JP2004281591A - 半導体エピタキシャルウエハとその製法,半導体装置及びその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、結晶欠陥が非常に少なく、且つゲッタリング作用も高く均一な膜厚を有する大口径のSiエピウエハの半導体基板の構造及びその製造方法に関する。
【解決手段】Siの単結晶基板ウエハ表面にSi単結晶薄層(エピ層)を形成したエピウエハにおいて、前記Si単結晶基板とSi単結晶薄層の間に、少なくとも前述Si単結晶基板及びSi単結晶薄層両者との界面において、結晶学的単位格子におけるSi単結晶基板表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記Si単結晶基板とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ないSi1−xGex単結晶薄層を設ける。
【効果】従来エピウエハに比べて結晶欠陥が非常に少なく、且つゲッタリング作用も高く均一な膜厚を有する大口径のSiエピウエハを、高い生産性で得ることができる。
また、本発明により微細構造MOSトランジスタの製造歩留まりを大幅に向上することができ、且つ半導体装置の信頼性が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】Siの単結晶基板ウエハ表面にSi単結晶薄層(エピ層)を形成したエピウエハにおいて、前記Si単結晶基板とSi単結晶薄層の間に、少なくとも前述Si単結晶基板及びSi単結晶薄層両者との界面において、結晶学的単位格子におけるSi単結晶基板表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記Si単結晶基板とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ないSi1−xGex単結晶薄層を設ける。
【効果】従来エピウエハに比べて結晶欠陥が非常に少なく、且つゲッタリング作用も高く均一な膜厚を有する大口径のSiエピウエハを、高い生産性で得ることができる。
また、本発明により微細構造MOSトランジスタの製造歩留まりを大幅に向上することができ、且つ半導体装置の信頼性が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体の気相成長方法に係わり、特に半導体単結晶膜の成長方法、及び半導体単結晶膜を形成した基板ウエハとそれを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン(Si)の単結晶基板(ウエハ)の上に基板と同じ方位をもつSi単結晶薄膜を高温度(1000℃以上)の気相化学反応で形成するSiエピタキシャル(epitaxial、エピ)成長は半導体工業における主要なプロセス技術のひとつである。この技術で形成されるエピタキシャルウエハ(エピウエハ)はトランジスタ,ダイオード,サイリスタなどの個別半導体素子等の製造に広く適用されている。最近、CZウエハのボイド欠陥がLSIの歩留まり低下の要因であることが判明し、この対策としてLSI製造の基板ウエハとしてCZウエハに薄いエピ層(約0.5μm )を形成した薄膜エピウエハを使用する傾向にあり、エピウエハの需要は益々拡大しつつある。
【0003】
従来、エピウエハはいわゆるディスク型やバレル型とよばれるエピタキシャル成長炉を用い行われている。これらの方式は回転するディスク状、あるいはバレル状の加熱台に基板ウエハ(CZウエハ)を平面的に並べて加熱し、エピ層の原料となるSi化合物ガスとエピ層の抵抗率を決めるドーピングガスをキャリヤガスの水素中に一定濃度混入した原料ガスを供給しエピ成長する方式である。
【0004】
近年、大口径化するウエハ径(12インチ以上)への対応やウエハ・チャージ数の増大による生産性の向上を目的とし、いずれの方式のエピタキシャル炉においても装置を改善し、大型化したサセプタを用いたエピタキシャル成長が実施されている。また、ウエハ処理を自動化した枚葉処理方式のエピ炉も開発,実用化されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−344598号公報
一方、エピウエハでは成長に用いる塩化物系原料ガスに起因した塩化鉄によりエピ層に鉄が混入しLSI素子の特性が劣化する問題があるが、基板ウエハの内部の結晶欠陥を制御してゲッタリングすることで対策している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の大型サセプタによるエピ成長は、サセプタ表面の全ての領域に対する原料ガスの均一供給が困難となり、回転によってこの不均一を補償してもサセプタ全領域にチャージした基板ウエハに対するエピ層膜厚を均一にすることは非常に困難である。また、装置の大型化は加熱エネルギーや使用ガスの増大、更に装置コストの高額化を招き、エピウエハ価格を高額とする原因になっている。さらに、前述枚葉処理方式のエピ炉においても時間当たりの生産性の点で未だ十分と言えず、この点がエピウエハの価格低減の妨げとなっている。また、含有酸素濃度による基板ウエハ内部の結晶欠陥を制御する方法は酸素濃度の許容範囲も小さく、十分なゲッタリングを達成していると言えない。
【0007】
