JP2004278363A - 定電流形同期電動機式ピストンポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】効率がよく、また小型化が容易であり、しかも制御性にすぐれた定電流形同期電動機式ピストンポンプを提供すること。
【解決手段】固定子11側に電機子コイル9を、回転子側7に永久磁石界磁部材23をそれぞれ備え、かつ定電流電源で駆動される同期電動機式ピストンポンプであって、前記電機子コイル9の内周側で前記回転子7を収容している中空部に、前記回転子7の回転動作を軸線方向の運動に変換するネジ機構6a,21aが設けられ、かつネジ機構6a,21aによる軸線方向の運動をピストン2に伝達してそのピストンを駆動する案内用ロッド5が設けられている。したがって、電流の転流速さに対応して回転子7を駆動することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】固定子11側に電機子コイル9を、回転子側7に永久磁石界磁部材23をそれぞれ備え、かつ定電流電源で駆動される同期電動機式ピストンポンプであって、前記電機子コイル9の内周側で前記回転子7を収容している中空部に、前記回転子7の回転動作を軸線方向の運動に変換するネジ機構6a,21aが設けられ、かつネジ機構6a,21aによる軸線方向の運動をピストン2に伝達してそのピストンを駆動する案内用ロッド5が設けられている。したがって、電流の転流速さに対応して回転子7を駆動することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体を加圧して吐出させるピストンポンプに関し、特に定電流形同期電動機と一体に構成したピストンポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピストンポンプは、同期電動機の回転速度を歯車装置で大幅に減速し、最終的にその回転をピストンの往復動(往復運動)に変えるクランク機構が用いられ、所定のストロークと押圧力とを発生させるように構成されている。このピストンポンプを駆動させる装置としては各種の装置があり、その中で特に、ピストンの前後動で生じる圧力を一定に維持しながらピストンを往復動させる装置が望まれる。
【0003】
通常、同期電動機は、内部の駆動巻線に交流電流を流すと、その交流電流(交番電流)の変化に伴って回転する。この同期電動機の回転力は、上記クランク機構によってピストンの押圧力となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピストンの押圧力を一定にしながらそのピストンを所定のストロークで往復動させるには、同期電動機の回転トルク(磁力)を一定にする必要があるが、通常の同期電動機は、交流電流が流れて回転するとその発生する回転トルクが正弦波状に変動するので、定速回転することができず、ピストンの押圧力を一定にして往復動させることができない。
【0005】
例えば、ステッピングモータは、矩形波状の直流電流がオンオフ制御されて、1ステップごとに回転する。このステッピングモータの回転トルクは、断続的に変化(直流電流がオフ状態からオン状態に切り替わるときに1ステップごとの動作が途切れるため)するので、上記クランク機構を用いたピストンポンプにおいてピストンによる押圧力を一定に維持しながら往復動させることができない。
【0006】
一方、ピストンによる押圧力を一定に維持しながらそのピストンが所定のストロークで往復動するピストンポンプを設計する場合、従来の同期電動機を動力源としたのでは大型化してしまう。つまり、従来の同期電動機では、回転トルク(磁力)の変動を低減するためには、回転速度を上げざるをえない。そのためピストンなどの駆動対象物との間に、歯車機材などの減速装置を介在させることになる。そしてこの種の減速装置と電動機とを一体化した構成とするには、筐体を含む全体としての構成が大型化してしまう。また、動力伝達効率などの歯車の効率性、歯車同士の摩擦音などの騒音の発生、クランク機構の大型化にともなう設置場所の選定等が問題となる。
【0007】
この発明は、上記の事情を背景にしてなされたものであって、効率がよく、また小型化が容易であり、しかも制御性にすぐれた定電流形同期電動機式ピストンポンプを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、固定子側に電機子コイルを、回転子側に永久磁石界磁部材をそれぞれ備え、かつ定電流電源で駆動される同期電動機式ピストンポンプにおいて、前記電機子コイルの内周側で前記回転子を収容している中空部に、前記回転子の回転動作を軸線方向の運動に変換する動力変換装置が設けられ、かつ前記動力変換装置による軸線方向の運動をピストンに伝達してそのピストンを駆動する伝動機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
したがって、請求項1の発明によれば、回転子の回転動作が軸線方向の運動に変換される。すなわち回転子で生じたトルクが軸線方向の推力に変化され、その推力によってピストンが軸線方向に駆動される。その結果、ピストンを低速で往復動させる場合でも定電流の速度起電力によってピストンのストローク速度に関係なく一定の回転力が得られ、転流制御だけで加速・等速・減速・停止・逆転が行われ、回転子の構成が簡単で軽量になり、動力伝達効率が高められ、ピストンが高いポンプ効率で運転でき、小型化が容易となる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の前記動力変換装置が、前記回転子の内部に回転子の中心軸線を中心として形成されためねじ部と、そのめねじ部に螺合するおねじ部材とを有し、前記伝動機構がそのおねじ部材と前記ピストンとを連結する案内用ロッドを有することを特徴とするものである。
