JP2004287208A - 眼鏡レンズの固着方法及び固着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単焦点レンズのブロッキング前に必要だった印点作業を不要すると同時に、眼鏡レンズの屈折による影響を抑えられる眼鏡レンズの固着方法及び固着装置を提供する。
【解決手段】眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側から、所定のパターンが設けられた指標板を介して、平行光を照射して、眼鏡レンズを挟んで照射側と対向する側に配置されたスクリーンに、眼鏡レンズを透過した光を投射して、スクリーンに投影された像を撮像して、眼鏡レンズの位置合わせをおこない、指標板と所定の位置関係を保った状態で加工治具を固着することにより、位置合わせ誤差が生じず、高精度で加工治具の固着が可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側から、所定のパターンが設けられた指標板を介して、平行光を照射して、眼鏡レンズを挟んで照射側と対向する側に配置されたスクリーンに、眼鏡レンズを透過した光を投射して、スクリーンに投影された像を撮像して、眼鏡レンズの位置合わせをおこない、指標板と所定の位置関係を保った状態で加工治具を固着することにより、位置合わせ誤差が生じず、高精度で加工治具の固着が可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡レンズを眼鏡フレーム形状に加工する際に用いる加工治具を、眼鏡レンズに固着する固着方法及び固着装置に係わり、固着前の眼鏡レンズの位置合わせを容易、確実におこなえる眼鏡レンズの固着方法及び固着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、眼鏡レンズを眼鏡フレームに枠入れする際には、眼鏡フレームの形状に合わせて眼鏡レンズの周縁部を研削などにより加工するいわゆる玉型加工がおこなわれている。
【0003】
玉型加工用の加工機(以下、単に加工機と記載する)において玉型加工をする前には、カップと呼ばれる加工治具を眼鏡レンズに固着させる必要があり、ブロッキングと呼ばれる作業によって眼鏡レンズと加工治具の固着がおこなわれる。
【0004】
ブロッキングは、眼鏡レンズの光学設計の種類により作業内容が異なり、例えば、単焦点レンズの場合には、レンズメーターと呼ばれる光学特性を測定する測定装置により、顧客の眼鏡処方に合わせて光学中心と乱視軸方向を割り出し、眼鏡レンズに目印となる印点を付けた後、その印点を基準に軸出装置と呼ばれる装置で眼鏡レンズと加工治具が所定の位置関係になるように位置合わせをおこない固着治具と固着させる。また、累進多焦点レンズの場合には、眼鏡レンズメーカーからの出荷時にあらかじめ印刷されるレイアウト印刷(加工の基準となる位置合わせマークに該当する)を基準に、軸出装置で眼鏡レンズと加工治具が所定の位置関係になるように位置合わせをおこない固着治具と固着させる。
【0005】
ブロッキングに用いられる軸出方法や軸出装置としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。
【0006】
特許文献1に示される軸出装置は、当該特許文献に例示されている従来の軸出装置(特許文献1の図11)に比べ、簡易な動作でブロッキングが可能である。
このような軸出装置の基本原理は、ブロッキングする眼鏡レンズの加工治具固着面と相対する側に配置された目盛板の目盛に対して、眼鏡レンズの加工治具固着面側に印刷されているレイアウト印刷が、所定の位置関係になるように位置合わせをおこなうもので、位置合わせの際には接眼レンズを通して目視で作業する。
同様な方式としては、加工治具固着面と相対する側に配置された照明によって、加工治具固着面側に配置されたスクリーンを兼ねた目盛板に、前記レイアウト印刷を投射する方式も例示できる。このような方式ではスクリーンに付されている目盛と、スクリーンに投影されたレイアウト印刷が所定の位置関係になるように位置合わせをおこなう。
【0007】
特許文献2に示される軸出装置は、単焦点レンズのブロッキングに先だって必要な印点作業を省略でき、設定変更により累進多焦点レンズも同一軸出装置でブロッキングできる特徴を有する。また、特許文献1と異なり、加工治具固着面側に照明が配置されており、加工治具固着面と相対する側にレイアウト印刷を投射させるスクリーンが配置されている。位置合わせの基準となる目盛に該当するものはCCDカメラから撮像された画像上に電子的に設けられ、CCDカメラを介して撮像された画像を表示装置で観察しながら位置合わせをおこなうようになっている。
【0008】
特許文献3に示される軸出方法(カップ固着方法)は、特許文献1などの従来の軸出装置において課題であった屈折の影響を可及的に排除するものである。眼鏡レンズを透過する光は、眼鏡レンズによる屈折の影響を受けるが、特許文献3に開示されている発明においては、レイアウト印刷が付された眼鏡レンズの屈折面側に位置合わせの基準になる目盛板及び、目盛板を視認する際に作業者によって生じる視差(覗く角度の違い)を取り除くための視線合わせ目盛板が設けられており、これらの目盛板を介してレイアウト印刷を視認することによって、眼鏡レンズの屈折の影響を受けずに位置合わせすることが可能である。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−292593号公報
【特許文献2】
特開平11−216650号公報
【特許文献3】
特開2001−188208号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示される軸出装置は、以下の問題点を有していた。すなわち、レイアウト印刷や印点が付された加工治具固着面と相対する側に配置された目盛板を、眼鏡レンズを介して視認するため、目盛板は眼鏡レンズの屈折の影響を受け、作業者からは歪んで見える。従って、位置合わせの基準となる目盛にレイアウト印刷などの位置合わせマークを合わせても、眼鏡レンズの屈折の度合いにより位置合わせ誤差が生じてしまう。同様に加工治具固着面と相対する側に配置された照明によって、加工治具固着面側に配置されたスクリーンを兼ねた目盛板に、前記レイアウト印刷を投射する方式においても、投射される像(レイアウト印刷)が眼鏡レンズの屈折の影響を受けるため、眼鏡レンズの屈折により位置合わせ誤差が生じてしまう。このような位置合わせ誤差が生じた状態でブロッキングして加工すれば、顧客のフィッティングポイントと合致しない玉型レンズができあがってしまう。従って、作業者は屈折による影響を経験的に補正してブロッキングしなければならないため、熟練が必要であり、熟練した作業者でもブロッキングの精度にバラツキがともなう。また、このような軸出装置では、単焦点レンズのようにレイアウト印刷が施されていない眼鏡レンズをブロッキングする前には、レンズメーターによる印点作業が不可欠であり、作業が繁雑である。
【0011】
特許文献2に示される軸出装置は、印点作業を省くための工夫があり、印点作業の繁雑さは解消されている。ところが、累進多焦点レンズの位置合わせについては、スクリーンに投射されたレイアウト印刷をCCDカメラで撮像し、撮像した画像上に電子的な目盛を重ね合わせ、それを基準に位置合わせするため、レイアウト印刷がスクリーンに投射される段階で、すでに眼鏡レンズの屈折による影響を受けている。従って、投影された映像自体に位置情報としての誤差が含まれており、位置合わせ誤差が生じてしまう。
【0012】
