JP2004281567A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取れる静電容量素子を有する半導体装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】静電容量素子が、下部電極となる第1導電型の半導体領域12上に絶縁膜13を介して導電層14が形成され、導電層14の一方の側部における半導体領域12の表層部分に第2導電型の第1上部電極領域16aが、他方の側部に第2導電型の第2上部電極領域16bが形成された構成とし、半導体領域12と第1上部電極領域16aの間の静電容量と、半導体領域12と第2上部電極領域16bの間の静電容量とが、導電層14に印加される電圧に応じて導電層14の下方の半導体領域12の表層部分に生成される反転層により接続され、半導体領域12に印加される電圧と第1上部電極領域16aに印加される電圧の差および導電層14に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有するものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】静電容量素子が、下部電極となる第1導電型の半導体領域12上に絶縁膜13を介して導電層14が形成され、導電層14の一方の側部における半導体領域12の表層部分に第2導電型の第1上部電極領域16aが、他方の側部に第2導電型の第2上部電極領域16bが形成された構成とし、半導体領域12と第1上部電極領域16aの間の静電容量と、半導体領域12と第2上部電極領域16bの間の静電容量とが、導電層14に印加される電圧に応じて導電層14の下方の半導体領域12の表層部分に生成される反転層により接続され、半導体領域12に印加される電圧と第1上部電極領域16aに印加される電圧の差および導電層14に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有するものとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置およびの製造方法に関し、特にバラクタ素子を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印加する電圧に応じて容量を変化させることができる静電容量素子であるバラクター(varactor)は半導体装置を構成する基本的な素子であり、例えばインダクタとの組合せで、VCO(Voltage Controled
Oscillator)などの回路を形成するのに用いられている。この際、発振周波数は、インダクタ素子のインダクタンスとバラクターのキャパシタンスによって主に決められる。
【0003】
ウェーハ製造工程でのばらつきなどを考えると、所望の周波数を得るためには、一般にインダクタンスを可変にすることが難しいため、バラクターを用いてキャパシタンスを可変とし、ばらつきに応じてキャパシタンスを変えることにより、所望の発振周波数を得る必要がある。
従って、バラクターに対しては、可変幅が大きいことが特性の一つとして望まれる。
また、実際には、素子の特性の一つとして上げられるQ値(Quarity
Factor)も重要な成分となる。これを向上させるためには、素子につく寄生抵抗をできるだけ下げることが望ましい。
【0004】
シリコン基板上にバラクターを形成する場合、pn接合で形成される構造や、MOS型の構造が広く知られている。
【0005】
図8は、pn接合を用いたバラクターの断面図である。
例えば、基板に形成されたp型の半導体領域100の上層に、p型の半導体領域101が形成されており、その表層部分にn型の導電性不純物が高濃度に拡散されたn+ 型の半導体領域102が形成されている。その上層に酸化シリコンなどの絶縁膜103が形成されており、半導体領域102を露出させる開口部が形成されており、半導体領域102に接続するようにn+ 型ポリシリコンなどからなる導電層104が形成されている。
上記の構成のバラクターにおいては、p型の半導体領域101とn+ 型の半導体領域102間のpn接合に形成される空乏層の幅を、印加する逆バイアスによりコントロールして可変の容量を実現している。
【0006】
図9は、MOS型の構造を有するバラクターの断面図である。
例えば、基板に形成されたp型の半導体領域110の表面に酸化シリコンからなる絶縁膜(ゲート絶縁膜)111が形成されており、その上層に導電層(ゲート)112がパターン形成されている。導電層112の両側部における半導体領域110の表層部分に、p型の導電性不純物を高濃度に含有し、p型の半導体領域110に接続するp+ 型の半導体である取り出し領域113が形成されている。
【0007】
上記の構成のバラクターにおいては、導電層112にバイアスを印加することにより絶縁膜111下におけるp型の半導体領域110の表面近傍部分に反転層を形成することにより容量を形成し、導電層112の印加バイアスによって容量値をコントロールしている。
【0008】
一般に、図9のMOS型の構造の方では、わずかなバイアスの差で容量が大きく変化するため、所望の容量値を得るためのコントロールが難しい。
また、図9のMOS型の構造では、ゲート下は不純物濃度が低く(MOSトランジスタのウェルに相当する)、下部電極はゲート周辺の高濃度領域(MOトランジスタのソースドレイン部に相当する)からとりだすことになるが、ゲート部分の面積が大きくなるとゲートの中心部から高濃度領域までの距離が大きくなり、必然的に寄生抵抗が大きくなってしまう。これは、周波数が高くなるに従い顕著になり、周波数が高くなると、下部電極から離れた領域の容量が寄生抵抗によりだんだんと寄与しなくなってくるために、容量の周波数特性を悪化することになる。
【0009】
一方、図8のpn接合の構造では、図9のMOS型に比べ印加バイアスに対する容量の変化量が小さいため、容量値のコントロールがしやすいという利点を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の図8のpn接合を用いたバラクターは、容量の可変幅を大きく取ることが難しいという問題がある。
このように、従来のバラクターに関しては、構造的に不利な点があり、高性能の集積回路を作る上では不利な要素も多かった。
【0011】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子を有する半導体装置とその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置であって、前記静電容量素子は、基板に形成された下部電極となる第1導電型の半導体領域と、前記半導体領域上に絶縁膜を介して形成された導電層と、前記導電層の一方の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第1上部電極領域と、前記導電層の他方の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを有し、前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する。
【0013】
上記の本発明の半導体装置は、導電層をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子を有し、導電層の下方の半導体領域の表層部分に形成される反転層の有無により、半導体領域と第1上部電極領域の間の静電容量と、半導体領域と第2上部電極領域の間の静電容量との接続状態あるいは非接続状態が選択される静電容量素子を有している。反転層の有無は導電層に印加する電圧により選択できる。
【0014】
また、上述の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置であって、前記静電容量素子は、基板に形成された下部電極となる第1導電型の半導体領域と、前記半導体領域上に絶縁膜を介して、所定の間隔で離間して一列に形成された複数個の導電層と、前記複数個の導電層の列における一方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第1末端上部電極領域と、前記複数個の導電層の間隙における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である間隙上部電極領域と、前記複数個の導電層の列における他方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第2末端上部電極領域とを有し、前記半導体領域と前記第1末端上部電極領域の間の静電容量、前記半導体領域と前記間隙上部電極領域の間の静電容量、および、前記半導体領域と前記第2末端上部電極領域の間の静電容量が、前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて前記複数個の導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1末端上部電極領域に印加される電圧の差および前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する。
【0015】
上記の本発明の半導体装置は、複数個の導電層をゲート電極とする複数個の電界効果トランジスタが直列に接続された構成と同様の構成の静電容量素子を有し、複数個の導電層の下方の半導体領域の表層部分に形成される反転層の有無により、半導体領域と第1末端上部電極領域の間の静電容量、半導体領域と間隙上部電極領域の間の静電容量、および、半導体領域と第2末端上部電極領域の間の静電容量の接続状態あるいは非接続状態が選択される静電容量素子を有している。反転層の有無は複数個の導電層に印加する電圧により選択できる。
【0016】
また、上述の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、容量可変の静電容量素子と電界効果トランジスタを有する半導体装置であって、前記静電容量素子は、基板に形成された下部電極となる第1導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域上に第1絶縁膜を介して形成された第1導電層と、前記第1導電層の一方の側部における前記第1半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第1上部電極領域と、前記第1導電層の他方の側部における前記第1半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを有し、前記第1半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記第1半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記第1導電層に印加される電圧に応じて前記第1導電層の下方の前記第1半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記第1導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有し、前記電界効果トランジスタは、前記基板に形成され、チャネル形成領域を有する第2半導体領域と、前記第2半導体領域の前記チャネル形成領域を被覆して第2絶縁膜を介して前記第1導電層と同一の材料で形成された第2導電層と、前記第2導電層の両側部における前記第2半導体領域の表層部分に形成された前記第2半導体領域と反対の導電型のソースドレイン領域を有する。
【0017】
上記の本発明の半導体装置は、導電層をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子と、電界効果トランジスタとを両方とも有する半導体装置である。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容3量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、前記半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域を形成する工程と、前記半導体領域の一部の表層部分に前記第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域を形成する工程と、前記第1上部電極領域と前記第2上部電極領域の間における前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する工程とを有し、前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0019】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板に第1導電型の半導体領域を形成し、半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域を形成し、半導体領域の一部の表層部分に第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域を形成する。
次に、第1上部電極領域と第2上部電極領域の間における半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する。
【0020】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、前記半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域と前記第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを同時に形成する工程と、前記第1上部電極領域と前記第2上部電極領域の間における前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する工程とを有し、前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0021】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板に第1導電型の半導体領域を形成し、半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域と第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを同時に形成する。
