JP2004279318A - 液面レベル検出装置、液滴吐出装置、液面レベル検出方法、液滴吐出方法、デバイス製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

液面レベル検出装置、液滴吐出装置、液面レベル検出方法、液滴吐出方法、デバイス製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴吐出装置におけるタンクに貯蔵される溶液の量を正確に検出する。
【解決手段】センサーチップ130は、水晶振動子132と、水晶振動子132に電圧を印加する電極134とを有しており、電極134の面が略垂直となるようにタンク120に設けられている。液滴吐出装置100においては、水晶振動子132を振動させる一方で、水晶振動子132による起電力の時系列的な変化率である電圧変化率ΔV/ΔTを演算する。そして、演算した電圧変化率ΔV/ΔTのうち、起電力の波形のピーク間に対応するピーク間時間PTおいて、絶対値が最大となる変化率最大値RMを用いてタンク内の溶液残量を検出する。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液滴吐出装置に関し、特に、溶液を貯蔵するタンク内の溶液の残量を検出する技術、ならびに、その液滴吐出装置により製造された電気光学装置および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるインクジェットプリンタなどの液滴吐出装置は、溶液を貯蔵するタンクが設けられており、そのタンクから溶液を吐出ヘッドに供給して、吐出ヘッドから溶液を液滴化して吐出するようになっている。この種の液滴吐出装置の一部においては、タンク内の溶液の残量を監視し、残量が少なくなるとその旨をユーザに告知して、溶液の補充あるいはタンク交換を促す機能を持たせたものが知られている。この機能により、不意の溶液切れによる液滴の空打ちや、溶液残量の低下を起因とする不安定な液滴吐出などを未然に防止することが可能となる。
【0003】
従来、溶液残量を検出する技術としては、タンク内に一対の電極を設け、それらの電極間における電気抵抗を用いて、溶液の残量を検出する技術が知られている(以下、従来技術1という)。この技術においては、タンク内の溶液の残量が少なくなるほど、溶液を媒体として電極間に流れる電流が減少するという性質を利用して溶液の残量を検出する(例えば、特許文献1など)。
【0004】
また、従来技術1とは別の技術として、吐出ヘッドから吐出された液滴の総数を不揮発性メモリに記憶させ、その総数を用いて溶液残量を検出する技術が知られている(以下、従来技術2という)。この技術では、液滴を吐出する前のタンクに貯えられた溶液量から、吐出した全ての液滴に相当する溶液量を差し引くことにより溶液残量を検出する。これらのような技術を用いれば、上述したように、溶液残量が少なくなると、その旨をユーザに告知することが可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−270410号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上説明した溶液残量の検出方法は次のような欠点を有している。まず、従来技術1においては、溶液に導電性が必要とされるため、溶液の種類が限定されてしまう。また、たとえ溶液が導電性を有していたとしても、溶液の変質防止の観点から、溶液が電気分解を起こさない程度の電圧の閾値(最大値)をあらかじめ実験的に求め、その閾値以下で電圧を印加しなければならない。しかしながら、この閾値は、溶液の種類のみならず、電極間の距離やタンクの形状などにも依存するため、それらの条件毎に実験的に閾値を求めなければならずその作業が煩雑であった。
【0007】
一方、従来技術2においては、液滴数を正確に捉えることができたとしても、液滴間に生じる質量のばらつきや、液滴の吐出前の溶液量の誤差の影響により、タンク内の溶液残量を正確に捉えるのは困難であった。この結果、溶液が無いにも拘わらず、液滴吐出の動作を行うことにより、正常にパターニングすることができないという問題が生じていた。また、これとは逆に、溶液が残っているのにも拘わらず、残量無しと検出された場合においては、カードリッジ式のタンクであれば、溶液が不当に処分されてしまい、経済性の他、環境面においても改善が望まれていた。
【0008】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、吐出する溶液の種類を限定することなく、タンク内の溶液の液面レベルを正確に検出することが可能な液面レベル検出装置、その液面レベル検出装置を備えた液滴吐出装置、液面レベル検出装置において実行される液面レベル検出方法、その液面レベル検出方法を適用した液滴吐出方法、液滴吐出方法を含むデバイス製造方法、デバイス製造方法を含む電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る液面レベル検出装置は、溶液を液滴化して吐出する吐出ヘッドに対して、溶液を供給するタンク内の液面レベルを検出する液面レベル検出装置であって、前記タンク内に設けられ、一対の電極により挟まれる圧電素子であって、前記一対の電極を介して電圧が印加されると振動して、周期的な起電力を生成するとともに、前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極に溶液が付着すると、付着した溶液の量に応じて、起電力の時間的な変化率の絶対値のうち一周期あたりの最大値が変化する圧電素子と、前記圧電素子により生成された起電力の時間的な変化率を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された前記変化率の絶対値のうち一周期あたりの最大値に応じて、前記液面レベルを検出する検出手段とを具備することを特徴とする。
