JP2004286315A - 冷凍回路の安全装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価、かつ、容易に冷媒漏れが発生しても人的被害が起きないようにした冷凍回路の安全装置を提供すること。
【解決手段】庫内側で冷媒配管5(5a,5b)を接続する際に、その接続箇所を内部に含むようにして当該冷媒配管5に固着される冷媒回収容器11を設ける。また一端が前記冷媒回収容器11の内部と連通して接続され、他端が大気と連通するように配設された漏洩冷媒排出管12を設ける。これにより冷媒配管5の接続箇所から冷媒が漏れても庫内に溜らないようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】庫内側で冷媒配管5(5a,5b)を接続する際に、その接続箇所を内部に含むようにして当該冷媒配管5に固着される冷媒回収容器11を設ける。また一端が前記冷媒回収容器11の内部と連通して接続され、他端が大気と連通するように配設された漏洩冷媒排出管12を設ける。これにより冷媒配管5の接続箇所から冷媒が漏れても庫内に溜らないようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍回路を構成する冷媒配管の接続部分等から冷媒が漏れた際に、当該冷媒による人体への危険等を防止できるようにした冷凍回路の安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷凍回路はショーケース、冷蔵庫、空気調和機等の種々のシステムに利用されている。このようなシステムの一例として、業務用等に利用される大型の冷蔵庫がある。
【0003】
図11は、かかる大型冷蔵庫の構成例を示す図で、冷媒を圧縮する圧縮機1、冷媒の熱を放熱させる第1熱交換器2、冷媒を膨張させる膨張弁3、冷媒を蒸発させる第2熱交換器4等を備えて、これらが冷媒配管5により接続されて循環するようになっている。
【0004】
圧縮機1や第1熱交換器2は、1の筐体内に収納されて室外や機械室等に配置され、第2熱交換器4や膨張弁3は1の筐体内に収納されて室内等の冷熱利用空間に設置される。以下、室外側に配設された構成要素のまとまりを室外機6、熱利用機器側に配設された構成要素のまとまりを室内機7と記載する。
【0005】
室外機6や室内機7は、それぞれ工場で組立てられ、冷媒漏れ検査が行われて出荷される。そして、施工現場で室外機6と室内機7とがフレア接続や溶接接続によって接続される。
【0006】
なお、図11において矢印は、室内機7で冷熱を利用する場合の冷媒の循環方向を示している。また、黒丸Pは、施工現場で行うことがある接続箇所を示している。
【0007】
このとき、外気への熱ロスを抑制するため室内機7等においては機密性を高めているが、冷媒配管5の接続は現場で行うため、この接続作業が不十分であったりして、当該接続箇所から冷媒が漏れて籠ってしまうことがある。
【0008】
例えば、大型冷蔵庫では、室内機は冷蔵庫内(庫内)を構成し、この庫内に作業者等が立入り作業することがある。
【0009】
このとき冷媒漏れが発生すると、冷媒は庫内に籠り、これを知らない作業者が窒息したり中毒を起したりする危険がある。
【0010】
また、従来用いられてきたR−22等の塩素を含むいわゆる特定フロンガスは、オゾン層破壊の原因となることが判明し、これに代りHFC32やHFC125等が提案されたが、この冷媒の地球温暖化係数は特定フロンガスと大差がないため、温暖化係数の小さなHC290(プロパン)等の可燃性冷媒の採用が検討されている。
【0011】
しかし、HC290は可燃性冷媒であるため、冷媒漏れが発生している状況で照明用スイッチから発生した火花等により発火してしまう危険がある。
【0012】
さらに、近年ではアンモニアや二酸化炭素を冷媒として利用することが検討されているが、アンモニアの場合には有臭であるため冷媒漏れは嗅覚等で発見できるが、発見するまでの間に臭いが貯蔵物に付着したりする問題がある。
【0013】
また、二酸化炭素は無臭であるため、冷媒漏れを知ることが難しく、窒息等を起す危険がある。
【0014】
このような問題に対し、室内機側の冷媒配管の肉厚を室外機側の冷媒配管の肉厚より厚くする等により、例えば冷媒管内の圧力が異常上昇した際等において、最初に室外機側の冷媒配管で冷媒漏れが起きるようにすることで、人的被害の発生を防止する構成が提案されている(特許文献1参照)。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−243320号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、部材の破損のような事故に対しては有効であるが、冷媒配管5の溶接箇所等からの冷媒漏れには対応できない問題がある。
【0017】
無論、庫内に冷媒センサを設けて冷媒漏れを検出するようにすることも可能であるが、かかる場合にはセンサや当該センサからの信号を処理する装置が必要になってコストアップの要因となる問題がある。
【0018】
