JP2004285300A - 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法 - Google Patents

接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004285300A
JP2004285300A JP2003082377A JP2003082377A JP2004285300A JP 2004285300 A JP2004285300 A JP 2004285300A JP 2003082377 A JP2003082377 A JP 2003082377A JP 2003082377 A JP2003082377 A JP 2003082377A JP 2004285300 A JP2004285300 A JP 2004285300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
atom
tert
component
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003082377A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Takaoki
和夫 高沖
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2003082377A priority Critical patent/JP2004285300A/ja
Publication of JP2004285300A publication Critical patent/JP2004285300A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

【課題】高分子量の付加重合体が得られる付加重合用触媒の成分に用いられる接触処理物、該接触処理物を用いてなる付加重合用触媒成分、該付加重合用触媒成分を用いてなる付加重合用触媒、およびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e)を接触させてなる接触処理物。
(a)M
(b)R s−1
(c)R t−2
(d)界面活性剤
(e)担体
(Mは第3族〜第12族、第14族、第15族またはランタノイド系列の金属原子を表し、rはMの原子価を表し、Lは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基または炭化水素オキシ基を表し、TおよびTはそれぞれ独立に第15族または第16族の非金属原子を表し、sはTの原子価を、tはTの原子価を表し、Rは電子吸引性基を有する基または電子吸引性基を表し、Rは炭化水素基を表す。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、付加重合用触媒成分として有用な接触処理物、該接触処理物からなる付加重合用触媒成分、該付加重合用触媒成分を用いてなる付加重合用触媒、および、該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン重合体は、機械的性質、耐薬品性等に優れ、またそれらの特性と経済性とのバランスが優れていることにより、包装分野をはじめ多くの分野に用いられている。これらのオレフィン重合体の製造に用いられる付加重合用触媒としては、従来、主として三塩化チタンや四塩化チタンなどの第4族金属化合物を用いて得られた固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物に代表される第13族金属化合物とを組み合わせた、従来型固体触媒(マルチサイト触媒)が用いられてきた。ところが、近年、従来型固体触媒により製造される付加重合体よりもベタツキが少なく、強度に優れる付加重合体が得られる付加重合用触媒として、メタロセン錯体やハーフメタロセン錯体などのメタロセン錯体類などからなる触媒成分と、アルミノキサンやトリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどの活性化用助触媒成分とを接触してなる、いわゆるシングルサイト触媒が提案され、該触媒を工業的規模で使用する検討が行われている(例えば、特許文献1、特許文献2など。)。また、昨今では、活性化用助触媒成分として、ジエチル亜鉛とペンタフルオロフェノールと水とを接触してなる化合物が開発され、該化合物とメタロセン錯体とを接触してなる触媒が、活性の高い触媒として提案されている(例えば、特許文献3など。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭58−19309号公報
【特許文献2】
特表平1−502036号公報
【特許文献3】
特開2001−247612号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記触媒を用いてオレフィン類の付加重合を行った場合、得られる付加重合体の分子量の高さは、十分満足のいくものではなかった。
かかる現状のもと、本発明が解決しようとする課題は、高分子量の付加重合体が得られる付加重合用触媒の成分に用いられる接触処理物、該接触処理物を用いてなる付加重合用触媒成分、該付加重合用触媒成分を用いてなる付加重合用触媒、およびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第一は、下記成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e)を接触させてなる接触処理物に係るものである。
(a):下記一般式[1]で表される化合物
[1]
(b):下記一般式[2]で表される化合物
s−1H [2]
(c):下記一般式[3]で表される化合物
t−2 [3]
(d):界面活性剤
(e):担体
(上記一般式[1]〜[3]において、Mは元素の周期律表の第3族〜第12族、第14族、第15族またはランタノイド系列の金属原子を表し、rはMの原子価を表し、Lは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基または炭化水素オキシ基を表し、Lが複数存在する場合は夫々のLは互いに同じであっても異なっていてもよく、TおよびTはそれぞれ独立に元素の周期律表の第15族または第16族の非金属原子を表し、sはTの原子価を、tはTの原子価を表し、Rは電子吸引性基を有する基または電子吸引性基を表し、Rが複数存在する場合は夫々のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、Rは炭化水素基を表し、Rが複数存在する場合は夫々のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。)
本発明の第二は、上記接触処理物からなる付加重合用触媒成分にかかるものである。
本発明の第三は、上記付加重合用触媒成分を用いれなる付加重合用触媒にかかるものである。
本発明の第四は、上記付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法にかかるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の成分(a)は、下記一般式[1]で表される化合物である。
[1]
上記一般式[1]におけるMは、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第3族〜第12族、第14族、第15族またはランタノイド系列の金属原子を表す。その具体例としては、スカンジウム原子、イットリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、クロム原子、モリブデン原子、マンガン原子、レニウム原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、白金原子、銅原子、銀原子、金原子、亜鉛原子、カドミウム原子、水銀原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子、アンチモン原子、ビスマス原子、サマリウム原子、イッテルビウム原子等が挙げられる。Mとして好ましくは、第5族〜第12族、第14族または第15族の金属原子であり、より好ましくは、第8族〜第12族、第14族または第15族の金属原子であり、更に好ましくは第12族、第14族または第15族の金属原子であり、特に好ましくは第12族の金属原子であり、最も好ましくは亜鉛原子である。
【0007】
上記一般式[1]におけるrはMの原子価を表し、例えばMが亜鉛原子の場合、rは2である。
【0008】
上記一般式[1]におけるLは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基または炭化水素オキシ基を表し、Lが複数存在する場合は夫々のLは互いに同じであっても異なっていてもよい。Lにおけるハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。Lにおける炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基が好ましい。Lにおける炭化水素オキシ基としてはアルコキシ基またはアリールオキシ基が好ましい。
【0009】
に用いられるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられる。
【0010】
に用いられるアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などが挙げられる。
またLに用いられるアルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0011】
に用いられるアルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基またはイソブチル基である。
【0012】
に用いられるアリール基としては、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0013】
に用いられるアリール基としては、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、より好ましくはフェニル基またはトリル基である。
【0014】
に用いられるアラルキル基としては、例えばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられる。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0015】
に用いられるアラルキル基としては、炭素原子数7〜20のアラルキル基が好ましく、より好ましくはベンジル基である。
【0016】
に用いられるアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基などが挙げられる。
これらのアルコキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0017】
に用いられるアルコキシ基としては、炭素原子数1〜20のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、ネオペンチルオキシ基またはtert−ペンチルオキシ基である。
【0018】
に用いられるアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、2−トリルオキシ基、3−トリルオキシ基、4−トリルオキシ基、2,3−キシリルオキシ基、2,4−キシリルオキシ基、2,5−キシリルオキシ基、2,6−キシリルオキシ基、3,4−キシリルオキシ基、3,5−キシリルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、n−ペンチルフェノキシ基、ネオペンチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−ドデシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基などが挙げられる。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0019】
に用いられるアリールオキシ基としては、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基が好ましく、より好ましくはフェノキシ基である。
【0020】
として好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、特に好ましくはアリール基である。
【0021】
成分(a)を具体的に例示すると、Mが亜鉛原子の場合の具体例としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛、ジアリル亜鉛、ビス(シクロペンタジエニル)亜鉛等のジアルキル亜鉛;ジフェニル亜鉛、ジナフチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛等のジアリール亜鉛;塩化メチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、塩化プロピル亜鉛、塩化ノルマルブチル亜鉛、塩化イソブチル亜鉛、塩化ノルマルヘキシル亜鉛、臭化メチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、臭化プロピル亜鉛、臭化ノルマルブチル亜鉛、臭化イソブチル亜鉛、臭化ノルマルヘキシル亜鉛、よう化メチル亜鉛、よう化エチル亜鉛、よう化プロピル亜鉛、よう化ノルマルブチル亜鉛、よう化イソブチル亜鉛、よう化ノルマルヘキシル亜鉛等のハロゲン化アルキル亜鉛;ふっ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等のハロゲン化亜鉛等が挙げられる。
【0022】
成分(a)として好ましくは、ジアルキル亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛、ジアリル亜鉛またはビス(シクロペンタジエニル)亜鉛であり、特に好ましくはジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛である。
【0023】
本発明の成分(b)は、下記一般式[2]で表される化合物である。
s−1H [2]
上記一般式[2]におけるTは元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第15族または第16族の非金属原子を表す。第15族の非金属原子の具体例としては、窒素原子、リン原子などが挙げられ、第16族の非金属原子の具体例としては、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。Tとして好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、特に好ましくは酸素原子である。
【0024】
上記一般式[2]におけるsはTの原子価を表し、Tが第15族の非金属原子の場合sは3であり、Tが第16族の非金属原子の場合sは2である。
【0025】
上記一般式[2]におけるRは、電子吸引性基を有する基または電子吸引性基を表し、Rが複数存在する場合は夫々のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。電子吸引性の指標としては、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子吸引性基として挙げられる。
【0026】
電子吸引性基の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、フェニル基等が挙げられる。電子吸引性基を有する基としてはハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基などのハロゲン化炭化水素基;シアノ化アリール基などのシアノ化炭化水素基;ニトロ化アリール基などのニトロ化炭化水素基;アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基などの炭化水素オキシカルボニル基やアシロキシ基などが挙げられる。
【0027】
に用いられるハロゲン化アルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル基、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基 、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル基 、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル基等が挙げられる。
【0028】
に用いられるハロゲン化アリール基の具体例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタブロモフェニル基、ペンタヨードフェニル基等の芳香族環の水素がハロゲンで置換されたアリール基が挙げられる。
【0029】
また、Rに用いられるハロゲン化アリール基の具体例としては、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基等のハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基が挙げられる。
【0030】
に用いられるシアノ化アリール基の具体例としては、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基等が挙げられる。
【0031】
に用いられるニトロ化アリール基の具体例としては、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基等が挙げられる。
【0032】
に用いられるアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ノルマルプロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0033】
に用いられるアラルキルオキシカルボニル基の具体例としては、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0034】
に用いられるアリールオキシカルボニル基の具体例としては、フェノキシカルボニル基、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0035】
に用いられるアシロキシ基の具体例としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0036】
として好ましくはハロゲン化炭化水素基であり、より好ましくはハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、更に好ましくはフルオロアルキル基、フルオロアリール基、クロロアルキル基またはクロロアリール基であり、更により好ましくは、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基であり、特に好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、4−フルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基であり、最も好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基である。
【0037】