特許文献3に示される軸出方法(カップ固着方法)は、眼鏡レンズの屈折の影響を可及的に取り除くもので、先に述べた特許文献1や特許文献2における位置合わせ誤差の問題は解消されている。しかしながら、単焦点レンズのようにレイアウト印刷が施されていない眼鏡レンズをブロッキングする前には、レンズメーターによる印点作業が不可欠であり、作業が繁雑であるといった問題がある。
【0013】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、単焦点レンズにおける印点作業を省略することができ、なおかつ眼鏡レンズによる屈折の影響を可及的に抑え、ブロッキングの精度向上、作業の簡素化が可能な眼鏡レンズの固着方法及び固着装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意努力した結果、眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側から、所定のパターンが設けられた指標板を介して、平行光を照射して、眼鏡レンズを挟んで照射側と対向する側に配置されたスクリーンに、眼鏡レンズを透過した光を投射して、スクリーンに投影された像を撮像して、眼鏡レンズの位置合わせをおこない、指標板と所定の位置関係を保った状態で加工治具を固着することが有効であることを知見した。
【0015】
すなわち、位置合わせマークの付された屈折面側に指標板を配置して、照射光を指標板を介して眼鏡レンズに照射して、眼鏡レンズを透過させ、照射側と眼鏡レンズを挟んで対向する側に配置されたスクリーンに双方の像を投射するため、スクリーンに投影された指標板のパターンと位置合わせマークは、同じように眼鏡レンズの屈折の影響を受ける。従って、双方が所定の位置関係になるように眼鏡レンズを移動、回転などさせて位置合わせすれば、指標板と加工治具が所定の位置関係を保って、加工治具が眼鏡レンズに固着されるため、眼鏡レンズの屈折の影響を抑えて、ブロッキングすることが可能になる。
【0016】
また、単焦点レンズを位置合わせする場合には、累進多焦点レンズを位置合わせする際に用いる指標板の代わりに、所定のパターンが設けられたマスク板を介して、平行光を照射して、撮像した画像から眼鏡レンズの光学中心及び乱視軸方向を検出し、検出結果と当該眼鏡レンズの眼鏡処方を用いて、眼鏡レンズの位置合わせをおこない、指標板と所定の位置関係を保った状態で加工治具を固着することが有効であることを知見した。
【0017】
すなわち、累進多焦点レンズをブロッキングする際とほぼ同様の方法、ほぼ同様の光学系や加工治具取付部を用いながら、固着する眼鏡レンズの光学中心と乱視軸方向が顧客の眼鏡処方に対して所定の位置関係になるように位置合わせできるため、従来、ブロッキング前にあらかじめ必要であった印点作業が不要になると共に、簡易にブロッキングが可能になる。また、従来同様、同一の装置で累進多焦点レンズ及び単焦点レンズのブロッキングが可能であり、それぞれに固着装置を使い分ける必要もない。
【0018】
従って、請求項1に記載に発明は、眼鏡レンズを眼鏡フレーム形状に加工する際に用いる加工治具を、眼鏡レンズに固着する固着方法であって、
眼鏡レンズの眼球側の面または物体側の面を保持して、
眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側から、所定のパターンが設けられた指標板を介して、平行光を照射して、
眼鏡レンズが単焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面のいずれかの側から、所定のパターンが設けられたマスク板を介して、平行光を照射して、
眼鏡レンズを挟んで照射側と対向する側に配置されたスクリーンに、眼鏡レンズを透過した光を投射して、
スクリーンに投影された像を撮像して、
眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、撮像した画像において指標板に設けられたパターンと眼鏡レンズの位置合わせマークが、所定の位置関係になるように眼鏡レンズの位置合わせをおこない、
眼鏡レンズが単焦点レンズの場合には、撮像した画像から眼鏡レンズの光学中心及び乱視軸方向を検出し、検出結果と当該眼鏡レンズの眼鏡処方を用いて、眼鏡レンズの位置合わせをおこない、
指標板またはマスク板と加工治具が所定の位置関係になるように眼鏡レンズの物体側の面に加工治具を固着することを特徴とする眼鏡レンズの固着方法を提供する。
【0019】
請求項2に記載の発明は、眼鏡レンズを眼鏡フレーム形状に加工する際に用いる加工治具を、眼鏡レンズに固着する固着装置であって、
当該眼鏡レンズの眼鏡処方を取得する眼鏡処方情報取得部と、
眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面を保持するレンズ保持部と
累進多焦点レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側に配置され、所定のパターンが設けられた指標板と、
眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面のいずれかの側に配置され、所定のパターンが設けられたマスク板と、
指標板またはマスク板を介して、眼鏡レンズに平行光を照射する照明装置と、眼鏡レンズを挟んで照明装置と対向する側に配置され、眼鏡レンズを透過した光を投射するスクリーンと、
スクリーンに投影された像を撮像する撮像装置と、
眼鏡レンズが単焦点レンズの場合に、撮像装置により撮像した画像から眼鏡レンズの光学中心及び乱視軸方向を検出する画像処理装置と、
撮像装置により撮像した画像と、眼鏡処方情報取得部により取得した眼鏡処方情報と、眼鏡レンズが単焦点レンズの場合に、画像処理装置により検出した光学中心位置及び乱視軸方向を表示する表示装置と、
指標板またはマスク板と所定の位置関係で眼鏡レンズの物体側の面に加工治具を取り付けるための加工治具取付部とを備えることを特徴とする眼鏡レンズの固着装置を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、累進多焦点レンズ及び単焦点レンズのブロッキングを例にとって本発明の実施の形態について詳しく説明するが、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0021】
図1は本発明による眼鏡レンズの固着装置の一例を示す図である。当該固着装置はレンズ保持部5によって眼鏡レンズ10を保持できる構造を有し、図1の固着装置においては、眼鏡レンズ10の眼球側の面を保持するようになっている。
図5に示すように、透明部材のベース板51の幾何学中心からほぼ等距離に3つの樹脂製の端子52が配置されており、眼鏡レンズ10に接触して保持するようになっている。
【0022】
眼鏡レンズ10が累進多焦点レンズの場合には図4に示すようなレイアウト印刷101が付されている。レイアウト印刷101は、玉型加工をおこなう際に、加工の基準として用いられるもので、一般的に眼鏡レンズメーカーから出荷する段階で印刷される。なお、図4における隠しマーク102は眼鏡レンズ10の成形時に成形型から転写されるもので、微小な凹凸で形成されている。当該隠しマーク102はレイアウト印刷101同様、加工の基準となる位置合わせマークであり、眼鏡レンズ10の光学中心から等距離、例えば17mmの位置に配置されている。レイアウト印刷101はこの隠しマーク102を基準に印刷される。
【0023】
