JP2004285860A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この制御装置は、吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップ量を可変とする可変バルブタイミング機構と、排気通路に接続されたEGR通路を介して吸気通路に排気を再循環させる外部EGR機構とを備える内燃機関に適用される。同制御装置は、内燃機関の運転状態が外部EGR機構により排気の再循環を行う外部EGR運転領域にあるか否かを判定する(ステップ110)。そして、外部EGR運転領域にあると判定されたときには吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップをなくすように可変バルブタイミング機構を制御する(ステップ120)。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップ量を可変とする可変バルブタイミング機構と、排気通路に接続されたEGR通路を介して吸気通路に排気を再循環させる外部EGR機構とを備える内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
可変バルブタイミング機構及び排気再循環機構(外部EGR機構)の両方を備えた内燃機関が知られている(例えば特許文献1参照)。こうした内燃機関においては、上記特許文献1に見られるよう、可変バルブタイミング機構の位相角制御を通じて吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップによる内部EGRを有効に活用し、窒素酸化物NOxの排出量を低減することがなされる。加えて、外部EGR機構の制御を通じて外部EGRも活用し、窒素酸化物NOxの排出量を低減することがなされる。
【0003】
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、前述した特許文献1のほかにも以下の特許文献2が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−303999号公報
【特許文献2】
特開平9−209786号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、可変バルブタイミング機構の位相角制御を通じて、吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップによる内部EGRを有効に活用しようとすると、以下の問題も無視できない。すなわち、排気行程中にバルブオーバラップがあると、吸気ポートに向かって排気、未燃炭化水素(未燃HC)等の逆流が生じる。こうした逆流現象(吹き返し)が生じると、吹き返された未燃HCがバインダとなり、これに排気中のカーボン等の微粒子が付着して吸気ポートに堆積し、いわゆるデポジットを形成する。そして、このデポジットにより吸入空気量が変化してしまうという問題がある。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、窒素酸化物の排出量を低減しつつ吸気通路にデポジットが形成されるのを抑制し、もってデポジットによって吸入空気量が変化するのを抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップ量を可変とする可変バルブタイミング機構と、排気通路に接続されたEGR通路を介して吸気通路に排気を再循環させる外部EGR機構とを備える内燃機関の制御装置において、機関運転状態が前記外部EGR機構により排気の再循環を行う外部EGR運転領域にあるか否かを判定するEGR運転領域判定手段と、前記EGR運転領域判定手段により外部EGR運転領域にあると判定されたときには、前記吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップをなくすように前記可変バルブタイミング機構を制御する可変バルブタイミング機構制御手段とを備えている。
【0008】
上記の構成によれば、吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップがあると、燃料及び空気からなる混合気の燃焼後に内燃機関の燃焼室内に存在している排気、未燃炭化水素(未燃HC)等の一部が、排気行程から吸気行程に移行するときに一旦吸気通路内に吹き返され、その後に吸気行程で燃焼室内に戻される。そのため、前記排気、未燃HC等が次回の燃焼時にも燃焼室内に残留する。このように残留する排気(内部EGR)により燃焼室内における混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。
【0009】
一方、外部EGR機構により、排気通路を流れる排気の一部がEGR通路を通じて吸気通路に再循環される(外部EGRが行われる)と、この場合にも混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。
【0010】
ここで、外部EGRが行われている際に吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングがオーバラップすると、そのバルブオーバラップにより吸気通路に吹き返された未燃HCがバインダとなり、これに排気中のカーボン等の微粒子が付着して吸気通路に堆積し、デポジットを形成するおそれがある。
【0011】
この点、請求項1に記載の発明では、EGR運転領域判定手段により機関運転状態が外部EGR運転領域にあると判定されると、可変バルブタイミング機構制御手段による可変バルブタイミング機構の制御を通じて吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップがなくされる。従って、外部EGR機構の制御を通じて外部EGRが活用されるときには、排気中のカーボン等の微粒子が吸気通路に再循環されるが、バルブオーバラップがないことから排気や未燃HCが吸気通路に吹き返されない。吸気通路には前記微粒子はあっても、その微粒子が付着される未燃HCがないため、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成が抑制される。