かかる液面レベル検出装置によれば、タンク内の溶液レベルを検出するにあたり、圧電素子の起電力の時間的な変化率に応じて、電極に付着した溶液量を検出するため、上記従来技術1と比較して、溶液は導電性を有していなくともよく、検出対象となる溶液の種類の幅が広がる。一方、従来技術2に対しては、本発明にかかる液面レベル検出装置によれば、検出ミスが生じる可能性が低いため、溶液が不当に処分される可能性が低く、溶液の省資源化に寄与することができる。
【0010】
ここで、前記演算手段は、起電力の一周期毎に、その周期に含まれる起電力が最大値をとる時点と、最小値をとる時点とを検出し、検出された2つの時点に挟まれる期間中に生成された起電力を一定の標本数で標本化し、標本化された起電力のうち時間的に連続する2つの起電力の差分を用いて前記変化率を演算することが好ましい。
このように、周期毎に一定の標本数にて起電力を標本化することにより、周期が長い波形ほど、サンプリング周期を長くすることが可能となる。これにより、一定のサンプリング周期にて標本化する技術と比較して、その処理を効率化できる。
【0011】
別の好ましい態様において、前記一対の電極のうち一方は、密閉性を有するように覆われており、前記圧電素子により生成される起電力は、前記一対の電極のうち他方に付着した溶液の量に応じて、前記変化率の絶対値のうち一周期あたりの最大値が変化する。
この構成によれば、たとえ溶液が導電性を有していたとしても、圧電素子に設けられた電極間における短絡を防止することができる。
【0012】
本発明は、上記液面レベル検出装置と、前記液面レベル検出装置により液面レベルが検出された溶液を、液滴化して吐出する吐出ヘッドとを具備することを特徴とする液滴吐出装置を提供する。
上述したように液面レベル検出装置によれば、種々の溶液の液面レベルを検出可能であるため、本発明に係る液滴吐出装置においては、種々の溶液について、その液面レベルを検出しつつ吐出することが可能となる。また、液滴吐出装置によれば、液面レベルの検出ミスが生じる可能性が低いため、液滴の空打ちや、不安定な吐出についての対策を確実に行える。
【0013】
また、本発明は、溶液を液滴化して吐出する吐出ヘッドに対して、溶液を供給するタンク内の液面レベルを検出する液面レベル検出方法であって、前記タンク内に設けられ、一対の電極により挟まれた圧電素子であって、前記一対の電極を介して電圧が印加されると振動して、周期的な起電力を生成するとともに、前記一対の電極のうち一方の電極に溶液が付着すると、付着した溶液の量に応じて、起電力の時間的な変化率の絶対値のうち一周期あたりの最大値が変化する圧電素子により生成された起電力を検出する起電力検出過程と、前記起電力検出過程において検出された起電力の時間的な変化率を演算する演算過程と、前記演算過程において演算された前記変化率の絶対値のうち、一周期あたりの最大値に応じて前記液面レベルを検出する検出過程とを有することを特徴とする液面レベル検出方法を提供する。この方法においても、上記液面レベル検出装置と同様な効果を奏することが可能である。
【0014】
また、本発明は、上記液面レベル検出方法により液面レベルが検出された溶液を、前記吐出ヘッドから液滴化して吐出する液滴吐出方法を提供する。この他にも、本発明は、上記液滴吐出方法により吐出された液滴によって、薄膜層を形成する過程を含むデバイス製造方法、そのデバイス製造方法を含む電気光学装置の製造方法、ならびに、当該製造方法により製造された電気光学装置、および、電気光学装置を含む電子機器を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる液面レベル検出装置を備えた液滴吐出装置について図面を参照して説明する。以下の説明においては、かかる液滴吐出装置の一例として、EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネルに含まれる有機EL層の形成に用いられる液滴吐出装置について説明する。
【0016】
<液滴吐出装置の構成>
図1は、液滴吐出装置100の構成を示す図である。この図において、制御部110は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、液滴吐出装置100全体を制御する。制御部110が実行する制御としては、タンク120に貯蔵される溶液を液滴化して吐出するための処理の他、タンク120内の溶液残量を検出する処理などがある。
【0017】
タンク120は、高分子系有機EL材料を含む約1%のポリマー溶液を貯蔵し、貯蔵する溶液を吐出ヘッド122に供給する。図2は、タンク120内部およびその周辺の構成を示す図である。この図に示すように、タンク120には、溶液の液面レベルを検出するためのセンサーチップ130が設けられている。センサーチップ130は、図3に示すように、略平板状の水晶振動子132と、水晶振動子132を挟むように設けられた一対の電極134、135と、両電極134、135に電気的に接続された一対の端子136、137とを含む。
【0018】
