JP2004285350A - ポリエステル樹脂の製造方法および得られたポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明性に優れ、適度で、かつ安定した結晶化速度を持ち、耐熱寸法安定性に優れ、紫外線照射時に蛍光の発光が防止された成形体、特に耐熱性中空成形体を効率よく生産することができ、また金型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れ、さらに、香味保持性に優れた包装材料を与えるポリエステル樹脂の製造方法およびポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 非晶性二酸化ゲルマニウムを重縮合触媒として用いて重縮合させて得られた、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル樹脂の溶融重縮合ポリマーを、化学的酸素要求量(COD)が2.0mg/l以下の冷却水を用いて冷却しながらチップ化することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
【解決手段】 非晶性二酸化ゲルマニウムを重縮合触媒として用いて重縮合させて得られた、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル樹脂の溶融重縮合ポリマーを、化学的酸素要求量(COD)が2.0mg/l以下の冷却水を用いて冷却しながらチップ化することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
Description
本発明は、ボトルをはじめとして、フィルム、シート成形用などに用いられるポリエステル樹脂の製造方法に関し、さらに詳しくは、色調および透明性に優れ、結晶化速度変動が少なく、また紫外線照射時に蛍光の発光が防止され、香味保持性に優れた成形体等を与えるポリエステル樹脂の製造方法およびポリエステル樹脂に関する。
ポリエチレンテレフタレート(以下単に「PET」と略称する)、ポリブチレンテレフタレート(以下単に「PBT」と略称する)、ポリエチレンナフタレート(以下単に「PEN」と略称する)等に代表されるポリエステルは、機械的特性、及び化学的特性に優れており、それぞれのポリエステルの特性に応じて、ボトル等の中空成形体、包装用や磁気テープ用等のフィルム、包装用等のシート、電気・電子部品用等の成形材料などの広範な分野において使用されている。
これらのポリエステルの中で、特にポリエチレンテレフタレートはその優れた透明性、機械的強度、耐熱性、ガスバリヤ−性等の特性により炭酸飲料、ジュース、ミネラルウオータ等の飲料用容器やグラタン等の半調理済み冷凍食品等の容器用のシートの素材として採用されておりその普及はめざましいものがある。
一般にこのような用途に使用されるPETは、主としてテレフタール酸、エチレングリコールを原料とし、重縮合触媒としてアンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物およびこれらの混合物などを用いて製造される。
これらの用途において、ポリエステル製ボトルに高温で殺菌した飲料を熱充填したり、また飲料を充填後高温で殺菌したりするが、通常のポリエステル製ボトルでは、このような熱充填処理時等に収縮、変形が起こり問題となる。ポリエステル製ボトルの耐熱性を向上させる方法として、ボトル口栓部を熱処理して結晶化度を高めたり、また延伸したボトルを熱固定させたりする方法が提案されている。特に口栓部の結晶化が不十分であったり、また結晶化度のばらつきが大きい場合にはキャップとの密封性が悪くなり、内容物の漏れが生ずることがある。
また、果汁飲料、ウーロン茶およびミネラルウオータなどのように熱充填を必要とする飲料の場合には、プリフォームまたは成形されたボトルの口栓部を熱処理して結晶化する方法(例えば、特許文献1、2など参照)が一般的である。このような方法、すなわち口栓部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響し、低温でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPETであることが好ましい。一方、胴部についてはボトル内容物の色調を悪化させないように、成形時の熱処理を施しても透明であることが要求されており、口栓部と胴部では相反する特性が必要である。
前記の触媒の中で、アンチモン触媒は、安価で、かつ優れた触媒活性を持つ触媒であるが、これを主成分、即ち、実用的な重縮合速度が発揮される程度の添加量にて使用すると、重縮合時に金属アンチモンが析出するため、ポリエステルに黒ずみや異物が発生するという問題点を有している。
アンチモン触媒を重縮合触媒として用いたPETの結晶化速度は、前記の異物に起因するためか、ゲルマニウム化合物やチタン化合物を触媒として用いた場合に比べて速く、透明性の優れた耐熱中空成形体、特に大型の耐熱中空成形体を得ることが非常に困難である。また、前記の異物が中空成形体中に存在する場合があり、商品価値を低下さす。このような経緯で、アンチモンを全く含まないか或いはアンチモンを触媒主成分として含まないポリエステルが望まれている。またアンチモン触媒を重縮合触媒として用いて得られたPETをシート用素材として用いる場合、シート成形時において次のような問題を起こす。金属アンチモンの析出はシート成形時にフィルター詰まりにより押出機内の圧力上昇をもたらすため、フィルターの交換周期が短くなり、コストアップの要因となる。またシート成形ダイスのリップ汚れを引き起こし、シート表面ヘのリップ汚れ物の付着頻度が激しくなり、製品歩留まりが悪くなる。従って、ポリエステルシートの製造においても、異物の発生のないポリエステル重縮合触媒が求められる。
三酸化アンチモン等のアンチモン系触媒に代わる重縮合触媒の検討も行われており、テトラアルコキシチタネートに代表されるチタン化合物やスズ化合物がすでに提案されているが、これらを用いて製造されたポリエステルは溶融成形時に熱劣化を受けやすく、またポリエステルが著しく着色するという問題点を有する。また、結晶化速度が非常に遅く、前記の耐熱中空成形体を製造する際の口栓部の結晶化に時間がかかり、生産性が落ちるという問題点もある。
三酸化アンチモン等のアンチモン系触媒に代わる重縮合触媒の検討も行われており、テトラアルコキシチタネートに代表されるチタン化合物やスズ化合物がすでに提案されているが、これらを用いて製造されたポリエステルは溶融成形時に熱劣化を受けやすく、またポリエステルが著しく着色するという問題点を有する。また、結晶化速度が非常に遅く、前記の耐熱中空成形体を製造する際の口栓部の結晶化に時間がかかり、生産性が落ちるという問題点もある。
このような、チタン化合物を重縮合触媒として用いたときの問題点を克服する試みとして、例えば、テトラアルコキシチタネートをコバルト塩およびカルシウム塩と同時に用いる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、重縮合触媒としてテトラアルコキシチタネートをコバルト化合物と同時に用い、かつ蛍光増白剤を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。ところが、これらの技術では、テトラアルコキシチタネートを重縮合触媒として用いたときのPETの着色は低減されるものの、PETの熱分解を効果的に抑制することは達成されていない。
チタン化合物を触媒として用いて重縮合したポリエステルの溶融成形時の熱劣化を抑制する他の試みとして、例えば、チタン化合物を触媒としてポリエステルを重縮合した後にリン系化合物を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、重縮合後のポリマーに添加剤を効果的に混ぜ込むことは技術的に困難であるばかりでなく、コストアップにもつながり実用化されていないのが現状である。
アンチモン化合物以外で優れた触媒活性を有しかつ熱安定性並びに熱酸化安定性に優れたポリエステルを与える触媒としては、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物がすでに実用化されている。この触媒は非常に高価であるという問題点があるが、ポリマ−に対する溶解性が比較的良く、かなり透明性の良いポリマ−を得ることができるため現在のところボトル用PETを製造するさいの重縮合触媒として主に使用されている。また、非晶性二酸化ゲルマニウムを触媒として用いてジエチレングリコルの共重合割合がポリエステル共重合体の2.0〜4.0重量%(=約3.7モル%〜7.4モル%)のポリエステル共重合体を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献6参照)。非晶性二酸化ゲルマニウムは、結晶性二酸化ゲルマニウムと違って、エチレングリコールに可溶性であり取り扱いがより簡単であるが、得られたポリエステル樹脂からの成形体の透明性、結晶化速度あるいは香味保持性などの特性やポリエステル樹脂の蛍光発光強度などの特性が変動しやすいことが欠点であることが判ってきた。特にミネラルウオータやお茶のような飲料を充填するボトルでは、透明性や香味保持性への要求が非常に高く、非晶性二酸化ゲルマニウムでもまだ満足できるものではない。
また、通常成形前には樹脂チップを乾燥させることが一般的であるが、トラブルなどで成形機が停止したりするような様々な状況下において必要以上に乾燥が長引くことがあったり、また水分を多く含む樹脂を乾燥するために長時間の乾燥を余儀なくされたりすることがある。このように乾燥が長引いて過度に熱履歴を受ける条件下において前記従来のポリエステル樹脂を用いて得た成形体は、透明性が低下したり、結晶化速度が安定しなかったり、香味保持性が悪くなったり、また紫外線照射によって青白い蛍光を強く発するといったトラブルがあった。特に、非晶性二酸化ゲルマニウムを重縮合触媒として用いる場合は、このような問題が顕著に表れることが判った。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、透明性に優れ、透明性の変動が少なく、溶融成形時の結晶化コントロ−ル性に優れ、紫外線照射時に蛍光の発光が防止された成形体を与え、また得られた成形体に異物がほとんどなく、アセトアルデヒド臭ばかりでなく、その他の残留異味、異臭が発生しにくいポリエステル樹脂を製造する方法およびポリエステル樹脂に関するものである。さらには、必要以上の乾燥に晒されても、上記特性に変化の少ないポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂組成物を提供する。
上記目的を達成するため、本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、非晶性二酸化ゲルマニウムを重縮合触媒として用いて重縮合させて得られた、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル樹脂の溶融重縮合ポリマーを、化学的酸素要求量(COD)が2.0mg/l以下の冷却水を用いて冷却しながらチップ化することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法である。
この場合において、不活性気体雰囲気下に調製および保管した非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液、あるいは大気下に調製し不活性気体雰囲気下に保管した非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液のいずれかをを重縮合触媒溶液として用いることができる。
この場合において、チップ化工程の冷却水として、少なくともイオン交換装置で処理した水を使用することができる。
この場合において、上記に記載の製造方法により得られたポリエステル樹脂を固相重合することができる。
この場合において、上記に記載の製造方法により得られたポリエステル樹脂を水と接触処理させることができる。
この場合において、上記に記載の製造方法により得られたポリエステル樹脂を固相重合することができる。
この場合において、上記に記載の製造方法により得られたポリエステル樹脂を水と接触処理させることができる。
この場合において、上記のポリエステル樹脂の製造方法によって得られたポリエステル樹脂が、極限粘度が0.65〜0.90デシリットル/グラム、共重合されたジエチレングリコールが1.0〜3.5モル%、密度が1.37g/cm3以上、アセトアルデヒド含有量が10ppm以下、環状3量体含有量が0.7重量%以下、蛍光発光強度比が0.30以下、射出成形して得られた成形板のヘイズが30%以下、DSCで測定した前記成形板の昇温時の結晶化温度(Tc1)が150〜175℃で、かつ前記成形板を熱機械分析(TMA)により測定した寸法変化率が1.0%〜7.0%の範囲である、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トから構成されるポリエステル樹脂であることができる。
なお本発明者らの検討によると、主としてテレフタル酸成分とグリコール成分とから構成されるポリエステル樹脂は、本質的に蛍光発光特性を持っており、これに343nmの励起光を照射すると、395nm近辺にピークを持ち、約600nm程度の領域までの蛍光を発光する。測定法の項で説明する方法によって、この発光した蛍光スペクトルを350nm〜600nmの範囲で測定し、395nmの蛍光発光強度比(A)に対する450nmの蛍光発光強度比(B)の比(B/A)を求め、これを本発明においては蛍光発光強度比と称する。
実験室での細心の注意を払い製造された正常な前記ポリエステル樹脂の395nmの蛍光発光強度比(A)に対する450nmの蛍光発光強度比(B)の比(B/A)は0.30以下であることが判った。
前記の、蛍光発光強度比が0.30を越える場合には、このようなポリエステル樹脂から得られた中空成形体の口栓部の結晶化速度が速くなるために結晶化が過大となり、口栓部の寸法が規格範囲内に収まらなくなり、また加熱結晶化された中空成形体口栓部の外表面部の結晶化度と内表面部や中間部の結晶化度との差が大きくなって口栓部の結晶化度の不均一性が拡大し、かつ成形体間の結晶化度の変動も非常に大きくなる。これらが原因となって口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらなくなり、口栓部のキャッピング不良が発生し、内容物の漏れが生じる。また中空成形用予備成形体が白化し、延伸ブローして得られた中空成形体の透明性が非常に悪くなり、また正常な延伸が不可能となる場合がある。また、このようなポリエステル樹脂から得られた中空成形体などの成形体に紫外線を照射して目視で観察すると、青白い蛍光を強く発するという望ましくない特性を発揮するために商品価値が落ちてしまう。これらの問題は、成形前に長時間の乾燥に晒された場合に顕著になる。
本発明において、蛍光とは、分析化学実験ハンドブック(日本分析化学会編:425頁:丸善)記載のとおり、ある種の物質が光エネルギーを吸収して励起状態となり、基底状態にもどるときに発する光である。放射される蛍光の強度Ifは、吸収された励起光の強さIaと量子収率φfに比例し、If = kIa φfで表される。励起光の吸収は、ランバートベールの法則にしたがうため、If = kIo(1−10-ecd)φfとなる。ここでkは集光、検出効率等の装置定数、Ioは励起光の強度であり、eはモル吸光係数、cは試料濃度、dは試料層の長さである。ここで、励起蛍光波長および装置条件を一定にすると、eとφfは試料に固有の値となり、同一試料ではこの値は無関係になり、If = kcと表されることになり蛍光強度は、相対強度として表される。
本発明者らが、前記の成形体に適した特性を持つ、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂の製造方法について鋭意検討した結果、用いるテレフタル酸の品質、重縮合触媒の種類、重縮合触媒の調合方法、重縮合方法、重縮合装置や重縮合条件、乾燥方法、乾燥装置や乾燥条件、またポリエステル樹脂に共重合されたジエチレングリコール含有量などによって前記ポリエステル樹脂の蛍光発光強度比が影響を受け、特に工業的な連続生産を行った際には、蛍光発光強度比が増大する傾向が大きいこと、また回分式溶融重縮合装置やこれに続く回分式固相重合装置により連続的な生産を行う場合には、その傾向は顕著であることが判った。従って、その製造方法としては、非晶性二酸化ゲルマニウムを重縮合触媒として用いて得た溶融重縮合ポリマーを化学的酸素要求量(COD)が2.0mg/l以下の冷却水を用いて冷却しながらチップ化すること、さらにまた重縮合触媒溶液としては不活性気体雰囲気下に調製および保管した非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液、あるいは大気下に調製し不活性気体雰囲気下に保管した非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液のいずれかをを用いることが好都合であることを見いだした。
なお、ポリエステル樹脂で蛍光発光強度比が増大する原因としては、樹脂そのもの、または、樹脂中に取り込まれた有機物が熱酸化分解し、微量な蛍光物質が生成するためと考えられるが定かではなく、また、原因の如何によるものでもない。
なお、ポリエステル樹脂の蛍光発光強度比および成形体の寸法変化率は、下記の方法により測定する。
なお、ポリエステル樹脂の蛍光発光強度比および成形体の寸法変化率は、下記の方法により測定する。
また、この場合において、請求項5に記載の製造方法により得られたポリエステル樹脂にポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ−ル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂を配合させてなるポリエステル樹脂組成物であることができる。
上記の本発明のポリエステル樹脂の製造方法により、耐熱性、機械的特性、透明性に優れ、透明性の変動が少なく、また成形時の結晶化コントロ−ル性に優れ、紫外線照射時の蛍光の発光を防止され、かつアセトアルデヒド臭ばかりでなくその他の残留異味、異臭が少なく保香性に優れた成形体を与えるポリエステル樹脂、およびポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法により、透明性に優れ、適度で、かつ安定した結晶化速度を持ち、耐熱寸法安定性および香味保持性に優れ、紫外線照射時に蛍光の発光が防止された成形体、特に耐熱性中空成形体を与えるポリエステル樹脂を得ることができる。さらに、成形前に過度の乾燥等に晒されても、安定した品質の成型品を得ることが出来る。
以下、本発明のポリエステル樹脂の製造方法およびポリエステル樹脂の実施の形態を具体的に説明する。
本発明に係るポリエステル樹脂は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂であって、好ましくはエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステル樹脂であり、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含む線状ポリエステル樹脂である。
本発明に係るポリエステル樹脂は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂であって、好ましくはエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステル樹脂であり、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含む線状ポリエステル樹脂である。