本発明は前述した問題点を解消する十分なゲッタリング効果を有するエピウエハの構造、及び大口径のエピウエハを高い生産性で作成するエピ成長製法、さらにこのエピウエハを用いる信頼性の高い半導体装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
1)上記目的は、Siの単結晶基板ウエハ表面にSi単結晶薄層(エピ層)を形成したエピウエハにおいて、前記Si単結晶基板とSi単結晶薄層の間に、少なくとも前述Si単結晶基板及びSi単結晶薄層両者との界面において、(結晶学的単位格子におけるSi単結晶基板表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記
Si単結晶基板とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ない)Si1−xGex単結晶薄層を設けることにより達成される。
【0009】
2)また上記目的は、モノシラン(SiH4 )などのSi化合物ガスとゲルマン(GeH4 )ガスなどのGe化合物ガスを用いるCVD法により、Si基板ウエハ上に前記混合ガスの流量比を調節してSi1−xGex(ここでxはGe組成比)のアモルファス膜を形成し、該Si1−xGexのアモルファス膜表面にモノシランなどのSi化合物原料を用いるCVD法によりアモルファスSi膜を形成した後、Si1−xGexアモルファス膜とアモルファスSi膜を形成した前記Si基板ウエハを略600℃以上の熱処理を加えて前記2層のアモルファス膜を単結晶化する製造方法により達成される。
【0010】
3)上記目的は、絶縁膜で埋めた素子分離用溝で囲まれた単結晶Si領域の一部にゲート絶縁膜とゲート電極を積層状に形成し、前記ゲート領域以外のSi領域にソース及びドレイン領域を形成するMOSトランジスタにおいて、前記ゲート絶縁膜の下層のチャネル形成領域を、少なくとも前述Si単結晶基板及びSi単結晶薄層両者との界面において結晶学的単位格子におけるSi単結晶基板表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記Si単結晶基板とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ないSi1−xGex単結晶薄層の上に単結晶Si層を積層した多層構造とすることにより達成される。
【0011】
4)また上記目的は、Si基板ウエハ上に素子分離用の溝を形成し、次いでこの溝を絶縁膜で埋めた後、前記Si領域に形成したゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、前記ゲート領域以外のSi領域にソース及びドレイン領域を形成するMOSトランジスタの製造方法において、前記ゲート絶縁膜形成前にアモルファスSi1−xGex膜と、前記アモルファスSi1−xGex膜上にアモルファスSi膜を積層した後、略600℃以上の高温の熱処理を加えて前記2層のアモルファス膜を単結晶化する製造方法により達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
次に本発明の実施例について説明する。
【0013】
図1は本発明を説明する断面略図である。4は本発明のエピウエハ、1は単結晶のSi基板ウエハ、3はSi薄層(エピ層)である。また、2は少なくとも前述単結晶Si基板ウエハ1及びSi単結晶薄層3両者との界面において結晶学的単位格子における単結晶Si基板ウエハ1表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記単結晶Si基板ウエハ1とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ない
Si1−xGex、単結晶薄層である。
【0014】
図2の断面写真(透過型電子顕微鏡写真)に示すように、単結晶Si基板ウエハ1上にはSi1−xGex単結晶層2とSi単結晶層3が単結晶Si基板ウエハ1と欠陥もなく格子整合している。この結晶の格子間隔をX線回折で調べた結果、Si1−xGex単結晶層2上のSi単結晶層3は従来のエピウエハと同様に格子定数が単結晶Si基板ウエハ1と同一のエピ層であることが分かった。
【0015】
一般に、Si原子に比べ原子半径の大きなGe原子を含むSi1−xGex単結晶はその組成比xの割合分Si単結晶に比べ格子定数は大きくなる。したがって、この上に無欠陥でヘテロエピ成長したSi単結晶は格子定数がSi1−xGex単結晶と同一になりSi単結晶には圧縮歪を生じる。しかしながら、本発明エピウエハのSi単結晶層は従来のエピウエハと同様にSi本来の格子定数を有し、逆にSi1−xGex単結晶層2の結晶学的単位格子における単結晶Si基板ウエハ1の表面に平行な方向の間隔が小さくなって単結晶Si基板ウエハ1の間隔とほぼ同一に変化し、さらに単結晶Si基板ウエハ1の表面に垂直方向の間隔は大きくなっていることが判明した。このことはSi1−xGex単結晶層2に圧縮の歪が生じており、このような圧縮歪が生じた層には熱処理中に移動する鉄などの重金属原子が冷却時に集まり易く、したがって本発明構造のエピウエハは従来のエピウエハに比ベゲッタリング作用が大きくなることも分かった。
【0016】
(実施例2)
次に本発明のエピウエハ4の製造方法の一実施例について、図3に従って詳細に説明する。
【0017】
