JP2004285115A - 易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フイルム - Google Patents

易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フイルム Download PDF

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正幸 堤
Keizo Kawahara
恵造 河原
Shinsuke Yamaguchi
信輔 山口
Hisato Kobayashi
久人 小林
Shigeto Yoshida
成人 吉田
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Abstract

【課題】本発明は、フィルムと接着性改質層との密着性が良好でインキ層やラミネート層を積層した場合の接着性に優れ、かつ経済性、リサイクル性、製造時の環境適合性の優れた易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなる延伸フィルムの少なくとも片面に、水溶性および/または水分散性のポリウレタン系樹脂よりなる接着性改質層を積層した易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムである。特に接着性改質層を未延伸フィルム又は一軸延伸フィルムにポリマーの水分散体を塗布した後、次いで一軸方向または二軸方向に一回以上延伸した後、熱処理することによって形成させることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルム、さらに詳しくは該フィルムと接着性改質層との密着性に優れ、インキ層やラミネート層を積層した場合の接着性に優れたシンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムは、耐熱性、電気特性、透明性、易引裂き性等に優れ、磁気テープ用、写真・製版用、コンデンサー用、包装用等、各種のフィルム用途に展開が期待されている。
【0003】
延伸フィルムを包装材料として用いる場合、一般的には延伸フィルムの少なくとも片面に必要に応じて印刷層、有機高分子を塗布積層したガスバリアー層、無機あるいは金属を蒸着したガスバリア層などを積層し、さらに接着剤を積層した上へ、ドライラミネート法や押出ラミネート法によりシーラント層などを設けた積層体とし、該積層体を用いて袋を作製し、それに内容物を充填後、開口部をヒートシールして、密閉包装された食品や薬品や雑貨品などを一般消費者に提供している。そのため、上記積層体を構成するために、延伸フィルムには印刷層やガスバリアー層またはシーラント層などとの十分な接着性を得るため、コロナ処理等の物理処理や接着性改質層を設けることが一般的になされている。
【0004】
シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムの場合も、特開平5−338089号公報にはフィルム表面をコロナ処理して表面張力を高くしてからアンカーコート剤を塗布し、その上にシーラント層を設けることが開示されている。しかし、コロナ放電処理の場合、処理後のフィルムが半永久帯電しやすく作業性が低下する問題があり、また接着性も十分とは言えなかった。特開2000−6330号公報には、ガスバリアー層またはシーラント層との接着性を高めるために自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体からなる接着性改質層をシンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムに積層することが開示されている。しかし、接着性改質層が架橋性高分子であるため、このフィルムは再溶融押出しが困難であり、リサイクル性に問題があった。
【0005】
一方、シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムにコート法で滑り性や耐削れ性の向上ための改質層を設けることは、特開平3−109453号公報、特開平3−109454号公報、特開平8−39741号公報、特開平8−48008号公報、特開2000−6330号公報などで開示されているが、用いられている改質層とフィルムとの接着性は十分とは言えなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−338089号公報
【特許文献2】
特開2000−6330号公報
【特許文献3】
特開平3−109453号公報
【特許文献4】
特開平3−109454号公報
【特許文献5】
特開平8−39741号公報
【特許文献6】
特開平8−48008号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
シンジオタクチッポリスチレン系延伸フィルムの場合、満足できる接着性改質層を設けることが困難であった。例えば、従来の水系塗布剤を用いる場合、該フィルムの表面が、表面エネルギーが低く結晶化度が高いなどの性質のために該フィルムと接着性改質層との十分な密着性が得られない。一方、溶剤系の塗布剤を用いることは、衛生性やリサイクル性の観点から好ましくない。
【0008】
本発明は、フィルムと接着性改質層との密着性に優れ、インキ層やラミネート層を積層した場合の接着性に優れた易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムを提供することを目的とする。更に、経済性、リサイクル性、製造時の環境適合性の優れた易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、接着性改質層とフィルムとの密着性に優れたシンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムを鋭意検討した結果、該フィルムの少なくとも片面に、水溶性および/または水分散性のポリウレタン系樹脂よりなる接着性改質層を積層することで上記目的を達成させることができた。
