JP2004282353A - 電子機器及び電子機器内の通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器及び電子機器内の通信方法を提供する。
【解決手段】可動(ヒンジ)部3によって連結されている第1の筐体1と第2の筐体2とのそれぞれに収容されている第1の実装基板11と第2の実装基板21との双方に光送受信機4を対面させて実装し、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信をその光送受信機4で光通信によって行う。
【選択図】 図1
【解決手段】可動(ヒンジ)部3によって連結されている第1の筐体1と第2の筐体2とのそれぞれに収容されている第1の実装基板11と第2の実装基板21との双方に光送受信機4を対面させて実装し、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信をその光送受信機4で光通信によって行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動(ヒンジ)部により連結される第1の筐体と第2の筐体とにそれぞれ収容された第1の実装基板と第2の実装基板との間で、データのやり取りを行うことができる電子機器及び電子機器内の通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の可動部を有する折畳式の電子機器の構成について、図10〜14を使って説明する。
図10及び図11は、折畳式の電子機器、例えば携帯電話機における開放状態及び閉鎖状態を示すものであり、この折畳式の携帯電話機は、第1の筐体101と、第2の筐体102と、これらの筐体を連結するヒンジ部103とを備えている。
【0003】
また、一般的に、第1の筐体101には第1の表示部104を設けているとともに、第2の筐体102には入力キー105が配置されている。さらに、第1の筐体101には、第1の表示部104を設けた内面とは反対の外面に第2の表示部106(図11参照)を設けているものも開発されている。
【0004】
また、通常、この折畳式の携帯電話機にあっては、例えば図12に示すように、第1の筐体101内部に、前述した第1の表示部104や第2の表示部106などを制御するために第1の実装基板107を設けているとともに、第2の筐体102内部には、入力キー105からの入力の制御などを行うために第2の実装基板108を設けている。
【0005】
これら第1の実装基板107及び第2の実装基板108は、可撓性部材で構成されているとともに、これらの実装基板107,108の間は、電気接続用配線が印刷されているフレキシブル基板109で電気的に接続されており、このフレキシブル基板109を介して、第1の実装基板107と第2の実装基板108との間で制御信号の通信を行っている。
【0006】
また、このフレキシブル基板109を用いることにより、その可撓性を利用して、携帯電話機の使用形態の変化、つまり図12及び図13に示すように、筐体の開状態及び閉状態でのいずれの状態でも、前述の第1、第2の実装基板107,108間での制御信号の通信状態を確実に行うことができるように構成されている。
【0007】
即ち、図14は従来の携帯電話機におけるブロック構成を示したものであり、この携帯電話機では、第2の実装基板108上に実装されている通信制御部121と、第1の実装基板107上に実装されている表示制御部122との間を前述したフレキシブル基板109で接続しており、このフレキシブル基板109により制御信号の通信が行われるようになっている。
このうち、例えば、表示制御部122では、開閉検出部110Aからの携帯電話機の使用形態情報により、第1の表示部104と第2の表示部106とでの各LCDの表示切替動作を制御するように構成している。
【0008】
さらに、このような第1、第2の表示部を備えた携帯電話機にあっては、図12および図13に示すように、ホール素子110Aおよび磁石110Bを実装し、使用形態の変化、つまり筐体の開閉動作に応じて、このホール素子110Aと磁石110Bが近接状態にあるか遠隔状態にあるかを検出し、これらの状態に合わせて第1、第2の表示部104,106の表示動作を行うべきLCDの切替動作などの機器の動作モードを変えるように構成した非接触方式の通信手段が知られている。
【0009】
また、このような非接触方式の通信を行う別の構成の折畳式の携帯電話機として、例えば、ヒンジ部内部にコイルを収容し、このコイルにより被接触方式でデータ及び電源の授受を行う構成であって、ヒンジ部の開閉角度が一定の限定された範囲に限りデータ及び電源の伝達を可能とするものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−26834号公報(第2頁、図4)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のフレキシブル基板を用いる携帯電話機では、フレキシブル基板内に構成されるプリント配線が電子機器の使用形態の変化を繰り返すうちに、経時的に電気的接続が劣化し、ついには断線してしまうという問題があった。
【0012】
また、フレキシブル基板内配線の断線を防ぐために、例えば前述したコイルなどを用いた非接触通信方式の携帯電話機では、ヒンジ部の内部又は近傍にコイルを設置し、電磁誘導によって通信を行う形態となっているので、携帯電話機内部の実装基板へのノイズによる障害が発生し、携帯電話機の動作に悪影響を与える恐れがある。また、携帯電話機外部の電磁界と結合し、外部の携帯電話機に対してノイズ障害をもたらしたり、外部機器からの影響を受けやすい。さらに、アンテナを収容する携帯電話機の場合には、そのアンテナへの影響も大きく、携帯電話機の小型化には大きな障害となる。
【0013】
さらに、光空間伝送方式として、IrDA(InfraRed Data Association;赤外線データ通信規格)などが一般的に知られているが、これは異なる携帯電話機間などの通信を行う方式であり、任意の位置関係にある携帯電話機間などの通信を保証するために、通信可能範囲を広く(通信距離20cm)設定している。そこで、このような通信方式に対応する携帯電話機などでは、通常、光送受信デバイスの発光強度を大きく、しかも広角度の通信を実現するために、光を拡散させるレンズを具備させており、デバイスの小型化が困難となっている。
【0014】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えず、さらに通信対象の位置が確定しており、近距離(通信距離が例えば数cm)で狭範囲の通信を保証でき、IrDA用の光送受信素子よりも小型な光送受信素子にて光通信を実現できる電子機器及び電子機器内の通信方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体及び第2の筐体を可動可能な状態で連結する可動部とを備え、前記第1の筐体に収容する第1の実装基板と前記第2の筐体に収容する第2の実装基板との間でのデータの授受を行う電子機器であって、
前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に光送受信機を有するとともに、
前記光送受信機は、前記第1の実装基板と第2の実装基板との間の通信を、前記可動部を介して前記第1の筐体及び前記第2の筐体の内部において光を用いた空間伝送により行うように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
このような構成により、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現することができる。
【0017】
また、本発明の電子機器は、第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体及び第2の筐体を可動可能な状態で連結する可動部とを備え、前記第1の筐体に収容する第1の実装基板と前記第2の筐体に収容する第2の実装基板との間でのデータの授受を行う電子機器であって、
前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に、第1の光送受信機と、第1の光送受信機の指向範囲外を指向範囲とする第2の光送受信機とを有するとともに、
前記各実装基板における第1、第2の光送受信機のうち、前記可動部の開閉角度によって対面して通信可能となる方に切替える制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
このような構成により、使用態様に応じて光送受信機の通信動作の切替を行うことができ、しかも、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現することができる。
【0019】
また、本発明の電子機器は、前記第1の光送受信機と前記第2の光送受信機とのそれぞれに同期検出部を備えると共に、
前記第1、第2の光送受信機のうち同期が取れて通信可能となる方を検出し、その検出結果に応じて動作を切替える制御手段を備えた
ことを特徴とするものである。
【0020】
このような構成とすることにより、使用形態の変化に伴って動作をかえるソフト処理が不要な電子機器を実現することができる。
【0021】
また、本発明の電子機器は、前記第1又は第2の筐体のいずれか一方に配置する第1及び第2の表示部と、
前記第1の表示部及び前記第1の光送受信機との間に接続する第1の表示制御部と、
前記第2の表示部及び前記第2の光送受信機との間に接続する第2の表示制御部と、
