JP2004281105A - クロム被毒抑制材料および電気化学装置 - Google Patents

クロム被毒抑制材料および電気化学装置 Download PDF

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重則 伊藤
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Abstract

【課題】触媒のクロム被毒を抑制可能な新規材料を提供する。
【解決手段】触媒のクロム被毒を抑制する材料は、A1−x3−δ(Aは、ランタノイド属に属する元素である。Eは、カルシウムおよびストロンチウムからなる群より選ばれた一種以上の元素である。Bは、クロム、マンガン、鉄、コバルトおよびニッケルからなる群より選ばれた一種以上の元素である。0.5≦x<1.0、0.9≦y<1.0)の組成を有するペロブスカイト構造のセラミックスからなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロム被毒抑制材料および電気化学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平板型SOFCにおいては、固体電解質セルとセパレータとを交互に積層させて集合電池を作製することが通常である。セパレータは、隣接する各セルを電気的に接続し、かつ、酸化ガスと燃料ガスとを隔離するものである。セパレータに要求される性質としては、ガス不透過性、高導電性、高い熱伝導性が必要である。このような条件を満たすため、近年はNi−Cr−Fe系等のクロム系耐熱合金からなるセパレータを用いることが検討されている。耐熱合金中に含まれるクロムは、電池を約800〜1000℃といった高温で作動させると、耐熱合金セパレータの表面に酸化クロムの層が生成するので、高温でのセパレータの酸化や腐食防止等の役割を果たしている。
【0003】しかし、合金セパレータ中に含まれるクロムや合金表面に形成されたクロム酸化物からCrO、CrO(OH)等のクロム化合物が蒸発し、空気極の触媒活性点である三相界面に析出する。 そのため、空気極の電極活性が低下し、空気極の反応抵抗及びオーム抵抗が増大するので、電池寿命が短くなっていた。これは触媒のクロム被毒現象と呼ばれる。
【0004】特許文献1においては、ランタンマンガナイトまたはランタンクロマイトのペロブスカイト構造体と酸化ランタンとの混合物を含むペーストを、クロム合金からなるセパレータの表面に塗布して膜を形成しており、これによって空気極の被毒を防止している(0009〜0023)。
【特許文献1】
特開平7−45291号公報
【0005】特許文献2においては、クロム合金からなるセパレータの表面に、ランタンクロマイトのペロブスカイト構造体の粉末と酸化ランタン粉末との混合スラリーを塗布して保護層を形成している。そして、得られた電池を稼働させ、空気極の被毒の抑制を試みている(0016〜0019)。また、空気極とセパレータとの間に白金網を設置して集電することが記載されている(0015および図1)。
【特許文献2】
特開平7−153469号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、より一層安定してクロムによる触媒被毒を抑制することが求められており、新たなクロム被毒抑制材料が求められている。
【0007】本発明の課題は、触媒のクロム被毒を抑制可能な新規材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、触媒のクロム被毒を抑制する材料であって、A1−x3−δ(Aは、ランタノイド属に属する元素である。Eは、カルシウムおよびストロンチウムからなる群より選ばれた一種以上の元素である。Bは、クロム、マンガン、鉄、コバルトおよびニッケルからなる群より選ばれた一種以上の元素である。0.5≦x<1.0、0.9≦y<1.0)の組成を有するペロブスカイト構造のセラミックスからなることを特徴とする。
【0009】本発明者は、上記のように、特定のBサイト欠損組成のペロブスカイト構造体によって、触媒のクロム被毒を安定して抑制できることを見いだし、本発明に到達した。
