JP2004279647A - 電気泳動表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電泳動粒子の壁への付着を抑制し、あるいはメモリー性を制御し、安定した表示品位とメモリー性を有する電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子が分散された分散媒とを有し、該帯電泳動粒子と該分散媒が複数の微小コンテナに内包されている電気泳動表示装置において、該帯電泳動粒子と該分散媒が接する微小コンテナの壁の少なくとも一部が帯電制御剤を含む電気泳動表示装置。
【選択図】 なし
【解決手段】一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子が分散された分散媒とを有し、該帯電泳動粒子と該分散媒が複数の微小コンテナに内包されている電気泳動表示装置において、該帯電泳動粒子と該分散媒が接する微小コンテナの壁の少なくとも一部が帯電制御剤を含む電気泳動表示装置。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電泳動粒子が電極間を移動することにより表示が行われる電気泳動表示装置に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、情報機器の発達に伴い、低消費電力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われている。
中でも液晶表示装置は、液晶分子の配列を電気的に制御し液晶の光学的特性を変化させる事ができ、上記のニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行われ商品化されている。
【0003】
低消費電力、眼への負担軽減などの観点から反射型表示装置が期待されている。その1つとして、絶縁性溶媒中に分散した帯電泳動粒子が電極間を移動することにより表示が行われる電気泳動表示装置が知られている。例えば、例えば、特許文献1および特許文献2に電気泳動表示装置が提案されている。
【0004】
電気泳動表示装置の基本的な構造として、図1に帯電泳動粒子が水平に移動する例、図2に帯電泳動粒子が垂直に移動する例、図3に帯電泳動粒子と分散媒からなる電気泳動表示用分散液が内包されたマイクロカプセルを使用した例を示す。それぞれの構造においては、帯電泳動粒子の極性と、両電極に印加する電圧の極性に応じて帯電泳動粒子が電気泳動する。その結果、これらの電気泳動表示装置は、反射型・視野角で高コントラストな表示を実現することができる。
【0005】
電気泳動表示装置の表示コントラストを向上させるために、帯電泳動粒子が内包されている微小コンテナ内の壁(電極上に形成した絶縁層あるいは前記絶縁層以外の壁を含む)に、該帯電泳動粒子が電気泳動中に貼りついて動かなくなること(以下、付着と称す)を抑制することが重要である。また、帯電泳動粒子には、電圧を印加しない状態では、前記微小コンテナ内の壁に定着し画像を保持し続ける特性(以下、メモリー性と称す)が要求される場合がある。その場合にも、帯電泳動粒子と微小コンテナ内の壁との間に働く力を制御することが重要である。このような電気泳動表示装置における帯電泳動粒子の付着抑制に関する提案としては、例えば特許文献3〜5があり、メモリー性に関する提案としては、例えば特許文献6がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−185087号公報(第2頁)
【特許文献2】
特許第2551783号公報(第1頁)
【特許文献3】
特許第2729299号公報(第1頁)
【特許文献4】
特公昭61−25139号公報(第1頁)
【特許文献5】
特開平5−173193号公報(第2頁)
【特許文献6】
特開2002−62545号公報(第1頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、帯電泳動粒子の壁への付着を抑制し、あるいはメモリー性を制御し、安定した表示品位とメモリー性を有する電気泳動表示装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子が分散された分散媒とを有し、該帯電泳動粒子と該分散媒が複数の微小コンテナに内包されている電気泳動表示装置において、該帯電泳動粒子と該分散媒が接する微小コンテナの壁の少なくとも一部が帯電制御剤を含むことを特徴とする電気泳動表示装置である。
【0009】
前記微小コンテナの壁の少なくとも一部が、前記帯電泳動粒子と前記分散媒を小区間に分割する隔壁であることが好ましい。
前記微小コンテナの壁の少なくとも一部が、前記帯電泳動粒子を付着させない官能基を含む材料からなることが好ましい。
前記微小コンテナがマイクロカプセルであることが好ましい。
前記帯電泳動粒子が、帯電制御剤を含むことが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電気泳動表示装置は、一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子が分散された分散媒とを有し、該帯電泳動粒子と該分散媒が複数の微小コンテナに内包されている電気泳動表示装置において、該帯電泳動粒子と該分散媒が接する微小コンテナの壁の少なくとも一部が帯電制御剤を含むことを特徴とする。
【0011】
図1〜4を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、これらの図は、本発明に係る電気泳動表示装置の構成ならび該電気泳動表示装置の製造方法を示す図ではあるが、便宜上、一例を模式的に示すものである。
【0012】
本発明は、帯電泳動粒子1が水平移動する電気泳動表示装置(図1参照)にも、また帯電泳動粒子1が垂直移動する電気泳動表示装置(図2参照)、あるいは電気泳動表示用分散液を内包したマイクロカプセル内で帯電泳動粒子1が移動する電気泳動表示装置(図3参照)にも適用できる。
【0013】
ここで、水平移動型とは、図1に示すように、第1電極4a及び第2電極4bの両方をいずれか一方の基板3a又は3bに沿うように配置し、帯電泳動粒子1が基板3aまたは3bに沿って移動するように構成したものを意味する。これに対して、垂直移動型とは、図2に示すように、分散媒2を挟み込むように第1電極4a及び第2電極4bを別々の基板側に配置し、帯電泳動粒子1が基板3a,3bに対して垂直方向(法線方向)に移動するように構成したものを意味する。
なお、図1〜3に例示した帯電泳動粒子は、負極性に帯電しているものとする。
【0014】
以下、図1の水平移動型の電気泳動表示装置を例として、本発明の電気泳動表示装置を説明する。
本発明に係る電気泳動表示装置は、図1に示すように複数の帯電泳動粒子1と、これらの帯電泳動粒子1が分散された分散媒2とが、複数の微小コンテナ(図1は便宜上、一つの微小コンテナ10を示す)に内包されており、電圧を印加して帯電泳動粒子1を移動させることに基き画像を表示するよう構成されている。
【0015】
本発明の微小コンテナ11においては、帯電制御剤が、帯電泳動粒子と分散媒が接する該微小コンテナの壁の少なくとも一部に含まれている。本発明の微小コンテナの壁とは、微小コンテナ内にあって、電極上に形成された絶縁層ならびに前記絶縁層以外の壁部分、例えば隔壁5等を意味する。
【0016】
本発明の帯電制御剤としては、微小コンテナの壁に添加できる固体状のものであれば特に限定はされないが、ニグロシンベースのアジン化合物、樹脂変性アジン化合物、第4級アンモニウム塩、金属アゾ化合物、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、化リックスアレン誘導体が挙げられる。具体的には、BONTRON N−01、BONTRON N−04、BONTRON N−07、BONTRON N−13、BONTRON N−21、BONTRON N−24、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRONS−34、BONTRON S−44、BONTRON S−54、BONTRON E−81、BONTRON E−84、BONTRON E−88、BONTRON E−89、BONTRON F−21、BONTRON X−11、SBT−5−0016(全てオリエント化学工業(株)製)等の公知のものを使用できる。
【0017】
本発明の微小コンテナの壁が帯電制御剤を含有することにより、壁の帯電極性と帯電量を制御することができる。さらに詳しくは、帯電制御剤の種類を変更させることで、壁の極性を、帯電泳動粒子の極性と同極性あるいは異なる極性のいずれにもすることができ、また帯電制御剤の含有量を変更させることで、壁の帯電量を調節することができる。たとえば、壁に含まれる帯電制御剤の極性を帯電泳動粒子の極性と同一にした場合には、壁と帯電泳動粒子の間には反発力が発生するので、帯電量の大きさによっては帯電泳動粒子の壁への付着が抑制され、表示コントラストが向上する。また、帯電制御剤の極性を帯電泳動粒子の極性と異なるようにした場合には、壁と帯電泳動粒子の間には引力が発生するので、やはり帯電量の大きさによっては、電圧を印加しない場合でも帯電泳動粒子は壁に吸着し、メモリー性が向上する。このように帯電制御剤の種類、ならびにその含有量は、微小コンテナの壁または/ならびに帯電泳動粒子の帯電極性、両者の間に働く力の調節度合い、ひいては表示の特性に合わせて、適宜決定される。微小コンテナの壁に帯電制御剤が含まれない場合には、付着の抑制やメモリー性を制御できない場合がある。