成分(b)の具体例として、アミン類としては、ジ(フルオロメチル)アミン、ジ(クロロメチル)アミン、ジ(ブロモメチル)アミン、ジ(ヨードメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(ジクロロメチル)アミン、ビス(ジブロモメチル)アミン、ビス(ジヨードメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(トリクロロメチル)アミン、ビス(トリブロモメチル)アミン、ビス(トリヨードメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2−クロロフェニル)アミン、ビス(3−クロロフェニル)アミン、ビス(4−クロロフェニル)アミン、ビス(2−ブロモフェニル)アミン、ビス(3−ブロモフェニル)アミン、ビス(4−ブロモフェニル)アミン、ビス(2−ヨードフェニル)アミン、ビス(3−ヨードフェニル)アミン、ビス(4−ヨードフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジクロロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジクロロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジブロモフェニル)アミン、ビス(3,5−ジブロモフェニル)アミン、ビス(2,6−ジヨードフェニル)アミン、ビス(3,5−ジヨードフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリヨードフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタクロロフェニル)アミン、ビス(ペンタブロモフェニル)アミン、ビス(ペンタヨードフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミン等が挙げられる。
【0038】
成分(b)の具体例としてホスフィン類としては、上記のアミン類の具体例の窒素原子をリン原子に置換した化合物等が挙げられる。
【0039】
成分(b)の具体例としてアルコール類としては、フルオロメタノール、クロロメタノール、ブロモメタノール、ヨードメタノール、ジフルオロメタノール、ジクロロメタノール、ジブロモメタノール、ジヨードメタノール、トリフルオロメタノール、トリクロロメタノール、トリブロモメタノール、トリヨードメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリブロモエタノール、2,2,2−トリヨードエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエタノール、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエタノール、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエタノール、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエタノール、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエタノール等が挙げられる。
【0040】
成分(b)の具体例としてチオール類としては、上記アルコール類の具体例の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物等、例えば、上記アルコール類の具体例のメタノールをメタンチオールに、エタノールをエタンチオールに、プロパノールをプロパンチオールに書き換えることによって表される化合物等が挙げられる。
【0041】
化合物(b)の具体例としてフェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、2−ヨードフェノール、3−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,6−ジブロモフェノール、3,5−ジブロモフェノール、2,6−ジヨードフェノール、3,5−ジヨードフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、2,4,6−トリヨードフェノール、ペンタフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタヨードフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール等が挙げられる。
【0042】
成分(b)の具体例としてチオフェノール類としては、上記フェノール類の具体例の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物等、例えば、上記フェノール類の具体例のフェノールをチオフェノールに書き換えることによって表される化合物等が挙げられる。
【0043】
成分(b)の具体例としてカルボン酸類としては、2−フルオロ安息香酸、3−フルオロ安息香酸、4−フルオロ安息香酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、2,5−ジフルオロ安息香酸、2,6−ジフルオロ安息香酸、2,3,4−トリフルオロ安息香酸、2,3,5−トリフルオロ安息香酸、2,3,6−トリフルオロ安息香酸、2,4,5−トリフルオロ安息香酸、2,4,6−トリフルオロ安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸、2,3,4,6−テトラフルオロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロパノイック酸、ヘプタフルオロブタノイック酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノイック酸等が挙げられる。
【0044】
成分(b)の具体例としてスルホン酸類としては、フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸等が挙げられる。
【0045】
成分(b)として好ましくは、アミン類としては、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、またはビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、アルコール類としては、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、フェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、カルボン酸類としては、ペンタフルオロ安息香酸、またはトリフルオロ酢酸、スルホン酸類としては、トリフルオロメタンスルホン酸である。
【0046】
成分(b)としてより好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、さらに好ましくは、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフロエタノールである。
【0047】
本発明の成分(c)は、下記一般式[3]で表される化合物である。
t−2 [3]
上記一般式[3]におけるTは元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第15族または第16族の非金属原子を表す。第15族の非金属原子の具体例としては、窒素原子、リン原子などが、第16族の非金属原子の具体例としては、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。Tとして好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、特に好ましくは酸素原子である。
【0048】
上記一般式[3]におけるtはTの原子価を表し、Tが第15族の非金属原子の場合tは3であり、Tが第16族の非金属原子の場合tは2である。
【0049】
上記一般式[3]におけるRは炭化水素基を表し、Rが複数存在する場合は夫々のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。Rにおける炭化水素基としては、上記一般式[1]のLとして例示した炭化水素基、上記一般式[2]のRとして例示したハロゲン化炭化水素をあげることができる。
【0050】
として好ましくは、ハロゲン化炭化水素基であり、さらに好ましくはフッ化炭化水素基である。
【0051】
成分(c)として好ましくは、水、硫化水素、アルキルアミン、アリールアミンまたはアラルキルアミンであり、より好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン、アリルアミン、シクロペンタジエニルアミン、アニリン、2−トリルアミン、3−トリルアミン、4−トリルアミン、2,3−キシリルアミン、2,4−キシリルアミン、2,5−キシリルアミン、2,6−キシリルアミン、3,4−キシリルアミン、3,5−キシリルアミン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、tert−ブチルアニリン、n−ペンチルアニリン、ネオペンチルアニリン、n−ヘキシルアニリン、n−オクチルアニリン、n−デシルアニリン、n−ドデシルアニリン、n−テトラデシルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、
【0052】
ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン、フルオロメチルアミン、クロロメチルアミン、ブロモメチルアミン、ヨードメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、ジクロロメチルアミン、ジブロモメチルアミン、ジヨードメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、トリクロロメチルアミン、トリブロモメチルアミン、トリヨードメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,2−トリクロロエチルアミン、2,2,2−トリブロモエチルアミン、2,2,2−トリヨードエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチルアミン、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチルアミン、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチルアミン、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチルアミン、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチルアミン、
【0053】
2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、2,6−ジヨードアニリン、3,5−ジヨードアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、2,4,6−トリヨードアニリン、ペンタフルオロアニリン、ペンタクロロアニリン、ペンタブロモアニリン、ペンタヨードアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリンまたは2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリンである。
【0054】
成分(c)として更に好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、2,6−キシリルアミン、2,4,6−トリメチルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、ベンジルアミン、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、特に好ましくは、水、トリフルオロメチルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、もっとも好ましくは水、ペンタフルオロアニリンである。
【0055】
本発明の成分(d)は界面活性剤であり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤のいずれも用いることができる。
【0056】
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ココ(ヤシ)アルキルアミン、水添レイプシード(菜種)アルキルアミン、水添タロー(牛脂)アルキルアミン、オレイルアミン、レイプシード(菜種)アルキルアミン、ソヤ(大豆)アルキルアミン、タロー(牛脂)アルキルアミン等の第1級アミン;ジココ(ヤシ)アルキルアミン、ジ(水添タロー(牛脂)アルキル)アミン等の第2級アミン;トリデシルアミン、トリヘキサデシルアミン、ドデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、ココ(ヤシ)アルキルジメチルアミン、水添タロー(牛脂)アルキルジメチルアミン、オレイルジメチルアミン、ソヤ(大豆)アルキルジメチルアミン、タロー(牛脂)アルキルジメチルアミン、ジ(ドデシル)メチルアミン、ジ(ヘキサデシル)メチルアミン、ジ(オクタデシル)メチルアミン、ジ(ココ(ヤシ)アルキル)メチルアミン、ジ(水添タロー(牛脂)アルキル)メチルアミン、ジ(オレイル)メチルアミン、ジ(ソヤ(大豆)アルキル)メチルアミン、ジ(タロー(牛脂)アルキル)メチルアミン等の第3級アミン;N−ココ(ヤシ)アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−オレイル−1,3−ジアミノプロパン、N−ソヤ(大豆)アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−タロー(牛脂)アルキル−1,3−ジアミノプロパン等のジアミン;N−タロー(牛脂)アルキルジプロピレントリアミン等のトリアミン;N−タロー(牛脂)アルキルトリプロピレンテトラミン等のテトラミン;脂肪アミンエチレンオキシド付加物(アクゾノーベルによりエソミンとして販売);脂肪アルコールエチレンオキシド付加物(アクゾノーベルによりベロールとして販売);脂肪酸エチレンオキシド付加物(アクゾノーベルによりエソファットとして販売);アルキルアマイドエチレンオキシド付加物(アクゾノーベルによりエソマイドとして販売)等が挙げれらる。
【0057】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩(アクゾノーベルによってアーカードとして販売);ドデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ココ(ヤシ)アルキルトリメチルアンモニウム塩、ソヤ(大豆)アルキルトリメチルアンモニウム塩、タロー(牛脂)アルキルトリメチルアンモニウム塩等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジココ(ヤシ)アルキルジメチルアンモニウム塩、ジ(水添タロー(牛脂)アルキル)ジメチルアンモニウム塩等のジアルキルジメチルアンモニウム塩;トリヘキサデシルメチルアンモニウム塩等のトリアルキルメチルアンモニウム塩;ベンジルジメチルココ(ヤシ)アルキルアンモニウム塩、ベンジルジメチル(水添タロー(牛脂)アルキル)アンモニウム塩等のベンジルジメチルアルキルアンモニウム塩;ベンジルメチルジ(水添タロー(牛脂)アルキル)アンモニウム塩等のベンジルメチルジアルキルアンモニウム塩;ポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩(アクゾノーベルによってエソカードとして販売)等が挙げられる。
【0058】
アニオン性界面活性剤を具体的に例示すると、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリル酸、ヤシ油や大豆油や牛脂などから得られる脂肪酸などの脂肪酸と、ナトリウムやカリウムなどとの塩である長鎖脂肪族カルボン酸塩;長鎖アルキル基(ドデシル、セチル、ステアリル、オレイル、パルミチル、ラウリルなど)が付いたスルホン酸とナトリウムやカリウムなどとの塩、長鎖アルキル基(ドデシル、セチル、ステアリル、オレイル、パルミチル、ラウリルなど)が付いたベンゼンスルホン酸とナトリウムやカリウムなどとの塩等のスルホン酸塩等が挙げられる。
【0059】
成分(d)としては、下記一般式[4]で示される化合物が好ましい。
N [4]
上記一般式[4]におけるRは炭化水素基を表し、夫々のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。Rにおける炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましい。
【0060】
のアルキル基としては、炭素原子数1〜100のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ドコシル基、2−(3−メチルヘキシル)−7−メチルデシル基、天然物(ヤシ油、大豆油、牛脂など)由来の長鎖アルキル基などが挙げられる。
【0061】
のアルケニル基としては、炭素原子数1〜100のアルケニル基が好ましく、9−シス−オクタデセニル基;ヤシ油、大豆油、牛脂などの天然物由来の長鎖アルケニル基などが挙げられる。
【0062】
のアルキル基およびアルケニル基は、いずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0063】
上記一般式[4]におけるRとして好ましくはアルキル基である。
【0064】
また、上記一般式[4]において、少なくとも1つのRは、炭素原子数12〜100の炭化水素基であることが好ましく、少なくとも2つのRは、炭素原子数12〜100の炭化水素基であることがより好ましい。該炭素原子数12〜100の炭化水素基としては、好ましくは、炭素原子数12〜100のアルキル基であり、より好ましくは、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、n−ドコシル基、2−(3−メチルヘキシル)−7−メチルデシル基または天然物(ヤシ油、大豆油、牛脂など)由来の長鎖アルキル基であり、さらに好ましくは、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、n−ドコシル基、2−(3−メチルヘキシル)−7−メチルデシル基または天然物(ヤシ油、大豆油、牛脂など)由来の長鎖アルキル基であり、特に好ましくは、n−オクタデシル基である。
【0065】
上記一般式[4]で表される化合物の具体例としては、好ましくは、メチルジオクタデシルアミンである。
【0066】
本発明の成分(e)は担体であり、多孔質物質が好適に用いられ、無機物質または有機ポリマーがより好適に用いられ、無機物質がさらに好適に用いられる。
【0067】
成分(e)に用いられる無機物質の例としては、無機酸化物等が挙げられ、粘土や粘土鉱物等も使用可能である。これらは混合して用いてもかまわない。
【0068】
成分(e)に用いられる無機酸化物の具体例としては、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等、およびこれらの混合物、例えば、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgOなどを例示することができる。これらの無機酸化物の中では、SiOまたはAlが好ましく、SiOがより好ましい。なお、上記無機酸化物には少量のNaCO、KCO、CaCO、MgCO、NaSO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NO、Al(NO、NaO、KO、LiO等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもかまわない。