レンズ保持部5の上方には、累進多焦点レンズの位置合わせに用いる指標板と単焦点レンズの位置合わせに用いるマスク板の役割を果たす指標マスク板4が配置されている。指標マスク板4は、図3(a)に示す様に、不透明なベース板41に光を透過させる窓部42と単焦点レンズの位置合わせに用いる円形窓部43が設けられている。また、窓部42と円形窓部43には累進多焦点レンズの位置合わせに用いるレチクル44が付されている。レチクル44は3点設けられており、指標マスク板4の中心及び、中心から等距離、例えば17mmの位置に配置されている。指標マスク板4は、図3(b)及び図3(c)に示すように機能を切り分け、位置合わせの対象によって切り替えて使用してもよい。図3(b)は累進多焦点レンズの位置合わせに用いる指標板を、図3(c)は単焦点レンズの位置合わせに用いるマスク板を示している。
【0024】
指標マスク板の上方には平行光を照射するための照明装置3が配置されている。照明装置3は、平行光が照射できるものであればどのようなものでもよいが、光源としてはLEDやレーザー、ハロゲンランプなどが例示できる。近赤外域近傍の波長(700nm〜900nm)の光を用いれば、着色された眼鏡レンズ10においても十分な透過光量が得られるため好適である。また、レイアウト印刷101が付されていない累進多焦点レンズを位置合わせする場合は、隠しマーク102(図4参照)を投射できるように、直進性のよいレーザー光を用いるとよい。
【0025】
レンズ保持部5の下方には、照明装置3から照射されて、指標マスク板4及び眼鏡レンズ10を透過した照射光を投射するスクリーン6が配置されている。スクリーン6としてはスリガラスなどを用いればよく、指標マスク板4と眼鏡レンズ10上のレイアウト印刷101や隠しマーク102が投射でき、撮像装置7によって投影像が得られれば材質は問わない。スクリーン6は累進多焦点レンズの位置合わせの際には、眼鏡レンズ10に近づけた方が投影像の歪みが抑えられるため好ましいが、単焦点レンズで特に屈折力が弱いレンズを位置合わせする際には、乱視軸方向を確実に検出するために眼鏡レンズ10から遠ざけた方がよい。
図1においては、可動式となっていないが、眼鏡レンズ10からの距離を変えられる構造が好ましい。可動式の場合には、手動または眼鏡レンズの種類(累進多焦点や単焦点)や眼鏡処方により自動的に移動させることもできる。
【0026】
撮像装置7は、スクリーン6の撮像装置7側の表面に焦点が合うように調節されている。従って、スクリーン6を可動式とする場合は、撮像装置7も追従して可動させるか、焦点距離を調節させる必要がある。
【0027】
画像処理装置8は撮像装置7は及び表示装置9に接続しており、撮像装置7から取り込んだ画像に所定の画像処理をおこなった上で、表示装置9に位置合わせのための情報を表示する。また、画像処理装置8の内部には、ブロッキングする眼鏡レンズ10の眼鏡処方を取得する眼鏡処方情報取得部81が備えられており、図示しないデータサーバーにネットワークを介して接続している。取得する眼鏡処方情報としては、球面屈折力や円柱屈折力、加入度、乱視軸、プリズム処方値などの光学特性を示す値があり、後述する単焦点レンズの位置合わせに用いられたり、必要に応じて表示装置9へ表示される。
【0028】
レンズ保持部5と指標マスク板4の間には加工治具取付部2が挿入されるようになっている。加工治具取付部2は加工治具1を保持できるチャック21を備えており、図1におけるO点を中心にA点からB点へは回転運動によって、B点からC点へは上下運動によってチャック21及び加工治具1を移動して、眼鏡レンズ10へ加工治具1を固着する。この一連の動作は手動でおこなうようしてもよいし、何らかの指令によって自動的におこなうようにしてもよい。加工治具取付部2はB点及びC点において、加工治具1の中心が指標マスク板4と撮像装置7の中心と略一致するように、また、加工治具1に設けられた切り欠き11(加工機へセットする際に眼鏡レンズ10の円周方向の角度を規定する)と所定の角度をなすように調節されている。また、図1ではO点を中心に180度回転する構造となっているが、90度回転してB点にチャック21が移動できるように、A点の位置を決めてもよい。
【0029】
図2は本発明による眼鏡レンズの固着装置の他の例を示す図であるが、眼鏡レンズ10の物体側の面をレンズ保持部5で保持するようになっており、そのため、加工治具取付部2、照明装置3、指標マスク板4、スクリーン6、撮像装置7の位置関係が図1に示す固着装置と異なり上下が反転した形になっている。基本的な構成は図1に基づき説明した眼鏡レンズの固着装置と同様である。なお、レンズ保持部5の中央部には、加工治具取付部2が上下動できるように図示しない貫通穴が設けられている。
【0030】
次に本発明による眼鏡レンズの固着装置の動作を、累進多焦点レンズの場合を例にとって説明する。単焦点レンズの場合の動作説明は後述する。
【0031】
累進多焦点レンズには、あらかじめ図4に示すようなレイアウト印刷101が付されている。オペレーターはレイアウト印刷101によりおよその天地(顧客が眼鏡を装用する際の天地)を確認して、レンズ保持部5に眼鏡レンズ10を載置する。この時、加工治具保持部2のチャック21はA点に配置されている。照明装置3から照射された照射光は指標マスク板4を介して眼鏡レンズ10及びレンズ保持部5を透過してスクリーン6に投射される。撮像装置7はスクリーン6に投影された像をその裏側から撮像する形になる。
【0032】
撮像装置7によって撮像された画像の模式図を図6に示す。なお、図6の模式図は図1において眼鏡レンズ10を上方から眺めた状態と同様に見せるために画像を反転させている。
【0033】
本発明においては、固着装置のオペレーターが、図6の(a)におけるΔx及びΔy、Δθがほぼ0になるように、載置した眼鏡レンズ10を移動、回転させながら、最終的に図6(b)の状態になるように位置合わせをおこなう。図6(a)及び(b)は説明を簡単にするため、眼鏡レンズ10の屈折による影響を無視している。従ってレイアウト印刷101及びレチクル44も歪んでいないが、眼鏡レンズ10の球面屈折力及び円柱屈折力、加入度などによって屈折の影響を受けた場合には歪みが生じる。しかし、中央のレチクル44と十字マーク103との中心を略一致させて、両端のレチクル44と水平線104を略一致させるようにすれば、双方は同様に眼鏡レンズ10の屈折の影響を受けるため、指標マスク板4を基準に一定の位置に眼鏡レンズ10を位置合わせすることができる。位置合わせが完了したら眼鏡レンズ10の状態を保って、加工治具取付部2を回転、下降して、加工治具1を眼鏡レンズ10の物体側の面に固着させる。
【0034】
次に単焦点レンズをブロッキングする場合について説明する。
【0035】
単焦点レンズの場合には、例えば、当該眼鏡レンズ10に関連づけられた眼鏡処方情報を、画像処理装置8の眼鏡処方情報取得部81によって取得する。このような情報は画像処理装置8に接続される図示しないキーボードなどの入力装置を用いて入力させることも可能であるが、本発明においては眼鏡レンズ10に個別につけられた管理番号を検索のキーとして用いて、図示しないデータサーバーから取得する。もちろん、画像処理装置8以外のコンピューターなどを用いて眼鏡処方情報を取得して、画像処理装置8に送信するようにしてもよい。
【0036】
累進多焦点レンズの時と同様に加工治具保持部2のチャック22はA点に配置されている。照明装置3から照射された照射光は指標マスク板4を介して眼鏡レンズ10及びレンズ保持部5を透過してスクリーン6に投射される。撮像装置7はスクリーン6に投影された像をその裏側から撮像する形になる。
【0037】
撮像装置7によって撮像された画像の模式図を図7に示す。なお、図7の模式図は図1において眼鏡レンズ10を上方から眺めた状態を基準として、眼鏡レンズ10を平面上(X−Y)において、どの程度移動させればよいか、θ(角度)を何度回転させればよいか表示している状態を示している。また、撮像装置7によって撮像した画像から必要な情報のみを抜き出しており、レチクル44や窓部42に該当する個所は画像処理がおこなわれ、画像上から取り除かれている。