前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となる方へ通信先が切替わり、前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となっている方の光送受信機に接続している前記表示制御部を動作させる制御手段と
を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
このような構成とすることにより、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えずに、使用形態に応じて第1及び第2の表示部での表示動作の切替を制御することができる。
【0023】
また、本発明の電子機器は、筐体外部からの外光を受光する位置に前記光送受信機を配置しているとともに、
前記筐体外部からの外光の光量を検出する光量検出部を配置し、
前記表示制御部は、前記光量検出部の検出した光量によって、前記第1及び第2の表示部のいずれかの表示動作を制御するように構成したことを特徴とするものである。
【0024】
このような構成とすることにより、電子機器の周辺の明るさの検出を行うための専用回路を必要とせずに、表示部のライトの明るさを制御し、電子機器の低消費電力化に有利な電子機器を実現することができる。
【0025】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体及び第2の筐体を可動可能な状態で連結する可動部とを備え、前記第1の筐体に収容される第1の実装基板と前記第2の筐体に収容される第2の実装基板との間でのデータの授受を、前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に設けた光送受信機で行う電子機器内の通信方法であって、
前記第1の実装基板と第2の実装基板との間の制御信号の通信を、前記可動部の内部を介して第1の筐体及び第2の筐体内部にて前記光送受信機による光空間伝送により行うことを特徴とするものである。
【0026】
このような構成により、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現することができる。
【0027】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に、第1の光送受信機と第1の光送受信機の指向範囲外を指向範囲とする第2の光送受信機とを有し、
前記第1、第2の光送受信機のいずれか一方は、前記可動部での開閉角度によって対面して通信可能となると、前記第1、第2の光送受信機での通信動作が切替わることを特徴とするものである。
【0028】
このような構成により、使用態様に応じて光送受信機の通信動作の切替を行うことができ、しかも、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現することができる。
【0029】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、前記第1、第2の光送受信機のうち同期が取れて通信可能となる方を検出し、その検出結果に応じて通信動作が切替わることを特徴とするものである。
【0030】
このような構成とすることにより、使用形態の変化に伴って動作をかえるソフト処理が不要な電子機器を実現することができる。
【0031】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、前記第1又は第2の筐体のいずれか一方に配置する第1及び第2の表示部と、
前記第1の表示部及び前記第1の光送受信機との間に接続する第1の表示制御部と、
前記第2の表示部及び前記第2の光送受信機との間に接続する第2の表示制御部とを備え、
前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となる方へ通信先が切替わり、前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となっている方の光送受信機に接続している前記表示制御部のみを動作させることを特徴とするものである。
【0032】
このような構成とすることにより、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えずに、使用形態に応じて第1及び第2の表示部での表示動作の切替を制御することができる。
【0033】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、前記筐体外部からの外光の光量を検出すると、
前記検出した光量によって、前記第1及び第2の表示部のいずれかの表示動作を制御することを特徴とするものである。
【0034】
このような構成とすることにより、電子機器の周辺の明るさの検出を行うための専用回路を必要とせずに、表示部のライトの明るさを制御し、電子機器の低消費電力化に有利な電子機器を実現することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0036】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機を示すものであり、この携帯電話機では、第1の筐体1と第2の筐体2とが可動部を構成するヒンジ部3によって連結されているとともに、第1の筐体1には第1の実装基板11を収容する一方、第2の筐体2には第2の実装基板21を収容している。
【0037】
また、これら第1の実装基板11及び第2の実装基板21には、それぞれ、光送受信機4が実装されている。これらの光送受信機4は、第1の実装基板11と第2の実装基板21の間での通信が必要となる使用形態(本実施の形態の携帯電話機では、第1の筐体1と第2の筐体2とを開いた状態)のときに、互いに対面するような位置関係に配置されている。
【0038】
即ち、本実施の形態では、第1の実装基板11と第2の実装基板21の間での通信を通信光αによって行うようになっているが、これらの光送受信機4では確実な光の授受を確保するため、第1の筐体1と第2の筐体2とを開いた状態のときに、お互いに最接近する各実装基板の端部寄りに設置されている。
【0039】
従って、本実施の形態では、本携帯電話機が取りうる複数の使用形態(筐体が開状態及び閉状態)のうち、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信が必要となる使用形態(筐体が「開状態」のとき)は1つであるので、以上のような構成とすることにより、携帯電話機内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えるおそれのない携帯電話機を実現することができる。
しかも、本実施の形態によれば、従来の可動(ヒンジ)部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能である。
【0040】
さらに、第1の実装基板11及び第2の実装基板21にそれぞれ設置する光送受信機4は、第1の筐体1と第2の筐体2とを開いた状態のときに、お互いに最接近する各実装基板の端部寄りに設置されているので、減衰量を最小限に抑えることができ、その分、この光送受信機4での通信光(例えば、特定波長の光α)を出射する光源の出力をできるだけ抑えることが可能となるので、携帯電話機の筐体の小型化を図ることも可能である。
【0041】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図2は第2の実施形態に係る折畳式の携帯電話機内の通信方法を示すものであり、第1、第2の筐体の第1、第2の実装基板11,21に、それぞれ、第1の実施形態と同様の光送受信機4を搭載しているが、さらに、本実施形態では、第1の筐体1に収容する第1の実装基板11に、メインLCD12A及びサブLCD12Bを搭載させている。
【0042】
なお、メインLCD12Aは、第1、第2の筐体を閉じたときに第2の筐体2と向かい合う第1の筐体1の内面に向けて設置されており、この内面の主要部を占める大きな画面を構成している。一方、サブLCD12Bは、メインLCD12Aを設けた内面とは逆の外面に向けて設置されており、メインLCD12Aよりも小さな画面を構成している。
【0043】
さらに、本実施の形態では、第1の筐体側の第1の実装基板11に、LCD12A,12Bの作動を制御する表示制御部13を実装させているとともに、第2の筐体側の第2の実装基板21に、この第2の実装基板21に搭載されている光送受信機4を制御するための通信制御部22を実装している。
このうち、表示制御部13は、第1の表示部12Aや第2の表示部12Bの表示切替動作などの制御を行うようになっている。
【0044】
次に、本実施の形態の動作について、図2を参照しながら説明する。
第1の使用形態時には、即ち、第1、第2の筐体が完全に開いた状態若しくはそれに近い状態となったときには、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間での通信を、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。
これにより、例えば通信制御部22からの制御により一対の光送受信機4を介して送受信される通信光αにより、表示制御部13から制御信号が出力され、外部へ露出されるメインLCD12Aによる表示動作が開始される。
【0045】
以上のように、本実施の形態に係る折畳式の携帯電話機が取りうる複数の使用形態(つまり、第1、第2の筐体の開放動作及び閉鎖動作)のうち、表示制御部13と通信制御部22との間での通信を必要とする使用形態が1つの場合、即ち、本実施の形態では、第1、第2の筐体の「開状態」となった場合、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間での通信が、光送受信部4での送受信により行われる。