前記ポリエステル樹脂が共重合体である場合に使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、イソフタル酸、ジフェニ−ル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルケトンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂が共重合体である場合に使用される共重合成分としてのグリコ−ルとしては、ジエチレングリコ−ル、1,3−トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコ−ル、ダイマーグリコール等の脂肪族グリコ−ル、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環族グリコ−ル、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4'−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸、ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ル等のポリアルキレングリコ−ルなどが挙げられる。
さらに、前記ポリエステル樹脂が共重合体である場合に使用される共重合成分としての多官能化合物としては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコ−ル成分としてグリセリン、ペンタエリスリト−ルを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量は、ポリエステル樹脂が実質的に線状を維持する程度でなければならない。また、単官能化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、テレフタール酸とエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した後、非晶性二酸化ゲルマニウムを用いて減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により他の共重合成分をエステル交換触媒の存在下に反応させてメチルアルコールを留去しながらエステル交換させた後、非晶性二酸化ゲルマニウムを用いて減圧下に重縮合を行うエステル交換法、のいずれかの方法によつて得た溶融重縮合ポリマーを、化学的酸素要求量(COD)が2.0mg/l以下の冷却水を用いて冷却しながらチップ化することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法である。
さらに必要に応じて極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド含有量等を低下させる為に固相重合を行うポリエステル樹脂の製造方法である。固相重合前の結晶化促進のため、溶融重縮合ポリエステル樹脂を吸湿させたあと加熱結晶化させたり、また水蒸気を直接ポリエステル樹脂チップに吹きつけて加熱結晶化させたりしてもよい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、回分式反応装置を用いる回分式溶融重縮合法や回分式固相重合法でもよいが、基本的には従来公知の連続溶融重縮合法、あるいは連続溶融重縮合―連続固相重合法が好ましい。
本発明においては重縮合触媒として実質的に非晶性の二酸化ゲルマニウムを用いる。実質的に非晶性の二酸化ゲルマニウムとは結晶粒子を含有しないか含有するにしてもその結晶粒子サイズが25nm以下であり、ラマンスペクトルによる観測においてピークを示さず、且つ比重が3.8g/cm3 以下である二酸化ゲルマニウムである。
前記非晶性二酸化ゲルマニウムは、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液等として反応系に添加される。
前記非晶性二酸化ゲルマニウムは、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液等として反応系に添加される。
前記のようにして得られた溶融重縮合ポリエステル樹脂は、溶融重縮合終了後に細孔から化学的酸素要求量(COD)が、2.0mg/l以下、好ましくは1.5mg/l以下、より好ましくは1.0mg/l以下の冷却水中に押出して水中でカットする方式、あるいは大気中に押出した後、直ちに前記と同一のCOD値の冷却水で冷却しながらカットする方式によってチップ化される。CODの下限値は特に限定するものではないが、実用的な面で0.01mg/lであって、0.01mg/l未満にする場合は、設備費が高くなり経済的なチップ化が不可能となることがある。
本発明者らは、重縮合触媒として実質的に非晶性の二酸化ゲルマニウムを用いて重縮合し、次いで前記の上限値を満足するCODの冷却水を用いて冷却しながらチップ化する製造方法、あるいはこのようにして得た溶融重縮合ポリエステル樹脂を固相重合する製造方法によって、得られたポリエステル樹脂の蛍光発光強度比が0.30以下で、また得られた成形板のヘイズが30%以下、成形板の昇温時の結晶化温度(Tc1)が150〜175℃で、かつ前記成形体を熱機械分析(TMA)により測定した寸法変化率が1.0%〜7.0%の範囲であるポリエステル樹脂を得ることができることを見いだしたのである。また、得られた成形体は、アセトアルデヒド臭は勿論のこと、その他の異味異臭がなく香味保持性に非常に優れており、さらに3〜6ヶ月間以上の連続生産で得たポリエステル樹脂からの成形体においても異物発生がほとんど無いことを見いだした。
重縮合触媒として実質的に非晶性の二酸化ゲルマニウムを用いる場合でも、チップ化工程で使用する冷却水のCODが、2.0mg/lを超える場合は、前記のような特性のポリエステル樹脂を得ることが不可能となる。
また冷却水中の前記の有機物等の不純物がポリエステル樹脂チップ表面に付着するからか、原因は定かでないが、結果として成形体のフレ−バ−性が悪くなり、好ましくない。
また、前記の条件を外れる冷却水を用いて冷却しながらチップ化したポリエステル樹脂を固相重合する場合、チップ化工程においてチップ表面に付着して固相重合反応装置に持ち込まれた前記の不純物は、ポリエステル樹脂チップの表面層の一部と共に固相重合装置の器壁に固着し、これが高温度での長時間加熱によって加熱残渣や金属含有量の高いスケ−ルとなって器壁に付着していく。そして、これが時々剥離してポリエステル樹脂チップ中に混入し、ボトル等成形体中の異物となって商品価値を低下さすという問題が発生する。
また、シ−トを製造する際には、製膜時に前記のスケ−ルが溶融ポリマ−濾過フィルタ−に詰まるためフィルタ−濾過圧の上昇が激しくなり、操業性や生産性が悪くなるという問題も発生する。
以下に、チップ化工程の冷却水中のCODを低減させる方法を例示するが、本発明は、これに限定するものではない。チップ化工程に導入する新しい水のCODを低減させるために、チップ化工程に供給するために工業用水がチップ化工程に送られるまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に水のCODを低減させる装置を設置する。また、更にチップ化工程から排出した水が再びチップ化工程に返されるまでの工程にも少なくとも1ヶ所以上にCODを低減させる装置を設置してもよい。CODを低減させる装置としては、限外濾過や逆浸透濾過、凝集沈殿、活性汚泥処理、活性炭処理、紫外線照射をおこなう装置などが挙げられる。
また、本発明においては、不活性気体雰囲気下に調製および保管した非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液、あるいは大気下に調製し不活性気体雰囲気下に保管した非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液のいずれかを用いることが望ましい。非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液の調製から連続重縮合反応装置への添加までの工程、あるいは非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液の保管から連続重縮合反応装置への添加までの工程において、触媒溶液槽の気相を大気雰囲気状態に保持すると、得られたポリエステル樹脂の蛍光発光強度比が0.30以下にならず、透明性、結晶化速度安定性、香味保持性などが悪いポリエステル樹脂しか得られず問題となる。酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体でエチレングリコールを予めバブリングしておくか、非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液調製後に上記の様な不活性気体でバブリングし、さらに前記触媒溶液槽の気相に同様の不活性気体を流通させておくことが望ましい。
また、本発明において用いる非晶性二酸化ゲルマニウムは、Naなどのアルカリ金属の含有量が50ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下であり、また塩素の含有量が1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下であることが好ましい。
以下に、ポリエチレンテレフタレ−トを例にして、本発明のポリエステル樹脂の好ましい連続式製造方法の一例について説明するが、本発明のポリエステル樹脂の製造方法はこれに限定されるものではない。
まず、エステル化反応により低重合体を製造する場合について説明する。高純度テレフタル酸またはそのエステル誘導体1モルに対して1.02〜1.9モル、好ましくは1.03〜1.7モルのエチレングリコ−ルが含まれたスラリ−を調整し、これをエステル化反応工程に連続的に供給する。
この際、スラリー調合槽やスラリー貯蔵槽の気相部分には、酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体を流通させて、原料と一緒に系内に混入する酸素を除去すると同時に空気が混入しないようにすることが望ましい。前記気相中の酸素濃度は、100ppm以下、好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下に維持し、またその変動巾を30%以内、好ましくは20%以内に抑えることが好ましい。
特に、高純度テレフタル酸は通常粉末状であり、この粒子等の合間に空気を含んでおり、スラリー調合槽やスラリー貯蔵槽に酸素を持ち込むため、十分に酸素を追い出すか、テレフタル酸の貯蔵サイロ内の雰囲気を酸素濃度200ppm以下、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下の不活性気体雰囲気にしておくことが望ましい。
また、エチレングリコールにも酸素が溶存しているため、エチレングリコールは予め酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性ガスでバブリングしておくか、スラリー調合後に上記の様な不活性ガスでバブリングしておき、またスラリー調合槽やスラリー貯蔵槽はスラリー調合後に上記の様な不活性ガスでバブリングすることも好ましい。
エステル化反応は、1個のエステル化反応器から成る一段式装置または少なくとも2個のエステル化反応器を直列に連結した多段式装置を用いてエチレングリコ−ルが還流する条件下で、気相部分には酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体を流通させ、反応によって生成した水またはアルコ−ルを精留塔で系外に除去しながら実施する。気相中の酸素濃度は、100ppm以下、好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下に維持することが好ましい。
第1段目のエステル化反応の温度は240〜270℃、好ましくは245〜265℃、圧力は0.2〜3kg/cm2G、好ましくは0.5〜2kg/cm2Gである。最終段目のエステル化反応の温度は通常250〜275℃好ましくは255〜270℃であり、圧力は通常0〜1.5kg/cm2G、好ましくは0〜1.3kg/cm2Gである。3段階以上で実施する場合には、中間段階のエステル化反応の反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応条件の間の条件である。これらのエステル化反応の反応率の上昇は、それぞれの段階で滑らかに分配されることが好ましい。最終的にはエステル化反応率は90%以上、好ましくは93%以上に達することが望ましい。これらのエステル化反応により分子量500〜5000程度の低次縮合物が得られる。
上記エステル化反応は原料としてテレフタル酸を用いる場合は、テレフタル酸の酸としての触媒作用により無触媒でも反応させることができるが重縮合触媒の共存下に実施してもよい。
また、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウムおよび炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの塩基性化合物を少量添加して実施すると、ポリエチレンテレフタレ−トの主鎖中のジオキシエチレンテレフタレ−ト成分単位の割合を比較的低水準(全ジオ−ル成分に対して5モル%以下)に保持できるので好ましい。
次に、エステル交換反応によって低重合体を製造する場合は、テレフタル酸ジメチル1モルに対して1.1〜1.8モル、好ましくは1.2〜1.6モルのエチレングリコ−ルが含まれた溶液を調整し、これをエステル交換反応工程に連続的に供給する。
この際、テレフタル酸ジメチル溶解槽またはこれのエチレングリコール溶液溶解槽や前記溶液貯蔵槽の気相部分には酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体を流通させさせて、原料と一緒に系内に混入する酸素を除去すると同時に空気が混入しないようにすることが望ましい。前記気相中の酸素濃度は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下に維持することが好ましい。また、前記溶解槽は、酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体でバブリングすることも好ましい。
特に、テレフタル酸ジメチルは通常粉末もしくはフレーク状であり、この粒子等の合間に空気を含み、溶解槽や貯蔵槽に酸素を持ち込むため、十分に酸素を追い出すか、テレフタル酸ジメチルの貯蔵サイロ内の雰囲気を100ppm以下、好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下の不活性気体雰囲気にしておくことが望ましい。
また、エチレングリコールにも酸素が溶存しているため、エチレングリコールは予め酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性ガスでバブリングしておくか、スラリー調合後に上記の様な不活性ガスでバブリングしておき、また溶解槽や貯蔵槽はスラリー調合後に上記の様な不活性ガスでバブリングすることも好ましい。
エステル交換反応は、1〜2個のエステル交換反応器を直列に連結した装置を用いてエチレングリコ−ルが還留する条件下で、気相部分には酸素濃度が50ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体を流通させ、反応によって生成したメタノ−ルを精留塔で系外に除去しながら実施する事が望ましい。気相中の酸素濃度は、100ppm以下、好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下に維持することが好ましい。
第1段目のエステル交換反応の温度は180〜250℃、好ましくは200〜240℃である。最終段目のエステル交換反応の温度は通常230〜270℃、好ましくは240〜265℃であり、エステル交換触媒として、Zn,Cd,Mg,Mn,Co,Ca,Baなどの脂肪酸塩、炭酸塩やPb,Zn,Sb,Ge酸化物等を用いる。これらのエステル交換反応により分子量約200〜500程度の低次縮合物が得られる。
ポリエステル樹脂の蛍光発光強度比を前記の目的とする範囲に維持する方法の1つとして、前記のように原料調合槽や反応器の気相の酸素濃度を前記の範囲に管理することが非常に重要な要素であり、結果として、透明性に優れ、安定した結晶化速度を持ち、香味保持性に優れた成形体等を与えるポリエステル樹脂を得ることができるのである。
前記の出発原料であるジメチルテレフタレート、テレフタル酸またはエチレングリコールとしては、パラキシレンから誘導されるバージンのジメチルテレフタレート、テレフタル酸あるいはエチレンから誘導されるエチレングリコールは勿論のこと、使用済みPETボトルからメタノール分解やエチレングリコール分解などのケミカルリサイクル法により回収したジメチルテレフタレート、テレフタル酸、ビスヒドロキシエチルテレフタレートあるいはエチレングリコールなどの回収原料も、出発原料の少なくとも一部として利用することが出来る。前記回収原料の品質は、使用目的に応じた純度、品質に精製されていなければならないことは言うまでもない。
次いで得られた低次縮合物は多段階の液相縮重縮合工程に供給される。重縮合反応条件は、第1段階目の重縮合の反応温度は250〜285℃、好ましくは260〜280℃であり、圧力は100〜10Torr、好ましくは70〜15Torrで、最終段階の重縮合反応の温度は265〜290℃、好ましくは275〜285℃であり、圧力は5〜0.01Torr、好ましくは3〜0.2Torrである。重縮合反応はなるべく低温でかつ短時間で反応が進むよう減圧度を上げることが好ましい。重縮合反応の時間としては1〜7時間であることが好ましく、270℃以上の温度を経過するのは5時間以内であることが好ましい。3段階以上で実施する場合には、中間段階の重縮合反応の反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応条件の間の条件である。これらの重縮合反応工程の各々において到達される極限粘度の上昇の度合は滑らかに分配されることが好ましい。
溶融重縮合反応器は、設計段階から系内への空気の漏れが出来るだけ起こらない設備にしておくことは当然であり、また定修時などの定期的なオーバーホールの際に、溶融重縮合反応時の減圧下における空気の漏れを最大限度に防止するような対策をしておくことが肝要である。特に攪拌軸や反応槽間の輸送に用いられるポンプ等の可動部のシール部分からの空気のリークの影響は大きく、漏れの少ないシール構造にするほか、シール部分には酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体を流しておくことが好ましい。
また、重縮合の2段目以降、特に最終段階の重縮合反応器としては、ポリエステル樹脂の滞留が少なく、反応器に導入された中間段階の重合度のポリエステル樹脂が順次重縮合されて最終重縮合物として排出されるプラグフロー性の高いものが好ましい。このためには、最適の攪拌翼の形状とし、攪拌翼の回転数を適切に設定することが好ましく、また二軸の攪拌翼を設置した反応器も好ましい。
なお、重縮合反応には一段式重縮合装置を用いてもよい。
なお、重縮合反応には一段式重縮合装置を用いてもよい。
重縮合触媒としては、Sb、Ti、またはAlの化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を非晶性二酸化ゲルマニウムと共に用いてもよい。これらの化合物は、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液、エチレングリコ−ルのスラリ−等として反応系に添加される。
これらの触媒溶液、スラリー等は、調合時または調合後、酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体でバブリングさせるか、あるいは、同様にして不活性気体でバブリング後気相中に同様の不活性気体を流通させておくことが望ましい。