次に、第1上部電極領域と第2上部電極領域の間における半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する。
【0022】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する工程と、前記導電層をマスクとして前記導電層の両側部における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域および第2上部電極領域とを形成する工程とを有し、前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0023】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板に第1導電型の半導体領域を形成する。
次に、半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する。
次に、導電層をマスクとして導電層の両側部における半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域および第2上部電極領域とを形成する。
【0024】
上記の半導体装置の製造方法は、上記のようにして、導電層をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子であって、導電層の下方の半導体領域の表層部分に形成される反転層の有無により、半導体領域と第1上部電極領域の間の静電容量と、半導体領域と第2上部電極領域の間の静電容量との接続状態あるいは非接続状態が選択され、反転層の有無は導電層に印加する電圧により選択できる静電容量素子を形成する。
【0025】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して所定の間隔で離間して一列に複数個の導電層を形成する工程と、前記複数個の導電層をマスクとして、前記複数個の導電層の間隙における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である間隙上部電極領域を、前記複数個の導電層の列における一方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1末端上部電極領域を、前記複数個の導電層の列における他方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第2末端上部電極領域を、それぞれ形成する工程とを有し、前記半導体領域と前記第1末端上部電極領域の間の静電容量、前記半導体領域と前記間隙上部電極領域の間の静電容量、および、前記半導体領域と前記第2末端上部電極領域の間の静電容量が、前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて前記複数個の導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1末端上部電極領域に印加される電圧の差および前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0026】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板に第1導電型の半導体領域を形成し、半導体領域の上層に絶縁膜を介して所定の間隔で離間して一列に複数個の導電層を形成する。
次に、複数個の導電層をマスクとして、複数個の導電層の間隙における半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である間隙上部電極領域を、複数個の導電層の列における一方の末端の導電層の間隙部上部電極領域と反対側の側部における半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1末端上部電極領域を、複数個の導電層の列における他方の末端の導電層の間隙部上部電極領域と反対側の側部における半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第2末端上部電極領域を、それぞれ形成する。
このようにして、複数個の導電層をゲート電極とする複数個の電界効果トランジスタが直列に接続された構成と同様の構成の静電容量素子であって、複数個の導電層の下方の半導体領域の表層部分に形成される反転層の有無により、半導体領域と第1末端上部電極領域の間の静電容量、半導体領域と間隙上部電極領域の間の静電容量、および、半導体領域と第2末端上部電極領域の間の静電容量の接続状態あるいは非接続状態が選択され、反転層の有無は複数個の導電層に印加する電圧により選択できる静電容量素子を形成する。
【0027】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容量可変の静電容量素子と電界効果トランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、静電容量素子形成領域において基板に第1導電型の第1半導体領域を形成する工程と、電界効果トランジスタ形成領域において前記基板にチャネル形成領域を有する第2半導体領域を形成する工程と、前記静電容量素子形成領域において前記第1半導体領域の上層に第1絶縁膜を介して第1導電層を形成する工程と、前記電界効果トランジスタ形成領域において前記第2半導体領域の前記チャネル形成領域を被覆して第2絶縁膜を介して第2導電層を前記第1導電層と同一の材料で形成する工程と、前記静電容量素子形成領域において前記第1導電層をマスクとして前記第1導電層の両側部における前記第1半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域および第2上部電極領域とを形成する工程と、前記電界効果トランジスタ形成領域において前記第2導電層をマスクとして前記第2導電層の両側部における前記第2半導体領域の表層部分に前記第2半導体領域と反対の導電型のソースドレイン領域を形成する工程とを有し、前記静電容量素子形成領域において、前記第1半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記第1半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記第1導電層に印加される電圧に応じて前記第1導電層の下方の前記第1半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記第1導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0028】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、導電層をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子と、電界効果トランジスタとを両方とも有する半導体装置を形成する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の半導体装置およびその製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
第1実施形態
図1は本実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
例えば、シリコン半導体基板10に形成されたLOCOS法による素子分離絶縁膜11で区分された活性領域において、下部電極となるp型ウェル(第1導電型の半導体領域)12が形成されており、その表面に酸化シリコンからなる絶縁膜13が形成されており、その上層に、多結晶シリコン、非晶質シリコン、または、シリコンと高融点金属との積層体などを含む導電層14がパターン形成されている。導電層14の両側部には、酸化シリコンからなるサイドウォール絶縁膜15が形成されている。
さらに、導電層14の両側部におけるp型ウェル12の表層部分に、n型(第2導電型)の半導体である第1上部電極領域16aと第2上部電極領域16bが形成されている。
また、第1上部電極領域16aと第2上部電極領域16bから離間した位置において、p型ウェル12の一部の表層部分に、p型ウェル12に接続する高濃度のp型の半導体である取り出し電極領域17が形成されている。
導電層14、第1上部電極領域16a、第2上部電極領域16bおよび取り出し電極領域17を被覆して全面に酸化シリコンの層間絶縁膜18が形成されており、第1上部電極領域16aと取り出し電極領域17に達するコンタクトホールが開口され、第1上部電極領域16aに接続するように埋め込み電極19と上層配線20が形成され、一方、取り出し電極領域17に接続するように埋め込み電極21と上層配線22が形成されている。
【0031】
上記の構成のバラクターにおいては、上層配線(20,22)間にバイアスを印加することにより、即ち、n型の第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間に逆バイアスを印加することにより、第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間のpn接合に空乏層が形成され、容量が得られる。この空乏層の幅は、印加する逆バイアスによりコントロールでき、これにより第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間の容量が可変となっている。
【0032】
ここで、p型ウェル12に形成された第1上部電極領域16aと第2上部電極領域16bとp型ウェル12の上層に絶縁膜13を介して形成された導電層14は、通常のMOS電界効果トランジスタと同様の構成であることから、導電層13に所定の閾値以上の電圧を印加すると導電層13の下方におけるp型ウェル12の表層部分に反転層が形成され、電気的に浮遊状態であった第2上部電極領域16bが反転層により第1上部電極領域16aに電気的に接続される。この結果、第2上部電極領域16bは第1上部電極領域16aと同電位となり、第2上部電極領域16bとp型ウェル12の間のpn接合に空乏層が形成され、新たな容量が得られる。
上記のように反転層により接続されることで、第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間の容量(図1中A部の容量)と第2上部電極領域16bとp型ウェル12の間の容量(図1中C部の容量)とが加算され、さらに、絶縁膜13を介して反転層と導電層14が対向する構成の容量(図1中B部の容量)も発生し、これも加算されて静電容量素子全体の静電容量となる。
【0033】
反対に、導電層13の印加電圧が閾値を越えないようにすると、反転層は形成されないため、静電容量素子全体の静電容量に寄与するのは第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間の容量(図1中A部の容量)のみとなる。
【0034】
上記のように、本実施形態に係る半導体装置における容量可変の静電容量素子は、導電層14をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子であり、導電層14の下方のp型ウェル12の表層部分に形成される反転層の有無により、p型ウェル12と第1上部電極領域16aの間の静電容量と、p型ウェル12と第2上部電極領域16bの間の静電容量との接続状態あるいは非接続状態が選択され、反転層の有無は導電層13に印加する電圧により選択できる。
このように、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子となっている。
これにより、より高性能の集積回路を作成することが可能となり、例えばVCOなどでは、周波数の可変領域を広げることができるようになり、余分な補正回路などの必要がなくなる。
【0035】
第2実施形態
本実施形態に係る半導体装置は、バラクターとCMOSトランジスタを有する半導体装置である。
図2は本実施形態に係る半導体装置の断面図であり、図面上、バラクター(VA)とCMOSトランジスタのうちのNMOSトランジスタ(NMOS)を示している。
【0036】
バラクターVAについては、第1実施形態に係るバラクターと同様である。
例えば、シリコン半導体基板30に形成されたLOCOS法による素子分離絶縁膜31で区分された活性領域において、下部電極となるp型ウェル(第1導電型の第1半導体領域)33が形成されており、その表面に酸化シリコンからなる第1絶縁膜35が形成されており、その上層に、多結晶シリコン、非晶質シリコン、または、シリコンと高融点金属との積層体などを含む第1導電層36がパターン形成されている。第1導電層36の両側部には、酸化シリコンからなるサイドウォール絶縁膜40が形成されている。
さらに、第1導電層36の両側部におけるp型ウェル33の表層部分に、n型(第2導電型)の半導体である第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bが形成されている。
また、第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bから離間した位置において、p型ウェル33の一部の表層部分に、p型ウェル33に接続する高濃度のp型の半導体である取り出し電極領域44が形成されている。
以上のようにバラクター(VA)が構成されている。
【0037】
一方、n型のシリコン半導体基板30の他の活性領域に形成されたチャネル形成領域を有するp型ウェル(第1導電型の第2半導体領域)34の表面に酸化シリコンからなる第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)37が形成されており、その上層に第2導電層(ゲート電極)38がパターン形成されている。第2導電層38の両側面には、サイドウォール絶縁膜41が形成されている。
