JP2004283816A - 光触媒用担体における光放射の制御方法 - Google Patents

光触媒用担体における光放射の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その全長に渡って紫外光の放射の均一化を図った光放射の制御方法を提供せんとするものである。
【解決手段】 かゝる本発明は、光触媒を表面に担持させた光透過性ファイバ110からなる光触媒用担体100において、その長手方向に次第に曲率が小さくなる曲げを付与し、この状態で、曲げの曲率の大きい一端から、紫外光を入射させることにより、紫外光を、その全長に渡ってほぼ均一に放射されるようにする光触媒用担体における光放射の制御方法にあり、これにより、光透過性ファイバ110の全長に渡って、均一な光触媒作用が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その全長に渡って紫外光の放射の均一化を図った光触媒用担体における光放射の制御方法に関するものである。
近年、光触媒は、その優れた特性からいろいろ分野での応用が期待されている。代表的な光触媒としてはTiOが挙げられ、基本的には、380nm以下の波長の光(紫外光)が照射されると、活性化して周囲にある有機化合物などを分解する機能(光触媒分解機能)や周囲にある水と馴染み易くなる機能(光親水化機能)などがあるとされている。
しかも、光触媒の反応には、熱エネルギーを必要としないため、常温での反応が可能となるだけでなく、熱と比較して、光の応答速度の速さ故に反応の制御性にも優れているなどの利点が挙げられている。
このような優れた特性を有する光触媒であるが、触媒の機能上、当然のことであるが、先ず反応物質と接触している必要があり、また、それと同時に反応光である、紫外光が触媒部分に有効に到達することが必要とされる。
例えば、光触媒を汚水などの流体浄化フィルタなどとして用いる場合、その汚れによって汚水の光透過性が悪いと、光触媒の側方に設置したUVランプなどからの紫外光が十分に伝達されないなどのことが問題となる。また、汚水の分解反応は光触媒との接触部分で起きるため、浄化効率の向上の観点から、光触媒の表面積をどのようにして増すかなどの問題がある。
このような問題を解決するため、既に種々の形態からなる光触媒用担体や、これを用いた浄化フィルタなどの装置、さらには、流体浄化などの流体処理方法が提案されている。例えば、紫外光を伝達させる部分を、光透過性材料であるガラス、セラミックス、プラスチックなどの線材(導光体)で構成し、この表面に光触媒を担持させたものがある(例えば特許文献1参照)。この場合、紫外光は線材内から表面側の光触媒に伝達されるため、線材の周囲が汚れによって光透過性が悪化していても、光の効率的な伝達効果が得られる。或いは、シングルモード形の光ファイバのクラッド部分側に光触媒を担持させたものもある(例えば特許文献2参照)。この場合にも、紫外光は主にクラッド部分を通じて光触媒に伝達されるため、やはり光の効率的な伝達効果が得られる。
特開平9−225262号 特開平11−290701号
しかしながら、上記のような光透過性材料からなる線材の外表面に光触媒を担持させるという構成においても、次のような問題点がある。
つまり、線材中に入射された光は、当然その距離に応して減衰するため、長手方向に担持された光触媒側にほぼ均一に放射することは、難しいという点である。このようにして、均一な放射が得られないと、当然線材の各箇所における光触媒作用にバラ付きが生じることになる。
本発明は、このような従来の状況下に鑑みてなされたもので、基本的には、光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、曲げを付与したり、紫外光用の反射部を設けたり、長手方向の適宜箇所にモードコンバータを挿入したりして、その全長に渡って紫外光の放射の均一化を図った光触媒用担体における光放射の制御方法を提供せんとするものである。
請求項1記載の本発明は、光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その長手方向に次第に曲率が小さくなる曲げを付与し、この状態で、曲げの曲率の大きい一端から、紫外光を入射させることにより、当該紫外光を、その全長に渡ってほぼ均一に放射されるようにすることを特徴とする光触媒用担体における光放射の制御方法にある。