これらのセンサーチップ130の要素は、合成樹脂などの密閉性を有するカバー138によって覆われているが、各要素のうち一方の電極134、および、各端子136、137の端部近傍においては露出している。このため、センサーチップ130を導電性の溶液に浸したとしても、溶液を介して一対の電極134、135が導通することはない。もっとも、タンク120に貯蔵される溶液の導電性が十分に低ければ、センサーチップ130にカバー138を設けなくとも良い。
【0019】
センサーチップ130に含まれる水晶振動子132は、例えばATカット水晶振動子などの圧電素子であり、電極134、135を介してパルス信号が印加されると、そのパルス信号に応じて周期的に振動する。これにより、水晶振動子132は、圧電効果により交流の起電力を生成し、起電力を端子136、137から出力する。ここで、水晶振動子132による起電力の時間的な変化率(以下、電圧変化率と称する)は、電極134に何も付着していなければ、略一定の振幅を有する周期関数により時系列的に表すことができるが、電極134に溶液が付着すると、その周期関数の振幅が溶液の付着量に応じて変化するという特性を有している。
【0020】
以下、この特性について詳細に説明する。図4は、電極134に付着する溶液の量と、水晶振動子132による起電力を時系列的に示す波形(以下、起電力波形VWと称する)と、電圧変化率を時系列的に示す波形(以下、変化率波形RWと称する)との対応関係を示す図である。この図に示す各時刻軸においては、時刻tが進むほど電極134に付着する溶液の量が減少する。例えば、時刻「T1」は、電極134の全域に溶液が付着する時点を示し、時刻「T2」は、電極134の略半分に溶液が付着する時点を示し、時刻「T3」は、電極134に溶液が付着していない時点を示す。
【0021】
図4の中段に示すように、起電力波形VWは、時間が経過するほど、すなわち電極134に付着する溶液の量が少なくなるほど、その周期が短くなる傾向にある。一方、変化率波形RWは、図4の下段に示すように、起電力波形VWを時間的に微分した波形に相当し、その変曲点(各周期における最大値MAXおよび最小値MIN)は、起電力波形VWの各周期のうち時間的な変化率が最大あるいは最小となる箇所に対応する。変化率波形RWにおいては、電極134に付着する溶液の量が減少するにつれて、最大値MAXが大きくなる一方で最小値MINが小さくなり、その振幅が大きくなるという特性を有する。
【0022】
具体的に示すと、電極134の全域に溶液が付着する場合(時刻T1)には、最大値MAXおよび最小値MINの各々の絶対値は「AV1」をとり、電極134の略半分に溶液が付着する場合(時刻T2)には、最大値MAXおよび最小値MINの各々の絶対値は「AV2」をとり、電極134に溶液が付着しない場合(時刻T3)には、最大値MAXおよび最小値MINの各々の絶対値は「AV3」をとる。なお、図4における「AV1」、「AV2」および「AV3」は、「0<AV1<AV2<AV3」の関係を満たし、この例では、「AV1」は、「47.8V/μsec」であり、「AV2」は、「62V/μsec」であり、「AV3」は、「64V/μsec」である。
【0023】
図2に示すように、センサーチップ130は、電極134の面が略鉛直となるような姿勢にて、電極134の中心Cと、タンク120の底面との距離が「d1」となるように設けられている。この際、中心Cとタンク120の底面との距離は「d2」となる。液滴吐出装置100においては、タンク120内の溶液の液面レベルが底面から距離「d1」の水平面以下となる場合に液滴吐出の動作が不安定となり、さらに、液面レベルが底面から距離「d2」の水平面以下となる場合に液滴を吐出することができなくなる。以降、液面レベルが底面から距離「d1」だけ上方に位置する状態を「ニアエンド状態」と称し、液面レベルが距離「d2」だけ上方に位置する状態を「エンド状態」と称する。
このようなセンサーチップ130の各端子136、137は、後述の発振回路140と電気的に接続されたうえ、溶液への漏電を防ぐための防水処理が施されている。
【0024】
一方、吐出ヘッド122は、圧力室121と、ピエゾ素子124と、ノズル136とを有している。このうち、圧力室121は、タンク120の底面に設けられた供給口123から溶液の供給を受け、供給された溶液を一時的に貯える。また、ピエゾ素子124は、制御部110から供給される駆動信号に応じて圧力室121の内面を変形させ、圧力室121内の溶液を増減圧する。吐出ヘッド122は、このピエゾ素子124による溶液の増減圧に応じて、ノズル136から溶液を液滴化して吐出する。
【0025】
再び図1に説明を戻す。発振回路140は、制御部110の制御の下、パルス信号をセンサーチップ130に供給して、センサーチップ130に含まれる水晶振動子132を振動させる。これにより水晶振動子132は、起電力を生成し、起電力をアナログ信号にて発振回路140に印加する。発振回路140は、センサーチップ130から起電力が印加されると、その起電力Vを演算部150に印加する。一方、タイマクロック160は、時刻を示すクロック信号CSを演算部150に供給する。
【0026】
演算部150は、発振回路140から供給される起電力Vの時系列的な変化を示す起電力波形VW(図4の中段参照)と、タイマクロック160から供給されるクロック信号CSとを用いて、水晶振動子132による起電力Vの電圧変化率を演算し、演算結果を示す変化率信号TSを制御部110に供給する。
【0027】