最初に直径が200mmで面方位(100)の単結晶Si基板ウエハ1を用意する{図3(a)}。この基板ウエハの単結晶Si基板ウエハ1表面にモノシラン(SiH4 )などのSi化合物ガスとゲルマン(GeH4 )ガスなどのGe化合物ガスを用いるCVD法により、Si基板ウエハ上に前記混合ガスの流量比を調節してSi1−xGexのアモルファス膜12を形成する{図4(b)}。この場合、Ge組成比や膜厚はあとの固相成長工程での欠陥発生を最少にするため最適化する必要が有るが、目安としてはGe組成比は0.5 以下が、また膜厚は組成比に対する欠陥発生の臨界膜厚以下が適当である。本実施例においては減圧CVD法により、成膜圧力を133Pa、成膜温度をおよそ450℃としてSiの原料ガスとしてシランガスを用い20ml/min 、Geの原料ガスとしてゲルマンガスを2ml/min 供給しアモルファスSi1−xGex膜12を堆積した。この場合の
Ge組成比は0.25 、膜厚は25nmであった。
【0018】
次いでアモルファスSi1−xGex膜12の表面にアモルファスSi膜13を形成する{図3(c)}。本実施例ではゲルマンガスの供給を止め、成膜圧力は一定として、シランガスが単体で分解し始める下限温度に近い580℃まで成膜温度を高め30nmのアモルファスSi膜13を堆積した。またこの場合、単結晶Si基板ウエハ1と同等の導電型と抵抗率を得るために所定量のジボランガス
(B2H6)をドーピングガスとして添加した。
【0019】
以上の図3(b),(c)の工程はアモルファス膜を低温度で堆積する工程であり、従来の縦型ホットウォール方式CVD装置により100枚から200枚の基板ウエハを一度に処理することが可能で、高い生産性が得られる。更に堆積反応が表面反応律速であることから膜厚均一性はガスの流れでなく温度で決まり、大口径ウエハの膜厚の均一性確保も容易である。
【0020】
次いでアモルファスSi1−xGex膜12とアモルファスSi膜13を形成した積層体を高温度で熱処理して二つの膜を単結晶化する{図3(d)}。
【0021】
一般に、アモルファスのSi1−xGexやシリコンでは未結合手が水素原子で終端されている。したがって、アモルファス膜を結晶化するためには前述終端水素原子の脱離が開始される略600℃以上の温度が必要である。本実施例では前述積層体を形成後、高純度の窒素雰囲気中で750℃,10分の熱処理を行った。以上の熱処理によりアモルファスSi1−xGex膜12は基板Siの結晶方位に従い固相成長し単結晶のSi1−xGex層2となり、さらに上方のアモルファスSi膜もSi1−xGex層の格子間隔を引き継ぎ結晶欠陥が非常に少ないSi単結晶層3が得られた。
【0022】
メカニズムの詳細は不明であるが以下のことが推定される。
【0023】
一般にアモルファスSiの固相エピ成長においては、エピ成長の核がアモルファスSi中に多数存在することから結晶化がランダムに起き、それぞれの面方位の結晶粒が成長し多結晶化したり、結晶欠陥が多発する場合が多い。しかしながら、本発明においては成長の種となる単結晶Si基板ウエハ1の表面に熱エネルギーを受けた場合の原子移動がSi原子に比べて大きいGe原子を含むアモルファスSi1−xGex膜12が形成されており、熱処理による最初の結晶化がこのアモルファスSi1−xGex膜12から始まることから、単結晶Si基板ウエハ1の格子が完全に引き継がれるものと推定される。このような固相エピ成長はSiやGe原子に限られることはなく、エピ層と単結晶基板の間に基板と同一結晶系を有し、且つ基板に比べて融点の低い元素の混層でなる緩衝層を設けることにより達成される。
【0024】
以上の工程により、結晶欠陥が非常に少なく、且つ高い膜厚均一性を有する大口径のSiエピウエハ4を、高い生産性で得ることができる。
【0025】
(実施例3)
次に本発明の半導体装置の他の実施例について詳細に説明する。図4は本発明のMOSトランジスタの断面概略図である。1は単結晶のSi基板ウエハ、3はSi単結晶薄層である。また、2は少なくとも前述の単結晶Si基板ウエハ1及びSi単結晶薄層3両者との界面において結晶学的単位格子における単結晶Si基板ウエハ1表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記単結晶Si基板ウエハ1とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ないSi1−xGex単結晶薄層である。さらに、101は溝状に加工された領域にSiO2 などの絶縁膜を埋め込んで形成された素子分離領域である。102はゲート絶縁膜、103,107はそれぞれゲート領域、ゲート電極、また104は絶縁性の膜で形成する所謂サイドウォールである。105,108はそれぞれソース領域,ソース電極、さらに106,109はそれぞれドレイン領域,ドレイン電極を示す。
【0026】
このような断面構造のMOSトランジスタは実施例1で述べたように、結晶欠陥が非常にすくなく、且つゲッタリング作用が高いことからチャネル領域の結晶欠陥に起因した動作不良の軽減,高温動作時などにおける高い信頼性を得ることができる。
【0027】
なお、本構成は単結晶Si基板ウエハ1の上に形成されていることから、絶縁基板状に極薄のSi単結晶層が形成されているSOI基板を用いれば、SOI構造のMOSトランジスタに対しても適用可能である。
【0028】
(実施例4)
次に本発明を適用した半導体装置の製造方法の一実施例について、図5の断面概略図に従って詳細に説明する。
【0029】
