JP2004285168A - 塗料用樹脂組成物および塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の成分を反応させて得られる1万から20万の数平均分子量を有する熱可塑性ウレタン樹脂(A)で変性されたビニル系樹脂及び有機溶剤を含んでなる塗料用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として建築内外装用の上塗り塗料として用いられる有機溶剤型の変性ビニル系塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
常乾型や焼付塗料において、厚塗り時や縦面の塗装をする際、垂れにくいという性能は、非常に大きい塗装作業性上での要求性能である。
【0003】
ここ約10年来、建築物の補修用塗料の市場で、従来のエマルジョン塗料にはなかった、冬場での良好な作業性、耐候性、良好な塗膜物性を有し、また、従来のアルキド塗料にはなかった、耐アルカリ性、耐候性を併せ持ち、かつ、塗装作業性が良好で、毒性の少ない脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤に溶解または分散させたビニル系樹脂、とりわけ、アクリル系樹脂をバインダーとする、いわゆる弱溶剤型アクリル系塗料が伸長している。
【0004】
なかでも、このようなアクリル系樹脂中に水酸基を導入し、ポリイソシアネート化合物で硬化させる、いわゆる弱溶剤型のアクリルウレタン塗料は、耐溶剤性が悪い旧塗膜であっても侵さないし、また、硬化塗膜は耐候性、耐水性、耐薬品性等の塗膜性能が良好で、かつ、耐溶剤性も良好であることから、当該硬化塗膜上に各種塗料で補修しても塗膜欠陥を生じないという、補修塗料に求められる性能を好適に具備しているために、その需要は、近年、益々拡大している。
【0005】
上述したような弱溶剤型アクリル系塗料やその希釈溶剤は刷毛・ローラー作業性を考慮して、高沸点のいわゆるミネラルスピリットと称される脂肪族系炭化水素溶剤を主体とするものであるために、乾燥が遅く、垂れ易いという欠点を有していた。
【0006】
そのような状況の中、垂れを改善する手法としては、樹脂的には粒子系の形態によるチクソ性付与を目指した非水ディスパージョン(NAD)化が試みられている。この手法により、ある程度の垂れ改善効果は認められるものの、近時、より高度なレベルでの垂れの改善が求められている。
【0007】
塗料配合的に、一般的手法として従来から広く用いられてきたものは、アミドワックスに代表される、いわゆる垂れ止め剤の添加であるが、この手法は添加量を増やすと鮮映性が低下するとか、ハジキ、ピンホール等の塗膜欠陥が生じやすいという欠点があるし、コストに与える影響も大きいものである。
【0008】
また、ポリアミド樹脂をアクリル樹脂に変性する試みも行われている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、当該手法はポリアミド樹脂の原料として必須であるポリアミン類由来のアミン臭があるとか、ポリアミド樹脂の本質的欠点である耐水性が劣るという建築補修用塗料用としては好ましくない欠点を有しているものであった。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−279159
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、乾燥の遅い脂肪族系炭化水素溶剤を塗料配合や希釈溶剤として使用した場合において、垂れ止め剤を使用せずとも、厚塗り部や縦面で垂れにくく、旧塗膜に対するダメージが小さく、かつ耐水性が良好な塗料用樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意検討した結果、ソフトセグメントとハードセグメントを同一分子内に有する高分子量の熱可塑性ウレタン樹脂を用いて変性したビニル系樹脂、及び有機溶剤を含んでなる塗料用樹脂組成物が上記課題を解決できることを見出した。
【0012】
すなわち、本発明は、1万から20万の数平均分子量を有する熱可塑性ウレタン樹脂(A)で変性されたビニル系樹脂及び有機溶剤を含んでなる塗料用樹脂組成物であって、前記ビニル系樹脂における熱可塑性ウレタン樹脂(A)に由来する構成部分が0.1〜10重量%であり、前記熱可塑性ウレタン樹脂(A)が、数平均分子量が1000以上である高分子ジオール(A−1)、及び低分子量グリコール及び/又は低分子量ジアミン(A−2)と、ポリイソシアネート化合物(A−3)とを、等当量比で反応させたものであって、(A−1)成分と(A−2)成分の使用比率〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が当量比で0.4〜5.0の範囲であることを特徴とする、塗料用樹脂組成物を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、被塗物上に、上述の塗料用樹脂組成物または該樹脂組成物からなる塗料組成物を塗布し硬化させることを特徴する塗膜形成方法、および当該塗膜形成方法により塗膜が形成された塗装物を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
〔1〕ビニル系樹脂
ここでいうビニル系樹脂とは、後述する各種のビニル系単量体類を後述する有機溶剤中で共重合させたものである。特に、後述する『脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解または分散させたビニル系樹脂』であって常温はもとより低温や高温でも安定であるように設計したビニル系樹脂が好ましい。