また、第2導電層38の両側部における第2半導体領域34の表層部分に、n型の導電性不純物を含有するn型のソースドレイン領域43と、そのチャネル形成領域側に形成されたn型のエクステンション領域39が形成されている。
以上のようにNMOSトランジスタ(NMOS)が構成されている。
PMOSトランジスタは、基本的にNMOSトランジスタ(NMOS)においてp型不純物とn型不純物を入れ替えた構成であり、図面上には示していないが、本実施形態に係る半導体装置にはPMOSトランジスタも有している構成とすることができる。
【0038】
上記のバラクター(VA)およびNMOSトランジスタ(NMOS)を被覆して、全面に酸化シリコンの層間絶縁膜45が形成されており、バラクター(VA)においては、第1上部電極領域42aと取り出し電極領域44に達するコンタクトホールが開口され、第1上部電極領域42aに接続するように埋め込み電極46と上層配線47が形成され、一方、取り出し電極領域44に接続するように埋め込み電極48と上層配線49が形成されている。
一方、NMOSトランジスタ(NMOS)においては、層間絶縁膜45に対してソースドレイン領域43に達するコンタクトが開口され、埋め込み電極50と上層配線51が接続して形成されている。
【0039】
上記の本実施形態に係る半導体装置におけるバラクター(VA)は、第1実施形態と同様に、第1導電層36の下方におけるp型ウェル33の表層部分に反転層が形成され、第1上部電極領域42aとp型ウェル33の間の容量と第2上部電極領域42bとp型ウェル33の間の容量とが加算され、さらに、第1絶縁膜35を介して反転層と第1導電層36が対向する構成の容量も発生し、これも加算されて静電容量素子全体の静電容量となる。
反対に、第1導電層36の印加電圧が閾値を越えないようにすると、反転層は形成されないため、静電容量素子全体の静電容量に寄与するのは第1上部電極領域42aとp型ウェル33の間の容量のみとなる。
【0040】
上記のように、本実施形態に係る半導体装置における容量可変の静電容量素子は、第1導電層36をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子であり、第1導電層36の下方のp型ウェル33の表層部分に形成される反転層の有無により、p型ウェル33と第1上部電極領域42aの間の静電容量と、p型ウェル33と第2上部電極領域42bの間の静電容量との接続状態あるいは非接続状態が選択され、反転層の有無は第1導電層36に印加する電圧により選択できる。
このように、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子となっている。
【0041】
また、上記の本実施形態に係る半導体装置におけるNMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタを含むCMOSトランジスタは、広く半導体装置に採用されている構成のトランジスタである。
【0042】
次に、上記の本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、n型のシリコン半導体基板30に対して、活性領域をバラクター形成領域RVAとNMOSトランジスタ形成領域RNMOSに区分するように、LOCOS法により素子分離絶縁膜31を形成し、例えば熱酸化法などにより酸化シリコン膜32を全面に形成する。
次に、フォトレジスト(不図示)を用いたパターニング処理とイオン注入法により、バラクター形成領域RVAにおいてp型ウェル(第1導電型の第1半導体領域)33を形成し、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいてp型ウェル(第1導電型の第2半導体領域)34を形成する。なお、この際、NMOSトランジスタの閾値Vthを決めるための表面濃度をコントロールするイオン注入も同時に行う。バラクター形成領域RVAにおいても同様にして反転層が形成されるときの閾値を調整する。
【0043】
次に、図3(b)に示すように、酸化シリコン膜32をフッ酸などのウェットエッチングなどにより除去し、バラクター形成領域RVAとNMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいて、例えば熱酸化法により酸化シリコン膜を形成し、その上層に例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより、多結晶シリコン、非晶質シリコン、または、シリコンと高融点金属との積層体などを全面に成膜し、フォトレジスト(不図示)を用いたパターニング処理とRIE(反応性イオンエッチング)などのエッチング処理によりパターン加工する。
これにより、バラクター形成領域RVAにおいて酸化シリコンの第1絶縁膜35と多結晶シリコンなどからなる第1導電層36を形成し、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいて酸化シリコンの第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)37と多結晶シリコンなどからなる第2導電層(ゲート電極)38を形成する。
このとき、バラクター形成領域RVAの第1導電層36とNMOSトランジスタ形成領域RNMOSの第2導電層(ゲート電極)38は同じ材料で同一の工程で形成することができる。
【0044】
次に、図4(a)に示すように、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSを開口するフォトレジスト(不図示)を形成し、n型の導電性不純物をイオン注入してエクステンション領域39を形成する。
【0045】
次に、図4(b)に示すように、例えばCVD法により酸化シリコンを全面に堆積させ、RIEなどのエッチングにより全面にエッチバックすることで、バラクター形成領域RVAにおいて第1導電層36の両側面にサイドウォール絶縁膜40を形成し、一方、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいて第2導電層38の両側面にサイドウォール絶縁膜41を形成する。
【0046】
次に、図5(a)に示すように、フォトレジスト(不図示)を用いたパターニング処理とイオン注入法により、バラクター形成領域RVAにおいて第1導電層36およびサイドウォール絶縁膜40をマスクとして高濃度のn型の導電性不純物をイオン注入し、第1導電層36の両側部におけるp型ウェル33の表層部分に、n型の半導体である第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bを形成する。
一方、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいて、第2導電層38およびサイドウォール絶縁膜41をマスクとして高濃度のn型の導電性不純物をイオン注入し、ソースドレイン領域43を形成する。
【0047】
次に、図5(b)に示すように、フォトレジスト(不図示)を用いたパターニング処理とイオン注入法により、バラクター形成領域RVAにおいて、第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bから離間した位置において、p型ウェル33の一部の表層部分に、p型ウェル33に接続する高濃度のp型の半導体である取り出し電極領域44を形成する。
【0048】
尚、PMOSトランジスタについては、上記のNMOSトランジスタの形成方法においてp型不純物をn型不純物を入れ替えることで形成できる。
特に上記のバラクターの取り出し電極領域44を形成する工程は、PMOSトランジスタのソースドレイン領域を形成する工程と同時に行うことができる。
以上で、バラクター形成領域RVAにバラクター(VA)を形成し、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにNMOSSトランジスタ(NMOS)を形成することができる。
【0049】
以降の工程としては、例えば、CVD法によりのバラクター(VA)およびNMOSトランジスタ(NMOS)を被覆して、全面に酸化シリコンの層間絶縁膜45を形成し、バラクター形成領域RVAにおいて第1上部電極領域42aと取り出し電極領域44に達するコンタクトホールを開口し、また、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいてソースドレイン領域43に達するコンタクトホールを開口する。
次に、第1上部電極領域42a、取り出し電極領域44およびソースドレイン領域43に接続するように、埋め込み電極(46,48,50)を形成し、さらに上層配線(47,49,51)を形成する。
以上で、図2に示す半導体装置とすることができる。
【0050】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、可変幅を大きく取ることができるMOS型の構造であって、印加バイアスに対する容量の変化量を従来より小さくすることができ、所望の容量値を得るためのコントロールが容易なバラクターを形成することができる。
これにより、より高性能の集積回路を作成することが可能となり、例えばVCOなどでは、周波数の可変領域を広げることができるようになり、余分な補正回路などの必要がなくなる。
【0051】
上記の製造方法においては、バラクターの形成方法として、p型ウェル33上に第1絶縁膜を介して第1導電層を形成した後、これをマスクとして高濃度のn型の導電性不純物をイオン注入し、第1導電層36の両側部におけるp型ウェル33の表層部分に、n型の半導体である第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bを形成しているが、この方法に限らず、例えば、p型ウェル33の表層部分にn型の半導体である第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bを所定の距離を離間して、別々にあるいは同時に形成し、第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bの間におけるp型ウェル33の上層に第1絶縁膜を介して第1導電層を形成するという順序で形成することも可能である。
【0052】
第3実施形態
図6は本実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
例えば、シリコン半導体基板10に形成されたLOCOS法による素子分離絶縁膜11で区分された活性領域において、下部電極となるp型ウェル(第1導電型の半導体領域)12が形成されており、その表面に酸化シリコンからなる第1絶縁膜13aおよび第2絶縁膜13bが形成されており、その上層に、多結晶シリコン、非晶質シリコン、または、シリコンと高融点金属との積層体などを含む第1導電層14aおよび第2導電層14bが所定の間隔でパターン形成されている。第1導電層14aおよび第2導電層14bの両側部には、酸化シリコンからなるサイドウォール絶縁膜(15a,15b)が形成されている。
さらに、第1導電層14aおよび第2導電層14bの両側部におけるp型ウェル12の表層部分に、n型(第2導電型)の半導体である第1末端上部電極領域16a’、間隙上部電極領域16b’および第2末端上部電極領域16c’が形成されている。
また、第1末端上部電極領域16a’、間隙上部電極領域16b’および第2末端上部電極領域16c’から離間した位置において、p型ウェル12の一部の表層部分に、p型ウェル12に接続する高濃度のp型の半導体である取り出し電極領域17が形成されている。
第1導電層14a、第2導電層14b、第1末端上部電極領域16a’、間隙上部電極領域16b’および第2末端上部電極領域16c’および取り出し電極領域17を被覆して全面に酸化シリコンの層間絶縁膜18が形成されており、第1末端上部電極領域16a’と取り出し電極領域17に達するコンタクトホールが開口され、第1末端上部電極領域16a’に接続するように埋め込み電極19と上層配線20が形成され、一方、取り出し電極領域17に接続するように埋め込み電極21と上層配線22が形成されている。
【0053】
上記の本実施形態の半導体装置は、2個の導電層をゲート電極とする2個の電界効果トランジスタが直列に接続された構成と同様の構成となっており、2個の導電層(第1導電層14a、第2導電層14b)の下方のp型ウェル12の表層部分に形成される反転層の有無により、p型ウェル12と第1末端上部電極領域16a’の間の静電容量、p型ウェル12と間隙上部電極領域16b’の間の静電容量、および、p型ウェル12と第2末端上部電極領域16c’の間の静電容量の接続状態あるいは非接続状態が選択され、この反転層の有無は複数個の導電層(第1導電層14a、第2導電層14b)に印加する電圧により選択できる。このとき、第1導電層14aと第2導電層14bの下方におけるp型ウェル12の表層部分の不純物濃度を変化させ、第1導電層14aと第2導電層14bとにおいて反転層が形成される閾値を変化させることで、バラクター全体の容量可変幅を広くとることができる。
【0054】
例えば、第1導電層14aの閾値V1と第2導電層14bの閾値V2とで、V1<V2と設定する。第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧Vについて以下のように場合分けする。
(1)V<V1の場合
第1導電層14aと第2導電層14bの下方にはともに反転層が形成されず、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)のみの静電容量となる。
(2)V1≦V<V2の場合
第1導電層14aの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)と間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)とが接続され、さらに第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)が加算された容量がバラクター全体の静電容量となる。