図5は、演算部150の構成を示すブロック図である。この図に示すように、演算部150は、ピーク検出回路152、A/Dコンバータ154、サンプリング回路156およびΔV/ΔT演算回路158を含む。このうち、ピーク検出回路152は、図6(a)に示すように、アナログ信号として発振回路140から供給される起電力波形VWの変曲点(最大値MAX、最小値MIN)を検出する。
【0028】
一方、A/Dコンバータ154は、発振回路140から供給される起電力波形VWを、一定のサンプリング周期に従ってアナログ信号からデジタル信号へと変換する。サンプリング回路156は、A/Dコンバータ154によりデジタル化された起電力波形VWを示すデジタル値から、起電力波形VWの周期毎に、その周期に応じて変化するサンプリング周期(以下、可変サンプリング周期ΔTと称する)に従って起電力波形VWを示すデジタル値をサンプリングする。
【0029】
さらに詳述すると、サンプリング回路156は、図6(a)に示すように、ピーク検出回路152により検出された変曲点のうち、時間的に連続する2つの変曲点の時間間隔(以下、「ピーク間時間PT」と称する)を、例えば「2=16」分割し、その分割された期間を可変サンプリング期間ΔTとする。ここで、可変サンプリング周期ΔTは、上述したA/Dコンバータ154におけるサンプリング周期と比較して十分に長いものとする。そして、サンプリング回路156は、A/Dコンバータ154によりデジタル化された起電力波形VWを示すデジタル値のうち、各可変サンプリング周期ΔTの端点あるいはその近傍の時点に位置するデジタル値(図中黒点)をサンプリングする。なお、確認的ではあるが、可変サンプリング周期ΔTは、ピーク間時間PTの長さに拘わらず、一定数(この例では16)にてピーク間時間PTを分割した期間のため、ピーク間時間PTが短くなるにつれて、その期間が短くなるという特性を有する。
【0030】
ΔV/ΔT演算回路158は、図6(b)に示すように、可変サンプリング周期ΔTと、当該可変サンプリング周期ΔTに対応する起電力Vの変化量ΔVとを用いて、変化量ΔVを可変サンプリング周期ΔTで除して、ひとつのピーク間時間PTにつき16個の電圧変化率ΔV/ΔTを演算する。ここで、変化量ΔVは、各可変サンプリング周期ΔTの始点と終点とにおける起電力Vの差分を意味する。このようにΔV/ΔT演算回路158により演算された電圧変化率ΔV/ΔTは、演算部150から変化率信号TSとして制御部110に供給される。
【0031】
再び図1において、記憶部170は、例えばEEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)であり、ドットデータDDや閾値データTDなどの情報を記憶する。このうち、ドットデータDDは、素子基板202上にマトリックス状に割り当てられた地点の各々について、当該地点が液滴を吐出させる地点であるか否かを指示する情報である。
【0032】
一方、閾値データTDは、電圧変化率ΔV/ΔTの絶対値に関する2つの閾値、すなわち、ニアエンド閾値とエンド閾値とを含む。このうち、ニアエンド閾値は、前掲図4において、電極134の略半分に溶液が付着する場合(時刻T2)の、変化率波形RWの最大値MAXおよび最小値MINの絶対値「AV2(62V/μsec)」を示す情報である。一方、エンド閾値は、電極134に溶液が付着しない場合(時刻T3)の、変化率波形RWの最大値MAXおよび最小値MINの絶対値「AV3(64V/μsec)」を示す情報である。なお、これらのニアエンド閾値およびエンド閾値の各々は、溶液の粘度などに応じて変化する値であり、あらかじめ実験的に求められる値である。
【0033】
図1に説明を戻す。ヘッドキャリッジ180は、制御部110の制御の下、吐出ヘッド122を副走査方向(図中X方向)に搬送する。一方、基板キャリッジ185は、素子基板202を保持すると共に、素子基板202を吐出ヘッド122に対して副走査方向(図面垂直方向)に搬送する。また、タッチパネル190は、制御部110の制御の下、タンク120内の溶液残量に関する情報や、ユーザに各種指示を促すソフトボタン192を表示する一方で、ユーザによるソフトボタン192の押下による各種指示を制御部110に入力する。タッチパネル190を介して入力される指示としては、液滴吐出の開始の指示の他、液滴吐出の続行の指示などがある。
【0034】
<素子基板202の構成>
次に、液滴吐出装置100により有機EL材料を含む液滴が塗布される素子基板202について図7を参照して説明する。
この図において、ガラスなどの基板210に、有機EL層を駆動するTFT220が例えば低温ポリシリコンプロセスなどにより形成されている。緩衝層230は、基板210およびTFT220の上面を覆うように形成されているが、TFT220の電極部分では開孔している。
【0035】
画素電極240は、反射性を有する導電膜であり、緩衝層230の開孔部分を介して、TFT220の電極(ソースまたはドレインの一方)に接続されている。この画素電極240は、EL素子の陽極として機能する他、反射層としての役割を果たす。
【0036】
次に、下層膜250は、例えばシリコン酸化膜などの無機材料であり、主に画素電極240間において、画素電極240の端部を若干覆うように形成されている。一方、隔壁260は、下層膜250の上面に形成された一種の仕切りであり、アクリルなどがフォトリソグラフィティ技術などによりパターニングされたものである。隔壁260に囲まれる領域270には、有機EL層に正孔を注入する正孔注入層272が形成されている。そして、この正孔注入層272の上面には、液滴吐出装置100により有機EL材料を含む液滴が塗布される。