従って、本実施の形態によれば、従来では可動部に発生していた応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能となり、かつ、携帯電話機内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない機内通信方法を実現することができる。
【0046】
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1、第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
【0047】
図3〜5は第3の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機を示すものであり、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、第1の筐体1と第2の筐体2とが可動部を構成するヒンジ部によって連結されているが、第1の実施形態とは異なり、第1の筐体1に収容する第1の実装基板11と第2の筐体2に収容する第2の実装基板21との双方には、それぞれ、第1の光送受信機4と第2の光送受信機5とが実装されている。なお、図3において、符号23は、操作キーを配設した操作部を示すものである。
【0048】
第1の光送受信機4は、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信が必要となる携帯電話機での第1の使用形態(即ち、第1、第2の筐体1,2を開いた状態。以下、これを「開状態」とよぶ)で互いに対面する位置に配置されている。そして、「開状態」(第1の使用形態)での第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信は、この第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行うように構成されている。
【0049】
一方、第2の光送受信機5は、図3及び5に示すように、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信が必要となる携帯電話機での第2の使用形態(即ち、筐体を開いた状態。以下、これを「閉状態」とよぶ)で互いに対面する位置に配置されている。
即ち、本実施の形態では、折畳式の携帯電話機の第1筐体1及び第2筐体2を折畳んだときに、図5に示すように、お互いに対向する内面10、20部分に光入出窓10A,20Aをそれぞれ設けるとともに、これらの光入出窓10A,20Aの直下に第2の光送受信機5をそれぞれ設けている。これにより、「閉状態」(第2の使用形態)での光通信が第2の光送受信機5で送受信される通信光(例えば、通信光αの波長とは異なる特定波長の光)βによって可能となるように構成されている。
【0050】
従って、以上のように構成される本実施の形態によれば、折畳式の携帯電話機が取りうる複数の使用形態(本実施の形態では、第1、第2の筐体1,2の「開状態」及び「閉状態」)において、つまり、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信が必要な使用形態が2つの場合であっても、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、機内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない携帯電話機を実現することができる。
【0051】
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係る第4の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1〜第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図6は第4の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機における機内通信方法を示すものであり、本実施の形態では、第3の実施形態と同様に、第1の実装基板11と第2の実装基板21の双方に、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5が実装されている。
【0052】
また、第1の実装基板11において、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5は、ともに、表示制御部13に接続されている。なお、この表示制御部13は、第2の実施の形態と同様に、第1の表示部16Aや第2の表示部16Bの表示切替などの制御を行うものである。
一方、第2の実装基板21において、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5は、ともに、通信制御部22に接続されている。
【0053】
そして、本実施の形態の機内通信方法では、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。一方、第1、第2の筐体1,2が「閉状態」(第2の使用形態)のときには、第2の光送受信機5で送受信される通信光βによって行う。
【0054】
従って、本実施の形態では、以上の構成により、携帯電話機が取りうる複数の使用形態において、表示制御部13と通信制御部22との間の通信が必要な使用形態が2つの場合であっても、第1〜第3の実施形態と同様に、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、携帯電話機内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない機内通信方法を実現することができる。
【0055】
[第5の実施の形態]
次に、本発明に係る第5の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1〜第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機における機内通信方法を示すものであり、本実施の形態でも、第3、第4の実施形態と同様に、第1の実装基板11と第2の実装基板21の双方に、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5が実装されている。
【0056】
さらに、本実施の形態では、第1の実装基板11側において、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5と表示制御部13との間での同期を図るため、第1の光送受信機4と表示制御部13との間、および第2の光送受信機5と表示制御部13との間に、それぞれ、同期検出部6を設けている。
【0057】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
本実施の形態でも、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。
また、第3、第4の実施形態と同様に、第1、第2の筐体1,2が「閉状態」(第2の使用形態)のときには、第2の光送受信機5で送受信される通信光βによって行う。
【0058】
しかも、本実施の形態では、第1の光送受信機4と第2の光送受信機5とは、それぞれ、同期検出部6によって通信の同期が図られており、同期状態についての検出結果情報が表示制御部13へ出力される。
そして、この表示制御部13では、同期検出部6での情報を受け取ると、第1の光送受信機4での同期が取れているときは、「開状態」(第1の使用形態)での動作が必要な第1の表示部16Aを起動する。一方、第2の光送受信機5での同期が取れているときは、「閉状態」(第2の使用形態)での動作が必要な第2の表示部16Bを起動するなどの表示動作の切替制御を行う。
【0059】
従って、以上の動作により、本実施の形態によれば、第4の実施の形態での効果に加え、従来必要であった携帯電話機での使用形態の検出を行うための専用回路を必要としないため、部品点数の削減および筐体の小型化に有利な携帯電話機を実現することができる。
【0060】
[第6の実施の形態]
次に、本発明に係る第6の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1〜第5の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図8は、本発明の第6の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機における機内通信方法を示すものであり、本実施の形態でも、第3〜第5の実施の形態と同様に、第1の実装基板11と第2の実装基板21の双方に、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5が実装されている。
【0061】
また、前述したように、第2の実施の形態では、第1の筐体側の第1の実装基板11に、メインLCD12A及びサブLCD12Bの作動を制御する表示制御部13を実装させており、この単一の表示制御部13によりメインLCD12A及びサブLCD12Bの表示切替動作の制御などを行うようになっていたが、本実施の形態では、メインLCD12Aの制御のために第1の表示制御部14Aを設けているとともに、サブLCD12Bの制御のために第2の表示制御部14Bを設けている。
