JP2004284788A - シート処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートの処理速度の高速化やその処理能力の大量化を図った場合であっても、シートの揃え処理やトレイへの積載等を整然と良好に行うことができるシート処理装置を提供する。
【解決手段】例えば、シート搬送経路を通して搬送排出されるシートPを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイ21を備え、その第1トレイ21のシート排出方向下流側となる端部において出没し、その第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイ30を備えているシート処理装置の場合には、その補助トレイ30のシートが接触または接近し得る部位の少なくとも1部にシートを除電する除電部材80を配する。
【選択図】 図11
【解決手段】例えば、シート搬送経路を通して搬送排出されるシートPを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイ21を備え、その第1トレイ21のシート排出方向下流側となる端部において出没し、その第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイ30を備えているシート処理装置の場合には、その補助トレイ30のシートが接触または接近し得る部位の少なくとも1部にシートを除電する除電部材80を配する。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを一時的に積載収容して必要に応じて揃え処理等の処理を施した後に排出するトレイを備えたシート処理装置に係り、特に、複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置と組み合わせて使用することが可能なシート処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のシート処理装置は、画像形成装置で画像が形成されたシートについて揃え処理、綴じ処理、穿孔(孔開け)処理、折り処理等の後処理を行うことが可能であるため、画像形成装置と組み合わせて使用されることが多い。また、本出願人も、この種のシート処理装置の製品化やその装置に関する提案も行っている(特許文献1)。
【0003】
例えば、そのシート処理装置では、図23に示すように、処理対象のシートPを第1トレイ100に所定の枚数だけ積載収容してそのシート端部どうしを揃える揃え処理を施したり、あるいはそのシートの束を綴じ処理手段110により綴じ処理を施した後、その処理後のシートPを束状態で、ニップ解除可能な排出ロール対120等により第2トレイ130に排出して積載収容している。また、シート処理装置によっては、図示しない孔開け処理手段等により孔開け処理をした後のシートPを上記第1トレイ100に積載収容することなく、排出ロール対120を通して直接第2トレイ130に排出して積載収容することもある。図中の符号140はシートPを搬送する搬送ロール対である。
【0004】
そして、このようなシート処理装置にあっては、近年における画像形成装置の高速化などの影響も受けて、その処理速度の高速化や綴じ処理等の一度で行う処理能力の大量化などが望まれており、かかる要請に対応した製品化や研究開発が進められている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−26360号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しなしながら、その処理速度の高速化や処理能力の大量化に対応したシート処理装置の場合には、次のような課題がある。
【0007】
すなわち、第1トレイ100等で高速でシートの揃え処理を行ったり、あるいは大量のシート束を第1トレイ100から第2トレイ130に排出するようになると、頻繁にシートPと第1トレイ100等とが擦れ合うため、シートPとトレイ等の間で大量に静電気が発生するようになる。
【0008】
これにより、図24に例示するようにシートPや第1トレイ100等が帯電した状態になり、シートとトレイまたはシートどうしが静電的に吸着する(貼りつく)ことが多くなるため、第1トレイ100でのシートの揃え処理時(同図a)やシート束の排出および積載時(同図b)に一部のシート(またはシート束)Pxがずれてしまい、この結果、特に揃え処理やトレイへの積載を良好に行うことができなくなる。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その主な目的とするところは、シートの処理速度の高速化やその処理能力の大量化を図った場合であっても、シートの揃え処理やトレイへの積載等を整然と良好に行うことができるシート処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明(第1)のシート処理装置は、シート搬送経路を通して搬送排出されるシートを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイを備えたシート処理装置において、前記第1トレイのシートが接触または接近し得る部位の少なくとも1部にシートを除電する除電部材を配したことを特徴とするものである。この場合には、その除電部材の存在により、第1トレイとの接触等により静電気が発生して帯電したシートが除電されるようになる。この手段は、第1トレイがシートとの接触等で静電気を発生しやすような材質で構成されている場合に有効である。
【0011】
また本発明(第2)のシート処理装置は、シート搬送経路を通して搬送排出されるシートを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイと、その搬送経路から第1トレイのシート排出側端部に接触して通過排出されるシートまたは第1トレイから排出されるシートを積載収容する第2トレイとを備えたシート処理装置において、前記第2トレイに排出されるときのシートが接触または接近し得る前記第1トレイの部位の少なくとも一部にその排出されるシートを除電する除電部材を配したことを特徴とするものである。この場合にも、その除電部材の存在により、第1トレイとの接触等により静電気が発生して帯電したシートが除電されるようになる。この手段も、第1トレイがシートとの接触等で静電気を発生しやすような材質で構成されている場合に有効である。
【0012】
さらに本発明(第3)のシート処理装置は、シート搬送経路を通して搬送排出されるシートを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイと、この第1トレイのシート排出方向下流側となる端部において出没してその第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイとを備えたシート処理装置において、前記第1トレイに前記補助トレイのシートを支持する面を除電する除電部材を配したことを特徴とするものである。この場合には、その除電部材の存在により、シートとの接触等により静電気が発生して帯電した補助トレイのシート支持面が除電されるようになる。
【0013】
上記第1または第2発明の装置においては、前記第1トレイのシート排出方向下流側となる端部において出没し、その第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイを備えている場合には、さらに以下の手段を適宜選択して採用するとよい。以下の手段は、特に第1トレイがシート等の接触により静電気が発生しないかまたは発生しにくい材質等で構成されている一方で補助トレイがシートとの接触等で静電気が発生しやすい材質等で構成されている場合に、有効である。
【0014】
例えば、前記除電部材を、その補助トレイのシートが接触または近接し得る部位に配するとよく、この場合には、その除電部材を補助トレイの少なくともシート排出方向下流側となる端部に配することが好ましい。
【0015】
また、前記第1トレイに前記補助トレイのシートを支持する面を除電する除電部材を配するとよい。この場合には、補助トレイのシート支持面が静電気で帯電することがあっても、その除電部材により除電されるようになる。
【0016】
さらに、前記補助トレイのシートが接触または接近し得る部位の少なくとも1部を導電性材料により形成するとよい。この場合には、その導電性材料で形成した部位の存在により、補助トレイのシート支持面がシートと接触等しても静電気の発生が抑えられるようになる。
【0017】
また、前記補助トレイのシートを支持する面にシート排出方向に沿って伸びるリブを形成するとよい。この場合には、そのリブの存在により、補助トレイのシート支持面とシートとの接触割合が少なくなって、そのシート支持面がシートと接触等しても静電気の発生が抑えられるようになる。
【0018】