(3)V2≦Vの場合
第1導電層14aと第2導電層14bの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)、および第2末端上部電極領域16c’とp型ウェル12の間の容量(図6中E部の容量)とが接続され、さらに第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)と、第2絶縁膜13bを介して反転層と第2導電層14bが対向する構成の容量(図6中D部の容量)が加算された容量がバラクター全体の静電容量となる。
このように、第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧により3種類の状態をつくりだすことができ、それに応じて、隣接している電気的に浮いた拡散層の切り離しが可能になり、バラクターの容量の可変幅をさらに広げることが可能である。
【0055】
さらに、導電層が3個以上形成されて列を構成しており、3個以上の電界効果トランジスタが直列に接続された構成と同様の構成となっている場合にも、上記の同様に、各導電層における反転層形成のための閾値が、複数個の導電層の列における一方の末端から他方の末端へと順に大きくあるいは小さく変化するように設定することで、容量の可変幅をさらに広く取ることができる。
【0056】
(実施例)
図7(a)は、図6に示す構成のバラクターにおいて、第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧Vに対する静電容量Cの値を示したC−V特性を示すグラフである。印加電圧Vが第1導電層14aと第2導電層14bの閾値V1,V2以上となると反転層が形成されるいわゆるノーマリーオフ型のトランジスタに相当する構成であり、V1<V2とする。このC−V特性において、C値はV1,V2の各電圧において不連続に変化しており、Vが高くなるにつれて不連続点でC値が大きくなるように変化している。
【0057】
第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧Vが、V<V1の領域では、容量に寄与するのは第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)のみである。
【0058】
V1≦V<V2の領域では、第1導電層14aの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)に、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)および第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)が加算される。
【0059】
さらに、V2≦Vの領域では、第1導電層14aおよび第2導電層14bの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)、第2末端上部電極領域16c’とp型ウェル12の間の容量(図6中E部の容量)が加算され、さらに、第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)と第2絶縁膜13bを介して反転層と第2導電層14bが対向する構成の容量(図6中D部の容量)が加算される。
【0060】
図7(b)は、図6に示す構成のバラクターにおいて、第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧Vに対する静電容量Cの値を示したC−V特性を示すグラフである。
但し、図7(a)の場合と異なり、印加電圧Vが第1導電層14aと第2導電層14bの閾値V1,V2以下となると反転層が形成されるいわゆるノーマリーオン型のトランジスタに相当する構成であり、V2<V1とする。このC−V特性において、C値はV2,V1の各電圧において不連続に変化しており、Vが高くなるにつれて不連続点でC値が小さくなるように変化している。
【0061】
V≦V2の領域では、第1導電層14aおよび第2導電層14bの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)、第2末端上部電極領域16c’とp型ウェル12の間の容量(図6中E部の容量)が加算され、さらに、第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)と第2絶縁膜13bを介して反転層と第2導電層14bが対向する構成の容量(図6中D部の容量)が加算される。
【0062】
V2<V≦V1の領域では、第1導電層14aの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)に、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)および第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)が加算される。
【0063】
V1<Vの領域では、容量に寄与するのは第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)のみである。
【0064】
このように、第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧により3種類の状態をつくりだすことができ、それに応じて、隣接している電気的に浮いた拡散層の切り離しが可能になり、バラクターの容量の可変幅をさらに広げることが可能であることがわかる。
【0065】
本発明の半導体装置の製造方法は、上記の実施形態に限定されない。
例えば、上記の第1〜第3各実施形態において、バラクターの下部電極となる半導体領域をp型の不純物領域としているが、n型の不純物領域とすることも可能であり、上部電極となる不純物領域をp型領域とする。このような容量素子は、上記の実施形態と同様にして形成することができる。
また、バラクターとともに搭載されるトランジスタは、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのどちらでもよく、さらに両方を搭載するCMOSトランジスタとすることもできる。
この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明の半導体装置は、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子を有する半導体装置である。
【0067】
また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子を有する半導体装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
【図2】図2は第2実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
【図3】図3(a)および(b)は第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図4】図4(a)および(b)は第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)および(b)は第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図6】図6は第3実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
【図7】図7(a)および(b)は実施例に係る印加電圧Vと静電容量Cの値を示すC−V特性を示すグラフである。
【図8】図8は第1従来例に係るpn接合を用いたバラクターの断面図である。
【図9】図9は第2従来例に係るMOS型の構造を有するバラクターの断面図である。
【符号の説明】
10…シリコン半導体基板、11…素子分離絶縁膜、12…p型ウェル(半導体領域)、13…絶縁膜、13a…第1絶縁膜、13b…第2絶縁膜、14…導電層、14a…第1導電層、14b…第2導電層、15,15a,15b…サイドウォール絶縁膜、16a…第1上部電極領域、16b…第2上部電極領域、16a’…第1末端上部電極領域、16b’…間隙上部電極領域、16c’…第2末端上部電極領域、17…取り出し電極領域、18…層間絶縁膜、19,21…埋め込み電極、20,22…上層配線、30…シリコン半導体基板、31…素子分離絶縁膜、32…酸化シリコン膜、33…p型ウェル(第1半導体領域)、34…p型ウェル(第2半導体領域)、35…第1絶縁膜、36…第1導電層、37…第1絶縁膜、38…第2導電層、39…エクステンション領域、40,41…サイドウォール絶縁膜、42a…第1上部電極領域、42b…第2上部電極領域、43…ソースドレイン領域、44…取り出し電極領域、45…層間絶縁膜、46,48,50…埋め込み電極、47,49,51…上層配線、VA…バラクター、NMOS…NMOSトランジスタ、RVA…バラクター形成領域、RNMOS…NMOSトランジスタ形成領域。
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置およびの製造方法に関し、特にバラクタ素子を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印加する電圧に応じて容量を変化させることができる静電容量素子であるバラクター(varactor)は半導体装置を構成する基本的な素子であり、例えばインダクタとの組合せで、VCO(Voltage Controled
Oscillator)などの回路を形成するのに用いられている。この際、発振周波数は、インダクタ素子のインダクタンスとバラクターのキャパシタンスによって主に決められる。
【0003】
ウェーハ製造工程でのばらつきなどを考えると、所望の周波数を得るためには、一般にインダクタンスを可変にすることが難しいため、バラクターを用いてキャパシタンスを可変とし、ばらつきに応じてキャパシタンスを変えることにより、所望の発振周波数を得る必要がある。
従って、バラクターに対しては、可変幅が大きいことが特性の一つとして望まれる。
また、実際には、素子の特性の一つとして上げられるQ値(Quarity
Factor)も重要な成分となる。これを向上させるためには、素子につく寄生抵抗をできるだけ下げることが望ましい。
【0004】
シリコン基板上にバラクターを形成する場合、pn接合で形成される構造や、MOS型の構造が広く知られている。
【0005】
図8は、pn接合を用いたバラクターの断面図である。
例えば、基板に形成されたp型の半導体領域100の上層に、p型の半導体領域101が形成されており、その表層部分にn型の導電性不純物が高濃度に拡散されたn+ 型の半導体領域102が形成されている。その上層に酸化シリコンなどの絶縁膜103が形成されており、半導体領域102を露出させる開口部が形成されており、半導体領域102に接続するようにn+ 型ポリシリコンなどからなる導電層104が形成されている。
上記の構成のバラクターにおいては、p型の半導体領域101とn+ 型の半導体領域102間のpn接合に形成される空乏層の幅を、印加する逆バイアスによりコントロールして可変の容量を実現している。
【0006】
図9は、MOS型の構造を有するバラクターの断面図である。
例えば、基板に形成されたp型の半導体領域110の表面に酸化シリコンからなる絶縁膜(ゲート絶縁膜)111が形成されており、その上層に導電層(ゲート)112がパターン形成されている。導電層112の両側部における半導体領域110の表層部分に、p型の導電性不純物を高濃度に含有し、p型の半導体領域110に接続するp+ 型の半導体である取り出し領域113が形成されている。
【0007】
上記の構成のバラクターにおいては、導電層112にバイアスを印加することにより絶縁膜111下におけるp型の半導体領域110の表面近傍部分に反転層を形成することにより容量を形成し、導電層112の印加バイアスによって容量値をコントロールしている。
【0008】
一般に、図9のMOS型の構造の方では、わずかなバイアスの差で容量が大きく変化するため、所望の容量値を得るためのコントロールが難しい。
また、図9のMOS型の構造では、ゲート下は不純物濃度が低く(MOSトランジスタのウェルに相当する)、下部電極はゲート周辺の高濃度領域(MOトランジスタのソースドレイン部に相当する)からとりだすことになるが、ゲート部分の面積が大きくなるとゲートの中心部から高濃度領域までの距離が大きくなり、必然的に寄生抵抗が大きくなってしまう。これは、周波数が高くなるに従い顕著になり、周波数が高くなると、下部電極から離れた領域の容量が寄生抵抗によりだんだんと寄与しなくなってくるために、容量の周波数特性を悪化することになる。
【0009】
一方、図8のpn接合の構造では、図9のMOS型に比べ印加バイアスに対する容量の変化量が小さいため、容量値のコントロールがしやすいという利点を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の図8のpn接合を用いたバラクターは、容量の可変幅を大きく取ることが難しいという問題がある。
このように、従来のバラクターに関しては、構造的に不利な点があり、高性能の集積回路を作る上では不利な要素も多かった。
【0011】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子を有する半導体装置とその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置であって、前記静電容量素子は、基板に形成された下部電極となる第1導電型の半導体領域と、前記半導体領域上に絶縁膜を介して形成された導電層と、前記導電層の一方の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第1上部電極領域と、前記導電層の他方の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを有し、前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する。