【0016】
上記ビニル系樹脂の製造には、公知慣用のビニル系単量体類が使用できる。その代表的なものとして、以下の(イ)〜(ヲ)のようなもの、すなわち、
(イ)スチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、イソプロピルスチレンまたはp−tert−ブチルスチレンなどのスチレン系単量体;
【0017】
(ロ)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソ(i)−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートもしくはラウリル(メタ)アクリレート、「アクリエステル SL」[三菱レーヨン(株)製の、C12−/C13メタクリレート混合物の商品名]、ステアリル(メタ)アクリレートのようなアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートもしくはイソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートの如き側鎖に官能基を含有しない(メタ)アクリレート類;
【0018】
(ハ)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレートまたはモノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレートをはじめ、ポリエチレングリコール−ないしはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートまたは此等とε−カプロラクトンとの付加物、「プラクセル FMないしはFAモノマー」[ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名]の如き、各種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類の如き、各種の水酸基含有ビニル系単量体類;
【0019】
(ニ)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸もしくはシトラコン酸の如き、各種の不飽和モノ−ないしはジカルボン酸類またはフマル酸モノエチル、マレイン酸モノブチルの如きジカルボン酸モノエステル類;
【0020】
(ホ) ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくはジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類の如き、3級アミノ基含有モノマー;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドもしくはアルコキシ化N−メチロール化(メタ)アクリルアミド類の如き、各種のアミド結合含有ビニル系単量体類等の含窒素ビニル系単量体類;
【0021】
(ヘ)メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートもしくはメトキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0022】
(ト)ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレートもしくはジブチルイタコネートの如き、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸により代表される各種のジカルボン酸類と1価アルコール類とのジエステル類;
【0023】
(チ)酢酸ビニル、安息香酸ビニルもしくは「ベオバ」〔オランダ国シェル社製の、分岐状(分枝状)脂肪族モノカルボン酸類のビニルエステルの商品名〕の如き、各種のビニルエステル類;
【0024】
(リ)「ビスコート 3F、3FM、8F、8FMもしくは17FM」[大阪有機化学(株)製の、含フッ素系アクリルモノマー類の商品名]、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジ−パーフルオロシクロヘキシルフマレートもしくはN−i−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の(パー)フルオロアルキル基含有ビニルエステル類、−ビニルエーテル類、−(メタ)アクリレート類または−不飽和ポリカルボン酸エステル類などの、種々の含フッ素重合性化合物類;
【0025】
(ヌ) ジアルキル〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕ホスフェート類または(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシッドホスフェート類、ジアルキル〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕ホスファイト類もしくは(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシッドホスファイト類の如き燐原子含有ビニル系単量体;
【0026】
(ル)グリシジル(メタ)アクリレート、(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アリルグリシジルエーテルのような、エポキシ基含有重合性化合物類;
【0027】
(ヲ)公知慣用の原料・手法により得られた(半)乾性油系のアルキド樹脂や、アクリル系樹脂と反応するような形に変性されたポリエステル樹脂類;
などを使用することができる。
【0028】
脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解させたビニル系樹脂は、前記ビニル系単量体類(ロ)のうち、炭素数が4以上ある比較的低極性の単量体を中心に全体の樹脂組成の極性を調整することで得ることができる。
【0029】
脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に分散させたビニル系樹脂は、上述した脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解したビニル系樹脂中で、上述のビニル系単量体(ロ)のうち、炭素数が2以下の比較的高極性のビニル系重合体類を中心に単量体を重合した、脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤に不溶なビニル系共重合体からなる分散粒子を形成させて得られるものであって、非水ディスパージョン(NAD)系ビニル系樹脂ともいわれるものである。
【0030】
本発明で使用するビニル系樹脂組成物が水酸基を有する場合、後述するポリイソシアネート化合物との組合せにより、2液硬化型の塗料組成物とすることができる。この場合の、水酸基を有するビニル系樹脂は、共重合反応をする際に、上述(ハ)に例示した各種の水酸基含有ビニル系単量体を必須の単量体として選択することにより、調整することができる。
【0031】
上記の共重合反応によりビニル系樹脂を調整する際には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、tert−ブチルパーベンゾエート(TBPB)、tert−ブチルハイドロパーオキシド(TBHPO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(DTBPO)、クメンハイドロパーオキシド(CHP)またはo,o−tert−o−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)モノパーオキシカーボネートの如き、各種のラジカル発生剤類(ラジカル発生重合触媒類ないしはラジカル重合開始剤類)を単独使用し、あるいは2種以上を併用することができる。
【0032】
〔2〕熱可塑性ウレタン樹脂(A)
本発明で使用する熱可塑性ウレタン樹脂(A)は、ソフトセグメントである高分子ジオール(A−1)とハードセグメントである低分子グリコールおよび/または低分子ジアミン(A−2)と、ポリイソシアネート(A−3)を当量で反応させたもので、数平均分子量は1万から20万のものである。ビニル系樹脂を変性した場合における、変性後の樹脂粘度を考量すると、熱可塑性ウレタン樹脂の分子量は1万から10万のものがより好ましい。
【0033】
一般的には、このような構造を有する熱可塑性ウレタン樹脂は有機溶剤に対する溶解性が良くないために、ジメチルホルムアミド(DMF)等の極性溶剤を使用する場合が多いが、そのようなものは塗料用樹脂の変性材料としては適さないため、アルコールや芳香族溶剤に溶解させた熱可塑性ウレタン樹脂を変性材料として使用することが好ましい。
【0034】
熱可塑性ウレタン樹脂(A)を使用したビニル系樹脂への変性方法としては、
▲1▼熱可塑ウレタン樹脂に含まれる活性水素と反応性のあるビニル系単量体、例えば側鎖末端にエポキシ基、イソシアネート基、トリアルキルシリル基を有するようなビニル系単量体、を熱可塑ウレタン樹脂と予め反応させた化合物と他のビニル系単量体をラジカル重合させる方法、▲2▼ビニル系単量体のラジカル重合時に水素引き抜き反応により、熱可塑性ウレタン樹脂(A)をビニル系重合体にグラフトさせる方法、が簡便である。
【0035】
〔2−1〕高分子ジオール(A−1)
熱可塑性ウレタン樹脂(A)の原料として使用することができる高分子ジオール(A−1)は、数平均分子量が1000以上あることが好ましい。数平均分子量が1000未満であるとソフトセグメントとしての機能が不十分となる。
高分子ジオール(A−1)は、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール及びポリカーボネートジオールからなる群から選ばれた少なくとも一種以上からなる化合物であることが好ましい。
【0036】
代表的なポリエステルジオールを例示すれば、エチレングリコールとアジピン酸の縮合物で両末端を水酸基に調整したもの、1,4−ブタンジオールとアジピン酸の縮合物で両末端を水酸基に調整したもの、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
【0037】
代表的なポリエーテルジオールを例示すれば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
また、代表的なポリカーボネートジオールを例示すれば、『ニッポラン 980R』〔日本ポリウレタン(株)製〕等が挙げられる。
【0038】
〔2−2〕低分子量グリコール及び/又は低分子量ジアミン(A−2)
ポリイソシアネート化合物と反応させる、ハードセグメントである低分子グリコール及び/又は低分子ジアミンとしては、例えば以下のようなものを使用することができる。
低分子グリコールとしては、エチレングリコール、1.4−ブタンジオール等が挙げられ、低分子ジアミンとしては、4,4‘−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン(IPDA)、4,4‘−ジフェニルメタンジアミン(MDA)等が挙げられる。
【0039】
さらに、(A−1)成分と(A−2)成分の使用量〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が当量比で0.4〜5.0の範囲であることが必要である。