上記補助トレイのシート支持面に関して導電性材料で形成する手段やリブを形成する手段においては、さらにその第1トレイに補助トレイのシートを支持する面を除電する除電部材を配するとよい。この場合には、補助トレイのシート支持面が、前記したように静電気の発生が抑制さえることに加え、たとえ静電気が発生して帯電することがあっても、その除電部材で除電されるようになる。
【0019】
一方、上記第3発明の装置においても、以下の手段を適宜選択して採用するとよい。
【0020】
例えば、前記第1トレイの少なくともシート排出方向下流側となる端部に、前記除電部材を前記補助トレイの突出する先端部からシートを支持する面にかけて接触し得る状態で配するとよい。この場合には、補助トレイのシートとの接触または近接する部位における必要不可欠な除電を効果的に行うことができる。
【0021】
また、前記補助トレイのシートを支える面にシート排出方向に沿って伸びるリブを形成するとよい。この場合には、前記リブを形成した場合と同様に、補助トレイのシート支持面での静電気の発生が抑えられるようになり、前記除電部材によるシート支持面の除電すべき割合が低減されるようにもなる。
【0022】
なお、上記各発明の装置における第1トレイは、シートを単に一時積載するだけのトレイとして構成してもよいが、例えば、その積載した(複数枚の)シートについて少なくとも揃え処理を施すか、あるいは、揃え処理に加えて綴じ処理が施されるように構成してもよい。
【0023】
また、上記除電部材としては、静電気を帯びたもの(シートなど)に近づけることにより静電気の放電を促すような性質を示すものが使用される。また、この除電部材としては、搬送されるシートに触れてそのシートの搬送を阻害しないような設置の仕方や材質のものを適宜選択して使用することが好ましい。
【0024】
上記導電性材料としては、導電性を有する材料であればよく、例えば導電性の合成樹脂や金属材料が使用される。
【0025】
【発明の実施の形態】
《実施の形態1》
図1は、本発明の実施の形態1に係る後処理装置を示すものである。この後処理装置1は、図示しない複写機、プリンタ等の画像形成装置のシート排出口がある側壁面側に接続するように配置し、その画像形成装置で画像が形成されて排出されるシート(用紙)Pについて必要により所望の後処理を施すために組み合わせて使用するものである。
【0026】
後処理装置1は、その処理対象となるシートPを装置筐体10内に導入して所定の部位まで導くシート搬送経路15と、このシート搬送経路15を通して搬送されるシートPを揃える揃え処理装置20と、この揃え処理装置20で揃えられたシートPの束を綴じる綴じ処理装置40と、シート搬送経路15を通して搬送されて排出されるシートPや揃え処理装置20等による処理を施した後に排出されるシートPを積載収容するスタックトレイ60とが装備されている。
【0027】
シート搬送経路15は、図2等に示すようにガイド部材16等により用紙Pの搬送通路として形成されている。この搬送経路15の所定箇所には、その搬送通路内にそって用紙Pを搬送するためのシート搬送ロール対17、18、…が複数配置されている。
【0028】
揃え処理装置20は、シート搬送経路15の終端部分となるシート送出ロール対18の近傍に設けられている。そして、この揃え処理装置20は、図2や図3に示すように、シート搬送経路15のうち筐体10の上部側壁面にあるシート排出口にむけて延びる終端部分に、その排出口にむけて上昇する斜面からなるシート積載面21aを有し、その積載面21aにシートPを一時的に積載収容する板状のコンパイルトレイ21と、このコンパイルトレイ21の下位端部側に配置される傾倒可能なエンド壁22にシートPを送り込んで揃えるようにシート表面に接触して回転するパドル23と、コンパイルトレイ21に収容されるシートPの排出方向側辺等を揃え基準壁24に押し付けるようにスライド移動して揃えるタンパ(揃え可動板)25等を備えている。コンパイルトレイ21は、通常、金属板にて形成されている。
【0029】
図3中の符号26はタンパ25のスライドガイド孔、27はタンパ25の一部に固定されてタンパをスライド移動させるための溝付きの変位ベルト、28は変位ベルト27を所定方向に所定量だけ回転させるための正逆回転可能な駆動モータ、29はコンパイルトレイ21のシート積載面21aにおけるシートPの有無を検知するアクチュエータ式のセンサ(の一部)である。
【0030】
また、揃え処理装置20におけるコンパイルトレイ21のシート排出方向(矢印S方向)下流側の端部には、図2〜3に示すように、ロールニップの解除が可能な排出ロール対50が設けられている。この排出ロール対50は、そのトレイ端部に固定して設けられる第1ロール50aと、この第1ロール50aに当接してニップを形成するとともに上方に退避移動してそのニップを解除する第2ロール50bとで構成されている。この排出ロール対50は、シートがコンパイルトレイ21に積載される際にそのニップが解除された状態になる。
【0031】
また、コンパイルトレイ21のシート排出方向下流側端部の下面側には、図2〜4に示すように、そのトレイ端部から一時的に進退移動して出没する板状の補助トレイ30A,30Bが設けられている。これは、例えば揃え処理をするときなどに、コンパイルトレイ21上に積載されるシートPの排出方向先端部側が排出ロール対50よりも先に飛び出した状態になるシート部分を一時的に支えるためのものである(これにより、そのシート部分がスタックトレイ60にすでに積載されているシートに触れて積載状態を乱すことを防止することもできる)。
【0032】
補助トレイ30A,30Bは、そのトレイ基端部30b側がその下面側に延設された支持アーム部31を支持フレーム35の上記出没方向に沿う長いスライド溝35aに装着することでスライド可能に支持されているとともに、そのトレイ先端部30a側が排出ロールの第1ロール30aの回転軸51にスライド可能に載せられている。また、この補助トレイ30A,30Bはいずれも、その裏面に形成したラックギヤに正逆回転可能な駆動モータ32からの回転動力が動力伝達機構35と上記ラックギヤに噛む最終ギヤ34を介して伝達されることにより、両矢印方向にスライド移動してコンパイルトレイ21の前記端部側において出没するようになっている。図中の符号36は補助トレイ30の位置を検知するための光学センサである。また、この補助トレイ30A,30Bは、通常、その出没動作がスムーズに行われるように軽量化を図る必要性がある等の観点からプラスチック材料にて形成されている。
【0033】
この揃え処理装置20による揃え処理は、図6に示すように、シート搬出経路15から搬送されるシートPが送出ロール対18により1枚ずつコンパイルトレイ21上に放出されるように送り出されて積み重ねられ(同図a)、そのトレイ21に積まれるシートの1枚ごとにパドル23による送り込み動作とタンパ25による揃え動作が実施されることによって行われる(同図b、c)。この揃え処理は、予め設定される処理可能枚数のシートP(の束)に対して行うことができるようになっている。
【0034】
綴じ処理装置40は、コンパイルトレイ21の下位端部側に設けられ、コンパイルトレイ21上に積載されるシートPの束をステープル針の打ち込みにより綴じ処理するステープラ41と、このステープラ41を綴じ処理部分に応じて移動させるスライド移動機構42とを備えている。
【0035】
この綴じ処理装置40による綴じ処理は、上記揃え処理が終了したコンパイルトレイ21上にある複数枚(例えば100枚程度)のシートPからなる束(シート束)に対してステープラ41がスライド移動機構52を介して綴じ位置まで移動して停止し、綴じ動作(ステープル針の打ち込み)を実行することにより行われる。この綴じ処理時には、傾倒式のエンド壁22が支軸22aを中心に下方に回動して綴じ処理動作の邪魔にならないよう倒れた状態となる。また、この際、コンパイルトレイ21上のシート束は排出ロール対50のニップに挟まれた状態で保持される。さらに、綴じ処理は、例えばシート束の2つある隅部(装置フロントF側の隅部、装置リアR側の隅部)の一方を綴じる「1ケ所綴じ」と、シート束の端部の2箇所を同時に綴じる「2ケ所綴じ」とができるようになっている。ステープラ41は、通常は装置フロント側に待機している。
【0036】
この後処理装置1では、シートPを上記の揃え処理および綴じ処理を行わないでスタッカートレイ60に直接排出して積載収容することができる。
【0037】
この場合には、図7に示すように前記排出ロール対の第2ロール50bが下降して第1ロール50aに当接してニップを形成した状態になる。これにより、シート搬出経路15から送出ロール対18により送り出されるシートPは、その送り方向先端部が排出ロール対50のニップに達するまでコンパイルトレイ21の積載面に接触した状態で送り出され(同図a)、排出ロール対50に到達した段階でそのニップにより保持されてスタッカートレイ60に搬送排出される(同図b)。
【0038】
また、上記綴じ処理を行わないで揃え処理のみを行ったシートの束をそのままの状態でスタッカートレイ60に排出して積載収容することもできる。
【0039】