【0069】
また、無機酸化物には通常、表面に水酸基が生成し存在しているが、無機酸化物としてはその表面水酸基の活性水素を種々の置換基で置換した改質無機酸化物を使用してもよく、該置換基としては、置換基はシリル基が好ましい。改質無機酸化物として具体的には、トリメチルクロロシランやtert−ブチルジメチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン等のトリアリールクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等のアリールトリクロロシラン、トリメチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコシキシラン、ジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のアルキルジシラザン、テトラクロロシランなどと接触処理した無機酸化物が挙げられる。
【0070】
成分(e)に用いられる粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられる。これらの中で好ましくは、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイトまたはサポナイトであり、さらに好ましくはモンモリロナイトまたはヘクトライトである。
【0071】
成分(e)に用いられる無機物質としては、無機酸化物が好ましい。
【0072】
成分(e)に用いられるこれらの無機物質としては、加熱処理により乾燥させたものが好ましく用いられる。該加熱処理の温度は、通常100〜1500℃であり、好ましくは100〜1000℃であり、さらに好ましくは200〜800℃である。該加熱処理の時間は特に限定されるものではないが、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。該加熱処理の方法としては、加熱した上で、例えば、乾燥された不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で数時間以上流通させる方法、あるいは、数時間減圧する方法等が挙げられるが、その方法は限定されることはない。
【0073】
無機物質からなる成分(e)の平均粒子径は、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmであり、さらに好ましくは10〜100μmである。無機物質からなる成分(e)の細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。無機物質からなる成分(e)の比表面積は、好ましくは10〜1000m/gであり、より好ましくは100〜500m/gである。
【0074】
成分(e)に用いられる有機ポリマーとしては、特に制限はなく、また2種以上の有機ポリマーを混合物として用いても構わないが、活性水素を有する基および/または非プロトン供与性のルイス塩基性基を有する重合体が好ましい。
【0075】
活性水素を有する基としては、活性水素を有しておれば特に制限はなく、具体例としては1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはチオール基である。特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシ基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0076】
非プロトン供与性のルイス塩基性基としては、活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する基であれば特に制限はなく、具体例としてはピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、置換スルホン酸基等が挙げられる。好ましくは、複素環基であり、さらに好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基であり、特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基またはN−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0077】
重合体中のかかる活性水素を有する基および非プロトン供与性のルイス塩基性基の量としては、重合体単位グラム当りの該基のモル量は、好ましくは0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
【0078】
かかる基を有する重合体は、例えば、活性水素を有する基および/または非プロトン供与性のルイス塩基性基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合することにより、またはこれと重合性不飽和基を1個以上有する他のモノマーとを共重合することにより得ることができる。また、該他のモノマーの少なくとも1種に、重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーを用いることが好ましい。
【0079】
かかる活性水素を有する基および/または非プロトン供与性のルイス塩基性基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーとしては、上記の活性水素を有する基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマー、上記の活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーなどを挙げることができる。かかる重合性不飽和基の例としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチン基等のアルキニル基等が挙げられる。
【0080】
活性水素を有する基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーの例としては、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、ビニル基含有ヒドロキシ化合物等を挙げることができる。具体例としては、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール等が挙げられる。
【0081】
非プロトン供与性のルイス塩基性基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーの具体例としては、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、ビニル(N−置換)インダゾール等を挙げることができる。
【0082】
重合性不飽和基を1個以上有する他のモノマーとしては、オレフィン、芳香族ビニル化合物等が例示され、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレンなどが挙げられる。好ましくはエチレンまたはスチレンである。これらのモノマーは2種以上を用いてもよい。また、重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーの具体例としては、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0083】
有機ポリマーからなる成分(e)の平均粒子径は、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。有機ポリマーからなる成分(e)の細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。有機ポリマーからなる成分(e)の比表面積は、好ましくは10〜1000m/gであり、より好ましくは50〜500m/gである。
【0084】
成分(e)に用いられるこれらの有機ポリマーとしては、加熱処理により乾燥させたものが好ましく用いられる。該加熱処理の温度は、通常30〜400℃であり、好ましくは50〜200℃であり、さらに好ましくは70〜150℃である。該加熱処理の時間は特に限定されるものではないが、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。該加熱処理の方法としては、加熱した上で、例えば、乾燥された不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で数時間以上流通させる方法、あるいは、数時間減圧する方法等が挙げられるが、その方法は限定されることはない。
【0085】
成分(e)の粒径の体積基準の幾何標準偏差は、好ましくは2.5以下であり、より好ましくは2.0以下であり、さらに好ましくは1.7以下である。
【0086】
本発明の接触処理物は、上記の成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e)を接触させて得られる接触処理物(以下、接触処理物(A)と称する。)である。
【0087】
成分(a)〜(c)の接触処理量としては、各成分の接触処理量のモル比率を成分(a):成分(b):成分(c)=1:y:zとすると、yおよびzが下記式(I)を充足することが好ましく、下記式(II)を充足することがより好ましい。
|r−y−2z|≦0.2 (I)
r=y+2z (II)
(上記式(I)、(II)において、rはMの原子価を表す。)
【0088】
また、成分(b)の接触処理量は、成分(a)1モル当たり、好ましくは0.01〜1.99モルであり、より好ましくは0.1〜1.8モルであり、更に好ましくは0.2〜1.5モルであり、特に好ましくは0.3〜1モルである。
【0089】
成分(d)の接触処理量は、成分(a)1モル当たり、好ましくは0.01〜0.7モルであり、より好ましくは0.05〜0.6モルであり、更に好ましくは0.08〜0.5モルであり、特に好ましくは0.1〜0.4モルである。
【0090】
成分(e)の接触処理量としては、接触処理物(A)単位重量当たりの成分(a)由来のM原子の含有量が0.1mmol/g以上となる接触処理量であることが好ましく、該含有量が0.5〜20mmol/gとなる接触処理量であることがより好ましい。
【0091】
成分(a)〜(e)の接触処理は不活性気体雰囲気にて実施されるのが好ましい。接触処理温度は通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触処理時間は通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。
【0092】
成分(a)〜(e)の接触処理は溶媒を用いてもよく、溶媒を用いることなく成分(a)〜(e)を直接接触処理してもよい。該溶媒としては、接触させる成分のそれぞれと接触させて得られる接触処理物に対し不活性である溶媒が通常用いられる。また、下記のように、段階的に各成分を接触させる場合には、各段階に応じて溶媒を適宜変更してもよい。使用され得る溶媒としては、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒などの非極性溶媒;またはハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、フェノール系溶媒、カルボニル系溶媒、リン酸誘導体、ニトリル系溶媒、ニトロ化合物、アミン系溶媒、硫黄化合物などの極性溶媒が挙げられる。具体例としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジフルオロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチル−エーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒;フェノール、p−クレゾール等のフェノール系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のカルボニル系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル等のリン酸誘導体;アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ピリジン、ピペリジン、モルホリン等のアミン系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物が挙げられる。
【0093】
成分(a)〜(e)を接触させる方法としては、例えば以下に挙げる方法を採用することが出来る。
(イ):成分(a)と成分(b)を接触させた後に成分(c)を接触させ、次に成分(d)を接触させ、更に成分(e)を接触させる方法。
(ロ):成分(a)と成分(b)を接触させた後に成分(c)を接触させ、次に成分(e)を接触させ、更に成分(d)を接触させる方法。
(ハ):成分(a)と成分(b)を接触させた後に成分(d)を接触させ、次に成分(c)を接触させ、更に成分(e)を接触させる方法。
(ニ):成分(a)と成分(b)を接触させた後に成分(d)を接触させ、次に成分(e)を接触させ、更に成分(c)を接触させる方法。
(ホ):成分(a)と成分(b)を接触させた後に成分(e)を接触させ、次に成分(c)を接触させ、更に成分(d)を接触させる方法。
(ヘ):成分(a)と成分(b)を接触させた後に成分(e)を接触させ、次に成分(d)を接触させ、更に成分(c)を接触させる方法。
(ト):成分(a)と成分(d)を接触させた後に成分(b)を接触させ、次に成分(c)を接触させ、更に成分(e)を接触させる方法。
(チ):成分(a)と成分(d)を接触させた後に成分(b)を接触させ、次に成分(e)を接触させ、更に成分(c)を接触させる方法。
(リ):成分(a)と成分(d)を接触させた後に成分(c)を接触させ、次に成分(b)を接触させ、更に成分(e)を接触させる方法。
(ヌ):成分(a)と成分(d)を接触させた後に成分(c)を接触させ、次に成分(b)を接触させ、更に成分(e)を接触させる方法。
(ル):成分(a)と成分(d)を接触させた後に成分(e)を接触させ、次に成分(b)を接触させ、更に成分(c)を接触させる方法。
(ヲ):成分(a)と成分(d)を接触させた後に成分(e)を接触させ、次に成分(c)を接触させ、更に成分(b)を接触させる方法。
好ましくは、成分(a)〜(d)を接触させた後に成分(e)を接触させる方法であり、より好ましくは、成分(a)〜(c)を接触させた後に成分(d)を接触させ、更に成分(e)を接触させる方法、あるいは、成分(a)と成分(b)と成分(d)を接触させた後に成分(c)を接触させ、更に成分(e)を接触させる方法であり、更に好ましくは、上記(イ)または(ハ)の方法であり、特に好ましくは上記(イ)の方法である。
【0094】
成分(a)〜(e)を接触させる方法において、成分(a)〜(e)から選択された任意の成分を接触させた後、該接触処理物を精製し、該精製物に選択されなかった残りの成分を接触させる方法を行ってもよく、成分(a)〜(e)から選択された任意の成分を接触させた後、該接触処理物を精製せずに、該接触処理物に選択されなかった残りの成分を接触させる方法を行ってもよい。
【0095】
接触処理の後、反応をより進行させるため、加熱処理を行ってもよい。加熱処理においては、より高温とするためより沸点の高い溶媒を使用することが好ましく、そのために接触処理に用いた溶媒を他のより沸点の高い溶媒に置換してもよい。
【0096】
また、本発明の接触処理物(A)は、上記成分(a)〜(d)の接触処理の結果、原料である成分が未反応物として残存してもよいが、接触処理物(A)を付加重合体粒子の形成を伴う重合に用いる場合、予め未反応物を溶剤などで除去する洗浄処理を行った方が好ましい。洗浄処理は不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましく、洗浄処理の温度は、通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃であり、洗浄処理の時間は通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。
【0097】
また、接触処理や洗浄処理の後、生成物から溶媒を留去して接触処理物(A)を取り出し、乾燥処理を行うことが好ましい。乾燥処理は減圧下で行われることが好ましく、乾燥処理の温度は、通常25℃以上であり、より好ましくは40〜200℃であり、さらに好ましくは60〜200℃であり、特に好ましくは60〜160℃であり、最も好ましくは80〜160℃であり、乾燥処理の時間は、好ましくは1〜24時間であり、より好ましくは2〜18時間であり、さらに好ましくは4〜18時間である。
【0098】
本発明の接触処理物(A)の製造方法の具体例を、成分(a)がジエチル亜鉛であり、成分(b)がペンタフルオロフェノールであり、成分(c)が水であり、成分(d)がメチルジオクタデシルアミンであり、成分(e)がシリカである場合についてさらに詳細に以下に示す。トルエンを溶媒とし、そこへジエチル亜鉛のヘキサン溶液を加え、ジエチル亜鉛に対して等モル量のペンタフルオロフェノール、ジエチル亜鉛に対して0.5倍モル量の水を滴下し70℃で10分〜24時間撹袢する。その後、ジエチル亜鉛に対して0.2倍モル量のメチルジオクタデシルアミンを加え、70℃で10分〜24時間撹袢する。これにシリカを加え、70℃で10分間〜24時間攪拌する。固体成分をトルエンで洗浄した後、室温で減圧下乾燥を行い、接触処理物(A)を得る。
【0099】
本発明の接触処理物(A)は、付加重合用触媒成分として好適に用いられる。該付加重合用触媒成分を用いる付加重合用触媒の具体例としては、接触処理物(A)、および元素の周期律表の第3〜12族またはランタノイド系列の金属の化合物(以下、化合物(B)と称する。)を接触させてなる付加重合用触媒;接触処理物(A)、化合物(B)および有機アルミニウム化合物(以下、化合物(C)と称する。)を接触させてなる付加重合用触媒などが挙げられ、好ましくは、接触処理物(A)、化合物(B)および化合物(C)を接触させてなる付加重合用触媒である。
【0100】
化合物(B)としては、例えば下記一般式 [5]で表される金属化合物や、そのμ−オキソタイプの金属化合物などが挙げられる。
[5]
(式中、aは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表す。Mは元素の周期律表の第3〜12族またはランタノイド系列の金属原子を表す。Lはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基を表し、Lが複数ある場合は、それらは互いに同じであっても異なってもよく、複数のLは、炭素原子、けい素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子およびリン原子から選ばれる原子を含有する残基を介して、あるいは直接連結されていてもよい。Xはハロゲン原子、炭化水素基(但し、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く。)または炭化水素オキシ基を表し、Xが複数ある場合は、それらは互いに同じであっても異なってもよい。)
【0101】
一般式[5]において、Mは元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第3〜12族またはランタノイド系列の金属原子である。その具体例としては、スカンジウム原子、イットリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、モリブデン原子、タングステン原子、マンガン原子、テクネチウム原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子等が挙げられる。Mとして好ましくは周期律表の第3族〜11族の金属原子であり、さらに好ましくは周期律表第3族〜第7族の金属原子であり、特に好ましくは周期律表第4族の金属原子である。