請求項2記載の本発明は、前記光透過性ファイバを、円錐構造体の外周に巻き付けて曲げを付与することを特徴とする請求項1記載の光触媒用担体における光放射の制御方法にある。
請求項3記載の本発明は、前記光透過性ファイバを、次第に縮径するS字状に曲げることを特徴とする請求項1記載の光触媒用担体における光放射の制御方法にある。
請求項4記載の本発明は、光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その一端に紫外光用の反射部を設け、その他端から入射された紫外光を前記反射部で反射させることにより、その全長での紫外光の放射を相対的に均一化することを特徴とする光触媒用担体における光放射の制御方法にある。
請求項5記載の本発明は、前記反射部が、誘電体多層ミラであることを特徴とする請求項4記載の光触媒用担体における光放射の制御方法にある。
請求項6記載の本発明は、前記反射部が、ファイバグレーティングであることを特徴とする請求項4記載の光触媒用担体における光放射の制御方法にある。
請求項7記載の本発明は、前記反射部が、金属膜であることを特徴とする請求項4記載の光触媒用担体における光放射の制御方法にある。
請求項8記載の本発明は、光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その長手方向の適宜箇所にモードコンバータを挿入し、その一端から入射された紫外光の低次モード光を、前記モードコンバータ部分で、高次モード光に変換することにより、その全長での紫外光の放射を相対的に均一化することを特徴とする光触媒用担体における光放射の制御方法にある。
請求項9記載の本発明は、前記請求項1〜8記載の一つから選ばれる光触媒用担体における光放射の制御方法において、前記光触媒用担体の一端から入射された紫外光が、前記光透過性ファイバ表面の光触媒層側に放射されて当該光触媒層側を活性化させる一方、その透過光が前記光触媒層と外部空気層との境界面で反射されて当該光透過性ファイバ側に再入力されることを特徴とする光触媒用担体における光放射の制御方法にある。
本発明によると、以下のような優れた効果が得られる。
先ず、本発明の光触媒用担体における光放射の制御方法(請求項1〜3)の場合、光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その長手方向に次第に曲率が小さくなる曲げを付与してあるため、紫外光を、その全長に渡ってほぼ均一に放射させることができる。
また、本発明の光触媒用担体における光放射の制御方法(請求項4〜7)の場合、光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その一端に紫外光用の反射部を設け、その他端から入射された紫外光を反射部で反射させるため、その全長での紫外光の放射を相対的に均一化させることができる。
また、本発明の光触媒用担体における光放射の制御方法(請求項8)の場合、光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その長手方向の適宜箇所にモードコンバータを挿入し、その一端から入射された紫外光の低次モード光を、モードコンバータ部分で、高次モード光に変換するため、その全長での紫外光の放射を相対的に均一化させることができる。
また、本発明の光触媒用担体における光放射の制御方法(請求項9)の場合、光触媒用担体の一端から入射されて、光透過性ファイバの曲げの制御によりその長手方向に伝搬しつつほぼ均一に放射されて光透過性ファイバの光触媒層側に向かう紫外光は、当該光触媒層側を活性化させて光触媒作用を呈する一方、その透過光(光触媒層は薄膜層であるため一部の紫外光は透過光となる)が光触媒層と外部空気層との境界面において、両者の屈折率の違いから、反射されて光透過性ファイバ側に再入力される。このため、一般に有害とされる紫外光は、外部に漏れることがなく、高い安全性が確保できる。一方、この再入力され紫外光は、再度放射して光触媒作用に寄与することとなるため、全体として紫外光を無駄なく、有効に利用することができる。