この場合にも、図8に示すようにコンパイルトレイ21上での所定枚数のシートPの揃え処理が終了した後に排出ロール対の第2ロール50bが下降してシートPの束を第1ロール50aとの間で挟みこんだ状態になり、その状態で排出ロール対50の搬送力によりシートPの束がスタッカートレイ60上に排出されて積載される。
【0040】
一方、揃え処理を行った後に綴じ処理装置40により綴じ処理を行ってからシートの束をスタッカートレイ60に排出して積載収容する場合には、コンパイルトレイ21上での所定枚数のシートPの揃え処理が終了した後に前述したようなステープラ41による綴じ処理が施される。この綴じ処理で綴じられたシート束は、上記したようにシート束として排出ロール対50の搬送力によりコンパイルトレイ21から排出されてスタッカートレイ60上に積載される(図8)。
【0041】
スタッカートレイ60は、図1〜2や図5に示すように、筐体10の側壁面のシート排出口より下方側の部位において、その積載するシートの量等に応じて上下方向に昇降動するように取り付けられている。このスッタカートレイ60は、シートの積載に際しては、最初に、そのシート積載面60aがシート排出口から所定の距離だけ下方側に離れた位置関係になるように位置決めされる。その後、スッタカートレイ60は、シートが積載され始めると、その積載されたシート束の最上面の高さがシート排出口から所定の距離だけ離れた位置関係になるように所定量ずつ下降移動しながら位置決めされる。
【0042】
このようなスタッカートレイ60の位置決めは、そのシート積載面や積載したシート束の最上面の高さを所定の光学式センサ65a,65b等によって検知しながら行われる。図2等における符号66はスタッカートレイ60の積載面61におけるシートの有無を検知するアクチュエータ式のセンサ、符号12はトレイ60に積載されるシートの排出方向後端部を係止するためのエンド側壁面であり、その上端部はコンパイルトレイ21の先端部と接近した位置まで設置されている。
【0043】
そして、この後処理装置1においては、特に前記補助トレイ30を中心にして以下のような静電気対策を施している。
【0044】
すなわち、その静電気対策1として、図9〜図11に示すように、補助トレイ30A,30Bのシート排出方向下流側の端部(突出先端部)30aの下面に除電部材80を突出させた状態で取り付けている。この除電部材80は、その一端部80aが補助トレイ30の突出先端部30aから突出して自由端となるように、その他端部80bが補助トレイ30の突出先端部30aの下面に例えば粘着剤や両面テープ等の接着手段5によって貼り付けられている。その自由端80aの突出量は、図11aに示すように、コンパイルトレイ21に格納された状態にある補助トレイ30の突出先端部30aから突出して、少なくとも排出ロール対50により排出されるシートPが接触または近接して通過し得る状態になる位置までである。
【0045】
この除電部材80としては、カーボン等の導電性材料が含有された導電性繊維やステンレス等の金属繊維により布状に編みこんだもの、導電性塗料などを繊維等に塗布して編んだものまたは不織布としたもの等を使用している。なお、このような除電部材80としては、シートの通過を阻害しないように薄く柔軟なものであることが好ましい。
【0046】
このような除電部材80を設けることにより、以下のようにシートPの除電を行うことができる。
【0047】
例えば、図6aに示すようにシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合や図7aに示すようにシートPがスタックトレイ60に直接排出される場合に、そのシート送り方向先端部Paが補助トレイ30に一時的に接触して移動して静電気が発生することがある。しかし、その静電気を帯びたシートPも排出ロール対50を通してスタックトレイ60に排出される際に、補助トレイ30の突出先端部30aにある除電部材80の自由端部80aが排出ロール対50を抜け出たシートの進路に存在するため、そのシートPが有する静電気の放電が除電部材80により促されて除電される。この結果、そのシートPがスタックトレイ37に積載されるときに、静電気によるトレイやシートどうしとの吸着現象に起因した積載ずれ(図24b)などが発生せず、良好に積載されるようになる。
【0048】
図12〜図14は、静電気対策に係る他の構成例を示すものである。
【0049】
図12に示す静電気対策2は、前記した除電部材80による対策1と比べた場合、除電部材81を補助トレイ30A,30Bのシートを支持する面(シート支持面)30cの排出方向上流側の端部(基端部)30bから突出先端部30aにわたって排出方向(S)に沿うように2列ずつ取り付けた点で異なるものである。この除電部材81は、図13a,bに示すように補助トレイのシート支持面30cに排出搬送方向Sに沿う凹部(くぼみ)38を形成し、その凹部38に埋め込まれるように取り付けられている。また、この除電部材81では、特にその一部81aを補助トレイの突出先端部30aから突出して自由端となるように取り付けている。この突出量は前記した除電部材80の自由端80aとほぼ同様である。
【0050】
このような除電部材81を設けた場合には、以下のようにシートPの除電を行うことができる。
【0051】
例えば、図14aに例示するように、シートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)やシートPがスタックトレイ60に直接排出される場合(図7a)に、それらのシートPが静電気を帯びることがあっても、前記した除電部材80の場合と同様に、排出ロール対50を通してスタックトレイ60に排出される際に、補助トレイ30の突出先端部30aにある除電部材81の自由端部81aが排出ロール対50を抜け出たシートの進路に存在するため、そのシートPが有する静電気の放電が除電部材81により促されて除電される。この結果、そのシートPがスタックトレイ37に積載されるときに、静電気によるトレイやシートどうしとの吸着現象に起因した積載ずれなどが発生せず、良好に積載されるようになる。
【0052】
また、図14bに例示するように、送出ロール対18によりシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)に、そのシートPの送り方向先端部Paが補助トレイ30のシート支持面30cに接触して移動するため、この際に静電気が発生することがある。しかし、その静電気を帯びたシートPも、補助トレイ30のシート支持面30cに除電部材81が排出方向Sにそうようにして存在するため、そのシートPが有する静電気の放電が除電部材81により促されて除電される。この結果、頻繁に、そのシートPがコンパイルトレイ21の下位端部壁(22)側に移動して揃えられるときやタンパ25等による揃え処理が行われるときに、静電気による補助トレイ30やシートどうしとの吸着現象に起因した揃えずれ(図24a)などが発生せず、シートPがコンパイルトレイ21および補助トレイ30において整然とした良好な揃え処理が行われるようになる(図6c)。しかも、このように良好に揃え処理されたシート束は、スタックトレイ37に排出されて積載されるときにおいても、上記したように除電部材81の自由端部81aにより再度除電されるようになる。このため、スタックトレイ37への積載が積載ずれの発生がなく良好に行われる。
【0053】
図15〜図17は、静電気対策に係る他の構成例を示すものである。
【0054】
図15に示す静電気対策3は、前記した除電部材80による対策1と比べた場合、図16a,bに拡大して示すように除電部材82をコンパイルトレイ21の排出方向S下流側端部21dの下面側に補助トレイ30A,30Bのシート支持面30cに接触するような状態に取り付けた点で異なるものである。この除電部材82は、特にコンパイルトレイ21の上記端部末端において補助トレイのシート支持面30aに接触するように対向配置しており、これにより補助トレイの突出先端部30aからコンパイルトレイ21から突出するシート支持面30cの全面に対してすべて接触するようになっている。
【0055】
このような除電部材82を設けた場合には、以下のように補助トレイのシート支持面30aの除電を行うことができる。
【0056】
つまり、図17に示すように、補助トレイ30がコンパイルトレイ21の排出方向下流側の端部21dにおいて出没するようにスライドして動く際に、コンパイルトレイの上記端部21dの下面側に取り付けられた除電部材82が補助トレイの突出先端部30aからシート支持面30cにかけて接触するため、その補助トレイ30の突出先端部30aからシート支持面30cが少なくとも除電されるようになる。
【0057】