【0013】
上記の本発明の半導体装置は、導電層をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子を有し、導電層の下方の半導体領域の表層部分に形成される反転層の有無により、半導体領域と第1上部電極領域の間の静電容量と、半導体領域と第2上部電極領域の間の静電容量との接続状態あるいは非接続状態が選択される静電容量素子を有している。反転層の有無は導電層に印加する電圧により選択できる。
【0014】
また、上述の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置であって、前記静電容量素子は、基板に形成された下部電極となる第1導電型の半導体領域と、前記半導体領域上に絶縁膜を介して、所定の間隔で離間して一列に形成された複数個の導電層と、前記複数個の導電層の列における一方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第1末端上部電極領域と、前記複数個の導電層の間隙における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である間隙上部電極領域と、前記複数個の導電層の列における他方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第2末端上部電極領域とを有し、前記半導体領域と前記第1末端上部電極領域の間の静電容量、前記半導体領域と前記間隙上部電極領域の間の静電容量、および、前記半導体領域と前記第2末端上部電極領域の間の静電容量が、前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて前記複数個の導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1末端上部電極領域に印加される電圧の差および前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する。
【0015】
上記の本発明の半導体装置は、複数個の導電層をゲート電極とする複数個の電界効果トランジスタが直列に接続された構成と同様の構成の静電容量素子を有し、複数個の導電層の下方の半導体領域の表層部分に形成される反転層の有無により、半導体領域と第1末端上部電極領域の間の静電容量、半導体領域と間隙上部電極領域の間の静電容量、および、半導体領域と第2末端上部電極領域の間の静電容量の接続状態あるいは非接続状態が選択される静電容量素子を有している。反転層の有無は複数個の導電層に印加する電圧により選択できる。
【0016】
また、上述の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、容量可変の静電容量素子と電界効果トランジスタを有する半導体装置であって、前記静電容量素子は、基板に形成された下部電極となる第1導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域上に第1絶縁膜を介して形成された第1導電層と、前記第1導電層の一方の側部における前記第1半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第1上部電極領域と、前記第1導電層の他方の側部における前記第1半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを有し、前記第1半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記第1半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記第1導電層に印加される電圧に応じて前記第1導電層の下方の前記第1半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記第1導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有し、前記電界効果トランジスタは、前記基板に形成され、チャネル形成領域を有する第2半導体領域と、前記第2半導体領域の前記チャネル形成領域を被覆して第2絶縁膜を介して前記第1導電層と同一の材料で形成された第2導電層と、前記第2導電層の両側部における前記第2半導体領域の表層部分に形成された前記第2半導体領域と反対の導電型のソースドレイン領域を有する。
【0017】
上記の本発明の半導体装置は、導電層をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子と、電界効果トランジスタとを両方とも有する半導体装置である。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容3量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、前記半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域を形成する工程と、前記半導体領域の一部の表層部分に前記第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域を形成する工程と、前記第1上部電極領域と前記第2上部電極領域の間における前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する工程とを有し、前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0019】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板に第1導電型の半導体領域を形成し、半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域を形成し、半導体領域の一部の表層部分に第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域を形成する。
次に、第1上部電極領域と第2上部電極領域の間における半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する。
【0020】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、前記半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域と前記第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを同時に形成する工程と、前記第1上部電極領域と前記第2上部電極領域の間における前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する工程とを有し、前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0021】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板に第1導電型の半導体領域を形成し、半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域と第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを同時に形成する。
次に、第1上部電極領域と第2上部電極領域の間における半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する。
【0022】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する工程と、前記導電層をマスクとして前記導電層の両側部における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域および第2上部電極領域とを形成する工程とを有し、前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0023】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板に第1導電型の半導体領域を形成する。
次に、半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する。
次に、導電層をマスクとして導電層の両側部における半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域および第2上部電極領域とを形成する。
【0024】
上記の半導体装置の製造方法は、上記のようにして、導電層をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子であって、導電層の下方の半導体領域の表層部分に形成される反転層の有無により、半導体領域と第1上部電極領域の間の静電容量と、半導体領域と第2上部電極領域の間の静電容量との接続状態あるいは非接続状態が選択され、反転層の有無は導電層に印加する電圧により選択できる静電容量素子を形成する。
【0025】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して所定の間隔で離間して一列に複数個の導電層を形成する工程と、前記複数個の導電層をマスクとして、前記複数個の導電層の間隙における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である間隙上部電極領域を、前記複数個の導電層の列における一方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1末端上部電極領域を、前記複数個の導電層の列における他方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第2末端上部電極領域を、それぞれ形成する工程とを有し、前記半導体領域と前記第1末端上部電極領域の間の静電容量、前記半導体領域と前記間隙上部電極領域の間の静電容量、および、前記半導体領域と前記第2末端上部電極領域の間の静電容量が、前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて前記複数個の導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1末端上部電極領域に印加される電圧の差および前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0026】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板に第1導電型の半導体領域を形成し、半導体領域の上層に絶縁膜を介して所定の間隔で離間して一列に複数個の導電層を形成する。
次に、複数個の導電層をマスクとして、複数個の導電層の間隙における半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である間隙上部電極領域を、複数個の導電層の列における一方の末端の導電層の間隙部上部電極領域と反対側の側部における半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1末端上部電極領域を、複数個の導電層の列における他方の末端の導電層の間隙部上部電極領域と反対側の側部における半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第2末端上部電極領域を、それぞれ形成する。
このようにして、複数個の導電層をゲート電極とする複数個の電界効果トランジスタが直列に接続された構成と同様の構成の静電容量素子であって、複数個の導電層の下方の半導体領域の表層部分に形成される反転層の有無により、半導体領域と第1末端上部電極領域の間の静電容量、半導体領域と間隙上部電極領域の間の静電容量、および、半導体領域と第2末端上部電極領域の間の静電容量の接続状態あるいは非接続状態が選択され、反転層の有無は複数個の導電層に印加する電圧により選択できる静電容量素子を形成する。
【0027】
また、上記の目的を達成するため、上記の本発明の半導体装置の製造方法は、容量可変の静電容量素子と電界効果トランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、静電容量素子形成領域において基板に第1導電型の第1半導体領域を形成する工程と、電界効果トランジスタ形成領域において前記基板にチャネル形成領域を有する第2半導体領域を形成する工程と、前記静電容量素子形成領域において前記第1半導体領域の上層に第1絶縁膜を介して第1導電層を形成する工程と、前記電界効果トランジスタ形成領域において前記第2半導体領域の前記チャネル形成領域を被覆して第2絶縁膜を介して第2導電層を前記第1導電層と同一の材料で形成する工程と、前記静電容量素子形成領域において前記第1導電層をマスクとして前記第1導電層の両側部における前記第1半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域および第2上部電極領域とを形成する工程と、前記電界効果トランジスタ形成領域において前記第2導電層をマスクとして前記第2導電層の両側部における前記第2半導体領域の表層部分に前記第2半導体領域と反対の導電型のソースドレイン領域を形成する工程とを有し、前記静電容量素子形成領域において、前記第1半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記第1半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記第1導電層に印加される電圧に応じて前記第1導電層の下方の前記第1半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記第1導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する。