【0062】
即ち、本実施の形態では、第1の光送受信機4には第1の表示制御部14Aが接続しており、この第1の表示制御部14Aが第1の表示部を構成するメインLCD12Aを制御するようになっている。一方、第2の光送受信機5には第2の表示制御部14Bが接続しており、この第2の表示制御部14Bが第2の表示部を構成するサブLCD12Bを制御するようになっている。
【0063】
このように、第1の表示制御部14Aは、第1の光送受信部4とメインLCD12Aとの間に配設されており、第1の光送受信部4からの制御信号で動作してメインLCD12Aを駆動・制御するように構成されている。
同様に、第2の表示制御部14Bは、第2の光送受信部5とサブLCD12Bとの間に配設されており、第1の光送受信部4からの制御信号で動作してサブLCD12Bを駆動・制御するように構成されている。
【0064】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
本実施の形態では、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の実装基板11に実装される第1の表示制御部14Aと第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。
【0065】
一方、第1、第2の筐体1,2が「閉状態」(第2の使用形態)のときには、第1の実装基板11に実装される第2の表示制御部14Bと第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第2の光送受信機5で送受信される通信光βによって行う。
【0066】
従って、第1の光送受信機4が通信しているときは、筐体が「開状態」(第1の使用形態)で動作を行う第1の表示部が起動しているのと同時に、第2の表示部が動作を停止している。また、第2の光送受信機5が通信しているときは、筐体が「閉状態」(第2の使用形態)で動作を行う第2の表示部が起動しているのと同時に、第1の表示部が動作を停止している。
【0067】
従って、本実施の形態によれば、以上のような構成により、使用形態の変化に伴って動作をかえるソフト処理が不要な携帯電話機を実現することができる。
【0068】
[第7の実施の形態]
次に、本発明に係る第7の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1〜第6の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図9は、本発明の第7の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機における機内通信方法を示すものであり、本実施の形態でも、第4の実施の形態と同様に、第1の実装基板11と第2の実装基板21との双方に、第1の光送受信機4と第2の光送受信機5が実装されている。
【0069】
さらに、本実施の形態では、第4の実施の形態とは異なり、第1の実装基板に、光量検出部15が付設されている。
この光量検出部15は、入力が第2の光送受信部5の出力に接続されているとともに出力が表示制御部13の入力に接続されており、特定波長の通信光βとは別に外光を第2の光送受信部5が受光すると、この受光量に応じて出力される検出信号が光量検出部15に入力して筐体周辺の光量を検出するように構成されている。
【0070】
また、この光量検出部15では、検出する光量に応じて所定の検出信号を表示制御部13へ出力するようになっており、これにより、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の表示部を構成するメインLCDのバックライトの明るさを制御するように構成されている。
【0071】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
本実施の形態では、第1〜第6の実施形態と同様に、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。
【0072】
一方、第1、第2の筐体1,2が「閉状態」(第2の使用形態)のときには、第2の光送受信機5で送受信される通信光βによって行う。また、この第2の光送受信機5は、光量検出部15によって筐体の「開状態」(第1の使用形態)のときの受光レベルを観測させるようにも構成されており、この受光レベルより得られる光量の検出結果は、表示制御部13へ出力される。
【0073】
そして、この表示制御部13では、光量検出部15からの情報を受け取ると、その光量に合わせて筐体の「開状態」(第1の使用形態)で動作している第1の表示部を構成するメインLCDのバックライトの明るさを制御する。
【0074】
従って、以上のような構成により、本実施の形態では、第4の実施の形態での効果に加え、使用する携帯電話機での周辺の明るさの検出を行うための専用回路を必要とせずに、表示部のバックライトの明るさを制御し、低消費電力化に有利な電子携帯電話機を実現することができる。
【0075】
以上、説明してきた実施の形態では、本発明の電子機器を携帯電話機に適用してきたが、とくにこれに限定されるものではなく、可動部で連結された第1、第2の筐体を有する各種の電子機器への適用が可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明は、可動部によって分離された2つの実装基板間の通信を光によって行うことにより、従来の可動部に発生していた応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能となり、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の筐体を開いた第1の使用態様を示す概略図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の筐体を開いた第1の使用態様を示す概略図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の筐体を閉じた第2の使用態様を示す概略図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図10】従来の折畳式の携帯電話機における第1の使用形態を示す概略斜視図である。
【図11】従来の折畳式の携帯電話機における第2の使用形態を示す概略斜視図である。
【図12】図10に示す従来の折畳式の携帯電話機の第1の使用形態における内部状態を示す概略図である。
【図13】図11に示す従来の折畳式の携帯電話機の第2の使用形態における内部状態を示す概略図である。
【図14】従来の折畳式の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 第1の筐体
10 内面
10A 光入出窓
11 第1の実装基板
12A メインLCD
12B サブLCD
13 表示制御部
14A 第1の表示制御部
14B 第2の表示制御部
15 光量検出部
16A 第1の表示部
16B 第2の表示部
2 第2の筐体
20 内面
20A 光入出窓
21 第2の実装基板
22 通信制御部
23 操作キーを配設した操作部
3 可動部(ヒンジ部)
4 (第1の)光送受信機
5 (第2の)光送受信機
6 同期検出部
α 通信光
β 通信光
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動(ヒンジ)部により連結される第1の筐体と第2の筐体とにそれぞれ収容された第1の実装基板と第2の実装基板との間で、データのやり取りを行うことができる電子機器及び電子機器内の通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の可動部を有する折畳式の電子機器の構成について、図10〜14を使って説明する。
図10及び図11は、折畳式の電子機器、例えば携帯電話機における開放状態及び閉鎖状態を示すものであり、この折畳式の携帯電話機は、第1の筐体101と、第2の筐体102と、これらの筐体を連結するヒンジ部103とを備えている。
【0003】
また、一般的に、第1の筐体101には第1の表示部104を設けているとともに、第2の筐体102には入力キー105が配置されている。さらに、第1の筐体101には、第1の表示部104を設けた内面とは反対の外面に第2の表示部106(図11参照)を設けているものも開発されている。
【0004】
また、通常、この折畳式の携帯電話機にあっては、例えば図12に示すように、第1の筐体101内部に、前述した第1の表示部104や第2の表示部106などを制御するために第1の実装基板107を設けているとともに、第2の筐体102内部には、入力キー105からの入力の制御などを行うために第2の実装基板108を設けている。
【0005】
これら第1の実装基板107及び第2の実装基板108は、可撓性部材で構成されているとともに、これらの実装基板107,108の間は、電気接続用配線が印刷されているフレキシブル基板109で電気的に接続されており、このフレキシブル基板109を介して、第1の実装基板107と第2の実装基板108との間で制御信号の通信を行っている。
【0006】
また、このフレキシブル基板109を用いることにより、その可撓性を利用して、携帯電話機の使用形態の変化、つまり図12及び図13に示すように、筐体の開状態及び閉状態でのいずれの状態でも、前述の第1、第2の実装基板107,108間での制御信号の通信状態を確実に行うことができるように構成されている。
【0007】
