JP2004278865A - オープンショーケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】商品貯蔵室の前面上部に開口する循環通風路3の吹出口7を中央の主流路15とその前後の副流路16,17とからなる3つの流路に仕切り、かつ副流路16,17の開口面16a,17aを主流路15の開口面15aと直交させて互いに向い合わせるとともに、副流路16,17から吹き出す気流の流速を主流路15よりも大きくする。主流路15から吹き出す気流(主流)20に開口面15aの付近で、それよりも流速の大きい副流路16,17からの気流(副流)21を吹き付けることにより、吹き出し直後の主流20に生じようとする渦13を押さえ込んで、大規模渦13aの発生を抑制し、エアカーテン内への外気の巻き込みを減少させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷気循環式オープンショーケースに関し、詳しくは商品貯蔵室の開放面に形成するエアカーテンに関する。
【0002】
【従来の技術】
冷気循環式の多段形オープンショーケースについては、例えば特許文献1に記載されているが、その一般的な構造を改めて示すと図3の通りである。図3において、前面が開口したショーケース本体1の内部に、商品取出し面となる前面が開放した商品貯蔵室2が区画され、その周囲には、図示の場合、内外2層の循環通風路3及び4が設けられている。循環通風路3,4に通じるショーケース本体1の下部空間には送風ファン5が設置され、内側通風路3には冷却器6が設置されている。商品貯蔵室2の前面上部に開口する循環通風路3,4の気流の吹出口7には、ハニカム構造の整流体8が組み込まれている。
【0003】
このようなオープンショーケースにおいて、送風ファン5が運転されると、循環通風路3,4を気流が矢印方向に循環し、各々の吹出口7から整流体8を通して吹き出された気流は、商品貯蔵室2の開放面に内外2層のエアカーテン9及び10を形成し、商品貯蔵室2を外気から遮断する。その場合、内側通風路4を循環する気流は冷却器6を通過して冷却され、冷気となって循環しながら、商品貯蔵室2内に多段に設置された商品棚11上の商品12を冷却する。一方、冷却されない空気(非冷空気)からなる外側エアカーテン10は、冷気からなる内側エアカーテン9を保護する作用をする。内側エアカーテン9での流速は、外側エアカーテン10よりも大きく設定されているのが普通である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−325698号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、噴流からなるエアカーテンは、一般に流速の異なる隣接空気との境界層、いわゆるせん断層で渦を生成し、この渦によるエアカーテン両側での空気の相互移動が避けられない。上記したオープンショーケースにおいても、図4に示すように、吹出口7の近傍でせん断層の不安定性に起因して小規模な渦列13が成長し、これらが互いに合体することで大規模渦13aが生成する。この大規模渦13aにより、外側エアカーテン10は外気を巻き込み、内側のエアカーテン9は隣接する外側エアカーテン10の非冷空気を巻き込んで循環する。冷気エアカーテン9での非冷空気の巻き込みは、エアカーテンが1層のオープンショーケースではなおさら大きい。そのため、オープンショーケースは、リーチインショーケースなどと比べて所要冷凍能力が増大せざるを得ない。
この発明の課題は、オープンショーケースにおいて、エアカーテンによる外気の巻き込みを抑制し、所要冷凍能力を低減することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、ショーケース本体内に商品取出し面が開放した商品貯蔵室が区画されるとともに、この商品貯蔵室の周囲に循環通風路が設けられ、この循環通風路を循環する気流により、前記商品貯蔵室の開放面にエアカーテンを形成するオープンショーケースにおいて、
前記エアカーテンを形成する気流の吹出口を中央の主流路とその両側の2つの副流路とからなる3つの流路に仕切り、かつ2つの前記副流路の開口面を前記主流路の開口面と直交させて互いに向い合わせるとともに、前記副流路から吹き出す気流の流速を前記主流路よりも大きくするものである(請求項1)。
【0007】
エアカーテンを形成する噴流は、吹出口の付近でせん断層の不安定性に起因する小規模な渦列を生じるとともに、吹出口より遠くなるに従って隣接空気との速度差からエアカーテン両側の空気を巻き込んで渦を成長させる。そこで、請求項1に記載の発明は、主流路から吹き出す気流(主流)に、主流路の開口面近傍で副流路からの気流(副流)を主流よりも大きい流速で吹き付けることにより、せん断層の不安定性を押え込み、結果として小規模な渦列の成長による大規模な渦の発生を抑制して、エアカーテン内への外気の巻き込み減少させるものである。
【0008】
請求項1に記載の発明において、前記副流路の流速は前記主流路の2倍以上とするのがよい(請求項2)。
【0009】
請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記主流路には、整流体を組み込むのがよい(請求項3)。また、前記副流路には、整流金網を組み込むのがよい(請求項4)。
