JP2004283894A - 素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲げ完了の素材管の取り外しと、次に曲げ加工を行なう素材管のセットを短時間に行なうことができ生産性の向上を可能とし、かつ装置の小型化を可能とする。
【解決手段】素材管30の両端を密栓具31,32で密栓して素材管30内に液体を充填した状態で、1つの素材管30の中途部を複数箇所曲げる素材管30の曲げ加工方法において、曲げ機40側に前進後退可能なチャック台車50のチャック部51により素材管30の一端部を支持し、曲げ機40側の支持部324に素材管30の他端部を載置してセットし、セットした素材管30の位置は、曲げ機40の曲げ部41から偏位している。
【選択図】図5
【解決手段】素材管30の両端を密栓具31,32で密栓して素材管30内に液体を充填した状態で、1つの素材管30の中途部を複数箇所曲げる素材管30の曲げ加工方法において、曲げ機40側に前進後退可能なチャック台車50のチャック部51により素材管30の一端部を支持し、曲げ機40側の支持部324に素材管30の他端部を載置してセットし、セットした素材管30の位置は、曲げ機40の曲げ部41から偏位している。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動二輪車、雪上車、四輪バギー車等のエンジンとマフラーとの間を接続する排気パイプ等の素材管を形成する素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動二輪車用の排気パイプは、ステンレス鋼管の素材管を所定の形状に曲げることによって形成している。この種の排気パイプは、パィプ内を排ガスが円滑に流れることができるとともに、途中で圧力波が不必要に反射することがないように、内径が一定であることが望ましい。しかし、パイプを曲げると、曲げ外側の部分が内側へ偏在するようになって曲げ外側の曲率が内側の曲率より小さくなるから、従来の排気パイプにおいては、曲部分で部分的に偏平となり、排気通路の断面積が小さくなってしまうという不具合があった。
【0003】
このような不具合は、曲部分の内部に液体を密封した状態で折曲げ加工を行うことによって、ある程度は解消することができる(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−254112号公報(第1〜第12頁、図1〜図14)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような曲げ加工装置では、曲げ完了の素材管はロール型に巻き付いた状態であり、曲げ完了の素材管をロール型から取り外して仮置きし、その後、次に曲げる素材管を運んで曲げ加工装置にセットし、仮置きした曲げ完了の素材管を運び出すか、あるいは、次に曲げる素材管を運んで仮置きし、曲げ完了の素材管をロール型から取り外して運び出し、その後に仮置きした曲げる素材管を曲げ加工装置にセットする必要がある。
【0006】
このように、ロール型に巻き付いた状態の曲げ完了の素材管の取り外しと、次に曲げ加工を行なう素材管のセットに時間がかかり、また仮置き場所を確保する必要があり、装置が大型化する等の問題があった。
【0007】
この発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、曲げ完了の素材管の取り外しと、次に曲げ加工を行なう素材管のセットを短時間に行なうことができ生産性の向上を可能とし、かつ装置の小型化を可能とする素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0009】
請求項1に記載の発明は、素材管の両端を密栓具で密栓して前記素材管内に液体を充填した状態で、前記素材管の中途部を曲げる素材管の曲げ加工方法において、
曲げ機側に前進後退可能なチャック台車のチャック部により前記素材管の一端部を支持し、
曲げ機側の支持部に前記素材管の他端部を載置してセットし、
前記セットした前記素材管の位置は、前記曲げ機の曲げ部から偏位していることを特徴とする素材管の曲げ加工方法である。
【0010】
この請求項1に記載の発明によれば、セットした素材管の位置は、曲げ型から偏位しているから、曲げ加工が終了した素材管を曲げ部から離脱する前に素材管をセットすることができるので、作業性が良い。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記支持部に、前記素材管の他端部の密栓具の部分を載置してセットすることを特徴とする請求項1に記載の素材管の曲げ加工方法である。
【0012】
この請求項2に記載の発明によれば、支持部に、素材管の他端部の密栓具の部分を載置してセットすることで、素材管の太さ(特に外径寸法)が異なる場合でも、支持部に載置する密栓具の部位が同じ位置になるようにすることができるので、支持部の載置位置を常に同じ位置にすることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記他端部の密栓具の外周面部に設けたストッパを、前記支持部に当接して前記素材管の軸方向外側方への移動を規制することを特徴とする請求項2に記載の素材管の曲げ加工方法である。
【0014】
この請求項3に記載の発明によれば、密栓具の外周面部に設けたストッパを支持部に当接して素材管の軸方向外側方への移動を規制することで、素材管の曲げ位置の基準を容易に設けることができるので、精度良く曲げ加工ができる。また、密栓具に設けられた受圧カプラに対して加圧カプラを嵌合するときの押力をストッパによって受けることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記支持部は、この支持部に載置した前記素材管の軸に略直交する方向で、かつ前記曲げ部から離間する方向に移動自在であり、前記素材管の曲げ作業時に前記曲げ部から離間する方向に移動することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工方法である。
【0016】
この請求項4に記載の発明によれば、支持部を素材管の軸に略直交する方向で、かつ曲げ型から離間する方向に移動自在であり、素材管の曲げ作業時に曲げ型から離間する方向に移動することで、曲げ作業時に素材管が変位するのが支持部によって邪魔されない。
【0017】
請求項5に記載の発明は、前記素材管の一端部の密栓具に設けた受圧カプラと、前記チャック部に設けた加圧カプラとを接続して前記素材管の内圧を増減可能であり、
前記素材管の一端部を前記チャック部にセットする前は、前記受圧カプラに対して前記加圧カプラを後退させておくことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工方法である。
【0018】
この請求項5に記載の発明によれば、素材管の一端部をチャック部にセットする前は、受圧カプラに対して加圧カプラを後退させておくことで、素材管をチャック部に容易にセットすることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、素材管の両端を密栓具で密栓して前記素材管内に液体を充填した状態で、前記素材管の中途部を曲げる素材管の曲げ加工装置において、
前記素材管の中途部を曲げる曲げ部とクランプ部とプレッシャー部とを有する曲げ機と、
チャック部により前記素材管の一端部を片持ち支持し、曲げ機側に前進後退可能なチャック台車とを有し、
前記チャック台車のチャック部により前記素材管の一端部を支持し、前記曲げ機側の支持部に前記素材管の他端部を載置してセットし、
前記セットした前記素材管の位置は、前記曲げ機の曲げ部から偏位していることを特徴とする素材管の曲げ加工装置である。
【0020】
この請求項6に記載の発明によれば、セットした素材管の位置は、曲げ部から偏位しているから、曲げ加工が終了した素材管を曲げ部から離脱する前に素材管をセットすることができるので、作業性が良い。
【0021】
請求項7に記載の発明は、前記支持部に、前記素材管の他端部を載置してセットし、この他端部の載置する部分は前記密栓具の部分であることを特徴とする請求項6に記載の素材管の曲げ加工装置である。
【0022】
この請求項7に記載の発明によれば、支持部に、素材管の他端部の密栓具の部分を載置してセットすることで、素材管の太さ(特に外径寸法)が異なる場合でも、支持部に載置する密栓具の部位が同じ位置になるようにすることができるので、支持部の載置位置を常に同じ位置にすることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、前記他端部の密栓具の外周面部に、前記素材管の軸方向外側方への移動を規制するストッパを設けることを特徴とする請求項7に記載の素材管の曲げ加工装置である。
【0024】
この請求項8に記載の発明によれば、密栓具の外周面部に設けたストッパを支持部に当接して素材管の軸方向外側方への移動を規制することで、素材管の曲げ位置の基準を容易に設けることができるので、精度良く曲げ加工ができる。また、密栓具に設けられた受圧カプラに対してクランプ部の加圧カプラを嵌合するときの押力をストッパによって受けることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、前記支持部は、この支持部に載置した前記素材管の軸に略直交する方向で、かつ前記曲げ型から離間する方向に移動自在であることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工装置である。
【0026】
この請求項9に記載の発明によれば、支持部を素材管の軸に略直交する方向で、かつ曲げ部から離間する方向に移動自在であり、素材管の曲げ作業時に曲げ型から離間する方向に移動することで、曲げ作業時に素材管が変位するのが支持部によって邪魔されない。
【0027】
請求項10に記載の発明は、前記素材管の一端部の密栓具に受圧カプラを設け、前記チャック部に、前記受圧カプラと脱着可能で前記素材管の内圧を増減可能とする加圧カプラを設け、
前記素材管の一端部を片持ち支持可能なチャック部にセットする前は、前記受圧カプラに対して前記加圧カプラを後退させておくことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工装置である。
【0028】
この請求項10に記載の発明によれば、素材管の一端部をチャック部にセットする前は、受圧カプラに対して加圧カプラを後退させておくことで、素材管をチャック部に容易にセットすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1はこの発明に係る素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって形成した排気パイプを装着した自動二輪車の側面図である。この自動二輪車1の車体フレーム2には、4サイクル単気筒エンジン3が搭載され、この自動二輪車1には、前輪4、後輪5、操向ハンドル6、シート7が備えられている。この4サイクル単気筒エンジン3には、この発明の素材管の曲げ加工によって形成した排気パイプ8が接続され、この排気パイプ8の下流側端部には、後端にマフラー9を設けた後部排気パイプ10が接続されている。
【0031】
図2はこの発明に係る素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって形成した排気パイプを示す図で、図2(a)は平面図、図2(b)は車体左側から見た状態を示す側面図である。この実施の形態の排気パイプ8は、3箇所を曲げることによって所定の形状に形成しており、一端部(上流側端部)にエンジン接続用のフランジ11を溶接している。この排気パイプ8に形成する3箇所の折曲部分を符号12〜14で示す。この排気パイプ8の下流側端部には、図1に示すように、後端にマフラー9を設けた後部排気パイプ10が接続される。
【0032】
この排気パイプ8の曲げ部分12〜14は、この発明の素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって曲げている。
【0033】
図3は曲げ加工装置が設置されるラインレイアウトの平面図である。この実施の形態の曲げ加工装置が設置されるラインレイアウトは、作業者が作業する作業エリア20の周囲に、次台車21、中台車22、パレテーナ23a、パレテーナ23b、リフト24、密栓機25、曲げ加工装置26、加圧装置80、開栓機28、検査台29が配置されている。
【0034】
次の曲げ加工の対象となる所定個数の素材管がパレテーナ23aの上に置かれ、順次曲げ加工を行なう対象となる複数の素材管がパレテーナ23bの上に置かれている。リフト24は、パレテーナ23a,23bを運搬するハンドリフトであり、何れかのパレテーナの下に挿入し、パレテーナをリフトアップした後に、所望の位置までパレテーナを移動してリフトダウンして載置し、順次素材管を密栓機25側へ移動する。
【0035】
密栓機25では、素材管の両端を密栓具で密栓して素材管内に液体を充填し、曲げ加工装置26では素材管の中途部を曲げる素材管の曲げ加工を行なう。加圧装置80では、素材管の曲げ加工時の素材管内の圧力の調整を行なう。開栓機28では、曲げ完成品の密栓具を取り外し、検査台29で曲げ完成品の曲げ状態の検査を行なう。中台車22に検査済の曲げ完成品が順次収納され、中台車22に所定数の曲げ完成品が収納されると中台車22を保管場所に移動する。この中台車22の移動で次台車21が検査済の曲げ完成品を収納する位置に移動する。次台車21は、曲げ完成品を支持する空の支持受けが並んだ空の台車であり、この次台車21に検査済の曲げ完成品が順次収納される。
【0036】
次に、密栓機25において、素材管30の両端を密栓具31,32で密栓し、素材管30内に液体を充填する構造を説明する。図4は素材管に密栓具を取付けた状態を示す断面図である。
【0037】
排気パイプ8を形成するための直管からなる素材管30の両端に曲げ加工時非接続側となる密栓具31及び曲げ加工時加圧装置80との接続側となる密栓具32を取付けて素材管30内を密閉するとともに、それぞれ密栓機25と連結して素材管30内に水を充填し、充填後この連結を解除しこれらの密栓具31及び密栓具32を用いて素材管30内に水を密封保持する。なお、素材管30を板材から造管する時に形成される溶接ビード部(素材管30の中心軸とほぼ平行となる)を、曲げ加工時の曲げ平面(曲げ部素材管30の中心線と曲率半径の中心を通る平面)から避けて、素材管30が溶接ビード部で損傷することがないようにするため、素材管30に密栓具31を取り付けるに際し、溶接ビード部に対する下記する開閉弁72の素材管30の中心軸回りの位置が所定値となるようにする。
【0038】
密栓具31及び密栓具32は、素材管30の端部を嵌入させる、それぞれ有底円筒体33a,33bと、この有底円筒体33a,33bにそれぞれ支持用ボルト34a,34bによって取付けた密栓機能部材35a,35bとを備えている。有底円筒体33a,33bは、本体がアルミニウムにより形成され、円筒部内側にスチールで形成された補強管39a,39bがそれぞれ圧入され一体化されている。
【0039】
密栓機能部材35a,35bは、円周方向に配置された複数個の鬼爪35a1,35b1と、この鬼爪35a1,35b1の外周に形成された2個のリング溝35a2,35b2に係合する環状コイルスプリング35a3,35b3とを備え、鬼爪35a1,35b1の外周が拡張して素材管30の端部内周面にそれぞれ圧着できるようになっている。ナット36a,36bをそれぞれ締め上げることで、鬼爪35a1,35b1を支持用ボルト34a,34bの内側端部にボルト35a5、35b5でそれぞれボルト止めした支持体35a21,35b21、シール用ゴム35a22,35b22、さらには迂回して支持用ボルト34a,34bの内側端部の大径部の段部34a1,34b1、そしてプレート35a23,35b23を介して、楔部材35a4,35b4と有底円筒体33a,33bの底部33a1,33b1とによって挟圧している。そして楔部材35a4,35b4のテーパ面35a41,35b41が鬼爪35a1,35b1のテーパ面35a11,35b11を押圧し、これによって鬼爪35a1,35b1が径方向へ広がり素材管30の内周面に密着し、素材管30に密栓具31及び密栓具32がそれぞれ圧着される。