【0018】
例えば、微小コンテナの壁に含有される帯電制御剤の含有量は、壁の材料100重量部に対して0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部が望ましい。
【0019】
本発明の微小コンテナの壁は、帯電泳動粒子と分散媒を小区間に分割する隔壁が含まれる。
また、本発明においては、電気泳動表示装置の構成や、制御したい表示特性に合わせて、帯電制御剤を含有させる微小コンテナの壁を決定することができる。
【0020】
本発明の微小コンテナの壁に用いる材料は、電極上に形成する絶縁層6として使用する場合には、ピンホールが形成されにくいものが良く、隔壁5として使用する場合には隔壁に加工成形できれば良く、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。さらに観察者側の基板3aの材料としては、可視光の透過率が高い材料が良く、具体的には、高い透明性を有するポリマーフィルムやガラスを使用することができる。これらの樹脂材料に公知の方法で帯電制御剤を混合することができる。また、帯電制御剤はこれらの樹脂材料と溶媒に混合溶解させて、微小コンテナの壁にオ−バーコートしてもよい。
【0021】
本発明では、微小コンテナの壁に帯電泳動粒子を付着させない官能基を含む材料を用いてもよい。本発明の帯電泳動粒子を付着させない官能基は、壁と帯電泳動粒子1との間に働く力を微調節することで、付着の抑制または/ならびにメモリー性の向上を補助的に制御することができる。
【0022】
本発明の付着させない官能基は、例えば下記一般式(1)で表されるアルキル基が挙げられる。
【0023】
【化1】
(式中、nは8〜30の整数を示す。)
【0024】
前記官能基を微小コンテナの壁に導入する方法としては、前記官能基を含むシランカップリング剤の表面処理法や前記官能基を含む樹脂材料を壁として使用あるいは壁に被覆する方法、前記官能基を含む高分子鎖を壁表面にグラフト重合させる方法等の公知の方法が挙げられる。
【0025】
本発明の電気泳動表示装置は、帯電泳動粒子1と、該帯電泳動粒子1が分散された分散媒2からなる電気泳動表示用分散液を使用する。本発明に用いられる帯電泳動粒子1とは、分散媒として用いる溶媒との組合せにおいて、溶媒に対して不溶であり、溶媒中において分散された粒子状態で存在できるものである。
【0026】
また、本発明の帯電泳動粒子の成分は、無機着色材料、有機着色材料、高分子材料ならびにそれらの混合物のいずれでもよく、本発明の範囲内であれば特に限定はされない。帯電泳動粒子は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて着色することができる。
【0027】
また、本発明における帯電泳動粒子1は、帯電制御剤を含むことができる。帯電制御剤の種類ならびに量は、本発明の微小コンテナの壁の帯電極性、壁と帯電泳動粒子との間に働く力、帯電泳動粒子の付着度合い、あるいはメモリー性を考慮して適宜決定することができる。帯電制御剤としては、前記した材料を使用することができる。
【0028】
本発明の微小コンテナの壁ならびに帯電泳動粒子に含まれる帯電制御剤の種類、量、あるいは帯電泳動粒子を付着させない官能基については、本発明の範囲で各々独立に設定することができる。
例えば、帯電泳動粒子に含有される帯電制御剤の含有量は、粒子100重量部に対して0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部が望ましい。
【0029】
本発明の帯電制御剤を含む帯電泳動粒子は、帯電泳動粒子を作製する際に帯電制御剤を混合させる公知の方法で作製することができる。
【0030】
帯電泳動粒子1としては、無機着色材料からなる粒子を使用することができる。具体的には、鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等が挙げられる。
【0031】
また、帯電泳動粒子1としては、有機着色材料からなる粒子を使用することができる。具体的には、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等が挙げられる。
【0032】
前記した無機着色材料ならびに有機着色材料は、粉砕・造粒等の公知の方法で粒子化できる。
【0033】
さらに本発明の帯電泳動粒子としては、高分子材料からなる粒子を用いることができる。高分子材料としては、分散媒に対して不溶であれば特に限定はされないが、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ジビニルベンゼン樹脂、ポリ尿素、ナイロン、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、フェノール樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、ポリメタクリル酸エステル等の高分子材料が挙げられる。
【0034】
高分子材料からなる粒子は、乳化重合、分散重合、懸濁重合、シード重合等の重合法、高分子材料を溶媒に溶解させた溶液からの粒子析出造粒法、あるいは高分子材料を粉砕して粒子化する方法等の公知の方法から得ることができる。また、高分子材料は、溶媒に対する不溶化を目的として架橋処理を施して使用することもできる。
【0035】
さらに、高分子材料からなる粒子は、着色して使用することもできる。高分子材料からなる粒子の着色としては、粒子を染料で染色する方法、あるいは上記した無機着色材料や有機着色材料を高分子材料と溶融混練し粉砕して着色する方法、粒子化の重合仕込み時に上記した無機着色材料や有機着色材料を添加して着色する方法等の公知の方法で行うことができる。
【0036】
粒子を染色する染料としては、例えば、Valifast Red、Valifast Yellow、Oplas Red、Oil Scarlet〔オリエント化学工業(株)製〕、Oil Blue V、Oil Green、Bright、Green、Sudan IV、Sudan III〔大和化工社製〕、Sumiplast Blue、Sumiplast Red HFG、Sumiplast Red HF4G、Sumiplast Yellow、Whiteflour B〔住友化学工業社製〕、Macrolex Red GS〔バイエル・ジャパン社製〕;Microlis Blue、Microlis Green〔日本チバガイギー社製〕等の油性染料、Orient OilBlack〔オリエント化学工業(株)製〕、Sumikaron Brilliant Blue、Sumikaron Violet〔住友化学工業社製〕、Kayacryl Black、Kayalon Polyester Blue、Kayaron Polyester Red〔日本化薬社製〕等が挙げられる。
【0037】
また、本発明に用いる帯電泳動粒子としては、本発明の範囲内では市販の粒子を用いることができる。例えば、ミクロパール(積水化学工業(株)製)、ナトコスペーサー粒子(ナトコ(株)製)、エポカラー粒子(日本触媒化学工業(株)製)、ケミスノー(総研化学(株)製)、トスパール(GE東芝シリコーン(株)製)、テクポリマー(積水化成品工業)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0038】
さらに、本発明の帯電泳動粒子1の平均粒径は、乾式分級、湿式分級等の公知の方法で、0.1μm以上10μm以下の範囲にすることができる。
【0039】
本発明の帯電泳動粒子1が分散された分散媒2においては、帯電泳動粒子の帯電量を高める、あるいは帯電安定性を付与する目的で、金属石鹸を必要に応じて分散媒2中に添加できる。具体的には、たとえばナフテン酸コバルト、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクテン酸コバルト、オクテン酸ジルコニウム、オクテン酸鉄、オクテン酸鉛、オクテン酸ニッケル、オクテン酸マンガン、オクテン酸亜鉛等の金属石鹸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