即ち、図14は従来の携帯電話機におけるブロック構成を示したものであり、この携帯電話機では、第2の実装基板108上に実装されている通信制御部121と、第1の実装基板107上に実装されている表示制御部122との間を前述したフレキシブル基板109で接続しており、このフレキシブル基板109により制御信号の通信が行われるようになっている。
このうち、例えば、表示制御部122では、開閉検出部110Aからの携帯電話機の使用形態情報により、第1の表示部104と第2の表示部106とでの各LCDの表示切替動作を制御するように構成している。
【0008】
さらに、このような第1、第2の表示部を備えた携帯電話機にあっては、図12および図13に示すように、ホール素子110Aおよび磁石110Bを実装し、使用形態の変化、つまり筐体の開閉動作に応じて、このホール素子110Aと磁石110Bが近接状態にあるか遠隔状態にあるかを検出し、これらの状態に合わせて第1、第2の表示部104,106の表示動作を行うべきLCDの切替動作などの機器の動作モードを変えるように構成した非接触方式の通信手段が知られている。
【0009】
また、このような非接触方式の通信を行う別の構成の折畳式の携帯電話機として、例えば、ヒンジ部内部にコイルを収容し、このコイルにより被接触方式でデータ及び電源の授受を行う構成であって、ヒンジ部の開閉角度が一定の限定された範囲に限りデータ及び電源の伝達を可能とするものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−26834号公報(第2頁、図4)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のフレキシブル基板を用いる携帯電話機では、フレキシブル基板内に構成されるプリント配線が電子機器の使用形態の変化を繰り返すうちに、経時的に電気的接続が劣化し、ついには断線してしまうという問題があった。
【0012】
また、フレキシブル基板内配線の断線を防ぐために、例えば前述したコイルなどを用いた非接触通信方式の携帯電話機では、ヒンジ部の内部又は近傍にコイルを設置し、電磁誘導によって通信を行う形態となっているので、携帯電話機内部の実装基板へのノイズによる障害が発生し、携帯電話機の動作に悪影響を与える恐れがある。また、携帯電話機外部の電磁界と結合し、外部の携帯電話機に対してノイズ障害をもたらしたり、外部機器からの影響を受けやすい。さらに、アンテナを収容する携帯電話機の場合には、そのアンテナへの影響も大きく、携帯電話機の小型化には大きな障害となる。
【0013】
さらに、光空間伝送方式として、IrDA(InfraRed Data Association;赤外線データ通信規格)などが一般的に知られているが、これは異なる携帯電話機間などの通信を行う方式であり、任意の位置関係にある携帯電話機間などの通信を保証するために、通信可能範囲を広く(通信距離20cm)設定している。そこで、このような通信方式に対応する携帯電話機などでは、通常、光送受信デバイスの発光強度を大きく、しかも広角度の通信を実現するために、光を拡散させるレンズを具備させており、デバイスの小型化が困難となっている。
【0014】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えず、さらに通信対象の位置が確定しており、近距離(通信距離が例えば数cm)で狭範囲の通信を保証でき、IrDA用の光送受信素子よりも小型な光送受信素子にて光通信を実現できる電子機器及び電子機器内の通信方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体及び第2の筐体を可動可能な状態で連結する可動部とを備え、前記第1の筐体に収容する第1の実装基板と前記第2の筐体に収容する第2の実装基板との間でのデータの授受を行う電子機器であって、
前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に光送受信機を有するとともに、
前記光送受信機は、前記第1の実装基板と第2の実装基板との間の通信を、前記可動部を介して前記第1の筐体及び前記第2の筐体の内部において光を用いた空間伝送により行うように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
このような構成により、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現することができる。
【0017】
また、本発明の電子機器は、第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体及び第2の筐体を可動可能な状態で連結する可動部とを備え、前記第1の筐体に収容する第1の実装基板と前記第2の筐体に収容する第2の実装基板との間でのデータの授受を行う電子機器であって、
前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に、第1の光送受信機と、第1の光送受信機の指向範囲外を指向範囲とする第2の光送受信機とを有するとともに、
前記各実装基板における第1、第2の光送受信機のうち、前記可動部の開閉角度によって対面して通信可能となる方に切替える制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
このような構成により、使用態様に応じて光送受信機の通信動作の切替を行うことができ、しかも、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現することができる。
【0019】
また、本発明の電子機器は、前記第1の光送受信機と前記第2の光送受信機とのそれぞれに同期検出部を備えると共に、
前記第1、第2の光送受信機のうち同期が取れて通信可能となる方を検出し、その検出結果に応じて動作を切替える制御手段を備えた
ことを特徴とするものである。
【0020】
このような構成とすることにより、使用形態の変化に伴って動作をかえるソフト処理が不要な電子機器を実現することができる。
【0021】
また、本発明の電子機器は、前記第1又は第2の筐体のいずれか一方に配置する第1及び第2の表示部と、
前記第1の表示部及び前記第1の光送受信機との間に接続する第1の表示制御部と、
前記第2の表示部及び前記第2の光送受信機との間に接続する第2の表示制御部と、
前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となる方へ通信先が切替わり、前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となっている方の光送受信機に接続している前記表示制御部を動作させる制御手段と
を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
このような構成とすることにより、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えずに、使用形態に応じて第1及び第2の表示部での表示動作の切替を制御することができる。
【0023】
また、本発明の電子機器は、筐体外部からの外光を受光する位置に前記光送受信機を配置しているとともに、
前記筐体外部からの外光の光量を検出する光量検出部を配置し、
前記表示制御部は、前記光量検出部の検出した光量によって、前記第1及び第2の表示部のいずれかの表示動作を制御するように構成したことを特徴とするものである。
【0024】
このような構成とすることにより、電子機器の周辺の明るさの検出を行うための専用回路を必要とせずに、表示部のライトの明るさを制御し、電子機器の低消費電力化に有利な電子機器を実現することができる。
【0025】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体及び第2の筐体を可動可能な状態で連結する可動部とを備え、前記第1の筐体に収容される第1の実装基板と前記第2の筐体に収容される第2の実装基板との間でのデータの授受を、前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に設けた光送受信機で行う電子機器内の通信方法であって、
前記第1の実装基板と第2の実装基板との間の制御信号の通信を、前記可動部の内部を介して第1の筐体及び第2の筐体内部にて前記光送受信機による光空間伝送により行うことを特徴とするものである。
【0026】
このような構成により、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現することができる。
【0027】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に、第1の光送受信機と第1の光送受信機の指向範囲外を指向範囲とする第2の光送受信機とを有し、
前記第1、第2の光送受信機のいずれか一方は、前記可動部での開閉角度によって対面して通信可能となると、前記第1、第2の光送受信機での通信動作が切替わることを特徴とするものである。
【0028】
このような構成により、使用態様に応じて光送受信機の通信動作の切替を行うことができ、しかも、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現することができる。
【0029】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、前記第1、第2の光送受信機のうち同期が取れて通信可能となる方を検出し、その検出結果に応じて通信動作が切替わることを特徴とするものである。
【0030】
このような構成とすることにより、使用形態の変化に伴って動作をかえるソフト処理が不要な電子機器を実現することができる。