【0011】
したがって、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、前記めねじ部とおねじ部材とによるネジ機構によって、回転子に生じるトルクが軸線方向の推力に変換され、案内用ロッドおよびこれに連結されているピストンが軸線方向に駆動される。また、回転子を往復回転させることによりピストンが往復動する。さらに、そのネジ機構におけるネジピッチを大きくすることにより、回転子が一回転もしくはそれ以下の回転角度で、案内用ロッドおよびピストンのストロークを必要十分なものとすることができる。
【0012】
さらに、請求項3の発明は、請求項1の前記動力変換装置が、前記回転子と一体に回転し、かつ回転子の中心軸線に対して傾斜して配置された斜板部材を有し、前記伝動機構が、前記中心軸線と平行な方向に前後動可能に保持されるとともに一端部が前記斜板部材の中心から外れた箇所に回転方向に対しては相対移動自在でかつ軸線方向に対しては一体に連結された案内用ロッドを有し、その案内用ロッドが前記ピストンに連結されていることを特徴とするものである。
【0013】
したがって、請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、斜板部材における中心を外れた所定の一箇所の軸線方向で位置と斜板部材の回転角度との関係は、サイン曲線で表される関係となる。そのため、当該一箇所に上記のように連結されている案内用ロッドは、斜板部材の回転によって軸線方向に往復動させられ、その結果、回転子の連続した回転によってピストンが連続的に前後動する。
【0014】
またさらに、請求項4の発明は、請求項3の発明における前記案内用ロッドが、前記中心軸線を中心とした円周方向に三本、等間隔に配置され、かつ各案内用ロッドのそれぞれが個別にピストンに連結されていることを特徴とするものである。
【0015】
したがって請求項4の発明では、請求項3の発明と同様の作用が生じる他に、各案内用ロッドおよびそれぞれに連結されたピストンを駆動する推力が電動機の負荷となるが、その案内用ロッドが等間隔に三本、配置されているので、負荷の変動がなく、効率が良好になる。
【0016】
そして、請求項5の発明は、請求項1の構成に加えて、直流の一定電流を転流して矩形波状の交番電流を生成し、かつ前記交番電流を固定子側の電機子コイルに給電する電力変換装置が設けられ、前記永久磁石界磁部材の回転位置を検出する位置検出装置が設けられ、同期をとりながら転流を行うことによって回転子の回転速度を転流制御で変換する転流装置が設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
したがって、請求項5の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、直流の一定電流が転流されて矩形波状の交番電流が生成され、交番電流が固定子側の電機子コイルに給電され、永久磁石界磁部材の回転位置が検出され、同期をとりながら転流が行われることによって回転子の回転速度が転流制御で変換される。結果として、定電流形同期電動機が定速回転し、耐久性が高く堅牢な構造となるとともに動力変換装置のみの交換が容易な構造となって半永久的に使用される。
【0018】
またそして、請求項6の発明は、請求項1の構成に加えて、前記動力変換装置が密封され、その動力変換装置の摺動部分を潤滑油で潤滑する潤滑機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
したがって、請求項6の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、前記動力変換装置を密封して、その動力変換装置の摺動部分が潤滑油で潤滑される。その結果、ピストンポンプの駆動効率が良好になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図1および図2には、この発明のピストンポンプ用特殊フィリップ・フロップ・モータ(以下、FFMと記す)1を備えた定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成が示されている。図1および図2に示す定電流形同期電動機式ピストンポンプは、円筒状のシリンダ2a の内周面に接する円筒状のピストン2を軸線方向に移動させることにより流体を加圧して吐出し、または減圧して吸入するピストンポンプ3と、おねじ部6aをもち、ピストン2に回転止め4付きの案内用ロッド5を介して連結され、ピストン2と連動するスクリュー式ボルト6と、おねじ部6aに螺合し、案内用ロッド5と別体回転する回転子7と、制御回路(電力変換装置)8に接続された電機子コイル9と内周面に電機子コイル9を固定する溝が形成された電機子鉄心10とを有するステータ11と、電機子鉄心(固定子)10およびピストンポンプ3を支持する支持鉄枠12とを備えている。ここで、回転子7は、おねじ部6aに螺合するめねじ部21aを内周面にもつ円筒状の内ねじナット21と、内ねじナット21を内周面で保持する円筒状の回転子鉄心22と、回転子鉄心22の外周面に等間隔に配置された永久磁石(永久磁石界磁部材)23と、永久磁石23を固定する溝が形成された冠状の磁石固定枠24とを備え、これらの全体が一体となって回転するように構成されている。
【0021】
ピストンポンプ3は、上記ピストン2およびシリンダ2a の他に、シリンダ2a に接続された配管2c,2dと、配管2cを介してシリンダ2a に接続され、加圧され吐出した流体の逆方向(図ではz1方向で示す)の流入を止めるチェックバルブ3a と、配管2dを介してシリンダ2a に接続され、吸入された流体の逆方向(図ではz2方向で示す)の流出を止めるチェックバルブ3b とを含む。チェックバルブ3a ,3b は、配管の開口部をシールする球体3c と、球体3c を所定の力で支持するバネ3d とを含む。