【0028】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、導電層をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子と、電界効果トランジスタとを両方とも有する半導体装置を形成する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の半導体装置およびその製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
第1実施形態
図1は本実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
例えば、シリコン半導体基板10に形成されたLOCOS法による素子分離絶縁膜11で区分された活性領域において、下部電極となるp型ウェル(第1導電型の半導体領域)12が形成されており、その表面に酸化シリコンからなる絶縁膜13が形成されており、その上層に、多結晶シリコン、非晶質シリコン、または、シリコンと高融点金属との積層体などを含む導電層14がパターン形成されている。導電層14の両側部には、酸化シリコンからなるサイドウォール絶縁膜15が形成されている。
さらに、導電層14の両側部におけるp型ウェル12の表層部分に、n型(第2導電型)の半導体である第1上部電極領域16aと第2上部電極領域16bが形成されている。
また、第1上部電極領域16aと第2上部電極領域16bから離間した位置において、p型ウェル12の一部の表層部分に、p型ウェル12に接続する高濃度のp型の半導体である取り出し電極領域17が形成されている。
導電層14、第1上部電極領域16a、第2上部電極領域16bおよび取り出し電極領域17を被覆して全面に酸化シリコンの層間絶縁膜18が形成されており、第1上部電極領域16aと取り出し電極領域17に達するコンタクトホールが開口され、第1上部電極領域16aに接続するように埋め込み電極19と上層配線20が形成され、一方、取り出し電極領域17に接続するように埋め込み電極21と上層配線22が形成されている。
【0031】
上記の構成のバラクターにおいては、上層配線(20,22)間にバイアスを印加することにより、即ち、n型の第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間に逆バイアスを印加することにより、第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間のpn接合に空乏層が形成され、容量が得られる。この空乏層の幅は、印加する逆バイアスによりコントロールでき、これにより第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間の容量が可変となっている。
【0032】
ここで、p型ウェル12に形成された第1上部電極領域16aと第2上部電極領域16bとp型ウェル12の上層に絶縁膜13を介して形成された導電層14は、通常のMOS電界効果トランジスタと同様の構成であることから、導電層13に所定の閾値以上の電圧を印加すると導電層13の下方におけるp型ウェル12の表層部分に反転層が形成され、電気的に浮遊状態であった第2上部電極領域16bが反転層により第1上部電極領域16aに電気的に接続される。この結果、第2上部電極領域16bは第1上部電極領域16aと同電位となり、第2上部電極領域16bとp型ウェル12の間のpn接合に空乏層が形成され、新たな容量が得られる。
上記のように反転層により接続されることで、第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間の容量(図1中A部の容量)と第2上部電極領域16bとp型ウェル12の間の容量(図1中C部の容量)とが加算され、さらに、絶縁膜13を介して反転層と導電層14が対向する構成の容量(図1中B部の容量)も発生し、これも加算されて静電容量素子全体の静電容量となる。
【0033】
反対に、導電層13の印加電圧が閾値を越えないようにすると、反転層は形成されないため、静電容量素子全体の静電容量に寄与するのは第1上部電極領域16aとp型ウェル12の間の容量(図1中A部の容量)のみとなる。
【0034】
上記のように、本実施形態に係る半導体装置における容量可変の静電容量素子は、導電層14をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子であり、導電層14の下方のp型ウェル12の表層部分に形成される反転層の有無により、p型ウェル12と第1上部電極領域16aの間の静電容量と、p型ウェル12と第2上部電極領域16bの間の静電容量との接続状態あるいは非接続状態が選択され、反転層の有無は導電層13に印加する電圧により選択できる。
このように、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子となっている。
これにより、より高性能の集積回路を作成することが可能となり、例えばVCOなどでは、周波数の可変領域を広げることができるようになり、余分な補正回路などの必要がなくなる。
【0035】
第2実施形態
本実施形態に係る半導体装置は、バラクターとCMOSトランジスタを有する半導体装置である。
図2は本実施形態に係る半導体装置の断面図であり、図面上、バラクター(VA)とCMOSトランジスタのうちのNMOSトランジスタ(NMOS)を示している。
【0036】
バラクターVAについては、第1実施形態に係るバラクターと同様である。
例えば、シリコン半導体基板30に形成されたLOCOS法による素子分離絶縁膜31で区分された活性領域において、下部電極となるp型ウェル(第1導電型の第1半導体領域)33が形成されており、その表面に酸化シリコンからなる第1絶縁膜35が形成されており、その上層に、多結晶シリコン、非晶質シリコン、または、シリコンと高融点金属との積層体などを含む第1導電層36がパターン形成されている。第1導電層36の両側部には、酸化シリコンからなるサイドウォール絶縁膜40が形成されている。
さらに、第1導電層36の両側部におけるp型ウェル33の表層部分に、n型(第2導電型)の半導体である第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bが形成されている。
また、第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bから離間した位置において、p型ウェル33の一部の表層部分に、p型ウェル33に接続する高濃度のp型の半導体である取り出し電極領域44が形成されている。
以上のようにバラクター(VA)が構成されている。
【0037】
一方、n型のシリコン半導体基板30の他の活性領域に形成されたチャネル形成領域を有するp型ウェル(第1導電型の第2半導体領域)34の表面に酸化シリコンからなる第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)37が形成されており、その上層に第2導電層(ゲート電極)38がパターン形成されている。第2導電層38の両側面には、サイドウォール絶縁膜41が形成されている。
また、第2導電層38の両側部における第2半導体領域34の表層部分に、n型の導電性不純物を含有するn型のソースドレイン領域43と、そのチャネル形成領域側に形成されたn型のエクステンション領域39が形成されている。
以上のようにNMOSトランジスタ(NMOS)が構成されている。
PMOSトランジスタは、基本的にNMOSトランジスタ(NMOS)においてp型不純物とn型不純物を入れ替えた構成であり、図面上には示していないが、本実施形態に係る半導体装置にはPMOSトランジスタも有している構成とすることができる。
【0038】
上記のバラクター(VA)およびNMOSトランジスタ(NMOS)を被覆して、全面に酸化シリコンの層間絶縁膜45が形成されており、バラクター(VA)においては、第1上部電極領域42aと取り出し電極領域44に達するコンタクトホールが開口され、第1上部電極領域42aに接続するように埋め込み電極46と上層配線47が形成され、一方、取り出し電極領域44に接続するように埋め込み電極48と上層配線49が形成されている。
一方、NMOSトランジスタ(NMOS)においては、層間絶縁膜45に対してソースドレイン領域43に達するコンタクトが開口され、埋め込み電極50と上層配線51が接続して形成されている。
【0039】
上記の本実施形態に係る半導体装置におけるバラクター(VA)は、第1実施形態と同様に、第1導電層36の下方におけるp型ウェル33の表層部分に反転層が形成され、第1上部電極領域42aとp型ウェル33の間の容量と第2上部電極領域42bとp型ウェル33の間の容量とが加算され、さらに、第1絶縁膜35を介して反転層と第1導電層36が対向する構成の容量も発生し、これも加算されて静電容量素子全体の静電容量となる。
反対に、第1導電層36の印加電圧が閾値を越えないようにすると、反転層は形成されないため、静電容量素子全体の静電容量に寄与するのは第1上部電極領域42aとp型ウェル33の間の容量のみとなる。
【0040】
上記のように、本実施形態に係る半導体装置における容量可変の静電容量素子は、第1導電層36をゲート電極とする電界効果トランジスタと同様の構成の静電容量素子であり、第1導電層36の下方のp型ウェル33の表層部分に形成される反転層の有無により、p型ウェル33と第1上部電極領域42aの間の静電容量と、p型ウェル33と第2上部電極領域42bの間の静電容量との接続状態あるいは非接続状態が選択され、反転層の有無は第1導電層36に印加する電圧により選択できる。
このように、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子となっている。
【0041】
また、上記の本実施形態に係る半導体装置におけるNMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタを含むCMOSトランジスタは、広く半導体装置に採用されている構成のトランジスタである。
【0042】
次に、上記の本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、n型のシリコン半導体基板30に対して、活性領域をバラクター形成領域RVAとNMOSトランジスタ形成領域RNMOSに区分するように、LOCOS法により素子分離絶縁膜31を形成し、例えば熱酸化法などにより酸化シリコン膜32を全面に形成する。
次に、フォトレジスト(不図示)を用いたパターニング処理とイオン注入法により、バラクター形成領域RVAにおいてp型ウェル(第1導電型の第1半導体領域)33を形成し、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいてp型ウェル(第1導電型の第2半導体領域)34を形成する。なお、この際、NMOSトランジスタの閾値Vthを決めるための表面濃度をコントロールするイオン注入も同時に行う。バラクター形成領域RVAにおいても同様にして反転層が形成されるときの閾値を調整する。
【0043】
次に、図3(b)に示すように、酸化シリコン膜32をフッ酸などのウェットエッチングなどにより除去し、バラクター形成領域RVAとNMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいて、例えば熱酸化法により酸化シリコン膜を形成し、その上層に例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより、多結晶シリコン、非晶質シリコン、または、シリコンと高融点金属との積層体などを全面に成膜し、フォトレジスト(不図示)を用いたパターニング処理とRIE(反応性イオンエッチング)などのエッチング処理によりパターン加工する。
これにより、バラクター形成領域RVAにおいて酸化シリコンの第1絶縁膜35と多結晶シリコンなどからなる第1導電層36を形成し、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいて酸化シリコンの第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)37と多結晶シリコンなどからなる第2導電層(ゲート電極)38を形成する。
このとき、バラクター形成領域RVAの第1導電層36とNMOSトランジスタ形成領域RNMOSの第2導電層(ゲート電極)38は同じ材料で同一の工程で形成することができる。
【0044】
次に、図4(a)に示すように、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSを開口するフォトレジスト(不図示)を形成し、n型の導電性不純物をイオン注入してエクステンション領域39を形成する。
【0045】
次に、図4(b)に示すように、例えばCVD法により酸化シリコンを全面に堆積させ、RIEなどのエッチングにより全面にエッチバックすることで、バラクター形成領域RVAにおいて第1導電層36の両側面にサイドウォール絶縁膜40を形成し、一方、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいて第2導電層38の両側面にサイドウォール絶縁膜41を形成する。
【0046】
次に、図5(a)に示すように、フォトレジスト(不図示)を用いたパターニング処理とイオン注入法により、バラクター形成領域RVAにおいて第1導電層36およびサイドウォール絶縁膜40をマスクとして高濃度のn型の導電性不純物をイオン注入し、第1導電層36の両側部におけるp型ウェル33の表層部分に、n型の半導体である第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bを形成する。
一方、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいて、第2導電層38およびサイドウォール絶縁膜41をマスクとして高濃度のn型の導電性不純物をイオン注入し、ソースドレイン領域43を形成する。
【0047】
