられ、誘導加熱用の高周波磁界を発する。この高周波磁界が発せられることにより、加熱ローラ101に渦電流が生じ、その渦電流によるジュール熱で上記加熱ローラ101が自己発熱する。
【0017】
図3は、複合型電子複写機の制御回路を示すものである。すなわち、メインCPU50には、スキャンCPU70、コントロールパネルCPU80、及びプリントCPU90とが接続されている。
上記メインCPU50は、上記スキャンCPU70、上記コントロールパネルCPU80、及び上記プリントCPU90を統括的に制御するもので、コピーキーの操作に応じたコピーモードの制御手段、ネットインタフェース59への画像入力に応じたプリンタモードの制御手段、及びFAX送受信ユニット60での画像受信に応じたファクシミリモードの制御手段などを備えている。
【0018】
また、上記メインCPU50には、制御プログラム記憶用のROM51、データ記憶用のRAM52、画素カウンタ53、画像処理部55、ページメモリコントローラ56、ハードディスクユニット58、ネットインタフェース59、及びFAX送受信ユニット60とが接続されている。
【0019】
上記ページメモリコントローラ56は、上記ページメモリ57に対する画像データの書込み及び読み出しを制御する。また、上記画像処理部55、上記ページメモリコントローラ56、上記ページメモリ57、上記ハードディスクユニット58、上記ネットインタフェース59、及び上記FAX送受信ユニット60とは、上記画像データバス61により相互に接続されている。
【0020】
上記ネットインタフェース59は、外部機器から伝送されてくる画像(画像データ)が入力されるプリンタモード用の入力部として機能する。このネットインタフェース59には、LANあるいはインターネットなどの通信ネットワーク201が接続され、その通信ネットワーク201に外部機器、例えば複数台のパーソナルコンピュータ202が接続されている。これらパーソナルコンピュータ202は、コントローラ203、ディスプレイ204、操作ユニット205などを備えている。
上記FAX送受信ユニット60は、電話回線210に接続されており、その電話回線210を介してファクシミリ送信されてくる画像(画像データ)を受信するファクシミリモード用の受信部として機能する。
【0021】
上記スキャンCPU70には、制御プログラム記憶用のROM71、データ記憶用のRAM72、CCD10の出力を処理して画像データバス61に供給する信号処理部73、CCDドライバ74、スキャンモータドライバ75、露光ランプ5、自動原稿送り装置40、及び、複数の原稿センサ11などが接続されている。
【0022】
上記CCDドライバ74は、上記CCD10を駆動する。上記スキャンモータドライバ75は、キャリッジ駆動用のスキャンモータ76を駆動する。上記自動原稿送り装置40は、トレイ41にセットされる原稿D及びそのサイズを検知するための原稿センサ43を有している。
【0023】
上記コントロールパネルCPU80には、コントロールパネルのタッチパネル式液晶表示部14、テンキー15、オールリセットキー16、コピーキー17、及びストップキー18とが接続されている。
【0024】
上記プリントCPU90には、制御プログラム記憶用のROM91、データ記憶用のRAM92、プリントエンジン93、用紙搬送ユニット94、プロセスユニット95、定着装置100とが接続されている。プリントエンジン93は、レーザユニット27及びその駆動回路などにより構成されている。用紙搬送ユニット94は、給紙カセット30からトレイ38にかけての用紙搬送機構及びその駆動回路などにより構成されている。プロセスユニット95は、感光体ドラム20及びその周辺部などにより構成されている。
上記プリントCPU90及びその周辺構成を主体にして、上記画像処理部55で処理された画像を用紙Pにプリントするプリント部が構成されている。
【0025】
図4は、定着装置100の電気回路の構成例を示すものである。
ここでは、上記加熱ローラ101内に収納される誘導加熱部110は、複数のコイル(111a、111b、111c)からなるコイル111を有しているものとする。つまり、図4に示す例では、上記コイル111は、3つのコイル111a,111b,111cに分かれている。図4に示す例において、上記コイル111aは、第1のコイルを構成し、上記加熱ローラ101の中央部に存している。また、上記コイル111b、及び111cは、第2のコイルを構成し、上記加熱ローラ101内の上記コイル111aを挟む両側位置に存している。これらコイル111a,111b,111cは高周波発生回路120に接続されている。
【0026】
また、上記加熱ローラ101の中央部には、温度センサ112が設けられている。上記温度センサ112は、上記加熱ローラ101の中央部の温度を検知する。また、上記加熱ローラ101の一端部には、温度センサ113が設けられている。上記温度センサ113は、上記加熱ローラ101の一端部の温度を検知する。これらの温度センサ112,113は、上記加熱ローラ101を回転駆動するための駆動ユニット160と共に、プリントCPU90に接続されている。
【0027】
上記プリントCPU90は、駆動ユニット160を制御する機能に加え、第1のコイルとしてのコイル111aを構成要素とする後述する第1共振回路(出力電力P1)の動作、及び、第2のコイルとしてのコイル111b及び111cを構成要素とする後述する第2共振回路(出力電力P2)の動作を指定するためのP1/P2切替信号を発する機能、各共振回路の出力電力、温度センサ112,113の検知温度に応じて制御する機能を備えている。
【0028】
上記高周波発生回路120は、高周波磁界発生用の高周波電力を発生するもので、整流回路121及びこの整流回路121の出力端に接続されたスイッチング回路122を備えている。上記整流回路121は、商用交流電源130の交流電圧を整流する。上記スイッチング回路122は、コイル111aにより第1共振回路を形成し、コイル111b,111cにより第2共振回路を形成している。
また、上記第1共振回路及び上記第2共振回路は、上記スイッチング回路122内に設けられた図示しないスイッチング素子(例えば、FET等のトランジスタ)により選択的に励起される。
【0029】
なお、第2のコイルを構成する上記コイル111b及び111cは上記スイッチング回路122に対して並列に接続されている。同様に、上記誘導加熱部110において第1のコイルあるいは第2のコイルが複数のコイルで構成される場合、各コイルは上記スイッチング回路122に対して並列に接続されるものとする。
【0030】
上記第1共振回路は、上記コイル111aのインダクタンス及び上記スイッチング回路122内のコンデンサ(図示しない)の静電容量等により定まる共振周波数f1を有している。上記第2共振回路は、上記コイル111b及び111cのインダクタンス及び上記スイッチング回路122内のコンデンサ(図示しない)の静電容量等により定まる共振周波数f2を有している。
【0031】
上記スイッチング回路122は、プリントCPU90からのP1/P2切替信号に従い、コントローラ140によりオン,オフ駆動される。上記コントローラ140は、発振回路141及びCPU142を備えている。上記発振回路141は、上記スイッチング回路122に対する所定周波数の駆動信号を発する。上記CPU142は、上記発振回路141の発振周波数(駆動信号の周波数)を制御するものである。上記CPU142は、主要な機能として、例えば、次の(1)、(2)の手段を有している。
【0032】
(1)プリントCPU90からのP1/P2切替信号によって第1共振回路の動作(コイル111aのみ使用)が指定されている場合、上記CPU142は、上記第1共振回路をその共振周波数f1の近傍における複数の周波数たとえば(f1−Δf),(f1+Δf)で順次(交互)に励起する制御手段を有している。