【0010】なお、特許文献1、2記載の材料は、AサイトとBサイトとが定比組成のペロブスカイト構造体と、酸化ランタンとの混合セラミックスであり、Bサイト欠損組成のペロブスカイト構造体ではない。
【0011】また、例えばBサイト欠損ランタンクロマイトは知られているが、これはセラミックセパレータと同時に使用されてきており、従って酸化剤雰囲気中にクロム蒸気が含有されることはなく、クロム被毒抑制ないし防止材料ではない。
【0012】また、第二の発明は、触媒のクロム被毒を抑制する材料であって、ランタノイド属に属する元素の酸化物とペロブスカイト構造体との混合物からなり、この混合物がA1−x3−δ(Aは、ランタノイド属に属する元素である。Eは、カルシウムおよびストロンチウムからなる群より選ばれた一種以上の元素である。Bは、クロム、マンガン、鉄、コバルトおよびニッケルからなる群より選ばれた一種以上の元素である。0.5≦x<1.0、0.8≦y<1.0)の組成を有しており、かつ混合物が溶射法によって形成されていることを特徴とする。
【0013】本発明者は、AサイトとBサイトとが定比組成のペロブスカイト構造体と、例えば酸化ランタンとの混合セラミックスであっても、溶射法によって成膜された場合には特に高いクロム被毒抑制性能を示すことを見いだし、本発明に到達した。
【0014】なお、特許文献1、2では、AサイトとBサイトとが定比組成のペロブスカイト構造体の粉末と、例えば酸化ランタン粉末との混合物をスラリーあるいはペーストとし、セパレータ表面に塗布し、成膜しており、溶射法については記載されていない。
【0015】第二の発明においては、ペロブスカイトのAサイトを構成するランタノイド属に属する元素の酸化物とペロブスカイト構造体との混合物からなり、この混合物がA1−x3−δの組成を有する。ここで、混合物の組成は、前記酸化物とペロブスカイト構造体との各構成元素の各比率を積算して算出した比率であり、酸化物における元素比率ではなく、ペロブスカイト構造体における比率でもない。また、酸素原子の比率である(3−δ)は、ペロブスカイト構造体などの複合酸化物の組成を表す一般的な表記方法である。これは理想的な定比組成では3である。しかし、他の価数の元素によってAまたはBサイトが一部置換された場合には、電気的中立の原理によってδが定まる。
【0016】
【発明の実施の形態】第一、第二の発明において、Aは、ランタノイド属に属する元素である。La, Pr, Smであることが特に好ましい。
【0017】第一、第二の発明において、Eは、カルシウムおよびストロンチウムからなる群より選ばれた一種以上の元素である。Aサイトにおけるランタノイド元素の割合xは、0.5以上、1未満とする。xは、更に好ましくは、0.7以上であり、0.9以下である。
【0018】第一、第二の発明において、Bは、クロム、マンガン、鉄、コバルトおよびニッケルからなる群より選ばれた一種以上の元素である。ここで、特に好ましくは、Bがクロムを含んでおり、一層好ましくは、Bサイトにおけるクロムの比率が50原子%以上である。
【0019】第一の発明において、Bの原子比率yは、0.9以上、1.0未満とする。ここで、本発明の観点からは、yが0.98以下であることが好ましく、0.95以下であることが更に好ましい。
第二の発明において、Bの原子比率yは、0.8以上、1.0未満とする。ここで、本発明の観点からは、yが0.95以下であることが好ましく、0.90
以下であることが更に好ましい。
【0020】第一の発明、第二の発明の材料は、触媒のクロムによる被毒が問題になる、あらゆる用途に適用可能である。しかし、高温で作動する電気化学セルにおいて空気極のクロム被毒を抑制することが特に好適な用途である。
【0021】本発明において、電気化学セルは、電気化学的反応を実行するためのセルを意味している。例えば、電気化学セルは、酸素ポンプ、高温水蒸気電解セル、高温固体酸化物型燃料電池である。高温水蒸気電解セルは、水素の製造装置に使用でき、また水蒸気の除去装置に使用できる。また、電気化学セルは、NOx、SOxの分解セルとして使用できる。
【0022】固体電解質層の材料は特に限定されず、イットリア安定化ジルコニア又はイットリア部分安定化ジルコニアであってよい。また、NOx分解セルの場合には、酸化セリウムも好ましい。