【0040】
支持用ボルト34a,34bは、外端部に螺着させたナット36a,36bを締付けることによって、支持体35a21,35b21とプレート35a23,35b23とでシール用ゴム35a22,35b22を押圧するように形成している。すなわち、ナット36a,36bを締付けることによって、シール用ゴム35a22,35b22は、軸線方向に挟圧されて径方向へ膨らみ、外周面が素材管30の内周面に液密になるように全周にわたって密着する。
【0041】
支持用ボルト34a,34bには内側端部に、大径部による段部34a1,34b1が形成され、ナット36a,36bを締め過ぎた場合、この段部34a1,34b1がプレート35a23,35b23に当接するようになっており、シール用ゴム35a22,35b22の軸線方向の挟圧変形量が規制されて径方向へ膨らみ過ぎることを防止している。
【0042】
有底円筒体33a,33bにそれぞれ形成される2面幅溝33a2,33b2に密栓機25の不図示の支持具がそれぞれ嵌合し、有底円筒体33a,33bを軸方向及び円周方向に固定支持する。密栓具32では、有底円筒体33bに径方向に挿入した周り止めキー37bの先端を支持用ボルト34bのキー溝34b2に嵌合し、支持用ボルト34bの外端部に螺着させたナット36bを締付ける時の周り止めとしている。
【0043】
また、有底円筒体33bのチャック部側には、取付部材38b1がビス38b2によって締め付け固定されている。この素材管30のカプラ側の密栓具32は、支持用ボルト34bの軸心部にボルト35b5の中心貫通孔と連通することで素材管30の内外を連通するように貫通孔34b3を穿設するとともに、支持用ボルト34bの外端部に受圧カプラ70を取付けている。
【0044】
この受圧カプラ70は、従来からよく知られているように、内部通路にスプリング70bでバックアップさせたボールからなる逆止弁70aを有し、相手側の加圧カプラ52を取付けることによって、加圧カプラ52内に設けられる不図示の逆止弁の押しロッドによって逆止弁70aが押し開かれる。受圧カプラ70の外周に抜け止めボールが嵌まり込む溝70cが設けられている。
【0045】
密栓具31では、十の字形状の支持用ボルト34aの横部材34a2が有底円筒体33aの底部33a1に形成される断面U字状溝33a3に嵌合しており、このことによって支持用ボルト34aの縦部材の外端部に螺着させたナット36aを締付ける時の周り止めとしている。支持用ボルト34a端部に支持体35a21を締め付け固定するボルト35a5の中心貫通孔と連通し、支持用ボルト34aの軸心部を通って素材管30の内外へ延びるL字形の排出通路34a3を支持用ボルト34aに形成するとともに、この排出通路34a3は支持用ボルト34aの横部材34a2先端部に設けたカプラ71に形成された排出通路71aと連通している。31aは断面U字状溝33a3の溝口元を塞ぐワッシャ状部材である。
【0046】
カプラ71には、排出通路71aを開閉する開閉弁72が設けられている。このカプラ71は、受圧カプラ70とは異なり逆止弁70a相当が配置されない構造である。
【0047】
また、ボルト35a5の六角頭部の支持体35a21側端面に溝35a51と、この溝35a51につながり中心貫通孔に到る横孔35a52とが形成され、空気抜き通路35a53とされている。
【0048】
この両端を密栓具31,32で密栓した素材管30に水が充填される。この水の充填は素材管30を鉛直方向にして受圧カプラ70側から実施され、ボルト35a5の六角頭部の周囲の空気は空気抜き通路35a53から排出通路71a及びカプラ71を経て排出されるので、素材管30内の空気はほとんど全て排出することができる。素材管30内に空気がほとんど無く、水すなわち液体を充填した状態で、素材管30の中途部を曲げる素材管30の曲げ加工が行なわれる。
【0049】
次に、素材管30の中途部を曲げる素材管30の曲げ加工を行なう曲げ加工装置26を、図5乃至図20に基づいて説明する。図5は曲げ加工装置の素材管のセット時の平面図、図6は曲げ加工装置の素材管の曲げ完了時の平面図、図7は曲げ加工装置のクランプ部のオペレータ側を正面とする正面図、図8は曲げ加工装置のプレッシャー部のオペレータ側を正面とする正面図、図9はチャック部の平面図、図10はチャック部の拡大側面断面図、図11は素材管のチャックを説明する断面図、図12は素材管のセットを示す側面図、図13は素材管の支持を示す拡大側面図、図14は素材管の支持を示す正面図、図15は曲げ加工装置の側面図、図16は曲げ加工装置の素材管のセット時の平面図、図17は曲げ加工装置の素材管の曲げ時の平面図、図18は曲げ加工装置の素材管のセット時の正面図、図19は曲げ加工装置の素材管の曲げ時の正面図、図20は曲げ加工装置の制御ブロック図である。
【0050】
この実施の形態の素材管の曲げ加工装置26は、図5乃至図8に示すように、素材管30の両端を密栓具31,32で密栓して素材管30内に液体を充填した状態で、素材管30の中途部を曲げる。
【0051】
この曲げ加工装置26は、曲げ機40と、チャック台車50とを有している。曲げ機40は、曲げ部41と、クランプ部42と、プレッシャー部43とを有し、曲げ部41のクランプ受け41aとクランプ部42のクランプ押え42dとで素材管30を挟み、この素材管30をプレッシャー部43で押圧保持し、曲げ部41とクランプ部42との一体回転で素材管30の中途部を曲げる。
【0052】
この曲げ機40には、クランプ用油圧シリンダCY4、クランプ支持台回動用油圧シリンダ(曲げ動作用)CY5、プレッシャー用油圧シリンダCY6、ブースター前後進用油圧シリンダCY7、パイプ受け台アーム前後進用空圧シリンダCY8、パイプ受け台アーム回動用空圧シリンダCY9が設けられ、これらは図20に示すように、クランプ用オートスイッチSW12、プレッシャー用オートスイッチSW4、ブースター用オートスイッチSW5、パイプ受け台前後進用オートスイッチSW6、パイプ受け台アーム回動用オートスイッチSW7のON信号で制御装置200により駆動する。
【0053】
クランプ用油圧シリンダCY4は、クランプ部42と曲げ部41の間に素材管30を挟み、クランプ支持台回動用油圧シリンダ(曲げ動作用)CY5の駆動によりクランプ支持台44を回動して素材管30の中途部を曲げる。曲げ加工中、プレッシャー用油圧シリンダCY6の駆動によりプレッシャー部43が素材管30を押圧保持する。
【0054】
チャック台車50は、素材管30の端部の密栓具32をチャック用油圧シリンダCY3によって片持ち支持可能とするチャック部51と、端部の密栓具32を介して素材管30の内圧を増減可能とする加圧カプラ52と、この加圧カプラ52とチャック部51とを一体的にX軸方向及びZ軸方向に移動する空圧シリンダCY1,CY2とを有し、このチャック台車50は、送り部53によってY軸方向に前進後退可能になっている。
【0055】
この送り部53は、Y軸(前後)モータM1と、このY軸(前後)モータM1により駆動されるチェーン61と、一対のガイドレール62,62とを有し、Y軸(前後)モータM1の駆動によりチェーン61を正転または逆転することで、チェーン61に連結されたチャック台車50がY軸方向に前進または後退する。チェーン61は、スプロケット61a,61b間に掛け渡されており、Y軸(前後)モータM1によってスプロケット61aが駆動される。
【0056】
また、チャック台車50には、チャック部51の軸心R軸回りのひねり用モータM2が設けられ、このひねり用モータM2により素材管30を回転して素材管30の曲げ方向を変えることができるようになっている。
【0057】
このチャック台車50には、X軸(左右)空圧シリンダCY1と、Z軸(上下)空圧シリンダCY2が備えられている。X軸(左右)空圧シリンダCY1はチャック台車50に設けられ、チャック部51、加圧カプラ52及びひねり用モータM2等が載置されるチャック台50aを左右に移動し、Z軸(上下)空圧シリンダCY2はチャック台50aを上下に移動する。
【0058】
Y軸(前後)モータM1、ひねり用モータM2、X軸(左右)空圧シリンダCY1及びZ軸(上下)空圧シリンダCY2は、図20に示すように、チャック開閉オートスイッチSW1、チャック台用X軸オートスイッチSW2、チャック台用Z軸オートスイッチSW3のON信号により制御装置200により駆動し、チャック台車用Y軸位置センサS1及びチャック用R軸位置センサS2からの位置情報に基づき制御される。
【0059】
また、チャック台車50には、チャック用油圧シリンダCY3が設けられ、このチャック用油圧シリンダCY3は、図20に示すように、クランプ用オートスイッチSW12のON信号で制御装置200により駆動し、チャック部51で素材管30の端部の密栓具32を片持ち支持する。
【0060】
また、チャック台50aには、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10、加圧カプラ52のロック外し用空圧シリンダCY11、エア抜き装置用空圧シリンダCY12が備えられ、これらは、図20に示すように、加圧カプラ用Y軸用オートスイッチSW8、加圧カプラ52のロック外し用オートスイッチSW9のON信号により制御装置200により駆動し、加圧カプラ52の接続やロック外し、エア抜きを行なう。
【0061】
この曲げ加工装置26では、図5に示す素材管30をセット位置P1から図6に示す曲げ位置P2へ移動して素材管30を曲げ、この素材管30の曲げ作業時、チャック台車50を前進させ、素材管30の内圧を加圧装置80により増加させて曲げ、その後にチャック部51による素材管30の片持ち支持を開放し、加圧カプラ52を脱するとともにチャック台車50を後退させる。
【0062】
このように、曲げ完了の素材管30は曲げ部41に巻き付いた状態でチャック台車50が後退するので、チャック部51の片持ち支持を開放してチャック台車50の後退中に素材管30を曲げ部41から離脱可能になる。チャック台車50の後退中にチャック台50aの曲げ位置P2からセット位置P1への移動により、次に曲げる素材管30を直ちにチャック台車50に装着可能となり、生産性の向上ができる。また、次に曲げる素材管30をチヤック台車50のチャック部51に先に装着し、後で曲げ完了の素材管30を曲げ部41から離脱させ、素材管30を把持したまま次の工程場所へ作業者が移動することが可能となり、曲げ完了の素材管30の仮置きが不要となる。
【0063】
また、素材管30の曲げ完了後、クランプ部42が素材管30のクランプを解除し、曲げ部41、クランプ部42を曲げのために回動を完了した位置に保持した状態で、さらにチャック台50aをX軸方向あるいはZ軸方向に移動させてセット位置P1に移動させ、次に曲げる素材管30をチャック台車50のチャック部51に先に装着し、後で、曲げ完了の素材管30を曲げ部41から離脱させる場合において、作業者が起動釦SW10を押すと、そのオン信号によってクランプ部42が曲げ部41と一体となって反時計方向に直角(本実施の形態では90度)回動して前記初期位置に戻った後、次に曲げる素材管30を自動的にクランプするように構成されている。このため、作業者は、起動釦SW10を押した後、直ちに(クランプ部42が前記初期位置に戻る前に)、曲げ完了の素材管30を把持して次の工程場所へ移動することができる。この結果、作業者が、起動釦SW10を押して、クランプ部42を、図5に示す位置から前記初期位置に戻した後、次に曲げる素材管をチャック台車のチャック部に装着して起動釦を再び押し、曲げ加工を行うようにしていた従来の場合と比べて、作業者が曲げ加工機の傍に居なければならない拘束時間及び曲げ完了からセットまでの時間間隔を減らすことができ、生産性を向上できる。
【0064】
また、曲げ完了時、クランプ部42の押圧部42dが後退した後に、素材管30の内圧を下げ、その後チャック部51の片持ち支持を開放し、チャック台車50が後退する。次にプレッシャー部43を後退させる。これによりチヤック台車50がY軸方向に後退するとき、プレッシャー部43が素材管30を圧接保持しているので、素材管30がチャック台車50のチャック部51によって引っ張られて変形する恐れはない。なお、プレッシャー部43はクランプ部42より軸方向の圧接幅が長いので、圧接時の面圧を下げることができ、素材管30の内圧を下げた後、プレッシャー部43が素材管30に圧接していても、プレッシャ力で素材管30が変形することがない。
【0065】
また、チャック台車50に対して加圧カプラ52を前進後退可能とし、チャック台車50の後退に先行して加圧カプラ52を後退することで、素材管30の密栓具32と加圧カプラ52の接続を脱可能状態とするようにする。この脱可能状態においてチャック台車50を後退することで、加圧カプラ52を脱とできる。即ち、加圧カプラ52の脱を独立して行なう必要がないので、曲げ生産の効率を上げることができる。
【0066】
また、接続する時は、チャック台車50を前進前に加圧カプラ52を前進させて素材管30内と加圧装置80とを連結し、チャック台車50を前進中あるいは前進前に素材管30の内圧を上昇開始し、前進中も素材管30の内圧を上昇させるようにする。このように、チャック台車50を前進中も素材管30の内圧を上昇させるようにしており、素材管30の内圧を上昇させるに要する時間の一部あるいは全てをチャック台車50の前進のための時間と重複させることが可能となり、曲げ生産の効率を上げることができる。
【0067】
次に、曲げ加工装置26の構成部を、図9乃至図19に基づいて説明する。
【0068】
この実施の形態の曲げ加工装置26は、チャック台50aにチャック部51が備えられ、このチャック部51のチャック本体300には、図9乃至図14に示すように、チャック筒301が固定され、このチャック筒301の先端の4つ割スリット(不図示)により形成されるチャック爪301aに素材管30の密栓具32が係合保持される。
【0069】
チャック爪301aは、外側に係合段部301a1が形成され、内側にテーパ面301a2が形成されている。チャック爪301aの係合段部301a1には、密栓具32の取付部材38b1が係合される。チャック爪301aのテーパ面301a2には、ホルダ筒302の先端にテーパ面302aが当接しており、ホルダ筒302に接続した作動レバー303をチャック用油圧シリンダCY3により作動することで、ホルダ筒302のテーパ面302aがチャック爪301aのテーパ面301a2を押し、これによりチャック爪301aが外方へ広がり、セットした素材管30の密栓具32における取付部材38b1の内面部にチャック爪301aの外周面部が圧接され、素材管30が固定される。
【0070】
密栓具32の受圧カプラ70は、加圧カプラ52に接続される。一対の押具304,304は、チャック筒301に軸方向に形成された一対のガイド孔301b,301bとホルダ筒302に軸方向に形成された一対のガイド孔302b,302bに軸方向に移動可能で、チャック筒301に設けたスライド筒305に取り付けられている。
【0071】
加圧カプラ52は、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10を貫通しピストン(不図示)に固定された作動管310でY軸方向(前後方向)に移動し、素材管30をセットする時には後退し、素材管30をセット後に前進する。
【0072】
素材管30をセットする時は、図11(a)に示すように、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10が駆動されず、加圧カプラ52が後退しており、素材管30をセットした後に加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10が駆動し、作動管310がY軸方向(前方)に移動し、加圧カプラ52が密栓具32の受圧カプラ70に接続される。この加圧カプラ52の接続状態では、図11(c)の両カプラ接続時に示すように、加圧カプラ52のストッパーボール52bが受圧カプラ70の溝70cに係合している。
【0073】
加圧カプラ52を抜く時には、加圧カプラ52のロック外し用空圧シリンダCY11が駆動し、スライド筒305を介して押具304,304がY軸方向(後方)に移動してボール押さえリング70dを押す。図11(c)の両カプラ離脱時に示すように、ストッパーボール52bが溝70cから外れロックが解除される。図11(b)に示すように、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10が駆動して作動管310が後退して、加圧カプラ52が密栓具32の受圧カプラ70から抜かれる。