最初に直径が300mmで面方位(100)のp型、約10Ωcmの単結晶Si基板ウエハ1を用意し、この単結晶Si基板ウエハ1の一部をドライエッチング法で溝状にエッチングした後、SiO2 などの酸化物を溝内に入れることで素子分離領域101を形成する{図5(a)}。
【0030】
次いで、この単結晶Si基板ウエハ1表面に前述実施例2と同様の方法のCVD法にSi1−xGexのアモルファス膜を形成する。本実施例においては原料ガスにモノシランガスを20ml/min 、ゲルマンガスを2ml/min 、水素ガスを1l/min 供給して圧力は133Pa、温度は450℃で堆積した。
【0031】
この場合ゲルマンガスは溝領域の酸化物と反応して酸化ゲルマニウム(GeO)を生成する。このGeOは蒸気圧が小さく気体になり易く、アモルファスSi1−xGex膜は溝に埋め込まれた素子分離領域101表面には堆積せず、単結晶Si基板ウエハ1のSi表面のみに選択的に堆積することができる{図5(b)}。
【0032】
引き続きアモルファスSi1−xGex膜12表面に、前述アモルファスSi膜
13を形成する{図5(c)}。この場合は、アモルファスSi1−xGex膜12上にのみアモルファスSi膜13選択堆積するために、原料ガスのモノシランと共にHClなどのエッチングガスを少量添加する。この条件の一実施例として、原料ガスにモノシランガスを20ml/min 、塩化水素ガスを5ml/min 、水素ガスを1l/min 、成長圧力は133Pa、成長温度は580℃などである。またこの場合、単結晶Si基板ウエハ1と同等の導電型と抵抗率を得るために所定量のジボランガス(B2H6)をドーピングガスとして添加した。
【0033】
次いで、アモルファスSi1−xGex膜12とアモルファスSi膜13を選択的に形成した単結晶Si基板ウエハ1を高温度で熱処理して二つの膜を単結晶化する{図5(d)}。
【0034】
以上の工程は、アモルファスSi1−xGex膜12とアモルファスSi膜13を素子分離領域101の形成後に選択的に形成する場合について説明した。
【0035】
実施例1に示すエピウエハ4を作成した後、この単結晶Si基板ウエハ1の一部をドライエッチング法で溝状にエッチング、SiO2 などの酸化物で溝内を埋めて素子分離領域101を形成しても良い。
【0036】
以下の工程は通常のLSIの製造工程とほぼ同等である。
【0037】
ゲート絶縁膜102を熱酸化などの方法により形成後、多結晶Siを熱CVD法で形成し、フォトリソグラフィとドライエッチングによってゲート領域103を形成する{図5(e)}。
【0038】
次に、熱CVD法による絶縁膜形成とフォトリソグラフィ,ドライエッチング加工を施してゲート領域103側壁に絶縁膜のサイドウォール104を形成した後、リンをイオン打ち込みしソース/ドレイン領域105,106を形成する
{図14(f)}。
【0039】
最後にチタンなどのメタルを堆積したあとシリコン露出部のみをシリサイド化してゲート電極107,ソース電極108,ドレイン電極109夫々を形成してnチャンネルのMOSトランジスタの基本形状が完成する{図5(g)}。
【0040】
本実施例では半導体基板にp型を用いたnチャネルのMOSトランジスタを作製する概略を説明したが、通常のLSIで実施されているように、最初にn型ウエル領域を形成しておき、この領域のソース/ドレイン層にはボロンをイオン打ち込みしてpチャネルのMOSトランジスタも同時に形成することも当然可能である。
【0041】
以上の実施例で作製したMOSトランジスタは製造歩留まりが良く、また高信頼性を有することが分かった。
【0042】
【発明の効果】
本発明により結晶欠陥が非常に少なく、且つゲッタリング作用も高く均一な膜厚を有する大口径のSiエピウエハを、高い生産性で得ることができる。
【0043】
また、本発明によりSi層に微細構造のMOSトランジスタなどの半導体装置を形成する場合の製造歩留まりを大幅に向上することができると共に、半導体装置の信頼性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明するためのエピウエハの断面概略図。
【図2】本発明の実施例1を説明するエピウエハ断面の電子顕微鏡写真。
【図3】本発明の実施例2を説明するエピウエハの製造方法を示す図。
【図4】本発明の実施例3を説明するための半導体装置の断面概略図。
【図5】本発明の実施例4を説明するための半導体装置の製造方法を示す図。
【符号の説明】
1…単結晶Si基板ウエハ、2…単結晶のSi1−xGex層、3…Si薄層(Siエピ層)、4…エピウエハ、12…アモルファスSi1−xGex膜、13…アモルファスのSi膜、101…素子分離領域、102…ゲート絶縁膜、103…ゲート領域、104…サイドウォール、105…ソース領域、106…ドレイン領域、107…ゲート電極、108…ソース電極、109…ドレイン電極。
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体の気相成長方法に係わり、特に半導体単結晶膜の成長方法、及び半導体単結晶膜を形成した基板ウエハとそれを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン(Si)の単結晶基板(ウエハ)の上に基板と同じ方位をもつSi単結晶薄膜を高温度(1000℃以上)の気相化学反応で形成するSiエピタキシャル(epitaxial、エピ)成長は半導体工業における主要なプロセス技術のひとつである。この技術で形成されるエピタキシャルウエハ(エピウエハ)はトランジスタ,ダイオード,サイリスタなどの個別半導体素子等の製造に広く適用されている。最近、CZウエハのボイド欠陥がLSIの歩留まり低下の要因であることが判明し、この対策としてLSI製造の基板ウエハとしてCZウエハに薄いエピ層(約0.5μm )を形成した薄膜エピウエハを使用する傾向にあり、エピウエハの需要は益々拡大しつつある。