また、本発明の分散媒2中には、帯電安定化剤として、ロジンエステルまたはロジン誘導体を添加することができる。ロジンエステルまたはロジン誘導体としては分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、たとえばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ロジン変性マレイン酸、ロジン変性ペンタエリスリトール、ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジンメチルエステル、部分水素添加ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジントリエチレングリコールエステル、完全水素添加ロジンペンタエリスリトールエステル、マレイン酸変性ロジンエステル、フマル酸変性ロジンエステル、アクリル酸変性ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、フマル酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル、マレイン酸変性ロジングリセリンエステル、フマル酸変性ロジングリセリンエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル等が挙げられる。
【0041】
さらに、本発明の分散媒2中には、分散媒に可溶する高分子樹脂を分散安定剤として使用することができる。具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、スチレンブタジエン共重合体、スチレンイソプレン共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、ノルボルネン樹脂、ポリエチレンワックスが挙げられる。
【0042】
本発明においては、分散媒2中に含有してもよい上記の成分を単独または2種類以上混合して用いることもできる。また、本発明の分散媒中には、必要に応じて分散媒に可溶な陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤を含有してもよく、これらは単独、または2種以上混合して用いても良い。
【0043】
本発明の分散媒2としては、導電率の低い高絶縁性有機溶媒が使用される。具体的には、ベンゼン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、トルエン、キシレン、ナフテン系炭化水素などの芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素溶媒ならびにイソパラフィン系炭化水素溶媒の脂肪族炭化水素溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、トリクロロトリフルオロエチレン、臭化エチルなどのハロゲン化炭化水素溶媒、あるいはシリコンオイル、高純度石油等が挙げられるが、中でも脂肪族炭化水素溶媒が好適に使用され、具体的にはアイソパーG、H、M、L、P、V(いずれもエクソン化学社製)、Shellsol(昭和シェルジャパン)、IPソルベント1016、1620、2028、2835(出光石油化学)、日本アイソゾール200、300、400(いずれも日本石油化学)が挙げられる。これらを単独、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
【0044】
本発明に用いる分散媒2は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて粒子と異なる色に着色することができる。着色剤としては、分散媒に溶解可能な油溶性染料であれば特に限定はされない。また、本発明では、電気泳動表示装置の表示方法に合わせて、粒子径、粒子成分、あるいは着色等が異なる2種類以上の帯電泳動粒子1を使用してもよい。
【0045】
さらに、本発明の微小コンテナは、マイクロカプセル7(図3参照)であってもよい。マイクロカプセルの作製方法としては、in−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等の通常の方法が挙げられるが、マイクロカプセルの作製時に本発明の帯電制御剤を添加させることにより、マイクロカプセルの壁に帯電制御剤を含有させることができる。また、必要であれば帯電泳動粒子が付着しない官能基を含有させることもできる。
【0046】
マイクロカプセルの壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ゼラチン等が挙げられる。
【0047】
本発明の電気泳動表示装置に用いられるマイクロカプセルの大きさは、1〜500μm程度であり、好ましくは20〜100μm程度である。
【0048】
本発明の帯電泳動粒子1は分散液2に対して任意の重量比で用いることが可能であるが、好ましくは、分散媒100重量部に対して0.1重量部以上20重量部以下の範囲である。
【0049】
さらに本発明の電気泳動表示装置を、図1を用いて説明する。
基板3a,3bには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリカーボネート(PC)等のポリマーフィルム、ガラス、石英等の無機材料、あるいは表面に絶縁層を有するステンレス基板を使用することができる。なお、観察者側の基板3aには、可視光の透過率が高い材料、たとえば透明なポリマーフィルムやガラスを使用するとよい。また、微小コンテナの一部である基板3aの帯電泳動粒子と分散液が接する面には、必要であれば、前記した帯電制御剤を含ませることができる。さらに、必要に応じて、帯電泳動粒子と分散液が接する面には、ゴム硬度が10以上90以下の範囲にある高分子材料、具体的にはシリコン樹脂、天然ゴム、熱可塑性エラストマー樹脂等からなる層を形成させてもよい。
【0050】
電極4a,4bには、パターニング可能な導電性材料なら特に限定されないが、例えば酸化インジウムすず(ITO)、アルミ、チタンなどを挙げることができる。なお、図1に示す水平移動型電気泳動表示装置では、一方の電極4bが画素全体に形成され、他方の電極4aは、電極4bとは異なる高さに、画素の一部に該電極4bと重なるように形成されているが、もちろんこれに限られるものではなく、両電極4a,4bを同一高さに形成しても良く、その場合、電極4bは画素全体には形成できず、電極4a,4bは重なり合うことはない。あるいは電極が画素毎に分割されて形成されていても良い。
【0051】
さらに、電極4a,4b等を覆うように絶縁層6を形成する。絶縁層として使用する材料は、前記したとおりである。本発明においては、微小コンテナの壁の一部である絶縁層6に、前記した帯電制御剤が含ませることができる。
【0052】
次に、隔壁5を形成する方法としては、光感光性樹脂層を塗布した後、露光及びウエット現像を行う方法、印刷法によって形成する方法、隔壁を形成した後に基板に接着する方法、光透過性の基板表面にモールドによって形成しておく方法等を挙げることができる。隔壁5に使用する材料は、絶縁層に使用する材料を用いることができる。また、微小コンテナの壁の一部である隔壁5には、前記した帯電制御剤が含ませることができる。
【0053】
水平移動型の場合、上述した第1電極4a及び第2電極4bの内、いずれか一方の電極が配置された領域には帯電泳動粒子1と同じ色を付し、他方の電極が配置された領域には異なる色に着色することができる。この場合、電極自体を着色してもよく、あるいは着色層を電極とは別に設けてもよく、電極と重なるように絶縁層を配置すると共に、その絶縁層を着色してもいずれでも良い。
【0054】
垂直移動型の場合、帯電泳動粒子を分散させる分散媒2を、粒子1と異なる色に着色することができる。これらにより2色表示が可能となるが、隣接される複数の画素で異なる色を表示することにより、表示装置全体としてはカラー表示をすることもできる。
【0055】
【実施例】
以下、水平移動型の電気泳動表示装置の実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0056】
実施例1
本実施例においては、図4(e)に示す電気泳動表示装置を作製した。なお、図4は、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法を示す工程図である。
まず、基板3bであるガラス板の表面に厚み100nmでアルミを蒸着して第2電極4bを形成する(図4(a)参照)。なお、ガラス板には50mm×50mmの寸法で1.1mmの厚さのものを用いる。
【0057】
次に、第2電極4bの表面には、酸化チタン微粒子を混合させて白色化させたポリウレタン樹脂層を形成し、絶縁層6とした。
【0058】
この絶縁層6の表面には第1電極4aを、図4(b)に示すように、すなわち、第2電極4bと重なるように1つの画素における一部の領域に形成した。そして、この第1電極4aを覆うように絶縁層6上に、ポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699 JSR(株)製)95重量部と、正帯電性の帯電制御剤(ボントロンP53、オリエント化学工業(株)製)5重量部からなる微小コンテナの壁の一部である絶縁層9を形成した。なお、この第1電極4aは、暗黒色の炭化チタンを成膜し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングによりライン状にパターニングして形成した。第1電極4aの厚みは50nmであり、線幅は35μmとする。
【0059】
そして、絶縁層9の表面には、画素と画素とを仕切るように隔壁5を形成した。この隔壁5は、光感光性エポキシ樹脂(SU8 日本マグダーミッド(株)製)の塗布、露光及びウエット現像の各工程を行うことにより、高さ30μm、幅12μm、間隔120μmで形成した。その後、隔壁5の上面(基板3aとの接合面)に熱融着性の接着層8を形成した。
