JP2004279853A - 感熱記録用粘着ラベル - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着剤塗布後、長期保存後においても発色性の低下の少ない感熱記録用粘着ラベルの提供。
【解決手段】支持体の一方にロイコ染料と顕色剤および増感剤を含有する感熱記録層、他方に感圧性粘着剤層及び剥離層が順次積層されて形成されてなる感熱記録用粘着ラベルにおいて、粘着剤層としてソープフリーのアクリルエマルジョンを主成分とする感圧性粘着剤層を設けたコートを特徴とする感熱記録用ラベル。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体の一方にロイコ染料と顕色剤および増感剤を含有する感熱記録層、他方に感圧性粘着剤層及び剥離層が順次積層されて形成されてなる感熱記録用粘着ラベルにおいて、粘着剤層としてソープフリーのアクリルエマルジョンを主成分とする感圧性粘着剤層を設けたコートを特徴とする感熱記録用ラベル。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱による発色成分の発色反応を利用した感熱記録用粘着ラベルに関する。更には粘着剤塗工後の継時での感熱発色部の発色性の低下を改善した感熱記録用粘着ラベルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開昭54−128347号公報
【特許文献2】
実開昭56−125354号公報
【特許文献3】
実開昭56−140461号公報
【特許文献4】
特開昭61−41594号公報
【0003】
無色又は淡色の塩基性染料と有機又は無機の顕色剤との呈色反応を利用し、熱により発色物質を反応させて記録像を得るようにした感熱記録材料はよく知られている。このような感熱記録紙は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで、かつその保守も比較的容易であるためファクシミリや各種計算機などの記録媒体としてのみならず幅広い分野において使用されている。そしてその利用分野の一つとして、小売店のPOS(point of sales)システム用ラベルに使用されるケースが増大している。
【0004】
感熱記録紙は、一般に記録像の安定性が要求され、このため感熱記録層上にフィルム形成能を有し、耐薬品性のある樹脂の水性エマルジョンを塗布する方法(特許文献1)やポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を塗布する方法(特許文献2)が提案されている。しかし、特に感熱記録用粘着ラベルは.可塑剤に含まれているラップ類等に貼り付けて使用することが多く、裏面からの可塑剤による記録の褐色を防ぐことが強く要求されている。一般的な感熱記録用粘着ラベルは、支持体の表面に発色層および保護層が設けられ、更に紙支持体の裏面にバックコート層を介して粘着剤層とその下に剥離シートが積層されている。
【0005】
ここでバックコート層は以下に説明するように、感熱記録紙の保存性向上の目的の為に備えられる。ラベル用感熱記録紙は、可塑剤が含まれているフィルムなどに貼りつけて使用すると、フィルム中の可塑剤がマイグレーションを起こし易く、可塑剤が紙中を浸透し、感熱記録層中まで達してしまう。その結果、感熱記録紙の保存性が極端に低下する問題があった。そのため、水溶性高分子を主体としたバックコート層を設けた感熱記録紙(特許文献3および4)が提案されている。これら従来の感熱記録紙においては、バックコート層によって可塑剤が紙中を浸透することが防止されており、感熱記録紙としての保存性を一応満足していた。しかしながら、ラベル用感熱記録紙は、長期にわたり倉庫等に保管されている間は、時には高湿下にさらされることが多くなる。このような場合には従来のラベル用感熱記録紙では感熱記録紙の発色能が低下してしまうという望ましくない現象が起こった。これは従来の感熱記録ラベルは長期保存後の発色特性が低いという問題点を有することを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は粘着剤塗布後、長期保存後においても発色性の低下の少ない感熱記録用粘着ラベルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の感熱記録用ラベルが長期保存において発色能が低下する現象を詳細に観察・検討した。その結果、この発色能低下現象が一般に考えられるようにフィルム中の可塑剤の粘着剤へのマイグレーションという現象ではなく、粘着剤層自体に発色性を阻害する要因があり、感熱記録部の発色性が低下する現象であることが判明した。そこで、本発明者らは種々の感熱発色層、中間層、バックコート層、粘着剤層について試験を繰り返した結果、支持体の一方にロイコ染料と顕色剤および増感剤を含有する感熱記録層を設け、他方に感圧性粘着剤層及び剥離層が順次積層されてなる粘着ラベルにおいて、粘着剤層としてソープフリーのアクリルエマルジョンを主成分とする感圧性粘着剤層を設けたことを特徴とする感熱記録用粘着ラベルを提供することにより、前記課題を解決することができた。
【0008】
本発明は、上記のように、感熱記録層の紙支持体の裏面にソープフリーのアクリルエマルジョンを主成分とする感圧性粘着剤層を設けることを第1の特徴とする。粘着剤層のアクリルエマルジョンとして、ソープフリー型アクリルエマルジョンを使用することで、エマルジョン中に乳化剤成分がなく、そのため乳化剤が感熱記録層に貫通してきて発色阻害することがく、そのため、粘着剤塗工後も感熱配録層の発色性の低下が少なくなるものと考えられるが、本発明者らは本発明の奏する効果を前記のような推測に限定するつもりはない。
【0009】
また、本発明の感熱記録用粘着ラベルは、前記課題を解決するため、支持体と感熱記録層の間に微小中空粒子を主成分とする中間層を設けることがより好ましい。前記中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体、液体を含有するもので、既に発泡状態となっている微小中空粒子である。それら微小中空粒子は、その断熱効果より中空率が好ましくは50%以上、更に好ましくは90%以上である、中空率が低いものはその断熱効果が不十分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて感熱記録材料の外へ放出され、感度向上効果が劣る。
微小中空粒子の粒径としては、好ましくは3μm以下程度のものである。
【0010】
前記中空率とは、中空粒子の外径と内径の比であり、下記式で表わされるものである。
中空率=(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)×100
本発明で用いる微小中空粒子は、前記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、該樹脂としては、特に若干の柔らかさを有し、サーマルヘッドとの密着性を良好に出来るという観点から、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体が好ましい。
【0011】
また、本発明の感熱記録用粘着ラベルは、感熱記録層上にオーバーコート層を設けることが望ましい。オーバーコート層にバリアー性を付与させることで、通常、ロール状で保管・使用される感熱記録用粘着ラベル中の発色性阻害要因が、剥離紙裏面突き抜けて影響する場合からの保護が可能となる。オーバーコート層が設けられていないと十分なバリヤー性が得られないため、粘着剤感熱記録用粘着ラベルを長時間保管させてから使用すると発色性の低下を起こす原因となる。オーバーコート層中にはバックコート層中で使用可能な材料がそのまま使用できる。