そこで、本発明は、安価、かつ、容易に冷媒漏れが発生しても人的被害が起きないようにした冷凍回路の安全装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒の熱を放熱させる第1熱交換器、冷媒を膨張させる膨張弁、冷媒を蒸発させる第2熱交換器を備え、これらが冷媒配管により接続されてなる冷凍回路を設置する際に、少なくとも現場で冷媒配管を接続した箇所を覆うように設けられて、当該接続箇所から冷媒漏れが発生した場合に、当該冷媒を大気に放出させる漏洩冷媒排出手段を備えて、安価、かつ、容易に冷媒漏れが発生しても人的被害が起きないようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項2にかかる発明は、漏洩冷媒排出手段が、冷媒配管の接続箇所を内部に含むようにして当該冷媒配管に固着される冷媒回収容器と、一端が冷媒回収容器の内部と連通して接続され、他端が大気と連通するように配設された漏洩冷媒排出管とにより形成したことを特徴とする。
【0021】
請求項3にかかる発明は、漏洩冷媒排出手段が、冷媒配管が2重管により形成されて、内側管と外側管との間の空間に連通するように漏洩冷媒排出管を設けることにより漏洩冷媒排出手段を形成したことを特徴とする。
【0022】
請求項4にかかる発明は、漏洩冷媒排出管の大気側の端部に設けられて、当該漏洩冷媒排出管内の圧力が所定の圧力になると当該端部を開放して漏洩した冷媒を大気側に逃す圧力スイッチを設けたことを特徴とする。
【0023】
請求項5にかかる発明は、漏洩冷媒排出管の大気側の端部に設けられて、当該漏洩冷媒排出管内の圧力を検出する圧力計と、該圧力計からの信号に基づき、漏洩冷媒排出管内の圧力が所定圧以上になったと判断した場合には警報を発する制御部とを備えることを特徴とする。
【0024】
請求項6にかかる発明は、膨張弁と第2熱交換器とを接続する冷媒配管に、当該冷媒配管の管路を開閉する電磁弁が設けられて、制御部が、漏洩冷媒排出管内の圧力が所定圧以上になったと判断した場合には電磁弁を動作させて管路を閉じることを特徴とする。
【0025】
請求項7にかかる発明は、冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。なお、従来と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0027】
本実施の形態では、冷凍回路として大型の冷蔵庫を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、暖房装置、給湯装置、空調装置等においても利用可能であり、特に熱量利用側が略密閉空間で、人が出入りするような空間で利用される場合に有効である。
【0028】
また、R−20、HCFC、HFC、二酸化炭素、アンモニア等の種々の冷媒いた冷凍回路に適用されるが、無臭で圧力が高い二酸化炭素を冷媒として用いた冷凍回路に有効である。
【0029】
図1は第1の実施の形態に係る安全装置を取付けた際の断面図、図2はその斜視図である。また、図3は、このような安全装置を設けた冷凍回路図を示している。
【0030】
当該安全装置10は、冷媒配管5(5a,5b)の接続箇所に取付けられる銅等からなる冷媒回収容器11、一端が該冷媒回収容器11に接続され、他端が室外に開放された銅等からなる漏洩冷媒排出管12とにより構成されている。
【0031】
なお、図1において冷媒配管5aは室外機6からの冷媒配管5で、冷蔵庫の天井14裏から庫内に配管されている。また、冷媒配管5bは庫内側に配管された冷媒配管5で膨張弁3や第2熱交換器4等に接続されている。
【0032】
この冷媒回収容器11は、図4に示すように、上下端部に冷媒配管5が挿入される冷媒管挿入口15を備えると共に、側面に漏洩冷媒排出管12が接続される排出管接続口16を備えている。
【0033】
この冷媒回収容器11の内直径X1は冷媒配管5の外直径より大きく(図1参照されたい)、また冷媒管挿入口15の内直径X2は(図4を参照されたい)、冷媒配管5の外直径Yより適宜大きめに設定されている。
【0034】
また、排出管接続口16の外直径は、略漏洩冷媒排出管12の外直径に設定され、当該排出管接続口16の内直径は冷媒配管5の外直径相当の寸法に設定されている。
【0035】
図5はかかる安全装置10を取付ける際の手順を示した図である。先ず、冷媒回収容器11の冷媒管挿入口15から庫内側の冷媒配管5bを挿入し(図5(a)参照)、既に配管されている室外機6側からの冷媒配管5aに宛い、冷媒配管5aと冷媒配管5bとを溶接して接続する(図5(b)参照)。
【0036】
なお、溶接時には冷媒配管5bの接続端部が冷媒回収容器11から飛出すように、当該冷媒回収容器11を下げておく。
【0037】
冷媒配管5aと冷媒配管5bとの溶接接続が完了すると、冷媒回収容器11を持上げて、当該溶接箇所が冷媒回収容器11内になるようにする(図5(c)参照)。
【0038】
冷媒回収容器11を持上げて当該溶接箇所が冷媒回収容器11内になるようにする際に、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの溶接箇所に冷媒管挿入口15が引っかかりたりしないように、冷媒管挿入口15の内直径X2は冷媒配管5の外直径Yより適宜大きめに設定している。
【0039】