【0074】
このように、密栓具32に受圧カプラ70を設けており、これに対してチャック部51には、受圧カプラ70に脱着自在に接続した状態で素材管30の内圧を増減可能とする加圧カプラ52を設けている。密栓具31を介して素材管30の端部を、片持ち支持可能なチャック部51にセットする前は、図11(a)に示すように、受圧カプラ70に対して加圧カプラ52を後退させておく。このように受圧カプラ70に対して加圧カプラ52を後退させておくことで、素材管30をチャック部51に容易にセットすることができる。
【0075】
この加圧カプラ52は、受圧カプラ70の逆止弁70aを押して後退させるピン52aを有し、受圧カプラ70に嵌まり合うようにスライド可能である。この加圧カプラ52には、図11(c)に示すように、ストッパーボール52bがボール押さえリング70dの逃げ部70d1で保持されて放射方向の移動を可能に設けられ、このストッパーボール52bを受圧カプラ70の溝70cに嵌合させて加圧カプラ52と受圧カプラ70が接続される。この加圧カプラ52に接続した作動管310には、図9に示すように、耐高圧ホースの加圧管109が接続してある。
【0076】
曲げ完了後のチャック台車50の後退前に加圧カプラ52が受圧カプラ70から離脱される。この時、加圧カプラ52のボール押さえリング70dが後退し、ストッパーボール52bが放射方向外方に移動し、この状態でチャック台車50が後退すると、加圧カプラ52の接続を開放できる。
【0077】
人手で素材管30をチャック台車50に嵌め込み、チャック釦SW11を押すと、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10の作動管310でY軸方向(前方向)に加圧カプラ52が移動し受圧カプラ70に接続される。チャック用油圧シリンダCY3の作動によりチャック爪301aが広がり、内側から強固に素材管30を片持ち支持する。
【0078】
チャック本体300には、図10及び図12に示すように、受台140が固定され、素材管30の一端部の密栓具32を載せてX軸方向及びY軸方向に位置決めして容易にセットすることができるようになっている。
【0079】
この素材管30の他端部の密栓具31は、図12乃至図14に示すように、曲げ機40の受台本体321に設けた受台アーム320で保持される。受台アーム320は、受台本体321に設けた駆動軸322を支点として回動し、この駆動軸322はパイプ受け台アーム回動用空圧シリンダCY9によって駆動される。また、受台本体321は、パイプ受け台アーム前後進用空圧シリンダCY8の駆動によって曲げ機本体400に対してY軸方向(前後方向)に移動可能になっている。
【0080】
受台アーム320の先端には、支持部320aとストッパ部324が設けられている。ストッパ部324はビス325で締付固定され、このストッパ部324には受部材327がビス326よって取り付けられている。この受部材327には、略90度の角度で係止爪327a,327bが延びるように形成され、この係止爪327a,327bの略90度の挟み角の調整がスクリュープラグ326a,326bによって行なわれる。スクリュープラグ326a,326bにはスプリング(不図示)によって僅かに付勢され、最大飛び出し量が規制されるピン326a1,326b1が設けられ、これらのピン326a1,326b1によって係止爪327a,327bが支持されている。これによって、素材管30の他端部の密栓具31をチャック部51にセットするときに係止爪327a,327bはスプリングの挟みにより挟み角を90度以上に広げることができるので、素材管30とチャック部51との各軸芯を略一致させることができ、セットをし易くできる。
【0081】
支持部320aに、素材管30の一端部を載置してセットし、この一端部の載置する部分は密栓具31の円筒部分である。このように、支持部320aに、素材管30の一端部の密栓具31の部分を載置してセットすることで、素材管30の太さ(特に外径寸法)が異なる場合でも、支持部320aに載置する密栓具31の部位の内筒径を同一にでき、支持部320aに素材管30を載置する時、常に素材管30とチャック部51との各軸芯を略一致させることができる。
【0082】
また、密栓具31の外周面部には、素材管30のY軸方向(前方)への移動を規制するストッパ31aが設けられており、この密栓具31の外周面部に設けたストッパ31aを、ストッパ部324の係止爪327a,327bに当接して素材管30のY軸方向前方への移動を規制する。このようにして、素材管30のY軸方向(前方)への移動を規制することで、素材管30の曲げ位置の基準を容易に設けることができるので、精度良く曲げ加工ができる。また、密栓具32に設けられた受圧カプラ70に対してチャック部51の加圧カプラ52を嵌合するときの押力をストッパ31aを介してストッパ部324の係止爪327a,327bによって受けることができる。
【0083】
受台アーム320は、図15、図16及び図18(実線で示す)に示すセット位置と図17、図18(二点鎖線で示す)及び図19に示す待機位置との間で位置を変えることができるようになっている。
【0084】
このように、受台アーム320の作動によって、支持部320aとストッパ部324は、この支持部320aに載置した素材管30の軸L1に略直交する方向L2で、かつ曲げ部41から離間する方向に移動自在であり、支持部320aとストッパ部324が素材管30の曲げ作業時に曲げ部41から離間する方向に移動することで、曲げ作業時に素材管30が変位しても支持部320aとストッパ部324によって邪魔されない。
【0085】
この曲げ機40の曲げ部41、クランプ部42、プレッシャー部43は、図16乃至図19に示すように構成されている。この曲げ部41は、クランプ受け41a、ロール金型41bで構成され、この曲げ部41は基台500に設けたZ軸方向の回動中心軸501とともに回動可能である。また、クランプ部42はクランプ押圧部42d、クランプ用油圧シリンダCY4、クランプ支持台502で構成され、クランプ押圧部42dを設けたクランプ支持台502は、曲げ部41と一体化され、回動中心軸501と一体で回動可能であり、クランプ支持台回動用油圧シリンダ(曲げ動作用)CY5によって回動する。このクランプ押圧部42dは、クランプ支持台502上に設けたクランプ用油圧シリンダCY4によって曲げ部41方向へ前後進可能である。
【0086】
この曲げ部41とクランプ支持台502の回動による曲げ工程時において、チャック台車50は素材管30の変位に応じて、チャック台車50は素材管30の変位に応じて前進のY軸方向に移動する。この曲げ工程時に、素材管30を曲げ部41の溝41cとクランプ部42の溝42aとで挟持する。この曲げ部41の溝41cとクランプ部42の溝42aは、上下2段に設けられ、溝41cと溝42aはそれぞれ上側と下側とで曲げRの大きさを異なるようにして使い分けることができる。
【0087】
基台500の曲げ部41近傍には、プレッシャー支持台511が設けられ、このプレッシャー支持台511にプレッシャー部43が設けられ、このプレッシャー部43はプレッシャー用油圧シリンダCY6によってワイパー510方向へ前後進可能である。ワイパー510は、ロール金型41b近傍且つそのチャック台車50側において基台500に固定され、プレッシャー部43の前進によって素材管30をプレッシャー部43とで挾持する。プレッシャー支持台511は、基台500に対してX軸方向に移動可能に配置され、プレッシャー部43は、プレッシャー支持台511にY軸方向に移動可能に取り付けられる。
【0088】
プレッシャー支持台511がX軸方向での前進時、素材管30をワイパー510とで挟持し、後退で、素材管30を開放する。
【0089】
曲げ完了時、クランプ支持台502は回動完了位置で停止し、この状態でクランプが外れる。この状態で曲げ完了となり、素材管30は曲げ部41の溝41cに脱着可能ではあるが巻き付き、プレッシャー部43がX軸方向に後退退避し、支持アーム320が回動し、セット位置P1に支持部320aがX軸方向及びZ軸方向に位置決めされる。
【0090】
曲げ完了後、チャック台車50はY軸方向に後退しており、素材管30の一端をチャック部51に斜めに嵌め込み、他端を支持部320a上に載置した後、手前ヘ素材管30を移動させ(1mm程度)、ストッパ部324の係止爪327a,327bに当てる。これにより、素材管30のY軸方向の位置決めができる。次に素材管30をその軸心回りに回転させ密栓具31の開閉弁72を図14に示す回転ストッパボルト328に当接させる。これにより、素材管30の軸心回りの位置決めができ、素材管30を板材からの造管する時の溶接ビード部を、曲げ加工時の曲げ平面から避けるようにし、素材管30が溶接ビード部で損傷することがないようにできる。係止爪327a,327bに当接させることによる素材管30のY軸方向の位置決め後、オペレータによる起動釦のON信号で受け台アーム320が待機位置へ回動し、チャック台車50のチャック部51が広がり、素材管30を片持ち支持する。この後、チャック台車50がY軸方向に所定量移動する。
【0091】
なお、チャック台車50がY軸方向に所定量移動することで、複数曲げにおける各曲げ位置の軸方向の位置決めができ、チャック台車50のY軸方向移動中にチャック部51が所定量回動することで、複数曲げにおける各曲げ位置における素材軸30の軸心回りの位置決めができる。
【0092】
チャック部51はX軸方向に移動して、さらに同時にZ軸方向に移動し、所望の曲げ部41の溝41cに素材管30を位置させることができる。なお、曲げ機40によっては、チャック部51はY軸方向のみ、あるいはY軸方向とX軸方向、あるいはY軸方向とZ軸方向に移動可能でも良い。
【0093】
チャック部51が、Y軸方向のみ移動可能の場合、先に曲げた素材管30と干渉しない位置まで十分チャック部51を後退(反曲げ部41方向)させれば、先に素材管30をチャック部51にセットできる。
【0094】
また、チャック部51のX軸方向の移動の替わりに、曲げ部41側(クランプ支持台、回動枢軸も含め)をX軸方向に前後進できるようにしても良い。
【0095】
チャック部51が、Y軸方向に移動可能でZ軸方向に移動可能の場合、曲げ部41のローラを複数段とすることができ、この場合、それらの複数段の溝41c及び溝42aの形状を変えることで素材管30のパイプ径を変えることができ、あるいは曲げ半径を変えることができる。
【0096】
図7は上側のローラで素材管30を曲げる場合のクランプ前の状況を示し、図8は下側のローラで素材管30を曲げる場合のクランプ前の状況を示す。この素材管30の移動はチャック部51をZ軸方向に移動させることで行なう。
【0097】
また、この曲げ加工装置26には、図15及び図16に示すように、加圧装置80の配管に溜るエアを抜くために、加圧カプラ52のダミーとなるカプラ800を備え、エア抜き装置801としている。このエア抜き装置801をエア抜き装置用空圧シリンダCY12でY軸方向へ移動し、さらにZ軸方向(下方)に下げて素材管30の受圧カプラ70と接続し、加圧装置80の配管に溜るエアを抜く作業を行なう。
【0098】
両端を密栓具31,32で密栓した素材管30は、密栓機25によって水が充填され、また加圧装置80によって曲げ加工において素材管30内の圧力を調圧する。
【0099】
次に、曲げ加工装置26及び密栓機25に水圧を供給する加圧装置80を、図20及び図21に基づいて説明する。図21は曲げ加工装置の加圧装置の構成を示す図である。
【0100】
この実施の形態の加圧装置80は、水を貯留するための第1及び第2の水タンク101,102と、第1の水タンク101の水を第2の水タンク102に送る循環ポンプ103と、素材管30に水を加圧するための注水ポンプ104と、曲げ工程で素材管30の水を加圧するための高圧ポンプ105a,105bなどを備えている。
【0101】
第1の水タンク101と第2の水タンク102は、連通管106によって互いに連通させており、循環ポンプ103によって第1の水タンク101の水がフィルタ107a,107b,107cを介して第2の水タンク102へ送られる。開栓機28において曲げ完了ワークから受けタンク28aにこぼされる水は自重で第1の水タンク101に戻る。
【0102】
第1の水タンク101は、市水導入管101aから水を供給できるように構成している。この市水導入管101aの下流側端部には、制御装置200によって制御される電磁弁からなる水供給元弁101bを接続している。第1の水タンク101と第2の水タンク102の水位を検出するために水位センサ130,131を設けている。水の蒸発などにより水位が低下し、水位センサ130によって検出された水位が予め定めた下限水位を下回ったときに、制御装置200によって水供給元弁101bが開かれて水が補充される。水位センサ130によって検出された水位が所定の上限水位に達したときに水供給元弁101bが閉じられて水の補充が停止する。
【0103】
また、水位センサ131によって検出された水位が予め定めた下限水位を下回ったときに、制御装置200によって循環ポンプ103が駆動されて第1の水タンク101の水が第2の水タンク102に送られる。水位センサ131によって検出された水位が所定の上限水位に達したときに循環ポンプ103が停止される。
【0104】
注水ポンプ104及び高圧ポンプ105a,105bは、それぞれ入泡検知センサ108を通して第2の水タンク102の水を吸込むようにしている。この入泡検知センサ108は、注水ポンプ104及び高圧ポンプ105a,105bに吸込まれる水に含まれる気泡を検出し、検出データを制御装置200に送る。この入泡検知センサ108によって気泡が検出されたときには、給水異常として制御装置200が注水ポンプ104及び高圧ポンプ105a,105bを停止させる。
【0105】
注水ポンプ104は、密栓機25において、素材管30の両端を密栓具31,32で密栓して素材管30内に液体を充填する時に駆動される。注水ポンプ104の吐出側は、注水管109によって給水用カプラ150に接続しており、給水用カプラ150が密栓具32の受圧カプラ70に接続している状態で素材管30内に水を供給する。
【0106】
素材管30の上端部に位置する密栓具31のカプラ71に接続した排水・空気抜き用カプラ151は、出泡検知センサ110と流量センサ111とを介装した第1の排水管112を接続している。この第1の排水管112の下流側端部は、第1の水タンク101に水を戻すように形成している。
【0107】
出泡検知センサ110は、空気抜きが完了したか否かを判定するために設けており、第1の排水管112を流れる水に含まれる気泡を検出し、検出データを制御装置200に送る。流量センサ111は、第1の排水管112を流れる水の流量を検出し、検出データを制御装置200に送る。出泡検知センサ110で気泡が検出されず、流量センサで流量が検出された時、注水ポンプ104を停止するとともに、制御装置200の制御で開閉弁駆動装置950を駆動して開閉弁72を閉じる。
【0108】
高圧ポンプ105a,105bは、曲げ加工装置26において、素材管30の両端を密栓具31,32で密栓して素材管30内に液体を充填した状態で、素材管30の中途部を曲げる時に駆動する。高圧ポンプ105a,105bは、保守点検に備えて2個並列配置されて、いずれか一方あるいは両方の3通りの運転が可能とされる。これにより、高圧ポンプ105aあるいは高圧ポンプ105bの内一方が保守点検中であっても、他方の稼動により曲げ加工は可能となる。
【0109】
高圧ポンプ105a,105bの吐出側は、加圧管150a,150bから加圧管150cによって曲げ加工装置26の加圧カプラ52に接続しており、この加圧カプラ52が受圧カプラ70を介して素材管30に水圧を供給して曲げ加工を行い、この曲げ加工が一定数実施されると、空気抜き装置のエア抜きカプラ160が加圧カプラ52と接続されて加圧管150cのエア抜きが実施される。エア抜きカプラ160は、第2の排水管161に接続し、第2の排水管161の端部は第1の水タンク101内に開口する。これにより、高圧ポンプ105a,105bから加圧管150cにいたる加圧管路の空気を水と一緒に第1の水タンク101に排出するようにしている。
【0110】