【0060】
次に、ポリスチレン(PS)85重量部と着色剤であるカーボンブラック(CB)15重量部からなる平均粒径3μmの重合粒子を帯電泳動粒子とした。該帯電泳動粒子1重量部、分散媒として脂肪族炭化水素溶媒であるアイソパーH(エクソン化学社製)100重量部、オクテン酸ジルコニウム(0ct−Zr)(ニッカオクチックスジルコニウム、日本化学産業(株)製)0.03重量部、スチレンブタジエン共重合体(SBR)(アサプレン1205、旭化成(株)製)0.8重量部、ロジンエステル(ネオトール125H、ハリマ化成(株)製)2.5重量部とを混合し、1時間攪拌して電気泳動表示用分散液を調整した。このように調製された分散液を隔壁5内に充填した(図4(c)参照)。
【0061】
次に、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムからなる基板3aと接着層8の位置合せを行った後(図4(d)参照)、基板3aを隔壁(端部支持部材)5に加熱接着し、本発明の電気泳動表示装置を作製した(図4(e)参照)。なお、第1電極4aの上部は黒色に視認され、第1電極4aが配置されていない領域の上部は絶縁層6の白色が視認される。
【0062】
このように作製した表示装置に、電圧±30V、周波数0.5Hzの矩形波の電圧を印加したところ、帯電泳動粒子は負帯電で電極間を良好に駆動した。
【0063】
次に、帯電泳動粒子の付着とメモリー性を測定した。
電圧を8時間印加して粒子の駆動を続けた後、帯電泳動粒子の微小コンテナの壁への付着の有無により、帯電泳動粒子の付着を確認した。粒子が20%付着されている場合を、付着があるとした。
【0064】
また、電圧を印加して帯電泳動粒子を絶縁層9ならびに隔壁5に吸着させ、さらに回路をオープン状態にしてから8時間経過後の帯電泳動粒子の吸着保持状態を観察した。粒子の保持状態を確認する際、帯電泳動粒子の80%が保持されている場合を、メモリー性があるとした。
【0065】
ここで、本発明の電気泳動表示装置について詳細に説明すると、たとえば負極性に帯電した帯電泳動粒子1は、微小コンテナ内の正極性の電極上に速やかに移動する。例えば、第2電極4bを負極性にし、第1電極4aを正極性にした場合、帯電泳動粒子1が移動してきて第1電極4aを覆い、基板3aの観測者側から見ると、黒色の帯電泳動粒子1と白色領域(第1電極4a以外の領域)が認識されることとなり、その画素は白表示を行うこととなる(図1(a)参照)。
【0066】
これと反対に、第2電極4bを正極性にし、第1電極4aを負極性にした場合、帯電泳動粒子1は白色領域(第1電極4a以外の領域)に移動するため、基板3aの観測側から見ると、黒色の第1電極4aと、黒色の帯電泳動粒子1で覆われた白色の絶縁層6が視認され、画素としては黒表示を行うこととなる(図1(b)参照)。
【0067】
実施例2
ポリスチレン(PS)78重量部と着色剤であるカーボンブラック(CB)13重量部、さらに負帯電性の帯電制御剤(ボントロンSBT−5−0016、オリエント化学工業(株)製)9重量部からなる平均粒径3.3μmの重合粒子を帯電泳動粒子とした。該帯電泳動粒子1重量部、分散媒としてアイソパーH(エクソン社製)100重量部、SBR(アサプレン1205、旭化成(株)製)0.8重量部、ロジンエステル(ネオトール125H、ハリマ化成(株)製)2.5重量部とを混合し、1時間攪拌して電気泳動表示用分散液を調整した。
【0068】
次に、該電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9上に帯電泳動粒子を付着させない官能基であるステアリル基(−C18H37、一般式(1)ではn=18)を有するシラン化合物をシランカップリング処理で50nmの厚みで導入すること以外は、全て実施例1と同じ条件で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表1に示す。
【0069】
実施例3
ポリメタクリレート(PMMA)95重量部と着色剤であるカーボンブラック(CB)5重量部からなる平均粒径3μmの重合粒子を帯電泳動粒子とした。該帯電泳動粒子を使う以外は、実施例1と同じ条件で電気泳動表示用分散液を調整した。次に、該電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに光感光性エポキシ樹脂(SU8)90重量部と正帯電性の帯電制御剤(ボントロンP53)10重量部からなる絶縁層9ならびに隔壁5を形成させること以外は、実施例1と同様な方法で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表1に示す。
【0070】
実施例4
絶縁層に含まれる正帯電性の帯電制御剤(ボントロンP53)を5重量部に変更し、さらに絶縁層9ならびに隔壁5上に帯電泳動粒子を付着させない官能基であるステアリル基(−C18H37、一般式(1)ではn=18)を有するシラン化合物をシランカップリング処理で50nmの厚みで導入すること以外は、全て実施例3と同じ条件で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表2に示す。
【0071】
実施例5
実施例3の電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9に含まれる帯電制御剤が、負帯電性の帯電制御剤(ボントロン−SBT5−0016)5重量部に変更する以外は、実施例2と同じ条件で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表2に示す。
【0072】
実施例6
ポリスチレン93重量部、正帯電性の帯電制御剤(ボントロンP53)7重量部、溶媒としてのアセトン400重量部からなる溶液を、ポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699)単体からなる絶縁層上と光感光性エポキシ樹脂(SU8 日本マグダーミッド(株)製)単体からなる隔壁上に塗工後、乾燥させることにより、ポリスチレンと帯電制御剤からなる絶縁層を形成させる以外は、実施例1と同じ条件で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表2に示す。
【0073】
比較例1
実施例1の電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9にポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699 J)単体を使用すること以外は実施例1と同じ条件で、電気泳動表示装置を作製した。その結果を表3に示す。
【0074】
比較例2
実施例3の電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9と隔壁5に光感光性エポキシ樹脂(SU8)単体を使用すること以外は実施例1と同じ条件で、電気泳動表示装置を作製した。その結果を表3に示す。
【0075】
比較例3
実施例3の電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9にポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699 J)単体を使用すること以外は実施例1と同じ条件で、電気泳動表示装置を作製した。その結果を表3に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
(注)
1)泳動粒子組成
PS:ポリスチレン、PMMA:ポリメチルメタクリレート、CB:カーボンブラック
2)壁の材料
材料1:オプトマーSS6699(JSR(株)製)
材料2:SU8(日本マグダーミッド(株)製)
【0080】
3)分散媒中の添加物
Oct‐Zr:オクテン酸ジルコニウム(ニッカオクチックジルコニウム、日本化学産業(株)製)
SBR:スチレンブタジエン共重合体(アサプレン1205、旭化成(株)製)
ロジンエステル:ネオトール125H(ハリマ化成(株)製)
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、帯電泳動粒子と、該帯電泳動粒子が分散される分散媒が接する該微小コンテナの壁の少なくとも一部が帯電制御剤を含むことにより、壁と帯電泳動粒子の間に働く力を制御することができ、帯電泳動粒子の壁への付着抑制あるいはメモリー性を制御することができる。さらに、壁が帯電泳動粒子を付着させない官能基を含むこと、ならびに/あるいは帯電泳動粒子が帯電制御剤を含むことで、壁と帯電泳動粒子の間に働く力を微調節することができる。その結果、本発明の電気泳動表示装置は、表示コントラストの向上と安定化のみならず、メモリー性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。
【図4】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 帯電泳動粒子
2 分散媒
3a、3b 基板
4a 第1電極
4b 第2電極
5 隔壁