【0012】
このようにして、外部EGRによって窒素酸化物NOxの排出量を低減しつつも吸気通路にデポジットが形成されるのを抑え、もってデポジットによって吸入空気量が変化するのを抑制することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップがなくなっているか否かを判定するオーバラップ判定手段と、前記オーバラップ判定手段によりバルブオーバラップがあると判定されたときには、前記外部EGR機構による排気の再循環を禁止するように同外部EGR機構を制御するEGR機構制御手段とをさらに備えるものであるとする。
【0014】
上記の構成によれば、可変バルブタイミング機構制御手段によってバルブオーバラップをなくすための制御が行われる際、オーバラップ判定手段によってバルブオーバラップがなくなっているか否かが判定される。そして、バルブオーバラップが未だあると判定された場合には、外部EGR運転領域であっても外部EGR機構による排気の再循環が禁止される。
【0015】
従って、可変バルブタイミング機構制御手段によるバルブオーバラップをなくすための制御を通じて可変バルブタイミング機構が作動を開始し、実際にバルブオーバラップがなくなるまでに時間がかかっても、この期間には排気が吸気通路に再循環されない。このため、バルブオーバラップが小さくなる過程で未燃HCが吸気通路に吹き返されても、その吸気通路には未燃HCに付着される排気中の微粒子がないことから、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成が抑制される。
【0016】
なお、オーバラップ判定手段によってバルブオーバラップがないと判定されると、外部EGR機構による排気の再循環が許可され、窒素酸化物NOxの生成を抑制することが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、機関運転状態が前記可変バルブタイミング機構により前記吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあるか否かを判定するオーバラップ運転領域判定手段をさらに備え、前記可変バルブタイミング機構制御手段は、前記オーバラップ運転領域判定手段により両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあると判定されることを少なくとも条件に、前記吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせるように前記可変バルブタイミング機構を制御するものであるとする。
【0018】
上記の構成によれば、バルブオーバラップをなくすように制御された可変バルブタイミング機構は、オーバラップ運転領域判定手段により両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあると判定されることを条件に、両バルブタイミングをオーバラップさせるように制御される。このバルブオーバラップに伴う内部EGRにより燃焼室内における混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。
【0019】
請求項4に記載の発明では、吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップ量を可変とする可変バルブタイミング機構と、排気通路に接続されたEGR通路を介して吸気通路に排気を再循環させる外部EGR機構とを備える内燃機関の制御装置において、機関運転状態が前記可変バルブタイミング機構により前記吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあるか否かを判定するオーバラップ運転領域判定手段と、前記オーバラップ運転領域判定手段により両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあると判定されたときには、前記排気の再循環を停止するように前記外部EGR機構を制御するEGR機構制御手段とを備えている。
【0020】
上記の構成によれば、吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップがあると、燃料及び空気からなる混合気の燃焼後に燃焼室内に存在している排気、未燃炭化水素(未燃HC)等の一部が、排気行程から吸気行程に移行するときに一旦吸気通路内に吹き返され、その後に吸気行程で燃焼室内に戻される。そのため、前記排気、未燃HC等が次回の燃焼時にも燃焼室内に残留する。このように残留する排気(内部EGR)により燃焼室内における混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。
【0021】
一方、外部EGR機構により、排気通路を流れる排気の一部がEGR通路を通じて吸気通路に再循環される(外部EGRが行われる)と、この場合にも混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。
【0022】
ここで、吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングがオーバラップしている際に外部EGRが行われると、バルブオーバラップにより吸気通路に吹き返された未燃HCがバインダとなり、これに排気中のカーボン等の微粒子が付着して吸気通路に堆積し、デポジットを形成するおそれがある。
【0023】