高圧ポンプ105a,105bに接続した加圧管150a,150bには、二方弁151a,151bとチェック弁152a,152bが配置され、加圧管150cには加圧管150a,150bの接続点P3より曲げ加工装置26側には、ストップ弁153が接続され、接続点P3より第1の水タンク101側には絞り弁154、二方弁151cが配置されている。
【0111】
二方弁151aと二方弁151cとで高圧ポンプ105aが吐出した水の供給先を加圧カプラ52と第1の水タンク101の何れか一方に切換えることができるように接続してある。また、二方弁151bと二方弁151cとで高圧ポンプ105bが吐出した水の供給先を加圧カプラ52と第1の水タンク101の何れか一方に切換えることができるように接続してある。
【0112】
二方弁151aは、切換弁151a1によって切換作動し、二方弁151bは、切換弁151b1によって切換作動し、二方弁151cは、切換弁151c1によって切換作動する。
【0113】
すなわち、この二方弁151aまたは二方弁151bを開き、二方弁151cを閉じることで、高圧ポンプ105aまたは高圧ポンプ105bと加圧カプラ52とが接続される第1の形態と、二方弁151cを開いて高圧ポンプ105aまたは高圧ポンプ105bと第1の水タンク101と加圧カプラ52とが相互に接続される放圧のための第2の形態を採ることができる。なお、加圧カプラ52は脱状態において外部からの空気の浸入を阻止するとともに、加圧管150a,150b及び加圧管150c内の水が洩れないチェック弁152a,152bが設けられている。
【0114】
加圧管150cには、圧力センサ155が接続され、圧力センサ155は加圧管150cの水の圧力を検出し、検出データを制御装置200に送る。この実施の形態では、高圧ポンプ105a,105bとして空気駆動式のプランジャポンプを採用し、空気供給源156から空気が空気供給管157aから空気供給管157b,157cで分岐して高圧ポンプ105a,105bに供給され、空気供給管157b,157cには、切換弁158a,158bが配置され、この切換弁158a,158bによって高圧ポンプ105a,105bが切り換え駆動される。
【0115】
吐出圧調整装置159が駆動用空気の圧力を変化させることによって、高圧ポンプ105a,105bの吐出圧が増減するようにしている。吐出圧調整装置159は、制御装置200から送出された指令値に対応させて駆動用空気の圧力を増減させる。指令値は、圧力センサ155が検出した水圧と、予め定めた目標水圧とが一致するように制御装置200が設定する。すなわち、高圧ポンプ105a,105bの吐出圧が目標水圧に一致するように高圧ポンプ105a,105bがフィードバック制御される。
【0116】
目標水圧は、排気パイプ8の形状に対応させて設定する。例えば、曲部分の曲率に対応させて目標水圧を設定する。すなわち、曲率が相対的に大きい(曲率半径が相対的に小さい)曲げ部分は、曲率が相対的に小さい曲げ部分より水圧が高い状態で折曲げる。曲げ加工工程中には、曲げ加工工程中の水圧が一定になるように制御したり、曲部分の曲げ角度が大きくなるほど水圧が高くなるように制御する。
【0117】
さらには、曲げ角度センサを設け、曲げ角度に関連付けて水圧を設定しても良い。例えば、曲げ角度0度の曲げ開始時の水圧を曲率半径が小さい程高く設定し、曲げの進行に伴う曲げ角度の増加に対応して、水圧を曲げ開始時の水圧から、曲げ終了時の曲げ角度の例えば70〜80%の曲げ角度におけるその曲げにおける最大水圧まで徐々に増加し、それ以降、曲げの進行に伴い、水圧を最大水圧から徐々に下げるようにしても良い。これにより中心線に沿って曲げることによる断面形状のひずみの少ない曲がり管とすることができる。
【0118】
この実施の形態の曲げ加工装置26は、複数箇所の曲げ加工ごとに素材管30内の圧力を適合させる圧力調整手段K1を備え、この圧力調整手段K1は、圧力センサ155、制御装置200及び吐出圧調整装置159で構成される。
【0119】
この圧力調整手段K1は、1つの曲げ加工が終了した後、次の曲げ加工工程に入る前までに、1つの曲げ加工に適合した圧力となっている素材管30内の圧力を、該圧力から次の曲げ加工に適合した圧力になるよう調圧する。この調圧することで、素材管30内の水圧を低下させることがない分、作業工数を軽減して作業効率の向上が図れる。
【0120】
この素材管30の曲げ加工工程中は素材管30をクランプ部42でクランプするとともにプレッシャー部43で押圧し、このクランプ及び押圧の前に、そのクランプ及び押圧後の曲げ加工に適合した圧力または該圧力より低い所定の圧力になるよう予め調圧し、このように予め調圧することで、素材管30のクランプ及び押圧前に、素材管30内の圧力が十分高いので、素材管30のクランプ及び押圧による傷付きの虞をなくすことができる。なお、複数箇所の曲げを行う場合においても、複数回の各クランプ及び押圧前に同様に調圧すると良い。
【0121】
また、素材管30における最後の曲げ加工工程が終了した後、素材管30のクランプを解除し、その解除後、素材管30内の圧力を0または0に近い値になるよう調圧を開始し、このように素材管30のクランプを解除後、素材管30内の圧力を0または0に近い値になるよう調圧を開始することで、素材管30のクランプによる傷付きの虞をなくすことができる。なお、圧接幅の長い方のプレッシャー部43も素材管30内の圧力を0または0に近い値まで下げる前に押圧を解除するようにしても良い。
【0122】
また、素材管30に複数箇所の曲げ加工工程を実施する場合であって、1つの曲げ加工工程が終了した後、素材管30のクランプを解除し、その解除後、次の曲げ加工工程に移行する過程で、次の曲げ加工に適合した圧力になるよう調圧を行い、このように調圧を行うことで、次の曲げ加工工程に移行する工程と調圧工程とを同時に行うようにしたので、曲げ作業を効率的に行なうことができる。
【0123】
また、素材管30における最初の曲げ加工を行う前に、素材管30における各曲げ加工に適合した圧力より低い試験圧を素材管30に加え、試験圧を加えた時、素材管30内の圧力が予め設定された時間内に試験圧まで上昇しなかった場合、警報機170を作動させるとともに、表示装置171に異常内容を表示させて異常報知を行ない、高圧ポンプ105a,105bの駆動を停止させる。このように異常報知を行なうことで、不良品を低減することができる。
【0124】
次に、この実施の形態による曲げ加工装置26の動作を、図22乃至図24に基づいて説明する。図22は曲げ加工の動作を説明するためのフローチャート、図23は曲げ加工の動作を説明するための図、図24は曲げ加工の動作を説明するためのタイムチャートである。
【0125】
まず、曲げ加工装置26は、チャック部51がOFFで、クランプ部42が緩み、プレッシャー部43が緩み、加圧装置80は、加圧カプラ52が後退して水圧がOFF状態である。
【0126】
この状態で、オペレータが次の素材管30を着け(S1)、オペレータが曲げ完了の素材管30を外し(S2)、オペレータがチャック釦SW11を押すと(S3)、加圧カプラ52が出て、素材管30の受圧カプラ70に接続し(S4)、チャック部51のチャックを締める(S5)。
【0127】
次に、曲げ加工を行なうための起動釦SW10をオペレータが押す(S6)。この状態で、加圧装置80の水圧部では、高圧ポンプ105a,105bの作動で素材管30に与圧を与えてテスト水圧の加圧が行なわれ(S7)、テスト水圧確認が行なわれ、所定の圧力でないと、NGの場合は警報を出す(S8)。
【0128】
テスト水圧が所定の圧力になる場合には、制御装置200は第1曲げ用水圧に加圧し(S9)、受台アーム320を待機位置に戻し(S10)、クランプ台44を曲げ加工前の初期位置に戻し(S11)、チャック台車50がY軸方向(後方)の曲げ位置まで移動し、チャック部51がひねり作動を行ない(S12)、チャック台50aがX軸方向にセット位置P1から曲げ位置P2へ移動する(S13)。
【0129】
ステップS9の加圧開始後ステップS13が完了するまでにあるいは完了後、水圧が第1曲げ用水圧の許容範囲にあるのかを確認し、NGの場合は警報し(S14)、第1曲げ用水圧の許容範囲になる場合には、クランプ部42を締め、プレッシャー部43を締め(S15)、第1曲げを開始し(S16)、第1曲げ完了で(S17)、クランプ部42を緩め、プレッシャー部43を緩め(S18)、第2曲げ用水圧に変圧し(S19)、チャック台50aをX軸方向にP1位置まで移動させて(S20)、チャック台車50のY軸方向前進とチャック台50aのひねりを行ない、同時にクランプ台44を初期位置に戻し(S21)、チャック台50aがX軸方向にP2位置まで移動する(S22)。
【0130】
ステップS19の変圧開始後ステップS22が完了するまでにあるいは完了後、水圧が第2曲げ用水圧の許容範囲にあるのかを確認し、NGの場合は警報し(S23)、第2曲げ用水圧の許容範囲になる場合には、クランプ部42を締め、プレッシャー部43を締め(S24)、第2曲げを開始し(S25)、第2曲げ完了で(S26)、クランプ部42を緩め、プレッシャー部43を緩め(S27)、第3曲げ用水圧に変圧し(S28)、チャック台50aをX軸方向P1位置まで移動させて(S29)、チャック台車50をY軸方向前進し(S30)、チャック部51の中心軸をローラ金型41bの下側のクランプ受け41aの高さ位置に合わせるべくチャック台50aをZ軸方向に下降し(S31)、チャック台50aのひねりを行ない、同時にチャック台50aがX軸方向にP2位置まで移動する(S32)。
【0131】
ステップS28の変圧開始後ステップS32完了するまでにあるいは完了後、水圧が第3曲げ用水圧の許容範囲にあるのかを確認し、NGの場合は警報し(S33)、第3曲げ用水圧の許容範囲になる場合には、クランプ部42を締め、プレッシャー部43を締め(S34)、第3曲げを開始し(S35)、第3曲げ完了で(S36)、クランプ部42を緩め(S37)、曲げ加工完のワーク内の水圧を開放し(S38)、水圧0(ゲージ圧)を圧力センサ155により確認し、NGの場合は警報を出す(S39)。
【0132】
水圧0を確認したら加圧カプラ52のボール押さえリング70dを外し(S40)、チャック部51のチャックを緩め(S41)、チャック台車50をY軸方向に後退させ、受台アーム320を待機位置からセット位置に回動変位させ(S42)、チャック部51をX軸方向にP1位置まで移動し(S43)、チャック部51の中心軸をローラ金型41bの下側のクランプ受け41aの高さ位置に合わせるべくチャック部51をZ軸方向に上昇をさせ、加圧カプラ52のボール押さえリング70dを戻し(S44)、プレッシャー部43を緩め、加圧カプラ52をチャック部51に対して後退(Y軸方向)させ、次の素材管30の曲げ加工に備える(S45)。
【0133】
なお、▲1▼ステップS9〜ステップS13、▲2▼ステップS19〜ステップS21か、あるいはステップS19、ステップS21及びステップS22、▲3▼ステップS29〜ステップS31か、あるいはステップS29及びステップS30〜ステップS32、▲4▼ステップS40〜ステップS45の▲1▼〜▲4▼それぞれにおける各ステップを同時進行させると、曲げ加工時間が短縮できる。
【0134】
なおさらに、基台500に対して曲げ機40側をX,Y、Zの各軸方向に固定し、チャック部51側を、チャック台車50及びチャック台50aを介して基台500に対してX,Y、Zの各軸方向に移動可能としているが、チャック部51側を基台500に固定し、曲げ機40側を基台500に対してX,Y、Zの各軸方向に移動可能としても良い。すなわち、基台500と曲げ機40の間に曲げ機支持台を介装し、この曲げ機支持台を基台500に対してX,Y、Zの各軸方向に移動可能とし、該曲げ機支持台に対してプレッシャー支持台を固定し、曲げ部41及びクランプ支持台502をZ軸回りに回動可能する。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び請求項6に記載の発明では、セットした素材管の位置は、曲げ型から偏位しているから、曲げ加工が終了した素材管を曲げ部から離脱する前に素材管をセットすることができるので、作業性が良い。
【0136】
請求項2及び請求項7に記載の発明では、支持部に、素材管の他端部の密栓具の部分を載置してセットすることで、素材管の太さ(特に外径寸法)が異なる場合でも、支持部に載置する密栓具の部位が同じ位置になるようにすることができるので、支持部の載置位置を常に同じ位置にすることができる。
【0137】
請求項3及び請求項8に記載の発明では、密栓具の外周面部に設けたストッパを支持部に当接して素材管の軸方向外側方への移動を規制することで、素材管の曲げ位置の基準を容易に設けることができるので、精度良く曲げ加工ができる。また、密栓具に設けられた受圧カプラに対して加圧カプラを嵌合するときの押力をストッパによって受けることができる。
【0138】
請求項4及び請求項9に記載の発明では、支持部を素材管の軸に略直交する方向で、かつ曲げ型から離間する方向に移動自在であり、素材管の曲げ作業時に曲げ型から離間する方向に移動することで、曲げ作業時に素材管が変位するのが支持部によって邪魔されない。
【0139】
請求項5及び請求項10に記載の発明では、素材管の一端部をチャック部にセットする前は、受圧カプラに対して加圧カプラを後退させておくことで、素材管をチャック部に容易にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって形成した排気パイプを装着した自動二輪車の側面図である。
【図2】この発明に係る素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって形成した排気パイプを示す図である。
【図3】曲げ加工装置が設置されるラインレイアウトの平面図である。
【図4】素材管に密栓具を取付けた状態を示す断面図である。
【図5】曲げ加工装置の素材管のセット時の平面図である。
【図6】曲げ加工装置の素材管の曲げ完了時の平面図である。
【図7】曲げ加工装置のクランプ部の側面図である。
【図8】曲げ加工装置のプレッシャー部の側面図である。
【図9】チャック部の平面図である。
【図10】チャック部の拡大断面図である。
【図11】素材管のチャックを説明する断面図である。
【図12】素材管のセットを示す図である。
【図13】素材管の支持を示す正面図である。
【図14】素材管の支持を示す側面図である。
【図15】曲げ加工装置の正面図である。
【図16】曲げ加工装置の素材管のセット時の平面図である。
【図17】曲げ加工装置の素材管の曲げ時の平面図である。
【図18】曲げ加工装置の素材管のセット時の側面図である。
【図19】曲げ加工装置の素材管の曲げ時の側面図である。
【図20】曲げ加工装置の制御ブロック図である。
【図21】曲げ加工装置の加圧装置の構成を示す図である。
【図22】曲げ加工の動作を説明するためのフローチャートである。
【図23】曲げ加工の動作を説明するための図である。
【図24】曲げ加工の動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
30 素材管
31,32 密栓具
40 曲げ機
41 曲げ部
50 チャック台車
51 チャック部
52 加圧カプラ
500 基台
P1 セット位置
P2 曲げ位置
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動二輪車、雪上車、四輪バギー車等のエンジンとマフラーとの間を接続する排気パイプ等の素材管を形成する素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動二輪車用の排気パイプは、ステンレス鋼管の素材管を所定の形状に曲げることによって形成している。この種の排気パイプは、パィプ内を排ガスが円滑に流れることができるとともに、途中で圧力波が不必要に反射することがないように、内径が一定であることが望ましい。しかし、パイプを曲げると、曲げ外側の部分が内側へ偏在するようになって曲げ外側の曲率が内側の曲率より小さくなるから、従来の排気パイプにおいては、曲部分で部分的に偏平となり、排気通路の断面積が小さくなってしまうという不具合があった。
【0003】