図1は、本発明における光放射の制御方法の一例になる形態を示したものである。この制御方法では、図2に示すように、TiO (屈折率n=2.56)などの光触媒層120を表面に担持させた光透過性ファイバ110からなる光触媒用担体100において、その長手方向に、次第に曲率が小さくなる曲げを付与してある。そして、この状態で、曲げの曲率の大きい一端から、LEDなどの光源200により紫外光を入射させる。この曲げの設定により、入射された紫外光は、光透過性ファイバ110の長手方向に進むに従って、光量が低下するものの、曲げの曲率が小さくなる従って、光触媒層120側に洩れる光量が増すため、全体として、その全長に渡って、紫外光は、ほぼ均一に放射されることになる。
光透過性ファイバ110の構造は、特に限定されず、単一層のガラスなどの光透過性材料からなるものでもよいが、好ましくは、上記図2に示したように、光ファイバ(例えばマルチモード光ファイバ)と同様、コア111(高屈折率部、例えば屈折率n=1.448)と、クラッド112(低屈折率層、例えば屈折率n=1.444)からなる構造のものがよい。そして、さらに、クラッド112の厚さを、5μm以下にしたものが望ましい。
このようなコア・クラッド構造の光透過性ファイバ110の場合、図3に示すように、通常曲げのない直線状態では、入射された紫外光Rは、クラッド112部分で全反射されて殆ど光触媒層120側に放射されることなく進む。これに対して、図4に示すように、曲げが付与されていると、伝送されてきた紫外光Rは、この曲げにより、クラッド112部分から洩れ、光触媒層120と外気(空気)との境界面で反射される。この光触媒層120側への放射により、所望の光触媒効果が得られる。
因みに、本発明者が、光透過性ファイバ110として、(1)低屈折率層のない単一構造のもの、(2)5μm以下の薄い低屈折率層(厚さ1μm)のあるコア・クラッド構造のもの、(3)5μmを越える低屈折率層(厚さ10μm)あるコア・クラッド構造のものにおいて、曲げを、r(半径)=80mmとr=30mmとした場合、光の洩れによる光損失は、図5(A)〜(B)の如くであった。つまり、クラッド層が全くない場合には曲げの大小に関わらず、光損失が極めて大きく、クラッド層がある場合には曲げが小さくなるほど、光損失が大きいことが判る。しかし、クラッド層の厚さが5μmを越える場合(厚さ10μm)には、逆に曲げの大小に関わらず、殆ど光損失が生じないことも判る。これらのことから、上述したように、クラッド層の厚さは、本発明の目的からすると、5μm以下であることが好ましいことが判る。
本発明は、この特性を利用したものであり、光透過性ファイバ110に対する、具体的な曲げの付与手段としては、特に限定されないが、例えば、図6(A)〜(C)に示すように、円錐構造体300A〜300Cの外周に巻き付けるなどして、曲げを付与することができる。
各円錐構造体300A〜300Cにおいて、この外周に光透過性ファイバ110を等間隔で巻き付けることは同じであるが、その外周面の形状が少々異なる。図6(A)では、外周形状が直線状であることから、曲率半径が一定の割合で小さくなる(タイプT1)。図6(B)では、外周形状が湾曲した凹み状であることから、曲率半径の小さくなる割合が下向きにより小さくなる(タイプT2)。図6(C)では、外周形状が湾曲した凸状であることから、曲率半径の小さくなる割合が上向きにより緩やかに小さくなる(タイプT3)。
これらの各タイプT1〜3の場合、例えば、各円錐構造体300A〜300Cの曲率の大きい一端(始端)の半径rを30mmとし、曲率の最も小さい終端の半径rを7.5mmとしたとき、図7に示すように、タイプT1では、巻き数に対して、一定の割合で曲げ半径を小さくすることができる。タイプT2では、同様に巻き数に対して、下向きに急な割合で曲げ半径を小さくすることができる。タイプT3では、同様に巻き数に対して、上向きに緩い割合で曲げ半径を小さくすることができる。したがって、本発明では、使用目的に合わせて、各タイプT1〜3を選択すればよい。通常始端から終端まで、一定の光触媒効果を得る必要があるときには、タイプT1の使用が望ましい。なお、各曲げの曲率半径における、光損失と巻き数との関係は、図8に示す如くである。一般に、マルチモード光ファイバ構造のものにおいては、光損失がある巻き数で飽和する傾向にあり、その傾向はどの曲率半径でも変わらないことが判る。