【0033】
(2)プリントCPU90からのP1/P2切替信号によって第1及び第2共振回路の動作(全てのコイル111a,111b,111cの使用)が指定されている場合、上記CPU142は、上記第1及び第2共振回路をそれぞれの共振周波数f1,f2の近傍における複数の周波数、例えば(f1−Δf),(f1+Δf),(f2−Δf),(f2+Δf)で順次に励起する制御手段を有している。
【0034】
次に、上記にように構成される定着装置100の電気回路の作用について説明する。
上記第1共振回路の共振周波数f1と同じ周波数(または近傍の周波数)の駆動信号が発振回路141から発せられると、その駆動信号により上記スイッチング回路122がオン,オフし、上記第1共振回路が励起される。この励起により、コイル111aから高周波磁界が発生し、その高周波磁界によって加熱ローラ101の軸方向中央部に渦電流が生じ、その渦電流によるジュール熱で加熱ローラ101の軸方向中央部が自己発熱する。
【0035】
上記第2共振回路の共振周波数f2と同じ周波数(または近傍の周波数)の駆動信号が発振回路141から発せられると、その駆動信号により上記スイッチング回路122がオン,オフし、上記第2共振回路が励起される。この励起によりコイル111b,111cから高周波磁界が発生し、その高周波磁界によって加熱ローラ101の軸方向両側部に渦電流が生じ、その渦電流によるジュール熱で加熱ローラ101の軸方向両側部が自己発熱する。
【0036】
図5は、上記第1共振回路の出力電力P1と上記第1共振回路を励起する周波数との関係、及び上記第2共振回路の出力電力P2と上記第2共振回路を励起する周波数との関係を示す図である。
【0037】
図5に示すように、上記第1共振回路の出力電力P1は、その第1共振回路の共振周波数f1と同じ周波数で励起される場合にピークレベルとなり、励起される周波数が共振周波数f1から離れるに従って山なりに徐々に減少するパターンとなる。
同様に、上記第2共振回路の出力電力P2は、その第2共振回路の共振周波数f2と同じ周波数で励起される場合にピークレベルとなり、励起される周波数が共振周波数f2から離れるに従って山なりに徐々に減少するパターンとなる。
【0038】
大きいサイズの用紙Sに対する定着に際しては、第1及び第2共振回路が共に励起され、全てのコイル111a,111b,111cから高周波磁界が発せられる。この高周波磁界により加熱ローラ101の全体に渦電流が生じ、その渦電流によるジュール熱で加熱ローラ101の全体が自己発熱する。この場合、第1共振回路の共振周波数f1を中心として上下に所定値Δfずつ離れた2つの周波数(f1−Δf),(f1+Δf)を持つ駆動信号が発振回路141から順次出力され、続いて、第2共振回路の共振周波数f2を中心として上下に所定値Δfずつ離れた2つの周波数(f2−Δf),(f2+Δf)を持つ駆動信号が発振回路141から順次出力される。
【0039】
これら駆動信号により、第1共振回路がその共振周波数f1を挟む2つの周波数(f1−Δf),(f1+Δf)で順次励起され、続いて、第2共振回路がその共振周波数f2を挟む2つの周波数(f2−Δf),(f2+Δf)で順次励起される。これら周波数ごとの励起が繰り返される。
【0040】
上記第1共振回路におけるコイル111aの出力電力P1は、図5に示すように、周波数(f1−Δf)での励起時にピークレベルP1cよりもわずかに低い値P1aとなり、周波数(f1+Δf)での励起時もわずかにピークレベルP1cよりも低い値P1bとなる。
【0041】
上記第2共振回路におけるコイル111b,111cの出力電力P2は、周波数(f2−Δf)での励起時にピークレベルP2cよりもわずかに低い値P2aとなり、周波数(f2+Δf)での励起時もピークレベルP2cよりもわずかに低い値P2bとなる。
【0042】
次に、上記誘導加熱部110の構成について説明する。
図6は、上記コイルボビン110Aと上記保持部材110Bとの関係を示す図である。
図6に示すように、各コイルボビン(コイル保持部)110Aは、中空の円筒状の形状により構成される。また、上記保持部材110Bは、各コイルボビン110Aの内側に収まり、上記コイルボビン110Aの内側の形状と勘合するような形状を有している。
【0043】
すなわち、上記誘導加熱部110全体は、複数のコイルボビン110Aが1つの保持部材110Bに保持される構成となっている。また、各コイルボビン110Aは、コイル111として巻かれる電線をガイドするフランジ部190a、190bを両端に有している。以下、コイルボビン110Aにおいてコイル111が巻かれる上記フランジ部190aとフランジ部190bとの間をコイル領域とし、このコイル領域の幅(フランジ部190aと190bとの間)をボビン有効幅とする。上記コイルボビン110A及び保持部材110Bは、プラスチックやセラミック等で形成され、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)材、フェノール材、又は不飽和ポリエステル等が利用可能である。
【0044】
図7は、上記誘導加熱部110の第1の構成例を示す図である。
また、図8は、図7の第1の構成例の誘導加熱部において第1のコイルが巻かれる第1のコイルボビン301の構成を示す図であり、図9は、図7の第1の構成例の誘導加熱部において第2のコイルが巻かれる第2のコイルボビン302の構成を示す図である。
【0045】
図7に示す例では、上記誘導加熱部110は、8個のコイル(a1〜a4、b1、b2、c1、c2)から構成されている。各コイルは、それぞれ独立したコイルボビン110Aに巻かれた電線により構成されている。すなわち、図7に示す誘導加熱部110は、複数のコイルボビン110A(201、202)に巻かれた複数のコイル(a1〜a4、b1、b2、c1、c2)が保持部材110Bに保持された構成となっている。
【0046】
また、図7に示す誘導加熱部110では、上記コイルa1〜a4が図4に示す回路構成において第1のコイルとしてのコイル111aに相当し、上記コイルb1、b2が図4に示す回路構成において第2のコイルとしてのコイル111bに相当し、上記コイルc1、c2が図4に示す回路構成において第2のコイルとしてのコイル111cに相当する。
【0047】
従って、図7に示すように、第1のコイルあるいは第2のコイルが複数のコイルで構成される場合、上記誘導加熱部110内の各コイルは、例えば、図4に示すような高周波発生回路120に対して以下に説明するように接続される。
上記コイルa1〜a4は、上記高周波発生回路120のコイル111aの部分において上記スイッチング回路122に対して並列接続される。また、上記コイルb1、b2は、上記高周波発生回路120のコイル111bの部分において上記スイッチング回路122に対して並列接続される。上記コイルc1、c2は、上記高周波発生回路120のコイル111cの部分において上記スイッチング回路122に対して並列接続される。
【0048】
また、上記第1のコイル(コイルa1〜a4)及び第2のコイル(コイルb1、b2、c1、c2)に対する通電制御は、加熱ローラ101の中央部の温度を検知する温度センサ112と加熱ローラ101の一端部の温度を検知する温度センサ113とにより検知される温度に基づいて行われる。なお、上記温度センサ112は、上記第1のコイルにより加熱される領域の温度を検知するものであり、上記温度センサ113は、上記第2のコイルにより加熱される領域の温度を検知するものである。
【0049】