6 絶縁層
7 マイクロカプセル
8 接着層
9 絶縁層
10 微小コンテナ
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電泳動粒子が電極間を移動することにより表示が行われる電気泳動表示装置に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、情報機器の発達に伴い、低消費電力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われている。
中でも液晶表示装置は、液晶分子の配列を電気的に制御し液晶の光学的特性を変化させる事ができ、上記のニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行われ商品化されている。
【0003】
低消費電力、眼への負担軽減などの観点から反射型表示装置が期待されている。その1つとして、絶縁性溶媒中に分散した帯電泳動粒子が電極間を移動することにより表示が行われる電気泳動表示装置が知られている。例えば、例えば、特許文献1および特許文献2に電気泳動表示装置が提案されている。
【0004】
電気泳動表示装置の基本的な構造として、図1に帯電泳動粒子が水平に移動する例、図2に帯電泳動粒子が垂直に移動する例、図3に帯電泳動粒子と分散媒からなる電気泳動表示用分散液が内包されたマイクロカプセルを使用した例を示す。それぞれの構造においては、帯電泳動粒子の極性と、両電極に印加する電圧の極性に応じて帯電泳動粒子が電気泳動する。その結果、これらの電気泳動表示装置は、反射型・視野角で高コントラストな表示を実現することができる。
【0005】
電気泳動表示装置の表示コントラストを向上させるために、帯電泳動粒子が内包されている微小コンテナ内の壁(電極上に形成した絶縁層あるいは前記絶縁層以外の壁を含む)に、該帯電泳動粒子が電気泳動中に貼りついて動かなくなること(以下、付着と称す)を抑制することが重要である。また、帯電泳動粒子には、電圧を印加しない状態では、前記微小コンテナ内の壁に定着し画像を保持し続ける特性(以下、メモリー性と称す)が要求される場合がある。その場合にも、帯電泳動粒子と微小コンテナ内の壁との間に働く力を制御することが重要である。このような電気泳動表示装置における帯電泳動粒子の付着抑制に関する提案としては、例えば特許文献3〜5があり、メモリー性に関する提案としては、例えば特許文献6がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−185087号公報(第2頁)
【特許文献2】
特許第2551783号公報(第1頁)
【特許文献3】
特許第2729299号公報(第1頁)
【特許文献4】
特公昭61−25139号公報(第1頁)
【特許文献5】
特開平5−173193号公報(第2頁)
【特許文献6】
特開2002−62545号公報(第1頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、帯電泳動粒子の壁への付着を抑制し、あるいはメモリー性を制御し、安定した表示品位とメモリー性を有する電気泳動表示装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子が分散された分散媒とを有し、該帯電泳動粒子と該分散媒が複数の微小コンテナに内包されている電気泳動表示装置において、該帯電泳動粒子と該分散媒が接する微小コンテナの壁の少なくとも一部が帯電制御剤を含むことを特徴とする電気泳動表示装置である。
【0009】
前記微小コンテナの壁の少なくとも一部が、前記帯電泳動粒子と前記分散媒を小区間に分割する隔壁であることが好ましい。
前記微小コンテナの壁の少なくとも一部が、前記帯電泳動粒子を付着させない官能基を含む材料からなることが好ましい。
前記微小コンテナがマイクロカプセルであることが好ましい。
前記帯電泳動粒子が、帯電制御剤を含むことが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電気泳動表示装置は、一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子が分散された分散媒とを有し、該帯電泳動粒子と該分散媒が複数の微小コンテナに内包されている電気泳動表示装置において、該帯電泳動粒子と該分散媒が接する微小コンテナの壁の少なくとも一部が帯電制御剤を含むことを特徴とする。
【0011】
図1〜4を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、これらの図は、本発明に係る電気泳動表示装置の構成ならび該電気泳動表示装置の製造方法を示す図ではあるが、便宜上、一例を模式的に示すものである。
【0012】
本発明は、帯電泳動粒子1が水平移動する電気泳動表示装置(図1参照)にも、また帯電泳動粒子1が垂直移動する電気泳動表示装置(図2参照)、あるいは電気泳動表示用分散液を内包したマイクロカプセル内で帯電泳動粒子1が移動する電気泳動表示装置(図3参照)にも適用できる。
【0013】
ここで、水平移動型とは、図1に示すように、第1電極4a及び第2電極4bの両方をいずれか一方の基板3a又は3bに沿うように配置し、帯電泳動粒子1が基板3aまたは3bに沿って移動するように構成したものを意味する。これに対して、垂直移動型とは、図2に示すように、分散媒2を挟み込むように第1電極4a及び第2電極4bを別々の基板側に配置し、帯電泳動粒子1が基板3a,3bに対して垂直方向(法線方向)に移動するように構成したものを意味する。
なお、図1〜3に例示した帯電泳動粒子は、負極性に帯電しているものとする。
【0014】
以下、図1の水平移動型の電気泳動表示装置を例として、本発明の電気泳動表示装置を説明する。
本発明に係る電気泳動表示装置は、図1に示すように複数の帯電泳動粒子1と、これらの帯電泳動粒子1が分散された分散媒2とが、複数の微小コンテナ(図1は便宜上、一つの微小コンテナ10を示す)に内包されており、電圧を印加して帯電泳動粒子1を移動させることに基き画像を表示するよう構成されている。
【0015】
本発明の微小コンテナ11においては、帯電制御剤が、帯電泳動粒子と分散媒が接する該微小コンテナの壁の少なくとも一部に含まれている。本発明の微小コンテナの壁とは、微小コンテナ内にあって、電極上に形成された絶縁層ならびに前記絶縁層以外の壁部分、例えば隔壁5等を意味する。
【0016】
本発明の帯電制御剤としては、微小コンテナの壁に添加できる固体状のものであれば特に限定はされないが、ニグロシンベースのアジン化合物、樹脂変性アジン化合物、第4級アンモニウム塩、金属アゾ化合物、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、化リックスアレン誘導体が挙げられる。具体的には、BONTRON N−01、BONTRON N−04、BONTRON N−07、BONTRON N−13、BONTRON N−21、BONTRON N−24、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRONS−34、BONTRON S−44、BONTRON S−54、BONTRON E−81、BONTRON E−84、BONTRON E−88、BONTRON E−89、BONTRON F−21、BONTRON X−11、SBT−5−0016(全てオリエント化学工業(株)製)等の公知のものを使用できる。
【0017】
本発明の微小コンテナの壁が帯電制御剤を含有することにより、壁の帯電極性と帯電量を制御することができる。さらに詳しくは、帯電制御剤の種類を変更させることで、壁の極性を、帯電泳動粒子の極性と同極性あるいは異なる極性のいずれにもすることができ、また帯電制御剤の含有量を変更させることで、壁の帯電量を調節することができる。たとえば、壁に含まれる帯電制御剤の極性を帯電泳動粒子の極性と同一にした場合には、壁と帯電泳動粒子の間には反発力が発生するので、帯電量の大きさによっては帯電泳動粒子の壁への付着が抑制され、表示コントラストが向上する。また、帯電制御剤の極性を帯電泳動粒子の極性と異なるようにした場合には、壁と帯電泳動粒子の間には引力が発生するので、やはり帯電量の大きさによっては、電圧を印加しない場合でも帯電泳動粒子は壁に吸着し、メモリー性が向上する。このように帯電制御剤の種類、ならびにその含有量は、微小コンテナの壁または/ならびに帯電泳動粒子の帯電極性、両者の間に働く力の調節度合い、ひいては表示の特性に合わせて、適宜決定される。微小コンテナの壁に帯電制御剤が含まれない場合には、付着の抑制やメモリー性を制御できない場合がある。
【0018】
例えば、微小コンテナの壁に含有される帯電制御剤の含有量は、壁の材料100重量部に対して0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部が望ましい。
【0019】
本発明の微小コンテナの壁は、帯電泳動粒子と分散媒を小区間に分割する隔壁が含まれる。
また、本発明においては、電気泳動表示装置の構成や、制御したい表示特性に合わせて、帯電制御剤を含有させる微小コンテナの壁を決定することができる。
【0020】