【0012】
本発明の感熱記録用粘着ラベルは、支持体と粘着剤層との間にバックコート層を設けることが好ましい。バックコート層が設けられていないと十分なバリヤー性が得られないため、感熱記録用粘着ラベルを長時間保管させてから使用すると、粘着剤層中に含まれる発色阻害要因の感熱記録層への浸透を引き起こす原因となるが、前記バックコート層を設けることで粘着剤中の発色阻害要因が発色層に浸透するのをより防ぐことが出来る。
【0013】
感熱記録層用塗液の調製は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの攪拌、粉砕機を利用して染料、顕色剤を一緒に、又は別々に分散するなどして調製される。感熱記録層を形成する塗液中には、通常バインダーが配合される。バインダーとしては、バックコート層で用いられるバインダーと同様のバインダーを用いることが可能である。また、感熱記録層塗液中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じてバックコート層で用いられる助剤と同様の各種助剤を添加することができる。さらに、必要に応じて感熱記録層塗工後または保護層塗工後にスーパーキャレンダー処理を施し、画質や記録濃度を向上させることも出来る。このようにして得られた感熱記録層の裏面に更に粘着剤及び剥離シートを設けて粘着加工を施してラベル用感熱記録紙が得られる。
剥離シートとしては、特に限定するものではないが、例えばグラシン紙の様な高密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙や上質紙にポリエチレン等をラミネートしたポリラミ原紙等の剥離基体となる台紙にシリコーン化合物、フッ素化合物の如き剥離剤を塗布したものが使用される。
【0014】
本発明の感熱記録用粘着ラベルの各塗工層は、従来からの周知慣用の技術に従って形成することが出来る。例えばエアーナイフコーティング、ブレードコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング等の適切な塗布方法により塗液を支持体上に塗布乾燥して形成される。塗布量は乾燥重量で0.5〜30g/m2、好ましくは1〜10g/m2程度の範囲で調整される。紙支持体は、特に限定きれず、紙、合成紙などが適宜用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
前記バックコート層に用いられるバインダー樹脂としては、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ジイソプレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、天然ゴム系エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体エマルジョン、メチルメタクリレ−トブタジエン共重合体エマルジョン、ポリクロロプレンエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、エチレン−酢酸ビニルエマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等が挙げられる。特にポリビニルアルコールが好ましく使用される。さらにまた、バックコート層のバリヤー性を強くする為にグリオキザール、ホウ酸、ミョウバン、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ジアルデヒドテンプン等の硬化剤を添加することもできる。
【0016】
上記のような材料を主成分とするバックコート層塗液中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて各種助剤を添加することができる。例えば、該助剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、アルギン酸塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、炭酸マグネシウム、カルサイト系軽質炭酸カルシウム、アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、アルカリ変性シリカ、微粒子状無水シリカ、コロイダルシリカ等の無機顔料、スチレン−マイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の有機顔料を添加することができる。
【0017】
ロイコ染料として、2−アリニノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、顕色剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、増感剤として4−アセチルビフェニルを用いることが望ましい。前記の組合せにより構成される感熱記録層は個々の材料の相溶性が良好で、高感度、高濃度が得られやすい。
本発明に用いられる、感熱記録層に含有される無色ないし淡色の塩基性染料としては、前記2−アリニノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランが使用されるが、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば以下に示す各種公知のものが使用される。
【0018】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド
3−シクロへキシルアミノ−6−クロルフルオラン
3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン
3−(N−メチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−P−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−シクロへキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−iso−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3―ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン
ベンゾイルロイコメチレンブルー
6’−クロロ−8’−メトキシベンゾインドリノスピロピラン
6’−ブロモ−8’−メトキシベンゾインドリノスピロピラン
3−(2’−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロロフェニル)フタリド
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキト−5’−メチルフェニル)フタリド
3−(2’−メトキシー4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロロ−5’−メチルフェニル)フタリド
3−モルホリノ−7−(N−プロピルトリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロロフェニル)メチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン
3−(N−エチル−N−P−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルエチル)フルオラン
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノアミノフルオラン
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−N−ブチルアニリノ)フルオラン
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド
3−(N−エチル−N−シクロへキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−2−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−テトラフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1’−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−(p−ジメチルアミノフェニルエチレン)−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−P−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド
3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1’’−P−ジメチルアミノフェニル−1’’−P−クロロフェニル−1’’,3’’−ブタジエン−4’’−イル)ベンゾフタリド
3−(4′−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1’’−P−ジメチルアミノフェニル−1’’−フェニル−1’’,3’’−ブタジエン−4’’−イル)ベンゾフタリド
3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’(6’−ジメチルアミノ)フタリド
3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ4,7−ジブロモフタリド
ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン
ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−P−トリルスルホニルメタン
等が挙げられる。これらの染料は2種以上併用しても良い。感熱記録層における上記塩基性染料の含有率は、一般に感熱記録層の乾燥重量の5〜20重量%程度が好ましい。
【0019】
上記の塩基性染料と接触して呈色する顕色剤としては4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ−ジフェニル−スルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも1種が使用されるが、本発明の効果を阻害しない範囲で各種公知のものが使用される。
例えば、
4,4’−イソプロピリデンジフェノール
4,4’−イソプロピリデンビス−o−メチルフェノール
4,4’−sec−ブチリテンビスフェノール
4,4’−イソブロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)
p−ニトロ安息香酸亜鉛
1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル)ベンジルイソシアヌル酸
2,2−(3,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド
1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3,5−ジオキサへプタン
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン
フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩
4,4’−シクロへキシリデンジフェノール
4,4’−イソープロビリデンビス(2−クロロフェノール)
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロへキシルフェニル)ブタン、
4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)
4,4’−ジフエノールスルホキシド
p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル
p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル
プロトカテキュ酸ベンジル
没食子酸ステアリル
没食子酸ラウリル
没食子酸オクチル
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン
N,N’−ジフェニルチオ尿素
N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素
サリチルアニリド
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン
1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン
2,4’−ジフエノールスルホン
2,2’−ジアリル−4,4’−ヒドロキシフェニルスルホン
3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン
1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛
2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛
2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛
α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)α−メチルトルエン
チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体
テトラブロモビスフェノールA
テトラブロモビスフェノールS
4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)
4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)
【0020】
本発明においては、増感剤としてジ(p−メチルベンジル)オキサラート、4−アセチルビフェニル、ジベンジルオキサラートから選ばれる少なくとも1つが選択されるが、本発明の効果を阻害しない範囲で各種公知のものが使用される。種々の熱可融性物質を併用することができ、その具体例としては以下に示すものが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナエトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネ−ト、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフエノキシ−エタン、1,2−ビス(3−メチルフエノキシ)エタン.1,2−ビス(4−メチルフエノキシ)エタン、1,4−ジフエノキシブタン、1,4−ジフエノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、P−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、P−アリールオキシビフェニル、P−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−P−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフエノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフエノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)