【0038】
単焦点レンズの場合には、指標マスク板4の円形窓部44を透過した光が、眼鏡レンズ10の位置(X−Y−θ)や屈折(球面屈折力、円柱屈折力、乱視軸など)の影響を受けることによって、集光する位置が変化する現象や、透過光が円形状から歪む現象を利用して、眼鏡レンズの光学中心位置(ブロッキングの際の基準となる位置)や、乱視軸方向を検出するものである。例えば、集光作用のある乱視用の眼鏡レンズ(プリズム処方は無し)を例にとって説明すると、図7(a)のように歪んだ楕円形状の投影像31の重心位置GCは、眼鏡レンズ10によって集光された光が収束する位置であり、すなわち光学中心に該当する。光学中心は顧客の眼鏡レンズ10を眼鏡フレームに枠入れする際の基準になるものであり、その点を基準にして加工治具1がブロッキングされる。加工機によっては光学中心基準ではなく、眼鏡フレームの中心(ボクシング中心)を基準に加工治具1を眼鏡レンズ10に固着させる場合もあるが、光学中心を基準にしてボクシング中心の位置を規定するため、光学中心を求める必要がある。この例では光学中心を画面中央に略一致させることで、眼鏡レンズ10の光学中心と加工治具1の中心がほぼ一致する。合わせて、画像から検出した乱視軸方向Δθが処方値の乱視軸方向と一致するようにすれば、眼鏡レンズ10に印点を付けた状態(位置、角度)と同じになる。
【0039】
なお、乱視軸方向の検出は次の手順でおこなう。まず、図8(a)に示す円形窓部を透過した楕円形状の投影像31の輪郭を抽出して、図8(b)に示すリング状のイメージ(以降イメージ1と記載)を得た後、イメージ1の重心位置GCからその周縁部(イメージ1そのもの)と交差するように図8(c)に示す直線イメージ(以降イメージ2と記載)を生成する。次に、イメージ1とイメージ2を重ねて、双方の論理積をとって図8(d)に示すイメージ(以降イメージ3と記載)を得る。その後、イメージ3において論理結果により得られたブロッブ(固まり)の重心位置Pを求める。そして、図8(d)に示すように前記ブロッブの重心位置Pからイメージ1の重心位置GCまでの距離Lを求める。イメージ1の重心位置を中心として、例えば1度単位で360度分、イメージ2を生成して、先に示した画像処理をおこない、Lが最長になる方向と最短になる方向を求める。眼鏡処方によりLが最長になる方向と最短になる方向で、一方が乱視軸方向に該当する。例えば集光作用のある乱視用の眼鏡レンズであれば、Lが最短になる方向(角度)が球面屈折力と円柱屈折力を合わせたトータル屈折力の影響を受けており、乱視軸方向はLが最長になる角度となる。
【0040】
本発明においては、固着装置のオペレーターが、図7の(a)におけるΔx及びΔyがほぼ0に、Δθが眼鏡処方の乱視軸方向と略一致するように、載置した眼鏡レンズ10を移動、回転させながら、最終的に図7(b)の状態になるように位置合わせをおこなう。ただし、プリズム処方の眼鏡レンズ10の場合には、プリズム処方に合わせて、位置合わせする必要があるため、ΔxやΔyは0にはならない。位置合わせが完了したら眼鏡レンズ10の状態を保って、加工治具取付部2を回転、下降して、加工治具1を眼鏡レンズ10の物体側の面に固着させる。
【0041】
このように、本発明による眼鏡レンズの固着装置を用いれば、単焦点レンズの印点作業が不要になり、累進多焦点レンズも単焦点レンズも同一の固着装置を用いて、高精度に眼鏡レンズ10と加工治具1を固着できる。
【0042】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の眼鏡レンズの固着方法及び固着装置によれば、従来の必要だった単焦点レンズの印点作業を不要にできる。また、累進多様点レンズの位置合わせの際に生じていた眼鏡レンズの屈折による影響を可及的に抑えることができる。また、累進多焦点レンズ及び単焦点レンズを同一の固着装置によりブロッキングできる。従って、ブロッキング作業が簡素化でき、加工治具の固着精度も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による眼鏡レンズの固着装置の一例を示す図である。
【図2】本発明による眼鏡レンズの固着装置の他の例を示す図である。
【図3】本発明による指標板とマスク板の一例を示す図であり、(a)は指標板とマスク板を1枚のベース板に形成した図、(b)は指標板のみをベース板に形成した図、(c)はマスク板のみをベース板に形成した図を示している。
【図4】眼鏡レンズに付されたレイアウト印刷及び隠しマークの一例を示す図である。
【図5】本発明による眼鏡レンズの固着装置のレンズ保持部を示す平面図である。
【図6】本発明による眼鏡レンズの固着装置で累進多焦点レンズを位置合わせしている状態を示す図であり、(a)は眼鏡レンズを載置した直後の状態、(b)は位置合わせが完了した状態を示す図である。
【図7】本発明による眼鏡レンズの固着装置で単焦点レンズを位置合わせしている状態を示す図であり、(a)は眼鏡レンズを載置した直後の状態、(b)は位置合わせが完了した状態を示す図である。
【図8】本発明による眼鏡レンズの固着装置で単焦点レンズを位置合わせする際の乱視軸方向の検出手順を説明する図であり、(a)撮像装置で撮像した楕円形状のイメージを、(b)は(a)の画像から楕円形状の周縁形状を抽出したイメージを、(c)は(a)における楕円形状の重心から楕円形状周縁部へ線分を引いたイメージを、(d)は(b)と(c)の論理積によって得られたイメージを示す図である。
【符号の説明】
1.加工治具
11.切り欠き
2.加工治具取付部
21.チャック
3.照明装置
31.楕円形状の投影像
4.指標マスク板
4a.指標板
4b.マスク板
41.ベース板
42.窓部
43.円形窓部
44.レチクル
5.レンズ保持部
51.ベース板
52.端子
6.スクリーン
7.撮像装置
8.画像処理装置
81.眼鏡処方情報取得部
9.表示装置
10.眼鏡レンズ
101.レイアウト印刷
102.隠しマーク
103.十字線
104.水平線
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡レンズを眼鏡フレーム形状に加工する際に用いる加工治具を、眼鏡レンズに固着する固着方法及び固着装置に係わり、固着前の眼鏡レンズの位置合わせを容易、確実におこなえる眼鏡レンズの固着方法及び固着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、眼鏡レンズを眼鏡フレームに枠入れする際には、眼鏡フレームの形状に合わせて眼鏡レンズの周縁部を研削などにより加工するいわゆる玉型加工がおこなわれている。
【0003】
玉型加工用の加工機(以下、単に加工機と記載する)において玉型加工をする前には、カップと呼ばれる加工治具を眼鏡レンズに固着させる必要があり、ブロッキングと呼ばれる作業によって眼鏡レンズと加工治具の固着がおこなわれる。
【0004】
ブロッキングは、眼鏡レンズの光学設計の種類により作業内容が異なり、例えば、単焦点レンズの場合には、レンズメーターと呼ばれる光学特性を測定する測定装置により、顧客の眼鏡処方に合わせて光学中心と乱視軸方向を割り出し、眼鏡レンズに目印となる印点を付けた後、その印点を基準に軸出装置と呼ばれる装置で眼鏡レンズと加工治具が所定の位置関係になるように位置合わせをおこない固着治具と固着させる。また、累進多焦点レンズの場合には、眼鏡レンズメーカーからの出荷時にあらかじめ印刷されるレイアウト印刷(加工の基準となる位置合わせマークに該当する)を基準に、軸出装置で眼鏡レンズと加工治具が所定の位置関係になるように位置合わせをおこない固着治具と固着させる。
【0005】