本発明の微小コンテナの壁に用いる材料は、電極上に形成する絶縁層6として使用する場合には、ピンホールが形成されにくいものが良く、隔壁5として使用する場合には隔壁に加工成形できれば良く、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。さらに観察者側の基板3aの材料としては、可視光の透過率が高い材料が良く、具体的には、高い透明性を有するポリマーフィルムやガラスを使用することができる。これらの樹脂材料に公知の方法で帯電制御剤を混合することができる。また、帯電制御剤はこれらの樹脂材料と溶媒に混合溶解させて、微小コンテナの壁にオ−バーコートしてもよい。
【0021】
本発明では、微小コンテナの壁に帯電泳動粒子を付着させない官能基を含む材料を用いてもよい。本発明の帯電泳動粒子を付着させない官能基は、壁と帯電泳動粒子1との間に働く力を微調節することで、付着の抑制または/ならびにメモリー性の向上を補助的に制御することができる。
【0022】
本発明の付着させない官能基は、例えば下記一般式(1)で表されるアルキル基が挙げられる。
【0023】
【化1】
(式中、nは8〜30の整数を示す。)
【0024】
前記官能基を微小コンテナの壁に導入する方法としては、前記官能基を含むシランカップリング剤の表面処理法や前記官能基を含む樹脂材料を壁として使用あるいは壁に被覆する方法、前記官能基を含む高分子鎖を壁表面にグラフト重合させる方法等の公知の方法が挙げられる。
【0025】
本発明の電気泳動表示装置は、帯電泳動粒子1と、該帯電泳動粒子1が分散された分散媒2からなる電気泳動表示用分散液を使用する。本発明に用いられる帯電泳動粒子1とは、分散媒として用いる溶媒との組合せにおいて、溶媒に対して不溶であり、溶媒中において分散された粒子状態で存在できるものである。
【0026】
また、本発明の帯電泳動粒子の成分は、無機着色材料、有機着色材料、高分子材料ならびにそれらの混合物のいずれでもよく、本発明の範囲内であれば特に限定はされない。帯電泳動粒子は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて着色することができる。
【0027】
また、本発明における帯電泳動粒子1は、帯電制御剤を含むことができる。帯電制御剤の種類ならびに量は、本発明の微小コンテナの壁の帯電極性、壁と帯電泳動粒子との間に働く力、帯電泳動粒子の付着度合い、あるいはメモリー性を考慮して適宜決定することができる。帯電制御剤としては、前記した材料を使用することができる。
【0028】
本発明の微小コンテナの壁ならびに帯電泳動粒子に含まれる帯電制御剤の種類、量、あるいは帯電泳動粒子を付着させない官能基については、本発明の範囲で各々独立に設定することができる。
例えば、帯電泳動粒子に含有される帯電制御剤の含有量は、粒子100重量部に対して0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部が望ましい。
【0029】
本発明の帯電制御剤を含む帯電泳動粒子は、帯電泳動粒子を作製する際に帯電制御剤を混合させる公知の方法で作製することができる。
【0030】
帯電泳動粒子1としては、無機着色材料からなる粒子を使用することができる。具体的には、鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等が挙げられる。
【0031】
また、帯電泳動粒子1としては、有機着色材料からなる粒子を使用することができる。具体的には、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等が挙げられる。
【0032】
前記した無機着色材料ならびに有機着色材料は、粉砕・造粒等の公知の方法で粒子化できる。
【0033】
さらに本発明の帯電泳動粒子としては、高分子材料からなる粒子を用いることができる。高分子材料としては、分散媒に対して不溶であれば特に限定はされないが、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ジビニルベンゼン樹脂、ポリ尿素、ナイロン、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、フェノール樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、ポリメタクリル酸エステル等の高分子材料が挙げられる。
【0034】
高分子材料からなる粒子は、乳化重合、分散重合、懸濁重合、シード重合等の重合法、高分子材料を溶媒に溶解させた溶液からの粒子析出造粒法、あるいは高分子材料を粉砕して粒子化する方法等の公知の方法から得ることができる。また、高分子材料は、溶媒に対する不溶化を目的として架橋処理を施して使用することもできる。
【0035】
さらに、高分子材料からなる粒子は、着色して使用することもできる。高分子材料からなる粒子の着色としては、粒子を染料で染色する方法、あるいは上記した無機着色材料や有機着色材料を高分子材料と溶融混練し粉砕して着色する方法、粒子化の重合仕込み時に上記した無機着色材料や有機着色材料を添加して着色する方法等の公知の方法で行うことができる。
【0036】
粒子を染色する染料としては、例えば、Valifast Red、Valifast Yellow、Oplas Red、Oil Scarlet〔オリエント化学工業(株)製〕、Oil Blue V、Oil Green、Bright、Green、Sudan IV、Sudan III〔大和化工社製〕、Sumiplast Blue、Sumiplast Red HFG、Sumiplast Red HF4G、Sumiplast Yellow、Whiteflour B〔住友化学工業社製〕、Macrolex Red GS〔バイエル・ジャパン社製〕;Microlis Blue、Microlis Green〔日本チバガイギー社製〕等の油性染料、Orient OilBlack〔オリエント化学工業(株)製〕、Sumikaron Brilliant Blue、Sumikaron Violet〔住友化学工業社製〕、Kayacryl Black、Kayalon Polyester Blue、Kayaron Polyester Red〔日本化薬社製〕等が挙げられる。
【0037】
また、本発明に用いる帯電泳動粒子としては、本発明の範囲内では市販の粒子を用いることができる。例えば、ミクロパール(積水化学工業(株)製)、ナトコスペーサー粒子(ナトコ(株)製)、エポカラー粒子(日本触媒化学工業(株)製)、ケミスノー(総研化学(株)製)、トスパール(GE東芝シリコーン(株)製)、テクポリマー(積水化成品工業)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0038】
さらに、本発明の帯電泳動粒子1の平均粒径は、乾式分級、湿式分級等の公知の方法で、0.1μm以上10μm以下の範囲にすることができる。
【0039】
本発明の帯電泳動粒子1が分散された分散媒2においては、帯電泳動粒子の帯電量を高める、あるいは帯電安定性を付与する目的で、金属石鹸を必要に応じて分散媒2中に添加できる。具体的には、たとえばナフテン酸コバルト、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクテン酸コバルト、オクテン酸ジルコニウム、オクテン酸鉄、オクテン酸鉛、オクテン酸ニッケル、オクテン酸マンガン、オクテン酸亜鉛等の金属石鹸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
また、本発明の分散媒2中には、帯電安定化剤として、ロジンエステルまたはロジン誘導体を添加することができる。ロジンエステルまたはロジン誘導体としては分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、たとえばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ロジン変性マレイン酸、ロジン変性ペンタエリスリトール、ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジンメチルエステル、部分水素添加ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジントリエチレングリコールエステル、完全水素添加ロジンペンタエリスリトールエステル、マレイン酸変性ロジンエステル、フマル酸変性ロジンエステル、アクリル酸変性ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、フマル酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル、マレイン酸変性ロジングリセリンエステル、フマル酸変性ロジングリセリンエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル等が挙げられる。
【0041】