【0021】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
実施例1
《中間層の形成》
下記の混合物を攪拌分散して、中間層形成液〔A液〕を得た。
〔A液〕
微小中空粒子(松本油脂社製R−24)(固形分濃度=40%) 41部
(中空率90%)
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製 PVA−117) 16部
水 43部
上記の〔A液〕を坪量60g/m2の上質紙に乾燥重量で2g/m2となるようにワイヤーパーで塗工し、中間層塗布済み紙を作成した。
《感熱記録層の形成》
下記の混合物を縦型サンドミル(アイメックス社製)にてそれぞれ3時間分散して〔B液〕、〔C液〕、〔D液〕、〔E液〕、〔F液〕を調製した。
〔B液〕
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 20部
水 60部
〔C液〕
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 20部
水 60部
〔D液〕
パラベンジルビフェニル 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 20部
水 60部
〔E液〕
シリカ(水沢化学工業社製P一527) 15部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 15部
水 70部
そして、下記配合からなる感熱記録層形成液〔F液〕を調製した。
〔F液〕
〔B液〕 14部
〔C液〕 42部
〔D液〕 28部
〔E液〕 14部
水 2部
次に〔F液〕を先に形成した中間層塗布済み紙上に乾燥重量で3.5g/m2塗工し、感熱記録層塗布済み紙を作成した。
《オーバーコート層の形成》
下記の混合物を縦型サンドミル(アイメックス社製)にてそれぞれ3時間分散して〔G液〕を調製した。
〔G液〕
水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH43M) 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 20部
水 60部
そして下記配合からなるオーバーコート層形成液〔H液〕を調製した。
〔H液〕
次に、〔H液〕を先に形成した感熱記録層塗済み紙上に乾燥重量3.5g/m2で塗工し、オーバーコート層塗布済み紙を作成した。
《バックコート層の形成》
下記配合からなるバックコート層形成液〔I液〕を調製した。
〔I液〕
次に、〔I液〕を先に形成したオーバーコート塗布済み紙の裏面に乾燥重量2.5g/m2で塗工し、バックコート層塗布済み紙を作成した。そして、得られたバックコート塗布済み紙を線圧80kg/cmでカレンダー処理を行い、感熱記録紙を得た。
《粘着剤層の形成》
ソープフリー型アクリルエマルジョン(新中村化学社製Newcoat SFK−1000C)を〔J液〕とした。〔J液〕を乾燥重量で18g/m2となるようにバックコート層上に塗布乾燥した。その後、粘着剤層表面に剥離紙(リンテック社製EKR78SS)を貼り合わせ、実施例1の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0022】
実施例2
ソープフリー型アクリルエマルジョン(新中村化学社製Newcoat SFK−1000C(S1)を〔K液〕とし、実施例1の〔J液〕に代えて〔K液〕を塗工したこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0023】
実施例3
ソープフリー型アクリルエマルジョン(新中村化学社製Noweoat SFK−5000A)を〔L液〕とし、実施例1の〔J液〕に代えて〔L液〕を塗工したこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0024】
実施例4
実施例1の〔C液〕中の4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用い、〔D液〕中のジ(p−メチルベンジル)オキサラートの代わりに4−アセチルビフェニルを用いたこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを作成した。
【0025】
実施例5
実施例1の〔C液〕中の4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用い、〔D液〕中のジ−(p−メチルベンジル)オキサラートの代わりに4−アセチルビフェニルを用い、〔A液〕中の微小中空粒子(松本油脂社製R−24)(固形分濃度=40%)の代わりに微小中空粒子(ロームアンドハース社製ローペイクHP−91)(固形分濃度;27.5%)(中空率50%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを作成した。
【0026】
実施例6
実施例1の〔C液〕中の4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用い、〔D液〕中のジ−(p−メチルベンジル)オキサラートの代わりに4−アセチルビフェニルを用い、更に、バックコート層を設けなかったこと以外は実施例1同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを作成した。
【0027】
実施例7
実施例1のオーバーコート層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録粘着ラベルを作成した。
【0028】
比較例1
アクリル系粘着剤(日本エヌエスシー社製2Q427)を〔M液〕とし、実施例1の〔J液〕に代えて〔M液〕を塗工したこと以外は実施例1と同様にして比較用の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0029】
比較例2
アクリル系粘着剤(日本エヌエスシー社製2Q427)を〔M液〕とし、〔J液〕に代えて〔M液〕を塗工したこと以外は実施例4と同様にして比較用の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0030】
以上の様にして作製した感熱記録用粘着ラベルについて動的発色特性、生保存後の動的発色特性に関するる試験を以下のように行った。
動的発色特性
松下電子部品(株)製サーマルヘッドを備えた大倉電機(株)製感熱紙発色性試験装置を用いて、印加電力:0.45W/dot、ライン周期8ms/lineにてパルス幅0.4ms、0.6ms、0.8msの条件で印字し印字濃度をマクベス濃度計RD−914で測定した。
生保存後の動的発色特性
感熱記録用粘着ラベルを40℃90%RHの環境下で24時間保管した。
その後、上記の動的発色特性試験と同様の方法で、動的発色特性の試験を実施した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、粘着剤塗布後、長期保存後においても発色性の低下の少ない感熱記録用粘着ラベルを提供することが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱による発色成分の発色反応を利用した感熱記録用粘着ラベルに関する。更には粘着剤塗工後の継時での感熱発色部の発色性の低下を改善した感熱記録用粘着ラベルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開昭54−128347号公報