〔2−3〕ポリイソシアネート化合物(A−3)
本発明で使用するポリイソシアネート化合物(A−3)としては、3官能以上のものも使用できるが、チクソ性向上の観点からは、熱可塑ウレタン樹脂(A)は直鎖状で高分子量であることが好ましいため、ポリイソシアネート化合物(A−3)としてはジイソシアネートが好ましい。
【0040】
当該ジイソシアネートの代表的なものとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびその水添化物、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)およびその水添化物、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等が挙げられる。
【0041】
〔3〕有機溶剤
有機溶剤としては、トルエン、キシレン、「ソルベッソ 100」〔エクソン化学(株)製品〕等のような芳香族系炭化水素溶剤類;メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール等のアルコール溶剤類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のような酢酸エステル系溶剤類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のようなケトン系溶剤;プロピレングリコールエーテル系溶剤類、プロピレングリコールエーテルエステル系溶剤類またはエトキシエチルプロピオネート等;および、脂肪族炭化水素系溶剤等を使用することができる。
【0042】
脂肪族系炭化水素系溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素単独の有機溶剤、脂肪族炭化水素と脂環族炭化水素との混合溶剤、あるいは脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素との混合溶剤を使用することができる。
これらの市販品としては、「マルカゾール RもしくはE」または「スワゾール310」[共に、丸善石油(株)製品];「LAWS」、「HAWS」または「シェルゾール 70もしくは71」〔共に、オランダ国シェル社製品〕;
【0043】
「ダイアナ・ソルベント No.0もしくはNo.1」[出光興産(株)製品]、「IPソルベント 1016、1020もしくは1620」[同上];「シェルゾール D−40」(オランダ国シェル社製品);「Aソルベント」、「Kソルベント」または「AFソルベント」[共に、日本石油(株)製品];あるいは「エクソンナフサ No.3、No.5もしくはNo.6」、「エクソール D−30、D−40、D−60もしくはD−70」または「アイソパー C、E、GもしくはH」[エクソン化学(株)製品]などが挙げられ、単独使用でも、2種以上の併用でもよい。
【0044】
〔4〕その他の成分
〔4−1〕顔料
本発明の塗料用樹脂組成物は、主として、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、黄華等の無機顔料、シアニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、タルク、クレー、合成微粉状シリカ等のいわゆる体質顔料等と、前述したビニル系樹脂とを混合し、サンドミル、ボールミル、三本ロール、ペイントコンディショナー等公知慣用の分散方法を用いて混練せしめて得られるエナメル塗料として用いることができるが、その他に、顔料類を使用しない、いわゆるクリヤー塗料として、また、アルミ粉を分散したメタリック塗料としても使用することもできるが、
【0045】
また、混練後に、塗料と、最近一般的になってきた分散顔料類や加工顔料類などと混合せしめた形のエナメル塗料として使用することもできる。
【0046】
〔4−2〕硬化剤としてのポリイソシアネート化合物
本発明で使用するビニル系樹脂が水酸基を有する場合、ポリイソシアネート化合物との組合せにより、2液硬化型の塗料組成物とすることができる。この場合、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI,水添MDIの単量体をアロファネート化、ビウレット化、ウレトジオン化、イソシアヌレート化、アダクト化した誘導体等を使用することができる。
【0047】
その中でも外部用の塗料として使用する場合に必要な耐候性を考慮すると、脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシアネート化合物が好適で、「バーノック DN−950、DN−980」[大日本インキ化学工業(株)製品]、「デスモデュール N−75」[住友バイエルウレタン(株)製品]が挙げられる。
【0048】
また、脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする有機溶剤系ビニル系樹脂に適する脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、「バーノック DN−990、DN−991、DN−991S、DN−992」[大日本インキ化学工業(株)製品]、「デスモデュール Z−4370」[住友バイエルウレタン(株)製品]または「デュラネート THA−100」[旭化成工業(株)]などが挙げられる。
【0049】
上掲の如き、当該ポリイソシアネート化合物の使用量としては、ビニル系樹脂が有する水酸基の1当量に対して、イソシアネート基が、0.5〜1.5当量となるような範囲内、つまり、OH/NCOなる当量比が1.0/0.5〜1.0/1.5なる範囲内が好ましい。