このような不具合は、曲部分の内部に液体を密封した状態で折曲げ加工を行うことによって、ある程度は解消することができる(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−254112号公報(第1〜第12頁、図1〜図14)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような曲げ加工装置では、曲げ完了の素材管はロール型に巻き付いた状態であり、曲げ完了の素材管をロール型から取り外して仮置きし、その後、次に曲げる素材管を運んで曲げ加工装置にセットし、仮置きした曲げ完了の素材管を運び出すか、あるいは、次に曲げる素材管を運んで仮置きし、曲げ完了の素材管をロール型から取り外して運び出し、その後に仮置きした曲げる素材管を曲げ加工装置にセットする必要がある。
【0006】
このように、ロール型に巻き付いた状態の曲げ完了の素材管の取り外しと、次に曲げ加工を行なう素材管のセットに時間がかかり、また仮置き場所を確保する必要があり、装置が大型化する等の問題があった。
【0007】
この発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、曲げ完了の素材管の取り外しと、次に曲げ加工を行なう素材管のセットを短時間に行なうことができ生産性の向上を可能とし、かつ装置の小型化を可能とする素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0009】
請求項1に記載の発明は、素材管の両端を密栓具で密栓して前記素材管内に液体を充填した状態で、前記素材管の中途部を曲げる素材管の曲げ加工方法において、
曲げ機側に前進後退可能なチャック台車のチャック部により前記素材管の一端部を支持し、
曲げ機側の支持部に前記素材管の他端部を載置してセットし、
前記セットした前記素材管の位置は、前記曲げ機の曲げ部から偏位していることを特徴とする素材管の曲げ加工方法である。
【0010】
この請求項1に記載の発明によれば、セットした素材管の位置は、曲げ型から偏位しているから、曲げ加工が終了した素材管を曲げ部から離脱する前に素材管をセットすることができるので、作業性が良い。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記支持部に、前記素材管の他端部の密栓具の部分を載置してセットすることを特徴とする請求項1に記載の素材管の曲げ加工方法である。
【0012】
この請求項2に記載の発明によれば、支持部に、素材管の他端部の密栓具の部分を載置してセットすることで、素材管の太さ(特に外径寸法)が異なる場合でも、支持部に載置する密栓具の部位が同じ位置になるようにすることができるので、支持部の載置位置を常に同じ位置にすることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記他端部の密栓具の外周面部に設けたストッパを、前記支持部に当接して前記素材管の軸方向外側方への移動を規制することを特徴とする請求項2に記載の素材管の曲げ加工方法である。
【0014】
この請求項3に記載の発明によれば、密栓具の外周面部に設けたストッパを支持部に当接して素材管の軸方向外側方への移動を規制することで、素材管の曲げ位置の基準を容易に設けることができるので、精度良く曲げ加工ができる。また、密栓具に設けられた受圧カプラに対して加圧カプラを嵌合するときの押力をストッパによって受けることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記支持部は、この支持部に載置した前記素材管の軸に略直交する方向で、かつ前記曲げ部から離間する方向に移動自在であり、前記素材管の曲げ作業時に前記曲げ部から離間する方向に移動することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工方法である。
【0016】
この請求項4に記載の発明によれば、支持部を素材管の軸に略直交する方向で、かつ曲げ型から離間する方向に移動自在であり、素材管の曲げ作業時に曲げ型から離間する方向に移動することで、曲げ作業時に素材管が変位するのが支持部によって邪魔されない。
【0017】
請求項5に記載の発明は、前記素材管の一端部の密栓具に設けた受圧カプラと、前記チャック部に設けた加圧カプラとを接続して前記素材管の内圧を増減可能であり、
前記素材管の一端部を前記チャック部にセットする前は、前記受圧カプラに対して前記加圧カプラを後退させておくことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工方法である。
【0018】
この請求項5に記載の発明によれば、素材管の一端部をチャック部にセットする前は、受圧カプラに対して加圧カプラを後退させておくことで、素材管をチャック部に容易にセットすることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、素材管の両端を密栓具で密栓して前記素材管内に液体を充填した状態で、前記素材管の中途部を曲げる素材管の曲げ加工装置において、
前記素材管の中途部を曲げる曲げ部とクランプ部とプレッシャー部とを有する曲げ機と、
チャック部により前記素材管の一端部を片持ち支持し、曲げ機側に前進後退可能なチャック台車とを有し、
前記チャック台車のチャック部により前記素材管の一端部を支持し、前記曲げ機側の支持部に前記素材管の他端部を載置してセットし、
前記セットした前記素材管の位置は、前記曲げ機の曲げ部から偏位していることを特徴とする素材管の曲げ加工装置である。
【0020】
この請求項6に記載の発明によれば、セットした素材管の位置は、曲げ部から偏位しているから、曲げ加工が終了した素材管を曲げ部から離脱する前に素材管をセットすることができるので、作業性が良い。
【0021】
請求項7に記載の発明は、前記支持部に、前記素材管の他端部を載置してセットし、この他端部の載置する部分は前記密栓具の部分であることを特徴とする請求項6に記載の素材管の曲げ加工装置である。
【0022】
この請求項7に記載の発明によれば、支持部に、素材管の他端部の密栓具の部分を載置してセットすることで、素材管の太さ(特に外径寸法)が異なる場合でも、支持部に載置する密栓具の部位が同じ位置になるようにすることができるので、支持部の載置位置を常に同じ位置にすることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、前記他端部の密栓具の外周面部に、前記素材管の軸方向外側方への移動を規制するストッパを設けることを特徴とする請求項7に記載の素材管の曲げ加工装置である。
【0024】
この請求項8に記載の発明によれば、密栓具の外周面部に設けたストッパを支持部に当接して素材管の軸方向外側方への移動を規制することで、素材管の曲げ位置の基準を容易に設けることができるので、精度良く曲げ加工ができる。また、密栓具に設けられた受圧カプラに対してクランプ部の加圧カプラを嵌合するときの押力をストッパによって受けることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、前記支持部は、この支持部に載置した前記素材管の軸に略直交する方向で、かつ前記曲げ型から離間する方向に移動自在であることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工装置である。
【0026】
この請求項9に記載の発明によれば、支持部を素材管の軸に略直交する方向で、かつ曲げ部から離間する方向に移動自在であり、素材管の曲げ作業時に曲げ型から離間する方向に移動することで、曲げ作業時に素材管が変位するのが支持部によって邪魔されない。
【0027】
請求項10に記載の発明は、前記素材管の一端部の密栓具に受圧カプラを設け、前記チャック部に、前記受圧カプラと脱着可能で前記素材管の内圧を増減可能とする加圧カプラを設け、
前記素材管の一端部を片持ち支持可能なチャック部にセットする前は、前記受圧カプラに対して前記加圧カプラを後退させておくことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工装置である。
【0028】
この請求項10に記載の発明によれば、素材管の一端部をチャック部にセットする前は、受圧カプラに対して加圧カプラを後退させておくことで、素材管をチャック部に容易にセットすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1はこの発明に係る素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって形成した排気パイプを装着した自動二輪車の側面図である。この自動二輪車1の車体フレーム2には、4サイクル単気筒エンジン3が搭載され、この自動二輪車1には、前輪4、後輪5、操向ハンドル6、シート7が備えられている。この4サイクル単気筒エンジン3には、この発明の素材管の曲げ加工によって形成した排気パイプ8が接続され、この排気パイプ8の下流側端部には、後端にマフラー9を設けた後部排気パイプ10が接続されている。
【0031】
図2はこの発明に係る素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって形成した排気パイプを示す図で、図2(a)は平面図、図2(b)は車体左側から見た状態を示す側面図である。この実施の形態の排気パイプ8は、3箇所を曲げることによって所定の形状に形成しており、一端部(上流側端部)にエンジン接続用のフランジ11を溶接している。この排気パイプ8に形成する3箇所の折曲部分を符号12〜14で示す。この排気パイプ8の下流側端部には、図1に示すように、後端にマフラー9を設けた後部排気パイプ10が接続される。
【0032】
この排気パイプ8の曲げ部分12〜14は、この発明の素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって曲げている。
【0033】
図3は曲げ加工装置が設置されるラインレイアウトの平面図である。この実施の形態の曲げ加工装置が設置されるラインレイアウトは、作業者が作業する作業エリア20の周囲に、次台車21、中台車22、パレテーナ23a、パレテーナ23b、リフト24、密栓機25、曲げ加工装置26、加圧装置80、開栓機28、検査台29が配置されている。
【0034】
次の曲げ加工の対象となる所定個数の素材管がパレテーナ23aの上に置かれ、順次曲げ加工を行なう対象となる複数の素材管がパレテーナ23bの上に置かれている。リフト24は、パレテーナ23a,23bを運搬するハンドリフトであり、何れかのパレテーナの下に挿入し、パレテーナをリフトアップした後に、所望の位置までパレテーナを移動してリフトダウンして載置し、順次素材管を密栓機25側へ移動する。
【0035】
密栓機25では、素材管の両端を密栓具で密栓して素材管内に液体を充填し、曲げ加工装置26では素材管の中途部を曲げる素材管の曲げ加工を行なう。加圧装置80では、素材管の曲げ加工時の素材管内の圧力の調整を行なう。開栓機28では、曲げ完成品の密栓具を取り外し、検査台29で曲げ完成品の曲げ状態の検査を行なう。中台車22に検査済の曲げ完成品が順次収納され、中台車22に所定数の曲げ完成品が収納されると中台車22を保管場所に移動する。この中台車22の移動で次台車21が検査済の曲げ完成品を収納する位置に移動する。次台車21は、曲げ完成品を支持する空の支持受けが並んだ空の台車であり、この次台車21に検査済の曲げ完成品が順次収納される。
【0036】
次に、密栓機25において、素材管30の両端を密栓具31,32で密栓し、素材管30内に液体を充填する構造を説明する。図4は素材管に密栓具を取付けた状態を示す断面図である。
【0037】
排気パイプ8を形成するための直管からなる素材管30の両端に曲げ加工時非接続側となる密栓具31及び曲げ加工時加圧装置80との接続側となる密栓具32を取付けて素材管30内を密閉するとともに、それぞれ密栓機25と連結して素材管30内に水を充填し、充填後この連結を解除しこれらの密栓具31及び密栓具32を用いて素材管30内に水を密封保持する。なお、素材管30を板材から造管する時に形成される溶接ビード部(素材管30の中心軸とほぼ平行となる)を、曲げ加工時の曲げ平面(曲げ部素材管30の中心線と曲率半径の中心を通る平面)から避けて、素材管30が溶接ビード部で損傷することがないようにするため、素材管30に密栓具31を取り付けるに際し、溶接ビード部に対する下記する開閉弁72の素材管30の中心軸回りの位置が所定値となるようにする。
【0038】
密栓具31及び密栓具32は、素材管30の端部を嵌入させる、それぞれ有底円筒体33a,33bと、この有底円筒体33a,33bにそれぞれ支持用ボルト34a,34bによって取付けた密栓機能部材35a,35bとを備えている。有底円筒体33a,33bは、本体がアルミニウムにより形成され、円筒部内側にスチールで形成された補強管39a,39bがそれぞれ圧入され一体化されている。
【0039】
密栓機能部材35a,35bは、円周方向に配置された複数個の鬼爪35a1,35b1と、この鬼爪35a1,35b1の外周に形成された2個のリング溝35a2,35b2に係合する環状コイルスプリング35a3,35b3とを備え、鬼爪35a1,35b1の外周が拡張して素材管30の端部内周面にそれぞれ圧着できるようになっている。ナット36a,36bをそれぞれ締め上げることで、鬼爪35a1,35b1を支持用ボルト34a,34bの内側端部にボルト35a5、35b5でそれぞれボルト止めした支持体35a21,35b21、シール用ゴム35a22,35b22、さらには迂回して支持用ボルト34a,34bの内側端部の大径部の段部34a1,34b1、そしてプレート35a23,35b23を介して、楔部材35a4,35b4と有底円筒体33a,33bの底部33a1,33b1とによって挟圧している。そして楔部材35a4,35b4のテーパ面35a41,35b41が鬼爪35a1,35b1のテーパ面35a11,35b11を押圧し、これによって鬼爪35a1,35b1が径方向へ広がり素材管30の内周面に密着し、素材管30に密栓具31及び密栓具32がそれぞれ圧着される。
【0040】
支持用ボルト34a,34bは、外端部に螺着させたナット36a,36bを締付けることによって、支持体35a21,35b21とプレート35a23,35b23とでシール用ゴム35a22,35b22を押圧するように形成している。すなわち、ナット36a,36bを締付けることによって、シール用ゴム35a22,35b22は、軸線方向に挟圧されて径方向へ膨らみ、外周面が素材管30の内周面に液密になるように全周にわたって密着する。
【0041】
支持用ボルト34a,34bには内側端部に、大径部による段部34a1,34b1が形成され、ナット36a,36bを締め過ぎた場合、この段部34a1,34b1がプレート35a23,35b23に当接するようになっており、シール用ゴム35a22,35b22の軸線方向の挟圧変形量が規制されて径方向へ膨らみ過ぎることを防止している。
【0042】
有底円筒体33a,33bにそれぞれ形成される2面幅溝33a2,33b2に密栓機25の不図示の支持具がそれぞれ嵌合し、有底円筒体33a,33bを軸方向及び円周方向に固定支持する。密栓具32では、有底円筒体33bに径方向に挿入した周り止めキー37bの先端を支持用ボルト34bのキー溝34b2に嵌合し、支持用ボルト34bの外端部に螺着させたナット36bを締付ける時の周り止めとしている。
【0043】
また、有底円筒体33bのチャック部側には、取付部材38b1がビス38b2によって締め付け固定されている。この素材管30のカプラ側の密栓具32は、支持用ボルト34bの軸心部にボルト35b5の中心貫通孔と連通することで素材管30の内外を連通するように貫通孔34b3を穿設するとともに、支持用ボルト34bの外端部に受圧カプラ70を取付けている。
【0044】
この受圧カプラ70は、従来からよく知られているように、内部通路にスプリング70bでバックアップさせたボールからなる逆止弁70aを有し、相手側の加圧カプラ52を取付けることによって、加圧カプラ52内に設けられる不図示の逆止弁の押しロッドによって逆止弁70aが押し開かれる。受圧カプラ70の外周に抜け止めボールが嵌まり込む溝70cが設けられている。
【0045】