次に、図5(b)に示すように、フォトレジスト(不図示)を用いたパターニング処理とイオン注入法により、バラクター形成領域RVAにおいて、第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bから離間した位置において、p型ウェル33の一部の表層部分に、p型ウェル33に接続する高濃度のp型の半導体である取り出し電極領域44を形成する。
【0048】
尚、PMOSトランジスタについては、上記のNMOSトランジスタの形成方法においてp型不純物をn型不純物を入れ替えることで形成できる。
特に上記のバラクターの取り出し電極領域44を形成する工程は、PMOSトランジスタのソースドレイン領域を形成する工程と同時に行うことができる。
以上で、バラクター形成領域RVAにバラクター(VA)を形成し、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにNMOSSトランジスタ(NMOS)を形成することができる。
【0049】
以降の工程としては、例えば、CVD法によりのバラクター(VA)およびNMOSトランジスタ(NMOS)を被覆して、全面に酸化シリコンの層間絶縁膜45を形成し、バラクター形成領域RVAにおいて第1上部電極領域42aと取り出し電極領域44に達するコンタクトホールを開口し、また、NMOSトランジスタ形成領域RNMOSにおいてソースドレイン領域43に達するコンタクトホールを開口する。
次に、第1上部電極領域42a、取り出し電極領域44およびソースドレイン領域43に接続するように、埋め込み電極(46,48,50)を形成し、さらに上層配線(47,49,51)を形成する。
以上で、図2に示す半導体装置とすることができる。
【0050】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、可変幅を大きく取ることができるMOS型の構造であって、印加バイアスに対する容量の変化量を従来より小さくすることができ、所望の容量値を得るためのコントロールが容易なバラクターを形成することができる。
これにより、より高性能の集積回路を作成することが可能となり、例えばVCOなどでは、周波数の可変領域を広げることができるようになり、余分な補正回路などの必要がなくなる。
【0051】
上記の製造方法においては、バラクターの形成方法として、p型ウェル33上に第1絶縁膜を介して第1導電層を形成した後、これをマスクとして高濃度のn型の導電性不純物をイオン注入し、第1導電層36の両側部におけるp型ウェル33の表層部分に、n型の半導体である第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bを形成しているが、この方法に限らず、例えば、p型ウェル33の表層部分にn型の半導体である第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bを所定の距離を離間して、別々にあるいは同時に形成し、第1上部電極領域42aと第2上部電極領域42bの間におけるp型ウェル33の上層に第1絶縁膜を介して第1導電層を形成するという順序で形成することも可能である。
【0052】
第3実施形態
図6は本実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
例えば、シリコン半導体基板10に形成されたLOCOS法による素子分離絶縁膜11で区分された活性領域において、下部電極となるp型ウェル(第1導電型の半導体領域)12が形成されており、その表面に酸化シリコンからなる第1絶縁膜13aおよび第2絶縁膜13bが形成されており、その上層に、多結晶シリコン、非晶質シリコン、または、シリコンと高融点金属との積層体などを含む第1導電層14aおよび第2導電層14bが所定の間隔でパターン形成されている。第1導電層14aおよび第2導電層14bの両側部には、酸化シリコンからなるサイドウォール絶縁膜(15a,15b)が形成されている。
さらに、第1導電層14aおよび第2導電層14bの両側部におけるp型ウェル12の表層部分に、n型(第2導電型)の半導体である第1末端上部電極領域16a’、間隙上部電極領域16b’および第2末端上部電極領域16c’が形成されている。
また、第1末端上部電極領域16a’、間隙上部電極領域16b’および第2末端上部電極領域16c’から離間した位置において、p型ウェル12の一部の表層部分に、p型ウェル12に接続する高濃度のp型の半導体である取り出し電極領域17が形成されている。
第1導電層14a、第2導電層14b、第1末端上部電極領域16a’、間隙上部電極領域16b’および第2末端上部電極領域16c’および取り出し電極領域17を被覆して全面に酸化シリコンの層間絶縁膜18が形成されており、第1末端上部電極領域16a’と取り出し電極領域17に達するコンタクトホールが開口され、第1末端上部電極領域16a’に接続するように埋め込み電極19と上層配線20が形成され、一方、取り出し電極領域17に接続するように埋め込み電極21と上層配線22が形成されている。
【0053】
上記の本実施形態の半導体装置は、2個の導電層をゲート電極とする2個の電界効果トランジスタが直列に接続された構成と同様の構成となっており、2個の導電層(第1導電層14a、第2導電層14b)の下方のp型ウェル12の表層部分に形成される反転層の有無により、p型ウェル12と第1末端上部電極領域16a’の間の静電容量、p型ウェル12と間隙上部電極領域16b’の間の静電容量、および、p型ウェル12と第2末端上部電極領域16c’の間の静電容量の接続状態あるいは非接続状態が選択され、この反転層の有無は複数個の導電層(第1導電層14a、第2導電層14b)に印加する電圧により選択できる。このとき、第1導電層14aと第2導電層14bの下方におけるp型ウェル12の表層部分の不純物濃度を変化させ、第1導電層14aと第2導電層14bとにおいて反転層が形成される閾値を変化させることで、バラクター全体の容量可変幅を広くとることができる。
【0054】
例えば、第1導電層14aの閾値V1と第2導電層14bの閾値V2とで、V1<V2と設定する。第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧Vについて以下のように場合分けする。
(1)V<V1の場合
第1導電層14aと第2導電層14bの下方にはともに反転層が形成されず、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)のみの静電容量となる。
(2)V1≦V<V2の場合
第1導電層14aの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)と間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)とが接続され、さらに第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)が加算された容量がバラクター全体の静電容量となる。
(3)V2≦Vの場合
第1導電層14aと第2導電層14bの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)、および第2末端上部電極領域16c’とp型ウェル12の間の容量(図6中E部の容量)とが接続され、さらに第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)と、第2絶縁膜13bを介して反転層と第2導電層14bが対向する構成の容量(図6中D部の容量)が加算された容量がバラクター全体の静電容量となる。
このように、第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧により3種類の状態をつくりだすことができ、それに応じて、隣接している電気的に浮いた拡散層の切り離しが可能になり、バラクターの容量の可変幅をさらに広げることが可能である。
【0055】
さらに、導電層が3個以上形成されて列を構成しており、3個以上の電界効果トランジスタが直列に接続された構成と同様の構成となっている場合にも、上記の同様に、各導電層における反転層形成のための閾値が、複数個の導電層の列における一方の末端から他方の末端へと順に大きくあるいは小さく変化するように設定することで、容量の可変幅をさらに広く取ることができる。
【0056】
(実施例)
図7(a)は、図6に示す構成のバラクターにおいて、第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧Vに対する静電容量Cの値を示したC−V特性を示すグラフである。印加電圧Vが第1導電層14aと第2導電層14bの閾値V1,V2以上となると反転層が形成されるいわゆるノーマリーオフ型のトランジスタに相当する構成であり、V1<V2とする。このC−V特性において、C値はV1,V2の各電圧において不連続に変化しており、Vが高くなるにつれて不連続点でC値が大きくなるように変化している。
【0057】
第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧Vが、V<V1の領域では、容量に寄与するのは第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)のみである。
【0058】
V1≦V<V2の領域では、第1導電層14aの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)に、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)および第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)が加算される。
【0059】
さらに、V2≦Vの領域では、第1導電層14aおよび第2導電層14bの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)、第2末端上部電極領域16c’とp型ウェル12の間の容量(図6中E部の容量)が加算され、さらに、第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)と第2絶縁膜13bを介して反転層と第2導電層14bが対向する構成の容量(図6中D部の容量)が加算される。
【0060】
図7(b)は、図6に示す構成のバラクターにおいて、第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧Vに対する静電容量Cの値を示したC−V特性を示すグラフである。
但し、図7(a)の場合と異なり、印加電圧Vが第1導電層14aと第2導電層14bの閾値V1,V2以下となると反転層が形成されるいわゆるノーマリーオン型のトランジスタに相当する構成であり、V2<V1とする。このC−V特性において、C値はV2,V1の各電圧において不連続に変化しており、Vが高くなるにつれて不連続点でC値が小さくなるように変化している。
【0061】
V≦V2の領域では、第1導電層14aおよび第2導電層14bの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)、第2末端上部電極領域16c’とp型ウェル12の間の容量(図6中E部の容量)が加算され、さらに、第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)と第2絶縁膜13bを介して反転層と第2導電層14bが対向する構成の容量(図6中D部の容量)が加算される。
【0062】
V2<V≦V1の領域では、第1導電層14aの下方に反転層が形成され、第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)に、間隙上部電極領域16b’とp型ウェル12の間の容量(図6中C部の容量)および第1絶縁膜13aを介して反転層と第1導電層14aが対向する構成の容量(図6中B部の容量)が加算される。
【0063】
V1<Vの領域では、容量に寄与するのは第1末端上部電極領域16a’とp型ウェル12の間の容量(図6中A部の容量)のみである。
【0064】
このように、第1導電層14aと第2導電層14bの印加電圧により3種類の状態をつくりだすことができ、それに応じて、隣接している電気的に浮いた拡散層の切り離しが可能になり、バラクターの容量の可変幅をさらに広げることが可能であることがわかる。
【0065】
本発明の半導体装置の製造方法は、上記の実施形態に限定されない。
例えば、上記の第1〜第3各実施形態において、バラクターの下部電極となる半導体領域をp型の不純物領域としているが、n型の不純物領域とすることも可能であり、上部電極となる不純物領域をp型領域とする。このような容量素子は、上記の実施形態と同様にして形成することができる。
また、バラクターとともに搭載されるトランジスタは、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのどちらでもよく、さらに両方を搭載するCMOSトランジスタとすることもできる。
この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明の半導体装置は、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子を有する半導体装置である。
【0067】
また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、所望の容量値を得るためのコントロールが容易で、容量の可変幅を大きく取ることができる容量可変の静電容量素子を有する半導体装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
【図2】図2は第2実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
【図3】図3(a)および(b)は第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図4】図4(a)および(b)は第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)および(b)は第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図6】図6は第3実施形態に係る容量可変の静電容量素子であるバラクターを有する半導体装置の断面図である。