【0010】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記副流路から吹き出す気流の流量は前記主流路よりも大きくするのがよく(請求項5)、特に前記副流路の流量は前記主流路の2倍程度とするのが好適である(請求項6)。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施の形態を示す多段形オープンショーケースの2層エアカーテンの内側(冷気)吹出口の縦断面図で、図1の右側が庫内側、左側が戸外側である。なお、従来例と対応する部分には同一の符号を用いるものとする。図1において、互いに平行な前後の内壁面が相対する吹出口7は、その前後内壁面と平行な2枚の仕切板14により、中央の主流路15とその前後両側の副流路16及び17とからなる3つの流路に仕切られている。また、副流路16及び17の開口面16a及び17aは、風向板18により主流路15の開口面15aと直交して、互いに向かい合うように形成されている。主流路15には、ハニカム構造の整流体8が組み込まれ、主流路15及び副流路16,17の上流には整流金網22が組み込まれている。仕切板14の上端部には風向ガイド19がく字状に折り曲げ形成され、冷気循環通風路3を矢印方向に循環する気流は、風向ガイド19により所定の流量割合で各流路15〜17に振り分けられている。
【0012】
このような吹出口構造において、吹出口7から吹き出される気流によるエアカーテン9は、主流路15から吹き出される主流20と、主流路15の開口面15aの近傍で、副流路16,17から主流20に前後両側から吹き付けられる副流21とからなる。ここで、副流21の流速は主流20よりも大きく、例えば2〜4倍になっている。また、流量についても、副流21の1つ分の流量は主流20よりも大きく略2倍になっている。このような流量配分は、風向ガイド19や整流金網22を組み込み、流路抵抗を調整することにより容易になる。
【0013】
図2は、図1におけるエアカーテン9での気流の状態を示したものである。図2において、主流路15の開口面15aの付近で主流20の両側のせん断層中に、せん断層の不安定性に起因する小規模な渦列13が生成しようとするが、この開口面付近の主流20には、副流21が高速で吹き付けられる。そのため、せん断層の不安定性が押え込まれ、結果として小規模な渦列13の成長に基づく大規模渦13aの発生が抑制されて外気の巻き込みが減少する。図1は内側の冷気エアカーテン9を示したものであるが、外側(非冷空気)のエアカーテンについても同様に構成する。その場合、外側エアカーテンの流速は、全体として内側エアカーテンよりも大きくするのがよい。また、冷気エアカーテンのみの単層エアカーテンについても同様に構成する。なお、図示実施の形態では多段形オープンショーケースの例を示したが、この発明は他の形式のオープンショーケース、例えば平形オープンショーケースにも適用可能である。
【0014】
【発明の効果】
以上の通り、この発明によれば、エアカーテンを主流と、その両側に主流よりも大きい流速で吹き付けられる副流とから構成することにより、外気を巻き込む渦の発生を抑え、オープンショーケースの所要冷凍能力を大幅に低減することができる。従来構造の実機について試験を行なった結果によれば、従来よりも35%減の冷凍能力で従来と同等の庫内平均温度を達成し、庫内最高温度については従来よりも1℃近く下回ることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すオープンショーケースの気流吹出口部分の縦断面図である。
【図2】図1におけるエアカーテンの気流の状態を示す図である。
【図3】従来のオープンショーケースの構成を示す縦断面図である。
【図4】図3におけるエアカーテンの気流の状態を示す図である。
【符号の説明】
3 循環通風路
7 吹出口
8 整流体
9 エアカーテン
13 渦
14 仕切板
15 主流路
15a 開口面
16 副流路
16a 開口面
17 副流路
17a 開口面
18 風向板
19 風向ガイド
20 主流
21 副流
22 整流金網
Claims (6)
- ショーケース本体内に商品取出し面が開放した商品貯蔵室が区画されるとともに、この商品貯蔵室の周囲に循環通風路が設けられ、この循環通風路を循環する気流により、前記商品貯蔵室の開放面にエアカーテンを形成するオープンショーケースにおいて、
前記エアカーテンを形成する気流の吹出口を中央の主流路とその両側の2つの副流路とからなる3つの流路に仕切り、かつ2つの前記副流路の開口面を前記主流路の開口面と直交させて互いに向い合わせるとともに、前記副流路から吹き出す気流の流速を前記主流路よりも大きくしたことを特徴とするオープンショーケース。 - 前記副流路の流速を前記主流路の2倍以上としたことを特徴とする請求項1記載のオープンショーケース。
- 前記主流路に整流体を組み込んだことを特徴とする請求項2記載のオープンショーケース。
- 前記主流路及び副流路に整流金網を組み込んだことを特徴とする請求項3記載のオープンショーケース。
- 前記副流路から吹き出す気流の流量を前記主流路よりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のオープンショーケース。
- 前記副流路の流量を前記主流路の2倍程度としたことを特徴とする請求項5記載のオープンショーケース。
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