【0003】
従来、エピウエハはいわゆるディスク型やバレル型とよばれるエピタキシャル成長炉を用い行われている。これらの方式は回転するディスク状、あるいはバレル状の加熱台に基板ウエハ(CZウエハ)を平面的に並べて加熱し、エピ層の原料となるSi化合物ガスとエピ層の抵抗率を決めるドーピングガスをキャリヤガスの水素中に一定濃度混入した原料ガスを供給しエピ成長する方式である。
【0004】
近年、大口径化するウエハ径(12インチ以上)への対応やウエハ・チャージ数の増大による生産性の向上を目的とし、いずれの方式のエピタキシャル炉においても装置を改善し、大型化したサセプタを用いたエピタキシャル成長が実施されている。また、ウエハ処理を自動化した枚葉処理方式のエピ炉も開発,実用化されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−344598号公報
一方、エピウエハでは成長に用いる塩化物系原料ガスに起因した塩化鉄によりエピ層に鉄が混入しLSI素子の特性が劣化する問題があるが、基板ウエハの内部の結晶欠陥を制御してゲッタリングすることで対策している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の大型サセプタによるエピ成長は、サセプタ表面の全ての領域に対する原料ガスの均一供給が困難となり、回転によってこの不均一を補償してもサセプタ全領域にチャージした基板ウエハに対するエピ層膜厚を均一にすることは非常に困難である。また、装置の大型化は加熱エネルギーや使用ガスの増大、更に装置コストの高額化を招き、エピウエハ価格を高額とする原因になっている。さらに、前述枚葉処理方式のエピ炉においても時間当たりの生産性の点で未だ十分と言えず、この点がエピウエハの価格低減の妨げとなっている。また、含有酸素濃度による基板ウエハ内部の結晶欠陥を制御する方法は酸素濃度の許容範囲も小さく、十分なゲッタリングを達成していると言えない。
【0007】
本発明は前述した問題点を解消する十分なゲッタリング効果を有するエピウエハの構造、及び大口径のエピウエハを高い生産性で作成するエピ成長製法、さらにこのエピウエハを用いる信頼性の高い半導体装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
1)上記目的は、Siの単結晶基板ウエハ表面にSi単結晶薄層(エピ層)を形成したエピウエハにおいて、前記Si単結晶基板とSi単結晶薄層の間に、少なくとも前述Si単結晶基板及びSi単結晶薄層両者との界面において、(結晶学的単位格子におけるSi単結晶基板表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記
Si単結晶基板とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ない)Si1−xGex単結晶薄層を設けることにより達成される。
【0009】
2)また上記目的は、モノシラン(SiH4 )などのSi化合物ガスとゲルマン(GeH4 )ガスなどのGe化合物ガスを用いるCVD法により、Si基板ウエハ上に前記混合ガスの流量比を調節してSi1−xGex(ここでxはGe組成比)のアモルファス膜を形成し、該Si1−xGexのアモルファス膜表面にモノシランなどのSi化合物原料を用いるCVD法によりアモルファスSi膜を形成した後、Si1−xGexアモルファス膜とアモルファスSi膜を形成した前記Si基板ウエハを略600℃以上の熱処理を加えて前記2層のアモルファス膜を単結晶化する製造方法により達成される。
【0010】
3)上記目的は、絶縁膜で埋めた素子分離用溝で囲まれた単結晶Si領域の一部にゲート絶縁膜とゲート電極を積層状に形成し、前記ゲート領域以外のSi領域にソース及びドレイン領域を形成するMOSトランジスタにおいて、前記ゲート絶縁膜の下層のチャネル形成領域を、少なくとも前述Si単結晶基板及びSi単結晶薄層両者との界面において結晶学的単位格子におけるSi単結晶基板表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記Si単結晶基板とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ないSi1−xGex単結晶薄層の上に単結晶Si層を積層した多層構造とすることにより達成される。
【0011】
4)また上記目的は、Si基板ウエハ上に素子分離用の溝を形成し、次いでこの溝を絶縁膜で埋めた後、前記Si領域に形成したゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、前記ゲート領域以外のSi領域にソース及びドレイン領域を形成するMOSトランジスタの製造方法において、前記ゲート絶縁膜形成前にアモルファスSi1−xGex膜と、前記アモルファスSi1−xGex膜上にアモルファスSi膜を積層した後、略600℃以上の高温の熱処理を加えて前記2層のアモルファス膜を単結晶化する製造方法により達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