なお、上述したドットデータDDは、基板210上にマトリックス状に割り当てられた各地点のうち、正孔注入層272に対応する地点について液滴吐出を指示するように設定されている。
【0037】
<液滴吐出装置100の動作>
次に、液滴吐出装置100による素子基板202に対する液滴のパターニングの動作について説明する。この動作は、タンク120に貯蔵される溶液の液面レベルを検出しつつ、その検出結果に応じて、吐出ヘッド122から液滴を吐出させる処理である。図8は、制御部110が実行する処理のフローチャートである。図9は、タンク120内の液面レベルの様子と、演算部150により演算された電圧変化率ΔV/ΔTを時系列的に示すグラフと、タッチパネル190に表示される内容とを対応づけて示す図である。なお、動作開始時においては、タンク120内には溶液が満たされているものとする。
【0038】
はじめに、ユーザが、タッチパネル190を介して液滴吐出の開始の指示を入力すると、制御部110は、起電力波形VWの電圧変化率ΔV/ΔTを演算部150により演算させる(ステップS1)。演算部150は、電圧変化率ΔV/ΔTを演算すると、演算結果を示す変化率信号TSを制御部110に供給する。
【0039】
制御部110は、演算部150から変化率信号TSを受け取ると、その変化率信号TSにより示される電圧変化率ΔV/ΔTの絶対値のうち、ひとつのピーク間時間PTにおける最大値(以下、「変化率最大値PM」と称する。)を、ピーク間時間PT毎に抽出する。続いて制御部110は、抽出した変化率最大値PMが、閾値データTDに含まれるニアエンド閾値(62V/μsec)より小さいか否かを判定する(ステップS2)。例えば、いま、図9の時刻「T1」に示すように、タンク120における液面レベルがセンサーチップ130の電極134より上方に位置する場合、ひとつのピーク間時間PTにおいて、電圧変化率ΔV/ΔTは、「−47.8V/μsec」から「47.8V/μsec」までの値をとる。この際、変化率最大値PMは「47.8V/μsec」となるため、ステップS2の判定結果は肯定的となる。
【0040】
なお、電圧変化率ΔV/ΔTは、サンプリングされた起電力Vの差分ΔVを用いて演算されたものである。このため、厳密に言えば、電圧変化率ΔV/ΔTは、起電力波形VWが時間により微分された変化率波形RW(図4の下段参照)とは必ずしも重ならないが、説明の便宜上、電圧変化率ΔV/ΔTは、変化率最大値PMとして、変化率波形RWに含まれる最大値MAXおよび最小値MINを示すものとする。
【0041】
制御部110は、ステップS2による判定結果が肯定的であれば、図10に示すように、ドットデータDDに従って吐出ヘッド122から液滴を吐出させると共に、吐出ヘッド122をヘッドキャリッジ180により走査する(ステップS3)。このステップS3の処理は一定期間、あるいは吐出ヘッド122から吐出される液滴数が一定数に達するまで行われる。これにより、素子基板202の正孔注入層272上にEL材料を含む液滴が塗布される。
【0042】
次いで、制御部110は、液滴のパターニングが終了したか否かを判定する(ステップS4)。制御部110は、ドットデータDDにより指示される液滴を吐出すべき全ての地点ついて液滴を吐出したか否かを判定することにより、パターニングが終了したか否かを判定する。この判定結果が肯定的であれば、制御部110は、液滴の吐出の動作を終了する。
【0043】
一方、ステップS4の判定結果が否定的であれば、制御部110は、処理手順をステップS1に戻す。この後、制御部110は、ステップ2において変化率最大値PMがニアエンド閾値に達するまで、ステップS1→S2→S3→S4からなる一連の処理を繰り返し、素子基板202上の正孔注入層272に向けて液滴を吐出する。この液滴の吐出に伴って、タンク120内の液面レベルは減少する。
【0044】
ここで、液面レベルが、図9における時刻「T2」に示すようにタンク120の底面から距離d1だけ離れたレベルまで減少したとする。この際、センサーチップ130の電極134の略半分に溶液が付着し、変化率最大値PMがニアエンド閾値「62V/μsec」に到達する。
【0045】
このように変化率最大値PMがニアエンド閾値と等しくなると、ステップS2における判定結果が否定的になる。ステップS2の判定結果が否定的となれば、続いて制御部110は、変化率最大値PMが、閾値データTDに含まれるエンド閾値「64V/μsec」より小さいか否かを判定する(ステップS5)。いま、変化率最大値PMは「62V/μsec」であるため、この判定結果は肯定的となる。次いで、制御部110は、液面レベルがニアエンド状態であることを検出し、タッチパネル190において、図9における時刻「T2」に示すように、まもなく溶液が無くなる旨を表示すると共に、吐出動作の続行を促すソフトボタン192を表示する(ステップS6)。
【0046】
次に、制御部110は、ユーザのソフトボタン192の押下による吐出動作の続行の指示を示す動作続行指示が入力されるまで、動作を待機する(ステップS7)。このようにニアエンド状態の検出と共に動作を待機させるのは次の理由による。すなわち、ニアエンド状態では、動作が不安定になるおそれがあり、溶液を補充してから液滴の吐出を行うか、補充することなく液滴の吐出を行うかの選択の余地をユーザに与えるためである。ここでは、溶液が補充されることなく、動作続行指示が入力されたものとする。
【0047】