【0010】
すなわち本発明は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなるフイルムの少なくとも片面に、水溶性および/または水分散性のポリウレタン系樹脂よりなる接着性改質層を積層したことを特徴とする易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フイルムである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体(以下シンジオタクチックポリスチレン系重合体ともいう)としては、シンジオタクチック構造として側鎖のフェニル基又は置換フェニル基が核磁気共鳴法により定量されるタクティシティがダイアッド(構成単位が2個)で85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で50%以上のシンジオタクチック構造であるポリスチレン、ポリ(p−、m−またはo−メチルスチレン)、ポリ(2,4−、2,5−、3,4−または3,5−ジメチルスチレン)、ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン)などのポリ(アルキルスチレン)、ポリ(p−、m−またはo−クロロスチレン)、ポリ(p−、m−またはo−ブロモスチレン)、ポリ(p−、m−またはo−フルオロスチレン)、ポリ(o−メチル −p−フルオロスチレン)などのポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(p−、m−またはo−クロロメチルスチレン)などのポリ(ハロゲン置換アルキルスチレン)、ポリ(p−、m−またはo−メトキシスチレン)、ポリ(p−、m−またはo−エトキシスチレン)などのポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p−、m−またはo−カルボキシメチルスチレン)などのポリ(カルボキシアルキルスチレン)、ポリ(p−ビニルベンジルプロピル)などのポリ(アルキルエーテルスチレン)、ポリ(p−トリメチルシリルスチレン)などのポリ(アルキルシリルスチレン)、さらにはポリ(ビニルベンジルジメトキシホスファイド)などが挙げられる。特にシンジオタクチックポリスチレンが好適である。
【0012】
本発明に用いるシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体は、必ずしも単一化合物である必要はなく、アタクチック構造やアイソタクチック構造のポリスチレン系重合体との混合物や、共重合体およびそれらの混合物でもよいが、少なくとも40重量%以上はシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体から成るものである。
【0013】
また、本発明に用いるシンジオタクチックポリスチレン系重合体は、重量平均分子量が10,000以上、さらに好ましくは50,000以上である。重量平均分子量が10,000未満のものでは、強伸度特性や耐熱性に優れた二軸延伸フィルムを得ることができない。重量平均分子量の上限については特に限定されるものではないが、1500,000以上では押出機の負荷の増加、延伸張力の増加に伴う破断の発生などが生じるため好ましくない。
【0014】
本発明に用いるシンジオタクチックポリスチレン系重合体には、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の各種添加剤、例えば滑剤、顔料、熱安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐衝撃性改良剤等が添加されていてもよい。
滑剤としては、シリカ、二酸化チタン、タルク、カオリナイトなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属塩または有機ポリマーからなる粒子など、シンジオタクチックポリスチレン系ポリマーに対し不活性な粒子が挙げられる。上記滑剤のいずれか一種を単独に用いても二種以上を併用してもよい。
【0015】
本発明のシンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムは、公知の方法で製造することが出来る。例えば、ダイスからシンジオタクチックポリスチレン系重合体をフィルム状に溶融押出し冷却固化して得た未延伸フィルムを、縦延伸および横延伸を順に行う逐次二軸延伸方法が適用できる。この他に、横・縦逐次二軸延伸法、縦・横・縦逐次延伸法、縦・縦・横逐次延伸法等の逐次延伸方法、縦延伸および横延伸を同時に行う同時二軸延伸方法などを採用することができ、要求される強度や寸法安定性などの諸特性に応じて延伸方法を選択できる。縦一軸延伸法、横一軸延伸法による一軸延伸フィルムでも構わない。延伸装置としては、ロール延伸機、テンター延伸機、インフレーション延伸機などを用いることができる。また、延伸後のフィルムは、熱固定処理、縦弛緩処理、横弛緩処理などの熱処理を行なうことが、熱寸法安定性および接着性などが向上する点で好ましい。
【0016】