本発明における、実際の好ましい曲げ半径の範囲としては、80mm〜5mm、より望ましくは、30mm〜10mm程度にするとよい。例えば、光透過性ファイバ110の巻かれた各円錐構造体300A〜300Cを、光触媒効果を利用する流体浄化装置内などに設置すればよい。また、円錐構造体部分を光透過性の筒体で構成し、この筒体の一端(始端)から他端(終端)に掛けて、浄化用の流体などを通すようにしてもよい。
図9は、本発明における光放射の制御方法の他例になる形態を示したものである。この制御方法では、上記と同様、図2に示すような、TiO2 などの光触媒層120を表面に担持させた光透過性ファイバ110からなる光触媒用担体100において、その長手方向に、次第に縮径するS字状に曲げを付与してある。そして、この状態で、曲げの曲率の大きい一端(始端)から、LED200などにより紫外光を入射させる。この場合も、曲げの設定により、入射された紫外光は、光透過性ファイバ110の長手方向に進むに従って、光量が低下するものの、曲げの曲率が小さくなる従って、光触媒層120側に洩れる光量が増すため、全体として、その全長に渡って、紫外光は、ほぼ均一に放射されることになる。
この制御方法の具体例としては、例えば、図10〜図11の場合を挙げることができる。つまり、一対の円錐構造体400A〜400Bを併設させ、これらの半径の大きい基端(始端)側から半径の小さくなる先端寄り(終端)側に掛けて、光透過性ファイバ110をたすき掛け状に巻き付けてある。これにより、概略的に次第に縮径するS字状の曲げが得られる。
このような一対の円錐構造体400A〜400B自体を、液体や気体の透過できる流体透過性材料で形成したり、或いは、光透過性材料で形成したり、かつ、これらの円錐構造体400A〜400Bの基端側に、浄化用の流体などを導く筒体410、410を適宜接続して、流体を導入すれば、円錐構造体400A〜400Bの傾斜壁面や先端側から、流体が排出される際、光透過性ファイバ110の光触媒層により、光触媒作用を受けるため、流体浄化装置として用いることができる。
図12は、本発明における光放射の制御方法の他例になる形態を示したものである。この制御方法では、上記と同様、図2に示すような、TiO などの光触媒層120を表面に担持させた光透過性ファイバ110からなる光触媒用担体100において、その長手方向の始端側に、LED200などの光源を接続する一方、終端側に紫外光用の反射部500を設けてある。このため、光源から入射された紫外光は、光透過性ファイバ110の長手方向に進むに従って、光量が低下するものの、終端の反射部500により反射されて、再度光透過性ファイバ110側に戻り光として進む。
この関係をグラフ化すると、図13の如くで、LED200からの入射光は減衰特性線Iで表され、反射部500からの戻り光は減衰特性線IIで表され、これらの合計したパワー特性線IIIに対応した紫外光が、光透過性ファイバ110の光触媒層に放射されることになる。これにより、紫外光の光透過性ファイバ110の全長における、放射の相対的な均一化が図られる。
上記反射部500の構成としては、紫外光を反射するものであれば、特に限定されないが、誘電体多層ミラ、ファイバグレーティング、金属膜などを挙げることができる。
図14は、本発明における光放射の制御方法の他例になる形態を示したものである。この制御方法では、上記と同様、図2に示すような、TiO などの光触媒層120を表面に担持させた光透過性ファイバ110からなる光触媒用担体100において、その長手方向の途中の適宜位置に、紫外光の高次モード光を低次モード光に変換する、例えば、グレーティング、マイクロベンド、異種光ファイバの接合などからなるモードコンバータ600を挿入してある。