【0023】セパレータの材質には、インコネル、ニクロムなどのニッケル基合金、ヘンズアロイなどのコバルト基合金、ステンレスなどの鉄基合金が用いられる。
【0024】本発明の電気化学セルにおいては、セパレータの材質がクロム含有合金でない場合も含まれる。なぜなら、ガス供給管、チャンバー壁、導電性接続部材(インターコネクター)、集電体などの他の部材が、クロムを含有する合金であり、かつ高温(例えば600℃以上、更には800℃以上)に曝露される場合には、空気極がクロム蒸気に曝露され、被毒が生ずるからである。
【0025】導電性接続部材を使用する場合には、この材質は、インコネル、ニクロムなどのニッケル基合金、ヘンズアロイなどのコバルト基合金、ステンレスなどの鉄基合金以外に、白金、銀、金、パラジウムなどがある。
【0026】導電性接続部材を構成する通気性材料は、通気性を有していれば特に限定されないが、好ましくは加圧時に塑性変形可能な材質である。導電性部材には凹凸やエンボス部を設けることができる。好ましくは、通気性材料が次のいずれかである。
(1)網(網状物)
(2)多数の通気孔が規則的に形成された金属板:好ましくは、パンチングメタル、エッチングメタル、エキスパンドメタル(エキスパンド)
(3)フェルト状
【0027】好適な実施形態においては、セパレータを、第一の発明、第二の発明の材料によって被覆する。
【0028】また、好適な実施形態においては、空気極や導電性接続部材が、第一の発明、第二の発明の材料によって被覆されている。
【0029】第一の発明の材料の製造方法は特に限定されない。この材料が膜状である場合には、ドクターブレード法、スピンコート法、キャスト法、溶射法など、任意のコーティング法によって成膜できる。また、得られた膜を、装置稼働前に加熱処理することもできる。第一の発明、第二の発明において、溶射法を採用する場合には、プラズマ溶射、フレーム溶射法が特に好ましい。この場合には、低圧プラズマ溶射であってよく、常圧プラズマ溶射であってよい。
【0030】しかし、第一の発明、第二の発明の材料は膜状である必要はなく、バルク状であってもよい。この場合にも、本材料がクロム蒸気の流路に存在している限りは、クロム蒸気を吸引、反応し、触媒の被毒を抑制する作用が得られる。
【0031】図1、図2は、それぞれ、本発明の各実施形態に係る電気化学セルの主要部を示す模式的断面図である。図1の例においては、固体電解質板1の一方の面上に燃料極2が形成されており、他方の面上に空気極3が形成されている。空気極3とセパレータ7との間には、酸化性ガスを通過させるための酸化性ガス通路4が形成されている。通路4内には、例えば網状の導電性接続部材5が収容されている。導電性接続部材5は、セパレータ7および空気極1に接触し、セパレータ7とセル10とを電気的に接続している。このようなセル10、導電性接続部材5およびセパレータ7を交互に積層することによって、集合電池を作製する。本例においては、セパレータ7の表面7aが、第一の発明、第二の発明の材料からなる膜6によって被覆されている。
【0032】図2のセル10Aにおいては、更に、空気極3の表面3aが、第一の発明、第二の発明の材料からなる膜8によって被覆されている。
【0033】
【実施例】(実施例1:第一の発明)
Laを130.3g、CaCOを20.0g 、Crを72.2g 秤量し、粉末:水:ZrO玉石=1:1:2( 重量比) の条件で5 時間混合した。混合後のスラリーを乾燥器に入れ、水を蒸発させた後電気炉にセットし、大気雰囲気1600℃で15時間反応させた。合成後の粉末はランタンクロマイトのみからなり、異相は確認されなかった。化学分析の結果、組成式はLa0.8Ca0.2Cr0.953− δであった。この粉末をエチルセルロース、ブチルカルビトールと混合し、ペースト化した。作製したペーストを、フェライト系ステンレスSUS 430 からなるセパレータ7の表面7aに塗布し、膜6を成膜した。
【0034】厚さ0.2mmの安定化ジルコニア板1(東ソー株式会社製「 TZ−8Y」緻密体) の両面に、それぞれランタンマンガナイト空気極3、Ni−YSZ燃料極2をスクリーン印刷し、1200℃で焼き付け、セル10を作製した。空気極3、燃料極2の厚さは、それぞれ50μm であった。セル10の空気極3側に、集電用の白金製金網5を設置し、この上にセパレータ7を設置した。