制御部110は、動作続行指示を受信すると(ステップS7;「Yes」)、液滴を一定期間あるいは一定数だけ吐出ヘッド122から吐出させる(ステップS3)。続いて、制御部110は、パターニングが終了したか否かを判定する(ステップS4)。ここでは、パターニングが終了していないものとする。
【0048】
制御部110は、ステップS4の判定結果が否定的であれば、処理手順をステップS1に戻す。以上のように、変化率最大値PMが、ニアエンド閾値以上(ステップS2;「No」)、かつ、エンド閾値未満である(ステップS5;「Yes」)ならば、制御部110は、変化率最大値PMがエンド閾値に達するまで、ステップS1→S2→S5→S6→S7→S3→S4からなる一連の処理を繰り返し、素子基板202上の正孔注入層272に向けて液滴を吐出する。
【0049】
いま、液面レベルが、図9における時刻「T3」に示すようにタンク120の底面から距離d2だけ離れたレベルまで減少したとする。この際、センサーチップ130の電極134には溶液が付着しないため、変化率最大値PMがエンド閾値「64V/μsec」と等しくなる。
【0050】
制御部110は、変化率最大値PMがエンド閾値とが等しくなると(ステップS5;No)、液面レベルがエンドレベルに到達したことを検出するとともに、タッチパネル190において、図9における時刻「T3」に示すように溶液が無くなった旨を表示させた後、処理手順をステップS1に戻す(ステップS8)。制御部110は、変化率最大値PMとエンド閾値とが等しい(ステップS5;No)間にわたり、ステップS1→S2→S5→S8からなる一連の処理を繰り返し、液滴吐出を行うことなく、タッチパネル190に溶液が無くなった旨を表示し続ける。つまり、ユーザにより溶液が補充されるまで、溶液の補充を促すと共に、液滴の吐出については待機させる。
一方、ユーザにより、溶液が補充され、変化率最大値PMがエンド閾値より小さくなると、制御部110は、液面レベルに応じて液滴の吐出にかかる動作を再開する。
【0051】
このように、本実施形態にかかる液滴吐出装置100によれば、水晶振動子132に付着した溶液の量に応じて、タンク120内の液面レベルを検出し、その検出結果に応じて液滴を吐出するようになされている。したがって、従来技術と比較して以下のような利点を有している。まず、タンク120内に電極を設け、その電極間における電気抵抗により、液面レベルを検出する技術(従来技術1)の場合、上述したように溶液の種類が制限されてしまうため、十分な実用性を有しているとは言い難いものであった。これに対し、本実施形態によれば、水晶振動子132の電極134に付着する溶液の量を検出するため、溶液は導電性を有する必要がなく、様々な溶液の液面レベルを検出することができる。くわえて、本実施形態によれば溶液が電気分解を起こさない程度の電圧の閾値(最大値)を求める処理が不要となるので、液面レベルの検出にかかる前処理が簡略化される。
【0052】
一方、吐出した液滴数を用いて溶液の残量を検出する技術(従来技術2)の場合、上述したように液滴間のばらつきなどの影響により、検出された溶液の残量に誤差が生じる可能性が高かった。これに対し、液滴吐出装置100によれば、水晶振動子132を用いて、液面レベルを実測しているため、より正確に液面レベルを捉えることが可能である。したがって、液滴の空打や、意図せぬ不安定な液滴吐出を排除することが可能である。つまり、液滴吐出装置100により形成されたパターンは、ドット抜けが生じるおそれがなく、溶液が斑なく塗布されたものとなる。また、溶液の残量レベルを過小評価することがないため、溶液を不当に破棄することもなく、環境負荷および経済負荷を軽減することが可能となる。
【0053】
ところで、水晶振動子132は、電極134に付着する溶液が減少するにつれて、起電力波形VWの周波数(共振周波数)が増大するという特性を有している。このため、電極134に付着する溶液量を検出する別の技術として、起電力波形VWの周波数を周波数カウンタにより測定して、その周波数に応じて溶液の付着量を検出するという技術(以下、比較技術と称する)が考え得る。しかしながら、この技術においては以下のような問題があることが知られている。
【0054】
第1の問題として、周波数カウンタによる処理を前提とするため、溶液の付着量を高精度にて検出するには、起電力波形VWがとり得る周波数帯域に合わせて周波数カウンタを設計しなければならない。さらに詳述すると、高精度になされた周波数カウンタは、測定可能な周波数帯域において、全ての周波数に対して高精度の測定が可能ではなく、ごく限られた帯域(例えば、共振周波数10MHzに対して−5%に含まれる帯域)についてのみ高精度にて測定することができるのが一般的である。このため、共振周波数が異なる水晶振動子132を選択的に用いる場合には、その各々に対して適切な周波数カウンタを設計しなければならなく、周波数カウンタ、ひいては溶液の液面レベルを検出するための機構の汎用性が低かった。一方で、広帯域を一定の精度にて測定可能な周波数カウンタも実在するが、それらの測定精度は概して低く、十分な精度とは言い難かった。
【0055】
この問題に対し、本実施形態によれば、電圧変化率ΔV/ΔTにより溶液の付着量を検出しているため、周波数カウンタにかかる処理が不要となり、高精度な検出結果を得ることができる。したがって、圧電素子(この例では水晶振動子132)の周波数特性に拘わらず、つまり圧電素子の材質や形状などに依存することなく、単一の演算部150により電圧変化率ΔV/ΔTを演算し、その演算結果を用いて、溶液の付着量を高精度にて検出することができるという利点がある。
【0056】