一般に、マルチモード光ファイバ形の光透過性ファイバ110中に紫外光を入射させた場合、低次モードから高次モードの各種モード光が導入される。そして、低次モード光は放射され難く、高次モード光は放射され易いという特性があるため、導入光がファイバの長手方向に進むに従って、相対的に高次モード光部分が大幅に減少することとなる。そこで、本発明では、比較的減衰の少ない低次モード光を、モードコンバータ600により、高次モード光に変換して、光透過性ファイバ110の光触媒層側に放射させるようにしてある。
これにより、紫外光の光透過性ファイバ110の全長における、放射の相対的な均一化が図られる。この関係を図示すると、図15(A)〜(C)の如くである。つまり、入射部付近での各モード分布は、図15(A)の如くであるが、ある程度入射光が進むと、図15(B)に示すように、放射し易い高次モード光が大幅に減衰される。そこで、図15(C)に示すように、モードコンバータ600で、低次モード光を高次モード光に変換して供給すれば、光透過性ファイバ110の全長から見れば、紫外光放射の相対的な均一化が図られる。
以上説明してきた本発明の各光触媒用担体における光放射の制御方法の場合、いずれの場合も、光触媒用担体100の一端から入射された紫外光Rは、光透過性ファイバ110の長手方向に伝送モード光として伝搬する一方、光透過性ファイバ110の適宜曲率による曲げにより、ほぼ均一に光触媒層120側に放射されて、これを活性化(光触媒反応)させる。つまり、本来の光触媒作用が行われる。
一方、このとき、光触媒層120は極めて薄膜層であることから、この光触媒層120側に放射されてきた紫外光Rのうち、光触媒反応に関与しなかった紫外光Rの一部は、光触媒層120の透過光として、外部に放射されそうになるが、実際には、光触媒層120と外部空気層との境界面に達した透過光は、光触媒層120と外部空気層の両者の屈折率の違いから〔光触媒側の屈折率(TiO では通常2.56程度)が外部空気のそれ(1.0)より高いことから〕、この境界面で反射(全反射)されて、内側に再入力される。即ち、反射紫外光は、光触媒層120及び光透過性ファイバ110側に再入力される。勿論、この際の紫外光Rの光触媒層120側への放射量は、光透過性ファイバ110側における曲げの曲率の制御によって調整することができる。
このため、原理的に有害光とされる紫外光は、光触媒用担体100外に漏れることがなく、高い安全性が確保される。従って、本発明では、この光触媒用担体100の使用にあたって、特別な安全用筐体(ボックス)内などに収容する必要は特になく、光触媒用担体100を直接外気に露出した形で使用することも可能となる。
また、反射した紫外光が、再入力されることによりこれが減衰消滅するまでは、伝送モード光として、繰り返し光触媒層120を活性化させるため、全体として紫外光を無駄なく、有効に活用することができる。
なお、上記説明では光触媒層の代表的な光触媒としてTiO2 を用いた場合であったが、本発明はこれに限定されず、ZnO、WO 、SnO 、Fe 、SrTiO 、CdS、CdSeなどの光触媒を用いた光触媒層とすることも可能である。
また、従来のように、紫外光の光透過材料として、例えばガラス単体からなる光透過性ファイバを用いた場合、紫外光源からの紫外光を本発明の場合より効率よく取り込むことができるものの、ガラス単体ではコア・クラッドの導光構造となっていないため、長手方向の長い距離にわたって導光させることができない。一方、シングルモード光ファイバ型からなる光透過性ファイバでは導光性は優れているものの、その構造特性が本来赤外光に対して導波設計されたものであることとあいまって、より波長の短い紫外光では、光を導波する点において最適の設計となっているとは言えない。このため、紫外光源からの紫外光を効率よく取り込むことについては、コアの面積が小さいことが支配的となり、このシングルモード光ファイバ型の場合、効率よく紫外光を取り込むことが難しく、また、取り込まれた紫外光も光触媒層側に放射されることが少ないという特性を有することから、コア中を導光している紫外光を、外周の光触媒層側に到達させるためにファイバ部分に曲率を付与するとしても、極端に曲率を小さくとる必要が生ずる。従って、ガラス単体からなる場合も、シングルモード光ファイバ型からなる場合でも、本発明の場合のように、紫外光源からの紫外光を効率よく取り込み、かつ、比較的ゆるやかな曲率を与えることにより、長い距離にわたって導光すると共に、曲率の変化によって光透過性ファイバからの紫外光の放射を制御するということには、不向きのものと言える。