ブロッキングに用いられる軸出方法や軸出装置としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。
【0006】
特許文献1に示される軸出装置は、当該特許文献に例示されている従来の軸出装置(特許文献1の図11)に比べ、簡易な動作でブロッキングが可能である。
このような軸出装置の基本原理は、ブロッキングする眼鏡レンズの加工治具固着面と相対する側に配置された目盛板の目盛に対して、眼鏡レンズの加工治具固着面側に印刷されているレイアウト印刷が、所定の位置関係になるように位置合わせをおこなうもので、位置合わせの際には接眼レンズを通して目視で作業する。
同様な方式としては、加工治具固着面と相対する側に配置された照明によって、加工治具固着面側に配置されたスクリーンを兼ねた目盛板に、前記レイアウト印刷を投射する方式も例示できる。このような方式ではスクリーンに付されている目盛と、スクリーンに投影されたレイアウト印刷が所定の位置関係になるように位置合わせをおこなう。
【0007】
特許文献2に示される軸出装置は、単焦点レンズのブロッキングに先だって必要な印点作業を省略でき、設定変更により累進多焦点レンズも同一軸出装置でブロッキングできる特徴を有する。また、特許文献1と異なり、加工治具固着面側に照明が配置されており、加工治具固着面と相対する側にレイアウト印刷を投射させるスクリーンが配置されている。位置合わせの基準となる目盛に該当するものはCCDカメラから撮像された画像上に電子的に設けられ、CCDカメラを介して撮像された画像を表示装置で観察しながら位置合わせをおこなうようになっている。
【0008】
特許文献3に示される軸出方法(カップ固着方法)は、特許文献1などの従来の軸出装置において課題であった屈折の影響を可及的に排除するものである。眼鏡レンズを透過する光は、眼鏡レンズによる屈折の影響を受けるが、特許文献3に開示されている発明においては、レイアウト印刷が付された眼鏡レンズの屈折面側に位置合わせの基準になる目盛板及び、目盛板を視認する際に作業者によって生じる視差(覗く角度の違い)を取り除くための視線合わせ目盛板が設けられており、これらの目盛板を介してレイアウト印刷を視認することによって、眼鏡レンズの屈折の影響を受けずに位置合わせすることが可能である。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−292593号公報
【特許文献2】
特開平11−216650号公報
【特許文献3】
特開2001−188208号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示される軸出装置は、以下の問題点を有していた。すなわち、レイアウト印刷や印点が付された加工治具固着面と相対する側に配置された目盛板を、眼鏡レンズを介して視認するため、目盛板は眼鏡レンズの屈折の影響を受け、作業者からは歪んで見える。従って、位置合わせの基準となる目盛にレイアウト印刷などの位置合わせマークを合わせても、眼鏡レンズの屈折の度合いにより位置合わせ誤差が生じてしまう。同様に加工治具固着面と相対する側に配置された照明によって、加工治具固着面側に配置されたスクリーンを兼ねた目盛板に、前記レイアウト印刷を投射する方式においても、投射される像(レイアウト印刷)が眼鏡レンズの屈折の影響を受けるため、眼鏡レンズの屈折により位置合わせ誤差が生じてしまう。このような位置合わせ誤差が生じた状態でブロッキングして加工すれば、顧客のフィッティングポイントと合致しない玉型レンズができあがってしまう。従って、作業者は屈折による影響を経験的に補正してブロッキングしなければならないため、熟練が必要であり、熟練した作業者でもブロッキングの精度にバラツキがともなう。また、このような軸出装置では、単焦点レンズのようにレイアウト印刷が施されていない眼鏡レンズをブロッキングする前には、レンズメーターによる印点作業が不可欠であり、作業が繁雑である。
【0011】
特許文献2に示される軸出装置は、印点作業を省くための工夫があり、印点作業の繁雑さは解消されている。ところが、累進多焦点レンズの位置合わせについては、スクリーンに投射されたレイアウト印刷をCCDカメラで撮像し、撮像した画像上に電子的な目盛を重ね合わせ、それを基準に位置合わせするため、レイアウト印刷がスクリーンに投射される段階で、すでに眼鏡レンズの屈折による影響を受けている。従って、投影された映像自体に位置情報としての誤差が含まれており、位置合わせ誤差が生じてしまう。
【0012】
特許文献3に示される軸出方法(カップ固着方法)は、眼鏡レンズの屈折の影響を可及的に取り除くもので、先に述べた特許文献1や特許文献2における位置合わせ誤差の問題は解消されている。しかしながら、単焦点レンズのようにレイアウト印刷が施されていない眼鏡レンズをブロッキングする前には、レンズメーターによる印点作業が不可欠であり、作業が繁雑であるといった問題がある。
【0013】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、単焦点レンズにおける印点作業を省略することができ、なおかつ眼鏡レンズによる屈折の影響を可及的に抑え、ブロッキングの精度向上、作業の簡素化が可能な眼鏡レンズの固着方法及び固着装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意努力した結果、眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側から、所定のパターンが設けられた指標板を介して、平行光を照射して、眼鏡レンズを挟んで照射側と対向する側に配置されたスクリーンに、眼鏡レンズを透過した光を投射して、スクリーンに投影された像を撮像して、眼鏡レンズの位置合わせをおこない、指標板と所定の位置関係を保った状態で加工治具を固着することが有効であることを知見した。
【0015】
すなわち、位置合わせマークの付された屈折面側に指標板を配置して、照射光を指標板を介して眼鏡レンズに照射して、眼鏡レンズを透過させ、照射側と眼鏡レンズを挟んで対向する側に配置されたスクリーンに双方の像を投射するため、スクリーンに投影された指標板のパターンと位置合わせマークは、同じように眼鏡レンズの屈折の影響を受ける。従って、双方が所定の位置関係になるように眼鏡レンズを移動、回転などさせて位置合わせすれば、指標板と加工治具が所定の位置関係を保って、加工治具が眼鏡レンズに固着されるため、眼鏡レンズの屈折の影響を抑えて、ブロッキングすることが可能になる。
【0016】
また、単焦点レンズを位置合わせする場合には、累進多焦点レンズを位置合わせする際に用いる指標板の代わりに、所定のパターンが設けられたマスク板を介して、平行光を照射して、撮像した画像から眼鏡レンズの光学中心及び乱視軸方向を検出し、検出結果と当該眼鏡レンズの眼鏡処方を用いて、眼鏡レンズの位置合わせをおこない、指標板と所定の位置関係を保った状態で加工治具を固着することが有効であることを知見した。
【0017】
すなわち、累進多焦点レンズをブロッキングする際とほぼ同様の方法、ほぼ同様の光学系や加工治具取付部を用いながら、固着する眼鏡レンズの光学中心と乱視軸方向が顧客の眼鏡処方に対して所定の位置関係になるように位置合わせできるため、従来、ブロッキング前にあらかじめ必要であった印点作業が不要になると共に、簡易にブロッキングが可能になる。また、従来同様、同一の装置で累進多焦点レンズ及び単焦点レンズのブロッキングが可能であり、それぞれに固着装置を使い分ける必要もない。
【0018】
従って、請求項1に記載に発明は、眼鏡レンズを眼鏡フレーム形状に加工する際に用いる加工治具を、眼鏡レンズに固着する固着方法であって、
眼鏡レンズの眼球側の面または物体側の面を保持して、
眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側から、所定のパターンが設けられた指標板を介して、平行光を照射して、
眼鏡レンズが単焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面のいずれかの側から、所定のパターンが設けられたマスク板を介して、平行光を照射して、
眼鏡レンズを挟んで照射側と対向する側に配置されたスクリーンに、眼鏡レンズを透過した光を投射して、
スクリーンに投影された像を撮像して、
眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、撮像した画像において指標板に設けられたパターンと眼鏡レンズの位置合わせマークが、所定の位置関係になるように眼鏡レンズの位置合わせをおこない、
眼鏡レンズが単焦点レンズの場合には、撮像した画像から眼鏡レンズの光学中心及び乱視軸方向を検出し、検出結果と当該眼鏡レンズの眼鏡処方を用いて、眼鏡レンズの位置合わせをおこない、
指標板またはマスク板と加工治具が所定の位置関係になるように眼鏡レンズの物体側の面に加工治具を固着することを特徴とする眼鏡レンズの固着方法を提供する。
【0019】
請求項2に記載の発明は、眼鏡レンズを眼鏡フレーム形状に加工する際に用いる加工治具を、眼鏡レンズに固着する固着装置であって、
当該眼鏡レンズの眼鏡処方を取得する眼鏡処方情報取得部と、
眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面を保持するレンズ保持部と
累進多焦点レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側に配置され、所定のパターンが設けられた指標板と、
眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面のいずれかの側に配置され、所定のパターンが設けられたマスク板と、
指標板またはマスク板を介して、眼鏡レンズに平行光を照射する照明装置と、眼鏡レンズを挟んで照明装置と対向する側に配置され、眼鏡レンズを透過した光を投射するスクリーンと、
スクリーンに投影された像を撮像する撮像装置と、
眼鏡レンズが単焦点レンズの場合に、撮像装置により撮像した画像から眼鏡レンズの光学中心及び乱視軸方向を検出する画像処理装置と、
撮像装置により撮像した画像と、眼鏡処方情報取得部により取得した眼鏡処方情報と、眼鏡レンズが単焦点レンズの場合に、画像処理装置により検出した光学中心位置及び乱視軸方向を表示する表示装置と、
指標板またはマスク板と所定の位置関係で眼鏡レンズの物体側の面に加工治具を取り付けるための加工治具取付部とを備えることを特徴とする眼鏡レンズの固着装置を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、累進多焦点レンズ及び単焦点レンズのブロッキングを例にとって本発明の実施の形態について詳しく説明するが、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0021】
図1は本発明による眼鏡レンズの固着装置の一例を示す図である。当該固着装置はレンズ保持部5によって眼鏡レンズ10を保持できる構造を有し、図1の固着装置においては、眼鏡レンズ10の眼球側の面を保持するようになっている。
図5に示すように、透明部材のベース板51の幾何学中心からほぼ等距離に3つの樹脂製の端子52が配置されており、眼鏡レンズ10に接触して保持するようになっている。
【0022】
眼鏡レンズ10が累進多焦点レンズの場合には図4に示すようなレイアウト印刷101が付されている。レイアウト印刷101は、玉型加工をおこなう際に、加工の基準として用いられるもので、一般的に眼鏡レンズメーカーから出荷する段階で印刷される。なお、図4における隠しマーク102は眼鏡レンズ10の成形時に成形型から転写されるもので、微小な凹凸で形成されている。当該隠しマーク102はレイアウト印刷101同様、加工の基準となる位置合わせマークであり、眼鏡レンズ10の光学中心から等距離、例えば17mmの位置に配置されている。レイアウト印刷101はこの隠しマーク102を基準に印刷される。
【0023】
レンズ保持部5の上方には、累進多焦点レンズの位置合わせに用いる指標板と単焦点レンズの位置合わせに用いるマスク板の役割を果たす指標マスク板4が配置されている。指標マスク板4は、図3(a)に示す様に、不透明なベース板41に光を透過させる窓部42と単焦点レンズの位置合わせに用いる円形窓部43が設けられている。また、窓部42と円形窓部43には累進多焦点レンズの位置合わせに用いるレチクル44が付されている。レチクル44は3点設けられており、指標マスク板4の中心及び、中心から等距離、例えば17mmの位置に配置されている。指標マスク板4は、図3(b)及び図3(c)に示すように機能を切り分け、位置合わせの対象によって切り替えて使用してもよい。図3(b)は累進多焦点レンズの位置合わせに用いる指標板を、図3(c)は単焦点レンズの位置合わせに用いるマスク板を示している。
【0024】
指標マスク板の上方には平行光を照射するための照明装置3が配置されている。照明装置3は、平行光が照射できるものであればどのようなものでもよいが、光源としてはLEDやレーザー、ハロゲンランプなどが例示できる。近赤外域近傍の波長(700nm〜900nm)の光を用いれば、着色された眼鏡レンズ10においても十分な透過光量が得られるため好適である。また、レイアウト印刷101が付されていない累進多焦点レンズを位置合わせする場合は、隠しマーク102(図4参照)を投射できるように、直進性のよいレーザー光を用いるとよい。
【0025】
レンズ保持部5の下方には、照明装置3から照射されて、指標マスク板4及び眼鏡レンズ10を透過した照射光を投射するスクリーン6が配置されている。スクリーン6としてはスリガラスなどを用いればよく、指標マスク板4と眼鏡レンズ10上のレイアウト印刷101や隠しマーク102が投射でき、撮像装置7によって投影像が得られれば材質は問わない。スクリーン6は累進多焦点レンズの位置合わせの際には、眼鏡レンズ10に近づけた方が投影像の歪みが抑えられるため好ましいが、単焦点レンズで特に屈折力が弱いレンズを位置合わせする際には、乱視軸方向を確実に検出するために眼鏡レンズ10から遠ざけた方がよい。
図1においては、可動式となっていないが、眼鏡レンズ10からの距離を変えられる構造が好ましい。可動式の場合には、手動または眼鏡レンズの種類(累進多焦点や単焦点)や眼鏡処方により自動的に移動させることもできる。
【0026】
撮像装置7は、スクリーン6の撮像装置7側の表面に焦点が合うように調節されている。従って、スクリーン6を可動式とする場合は、撮像装置7も追従して可動させるか、焦点距離を調節させる必要がある。
【0027】
画像処理装置8は撮像装置7は及び表示装置9に接続しており、撮像装置7から取り込んだ画像に所定の画像処理をおこなった上で、表示装置9に位置合わせのための情報を表示する。また、画像処理装置8の内部には、ブロッキングする眼鏡レンズ10の眼鏡処方を取得する眼鏡処方情報取得部81が備えられており、図示しないデータサーバーにネットワークを介して接続している。取得する眼鏡処方情報としては、球面屈折力や円柱屈折力、加入度、乱視軸、プリズム処方値などの光学特性を示す値があり、後述する単焦点レンズの位置合わせに用いられたり、必要に応じて表示装置9へ表示される。
【0028】