【特許文献2】
実開昭56−125354号公報
【特許文献3】
実開昭56−140461号公報
【特許文献4】
特開昭61−41594号公報
【0003】
無色又は淡色の塩基性染料と有機又は無機の顕色剤との呈色反応を利用し、熱により発色物質を反応させて記録像を得るようにした感熱記録材料はよく知られている。このような感熱記録紙は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで、かつその保守も比較的容易であるためファクシミリや各種計算機などの記録媒体としてのみならず幅広い分野において使用されている。そしてその利用分野の一つとして、小売店のPOS(point of sales)システム用ラベルに使用されるケースが増大している。
【0004】
感熱記録紙は、一般に記録像の安定性が要求され、このため感熱記録層上にフィルム形成能を有し、耐薬品性のある樹脂の水性エマルジョンを塗布する方法(特許文献1)やポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を塗布する方法(特許文献2)が提案されている。しかし、特に感熱記録用粘着ラベルは.可塑剤に含まれているラップ類等に貼り付けて使用することが多く、裏面からの可塑剤による記録の褐色を防ぐことが強く要求されている。一般的な感熱記録用粘着ラベルは、支持体の表面に発色層および保護層が設けられ、更に紙支持体の裏面にバックコート層を介して粘着剤層とその下に剥離シートが積層されている。
【0005】
ここでバックコート層は以下に説明するように、感熱記録紙の保存性向上の目的の為に備えられる。ラベル用感熱記録紙は、可塑剤が含まれているフィルムなどに貼りつけて使用すると、フィルム中の可塑剤がマイグレーションを起こし易く、可塑剤が紙中を浸透し、感熱記録層中まで達してしまう。その結果、感熱記録紙の保存性が極端に低下する問題があった。そのため、水溶性高分子を主体としたバックコート層を設けた感熱記録紙(特許文献3および4)が提案されている。これら従来の感熱記録紙においては、バックコート層によって可塑剤が紙中を浸透することが防止されており、感熱記録紙としての保存性を一応満足していた。しかしながら、ラベル用感熱記録紙は、長期にわたり倉庫等に保管されている間は、時には高湿下にさらされることが多くなる。このような場合には従来のラベル用感熱記録紙では感熱記録紙の発色能が低下してしまうという望ましくない現象が起こった。これは従来の感熱記録ラベルは長期保存後の発色特性が低いという問題点を有することを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は粘着剤塗布後、長期保存後においても発色性の低下の少ない感熱記録用粘着ラベルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の感熱記録用ラベルが長期保存において発色能が低下する現象を詳細に観察・検討した。その結果、この発色能低下現象が一般に考えられるようにフィルム中の可塑剤の粘着剤へのマイグレーションという現象ではなく、粘着剤層自体に発色性を阻害する要因があり、感熱記録部の発色性が低下する現象であることが判明した。そこで、本発明者らは種々の感熱発色層、中間層、バックコート層、粘着剤層について試験を繰り返した結果、支持体の一方にロイコ染料と顕色剤および増感剤を含有する感熱記録層を設け、他方に感圧性粘着剤層及び剥離層が順次積層されてなる粘着ラベルにおいて、粘着剤層としてソープフリーのアクリルエマルジョンを主成分とする感圧性粘着剤層を設けたことを特徴とする感熱記録用粘着ラベルを提供することにより、前記課題を解決することができた。
【0008】
本発明は、上記のように、感熱記録層の紙支持体の裏面にソープフリーのアクリルエマルジョンを主成分とする感圧性粘着剤層を設けることを第1の特徴とする。粘着剤層のアクリルエマルジョンとして、ソープフリー型アクリルエマルジョンを使用することで、エマルジョン中に乳化剤成分がなく、そのため乳化剤が感熱記録層に貫通してきて発色阻害することがく、そのため、粘着剤塗工後も感熱配録層の発色性の低下が少なくなるものと考えられるが、本発明者らは本発明の奏する効果を前記のような推測に限定するつもりはない。
【0009】
また、本発明の感熱記録用粘着ラベルは、前記課題を解決するため、支持体と感熱記録層の間に微小中空粒子を主成分とする中間層を設けることがより好ましい。前記中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体、液体を含有するもので、既に発泡状態となっている微小中空粒子である。それら微小中空粒子は、その断熱効果より中空率が好ましくは50%以上、更に好ましくは90%以上である、中空率が低いものはその断熱効果が不十分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて感熱記録材料の外へ放出され、感度向上効果が劣る。
微小中空粒子の粒径としては、好ましくは3μm以下程度のものである。
【0010】
前記中空率とは、中空粒子の外径と内径の比であり、下記式で表わされるものである。
中空率=(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)×100
本発明で用いる微小中空粒子は、前記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、該樹脂としては、特に若干の柔らかさを有し、サーマルヘッドとの密着性を良好に出来るという観点から、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体が好ましい。
【0011】
また、本発明の感熱記録用粘着ラベルは、感熱記録層上にオーバーコート層を設けることが望ましい。オーバーコート層にバリアー性を付与させることで、通常、ロール状で保管・使用される感熱記録用粘着ラベル中の発色性阻害要因が、剥離紙裏面突き抜けて影響する場合からの保護が可能となる。オーバーコート層が設けられていないと十分なバリヤー性が得られないため、粘着剤感熱記録用粘着ラベルを長時間保管させてから使用すると発色性の低下を起こす原因となる。オーバーコート層中にはバックコート層中で使用可能な材料がそのまま使用できる。
【0012】
本発明の感熱記録用粘着ラベルは、支持体と粘着剤層との間にバックコート層を設けることが好ましい。バックコート層が設けられていないと十分なバリヤー性が得られないため、感熱記録用粘着ラベルを長時間保管させてから使用すると、粘着剤層中に含まれる発色阻害要因の感熱記録層への浸透を引き起こす原因となるが、前記バックコート層を設けることで粘着剤中の発色阻害要因が発色層に浸透するのをより防ぐことが出来る。
【0013】
感熱記録層用塗液の調製は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの攪拌、粉砕機を利用して染料、顕色剤を一緒に、又は別々に分散するなどして調製される。感熱記録層を形成する塗液中には、通常バインダーが配合される。バインダーとしては、バックコート層で用いられるバインダーと同様のバインダーを用いることが可能である。また、感熱記録層塗液中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じてバックコート層で用いられる助剤と同様の各種助剤を添加することができる。さらに、必要に応じて感熱記録層塗工後または保護層塗工後にスーパーキャレンダー処理を施し、画質や記録濃度を向上させることも出来る。このようにして得られた感熱記録層の裏面に更に粘着剤及び剥離シートを設けて粘着加工を施してラベル用感熱記録紙が得られる。