【0050】
上記範囲内であれば、十分な硬化性が得られ、また含水率の高い被塗面に塗装した際の発泡の問題が生じることはなく、くわえて塗料価格などのコスト面でも有利である。かかる観点から、さらに1/0.7〜1.2なる当量比の範囲内がより好ましい。
【0051】
〔4−3〕その他成分
塗料化の際には、例えば、「Disperbyk−161、BYK−P104」[いずれも、ドイツ国ビックケミー社製品]等の顔料分散剤類;例えば、「BYK−302」[ドイツ国ビックケミー社製品]等のレベリング剤類;例えば、「BYK−065」[ドイツ国ビックケミー社製品]、「ディスパロン OX−70」[楠本化成(株)社製品]等の消泡剤類;例えば、「ディスパロン 6820−20M」[楠本化成(株)社製品]等のタレ防止剤;
【0052】
例えば、「チヌビン P、328」[いずれも、スイス国チバ・ガイギー社製品]等の紫外線吸収剤類;例えば、「チヌビン 770、765」[いずれも、スイス国チバ・ガイギー社製品]等の光安定剤類;防黴剤;例えば、コバルト系、鉛系、ジルコニウム系またはカルシウム系などの、いわゆる金属ドライヤー類、またはジブチル錫ジラウレートの如き硬化促進剤類などのような、当業界において、公知慣用のものとなっている種々の塗料用添加剤類を使用することができる。
【0053】
また、補助的架橋剤として、上記ドライヤー類を初め、アルミニウム系、ジルコニウム系またはチタニウム系の金属アルコキシド類、金属アシレート類または金属キレート類(例えば、「アセトープ」[ホープ製薬(株)製品]、「チタコート」[日本曹達(株)製品]、「プレンアクト」[味の素(株)製品]、「オルガチックス TAシリーズ、TCシリーズ、ZAシリーズ、ZBシリーズ、ZCシリーズもしくはALシリーズ」[松本製薬(株)製品]、「AIPD、AMD、ASBDもしくはALCHシリーズ」または「アルミキレート A、DもしくはM」[川研ファインケミカル(株)製品]あるいは「テンカレート TPシリーズ」[テンカポリマー(株)製品]等)も、本発明の効果を損ねない範囲で使用できる。
【0054】
そして、本発明の塗料組成物に相溶して使用されている有機溶剤類に可溶なるものであれば、性能を改良するという目的で、可塑剤類をはじめ、その他の樹脂類、たとえば、繊維素系化合物類、アクリル化アルキド樹脂類、アルキド樹脂類、シリコン樹脂類、フッ素樹脂類、エポキシ樹脂類、または低汚染化剤としてシラン化合物の縮合物等などを、本発明の効果を損ねないような範囲で、適宜、併用することもできる。
【0055】
さらに、硬化剤として、アルコール性水酸基と反応しうる硬化剤、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン等のアミノ成分をホルムアルデヒドでメチロール化してアルコールにてエーテル化した、例えば、「スーパーベッカミン G−821−60」「スーパーベッカミン L−117−60」[いずれも、大日本インキ化学工業(株)製品]等のアミノ化合物や、ポリイソシアネート化合物をラクタム、アルコールあるいはオキシムでブロックした、例えば、「バーノックDB−980K」[大日本インキ化学工業(株)製品]等ブロックイソシアネート化合物も使用できる。
【0056】
本発明の塗料用樹脂組成物を用いて得られる塗料は、塗装時の垂れ性、耐水性が良好で、自動車用、自動車補修用、焼付用、金属用、建築内外装用としても使用できるが、特に建築内外装補修用として非常に有用である。
【0057】
代表的な被塗物類(基材類)としては、アルミニウム、ステンレス・スチール、クロム・メッキ、トタン板またはブリキ板の如き、各種の金属素材で作成されたアルミサッシ、門扉等金属製品類;あるいは瓦類;および、建築外壁、無機質建材類など各種の建築内外装用資材類;またはあらゆる種類の旧塗膜などである。
【0058】
その際の塗装にあっては、スプレー、刷毛またはローラーなどの、いわゆる公知慣用の種々の手段を利用し適用することが出来る。
【0059】
【実施例】
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、一層、具体的に説明することにする。以下において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基準であるものとする。
【0060】
参考例1〔熱可塑性ウレタン樹脂(U−1)の調製例〕
撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコにトルエン150部、エチレングリコールとアジピン酸を原料とする数平均分子量2000のポリエステル成分(A−1成分)200部、及び水添MDI(A−3成分)60部を仕込んだ。80℃まで昇温しプレポリマーを得た後冷却し、トルエン150部、イソプロピルアルコール504部を添加する。その後、低分子ジオール(A−2成分)としてエチレングリコール8.0部を投入した。2時間同温度で熟成後、不揮発分25%、粘度100dPa・s、数平均分子量約1.5万の熱可塑性ウレタン樹脂溶液(U−1)を得た。
【0061】
参考例2〔熱可塑性ウレタン樹脂(U−2)の調製例〕
参考例1と同様な装置にトルエン173部、数平均分子量2000のポリカーボネートジオール『ニッポラン 980R』(A−1成分)200部、及びIPDI(A−3成分)50.8部を仕込んだ。80℃まで昇温しプレポリマーを得た後冷却し、トルエン166部、イソプロピルアルコール500部を添加する。その後、低分子ジアミン(A−2成分)として水添MDA27.1部を投入した。2時間同温度で熟成後、不揮発分25%、粘度200dPa・s、数平均分子量約5万の熱可塑性ウレタン樹脂溶液(U−2)を得た。
【0062】
参考例3〔熱可塑性ウレタン樹脂(U−3)の調製例〕