これにより、図17bに示すように、特に送出ロール対18によりシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)に、そのシートPの送り方向先端部Paが頻繁に補助トレイ30のシート支持面30cに接触して移動することで静電気が発生することがあっても、そのシート支持面30aが補助トレイ30の出没時に常に除電される。これにより、上記シートPの補助トレイ30との接触の繰り返しによって増加する静電気や、そのシートPの束の排出によっても発生する静電気の除去を可能にしている。この結果、そのシートPがコンパイルトレイ21の下位端部壁側に移動して揃えられるときやタンパ25等による揃え処理が行われるときに、静電気による補助トレイ30やシートどうしとの吸着現象に起因した揃えずれなどが発生せず、シートPがコンパイルトレイ21および補助トレイ30において整然とした良好な揃え処理が行われるようになる(図6c)。
【0058】
図18〜図19は、静電気対策に係る他の構成例を示すものである。
【0059】
図18に示す静電気対策4は、前記した除電部材81による対策2(図12)の場合と異なり、その除電部材81に代えて導電性部材90を補助トレイ30のシート支持面30cに形成した凹部38に設けたものである(図13a,c)。この導電性部材90としては、導電性素材を混合して導電性を付与した合成樹脂(カーボンを混入したポリアセタール)のフィルムを使用している。
【0060】
また、この導電性部材90は、除電部材81とは異なり、図18や図13cに示すように補助トレイ30の突出先端部30aに相当する先端部分90aを、その突出先端部30aにも凹部を形成して埋め込むような状態に取り付けてその突出先端部30aから突出させないようにしている。これは、導電性部材90が除電部材81と比べた場合に柔軟性にかける傾向にあり、除電部材81の先端部81aと同様に補助トレイ30の突出先端部30aから突出した状態(図13b)で取り付けると、その突出させた導電性部材90の先端部(90a)がシートPの搬送を阻害するおそれがあり、それを回避するためである。
【0061】
このような導電性部材90を設けた場合には、以下のように補助トレイのシート支持面30a等における静電気の帯電を防止することができる。
【0062】
つまり、図19に示すように、送出ロール対18によりシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)に、そのシートPの送り方向先端部Paが補助トレイ30のシート支持面30cに接触して移動するため、通常であればその接触により静電気が発生して帯電する。しかし、補助トレイ30のシート支持面30cに導電性部材90が排出方向Sにそうようにして存在するため、そのシートPの(シート支持面30cの導電性部材90が存在しない部分との)接触移動により発生する静電気は導電性部材90を通して消失して帯電しない。この結果、そのシートPがコンパイルトレイ21の下位端部壁(22)側に移動して揃えられるときやタンパ25等による揃え処理が行われるときに、シートPが帯電した補助トレイ30に吸着する現象に起因した揃えずれなどが発生せず、シートPがコンパイルトレイ21および補助トレイ30において整然とした良好な揃え処理が行われるようになる(図6c)。また、このような効果は、例えば補助トレイ30の全体やそのシート支持面30c全面などを導電性部材で構成することにより、より効果的に得られるようになる。
【0063】
図20〜図22は、静電気対策に係る他の構成例を示すものである。
【0064】
図20に示す静電気対策5は、前記したいずれの対策1〜4とも異なり、補助トレイのシート支持面30cにシート排出方向Sにそって伸びるリブ95を複数形成したものである。このリブ95は、図20や図21aに示すように補助トレイの突出先端部30aまで形成している。また、このリブ95の高さは、図21bに示すように補助トレイのシート支持面30cに移動しつつ支持されるシートPがリブ95に支持されてシート支持面30cとの間に隙間8が形成されて接触しない状態になることが可能であり、しかも、補助トレイ30のコンパイルトレイ21の下面側への出没時の格納が可能である寸法に設定されている。
【0065】
このようなリブ95を設けた場合には、以下のように補助トレイのシート支持面30a等における静電気の発生を抑制または防止することができる。
【0066】
つまり、図22に示すように、送出ロール対18によりシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)に、そのシートPの送り方向先端部Paが補助トレイ30のシート支持面30cに接触して移動するため、通常であればその接触により静電気が発生して帯電する。しかし、補助トレイ30のシート支持面30cにリブ95が排出方向Sに沿うようにして存在するため、そのシートPが主にリブ95に接触して支持される状態となってシート支持面30cに直接接触する割合が少なくなり静電気が発生しにくい。この結果、そのシートPがコンパイルトレイ21の下位端部壁(22)側に移動して揃えられるときやタンパ25等による揃え処理が行われるときに、シートPが静電気により補助トレイ30や他のシートに吸着する現象に起因した揃えずれなどが発生せず、シートPがコンパイルトレイ21および補助トレイ30において整然とした良好な揃え処理が行われるようになる(図6c)。
【0067】
《他の実施の形態》
前記実施の形態1では、本発明の後処理装置1を画像形成装置に接続して使用する場合について例示したが、その後処理装置1を単独で使用することも可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシート処理装置によれば、第1トレイや補助トレイ等の所定の部位に除電部材を配すること等をしているので、シートの処理速度の高速化やその処理能力の大量化を図った場合であっても、静電気による電荷を除電等することができるため、かかる静電気の発生による悪影響をほとんど受けることなく、シートの揃え処理やトレイへの積載等を整然と良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る後処理装置を示す概略構成図。
【図2】図1の主要部分の状態(主に補助トレイが格納されているときの状態)を示す拡大説明図。
【図3】揃え処理装置を示す斜視図。
【図4】揃え処理装置の補助トレイを主に示す斜視図。
【図5】図1の主要部分の状態(主に補助トレイが突出しているときの状態)を示す拡大説明図。
【図6】揃え処理の状態を示す説明図。
【図7】スッタカートレイへの直接排紙の状態を示す説明図。
【図8】スッタカートレイへの用紙束排出の状態を示す説明図。
【図9】補助トレイに除電部材を配した静電気対策例1を示す斜視図。
【図10】図9の除電部材を配した補助トレイの要部拡大図。
【図11】図9の対策例1による効果を示す説明図。
【図12】補助トレイに除電部材を配した静電気対策例2を示す斜視図。
【図13】(a)は図12のQ−Q線に沿う補助トレイ部分等の断面図、(b)はその補助トレイの側面図、(c)は図18に示す補助トレイの側面図。
【図14】図12の対策例2による効果を示す説明図。
【図15】コンパイルトレイに除電部材を配した静電気対策例3を示す斜視図。
【図16】図15の除電部材の設置状態を示す要部拡大図。
【図17】図15の対策例3による効果を示す説明図。
【図18】補助トレイのシート支持面に導電性部材を配した静電気対策例4を示す斜視図。
【図19】図18の対策例4による効果を示す説明図。
【図20】補助トレイのシート支持面にリブを形成した静電気対策例5を示す斜視図。
【図21】(a)は図20のリブを形成した補助トレイの側面図、(b)はその補助トレイの先端部側の正面図。
【図22】図20の対策例5による効果を示す説明図。
【図23】従来のシート処理装置の一例を示す要部概念図。
【図24】(a)は静電気に起因して発生する揃えずれの例を示す説明図、(b)は静電気に起因して発生する積載ずれの例を示す説明図。
【符号の説明】
1…後処理装置(シート処理装置)、21…コンパイルトレイ(第1トレイ)、30…補助トレイ、30c…シート支持面(シートを支持する面)、60…スタックトレイ(第2トレイ)、80…コントローラ(満杯検知手段を含む)、80,81,82…除電部材、90…導電性部材、95…リブ、P…シート、S…シート排出方向。
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを一時的に積載収容して必要に応じて揃え処理等の処理を施した後に排出するトレイを備えたシート処理装置に係り、特に、複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置と組み合わせて使用することが可能なシート処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のシート処理装置は、画像形成装置で画像が形成されたシートについて揃え処理、綴じ処理、穿孔(孔開け)処理、折り処理等の後処理を行うことが可能であるため、画像形成装置と組み合わせて使用されることが多い。また、本出願人も、この種のシート処理装置の製品化やその装置に関する提案も行っている(特許文献1)。
【0003】