【0022】
図3は、本発明のFFM1を制御回路8に接続した結線を示す回路図であり、一例として、回転子7の磁極数P=4、電機子コイル9の相数N=3の場合を示している。電機子コイル9は、電機コイル9a、電機コイル9b、電機コイル9cを含む。これら各電機コイルは、制御回路8、コンバータ回路(交流ー直流変換装置)31を介して2相電源32に接続されている。制御回路8は、ダイオード41とサイリスタ42とを接点を介して直列に接続したものをそれぞれ並列に接続し、各接点同士を結線したものである。コンバータ回路31は、サイリスタ42同士を並列に接続したものである。
【0023】
コンバータ回路31は2相交流電流を直流電流に変換し、制御回路8は直流電流を矩形波状に交互に転流して電機子コイル9の励磁電流を供給する。制御回路8による転流動作は、回転子7の回転に同期するように位置検出装置35で回転子7の回転位置を検出し、その検出された出力信号を受けて転流装置36がそのサイリスタ42のゲード電流を制御する。
【0024】
したがって、本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、制御回路8による矩形波状の直流交番電流が電機子コイル9に通電され、かつ電機子コイル9と永久磁石23の相対位置の変化に応じ電機子コイル9に流れる電流が転流されるので、電流の転流速さに対応して回転子7が駆動される。
【0025】
図4には、電機子コイル9と永久磁石23との関係を示している。なお、矢印b1 ,b2 は、電機子コイル9を流れる電流の流れる方向を示している。図1に示すピストン2の矢印a方向の移動は、以下のように行われる。
【0026】
まず、制御回路8は、電機子コイル9a,9b,9cに矩形波状の直流電流を交互に矢印b1方向に転流する。電機子コイル9aに対して矩形波状の直流電流が矢印b1 方向に流れると、電機子コイル9aに磁界が発生し、電機子コイル9aと永久磁石23との間の磁力により永久磁石23を有する回転子7が内ねじナット21とともに回転する。ここで、電機子コイル9aと永久磁石23との間の磁力は、電機子コイル9aおよび永久磁石23の磁極が同じであれば、引き合う力、異なれば反発し合う力となる。つぎに、同様に電機子コイル9a,9bに電流を流すことにより電機子コイル9aから電機子コイル9b,9cに対向する位置へ永久磁石23を有する回転子7が回転するとともに内ねじナット21も回転する。なお、直流電流が矢印b2 方向に流れると、電機子コイル9aと永久磁石23との間の磁力が逆になるので、回転子7(すなわち内ねじナット21)の回転を停止または逆転させることができる。
【0027】
つづいて、内ねじナット21に連結(螺合)されているスクリュー式ボルト6がその内ねじナット21の回転によりその接触面に対して軸線方向に力が加えられて、スクリュー式ボルト6と一体化した案内用ロッド5が直線上で往復動する。
【0028】
通常、超低速回転で使用される定電流形同期電動機式ピストンポンプは、一般のものより大型化する。本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、低速回転であり、回転子7、すなわち永久磁石23および磁石固定枠24の構成が容易であり、かつ小型となる。その理由について図5を用いて以下、説明する。
【0029】
まず、永久磁石23には、鉄管よりなる界磁鉄心を用いる。この界磁鉄心の円筒表面に永久磁石23を取り付けるには、格子模様の円筒形支持枠45を用いる。その円筒形支持枠45の格子内に永久磁石片46を挿入し、接着剤を用いてその全体を固定すると、永久磁石23付き磁石固定枠24が形成される。なお、永久磁石23が大きい場合、円筒形支持枠45をいくつかに分割した後、接着剤を用い、またはボルト締めにより、永久磁石片46はその分割された円筒形支持枠45の格子内に固定される。
【0030】
上述した本発明のFFM1の所要出力は、ピストン2の毎秒当たりのストロークS0 とピストン2の押圧力F0 との積(S0 ×F0 )によって決まり、スクリュー式ボルト6のねじ山(以下、単にねじ山という)のリード角Gに無関係となる。すなわち、スクリュー式ボルト6の歯径db を回転子7の外径に比例して決めるとすると、ねじ山のリード角Gを小さくするにしたがって回転子7の加速度が大きくなる。したがって、加減速度が重力加速度g(約9.8m/sec2)以下になるようにする。なおここでは、式P=E0 ×I0 、式E0 =B・h・(m−1)・n・p・V0 、式I0 =AT/nが成り立つ。ただし、PはFFM1の所要出力(kgf )、E0 は速度起電力(V)、I0 はコイル電流(A)、Bは磁束密度(T)、hは磁極の長さ(m )、mはコイル相数(相)、pはFFM1の磁極数、V0 は回転子7の周速(V)、ATはFFM1の所要アムペアターン(アンペアターン)、nはコイル巻数(ターン)である。
【0031】
大体の数値として、ピストン2の毎秒当たりのストロークS0 を100mm、ピストン2の押圧力F0 を4000kgf としたとき、上記各式により、ねじ山のリード角Gは1/20より大きくなり、ピストン2の毎秒当たりのストロークS0 を150mm、ピストン2の押圧力F0 を10,000kgf としたとき、上記各式により、ねじ山のリード角Gは1/15より大きくなる。また、式N=S0 /I0 により、ねじ山のピッチI0 (またはねじ山のリード角G)を大きくしていくと回転数Nが小さくなり1以下になる。ここで、定電流形同期電動機を低速回転用とし、ピストン2の押圧力を一定に維持しながらそのピストン2が所定のストロークで往復動し、FFM1の容量を小さく設計するには、ねじ山のリード角Gが1/20〜1/10の範囲で、かつ回転子の回転数Nが1〜4回/secの範囲になるように設定することが好ましい。
【0032】