この点、請求項4に記載の発明では、オーバラップ運転領域判定手段により機関運転状態が吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあると判定されると、EGR機構制御手段による外部EGR機構の制御を通じて排気の再循環が停止される。従って、可変バルブタイミング機構の制御を通じてバルブオーバラップによる内部EGRが活用されるときには、排気や未燃HCが吸気通路に吹き返されるが、排気の再循環が停止されていることから、その吸気通路に排気中の微粒子がない。吸気通路には未燃HCはあっても、その未燃HCに付着する微粒子がないため、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成が抑制される。
【0024】
このようにして、内部EGRによって窒素酸化物NOxの排出量を低減しつつも吸気通路にデポジットが形成されるのを抑制し、もってデポジットによって吸入空気量が変化するのを抑制することが可能となる。
【0025】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記排気の再循環が停止されたか否かを判定する外部EGR停止判定手段と、前記外部EGR停止判定手段により再循環が行われていると判定されたときには、前記可変バルブタイミング機構による前記吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップを禁止するように同可変バルブタイミング機構を制御する可変バルブタイミング機構制御手段とをさらに備えるものであるとする。
【0026】
上記の構成によれば、EGR機構制御手段によって外部EGRを停止するための制御が行われる際、排気の再循環が停止されたか否かが外部EGR停止判定手段によって判定される。そして、未だ排気の再循環が行われていると判定された場合には、両バルブタイミングをオーバラップさせる領域であっても、可変バルブタイミング機構によるバルブオーバラップが禁止される。
【0027】
従って、EGR機構制御手段による排気の再循環を停止するための制御を通じて外部EGR機構が作動を開始し、実際に排気が吸気通路に再循環されなくなるまでに時間がかかっても、その期間にはバルブオーバラップが生じない。なお、前記時間には、EGR通路が閉じられた後、そのEGR通路の閉鎖箇所よりも上流に残った排気が吸気通路に流出するまでの時間も含まれる。このため、排気が吸気通路に再循環されなくなる過程で排気中の微粒子が吸気通路に戻されても、吸気通路にはその微粒子が付着される未燃HCがないことから、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成が抑制される。
【0028】
なお、外部EGR停止判定手段によって排気の再循環が停止されたと判定されると、可変バルブタイミング機構によるバルブオーバラップが許可され、窒素酸化物NOxの生成を抑制することが可能となる。
【0029】
請求項6に記載の発明では、請求項4又は5に記載の発明において、機関運転状態が前記外部EGR機構により排気の再循環を行う外部EGR運転領域にあるか否かを判定するEGR運転領域判定手段をさらに備え、前記EGR機構制御手段は、前記EGR運転領域判定手段により外部EGR運転領域にあると判定されることを少なくとも条件に、前記吸気通路に排気を再循環させるように前記外部EGR機構を制御するものであるとする。
【0030】
上記の構成によれば、排気の再循環を停止するように制御された外部EGR機構は、EGR運転領域判定手段により外部EGR運転領域にあると判定されることを少なくとも条件に、吸気通路に排気を再循環させるように制御される。この排気の再循環により混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、車両には、筒内に直接燃料噴射を行う筒内噴射ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。このエンジン11は、ピストン13が往復動可能に収容された複数の気筒(シリンダ)12を有している。各ピストン13は、コネクティングロッド14を介し、エンジン11の出力軸であるクランクシャフト15に連結されている。各ピストン13の往復運動は、コネクティングロッド14によって回転運動に変換された後、クランクシャフト15に伝達される。
【0032】
各シリンダ12には、エンジン11の外部の空気を燃焼室16に導くための吸気通路17が接続されている。また、各シリンダ12には、燃焼室16で生じた排気をエンジン11の外部へ導くための排気通路18が接続されている。エンジン11には、吸気通路17及び燃焼室16間を開閉する吸気バルブ19と、排気通路18及び燃焼室16間を開閉する排気バルブ20とがそれぞれ往復動可能に設けられている。吸気バルブ19は、クランクシャフト15の回転が伝達される吸気カムシャフト21等によって駆動される。また、排気バルブ20は、クランクシャフト15の回転が伝達される排気カムシャフト22等によって駆動される。
【0033】
吸気通路17の途中にはスロットルバルブ23が回動可能に設けられている。スロットルバルブ23にはモータ等のアクチュエータ24が駆動連結されている。吸気通路17を流れる空気の量は、スロットルバルブ23の回動角度(スロットル開度)に応じて変化する。なお、スロットル開度は、運転者によって操作されるアクセルペダル25の踏込み量等に応じてECU41(これについては後述する)がアクチュエータ24を制御することにより調整される。
【0034】
エンジン11には、電磁式の燃料噴射弁26が各シリンダ12に対応して取付けられている。各燃料噴射弁26は開閉制御されることにより、対応するシリンダ12内へ高圧燃料を直接噴射する。噴射された燃料は、吸気通路17を通ってシリンダ12内に取り込まれた吸入空気と混ざり合って混合気となる。
【0035】