【0102】
一般式[5]におけるaは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表し、Mの価数に応じて適宜選択される。
【0103】
一般式[5]において、Lはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、複数のLは同じであっても異なっていてもよい。また複数のLは、炭素原子、けい素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子およびリン原子から選ばれる原子を含有する残基を介して、あるいは直接連結されていてもよい。
【0104】
におけるシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基は例えばη−(置換)シクロペンタジエニル基、η−(置換)インデニル基、η−(置換)フルオレニル基などである。具体的に例示すれば、η−シクロペンタジエニル基、η−メチルシクロペンタジエニル基、η−tert−ブチルシクロペンタジエニル基、η−1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、η−1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、η−1−tert−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル基、η−1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル基、η−1−メチル−2−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η−1−メチル−3−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η−1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、η−1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−ペンタメチルシクロペンタジエニル基、η−インデニル基、η−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、η−2−メチルインデニル基、η−3−メチルインデニル基、η−4−メチルインデニル基、η−5−メチルインデニル基、η−6−メチルインデニル基、η−7−メチルインデニル基、η−2−tert−ブチルインデニル基、η−3−tert−ブチルインデニル基、η−4−tert−ブチルインデニル基、η−5−tert−ブチルインデニル基、η−6−tert−ブチルインデニル基、η−7−tert−ブチルインデニル基、η−2,3−ジメチルインデニル基、η−4,7−ジメチルインデニル基、η−2,4,7−トリメチルインデニル基、η−2−メチル−4−イソプロピルインデニル基、η−4,5−ベンズインデニル基、η−2−メチル−4,5−ベンズインデニル基、η−4−フェニルインデニル基、η−2−メチル−5−フェニルインデニル基、η−2−メチル−4−フェニルインデニル基、η−2−メチル−4−ナフチルインデニル基、η−フルオレニル基、η−2,7−ジメチルフルオレニル基、η−2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、およびこれらの置換体等が挙げられる。
【0105】
に用いられるヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等が挙げられ、かかる基の例としてはアルコキシ基;アリールオキシ基;チオアルコキシ基;チオアリールオキシ基;アルキルアミノ基;アリールアミノ基;アルキルホスフィノ基;アリールホスフィノ基;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる少なくとも一つの原子を環内に有する芳香族もしくは脂肪族複素環基;キレート性配位子などが挙げられる。
【0106】
ヘテロ原子を含有する基としては具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基,2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、4−n−プロピルフェノキシ基、2−イソプロピルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、4−sec−ブチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−sec−ブチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメトキシフェノキシ基、3,5−ジメトキシフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、4−ニトロソフェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基、2−アミノフェノキシ基、3−アミノフェノキシ基、4−アミノチオフェノキシ基、2,3,6−トリクロロフェノキシ基、2,4,6−トリフルオロフェノキシ基、チオメトキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、イソプロピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ピロリル基、ジメチルホスフィノ基、2−(2−オキシ−1−プロピル)フェノキシ基、カテコール、レゾルシノール、4−イソプロピルカテコール、3−メトキシカテコール、1,8−ジヒドロキシナフチル基、1,2−ジヒドロキシナフチル基、2,2’−ヒフエニルジオール基、1,1’−ビ−2−ナフトール基、2,2’−ジヒドロキシ−6,6’−ジメチルビフェニル基、4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−2,2’メチレンジフェノキシ基、4,4’,6,6’−テトラメチル−2,2’−イソブチリデンジフェノキシ基等が例示できる。
【0107】
また、前記ヘテロ原子を含有する基としては下記一般式[6]で表される基も例示することができる。
P=N− [6]
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、夫々のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、それら2つ以上が互いに結合していてもよく、環を形成していてもよい。)
【0108】
前記一般式[6]におけるRの具体例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロへプチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0109】
さらに前記ヘテロ原子を含有する基としては下記一般式[7]で表される基も例示することができる。
Figure 2004285300
(式中、R61〜R66はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基、シリル基またはアミノ基を表し、それら2つ以上が互いに結合していてもよく、環を形成していてもよい。)
【0110】
上記一般式[7]におけるR61〜R66の具体例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、tert−ブチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−フルオレニル基、2−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ピリジル基、シクロヘキシル基、2−イソプロピルフェニル基、ベンジル基、メチル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2−クロロフェニル基等が挙げられる。
【0111】
に用いられるキレート性配位子とは複数の配位部位を有する配位子を指し、具体的に例示すれば、アセチルアセトナート、ジイミン、オキサゾリン、ビスオキサゾリン、テルピリジン、アシルヒドラゾン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポルフィリン、クラウンエーテル、クリプタートなどが挙げられる。
【0112】
が複数ある場合は、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基同士、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基とヘテロ原子を含有する基、またはヘテロ原子を含有する基同士は、それぞれ、直接連結されていてもよく、炭素原子、けい素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子およびリン原子から選ばれる原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。かかる残基の例としては、エチレン基、プロピレン基、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基などのアルキレン基;シリレン基、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルジシリレン基などのシリレン基;窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子などのヘテロ原子などが挙げられる。
【0113】
一般式[5]におけるXは、ハロゲン原子、炭化水素基(但し、ここではシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を含まない。)または炭化水素オキシ基である。ハロゲン原子の具体例としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、ここでいう炭化水素基としてはアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられる。
【0114】
に用いられるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられる。
これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パーブロモプロピル基などが挙げられる。
またこれらのアルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0115】
に用いられるアルキル基としては、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基またはtert−ペンチル基である。
【0116】
に用いられるアラルキル基としては、例えばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられる。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0117】
に用いられるアラルキル基としては、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、より好ましくはベンジル基である。
【0118】
に用いられるアリール基としては、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0119】
に用いられるアリール基としては、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
【0120】
に用いられる炭化水素オキシ基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、または炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基である。これらの具体例としては、一般式[1]のLで例示した炭化水素オキシ基や、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げることができる。より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、フェノキシ基、2,6−ジ(tert−ブチル)フェノキシ基またはベンジルオキシ基であり、更に好ましくはメトキシ基、フェノキシ基、2,6−ジ(tert−ブチル)フェノキシ基またはベンジルオキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはフェノキシ基である。
【0121】
としてより好ましくは塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ベンジル基、アリル基、メタリル基、メトキシ基、エトキシ基またはフェノキシ基である。さらに好ましくは、塩素原子、メチル基、メトキシ基またはフェノキシ基である。
【0122】
一般式[5]で表される金属化合物の内、Mがチタン原子である化合物の具体例としては、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、
【0123】
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライドなどや、上記化合物のジメチルシリレンをジエチルシリレン、ジフェニルシリレン、またはジメトキシシリレンに変更した化合物などを挙げることができる。
【0124】
また、Mがチタン原子である化合物の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(インデニル)チタンジクロライド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、ビス(フルオレニル)チタンジクロライド、ビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ビス[2−(ビス−3,5−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−メチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(3,5−ジメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(ペンタフルオロフェニル)インデニル]チタンジクロライド、
【0125】
シクロペンタジエニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、インデニル(フルオレニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、
【0126】
エチレンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(インデニル)チタンジクロライド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、エチレンビス(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0127】
エチレン(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、エチレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジクロライド、エチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(テトラメチルペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0128】
イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(インデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0129】
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0130】
シクロペンタジエニル(ジメチルアミド)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フェノキシ)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、インデニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、フルオレニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、
【0131】
(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(メチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(ベンジルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(フェニルフォスファイド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、
【0132】
(tert−ブチルアミド)インデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、
(tert−ブチルアミド)インデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニルジメチルシランチタンジクロライド、
【0133】
(ジメチルアミノメチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノプロピル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(N−ピロリジニルエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタンジクロライド、
(B−ジメチルアミノボラベンゼン)シクロペンタジエニルチタンジクロライド、シクロペンタジエニル(9−メシチルボラアントラセニル)チタンジクロライド、
【0134】
2,2’−チオビス[4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス[4−メチル−6−(1−メチルエチル)フェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス(4,6−ジメチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−スルフィニルビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−(4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−1,1’ビフェノキシ)チタンジクロライド、
【0135】
(ジ−tert−ブチル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、(ジシクロヘキシル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、[ビス(トリメチルシリル)−1,3−プロパンジジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、