すなわち、第1の構成例の誘導加熱部110における各コイルへの通電制御は、第1のコイルに対応した温度センサ112の検知結果と第2のコイルに対応した温度センサ112あるいは温度センサ113の検知結果とに基づいて行われる。通常は、2つの温度センサ112、113の温度の低いほうを所定の定着温度に制御するようになっており、その際の通電分布は以下のようになっている。
【0050】
第1のコイルに対応する温度センサ112の検知温度が第2のコイルに対応する温度センサ113の検知温度よりも低い場合、第1コイルに対する第2のコイルの出力比(第1のコイルの出力:第2のコイルの出力)が、「約80:20〜90:10」となるように制御される。
これに対して、第2のコイルに対応する温度センサ113の検知温度が第1のコイルに対応する温度センサ112の検知温度よりも低い場合、第1コイルに対する第2のコイルの出力比(第1のコイルの出力:第2のコイルの出力)が、「約40:60〜30:70」となるように制御される。
【0051】
上記のように高周波発生回路120に接続される誘導加熱部110において個々のコイルの巻き数が変化しても並列接続される複数のコイルの高周波発生回路120側に対するインピーダンスに変化しなければ、高周波発生回路120による上記誘導加熱部110に対する電力制御は変化がない。しかしながら、誘導加熱部110において並列接続されるコイル全体のインピーダンスが同じであっても個々のコイルの巻き数が異なる場合には、個々のコイルに与えられる電力は異なる。
【0052】
つまり、上記高周波発生回路120による電力制御が同じであっても個々のコイルの巻き数が異なると、各コイルにより加熱される加熱ローラ101の熱分布(加熱ローラ上の温度分布)に影響がある。個々のコイルに与える電力を同じにするには各コイルの巻き数を同じにする必要がある。
【0053】
通常、画像形成装置に用いられる定着装置では、例えば、A3からハガキサイズまでの多様な幅を有する用紙に対する定着処理を行う。このため、加熱ローラ101上の温度分布を均一にするには、工夫が必要となる。上記誘導加熱部110において並列接続されているコイル全体の電力は上記高周波発生回路120により制御されるため、巻き数が同じコイルが対応する各領域の加熱ローラ101を加熱するための電力は一定となる。
【0054】
上記よりボビン有効幅が異なる種々のコイルボビンに対して、同じ巻き数の電線からなる巻線間隔(巻線ピッチ)が異なる種々のコイルを巻くことにより、加熱ローラ(被加熱部材)に与える単位面積あたりの電力を変更することが可能となる。従って、同じ巻き数のコイルが巻かれたコイルボビンであってもボビン有効幅を変化させることにより、所望の温度分布を加熱ローラ101上に形成することが可能となる。
【0055】
例えば、図7に示す第1の構成例の誘導加熱部110は、所定の巻数の第1のコイル(a1〜a4)と第1のコイルの片側もしくは両側に配置される第1のコイルと同じ巻数の第2のコイル(b1、b2、c1、c2)とを有している。さらに、図7に示す第1の構成例の誘導加熱部110において、第1のコイル(a1〜a4)は、図8に示すような第1のボビン有効幅w1を有する複数個の第1のコイルボビン301に巻かれており、第2のコイル(b1、b2、c1、c2)は、図9に示すような第2のボビン有効幅w2を有する複数個の第2のコイルボビン302に巻かれている。
【0056】
また、第1のコイルが巻かれる各第1のコイルボビン301の第1のボビン有効幅w1は、第2のコイルが巻かれる各第2のコイルボビン302の第2のボビン有効幅w2よりも広く設定されている。この場合、各第1のコイルボビン301のコイル領域に巻かれる第1のコイルとしての電線の巻線ピッチ(巻線間隔)をp1とし、第2のコイルボビン302のコイル領域に巻かれる第2のコイルとしての電線の巻線ピッチ(巻線間隔)をp2とし、各コイルの巻数をnとすると、p1及びp2の関係は、
p1=(w1−w2)/(n−1)+p2
となる。
【0057】
これにより、各コイルボビンのボビン有効幅を調整することにより、簡単な構成で、電源投入直後あるいは各種サイズの用紙の通紙においても加熱ローラ101上の温度分布を容易に所望の温度分布にすることができる誘導加熱部を提供できる。
【0058】
次に、上記誘導加熱部110の第2の構成例について説明する。
図10は、上記誘導加熱部110の第2の構成例を示す図である。また、図11は、図10の誘導加熱部において第1のコイルが巻かれる第1のコイルボビン301の構成を示す図であり、図12は、図10の誘導加熱部において第2のコイルが巻かれる第2のコイルボビン302の構成を示す図である。
【0059】
図10に示す誘導加熱部110は、図7に示す第1の構成例の誘導加熱部と同様に、8個のコイル(a1〜a4、b1、b2、c1、c2)から構成されている。また、図10に示す第2の構成例の誘導加熱部110は、上記高周波発生回路120に対する接続状態及び上記高周波発生回路120による通電制御についても、図7に示す第1の構成例の誘導加熱部と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0060】
図10に示す誘導加熱部110は、図11及び図12に示すように、共通なボビン有効幅wを有する複数のコイルボビンに巻きつけられた巻き数の異なる第1のコイルと第2のコイルとを有している。すなわち、図10に示す第2の構成例の誘導加熱部110は、図11に示すような巻き数N1の第1のコイル(a1〜a4)が巻かれたボビン有効幅wを有する複数個の第1のコイルボビンと、図12に示すような巻き数N1とは異なる巻き数N2の第2のコイル(b1、b2、c1、c2)が巻かれたボビン有効幅wを有する複数個の第2のコイルボビンとを有している。
【0061】
また、上述のように、上記高周波発生回路120による電力制御が同じであっても個々のコイルの巻き数が異なると、各コイルにより加熱される加熱ローラ101の熱分布(加熱ローラ上の温度分布)を変えることが可能である。つまり、図10に示すような第2の構成例の誘導加熱部110では、個々のコイルに与える電力を変更して加熱ローラ101上の温度分布を所望の温度分布にするものである。
【0062】
上記より同じボビン有効幅を有する複数のコイルボビンに異なる巻き数の電線を巻きつけることにより、加熱ローラ(被加熱部材)に対する単位面積あたりの電力を変更することが可能となる。従って、同じボビン有効幅を有する複数のコイルボビンを用いて誘導加熱部を設計する場合であっても各コイルボビンに巻きつけるコイルの巻き数を変化させることにより、所望の温度分布を加熱ローラ上に形成することが可能となる。
【0063】
例えば、図10に示すように第1のコイル111a(a1〜a4)が中央部に配置され、第2のコイル111b(b1、b2)、111c(c1、c2)が両端部に配置される場合、加熱ローラ101上の温度分布を均一にするには、通常、上記第1のコイルの巻数N1と上記第2のコイルの巻数N2とを異なる値に設定する必要がある。例えば、図11及び図12に示すように、第1のコイルの巻き数をN1とし、第2のコイルの巻き数をN2とすると、N1<N2となるように設定するものとする。この場合、電源投入直後及び各種サイズの用紙の通紙においても加熱ローラ101上の温度分布を容易に所望の温度分布均一にすることができ、安定した定着処理を実現できる誘導加熱部を提供できる。
【0064】
上記のように、同じボビン有効幅を有する複数のコイルボビンに巻き数の異なるコイルを巻きつけることにより、被加熱部材上の温度分布を所望の温度分布にすることができる。また、全く同一のコイルボビンを複数個使用して、誘導加熱部を形成することができるため、各コイルユニットを共通化でき、組み立ての不具合を防ぎやすくすることができ、誘導加熱部の製造コストも安価にすることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡単な構成で、コイルにより加熱される被加熱部材の温度分布を所望の温度分布にすることができる誘導加熱手段を有する定着装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る定着装置を有する画像形成装置の概略構成を示す図。