Ti化合物としては、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のテトラアルキルチタネートおよびそれらの部分加水分解物、酢酸チタン、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン、チタンハロゲン化物の加水分解物、シュウ化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸アンモニウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、チタンアセチルアセトナート、チタンおよびケイ素あるいはジルコニウムからなる複合酸化物、チタンアルコキサイドとリン化合物の反応物等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマ−中のTi残存量として0.1〜50ppmの範囲になるように添加する。
Sb化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレ−ト、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられる。
Sb化合物は、生成ポリマ−中のSb残存量として50〜250ppmの範囲になるように添加する。
Sb化合物は、生成ポリマ−中のSb残存量として50〜250ppmの範囲になるように添加する。
また、Al化合物としては、具体的には、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウムn-プロポキサイド、アルミニウムiso-プロポキサイド、アルミニウムn-ブトキサイド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジiso-プロポキサイドなどのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらのうちカルボン酸塩、無機酸塩およびキレート化合物が好ましく、これらの中でもさらに塩基性酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートがとくに好ましい。Al化合物は、生成ポリマ−中のAl残存量として5〜200ppmの範囲になるように添加する。
また、本発明のポリエステル樹脂の製造方法においては、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を併用してもよい。アルカリ金属、アルカリ土類金属としては、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種であることが好ましく、アルカリ金属ないしその化合物の使用がより好ましい。アルカリ金属ないしその化合物を使用する場合、特にLi,Na,Kの使用が好ましい。アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物としては、例えば、これら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセトネートなどとのキレート化合物、水素化物、酸化物、水酸化物などが挙げられる。
前記のアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液等として反応系に添加される。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、生成ポリマ−中のこれらの元素の残存量として1〜50ppmの範囲になるように添加する。
さらにまた、本発明のポリエステル組成物は、ケイ素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、ストロンチウム、ジルコニウム、錫、タングステン、鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む金属化合物を含有してもよい。
これらの金属化合物としては、これら元素の酢酸塩等の飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸塩などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸塩などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸塩などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸塩などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、アルコキサイド、アセチルアセトナ−ト等とのキレ−ト化合物があげられ、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液、エチレングリコ−ルのスラリ−等として反応系に添加される。これらの金属化合物は、生成ポリマ−1トン当りのこれらの金属化合物の元素の残存量として0.05〜3.0モルの範囲になるように添加する。これらの金属化合物は、前記のポリエステル生成反応工程の任意の段階で添加することができる。
また、上述の重縮合触媒に組み合せて種々のP化合物を使用することができる。P化合物の中でも特にフェノール部を同一分子内に有するリン化合物を用いることが好ましい。
P化合物としては特に限定はされないが、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を用いることが好ましい。これらの中でも、一種または二種以上のホスホン酸系化合物を用いることがとくに好ましい。これらのリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いることが好ましい。
P化合物としては特に限定はされないが、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を用いることが好ましい。これらの中でも、一種または二種以上のホスホン酸系化合物を用いることがとくに好ましい。これらのリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いることが好ましい。
本発明で使用されるP化合物の具体例としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸およびそれらの誘導体等が挙げられる。具体例としてはリン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニ−ルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステルなどのリン酸の誘導体、亜リン酸、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、亜リン酸トリブチルエステルなどの亜リン酸の誘導体、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、フェニ−ルホスホン酸ジメチルエステル、フェニ−ルホスホン酸ジエチルエステル、フェニ−ルホスホン酸ジフェニ−ルエステルなどのホスホン酸の誘導体、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニルなどのホスフィン酸の誘導体等である。
またフェノール部を同一分子内に有するリン化合物、たとえば、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチル、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジエチル、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸メチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸フェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メチルホスフィンオキサイドなども使用できる。
また、ベンジルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸、(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル、4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、2−メチルベンジルホスホン酸エチル、4−クロロベンジルホスホン酸フェニル、4−アミノベンジルホスホン酸メチル、4−メトキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルなども使用できる。
さらにまた、リンの金属塩化合物、たとえば、リチウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、カリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、カルシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、カルシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、ベリリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル]、ストロンチウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、バリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル]なども使用できる。
これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。P化合物は、生成ポリマ−中のP残存量として1〜1000ppmの範囲になるように前記のポリエステル生成反応工程の任意の段階で添加することができる。
さらにまた、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加することも好ましい。
このようなヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、公知のものを使用してよく、例示するならばペンタエリスリトール−テトラエキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオネート)、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸オクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸を例示することができる。
このようなヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、公知のものを使用してよく、例示するならばペンタエリスリトール−テトラエキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオネート)、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸オクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸を例示することができる。
この場合ヒンダードフェノール系酸化安定剤は、ポリエステル樹脂に結合していてもよく、ヒンダードフェノール系酸化安定剤のポリエステル樹脂中の量としては、ポリエステルの重量に対して、1重量%以下が好ましい。これは、1重量%を越えると着色する場合があることと、1重量%以上添加しても溶融安定性を向上させる能力が飽和するからである。好ましくは、0.02〜0.5重量%である。
前記の金属化合物や安定剤や酸化防止剤などは、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液、エチレングリコ−ルのスラリ−等として反応系に添加される。
これらの溶液あるいはスラリーなどは、調合時または調合後、酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体でバブリングさせるか、またはその後気相中に同様の不活性気体を流通させておくことが望ましい。
これらの溶液あるいはスラリーなどは、調合時または調合後、酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体でバブリングさせるか、またはその後気相中に同様の不活性気体を流通させておくことが望ましい。
前記のようにして得られた溶融重縮合ポリエステル樹脂は、溶融重縮合終了後チップ化するため、細孔から押し出すまでの間は出来るだけ低温度で短時間の条件下に溶融状態で保持することが必要である。溶融重縮合終了後の溶融状態での保持条件は、融点以上、290℃以下、好ましくは285℃以下、さらに好ましくは280℃以下の温度で20分以内、好ましくは15分以内、さらに好ましくは10分以内が望ましく、溶融重縮合後に速やかに冷却チップ化されるよう配管等を設計する必要がある。290℃以上の高温度で20分以上の長時間滞留させると、蛍光発光強度比が0.30以下にならず、得られた成形体の結晶化速度が速くなりすぎて前記のような問題が発生すると同時に、内容物の香味保持性も悪くなることがあり問題である。また、融点以下の温度であってもポリエステル樹脂を大気中に長時間放置すると、蛍光発光強度比が0.30以下にならない場合も生ずるので、前記に記載した冷却水を用いる方法によって可及的速やかに約100℃以下に冷却することが望ましい。
また本発明では、チップ化工程の冷却水として、ナトリウムの含有量(N)、マグネシウムの含有量(M)、珪素の含有量(S)及びカルシウムの含有量(C)が下記の(1)〜(4)の少なくとも一つを、さらに好ましくは全てを満足する冷却水を用いて溶融重縮合ポリエステル樹脂のチップ化を行うのがより一層好ましい。
N ≦ 1.0(ppm) (1)
M ≦ 0.5(ppm) (2)
S ≦ 2.0(ppm) (3)
C ≦ 1.0(ppm) (4)
N ≦ 1.0(ppm) (1)
M ≦ 0.5(ppm) (2)
S ≦ 2.0(ppm) (3)
C ≦ 1.0(ppm) (4)
冷却水中のナトリウム含有量(N)は、好ましくはN≦0.5ppmであり、さらに好ましくはN≦0.1ppmである。
冷却水中のマグネシウム含有量(M)は、好ましくはM≦0.3ppmであり、さらに好ましくはM≦0.1ppmである。
また、冷却水中の珪素の含有量(S)は、好ましくはS≦0.5ppmであり、さらに好ましくはS≦0.3ppmである。
さらに、冷却水中のカルシウム含有量(C)は、好ましくはC≦0.5ppmであり、さらに好ましくはC≦0.1ppmである。
冷却水中のマグネシウム含有量(M)は、好ましくはM≦0.3ppmであり、さらに好ましくはM≦0.1ppmである。
また、冷却水中の珪素の含有量(S)は、好ましくはS≦0.5ppmであり、さらに好ましくはS≦0.3ppmである。
さらに、冷却水中のカルシウム含有量(C)は、好ましくはC≦0.5ppmであり、さらに好ましくはC≦0.1ppmである。
また、冷却水中のナトリウム含有量(N)、マグネシウム含有量(M)、珪素の含有量(S)およびカルシウム含有量(C)の下限値は特に限定するものではないが実用的な面では、N≧0.001ppm、M≧0.001ppm、S≧0.02ppmおよびC≧0.001ppmである。このような下限値以下にするには、莫大な設備投資が必要であり、また運転費用も非常に高くなり経済的な生産は困難であることがある。
前記の条件を外れる冷却水を用いた場合には、これらの金属含有化合物がポリエステル樹脂チップ表面に付着し、得られたポリエステル樹脂の結晶化速度が非常に早く、またその変動が大きくなり好ましくない。工業用水中の前記の金属の含有量は1年を通じてかなり変動しており、この変動に応じてポリエステル樹脂に付着する金属含有量が変動するからか、前記の(1)〜(4)の少なくとも一つを満足する冷却水を用いた場合に比較して、工業用水をチップ化時の冷却水として用いて得られたポリエステル樹脂からの成形体の透明性が悪く、かつその変動が非常に大きい。なお、前記(1)〜(4)はすべてを満足することが好ましい。
また、前記の条件を外れる冷却水を用いて冷却しながらチップ化した溶融重縮合ポリエステル樹脂を固相重合すると、チップ化工程においてチップ表面に付着して固相重合反応装置に持ち込まれた前記の金属含有物質は、ポリエステル樹脂チップの表面層の一部と共に固相重合装置の器壁に固着し、これが約170℃以上の高温度での長時間加熱によって金属含有量の高いスケ−ルとなって器壁に付着していく。そして、これが時々剥離してポリエステル樹脂チップ中に混入し、ボトル等成形体中の異物となって商品価値を低下さすという問題が発生することがある。
また、シ−トを製造する際には、製膜時に前記のスケ−ルが溶融ポリマ−濾過フィルタ−に詰まるためフィルタ−濾過圧の上昇が激しくなり、操業性や生産性が悪くなるという問題も発生することがある。
以下にチップの冷却水のナトリウム含有量、マグネシウム含有量、珪素含有量、カルシウム含有量を前記の範囲に抑える方法を例示するが、本発明はこれに限定するものではない。
冷却水のナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を低減させるために、チップ冷却工程に工業用水が送られるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除去する装置を設置する。また、粒子状になった二酸化珪素やアルミノ珪酸塩等の粘土鉱物を除去するためにはフィルターを設置する。ナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除去する装置としては、イオン交換装置、限外濾過装置や逆浸透膜装置などが挙げられる。
また、チップ冷却水として系外から導入する水の中に存在する粒径が1〜25μmの粒子を50000個/10ml以下にした水を使用することが望ましい。冷却水中の粒径1〜25μmの粒子の個数は、好ましくは10000個/10ml以下、さらに好ましくは1000個/10ml以下である。導入水中の粒径25μmを越える粒子は、特に規定するものではないが、好ましくは2000個/10ml以下、より好ましくは500個/10ml以下、さらに好ましくは100個/10ml、特に好ましくは10個/10ml以下である。
以下にチップ化工程で導入する導入水中の、粒径1〜25μmの粒子を50000個/10ml以下に制御する方法を例示するが、本発明はこれに限定するものではない。
水中の粒子数を50000個/10ml以下にする方法としては、工業用水等の自然水をチップ化工程に供給するまでの少なくとも1ヶ所以上に粒子を除去する装置を設置する。好ましくは自然界の水の採取口から、前記したチップ化工程に至るまでの間に粒子を除去する装置を設置し、チップ化工程に供給する水中の、粒径1〜25μmの粒子の含有量を50000個/10ml以下にすることが好ましい。粒子を除去する装置としてはフィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、遠心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に行うにはベルトフィルター方式、遠心濾過方式、バグフィルター方式の濾過装置が適している。またベルトフィルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金属、布等が挙げられる。また粒子の除去と導入水の流れを効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは5〜100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好ましくは15〜40μmがよい。
また、チップの冷却水は繰り返しリサイクルしながら使用することが経済性、生産性を向上させる点から好ましい。冷却水のリサイクル工程中に、フィルタ−や温度調節機、アセトアルデヒド等の不純物を除去する装置等を設けることができる。また、前記の粒子やナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除去する装置を設けることもできる。
また、本発明においては、系外からチップ化工程で用いられる冷却水の溶存酸素濃度を約45cm3/l以下に維持してチップ化することが好ましい。