レンズ保持部5と指標マスク板4の間には加工治具取付部2が挿入されるようになっている。加工治具取付部2は加工治具1を保持できるチャック21を備えており、図1におけるO点を中心にA点からB点へは回転運動によって、B点からC点へは上下運動によってチャック21及び加工治具1を移動して、眼鏡レンズ10へ加工治具1を固着する。この一連の動作は手動でおこなうようしてもよいし、何らかの指令によって自動的におこなうようにしてもよい。加工治具取付部2はB点及びC点において、加工治具1の中心が指標マスク板4と撮像装置7の中心と略一致するように、また、加工治具1に設けられた切り欠き11(加工機へセットする際に眼鏡レンズ10の円周方向の角度を規定する)と所定の角度をなすように調節されている。また、図1ではO点を中心に180度回転する構造となっているが、90度回転してB点にチャック21が移動できるように、A点の位置を決めてもよい。
【0029】
図2は本発明による眼鏡レンズの固着装置の他の例を示す図であるが、眼鏡レンズ10の物体側の面をレンズ保持部5で保持するようになっており、そのため、加工治具取付部2、照明装置3、指標マスク板4、スクリーン6、撮像装置7の位置関係が図1に示す固着装置と異なり上下が反転した形になっている。基本的な構成は図1に基づき説明した眼鏡レンズの固着装置と同様である。なお、レンズ保持部5の中央部には、加工治具取付部2が上下動できるように図示しない貫通穴が設けられている。
【0030】
次に本発明による眼鏡レンズの固着装置の動作を、累進多焦点レンズの場合を例にとって説明する。単焦点レンズの場合の動作説明は後述する。
【0031】
累進多焦点レンズには、あらかじめ図4に示すようなレイアウト印刷101が付されている。オペレーターはレイアウト印刷101によりおよその天地(顧客が眼鏡を装用する際の天地)を確認して、レンズ保持部5に眼鏡レンズ10を載置する。この時、加工治具保持部2のチャック21はA点に配置されている。照明装置3から照射された照射光は指標マスク板4を介して眼鏡レンズ10及びレンズ保持部5を透過してスクリーン6に投射される。撮像装置7はスクリーン6に投影された像をその裏側から撮像する形になる。
【0032】
撮像装置7によって撮像された画像の模式図を図6に示す。なお、図6の模式図は図1において眼鏡レンズ10を上方から眺めた状態と同様に見せるために画像を反転させている。
【0033】
本発明においては、固着装置のオペレーターが、図6の(a)におけるΔx及びΔy、Δθがほぼ0になるように、載置した眼鏡レンズ10を移動、回転させながら、最終的に図6(b)の状態になるように位置合わせをおこなう。図6(a)及び(b)は説明を簡単にするため、眼鏡レンズ10の屈折による影響を無視している。従ってレイアウト印刷101及びレチクル44も歪んでいないが、眼鏡レンズ10の球面屈折力及び円柱屈折力、加入度などによって屈折の影響を受けた場合には歪みが生じる。しかし、中央のレチクル44と十字マーク103との中心を略一致させて、両端のレチクル44と水平線104を略一致させるようにすれば、双方は同様に眼鏡レンズ10の屈折の影響を受けるため、指標マスク板4を基準に一定の位置に眼鏡レンズ10を位置合わせすることができる。位置合わせが完了したら眼鏡レンズ10の状態を保って、加工治具取付部2を回転、下降して、加工治具1を眼鏡レンズ10の物体側の面に固着させる。
【0034】
次に単焦点レンズをブロッキングする場合について説明する。
【0035】
単焦点レンズの場合には、例えば、当該眼鏡レンズ10に関連づけられた眼鏡処方情報を、画像処理装置8の眼鏡処方情報取得部81によって取得する。このような情報は画像処理装置8に接続される図示しないキーボードなどの入力装置を用いて入力させることも可能であるが、本発明においては眼鏡レンズ10に個別につけられた管理番号を検索のキーとして用いて、図示しないデータサーバーから取得する。もちろん、画像処理装置8以外のコンピューターなどを用いて眼鏡処方情報を取得して、画像処理装置8に送信するようにしてもよい。
【0036】
累進多焦点レンズの時と同様に加工治具保持部2のチャック22はA点に配置されている。照明装置3から照射された照射光は指標マスク板4を介して眼鏡レンズ10及びレンズ保持部5を透過してスクリーン6に投射される。撮像装置7はスクリーン6に投影された像をその裏側から撮像する形になる。
【0037】
撮像装置7によって撮像された画像の模式図を図7に示す。なお、図7の模式図は図1において眼鏡レンズ10を上方から眺めた状態を基準として、眼鏡レンズ10を平面上(X−Y)において、どの程度移動させればよいか、θ(角度)を何度回転させればよいか表示している状態を示している。また、撮像装置7によって撮像した画像から必要な情報のみを抜き出しており、レチクル44や窓部42に該当する個所は画像処理がおこなわれ、画像上から取り除かれている。
【0038】
単焦点レンズの場合には、指標マスク板4の円形窓部44を透過した光が、眼鏡レンズ10の位置(X−Y−θ)や屈折(球面屈折力、円柱屈折力、乱視軸など)の影響を受けることによって、集光する位置が変化する現象や、透過光が円形状から歪む現象を利用して、眼鏡レンズの光学中心位置(ブロッキングの際の基準となる位置)や、乱視軸方向を検出するものである。例えば、集光作用のある乱視用の眼鏡レンズ(プリズム処方は無し)を例にとって説明すると、図7(a)のように歪んだ楕円形状の投影像31の重心位置GCは、眼鏡レンズ10によって集光された光が収束する位置であり、すなわち光学中心に該当する。光学中心は顧客の眼鏡レンズ10を眼鏡フレームに枠入れする際の基準になるものであり、その点を基準にして加工治具1がブロッキングされる。加工機によっては光学中心基準ではなく、眼鏡フレームの中心(ボクシング中心)を基準に加工治具1を眼鏡レンズ10に固着させる場合もあるが、光学中心を基準にしてボクシング中心の位置を規定するため、光学中心を求める必要がある。この例では光学中心を画面中央に略一致させることで、眼鏡レンズ10の光学中心と加工治具1の中心がほぼ一致する。合わせて、画像から検出した乱視軸方向Δθが処方値の乱視軸方向と一致するようにすれば、眼鏡レンズ10に印点を付けた状態(位置、角度)と同じになる。
【0039】
なお、乱視軸方向の検出は次の手順でおこなう。まず、図8(a)に示す円形窓部を透過した楕円形状の投影像31の輪郭を抽出して、図8(b)に示すリング状のイメージ(以降イメージ1と記載)を得た後、イメージ1の重心位置GCからその周縁部(イメージ1そのもの)と交差するように図8(c)に示す直線イメージ(以降イメージ2と記載)を生成する。次に、イメージ1とイメージ2を重ねて、双方の論理積をとって図8(d)に示すイメージ(以降イメージ3と記載)を得る。その後、イメージ3において論理結果により得られたブロッブ(固まり)の重心位置Pを求める。そして、図8(d)に示すように前記ブロッブの重心位置Pからイメージ1の重心位置GCまでの距離Lを求める。イメージ1の重心位置を中心として、例えば1度単位で360度分、イメージ2を生成して、先に示した画像処理をおこない、Lが最長になる方向と最短になる方向を求める。眼鏡処方によりLが最長になる方向と最短になる方向で、一方が乱視軸方向に該当する。例えば集光作用のある乱視用の眼鏡レンズであれば、Lが最短になる方向(角度)が球面屈折力と円柱屈折力を合わせたトータル屈折力の影響を受けており、乱視軸方向はLが最長になる角度となる。
【0040】
本発明においては、固着装置のオペレーターが、図7の(a)におけるΔx及びΔyがほぼ0に、Δθが眼鏡処方の乱視軸方向と略一致するように、載置した眼鏡レンズ10を移動、回転させながら、最終的に図7(b)の状態になるように位置合わせをおこなう。ただし、プリズム処方の眼鏡レンズ10の場合には、プリズム処方に合わせて、位置合わせする必要があるため、ΔxやΔyは0にはならない。位置合わせが完了したら眼鏡レンズ10の状態を保って、加工治具取付部2を回転、下降して、加工治具1を眼鏡レンズ10の物体側の面に固着させる。