したがって、本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したように、内ねじナット21と案内用ロッド5とがねじ機構によって連結されているので、FFM1の負荷変動を最小にしてポンプ効率のよい運転を行うことができる。
【0033】
図6および図7に示す定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したスクリュー式ボルト6および内ねじナット21に代えて、永久磁石23および磁石固定枠24の内面から中心に向かう方向に所定角度傾斜G0 した傾斜板22aを有している。この傾斜板は、図に示すようにリング状をなしており、傾斜板22aの中心を貫通する貫通穴22bを有する円筒状の回転子鉄心22の軸端部に一体化されている。傾斜板22aの一部を挟み込んでいる一対のローラー54が、軸53を介して案内用ロッド55に取り付けられている。この案内用ロッド55が、円周方向に等間隔に、三本設けられており、したがってそれぞれのローラー54が図7に示すXa 点、Xb 点、Xc 点の三個所で傾斜板22aに係合している。したがって傾斜板22aを矢印e方向に回転させることにより、各案内用ロッド55がそれぞれ矢印A1 ,B1 ,C1 方向に往復動するようになっている。換言すれば、各案内用ロッド55は、ローラー54が傾斜板22aの一部を挟み込んでいるので、回転方向には相対移動自在でかつ軸線方向に一体化するように、傾斜板22aに連結されている。
【0034】
図8および図9に示すように、位相が周方向に120度ずれた位置のXa 点、Xb 点、Xc 点に配置された各案内用ロッド55は、回転子鉄心22の矢印e方向の回転により、それぞれ矢印A1 ,B1 ,C1 方向に往復動する。
【0035】
ここで、案内用リング51の案内径dは2S0 /πG0 となる。これは、案内用リング51の半回転で案内用ロッド55をピストン2のストロークS0 だけ移動させ、後の半回転で元に戻すためである。この案内用リング51の案内径dがボルトの歯径db と一致すれば、案内用リング51の回転により、ピストン2は案内用ロッド55を介してストロークS0 の往復動を行うことができる。したがって、d=db 、db =0.2480×m×p×(ATの平方根)、上記G0 =2S0 /πdとすれば角度G0 を求められる。
【0036】
図9および図10には上述した速度起電力E0 の正弦波形を示している。この図では、La 点、Lb 点、Lc 点が正弦波形のピーク値(最大値)となっている。なお、曲線ua は、Xa 点に配置された案内用ロッド55が所定ストロークで往復動した場合の速度起電力を示す正弦波形であり、曲線ub は、Xb 点に配置された案内用ロッド55が所定ストロークで往復動した場合の速度起電力を示す正弦波形であり、曲線uc は、Xc 点に配置された案内用ロッド55が所定ストロークで往復動した場合の速度起電力を示す正弦波形である。
【0037】
ここで、曲線ua ,ub ,uc は、直線u1 ,u2 に接するLa 点、Lb 点、Lc 点の各間隔が狭いほど案内用ロッド55のストロークに対するピストン2のストロークが略一定になる。
【0038】
したがって、本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、このように各案内用ロッド55が配置されているので、各案内用ロッド55の動圧が脈動せずにピストン2の押圧力を略一定に保つことができ、FFM1の負荷変動を最小にしてポンプ効率のよい運転を行うことができる。
【0039】
図11および図12に示す定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したスクリュー式ボルト6および内ねじナット21に代えて、永久磁石23および磁石固定枠24の内面から中心に向かう方向に対して傾斜角G0 をもち、外周面に凹部60を形成した円板状の揺動板61と、揺動板61の平面上に配置され、上記傾斜角G0 をもつ傾斜板22aを有し、傾斜板22aの中心を貫通する貫通穴22bを有する円筒状の回転子鉄心22と、貫通穴22bに挿入され、案内用リング61を傾斜板22aを介して保持する止め具63と、凹部60に連結され、リング状の突出部64で保持し、回転子鉄心22を矢印e方向に回転させた場合に、先端部65aが傾斜板22aに接し、Xa 点、Xb 点、Xc 点(3個所)でそれぞれ矢印a2 ,b2 ,c2 方向に往復動する3つの案内用ロッド65とを備えている。なお、B0 点とB3 点とは揺動板61と傾斜板22aとの中心を通る軸線上で一致している。
【0040】
図11および図12に示すように、位相が周方向に120度ずれた位置のXa 点、Xb 点、Xc 点に配置された各案内用ロッド65は、傾斜板22aを有する回転子鉄心22の矢印e方向の回転により、それぞれa2 方向、b2 方向、c2 方向に往復動する。
【0041】
したがって、本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したように、揺動板61と案内用ロッド65とが連結されているので、FFM1の負荷変動を最小にしてポンプ効率のよい運転を行うことができる。
【0042】