密栓具31では、十の字形状の支持用ボルト34aの横部材34a2が有底円筒体33aの底部33a1に形成される断面U字状溝33a3に嵌合しており、このことによって支持用ボルト34aの縦部材の外端部に螺着させたナット36aを締付ける時の周り止めとしている。支持用ボルト34a端部に支持体35a21を締め付け固定するボルト35a5の中心貫通孔と連通し、支持用ボルト34aの軸心部を通って素材管30の内外へ延びるL字形の排出通路34a3を支持用ボルト34aに形成するとともに、この排出通路34a3は支持用ボルト34aの横部材34a2先端部に設けたカプラ71に形成された排出通路71aと連通している。31aは断面U字状溝33a3の溝口元を塞ぐワッシャ状部材である。
【0046】
カプラ71には、排出通路71aを開閉する開閉弁72が設けられている。このカプラ71は、受圧カプラ70とは異なり逆止弁70a相当が配置されない構造である。
【0047】
また、ボルト35a5の六角頭部の支持体35a21側端面に溝35a51と、この溝35a51につながり中心貫通孔に到る横孔35a52とが形成され、空気抜き通路35a53とされている。
【0048】
この両端を密栓具31,32で密栓した素材管30に水が充填される。この水の充填は素材管30を鉛直方向にして受圧カプラ70側から実施され、ボルト35a5の六角頭部の周囲の空気は空気抜き通路35a53から排出通路71a及びカプラ71を経て排出されるので、素材管30内の空気はほとんど全て排出することができる。素材管30内に空気がほとんど無く、水すなわち液体を充填した状態で、素材管30の中途部を曲げる素材管30の曲げ加工が行なわれる。
【0049】
次に、素材管30の中途部を曲げる素材管30の曲げ加工を行なう曲げ加工装置26を、図5乃至図20に基づいて説明する。図5は曲げ加工装置の素材管のセット時の平面図、図6は曲げ加工装置の素材管の曲げ完了時の平面図、図7は曲げ加工装置のクランプ部のオペレータ側を正面とする正面図、図8は曲げ加工装置のプレッシャー部のオペレータ側を正面とする正面図、図9はチャック部の平面図、図10はチャック部の拡大側面断面図、図11は素材管のチャックを説明する断面図、図12は素材管のセットを示す側面図、図13は素材管の支持を示す拡大側面図、図14は素材管の支持を示す正面図、図15は曲げ加工装置の側面図、図16は曲げ加工装置の素材管のセット時の平面図、図17は曲げ加工装置の素材管の曲げ時の平面図、図18は曲げ加工装置の素材管のセット時の正面図、図19は曲げ加工装置の素材管の曲げ時の正面図、図20は曲げ加工装置の制御ブロック図である。
【0050】
この実施の形態の素材管の曲げ加工装置26は、図5乃至図8に示すように、素材管30の両端を密栓具31,32で密栓して素材管30内に液体を充填した状態で、素材管30の中途部を曲げる。
【0051】
この曲げ加工装置26は、曲げ機40と、チャック台車50とを有している。曲げ機40は、曲げ部41と、クランプ部42と、プレッシャー部43とを有し、曲げ部41のクランプ受け41aとクランプ部42のクランプ押え42dとで素材管30を挟み、この素材管30をプレッシャー部43で押圧保持し、曲げ部41とクランプ部42との一体回転で素材管30の中途部を曲げる。
【0052】
この曲げ機40には、クランプ用油圧シリンダCY4、クランプ支持台回動用油圧シリンダ(曲げ動作用)CY5、プレッシャー用油圧シリンダCY6、ブースター前後進用油圧シリンダCY7、パイプ受け台アーム前後進用空圧シリンダCY8、パイプ受け台アーム回動用空圧シリンダCY9が設けられ、これらは図20に示すように、クランプ用オートスイッチSW12、プレッシャー用オートスイッチSW4、ブースター用オートスイッチSW5、パイプ受け台前後進用オートスイッチSW6、パイプ受け台アーム回動用オートスイッチSW7のON信号で制御装置200により駆動する。
【0053】
クランプ用油圧シリンダCY4は、クランプ部42と曲げ部41の間に素材管30を挟み、クランプ支持台回動用油圧シリンダ(曲げ動作用)CY5の駆動によりクランプ支持台44を回動して素材管30の中途部を曲げる。曲げ加工中、プレッシャー用油圧シリンダCY6の駆動によりプレッシャー部43が素材管30を押圧保持する。
【0054】
チャック台車50は、素材管30の端部の密栓具32をチャック用油圧シリンダCY3によって片持ち支持可能とするチャック部51と、端部の密栓具32を介して素材管30の内圧を増減可能とする加圧カプラ52と、この加圧カプラ52とチャック部51とを一体的にX軸方向及びZ軸方向に移動する空圧シリンダCY1,CY2とを有し、このチャック台車50は、送り部53によってY軸方向に前進後退可能になっている。
【0055】
この送り部53は、Y軸(前後)モータM1と、このY軸(前後)モータM1により駆動されるチェーン61と、一対のガイドレール62,62とを有し、Y軸(前後)モータM1の駆動によりチェーン61を正転または逆転することで、チェーン61に連結されたチャック台車50がY軸方向に前進または後退する。チェーン61は、スプロケット61a,61b間に掛け渡されており、Y軸(前後)モータM1によってスプロケット61aが駆動される。
【0056】
また、チャック台車50には、チャック部51の軸心R軸回りのひねり用モータM2が設けられ、このひねり用モータM2により素材管30を回転して素材管30の曲げ方向を変えることができるようになっている。
【0057】
このチャック台車50には、X軸(左右)空圧シリンダCY1と、Z軸(上下)空圧シリンダCY2が備えられている。X軸(左右)空圧シリンダCY1はチャック台車50に設けられ、チャック部51、加圧カプラ52及びひねり用モータM2等が載置されるチャック台50aを左右に移動し、Z軸(上下)空圧シリンダCY2はチャック台50aを上下に移動する。
【0058】
Y軸(前後)モータM1、ひねり用モータM2、X軸(左右)空圧シリンダCY1及びZ軸(上下)空圧シリンダCY2は、図20に示すように、チャック開閉オートスイッチSW1、チャック台用X軸オートスイッチSW2、チャック台用Z軸オートスイッチSW3のON信号により制御装置200により駆動し、チャック台車用Y軸位置センサS1及びチャック用R軸位置センサS2からの位置情報に基づき制御される。
【0059】
また、チャック台車50には、チャック用油圧シリンダCY3が設けられ、このチャック用油圧シリンダCY3は、図20に示すように、クランプ用オートスイッチSW12のON信号で制御装置200により駆動し、チャック部51で素材管30の端部の密栓具32を片持ち支持する。
【0060】
また、チャック台50aには、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10、加圧カプラ52のロック外し用空圧シリンダCY11、エア抜き装置用空圧シリンダCY12が備えられ、これらは、図20に示すように、加圧カプラ用Y軸用オートスイッチSW8、加圧カプラ52のロック外し用オートスイッチSW9のON信号により制御装置200により駆動し、加圧カプラ52の接続やロック外し、エア抜きを行なう。
【0061】
この曲げ加工装置26では、図5に示す素材管30をセット位置P1から図6に示す曲げ位置P2へ移動して素材管30を曲げ、この素材管30の曲げ作業時、チャック台車50を前進させ、素材管30の内圧を加圧装置80により増加させて曲げ、その後にチャック部51による素材管30の片持ち支持を開放し、加圧カプラ52を脱するとともにチャック台車50を後退させる。
【0062】
このように、曲げ完了の素材管30は曲げ部41に巻き付いた状態でチャック台車50が後退するので、チャック部51の片持ち支持を開放してチャック台車50の後退中に素材管30を曲げ部41から離脱可能になる。チャック台車50の後退中にチャック台50aの曲げ位置P2からセット位置P1への移動により、次に曲げる素材管30を直ちにチャック台車50に装着可能となり、生産性の向上ができる。また、次に曲げる素材管30をチヤック台車50のチャック部51に先に装着し、後で曲げ完了の素材管30を曲げ部41から離脱させ、素材管30を把持したまま次の工程場所へ作業者が移動することが可能となり、曲げ完了の素材管30の仮置きが不要となる。
【0063】
また、素材管30の曲げ完了後、クランプ部42が素材管30のクランプを解除し、曲げ部41、クランプ部42を曲げのために回動を完了した位置に保持した状態で、さらにチャック台50aをX軸方向あるいはZ軸方向に移動させてセット位置P1に移動させ、次に曲げる素材管30をチャック台車50のチャック部51に先に装着し、後で、曲げ完了の素材管30を曲げ部41から離脱させる場合において、作業者が起動釦SW10を押すと、そのオン信号によってクランプ部42が曲げ部41と一体となって反時計方向に直角(本実施の形態では90度)回動して前記初期位置に戻った後、次に曲げる素材管30を自動的にクランプするように構成されている。このため、作業者は、起動釦SW10を押した後、直ちに(クランプ部42が前記初期位置に戻る前に)、曲げ完了の素材管30を把持して次の工程場所へ移動することができる。この結果、作業者が、起動釦SW10を押して、クランプ部42を、図5に示す位置から前記初期位置に戻した後、次に曲げる素材管をチャック台車のチャック部に装着して起動釦を再び押し、曲げ加工を行うようにしていた従来の場合と比べて、作業者が曲げ加工機の傍に居なければならない拘束時間及び曲げ完了からセットまでの時間間隔を減らすことができ、生産性を向上できる。
【0064】
また、曲げ完了時、クランプ部42の押圧部42dが後退した後に、素材管30の内圧を下げ、その後チャック部51の片持ち支持を開放し、チャック台車50が後退する。次にプレッシャー部43を後退させる。これによりチヤック台車50がY軸方向に後退するとき、プレッシャー部43が素材管30を圧接保持しているので、素材管30がチャック台車50のチャック部51によって引っ張られて変形する恐れはない。なお、プレッシャー部43はクランプ部42より軸方向の圧接幅が長いので、圧接時の面圧を下げることができ、素材管30の内圧を下げた後、プレッシャー部43が素材管30に圧接していても、プレッシャ力で素材管30が変形することがない。
【0065】
また、チャック台車50に対して加圧カプラ52を前進後退可能とし、チャック台車50の後退に先行して加圧カプラ52を後退することで、素材管30の密栓具32と加圧カプラ52の接続を脱可能状態とするようにする。この脱可能状態においてチャック台車50を後退することで、加圧カプラ52を脱とできる。即ち、加圧カプラ52の脱を独立して行なう必要がないので、曲げ生産の効率を上げることができる。
【0066】
また、接続する時は、チャック台車50を前進前に加圧カプラ52を前進させて素材管30内と加圧装置80とを連結し、チャック台車50を前進中あるいは前進前に素材管30の内圧を上昇開始し、前進中も素材管30の内圧を上昇させるようにする。このように、チャック台車50を前進中も素材管30の内圧を上昇させるようにしており、素材管30の内圧を上昇させるに要する時間の一部あるいは全てをチャック台車50の前進のための時間と重複させることが可能となり、曲げ生産の効率を上げることができる。
【0067】
次に、曲げ加工装置26の構成部を、図9乃至図19に基づいて説明する。
【0068】
この実施の形態の曲げ加工装置26は、チャック台50aにチャック部51が備えられ、このチャック部51のチャック本体300には、図9乃至図14に示すように、チャック筒301が固定され、このチャック筒301の先端の4つ割スリット(不図示)により形成されるチャック爪301aに素材管30の密栓具32が係合保持される。
【0069】
チャック爪301aは、外側に係合段部301a1が形成され、内側にテーパ面301a2が形成されている。チャック爪301aの係合段部301a1には、密栓具32の取付部材38b1が係合される。チャック爪301aのテーパ面301a2には、ホルダ筒302の先端にテーパ面302aが当接しており、ホルダ筒302に接続した作動レバー303をチャック用油圧シリンダCY3により作動することで、ホルダ筒302のテーパ面302aがチャック爪301aのテーパ面301a2を押し、これによりチャック爪301aが外方へ広がり、セットした素材管30の密栓具32における取付部材38b1の内面部にチャック爪301aの外周面部が圧接され、素材管30が固定される。
【0070】
密栓具32の受圧カプラ70は、加圧カプラ52に接続される。一対の押具304,304は、チャック筒301に軸方向に形成された一対のガイド孔301b,301bとホルダ筒302に軸方向に形成された一対のガイド孔302b,302bに軸方向に移動可能で、チャック筒301に設けたスライド筒305に取り付けられている。
【0071】
加圧カプラ52は、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10を貫通しピストン(不図示)に固定された作動管310でY軸方向(前後方向)に移動し、素材管30をセットする時には後退し、素材管30をセット後に前進する。
【0072】
素材管30をセットする時は、図11(a)に示すように、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10が駆動されず、加圧カプラ52が後退しており、素材管30をセットした後に加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10が駆動し、作動管310がY軸方向(前方)に移動し、加圧カプラ52が密栓具32の受圧カプラ70に接続される。この加圧カプラ52の接続状態では、図11(c)の両カプラ接続時に示すように、加圧カプラ52のストッパーボール52bが受圧カプラ70の溝70cに係合している。
【0073】
加圧カプラ52を抜く時には、加圧カプラ52のロック外し用空圧シリンダCY11が駆動し、スライド筒305を介して押具304,304がY軸方向(後方)に移動してボール押さえリング70dを押す。図11(c)の両カプラ離脱時に示すように、ストッパーボール52bが溝70cから外れロックが解除される。図11(b)に示すように、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10が駆動して作動管310が後退して、加圧カプラ52が密栓具32の受圧カプラ70から抜かれる。
【0074】
このように、密栓具32に受圧カプラ70を設けており、これに対してチャック部51には、受圧カプラ70に脱着自在に接続した状態で素材管30の内圧を増減可能とする加圧カプラ52を設けている。密栓具31を介して素材管30の端部を、片持ち支持可能なチャック部51にセットする前は、図11(a)に示すように、受圧カプラ70に対して加圧カプラ52を後退させておく。このように受圧カプラ70に対して加圧カプラ52を後退させておくことで、素材管30をチャック部51に容易にセットすることができる。
【0075】
この加圧カプラ52は、受圧カプラ70の逆止弁70aを押して後退させるピン52aを有し、受圧カプラ70に嵌まり合うようにスライド可能である。この加圧カプラ52には、図11(c)に示すように、ストッパーボール52bがボール押さえリング70dの逃げ部70d1で保持されて放射方向の移動を可能に設けられ、このストッパーボール52bを受圧カプラ70の溝70cに嵌合させて加圧カプラ52と受圧カプラ70が接続される。この加圧カプラ52に接続した作動管310には、図9に示すように、耐高圧ホースの加圧管109が接続してある。
【0076】
曲げ完了後のチャック台車50の後退前に加圧カプラ52が受圧カプラ70から離脱される。この時、加圧カプラ52のボール押さえリング70dが後退し、ストッパーボール52bが放射方向外方に移動し、この状態でチャック台車50が後退すると、加圧カプラ52の接続を開放できる。
【0077】
人手で素材管30をチャック台車50に嵌め込み、チャック釦SW11を押すと、加圧カプラ用Y軸空圧シリンダCY10の作動管310でY軸方向(前方向)に加圧カプラ52が移動し受圧カプラ70に接続される。チャック用油圧シリンダCY3の作動によりチャック爪301aが広がり、内側から強固に素材管30を片持ち支持する。
【0078】
チャック本体300には、図10及び図12に示すように、受台140が固定され、素材管30の一端部の密栓具32を載せてX軸方向及びY軸方向に位置決めして容易にセットすることができるようになっている。