エンジン11には、点火プラグ27が各シリンダ12に対応して取付けられている。点火プラグ27は、イグナイタ28からの点火信号に基づいて駆動される。点火プラグ27には、点火コイル29から出力される高電圧が印加される。そして、前記混合気は点火プラグ27の火花放電によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン13が往復動され、クランクシャフト15が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。
【0036】
また、エンジン11には、排気通路18内の排気の一部を吸気通路17に再循環(EGR)させるための外部EGR機構31が設けられている。外部EGR機構31は、排気通路18と吸気通路17とを繋ぐEGR通路32と、排気通路18からEGR通路32を通って吸気通路17に戻される排気の量を調整するためのEGRバルブ33とを備えている。こうした外部EGRにより混合気の燃焼温度が低下して窒素酸化物NOxの生成が抑制され、排気エミッションの低減が図られる。
【0037】
また、エンジン11には、クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト21の相対回転位相を変更することで、吸気バルブ19のバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング(Variable Valve Timing :VVT)機構34が設けられている。この可変バルブタイミング機構34は例えば油圧により作動するものである。同機構34の作動により吸気バルブ19のバルブタイミングを変化させると、吸気バルブ19と排気バルブ20とがともに開弁している期間、すなわち両バルブ19,20の開弁期間についてのオーバラップ(バルブオーバラップ)が変化する。
【0038】
こうしたバルブオーバラップが生じている場合、混合気の燃焼後に燃焼室16内に存在している排気の一部が、排気行程から吸気行程に移行するときに一旦吸気通路17内に吹き返され、その後に吸気行程で燃焼室16内に戻されるため、次回の燃焼時にも燃焼室16内に残留する。このように残留する排気(内部EGR)により燃焼室16内における混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの排出が抑制される。そして、内部EGRの量は、バルブオーバラップが大となって排気行程から吸気行程への移行時に吸気通路17に吹き返される排気の量が増えるほど多くなる。
【0039】
なお、上記バルブオーバラップは、吸気バルブ19のバルブタイミングを最も遅角させたときに最小となり、同バルブタイミングを進角させるほど大きくなる。従って、内部EGRの量は、吸気バルブ19のバルブタイミングを最も遅角させたときに最少となり、同バルブタイミングを進角させるにつれて多くなる。
【0040】
車両には、エンジン11の運転状態を検出するために各種センサが設けられている。例えば、クランクシャフト15の近傍には、そのクランクシャフト15が一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生するクランク角センサ36が設けられている。クランク角センサ36の信号は、クランクシャフト15の回転角度であるクランク角や、単位時間当たりのクランクシャフト15の回転速度であるエンジン回転速度NEの算出等に用いられる。また、吸気カムシャフト21の近傍にはカム角センサ37が設けられている。クランク角センサ36及びカム角センサ37の各信号は吸気カムシャフト21の回転位相(カム角)の算出に用いられる。
【0041】
吸気通路17内のスロットルバルブ23よりも下流には、吸入空気の圧力(吸気圧)を検出するための吸気圧センサ38が設けられている。アクセルペダル25又はその近傍には、運転者によるアクセルペダル25の踏込み量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ39が取付けられている。スロットルバルブ23の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ40が配置されている。
【0042】
前述した各種センサ36〜40の検出値に基づき、エンジン11の各部を制御するために、マイクロコンピュータを中心として構成された電子制御装置(Electronic Control Unit :ECU)41が設けられている。ECU41では、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラムや初期データに従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
【0043】
ECU41は、前述した各種センサ36〜40からの信号に基づき、エンジン回転速度、吸気圧、アクセル開度、スロットル開度、吸気カムシャフト21の実進角量等を求める。そして、ECU41は、エンジン負荷をエンジン11の吸入空気量に関係するパラメータ(例えばスロットル開度、アクセル開度、吸気圧等)に基づき算出する。
【0044】
ECU41は、エンジン回転速度、エンジン負荷等、エンジン11の運転状態に応じて、点火時期制御、燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御、EGRバルブ33の開度制御、吸気バルブ19のバルブタイミング制御等といったエンジン11の各種運転制御を実行する。
【0045】
ECU41は、例えば燃料噴射量制御に際し、エンジン負荷、エンジン回転速度等に基づき目標噴射量を算出し、この目標噴射量に対応した量の燃料が燃焼室16内に噴射されるよう燃料噴射弁26に対する通電を制御する。
【0046】
また、ECU41はEGRバルブ33の開度制御に際し、例えばエンジン回転速度及びエンジン負荷に基づき目標EGR開度を算出し、この目標EGR開度に基づきEGRバルブ33を駆動制御する。こうしてEGRバルブ33の開度を制御することにより外部EGRの量が調整される。