そして、冷媒回収容器11を冷媒配管5a及び冷媒配管5bに溶接接続すると共に、排出管接続口16に漏洩冷媒排出管12を挿入して溶接接続する(図5(d)参照)。
【0040】
このような冷媒配管5の接続箇所が複数存在する場合には、図3に示すように、各溶接箇所から延設された複数の漏洩冷媒排出管12を合流管17に接続して、当該合流管17を室外に開放するようにするようにしてもよい。
【0041】
このような構成で、溶接箇所Pから冷媒が漏れたような場合には、当該漏洩した冷媒は冷媒回収容器11内に溜るが、漏洩冷媒排出管12の内直径が冷媒配管5の外直径相当の寸法に設定されているため、容易に機外に拡散放出される。
【0042】
従って、例え冷媒が漏れても庫内に溜ることが無くなり、人体に影響を与えることが防止できるようになる。
【0043】
なお、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの接続のみならず、冷媒配管5と冷媒回収容器11との接続も溶接接続される構成であるため、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの接続箇所から冷媒漏れが生じると、冷媒配管5と冷媒回収容器11との接続箇所からも冷媒が漏れ出ることが危惧される。
【0044】
しかし、先に述べたように、漏洩冷媒排出管12の内直径は冷媒配管5の外直径相当の寸法に設定されているので、漏れた冷媒の大部分は機外に放出するようになり、庫内に溜ったりすることが防止できる。
【0045】
ところで上記説明では、冷媒回収容器11と漏洩冷媒排出管12とは、庫内側で接続する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6及び図7に示すように、冷媒回収容器11を長くして、庫内天井14裏まで挿通させ、庫外側で漏洩冷媒排出管12と接続するようにしても良い。
【0046】
このような構成にすることで、庫内側での冷媒配管5と冷媒回収容器11との溶接箇所の数が少なくなり、より安全性が向上する。
【0047】
また、上記説明では、冷媒回収容器11や漏洩冷媒排出管12は銅管であるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、プラスチック等の樹脂を材料として形成してもよい。
【0048】
冷媒回収容器11をプラスチックのような部材により形成した場合、プラスチックは金属に比べ耐圧が低いため漏洩した冷媒の圧力により破損したりすることが危惧されるが、漏洩冷媒排出管12の一端が開放端であり、また漏洩箇所は通常ピンホールのように小さいためプラスチックの耐圧を超えるような圧力になることは殆どない。
【0049】
しかし、漏洩した冷媒の温度が低くプラスチック製の冷媒回収容器11が弾性を失ってしまうと、容易に破損することが想定されるので、係る場合にも対応するために低温でも弾性の高い樹脂を用いて冷媒回収容器11等を形成することが好ましい。
【0050】
このように冷媒回収容器11を樹脂製とした場合には、冷媒配管5との接続はバンド締め等により行え、作業性が向上する利点があると共にコストを抑えることができる利点がある。
【0051】
また、上記説明では冷媒配管5の接続部分を覆うように、冷媒回収容器11を設けたが、冷媒配管5を2重管とし、内側管と外側管との間の空間に連通するように漏洩冷媒排出管12を設けることにより、冷媒が庫内等に漏れて溜るのを防止することも可能である。
【0052】
このような場合には、2重管の内側管を先に溶接し、次に外側管を繋ぎを介して溶接することにより冷媒配管5の接続を行う。
【0053】
次に、本発明の第2の実施の形態を図を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0054】
先に実施の形態では、冷媒回収容器11に漏洩冷媒排出管12を接続して、当該漏洩冷媒排出管12の一端を庫外で開放端とすることにより、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの接続箇所から冷媒が漏れても、これを庫外に排出することで庫内に溜らないようにした。
【0055】
本実施の形態では、この漏洩冷媒排出管12の開放端に圧力計を設けて、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの接続箇所から冷媒漏れが発生した際に、これを検出して運転停止等の対応ができるようにしたものである。
【0056】
そこで、本実施の形態では、図8及び図9に示すように漏洩冷媒排出管12に設けられて、当該漏洩冷媒排出管12内の圧力を検出する圧力計18、膨張弁3と第1熱交換器2とを接続する冷媒配管5の途中に設けられて回路を開閉する電磁弁19、圧力計18からの信号に基づき電磁弁19を制御すると共に圧縮機1を制御する制御部20を設けている。
【0057】
そして、制御部20は圧力計18からの信号が予め設定されたレベルを超えると電磁弁19を制御して回路を遮断すると共に圧縮機1の運転を制御する。
【0058】
この時の制御を図10に示すフローチャートを参照して説明する。冷蔵庫が運転されると、圧力計18からの信号レベルが判断処理が開始され(ステップS1)、予め設定された信号レベル(基準値)以上の信号になると電磁弁19が閉じられる(ステップS2)。