図13および図14に示す定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したスクリュー式ボルト6、内ねじナット21に代えて、円筒状のシリンダ2b の内周面に接する円筒状のピストン2を軸線方向に移動させることにより流体を加圧して吐出し、または減圧して吸入するピストンポンプ70と、両端に各々ピストン2b を設けた案内用ロッド71と、案内用ロッド71の中央で一体化された突起状の案内子71aと、案内用ロッド71および案内子71aと別体回転する回転子73と、案内用ロッド71を支持し、かつ回転部74で回転子73を自在回転させる円環形軸受75とを備えている。ここで、回転子73は、回転部74に両端を支持された円筒状の界磁鉄心76と、回転部74に界磁鉄心76を連結する連結円管77と、永久磁石23および磁石固定枠24の内面から中心に向かう方向に対してリード角G0 をもつ溝78aが内周面に形成され、溝78aを案内子71aの端部71bに螺合する案内用円管78とを備えている。なお、この実施例ではピストンポンプ70は6個であり、円環形軸受75が回転子73を支持しているので、この例における支持鉄枠11は上述の図1および図2に示したものと異なり、複数のピストンポンプ70を固定する形状(例えばフランジ穴、ねじ穴の数や大きさ等を変更した形状)となる。
【0043】
図15は、案内子71aと溝78aとが螺合する状態を示している。ここで、界磁鉄心76の内側に固定して取り付けられる案内用円管78は、案内子71aを介して案内用ロッド71を動かすので耐摩耗性の高い鋼材が用いられる他に、傾斜した案内面80が軸心に対して常に直角になるように仕上げられたものが用いられる。また、図16は、図15に示す案内用円管78に溝79を形成せずに案内用ロッド71に溝91を形成するとともに案内用円管78に案内子92を形成して、溝91と案内子92とが螺合する状態を示している。ここで、界磁鉄心76の内側に固定して取り付けられる案内用円管78は、案内子92を介して案内用ロッド71を動かすので耐摩耗性の高い鋼材が用いられる他に、傾斜した案内面93が軸心に対して常に直角になるように仕上げられたものが用いられる。
【0044】
上記説明したピストンポンプ3,70は、気体だけでなく液体を加圧させることができ、ピストンポンプ3,70からFFM1の内部へ気体、液体等が浸入しないように案内用ロッド5,55,65,71の外周面にシール材を接触させた構成となっている。また、ピストン2は、シリンダ内面に接する外周面にシール部(たとえば樹脂成形されたリップ部、オーリング等)を備えてもよい。さらに、このシール部には、ラバーグリースなどの潤滑材を塗布してもよい。そして、ピストン2に押圧された密閉空間内の流体は、配管内に流出する。シリンダ2a (またはシリンダ2b )は、内周面にピストン2の外周面の動摩擦抵抗を小さくするようコーティングしてもよい。
【0045】
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、この発明における電力変換装置や転流装置に用いられる電気回路は、上記のフリップ・フロップ回路やトランジスタなどの無接点素子を用いたものに以外のものであってよく、要は、直流の一定電流を交番電流に変換して電気コイルに給電し、また転流制御できるものであればよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、回転子で生じたトルクが軸線方向の推力に変化され、その推力によってピストンが軸線方向に駆動され、その結果、ピストンを低速で往復動させる場合でも定電流の速度起電力によってピストンのストローク速度に関係なく一定の回転力が得られ、転流制御だけで加速・等速・減速・停止・逆転が行われ、回転子の構成が簡単で軽量になり、ひいては動力伝達効率が高められてピストンを高いポンプ効率で運転でき、小型化が容易となる。
【0047】
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、前記めねじ部とおねじ部材とによるネジ機構によって、回転子に生じるトルクを軸線方向の推力に変換し、案内用ロッドおよびこれに連結されているピストンを軸線方向に駆動でき、また、回転子を往復回転させることによりピストンを往復動させることができる。さらに、そのネジ機構におけるネジピッチを大きくすることにより、回転子が一回転もしくはそれ以下の回転角度で、案内用ロッドおよびピストンのストロークを必要十分なものとすることができる。
【0048】
さらに、請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、斜板部材における中心を外れた所定の一箇所の軸線方向で位置と斜板部材の回転角度との関係が、サイン曲線で表される関係となるため、当該一箇所に連結されている案内用ロッドが、斜板部材の回転によって軸線方向に往復動し、その結果、回転子の連続した回転によってピストンを連続的に前後動させることができる。
【0049】
またさらに、請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得られる他に、各案内用ロッドおよびそれぞれに連結されたピストンを駆動する推力が電動機の負荷となるが、その案内用ロッドが等間隔に三本、配置されているので、負荷の変動がなく、効率を向上させることができる。
【0050】
そして、請求項5の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、直流の一定電流を転流して矩形波状の交番電流を生成し、かつ交番電流を固定子側の電機子コイルに給電する電力変換装置が設けられ、永久磁石界磁部材の回転位置を検出する位置検出装置が設けられ、同期をとりながら転流を行うことによって回転子の回転速度を転流制御で変換する転流装置が設けられているので、定電流形同期電動機を定速回転させることができ、耐久性が高く堅牢な構造とすることができ、かつ動力変換装置のみの交換が容易な構造とすることにより永続的に使用することができる。
【0051】
またそして、請求項6の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、動力変換装置が密封され、その動力変換装置の摺動部分を潤滑油で潤滑する潤滑機構が設けられているので、効率よくピストンポンプを作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の対象となる定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すFFMの構成を示す断面図である。