次に本発明の実施例について説明する。
【0013】
図1は本発明を説明する断面略図である。4は本発明のエピウエハ、1は単結晶のSi基板ウエハ、3はSi薄層(エピ層)である。また、2は少なくとも前述単結晶Si基板ウエハ1及びSi単結晶薄層3両者との界面において結晶学的単位格子における単結晶Si基板ウエハ1表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記単結晶Si基板ウエハ1とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ない
Si1−xGex、単結晶薄層である。
【0014】
図2の断面写真(透過型電子顕微鏡写真)に示すように、単結晶Si基板ウエハ1上にはSi1−xGex単結晶層2とSi単結晶層3が単結晶Si基板ウエハ1と欠陥もなく格子整合している。この結晶の格子間隔をX線回折で調べた結果、Si1−xGex単結晶層2上のSi単結晶層3は従来のエピウエハと同様に格子定数が単結晶Si基板ウエハ1と同一のエピ層であることが分かった。
【0015】
一般に、Si原子に比べ原子半径の大きなGe原子を含むSi1−xGex単結晶はその組成比xの割合分Si単結晶に比べ格子定数は大きくなる。したがって、この上に無欠陥でヘテロエピ成長したSi単結晶は格子定数がSi1−xGex単結晶と同一になりSi単結晶には圧縮歪を生じる。しかしながら、本発明エピウエハのSi単結晶層は従来のエピウエハと同様にSi本来の格子定数を有し、逆にSi1−xGex単結晶層2の結晶学的単位格子における単結晶Si基板ウエハ1の表面に平行な方向の間隔が小さくなって単結晶Si基板ウエハ1の間隔とほぼ同一に変化し、さらに単結晶Si基板ウエハ1の表面に垂直方向の間隔は大きくなっていることが判明した。このことはSi1−xGex単結晶層2に圧縮の歪が生じており、このような圧縮歪が生じた層には熱処理中に移動する鉄などの重金属原子が冷却時に集まり易く、したがって本発明構造のエピウエハは従来のエピウエハに比ベゲッタリング作用が大きくなることも分かった。
【0016】
(実施例2)
次に本発明のエピウエハ4の製造方法の一実施例について、図3に従って詳細に説明する。
【0017】
最初に直径が200mmで面方位(100)の単結晶Si基板ウエハ1を用意する{図3(a)}。この基板ウエハの単結晶Si基板ウエハ1表面にモノシラン(SiH4 )などのSi化合物ガスとゲルマン(GeH4 )ガスなどのGe化合物ガスを用いるCVD法により、Si基板ウエハ上に前記混合ガスの流量比を調節してSi1−xGexのアモルファス膜12を形成する{図4(b)}。この場合、Ge組成比や膜厚はあとの固相成長工程での欠陥発生を最少にするため最適化する必要が有るが、目安としてはGe組成比は0.5 以下が、また膜厚は組成比に対する欠陥発生の臨界膜厚以下が適当である。本実施例においては減圧CVD法により、成膜圧力を133Pa、成膜温度をおよそ450℃としてSiの原料ガスとしてシランガスを用い20ml/min 、Geの原料ガスとしてゲルマンガスを2ml/min 供給しアモルファスSi1−xGex膜12を堆積した。この場合の
Ge組成比は0.25 、膜厚は25nmであった。
【0018】
次いでアモルファスSi1−xGex膜12の表面にアモルファスSi膜13を形成する{図3(c)}。本実施例ではゲルマンガスの供給を止め、成膜圧力は一定として、シランガスが単体で分解し始める下限温度に近い580℃まで成膜温度を高め30nmのアモルファスSi膜13を堆積した。またこの場合、単結晶Si基板ウエハ1と同等の導電型と抵抗率を得るために所定量のジボランガス
(B2H6)をドーピングガスとして添加した。
【0019】
以上の図3(b),(c)の工程はアモルファス膜を低温度で堆積する工程であり、従来の縦型ホットウォール方式CVD装置により100枚から200枚の基板ウエハを一度に処理することが可能で、高い生産性が得られる。更に堆積反応が表面反応律速であることから膜厚均一性はガスの流れでなく温度で決まり、大口径ウエハの膜厚の均一性確保も容易である。
【0020】
次いでアモルファスSi1−xGex膜12とアモルファスSi膜13を形成した積層体を高温度で熱処理して二つの膜を単結晶化する{図3(d)}。
【0021】
一般に、アモルファスのSi1−xGexやシリコンでは未結合手が水素原子で終端されている。したがって、アモルファス膜を結晶化するためには前述終端水素原子の脱離が開始される略600℃以上の温度が必要である。本実施例では前述積層体を形成後、高純度の窒素雰囲気中で750℃,10分の熱処理を行った。以上の熱処理によりアモルファスSi1−xGex膜12は基板Siの結晶方位に従い固相成長し単結晶のSi1−xGex層2となり、さらに上方のアモルファスSi膜もSi1−xGex層の格子間隔を引き継ぎ結晶欠陥が非常に少ないSi単結晶層3が得られた。
【0022】
メカニズムの詳細は不明であるが以下のことが推定される。
【0023】