[ビス(トリイソプロピルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(トリメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、
【0136】
シクロペンタジエニルチタントリクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド、
【0137】
[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジメチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジエチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライドなどを挙げることができる。
【0138】
更には、Mがチタン原子である化合物の具体例としては、上記チタン化合物のジクロライドをジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジ−n−プロポキシド、ジイソプロポキシド、ジ−n−ブトキシド、ジイソブトキシド、ジ−tert−ブトキシド、ジフェノキシドまたはジ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)に変更した化合物などを挙げることができる。また、上記チタン化合物のトリクロライドをトリフルオライド、トリブロマイド、トリアイオダイド、トリメチル、トリエチル、トリイソプロピル、トリフェニル、トリベンジル、トリメトキシド、トリエトキシド、トリ−n−プロポキシド、トリイソプロポキシド、トリ−n−ブトキシド、トリイソブトキシド、トリ−tert−ブトキシド、トリフェノキシドまたはトリ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)に変更した化合物なども例示することができる。
【0139】
一般式[5]で表される金属化合物のうち、Mがジルコニウム原子またはハフニウム原子である化合物の具体例としては、上記チタン化合物において、チタン原子をジルコニウム原子またはハフニウム原子に置き換えた化合物などを挙げることができる。
【0140】
一般式[5]で表される化合物のうち、Mがニッケル原子である化合物の具体例としては、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジイソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメトキシオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエトキシオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0141】
メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0142】
メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0143】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジイソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0144】
2,2−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0145】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−4−tert−ブチル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0146】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(3−メチルフェニ)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0147】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、および上記各ニッケル化合物の対掌体やジアスレテオマーなどが挙げられる。また、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルブロマイドなどを挙げることができる。
【0148】
更には、Mがニッケル原子である化合物の具体例としては、上記ニッケル化合物のジブロマイドをジフルオライド、ジクロライド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジ−n−プロポキシド、ジイソプロポキシド、ジ−n−ブトキシド、ジイソブトキシド、ジ−tert−ブトキシド、ジフェノキシドまたはジ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)に変更した化合物なども例示することができる。
【0149】
また、Mがニッケル原子である化合物の具体例としては、下記一般式[8]にて示される化合物なども挙げられる。
Figure 2004285300
(式中、R71およびR72はそれぞれ2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、X、X10、R73およびR74は下記の表1に表わされる置換基の組み合わせのいずれかである。)
【0150】
【表1】
Figure 2004285300
【0151】
また、一般式[5]で表される金属化合物として、上記のニッケル化合物において、ニッケルをパラジウム、コバルト、ロジウム、またはルテニウムに置き換えた化合物も同様に例示することができる。
【0152】
一般式 [5]で表される金属化合物のうち、Mが鉄である化合物の具体例としては、2,6−ビス−[1−(2,6−ジメチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、2,6−ビス−[1−(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、2,6−ビス−[1−(2−tert−ブチル−フェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライドや、上記鉄化合物のジクロライドをジブロマイド、ジフルオライド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジ−n−プロポキシド、ジイソプロポキシド、ジ−n−ブトキシド、ジイソブトキシド、ジ−tert−ブトキシド、ジフェノキシドまたはジ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)に変更した化合物などを例示することができる。
【0153】
また、一般式[5]で表される金属化合物として、上記の鉄化合物において、鉄をコバルトまたはニッケルに置き換えた化合物も同様に例示することができる。
【0154】
一般式[5]で表される金属化合物のμ−オキソタイプの金属化合物の具体例としては、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、
【0155】
μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、
【0156】
ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]などが挙げられる。
【0157】
化合物(B)において、金属原子がニッケル原子である化合物の他の具体例として、塩化ニッケル、臭化ニッケル、よう化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、過塩素酸ニッケル、酢酸ニッケル、トリフルオロ酢酸ニッケル、シアン化ニッケル、蓚酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ビス(アリル)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ジクロロビス(アセトニトリル)ニッケル、ジクロロビス(ベンゾニトリル)ニッケル、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)ニッケル、ジアセトビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル、ビス[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル、テトラアミンニッケルナイトレート、テトラキス(アセトニトリル)ニッケルテトラフルオロボレート、ニッケルフタロシアニンなどが挙げられる。
【0158】
化合物(B)において、金属原子がバナジウム原子である化合物の具体例としては、バナジウムアセチルアセトナート、バナジウムテトラクロライド、バナジウムオキシトリクロライドなどが挙げられ、金属原子がサマリウム原子である化合物の具体例としてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウムメチルテトラヒドロフランなどが挙げられ、金属原子がイッテルビウム原子である化合物の具体例としてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イッテルビウムメチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0159】
これらの化合物(B)は一種類のみを用いてもよく、二種類以上を組み合わせてもよい。化合物(B)としては、一般式[5]におけるLの少なくとも一つがシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である金属化合物(メタロセン系金属化合物)が好ましい。該金属化合物としては、例えば、下記一般式[9]〜[11]で示される金属化合物をあげることができる。
Figure 2004285300
(上記一般式[9]〜[11]においてそれぞれ、M〜Mは元素の周期律表の第4族の金属原子を表し、A〜Aは元素の周期律表の第16族の原子を表し、J〜Jは元素の周期律表の第14族の原子を表す。Cp〜Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表す。X11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、置換シリル基、炭化水素オキシ基、2置換アミノ基、炭化水素チオ基または炭化水素セレノ基を表し、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56は任意に結合して単環または多環を形成してもよい。該単環または多環は、芳香族環または非芳香族環のいずれでもよい。X15〜X17は元素の周期律表の第16族の原子を表す。)
【0160】
上記一般式[9]〜[11]において、M〜Mで示される金属原子とは、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第4族の金属原子を示し、例えばチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子などが挙げられる。好ましくは、チタニウム原子またはジルコニウム原子である。
【0161】
一般式[9]〜[11]において、Cp〜Cpとして示されるシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては、例えばη−(置換)シクロペンタジエニル基、η−(置換)インデニル基、η−(置換)フルオレニル基などである。具体的に例示すれば、例えばη−シクロぺンタジエニル基、η−メチルシクロペンタジエニル基、η−ジメチルシクロペンタジエニル基、η−トリメチルシクロペンタジエニル基、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−エチルシクロぺンタジエニル基、η−n−プロピルシクロペンタジエニル基、η−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η−sec−ブチルシクロペンタジエニル基、η−tert−ブチルシクロぺンタジエニル基、η−フェニルシクロぺンタジエニル基、η−トリメチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−インデニル基、η−メチルインデニル基、η−ジメチルインデニル基、η−n−プロピルインデニル基、η−イソプロピルインデニル基、η−n−ブチルインデニル基、η−tert−ブチルインデニル基、η−フェニルインデニル基、η−メチルフェニルインデニル基、η−ナフチルインデニル基、η−トリメチルシリルインデニル基、η−テトラヒドロインデニル基、η−フルオレニル基、η−メチルフルオレニル基、η−ジメチルフルオレニル基、η−tert−ブチルフルオレニル基、η−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、η−フェニルフルオレニル基、η−ジフェニルフルオレニル基、η−トリメチルシリルフルオレニル基、η−ビストリメチルシリルフルオレニル基などが挙げられ、好ましくはη−シクロペンタジエニル基、η−メチルシクロペンタジエニル基、η−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η−tert−ブチルシクロペンタジエニル基、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−インデニル基、η−テトラヒドロインデニル基、またはη−フルオレニル基である。
【0162】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが例示され、好ましくは塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは塩素原子である。
【0163】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における炭化水素基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基などを挙げることができる。
【0164】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられる。
これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パーブロモプロピル基などが挙げられる。
またこれらのアルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0165】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキル基としては、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基またはtert−ペンチル基である。
【0166】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキル基としては、例えばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられる。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0167】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキル基としては、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、より好ましくはベンジル基である。
【0168】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリール基としては、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0169】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリール基としては、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
【0170】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における置換シリル基とは炭化水素基で置換されたシリル基であって、該炭化水素基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。該炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル基などのアリール基などが好ましく挙げられる。
【0171】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における置換シリル基としては、例えばメチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基などの炭素原子数1〜20の1置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基などの炭素原子数2〜20の2置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などの炭素原子数3〜20の3置換シリル基などが好ましく挙げられ、さらに好ましくはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基またはトリフェニルシリル基である。
【0172】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における炭化水素オキシ基としては、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基などを挙げることができる。
【0173】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、 n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基などが挙げられる。
これらのアルコキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0174】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルコキシ基としては、炭素原子数1〜20のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基またはtert−ブトキシ基である。
【0175】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルオキシ基としては、例えばベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2、3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2、4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2、5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2、6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが挙げられる。
これらのアラルキルオキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0176】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルオキシ基としては、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基が好ましく、より好ましくはベンジルオキシ基である。