【0031】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、前記第1又は第2の筐体のいずれか一方に配置する第1及び第2の表示部と、
前記第1の表示部及び前記第1の光送受信機との間に接続する第1の表示制御部と、
前記第2の表示部及び前記第2の光送受信機との間に接続する第2の表示制御部とを備え、
前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となる方へ通信先が切替わり、前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となっている方の光送受信機に接続している前記表示制御部のみを動作させることを特徴とするものである。
【0032】
このような構成とすることにより、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えずに、使用形態に応じて第1及び第2の表示部での表示動作の切替を制御することができる。
【0033】
また、本発明の電子機器内の通信方法は、前記筐体外部からの外光の光量を検出すると、
前記検出した光量によって、前記第1及び第2の表示部のいずれかの表示動作を制御することを特徴とするものである。
【0034】
このような構成とすることにより、電子機器の周辺の明るさの検出を行うための専用回路を必要とせずに、表示部のライトの明るさを制御し、電子機器の低消費電力化に有利な電子機器を実現することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0036】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機を示すものであり、この携帯電話機では、第1の筐体1と第2の筐体2とが可動部を構成するヒンジ部3によって連結されているとともに、第1の筐体1には第1の実装基板11を収容する一方、第2の筐体2には第2の実装基板21を収容している。
【0037】
また、これら第1の実装基板11及び第2の実装基板21には、それぞれ、光送受信機4が実装されている。これらの光送受信機4は、第1の実装基板11と第2の実装基板21の間での通信が必要となる使用形態(本実施の形態の携帯電話機では、第1の筐体1と第2の筐体2とを開いた状態)のときに、互いに対面するような位置関係に配置されている。
【0038】
即ち、本実施の形態では、第1の実装基板11と第2の実装基板21の間での通信を通信光αによって行うようになっているが、これらの光送受信機4では確実な光の授受を確保するため、第1の筐体1と第2の筐体2とを開いた状態のときに、お互いに最接近する各実装基板の端部寄りに設置されている。
【0039】
従って、本実施の形態では、本携帯電話機が取りうる複数の使用形態(筐体が開状態及び閉状態)のうち、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信が必要となる使用形態(筐体が「開状態」のとき)は1つであるので、以上のような構成とすることにより、携帯電話機内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えるおそれのない携帯電話機を実現することができる。
しかも、本実施の形態によれば、従来の可動(ヒンジ)部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能である。
【0040】
さらに、第1の実装基板11及び第2の実装基板21にそれぞれ設置する光送受信機4は、第1の筐体1と第2の筐体2とを開いた状態のときに、お互いに最接近する各実装基板の端部寄りに設置されているので、減衰量を最小限に抑えることができ、その分、この光送受信機4での通信光(例えば、特定波長の光α)を出射する光源の出力をできるだけ抑えることが可能となるので、携帯電話機の筐体の小型化を図ることも可能である。
【0041】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図2は第2の実施形態に係る折畳式の携帯電話機内の通信方法を示すものであり、第1、第2の筐体の第1、第2の実装基板11,21に、それぞれ、第1の実施形態と同様の光送受信機4を搭載しているが、さらに、本実施形態では、第1の筐体1に収容する第1の実装基板11に、メインLCD12A及びサブLCD12Bを搭載させている。
【0042】
なお、メインLCD12Aは、第1、第2の筐体を閉じたときに第2の筐体2と向かい合う第1の筐体1の内面に向けて設置されており、この内面の主要部を占める大きな画面を構成している。一方、サブLCD12Bは、メインLCD12Aを設けた内面とは逆の外面に向けて設置されており、メインLCD12Aよりも小さな画面を構成している。
【0043】
さらに、本実施の形態では、第1の筐体側の第1の実装基板11に、LCD12A,12Bの作動を制御する表示制御部13を実装させているとともに、第2の筐体側の第2の実装基板21に、この第2の実装基板21に搭載されている光送受信機4を制御するための通信制御部22を実装している。
このうち、表示制御部13は、第1の表示部12Aや第2の表示部12Bの表示切替動作などの制御を行うようになっている。
【0044】
次に、本実施の形態の動作について、図2を参照しながら説明する。
第1の使用形態時には、即ち、第1、第2の筐体が完全に開いた状態若しくはそれに近い状態となったときには、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間での通信を、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。
これにより、例えば通信制御部22からの制御により一対の光送受信機4を介して送受信される通信光αにより、表示制御部13から制御信号が出力され、外部へ露出されるメインLCD12Aによる表示動作が開始される。
【0045】
以上のように、本実施の形態に係る折畳式の携帯電話機が取りうる複数の使用形態(つまり、第1、第2の筐体の開放動作及び閉鎖動作)のうち、表示制御部13と通信制御部22との間での通信を必要とする使用形態が1つの場合、即ち、本実施の形態では、第1、第2の筐体の「開状態」となった場合、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間での通信が、光送受信部4での送受信により行われる。
従って、本実施の形態によれば、従来では可動部に発生していた応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能となり、かつ、携帯電話機内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない機内通信方法を実現することができる。
【0046】
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1、第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
【0047】
図3〜5は第3の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機を示すものであり、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、第1の筐体1と第2の筐体2とが可動部を構成するヒンジ部によって連結されているが、第1の実施形態とは異なり、第1の筐体1に収容する第1の実装基板11と第2の筐体2に収容する第2の実装基板21との双方には、それぞれ、第1の光送受信機4と第2の光送受信機5とが実装されている。なお、図3において、符号23は、操作キーを配設した操作部を示すものである。
【0048】
第1の光送受信機4は、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信が必要となる携帯電話機での第1の使用形態(即ち、第1、第2の筐体1,2を開いた状態。以下、これを「開状態」とよぶ)で互いに対面する位置に配置されている。そして、「開状態」(第1の使用形態)での第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信は、この第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行うように構成されている。
【0049】
一方、第2の光送受信機5は、図3及び5に示すように、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信が必要となる携帯電話機での第2の使用形態(即ち、筐体を開いた状態。以下、これを「閉状態」とよぶ)で互いに対面する位置に配置されている。
即ち、本実施の形態では、折畳式の携帯電話機の第1筐体1及び第2筐体2を折畳んだときに、図5に示すように、お互いに対向する内面10、20部分に光入出窓10A,20Aをそれぞれ設けるとともに、これらの光入出窓10A,20Aの直下に第2の光送受信機5をそれぞれ設けている。これにより、「閉状態」(第2の使用形態)での光通信が第2の光送受信機5で送受信される通信光(例えば、通信光αの波長とは異なる特定波長の光)βによって可能となるように構成されている。
【0050】
従って、以上のように構成される本実施の形態によれば、折畳式の携帯電話機が取りうる複数の使用形態(本実施の形態では、第1、第2の筐体1,2の「開状態」及び「閉状態」)において、つまり、第1の実装基板11と第2の実装基板21との間の通信が必要な使用形態が2つの場合であっても、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、機内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない携帯電話機を実現することができる。