【0047】
さらに、吸気バルブ19のバルブタイミング制御に際し、例えばエンジン負荷、エンジン回転速度等のエンジン11の運転状態に応じて、吸気バルブ19のバルブタイミングの進角量を調整する。ここでの進角量とは、バルブタイミングが所定の状態(例えば最遅角状態)となったときを基準として、同バルブタイミングがどの程度進角した状態にあるかを示す値である。そして、上記バルブタイミングの進角量の調整は、エンジン負荷及びエンジン回転速度に応じて設定される目標進角量に対し、カム角センサ37の信号から求められる実進角量が近づくよう可変バルブタイミング機構34を制御することによって行う。
【0048】
ところで、外部EGRが行われているときに吸・排気バルブ19,20の両バルブタイミングがオーバラップすると、そのバルブオーバラップにより吸気通路17に吹き返された未燃炭化水素(未燃HC)がバインダとなり、これに外部EGRによる排気中のカーボン等の微粒子が付着する。そして、これらの未燃HC及び微粒子が吸気通路17に堆積しデポジットを形成するおそれがある。また、吸・排気バルブ19,20の両バルブタイミングがオーバラップしているときに外部EGRが行われた場合にも前記と同様の問題が起りうる。これらの問題は、バルブオーバラップ中に外部EGRを行わず、また外部EGRの実行中にバルブオーバラップを生じないようにすることで解消可能である。図2のフローチャートは、この点を踏まえ外部EGR機構31及び可変バルブタイミング機構34の各作動を制御するルーチンを示している。
【0049】
ここで、このルーチンの実行に際し、例えばエンジン回転速度及びエンジン負荷で規定したエンジン11の運転領域が、外部EGR運転領域、オーバラップ運転領域、及びそれ以外の運転領域に区分されている。外部EGR運転領域は、EGRバルブ33の開度制御を通じて外部EGRを行う運転領域である。オーバラップ運転領域は、吸気バルブ19のバルブタイミング制御を通じて、吸気バルブ19及び排気バルブ20のバルブオーバラップ量を「0」よりも大きくする運転領域である。それ以外の運転領域は、外部EGRを行わず、かつバルブオーバラップ量を「0」よりも大きくしない運転領域であり、この運転領域では例えばバルブオーバラップ量が「0」となるように可変バルブタイミング機構34が制御される。
【0050】
このルーチンが開始されると、ECU41はまずステップ110において、例えばエンジン回転速度及びエンジン負荷に基づき、エンジン11の運転状態が外部EGR機構31により外部EGRを行う外部EGR運転領域にあるか否かを判定する。この判定条件が満たされている(外部EGR運転領域にある)と、ステップ120において、カム角センサ37の信号から求められる実進角量が、バルブオーバラップ量「0」に対応する目標進角量に近づくように可変バルブタイミング機構34を制御する。このようにして、吸気バルブ19及び排気バルブ20のバルブオーバラップをなくすように可変バルブタイミング機構34を制御する。
【0051】
なお、前記制御に応じて吸気バルブ19のバルブタイミングが変化するが、実際にバルブオーバラップ量が「0」になるまでに若干時間がかかる場合があり得る。このバルブオーバラップがなくなるまでの期間には、排気や未燃HCが吸気通路17に吹き返される。そのため、この期間に外部EGRが行われると、微粒子が未燃HCに付着して吸気通路17に堆積しデポジットを形成するおそれがある。
【0052】
そこで、ステップ130において、前述したカム角センサ37による実進角量等に基づきバルブオーバラップ量が「0」以下になっているか否かを判定する。例えば、目標進角量に対する実進角量のずれ量が所定値(例えば「0」)以下の場合に上記判定条件が満たされているとすることができる。
【0053】
ステップ130の判定条件が満たされていない(バルブオーバラップ量>0)と、ステップ140において外部EGR機構31による外部EGRを禁止する。この場合、エンジン11の運転状態が外部EGR運転領域にあるにも拘わらず、EGRバルブ33の要求開度を「0」に設定してEGRバルブ33を閉弁させる。このため、排気は吸気通路17に再循環されない。
【0054】
これに対し、ステップ130の判定条件が満たされている(バルブオーバラップ量≦0)と、ステップ150において外部EGR機構31による外部EGRを許可する。この場合、EGRバルブ33の開度が、例えばエンジン回転速度及びエンジン負荷に対応する目標EGR開度となるように外部EGR機構31が制御される。この制御に応じ、排気がEGR通路32を通って吸気通路17に再循環され、混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。そして、前述したステップ140又は150の処理を経た後、このルーチンを終了する。
【0055】
一方、前記ステップ110の判定条件が満たされていない(エンジン11の運転状態が外部EGR運転領域にない)と、ステップ160へ移行する。ステップ160では、例えばエンジン回転速度及びエンジン負荷に基づき、エンジン11の運転状態がバルブオーバラップ量を可変とするオーバラップ運転領域にあるかどうかを判定する。
【0056】
ステップ160の判定条件が満たされている(オーバラップ運転領域にある)と、排気の再循環を停止すべくステップ170において、目標EGR開度を「0」に設定してEGRバルブ33を閉弁させる。ここで、EGRバルブ33が完全に閉弁されると、その直後にはまずEGR通路32においてEGRバルブ33よりも下流の排気が吸気通路17に再循環されなくなる。しかし、この状態ではEGR通路32のEGRバルブ33よりも上流に未だ排気が残っている。この排気が全て吸気通路17に流入しきるまでには、EGRバルブ33の閉弁開始から若干の時間を要する。この期間には吸気通路17に排気が存在するため、吸・排気バルブ19,20の両バルブタイミングをオーバラップさせると、微粒子が未燃HCに付着して吸気通路17に堆積しデポジットを形成するおそれがある。