【0177】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2、3−ジメチルフェノキシ基、2、4−ジメチルフェノキシ基、2、5−ジメチルフェノキシ基、2、6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、 n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、 n−デシルフェノキシ基、 n−テトラデシルフェノキシ基、 ナフトキシ基、アントラセノキシ基などが挙げられる。
これらのアリールオキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0178】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールオキシ基としては、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基が好ましい。
【0179】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における2置換アミノ基とは2つの炭化水素基で置換されたアミノ基または2つのシリル基で置換されたアミノ基であって、該炭化水素基または該シリル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。ここで炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素原子数1〜20のアルキル基;フェニル基などの炭素原子数6〜20のアリール基;ベンジル基などの炭素原子数7〜10のアラルキル基などが好ましく挙げられ、シリル基としては、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基などが挙げられる。かかる2置換アミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ基などが挙げられ、好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基またはビストリメチルシリルアミノ基である。
【0180】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における炭化水素チオ基としては、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基などを挙げることができる。
【0181】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、 n−ヘキシルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、n−エイコシルチオ基などが挙げられる。
これらのアルキルチオ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0182】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキルチオ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基が好ましく、より好ましくはメチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、またはtert−ブチルチオ基である。
【0183】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルチオ基としては、例えばベンジルチオ基、(2−メチルフェニル)メチルチオ基、(3−メチルフェニル)メチルチオ基、(4−メチルフェニル)メチルチオ基、(2、3−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2、4−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2、5−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2、6−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(3,4−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(3,5−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルチオ基、(ペンタメチルフェニル)メチルチオ基、(エチルフェニル)メチルチオ基、(n−プロピルフェニル)メチルチオ基、(イソプロピルフェニル)メチルチオ基、(n−ブチルフェニル)メチルチオ基、(sec−ブチルフェニル)メチルチオ基、(tert−ブチルフェニル)メチルチオ基、(n−ヘキシルフェニル)メチルチオ基、(n−オクチルフェニル)メチルチオ基、(n−デシルフェニル)メチルチオ基、ナフチルメチルチオ基、アントラセニルメチルチオ基などが挙げられる。
これらのアラルキルチオ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0184】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルチオ基としては、炭素原子数7〜20のアラルキルチオ基が好ましく、より好ましくはベンジルチオ基である。
【0185】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールチオ基としては、例えばフェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2、3−ジメチルフェニルチオ基、2、4−ジメチルフェニルチオ基、2、5−ジメチルフェニルチオ基、2、6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルチオ基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルチオ基、ペンタメチルフェニルチオ基、エチルフェニルチオ基、n−プロピルフェニルチオ基、イソプロピルフェニルチオ基、n−ブチルフェニルチオ基、sec−ブチルフェニルチオ基、tert−ブチルフェニルチオ基、n−ヘキシルフェニルチオ基、n−オクチルフェニルチオ基、n−デシルフェニルチオ基、n−テトラデシルフェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラセニルチオ基などが挙げられる。
これらのアリールチオ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0186】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールチオ基としては、炭素原子数6〜20のアリールチオ基が好ましい。
【0187】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における炭化水素セレノ基としては、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基などを挙げることができる。
【0188】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキルセレノ基としては、例えばメチルセレノ基、エチルセレノ基、n−プロピルセレノ基、イソプロピルセレノ基、n−ブチルセレノ基、sec−ブチルセレノ基、tert−ブチルセレノ基、n−ペンチルセレノ基、ネオペンチルセレノ基、n−ヘキシルセレノ基、n−オクチルセレノ基、n−ドデシルセレノ基、n−ペンタデシルセレノ基、n−エイコシルセレノ基などが挙げられる。
これらのアルキルセレノ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0189】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキルセレノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルセレノ基が好ましく、より好ましくはメチルセレノ基、エチルセレノ基、イソプロピルセレノ基またはtert−ブチルセレノ基である。
【0190】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルセレノ基としては、例えばベンジルセレノ基、(2−メチルフェニル)メチルセレノ基、(3−メチルフェニル)メチルセレノ基、(4−メチルフェニル)メチルセレノ基、(2、3−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2、4−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2、5−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2、6−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(3,4−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(3,5−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルセレノ基、(ペンタメチルフェニル)メチルセレノ基、(エチルフェニル)メチルセレノ基、(n−プロピルフェニル)メチルセレノ基、(イソプロピルフェニル)メチルセレノ基、(n−ブチルフェニル)メチルセレノ基、(sec−ブチルフェニル)メチルセレノ基、(tert−ブチルフェニル)メチルセレノ基、(n−ヘキシルフェニル)メチルセレノ基、(n−オクチルフェニル)メチルセレノ基、(n−デシルフェニル)メチルセレノ基、ナフチルメチルセレノ基、アントラセニルメチルセレノ基などが挙げられる。
これらのアラルキルセレノ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0191】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルセレノ基としては、炭素原子数7〜20のアラルキルセレノ基が好ましく、より好ましくはベンジルセレノ基である。
【0192】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールセレノ基としては、例えばフェニルセレノ基、2−メチルフェニルセレノ基、3−メチルフェニルセレノ基、4−メチルフェニルセレノ基、2、3−ジメチルフェニルセレノ基、2、4−ジメチルフェニルセレノ基、2、5−ジメチルフェニルセレノ基、2、6−ジメチルフェニルセレノ基、3,4−ジメチルフェニルセレノ基、3,5−ジメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェニルセレノ基、2,3,4−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,6−トリメチルフェニルセレノ基、2,4,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,4,6−トリメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニルセレノ基、3,4,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルセレノ基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルセレノ基、ペンタメチルフェニルセレノ基、エチルフェニルセレノ基、 n−プロピルフェニルセレノ基、イソプロピルフェニルセレノ基、n−ブチルフェニルセレノ基、sec−ブチルフェニルセレノ基、tert−ブチルフェニルセレノ基、n−ヘキシルフェニルセレノ基、n−オクチルフェニルセレノ基、n−デシルフェニルセレノ基、n−テトラデシルフェニルセレノ基、ナフチルセレノ基、アントラセニルセレノ基などが挙げられる。
これらのアリールセレノ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで置換されていてもよい。
【0193】
一般式[9]〜[11]のX11〜X14、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールセレノ基としては、炭素原子数6〜20のアリールセレノ基が好ましい。
【0194】
一般式[9]〜[11]において、好ましくは、X11〜X14はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、または2置換アミノ基であり、さらに好ましくは、X11〜X14はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリールオキシ基である。
【0195】
一般式[9]〜[11]において好ましくは、R11〜R14、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R44およびR51〜R54は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、置換シリル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基またはアリールオキシ基であり、特にR11、R21、R31、R41およびR51は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、アリール基または置換シリル基であることが好ましい。
【0196】
また、一般式[9]〜[11]におけるR15、R16、R25、R26、R35、R36、R45、R46、R55およびR56は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、置換シリル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基またはアリールオキシ基であることが好ましい。
【0197】
上記一般式[10]および[11]におけるX15〜X17は、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第16族の原子を示し、具体例としては、酸素原子、硫黄原子、セレン原子が挙げられ、好ましくは酸素原子または硫黄原子であり、さらに好ましくは酸素原子である。
【0198】
一般式[9]〜[11]において、A〜Aとして示される元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第16族の原子としては、例えば酸素原子、硫黄原子、セレン原子などが挙げられる。好ましくは、酸素原子である。
【0199】
一般式[9]〜[11]において、J〜Jとして示される元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第14族の原子としては、例えば炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子などが挙げられる。好ましくは、炭素原子またはケイ素原子である。
【0200】
上記一般式[9]で示される金属化合物の具体例としては、メチレン(η−シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0201】
イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0202】
ジフェニルメチレン(η−シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドなどや上記化合物の(η−シクロペンタジエニル)を(η−メチルシクロペンタジエニル)、(η−ジメチルシクロペンタジエニル)、(η−トリメチルシクロペンタジエニル)、(η−n−ブチルシクロペンタジエニル)、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)、(η−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)、(η−tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル)、(η−インデニル)、(η−メチルインデニル)、(η−フェニルインデニル)または(η−フルオレニル)に変更した化合物などを挙げることができる。また、上記化合物のジクロライドをジメチル、ジベンジル、ジメトキシド、ジフェノキシド、ビス(ジメチルアミノ)またはビス(ジエチルアミノ)に変更した化合物などを挙げることができる。更には、上記化合物のチタニウムをジルコニウムまたはハフニウムに変更した化合物を挙げることができる。
【0203】
また、上記一般式[9]で示される金属化合物の具体例としては、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシレン(η−シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタニウムジクロライドなどや上記化合物の(η−シクロペンタジエニル)を(η−メチルシクロペンタジエニル)、(η−ジメチルシクロペンタジエニル)、(η−トリメチルシクロペンタジエニル)、(η−n−ブチルシクロペンタジエニル)、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)、(η−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)、(η−tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル)、(η−インデニル)、(η−メチルインデニル)、(η−フェニルインデニル)または(η−フルオレニル)に変更した化合物などを挙げることができる。また、上記化合物の2−フェノキシを3−フェニル−2−フェノキシ、3−トリメチルシリル−2−フェノキシ、または3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシに変更した化合物などを挙げることができる。また、上記化合物のジメチルシリレンをジエチルシリレン、ジフェニルシリレン、またはジメトキシシリレンに変更した化合物などを挙げることができる。また、上記化合物のジクロライドをジメチル、ジベンジル、ジメトキシド、ジフェノキシド、ビス(ジメチルアミノ)またはビス(ジエチルアミノ)に変更した化合物などを挙げることができる。更には、上記化合物のチタニウムをジルコニウム、またはハフニウムに変更した化合物なども挙げることができる。
【0204】
一般式[10]で示される金属化合物の具体例としては、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、
【0205】
μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}などや上記化合物の(η−シクロペンタジエニル)を(η−ジメチルシクロペンタジエニル)、(η−トリメチルシクロペンタジエニル)、(η−n−ブチルシクロペンタジエニル)、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)、(η−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)、(η−tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル)、(η−インデニル)、(η−メチルインデニル)、(η−フェニルインデニル)または(η−フルオレニル)に変更した化合物などを挙げることができる。また、上記化合物の(2−フェノキシ)を(3−メチル−2−フェノキシ)、(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)、(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)、(3−フェニル−5−メチル−2−フェノキシ)または(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)に変更した化合物などを挙げることができる。また、上記化合物のクロライドをメチル、ベンジル、フェノキシド、ジメチルアミノまたはジエチルアミノに変更した化合物などを挙げることができる。更には、上記化合物のチタニウムをジルコニウムまたはハフニウムに変更した化合物なども挙げることができる。