例えば、そのシート処理装置では、図23に示すように、処理対象のシートPを第1トレイ100に所定の枚数だけ積載収容してそのシート端部どうしを揃える揃え処理を施したり、あるいはそのシートの束を綴じ処理手段110により綴じ処理を施した後、その処理後のシートPを束状態で、ニップ解除可能な排出ロール対120等により第2トレイ130に排出して積載収容している。また、シート処理装置によっては、図示しない孔開け処理手段等により孔開け処理をした後のシートPを上記第1トレイ100に積載収容することなく、排出ロール対120を通して直接第2トレイ130に排出して積載収容することもある。図中の符号140はシートPを搬送する搬送ロール対である。
【0004】
そして、このようなシート処理装置にあっては、近年における画像形成装置の高速化などの影響も受けて、その処理速度の高速化や綴じ処理等の一度で行う処理能力の大量化などが望まれており、かかる要請に対応した製品化や研究開発が進められている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−26360号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しなしながら、その処理速度の高速化や処理能力の大量化に対応したシート処理装置の場合には、次のような課題がある。
【0007】
すなわち、第1トレイ100等で高速でシートの揃え処理を行ったり、あるいは大量のシート束を第1トレイ100から第2トレイ130に排出するようになると、頻繁にシートPと第1トレイ100等とが擦れ合うため、シートPとトレイ等の間で大量に静電気が発生するようになる。
【0008】
これにより、図24に例示するようにシートPや第1トレイ100等が帯電した状態になり、シートとトレイまたはシートどうしが静電的に吸着する(貼りつく)ことが多くなるため、第1トレイ100でのシートの揃え処理時(同図a)やシート束の排出および積載時(同図b)に一部のシート(またはシート束)Pxがずれてしまい、この結果、特に揃え処理やトレイへの積載を良好に行うことができなくなる。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その主な目的とするところは、シートの処理速度の高速化やその処理能力の大量化を図った場合であっても、シートの揃え処理やトレイへの積載等を整然と良好に行うことができるシート処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明(第1)のシート処理装置は、シート搬送経路を通して搬送排出されるシートを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイを備えたシート処理装置において、前記第1トレイのシートが接触または接近し得る部位の少なくとも1部にシートを除電する除電部材を配したことを特徴とするものである。この場合には、その除電部材の存在により、第1トレイとの接触等により静電気が発生して帯電したシートが除電されるようになる。この手段は、第1トレイがシートとの接触等で静電気を発生しやすような材質で構成されている場合に有効である。
【0011】
また本発明(第2)のシート処理装置は、シート搬送経路を通して搬送排出されるシートを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイと、その搬送経路から第1トレイのシート排出側端部に接触して通過排出されるシートまたは第1トレイから排出されるシートを積載収容する第2トレイとを備えたシート処理装置において、前記第2トレイに排出されるときのシートが接触または接近し得る前記第1トレイの部位の少なくとも一部にその排出されるシートを除電する除電部材を配したことを特徴とするものである。この場合にも、その除電部材の存在により、第1トレイとの接触等により静電気が発生して帯電したシートが除電されるようになる。この手段も、第1トレイがシートとの接触等で静電気を発生しやすような材質で構成されている場合に有効である。
【0012】
さらに本発明(第3)のシート処理装置は、シート搬送経路を通して搬送排出されるシートを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイと、この第1トレイのシート排出方向下流側となる端部において出没してその第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイとを備えたシート処理装置において、前記第1トレイに前記補助トレイのシートを支持する面を除電する除電部材を配したことを特徴とするものである。この場合には、その除電部材の存在により、シートとの接触等により静電気が発生して帯電した補助トレイのシート支持面が除電されるようになる。
【0013】
上記第1または第2発明の装置においては、前記第1トレイのシート排出方向下流側となる端部において出没し、その第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイを備えている場合には、さらに以下の手段を適宜選択して採用するとよい。以下の手段は、特に第1トレイがシート等の接触により静電気が発生しないかまたは発生しにくい材質等で構成されている一方で補助トレイがシートとの接触等で静電気が発生しやすい材質等で構成されている場合に、有効である。
【0014】
例えば、前記除電部材を、その補助トレイのシートが接触または近接し得る部位に配するとよく、この場合には、その除電部材を補助トレイの少なくともシート排出方向下流側となる端部に配することが好ましい。
【0015】
また、前記第1トレイに前記補助トレイのシートを支持する面を除電する除電部材を配するとよい。この場合には、補助トレイのシート支持面が静電気で帯電することがあっても、その除電部材により除電されるようになる。
【0016】
さらに、前記補助トレイのシートが接触または接近し得る部位の少なくとも1部を導電性材料により形成するとよい。この場合には、その導電性材料で形成した部位の存在により、補助トレイのシート支持面がシートと接触等しても静電気の発生が抑えられるようになる。
【0017】
また、前記補助トレイのシートを支持する面にシート排出方向に沿って伸びるリブを形成するとよい。この場合には、そのリブの存在により、補助トレイのシート支持面とシートとの接触割合が少なくなって、そのシート支持面がシートと接触等しても静電気の発生が抑えられるようになる。
【0018】
上記補助トレイのシート支持面に関して導電性材料で形成する手段やリブを形成する手段においては、さらにその第1トレイに補助トレイのシートを支持する面を除電する除電部材を配するとよい。この場合には、補助トレイのシート支持面が、前記したように静電気の発生が抑制さえることに加え、たとえ静電気が発生して帯電することがあっても、その除電部材で除電されるようになる。
【0019】
一方、上記第3発明の装置においても、以下の手段を適宜選択して採用するとよい。
【0020】
例えば、前記第1トレイの少なくともシート排出方向下流側となる端部に、前記除電部材を前記補助トレイの突出する先端部からシートを支持する面にかけて接触し得る状態で配するとよい。この場合には、補助トレイのシートとの接触または近接する部位における必要不可欠な除電を効果的に行うことができる。
【0021】
また、前記補助トレイのシートを支える面にシート排出方向に沿って伸びるリブを形成するとよい。この場合には、前記リブを形成した場合と同様に、補助トレイのシート支持面での静電気の発生が抑えられるようになり、前記除電部材によるシート支持面の除電すべき割合が低減されるようにもなる。
【0022】
なお、上記各発明の装置における第1トレイは、シートを単に一時積載するだけのトレイとして構成してもよいが、例えば、その積載した(複数枚の)シートについて少なくとも揃え処理を施すか、あるいは、揃え処理に加えて綴じ処理が施されるように構成してもよい。
【0023】
また、上記除電部材としては、静電気を帯びたもの(シートなど)に近づけることにより静電気の放電を促すような性質を示すものが使用される。また、この除電部材としては、搬送されるシートに触れてそのシートの搬送を阻害しないような設置の仕方や材質のものを適宜選択して使用することが好ましい。
【0024】
上記導電性材料としては、導電性を有する材料であればよく、例えば導電性の合成樹脂や金属材料が使用される。
【0025】
【発明の実施の形態】
《実施の形態1》
図1は、本発明の実施の形態1に係る後処理装置を示すものである。この後処理装置1は、図示しない複写機、プリンタ等の画像形成装置のシート排出口がある側壁面側に接続するように配置し、その画像形成装置で画像が形成されて排出されるシート(用紙)Pについて必要により所望の後処理を施すために組み合わせて使用するものである。
【0026】
後処理装置1は、その処理対象となるシートPを装置筐体10内に導入して所定の部位まで導くシート搬送経路15と、このシート搬送経路15を通して搬送されるシートPを揃える揃え処理装置20と、この揃え処理装置20で揃えられたシートPの束を綴じる綴じ処理装置40と、シート搬送経路15を通して搬送されて排出されるシートPや揃え処理装置20等による処理を施した後に排出されるシートPを積載収容するスタックトレイ60とが装備されている。