【図2】この発明の実施の形態に係る定着装置の概略構成を示す図。
【図3】画像形成装置の制御回路を示すブロック図。
【図4】定着装置に対する電気回路の構成を示す図。
【図5】定着装置における各共振回路の出力電力とその各共振回路を励起する周波数との関係を示す図。
【図6】コイルボビンと保持部材との関係を示す図。
【図7】誘導加熱部の第1の構成例を示す図。
【図8】図7の誘導加熱部における第1のコイルが巻きつけられる第1のコイルボビンの構成例を示す図。
【図9】図7の誘導加熱部における第2のコイルが巻きつけられる第2のコイルボビンの構成例を示す図。
【図10】誘導加熱部の第2の構成例を示す図。
【図11】図10の誘導加熱部における第1のコイルが巻きつけられる第1のコイルボビンの構成例を示す図。
【図12】図10の誘導加熱部における第2のコイルが巻きつけられる第2のコイルボビンの構成例を示す図。
【符号の説明】
S…コピー用紙(被画像形成媒体)、T…トナー(現像剤)、100…定着装置、101…加熱ローラ(被加熱部材)、102…加圧ローラ、110…誘導加熱部、110A…コイルボビン、110B…保持部材、111(111a、111b、111c、a1〜a6、b1、b2、c1、c2)…コイル、301…第1のコイルボビン、302…第2のコイルボビン
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機やプリンタなどの画像形成装置に搭載され、用紙上の現像剤像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル技術を利用した画像形成装置たとえば電子複写機では、加圧状態で加熱することにより現像剤像を用紙に定着させる定着装置を有している。
例えば、電子複写機では、原稿が載置された原稿台が露光され、その原稿からの反射光が光電変換素子たとえばCCD(charge coupled device)に導かれる。CCDは、原稿の画像に対応する画像信号を出力する。この画像信号に応じたレーザ光が感光体ドラムに照射されて、感光体ドラムの周面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像剤(トナー)の付着により顕像化される。感光体ドラムには、その感光体ドラムの回転にタイミングを合わせて用紙が送られ、その用紙に感光体ドラム上の顕像(現像剤像)が転写される。現像剤像が転写された用紙は、定着装置に送られる。
【0003】
定着装置は、加熱ローラと、この加熱ローラに加圧状態で接しながらその加熱ローラと共に回転する加圧ローラとを備え、この両ローラ間に用紙を挟み込んでその用紙を搬送しながら、加熱ローラの熱によって用紙上の現像剤像を定着させる。
また、定着装置の加熱ローラの熱源としては、誘導加熱がある。これは、加熱ローラ内にコイルを収め、そのコイルにコンデンサを接続して共振回路を形成し、その共振回路を1つの共振回路に対して1つの周波数で励起することにより、コイルに高周波電流を流してコイルから高周波磁界を発生させ、その高周波磁界によって加熱ローラに渦電流を生じさせ、その渦電流によるジュール熱で加熱ローラを自己発熱させる。
【0004】
さらに、近年では、省エネ対応技術としてウォーミングアップの短縮化が技術課題となっているが、対策として加熱ローラの薄肉化が上げられる。
しかしながら、加熱ローラの肉厚が薄いほど熱容量が小さくなるため、加熱ローラ上の温度分布を均一に保つことが難しくなる。例えば、誘導加熱型の定着装置では、コイルにより加熱する加熱ローラに対する単位面積あたりの電力を所望の値に設定しなければ、加熱ローラ上の温度分布にむらが生じることがある。また、画像形成装置に用いられる定着装置では、様々なサイズの用紙が使用される可能性があるため、どのようなサイズの用紙に対しても加熱ローラ上の温度分布を所望の温度分布になるようにコイルを設計しなければ、種々の用紙全体に対する定着温度を均一に保つことができないという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−312165号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、その目的とするところは、簡単な構成で、コイルにより加熱される被加熱部材における温度分布を所望の温度分布にすることができる誘導加熱手段を有する定着装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の定着装置は、コイルにより発生する磁界の変化により発生する渦電流によって発熱する被加熱部材により現像剤を被画像形成媒体上に定着させるものにおいて、所定巻数の第1のコイルを形成する電線が巻きつけられる第1のコイル領域を有する第1のコイルボビンと、前記第1のコイルと同じ巻数の第2のコイルを形成する電線が巻きつけられる前記第1のコイル領域とは異なる大きさの第2のコイル領域を有する第2のコイルボビンと、前記第1のコイルボビン及び第2のコイルボビンを所定位置に保持する保持部材とを有する誘導加熱手段を具備する。
【0008】
この発明の定着装置は、コイルにより発生する磁界の変化により発生する渦電流によって発熱する被加熱部材により現像剤を被画像形成媒体上に定着させるものにおいて、第1の巻数の電線からなる第1のコイルがコイル領域に巻きつけられる第1のコイルボビンと、この第1のコイルボビンと同じ大きさのコイル領域を有し、前記第1の巻数とは異なる第2の巻数の電線からなる第2のコイルが巻きつけられる第2のコイルボビンと、前記第1のコイルボビン及び第2のコイルボビンを所定位置に保持する保持部材とを有する誘導加熱手段を具備する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、画像形成装置としての複合型電子複写機の内部構成を示すものである。まず、本体1の上面部には、原稿載置用の透明の原稿台(ガラス板)2が設けられており、キャリッジ4に設けられた露光ランプ5が点灯することにより、原稿台2に載置されている原稿Dが露光される。
【0010】
この露光による反射光が光電変換素子、例えばCCD(charge coupled device)10に投影されることで画像信号が出力される。上記CCD10から出力される画像信号は、デジタル信号に変換され、そのデジタル信号が適宜に処理された後、レーザユニット27に供給される。上記レーザユニット27は、入力信号に応じてレーザビームBを発する。
【0011】
本体1の上面部において、自動原稿送りユニット40が被さらない位置に、図示しない動作条件設定用のコントロールパネルが設けられている。上記コントロールパネルは、タッチパネル式の液晶表示部、数値入力用のテンキー、コピーキーなどを備えている。
【0012】
一方、本体1内の略中央部には、感光体ドラム20が回転自在に設けられている。この感光体ドラム20の周囲には、帯電器21、現像ユニット22、転写器23、剥離器24、クリーナ25、及び除電器26が順次に配設され、既知のプロセス方法にて感光体ドラム20上にトナー(現像剤)画像が形成され、そのトナー画像が用紙上に転写され、後述する定着装置100により、用紙上のトナーが加熱、加圧定着される。
【0013】
図2は、定着装置100の概略構成を示すものである。
図2において定着装置100は、コピー用紙Sの搬送路を上下に挟む位置に加熱ローラ101と加圧ローラ102とが設けられている。加圧ローラ102は、図示しない加圧機構により、加熱ローラ101の周面に加圧状態で接している。これらローラ101、102の接触部は、一定のニップ幅を持っている。