【0051】
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係る第4の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1〜第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図6は第4の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機における機内通信方法を示すものであり、本実施の形態では、第3の実施形態と同様に、第1の実装基板11と第2の実装基板21の双方に、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5が実装されている。
【0052】
また、第1の実装基板11において、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5は、ともに、表示制御部13に接続されている。なお、この表示制御部13は、第2の実施の形態と同様に、第1の表示部16Aや第2の表示部16Bの表示切替などの制御を行うものである。
一方、第2の実装基板21において、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5は、ともに、通信制御部22に接続されている。
【0053】
そして、本実施の形態の機内通信方法では、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。一方、第1、第2の筐体1,2が「閉状態」(第2の使用形態)のときには、第2の光送受信機5で送受信される通信光βによって行う。
【0054】
従って、本実施の形態では、以上の構成により、携帯電話機が取りうる複数の使用形態において、表示制御部13と通信制御部22との間の通信が必要な使用形態が2つの場合であっても、第1〜第3の実施形態と同様に、従来の可動部に発生する応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能で、かつ、携帯電話機内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない機内通信方法を実現することができる。
【0055】
[第5の実施の形態]
次に、本発明に係る第5の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1〜第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機における機内通信方法を示すものであり、本実施の形態でも、第3、第4の実施形態と同様に、第1の実装基板11と第2の実装基板21の双方に、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5が実装されている。
【0056】
さらに、本実施の形態では、第1の実装基板11側において、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5と表示制御部13との間での同期を図るため、第1の光送受信機4と表示制御部13との間、および第2の光送受信機5と表示制御部13との間に、それぞれ、同期検出部6を設けている。
【0057】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
本実施の形態でも、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。
また、第3、第4の実施形態と同様に、第1、第2の筐体1,2が「閉状態」(第2の使用形態)のときには、第2の光送受信機5で送受信される通信光βによって行う。
【0058】
しかも、本実施の形態では、第1の光送受信機4と第2の光送受信機5とは、それぞれ、同期検出部6によって通信の同期が図られており、同期状態についての検出結果情報が表示制御部13へ出力される。
そして、この表示制御部13では、同期検出部6での情報を受け取ると、第1の光送受信機4での同期が取れているときは、「開状態」(第1の使用形態)での動作が必要な第1の表示部16Aを起動する。一方、第2の光送受信機5での同期が取れているときは、「閉状態」(第2の使用形態)での動作が必要な第2の表示部16Bを起動するなどの表示動作の切替制御を行う。
【0059】
従って、以上の動作により、本実施の形態によれば、第4の実施の形態での効果に加え、従来必要であった携帯電話機での使用形態の検出を行うための専用回路を必要としないため、部品点数の削減および筐体の小型化に有利な携帯電話機を実現することができる。
【0060】
[第6の実施の形態]
次に、本発明に係る第6の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1〜第5の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図8は、本発明の第6の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機における機内通信方法を示すものであり、本実施の形態でも、第3〜第5の実施の形態と同様に、第1の実装基板11と第2の実装基板21の双方に、第1の光送受信機4及び第2の光送受信機5が実装されている。
【0061】
また、前述したように、第2の実施の形態では、第1の筐体側の第1の実装基板11に、メインLCD12A及びサブLCD12Bの作動を制御する表示制御部13を実装させており、この単一の表示制御部13によりメインLCD12A及びサブLCD12Bの表示切替動作の制御などを行うようになっていたが、本実施の形態では、メインLCD12Aの制御のために第1の表示制御部14Aを設けているとともに、サブLCD12Bの制御のために第2の表示制御部14Bを設けている。
【0062】
即ち、本実施の形態では、第1の光送受信機4には第1の表示制御部14Aが接続しており、この第1の表示制御部14Aが第1の表示部を構成するメインLCD12Aを制御するようになっている。一方、第2の光送受信機5には第2の表示制御部14Bが接続しており、この第2の表示制御部14Bが第2の表示部を構成するサブLCD12Bを制御するようになっている。
【0063】
このように、第1の表示制御部14Aは、第1の光送受信部4とメインLCD12Aとの間に配設されており、第1の光送受信部4からの制御信号で動作してメインLCD12Aを駆動・制御するように構成されている。
同様に、第2の表示制御部14Bは、第2の光送受信部5とサブLCD12Bとの間に配設されており、第1の光送受信部4からの制御信号で動作してサブLCD12Bを駆動・制御するように構成されている。
【0064】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
本実施の形態では、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の実装基板11に実装される第1の表示制御部14Aと第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。
【0065】
一方、第1、第2の筐体1,2が「閉状態」(第2の使用形態)のときには、第1の実装基板11に実装される第2の表示制御部14Bと第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第2の光送受信機5で送受信される通信光βによって行う。
【0066】
従って、第1の光送受信機4が通信しているときは、筐体が「開状態」(第1の使用形態)で動作を行う第1の表示部が起動しているのと同時に、第2の表示部が動作を停止している。また、第2の光送受信機5が通信しているときは、筐体が「閉状態」(第2の使用形態)で動作を行う第2の表示部が起動しているのと同時に、第1の表示部が動作を停止している。
【0067】
従って、本実施の形態によれば、以上のような構成により、使用形態の変化に伴って動作をかえるソフト処理が不要な携帯電話機を実現することができる。
【0068】
[第7の実施の形態]
次に、本発明に係る第7の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において、先の第1〜第6の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図9は、本発明の第7の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機における機内通信方法を示すものであり、本実施の形態でも、第4の実施の形態と同様に、第1の実装基板11と第2の実装基板21との双方に、第1の光送受信機4と第2の光送受信機5が実装されている。
【0069】
さらに、本実施の形態では、第4の実施の形態とは異なり、第1の実装基板に、光量検出部15が付設されている。
この光量検出部15は、入力が第2の光送受信部5の出力に接続されているとともに出力が表示制御部13の入力に接続されており、特定波長の通信光βとは別に外光を第2の光送受信部5が受光すると、この受光量に応じて出力される検出信号が光量検出部15に入力して筐体周辺の光量を検出するように構成されている。
【0070】