剥離シートとしては、特に限定するものではないが、例えばグラシン紙の様な高密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙や上質紙にポリエチレン等をラミネートしたポリラミ原紙等の剥離基体となる台紙にシリコーン化合物、フッ素化合物の如き剥離剤を塗布したものが使用される。
【0014】
本発明の感熱記録用粘着ラベルの各塗工層は、従来からの周知慣用の技術に従って形成することが出来る。例えばエアーナイフコーティング、ブレードコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング等の適切な塗布方法により塗液を支持体上に塗布乾燥して形成される。塗布量は乾燥重量で0.5〜30g/m2、好ましくは1〜10g/m2程度の範囲で調整される。紙支持体は、特に限定きれず、紙、合成紙などが適宜用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
前記バックコート層に用いられるバインダー樹脂としては、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ジイソプレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、天然ゴム系エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体エマルジョン、メチルメタクリレ−トブタジエン共重合体エマルジョン、ポリクロロプレンエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、エチレン−酢酸ビニルエマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等が挙げられる。特にポリビニルアルコールが好ましく使用される。さらにまた、バックコート層のバリヤー性を強くする為にグリオキザール、ホウ酸、ミョウバン、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ジアルデヒドテンプン等の硬化剤を添加することもできる。
【0016】
上記のような材料を主成分とするバックコート層塗液中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて各種助剤を添加することができる。例えば、該助剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、アルギン酸塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、炭酸マグネシウム、カルサイト系軽質炭酸カルシウム、アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、アルカリ変性シリカ、微粒子状無水シリカ、コロイダルシリカ等の無機顔料、スチレン−マイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の有機顔料を添加することができる。
【0017】
ロイコ染料として、2−アリニノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、顕色剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、増感剤として4−アセチルビフェニルを用いることが望ましい。前記の組合せにより構成される感熱記録層は個々の材料の相溶性が良好で、高感度、高濃度が得られやすい。
本発明に用いられる、感熱記録層に含有される無色ないし淡色の塩基性染料としては、前記2−アリニノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランが使用されるが、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば以下に示す各種公知のものが使用される。
【0018】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド
3−シクロへキシルアミノ−6−クロルフルオラン
3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン
3−(N−メチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−P−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−シクロへキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−iso−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3―ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン
ベンゾイルロイコメチレンブルー
6’−クロロ−8’−メトキシベンゾインドリノスピロピラン
6’−ブロモ−8’−メトキシベンゾインドリノスピロピラン
3−(2’−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロロフェニル)フタリド
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキト−5’−メチルフェニル)フタリド
3−(2’−メトキシー4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロロ−5’−メチルフェニル)フタリド
3−モルホリノ−7−(N−プロピルトリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロロフェニル)メチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン
3−(N−エチル−N−P−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルエチル)フルオラン
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノアミノフルオラン
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−N−ブチルアニリノ)フルオラン
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド
3−(N−エチル−N−シクロへキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−2−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−テトラフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1’−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−(p−ジメチルアミノフェニルエチレン)−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−P−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド
3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1’’−P−ジメチルアミノフェニル−1’’−P−クロロフェニル−1’’,3’’−ブタジエン−4’’−イル)ベンゾフタリド