また、同時に、冷却水の溶存酸素濃度をYcm3/l、冷却水の温度をX℃とした場合、好ましくはlogY≦1.78−8.23×10-3X、より好ましくはlogY≦1.73−8.23×10-3X、さらに好ましくはlogY≦1.68−8.23×10-3X、最も好ましくはlogY≦1.63−8.23×10-3Xの関係を満たす。
なお、通常、水に対する酸素溶解度は、1気圧、10℃で約38.0cm3/l程度、30℃で約26.0cm3/l程度であるが、水温の低い工業用水を用いる場合などにおいては過飽和状態で溶解度以上に酸素が溶存したり、貯槽底部では水の自重による圧力でこれ以上の酸素が溶解することになる。特に、前記のようにチップ冷却水をリサイクルしながら再使用する場合には、過飽和等の酸素の影響で冷却水中に溶解したモノマ−類やオリゴマ−類などの低分子化合物や系外からの有機化合物等の不純物の酸化反応が進み、残留異味、異臭が強くなることも考えられる。また、樹脂チップ内に酸素が入り込み、チップが蛍光を発しやすくなると考えられる。
以下に冷却水として用いられる水中の溶存酸素濃度を前記の値以下にする方法を例示するが、本発明はこれに限定するものではない。冷却水として用いられる水中の溶存酸素濃度を抑えるためには冷却水として供給するまでの工程の少なくとも1ケ所以上に、また冷却水槽中の水の溶存酸素濃度を抑えるためには冷却槽から水が排出して再び冷却水貯槽に循環水が戻されるまでの工程中の少なくとも1カ所以上に、そして冷却槽中の溶存酸素濃度を抑えるためには冷却槽中に、溶存酸素を低減さすための適切な装置を設置することが好ましい。溶存酸素を低減さす装置としては、窒素ガスまたは炭酸ガス等の不活性気体吹き込み脱気装置、真空加熱式脱気装置、加熱式脱気装置等が挙げられる。このような装置は、下記に説明する水処理の場合にも用いることができる。
また、溶融重縮合後にダイスの細孔からポリエステル溶融体を大気中に押出した後、冷却水で冷却しながらカットする方式によってチップ化する場合には、不活性気体をダイスの細孔から出てくる溶融ポリマーに吹き付け、冷却水に接触するまでに高温の樹脂に酸素が吸着しないようにすることも好ましい。吹き付ける不活性ガスの酸素濃度は5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下が好ましい。
また、冷却水を溶融樹脂にシャワー状に吹き付けて冷却する方法を採用する場合には、冷却水に酸素が溶解し、溶存酸素濃度上がるため、冷却工程の気相中の酸素濃度を、500ppm以下、好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、さらに一層好ましくは50ppm以下、最も好ましくは10ppm以下に維持することが好ましい。冷却工程での気相中の酸素濃度をコントロールする方法としては、溶融ポリマーに吹き付ける不活性ガスをそのまま冷却工程に流すことが好ましい。
またさらに、本発明のポリエステル樹脂の製造方法においては、チップ化工程で得られる溶融重縮合ポリエステル樹脂チップの付着水分が好ましくは3000ppm以下、より好ましくは2500ppm以下、さらに好ましくは2000ppm以下にすることが好ましい。付着水分が3000ppmを超える場合は、このようなポリエステル樹脂チップを乾燥処理したり、あるいは固相重合処理したりすると、蛍光発光強度比を0.30以下に維持することが難しくなリ問題が生じることがある。付着水は三菱化学(株)の微量水分測定器(model:CA−06/VA−06)を用いて測定する。付着水分を3000ppm以下にする方法としては、チップから水を切る際に遠心分離法、振動法や加熱気体を吹付ける方法を採ることが多いが、これらの運転条件を強めることにより達成することが出来る。
溶融重縮合樹脂をそのまま成形用などに用いる場合には、チップ化後付着水分を3000ppm以下にされたポリエステル樹脂チップは乾燥工程に送られ、乾燥させる。また、冷却から乾燥工程までの間においても、気相中の酸素濃度は、100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下に維持することが望ましい。
乾燥温度は約50℃〜約150℃、好ましくは約60℃〜約140℃であり、乾燥時間は約3時間〜約30時間、好ましくは約4時間〜20時間である。
乾燥ガスとしては、露点が−25℃以下で、酸素濃度が100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下の不活性気体が好ましい。
乾燥ガスとしては、露点が−25℃以下で、酸素濃度が100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下の不活性気体が好ましい。
なお、前記で用いる不活性気体としては、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガスなどが挙げられるが、窒素ガスが最も好都合である。
但し、不活性気体を用いると経済性が問題になる場合は、露点が−25℃以下であり、SOxが約0.01ppm以下、NOxが約0.01ppm以下の脱湿空気を用いて約50℃〜約100℃の温度で、約3時間〜約10時間の時間で乾燥することも可能である。この場合には、他の条件を厳しくすることで、蛍光発光強度を抑えることが必要である。なお、空気からSOx、NOxを除去する手段としては、活性炭フィルターや触媒作用のある金属粒子を含んだフィルター等を用いることができる。
但し、不活性気体を用いると経済性が問題になる場合は、露点が−25℃以下であり、SOxが約0.01ppm以下、NOxが約0.01ppm以下の脱湿空気を用いて約50℃〜約100℃の温度で、約3時間〜約10時間の時間で乾燥することも可能である。この場合には、他の条件を厳しくすることで、蛍光発光強度を抑えることが必要である。なお、空気からSOx、NOxを除去する手段としては、活性炭フィルターや触媒作用のある金属粒子を含んだフィルター等を用いることができる。
種々の乾燥条件が上記の範囲を外れる場合には、ポリエステル樹脂の蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり問題となる可能性が非常に高い。
また、乾燥装置にはチップやファイン等の形状異常品が長期滞留する可能性があるデッドスペースがないことも大切である。デッドスペースがあると、そこに長期滞留したチップ等は蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり問題となる。
また、乾燥装置にはチップやファイン等の形状異常品が長期滞留する可能性があるデッドスペースがないことも大切である。デッドスペースがあると、そこに長期滞留したチップ等は蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり問題となる。
また、乾燥装置では導入された樹脂が順次排出される構造とすることが好ましく、樹脂の平均滞留時間をtとすると、0.9tから1.1tの間に95重量%、好ましくは98重量%、さらに好ましくは99重量%の樹脂が排出されるような装置とすることが好ましい。これらの装置としては、縦型のホッパータイプの乾燥機で、乾燥されたチップの排出口が設置される下部の逆円錐状部分の頂角の角度をチップの安息角より適宜求めた角度にしてかつバッフルコーンを設置したものや横型乾燥機で回転軸に輸送用パドルやディスクなどを設置しプラグフロー性を高めたものなどが好ましい。
順次スムーズに排出されなかったりデッドスペースがあると、そこに長期滞留したチップ等は熱履歴が大きくなり、このチップが混入した場合、蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり問題となる可能性が非常に高い。
次いで、固相重合する場合には、得られた溶融重縮合ポリエステル樹脂チップは、、酸素濃度が100ppm以下、好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下の不活性気体雰囲気下のチップ貯槽に輸送して一時的に保管し、溶融重縮合に引き続き、アセトアルデヒド含有量を低下させ、極限粘度を増大させるために、前記のポリエステル樹脂を連続的に固相重合することが望ましい。まず固相重合に供される前記のポリエステル樹脂は、不活性気体下あるいは水蒸気または水蒸気含有不活性気体雰囲気下において、予備結晶化され引き続いて水分率10ppm程度まで乾燥(以下予備結晶化−乾燥をまとめて予備結晶化と称する)される。
予備結晶化の際の温度は好ましくは180℃以下、より好ましくは175℃以下、さらに好ましくは170℃以下であり、温度の下限は好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上であり、予備結晶化工程の時間は好ましくは5時間以下、より好ましくは4時間以下、さらに好ましくは3.5時間以下であり、下限は0.5分以上、より好ましくは1分以上である。予備結晶化の際の温度を高くすると時間を短くする必要があり、また、時間を長くする場合には温度を下げる必要がある。例えば180℃では2時間程度、160℃では3時間程度、150℃では3.5時間程度であることが好ましい。
この際、不活性気体雰囲気の酸素濃度は好ましくは50ppm以下、好ましくは40ppm以下、さらに好ましくは30ppm以下、さらに一層好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下であることが好ましい。
次いで酸素濃度が好ましくは50ppm以下、より好ましくは40ppm以下、さらに好ましくは30ppm以下、最も好ましくは20ppm以下の不活性気体雰囲気下に固相重合を行い、固相重合終了後、前記と同様の不活性気体雰囲気下にチップ温度が約60℃以下になるように冷却する。固相重合の温度としては、上限は220℃以下が好ましく、さらには215℃以下、特には210℃以下が好ましく、下限は190℃以上、好ましくは195℃以上である。また、固相重合時間は目的とする重合度にもよるが、30時間以下が好ましく、より好ましくは15時間以下、さらに好ましくは10時間以下、特に好ましくは8時間以下、最も好ましくは7時間以下である。固相重合でも、温度が高い場合には時間を短くし、長時間固相重合を行う場合には温度を低く設定する必要があり、過度の温度、時間履歴は避ける必要がある。目安としては、210℃で約20時間以下、205℃で約25時間以下程度である。比較的低温でかつ短時間で固相重合が終了するように、減圧度を調整するか、不活性気体の流量を上げる等の工夫をする必要がある。
次いで酸素濃度が好ましくは50ppm以下、より好ましくは40ppm以下、さらに好ましくは30ppm以下、最も好ましくは20ppm以下の不活性気体雰囲気下に固相重合を行い、固相重合終了後、前記と同様の不活性気体雰囲気下にチップ温度が約60℃以下になるように冷却する。固相重合の温度としては、上限は220℃以下が好ましく、さらには215℃以下、特には210℃以下が好ましく、下限は190℃以上、好ましくは195℃以上である。また、固相重合時間は目的とする重合度にもよるが、30時間以下が好ましく、より好ましくは15時間以下、さらに好ましくは10時間以下、特に好ましくは8時間以下、最も好ましくは7時間以下である。固相重合でも、温度が高い場合には時間を短くし、長時間固相重合を行う場合には温度を低く設定する必要があり、過度の温度、時間履歴は避ける必要がある。目安としては、210℃で約20時間以下、205℃で約25時間以下程度である。比較的低温でかつ短時間で固相重合が終了するように、減圧度を調整するか、不活性気体の流量を上げる等の工夫をする必要がある。
予備結晶化時および固相重合時の不活性気体中の酸素濃度が50ppmを越える場合には蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり好ましくない。
また、溶融重縮合チップの固相重合前の保管は、前記の条件下においても最大10日間が限度であり、出来るだけ短時間にすることが望ましい。溶融重縮合ポリエステル樹脂を空気中に長時間放置後に固相重合することは避けなければならない。
また、溶融重縮合チップの固相重合前の保管は、前記の条件下においても最大10日間が限度であり、出来るだけ短時間にすることが望ましい。溶融重縮合ポリエステル樹脂を空気中に長時間放置後に固相重合することは避けなければならない。
但し、溶融重縮合反応装置と固相重合装置が直結して連続運転される場合には、溶融重縮合ポリマーの保管が1日以内であれば大気下保管でも得られた固相重合ポリエステル樹脂の蛍光発光強度には影響しないようにすることも可能である。
また、本発明における各工程から排出される不活性気体は、モノマーなどの固形物、水、エチレングリコール、アルデヒドなどの揮発性物質などの含有化合物を適切な設備によって除去し、また新鮮な不活性気体と混合したり、脱酸素剤と接触させて酸素濃度を前記のように低減させて再使用することが出来る。
さらに、予備結晶化や固相重合の際には、ポリエステル樹脂チップの長時間滞留を少なくすることが必要である。ポリエステル樹脂チップの滞留があると、チップの中には必要以上に熱履歴のかかったものが混じり、全体として蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがある。このためには予備結晶化装置や固相重合装置にはチップやファイン等の形状異常品が長期滞留する可能性があるデッドスペースがないことが大切である。また、予備結晶化や固相重合装置では導入された樹脂が順次排出される構造とすることが好ましく、樹脂の平均滞留時間をtとすると、0.9tから1.1tの間に95重量%の樹脂が排出されるような装置とすることが好ましい。予備結晶化装置としては、前記のような装置を用いることが好ましい。また固相重合装置としては、縦型のホッパータイプの固相重合反応器で、固相重合されたチップの排出口が設置される下部の逆円錐状部分の頂角の角度をチップの安息角より適宜求めた角度にしたものやチップ出口にチップの素抜けを防止するためのバッフルコーンなどの付属設備を設置したものなどの方式であることが好ましい。
順次スムーズに排出されなかったりデッドスペースがあると、そこに長期滞留したチップ等は熱履歴が大きくなり、このチップが混入した場合、蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり問題となる可能性が非常に高い。
なお、前記で用いる不活性気体としては、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガスなどが挙げられるが、窒素ガスが最も好都合である。
また、本発明のポリエステル樹脂を290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.50重量%以下であることが好ましい。環状3量体の増加量は好ましくは0.40重量%以下、より好ましくは0.30重量%以下、さらに好ましくは0.10重量%以下であることが好ましい。290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.50重量%を越えると、成形の樹脂溶融時に環状3量体量が増加し、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
また、本発明のポリエステル樹脂を290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.50重量%以下であることが好ましい。環状3量体の増加量は好ましくは0.40重量%以下、より好ましくは0.30重量%以下、さらに好ましくは0.10重量%以下であることが好ましい。290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.50重量%を越えると、成形の樹脂溶融時に環状3量体量が増加し、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.50重量%以下である本発明のポリエステル樹脂は、溶融重縮合後や固相重合後に得られたポリエステル樹脂の重縮合触媒を失活処理することにより製造することができる。ポリエステル樹脂の重縮合触媒を失活処理する方法としては、溶融重縮合後や固相重合後にポリエステル樹脂チップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理する方法が挙げられる。
前記のポリエステル樹脂チップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理する方法を次に述べる。なお、本発明においては前記の水や水蒸気などによるポリエステル樹脂チップの接触処理を水処理と称する。
水処理方法としては、水中に浸ける方法やシャワ−でチップ上に水をかける方法等が挙げられる。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間で、水の温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
以下に水処理を工業的に行う方法を例示するが、これに限定するものではない。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えないが、工業的に行うためには連続方式の方が好ましい。
ポリエステル樹脂のチップをバッチ方式で水処理する場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。すなわちバッチ方式でポリエステル樹脂のチップをサイロへ受け入れ水処理を行う。ポリエステル樹脂のチップを連続方式で水処理する場合は、塔型の処理槽に継続的又は間欠的にポリエステル樹脂のチップを上部より受け入れ、水処理させることができる。
ポリエステル樹脂チップを工業的に水処理する場合、処理に用いる水が大量であることから天然水(工業用水)や排水を再利用して使用することが多い。通常この天然水は、河川水、地下水などから採取したもので、水(液体)の形状を変えないまま、殺菌、異物除去等の処理をしたものを言う。また、一般に工業的に用いられる天然水には、自然界由来の、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩等の粘土鉱物を代表とする無機粒子や細菌、バクテリア等や、腐敗した植物、動物に起源を有する有機粒子を多く含有している。これらの天然水を用いて水処理を行うと、ポリエステル樹脂チップに粒子が付着、浸透して結晶核となり、このようなポリエステル樹脂チップを用いた中空成形体の透明性が非常に悪くなる。
したがって、水処理方法が連続方式の場合であってもバッチ方式の場合であっても、系外から導入する水の中に存在する粒径が1〜25μmの粒子の個数をX、ナトリウムの含有量をN、マグネシウムの含有量をM、カルシウムの含有量Cを、珪素の含有量をSとした場合、下記(5)〜(9)の少なくとも一つを満足させて水処理を行うのが望ましい。
1 ≦ X ≦ 50000 (個/10ml) (5)
0.001 ≦ N ≦ 1.0 (ppm) (6)
0.001 ≦ M ≦ 0.5 (ppm) (7)
0.001 ≦ C ≦ 0.5 (ppm) (8)
0.01 ≦ S ≦ 2.0 (ppm) (9)
1 ≦ X ≦ 50000 (個/10ml) (5)
0.001 ≦ N ≦ 1.0 (ppm) (6)
0.001 ≦ M ≦ 0.5 (ppm) (7)
0.001 ≦ C ≦ 0.5 (ppm) (8)
0.01 ≦ S ≦ 2.0 (ppm) (9)
水処理槽に導入する水中の粒子個数、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素の含有量のいずれかを上記範囲に設定することにより、スケ−ルと呼ばれる酸化物や水酸化物等の金属含有物質が処理水中に浮遊、沈殿、さらには処理槽壁や配管壁に付着したりし、これがポリエステル樹脂チップに付着、浸透して、成形時での結晶化が促進され、透明性の悪いボトルになることを防ぐことができる。
水処理槽に導入する水中の粒子数を50000個/10ml以下にする方法としては、工業用水等の自然水を処理槽に供給するまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に粒子を除去する装置を設置する。これらの装置としてはチップ冷却水の処理に使用するのと同様の装置が挙げられる。