また、上記比較技術の第2の問題として、溶液の付着量を検出するためのパラメータとして周波数を用いた場合、高周波であれば検出範囲が狭くなるという特性を示す一方で、低周波であれば検出にかかる分解能が低下するという特性を示す。このため、高周波の水晶振動子132を用いれば、検出にかかる分解能は高いものの、輻射ノイズが顕著となり周辺構成に悪影響をおよぼす可能性がある。これに対処すべく、水晶振動子132の周波数を低く設定したとすると、今度は分解能が低下してしまうため、溶液の付着量が少ない場合には分解能の範囲を超えてしまい、測定漏れが生じるおそれがあった。
【0057】
この問題に対し、本実施形態においては、溶液の付着量を検出するためのパラメータとして電圧変化率ΔV/ΔTを用いるため、周波数がいずれの値をとろうとも、分解能や検出範囲に影響をおよぼすことがない。このため、水晶振動子132の共振周波数を積極的に低く設定することにより、高精度にて検出しつつ、輻射ノイズによる悪影響を抑えることが可能となる。
【0058】
また、本実施形態によれば、電圧変化率ΔV/ΔTの演算時に、ピーク間時間PTが短いほど、その期間における可変サンプリング周期ΔTが短くなるため、ピーク間時間PTに拘わらず一定のサンプリング周期によりサンプリングされた標本の各々により、電圧変化率ΔV/ΔTを演算する技術と比較して次のような利点を有している。一般に波形は、振幅に大きな差がなければ、その周期が短くなるほど、単位時間あたりの時間的変化率が大きくなる。このため、単一のサンプリング周期により標本化する場合においては、最短のピーク間時間PTを基準としてサンプリング周期を設定しなければ、すべてのピーク間時間PTに対応する波形について必要とする精度(分解能)の電圧変化率ΔV/ΔTを得ることができない。しかし、このように最短のピーク間時間PTに合わせてサンプリング周期を設定したとすると、ピーク間時間PTが長い波形については、その分解能が不必要に高くなってしまい、電圧変化率ΔV/ΔTの演算にかかる処理が不当に増大してしまう。これに対し、本実施形態によれば、ピーク間時間PTに応じて可変サンプリング周期ΔTが変化するため、ピーク間時間PTの長い波形に対して過剰な演算処理を行う必要がないという利点を有する。
【0059】
以下、引き続き、EL表示パネルの製造工程について図11を参照して説明する。この図において、正孔注入層272上に形成された有機EL層274は、液滴吐出装置100により塗布された液滴が乾燥したものである。この有機EL層274の上面に、例えば真空蒸着法などにより、光透過性が充分確保できる程度の膜厚にて電子注入層276を成膜する。次いで、電子注入層276の上方に、ITOなどの光透過性を有する対向電極280を配置し、その上方にエポキシ樹脂やガラスなどの光透過性を有する封止層290を配置する。以上の工程により、EL表示パネル200が完成する。
ここで、EL表示パネル200における有機EL層274は、液滴吐出装置100により形成された層であるため、膜厚が一定であり、その発光特性が良好なものとなる。
【0060】
以上、本実施形態にかかる液滴吐出装置100を、電気光学装置の一種であるEL表示パネル200の製造に用いた例を説明したが、液滴吐出装置100の用途は、EL表示パネル200の製造に限られず、次のような様々の薄膜層の形成に用いることができる。その他の液滴吐出装置100の用途としては、例えば、液晶装置に用いられるカラーフィルタのパターニングや、プラズマディスプレイに含まれる透明電極の配線、IC(integrated circuit)カードなどに含まれるアンテナなどのデバイスの製造などがある。
これら以外にも、液滴吐出装置100は、立体造形に用いられる熱硬化樹脂や、紫外線硬化樹脂などの他、マイクロレンズアレイ材料、また、DNA(deoxyribonucleic acid)やたんぱく質といったの生体物質などの様々な材料を含む液滴の塗布にも用いることが可能である。
ここで、本実施形態にかかる液滴吐出装置100によれば、液面レベルを正確に検出し、その検出結果を液滴吐出の動作に反映させることができるため、これらの材料を高精度でパターニングすることができるとともに、材料を無駄に消費することがないという効果を奏する。
【0061】
なお、液滴吐出装置100には、タッチパネル190などのユーザインタフェースの他、記憶部170が設けられていたが、これらの構成要素は必須ではなく、液滴吐出装置100にパーソナルコンピュータなどの外部機器と接続するためのインタフェースを設ければ、それらの外部機器が有するユーザインタフェースや、記憶部170を代用することも可能である。
【0062】
また、上述した実施形態においては、電極134に付着する溶液量を検出するにあたり、変化率最大値PMが閾値(エンド閾値など)に達したか否かに応じて検出したがこれに限られない。例えば、溶液の付着量を表す関数であって、変化率最大値PMをパラメータとする関数を用いて、付着量を連続的に検出しても良い。これにより、溶液残量を連続的に監視することが可能となる。
【0063】
最後に、以上説明した液滴吐出装置100により形成されたEL表示パネル200(電気光学装置)を適用した電子機器について説明する。図12は、EL表示パネル200を表示部として搭載した携帯電話機300の外観図である。この図において、携帯電話機300は、複数の操作ボタン310の他、受話口320、送話口330とともに、電話番号などの各種情報を表示する表示部として、EL表示パネル200を備えている。