【0059】
その後、制御部20は圧縮機1に用いられているモータの回転数を所定の回転数(通常運転時より高速回転)に設定する(ステップS3)。
【0060】
回路が閉じられているため、電磁弁19、膨張弁3、第2熱交換器4、圧縮機1の回路中の冷媒は圧縮機1に集められて第1熱交換器2に溜るようになる(このような運転を、ポンプダウン運転という)。
【0061】
かかるポンプダウンを行うことにより、冷媒がHCFCやHFC系のようなオゾン層破壊、地球温暖化などの環境破壊の原因となる場合には、大気への漏れ量を抑制できるようになる利点がある。
【0062】
ポンプダウンにより庫内側の冷媒量が減ると共に圧力が下がるため、圧力計18からの信号レベルも下がり基準値より小さくなる。
【0063】
そこで、圧力計18からの信号レベルが基準値より小さくなったか否かを判断し(ステップS4)、小さくなった場合には、回路中の冷媒は殆ど圧縮機1と電磁弁19との間に集められたと判断して、圧縮機1の運転を停止する(ステップS5)。
【0064】
そして、冷媒漏れにより運転が停止されたことを、ブザーや警告灯等を動作させてユーザに連絡する(ステップS6)。
【0065】
これにより、ユーザは冷媒漏れが発生したことを知ることができると共に、例えば換気を行った後メンテナンス等の作業を行うことが可能になって安全性が向上する。
【0066】
なお、上記説明では、圧力計18からの信号が基準値以上になった場合には、上述したポンプダウン等の運転を行って、ユーザに冷媒漏れにより運転が停止されたことを、ブザーや警告灯等により通知させるようにした。
【0067】
しかし、冷蔵庫には冷凍食品等のように解凍してしまうと商品価値が低下してしまうような物も貯蔵されているため、冷媒漏れを検出した場合に自動的にポンプダウンを行う制御では、このような冷凍食品等を他の冷蔵庫に移す余裕が無くなるような場合もある。
【0068】
このような場合には、第1基準値と第2基準値との2つの基準値を設けて、圧力計18からの信号が第1基準値を超えるとユーザに冷媒漏れが発生していることを知らせる警報のみを発し、圧力計18からの信号が第2基準値を超えるとポンプダウンを行うようにすることが可能である。
【0069】
これにより、ユーザは警報を受けた段階で、貯蔵物を移動させることが可能になるので、信頼性及び利便性が向上する。
【0070】
無論、警報のみでポンプダウンを行わないようにすることも可能であり、この場合は圧力計18より安価な圧力スイッチの利用が可能になる。
【0071】
そして、漏洩冷媒排出管12内の圧力が予め設定された規定値以上になると圧力スイッチが開くように設定する。規定値は、冷媒の種類や冷蔵庫の大きさ等によって適宜設定される。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒の熱を放熱させる第1熱交換器、冷媒を膨張させる膨張弁、冷媒を蒸発させる第2熱交換器を備え、これらが冷媒配管により接続されてなる冷凍回路を設置する際に、少なくとも現場で冷媒配管を接続した箇所を覆うように設けられて、当該接続箇所から冷媒漏れが発生した場合に、当該冷媒を大気に放出させる漏洩冷媒排出手段を備えたので、安価、かつ、容易に冷媒漏れが発生しても人的被害が起きないようになり、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の説明に適用される冷媒回路の安全装置の断面図である。
【図2】図1に示す安全装置の斜視図である。
【図3】図1に示す安全装置を用いた冷凍回路の回路図である。
【図4】冷媒回収容器の斜視図である。
【図5】安全装置の施工手順を示す図である。
【図6】冷媒回収容器の一端が天井裏に飛出すようにした場合の断面図である。
【図7】図6の斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の説明に適用される冷媒回路の安全装置の断面図である。
【図9】図8の安全装置を備えた冷凍回路の回路図である。
【図10】制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】従来の技術の説明に適用される冷凍回路図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 第1熱交換器
3 膨張弁
4 第2熱交換器
5(5a,5b) 冷媒配管
6 室外機
10 安全装置
11 冷媒回収容器
12 漏洩冷媒排出管
15 冷媒管挿入口
16 排出管接続口
17 合流管
18 圧力計
19 電磁弁
20 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍回路を構成する冷媒配管の接続部分等から冷媒が漏れた際に、当該冷媒による人体への危険等を防止できるようにした冷凍回路の安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷凍回路はショーケース、冷蔵庫、空気調和機等の種々のシステムに利用されている。このようなシステムの一例として、業務用等に利用される大型の冷蔵庫がある。
【0003】