また水処理槽に導入する水中のナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を低減させるために、工業用水等の自然水を処理槽に供給するまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除去する装置を設置する。これらの装置としてはチップ冷却水の処理に使用するのと同様の装置が挙げられる。
また、本発明においては、連続水処理方式の場合は系外から導入される処理水及び/又は処理槽中の処理水の溶存酸素濃度を約18cm3/l以下に維持して水処理し、またバッチ方式の場合は系外から充填される処理水及び/又は処理槽中の処理水の溶存酸素濃度を約18cm3/l以下に維持して水処理することが好ましい。
また、同時に、処理層中の処理水の溶存酸素濃度をYcm3/l、処理水の温度をX℃とした場合、好ましくはY≦23.0−0.5.5×10-2X、より好ましくはY≦22.5−0.5.5×10-2X、さらに好ましくはY≦22.0−0.5.5×10-2X、最も好ましくはY≦21.5−0.5.5×10-2Xの関係を満たす。
なお、通常水に対する酸素溶解度は、1気圧、80℃で17.6cm3/l程度、90℃で17.2cm3/l程度であるが、水を加熱する場合では酸素が抜け切らずに過飽和になり溶解度以上に酸素が溶存したり、処理槽底部では水の自重による圧力でこれ以上の酸素が溶解することになる。また、重縮合後長時間放置したポリエステル樹脂チップを水処理する場合にはチップに吸収された酸素が処理水中に放出され、過飽和の状態になる。特に、このように80℃を越える高温で水処理する場合には、温度と過飽和等の酸素の影響で水処理槽中に溶解したモノマーやオリゴマー等の不純物の酸化反応が進み、残留異味、異臭が強くなると考えられる。また、樹脂チップ内に酸素が入り込み、チップが蛍光を発しやすくなると考えられる。
系外から導入される水は、水処理槽に直接導入してもよいし、またリサイクル水の貯槽やリサイクル水の送りの配管中においてリサイクル水と混合後水処理槽に導入してもよい。
水処理方法が連続的に、又はバッチ的のいずれの場合であっても、処理槽から排出した処理水のすべて、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新しい水が多量に入用であるばかりでなく、排水量増大による環境への影響が懸念される。即ち、処理槽から排出した少なくとも一部の処理水を、水処理槽へ戻して再利用することにより、必要な水量を低減し、また排水量増大による環境への影響を低減することが出来、さらには水処理槽へ返される排水がある程度温度を保持していれば、処理水の加熱量も小さく出来る。
しかし処理槽から排出される処理水には、処理槽にポリエステル樹脂のチップを受け入れる段階で既にポリエステル樹脂のチップに付着し、前記の水洗処理によって除去されなかったファインやフイルム状物や、水処理時にポリエステル樹脂のチップ同士あるいは処理槽壁との摩擦で発生するポリエステル樹脂のファインやフイルム状物が含まれている。
したがって、処理槽から排出した処理水を再度処理槽へ戻して再利用すると、処理槽内の処理水に含まれるファインやフイルム状物含有量は次第に増えていく。そのため、処理水中に含まれているファインやフイルム状物が処理槽壁や配管壁に付着して、配管を詰まらせることがある。
また処理水中に含まれているファインやフイルム状物が再びポリエステル樹脂のチップに付着し、この後、水分を乾燥除去する段階でポリエステル樹脂のチップにファインやフイルム状物が静電効果により付着するため、乾燥後にファインやフイルム状物除去を行なっても除去が困難となる。このファインやフイルム状物には結晶化促進効果があるため、ポリエステル樹脂の結晶性が促進されて、透明性の悪いボトルとなったり、また口栓部結晶化時の結晶化度が過大となり、口栓部の寸法が規格に入らなくなり口栓部のキャッピング不良となるのである。
したがって、本発明において、水処理槽から排出された後、少なくともその一部を再度処理槽へ戻して再利用される処理水中に存在する粒径が1〜40μmの粒子を100000個/10ml以下、好ましくは80000個/10ml以下、さらに好ましくは50000個/10ml以下に維持するのが望ましい。ここでは、このようにして処理槽に戻して再利用される処理水をリサイクル水と称する。
以下に該リサイクル水中の粒径が1〜40μmの粒子数を100000個/10ml以下にする方法を例示するが、本発明はこの限りではない。該リサイクル水中の粒径が1〜40μmの粒子数を100000個/10ml以下にする方法としては、処理槽から排出した処理水が再び処理槽に返されるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上に粒子を除去する装置を設置する。粒子を除去する装置としてはフィルタ−濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルタ−濾過装置であれば、方式として自動自己洗浄方式、ベルトフィルタ−方式、バグフィルタ−方式、カ−トリッジフィルタ−方式、遠心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に行うにはベルトフィルタ−方式、遠心濾過方式、バグフィルタ−方式の濾過装置が適している。またベルトフィルタ−方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金属、布等が挙げられる。また粒子の除去と処理水の流れを効率良く行なうため、フィルタ−の目のサイズは5〜100μm、好ましくは5〜70μm、さらに好ましくは5〜40μmがよい。
またポリエステル樹脂のチップと水蒸気または水蒸気含有ガスとを接触させて処理する場合は、50〜150℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気または水蒸気含有ガスを好ましくは粒状ポリエステル樹脂1kg当り、水蒸気として0.5g以上の量で供給させるか、または存在させて粒状ポリエステル樹脂と水蒸気とを接触させる。
これらのガス中の酸素濃度は、50ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下であることが好ましい。
この、ポリエステル樹脂のチップと水蒸気との接触は、通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜10時間行われる。
この、ポリエステル樹脂のチップと水蒸気との接触は、通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜10時間行われる。
以下に粒状ポリエステル樹脂と水蒸気または水蒸気含有ガスとの接触処理を工業的に行なう方法を例示するが、これに限定されるものではない。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない。
ポリエステル樹脂のチップをバッチ方式で水蒸気と接触処理をする場合は、サイロタイプの処理装置が挙げられる。すなわちポリエステル樹脂のチップをサイロへ受け入れ、バッチ方式で、水蒸気または水蒸気含有ガスを供給し接触処理を行なう。
ポリエステル樹脂のチップを連続的に水蒸気と接触処理する場合は塔型の処理装置に連続で粒状ポリエチレンテレフタレ−トを上部より受け入れ、並流あるいは向流で水蒸気を連続供給し水蒸気と接触処理させることができる。
上記の如く、水又は水蒸気で処理した場合は粒状ポリエステル樹脂を、例えば振動篩機、シモンカ−タ−などの水切り装置で水切りし、必要に応じて次の乾燥工程へ移送する。
水又は水蒸気と接触処理したポリエステル樹脂のチップの乾燥は通常用いられるポリエステル樹脂の乾燥処理を用いることができる。連続的に乾燥する方法としては、上部よりポリエステル樹脂のチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ−型の通気乾燥機が通常使用される。
バッチ方式で乾燥する乾燥機としては大気圧下で脱湿した不活性気体を通気しながら乾燥してもよい。
乾燥温度は約50℃〜約150℃、好ましくは約60℃〜約140℃であり、乾燥時間は3時間〜15時間、好ましくは4時間〜10時間である。
乾燥ガスとしては、露点が−25℃以下で、酸素濃度が100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下の不活性気体が好ましい。
なお、前記で用いる不活性気体としては、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガスなどが挙げられるが、窒素ガスが最も好都合である。
乾燥温度は約50℃〜約150℃、好ましくは約60℃〜約140℃であり、乾燥時間は3時間〜15時間、好ましくは4時間〜10時間である。
乾燥ガスとしては、露点が−25℃以下で、酸素濃度が100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下の不活性気体が好ましい。
なお、前記で用いる不活性気体としては、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガスなどが挙げられるが、窒素ガスが最も好都合である。
但し、不活性気体を用いると経済性が問題になる場合は、露点が−25℃以下であり、SOxが約0.01ppm以下、NOxが約0.01ppm以下の脱湿空気を用いて約50℃〜約100℃の温度で、約3時間〜約10時間の時間で乾燥することも可能である。この場合には、他の条件を厳しくすることで、蛍光発光強度を抑えることが必要である。なお、空気からSOx、NOxを除去する手段としては、活性炭フィルターや触媒作用のある金属粒子を含んだフィルター等を用いることができる。
また、乾燥装置では導入された樹脂が順次排出される構造とすることが好ましく、樹脂の平均滞留時間をtとすると、0.9tから1.1tの間に95重量%、好ましくは98重量%、さらに好ましくは99重量%の樹脂が排出されるような装置とすることが好ましい。これらの装置としては、縦型のホッパータイプの乾燥機で、乾燥されたチップの排出口が設置される下部の逆円錐状部分の頂角の角度をチップの安息角より適宜求めた角度にし、バッフルコーン等を設置したものや横型乾燥機で回転軸に輸送用パドルやディスクなどを設置したものなどが好ましい。
順次スムーズに排出されなかったりデッドスペースがあると、そこに長期滞留したチップ等は熱履歴が大きくなり、このチップが混入した場合、蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり問題となる可能性が非常に高い。
また、ポリエステル樹脂を水と分離する際、及びこれ以降のポリエステル樹脂と接触する気体も乾燥時の気体と同様の酸素濃度の不活性気体もしくは脱湿空気であることが好ましい。
種々の乾燥条件が上記の範囲を外れる場合には、ポリエステル樹脂の蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり問題となる可能性が非常に高い。
種々の乾燥条件が上記の範囲を外れる場合には、ポリエステル樹脂の蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり問題となる可能性が非常に高い。
また、乾燥装置にはチップやファイン等の形状異常品が長期滞留する可能性があるデッドスペースがないことも大切である。デッドスペースがあると、そこに長期滞留したチップ等は蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることがあり問題となる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法により、極限粘度が0.65〜0.90デシリットル/グラム、好ましくは0.68〜0.87デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.70〜0.85デシリットル/グラム、共重合されたジエチレングリコールが1.0〜3.5モル%、好ましくは1.3〜3.3モル%、さらに好ましくは1.5〜3.0モル%、密度が1.37g/cm3以上、好ましくは1.38〜1.43g/cm3、より好ましくは1.39〜1.42g/cm3、アセトアルデヒド含有量が10ppm以下、好ましくは8ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下、環状3量体含有量が0.7重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%以下、蛍光発光強度比が0.30以下、好ましくは0.20以下、より好ましくは0.10以下、さらに好ましくは0.06以下、射出成形して得られた成形板のヘイズが30%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、DSCで測定した前記成形板の昇温時の結晶化温度(Tc1)が150〜175℃、好ましくは153〜173℃、好ましくは155〜170℃、かつ前記成形体を熱機械分析(TMA)により測定した寸法変化率が1.0%〜7.0%、好ましくは1.5%〜6.0%、さらに好ましくは2.0%〜5.0%の範囲である、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トから構成されるポリエステル樹脂を得ることが出来る。
共重合されたジエチレングリコール含有量が3.5モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、蛍光発光強度比が0.30を越え、またアセトアルデヒド含有量が多くなり好ましくない。また、ジエチレングリコール含有量が1.0モル%未満のポリエステル樹脂を製造するには、エステル交換反応条件、エステル化反応条件あるいは重縮合条件として非経済的な製造条件を選択することが必要となり、コストが合わず、さらに得られたポリエステル樹脂の結晶化速度が速く、透明性の良い成形体を得ることが不可能となり、好ましくない。
Tc1が175℃を越える場合は、加熱結晶化速度が非常に遅くなり結晶化の改良効果が期待できない。また、Tc1が150℃未満の場合は、中空成形体の透明性が低下し問題となる。
寸法変化率が1.0%以下の場合は、耐熱性中空成形容器の透明性が低下し、特に1.5リッタ−以上の大型中空成形容器で問題となる。また、寸法変化率が1.0%に達しないポリエステル樹脂を製造するには、設備費が高くなり、生産性も非常に悪くなるなど問題点が多い。また、寸法変化率が7.0%を越える場合は、加熱結晶化速度が遅いために耐熱性中空成形体口栓部の加熱処理時の収縮量が大きくなり、内容物の漏れの問題が発生したり、また中空成形容器の生産性が悪くなり問題となる。またシ−トの真空成形の場合は成形後の収縮率が大となり,蓋の開封性や蓋との嵌合性が悪くなり問題となる。
なお、ここで、本発明のポリエステル樹脂を特定する成形体の寸法変化率は、(株)マック・サイエンス社製の熱機械分析(TMA)、タイプTMA4000Sを用いて、後記する方法によって測定した。
本発明のポリエステル樹脂のチップの形状は、シリンダ−型、角型、球状または扁平な板状等の何れでもよく、その平均粒径は、通常1.0〜5mm、好ましくは1.1〜4.5mm、さらに好ましくは1.2〜4.0mmの範囲である。例えば、シリンダ−型の場合は、長さは1.0〜4mm、径は1.0〜4mm程度であるのが実用的である。球状粒子の場合は、最大粒子径が平均粒子径の1.1〜2.0倍、最小粒子径が平均粒子径の0.7倍以上であるのが実用的である。また、チップの重量は2〜40mg/個の範囲が実用的である。
一般的にポリエステル樹脂は、製造工程中で発生する、共重合成分及び前記共重合成分含量がポリエステル樹脂のチップと同一である微粉、すなわち、ファインをかなりの量含んでいる。前記したように、このようなファインはポリエステル樹脂の結晶化を促進させる性質を持っており、多量に存在する場合には、前記ファインを含む前記ポリエステル樹脂組成物から成形したポリエステル成形体の透明性が非常に悪くなったり、またボトルの場合には、ボトル口栓部結晶化時の収縮量が規定値の範囲内に収まらずキャップで密栓できなくなるという問題が生じる。したがって、本発明のポリエステル樹脂中での前記ポリエステル樹脂と同一組成のポリエステル樹脂のファインの含有量は、0.1〜10000ppm、好ましくは0.5〜1000ppm、より好ましくは1〜500ppm、さらに好ましく1〜300ppm、最も好ましくは1〜100ppmであることが好ましい。配合量が0.1ppm未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、例えば、中空成形容器の口栓部の結晶化が不十分となり、このため口栓部の収縮量が規定値の範囲内に収まらず、キャッピング不可能となったり、また耐熱性中空成形容器を成形する延伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中空成形容器を得ようとすると頻繁に金型掃除をしなければならない。また10000ppmを超える場合は、結晶化速度が早くなると共に、その速度の変動も大きくなる。したがって、シート状物の場合は、透明性や表面状態が悪くなり、これを延伸した場合、厚み斑が悪くなる。また中空成形体の口栓部の結晶化度が過大、かつ変動大となり、このため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないため口栓部のキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる。特に、中空成形体用のポリエステル樹脂組成物のファイン含有量は、0.1〜500ppmが好ましい。
またこのようなファインやフイルム状物には、正常な融点より約10〜20℃以上高い融点を持つものが含まれている場合がある。溶融重縮合ポリエステルチップや固相重合ポリエステルチップに衝撃力やせん断力がかかる送り装置やチップにせん断力がかかる攪拌機などを用いたりする場合には、正常な融点より約10〜20℃以上高い融点のファインやフイルム状物が非常に多量に発生する。これは、チップ表面に加わる衝撃力等の大きな力のためにチップが発熱すると同時にチップ表面においてポリエステルの配向結晶化が起こり、緻密な結晶構造が生じるためではないかと推定される。このような高融点のファイン等を含有するポリエステル樹脂をさらに固相重合したり、後記する水との接触処理などを行うと、ファイン等の融点はさらに高くなることがある。本発明のポリエステル樹脂がPETの場合には、260℃〜265℃を超える融点を持つファインやフイルム状物が問題となる場合がある。
なお本発明においては、チップやファイン等の融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて下記の方法で測定するが、DSCの融解ピ−ク温度を融点と呼ぶ。そして、この融点を表す融解ピ−クは、1つ、またはそれ以上の複数の融解ピ−クから構成され、本発明では、融解ピークが1つの場合には、そのピーク温度を、また融解ピ−クが複数個の場合には、これらの複数の融解ピ−クの内、最も高温側の融解ピ−ク温度を、「ファインの融解ピ−ク温度の最も高温側のピ−ク温度」と称して、実施例等においては「ファインの融点」とする。
このような性状のファインやフイルム状物は、ポリエステル樹脂の結晶化をさらに一層促進させる効果を持っており、多量に存在する場合には得られた成形体の透明性が非常に悪くなり、時には結晶化で白化した異物状欠点の原因となる可能性がある。
しかし、前記の高融点のファイン等を含むポリエステル樹脂やポリエステル樹脂から透明性や延伸性の良好な中空成形用予備成形体やシ−ト状物を得ようとする場合には、例えばPETでは、300℃以上の高温度において溶融成形しなければならない。ところが、このような300℃以上の高温度では、ポリエステルの熱分解が激しくなり、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類等の副生物が大量に発生し、その結果得られた成形体等の内容物の風味などに大きな影響を及ぼすことになるのである。また、本発明のポリエステル組成物が、下記のようなポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ−ル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂を含む場合は、一般にこれらの樹脂は、本発明のポリエステル樹脂より熱安定性に劣る場合が多いので、上記のごとく300℃以上の高温度の成形においては熱分解を起して多量の副生物を発生させるため、得られた成形体等の内容物の風味などにより一層大きな影響を及ぼすことになる。