さらに、本発明の分散媒2中には、分散媒に可溶する高分子樹脂を分散安定剤として使用することができる。具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、スチレンブタジエン共重合体、スチレンイソプレン共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、ノルボルネン樹脂、ポリエチレンワックスが挙げられる。
【0042】
本発明においては、分散媒2中に含有してもよい上記の成分を単独または2種類以上混合して用いることもできる。また、本発明の分散媒中には、必要に応じて分散媒に可溶な陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤を含有してもよく、これらは単独、または2種以上混合して用いても良い。
【0043】
本発明の分散媒2としては、導電率の低い高絶縁性有機溶媒が使用される。具体的には、ベンゼン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、トルエン、キシレン、ナフテン系炭化水素などの芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素溶媒ならびにイソパラフィン系炭化水素溶媒の脂肪族炭化水素溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、トリクロロトリフルオロエチレン、臭化エチルなどのハロゲン化炭化水素溶媒、あるいはシリコンオイル、高純度石油等が挙げられるが、中でも脂肪族炭化水素溶媒が好適に使用され、具体的にはアイソパーG、H、M、L、P、V(いずれもエクソン化学社製)、Shellsol(昭和シェルジャパン)、IPソルベント1016、1620、2028、2835(出光石油化学)、日本アイソゾール200、300、400(いずれも日本石油化学)が挙げられる。これらを単独、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
【0044】
本発明に用いる分散媒2は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて粒子と異なる色に着色することができる。着色剤としては、分散媒に溶解可能な油溶性染料であれば特に限定はされない。また、本発明では、電気泳動表示装置の表示方法に合わせて、粒子径、粒子成分、あるいは着色等が異なる2種類以上の帯電泳動粒子1を使用してもよい。
【0045】
さらに、本発明の微小コンテナは、マイクロカプセル7(図3参照)であってもよい。マイクロカプセルの作製方法としては、in−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等の通常の方法が挙げられるが、マイクロカプセルの作製時に本発明の帯電制御剤を添加させることにより、マイクロカプセルの壁に帯電制御剤を含有させることができる。また、必要であれば帯電泳動粒子が付着しない官能基を含有させることもできる。
【0046】
マイクロカプセルの壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ゼラチン等が挙げられる。
【0047】
本発明の電気泳動表示装置に用いられるマイクロカプセルの大きさは、1〜500μm程度であり、好ましくは20〜100μm程度である。
【0048】
本発明の帯電泳動粒子1は分散液2に対して任意の重量比で用いることが可能であるが、好ましくは、分散媒100重量部に対して0.1重量部以上20重量部以下の範囲である。
【0049】
さらに本発明の電気泳動表示装置を、図1を用いて説明する。
基板3a,3bには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリカーボネート(PC)等のポリマーフィルム、ガラス、石英等の無機材料、あるいは表面に絶縁層を有するステンレス基板を使用することができる。なお、観察者側の基板3aには、可視光の透過率が高い材料、たとえば透明なポリマーフィルムやガラスを使用するとよい。また、微小コンテナの一部である基板3aの帯電泳動粒子と分散液が接する面には、必要であれば、前記した帯電制御剤を含ませることができる。さらに、必要に応じて、帯電泳動粒子と分散液が接する面には、ゴム硬度が10以上90以下の範囲にある高分子材料、具体的にはシリコン樹脂、天然ゴム、熱可塑性エラストマー樹脂等からなる層を形成させてもよい。
【0050】
電極4a,4bには、パターニング可能な導電性材料なら特に限定されないが、例えば酸化インジウムすず(ITO)、アルミ、チタンなどを挙げることができる。なお、図1に示す水平移動型電気泳動表示装置では、一方の電極4bが画素全体に形成され、他方の電極4aは、電極4bとは異なる高さに、画素の一部に該電極4bと重なるように形成されているが、もちろんこれに限られるものではなく、両電極4a,4bを同一高さに形成しても良く、その場合、電極4bは画素全体には形成できず、電極4a,4bは重なり合うことはない。あるいは電極が画素毎に分割されて形成されていても良い。
【0051】
さらに、電極4a,4b等を覆うように絶縁層6を形成する。絶縁層として使用する材料は、前記したとおりである。本発明においては、微小コンテナの壁の一部である絶縁層6に、前記した帯電制御剤が含ませることができる。
【0052】
次に、隔壁5を形成する方法としては、光感光性樹脂層を塗布した後、露光及びウエット現像を行う方法、印刷法によって形成する方法、隔壁を形成した後に基板に接着する方法、光透過性の基板表面にモールドによって形成しておく方法等を挙げることができる。隔壁5に使用する材料は、絶縁層に使用する材料を用いることができる。また、微小コンテナの壁の一部である隔壁5には、前記した帯電制御剤が含ませることができる。
【0053】
水平移動型の場合、上述した第1電極4a及び第2電極4bの内、いずれか一方の電極が配置された領域には帯電泳動粒子1と同じ色を付し、他方の電極が配置された領域には異なる色に着色することができる。この場合、電極自体を着色してもよく、あるいは着色層を電極とは別に設けてもよく、電極と重なるように絶縁層を配置すると共に、その絶縁層を着色してもいずれでも良い。
【0054】
垂直移動型の場合、帯電泳動粒子を分散させる分散媒2を、粒子1と異なる色に着色することができる。これらにより2色表示が可能となるが、隣接される複数の画素で異なる色を表示することにより、表示装置全体としてはカラー表示をすることもできる。
【0055】
【実施例】
以下、水平移動型の電気泳動表示装置の実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0056】
実施例1
本実施例においては、図4(e)に示す電気泳動表示装置を作製した。なお、図4は、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法を示す工程図である。
まず、基板3bであるガラス板の表面に厚み100nmでアルミを蒸着して第2電極4bを形成する(図4(a)参照)。なお、ガラス板には50mm×50mmの寸法で1.1mmの厚さのものを用いる。
【0057】
次に、第2電極4bの表面には、酸化チタン微粒子を混合させて白色化させたポリウレタン樹脂層を形成し、絶縁層6とした。
【0058】
この絶縁層6の表面には第1電極4aを、図4(b)に示すように、すなわち、第2電極4bと重なるように1つの画素における一部の領域に形成した。そして、この第1電極4aを覆うように絶縁層6上に、ポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699 JSR(株)製)95重量部と、正帯電性の帯電制御剤(ボントロンP53、オリエント化学工業(株)製)5重量部からなる微小コンテナの壁の一部である絶縁層9を形成した。なお、この第1電極4aは、暗黒色の炭化チタンを成膜し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングによりライン状にパターニングして形成した。第1電極4aの厚みは50nmであり、線幅は35μmとする。
【0059】
そして、絶縁層9の表面には、画素と画素とを仕切るように隔壁5を形成した。この隔壁5は、光感光性エポキシ樹脂(SU8 日本マグダーミッド(株)製)の塗布、露光及びウエット現像の各工程を行うことにより、高さ30μm、幅12μm、間隔120μmで形成した。その後、隔壁5の上面(基板3aとの接合面)に熱融着性の接着層8を形成した。
【0060】
次に、ポリスチレン(PS)85重量部と着色剤であるカーボンブラック(CB)15重量部からなる平均粒径3μmの重合粒子を帯電泳動粒子とした。該帯電泳動粒子1重量部、分散媒として脂肪族炭化水素溶媒であるアイソパーH(エクソン化学社製)100重量部、オクテン酸ジルコニウム(0ct−Zr)(ニッカオクチックスジルコニウム、日本化学産業(株)製)0.03重量部、スチレンブタジエン共重合体(SBR)(アサプレン1205、旭化成(株)製)0.8重量部、ロジンエステル(ネオトール125H、ハリマ化成(株)製)2.5重量部とを混合し、1時間攪拌して電気泳動表示用分散液を調整した。このように調製された分散液を隔壁5内に充填した(図4(c)参照)。
【0061】