【0206】
一般式[11]で示される金属化合物の具体例としては、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、
【0207】
ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(η−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}などや上記化合物の(η−シクロペンタジエニル)を(η−ジメチルシクロペンタジエニル)、(η−トリメチルシクロペンタジエニル)、(η−n−ブチルシクロペンタジエニル)、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)、(η−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)、(η−tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル)、(η−インデニル)、(η−メチルインデニル)、(η−フェニルインデニル)または(η−フルオレニル)に変更した化合物などを挙げることができる。また、上記化合物の(2−フェノキシ)を(3−メチル−2−フェノキシ)、(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)、(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)、(3−フェニル−5−メチル−2−フェノキシ)または(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)に変更した化合物などを挙げることができる。更には、上記化合物のチタニウムをジルコニウムまたはハフニウムに変更した化合物なども挙げることができる。
【0208】
本発明の付加重合用触媒に用いられる化合物(C)としては、公知の有機アルミニウム化合物が使用できる。好ましくは、下記一般式[12]で示される有機アルミニウム化合物である。
AlY3−d [12]
(式中、dは0<d≦3を満足する数を表す。Rは炭化水素基を表し、Rが複数ある場合は、夫々のRは同じであっても異なっていてもよい。Yは水素原子、ハロゲン原子または炭化水素オキシ基を表し、Yが複数ある場合は、夫々のYは同じであっても異なっていてもよい。)
【0209】
一般式[12]におけるRとして好ましくは炭素原子数1〜24の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1〜24のアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、ノルマルオクチル基等が挙げられ、好ましくはエチル基、ノルマルブチル基、イソブチル基またはノルマルヘキシル基である。
【0210】
一般式[12]のYがハロゲン原子である場合の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
【0211】
一般式[12]のYにおける炭化水素オキシ基としては、アルコキシ基、アラルキルオキシ基またはアリールオキシ基が好ましい。
【0212】
一般式[12]のYにおけるアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基などが挙げられる。
これらのアルコキシ基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基等で置換されていてもよい。
【0213】
一般式[12]のYにおけるアルコキシ基としては、炭素原子数1〜24のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基またはtert−ブトキシ基である。
【0214】
一般式[12]のYにおけるアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などが挙げられる。
これらのアリールオキシ基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基等で置換されていてもよい。
【0215】
一般式[12]のYにおけるアリールオキシ基としては炭素原子数6〜24のアリールオキシ基が好ましい。
【0216】
一般式[12]のYにおけるアラルキルオキシ基としては例えばベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが挙げられる。
これらのアラルキルオキシル基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基等で置換されていてもよい。
【0217】
一般式[12]のYにおけるアラルキルオキシ基としては炭素原子数7〜24のアラルキルオキシ基が好ましく、より好ましくはベンジルオキシ基である。
【0218】
一般式[12]で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジノルマルプロピルアルミニウムクロライド、ジノルマルブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジノルマルヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ノルマルプロピルアルミニウムジクロライド、ノルマルブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ノルマルヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジノルマルプロピルアルミニウムハイドライド、ジノルマルブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジノルマルヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ(t−ブトキシ)アルミニウム等のトリアルコキシアルミニウム;メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−t−ブトキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアルコキシ)アルミニウム;ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、ジメチル(t−ブトキシ)アルミニウム等のジアルキル(アルコキシ)アルミニウム;トリフェノキシアルミニウム、トリス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のトリアリールオキシアルミニウム;メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム、ジメチル(フェノキシ)アルミニウム;ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム等を例示することができる。
【0219】
これらの中で、好ましくはトリアルキルアルミニウムであり、さらに好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムまたはトリノルマルヘキシルアルミニウムであり、特に好ましくはトリイソブチルアルミニウムまたはトリノルマルヘキシルアルミニウムである。
【0220】
上記の有機アルミニウム化合物は一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0221】
本発明の付加重合用触媒において、化合物(B)の使用量は、接触処理物(A)1g当たり通常1×10−6〜1×10−3molであり、好ましくは5×10−6〜5×10−4molである。また化合物(C)の使用量としては、化合物(C)のAl原子と化合物(B)の金属原子とのモル比(化合物(C)のAl原子/化合物(B)の金属原子)が、0.01〜10000であることが好ましく、0.1〜5000であることがより好ましく、1〜2000であることが更に好ましい。
【0222】
本発明の付加重合用触媒としては、接触処理物(A)および化合物(B)、場合によってはさらに化合物(C)を予め接触させて得られた接触処理物を用いてもよく、重合反応装置中に別々に投入して用いてもよい。それらの内の任意の2つの成分を予め接触させて、その後もう一つの成分を接触させてもよい。
【0223】
本発明の付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造において用いられる付加重合性単量体としては、オレフィン、ジオレフィン、環状オレフィン、アルケニル芳香族炭化水素、極性モノマーなどが挙げられ、また、2種以上の単量体を用いることもできる。
これらの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、ビニルシクロヘキサン等のオレフィン;1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等のジオレフィン;ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等の環状オレフィン;
【0224】
アルケニルベンゼン(スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等)、アルキルスチレン(p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−第2級ブチルスチレンなど)、ビスアルケニルベンゼン(ジビニルベンゼン等)、アルケニルナフタレン(1−ビニルナフタレン等)等のアルケニル芳香族炭化水素;α,β−不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等)およびその金属塩(該金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等)、α,β−不飽和カルボン酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等)、不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、イタコン酸等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等)、不飽和カルボン酸グリシジルエステル類(アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等)、環状エーテル(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ヘキセンオキシド、シクロへキセンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン等)等の極性モノマーなどが挙げられる。
【0225】
本発明の付加重合用触媒は、これらの付加重合性単量体の単独重合または共重合に適用できる。共重合体を構成する付加重合性単量体の具体例としては、エチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エチレンと1−ヘキセン、プロピレンと1−ブテン等が例示される。
【0226】
本発明の付加重合用触媒はオレフィン重合用触媒として特に好適であり、オレフィン重合体の製造に好適に用いられる。かかるオレフィン重合体として特に好ましくはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、中でもポリエチレン結晶構造を有するエチレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましい。ここでα−オレフィンとして好ましくは、炭素原子数3〜8のα−オレフィンであり、具体的には1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
【0227】
本発明の付加重合体の製造における付加重合性単量体の重合方法は、特に制限はされるものではなく、例えば、脂肪族炭化水素(ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン等)またはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド等)を溶媒として用いる溶媒重合もしくはスラリー重合;液状単量体中で重合を実施するバルク重合;ガス状の単量体中で重合を実施する気相重合;高温高圧下に超臨界流体状態で重合を実施する高圧法等が挙げられる。重合形式としてはバッチ式、連続式いずれでも可能であり、さらに重合を反応条件の異なる2段階以上に分けて行ってもよい。
【0228】
接触処理物(A)、化合物(B)および化合物(C)を反応器に供給する方法としては、特に制限されるものではない。各触媒成分を固体状態で供給する方法、水分や酸素等の触媒を失活させる成分を十分に取り除いた炭化水素溶媒に溶解させた溶液、または懸濁もしくはスラリー化させた状態で供給する方法等が挙げられる。該炭化水素溶媒としては、上記の溶媒重合に用いられる脂肪族炭化水素(ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン等)、ハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド等)などをあげることができる。
【0229】
接触処理物(A)、化合物(B)および化合物(C)の各触媒成分を、溶液または懸濁もしくはスラリー状態で用いる場合、接触処理物(A)の濃度は、通常0.01〜1000g/リットル、好ましくは0.1〜500g/リットルである。化合物(B)の濃度は、金属原子換算で通常0.0001〜100ミリモル/リットル、好ましくは0.01〜10ミリモル/リットルである。化合物(C)の濃度は、Al原子換算でそれぞれ通常0.0001〜100モル/リットル、好ましくは0.01〜10ミリモル/リットルである。
【0230】
重合温度は通常−100℃〜350℃、好ましくは−20℃〜300℃、より好ましくは20℃〜300℃である。重合圧力は通常0.1〜350MPaであり、好ましくは0.1〜300MPaであり、より好ましくは0.1〜200MPaである。重合時間は一般的に、目的とする付加重合体の種類、反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間の範囲をとることができる。また、付加重合体の分子量を調節するために、水素等の連鎖移動剤を添加してもよい。
【0231】
本発明は、付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合等)に特に好適に用いられる。以下、本発明を適用するスラリー重合、気相重合について更に説明する。
【0232】
スラリー重合は、通常、公知のスラリー重合方法、重合条件に従って行われる。スラリー重合における好ましい重合方法としては、モノマー(およびコモノマー)、触媒や触媒成分、稀釈剤などの各成分を必要に応じて連続的に添加し、かつ、生成物を連続的または少なくとも周期的に取り出す方法をあげることができる。スラリー重合反応器としては、ループ反応器、攪拌反応器などを挙げることができ、また、複数の反応器を直列および/または並列に結合してもよく、複数ある反応器は反応条件が同じであってもよく異なっていてもよい。
【0233】
各触媒成分、モノマー(およびコモノマー)などは、公知の任意の方法によって、任意の順序で反応器などに投入できる。例えば、各触媒成分、モノマー(およびコモノマー)を反応器に同時に投入する方法、逐次に添加する方法等を用いることができる。所望ならば、各触媒成分は、モノマー(およびコモノマー)と接触させる前に、不活性雰囲気中において予備接触させてもよい。
【0234】
スラリー重合の重合条件としては、触媒を懸濁状態に保持し、媒質および少なくとも一部のモノマーおよびコモノマーを液相に維持し、モノマーおよびコモノマーを接触させることができ、付加重合体が固体粒子として生成され、その形態で回収される条件であれば特に制限はない。例えば、スラリー重合に用いられる稀釈剤としては、例えばパラフィン、シクロパラフィンまたは芳香族炭化水素のような不活性稀釈剤(媒質)を用いることができる。また、重合温度は、通常0〜150℃であり、好ましくは30〜100℃であり、重合圧力は、通常0.1〜10MPaであり、好ましくは0.5〜5MPaである。更に、付加重合体の分子量は反応帯域の温度の調節、水素の導入等、公知の各種の手段によって制御することができる。
【0235】
気相重合は、通常、公知の気相重合方法、重合条件に従って行われる。気相重合反応装置としては、流動層型反応槽、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽が用いられ、これらは、反応槽内に攪拌翼が設置されていてもよい。
【0236】
各触媒成分を重合槽に供給する方法としては通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス;水素;エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、あるいは溶媒に溶解または稀釈して、溶液または懸濁あるいはスラリー状態で供給する方法等を用いることができる。各触媒成分は個別に供給してもよいし、任意の成分を任意の順序にあらかじめ接触させて供給してもよい。
【0237】
気相重合の条件として、重合温度は、通常付加重合体が溶融する温度未満であり、好ましくは0〜150℃であり、特に好ましくは30〜100℃である。付加重合体の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加しても構わない。また、重合に際して、混合ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。
【0238】
本発明においては、このような重合(本重合)の実施前に以下に述べる予備重合を行ってもかまわない。
【0239】
予備重合は、接触処理物(A)および化合物(B)の存在下、あるいはさらに化合物(C)の存在下、少量のオレフィンを供給して実施され、スラリー状態で行うのが好ましい。スラリー化するのに用いる溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの不活性炭化水素を挙げることができる。また、スラリー化に際し、不活性炭化水素溶媒の一部または全部に代えて液状のオレフィンを用いることができる。
【0240】
予備重合における化合物(C)の使用量としては、化合物(B)の金属原子1モルあたり、化合物(C)のAl原子の量が、通常0.5〜700モルとなる量であり、好ましくは0.8〜500モルとなる量であり、より好ましくは1〜200モルとなる量である。
【0241】
予備重合を行う場合の重合スラリー中の接触処理物(A)の濃度は、好ましくは0.1〜50g/リットルであり、より好ましくは0.5〜20g/リットルである。予備重合の温度は、好ましくは−20〜100℃であり、より好ましくは0〜80℃である。また、予備重合での気相部でのオレフィンの分圧は、好ましくは0.001〜2MPaであり、より好ましくは0.01〜1MPaであるが、予備重合を行う圧力および温度において液状であるオレフィンについては、この限りではない。予備重合の時間は、特に制限はないが、好ましくは2分間〜15時間である。