また、本発明のポリエステル樹脂がこのようなファイン等を含まないようにする方法の具体的な例をつぎに説明する。溶融重縮合ポリエステル樹脂の場合は、前記のように溶融重縮合後ダイスより溶融ポリエステルを水中に押出して水中でカットする方式、あるいは大気中に押出した後、直ちに冷却水で冷却しながらカットする方式によってチップ化し、ついでチップ状に形成したポリエステル樹脂チップを水切り後、振動篩工程および気体流による気流分級工程、あるいは水洗処理工程によって所定のサイズ以外の形状のチップやファインやフイルム状物を除去し、プラグ輸送方式やバケット式コンベヤ−輸送方式により貯蔵用タンクに送る。
前記タンクからのチップの抜出はスクリュ−式フィ−ダ−により、次工程へはプラグ輸送方式やバケット式コンベヤ−輸送方式によって輸送し、前記接触処理工程の直前や直後に空気流による気流分級工程によってファイン除去処理を行う。
次いで、前記のファインやフイルム状物の除去処理を行った溶融重縮合ポリエステル樹脂を再度、固相重合工程直前で空気流による気流分級工程によってファインやフイルム状物の除去を行い、固相重合工程へ投入する。溶融重縮合したプレポリマ−チップを固相重合設備へ輸送する際や固相重合後のポリエステル樹脂チップを篩分工程、前記接触処理工程や貯槽等へ輸送する際には、これらの輸送の大部分はプラグ輸送方式やバケット式コンベヤ輸送方式を採用し、また結晶化装置や固相重合反応器からのチップの抜出しはスクリュ−フィ−ダ−を使用するなどして、チップと工程の機器や輸送配管等との衝撃を出来るだけ抑えることができる装置を使用する。また、これらの輸送配管中やファインやフィルムの除去処理においても酸素濃度が100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下の不活性気体を用いることが好ましい。
また、蛍光を発光するチップを含有するポリエステル樹脂は、通常は、同程度に蛍光を発光するファインを含む。このような蛍光を発光したファインの結晶化促進効果は非常に大きく、上記と同程度、あるいは、それ以上に種々の問題を引き起こすので、このようなファインの含有量を可能な限り減らすようにすることが重要である。
また、前記のようにして得られたポリエステル樹脂は、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ−ル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂0.1ppb〜50000ppmを配合させることができる。本発明において用いられる前記樹脂のポリエステル樹脂への配合割合は、0.1ppb〜50000ppm、好ましくは0.3ppb〜10000ppm、より好ましくは0.5ppb〜1000ppm、さらに好ましくは0.5ppb〜100ppbである。配合量が0.1ppb未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、中空成形体の口栓部の結晶化が不十分となるため、サイクルタイムを短くすると口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッピング不良となったり、また、耐熱性中空成形体を成形する延伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中空成形体を得ようとすると頻繁に金型掃除をしなければならない。また50000ppmを超える場合は、結晶化速度が早くなり、中空成形体の口栓部の結晶化が過大となり、このため口栓部の収縮収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形体用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる。また、シ−ト状物の場合、50000ppmを越えると透明性が非常に悪くなり、また延伸性もわるくなって正常な延伸が不可能で、厚み斑の大きな、透明性の悪い延伸フイルムしか得られない。
本発明のポリエステル樹脂組成物に配合されるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはα−オレフィン系樹脂が挙げられる。またこれらの樹脂は結晶性でも非晶性でもかまわない。
本発明の製造方法によって得られたポリエステル樹脂に配合されるポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンと、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、不飽和エポキシ化合物等のビニル化合物との共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、超低・低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂が挙げられる。
また本発明のポリエステル樹脂組成物に配合されるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等のビニル化合物との共重合体、あるいはヘキサジエン、オクタジエン、デカジエン、ジシクロペンタジエン等のジエンとの共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、プロピレン単独重合体(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチックポリプロピレン)、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプロピレン系樹脂が挙げられる。
また本発明のポリエステル樹脂組成物に配合されるα−オレフィン系樹脂としては、4−メチルペンテン−1等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独重合体、それらのα−オレフィンと、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、ブテン−1単独重合体、4−メチルペンテン−1単独重合体、ブテン−1−エチレン共重合体、ブテン−1−プロピレン共重合体等のブテン−1系樹脂や4−メチルペンテン−1とC2〜C18のα−オレフィンとの共重合体、等が挙げられる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物に配合されるポリアミド樹脂としては、例えば、ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタムの重合体、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)等の脂環式ジアミン、m−又はp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等のジアミン単位と、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカルボン酸単位との重縮合体、及びこれらの共重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン611、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6、ナイロン6/MXD6、ナイロンMXD6/MXDI、ナイロン6/66、ナイロン6/610、ナイロン6/12、ナイロン6/6T、ナイロン6I/6T等が挙げられる。またこれらの樹脂は結晶性でも非晶性でもかまわない。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物に配合されるポリアセタ−ル樹脂としては、例えばポリアセタ−ル単独重合体や共重合体が挙げられる。ポリアセタ−ル単独重合体としては、ASTM−D792の測定法により測定した密度が1.40〜1.42g/cm3、ASTMD−1238の測定法により、190℃、荷重2160gで測定したメルトフロー比(MFR)が0.5〜50g/10分の範囲のポリアセタ−ルが好ましい。
また、ポリアセタ−ル共重合体としては、ASTM−D792の測定法により測定した密度が1.38〜1.43g/cm3、ASTMD−1238の測定法により、190℃、荷重2160gで測定したメルトフロー比(MFR)が0.4〜50g/10分の範囲のポリアセタ−ル共重合体が好ましい。これらの共重合成分としては、エチレンオキサイドや環状エ−テルが挙げられる。
本発明における前記のポリオレフィン樹脂等を配合したポリエステル樹脂組成物の製造は、前記ポリエステル樹脂に前記ポリオレフィン樹脂等の樹脂を、その含有量が前記範囲となるように直接に添加し溶融混練する方法、または、マスタ−バッチとして添加し溶融混練する方法等の慣用の方法によるほか、前記樹脂を、前記ポリエステル樹脂の製造段階、例えば、溶融重縮合時、溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重合時、固相重合直後等のいずれかの段階、または、製造段階を終えてから成形段階に到るまでの工程などで、粉粒体として直接に添加するか、或いは、前記ポリエステル樹脂チップを流動条件下に前記樹脂製部材に接触させる等の方法で混入させる方法、または前記の接触処理後、溶融混練する方法等によることもできる。
ここで、ポリエステル樹脂チップを流動条件下に前記樹脂製の部材に接触させる方法としては、前記樹脂製の部材が存在する空問内で、ポリエステル樹脂チップを前記部材に衝突接触させることが好ましく、具体的には、例えば、ポリエステル樹脂の溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重合直後等の製造工程時、また、ポリエステル樹脂チップの製品としての輸送段階等での輸送容器充填・排出時、また、ポリエステル樹脂チップの成形段階での成形機投入時、等における気力輸送配管、重力輸送配管、サイロ、マグネットキャッチャ−のマグネット部等の一部を前記樹脂製とするか、または、前記樹脂をライニングするとか、或いは前記移送経路内に棒状又は網状体等の前記樹脂製部材を設置する等して、ポリエステル樹脂チップを移送する方法が挙げられる。ポリエステル樹脂チップの前記部材との接触時間は、通常、0.01秒〜数分程度の極短時間であるが、ポリエステル樹脂に前記樹脂を微量混入させることができる。
本発明のポリエステル樹脂やポリエステル樹脂組成物は、使用済みPETボトルをケミカルリサイクル法によって精製し回収したジメチルテレフタレートやテレフタル酸などの原料を少なくとも出発原料の一部として用いて得たPETや、使用済みPETボトルをメカニカルリサイクル法により精製し回収したフレーク状PETやチップ状PETなどと混合して用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂あるいはポリエステル樹脂組成物は、中空成形体、トレ−、2軸延伸フイルム等の包装材、金属缶被覆用フイルム、モノフィラメントを含む繊維などとして好ましく用いることが出来る。また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、多層成形体や多層フイルム等の1構成層としても用いることが出来る。
本発明のポリエステル樹脂あるいはポリエステル樹脂組成物は、一般的に用いられる溶融成形法を用いてフィルム、シート、容器、その他の包装材料を成形することができる。また、本発明のポリエステル樹脂あるいはポリエステル樹脂組成物からなるシ−ト状物を少なくとも一軸方向に延伸することにより機械的強度を改善することが可能である。本発明のポリエステル樹脂あるいはポリエステル樹脂組成物からなる延伸フィルムは射出成形もしくは押出成形して得られたシート状物を、通常PETの延伸に用いられる一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸のうちの任意の延伸方法を用いて成形される。また圧空成形、真空成形によりカップ状やトレイ状に成形することもできる。
成形に先立ち、本発明の製造方法で得られたポリエステル樹脂は、通常は乾燥されるが、乾燥温度は約50℃〜約150℃、好ましくは約60℃〜約140℃であり、乾燥時間は約1時間〜約20時間、好ましくは約2時間〜10時間である。
乾燥ガスとしては、露点が−25℃以下で、酸素濃度が10ppm以下、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは3ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体が好ましく、またその変動巾が30%以内、好ましくは20%以内であることが好ましい。
なお、前記で用いる不活性気体としては、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガスなどが挙げられるが、窒素ガスが最も好都合である。
但し、不活性気体を用いると経済性が問題になる場合は、露点が−25℃以下であり、SOxが約0.01ppm以下、NOxが約0.01ppm以下の脱湿空気を用いて約50℃〜約100℃の温度で、約3時間〜約10時間の時間で乾燥することも可能である。この場合には、他の条件を厳しくすることで、蛍光発光強度を抑えることが必要である。なお、空気からSOx、NOxを除去する手段としては、活性炭フィルターや触媒作用のある金属粒子を含んだフィルター等を用いることができる。
但し、不活性気体を用いると経済性が問題になる場合は、露点が−25℃以下であり、SOxが約0.01ppm以下、NOxが約0.01ppm以下の脱湿空気を用いて約50℃〜約100℃の温度で、約3時間〜約10時間の時間で乾燥することも可能である。この場合には、他の条件を厳しくすることで、蛍光発光強度を抑えることが必要である。なお、空気からSOx、NOxを除去する手段としては、活性炭フィルターや触媒作用のある金属粒子を含んだフィルター等を用いることができる。
また、乾燥装置にはチップやファイン等の形状異常品が長期滞留する可能性があるデッドスペースがないことも大切である。デッドスペースがあると、そこに長期滞留したチップ等は蛍光発光強度比が0.30を越えて高くなることことがあり問題となる可能性が非常に高い。
以上、本発明のポリエステル樹脂やポリエステル樹脂組成物を得る手段を例示したが、これらの工程や必ずしもすべての条件を満足する必要があるわけではない。樹脂からの蛍光が強い場合、適宜上記の条件を厳しくする等の処置を行い、本発明の範囲のポリエステル樹脂を得、これを用いることができる。
以下には、PETの場合の種々の用途についての具体的な製法を簡単に説明する。
延伸フィルムを製造するに当たっては、延伸温度は通常は80〜130℃である。延伸は一軸でも二軸でもよいが、好ましくはフィルム実用物性の点から二軸延伸である。延伸倍率は一軸の場合であれば通常1.1〜10倍、好ましくは1.5〜8倍の範囲で行い、二軸延伸であれば縦方向および横方向ともそれぞれ通常1.1〜8倍、好ましくは1.5〜5倍の範囲で行えばよい。また、縦方向倍率/横方向倍率は通常0.5〜2、好ましくは0.7〜1.3である。得られた延伸フィルムは、さらに熱固定して、耐熱性、機械的強度を改善することもできる。 熱固定は通常緊張下、120℃〜240、好ましくは150〜230℃で、通常数秒〜数時間、好ましくは数十秒〜数分間行われる。
延伸フィルムを製造するに当たっては、延伸温度は通常は80〜130℃である。延伸は一軸でも二軸でもよいが、好ましくはフィルム実用物性の点から二軸延伸である。延伸倍率は一軸の場合であれば通常1.1〜10倍、好ましくは1.5〜8倍の範囲で行い、二軸延伸であれば縦方向および横方向ともそれぞれ通常1.1〜8倍、好ましくは1.5〜5倍の範囲で行えばよい。また、縦方向倍率/横方向倍率は通常0.5〜2、好ましくは0.7〜1.3である。得られた延伸フィルムは、さらに熱固定して、耐熱性、機械的強度を改善することもできる。 熱固定は通常緊張下、120℃〜240、好ましくは150〜230℃で、通常数秒〜数時間、好ましくは数十秒〜数分間行われる。
中空成形体を製造するにあたっては、本発明のポリエステル樹脂あるいはポリエステル樹脂組成物から成形したブリフォームを延伸ブロー成形してなるもので、従来PETのブロー成形で用いられている装置を用いることができる。具体的には例えば、射出成形または押出成形で一旦プリフォームを成形し、そのままあるいは口栓部、底部を加工後、それを再加熱し、ホットパリソン法あるいはコールドパリソン法などの二軸延伸ブロー成形法が適用される。この場合の成形温度、具体的には成形機のシリンダー各部およびノズルの温度は通常260〜300℃の範囲である。延伸温度は通常70〜120℃、好ましくは90〜110℃で、延伸倍率は通常縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲で行えばよい。得られた中空成形体は、そのまま使用できるが、特に果汁飲料、ウーロン茶などのように熱充填を必要とする飲料の場合には一般的に、さらにブロー金型内で熱固定処理を行い、耐熱性を付与して使用される。熱固定は通常、圧空などによる緊張下、100〜200℃、好ましくは120〜180℃で、数秒〜数時間、好ましくは数秒〜数分間行われる。
また、口栓部に耐熱性を付与するために、射出成形または押出成形により得られたプリフォ−ムの口栓部を遠赤外線や近赤外線ヒ−タ設置オ−ブン内で結晶化させたり、あるいはボトル成形後に口栓部を前記のヒ−タで結晶化させる。
本発明のポリエステル樹脂あるいはポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、酸素捕獲剤、外部より添加する滑剤や反応中に内部析出させた滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、染料、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。
本発明のポリエステル樹脂あるいはポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、酸素捕獲剤、外部より添加する滑剤や反応中に内部析出させた滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、染料、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。
また、本発明のポリエステル樹脂あるいはポリエステル樹脂組成物をフイルム用途に使用する場合には、滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性を改善するために、ポリエステル樹脂中に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の無機粒子、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等の有機塩粒子やジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体等の架橋高分子粒子などの不活性粒子を含有させることが出来る。
なお、本発明における、主な特性値の測定法を以下に説明する。
なお、本発明における、主な特性値の測定法を以下に説明する。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、主な特性値の測定法を以下に説明する。
なお、主な特性値の測定法を以下に説明する。
(1)ポリエステルの極限粘度(IV)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノ−ル(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノ−ル(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