【0041】
このように、本発明による眼鏡レンズの固着装置を用いれば、単焦点レンズの印点作業が不要になり、累進多焦点レンズも単焦点レンズも同一の固着装置を用いて、高精度に眼鏡レンズ10と加工治具1を固着できる。
【0042】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の眼鏡レンズの固着方法及び固着装置によれば、従来の必要だった単焦点レンズの印点作業を不要にできる。また、累進多様点レンズの位置合わせの際に生じていた眼鏡レンズの屈折による影響を可及的に抑えることができる。また、累進多焦点レンズ及び単焦点レンズを同一の固着装置によりブロッキングできる。従って、ブロッキング作業が簡素化でき、加工治具の固着精度も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による眼鏡レンズの固着装置の一例を示す図である。
【図2】本発明による眼鏡レンズの固着装置の他の例を示す図である。
【図3】本発明による指標板とマスク板の一例を示す図であり、(a)は指標板とマスク板を1枚のベース板に形成した図、(b)は指標板のみをベース板に形成した図、(c)はマスク板のみをベース板に形成した図を示している。
【図4】眼鏡レンズに付されたレイアウト印刷及び隠しマークの一例を示す図である。
【図5】本発明による眼鏡レンズの固着装置のレンズ保持部を示す平面図である。
【図6】本発明による眼鏡レンズの固着装置で累進多焦点レンズを位置合わせしている状態を示す図であり、(a)は眼鏡レンズを載置した直後の状態、(b)は位置合わせが完了した状態を示す図である。
【図7】本発明による眼鏡レンズの固着装置で単焦点レンズを位置合わせしている状態を示す図であり、(a)は眼鏡レンズを載置した直後の状態、(b)は位置合わせが完了した状態を示す図である。
【図8】本発明による眼鏡レンズの固着装置で単焦点レンズを位置合わせする際の乱視軸方向の検出手順を説明する図であり、(a)撮像装置で撮像した楕円形状のイメージを、(b)は(a)の画像から楕円形状の周縁形状を抽出したイメージを、(c)は(a)における楕円形状の重心から楕円形状周縁部へ線分を引いたイメージを、(d)は(b)と(c)の論理積によって得られたイメージを示す図である。
【符号の説明】
1.加工治具
11.切り欠き
2.加工治具取付部
21.チャック
3.照明装置
31.楕円形状の投影像
4.指標マスク板
4a.指標板
4b.マスク板
41.ベース板
42.窓部
43.円形窓部
44.レチクル
5.レンズ保持部
51.ベース板
52.端子
6.スクリーン
7.撮像装置
8.画像処理装置
81.眼鏡処方情報取得部
9.表示装置
10.眼鏡レンズ
101.レイアウト印刷
102.隠しマーク
103.十字線
104.水平線
Claims (2)
- 眼鏡レンズを眼鏡フレーム形状に加工する際に用いる加工治具を、眼鏡レンズに固着する固着方法であって、
眼鏡レンズの眼球側の面または物体側の面を保持して、
眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側から、所定のパターンが設けられた指標板を介して、平行光を照射して、
眼鏡レンズが単焦点レンズの場合には、眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面のいずれかの側から、所定のパターンが設けられたマスク板を介して、平行光を照射して、
眼鏡レンズを挟んで照射側と対向する側に配置されたスクリーンに、眼鏡レンズを透過した光を投射して、
スクリーンに投影された像を撮像して、
眼鏡レンズが累進多焦点レンズの場合には、撮像した画像において指標板に設けられたパターンと眼鏡レンズの位置合わせマークが、所定の位置関係になるように眼鏡レンズの位置合わせをおこない、
眼鏡レンズが単焦点レンズの場合には、撮像した画像から眼鏡レンズの光学中心及び乱視軸方向を検出し、検出結果と当該眼鏡レンズの眼鏡処方を用いて、眼鏡レンズの位置合わせをおこない、
指標板またはマスク板と加工治具が所定の位置関係になるように眼鏡レンズの物体側の面に加工治具を固着することを特徴とする眼鏡レンズの固着方法。 - 眼鏡レンズを眼鏡フレーム形状に加工する際に用いる加工治具を、眼鏡レンズに固着する固着装置であって、
当該眼鏡レンズの眼鏡処方を取得する眼鏡処方情報取得部と、
眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面を保持するレンズ保持部と
累進多焦点レンズの加工の基準となる位置合わせマークが付された屈折面側に配置され、所定のパターンが設けられた指標板と、
眼鏡レンズの物体側の面または眼球側の面のいずれかの側に配置され、所定のパターンが設けられたマスク板と、
指標板またはマスク板を介して、眼鏡レンズに平行光を照射する照明装置と、眼鏡レンズを挟んで照明装置と対向する側に配置され、眼鏡レンズを透過した光を投射するスクリーンと、
スクリーンに投影された像を撮像する撮像装置と、
眼鏡レンズが単焦点レンズの場合に、撮像装置により撮像した画像から眼鏡レンズの光学中心及び乱視軸方向を検出する画像処理装置と、
撮像装置により撮像した画像と、眼鏡処方情報取得部により取得した眼鏡処方情報と、眼鏡レンズが単焦点レンズの場合に、画像処理装置により検出した光学中心位置及び乱視軸方向を表示する表示装置と、
指標板またはマスク板と所定の位置関係で眼鏡レンズの物体側の面に加工治具を取り付けるための加工治具取付部とを備えることを特徴とする眼鏡レンズの固着装置。
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JP2003080738A JP2004287208A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 眼鏡レンズの固着方法及び固着装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101222256B1 (ko) | 2004-10-15 | 2013-01-16 | 르노 테크놀로지 오퍼레이션즈 | 안경 프레임의 기하학적 특징 획득 장치 및 방법 |
WO2013187708A1 (ko) * | 2012-06-13 | 2013-12-19 | Cho Hyun Woo | 렌즈 가공장치 |
JP2021504173A (ja) * | 2017-11-29 | 2021-02-15 | ヒュビッツ カンパニー リミテッドHuvitz Co.,Ltd. | レンズブロッカー |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003080738A patent/JP2004287208A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
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JP2021504173A (ja) * | 2017-11-29 | 2021-02-15 | ヒュビッツ カンパニー リミテッドHuvitz Co.,Ltd. | レンズブロッカー |
JP7022842B2 (ja) | 2017-11-29 | 2022-02-18 | ヒュビッツ カンパニー リミテッド | レンズブロッカー |
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