また、携帯電話機300以外にも、液滴吐出装置100を用いて製造された電気光学装置は、コンピュータや、プロジェクタ、デジタルカメラ、ムービーカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)、車載機器、複写機、オーディオ機器などの各種電子機器において用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の構成を示す図である。
【図2】同液滴吐出装置に含まれるタンクおよびその周辺の構成を示す図である。
【図3】同タンクに設けられるセンサーチップの斜視図である。
【図4】同センサーチップにおいて生成される起電力を説明するための図である。
【図5】同液滴吐出装置に含まれる演算部の構成を示す図である。
【図6】同演算部の処理内容を示す図である。
【図7】同液滴吐出装置により液滴が塗布される素子基板の断面図である。
【図8】同液滴吐出装置の制御部が実行する処理のフローチャートである。
【図9】同フローチャートを説明するための図である。
【図10】同液滴吐出装置により素子基板に液滴が吐出される様子を示す図である。
【図11】同液滴吐出装置により製造されたEL表示パネルの断面図である。
【図12】同EL表示パネルを搭載した携帯電話機の斜視図である。
【符号の説明】
100 液滴吐出装置、110 制御部、120 タンク、122 吐出ヘッド、130 センサーチップ、132 水晶振動子、134,135 電極、138 カバー、140 発振回路、150 演算部、152 ピーク検出回路、170 記憶部、200 EL表示パネル。

Claims (10)

  1. 溶液を液滴化して吐出する吐出ヘッドに対して、溶液を供給するタンク内の液面レベルを検出する液面レベル検出装置であって、
    前記タンク内に設けられ、一対の電極により挟まれる圧電素子であって、前記一対の電極を介して電圧が印加されると振動して、周期的な起電力を生成するとともに、前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極に溶液が付着すると、付着した溶液の量に応じて、起電力の時間的な変化率の絶対値のうち一周期あたりの最大値が変化する圧電素子と、
    前記圧電素子により生成された起電力の時間的な変化率を演算する演算手段と、
    前記演算手段により演算された前記変化率の絶対値のうち一周期あたりの最大値に応じて、前記液面レベルを検出する検出手段と
    を具備することを特徴とする液面レベル検出装置。
  2. 前記演算手段は、
    起電力の一周期毎に、その周期に含まれる起電力が最大値をとる時点と、最小値をとる時点とを検出し、検出された2つの時点に挟まれる期間中に生成された起電力を一定の標本数で標本化し、標本化された起電力のうち時間的に連続する2つの起電力の差分を用いて前記変化率を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液面レベル検出装置。
  3. 前記一対の電極のうち一方は、密閉性を有するように覆われており、
    前記圧電素子により生成される起電力は、前記一対の電極のうち他方に付着した溶液の量に応じて、前記変化率の絶対値のうち一周期あたりの最大値が変化する
    ことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の液面レベル検出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の液面レベル検出装置と、
    前記液面レベル検出装置により液面レベルが検出された溶液を、液滴化して吐出する吐出ヘッドと
    を具備することを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 溶液を液滴化して吐出する吐出ヘッドに対して、溶液を供給するタンク内の液面レベルを検出する液面レベル検出方法であって、
    前記タンク内に設けられ、一対の電極により挟まれた圧電素子であって、前記一対の電極を介して電圧が印加されると振動して、周期的な起電力を生成するとともに、前記一対の電極のうち一方の電極に溶液が付着すると、付着した溶液の量に応じて、起電力の時間的な変化率の絶対値のうち一周期あたりの最大値が変化する圧電素子により生成された起電力を検出する起電力検出過程と、
    前記起電力検出過程において検出された起電力の時間的な変化率を演算する演算過程と、
    前記演算過程において演算された前記変化率の絶対値のうち、一周期あたりの最大値に応じて前記液面レベルを検出する検出過程と
    を有することを特徴とする液面レベル検出方法。
  6. 請求項5に記載の液面レベル検出方法により液面レベルが検出された溶液を、前記吐出ヘッドから液滴化して吐出する
    ことを特徴とする液滴吐出方法。
  7. 請求項6に記載の液滴吐出方法により吐出された液滴によって薄膜層を形成する過程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
  8. 請求項7に記載のデバイス製造方法を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電気光学装置の製造方法により製造されたことを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項9に記載の電子光学装置を含むことを特徴とする電子機器。
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