(2)ポリエステルのジエチレングリコ−ル含有量(以下[DEG含有量」という)
メタノ−ルによって分解し、ガスクロマトグラフィ−によりDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合(モル%)で表した。
メタノ−ルによって分解し、ガスクロマトグラフィ−によりDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合(モル%)で表した。
(3)ポリエステルの環状3量体の含有量(以下「CT含有量」という)
試料を冷凍粉砕後、ヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈する。これにメタノ−ルを加えてポリマ−を沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテレフタレ−ト単位から構成される環状3量体を定量した。
試料を冷凍粉砕後、ヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈する。これにメタノ−ルを加えてポリマ−を沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテレフタレ−ト単位から構成される環状3量体を定量した。
(4)ポリエステルのアセトアルデヒド含有量(以下「AA含有量」という)
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度をppmで表示した。
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度をppmで表示した。
(5)ポリエステルの溶融時の環状3量体増加量(△CT量)
乾燥したポリエステルチップ3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させる。溶融時の環状3量体増加量は、次式により求める。
溶融時の環状3量体増加量(重量%)=
溶融後の環状3量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重量%)
乾燥したポリエステルチップ3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させる。溶融時の環状3量体増加量は、次式により求める。
溶融時の環状3量体増加量(重量%)=
溶融後の環状3量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重量%)
(6)ファインの含有量およびフイルム状物含有量の測定
樹脂約0.5kgを、JIS−Z8801による呼び寸法5.6mmの金網をはった篩(A)と呼び寸法1.7mmの金網をはった篩(直径20cm)(B)を2段に組合せた篩の上に乗せ、テラオカ社製揺動型篩い振トウ機SNF−7で1800rpmで1分間篩った。この操作を繰り返し、樹脂を合計20kg篩った。ただし、ファイン含有量が少ない場合には、試料の量を適宜変更する。
前記の篩(A)上に、厚みが約0.5mm以下のフイルム状物とは別に、2個以上のチップがお互いに融着したものや正常な形状より大きなサイズに切断されたチップ状物が捕捉されている場合は、これらを除去した残りの、厚みが約0.5mm以下のフイルム状物および篩(B)の下にふるい落とされたファインは、別々にイオン交換水で洗浄し岩城硝子社製G1ガラスフィルターで濾過して集めた。これらをガラスフィルタ−ごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガラスフィルタ−の重量を引き、ファイン重量およびフイルム状物の重量を求めた。ファイン含有量あるいはフイルム状物含有量は、ファイン重量またはフイルム状物重量/篩いにかけた全樹脂重量、である。これらの値より合計含有量を求める。
樹脂約0.5kgを、JIS−Z8801による呼び寸法5.6mmの金網をはった篩(A)と呼び寸法1.7mmの金網をはった篩(直径20cm)(B)を2段に組合せた篩の上に乗せ、テラオカ社製揺動型篩い振トウ機SNF−7で1800rpmで1分間篩った。この操作を繰り返し、樹脂を合計20kg篩った。ただし、ファイン含有量が少ない場合には、試料の量を適宜変更する。
前記の篩(A)上に、厚みが約0.5mm以下のフイルム状物とは別に、2個以上のチップがお互いに融着したものや正常な形状より大きなサイズに切断されたチップ状物が捕捉されている場合は、これらを除去した残りの、厚みが約0.5mm以下のフイルム状物および篩(B)の下にふるい落とされたファインは、別々にイオン交換水で洗浄し岩城硝子社製G1ガラスフィルターで濾過して集めた。これらをガラスフィルタ−ごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガラスフィルタ−の重量を引き、ファイン重量およびフイルム状物の重量を求めた。ファイン含有量あるいはフイルム状物含有量は、ファイン重量またはフイルム状物重量/篩いにかけた全樹脂重量、である。これらの値より合計含有量を求める。
(7)ポリエステルチップの平均密度、プリフォ−ム口栓部の密度および口栓部密度偏差
硝酸カルシュウム/水溶液の密度勾配管で30℃で測定した。
また、口栓部密度は、(9)の方法により結晶化させた試料10個の平均値として求め、また口栓部密度偏差は、この10個の値より求めた。
硝酸カルシュウム/水溶液の密度勾配管で30℃で測定した。
また、口栓部密度は、(9)の方法により結晶化させた試料10個の平均値として求め、また口栓部密度偏差は、この10個の値より求めた。
(8)ヘイズ(霞度%)および成形板ヘイズ斑
下記(14)の成形体(肉厚5mm)および(15)の中空成形体の胴部(肉厚約0.45mm)より試料を切り取り、日本電色(株)製ヘイズメ−タ−、modelNDH2000で測定。また、10回連続して成形した成形板(肉厚5mm)のヘイズを測定し、成形板ヘイズ斑は下記により求めた。
成形板ヘイズ斑(%)=ヘイズの最大値(%)−ヘイズの最小値(%)
下記(14)の成形体(肉厚5mm)および(15)の中空成形体の胴部(肉厚約0.45mm)より試料を切り取り、日本電色(株)製ヘイズメ−タ−、modelNDH2000で測定。また、10回連続して成形した成形板(肉厚5mm)のヘイズを測定し、成形板ヘイズ斑は下記により求めた。
成形板ヘイズ斑(%)=ヘイズの最大値(%)−ヘイズの最小値(%)
(9)プリフォ−ム口栓部の加熱による密度上昇
プリフォ−ム口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって180秒間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定した。
プリフォ−ム口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって180秒間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定した。
(10)ポリエステルの蛍光発光強度、蛍光発光強度比および成形体の蛍光発光の確認
1)蛍光発光強度比(B/A)
試料を冷凍粉砕機(SPEX Freezer Mill)で粉砕し、粉砕粉約1グラムを固体試料測定用セル(内径24.5mm、高さ2mm)に密な状態に詰め、石英ガラス板でカバーして分光蛍光光度計(島津製作所製の分光蛍光光度計、RF−540型)の試料ホルダーに装着する。45度の角度で励起光を入射して発光した蛍光を直角の方向に取り出し、分光器に導入して縦軸強度を0〜100とする蛍光スペクトルを下記の条件で測定する。
図3にPETの蛍光スペクトルを示す。
1)蛍光発光強度比(B/A)
試料を冷凍粉砕機(SPEX Freezer Mill)で粉砕し、粉砕粉約1グラムを固体試料測定用セル(内径24.5mm、高さ2mm)に密な状態に詰め、石英ガラス板でカバーして分光蛍光光度計(島津製作所製の分光蛍光光度計、RF−540型)の試料ホルダーに装着する。45度の角度で励起光を入射して発光した蛍光を直角の方向に取り出し、分光器に導入して縦軸強度を0〜100とする蛍光スペクトルを下記の条件で測定する。
図3にPETの蛍光スペクトルを示す。
得られた発光スペクトルの低波数側と高波数側に接線を引き、395nmにおけるスペクトルの点(a)から前記接線に下ろした垂線の交点(b)間の長さAおよび450nmにおけるスペクトルの点(c)から前記接線に下ろした垂線の交点(d)間の長さBを計測する。蛍光発光強度0から100 までの長さを100とした際の相対値でA、Bを表し、395nmの蛍光発光強度(A)、450nmの蛍光発光強度(B)とする。新しい試料に入れ替えて5回測定し、平均値を求める。なお、実際の測定では395nmのピーク、450nmのピークは数nmずれることがある。この場合はスペクトルピークの値を採用し、また、明確なピークが認められない場合には、395nmおよび450nmの値を採用する。
これらの平均値を用いて蛍光発光強度比は以下の式により求める。
蛍光発光強度比=B/A
これらの平均値を用いて蛍光発光強度比は以下の式により求める。
蛍光発光強度比=B/A
2)蛍光発光強度の測定条件
ABSCISSA SCALE(横軸):×2
ORDINATE SCALE((縦軸):×4
SCAN SPEED(走査速度):FAST
SENSITIVITY(感度):LOW
EXCITATION SLIT(励起側のスリット)(nm):5
EMISSION SLIT(発光側のスリット)(nm):5
EXCITATION WAVELENGTH(励起光波長):343nm
EMISSION START WAVELENGTH(発光開始波長):350nm
EMISSION END WAVELENGTH(発光終了波長):600nm
ABSCISSA SCALE(横軸):×2
ORDINATE SCALE((縦軸):×4
SCAN SPEED(走査速度):FAST
SENSITIVITY(感度):LOW
EXCITATION SLIT(励起側のスリット)(nm):5
EMISSION SLIT(発光側のスリット)(nm):5
EXCITATION WAVELENGTH(励起光波長):343nm
EMISSION START WAVELENGTH(発光開始波長):350nm
EMISSION END WAVELENGTH(発光終了波長):600nm
3)成形体の蛍光発光の確認
ブラックライト(ナショナルFL20S.BL−B、20W、300〜400nmの近紫外線を出す、最大波長352nm)を中空成形体などの成形体に照射し、肉眼で蛍光発光の状態を観察する。
ブラックライト(ナショナルFL20S.BL−B、20W、300〜400nmの近紫外線を出す、最大波長352nm)を中空成形体などの成形体に照射し、肉眼で蛍光発光の状態を観察する。
(11)成形体の昇温時の結晶化温度(Tc1)
セイコ−電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220で測定。下記(14)の成形板の2mm厚みのプレ−トの中央部からの試料10mgを使用。昇温速度20度C/分で昇温し、その途中において観察される結晶化ピ−クの頂点温度を測定し、昇温時結晶化温度(Tc1)とする。
セイコ−電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220で測定。下記(14)の成形板の2mm厚みのプレ−トの中央部からの試料10mgを使用。昇温速度20度C/分で昇温し、その途中において観察される結晶化ピ−クの頂点温度を測定し、昇温時結晶化温度(Tc1)とする。
(13)成形体の寸法変化率
下記(14)の段付成形板から3mm厚みのプレート部より8mm×10mmの大きさの試験片を切り出し、測定試料とした。成形板には、成形加工時の流動に由来する分子配向が存在するが、配向状態は成形板の部位によりまちまちである。そこで、偏光面を直交させた2枚の偏光板の間に成形板を挟み込み、偏光板表面に垂直な方向から可視光を照射した際の、成形板を透過する光の強度分布を観察することによって配向状態を確認した。上記寸法内に分子配向の不均一(配向度や配向方向のゆらぎなど)を含むことのない部位より試験片を切り出した。その際にあらかじめ光学異方性の方位を確認し、切り出す試験片の方位との関係を以下のようにする。光学異方性の方位は、偏光顕微鏡と鋭敏色検板を用い、新高分子実験学6 高分子の構造(2)(共立出版株式会社)に記載の方法で決定した。屈折率の小さい軸(光の速度が速い軸)の方向と、試験片の長軸が平行になるように切り出した。試験片を切り出す際に導入される配向乱れや切断面の凹凸は測定結果に著しく影響を与える。そこで、切断面の凹凸や配向の乱れた部位をカッターを用いて削除し、平坦な面を得た。
下記(14)の段付成形板から3mm厚みのプレート部より8mm×10mmの大きさの試験片を切り出し、測定試料とした。成形板には、成形加工時の流動に由来する分子配向が存在するが、配向状態は成形板の部位によりまちまちである。そこで、偏光面を直交させた2枚の偏光板の間に成形板を挟み込み、偏光板表面に垂直な方向から可視光を照射した際の、成形板を透過する光の強度分布を観察することによって配向状態を確認した。上記寸法内に分子配向の不均一(配向度や配向方向のゆらぎなど)を含むことのない部位より試験片を切り出した。その際にあらかじめ光学異方性の方位を確認し、切り出す試験片の方位との関係を以下のようにする。光学異方性の方位は、偏光顕微鏡と鋭敏色検板を用い、新高分子実験学6 高分子の構造(2)(共立出版株式会社)に記載の方法で決定した。屈折率の小さい軸(光の速度が速い軸)の方向と、試験片の長軸が平行になるように切り出した。試験片を切り出す際に導入される配向乱れや切断面の凹凸は測定結果に著しく影響を与える。そこで、切断面の凹凸や配向の乱れた部位をカッターを用いて削除し、平坦な面を得た。
また、試験片の密度や分子配向の度合いも結果に影響を及ぼす。密度及び複屈折の値は、それぞれ1.3345〜1.3355g/cm3及び1.30×10-4 〜1.50×10-4でなければならない。密度は、試験片採取部位の近傍よりサンプリングした樹脂を試料として、水系密度勾配管を用いて測定した。複屈折は、偏光顕微鏡(ニコン社製ECLIPSE E600 POL)を用いて、ベレックコンペンセーター法で測定した。測定値は試験片の中央部で得られた値を採用した。上記のように作製した試験片の昇降温過程の寸法変化を、(株)マック・サイエンス社製の熱機械分析(TMA)、タイプTMA 4000Sで測定した。測定は、圧縮荷重モードで行い、試験片の長軸に平行な方向の試料長の変化を観測した。0.2gの一定圧縮荷重、Ar雰囲気下で、室温から210℃まで試料の温度を27℃/min.の速度で昇温し、210℃で180秒間保持後、室温まで試料の温度を47℃/min.の速度で降温させ、寸法変化を測定した。寸法変化率の算出は、下記の式を用いた。
寸法変化率(%)=
100×〔(室温での測定前試料長)−(室温での測定後試料長)〕
/(室温での測定前試料長)
寸法変化率(%)=
100×〔(室温での測定前試料長)−(室温での測定後試料長)〕
/(室温での測定前試料長)
(14)段付成形板の成形
本特許記載にかかる段付成形板の成形においては、減圧乾燥機を用いて130℃で16時間程度減圧乾燥したポリエステルチップを名機製作所製射出成形機M−150C−DM型射出成形機により図1、図2に示すようにゲート部(G)を有する、2mm〜11mm(A部の厚み=2mm、B部の厚み=3mm、C部の厚み=4mm、D部の厚み=5mm、E部の厚み=10mm、F部の厚み=11mm)の厚さの段付成形板を射出成形した。
本特許記載にかかる段付成形板の成形においては、減圧乾燥機を用いて130℃で16時間程度減圧乾燥したポリエステルチップを名機製作所製射出成形機M−150C−DM型射出成形機により図1、図2に示すようにゲート部(G)を有する、2mm〜11mm(A部の厚み=2mm、B部の厚み=3mm、C部の厚み=4mm、D部の厚み=5mm、E部の厚み=10mm、F部の厚み=11mm)の厚さの段付成形板を射出成形した。
ヤマト科学製真空乾燥器DP61型を用いて予め減圧乾燥したポリエステルチップを用い、成形中にチップの吸湿を防止するために、成形材料ホッパー内は乾燥不活性気体(窒素ガス)パージを行った。M−150C−DM射出成形機による可塑化条件としては、フィードスクリュウ回転数=70%、スクリュウ回転数=120rpm、背圧0.5MPa、シリンダー温度はホッパー直下から順に45℃、250℃、以降ノズルを含め290℃に設定した。射出条件は射出速度及び保圧速度は20%、また成形品重量が146±0.2gになるように射出圧力及び保圧を調整し、その際保圧は射出圧力に対して0.5MPa低く調整した。
射出時間、保圧時間はそれぞれ上限を10秒、7秒,冷却時間は50秒に設定し、成形品取出時間も含めた全体のサイクルタイムは概ね75秒程度である。
金型には常時、水温10℃の冷却水を導入し温調するが、成形安定時の金型表面温度は22℃前後である。
金型には常時、水温10℃の冷却水を導入し温調するが、成形安定時の金型表面温度は22℃前後である。
成形品特性評価用のテストプレートは、成形材料導入し樹脂置換を行った後、成形開始から11〜18ショット目の安定した成形品の中から任意に選ぶものとした。
2mm厚みのプレート(図1のA部)は昇温時の結晶化温度(Tc1)測定、3mm厚みのプレート(図1のB部)は寸法変化率測定、5mm厚みのプレート(図1のD部)はヘイズ(霞度%)測定、に使用する。
2mm厚みのプレート(図1のA部)は昇温時の結晶化温度(Tc1)測定、3mm厚みのプレート(図1のB部)は寸法変化率測定、5mm厚みのプレート(図1のD部)はヘイズ(霞度%)測定、に使用する。
(15)中空成形体の成形
ポリエステルを脱湿空気を用いた乾燥機で常圧140℃、10時間乾燥し、各機製作所製M−150C―DM射出成形機により樹脂温度290℃でプリフォ−ムを成形した。このプリフォ−ムの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機で縦方法に約2.5倍、周方向に約3.8倍の倍率に二軸延伸ブロ−し、引き続き約150℃に設定した金型内で約7秒間熱固定し、容量が2000ccの容器(胴部肉厚0.45mm)を成形した。延伸温度は100℃にコントロ−ルした。
ポリエステルを脱湿空気を用いた乾燥機で常圧140℃、10時間乾燥し、各機製作所製M−150C―DM射出成形機により樹脂温度290℃でプリフォ−ムを成形した。このプリフォ−ムの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機で縦方法に約2.5倍、周方向に約3.8倍の倍率に二軸延伸ブロ−し、引き続き約150℃に設定した金型内で約7秒間熱固定し、容量が2000ccの容器(胴部肉厚0.45mm)を成形した。延伸温度は100℃にコントロ−ルした。
(16)中空成形体からの内容物の漏れ評価
前記(15)で成形した中空成形体に90℃の温湯を充填し、キャッピング機によりキャッピングをしたあと容器を倒し放置後、内容物の漏洩を調べた。また、キャッピング後の口栓部の変形状態も調べた。
前記(15)で成形した中空成形体に90℃の温湯を充填し、キャッピング機によりキャッピングをしたあと容器を倒し放置後、内容物の漏洩を調べた。また、キャッピング後の口栓部の変形状態も調べた。
(17)官能試験
前記(15)で成形した二軸延伸ブロー中空成形体に沸騰させた約95℃の蒸留水を入れ密栓後30分保持し、室温へ冷却し室温で1ヶ月間放置し、開栓後風味、アセトアルデヒド臭やその他の臭い、味覚等の官能試験を行った。比較用のブランクとして、蒸留水を使用。官能試験は10人のパネラーにより次の基準により実施し、平均値で比較した。
(評価基準)
◎ :異味、臭いを感じない
○ :ブランクとの差をわずかに感じる
△ :ブランクとの差を感じる
× :ブランクとのかなりの差を感じる
××:ブランクとの非常に大きな差を感じる
前記(15)で成形した二軸延伸ブロー中空成形体に沸騰させた約95℃の蒸留水を入れ密栓後30分保持し、室温へ冷却し室温で1ヶ月間放置し、開栓後風味、アセトアルデヒド臭やその他の臭い、味覚等の官能試験を行った。比較用のブランクとして、蒸留水を使用。官能試験は10人のパネラーにより次の基準により実施し、平均値で比較した。