【0014】
上記加熱ローラ101は、導電性材料、例えば鉄を筒状に成形し、その鉄の外周面に、例えば、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂などを被覆したものである。上記加熱ローラ101は、図示しない駆動モータなどにより図示右方向に回転駆動される。上記加圧ローラ102は、上記加熱ローラ101の回転を受けて図示左方向に回転する。上記加熱ローラ101と上記加圧ローラ102との接触部をコピー用紙Sが通過し、且つコピー用紙が加熱ローラ101から熱を受けることにより、コピー用紙S上の現像剤像Tがコピー用紙Sに定着される。
【0015】
上記加熱ローラ101の周囲には、コピー用紙Sを加熱ローラ101から剥離するための隔離爪103、上記加熱ローラ101上に残るトナー及び紙屑等を除去するためのクリーニング部材104、上記加熱ローラ101の表面に離型剤を塗布するための塗布ローラ105とが配設されている。
【0016】
上記加熱ローラ101の内部には、誘導加熱用の誘導加熱部110が収容されている。上記誘導加熱部110は、コイル111としての電線が周面に巻かれたコイルボビン110Aと、そのコイルボビン110Aを保持する保持部材110Bとを有する。上記コイルボビン110Aは、コイル111が複数のコイル(111a、…)からなる場合、コイルの数に応じた複数のコイルボビン110A(110Aa、…)で構成される。上記誘導加熱部110には、後述する高周波回路により高周波電力が与えられ、誘導加熱用の高周波磁界を発する。この高周波磁界が発せられることにより、加熱ローラ101に渦電流が生じ、その渦電流によるジュール熱で上記加熱ローラ101が自己発熱する。
【0017】
図3は、複合型電子複写機の制御回路を示すものである。すなわち、メインCPU50には、スキャンCPU70、コントロールパネルCPU80、及びプリントCPU90とが接続されている。
上記メインCPU50は、上記スキャンCPU70、上記コントロールパネルCPU80、及び上記プリントCPU90を統括的に制御するもので、コピーキーの操作に応じたコピーモードの制御手段、ネットインタフェース59への画像入力に応じたプリンタモードの制御手段、及びFAX送受信ユニット60での画像受信に応じたファクシミリモードの制御手段などを備えている。
【0018】
また、上記メインCPU50には、制御プログラム記憶用のROM51、データ記憶用のRAM52、画素カウンタ53、画像処理部55、ページメモリコントローラ56、ハードディスクユニット58、ネットインタフェース59、及びFAX送受信ユニット60とが接続されている。
【0019】
上記ページメモリコントローラ56は、上記ページメモリ57に対する画像データの書込み及び読み出しを制御する。また、上記画像処理部55、上記ページメモリコントローラ56、上記ページメモリ57、上記ハードディスクユニット58、上記ネットインタフェース59、及び上記FAX送受信ユニット60とは、上記画像データバス61により相互に接続されている。
【0020】
上記ネットインタフェース59は、外部機器から伝送されてくる画像(画像データ)が入力されるプリンタモード用の入力部として機能する。このネットインタフェース59には、LANあるいはインターネットなどの通信ネットワーク201が接続され、その通信ネットワーク201に外部機器、例えば複数台のパーソナルコンピュータ202が接続されている。これらパーソナルコンピュータ202は、コントローラ203、ディスプレイ204、操作ユニット205などを備えている。
上記FAX送受信ユニット60は、電話回線210に接続されており、その電話回線210を介してファクシミリ送信されてくる画像(画像データ)を受信するファクシミリモード用の受信部として機能する。
【0021】
上記スキャンCPU70には、制御プログラム記憶用のROM71、データ記憶用のRAM72、CCD10の出力を処理して画像データバス61に供給する信号処理部73、CCDドライバ74、スキャンモータドライバ75、露光ランプ5、自動原稿送り装置40、及び、複数の原稿センサ11などが接続されている。
【0022】
上記CCDドライバ74は、上記CCD10を駆動する。上記スキャンモータドライバ75は、キャリッジ駆動用のスキャンモータ76を駆動する。上記自動原稿送り装置40は、トレイ41にセットされる原稿D及びそのサイズを検知するための原稿センサ43を有している。
【0023】
上記コントロールパネルCPU80には、コントロールパネルのタッチパネル式液晶表示部14、テンキー15、オールリセットキー16、コピーキー17、及びストップキー18とが接続されている。
【0024】
上記プリントCPU90には、制御プログラム記憶用のROM91、データ記憶用のRAM92、プリントエンジン93、用紙搬送ユニット94、プロセスユニット95、定着装置100とが接続されている。プリントエンジン93は、レーザユニット27及びその駆動回路などにより構成されている。用紙搬送ユニット94は、給紙カセット30からトレイ38にかけての用紙搬送機構及びその駆動回路などにより構成されている。プロセスユニット95は、感光体ドラム20及びその周辺部などにより構成されている。
上記プリントCPU90及びその周辺構成を主体にして、上記画像処理部55で処理された画像を用紙Pにプリントするプリント部が構成されている。
【0025】
図4は、定着装置100の電気回路の構成例を示すものである。
ここでは、上記加熱ローラ101内に収納される誘導加熱部110は、複数のコイル(111a、111b、111c)からなるコイル111を有しているものとする。つまり、図4に示す例では、上記コイル111は、3つのコイル111a,111b,111cに分かれている。図4に示す例において、上記コイル111aは、第1のコイルを構成し、上記加熱ローラ101の中央部に存している。また、上記コイル111b、及び111cは、第2のコイルを構成し、上記加熱ローラ101内の上記コイル111aを挟む両側位置に存している。これらコイル111a,111b,111cは高周波発生回路120に接続されている。
【0026】
また、上記加熱ローラ101の中央部には、温度センサ112が設けられている。上記温度センサ112は、上記加熱ローラ101の中央部の温度を検知する。また、上記加熱ローラ101の一端部には、温度センサ113が設けられている。上記温度センサ113は、上記加熱ローラ101の一端部の温度を検知する。これらの温度センサ112,113は、上記加熱ローラ101を回転駆動するための駆動ユニット160と共に、プリントCPU90に接続されている。
【0027】
上記プリントCPU90は、駆動ユニット160を制御する機能に加え、第1のコイルとしてのコイル111aを構成要素とする後述する第1共振回路(出力電力P1)の動作、及び、第2のコイルとしてのコイル111b及び111cを構成要素とする後述する第2共振回路(出力電力P2)の動作を指定するためのP1/P2切替信号を発する機能、各共振回路の出力電力、温度センサ112,113の検知温度に応じて制御する機能を備えている。
【0028】
上記高周波発生回路120は、高周波磁界発生用の高周波電力を発生するもので、整流回路121及びこの整流回路121の出力端に接続されたスイッチング回路122を備えている。上記整流回路121は、商用交流電源130の交流電圧を整流する。上記スイッチング回路122は、コイル111aにより第1共振回路を形成し、コイル111b,111cにより第2共振回路を形成している。
また、上記第1共振回路及び上記第2共振回路は、上記スイッチング回路122内に設けられた図示しないスイッチング素子(例えば、FET等のトランジスタ)により選択的に励起される。