3−(4′−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1’’−P−ジメチルアミノフェニル−1’’−フェニル−1’’,3’’−ブタジエン−4’’−イル)ベンゾフタリド
3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’(6’−ジメチルアミノ)フタリド
3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ4,7−ジブロモフタリド
ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン
ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−P−トリルスルホニルメタン
等が挙げられる。これらの染料は2種以上併用しても良い。感熱記録層における上記塩基性染料の含有率は、一般に感熱記録層の乾燥重量の5〜20重量%程度が好ましい。
【0019】
上記の塩基性染料と接触して呈色する顕色剤としては4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ−ジフェニル−スルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも1種が使用されるが、本発明の効果を阻害しない範囲で各種公知のものが使用される。
例えば、
4,4’−イソプロピリデンジフェノール
4,4’−イソプロピリデンビス−o−メチルフェノール
4,4’−sec−ブチリテンビスフェノール
4,4’−イソブロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)
p−ニトロ安息香酸亜鉛
1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル)ベンジルイソシアヌル酸
2,2−(3,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド
1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3,5−ジオキサへプタン
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン
フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩
4,4’−シクロへキシリデンジフェノール
4,4’−イソープロビリデンビス(2−クロロフェノール)
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロへキシルフェニル)ブタン、
4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)
4,4’−ジフエノールスルホキシド
p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル
p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル
プロトカテキュ酸ベンジル
没食子酸ステアリル
没食子酸ラウリル
没食子酸オクチル
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン
N,N’−ジフェニルチオ尿素
N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素
サリチルアニリド
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン
1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン
2,4’−ジフエノールスルホン
2,2’−ジアリル−4,4’−ヒドロキシフェニルスルホン
3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン
1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛
2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛
2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛
α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)α−メチルトルエン
チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体
テトラブロモビスフェノールA
テトラブロモビスフェノールS
4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)
4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)
【0020】
本発明においては、増感剤としてジ(p−メチルベンジル)オキサラート、4−アセチルビフェニル、ジベンジルオキサラートから選ばれる少なくとも1つが選択されるが、本発明の効果を阻害しない範囲で各種公知のものが使用される。種々の熱可融性物質を併用することができ、その具体例としては以下に示すものが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナエトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネ−ト、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフエノキシ−エタン、1,2−ビス(3−メチルフエノキシ)エタン.1,2−ビス(4−メチルフエノキシ)エタン、1,4−ジフエノキシブタン、1,4−ジフエノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、P−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、P−アリールオキシビフェニル、P−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−P−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフエノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフエノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)
【0021】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
実施例1
《中間層の形成》
下記の混合物を攪拌分散して、中間層形成液〔A液〕を得た。
〔A液〕
微小中空粒子(松本油脂社製R−24)(固形分濃度=40%) 41部
(中空率90%)
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製 PVA−117) 16部
水 43部
上記の〔A液〕を坪量60g/m2の上質紙に乾燥重量で2g/m2となるようにワイヤーパーで塗工し、中間層塗布済み紙を作成した。
《感熱記録層の形成》
下記の混合物を縦型サンドミル(アイメックス社製)にてそれぞれ3時間分散して〔B液〕、〔C液〕、〔D液〕、〔E液〕、〔F液〕を調製した。
〔B液〕
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 20部
水 60部
〔C液〕