図11は、かかる大型冷蔵庫の構成例を示す図で、冷媒を圧縮する圧縮機1、冷媒の熱を放熱させる第1熱交換器2、冷媒を膨張させる膨張弁3、冷媒を蒸発させる第2熱交換器4等を備えて、これらが冷媒配管5により接続されて循環するようになっている。
【0004】
圧縮機1や第1熱交換器2は、1の筐体内に収納されて室外や機械室等に配置され、第2熱交換器4や膨張弁3は1の筐体内に収納されて室内等の冷熱利用空間に設置される。以下、室外側に配設された構成要素のまとまりを室外機6、熱利用機器側に配設された構成要素のまとまりを室内機7と記載する。
【0005】
室外機6や室内機7は、それぞれ工場で組立てられ、冷媒漏れ検査が行われて出荷される。そして、施工現場で室外機6と室内機7とがフレア接続や溶接接続によって接続される。
【0006】
なお、図11において矢印は、室内機7で冷熱を利用する場合の冷媒の循環方向を示している。また、黒丸Pは、施工現場で行うことがある接続箇所を示している。
【0007】
このとき、外気への熱ロスを抑制するため室内機7等においては機密性を高めているが、冷媒配管5の接続は現場で行うため、この接続作業が不十分であったりして、当該接続箇所から冷媒が漏れて籠ってしまうことがある。
【0008】
例えば、大型冷蔵庫では、室内機は冷蔵庫内(庫内)を構成し、この庫内に作業者等が立入り作業することがある。
【0009】
このとき冷媒漏れが発生すると、冷媒は庫内に籠り、これを知らない作業者が窒息したり中毒を起したりする危険がある。
【0010】
また、従来用いられてきたR−22等の塩素を含むいわゆる特定フロンガスは、オゾン層破壊の原因となることが判明し、これに代りHFC32やHFC125等が提案されたが、この冷媒の地球温暖化係数は特定フロンガスと大差がないため、温暖化係数の小さなHC290(プロパン)等の可燃性冷媒の採用が検討されている。
【0011】
しかし、HC290は可燃性冷媒であるため、冷媒漏れが発生している状況で照明用スイッチから発生した火花等により発火してしまう危険がある。
【0012】
さらに、近年ではアンモニアや二酸化炭素を冷媒として利用することが検討されているが、アンモニアの場合には有臭であるため冷媒漏れは嗅覚等で発見できるが、発見するまでの間に臭いが貯蔵物に付着したりする問題がある。
【0013】
また、二酸化炭素は無臭であるため、冷媒漏れを知ることが難しく、窒息等を起す危険がある。
【0014】
このような問題に対し、室内機側の冷媒配管の肉厚を室外機側の冷媒配管の肉厚より厚くする等により、例えば冷媒管内の圧力が異常上昇した際等において、最初に室外機側の冷媒配管で冷媒漏れが起きるようにすることで、人的被害の発生を防止する構成が提案されている(特許文献1参照)。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−243320号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、部材の破損のような事故に対しては有効であるが、冷媒配管5の溶接箇所等からの冷媒漏れには対応できない問題がある。
【0017】
無論、庫内に冷媒センサを設けて冷媒漏れを検出するようにすることも可能であるが、かかる場合にはセンサや当該センサからの信号を処理する装置が必要になってコストアップの要因となる問題がある。
【0018】
そこで、本発明は、安価、かつ、容易に冷媒漏れが発生しても人的被害が起きないようにした冷凍回路の安全装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒の熱を放熱させる第1熱交換器、冷媒を膨張させる膨張弁、冷媒を蒸発させる第2熱交換器を備え、これらが冷媒配管により接続されてなる冷凍回路を設置する際に、少なくとも現場で冷媒配管を接続した箇所を覆うように設けられて、当該接続箇所から冷媒漏れが発生した場合に、当該冷媒を大気に放出させる漏洩冷媒排出手段を備えて、安価、かつ、容易に冷媒漏れが発生しても人的被害が起きないようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項2にかかる発明は、漏洩冷媒排出手段が、冷媒配管の接続箇所を内部に含むようにして当該冷媒配管に固着される冷媒回収容器と、一端が冷媒回収容器の内部と連通して接続され、他端が大気と連通するように配設された漏洩冷媒排出管とにより形成したことを特徴とする。
【0021】
請求項3にかかる発明は、漏洩冷媒排出手段が、冷媒配管が2重管により形成されて、内側管と外側管との間の空間に連通するように漏洩冷媒排出管を設けることにより漏洩冷媒排出手段を形成したことを特徴とする。
【0022】
請求項4にかかる発明は、漏洩冷媒排出管の大気側の端部に設けられて、当該漏洩冷媒排出管内の圧力が所定の圧力になると当該端部を開放して漏洩した冷媒を大気側に逃す圧力スイッチを設けたことを特徴とする。
【0023】
請求項5にかかる発明は、漏洩冷媒排出管の大気側の端部に設けられて、当該漏洩冷媒排出管内の圧力を検出する圧力計と、該圧力計からの信号に基づき、漏洩冷媒排出管内の圧力が所定圧以上になったと判断した場合には警報を発する制御部とを備えることを特徴とする。
【0024】