本発明に係る光触媒用担体における光放射の制御方法の一例を示した概略説明図である。 図1の制御方法に用いられる光透過性ファイバの一例を示した縦断面図である。 図1の制御方法に用いられる光透過性ファイバの一例を示した長手方向の縦断面図である。 図4の光透過性ファイバにおける曲げ部分での状態を示した長手方向の縦断面図である。 (A)〜(B) 本発明で用いられる光透過性ファイバの曲げと光損失との関係を示した説明図である。 (A)〜(C) 本発明で用いられる光透過性ファイバの具体的な曲げの態様を示した説明図である。 図6(A)〜(C)における曲げと巻き数との関係を示したグラフである。 本発明で用いられる光透過性ファイバの曲げ、巻き数及び光損失との関係を示したグラフである。 本発明に係る光触媒用担体における光放射の制御方法の他の例を示した概略説明図である。 図9の制御方法の具体的な手段を示した概略斜視図である。 図10の平面図である。 本発明に係る光触媒用担体における光放射の制御方法の他の例を示した概略説明図である。 図12の制御方法による光放射の相対的な均一化を説明するためのグラフである。 本発明に係る光触媒用担体における光放射の制御方法の他の例を示した概略説明図である。 (A)〜(C) 図14の制御方法による光放射の相対的な均一化を説明するためのグラフである。
符号の説明
100 光触媒用担体
110 光透過性ファイバ
111 コア
112 クラッド
120 光触媒層
200 光源(LED)
300A〜300C 円錐構造体
400A〜400B 円錐構造体
500 反射部
600 モードコンバータ

Claims (9)

  1. 光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その長手方向に次第に曲率が小さくなる曲げを付与し、この状態で、曲げの曲率の大きい一端から、紫外光を入射させることにより、当該紫外光を、その全長に渡ってほぼ均一に放射されるようにすることを特徴とする光触媒用担体における光放射の制御方法。
  2. 前記光透過性ファイバを、円錐構造体の外周に巻き付けて曲げを付与することを特徴とする請求項1記載の光触媒用担体における光放射の制御方法。
  3. 前記光透過性ファイバを、次第に縮径するS字状に曲げることを特徴とする請求項1記載の光触媒用担体における光放射の制御方法。
  4. 光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その一端に紫外光用の反射部を設け、その他端から入射された紫外光を前記反射部で反射させることにより、その全長での紫外光の放射を相対的に均一化することを特徴とする光触媒用担体における光放射の制御方法。
  5. 前記反射部が、誘電体多層ミラであることを特徴とする請求項4記載の光触媒用担体における光放射の制御方法。
  6. 前記反射部が、ファイバグレーティングであることを特徴とする請求項4記載の光触媒用担体における光放射の制御方法。
  7. 前記反射部が、金属膜であることを特徴とする請求項4記載の光触媒用担体における光放射の制御方法。
  8. 光触媒層を表面に担持させた光透過性ファイバからなる光触媒用担体において、その長手方向の適宜箇所にモードコンバータを挿入し、その一端から入射された紫外光の低次モード光を、前記モードコンバータ部分で、高次モード光に変換することにより、その全長での紫外光の放射を相対的に均一化することを特徴とする光触媒用担体における光放射の制御方法。
  9. 前記請求項1〜8記載の一つから選ばれる光触媒用担体における光放射の制御方法において、前記光触媒用担体の一端から入射された紫外光が、前記光透過性ファイバ表面の光触媒層側に放射されて当該光触媒層側を活性化させる一方、その透過光が前記光触媒層と外部空気層との境界面で反射されて当該光透過性ファイバ側に再入力されることを特徴とする光触媒用担体における光放射の制御方法。
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