【0079】
この素材管30の他端部の密栓具31は、図12乃至図14に示すように、曲げ機40の受台本体321に設けた受台アーム320で保持される。受台アーム320は、受台本体321に設けた駆動軸322を支点として回動し、この駆動軸322はパイプ受け台アーム回動用空圧シリンダCY9によって駆動される。また、受台本体321は、パイプ受け台アーム前後進用空圧シリンダCY8の駆動によって曲げ機本体400に対してY軸方向(前後方向)に移動可能になっている。
【0080】
受台アーム320の先端には、支持部320aとストッパ部324が設けられている。ストッパ部324はビス325で締付固定され、このストッパ部324には受部材327がビス326よって取り付けられている。この受部材327には、略90度の角度で係止爪327a,327bが延びるように形成され、この係止爪327a,327bの略90度の挟み角の調整がスクリュープラグ326a,326bによって行なわれる。スクリュープラグ326a,326bにはスプリング(不図示)によって僅かに付勢され、最大飛び出し量が規制されるピン326a1,326b1が設けられ、これらのピン326a1,326b1によって係止爪327a,327bが支持されている。これによって、素材管30の他端部の密栓具31をチャック部51にセットするときに係止爪327a,327bはスプリングの挟みにより挟み角を90度以上に広げることができるので、素材管30とチャック部51との各軸芯を略一致させることができ、セットをし易くできる。
【0081】
支持部320aに、素材管30の一端部を載置してセットし、この一端部の載置する部分は密栓具31の円筒部分である。このように、支持部320aに、素材管30の一端部の密栓具31の部分を載置してセットすることで、素材管30の太さ(特に外径寸法)が異なる場合でも、支持部320aに載置する密栓具31の部位の内筒径を同一にでき、支持部320aに素材管30を載置する時、常に素材管30とチャック部51との各軸芯を略一致させることができる。
【0082】
また、密栓具31の外周面部には、素材管30のY軸方向(前方)への移動を規制するストッパ31aが設けられており、この密栓具31の外周面部に設けたストッパ31aを、ストッパ部324の係止爪327a,327bに当接して素材管30のY軸方向前方への移動を規制する。このようにして、素材管30のY軸方向(前方)への移動を規制することで、素材管30の曲げ位置の基準を容易に設けることができるので、精度良く曲げ加工ができる。また、密栓具32に設けられた受圧カプラ70に対してチャック部51の加圧カプラ52を嵌合するときの押力をストッパ31aを介してストッパ部324の係止爪327a,327bによって受けることができる。
【0083】
受台アーム320は、図15、図16及び図18(実線で示す)に示すセット位置と図17、図18(二点鎖線で示す)及び図19に示す待機位置との間で位置を変えることができるようになっている。
【0084】
このように、受台アーム320の作動によって、支持部320aとストッパ部324は、この支持部320aに載置した素材管30の軸L1に略直交する方向L2で、かつ曲げ部41から離間する方向に移動自在であり、支持部320aとストッパ部324が素材管30の曲げ作業時に曲げ部41から離間する方向に移動することで、曲げ作業時に素材管30が変位しても支持部320aとストッパ部324によって邪魔されない。
【0085】
この曲げ機40の曲げ部41、クランプ部42、プレッシャー部43は、図16乃至図19に示すように構成されている。この曲げ部41は、クランプ受け41a、ロール金型41bで構成され、この曲げ部41は基台500に設けたZ軸方向の回動中心軸501とともに回動可能である。また、クランプ部42はクランプ押圧部42d、クランプ用油圧シリンダCY4、クランプ支持台502で構成され、クランプ押圧部42dを設けたクランプ支持台502は、曲げ部41と一体化され、回動中心軸501と一体で回動可能であり、クランプ支持台回動用油圧シリンダ(曲げ動作用)CY5によって回動する。このクランプ押圧部42dは、クランプ支持台502上に設けたクランプ用油圧シリンダCY4によって曲げ部41方向へ前後進可能である。
【0086】
この曲げ部41とクランプ支持台502の回動による曲げ工程時において、チャック台車50は素材管30の変位に応じて、チャック台車50は素材管30の変位に応じて前進のY軸方向に移動する。この曲げ工程時に、素材管30を曲げ部41の溝41cとクランプ部42の溝42aとで挟持する。この曲げ部41の溝41cとクランプ部42の溝42aは、上下2段に設けられ、溝41cと溝42aはそれぞれ上側と下側とで曲げRの大きさを異なるようにして使い分けることができる。
【0087】
基台500の曲げ部41近傍には、プレッシャー支持台511が設けられ、このプレッシャー支持台511にプレッシャー部43が設けられ、このプレッシャー部43はプレッシャー用油圧シリンダCY6によってワイパー510方向へ前後進可能である。ワイパー510は、ロール金型41b近傍且つそのチャック台車50側において基台500に固定され、プレッシャー部43の前進によって素材管30をプレッシャー部43とで挾持する。プレッシャー支持台511は、基台500に対してX軸方向に移動可能に配置され、プレッシャー部43は、プレッシャー支持台511にY軸方向に移動可能に取り付けられる。
【0088】
プレッシャー支持台511がX軸方向での前進時、素材管30をワイパー510とで挟持し、後退で、素材管30を開放する。
【0089】
曲げ完了時、クランプ支持台502は回動完了位置で停止し、この状態でクランプが外れる。この状態で曲げ完了となり、素材管30は曲げ部41の溝41cに脱着可能ではあるが巻き付き、プレッシャー部43がX軸方向に後退退避し、支持アーム320が回動し、セット位置P1に支持部320aがX軸方向及びZ軸方向に位置決めされる。
【0090】
曲げ完了後、チャック台車50はY軸方向に後退しており、素材管30の一端をチャック部51に斜めに嵌め込み、他端を支持部320a上に載置した後、手前ヘ素材管30を移動させ(1mm程度)、ストッパ部324の係止爪327a,327bに当てる。これにより、素材管30のY軸方向の位置決めができる。次に素材管30をその軸心回りに回転させ密栓具31の開閉弁72を図14に示す回転ストッパボルト328に当接させる。これにより、素材管30の軸心回りの位置決めができ、素材管30を板材からの造管する時の溶接ビード部を、曲げ加工時の曲げ平面から避けるようにし、素材管30が溶接ビード部で損傷することがないようにできる。係止爪327a,327bに当接させることによる素材管30のY軸方向の位置決め後、オペレータによる起動釦のON信号で受け台アーム320が待機位置へ回動し、チャック台車50のチャック部51が広がり、素材管30を片持ち支持する。この後、チャック台車50がY軸方向に所定量移動する。
【0091】
なお、チャック台車50がY軸方向に所定量移動することで、複数曲げにおける各曲げ位置の軸方向の位置決めができ、チャック台車50のY軸方向移動中にチャック部51が所定量回動することで、複数曲げにおける各曲げ位置における素材軸30の軸心回りの位置決めができる。
【0092】
チャック部51はX軸方向に移動して、さらに同時にZ軸方向に移動し、所望の曲げ部41の溝41cに素材管30を位置させることができる。なお、曲げ機40によっては、チャック部51はY軸方向のみ、あるいはY軸方向とX軸方向、あるいはY軸方向とZ軸方向に移動可能でも良い。
【0093】
チャック部51が、Y軸方向のみ移動可能の場合、先に曲げた素材管30と干渉しない位置まで十分チャック部51を後退(反曲げ部41方向)させれば、先に素材管30をチャック部51にセットできる。
【0094】
また、チャック部51のX軸方向の移動の替わりに、曲げ部41側(クランプ支持台、回動枢軸も含め)をX軸方向に前後進できるようにしても良い。
【0095】
チャック部51が、Y軸方向に移動可能でZ軸方向に移動可能の場合、曲げ部41のローラを複数段とすることができ、この場合、それらの複数段の溝41c及び溝42aの形状を変えることで素材管30のパイプ径を変えることができ、あるいは曲げ半径を変えることができる。
【0096】
図7は上側のローラで素材管30を曲げる場合のクランプ前の状況を示し、図8は下側のローラで素材管30を曲げる場合のクランプ前の状況を示す。この素材管30の移動はチャック部51をZ軸方向に移動させることで行なう。
【0097】
また、この曲げ加工装置26には、図15及び図16に示すように、加圧装置80の配管に溜るエアを抜くために、加圧カプラ52のダミーとなるカプラ800を備え、エア抜き装置801としている。このエア抜き装置801をエア抜き装置用空圧シリンダCY12でY軸方向へ移動し、さらにZ軸方向(下方)に下げて素材管30の受圧カプラ70と接続し、加圧装置80の配管に溜るエアを抜く作業を行なう。
【0098】
両端を密栓具31,32で密栓した素材管30は、密栓機25によって水が充填され、また加圧装置80によって曲げ加工において素材管30内の圧力を調圧する。
【0099】
次に、曲げ加工装置26及び密栓機25に水圧を供給する加圧装置80を、図20及び図21に基づいて説明する。図21は曲げ加工装置の加圧装置の構成を示す図である。
【0100】
この実施の形態の加圧装置80は、水を貯留するための第1及び第2の水タンク101,102と、第1の水タンク101の水を第2の水タンク102に送る循環ポンプ103と、素材管30に水を加圧するための注水ポンプ104と、曲げ工程で素材管30の水を加圧するための高圧ポンプ105a,105bなどを備えている。
【0101】
第1の水タンク101と第2の水タンク102は、連通管106によって互いに連通させており、循環ポンプ103によって第1の水タンク101の水がフィルタ107a,107b,107cを介して第2の水タンク102へ送られる。開栓機28において曲げ完了ワークから受けタンク28aにこぼされる水は自重で第1の水タンク101に戻る。
【0102】
第1の水タンク101は、市水導入管101aから水を供給できるように構成している。この市水導入管101aの下流側端部には、制御装置200によって制御される電磁弁からなる水供給元弁101bを接続している。第1の水タンク101と第2の水タンク102の水位を検出するために水位センサ130,131を設けている。水の蒸発などにより水位が低下し、水位センサ130によって検出された水位が予め定めた下限水位を下回ったときに、制御装置200によって水供給元弁101bが開かれて水が補充される。水位センサ130によって検出された水位が所定の上限水位に達したときに水供給元弁101bが閉じられて水の補充が停止する。
【0103】
また、水位センサ131によって検出された水位が予め定めた下限水位を下回ったときに、制御装置200によって循環ポンプ103が駆動されて第1の水タンク101の水が第2の水タンク102に送られる。水位センサ131によって検出された水位が所定の上限水位に達したときに循環ポンプ103が停止される。
【0104】
注水ポンプ104及び高圧ポンプ105a,105bは、それぞれ入泡検知センサ108を通して第2の水タンク102の水を吸込むようにしている。この入泡検知センサ108は、注水ポンプ104及び高圧ポンプ105a,105bに吸込まれる水に含まれる気泡を検出し、検出データを制御装置200に送る。この入泡検知センサ108によって気泡が検出されたときには、給水異常として制御装置200が注水ポンプ104及び高圧ポンプ105a,105bを停止させる。
【0105】
注水ポンプ104は、密栓機25において、素材管30の両端を密栓具31,32で密栓して素材管30内に液体を充填する時に駆動される。注水ポンプ104の吐出側は、注水管109によって給水用カプラ150に接続しており、給水用カプラ150が密栓具32の受圧カプラ70に接続している状態で素材管30内に水を供給する。
【0106】
素材管30の上端部に位置する密栓具31のカプラ71に接続した排水・空気抜き用カプラ151は、出泡検知センサ110と流量センサ111とを介装した第1の排水管112を接続している。この第1の排水管112の下流側端部は、第1の水タンク101に水を戻すように形成している。
【0107】
出泡検知センサ110は、空気抜きが完了したか否かを判定するために設けており、第1の排水管112を流れる水に含まれる気泡を検出し、検出データを制御装置200に送る。流量センサ111は、第1の排水管112を流れる水の流量を検出し、検出データを制御装置200に送る。出泡検知センサ110で気泡が検出されず、流量センサで流量が検出された時、注水ポンプ104を停止するとともに、制御装置200の制御で開閉弁駆動装置950を駆動して開閉弁72を閉じる。
【0108】
高圧ポンプ105a,105bは、曲げ加工装置26において、素材管30の両端を密栓具31,32で密栓して素材管30内に液体を充填した状態で、素材管30の中途部を曲げる時に駆動する。高圧ポンプ105a,105bは、保守点検に備えて2個並列配置されて、いずれか一方あるいは両方の3通りの運転が可能とされる。これにより、高圧ポンプ105aあるいは高圧ポンプ105bの内一方が保守点検中であっても、他方の稼動により曲げ加工は可能となる。
【0109】
高圧ポンプ105a,105bの吐出側は、加圧管150a,150bから加圧管150cによって曲げ加工装置26の加圧カプラ52に接続しており、この加圧カプラ52が受圧カプラ70を介して素材管30に水圧を供給して曲げ加工を行い、この曲げ加工が一定数実施されると、空気抜き装置のエア抜きカプラ160が加圧カプラ52と接続されて加圧管150cのエア抜きが実施される。エア抜きカプラ160は、第2の排水管161に接続し、第2の排水管161の端部は第1の水タンク101内に開口する。これにより、高圧ポンプ105a,105bから加圧管150cにいたる加圧管路の空気を水と一緒に第1の水タンク101に排出するようにしている。
【0110】
高圧ポンプ105a,105bに接続した加圧管150a,150bには、二方弁151a,151bとチェック弁152a,152bが配置され、加圧管150cには加圧管150a,150bの接続点P3より曲げ加工装置26側には、ストップ弁153が接続され、接続点P3より第1の水タンク101側には絞り弁154、二方弁151cが配置されている。
【0111】
二方弁151aと二方弁151cとで高圧ポンプ105aが吐出した水の供給先を加圧カプラ52と第1の水タンク101の何れか一方に切換えることができるように接続してある。また、二方弁151bと二方弁151cとで高圧ポンプ105bが吐出した水の供給先を加圧カプラ52と第1の水タンク101の何れか一方に切換えることができるように接続してある。
【0112】
二方弁151aは、切換弁151a1によって切換作動し、二方弁151bは、切換弁151b1によって切換作動し、二方弁151cは、切換弁151c1によって切換作動する。
【0113】
すなわち、この二方弁151aまたは二方弁151bを開き、二方弁151cを閉じることで、高圧ポンプ105aまたは高圧ポンプ105bと加圧カプラ52とが接続される第1の形態と、二方弁151cを開いて高圧ポンプ105aまたは高圧ポンプ105bと第1の水タンク101と加圧カプラ52とが相互に接続される放圧のための第2の形態を採ることができる。なお、加圧カプラ52は脱状態において外部からの空気の浸入を阻止するとともに、加圧管150a,150b及び加圧管150c内の水が洩れないチェック弁152a,152bが設けられている。
【0114】
加圧管150cには、圧力センサ155が接続され、圧力センサ155は加圧管150cの水の圧力を検出し、検出データを制御装置200に送る。この実施の形態では、高圧ポンプ105a,105bとして空気駆動式のプランジャポンプを採用し、空気供給源156から空気が空気供給管157aから空気供給管157b,157cで分岐して高圧ポンプ105a,105bに供給され、空気供給管157b,157cには、切換弁158a,158bが配置され、この切換弁158a,158bによって高圧ポンプ105a,105bが切り換え駆動される。
【0115】