参考例1と同様な装置にトルエン134部、エチレングリコールとアジピン酸を原料とする数平均分子量500のポリエステル成分(A−1成分)100部、及びIPDI(A−3成分)101.7部を仕込んだ。80℃まで昇温しプレポリマーを得た後冷却し、トルエン161部、イソプロピルアルコール442部を添加する。その後、低分子ジアミン(A−2)としてIPDA43.9部を投入した。2時間同温度で熟成後、不揮発分25%、粘度250dPa・s、数平均分子量約5万の熱可塑性ウレタン樹脂溶液(U−3)を得た。
【0063】
参考例4〔ビニル系樹脂(V−1)の調製例〕
撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、キシレンの300部、n−ブタノールの200部を仕込み、100℃にまで昇温した。
この温度になったところで、スチレン(以下Stと略記する)の400部、エチルアクリレート(以下EAと略記する)の450部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート(以下2−HEMAと略記する)の140部、メタアクリル酸(以下MAAと略記する)の10部、および、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)(以下パーブチルOと略記する)の10部とキシレンの500部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に8時間保持し、ビニル系樹脂(V−1)を得た。
得られた(V−1)は、不揮発分が50.0%;25℃でのガードナー粘度がV;溶液酸価が3.5;ガードナー色数が1以下である焼付用に好適なビニル系樹脂であった。
【0064】
参考例5〔ウレタン変性ビニル系樹脂(V−2)の調製例〕
参考例4と同様な装置に、参考例1で得られた熱可塑性ウレタン樹脂(U−1)の120部と、キシレンの264部、1−ブタノールの146部を仕込み、100℃にまで昇温した。
この温度になったところで、Stの400部、EAの420部、2−HEMAの140部、MAAの10部、および、重合開始剤としてパーブチルOの10部とキシレンの500部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に8時間保持し、ビニル系樹脂(V−2)を得た。
得られた(V−2)は、不揮発分が50.0%;25℃でのガードナー粘度がW;溶液酸価が3.5;ガードナー色数が1以下である焼付用ウレタン変性ビニル系樹脂(ビニル系樹脂中のウレタン変性量は3PHR)であった。
【0065】
参考例6〔脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解したビニル系樹脂(V−3)の調製例〕
参考例4と同様な装置に、「ソルベッソ100」(以下、S−100とも略記する)の250部、「LAWS」の250部を仕込み、100℃にまで昇温した。この温度になったところで、Stの150部、イソブチルメタアクリレート(以下iBMAと略記する)の500部、2−エチルヘキシルアクリレート(以下2−EHAと略記する)の270部、2−HEMAの70部、MAAの10部、および、重合開始剤としてパーブチルOの30部と「LAWS」の500部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に8時間保持し、脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解したビニル系樹脂(V−3)を得た。
得られた(V−3)は、不揮発分が50.0%;25℃でのガードナー粘度がY;溶液酸価が3.5;水酸基価(溶液)が15;ガードナー色数が1以下であるビニル系樹脂であった。
【0066】
参考例7〔脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解したビニル系樹脂(V−4)の調製例〕
参考例4と同様な装置に、参考例2で得られた熱可塑性ウレタン樹脂(U−2)の200部、グリシジルメタアクリレート(以下、GMAと略記する)の10部、「ソルベッソ100」の250部、「LAWS」の100部を仕込み、100℃にまで昇温し、同温度で2時間保持した。されに、同温度で、Stの150部、iBMAの480部、2−EHAの230部、2−HEMAの70部、MAAの10部、および、重合開始剤としてパーブチルOの30部と「LAWS」の500部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に8時間保持した後、減圧蒸留によってイソプロパノールとトルエンからなる低沸点溶剤150部を留去し、代わりに「LAWS」150部を添加して、脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解したウレタン変性ビニル系樹脂(V−4)を得た。
得られた(V−4)は、不揮発分が50.0%;25℃でのガードナー粘度がZ;溶液酸価が3.5;水酸基価(溶液)が15;ガードナー色数が1以下であるビニル系樹脂(ビニル系樹脂中のウレタン成分変性量は5PHR)であった。
【0067】
参考例8〔脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に分散したビニル系樹脂(V−5)の調製例〕