【0035】次いで、セルの温度を800℃に昇温し、燃料極2側に25℃の加湿水素を流し、空気極側通路4に空気を流し、発電試験を行った。セル電圧が0.7Vになるようにポテンショスタットで電流を制御し、その時の電流変化を記録し、劣化率を算出し、結果を表1に示した。劣化率の計算式を以下に示す。
劣化率=(通電開始直後の出力密度−100時間通電後の出力密度)/(通電開始直後の出力密度)
【0036】
【表1】
Figure 2004281105
【0037】(比較例1)
Laを130.3g、CaCOを20.0g、Crを76.0g 秤量した。以下、実施例1と同様の手順に従ってランタンカルシウムクロマイトを合成した。合成後の粉末は単相で、化学分析の結果、組成式はLa0.8Ca0.2CrO3− δであった。この粉末を、実施例1と同様にしてペースト化し、フェライト系ステンレスSUS430 からなる金属セパレータ7の表面7aに塗布し、被膜6を形成した。実施例1と同様にしてセル10を作製し、劣化試験を行った。この結果を表1に示す。
【0038】以上の結果から分かるように、本発明の実施例1においては、比較例1に比べて出力の劣化率が著しく低い。
【0039】(実施例2:第一の発明:溶射法によりB サイト欠損組成ペロブスカイトを成膜する例)
Laを130.3g、CaCOを20.0g 、Crを 76.0g 秤量し、粉末:水:ZrO玉石=1:1:2( 重量比) の条件で5 時間混合した。混合後のスラリーを乾燥した後電気炉にセットし、大気雰囲気1600℃で15時間合成した。合成後の粉末はランタンクロマイトのみからなり、異相は確認されなかった。化学分析の結果、組成式はLa0.8Ca0.2CrO3− δであった。ランタンクロマイト合成粉末を標準篩で149 μm〜44μmに解砕分級し、溶射用原料とした。前記原料を用いて、フェライト系ステンレスSUS430 からなるセパレータ7の表面7aにプラズマ溶射し、溶射膜6を成膜した。プラズマ溶射条件は、アルゴンガス45リットル/分、水素ガス12リットル/分、出力45kwで溶射距離120mm で成膜した。このときの成膜厚さは30μmであった。成分分析のため、成膜部分を剥がし、膜片を化学分析をした結果、組成はLa0.8Ca0.2Cr0.943− δであった。
【0040】後は実施例1と同様に試験し、出力の劣化率を測定し、結果を表1に示した。この結果から分かるように、実施例1と同等以上の優れた特性が得られた。
【0041】(実施例3:第二の発明の実施例:溶射法により、ペロブスカイト構造体と酸化物との混合物からなる膜を形成する例)
Laを130.3g、CaCOを20.0g 、Mnを76.3g 秤量し、粉末:水:ZrO玉石=1:1:2( 重量比) の条件で15時間混合した。混合後のスラリーを乾燥した後、電気炉にセットし、大気雰囲気下、1200℃で5 時間合成した。合成後の粉末はランタンマンガナイトのみからなり、異相は確認されなかった。合成後の粉末を化学分析した結果、組成はLa0.8Ca0.2MnO3− δであった。
【0042】このランタンマンガナイト合成粉末を標準篩で149 μm〜44μmに解砕分級し、溶射用原料とした。この溶射用原料を用いて、フェライト系ステンレスSUS 430 からなるセパレータ7の表面7aにプラズマ溶射をした。プラズマ溶射条件は、アルゴンガス35リットル/ 分、水素ガス4 リットル/ 分、出力25kw、溶射距離140mm で成膜した。このときの成膜厚さは35μmであった。成分分析のため成膜部分を剥がし、膜片を化学分析した。この結果、La0.8Ca0.2Mn0.843− δであった。溶射膜のX線回折分析測定、及びEPMAによる元素マッピングの結果、溶射膜は、Aサイト元素の酸化物(La) とランタンマンガナイトの混合物となっていた。膜の開気孔率は10%以下であった。後は実施例1と同様に試験し、出力の劣化率を測定し、結果を表2に示した。
【0043】(比較例2)