請求項6にかかる発明は、膨張弁と第2熱交換器とを接続する冷媒配管に、当該冷媒配管の管路を開閉する電磁弁が設けられて、制御部が、漏洩冷媒排出管内の圧力が所定圧以上になったと判断した場合には電磁弁を動作させて管路を閉じることを特徴とする。
【0025】
請求項7にかかる発明は、冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。なお、従来と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0027】
本実施の形態では、冷凍回路として大型の冷蔵庫を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、暖房装置、給湯装置、空調装置等においても利用可能であり、特に熱量利用側が略密閉空間で、人が出入りするような空間で利用される場合に有効である。
【0028】
また、R−20、HCFC、HFC、二酸化炭素、アンモニア等の種々の冷媒いた冷凍回路に適用されるが、無臭で圧力が高い二酸化炭素を冷媒として用いた冷凍回路に有効である。
【0029】
図1は第1の実施の形態に係る安全装置を取付けた際の断面図、図2はその斜視図である。また、図3は、このような安全装置を設けた冷凍回路図を示している。
【0030】
当該安全装置10は、冷媒配管5(5a,5b)の接続箇所に取付けられる銅等からなる冷媒回収容器11、一端が該冷媒回収容器11に接続され、他端が室外に開放された銅等からなる漏洩冷媒排出管12とにより構成されている。
【0031】
なお、図1において冷媒配管5aは室外機6からの冷媒配管5で、冷蔵庫の天井14裏から庫内に配管されている。また、冷媒配管5bは庫内側に配管された冷媒配管5で膨張弁3や第2熱交換器4等に接続されている。
【0032】
この冷媒回収容器11は、図4に示すように、上下端部に冷媒配管5が挿入される冷媒管挿入口15を備えると共に、側面に漏洩冷媒排出管12が接続される排出管接続口16を備えている。
【0033】
この冷媒回収容器11の内直径X1は冷媒配管5の外直径より大きく(図1参照されたい)、また冷媒管挿入口15の内直径X2は(図4を参照されたい)、冷媒配管5の外直径Yより適宜大きめに設定されている。
【0034】
また、排出管接続口16の外直径は、略漏洩冷媒排出管12の外直径に設定され、当該排出管接続口16の内直径は冷媒配管5の外直径相当の寸法に設定されている。
【0035】
図5はかかる安全装置10を取付ける際の手順を示した図である。先ず、冷媒回収容器11の冷媒管挿入口15から庫内側の冷媒配管5bを挿入し(図5(a)参照)、既に配管されている室外機6側からの冷媒配管5aに宛い、冷媒配管5aと冷媒配管5bとを溶接して接続する(図5(b)参照)。
【0036】
なお、溶接時には冷媒配管5bの接続端部が冷媒回収容器11から飛出すように、当該冷媒回収容器11を下げておく。
【0037】
冷媒配管5aと冷媒配管5bとの溶接接続が完了すると、冷媒回収容器11を持上げて、当該溶接箇所が冷媒回収容器11内になるようにする(図5(c)参照)。
【0038】
冷媒回収容器11を持上げて当該溶接箇所が冷媒回収容器11内になるようにする際に、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの溶接箇所に冷媒管挿入口15が引っかかりたりしないように、冷媒管挿入口15の内直径X2は冷媒配管5の外直径Yより適宜大きめに設定している。
【0039】
そして、冷媒回収容器11を冷媒配管5a及び冷媒配管5bに溶接接続すると共に、排出管接続口16に漏洩冷媒排出管12を挿入して溶接接続する(図5(d)参照)。
【0040】
このような冷媒配管5の接続箇所が複数存在する場合には、図3に示すように、各溶接箇所から延設された複数の漏洩冷媒排出管12を合流管17に接続して、当該合流管17を室外に開放するようにするようにしてもよい。
【0041】
このような構成で、溶接箇所Pから冷媒が漏れたような場合には、当該漏洩した冷媒は冷媒回収容器11内に溜るが、漏洩冷媒排出管12の内直径が冷媒配管5の外直径相当の寸法に設定されているため、容易に機外に拡散放出される。
【0042】
従って、例え冷媒が漏れても庫内に溜ることが無くなり、人体に影響を与えることが防止できるようになる。
【0043】
なお、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの接続のみならず、冷媒配管5と冷媒回収容器11との接続も溶接接続される構成であるため、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの接続箇所から冷媒漏れが生じると、冷媒配管5と冷媒回収容器11との接続箇所からも冷媒が漏れ出ることが危惧される。
【0044】
しかし、先に述べたように、漏洩冷媒排出管12の内直径は冷媒配管5の外直径相当の寸法に設定されているので、漏れた冷媒の大部分は機外に放出するようになり、庫内に溜ったりすることが防止できる。
【0045】
ところで上記説明では、冷媒回収容器11と漏洩冷媒排出管12とは、庫内側で接続する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6及び図7に示すように、冷媒回収容器11を長くして、庫内天井14裏まで挿通させ、庫外側で漏洩冷媒排出管12と接続するようにしても良い。