次に、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムからなる基板3aと接着層8の位置合せを行った後(図4(d)参照)、基板3aを隔壁(端部支持部材)5に加熱接着し、本発明の電気泳動表示装置を作製した(図4(e)参照)。なお、第1電極4aの上部は黒色に視認され、第1電極4aが配置されていない領域の上部は絶縁層6の白色が視認される。
【0062】
このように作製した表示装置に、電圧±30V、周波数0.5Hzの矩形波の電圧を印加したところ、帯電泳動粒子は負帯電で電極間を良好に駆動した。
【0063】
次に、帯電泳動粒子の付着とメモリー性を測定した。
電圧を8時間印加して粒子の駆動を続けた後、帯電泳動粒子の微小コンテナの壁への付着の有無により、帯電泳動粒子の付着を確認した。粒子が20%付着されている場合を、付着があるとした。
【0064】
また、電圧を印加して帯電泳動粒子を絶縁層9ならびに隔壁5に吸着させ、さらに回路をオープン状態にしてから8時間経過後の帯電泳動粒子の吸着保持状態を観察した。粒子の保持状態を確認する際、帯電泳動粒子の80%が保持されている場合を、メモリー性があるとした。
【0065】
ここで、本発明の電気泳動表示装置について詳細に説明すると、たとえば負極性に帯電した帯電泳動粒子1は、微小コンテナ内の正極性の電極上に速やかに移動する。例えば、第2電極4bを負極性にし、第1電極4aを正極性にした場合、帯電泳動粒子1が移動してきて第1電極4aを覆い、基板3aの観測者側から見ると、黒色の帯電泳動粒子1と白色領域(第1電極4a以外の領域)が認識されることとなり、その画素は白表示を行うこととなる(図1(a)参照)。
【0066】
これと反対に、第2電極4bを正極性にし、第1電極4aを負極性にした場合、帯電泳動粒子1は白色領域(第1電極4a以外の領域)に移動するため、基板3aの観測側から見ると、黒色の第1電極4aと、黒色の帯電泳動粒子1で覆われた白色の絶縁層6が視認され、画素としては黒表示を行うこととなる(図1(b)参照)。
【0067】
実施例2
ポリスチレン(PS)78重量部と着色剤であるカーボンブラック(CB)13重量部、さらに負帯電性の帯電制御剤(ボントロンSBT−5−0016、オリエント化学工業(株)製)9重量部からなる平均粒径3.3μmの重合粒子を帯電泳動粒子とした。該帯電泳動粒子1重量部、分散媒としてアイソパーH(エクソン社製)100重量部、SBR(アサプレン1205、旭化成(株)製)0.8重量部、ロジンエステル(ネオトール125H、ハリマ化成(株)製)2.5重量部とを混合し、1時間攪拌して電気泳動表示用分散液を調整した。
【0068】
次に、該電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9上に帯電泳動粒子を付着させない官能基であるステアリル基(−C18H37、一般式(1)ではn=18)を有するシラン化合物をシランカップリング処理で50nmの厚みで導入すること以外は、全て実施例1と同じ条件で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表1に示す。
【0069】
実施例3
ポリメタクリレート(PMMA)95重量部と着色剤であるカーボンブラック(CB)5重量部からなる平均粒径3μmの重合粒子を帯電泳動粒子とした。該帯電泳動粒子を使う以外は、実施例1と同じ条件で電気泳動表示用分散液を調整した。次に、該電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに光感光性エポキシ樹脂(SU8)90重量部と正帯電性の帯電制御剤(ボントロンP53)10重量部からなる絶縁層9ならびに隔壁5を形成させること以外は、実施例1と同様な方法で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表1に示す。
【0070】
実施例4
絶縁層に含まれる正帯電性の帯電制御剤(ボントロンP53)を5重量部に変更し、さらに絶縁層9ならびに隔壁5上に帯電泳動粒子を付着させない官能基であるステアリル基(−C18H37、一般式(1)ではn=18)を有するシラン化合物をシランカップリング処理で50nmの厚みで導入すること以外は、全て実施例3と同じ条件で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表2に示す。
【0071】
実施例5
実施例3の電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9に含まれる帯電制御剤が、負帯電性の帯電制御剤(ボントロン−SBT5−0016)5重量部に変更する以外は、実施例2と同じ条件で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表2に示す。
【0072】
実施例6
ポリスチレン93重量部、正帯電性の帯電制御剤(ボントロンP53)7重量部、溶媒としてのアセトン400重量部からなる溶液を、ポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699)単体からなる絶縁層上と光感光性エポキシ樹脂(SU8 日本マグダーミッド(株)製)単体からなる隔壁上に塗工後、乾燥させることにより、ポリスチレンと帯電制御剤からなる絶縁層を形成させる以外は、実施例1と同じ条件で電気泳動表示装置を作製した。その結果を表2に示す。
【0073】
比較例1
実施例1の電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9にポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699 J)単体を使用すること以外は実施例1と同じ条件で、電気泳動表示装置を作製した。その結果を表3に示す。
【0074】
比較例2
実施例3の電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9と隔壁5に光感光性エポキシ樹脂(SU8)単体を使用すること以外は実施例1と同じ条件で、電気泳動表示装置を作製した。その結果を表3に示す。
【0075】
比較例3
実施例3の電気泳動表示用分散液を使用することと、ならびに絶縁層9にポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699 J)単体を使用すること以外は実施例1と同じ条件で、電気泳動表示装置を作製した。その結果を表3に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
(注)
1)泳動粒子組成
PS:ポリスチレン、PMMA:ポリメチルメタクリレート、CB:カーボンブラック
2)壁の材料
材料1:オプトマーSS6699(JSR(株)製)
材料2:SU8(日本マグダーミッド(株)製)
【0080】
3)分散媒中の添加物
Oct‐Zr:オクテン酸ジルコニウム(ニッカオクチックジルコニウム、日本化学産業(株)製)
SBR:スチレンブタジエン共重合体(アサプレン1205、旭化成(株)製)
ロジンエステル:ネオトール125H(ハリマ化成(株)製)
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、帯電泳動粒子と、該帯電泳動粒子が分散される分散媒が接する該微小コンテナの壁の少なくとも一部が帯電制御剤を含むことにより、壁と帯電泳動粒子の間に働く力を制御することができ、帯電泳動粒子の壁への付着抑制あるいはメモリー性を制御することができる。さらに、壁が帯電泳動粒子を付着させない官能基を含むこと、ならびに/あるいは帯電泳動粒子が帯電制御剤を含むことで、壁と帯電泳動粒子の間に働く力を微調節することができる。その結果、本発明の電気泳動表示装置は、表示コントラストの向上と安定化のみならず、メモリー性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。
【図4】本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 帯電泳動粒子
2 分散媒
3a、3b 基板
4a 第1電極
4b 第2電極
5 隔壁
6 絶縁層
7 マイクロカプセル
8 接着層
9 絶縁層
10 微小コンテナ
Claims (1)
- 一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された少なくとも一つの電極と、該基板間に挟持された帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子が分散された分散媒とを有し、該帯電泳動粒子と該分散媒が複数の微小コンテナに内包されている電気泳動表示装置において、該帯電泳動粒子と該分散媒が接する微小コンテナの壁の少なくとも一部が帯電制御剤を含むことを特徴とする電気泳動表示装置。
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2003
- 2003-03-14 JP JP2003069876A patent/JP2004279647A/ja active Pending
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