【図3】この発明の対象となるFFMをコンバータ回路に接続した結線を示す回路図である。
【図4】この発明の対象となる電機子コイルと永久磁石との関係を示す線図である。
【図5】この発明の対象となる円筒形支持枠および永久磁石片を示す斜視図である。
【図6】図1に示す装置以外の実施例の定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成を示す配置図である。
【図7】図6に示す案内リングと案内用ロッドとの配置を示す配置図である。
【図8】図6に示す案内リングおよび案内用ロッドを示す斜視図である。
【図9】図6に示す案内リングの往復動を示す概念図である。
【図10】この発明の対象となるFFMの起電力波形を示す図である。
【図11】図1に示す装置以外の実施例の定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成を示す配置図である。
【図12】図11に示す案内リングおよび案内用ロッドを示す斜視図である。
【図13】図1に示す装置以外の実施例の定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成を示す配置図である。
【図14】図13に示すFFMの構成を示す断面図である。
【図15】図13に示す案内子および案内用円管を示す概念図である。
【図16】図15に示す構成以外の実施例の案内子および左右案内用ロッドを示す概念図である。
【符号の説明】
1…フィリップ・フロップ・モータ、 2…ピストン、 5…案内用ロッド、6…スクリュー式ボルト、 6a…おねじ部、 3,70…ピストンポンプ、7…回転子、 8…制御回路(電力変換装置)、 9…電機子コイル、 11…ステータ、 21…内ねじナット、 21a…めねじ部、 23…永久磁石(永久磁石界磁部材)、 31…コンバータ回路(交流ー直流変換装置)、 35…位置検出装置、 36…転流装置。
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体を加圧して吐出させるピストンポンプに関し、特に定電流形同期電動機と一体に構成したピストンポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピストンポンプは、同期電動機の回転速度を歯車装置で大幅に減速し、最終的にその回転をピストンの往復動(往復運動)に変えるクランク機構が用いられ、所定のストロークと押圧力とを発生させるように構成されている。このピストンポンプを駆動させる装置としては各種の装置があり、その中で特に、ピストンの前後動で生じる圧力を一定に維持しながらピストンを往復動させる装置が望まれる。
【0003】
通常、同期電動機は、内部の駆動巻線に交流電流を流すと、その交流電流(交番電流)の変化に伴って回転する。この同期電動機の回転力は、上記クランク機構によってピストンの押圧力となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピストンの押圧力を一定にしながらそのピストンを所定のストロークで往復動させるには、同期電動機の回転トルク(磁力)を一定にする必要があるが、通常の同期電動機は、交流電流が流れて回転するとその発生する回転トルクが正弦波状に変動するので、定速回転することができず、ピストンの押圧力を一定にして往復動させることができない。
【0005】
例えば、ステッピングモータは、矩形波状の直流電流がオンオフ制御されて、1ステップごとに回転する。このステッピングモータの回転トルクは、断続的に変化(直流電流がオフ状態からオン状態に切り替わるときに1ステップごとの動作が途切れるため)するので、上記クランク機構を用いたピストンポンプにおいてピストンによる押圧力を一定に維持しながら往復動させることができない。
【0006】
一方、ピストンによる押圧力を一定に維持しながらそのピストンが所定のストロークで往復動するピストンポンプを設計する場合、従来の同期電動機を動力源としたのでは大型化してしまう。つまり、従来の同期電動機では、回転トルク(磁力)の変動を低減するためには、回転速度を上げざるをえない。そのためピストンなどの駆動対象物との間に、歯車機材などの減速装置を介在させることになる。そしてこの種の減速装置と電動機とを一体化した構成とするには、筐体を含む全体としての構成が大型化してしまう。また、動力伝達効率などの歯車の効率性、歯車同士の摩擦音などの騒音の発生、クランク機構の大型化にともなう設置場所の選定等が問題となる。
【0007】
この発明は、上記の事情を背景にしてなされたものであって、効率がよく、また小型化が容易であり、しかも制御性にすぐれた定電流形同期電動機式ピストンポンプを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、固定子側に電機子コイルを、回転子側に永久磁石界磁部材をそれぞれ備え、かつ定電流電源で駆動される同期電動機式ピストンポンプにおいて、前記電機子コイルの内周側で前記回転子を収容している中空部に、前記回転子の回転動作を軸線方向の運動に変換する動力変換装置が設けられ、かつ前記動力変換装置による軸線方向の運動をピストンに伝達してそのピストンを駆動する伝動機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