【0046】
このような構成にすることで、庫内側での冷媒配管5と冷媒回収容器11との溶接箇所の数が少なくなり、より安全性が向上する。
【0047】
また、上記説明では、冷媒回収容器11や漏洩冷媒排出管12は銅管であるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、プラスチック等の樹脂を材料として形成してもよい。
【0048】
冷媒回収容器11をプラスチックのような部材により形成した場合、プラスチックは金属に比べ耐圧が低いため漏洩した冷媒の圧力により破損したりすることが危惧されるが、漏洩冷媒排出管12の一端が開放端であり、また漏洩箇所は通常ピンホールのように小さいためプラスチックの耐圧を超えるような圧力になることは殆どない。
【0049】
しかし、漏洩した冷媒の温度が低くプラスチック製の冷媒回収容器11が弾性を失ってしまうと、容易に破損することが想定されるので、係る場合にも対応するために低温でも弾性の高い樹脂を用いて冷媒回収容器11等を形成することが好ましい。
【0050】
このように冷媒回収容器11を樹脂製とした場合には、冷媒配管5との接続はバンド締め等により行え、作業性が向上する利点があると共にコストを抑えることができる利点がある。
【0051】
また、上記説明では冷媒配管5の接続部分を覆うように、冷媒回収容器11を設けたが、冷媒配管5を2重管とし、内側管と外側管との間の空間に連通するように漏洩冷媒排出管12を設けることにより、冷媒が庫内等に漏れて溜るのを防止することも可能である。
【0052】
このような場合には、2重管の内側管を先に溶接し、次に外側管を繋ぎを介して溶接することにより冷媒配管5の接続を行う。
【0053】
次に、本発明の第2の実施の形態を図を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0054】
先に実施の形態では、冷媒回収容器11に漏洩冷媒排出管12を接続して、当該漏洩冷媒排出管12の一端を庫外で開放端とすることにより、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの接続箇所から冷媒が漏れても、これを庫外に排出することで庫内に溜らないようにした。
【0055】
本実施の形態では、この漏洩冷媒排出管12の開放端に圧力計を設けて、冷媒配管5aと冷媒配管5bとの接続箇所から冷媒漏れが発生した際に、これを検出して運転停止等の対応ができるようにしたものである。
【0056】
そこで、本実施の形態では、図8及び図9に示すように漏洩冷媒排出管12に設けられて、当該漏洩冷媒排出管12内の圧力を検出する圧力計18、膨張弁3と第1熱交換器2とを接続する冷媒配管5の途中に設けられて回路を開閉する電磁弁19、圧力計18からの信号に基づき電磁弁19を制御すると共に圧縮機1を制御する制御部20を設けている。
【0057】
そして、制御部20は圧力計18からの信号が予め設定されたレベルを超えると電磁弁19を制御して回路を遮断すると共に圧縮機1の運転を制御する。
【0058】
この時の制御を図10に示すフローチャートを参照して説明する。冷蔵庫が運転されると、圧力計18からの信号レベルが判断処理が開始され(ステップS1)、予め設定された信号レベル(基準値)以上の信号になると電磁弁19が閉じられる(ステップS2)。
【0059】
その後、制御部20は圧縮機1に用いられているモータの回転数を所定の回転数(通常運転時より高速回転)に設定する(ステップS3)。
【0060】
回路が閉じられているため、電磁弁19、膨張弁3、第2熱交換器4、圧縮機1の回路中の冷媒は圧縮機1に集められて第1熱交換器2に溜るようになる(このような運転を、ポンプダウン運転という)。
【0061】
かかるポンプダウンを行うことにより、冷媒がHCFCやHFC系のようなオゾン層破壊、地球温暖化などの環境破壊の原因となる場合には、大気への漏れ量を抑制できるようになる利点がある。
【0062】
ポンプダウンにより庫内側の冷媒量が減ると共に圧力が下がるため、圧力計18からの信号レベルも下がり基準値より小さくなる。
【0063】
そこで、圧力計18からの信号レベルが基準値より小さくなったか否かを判断し(ステップS4)、小さくなった場合には、回路中の冷媒は殆ど圧縮機1と電磁弁19との間に集められたと判断して、圧縮機1の運転を停止する(ステップS5)。
【0064】
そして、冷媒漏れにより運転が停止されたことを、ブザーや警告灯等を動作させてユーザに連絡する(ステップS6)。
【0065】
これにより、ユーザは冷媒漏れが発生したことを知ることができると共に、例えば換気を行った後メンテナンス等の作業を行うことが可能になって安全性が向上する。
【0066】
なお、上記説明では、圧力計18からの信号が基準値以上になった場合には、上述したポンプダウン等の運転を行って、ユーザに冷媒漏れにより運転が停止されたことを、ブザーや警告灯等により通知させるようにした。
【0067】
しかし、冷蔵庫には冷凍食品等のように解凍してしまうと商品価値が低下してしまうような物も貯蔵されているため、冷媒漏れを検出した場合に自動的にポンプダウンを行う制御では、このような冷凍食品等を他の冷蔵庫に移す余裕が無くなるような場合もある。