また、この光量検出部15では、検出する光量に応じて所定の検出信号を表示制御部13へ出力するようになっており、これにより、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の表示部を構成するメインLCDのバックライトの明るさを制御するように構成されている。
【0071】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
本実施の形態では、第1〜第6の実施形態と同様に、第1、第2の筐体1,2が「開状態」(第1の使用形態)のときには、第1の実装基板11に実装される表示制御部13と第2の実装基板21に実装される通信制御部22との間の通信を、第1の光送受信機4で送受信される通信光αによって行う。
【0072】
一方、第1、第2の筐体1,2が「閉状態」(第2の使用形態)のときには、第2の光送受信機5で送受信される通信光βによって行う。また、この第2の光送受信機5は、光量検出部15によって筐体の「開状態」(第1の使用形態)のときの受光レベルを観測させるようにも構成されており、この受光レベルより得られる光量の検出結果は、表示制御部13へ出力される。
【0073】
そして、この表示制御部13では、光量検出部15からの情報を受け取ると、その光量に合わせて筐体の「開状態」(第1の使用形態)で動作している第1の表示部を構成するメインLCDのバックライトの明るさを制御する。
【0074】
従って、以上のような構成により、本実施の形態では、第4の実施の形態での効果に加え、使用する携帯電話機での周辺の明るさの検出を行うための専用回路を必要とせずに、表示部のバックライトの明るさを制御し、低消費電力化に有利な電子携帯電話機を実現することができる。
【0075】
以上、説明してきた実施の形態では、本発明の電子機器を携帯電話機に適用してきたが、とくにこれに限定されるものではなく、可動部で連結された第1、第2の筐体を有する各種の電子機器への適用が可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明は、可動部によって分離された2つの実装基板間の通信を光によって行うことにより、従来の可動部に発生していた応力による断線不良の問題を完全に防ぐことが可能となり、かつ、電子機器内の回路や外部機器へのノイズ弊害も全く与えない電子機器を実現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の筐体を開いた第1の使用態様を示す概略図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の筐体を開いた第1の使用態様を示す概略図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の筐体を閉じた第2の使用態様を示す概略図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係る折畳式の携帯電話機の電気的な構成などを示すブロック図である。
【図10】従来の折畳式の携帯電話機における第1の使用形態を示す概略斜視図である。
【図11】従来の折畳式の携帯電話機における第2の使用形態を示す概略斜視図である。
【図12】図10に示す従来の折畳式の携帯電話機の第1の使用形態における内部状態を示す概略図である。
【図13】図11に示す従来の折畳式の携帯電話機の第2の使用形態における内部状態を示す概略図である。
【図14】従来の折畳式の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 第1の筐体
10 内面
10A 光入出窓
11 第1の実装基板
12A メインLCD
12B サブLCD
13 表示制御部
14A 第1の表示制御部
14B 第2の表示制御部
15 光量検出部
16A 第1の表示部
16B 第2の表示部
2 第2の筐体
20 内面
20A 光入出窓
21 第2の実装基板
22 通信制御部
23 操作キーを配設した操作部
3 可動部(ヒンジ部)
4 (第1の)光送受信機
5 (第2の)光送受信機
6 同期検出部
α 通信光
β 通信光
Claims (10)
- 第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体及び第2の筐体を可動可能な状態で連結する可動部とを備え、前記第1の筐体に収容する第1の実装基板と前記第2の筐体に収容する第2の実装基板との間でのデータの授受を行う電子機器であって、
前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に光送受信機を有するとともに、
前記光送受信機は、前記第1の実装基板と第2の実装基板との間の通信を、前記可動部を介して前記第1の筐体及び前記第2の筐体の内部において光を用いた空間伝送により行うように構成したことを特徴とする電子機器。 - 第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体及び第2の筐体を可動可能な状態で連結する可動部とを備え、前記第1の筐体に収容する第1の実装基板と前記第2の筐体に収容する第2の実装基板との間でのデータの授受を行う電子機器であって、
前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に、第1の光送受信機と、第1の光送受信機の指向範囲外を指向範囲とする第2の光送受信機とを有するとともに、
前記各実装基板における第1、第2の光送受信機のうち、前記可動部の開閉角度によって対面して通信可能となる方に切替える制御手段を備えたことを特徴とする電子機器。 - 前記第1の光送受信機と前記第2の光送受信機とのそれぞれに同期検出部を備えると共に、
前記第1、第2の光送受信機のうち同期が取れて通信可能となる方を検出し、その検出結果に応じて動作を切替える制御手段を備えた
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。 - 前記第1又は第2の筐体のいずれか一方に配置する第1及び第2の表示部と、
前記第1の表示部及び前記第1の光送受信機との間に接続する第1の表示制御部と、
前記第2の表示部及び前記第2の光送受信機との間に接続する第2の表示制御部と、
前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となる方へ通信先が切替わり、前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となっている方の光送受信機に接続している前記表示制御部を動作させる制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子機器。 - 筐体外部からの外光を受光する位置に前記光送受信機を配置しているとともに、
前記筐体外部からの外光の光量を検出する光量検出部を配置し、
前記表示制御部は、前記光量検出部の検出した光量によって、前記第1及び第2の表示部のいずれかの表示動作を制御するように構成したことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。 - 第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体及び第2の筐体を可動可能な状態で連結する可動部とを備え、前記第1の筐体に収容される第1の実装基板と前記第2の筐体に収容される第2の実装基板との間でのデータの授受を、前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に設けた光送受信機で行う電子機器内の通信方法であって、
前記第1の実装基板と第2の実装基板との間の制御信号の通信を、前記可動部の内部を介して第1の筐体及び第2の筐体内部にて前記光送受信機による光空間伝送により行うことを特徴とする電子機器内の通信方法。 - 前記第1の実装基板と前記第2の実装基板の双方に、第1の光送受信機と第1の光送受信機の指向範囲外を指向範囲とする第2の光送受信機とを有し、
前記第1、第2の光送受信機のいずれか一方は、前記可動部での開閉角度によって対面して通信可能になると、前記第1、第2の光送受信機のいずれかでの通信動作に切替わることを特徴とする請求項6に記載の電子機器内の通信方法。 - 前記第1、第2の光送受信機のうち同期が取れて通信可能となる方を検出し、その検出結果に応じて通信動作が切替わることを特徴とする請求項7に記載の電子機器内の通信方法。
- 前記第1又は第2の筐体のいずれか一方に配置する第1及び第2の表示部と、
前記第1の表示部及び前記第1の光送受信機との間に接続する第1の表示制御部と、
前記第2の表示部及び前記第2の光送受信機との間に接続する第2の表示制御部とを備え、
前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となる方へ通信先が切替わり、前記第1、第2の光送受信機のうち通信可能となっている方の光送受信機に接続している前記表示制御部のみを動作させることを特徴とする請求項7又は8に記載の電子機器内の通信方法。 - 前記筐体外部からの外光の光量を検出すると、
前記検出した光量によって、前記第1及び第2の表示部のいずれかの表示動作を制御することを特徴とする請求項9に記載の電子機器内の通信方法。
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- 2003-03-14 JP JP2003070214A patent/JP2004282353A/ja active Pending
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