【0057】
そこで、吸気通路17に外部EGRによる排気がないことを確認すべく、ステップ170の処理を経た後、ステップ180において、外部EGRが「0」になったか否かを判定する。例えば、ステップ170においてEGRバルブ33を閉弁させるための制御を開始してから所定時間が経過したかどうかを判定する。この所定時間は、例えば実験により種々の条件下でEGRバルブ33を閉弁させた後、EGR通路32に残存している排気が全て吸気通路17に流入するまでに要する時間を計測し、その計測値に基づいて設定したものである。そして、ステップ180の判定条件が満たされていないと、EGR通路32を通じて未だ排気が吸気通路17に再循環されていると考えられることから、ステップ200においてバルブオーバラップ量を「0」よりも大きくするための吸気バルブ19のバルブタイミング制御を禁止する。例えば、吸気バルブ19のバルブタイミングの目標進角量が、オーバラップ量を「0」よりも大きくするための値である場合には、その目標進角量を「0」に設定し、実目標進角量がこの目標進角量となるように可変バルブタイミング機構34を制御する。
【0058】
これに対し、前記ステップ180の判定条件が満たされていると、吸気通路17に外部EGRによる排気がなくなっていると考えられることから、ステップ190において、バルブオーバラップ量を「0」よりも大きくするためのバルブタイミング制御を許可する。この許可により、例えばカム角センサ37の信号に基づいて求められる実進角量が、エンジン負荷及びエンジン回転速度に応じた目標進角量に近づくよう可変バルブタイミング機構34が制御される。
【0059】
この制御により吸気バルブ19及び排気バルブ20のバルブオーバラップが生ずると、混合気の燃焼後に燃焼室16内に存在している排気、未燃HC等の一部が、排気行程から吸気行程に移行するときに一旦吸気通路17内に吹き返される。この吹き返された未燃HC等は吸気行程で燃焼室16内に戻されて、次回の燃料の燃焼時にも燃焼室16内に残留する。このように残留する排気(内部EGR)により燃焼室16内における混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。そして、前述したステップ190又は200の処理を経た後、このルーチンを終了する。
【0060】
ところで、前述したステップ160の判定条件が満たされていない場合、すなわち、エンジン11の運転状態が外部EGR運転領域にもオーバラップ運転領域にも属していない場合には、ステップ210へ移行する。ステップ210では、バルブオーバラップ量を「0」にするためのバルブタイミング制御を行う。詳しくは、目標進角量として、バルブオーバラップ量「0」に対応する値を設定し、カム角センサ37の信号による実進角量がこの目標進角量に近づくように可変バルブタイミング機構34を制御する。この制御により、バルブオーバラップ量が「0」になる。また、目標EGR開度を「0」に設定してEGRバルブ33を閉弁させる。そして、ステップ210の処理を経た後、このルーチンを終了する。
【0061】
上記ルーチンにおいては、ステップ110の処理がEGR運転領域判定手段に相当し、ステップ160の処理がオーバラップ運転領域判定手段に相当する。また、ステップ130の処理がオーバラップ判定手段に相当し、ステップ180の処理が外部EGR停止判定手段に相当する。さらに、ステップ120,190,200の処理が可変バルブタイミング機構制御手段に相当し、ステップ140,150,170の処理がEGR機構制御手段に相当する。
【0062】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)エンジン11の運転状態が外部EGR運転領域にあるか否かを判定し(ステップ110)、同運転領域にあると判定すると、可変バルブタイミング機構34の制御を通じて吸気バルブ19及び排気バルブ20のバルブオーバラップをなくすようにしている(ステップ120)。従って、外部EGR機構31の制御(ステップ150)を通じて外部EGRが活用されるときには、排気中のカーボン等の微粒子が吸気通路17に再循環されるが、バルブオーバラップがないことから排気や未燃HCが吸気通路17に吹き返されない。吸気通路17には微粒子はあっても、その微粒子が付着される未燃HCがないため、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成が抑制される。その結果、外部EGRによって窒素酸化物NOxの排出量を低減しつつも吸気通路17にデポジットが形成されるのを抑え、もってデポジットによって吸入空気量が変化するのを抑制することが可能となる。
【0063】
(2)バルブオーバラップをなくすためのバルブタイミング制御(ステップ120)に伴って、実際に吸気バルブ19及び排気バルブ20のバルブオーバラップがなくなっているか否かを判定している(ステップ130)。そして、未だオーバラップしている(オーバラップ量が0より大)と判定した場合には、外部EGR運転領域であっても外部EGR機構31による外部EGRを禁止するようにしている(ステップ140)。
【0064】
従って、バルブオーバラップをなくすための可変バルブタイミング機構34の制御を通じてその可変バルブタイミング機構34が作動を開始し、実際にバルブオーバラップがなくなるまでに時間がかかっても、その期間には排気が吸気通路17に再循環されない。このため、バルブオーバラップが小さくなる過程で未燃HCが吸気通路17に吹き返されても、その吸気通路17には未燃HCに付着する微粒子がないことから、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成を抑制することができる。
【0065】