【0029】
なお、第2のコイルを構成する上記コイル111b及び111cは上記スイッチング回路122に対して並列に接続されている。同様に、上記誘導加熱部110において第1のコイルあるいは第2のコイルが複数のコイルで構成される場合、各コイルは上記スイッチング回路122に対して並列に接続されるものとする。
【0030】
上記第1共振回路は、上記コイル111aのインダクタンス及び上記スイッチング回路122内のコンデンサ(図示しない)の静電容量等により定まる共振周波数f1を有している。上記第2共振回路は、上記コイル111b及び111cのインダクタンス及び上記スイッチング回路122内のコンデンサ(図示しない)の静電容量等により定まる共振周波数f2を有している。
【0031】
上記スイッチング回路122は、プリントCPU90からのP1/P2切替信号に従い、コントローラ140によりオン,オフ駆動される。上記コントローラ140は、発振回路141及びCPU142を備えている。上記発振回路141は、上記スイッチング回路122に対する所定周波数の駆動信号を発する。上記CPU142は、上記発振回路141の発振周波数(駆動信号の周波数)を制御するものである。上記CPU142は、主要な機能として、例えば、次の(1)、(2)の手段を有している。
【0032】
(1)プリントCPU90からのP1/P2切替信号によって第1共振回路の動作(コイル111aのみ使用)が指定されている場合、上記CPU142は、上記第1共振回路をその共振周波数f1の近傍における複数の周波数たとえば(f1−Δf),(f1+Δf)で順次(交互)に励起する制御手段を有している。
【0033】
(2)プリントCPU90からのP1/P2切替信号によって第1及び第2共振回路の動作(全てのコイル111a,111b,111cの使用)が指定されている場合、上記CPU142は、上記第1及び第2共振回路をそれぞれの共振周波数f1,f2の近傍における複数の周波数、例えば(f1−Δf),(f1+Δf),(f2−Δf),(f2+Δf)で順次に励起する制御手段を有している。
【0034】
次に、上記にように構成される定着装置100の電気回路の作用について説明する。
上記第1共振回路の共振周波数f1と同じ周波数(または近傍の周波数)の駆動信号が発振回路141から発せられると、その駆動信号により上記スイッチング回路122がオン,オフし、上記第1共振回路が励起される。この励起により、コイル111aから高周波磁界が発生し、その高周波磁界によって加熱ローラ101の軸方向中央部に渦電流が生じ、その渦電流によるジュール熱で加熱ローラ101の軸方向中央部が自己発熱する。
【0035】
上記第2共振回路の共振周波数f2と同じ周波数(または近傍の周波数)の駆動信号が発振回路141から発せられると、その駆動信号により上記スイッチング回路122がオン,オフし、上記第2共振回路が励起される。この励起によりコイル111b,111cから高周波磁界が発生し、その高周波磁界によって加熱ローラ101の軸方向両側部に渦電流が生じ、その渦電流によるジュール熱で加熱ローラ101の軸方向両側部が自己発熱する。
【0036】
図5は、上記第1共振回路の出力電力P1と上記第1共振回路を励起する周波数との関係、及び上記第2共振回路の出力電力P2と上記第2共振回路を励起する周波数との関係を示す図である。
【0037】
図5に示すように、上記第1共振回路の出力電力P1は、その第1共振回路の共振周波数f1と同じ周波数で励起される場合にピークレベルとなり、励起される周波数が共振周波数f1から離れるに従って山なりに徐々に減少するパターンとなる。
同様に、上記第2共振回路の出力電力P2は、その第2共振回路の共振周波数f2と同じ周波数で励起される場合にピークレベルとなり、励起される周波数が共振周波数f2から離れるに従って山なりに徐々に減少するパターンとなる。
【0038】
大きいサイズの用紙Sに対する定着に際しては、第1及び第2共振回路が共に励起され、全てのコイル111a,111b,111cから高周波磁界が発せられる。この高周波磁界により加熱ローラ101の全体に渦電流が生じ、その渦電流によるジュール熱で加熱ローラ101の全体が自己発熱する。この場合、第1共振回路の共振周波数f1を中心として上下に所定値Δfずつ離れた2つの周波数(f1−Δf),(f1+Δf)を持つ駆動信号が発振回路141から順次出力され、続いて、第2共振回路の共振周波数f2を中心として上下に所定値Δfずつ離れた2つの周波数(f2−Δf),(f2+Δf)を持つ駆動信号が発振回路141から順次出力される。
【0039】
これら駆動信号により、第1共振回路がその共振周波数f1を挟む2つの周波数(f1−Δf),(f1+Δf)で順次励起され、続いて、第2共振回路がその共振周波数f2を挟む2つの周波数(f2−Δf),(f2+Δf)で順次励起される。これら周波数ごとの励起が繰り返される。
【0040】
上記第1共振回路におけるコイル111aの出力電力P1は、図5に示すように、周波数(f1−Δf)での励起時にピークレベルP1cよりもわずかに低い値P1aとなり、周波数(f1+Δf)での励起時もわずかにピークレベルP1cよりも低い値P1bとなる。
【0041】
上記第2共振回路におけるコイル111b,111cの出力電力P2は、周波数(f2−Δf)での励起時にピークレベルP2cよりもわずかに低い値P2aとなり、周波数(f2+Δf)での励起時もピークレベルP2cよりもわずかに低い値P2bとなる。
【0042】
次に、上記誘導加熱部110の構成について説明する。
図6は、上記コイルボビン110Aと上記保持部材110Bとの関係を示す図である。
図6に示すように、各コイルボビン(コイル保持部)110Aは、中空の円筒状の形状により構成される。また、上記保持部材110Bは、各コイルボビン110Aの内側に収まり、上記コイルボビン110Aの内側の形状と勘合するような形状を有している。
【0043】
すなわち、上記誘導加熱部110全体は、複数のコイルボビン110Aが1つの保持部材110Bに保持される構成となっている。また、各コイルボビン110Aは、コイル111として巻かれる電線をガイドするフランジ部190a、190bを両端に有している。以下、コイルボビン110Aにおいてコイル111が巻かれる上記フランジ部190aとフランジ部190bとの間をコイル領域とし、このコイル領域の幅(フランジ部190aと190bとの間)をボビン有効幅とする。上記コイルボビン110A及び保持部材110Bは、プラスチックやセラミック等で形成され、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)材、フェノール材、又は不飽和ポリエステル等が利用可能である。
【0044】
図7は、上記誘導加熱部110の第1の構成例を示す図である。
また、図8は、図7の第1の構成例の誘導加熱部において第1のコイルが巻かれる第1のコイルボビン301の構成を示す図であり、図9は、図7の第1の構成例の誘導加熱部において第2のコイルが巻かれる第2のコイルボビン302の構成を示す図である。
【0045】
図7に示す例では、上記誘導加熱部110は、8個のコイル(a1〜a4、b1、b2、c1、c2)から構成されている。各コイルは、それぞれ独立したコイルボビン110Aに巻かれた電線により構成されている。すなわち、図7に示す誘導加熱部110は、複数のコイルボビン110A(201、202)に巻かれた複数のコイル(a1〜a4、b1、b2、c1、c2)が保持部材110Bに保持された構成となっている。
【0046】