参考例4と同様な装置に、参考例6で得られたビニル系樹脂(V−3)の1000部、「LAWS」の250部を仕込み、100℃にまで昇温した。この温度になったところで、メチルメタアクリレート(以下、MMAと略記する)の200部、EAの200部、2−HEMAの100部、および、重合開始剤としてパーブチルOの30部と「LAWS」の250部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に8時間保持し、脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に分散したビニル系樹脂(V−5)を得た。
得られた(V−5)は、不揮発分が50.0%;25℃でのガードナー粘度がZ;溶液酸価が1.8;水酸基価(溶液)が29;外観が乳白色のビニル系NAD樹脂であった。
【0068】
参考例9〔脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に分散したビニル系樹脂(V−6)の調製例〕
参考例4と同様な装置に、参考例7で得られたビニル系樹脂(V−4)の1000部、「LAWS」の250部を仕込み、100℃にまで昇温した。この温度になったところで、MMAの200部、EAの200部、2−HEMAの100部、および重合開始剤としてパーブチルOの30部と「LAWS」の250部の混合物を4時間かけて滴下後同温度に8時間保持し、脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に分散したウレタン変性ビニル系樹脂(V−6)を得た。
得られた(V−6)は、不揮発分が50.0%;25℃でのガードナー粘度がZ1;溶液酸価が1.8;水酸基価(溶液)が29;外観が乳白色のビニル系NAD樹脂(ビニル系樹脂中のウレタン成分変性量は2.5PHR)であった。
【0069】
参考例10〔脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に分散したビニル系樹脂(V−7)の調製例〕
参考例4と同様な装置中で、参考例9と同様な操作を行う。ただし、参考例9の分散安定剤として使用した(V−4)の代わりに、参考例7で(V−4)を作る際に使用した熱可塑ウレタン樹脂(U−2)の代わりに(U−3)を使用したビニル系樹脂(V−4’)を用いた。このようにして脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に分散したウレタン変性ビニル系樹脂(V−7)を得た。
得られた(V−7)は、不揮発分が50.0%;25℃でのガードナー粘度がZ1;溶液酸価が1.8;水酸基価(溶液)が29;外観が乳白色のビニル系NAD樹脂(ビニル系樹脂中のウレタン成分変性量は2.5PHR)であった。
【0070】
参考例11
撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、「ニューマイド 945」(ハリマ化成製ポリアミド樹脂;アミン価10,酸価1)の280部と「ソルベッソ100」426部を仕込み、120℃に昇温しポリアミド樹脂を溶解させた後、グリシジルメタアクリレート(以下、GMAと略記する)の4.26部を添加し、同温度で2時間反応させてアクリル基を末端に有するポリアミド系マクロマーの溶液を得た。この化合物の不揮発分は40%、酸価は0.4、アミン価は1.6であった(GMAはポリアミド樹脂に対してモル比で若干過剰)。
このマクロマーを用いて参考例7に類似した形の脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解したビニル系樹脂(V−8)を合成した。
すなわち、参考例4と同様な装置に、上述のマクロモノマー125部、「ソルベッソ100」の250部、「LAWS」の115部を仕込み、100℃にまで昇温し、同温度で2時間保持した。されに、同温度で、Stの150部、iBMAの490部、2−EHAの230部、2−HEMAの70部、MAAの10部および重合開始剤としてパーブチルOの30部と「LAWS」の560部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に8時間保持して、脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解したウレタン変性ビニル系樹脂(V−8)を得た。
得られた(V−8)は、不揮発分が50.0%;25℃でのガードナー粘度がZ;溶液酸価が3.5;水酸基価(溶液)が15;ガードナー色数が1以下であるビニル系樹脂(ビニル系樹脂中のポリアミド系樹脂変性量は5PHR)であった。
【0071】
各参考例で得られた樹脂を、表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
実施例1
参考例5で得られたビニル系樹脂(V−2)の100部に「タイペーク R−930」〔石原産業(株)製酸化チタン〕の50部を配合し、サンドミルで分散した。
これに「スーパーベッカミン G−821−60」を33部配合し、キシレンにて岩田カップ18秒になるように調整した。
これを角度45度に立てかけたブリキ板に、乾燥膜厚が50μmになるようにエアスプレー塗装し、10後、140℃で1時間焼付し、垂れの状況を判断した。また、外観、耐水性の評価を行うためにガラス板に乾燥膜厚30μmとなるように塗装後、140℃で1時間焼付した塗板を準備した。
【0074】
実施例2
参考例7で得られたビニル系樹脂(V−4)の120部に「タイペーク R−930」の40部を配合し、サンドミルで分散した。
これを「LAWS」にてストーマー粘度計で70KUになるように調整後、「バーノック DN−990−S」を7.5部配合し、サグメータで塗装し、垂れ性を評価した。また、外観、耐水性の評価を行うためにガラス板に乾燥膜厚50μmとなるように刷毛塗り後、25℃で1週間乾燥した塗板を準備した。
【0075】
実施例3
参考例9で得られたビニル系樹脂(V−6)の120部に「タイペーク R−930」の40部を配合し、サンドミルで分散した。