なお、バルブオーバラップをなくすように制御された可変バルブタイミング機構34は、バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあると判定されることと、排気の再循環が停止されたと判定されることを条件に、バルブタイミングをオーバラップさせるように制御される(ステップ190)。このバルブオーバラップに伴う内部EGRにより燃焼室16内における混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。
【0066】
(3)エンジン11の運転状態がオーバラップ運転領域にあるか否かを判定し(ステップ160)、同運転領域にあると判定すると、EGRバルブ33を閉弁させて外部EGRを停止するようにしている(ステップ170)。従って、可変バルブタイミング機構34の制御(ステップ190)を通じて内部EGRが活用されるときには、排気や未燃HCが吸気通路17に吹き返されるが、外部EGRが行われないことから排気中の微粒子が吸気通路17にない。吸気通路17には未燃HCはあっても、その未燃HCに付着する微粒子がないため、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成が抑制される。その結果、内部EGRによって窒素酸化物NOxの排出量を低減しつつも吸気通路17にデポジットが形成されるのを抑え、もってデポジットによって吸入空気量が変化するのを抑制することが可能となる。
【0067】
(4)外部EGRを停止するための制御(ステップ170)に伴って、実際に外部EGRが停止されたか否かを判定している(ステップ180)。そして、未だ外部EGRが行われていると判定した場合には、オーバラップ運転領域であっても、可変バルブタイミング機構34によるバルブオーバラップ量を「0」よりも大きくするためのバルブタイミング制御を禁止するようにしている(ステップ200)。
【0068】
従って、外部EGRを停止するための制御を通じて外部EGR機構31が作動を開始してから、EGR通路32内に残存している排気が全てそのEGR通路32から排出されて、実際に吸気通路17に再循環される排気がなくなるまでに時間がかかっても、その期間にはバルブオーバラップが生じない。そのため、この期間に排気中の微粒子が吸気通路17に戻されても、吸気通路17にはその微粒子が付着する未燃HCがないことから、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成を抑制することができる。
【0069】
なお、排気の再循環を停止するように制御された外部EGR機構31は、外部EGR運転領域にあると判定されることと、バルブオーバラップがなくなっていると判定されることを条件に、吸気通路17に排気を再循環させるように制御される(ステップ150)。この排気の再循環により混合気の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの生成が抑制される。
【0070】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・図2のルーチンにおけるステップ130,140の処理を省略してもよい。この場合、エンジン11の運転状態が外部EGR運転領域にあると、バルブオーバラップ量を「0」にするためのバルブタイミング制御を行う(ステップ120)とともに、外部EGR機構31による外部EGRを許可する(ステップ150)。
【0071】
同様に、ステップ180,200の処理を省略してもよい。この場合、エンジン11の運転状態がオーバラップ運転領域にあると、EGRバルブ33を閉弁させる(ステップ170)とともに、バルブオーバラップ量を「0」よりも大きくするためのバルブタイミング制御を許可する(ステップ190)。
【0072】
・上記実施形態では、可変バルブタイミング機構34として吸気バルブ19のみのバルブタイミングを変更するものを例示したが、これに加えて排気バルブ20のバルブタイミングを変更するものを採用してもよい。こうした可変バルブタイミング機構であっても、バルブオーバラップ量を調整することができる。
【0073】
・本発明は前記実施形態とは異なるタイプのエンジン、例えばポート噴射式のガソリンエンジン等にも適用可能である。
その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
【0074】
(A)吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップ量を可変とする可変バルブタイミング機構と、
排気通路に接続されたEGR通路を介して吸気通路に排気を再循環させる外部EGR機構と
を備える内燃機関の制御装置において、
前記外部EGR機構により排気の再循環を行わせるための制御、及び前記可変バルブタイミング機構により前記吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせるための制御の一方が行われているときには他方を禁止する制御手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【0075】
ここで、図2のルーチンにおけるステップ110,120,160,170の処理が制御手段に相当する。
上記の構成によれば、外部EGR機構により排気の再循環を行わせるための制御が行われているときには、可変バルブタイミング機構により吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせるための制御が禁止される。従って、外部EGR機構の制御を通じて外部EGRが活用されるときには、排気中のカーボン等の微粒子が吸気通路に再循環されるが、バルブオーバラップがないことから排気や未燃HCが吸気通路に吹き返されない。吸気通路には微粒子はあっても、その微粒子が付着される未燃HCがないため、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成が抑制される。