【0027】
シート搬送経路15は、図2等に示すようにガイド部材16等により用紙Pの搬送通路として形成されている。この搬送経路15の所定箇所には、その搬送通路内にそって用紙Pを搬送するためのシート搬送ロール対17、18、…が複数配置されている。
【0028】
揃え処理装置20は、シート搬送経路15の終端部分となるシート送出ロール対18の近傍に設けられている。そして、この揃え処理装置20は、図2や図3に示すように、シート搬送経路15のうち筐体10の上部側壁面にあるシート排出口にむけて延びる終端部分に、その排出口にむけて上昇する斜面からなるシート積載面21aを有し、その積載面21aにシートPを一時的に積載収容する板状のコンパイルトレイ21と、このコンパイルトレイ21の下位端部側に配置される傾倒可能なエンド壁22にシートPを送り込んで揃えるようにシート表面に接触して回転するパドル23と、コンパイルトレイ21に収容されるシートPの排出方向側辺等を揃え基準壁24に押し付けるようにスライド移動して揃えるタンパ(揃え可動板)25等を備えている。コンパイルトレイ21は、通常、金属板にて形成されている。
【0029】
図3中の符号26はタンパ25のスライドガイド孔、27はタンパ25の一部に固定されてタンパをスライド移動させるための溝付きの変位ベルト、28は変位ベルト27を所定方向に所定量だけ回転させるための正逆回転可能な駆動モータ、29はコンパイルトレイ21のシート積載面21aにおけるシートPの有無を検知するアクチュエータ式のセンサ(の一部)である。
【0030】
また、揃え処理装置20におけるコンパイルトレイ21のシート排出方向(矢印S方向)下流側の端部には、図2〜3に示すように、ロールニップの解除が可能な排出ロール対50が設けられている。この排出ロール対50は、そのトレイ端部に固定して設けられる第1ロール50aと、この第1ロール50aに当接してニップを形成するとともに上方に退避移動してそのニップを解除する第2ロール50bとで構成されている。この排出ロール対50は、シートがコンパイルトレイ21に積載される際にそのニップが解除された状態になる。
【0031】
また、コンパイルトレイ21のシート排出方向下流側端部の下面側には、図2〜4に示すように、そのトレイ端部から一時的に進退移動して出没する板状の補助トレイ30A,30Bが設けられている。これは、例えば揃え処理をするときなどに、コンパイルトレイ21上に積載されるシートPの排出方向先端部側が排出ロール対50よりも先に飛び出した状態になるシート部分を一時的に支えるためのものである(これにより、そのシート部分がスタックトレイ60にすでに積載されているシートに触れて積載状態を乱すことを防止することもできる)。
【0032】
補助トレイ30A,30Bは、そのトレイ基端部30b側がその下面側に延設された支持アーム部31を支持フレーム35の上記出没方向に沿う長いスライド溝35aに装着することでスライド可能に支持されているとともに、そのトレイ先端部30a側が排出ロールの第1ロール30aの回転軸51にスライド可能に載せられている。また、この補助トレイ30A,30Bはいずれも、その裏面に形成したラックギヤに正逆回転可能な駆動モータ32からの回転動力が動力伝達機構35と上記ラックギヤに噛む最終ギヤ34を介して伝達されることにより、両矢印方向にスライド移動してコンパイルトレイ21の前記端部側において出没するようになっている。図中の符号36は補助トレイ30の位置を検知するための光学センサである。また、この補助トレイ30A,30Bは、通常、その出没動作がスムーズに行われるように軽量化を図る必要性がある等の観点からプラスチック材料にて形成されている。
【0033】
この揃え処理装置20による揃え処理は、図6に示すように、シート搬出経路15から搬送されるシートPが送出ロール対18により1枚ずつコンパイルトレイ21上に放出されるように送り出されて積み重ねられ(同図a)、そのトレイ21に積まれるシートの1枚ごとにパドル23による送り込み動作とタンパ25による揃え動作が実施されることによって行われる(同図b、c)。この揃え処理は、予め設定される処理可能枚数のシートP(の束)に対して行うことができるようになっている。
【0034】
綴じ処理装置40は、コンパイルトレイ21の下位端部側に設けられ、コンパイルトレイ21上に積載されるシートPの束をステープル針の打ち込みにより綴じ処理するステープラ41と、このステープラ41を綴じ処理部分に応じて移動させるスライド移動機構42とを備えている。
【0035】
この綴じ処理装置40による綴じ処理は、上記揃え処理が終了したコンパイルトレイ21上にある複数枚(例えば100枚程度)のシートPからなる束(シート束)に対してステープラ41がスライド移動機構52を介して綴じ位置まで移動して停止し、綴じ動作(ステープル針の打ち込み)を実行することにより行われる。この綴じ処理時には、傾倒式のエンド壁22が支軸22aを中心に下方に回動して綴じ処理動作の邪魔にならないよう倒れた状態となる。また、この際、コンパイルトレイ21上のシート束は排出ロール対50のニップに挟まれた状態で保持される。さらに、綴じ処理は、例えばシート束の2つある隅部(装置フロントF側の隅部、装置リアR側の隅部)の一方を綴じる「1ケ所綴じ」と、シート束の端部の2箇所を同時に綴じる「2ケ所綴じ」とができるようになっている。ステープラ41は、通常は装置フロント側に待機している。
【0036】
この後処理装置1では、シートPを上記の揃え処理および綴じ処理を行わないでスタッカートレイ60に直接排出して積載収容することができる。
【0037】
この場合には、図7に示すように前記排出ロール対の第2ロール50bが下降して第1ロール50aに当接してニップを形成した状態になる。これにより、シート搬出経路15から送出ロール対18により送り出されるシートPは、その送り方向先端部が排出ロール対50のニップに達するまでコンパイルトレイ21の積載面に接触した状態で送り出され(同図a)、排出ロール対50に到達した段階でそのニップにより保持されてスタッカートレイ60に搬送排出される(同図b)。
【0038】
また、上記綴じ処理を行わないで揃え処理のみを行ったシートの束をそのままの状態でスタッカートレイ60に排出して積載収容することもできる。
【0039】
この場合にも、図8に示すようにコンパイルトレイ21上での所定枚数のシートPの揃え処理が終了した後に排出ロール対の第2ロール50bが下降してシートPの束を第1ロール50aとの間で挟みこんだ状態になり、その状態で排出ロール対50の搬送力によりシートPの束がスタッカートレイ60上に排出されて積載される。
【0040】
一方、揃え処理を行った後に綴じ処理装置40により綴じ処理を行ってからシートの束をスタッカートレイ60に排出して積載収容する場合には、コンパイルトレイ21上での所定枚数のシートPの揃え処理が終了した後に前述したようなステープラ41による綴じ処理が施される。この綴じ処理で綴じられたシート束は、上記したようにシート束として排出ロール対50の搬送力によりコンパイルトレイ21から排出されてスタッカートレイ60上に積載される(図8)。
【0041】
スタッカートレイ60は、図1〜2や図5に示すように、筐体10の側壁面のシート排出口より下方側の部位において、その積載するシートの量等に応じて上下方向に昇降動するように取り付けられている。このスッタカートレイ60は、シートの積載に際しては、最初に、そのシート積載面60aがシート排出口から所定の距離だけ下方側に離れた位置関係になるように位置決めされる。その後、スッタカートレイ60は、シートが積載され始めると、その積載されたシート束の最上面の高さがシート排出口から所定の距離だけ離れた位置関係になるように所定量ずつ下降移動しながら位置決めされる。
【0042】
このようなスタッカートレイ60の位置決めは、そのシート積載面や積載したシート束の最上面の高さを所定の光学式センサ65a,65b等によって検知しながら行われる。図2等における符号66はスタッカートレイ60の積載面61におけるシートの有無を検知するアクチュエータ式のセンサ、符号12はトレイ60に積載されるシートの排出方向後端部を係止するためのエンド側壁面であり、その上端部はコンパイルトレイ21の先端部と接近した位置まで設置されている。
【0043】
そして、この後処理装置1においては、特に前記補助トレイ30を中心にして以下のような静電気対策を施している。
【0044】
すなわち、その静電気対策1として、図9〜図11に示すように、補助トレイ30A,30Bのシート排出方向下流側の端部(突出先端部)30aの下面に除電部材80を突出させた状態で取り付けている。この除電部材80は、その一端部80aが補助トレイ30の突出先端部30aから突出して自由端となるように、その他端部80bが補助トレイ30の突出先端部30aの下面に例えば粘着剤や両面テープ等の接着手段5によって貼り付けられている。その自由端80aの突出量は、図11aに示すように、コンパイルトレイ21に格納された状態にある補助トレイ30の突出先端部30aから突出して、少なくとも排出ロール対50により排出されるシートPが接触または近接して通過し得る状態になる位置までである。