これを「LAWS」にてストーマー粘度計で70KUになるように調整後、「バーノック DN−990−S」を15部配合し、サグメータで塗装し、垂れ性を評価した。また、外観、耐水性の評価を行うためにガラス板に乾燥膜厚50μmとなるように刷毛塗り後、25℃で1週間乾燥した塗板を準備した。
【0076】
比較例1
実施例1における参考例5のビニル系樹脂(V−2)を参考例4のビニル系樹脂(V−1)に代える以外は実施例1と同様な操作と評価を行った。
【0077】
比較例2
実施例2における参考例7のビニル系樹脂(V−4)を参考例6のビニル系樹脂(V−3)に代える以外は実施例2と同様な操作と評価を行った。
【0078】
比較例3
実施例3における参考例9のビニル系樹脂(V−6)を参考例8のビニル系樹脂(V−5)に代える以外は実施例3と同様な操作と評価を行った。
【0079】
比較例4
実施例3における参考例9のビニル系樹脂(V−6)を参考例10のビニル系樹脂(V−7)に代える以外は実施例3と同様な操作と評価を行った。
【0080】
比較例5
実施例2における参考例7のビニル系樹脂(V−4)を参考例11のビニル系樹脂(V−8)に代える以外は実施例2と同様な操作と評価を行った。
【0081】
比較例6
参考例6で得られたビニル系樹脂(V−3)120部に、「ディスパロン 6820−20M」[楠本化成(株)社製ポリアミド系タレ防止剤]9部(ビニル系樹脂固形分に対し、ポリアミド系添加剤固形分で3%)、及び「タイペーク R−930」の40部を配合し、サンドミルで分散した。
これを「LAWS」にてストーマー粘度計で70KUになるように調整後、「バーノック DN−990−S」を7.5部配合し、サグメータで塗装し、垂れ性を評価した。また、外観、耐水性の評価を行うためにガラス板に乾燥膜厚50μmとなるように刷毛塗り後、25℃で1週間乾燥した塗板を準備した。
【0082】
実施例、比較例の結果を表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】
〔評価方法〕
・垂れ性−I
角度45度に立てかけたブリキ板に、乾燥膜厚が50μmになるようにエアスプレー塗装し、10後、140℃で1時間焼付し、垂れの状況を判断した。
【0085】
・垂れ性−II
サグメータで塗装し、ウェット状態で垂れが発生する最小膜厚を調べることにより垂れ性を評価した。
* サグメータにより、異なる膜厚の塗膜を同時に塗装することができ、垂れが発生する最小の膜厚により垂れ性を評価した。したがって、この膜厚が大きいほど垂れ性は良好である。膜厚の単位はmil(1mil=25.4μm)で表わされる。
【0086】
・外観・光沢
硬化乾燥後のガラス板に対し、ハジキ・ピンホール等の塗膜欠陥、ボケ・鮮映性等の光沢感を目視判定。
〈判定基準〉
○:光沢感良好で、ハジキ・ピンホール等の塗膜欠陥なし。
△:艶引け感があるが、ハジキ・ピンホール等の塗膜欠陥なし。
×:艶引け感があり、かつハジキ・ピンホール等の塗膜欠陥あり。
【0087】
・耐水性
上記塗板を水道水に1週間浸漬し、引き上げ後1時間後に艶引け、ブリスタ等を目視判定。
〈判定基準〉
○:光沢感良好で、ブリスタ等の塗膜欠陥なし。
△:艶引け感あり。
×:艶引け感があり、かつブリスタ等の塗膜欠陥あり。
【0088】
・アミン臭
官能試験でアミン臭を評価。
〈判定基準〉
○:アミン臭なし。
○△:若干のアミン臭を感じる。
△:かなりのアミン臭を感じる。
×:強烈なアミン臭を感じる(△よりも程度が大きい。)。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、焼付、常温乾燥のいずれのタイプの塗料に応用しても、垂れ性、耐水性、アミン臭の全てにおいて良好な塗料用樹脂組成物を得ることができる。
Claims (7)
- 1万から20万の数平均分子量を有する熱可塑性ウレタン樹脂(A)で変性されたビニル系樹脂及び有機溶剤を含んでなる塗料用樹脂組成物であって、
前記ビニル系樹脂における熱可塑性ウレタン樹脂(A)に由来する構成部分が0.1〜10重量%であり、
前記熱可塑性ウレタン樹脂(A)が、数平均分子量が1000以上である高分子ジオール(A−1)、及び低分子量グリコール及び/又は低分子量ジアミン(A−2)と、ポリイソシアネート化合物(A−3)とを、等当量比で反応させたものであって、(A−1)成分と(A−2)成分の使用比率〔(A−1)成分/(A−2)成分〕が当量比で0.4〜5.0の範囲であることを特徴とする、塗料用樹脂組成物。 - 高分子ジオール(A−1)が、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール及びポリカーボネートジオールからなる群から選ばれた少なくとも一種以上からなる化合物である、請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
- ポリイソシアネート化合物(A−3)がジイソシアネート化合物である請求項1又は2に記載の塗料用樹脂組成物。
- 前記有機溶剤が脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とするものである、請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用樹脂組成物を用いて得られる塗料。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用樹脂組成物を用いて塗膜が形成された塗装物。
- 請求項5に記載の塗料を用いて塗膜が形成された塗装物。
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