吐出圧調整装置159が駆動用空気の圧力を変化させることによって、高圧ポンプ105a,105bの吐出圧が増減するようにしている。吐出圧調整装置159は、制御装置200から送出された指令値に対応させて駆動用空気の圧力を増減させる。指令値は、圧力センサ155が検出した水圧と、予め定めた目標水圧とが一致するように制御装置200が設定する。すなわち、高圧ポンプ105a,105bの吐出圧が目標水圧に一致するように高圧ポンプ105a,105bがフィードバック制御される。
【0116】
目標水圧は、排気パイプ8の形状に対応させて設定する。例えば、曲部分の曲率に対応させて目標水圧を設定する。すなわち、曲率が相対的に大きい(曲率半径が相対的に小さい)曲げ部分は、曲率が相対的に小さい曲げ部分より水圧が高い状態で折曲げる。曲げ加工工程中には、曲げ加工工程中の水圧が一定になるように制御したり、曲部分の曲げ角度が大きくなるほど水圧が高くなるように制御する。
【0117】
さらには、曲げ角度センサを設け、曲げ角度に関連付けて水圧を設定しても良い。例えば、曲げ角度0度の曲げ開始時の水圧を曲率半径が小さい程高く設定し、曲げの進行に伴う曲げ角度の増加に対応して、水圧を曲げ開始時の水圧から、曲げ終了時の曲げ角度の例えば70〜80%の曲げ角度におけるその曲げにおける最大水圧まで徐々に増加し、それ以降、曲げの進行に伴い、水圧を最大水圧から徐々に下げるようにしても良い。これにより中心線に沿って曲げることによる断面形状のひずみの少ない曲がり管とすることができる。
【0118】
この実施の形態の曲げ加工装置26は、複数箇所の曲げ加工ごとに素材管30内の圧力を適合させる圧力調整手段K1を備え、この圧力調整手段K1は、圧力センサ155、制御装置200及び吐出圧調整装置159で構成される。
【0119】
この圧力調整手段K1は、1つの曲げ加工が終了した後、次の曲げ加工工程に入る前までに、1つの曲げ加工に適合した圧力となっている素材管30内の圧力を、該圧力から次の曲げ加工に適合した圧力になるよう調圧する。この調圧することで、素材管30内の水圧を低下させることがない分、作業工数を軽減して作業効率の向上が図れる。
【0120】
この素材管30の曲げ加工工程中は素材管30をクランプ部42でクランプするとともにプレッシャー部43で押圧し、このクランプ及び押圧の前に、そのクランプ及び押圧後の曲げ加工に適合した圧力または該圧力より低い所定の圧力になるよう予め調圧し、このように予め調圧することで、素材管30のクランプ及び押圧前に、素材管30内の圧力が十分高いので、素材管30のクランプ及び押圧による傷付きの虞をなくすことができる。なお、複数箇所の曲げを行う場合においても、複数回の各クランプ及び押圧前に同様に調圧すると良い。
【0121】
また、素材管30における最後の曲げ加工工程が終了した後、素材管30のクランプを解除し、その解除後、素材管30内の圧力を0または0に近い値になるよう調圧を開始し、このように素材管30のクランプを解除後、素材管30内の圧力を0または0に近い値になるよう調圧を開始することで、素材管30のクランプによる傷付きの虞をなくすことができる。なお、圧接幅の長い方のプレッシャー部43も素材管30内の圧力を0または0に近い値まで下げる前に押圧を解除するようにしても良い。
【0122】
また、素材管30に複数箇所の曲げ加工工程を実施する場合であって、1つの曲げ加工工程が終了した後、素材管30のクランプを解除し、その解除後、次の曲げ加工工程に移行する過程で、次の曲げ加工に適合した圧力になるよう調圧を行い、このように調圧を行うことで、次の曲げ加工工程に移行する工程と調圧工程とを同時に行うようにしたので、曲げ作業を効率的に行なうことができる。
【0123】
また、素材管30における最初の曲げ加工を行う前に、素材管30における各曲げ加工に適合した圧力より低い試験圧を素材管30に加え、試験圧を加えた時、素材管30内の圧力が予め設定された時間内に試験圧まで上昇しなかった場合、警報機170を作動させるとともに、表示装置171に異常内容を表示させて異常報知を行ない、高圧ポンプ105a,105bの駆動を停止させる。このように異常報知を行なうことで、不良品を低減することができる。
【0124】
次に、この実施の形態による曲げ加工装置26の動作を、図22乃至図24に基づいて説明する。図22は曲げ加工の動作を説明するためのフローチャート、図23は曲げ加工の動作を説明するための図、図24は曲げ加工の動作を説明するためのタイムチャートである。
【0125】
まず、曲げ加工装置26は、チャック部51がOFFで、クランプ部42が緩み、プレッシャー部43が緩み、加圧装置80は、加圧カプラ52が後退して水圧がOFF状態である。
【0126】
この状態で、オペレータが次の素材管30を着け(S1)、オペレータが曲げ完了の素材管30を外し(S2)、オペレータがチャック釦SW11を押すと(S3)、加圧カプラ52が出て、素材管30の受圧カプラ70に接続し(S4)、チャック部51のチャックを締める(S5)。
【0127】
次に、曲げ加工を行なうための起動釦SW10をオペレータが押す(S6)。この状態で、加圧装置80の水圧部では、高圧ポンプ105a,105bの作動で素材管30に与圧を与えてテスト水圧の加圧が行なわれ(S7)、テスト水圧確認が行なわれ、所定の圧力でないと、NGの場合は警報を出す(S8)。
【0128】
テスト水圧が所定の圧力になる場合には、制御装置200は第1曲げ用水圧に加圧し(S9)、受台アーム320を待機位置に戻し(S10)、クランプ台44を曲げ加工前の初期位置に戻し(S11)、チャック台車50がY軸方向(後方)の曲げ位置まで移動し、チャック部51がひねり作動を行ない(S12)、チャック台50aがX軸方向にセット位置P1から曲げ位置P2へ移動する(S13)。
【0129】
ステップS9の加圧開始後ステップS13が完了するまでにあるいは完了後、水圧が第1曲げ用水圧の許容範囲にあるのかを確認し、NGの場合は警報し(S14)、第1曲げ用水圧の許容範囲になる場合には、クランプ部42を締め、プレッシャー部43を締め(S15)、第1曲げを開始し(S16)、第1曲げ完了で(S17)、クランプ部42を緩め、プレッシャー部43を緩め(S18)、第2曲げ用水圧に変圧し(S19)、チャック台50aをX軸方向にP1位置まで移動させて(S20)、チャック台車50のY軸方向前進とチャック台50aのひねりを行ない、同時にクランプ台44を初期位置に戻し(S21)、チャック台50aがX軸方向にP2位置まで移動する(S22)。
【0130】
ステップS19の変圧開始後ステップS22が完了するまでにあるいは完了後、水圧が第2曲げ用水圧の許容範囲にあるのかを確認し、NGの場合は警報し(S23)、第2曲げ用水圧の許容範囲になる場合には、クランプ部42を締め、プレッシャー部43を締め(S24)、第2曲げを開始し(S25)、第2曲げ完了で(S26)、クランプ部42を緩め、プレッシャー部43を緩め(S27)、第3曲げ用水圧に変圧し(S28)、チャック台50aをX軸方向P1位置まで移動させて(S29)、チャック台車50をY軸方向前進し(S30)、チャック部51の中心軸をローラ金型41bの下側のクランプ受け41aの高さ位置に合わせるべくチャック台50aをZ軸方向に下降し(S31)、チャック台50aのひねりを行ない、同時にチャック台50aがX軸方向にP2位置まで移動する(S32)。
【0131】
ステップS28の変圧開始後ステップS32完了するまでにあるいは完了後、水圧が第3曲げ用水圧の許容範囲にあるのかを確認し、NGの場合は警報し(S33)、第3曲げ用水圧の許容範囲になる場合には、クランプ部42を締め、プレッシャー部43を締め(S34)、第3曲げを開始し(S35)、第3曲げ完了で(S36)、クランプ部42を緩め(S37)、曲げ加工完のワーク内の水圧を開放し(S38)、水圧0(ゲージ圧)を圧力センサ155により確認し、NGの場合は警報を出す(S39)。
【0132】
水圧0を確認したら加圧カプラ52のボール押さえリング70dを外し(S40)、チャック部51のチャックを緩め(S41)、チャック台車50をY軸方向に後退させ、受台アーム320を待機位置からセット位置に回動変位させ(S42)、チャック部51をX軸方向にP1位置まで移動し(S43)、チャック部51の中心軸をローラ金型41bの下側のクランプ受け41aの高さ位置に合わせるべくチャック部51をZ軸方向に上昇をさせ、加圧カプラ52のボール押さえリング70dを戻し(S44)、プレッシャー部43を緩め、加圧カプラ52をチャック部51に対して後退(Y軸方向)させ、次の素材管30の曲げ加工に備える(S45)。
【0133】
なお、▲1▼ステップS9〜ステップS13、▲2▼ステップS19〜ステップS21か、あるいはステップS19、ステップS21及びステップS22、▲3▼ステップS29〜ステップS31か、あるいはステップS29及びステップS30〜ステップS32、▲4▼ステップS40〜ステップS45の▲1▼〜▲4▼それぞれにおける各ステップを同時進行させると、曲げ加工時間が短縮できる。
【0134】
なおさらに、基台500に対して曲げ機40側をX,Y、Zの各軸方向に固定し、チャック部51側を、チャック台車50及びチャック台50aを介して基台500に対してX,Y、Zの各軸方向に移動可能としているが、チャック部51側を基台500に固定し、曲げ機40側を基台500に対してX,Y、Zの各軸方向に移動可能としても良い。すなわち、基台500と曲げ機40の間に曲げ機支持台を介装し、この曲げ機支持台を基台500に対してX,Y、Zの各軸方向に移動可能とし、該曲げ機支持台に対してプレッシャー支持台を固定し、曲げ部41及びクランプ支持台502をZ軸回りに回動可能する。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び請求項6に記載の発明では、セットした素材管の位置は、曲げ型から偏位しているから、曲げ加工が終了した素材管を曲げ部から離脱する前に素材管をセットすることができるので、作業性が良い。
【0136】
請求項2及び請求項7に記載の発明では、支持部に、素材管の他端部の密栓具の部分を載置してセットすることで、素材管の太さ(特に外径寸法)が異なる場合でも、支持部に載置する密栓具の部位が同じ位置になるようにすることができるので、支持部の載置位置を常に同じ位置にすることができる。
【0137】
請求項3及び請求項8に記載の発明では、密栓具の外周面部に設けたストッパを支持部に当接して素材管の軸方向外側方への移動を規制することで、素材管の曲げ位置の基準を容易に設けることができるので、精度良く曲げ加工ができる。また、密栓具に設けられた受圧カプラに対して加圧カプラを嵌合するときの押力をストッパによって受けることができる。
【0138】
請求項4及び請求項9に記載の発明では、支持部を素材管の軸に略直交する方向で、かつ曲げ型から離間する方向に移動自在であり、素材管の曲げ作業時に曲げ型から離間する方向に移動することで、曲げ作業時に素材管が変位するのが支持部によって邪魔されない。
【0139】
請求項5及び請求項10に記載の発明では、素材管の一端部をチャック部にセットする前は、受圧カプラに対して加圧カプラを後退させておくことで、素材管をチャック部に容易にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって形成した排気パイプを装着した自動二輪車の側面図である。
【図2】この発明に係る素材管の曲げ加工方法及び素材管の曲げ加工装置によって形成した排気パイプを示す図である。
【図3】曲げ加工装置が設置されるラインレイアウトの平面図である。
【図4】素材管に密栓具を取付けた状態を示す断面図である。
【図5】曲げ加工装置の素材管のセット時の平面図である。
【図6】曲げ加工装置の素材管の曲げ完了時の平面図である。
【図7】曲げ加工装置のクランプ部の側面図である。
【図8】曲げ加工装置のプレッシャー部の側面図である。
【図9】チャック部の平面図である。
【図10】チャック部の拡大断面図である。
【図11】素材管のチャックを説明する断面図である。
【図12】素材管のセットを示す図である。
【図13】素材管の支持を示す正面図である。
【図14】素材管の支持を示す側面図である。
【図15】曲げ加工装置の正面図である。
【図16】曲げ加工装置の素材管のセット時の平面図である。
【図17】曲げ加工装置の素材管の曲げ時の平面図である。
【図18】曲げ加工装置の素材管のセット時の側面図である。
【図19】曲げ加工装置の素材管の曲げ時の側面図である。
【図20】曲げ加工装置の制御ブロック図である。
【図21】曲げ加工装置の加圧装置の構成を示す図である。
【図22】曲げ加工の動作を説明するためのフローチャートである。
【図23】曲げ加工の動作を説明するための図である。
【図24】曲げ加工の動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
30 素材管
31,32 密栓具
40 曲げ機
41 曲げ部
50 チャック台車
51 チャック部
52 加圧カプラ
500 基台
P1 セット位置
P2 曲げ位置
Claims (10)
- 素材管の両端を密栓具で密栓して前記素材管内に液体を充填した状態で、前記素材管の中途部を曲げる素材管の曲げ加工方法において、
曲げ機側に前進後退可能なチャック台車のチャック部により前記素材管の一端部を支持し、
曲げ機側の支持部に前記素材管の他端部を載置してセットし、
前記セットした前記素材管の位置は、前記曲げ機の曲げ部から偏位していることを特徴とする素材管の曲げ加工方法。 - 前記支持部に、前記素材管の他端部の密栓具の部分を載置してセットすることを特徴とする請求項1に記載の素材管の曲げ加工方法。
- 前記他端部の密栓具の外周面部に設けたストッパを、前記支持部に当接して前記素材管の軸方向外側方への移動を規制することを特徴とする請求項2に記載の素材管の曲げ加工方法。
- 前記支持部は、この支持部に載置した前記素材管の軸に略直交する方向で、かつ前記曲げ部から離間する方向に移動自在であり、前記素材管の曲げ作業時に前記曲げ部から離間する方向に移動することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工方法。
- 前記素材管の一端部の密栓具に設けた受圧カプラと、前記チャック部に設けた加圧カプラとを接続して前記素材管の内圧を増減可能であり、
前記素材管の一端部を前記チャック部にセットする前は、前記受圧カプラに対して前記加圧カプラを後退させておくことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工方法。 - 素材管の両端を密栓具で密栓して前記素材管内に液体を充填した状態で、前記素材管の中途部を曲げる素材管の曲げ加工装置において、
前記素材管の中途部を曲げる曲げ部とクランプ部とプレッシャー部とを有する曲げ機と、
チャック部により前記素材管の一端部を片持ち支持し、曲げ機側に前進後退可能なチャック台車とを有し、
前記チャック台車のチャック部により前記素材管の一端部を支持し、前記曲げ機側の支持部に前記素材管の他端部を載置してセットし、
前記セットした前記素材管の位置は、前記曲げ機の曲げ部から偏位していることを特徴とする素材管の曲げ加工装置。 - 前記支持部に、前記素材管の他端部を載置してセットし、この他端部の載置する部分は前記密栓具の部分であることを特徴とする請求項6に記載の素材管の曲げ加工装置。
- 前記他端部の密栓具の外周面部に、前記素材管の軸方向外側方への移動を規制するストッパを設けることを特徴とする請求項7に記載の素材管の曲げ加工装置。
- 前記支持部は、この支持部に載置した前記素材管の軸に略直交する方向で、かつ前記曲げ型から離間する方向に移動自在であることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工装置。
- 前記素材管の一端部の密栓具に受圧カプラを設け、前記チャック部に、前記受圧カプラと脱着可能で前記素材管の内圧を増減可能とする加圧カプラを設け、
前記素材管の一端部を片持ち支持可能なチャック部にセットする前は、前記受圧カプラに対して前記加圧カプラを後退させておくことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の素材管の曲げ加工装置。
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-
2003
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