水溶性および/または水分散性のポリウレタン系樹脂で構成された接着性改質層をシンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムに設ける方法としては、限定されず任意であるが、請求項2に記載のごとく、水溶性および/または水分散性ポリマーを含む水系塗布液を未延伸フィルム又は一軸延伸フィルムに塗布・乾燥した後、次いで一軸方向又は二軸方向に一回以上延伸した後、熱処理する方法(インラインコート法)が挙げられる。また、延伸・熱処理を実施したフィルムにインライン又はオフラインで水系の塗布液を塗布・乾燥しても構わない。インラインコート法は、安価に製造可能な他に、フィルムと接着性改質層の密着性が向上する点でも好ましい。
【0017】
塗布方法としては、公知のコーティング方式が適用できるが、例えば、ロールコート法、エアーナイフ法、バーコート法が挙げられる。
【0018】
本発明における水溶性および/または水分散性のポリウレタン系樹脂とは、水又は水を主成分としてアルカリ性水溶液、酸性水溶液、有機溶剤、または界面活性剤などを含む水系塗布液に可溶あるいは分散可能なポリウレタン系樹脂を意味し、例えば、主鎖や側鎖に親水性基を導入することで水分散性が発現する。親水性基としては、−COM基、−SOM基(Mは水素、周期表第I、II、III族元素、アンモニウムなどのカチオンを示す)、−NH、−OH、塩基性窒素基、ポリアルキレングリコール基などが挙げられる。
【0019】
上記ポリウレタン系樹脂を水系塗布液に分散や溶解させるために水に溶剤を混合することができる。用いる溶剤としては、極性の高い溶剤が挙げられる。すなわち、水分散性ポリマー成分を膨潤、分散、あるいは溶解する溶剤である。このような溶剤として具体的には、炭素数が1〜5であるアルコール、エステル系、ケトン系、アミド系溶剤などを挙げることができる。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、などが挙げられる。エステル系、ケトン系、アミド系溶剤として具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブなどが挙げられる。これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて混合溶剤として使用することができる。また、水溶性や水分散性を向上するために酸やアルカリ成分を添加し水系溶媒のPH調整をすることも好ましい実施態様である。さらに、水分散性を向上させるために、水にアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、アルキルスルホン酸ソーダ、アルキルエーテルスルホン酸ソーダなどの界面活性剤や脂肪酸、脂肪酸塩、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、などを含有させても良い。
【0020】
本発明の接着性改質層に用いられるポリウレタン系樹脂は、水溶性あるいは水分散性能を有すれば限定なく任意であるが、例えば、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸およびポリアルキレングリコール等の親水性基を含有したジアミンやジオールを共重合する方法等が挙げられる。
【0021】
本発明の、水溶性および/または水分散性のポリウレタン系樹脂はそのままで本発明に用い得る接着改質層を形成し得るが、他の目的から汎用のポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、それらの共重合体、各種水分散樹脂などや各種機能性樹脂、例えばポリアニリンやポリピロールなどの導電性樹脂や抗菌性樹脂、紫外線吸収性樹脂、ガスバリアー性樹脂を混合して接着性改質層を形成しても構わない。
【0022】
さらに本発明の効果を損なわない範囲で、接着性改質層に、帯電防止剤、無機滑剤、有機滑剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含有させることができる。
【0023】
本発明においては、本発明で得られた易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フイルムは、請求項3に記載のようにラミネート強度が50gf/15mm以上であることが好ましい実施態様である。70gf/15mm以上がより好ましく、90gf/15mm以上が特に好ましい。ラミネート強度が50gf/15mm未満では、包装袋として用いた時に包装袋のラミネート部分に剥がれを生じ、包装した内容物が漏れたりあるいは変質したりするので好ましくない。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例中で示される特性は、以下の方法で測定・評価したものである。
【0025】
(1)フィルムと接着性改質層との密着性評価
次に示すテープ剥離試験によりシンジオタクチックポリスチレン系フィルムと接着性改質層との密着性を評価した。
ガラス板に50mm×60mmサイズの両面テープ(日東電材(株)製No.535A)を貼付け、その上に、接着性改質層が積層されたシンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムを塗布面を上方にして貼付けた。次に、幅24mm、長さ100mmのセロファン粘着テープ(ニチバン(株)製CT−24)の約半分を接着性改質層の面に貼付け、厚さ2mm、幅30mm、長さ100mmのポリテトラフルオロエチレン製板を折り曲げた曲面部分でセロファン粘着テープの貼付けた部分を押しつけ密着させた後、手で90度方向にセロファン粘着テープを急速剥離し、剥離箇所を目視で観察し、接着層が剥離しなかった場合を○、剥離した場合を×として、接着性改質層とシンジオタクチックポリスチレン系フィルムとの密着性の良否を判断した。
【0026】
(2)印刷性の評価
次に示す評価方法に従い、シンジオタクチックポリスチレン系フィルムの印刷性(インキの濡れ性と密着性)を評価した。