実施例3と同様の方法にて、La0.8Ca0.2MnO3− δの組成を有する粉末を合成した。このランタンマンガナイト合成粉末に対して、La粉末を10重量%添加し、混合粉末を得た。混合粉末を、混合粉末:エタノール:ZrO玉石=1:1:2(重量比) となる条件で、ポット混合した。混合後のスラリーからエタノールを蒸発させた後、残った混合粉にエチルセルロース、ブチルカルビトールを添加し、ペースト化した。作製したペーストを、SUS430 からなるセパレータ7の表面7aに塗布し、金属セパレータを作製した。後は実施例1と同様に試験し、出力の劣化率を測定し、結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
Figure 2004281105
【0045】この結果から分かるように、実施例3においては、比較例2に比べて遥かに優れた特性が得られた。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、触媒のクロム被毒を抑制可能な新規材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気化学装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る電気化学装置の要部を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】1 固体電解質 2 燃料極 3空気極 4酸化性ガスの通路 5 導電性接続部材 6、8 本発明の材料からなる膜 7 セパレータ

Claims (16)

  1. 触媒のクロム被毒を抑制する材料であって、A1−x3−δ(Aは、ランタノイド属に属する元素である。Eは、カルシウムおよびストロンチウムからなる群より選ばれた一種以上の元素である。Bは、クロム、マンガン、鉄、コバルトおよびニッケルからなる群より選ばれた一種以上の元素である。0.5≦x<1.0、0.9≦y<1.0)の組成を有するペロブスカイト構造のセラミックスからなることを特徴とする、クロム被毒抑制材料。
  2. Bのうち50原子%以上をクロム原子が占めていることを特徴とする、請求項1記載の材料。
  3. 請求項1または2記載の材料を含むことを特徴とする、電気化学装置。
  4. 高温部分にクロムを含む合金が設置されていることを特徴とする、請求項3記載の装置。
  5. 前記合金からなるセパレータを備えていることを特徴とする、請求項4記載の装置。
  6. 前記セパレータが前記材料によって被覆されていることを特徴とする、請求項5記載の装置。
  7. 前記材料によって被覆される空気極を備えていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  8. 前記材料によって被覆される導電性接続部材を備えていることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  9. 触媒のクロム被毒を抑制する材料であって、ランタノイド属に属する元素の酸化物とペロブスカイト構造体との混合物からなり、この混合物がA1−x3−δ(Aは、ランタノイド属に属する元素である。Eは、カルシウムおよびストロンチウムからなる群より選ばれた一種以上の元素である。Bは、クロム、マンガン、鉄、コバルトおよびニッケルからなる群より選ばれた一種以上の元素である。0.5≦x<1.0、0.8≦y<1.0)の組成を有しており、かつ前記混合物が溶射法によって形成されていることを特徴とする、クロム被毒抑制材料。
  10. Bのうち50原子%以上をクロム原子が占めていることを特徴とする、請求項9記載の材料。
  11. 請求項9または10記載の材料を含むことを特徴とする、電気化学装置。
  12. 高温部分にクロムを含む合金が設置されていることを特徴とする、請求項11記載の装置。
  13. 前記合金からなるセパレータを備えていることを特徴とする、請求項12記載の装置。
  14. 前記セパレータが前記材料によって被覆されていることを特徴とする、請求項13記載の装置。
  15. 前記材料によって被覆される空気極を備えていることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  16. 前記材料によって被覆される導電性接続部材を備えていることを特徴とする、請求項9〜15のいずれか一つの請求項に記載の装置。
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