一般にアモルファスSiの固相エピ成長においては、エピ成長の核がアモルファスSi中に多数存在することから結晶化がランダムに起き、それぞれの面方位の結晶粒が成長し多結晶化したり、結晶欠陥が多発する場合が多い。しかしながら、本発明においては成長の種となる単結晶Si基板ウエハ1の表面に熱エネルギーを受けた場合の原子移動がSi原子に比べて大きいGe原子を含むアモルファスSi1−xGex膜12が形成されており、熱処理による最初の結晶化がこのアモルファスSi1−xGex膜12から始まることから、単結晶Si基板ウエハ1の格子が完全に引き継がれるものと推定される。このような固相エピ成長はSiやGe原子に限られることはなく、エピ層と単結晶基板の間に基板と同一結晶系を有し、且つ基板に比べて融点の低い元素の混層でなる緩衝層を設けることにより達成される。
【0024】
以上の工程により、結晶欠陥が非常に少なく、且つ高い膜厚均一性を有する大口径のSiエピウエハ4を、高い生産性で得ることができる。
【0025】
(実施例3)
次に本発明の半導体装置の他の実施例について詳細に説明する。図4は本発明のMOSトランジスタの断面概略図である。1は単結晶のSi基板ウエハ、3はSi単結晶薄層である。また、2は少なくとも前述の単結晶Si基板ウエハ1及びSi単結晶薄層3両者との界面において結晶学的単位格子における単結晶Si基板ウエハ1表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記単結晶Si基板ウエハ1とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ないSi1−xGex単結晶薄層である。さらに、101は溝状に加工された領域にSiO2 などの絶縁膜を埋め込んで形成された素子分離領域である。102はゲート絶縁膜、103,107はそれぞれゲート領域、ゲート電極、また104は絶縁性の膜で形成する所謂サイドウォールである。105,108はそれぞれソース領域,ソース電極、さらに106,109はそれぞれドレイン領域,ドレイン電極を示す。
【0026】
このような断面構造のMOSトランジスタは実施例1で述べたように、結晶欠陥が非常にすくなく、且つゲッタリング作用が高いことからチャネル領域の結晶欠陥に起因した動作不良の軽減,高温動作時などにおける高い信頼性を得ることができる。
【0027】
なお、本構成は単結晶Si基板ウエハ1の上に形成されていることから、絶縁基板状に極薄のSi単結晶層が形成されているSOI基板を用いれば、SOI構造のMOSトランジスタに対しても適用可能である。
【0028】
(実施例4)
次に本発明を適用した半導体装置の製造方法の一実施例について、図5の断面概略図に従って詳細に説明する。
【0029】
最初に直径が300mmで面方位(100)のp型、約10Ωcmの単結晶Si基板ウエハ1を用意し、この単結晶Si基板ウエハ1の一部をドライエッチング法で溝状にエッチングした後、SiO2 などの酸化物を溝内に入れることで素子分離領域101を形成する{図5(a)}。
【0030】
次いで、この単結晶Si基板ウエハ1表面に前述実施例2と同様の方法のCVD法にSi1−xGexのアモルファス膜を形成する。本実施例においては原料ガスにモノシランガスを20ml/min 、ゲルマンガスを2ml/min 、水素ガスを1l/min 供給して圧力は133Pa、温度は450℃で堆積した。
【0031】
この場合ゲルマンガスは溝領域の酸化物と反応して酸化ゲルマニウム(GeO)を生成する。このGeOは蒸気圧が小さく気体になり易く、アモルファスSi1−xGex膜は溝に埋め込まれた素子分離領域101表面には堆積せず、単結晶Si基板ウエハ1のSi表面のみに選択的に堆積することができる{図5(b)}。
【0032】
引き続きアモルファスSi1−xGex膜12表面に、前述アモルファスSi膜
13を形成する{図5(c)}。この場合は、アモルファスSi1−xGex膜12上にのみアモルファスSi膜13選択堆積するために、原料ガスのモノシランと共にHClなどのエッチングガスを少量添加する。この条件の一実施例として、原料ガスにモノシランガスを20ml/min 、塩化水素ガスを5ml/min 、水素ガスを1l/min 、成長圧力は133Pa、成長温度は580℃などである。またこの場合、単結晶Si基板ウエハ1と同等の導電型と抵抗率を得るために所定量のジボランガス(B2H6)をドーピングガスとして添加した。
【0033】
次いで、アモルファスSi1−xGex膜12とアモルファスSi膜13を選択的に形成した単結晶Si基板ウエハ1を高温度で熱処理して二つの膜を単結晶化する{図5(d)}。
【0034】
以上の工程は、アモルファスSi1−xGex膜12とアモルファスSi膜13を素子分離領域101の形成後に選択的に形成する場合について説明した。
【0035】
実施例1に示すエピウエハ4を作成した後、この単結晶Si基板ウエハ1の一部をドライエッチング法で溝状にエッチング、SiO2 などの酸化物で溝内を埋めて素子分離領域101を形成しても良い。
【0036】
以下の工程は通常のLSIの製造工程とほぼ同等である。
【0037】
ゲート絶縁膜102を熱酸化などの方法により形成後、多結晶Siを熱CVD法で形成し、フォトリソグラフィとドライエッチングによってゲート領域103を形成する{図5(e)}。
【0038】
次に、熱CVD法による絶縁膜形成とフォトリソグラフィ,ドライエッチング加工を施してゲート領域103側壁に絶縁膜のサイドウォール104を形成した後、リンをイオン打ち込みしソース/ドレイン領域105,106を形成する
{図14(f)}。
【0039】