【0076】
一方、可変バルブタイミング機構により吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせるための制御が行われているときには、外部EGR機構により排気の再循環を行わせるための制御が禁止される。従って、可変バルブタイミング機構の制御を通じてバルブオーバラップによる内部EGRが活用されるときには、排気や未燃HCが吸気通路に吹き返されるが、排気の再循環が停止されていることから、その吸気通路に排気中の微粒子がない。吸気通路には未燃HCはあっても、その未燃HCに付着する微粒子がないため、微粒子の未燃HCへの付着に起因するデポジットの形成が抑制される。
【0077】
このようにして、EGR(外部EGR、内部EGR)によって窒素酸化物NOxの排出量を低減しつつも吸気通路にデポジットが形成されるのを抑制し、もってデポジットによって吸入空気量が変化するのを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンの制御装置の一実施形態について、その構成を示す略図。
【図2】可変バルブタイミング機構及び外部EGR機構を制御する手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、17…吸気通路、18…排気通路、19…吸気バルブ、20…排気バルブ、31…外部EGR機構、32…EGR通路、34…可変バルブタイミング機構、41…ECU(EGR運転領域判定手段、可変バルブタイミング機構制御手段、オーバラップ判定手段、EGR機構制御手段、オーバラップ運転領域判定手段、外部EGR停止判定手段)。
Claims (6)
- 吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップ量を可変とする可変バルブタイミング機構と、
排気通路に接続されたEGR通路を介して吸気通路に排気を再循環させる外部EGR機構と
を備える内燃機関の制御装置において、
機関運転状態が前記外部EGR機構により排気の再循環を行う外部EGR運転領域にあるか否かを判定するEGR運転領域判定手段と、
前記EGR運転領域判定手段により外部EGR運転領域にあると判定されたときには、前記吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップをなくすように前記可変バルブタイミング機構を制御する可変バルブタイミング機構制御手段と
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップがなくなっているか否かを判定するオーバラップ判定手段と、
前記オーバラップ判定手段によりバルブオーバラップがあると判定されたときには、前記外部EGR機構による排気の再循環を禁止するように同外部EGR機構を制御するEGR機構制御手段と
をさらに備える請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 機関運転状態が前記可変バルブタイミング機構により前記吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあるか否かを判定するオーバラップ運転領域判定手段をさらに備え、
前記可変バルブタイミング機構制御手段は、前記オーバラップ運転領域判定手段により両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあると判定されることを少なくとも条件に、前記吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせるように前記可変バルブタイミング機構を制御するものである請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。 - 吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップ量を可変とする可変バルブタイミング機構と、
排気通路に接続されたEGR通路を介して吸気通路に排気を再循環させる外部EGR機構と
を備える内燃機関の制御装置において、
機関運転状態が前記可変バルブタイミング機構により前記吸気バルブ及び排気バルブの両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあるか否かを判定するオーバラップ運転領域判定手段と、
前記オーバラップ運転領域判定手段により両バルブタイミングをオーバラップさせる領域にあると判定されたときには、前記排気の再循環を停止するように前記外部EGR機構を制御するEGR機構制御手段と
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記排気の再循環が停止されたか否かを判定する外部EGR停止判定手段と、
前記外部EGR停止判定手段により再循環が行われていると判定されたときには、前記可変バルブタイミング機構による前記吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップを禁止するように同可変バルブタイミング機構を制御する可変バルブタイミング機構制御手段と
をさらに備える請求項4に記載の内燃機関の制御装置。 - 機関運転状態が前記外部EGR機構により排気の再循環を行う外部EGR運転領域にあるか否かを判定するEGR運転領域判定手段をさらに備え、
前記EGR機構制御手段は、前記EGR運転領域判定手段により外部EGR運転領域にあると判定されることを少なくとも条件に、前記吸気通路に排気を再循環させるように前記外部EGR機構を制御するものである請求項4又は5に記載の内燃機関の制御装置。
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