【0045】
この除電部材80としては、カーボン等の導電性材料が含有された導電性繊維やステンレス等の金属繊維により布状に編みこんだもの、導電性塗料などを繊維等に塗布して編んだものまたは不織布としたもの等を使用している。なお、このような除電部材80としては、シートの通過を阻害しないように薄く柔軟なものであることが好ましい。
【0046】
このような除電部材80を設けることにより、以下のようにシートPの除電を行うことができる。
【0047】
例えば、図6aに示すようにシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合や図7aに示すようにシートPがスタックトレイ60に直接排出される場合に、そのシート送り方向先端部Paが補助トレイ30に一時的に接触して移動して静電気が発生することがある。しかし、その静電気を帯びたシートPも排出ロール対50を通してスタックトレイ60に排出される際に、補助トレイ30の突出先端部30aにある除電部材80の自由端部80aが排出ロール対50を抜け出たシートの進路に存在するため、そのシートPが有する静電気の放電が除電部材80により促されて除電される。この結果、そのシートPがスタックトレイ37に積載されるときに、静電気によるトレイやシートどうしとの吸着現象に起因した積載ずれ(図24b)などが発生せず、良好に積載されるようになる。
【0048】
図12〜図14は、静電気対策に係る他の構成例を示すものである。
【0049】
図12に示す静電気対策2は、前記した除電部材80による対策1と比べた場合、除電部材81を補助トレイ30A,30Bのシートを支持する面(シート支持面)30cの排出方向上流側の端部(基端部)30bから突出先端部30aにわたって排出方向(S)に沿うように2列ずつ取り付けた点で異なるものである。この除電部材81は、図13a,bに示すように補助トレイのシート支持面30cに排出搬送方向Sに沿う凹部(くぼみ)38を形成し、その凹部38に埋め込まれるように取り付けられている。また、この除電部材81では、特にその一部81aを補助トレイの突出先端部30aから突出して自由端となるように取り付けている。この突出量は前記した除電部材80の自由端80aとほぼ同様である。
【0050】
このような除電部材81を設けた場合には、以下のようにシートPの除電を行うことができる。
【0051】
例えば、図14aに例示するように、シートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)やシートPがスタックトレイ60に直接排出される場合(図7a)に、それらのシートPが静電気を帯びることがあっても、前記した除電部材80の場合と同様に、排出ロール対50を通してスタックトレイ60に排出される際に、補助トレイ30の突出先端部30aにある除電部材81の自由端部81aが排出ロール対50を抜け出たシートの進路に存在するため、そのシートPが有する静電気の放電が除電部材81により促されて除電される。この結果、そのシートPがスタックトレイ37に積載されるときに、静電気によるトレイやシートどうしとの吸着現象に起因した積載ずれなどが発生せず、良好に積載されるようになる。
【0052】
また、図14bに例示するように、送出ロール対18によりシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)に、そのシートPの送り方向先端部Paが補助トレイ30のシート支持面30cに接触して移動するため、この際に静電気が発生することがある。しかし、その静電気を帯びたシートPも、補助トレイ30のシート支持面30cに除電部材81が排出方向Sにそうようにして存在するため、そのシートPが有する静電気の放電が除電部材81により促されて除電される。この結果、頻繁に、そのシートPがコンパイルトレイ21の下位端部壁(22)側に移動して揃えられるときやタンパ25等による揃え処理が行われるときに、静電気による補助トレイ30やシートどうしとの吸着現象に起因した揃えずれ(図24a)などが発生せず、シートPがコンパイルトレイ21および補助トレイ30において整然とした良好な揃え処理が行われるようになる(図6c)。しかも、このように良好に揃え処理されたシート束は、スタックトレイ37に排出されて積載されるときにおいても、上記したように除電部材81の自由端部81aにより再度除電されるようになる。このため、スタックトレイ37への積載が積載ずれの発生がなく良好に行われる。
【0053】
図15〜図17は、静電気対策に係る他の構成例を示すものである。
【0054】
図15に示す静電気対策3は、前記した除電部材80による対策1と比べた場合、図16a,bに拡大して示すように除電部材82をコンパイルトレイ21の排出方向S下流側端部21dの下面側に補助トレイ30A,30Bのシート支持面30cに接触するような状態に取り付けた点で異なるものである。この除電部材82は、特にコンパイルトレイ21の上記端部末端において補助トレイのシート支持面30aに接触するように対向配置しており、これにより補助トレイの突出先端部30aからコンパイルトレイ21から突出するシート支持面30cの全面に対してすべて接触するようになっている。
【0055】
このような除電部材82を設けた場合には、以下のように補助トレイのシート支持面30aの除電を行うことができる。
【0056】
つまり、図17に示すように、補助トレイ30がコンパイルトレイ21の排出方向下流側の端部21dにおいて出没するようにスライドして動く際に、コンパイルトレイの上記端部21dの下面側に取り付けられた除電部材82が補助トレイの突出先端部30aからシート支持面30cにかけて接触するため、その補助トレイ30の突出先端部30aからシート支持面30cが少なくとも除電されるようになる。
【0057】
これにより、図17bに示すように、特に送出ロール対18によりシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)に、そのシートPの送り方向先端部Paが頻繁に補助トレイ30のシート支持面30cに接触して移動することで静電気が発生することがあっても、そのシート支持面30aが補助トレイ30の出没時に常に除電される。これにより、上記シートPの補助トレイ30との接触の繰り返しによって増加する静電気や、そのシートPの束の排出によっても発生する静電気の除去を可能にしている。この結果、そのシートPがコンパイルトレイ21の下位端部壁側に移動して揃えられるときやタンパ25等による揃え処理が行われるときに、静電気による補助トレイ30やシートどうしとの吸着現象に起因した揃えずれなどが発生せず、シートPがコンパイルトレイ21および補助トレイ30において整然とした良好な揃え処理が行われるようになる(図6c)。
【0058】
図18〜図19は、静電気対策に係る他の構成例を示すものである。
【0059】
図18に示す静電気対策4は、前記した除電部材81による対策2(図12)の場合と異なり、その除電部材81に代えて導電性部材90を補助トレイ30のシート支持面30cに形成した凹部38に設けたものである(図13a,c)。この導電性部材90としては、導電性素材を混合して導電性を付与した合成樹脂(カーボンを混入したポリアセタール)のフィルムを使用している。
【0060】
また、この導電性部材90は、除電部材81とは異なり、図18や図13cに示すように補助トレイ30の突出先端部30aに相当する先端部分90aを、その突出先端部30aにも凹部を形成して埋め込むような状態に取り付けてその突出先端部30aから突出させないようにしている。これは、導電性部材90が除電部材81と比べた場合に柔軟性にかける傾向にあり、除電部材81の先端部81aと同様に補助トレイ30の突出先端部30aから突出した状態(図13b)で取り付けると、その突出させた導電性部材90の先端部(90a)がシートPの搬送を阻害するおそれがあり、それを回避するためである。
【0061】
このような導電性部材90を設けた場合には、以下のように補助トレイのシート支持面30a等における静電気の帯電を防止することができる。
【0062】
つまり、図19に示すように、送出ロール対18によりシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)に、そのシートPの送り方向先端部Paが補助トレイ30のシート支持面30cに接触して移動するため、通常であればその接触により静電気が発生して帯電する。しかし、補助トレイ30のシート支持面30cに導電性部材90が排出方向Sにそうようにして存在するため、そのシートPの(シート支持面30cの導電性部材90が存在しない部分との)接触移動により発生する静電気は導電性部材90を通して消失して帯電しない。この結果、そのシートPがコンパイルトレイ21の下位端部壁(22)側に移動して揃えられるときやタンパ25等による揃え処理が行われるときに、シートPが帯電した補助トレイ30に吸着する現象に起因した揃えずれなどが発生せず、シートPがコンパイルトレイ21および補助トレイ30において整然とした良好な揃え処理が行われるようになる(図6c)。また、このような効果は、例えば補助トレイ30の全体やそのシート支持面30c全面などを導電性部材で構成することにより、より効果的に得られるようになる。