また、図7に示す誘導加熱部110では、上記コイルa1〜a4が図4に示す回路構成において第1のコイルとしてのコイル111aに相当し、上記コイルb1、b2が図4に示す回路構成において第2のコイルとしてのコイル111bに相当し、上記コイルc1、c2が図4に示す回路構成において第2のコイルとしてのコイル111cに相当する。
【0047】
従って、図7に示すように、第1のコイルあるいは第2のコイルが複数のコイルで構成される場合、上記誘導加熱部110内の各コイルは、例えば、図4に示すような高周波発生回路120に対して以下に説明するように接続される。
上記コイルa1〜a4は、上記高周波発生回路120のコイル111aの部分において上記スイッチング回路122に対して並列接続される。また、上記コイルb1、b2は、上記高周波発生回路120のコイル111bの部分において上記スイッチング回路122に対して並列接続される。上記コイルc1、c2は、上記高周波発生回路120のコイル111cの部分において上記スイッチング回路122に対して並列接続される。
【0048】
また、上記第1のコイル(コイルa1〜a4)及び第2のコイル(コイルb1、b2、c1、c2)に対する通電制御は、加熱ローラ101の中央部の温度を検知する温度センサ112と加熱ローラ101の一端部の温度を検知する温度センサ113とにより検知される温度に基づいて行われる。なお、上記温度センサ112は、上記第1のコイルにより加熱される領域の温度を検知するものであり、上記温度センサ113は、上記第2のコイルにより加熱される領域の温度を検知するものである。
【0049】
すなわち、第1の構成例の誘導加熱部110における各コイルへの通電制御は、第1のコイルに対応した温度センサ112の検知結果と第2のコイルに対応した温度センサ112あるいは温度センサ113の検知結果とに基づいて行われる。通常は、2つの温度センサ112、113の温度の低いほうを所定の定着温度に制御するようになっており、その際の通電分布は以下のようになっている。
【0050】
第1のコイルに対応する温度センサ112の検知温度が第2のコイルに対応する温度センサ113の検知温度よりも低い場合、第1コイルに対する第2のコイルの出力比(第1のコイルの出力:第2のコイルの出力)が、「約80:20〜90:10」となるように制御される。
これに対して、第2のコイルに対応する温度センサ113の検知温度が第1のコイルに対応する温度センサ112の検知温度よりも低い場合、第1コイルに対する第2のコイルの出力比(第1のコイルの出力:第2のコイルの出力)が、「約40:60〜30:70」となるように制御される。
【0051】
上記のように高周波発生回路120に接続される誘導加熱部110において個々のコイルの巻き数が変化しても並列接続される複数のコイルの高周波発生回路120側に対するインピーダンスに変化しなければ、高周波発生回路120による上記誘導加熱部110に対する電力制御は変化がない。しかしながら、誘導加熱部110において並列接続されるコイル全体のインピーダンスが同じであっても個々のコイルの巻き数が異なる場合には、個々のコイルに与えられる電力は異なる。
【0052】
つまり、上記高周波発生回路120による電力制御が同じであっても個々のコイルの巻き数が異なると、各コイルにより加熱される加熱ローラ101の熱分布(加熱ローラ上の温度分布)に影響がある。個々のコイルに与える電力を同じにするには各コイルの巻き数を同じにする必要がある。
【0053】
通常、画像形成装置に用いられる定着装置では、例えば、A3からハガキサイズまでの多様な幅を有する用紙に対する定着処理を行う。このため、加熱ローラ101上の温度分布を均一にするには、工夫が必要となる。上記誘導加熱部110において並列接続されているコイル全体の電力は上記高周波発生回路120により制御されるため、巻き数が同じコイルが対応する各領域の加熱ローラ101を加熱するための電力は一定となる。
【0054】
上記よりボビン有効幅が異なる種々のコイルボビンに対して、同じ巻き数の電線からなる巻線間隔(巻線ピッチ)が異なる種々のコイルを巻くことにより、加熱ローラ(被加熱部材)に与える単位面積あたりの電力を変更することが可能となる。従って、同じ巻き数のコイルが巻かれたコイルボビンであってもボビン有効幅を変化させることにより、所望の温度分布を加熱ローラ101上に形成することが可能となる。
【0055】
例えば、図7に示す第1の構成例の誘導加熱部110は、所定の巻数の第1のコイル(a1〜a4)と第1のコイルの片側もしくは両側に配置される第1のコイルと同じ巻数の第2のコイル(b1、b2、c1、c2)とを有している。さらに、図7に示す第1の構成例の誘導加熱部110において、第1のコイル(a1〜a4)は、図8に示すような第1のボビン有効幅w1を有する複数個の第1のコイルボビン301に巻かれており、第2のコイル(b1、b2、c1、c2)は、図9に示すような第2のボビン有効幅w2を有する複数個の第2のコイルボビン302に巻かれている。
【0056】
また、第1のコイルが巻かれる各第1のコイルボビン301の第1のボビン有効幅w1は、第2のコイルが巻かれる各第2のコイルボビン302の第2のボビン有効幅w2よりも広く設定されている。この場合、各第1のコイルボビン301のコイル領域に巻かれる第1のコイルとしての電線の巻線ピッチ(巻線間隔)をp1とし、第2のコイルボビン302のコイル領域に巻かれる第2のコイルとしての電線の巻線ピッチ(巻線間隔)をp2とし、各コイルの巻数をnとすると、p1及びp2の関係は、
p1=(w1−w2)/(n−1)+p2
となる。
【0057】
これにより、各コイルボビンのボビン有効幅を調整することにより、簡単な構成で、電源投入直後あるいは各種サイズの用紙の通紙においても加熱ローラ101上の温度分布を容易に所望の温度分布にすることができる誘導加熱部を提供できる。
【0058】
次に、上記誘導加熱部110の第2の構成例について説明する。
図10は、上記誘導加熱部110の第2の構成例を示す図である。また、図11は、図10の誘導加熱部において第1のコイルが巻かれる第1のコイルボビン301の構成を示す図であり、図12は、図10の誘導加熱部において第2のコイルが巻かれる第2のコイルボビン302の構成を示す図である。
【0059】
図10に示す誘導加熱部110は、図7に示す第1の構成例の誘導加熱部と同様に、8個のコイル(a1〜a4、b1、b2、c1、c2)から構成されている。また、図10に示す第2の構成例の誘導加熱部110は、上記高周波発生回路120に対する接続状態及び上記高周波発生回路120による通電制御についても、図7に示す第1の構成例の誘導加熱部と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0060】
図10に示す誘導加熱部110は、図11及び図12に示すように、共通なボビン有効幅wを有する複数のコイルボビンに巻きつけられた巻き数の異なる第1のコイルと第2のコイルとを有している。すなわち、図10に示す第2の構成例の誘導加熱部110は、図11に示すような巻き数N1の第1のコイル(a1〜a4)が巻かれたボビン有効幅wを有する複数個の第1のコイルボビンと、図12に示すような巻き数N1とは異なる巻き数N2の第2のコイル(b1、b2、c1、c2)が巻かれたボビン有効幅wを有する複数個の第2のコイルボビンとを有している。
【0061】
また、上述のように、上記高周波発生回路120による電力制御が同じであっても個々のコイルの巻き数が異なると、各コイルにより加熱される加熱ローラ101の熱分布(加熱ローラ上の温度分布)を変えることが可能である。つまり、図10に示すような第2の構成例の誘導加熱部110では、個々のコイルに与える電力を変更して加熱ローラ101上の温度分布を所望の温度分布にするものである。
【0062】