したがって、請求項1の発明によれば、回転子の回転動作が軸線方向の運動に変換される。すなわち回転子で生じたトルクが軸線方向の推力に変化され、その推力によってピストンが軸線方向に駆動される。その結果、ピストンを低速で往復動させる場合でも定電流の速度起電力によってピストンのストローク速度に関係なく一定の回転力が得られ、転流制御だけで加速・等速・減速・停止・逆転が行われ、回転子の構成が簡単で軽量になり、動力伝達効率が高められ、ピストンが高いポンプ効率で運転でき、小型化が容易となる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の前記動力変換装置が、前記回転子の内部に回転子の中心軸線を中心として形成されためねじ部と、そのめねじ部に螺合するおねじ部材とを有し、前記伝動機構がそのおねじ部材と前記ピストンとを連結する案内用ロッドを有することを特徴とするものである。
【0011】
したがって、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、前記めねじ部とおねじ部材とによるネジ機構によって、回転子に生じるトルクが軸線方向の推力に変換され、案内用ロッドおよびこれに連結されているピストンが軸線方向に駆動される。また、回転子を往復回転させることによりピストンが往復動する。さらに、そのネジ機構におけるネジピッチを大きくすることにより、回転子が一回転もしくはそれ以下の回転角度で、案内用ロッドおよびピストンのストロークを必要十分なものとすることができる。
【0012】
さらに、請求項3の発明は、請求項1の前記動力変換装置が、前記回転子と一体に回転し、かつ回転子の中心軸線に対して傾斜して配置された斜板部材を有し、前記伝動機構が、前記中心軸線と平行な方向に前後動可能に保持されるとともに一端部が前記斜板部材の中心から外れた箇所に回転方向に対しては相対移動自在でかつ軸線方向に対しては一体に連結された案内用ロッドを有し、その案内用ロッドが前記ピストンに連結されていることを特徴とするものである。
【0013】
したがって、請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、斜板部材における中心を外れた所定の一箇所の軸線方向で位置と斜板部材の回転角度との関係は、サイン曲線で表される関係となる。そのため、当該一箇所に上記のように連結されている案内用ロッドは、斜板部材の回転によって軸線方向に往復動させられ、その結果、回転子の連続した回転によってピストンが連続的に前後動する。
【0014】
またさらに、請求項4の発明は、請求項3の発明における前記案内用ロッドが、前記中心軸線を中心とした円周方向に三本、等間隔に配置され、かつ各案内用ロッドのそれぞれが個別にピストンに連結されていることを特徴とするものである。
【0015】
したがって請求項4の発明では、請求項3の発明と同様の作用が生じる他に、各案内用ロッドおよびそれぞれに連結されたピストンを駆動する推力が電動機の負荷となるが、その案内用ロッドが等間隔に三本、配置されているので、負荷の変動がなく、効率が良好になる。
【0016】
そして、請求項5の発明は、請求項1の構成に加えて、直流の一定電流を転流して矩形波状の交番電流を生成し、かつ前記交番電流を固定子側の電機子コイルに給電する電力変換装置が設けられ、前記永久磁石界磁部材の回転位置を検出する位置検出装置が設けられ、同期をとりながら転流を行うことによって回転子の回転速度を転流制御で変換する転流装置が設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
したがって、請求項5の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、直流の一定電流が転流されて矩形波状の交番電流が生成され、交番電流が固定子側の電機子コイルに給電され、永久磁石界磁部材の回転位置が検出され、同期をとりながら転流が行われることによって回転子の回転速度が転流制御で変換される。結果として、定電流形同期電動機が定速回転し、耐久性が高く堅牢な構造となるとともに動力変換装置のみの交換が容易な構造となって半永久的に使用される。
【0018】
またそして、請求項6の発明は、請求項1の構成に加えて、前記動力変換装置が密封され、その動力変換装置の摺動部分を潤滑油で潤滑する潤滑機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
したがって、請求項6の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、前記動力変換装置を密封して、その動力変換装置の摺動部分が潤滑油で潤滑される。その結果、ピストンポンプの駆動効率が良好になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図1および図2には、この発明のピストンポンプ用特殊フィリップ・フロップ・モータ(以下、FFMと記す)1を備えた定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成が示されている。図1および図2に示す定電流形同期電動機式ピストンポンプは、円筒状のシリンダ2a の内周面に接する円筒状のピストン2を軸線方向に移動させることにより流体を加圧して吐出し、または減圧して吸入するピストンポンプ3と、おねじ部6aをもち、ピストン2に回転止め4付きの案内用ロッド5を介して連結され、ピストン2と連動するスクリュー式ボルト6と、おねじ部6aに螺合し、案内用ロッド5と別体回転する回転子7と、制御回路(電力変換装置)8に接続された電機子コイル9と内周面に電機子コイル9を固定する溝が形成された電機子鉄心10とを有するステータ11と、電機子鉄心(固定子)10およびピストンポンプ3を支持する支持鉄枠12とを備えている。ここで、回転子7は、おねじ部6aに螺合するめねじ部21aを内周面にもつ円筒状の内ねじナット21と、内ねじナット21を内周面で保持する円筒状の回転子鉄心22と、回転子鉄心22の外周面に等間隔に配置された永久磁石(永久磁石界磁部材)23と、永久磁石23を固定する溝が形成された冠状の磁石固定枠24とを備え、これらの全体が一体となって回転するように構成されている。