【0068】
このような場合には、第1基準値と第2基準値との2つの基準値を設けて、圧力計18からの信号が第1基準値を超えるとユーザに冷媒漏れが発生していることを知らせる警報のみを発し、圧力計18からの信号が第2基準値を超えるとポンプダウンを行うようにすることが可能である。
【0069】
これにより、ユーザは警報を受けた段階で、貯蔵物を移動させることが可能になるので、信頼性及び利便性が向上する。
【0070】
無論、警報のみでポンプダウンを行わないようにすることも可能であり、この場合は圧力計18より安価な圧力スイッチの利用が可能になる。
【0071】
そして、漏洩冷媒排出管12内の圧力が予め設定された規定値以上になると圧力スイッチが開くように設定する。規定値は、冷媒の種類や冷蔵庫の大きさ等によって適宜設定される。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒の熱を放熱させる第1熱交換器、冷媒を膨張させる膨張弁、冷媒を蒸発させる第2熱交換器を備え、これらが冷媒配管により接続されてなる冷凍回路を設置する際に、少なくとも現場で冷媒配管を接続した箇所を覆うように設けられて、当該接続箇所から冷媒漏れが発生した場合に、当該冷媒を大気に放出させる漏洩冷媒排出手段を備えたので、安価、かつ、容易に冷媒漏れが発生しても人的被害が起きないようになり、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の説明に適用される冷媒回路の安全装置の断面図である。
【図2】図1に示す安全装置の斜視図である。
【図3】図1に示す安全装置を用いた冷凍回路の回路図である。
【図4】冷媒回収容器の斜視図である。
【図5】安全装置の施工手順を示す図である。
【図6】冷媒回収容器の一端が天井裏に飛出すようにした場合の断面図である。
【図7】図6の斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の説明に適用される冷媒回路の安全装置の断面図である。
【図9】図8の安全装置を備えた冷凍回路の回路図である。
【図10】制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】従来の技術の説明に適用される冷凍回路図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 第1熱交換器
3 膨張弁
4 第2熱交換器
5(5a,5b) 冷媒配管
6 室外機
10 安全装置
11 冷媒回収容器
12 漏洩冷媒排出管
15 冷媒管挿入口
16 排出管接続口
17 合流管
18 圧力計
19 電磁弁
20 制御部
Claims (7)
- 冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒の熱を放熱させる第1熱交換器、冷媒を膨張させる膨張弁、冷媒を蒸発させる第2熱交換器を備え、これらが冷媒配管により接続されてなる冷凍回路を設置する際に、少なくとも現場で前記冷媒配管を接続した箇所を覆うように設けられて、当該接続箇所から冷媒漏れが発生した場合に、当該冷媒を大気に放出させる漏洩冷媒排出手段を備えたことを特徴とする冷凍回路の安全装置。
- 前記漏洩冷媒排出手段が、前記冷媒配管の接続箇所を内部に含むようにして当該冷媒配管に固着される冷媒回収容器と、
一端が前記冷媒回収容器の内部と連通して接続され、他端が大気と連通するように配設された漏洩冷媒排出管とにより形成したことを特徴とする請求項1記載の冷凍回路の安全装置。 - 前記漏洩冷媒排出手段が、前記冷媒配管が2重管により形成されて、内側管と外側管との間の空間に連通するように漏洩冷媒排出管を設けることにより前記漏洩冷媒排出手段を形成したことを特徴とする請求項1記載の冷凍回路の安全装置。
- 前記漏洩冷媒排出管の大気側の端部に設けられて、当該漏洩冷媒排出管内の圧力が所定の圧力になると当該端部を開放して漏洩した冷媒を大気側に逃す圧力スイッチを設けたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の冷凍回路の安全装置。
- 前記漏洩冷媒排出管の大気側の端部に設けられて、当該漏洩冷媒排出管内の圧力を検出する圧力計と、
該圧力計からの信号に基づき、前記漏洩冷媒排出管内の圧力が所定圧以上になったと判断した場合には警報を発する制御部とを備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の冷凍回路の安全装置。 - 前記膨張弁と前記第1熱交換器とを接続する前記冷媒配管に、当該冷媒配管の管路を開閉する電磁弁が設けられて、
前記制御部が、前記漏洩冷媒排出管内の圧力が所定圧以上になったと判断した場合には前記電磁弁を動作させて前記管路を閉じることを特徴とする請求項5記載の冷凍回路の安全装置。 - 前記冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の冷凍回路の安全装置。
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