A−4サイズ(210mm×297mm)の試験片を準備し、その試験片の接着性改質面側にグラビアインキ(東洋インキ製造(株)製NEWファインR39藍)を乾燥後厚み3μmとなるように塗布し、90℃、120秒間乾燥した。なお、試験用グラビアインキは、市販のグラビアインキを希釈溶剤(東洋インキ製造(株)製NF102)で希釈し、粘度調製したものを用いた。グラビアインキの粘度は、#3ザーンカップを用いて測定し、粘度17秒となるように粘度調製した。以上の評価で、インキのはじきのないものを○、はじきのあるものを×とした。更にインキ層の密着性を(1)と同様の剥離試験によって評価した。剥離しないものを○、剥離するものを×とした。
【0027】
(3)ラミネート強度
試料フイルムの接着性改質層面にポリウレタン系接着剤(東洋モートン社製TM590)と硬化剤(東洋モートン社製CAT56)を100:16の割合で配合した配合物を塗布後、線状低密度ポリエチレンフイルム(L−LDPEフイルム:東洋紡績社製、L6102)40μmをドライラミネートし、40℃の環境下で3日間エージングを行いラミネートフイルムとした。上記方法で得られたラミネートフイルムをラミネートフイルムの縦方向に15mm×150mm長のカットサンプルを作り、接着面の界面だしを行いラミネート強度(90度剥離)を測定した。測定は以下の条件で行った。測定装置:引張試験機(東洋ボールドウィン社製、テンシロンUTMII型)、試料幅:15mm、引張速度:200mm/分。
【0028】
(実施例1)
平均粒径2μmの架橋ポリスチレン微粒子を滑剤としてシンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量300,000)100重量%に対して2.0重量%添加したポリマーチップと滑剤の添加されていないポリマーチップを重量比で1対9の割合で混合した後、乾燥し、295℃で溶融し、500μmのリップギャップのTダイから押し出し、40℃の冷却ロールに静電印荷法により密着・冷却固化し、240μmの無定型シートを得た。
【0029】
該無定型シートをまずロールにより98℃に予熱し、表面温度750℃の赤外線加熱ヒーターを4本使用さらに加熱し、フィルム温度140℃で縦方向に3.3倍延伸し、さらに120℃のロールで縦方向に1.2倍延伸し、ついで150℃のセラミックロールと40℃の金属ロールの間で12%縦弛緩処理を行い、ついで末端イソシアネート基を親水性基でブロックした水溶性ポリウレタン系樹脂(第一工業製薬(株)製、エストロン)を固形分で9重量%含む塗布液をダイコーター方式で塗布し、70℃の熱風で乾燥し、さらにテンターでフィルムを110℃に予熱し、横方向に延伸温度120℃で3.5倍延伸し、265℃で10秒熱固定した。その後、230℃で5%横弛緩処理し、さらに220℃のセラミックロールと40℃の金属ロールの間で3%縦弛緩処理した。得られたフィルムの厚みは20μmの二軸延伸シンジオタクチックポリスチレンフィルムを得た。最終的なコート剤塗布量は0.1g/mであった。得られた該シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムの評価結果を表1に示した。
【0030】
(実施例2)
実施例1において、塗布液を大日本インキ化学工業(株)製のポリウレタン系樹脂の水分散体であるAP−30に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2のシンジオタクチックポリスチレン系延伸フイルムを得た。得られたフイルムの特性を表1に示した。
【0031】
(比較例1)
実施例1において、ポリウレタン系樹脂を塗布しない以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のシンジオタクチックポリスチレン系延伸フイルムを得た。得られたフイルムの評価結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
Figure 2004285115
【0033】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明は特許請求の範囲に記載のとおりの構成を採用することにより、フィルムと接着性改質層との密着性に優れ、インキ層やラミネート層を積層した場合の接着性に優れた易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムが提供される。また、フィルム製造工程においてインラインコート法で接着性改質層を積層でき経済的である。また、できたフィルムのリサイクルも可能である。

Claims (3)

  1. シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなるフイルムの少なくとも片面に、水溶性及び/または水分散性のポリウレタン系樹脂よりなる接着性改質層を積層したことを特徴とする易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フイルム。
  2. ポリウレタン系樹脂で構成された接着性改質層が、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなる未延伸フィルム又は一軸延伸フィルムに塗布した後、次いで一軸方向又は二軸方向に一回以上延伸した後、熱処理することによって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルム。
  3. 耐水ラミネート強度が50gf/15mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の易接着シンジオタクッチクポリスチレン系延伸フイルム。
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