【図7】図7(a)および(b)は実施例に係る印加電圧Vと静電容量Cの値を示すC−V特性を示すグラフである。
【図8】図8は第1従来例に係るpn接合を用いたバラクターの断面図である。
【図9】図9は第2従来例に係るMOS型の構造を有するバラクターの断面図である。
【符号の説明】
10…シリコン半導体基板、11…素子分離絶縁膜、12…p型ウェル(半導体領域)、13…絶縁膜、13a…第1絶縁膜、13b…第2絶縁膜、14…導電層、14a…第1導電層、14b…第2導電層、15,15a,15b…サイドウォール絶縁膜、16a…第1上部電極領域、16b…第2上部電極領域、16a’…第1末端上部電極領域、16b’…間隙上部電極領域、16c’…第2末端上部電極領域、17…取り出し電極領域、18…層間絶縁膜、19,21…埋め込み電極、20,22…上層配線、30…シリコン半導体基板、31…素子分離絶縁膜、32…酸化シリコン膜、33…p型ウェル(第1半導体領域)、34…p型ウェル(第2半導体領域)、35…第1絶縁膜、36…第1導電層、37…第1絶縁膜、38…第2導電層、39…エクステンション領域、40,41…サイドウォール絶縁膜、42a…第1上部電極領域、42b…第2上部電極領域、43…ソースドレイン領域、44…取り出し電極領域、45…層間絶縁膜、46,48,50…埋め込み電極、47,49,51…上層配線、VA…バラクター、NMOS…NMOSトランジスタ、RVA…バラクター形成領域、RNMOS…NMOSトランジスタ形成領域。
Claims (11)
- 容量可変の静電容量素子を有する半導体装置であって、
前記静電容量素子は、
基板に形成された下部電極となる第1導電型の半導体領域と、
前記半導体領域上に絶縁膜を介して形成された導電層と、
前記導電層の一方の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第1上部電極領域と、
前記導電層の他方の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第2上部電極領域と
を有し、
前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する
半導体装置。 - 前記導電層が、多結晶シリコン、非晶質シリコン、または、シリコンと高融点金属との積層体を含む
請求項1に記載の半導体装置。 - 容量可変の静電容量素子を有する半導体装置であって、
前記静電容量素子は、
基板に形成された下部電極となる第1導電型の半導体領域と、
前記半導体領域上に絶縁膜を介して、所定の間隔で離間して一列に形成された複数個の導電層と、
前記複数個の導電層の列における一方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第1末端上部電極領域と、
前記複数個の導電層の間隙における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である間隙上部電極領域と、
前記複数個の導電層の列における他方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第2末端上部電極領域と
を有し、
前記半導体領域と前記第1末端上部電極領域の間の静電容量、前記半導体領域と前記間隙上部電極領域の間の静電容量、および、前記半導体領域と前記第2末端上部電極領域の間の静電容量が、前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて前記複数個の導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1末端上部電極領域に印加される電圧の差および前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する
半導体装置。 - 前記複数個の導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に反転層が生成されるときの前記複数個の導電層の印加電圧の閾値が、前記複数個の導電層の列における一方の末端から他方の末端へと順に大きくあるいは小さく変化するように設定されている
請求項3に記載の半導体装置。 - 容量可変の静電容量素子と電界効果トランジスタを有する半導体装置であって、
前記静電容量素子は、基板に形成された下部電極となる第1導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域上に第1絶縁膜を介して形成された第1導電層と、前記第1導電層の一方の側部における前記第1半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第1上部電極領域と、前記第1導電層の他方の側部における前記第1半導体領域の表層部分に形成された第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを有し、前記第1半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記第1半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記第1導電層に印加される電圧に応じて前記第1導電層の下方の前記第1半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記第1導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有し、
前記電界効果トランジスタは、前記基板に形成され、チャネル形成領域を有する第2半導体領域と、前記第2半導体領域の前記チャネル形成領域を被覆して第2絶縁膜を介して前記第1導電層と同一の材料で形成された第2導電層と、前記第2導電層の両側部における前記第2半導体領域の表層部分に形成された前記第2半導体領域と反対の導電型のソースドレイン領域を有する
半導体装置。 - 容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、
基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、
前記半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域を形成する工程と、
前記半導体領域の一部の表層部分に前記第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域を形成する工程と、
前記第1上部電極領域と前記第2上部電極領域の間における前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する工程と
を有し、
前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する
半導体装置の製造方法。 - 容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、
基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、
前記半導体領域の一部の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域と前記第1上部電極領域から所定の距離を離間して第2導電型の半導体である第2上部電極領域とを同時に形成する工程と、
前記第1上部電極領域と前記第2上部電極領域の間における前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する工程と
を有し、
前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する
半導体装置の製造方法。 - 容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、
基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、
前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して導電層を形成する工程と、
前記導電層をマスクとして前記導電層の両側部における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域および第2上部電極領域とを形成する工程と
を有し、
前記半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記導電層に印加される電圧に応じて前記導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する
半導体装置の製造方法。 - 容量可変の静電容量素子を有する半導体装置の製造方法であって、
基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程と、
前記半導体領域の上層に絶縁膜を介して所定の間隔で離間して一列に複数個の導電層を形成する工程と、
前記複数個の導電層をマスクとして、前記複数個の導電層の間隙における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である間隙上部電極領域を、前記複数個の導電層の列における一方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1末端上部電極領域を、前記複数個の導電層の列における他方の末端の導電層の前記間隙部上部電極領域と反対側の側部における前記半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第2末端上部電極領域を、それぞれ形成する工程と
を有し、
前記半導体領域と前記第1末端上部電極領域の間の静電容量、前記半導体領域と前記間隙上部電極領域の間の静電容量、および、前記半導体領域と前記第2末端上部電極領域の間の静電容量が、前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて前記複数個の導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1末端上部電極領域に印加される電圧の差および前記複数個の導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する
半導体装置の製造方法。 - 前記基板に第1導電型の半導体領域を形成する工程において、前記複数個の導電層の下方の前記半導体領域の表層部分に反転層が生成されるときの前記複数個の導電層の印加電圧の閾値が、前記複数個の導電層の列における一方の末端から他方の末端へと順に大きくあるいは小さく変化するように、前記複数個の導電層の下方の前記半導体領域の表層部分の導電性不純物濃度が、前記複数個の導電層の列における一方の末端から他方の末端へと順に高くあるいは低く変化するように形成する
請求項9に記載の半導体装置の製造方法。 - 容量可変の静電容量素子と電界効果トランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、
静電容量素子形成領域において基板に第1導電型の第1半導体領域を形成する工程と、
電界効果トランジスタ形成領域において前記基板にチャネル形成領域を有する第2半導体領域を形成する工程と、
前記静電容量素子形成領域において前記第1半導体領域の上層に第1絶縁膜を介して第1導電層を形成する工程と、
前記電界効果トランジスタ形成領域において前記第2半導体領域の前記チャネル形成領域を被覆して第2絶縁膜を介して第2導電層を前記第1導電層と同一の材料で形成する工程と、
前記静電容量素子形成領域において前記第1導電層をマスクとして前記第1導電層の両側部における前記第1半導体領域の表層部分に第2導電型の半導体である第1上部電極領域および第2上部電極領域とを形成する工程と、
前記電界効果トランジスタ形成領域において前記第2導電層をマスクとして前記第2導電層の両側部における前記第2半導体領域の表層部分に前記第2半導体領域と反対の導電型のソースドレイン領域を形成する工程と
を有し、
前記静電容量素子形成領域において、前記第1半導体領域と前記第1上部電極領域の間の静電容量と、前記第1半導体領域と前記第2上部電極領域の間の静電容量とが、前記第1導電層に印加される電圧に応じて前記第1導電層の下方の前記第1半導体領域の表層部分に生成される反転層により接続され、前記半導体領域に印加される電圧と前記第1上部電極領域に印加される電圧の差および前記第1導電層に印加される電圧に応じて可変の静電容量を有する静電容量素子を形成する
半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003068702A JP2004281567A (ja) | 2003-03-13 | 2003-03-13 | 半導体装置およびその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102244000A (zh) * | 2011-06-23 | 2011-11-16 | 上海宏力半导体制造有限公司 | 半导体器件、变容二极管及其形成方法 |
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2003
- 2003-03-13 JP JP2003068702A patent/JP2004281567A/ja active Pending
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CN102244000A (zh) * | 2011-06-23 | 2011-11-16 | 上海宏力半导体制造有限公司 | 半导体器件、变容二极管及其形成方法 |
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