最後にチタンなどのメタルを堆積したあとシリコン露出部のみをシリサイド化してゲート電極107,ソース電極108,ドレイン電極109夫々を形成してnチャンネルのMOSトランジスタの基本形状が完成する{図5(g)}。
【0040】
本実施例では半導体基板にp型を用いたnチャネルのMOSトランジスタを作製する概略を説明したが、通常のLSIで実施されているように、最初にn型ウエル領域を形成しておき、この領域のソース/ドレイン層にはボロンをイオン打ち込みしてpチャネルのMOSトランジスタも同時に形成することも当然可能である。
【0041】
以上の実施例で作製したMOSトランジスタは製造歩留まりが良く、また高信頼性を有することが分かった。
【0042】
【発明の効果】
本発明により結晶欠陥が非常に少なく、且つゲッタリング作用も高く均一な膜厚を有する大口径のSiエピウエハを、高い生産性で得ることができる。
【0043】
また、本発明によりSi層に微細構造のMOSトランジスタなどの半導体装置を形成する場合の製造歩留まりを大幅に向上することができると共に、半導体装置の信頼性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明するためのエピウエハの断面概略図。
【図2】本発明の実施例1を説明するエピウエハ断面の電子顕微鏡写真。
【図3】本発明の実施例2を説明するエピウエハの製造方法を示す図。
【図4】本発明の実施例3を説明するための半導体装置の断面概略図。
【図5】本発明の実施例4を説明するための半導体装置の製造方法を示す図。
【符号の説明】
1…単結晶Si基板ウエハ、2…単結晶のSi1−xGex層、3…Si薄層(Siエピ層)、4…エピウエハ、12…アモルファスSi1−xGex膜、13…アモルファスのSi膜、101…素子分離領域、102…ゲート絶縁膜、103…ゲート領域、104…サイドウォール、105…ソース領域、106…ドレイン領域、107…ゲート電極、108…ソース電極、109…ドレイン電極。
Claims (5)
- シリコン(Si)の単結晶基板ウエハ表面にSi単結晶薄層(エピタキシャル層,エピ層と略記)を形成したエピタキシャル(エピと略記)ウエハにおいて、前記Si単結晶基板とSi単結晶薄層の間に、少なくとも前述Si単結晶基板及びSi単結晶薄層両者との界面において、結晶学的単位格子におけるSi単結晶基板表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記Si単結晶基板とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ないシリコンゲルマニウム(Si1−xGexと略記、xは組成比)単結晶薄層を設けたことを特徴とするSiエピウエハ。
- モノシラン(SiH4 )などのSi化合物ガスとゲルマン(GeH4 )ガスなどのGe化合物ガスを用いるCVD法により、Si基板ウエハ上に前記混合ガスの流量比を調節してSi1−xGex(ここでxはGe組成比)のアモルファス膜を形成し、該Si1−xGexのアモルファス膜表面にモノシランなどのSi化合物原料を用いるCVD法によりアモルファスSi膜を形成した後、Si1−xGexアモルファス膜とアモルファスSi膜を形成した前記Si基板ウエハを略600℃以上の熱処理を加えて前記2層のアモルファス膜を単結晶化することを特徴とするエピウエハの製造方法。
- 絶縁膜で埋めた素子分離用溝で囲まれた単結晶Si領域の一部にゲート絶縁膜とゲート電極を積層状に形成し、前記ゲート領域以外のSi領域にソース及びドレイン領域を形成するMOSトランジスタにおいて、前記ゲート絶縁膜の下層のチャネル形成領域を、少なくとも前述Si単結晶基板及びSi単結晶薄層両者との界面において結晶学的単位格子におけるSi単結晶基板表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記Si単結晶基板とほぼ同等であって、結晶欠陥が非常に少ないSi1−xGex単結晶薄層の上に単結晶Si層を積層した多層構造とすることを特徴とする半導体装置。
- Si基板ウエハ上に素子分離用の溝を形成し、次いでこの溝を絶縁膜で埋めた後、前記Si領域に形成したゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、前記ゲート領域以外のSi領域にソース及びドレイン領域を形成するMOSトランジスタの製造方法において、前記ゲート絶縁膜形成前にアモルファスSi1−xGex膜と、前記アモルファスSi1−xGex膜上にアモルファスSi膜を積層した後、略600℃以上の高温の熱処理を加えて前記2層のアモルファス膜を単結晶化することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 半導体の単結晶基板ウエハ表面に半導体単結晶薄層を形成した半導体エピウエハにおいて、前記半導体単結晶基板と単結晶薄層の間に、少なくとも前述半導体単結晶基板及び半導体単結晶薄層両者との界面において、結晶学的単位格子におけるSi単結晶基板表面にほぼ平行な方向の格子間隔が前記半導体単結晶基板とほぼ同等であって、前述半導体単結晶基板及び半導体単結晶薄層両者に比べ融点の低く、且つ結晶欠陥が非常に少ない半導体単結晶薄層を設けたことを特徴とする半導体エピウエハ。
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