【0242】
予備重合により生成するオレフィン重合体の量は、接触処理物(A)1g当たり通常0.01〜1000gであり、好ましくは0.05〜500gであり、より好ましくは0.1〜200gである。
【0243】
予備重合を実施する場合、接触処理物(A)、化合物(B)、化合物(C)、オレフィンを供給する方法としては、接触処理物(A)と化合物(B)とを接触させておいた後、あるいは必要に応じて化合物(C)をも接触させておいた後オレフィンを供給する方法;接触処理物(A)と化合物(B)およびオレフィンとを接触させておいた後、化合物(C)を供給する方法;オレフィン存在下、化合物(C)および化合物(B)を接触させた後、接触処理物(A)を供給する方法などのいずれの方法を用いてもよいが、接触処理物(A)と化合物(C)とを接触させる際にはオレフィンが予め存在している方が好ましい。また、オレフィンの供給方法としては、重合槽内が所定の圧力になるように保持しながら順次オレフィンを供給する方法、或いは所定のオレフィン量を最初にすべて供給する方法のいずれの方法を用いてもよい。また、得られる重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能である。
【0244】
本発明においては、このようにして予備重合して得られたものについて、触媒成分として、あるいは触媒として使用してもよい。予備重合して得られたものを触媒成分(予備重合済付加重合用触媒成分)として用いる場合、付加重合用触媒としては、該予備重合済付加重合用触媒成分、化合物(C)を接触させて得られる付加重合用触媒をあげることができる。
【0245】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)重合体中のα−オレフィン単位含有量
得られた重合体中のα−オレフィン単位含有量(炭素原子1000個当たりの短鎖分岐度)は、赤外吸収スペクトルから求めた。尚、測定ならびに計算は、文献(Die Makromoleculare Chemie, 177, 449 (1976) McRae, M. A., Madams, W. F. )記載の方法に従い、α−オレフィン由来の特性吸収を利用して実施し、炭素原子1000個当たりの短鎖分岐数(短鎖分岐度)で表した。赤外吸収スペクトルは、赤外分光光度計(日本分光工業社製 FT−IR7300)を用いて測定した。
【0246】
(2)重合体の分子量および分子量分布
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記の条件で測定した。検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価した。
機種 : ミリポアウオーターズ社製 150C型
カラム : 東ソー社製TSK−GEL GMH−HT 7.5×600×2本
測定温度: 140℃
溶媒 : オルトジクロロベンゼン
【0247】
[実施例1]
(1)接触処理物の準備
窒素置換した100ml四つ口フラスコにトルエン40ml、ZnEtのヘキサン溶液(ZnEt濃度:2.02M)4.46mlを入れ、これにペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(ペンタフルオロフェノール濃度:2.77M)1.30mlを室温で滴下した。その後、室温でHO 129.9μl(7.21mmol)を加えた。60℃で1時間攪拌を行うと、内容物は、黄色のスラリー状となった。これにメチルジオクタデシルアミン951.7mg(1.78mmol)、トルエン10mlを加えた。60℃で1時間攪拌を行ったところ、内容物は黄色透明となり、少量の不溶物が存在した。これに窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.66ml/g;比表面積=309m/g)3.08gを加え、60℃で1時間攪拌を行った。内容物を静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン30mlを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計4回繰り返した。さらに、ヘキサン30mlを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、室温で2時間乾燥を行うことにより、生成物(以下、接触処理物▲1▼と称する。)4.10gを得た。
【0248】
(2)重合
内容積400mlの撹拌機付きオートクレーブを真空乾燥してアルゴンで置換後、溶媒としてヘキサン190ml、コモノマーとして1−ヘキセン10mlを仕込み、オートクレーブを70℃まで昇温した。昇温後、エチレン圧を6kg/cmに調整しながらフィードし、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム250μmolを投入し、続いてエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド1.0μmolを投入し、さらに接触処理物▲1▼を13.3mg投入し、30分間重合を行った。その結果、エチレン/1−ヘキセン共重合体が7.32g得られた。重合活性=1.5×10g/molZr/h、短鎖分岐度=17.16、Mw=120000、Mw/Mn=2.9であった。
【0249】
[実施例2]
(1)接触処理物の準備
窒素置換した100ml四つ口フラスコにトルエン40ml、ZnEtのヘキサン溶液(ZnEt濃度:2.02M)4.46mlを入れ、これにペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(ペンタフルオロフェノール濃度:2.77M)1.30mlを室温で滴下した。その後、室温でHO 146.1μl(8.11mmol)を加えた。60℃で1時間攪拌を行うと、内容物は、黄色のスラリー状となった。これにメチルジオクタデシルアミン963.6mg(1.80mmol)、トルエン10mlを加えた。60℃で1時間攪拌を行ったところ、内容物は黄色透明となり、少量の不溶物が存在した。これに窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.66ml/g;比表面積=309m/g)3.07gを加え、60℃で1時間攪拌を行った。内容物を静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン30mlを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計4回繰り返した。さらに、ヘキサン30mlを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、室温で2時間乾燥を行うことにより、生成物(以下、接触処理物▲2▼と称する。)4.19gを得た。
【0250】
(2)重合
接触処理物▲1▼に代えて接触処理物▲2▼を用いる以外は、実施例1(2)と同様に重合を行った。その結果、エチレン/1−ヘキセン共重合体が11.37g得られた。重合活性=2.3×10g/molZr/h、短鎖分岐度=16.11、Mw=130000、Mw/Mn=3.1であった。
【0251】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明により、高分子量の付加重合体が得られる付加重合用触媒の成分に用いられる接触処理物、該接触処理物を用いてなる付加重合用触媒成分、該付加重合用触媒成分を用いてなる付加重合用触媒、およびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法を提供することができた。

Claims (14)

  1. 下記成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e)を接触させてなる接触処理物。
    (a):下記一般式[1]で表される化合物
    [1]
    (b):下記一般式[2]で表される化合物
    s−1H [2]
    (c):下記一般式[3]で表される化合物
    t−2 [3]
    (d):界面活性剤
    (e):担体
    (上記一般式[1]〜[3]において、Mは元素の周期律表の第3族〜第12族、第14族、第15族またはランタノイド系列の金属原子を表し、rはMの原子価を表し、Lは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基または炭化水素オキシ基を表し、Lが複数存在する場合は夫々のLは互いに同じであっても異なっていてもよく、TおよびTはそれぞれ独立に元素の周期律表の第15族または第16族の非金属原子を表し、sはTの原子価を、tはTの原子価を表し、Rは電子吸引性基を有する基または電子吸引性基を表し、Rが複数存在する場合は夫々のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、Rは炭化水素基を表し、Rが複数存在する場合は夫々のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。)
  2. 成分(d)が活性水素を有していないノニオン性界面活性剤である請求項1記載の接触処理物。
  3. 成分(d)が下記一般式[4]で表される化合物である請求項1または2に記載の接触処理物。
    N [4]
    (上記一般式[4]においてRは炭化水素基を表し、夫々のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。Nは窒素原子を表す。)
  4. 成分(e)がシリカである請求項1〜3いずれかに記載の接触処理物。
  5. およびTが、それぞれ独立に窒素原子または酸素原子である請求項1〜4のいずれかに記載の接触処理物。
  6. が、ハロゲン化炭化水素基である請求項1〜5のいずれかに記載の接触処理物。
  7. が、元素の周期律表の第5族〜第12族、第14族または第15族の金属原子である請求項1〜6のいずれかに記載の接触処理物。
  8. 成分(a)1モルあたりの成分(b)と成分(c)の接触処理量が下記式(I)を充足し、成分(a)1モルあたりの成分(d)の接触処理量が0.01〜0.7モルである請求項1〜7のいずれかに記載の接触処理物。
    |r−y−2z|≦0.2 (I)
    (上記式(I)において、rはMの原子価を表し、yは成分(a)1モルあたりの成分(b)接触処理量(モル)を表し、zは成分(a)1モルあたりの成分(c)接触処理量(モル)を表す。)
  9. 成分(a)、(b)、(c)および(d)とを接触させてなる接触処理物に、成分(e)を接触させてなる請求項1〜8のいずれかに記載の接触処理物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の接触処理物よりなる付加重合用触媒成分。
  11. 請求項10に記載の付加重合用触媒成分、および元素の周期律表の第3〜12族またはランタノイド系列の金属化合物を接触させてなる付加重合用触媒。
  12. 請求項10に記載の付加重合用触媒成分、元素の周期律表の第3〜12族またはランタノイド系列の金属化合物、および有機アルミニウム化合物を接触させてなる付加重合用触媒。
  13. 元素の周期律表の第3〜12族またはランタノイド系列の金属化合物がメタロセン系金属化合物である請求項11または12に記載の付加重合用触媒。
  14. 請求項11〜13のいずれかに記載の付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法。
JP2003082377A 2003-03-25 2003-03-25 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法 Pending JP2004285300A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003082377A JP2004285300A (ja) 2003-03-25 2003-03-25 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003082377A JP2004285300A (ja) 2003-03-25 2003-03-25 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004285300A true JP2004285300A (ja) 2004-10-14

Family

ID=33295689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003082377A Pending JP2004285300A (ja) 2003-03-25 2003-03-25 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004285300A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233115A (ja) * 2005-02-28 2006-09-07 Sumitomo Chemical Co Ltd 付加重合用触媒成分、予備重合済付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
JP2011001556A (ja) * 2010-09-01 2011-01-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法
JP2011006697A (ja) * 2010-09-08 2011-01-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 予備重合済付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
WO2011074688A1 (en) * 2009-12-15 2011-06-23 Sumitomo Chemical Company, Limited Production process of olefin polymerization catalyst and olefin polymer

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233115A (ja) * 2005-02-28 2006-09-07 Sumitomo Chemical Co Ltd 付加重合用触媒成分、予備重合済付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
WO2011074688A1 (en) * 2009-12-15 2011-06-23 Sumitomo Chemical Company, Limited Production process of olefin polymerization catalyst and olefin polymer
JP2011001556A (ja) * 2010-09-01 2011-01-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法
JP2011006697A (ja) * 2010-09-08 2011-01-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 予備重合済付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3960039B2 (ja) 改質された粒子およびその製造方法、担体、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法
JP5358917B2 (ja) オレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法
JP4218265B2 (ja) 付加重合用触媒、予備重合済付加重合用触媒成分および付加重合体の製造方法
JP4013541B2 (ja) 改質された粒子およびその製造方法、担体、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法
JP5716807B2 (ja) オレフィン重合用触媒の製造方法、およびオレフィン重合体の製造方法
JP5138153B2 (ja) 付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法
JP2005068170A (ja) 改質された粒子およびその製造方法、担体、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法
JP4961801B2 (ja) 改質された粒子、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
JP4549590B2 (ja) 均一系固体触媒成分または均一系固体触媒およびその製造方法、並びに付加重合体の製造方法
JP2006274161A (ja) 付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法
JP2004285300A (ja) 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
US7202316B2 (en) Modified particle, catalyst component for addition polymerization, catalyst for addition polymerization and process for producing addition polymer
JP4110697B2 (ja) 付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
JP4218482B2 (ja) 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
JP2006233115A (ja) 付加重合用触媒成分、予備重合済付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
JP4103645B2 (ja) 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
JP4228692B2 (ja) ビスマス化合物
JP2005126628A (ja) 付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法
JP4158698B2 (ja) 付加重合触媒成分、付加重合触媒および付加重合体の製造方法
JP5147493B2 (ja) 付加重合用触媒、それを用いる付加重合体の製造方法、改質された粒子、その製造方法、および付加重合用触媒成分
JP2004285231A (ja) 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
JP2004315547A (ja) 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
JP2004027102A (ja) 改質された粒子およびその製造方法、担体、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法
JP2009209336A (ja) 付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法
JP2004292670A (ja) 接触処理物、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒および付加重合体の製造方法