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 20部
水 60部
〔D液〕
パラベンジルビフェニル 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 20部
水 60部
〔E液〕
シリカ(水沢化学工業社製P一527) 15部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 15部
水 70部
そして、下記配合からなる感熱記録層形成液〔F液〕を調製した。
〔F液〕
〔B液〕 14部
〔C液〕 42部
〔D液〕 28部
〔E液〕 14部
水 2部
次に〔F液〕を先に形成した中間層塗布済み紙上に乾燥重量で3.5g/m2塗工し、感熱記録層塗布済み紙を作成した。
《オーバーコート層の形成》
下記の混合物を縦型サンドミル(アイメックス社製)にてそれぞれ3時間分散して〔G液〕を調製した。
〔G液〕
水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH43M) 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製KL−318) 20部
水 60部
そして下記配合からなるオーバーコート層形成液〔H液〕を調製した。
〔H液〕
次に、〔H液〕を先に形成した感熱記録層塗済み紙上に乾燥重量3.5g/m2で塗工し、オーバーコート層塗布済み紙を作成した。
《バックコート層の形成》
下記配合からなるバックコート層形成液〔I液〕を調製した。
〔I液〕
次に、〔I液〕を先に形成したオーバーコート塗布済み紙の裏面に乾燥重量2.5g/m2で塗工し、バックコート層塗布済み紙を作成した。そして、得られたバックコート塗布済み紙を線圧80kg/cmでカレンダー処理を行い、感熱記録紙を得た。
《粘着剤層の形成》
ソープフリー型アクリルエマルジョン(新中村化学社製Newcoat SFK−1000C)を〔J液〕とした。〔J液〕を乾燥重量で18g/m2となるようにバックコート層上に塗布乾燥した。その後、粘着剤層表面に剥離紙(リンテック社製EKR78SS)を貼り合わせ、実施例1の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0022】
実施例2
ソープフリー型アクリルエマルジョン(新中村化学社製Newcoat SFK−1000C(S1)を〔K液〕とし、実施例1の〔J液〕に代えて〔K液〕を塗工したこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0023】
実施例3
ソープフリー型アクリルエマルジョン(新中村化学社製Noweoat SFK−5000A)を〔L液〕とし、実施例1の〔J液〕に代えて〔L液〕を塗工したこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0024】
実施例4
実施例1の〔C液〕中の4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用い、〔D液〕中のジ(p−メチルベンジル)オキサラートの代わりに4−アセチルビフェニルを用いたこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを作成した。
【0025】
実施例5
実施例1の〔C液〕中の4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用い、〔D液〕中のジ−(p−メチルベンジル)オキサラートの代わりに4−アセチルビフェニルを用い、〔A液〕中の微小中空粒子(松本油脂社製R−24)(固形分濃度=40%)の代わりに微小中空粒子(ロームアンドハース社製ローペイクHP−91)(固形分濃度;27.5%)(中空率50%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを作成した。
【0026】
実施例6
実施例1の〔C液〕中の4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用い、〔D液〕中のジ−(p−メチルベンジル)オキサラートの代わりに4−アセチルビフェニルを用い、更に、バックコート層を設けなかったこと以外は実施例1同様にして本発明の感熱記録用粘着ラベルを作成した。
【0027】
実施例7
実施例1のオーバーコート層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録粘着ラベルを作成した。
【0028】
比較例1
アクリル系粘着剤(日本エヌエスシー社製2Q427)を〔M液〕とし、実施例1の〔J液〕に代えて〔M液〕を塗工したこと以外は実施例1と同様にして比較用の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0029】
比較例2
アクリル系粘着剤(日本エヌエスシー社製2Q427)を〔M液〕とし、〔J液〕に代えて〔M液〕を塗工したこと以外は実施例4と同様にして比較用の感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0030】
以上の様にして作製した感熱記録用粘着ラベルについて動的発色特性、生保存後の動的発色特性に関するる試験を以下のように行った。
動的発色特性
松下電子部品(株)製サーマルヘッドを備えた大倉電機(株)製感熱紙発色性試験装置を用いて、印加電力:0.45W/dot、ライン周期8ms/lineにてパルス幅0.4ms、0.6ms、0.8msの条件で印字し印字濃度をマクベス濃度計RD−914で測定した。
生保存後の動的発色特性
感熱記録用粘着ラベルを40℃90%RHの環境下で24時間保管した。
その後、上記の動的発色特性試験と同様の方法で、動的発色特性の試験を実施した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、粘着剤塗布後、長期保存後においても発色性の低下の少ない感熱記録用粘着ラベルを提供することが可能となる。
Claims (6)
- 支持体の一方にロイコ染料、顕色剤および増感剤を含有する感熱記録層、他方に感圧性粘着剤層及び剥離層が順次積層されて形成されてなる感熱記録用粘着ラベルにおいて、粘着剤層としてソープフリーのアクリルエマルジョンを主成分とする感圧性粘着剤層を設けたことを特徴とする感熱記録用粘着ラベル。
- 支持体と粘着剤層との間にバックコート層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の感熱記録用粘着ラベル。
- 支持体と感熱記録層の間に微小中空粒子を主成分とする中間層を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録用粘着ラベル。
- 微小中空粒子として中空率が、90%以上の微小中空粒子を用いたことを特徴とする請求項3に記載の感熱記録用粘着ラベル。
- ロイコ染料として、2−アリニノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、顕色剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、増感剤として4−アセチルビフェニルを用いたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録用粘着ラベル。
- 感熱発色層上にオーバーコート層を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の感熱記録用粘着ラベル。
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