【0063】
図20〜図22は、静電気対策に係る他の構成例を示すものである。
【0064】
図20に示す静電気対策5は、前記したいずれの対策1〜4とも異なり、補助トレイのシート支持面30cにシート排出方向Sにそって伸びるリブ95を複数形成したものである。このリブ95は、図20や図21aに示すように補助トレイの突出先端部30aまで形成している。また、このリブ95の高さは、図21bに示すように補助トレイのシート支持面30cに移動しつつ支持されるシートPがリブ95に支持されてシート支持面30cとの間に隙間8が形成されて接触しない状態になることが可能であり、しかも、補助トレイ30のコンパイルトレイ21の下面側への出没時の格納が可能である寸法に設定されている。
【0065】
このようなリブ95を設けた場合には、以下のように補助トレイのシート支持面30a等における静電気の発生を抑制または防止することができる。
【0066】
つまり、図22に示すように、送出ロール対18によりシートPがコンパイルトレイ21に送り出されて収容される場合(図6a)に、そのシートPの送り方向先端部Paが補助トレイ30のシート支持面30cに接触して移動するため、通常であればその接触により静電気が発生して帯電する。しかし、補助トレイ30のシート支持面30cにリブ95が排出方向Sに沿うようにして存在するため、そのシートPが主にリブ95に接触して支持される状態となってシート支持面30cに直接接触する割合が少なくなり静電気が発生しにくい。この結果、そのシートPがコンパイルトレイ21の下位端部壁(22)側に移動して揃えられるときやタンパ25等による揃え処理が行われるときに、シートPが静電気により補助トレイ30や他のシートに吸着する現象に起因した揃えずれなどが発生せず、シートPがコンパイルトレイ21および補助トレイ30において整然とした良好な揃え処理が行われるようになる(図6c)。
【0067】
《他の実施の形態》
前記実施の形態1では、本発明の後処理装置1を画像形成装置に接続して使用する場合について例示したが、その後処理装置1を単独で使用することも可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシート処理装置によれば、第1トレイや補助トレイ等の所定の部位に除電部材を配すること等をしているので、シートの処理速度の高速化やその処理能力の大量化を図った場合であっても、静電気による電荷を除電等することができるため、かかる静電気の発生による悪影響をほとんど受けることなく、シートの揃え処理やトレイへの積載等を整然と良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る後処理装置を示す概略構成図。
【図2】図1の主要部分の状態(主に補助トレイが格納されているときの状態)を示す拡大説明図。
【図3】揃え処理装置を示す斜視図。
【図4】揃え処理装置の補助トレイを主に示す斜視図。
【図5】図1の主要部分の状態(主に補助トレイが突出しているときの状態)を示す拡大説明図。
【図6】揃え処理の状態を示す説明図。
【図7】スッタカートレイへの直接排紙の状態を示す説明図。
【図8】スッタカートレイへの用紙束排出の状態を示す説明図。
【図9】補助トレイに除電部材を配した静電気対策例1を示す斜視図。
【図10】図9の除電部材を配した補助トレイの要部拡大図。
【図11】図9の対策例1による効果を示す説明図。
【図12】補助トレイに除電部材を配した静電気対策例2を示す斜視図。
【図13】(a)は図12のQ−Q線に沿う補助トレイ部分等の断面図、(b)はその補助トレイの側面図、(c)は図18に示す補助トレイの側面図。
【図14】図12の対策例2による効果を示す説明図。
【図15】コンパイルトレイに除電部材を配した静電気対策例3を示す斜視図。
【図16】図15の除電部材の設置状態を示す要部拡大図。
【図17】図15の対策例3による効果を示す説明図。
【図18】補助トレイのシート支持面に導電性部材を配した静電気対策例4を示す斜視図。
【図19】図18の対策例4による効果を示す説明図。
【図20】補助トレイのシート支持面にリブを形成した静電気対策例5を示す斜視図。
【図21】(a)は図20のリブを形成した補助トレイの側面図、(b)はその補助トレイの先端部側の正面図。
【図22】図20の対策例5による効果を示す説明図。
【図23】従来のシート処理装置の一例を示す要部概念図。
【図24】(a)は静電気に起因して発生する揃えずれの例を示す説明図、(b)は静電気に起因して発生する積載ずれの例を示す説明図。
【符号の説明】
1…後処理装置(シート処理装置)、21…コンパイルトレイ(第1トレイ)、30…補助トレイ、30c…シート支持面(シートを支持する面)、60…スタックトレイ(第2トレイ)、80…コントローラ(満杯検知手段を含む)、80,81,82…除電部材、90…導電性部材、95…リブ、P…シート、S…シート排出方向。
Claims (11)
- シート搬送経路を通して搬送排出されるシートを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイを備えたシート処理装置において、
前記第1トレイのシートが接触または接近し得る部位の少なくとも1部にシートを除電する除電部材を配したことを特徴とするシート処理装置。 - シート搬送経路を通して搬送排出されるシートを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイと、その搬送経路から第1トレイのシート排出側端部に接触して通過排出されるシートまたは第1トレイから排出されるシートを積載収容する第2トレイとを備えたシート処理装置において、
前記第2トレイに排出されるときのシートが接触または接近し得る前記第1トレイの部位の少なくとも一部にその排出されるシートを除電する除電部材を配したことを特徴とするシート処理装置。 - 前記第1トレイのシート排出方向下流側となる端部において出没し、その第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイを備えている場合、
前記除電部材を、その補助トレイのシートが接触または近接し得る部位に配した請求項1又は2に記載のシート処理装置。 - 請求項3に記載のシート処理装置において、
前記除電部材を前記補助トレイの少なくともシート排出方向下流側となる端部に配したシート処理装置。 - 前記第1トレイのシート排出方向下流側となる端部において出没し、その第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイを備えている場合、
前記第1トレイに前記補助トレイのシートを支持する面を除電する除電部材を配した請求項1又は2に記載のシート処理装置。 - 前記第1トレイのシート排出方向下流側となる端部において出没し、その第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイを備えている場合、
前記補助トレイのシートが接触または接近し得る部位の少なくとも1部を導電性材料により形成した請求項1又は2に記載のシート処理装置。 - 前記第1トレイのシート排出方向下流側となる端部において出没し、その第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイを備えている場合、
前記補助トレイのシートを支持する面にシート排出方向に沿って伸びるリブを形成した請求項1又は2に記載のシート処理装置。 - 請求項6又は7に記載のシート処理装置において、
前記第1トレイに前記補助トレイのシートを支持する面を除電する除電部材を配したシート処理装置。 - シート搬送経路を通して搬送排出されるシートを一時的に積載収容した後に排出する第1トレイと、この第1トレイのシート排出方向下流側となる端部において出没してその第1トレイに積載されるシートの一部を支える補助トレイとを備えたシート処理装置において、
前記第1トレイに前記補助トレイのシートを支持する面を除電する除電部材を配したことを特徴とするシート処理装置。 - 前記第1トレイの少なくともシート排出方向下流側となる端部に、前記除電部材を前記補助トレイの突出する先端部からシートを支持する面にかけて接触し得る状態で配した請求項9に記載のシート処理装置。
- 前記補助トレイのシートを支える面にシート排出方向に沿って伸びるリブを形成した請求項10に記載のシート処理装置。
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