(評価基準)
◎ :異味、臭いを感じない
○ :ブランクとの差をわずかに感じる
△ :ブランクとの差を感じる
× :ブランクとのかなりの差を感じる
××:ブランクとの非常に大きな差を感じる
(18)チップ化工程の冷却水の化学的酸素要求量(COD)(mg/l)
岩城硝子社製1G1ガラスフィルタ−で濾過した冷却水をJIS−K0101の方法に準じて測定する。
岩城硝子社製1G1ガラスフィルタ−で濾過した冷却水をJIS−K0101の方法に準じて測定する。
(19)チップ化工程の冷却水および水処理工程の導入水中のナトリウム含有量、カルシウム含有量、マグネシウム含有量および珪素含有量
粒子除去およびイオン交換済みの冷却水および導入水を採取し、岩城硝子社製1G1ガラスフィルタ−で濾過後、濾液を島津製作所製誘導結合プラズマ発光分析装置で測定。
粒子除去およびイオン交換済みの冷却水および導入水を採取し、岩城硝子社製1G1ガラスフィルタ−で濾過後、濾液を島津製作所製誘導結合プラズマ発光分析装置で測定。
(20)チップ化工程の冷却水、水処理工程の導入水中およびリサイクル水中の粒子数の測定
粒子除去およびイオン交換済みの冷却水、導入水、または濾過装置(5)および吸着塔(8)で処理したリサイクル水を光遮断法による粒子測定器である株式会社セイシン企業製のPAC 150を用いて測定し、粒子数を個/10mlで表示した。
粒子除去およびイオン交換済みの冷却水、導入水、または濾過装置(5)および吸着塔(8)で処理したリサイクル水を光遮断法による粒子測定器である株式会社セイシン企業製のPAC 150を用いて測定し、粒子数を個/10mlで表示した。
(21)溶存酸素濃度
工業用水試験方法、JIS−K0101の「24.溶存酸素」の項に記載された溶存酸素測定法によって測定する。ウインクラ−法、ウインクラ−アジ化ナトリウム変法、ミラ−変法又は隔膜電極法のいずれかの方法で測定する。なお、系外から導入される水は冷却水貯槽あるいは水処理槽のイオン交換水導入口の近くに設置した採取口より、また冷却水槽中または水処理槽中の処理水はそれぞれの水排出口から採取する。
工業用水試験方法、JIS−K0101の「24.溶存酸素」の項に記載された溶存酸素測定法によって測定する。ウインクラ−法、ウインクラ−アジ化ナトリウム変法、ミラ−変法又は隔膜電極法のいずれかの方法で測定する。なお、系外から導入される水は冷却水貯槽あるいは水処理槽のイオン交換水導入口の近くに設置した採取口より、また冷却水槽中または水処理槽中の処理水はそれぞれの水排出口から採取する。
(22)二酸化ゲルマニウムの結晶粒子サイズ
X線回折測定データを用い2θ=38°及び60°における結晶粒子サイズをScherrer式(α(Å)=Kλ/βcosθ (α:結晶粒子サイズ、 K定数=0.9、 λ:1.54Å、β:測定ピークの半値巾)を用いて各々算出し、その平均値を持って結晶粒子サイズとした。X線回析装置には理学電気工業社製X線回析装置を用いた。
X線回折測定データを用い2θ=38°及び60°における結晶粒子サイズをScherrer式(α(Å)=Kλ/βcosθ (α:結晶粒子サイズ、 K定数=0.9、 λ:1.54Å、β:測定ピークの半値巾)を用いて各々算出し、その平均値を持って結晶粒子サイズとした。X線回析装置には理学電気工業社製X線回析装置を用いた。
(23)二酸化ゲルマニウムのラマンスペクトル
ラマンスペクトルは分析手法としてレーザラマン分光法を用いた。測定条件は以下のとおりである。
測定条件
励起光源 アルゴンイオンレーザー(波長:488nm)
試料調整 窒素雰囲気下で試料をガラス製NMRチューブに充填して測定した。
検出器 光電子像倍管(PM)
測定条件 slit 200μm
laser 150mW
測定装置にはレニショー社製のラマンシステムを用いた。
ラマンスペクトルは分析手法としてレーザラマン分光法を用いた。測定条件は以下のとおりである。
測定条件
励起光源 アルゴンイオンレーザー(波長:488nm)
試料調整 窒素雰囲気下で試料をガラス製NMRチューブに充填して測定した。
検出器 光電子像倍管(PM)
測定条件 slit 200μm
laser 150mW
測定装置にはレニショー社製のラマンシステムを用いた。
(実施例1)
高純度テレフタル酸とエチレングリコ−ルを原料として用いて、連続溶融重縮合装置及び連続固相重合装置によりPETを得た。
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、スラリー調合槽で調整した高純度テレフタル酸とエチレングリコ−ルとのスラリ−を連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2で所定の反応度まで反応を行った。また、非晶性二酸化ゲルマニウム(X線の結晶ピークなし、ラマンスペクトルもピークなし)のエチレングリコ−ル溶液および燐酸のエチレングリコ−ル溶液を別々に第2エステル化反応器に連続的に供給した。なお、これらの調合槽や各反応器には酸素濃度が1ppm以下の窒素ガスを流通させて、スラリー調合槽の気相中の酸素濃度は20〜30ppm以下、第1及び第2エステル化反応器の気相中の酸素濃度は20〜30ppm以下に維持した。また、触媒溶液や燐酸溶液の調合槽、保管・供給槽には酸素濃度が約1ppm以下の窒素ガスをバブリングさせ、触媒溶液および燐酸溶液の調合槽、保管・供給槽の気相には同様の窒素ガス流通させた。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで重縮合させた。溶融重縮合プレポリマ−の極限粘度は0.55dl/gであった。
高純度テレフタル酸とエチレングリコ−ルを原料として用いて、連続溶融重縮合装置及び連続固相重合装置によりPETを得た。
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、スラリー調合槽で調整した高純度テレフタル酸とエチレングリコ−ルとのスラリ−を連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2で所定の反応度まで反応を行った。また、非晶性二酸化ゲルマニウム(X線の結晶ピークなし、ラマンスペクトルもピークなし)のエチレングリコ−ル溶液および燐酸のエチレングリコ−ル溶液を別々に第2エステル化反応器に連続的に供給した。なお、これらの調合槽や各反応器には酸素濃度が1ppm以下の窒素ガスを流通させて、スラリー調合槽の気相中の酸素濃度は20〜30ppm以下、第1及び第2エステル化反応器の気相中の酸素濃度は20〜30ppm以下に維持した。また、触媒溶液や燐酸溶液の調合槽、保管・供給槽には酸素濃度が約1ppm以下の窒素ガスをバブリングさせ、触媒溶液および燐酸溶液の調合槽、保管・供給槽の気相には同様の窒素ガス流通させた。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで重縮合させた。溶融重縮合プレポリマ−の極限粘度は0.55dl/gであった。
得られた溶融重縮合プレポリマーを、細孔より下記の水質の約20℃の冷却水中に押出して水中でカットしてチップ化し、固液分離後遠心分離によりチップ付着水を約1000ppm以下とした。工業用水(河川伏流水由来)を凝集沈殿装置、フィルタ−濾過装置、窒素ガス吹き込み加熱式脱気装置、活性炭吸着装置およびイオン交換装置で処理した、粒径1〜25μmの粒子が約800個/10ml、ナトリウム含有量が0.07ppm、マグネシウム含有量が0.04ppm、カルシウム含有量が0.03ppm、珪素含有量が0.10ppm、CODが0.3mg/l、溶存酸素約28.0cm3/lの導入水をチップ化工程の冷却水貯蔵タンクに導入し、またチップ化工程からの排出水を濾材が紙製の30μmの連続式フィルターであるファイン除去装置およびエチレングリコ−ル等を吸着処理させる活性炭吸着塔で処理後、前記の冷却水貯蔵タンクにほぼ全量を戻して前記の導入水と混合し、冷却水として用いる。この冷却水を連続的に循環させながら不足分を系外から前記の導入水を補給して冷却水として使用する。冷却水のCODは0.3〜0.5mg/lであった。
次いで、振動式篩分工程および気流分級工程によってファインおよびフイルム状物を除去することにより、ファイン含有量を約50ppm以下としたあと、溶融重縮合プレポリマーを連続固相重合装置の予備結晶化装置に供給するまでの間、大気下に約3〜5時間程度保管しただけで直ちに結晶化装置に送り、酸素濃度20ppm以下の窒素ガス流通下に約155℃で3時間連続的に結晶化し、次いで塔型固相重合器に投入し、酸素濃度15〜20ppm以下の窒素ガス流通下、約207℃で連続的に固相重合し、固相重合ポリエステル樹脂を得た。予備結晶化、固相重合にはサイロ型の容器を用い下部の角度は樹脂の安息角より5度大きく取り、バッフルコーンを設置した。固相重合後篩分工程およびファイン除去工程で連続的に処理しファインやフイルム状物を除去した。なお、固相重合器から排出される窒素ガス中の酸素濃度は30ppm以下であった。
なお、溶融重縮合反応器及び固相重合反応器の攪拌機のシール部には酸素濃度が1ppmの酸素濃度の窒素ガスを流した。溶融重縮合PETチップや固相重合PETチップの輸送は、ほぼバケット式コンベヤ−輸送方式やプラグ輸送方式を用い、反応器や貯槽からの抜き出しはスクリュウ式フィーダーを主に用いた。また、各工程の輸送中は酸素濃度30〜50ppmの窒素雰囲気とし、気流分級でも酸素濃度30〜50ppmの窒素ガスを用いた。
このようにして、極限粘度が0.76デシリットル/グラム、DEG含有量が2.7モル%、AA含有量が2.9pm、環状3量体の含有量が0.33重量%、環状3量体増加量は0.46重量%、蛍光発光強度比が0.05、ファイン含有量が約50ppmのPETを得た。また原子吸光分析により測定したGe残存量は約48ppm、またP残存量は約30ppmであった。
このPETについて、前記の(14)および(15)の方法により得られた成形板及び二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。得られたPET、これを成形した成形板および二軸延伸成形ボトルの特性を表1に示す。
段付成形板(5mm厚み)のヘイズは3.9%、成形板ヘイズ斑は0.2%、Tc1は172℃、寸法変化率は3.0%であり、またボトルの口栓部の密度は1.377g/cm3、口栓部密度偏差は0.002g/cm3と問題なかった。ボトルの透明性も0.7%と良好であった。また、内容物の漏れ試験でも、問題はなく、口栓部の変形もなかった。
官能試験の結果、アセトアルデヒド臭、その他の異臭および味は問題なかった。
また、測定法(10)によりブラックライトをボトルに照射して肉眼観察したが、問題となるような蛍光の状態ではなかった。
また、測定法(10)によりブラックライトをボトルに照射して肉眼観察したが、問題となるような蛍光の状態ではなかった。
(実施例2)
原料スラリー調合槽やエステル化反応器への窒素ガスの流通、溶融重縮合器の攪拌機のシール部への窒素ガスの流通を中止する以外は実施例1と同様にして溶融重縮合を行い、極限粘度が0.55dl/gのプレポリマーを得た。
このプレポリマーを、実施例1と同様にして連続固相重合装置に供給して固相重合を実施し、極限粘度が0.75デシリットル/グラム、DEG含有量が2.6モル%、環状3量体の含有量が0.35重量%、AA含有量が2.9pm、蛍光発光強度比が0.07、ファイン含有量は約50ppmのPETを得た。また原子吸光分析により測定したGe残存量は約47ppm、またP残存量は約30ppmであった。
これを実施例1と同様にして評価した。
得られたPET、これを成形した成形板および二軸延伸成形ボトルの特性を表1に示す。
結果は問題なかった。
原料スラリー調合槽やエステル化反応器への窒素ガスの流通、溶融重縮合器の攪拌機のシール部への窒素ガスの流通を中止する以外は実施例1と同様にして溶融重縮合を行い、極限粘度が0.55dl/gのプレポリマーを得た。
このプレポリマーを、実施例1と同様にして連続固相重合装置に供給して固相重合を実施し、極限粘度が0.75デシリットル/グラム、DEG含有量が2.6モル%、環状3量体の含有量が0.35重量%、AA含有量が2.9pm、蛍光発光強度比が0.07、ファイン含有量は約50ppmのPETを得た。また原子吸光分析により測定したGe残存量は約47ppm、またP残存量は約30ppmであった。
これを実施例1と同様にして評価した。
得られたPET、これを成形した成形板および二軸延伸成形ボトルの特性を表1に示す。
結果は問題なかった。
(比較例1)
重縮合触媒溶液や燐酸溶液の調合槽、保管・供給槽への窒素ガスバブリングや両者の溶液槽の気相への窒素ガス流通を中止し、原料調合槽〜エステル化反応にかけての反応槽に窒素ガスを流通させず(これらの反応器の気相中の酸素濃度を1000ppm以上)、反応器の攪拌機のシール部へ窒素ガスを流さず、またチップ冷却水としては約10〜15℃の工業用水をそのまま用いる以外は実施例1と同様にして溶融重縮合を行い、極限粘度が0.56dl/g、DEG含有量が4.7モル%のプレポリマーを得た。但し、プレポリマーのDEG含有量が前記を満足するようにエステル化反応槽にはジエチレングリコールを添加した。
重縮合触媒溶液や燐酸溶液の調合槽、保管・供給槽への窒素ガスバブリングや両者の溶液槽の気相への窒素ガス流通を中止し、原料調合槽〜エステル化反応にかけての反応槽に窒素ガスを流通させず(これらの反応器の気相中の酸素濃度を1000ppm以上)、反応器の攪拌機のシール部へ窒素ガスを流さず、またチップ冷却水としては約10〜15℃の工業用水をそのまま用いる以外は実施例1と同様にして溶融重縮合を行い、極限粘度が0.56dl/g、DEG含有量が4.7モル%のプレポリマーを得た。但し、プレポリマーのDEG含有量が前記を満足するようにエステル化反応槽にはジエチレングリコールを添加した。
チップ化時の冷却に用いた工業用水は、粒径1〜25μmの粒子が約60000〜80000個/10ml、ナトリウム含有量が3.5〜5.5ppm、マグネシウム含有量が0.8〜1.5ppm、カルシウム含有量が2.0〜2.5ppm、珪素含有量が3.0〜4.5ppm、CODが4.5〜6.8mg/l、溶存酸素量が約42〜45cm3/lであり、チップ化時の付着水は約5000〜7000ppmであった。
このプレポリマーを、実施例1と同様にして連続固相重合装置に供給して固相重合を実施し、極限粘度が0.75デシリットル/グラム、DEG含有量が4.7モル%、環状3量体の含有量が0.35重量%、AA含有量が4.3pm、蛍光発光強度比が0.39、ファイン含有量は約50ppmのPETを得た。また原子吸光分析により測定したGe残存量は約45ppm、またP残存量は約30ppmであった。
このプレポリマーを、実施例1と同様にして連続固相重合装置に供給して固相重合を実施し、極限粘度が0.75デシリットル/グラム、DEG含有量が4.7モル%、環状3量体の含有量が0.35重量%、AA含有量が4.3pm、蛍光発光強度比が0.39、ファイン含有量は約50ppmのPETを得た。また原子吸光分析により測定したGe残存量は約45ppm、またP残存量は約30ppmであった。
これを実施例1と同様にして評価した。
得られたPET、これを成形した成形板および二軸延伸成形ボトルの特性を表1に示す。
得られたボトルの透明性は悪く、その胴部には灰褐色の異物が散見され、また口栓部の変形、及び内容物の漏洩を調べたが、内容物の漏れが認められた。官能試験の結果は、アセトアルデヒド臭はわずかで問題なかったが、その他の臭いを感知し、また味もブランクと比べてかなりの差があり、「×」であった。
また、測定法(10)の方法でブラックライトをボトルに照射して肉眼観察したが、蛍光発光はひどく、問題であった。
得られたPET、これを成形した成形板および二軸延伸成形ボトルの特性を表1に示す。
得られたボトルの透明性は悪く、その胴部には灰褐色の異物が散見され、また口栓部の変形、及び内容物の漏洩を調べたが、内容物の漏れが認められた。官能試験の結果は、アセトアルデヒド臭はわずかで問題なかったが、その他の臭いを感知し、また味もブランクと比べてかなりの差があり、「×」であった。
また、測定法(10)の方法でブラックライトをボトルに照射して肉眼観察したが、蛍光発光はひどく、問題であった。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法により、透明性に優れ、適度で、かつ安定した結晶化速度を持ち、耐熱寸法安定性および香味保持性に優れ、紫外線照射時に蛍光の発光が防止された成形体、特に耐熱性中空成形体を与えるポリエステル樹脂を得ることができる。さらに、成形前に過度の乾燥等に晒されても、安定した品質の成型品を得ることが出来る。
Claims (7)
- 非晶性二酸化ゲルマニウムを重縮合触媒として用いて重縮合させて得られた、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル樹脂の溶融重縮合ポリマーを、化学的酸素要求量(COD)が2.0mg/l以下の冷却水を用いて冷却しながらチップ化することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
- 不活性気体雰囲気下に調製および保管した非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液、あるいは大気下に調製し不活性気体雰囲気下に保管した非晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液のいずれかを重縮合触媒溶液として用いることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
- チップ化工程の冷却水として、少なくともイオン交換装置で処理した水を使用することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られたポリエステル樹脂を固相重合することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られたポリエステル樹脂を水と接触処理させることを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかのポリエステル樹脂の製造方法によって得られたポリエステル樹脂が、極限粘度が0.65〜0.90デシリットル/グラム、共重合されたジエチレングリコールが1.0〜3.5モル%、密度が1.37g/cm3以上、アセトアルデヒド含有量が10ppm以下、環状3量体含有量が0.7重量%以下、蛍光発光強度比が0.30以下、射出成形して得られた成形板のヘイズが30%以下、DSCで測定した前記成形板の昇温時の結晶化温度(Tc1)が150〜175℃で、かつ前記成形体を熱機械分析(TMA)により測定した寸法変化率が1.0%〜7.0%の範囲であることを特徴とする、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トから構成されるポリエステル樹脂。
- 請求項6のポリエステル樹脂にポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ−ル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂を配合させてなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
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JP2004060281A JP2004285350A (ja) | 2003-03-04 | 2004-03-04 | ポリエステル樹脂の製造方法および得られたポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂組成物 |
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2004
- 2004-03-04 JP JP2004060281A patent/JP2004285350A/ja active Pending
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