上記より同じボビン有効幅を有する複数のコイルボビンに異なる巻き数の電線を巻きつけることにより、加熱ローラ(被加熱部材)に対する単位面積あたりの電力を変更することが可能となる。従って、同じボビン有効幅を有する複数のコイルボビンを用いて誘導加熱部を設計する場合であっても各コイルボビンに巻きつけるコイルの巻き数を変化させることにより、所望の温度分布を加熱ローラ上に形成することが可能となる。
【0063】
例えば、図10に示すように第1のコイル111a(a1〜a4)が中央部に配置され、第2のコイル111b(b1、b2)、111c(c1、c2)が両端部に配置される場合、加熱ローラ101上の温度分布を均一にするには、通常、上記第1のコイルの巻数N1と上記第2のコイルの巻数N2とを異なる値に設定する必要がある。例えば、図11及び図12に示すように、第1のコイルの巻き数をN1とし、第2のコイルの巻き数をN2とすると、N1<N2となるように設定するものとする。この場合、電源投入直後及び各種サイズの用紙の通紙においても加熱ローラ101上の温度分布を容易に所望の温度分布均一にすることができ、安定した定着処理を実現できる誘導加熱部を提供できる。
【0064】
上記のように、同じボビン有効幅を有する複数のコイルボビンに巻き数の異なるコイルを巻きつけることにより、被加熱部材上の温度分布を所望の温度分布にすることができる。また、全く同一のコイルボビンを複数個使用して、誘導加熱部を形成することができるため、各コイルユニットを共通化でき、組み立ての不具合を防ぎやすくすることができ、誘導加熱部の製造コストも安価にすることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡単な構成で、コイルにより加熱される被加熱部材の温度分布を所望の温度分布にすることができる誘導加熱手段を有する定着装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る定着装置を有する画像形成装置の概略構成を示す図。
【図2】この発明の実施の形態に係る定着装置の概略構成を示す図。
【図3】画像形成装置の制御回路を示すブロック図。
【図4】定着装置に対する電気回路の構成を示す図。
【図5】定着装置における各共振回路の出力電力とその各共振回路を励起する周波数との関係を示す図。
【図6】コイルボビンと保持部材との関係を示す図。
【図7】誘導加熱部の第1の構成例を示す図。
【図8】図7の誘導加熱部における第1のコイルが巻きつけられる第1のコイルボビンの構成例を示す図。
【図9】図7の誘導加熱部における第2のコイルが巻きつけられる第2のコイルボビンの構成例を示す図。
【図10】誘導加熱部の第2の構成例を示す図。
【図11】図10の誘導加熱部における第1のコイルが巻きつけられる第1のコイルボビンの構成例を示す図。
【図12】図10の誘導加熱部における第2のコイルが巻きつけられる第2のコイルボビンの構成例を示す図。
【符号の説明】
S…コピー用紙(被画像形成媒体)、T…トナー(現像剤)、100…定着装置、101…加熱ローラ(被加熱部材)、102…加圧ローラ、110…誘導加熱部、110A…コイルボビン、110B…保持部材、111(111a、111b、111c、a1〜a6、b1、b2、c1、c2)…コイル、301…第1のコイルボビン、302…第2のコイルボビン
Claims (6)
- コイルにより発生する磁界の変化により発生する渦電流によって発熱する被加熱部材により現像剤を被画像形成媒体上に定着させる定着装置において、
所定巻数の第1のコイルを形成する電線が巻きつけられる第1のコイル領域を有する第1のコイルボビンと、
前記第1のコイルと同じ巻数の第2のコイルを形成する電線が巻きつけられる前記第1のコイル領域とは異なる大きさの第2のコイル領域を有する第2のコイルボビンと、
前記第1のコイルボビン及び第2のコイルボビンを所定位置に保持する保持部材と、
を有する誘導加熱手段を具備することを特徴とする定着装置。 - 前記第1のコイル領域及び前記第2のコイル領域は、前記被加熱部材上の温度分布が所望の温度分布となるように、前記第1のコイル及び前記第2のコイルが前記被加熱部材に与える単位面積当たりの電力に基づいて大きさが設定されている、ことを特徴とする前記請求項1に記載の定着装置。
- 前記第1のコイル領域の大きさと前記第2のコイル領域の大きさとは、前記第1のコイル領域に均一に巻きつけられる前記第1のコイルの巻線間隔と前記第2のコイル領域に均一に巻きつけられる前記第2のコイルの巻線間隔とが所定の関係を満たすように設定されている、ことを特徴とする前記請求項1に記載の定着装置。
- コイルにより発生する磁界の変化により発生する渦電流によって発熱する被加熱部材により現像剤を被画像形成媒体上に定着させる定着装置において、
第1の巻数の電線からなる第1のコイルがコイル領域に巻きつけられる第1のコイルボビンと、
この第1のコイルボビンと同じ大きさのコイル領域を有し、前記第1の巻数とは異なる第2の巻数の電線からなる第2のコイルが巻きつけられる第2のコイルボビンと、
前記第1のコイルボビン及び第2のコイルボビンを所定位置に保持する保持部材と、
を有する誘導加熱手段を具備することを特徴とする定着装置。 - 前記第1のコイルボビンと前記第2のコイルボビンとは、同じ形状から構成され、
前記第1の巻数及び前記第2の巻数は、前記被加熱部材上の温度分布が所望の温度分布となるように、前記第1のコイル及び前記第2のコイルが前記被加熱部材に与える単位面積当たりの電力に基づいて設定されている、ことを特徴とする前記請求項4に記載の定着装置。 - 前記第1のコイルボビンと前記第2のコイルボビンとは、同じ形状から構成され、
前記保持部材は、前記第1のコイルボビンを中央部に保持するとともに、前記第2のコイルボビンを両端部に保持し、
前記第1のコイルボビンのコイル領域に巻かれる第1のコイルの前記第1の巻数は、前記第2のコイルボビンのコイル領域に巻かれる第2のコイルの前記第2の巻数よりも少なくなるように設定されている、ことを特徴とする前記請求項4に記載の定着装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003081180A JP2004287247A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 定着装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003081180A JP2004287247A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 定着装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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|---|---|
| JP (1) | JP2004287247A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100659270B1 (ko) | 2005-11-07 | 2006-12-20 | 삼성전자주식회사 | 화상형성장치의 히팅롤러 조립체 |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003081180A patent/JP2004287247A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| KR100659270B1 (ko) | 2005-11-07 | 2006-12-20 | 삼성전자주식회사 | 화상형성장치의 히팅롤러 조립체 |
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