【0021】
ピストンポンプ3は、上記ピストン2およびシリンダ2a の他に、シリンダ2a に接続された配管2c,2dと、配管2cを介してシリンダ2a に接続され、加圧され吐出した流体の逆方向(図ではz1方向で示す)の流入を止めるチェックバルブ3a と、配管2dを介してシリンダ2a に接続され、吸入された流体の逆方向(図ではz2方向で示す)の流出を止めるチェックバルブ3b とを含む。チェックバルブ3a ,3b は、配管の開口部をシールする球体3c と、球体3c を所定の力で支持するバネ3d とを含む。
【0022】
図3は、本発明のFFM1を制御回路8に接続した結線を示す回路図であり、一例として、回転子7の磁極数P=4、電機子コイル9の相数N=3の場合を示している。電機子コイル9は、電機コイル9a、電機コイル9b、電機コイル9cを含む。これら各電機コイルは、制御回路8、コンバータ回路(交流ー直流変換装置)31を介して2相電源32に接続されている。制御回路8は、ダイオード41とサイリスタ42とを接点を介して直列に接続したものをそれぞれ並列に接続し、各接点同士を結線したものである。コンバータ回路31は、サイリスタ42同士を並列に接続したものである。
【0023】
コンバータ回路31は2相交流電流を直流電流に変換し、制御回路8は直流電流を矩形波状に交互に転流して電機子コイル9の励磁電流を供給する。制御回路8による転流動作は、回転子7の回転に同期するように位置検出装置35で回転子7の回転位置を検出し、その検出された出力信号を受けて転流装置36がそのサイリスタ42のゲード電流を制御する。
【0024】
したがって、本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、制御回路8による矩形波状の直流交番電流が電機子コイル9に通電され、かつ電機子コイル9と永久磁石23の相対位置の変化に応じ電機子コイル9に流れる電流が転流されるので、電流の転流速さに対応して回転子7が駆動される。
【0025】
図4には、電機子コイル9と永久磁石23との関係を示している。なお、矢印b1 ,b2 は、電機子コイル9を流れる電流の流れる方向を示している。図1に示すピストン2の矢印a方向の移動は、以下のように行われる。
【0026】
まず、制御回路8は、電機子コイル9a,9b,9cに矩形波状の直流電流を交互に矢印b1方向に転流する。電機子コイル9aに対して矩形波状の直流電流が矢印b1 方向に流れると、電機子コイル9aに磁界が発生し、電機子コイル9aと永久磁石23との間の磁力により永久磁石23を有する回転子7が内ねじナット21とともに回転する。ここで、電機子コイル9aと永久磁石23との間の磁力は、電機子コイル9aおよび永久磁石23の磁極が同じであれば、引き合う力、異なれば反発し合う力となる。つぎに、同様に電機子コイル9a,9bに電流を流すことにより電機子コイル9aから電機子コイル9b,9cに対向する位置へ永久磁石23を有する回転子7が回転するとともに内ねじナット21も回転する。なお、直流電流が矢印b2 方向に流れると、電機子コイル9aと永久磁石23との間の磁力が逆になるので、回転子7(すなわち内ねじナット21)の回転を停止または逆転させることができる。
【0027】
つづいて、内ねじナット21に連結(螺合)されているスクリュー式ボルト6がその内ねじナット21の回転によりその接触面に対して軸線方向に力が加えられて、スクリュー式ボルト6と一体化した案内用ロッド5が直線上で往復動する。
【0028】
通常、超低速回転で使用される定電流形同期電動機式ピストンポンプは、一般のものより大型化する。本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、低速回転であり、回転子7、すなわち永久磁石23および磁石固定枠24の構成が容易であり、かつ小型となる。その理由について図5を用いて以下、説明する。
【0029】
まず、永久磁石23には、鉄管よりなる界磁鉄心を用いる。この界磁鉄心の円筒表面に永久磁石23を取り付けるには、格子模様の円筒形支持枠45を用いる。その円筒形支持枠45の格子内に永久磁石片46を挿入し、接着剤を用いてその全体を固定すると、永久磁石23付き磁石固定枠24が形成される。なお、永久磁石23が大きい場合、円筒形支持枠45をいくつかに分割した後、接着剤を用い、またはボルト締めにより、永久磁石片46はその分割された円筒形支持枠45の格子内に固定される。
【0030】
上述した本発明のFFM1の所要出力は、ピストン2の毎秒当たりのストロークS0 とピストン2の押圧力F0 との積(S0 ×F0 )によって決まり、スクリュー式ボルト6のねじ山(以下、単にねじ山という)のリード角Gに無関係となる。すなわち、スクリュー式ボルト6の歯径db を回転子7の外径に比例して決めるとすると、ねじ山のリード角Gを小さくするにしたがって回転子7の加速度が大きくなる。したがって、加減速度が重力加速度g(約9.8m/sec2)以下になるようにする。なおここでは、式P=E0 ×I0 、式E0 =B・h・(m−1)・n・p・V0 、式I0 =AT/nが成り立つ。ただし、PはFFM1の所要出力(kgf )、E0 は速度起電力(V)、I0 はコイル電流(A)、Bは磁束密度(T)、hは磁極の長さ(m )、mはコイル相数(相)、pはFFM1の磁極数、V0 は回転子7の周速(V)、ATはFFM1の所要アムペアターン(アンペアターン)、nはコイル巻数(ターン)である。
【0031】
大体の数値として、ピストン2の毎秒当たりのストロークS0 を100mm、ピストン2の押圧力F0 を4000kgf としたとき、上記各式により、ねじ山のリード角Gは1/20より大きくなり、ピストン2の毎秒当たりのストロークS0 を150mm、ピストン2の押圧力F0 を10,000kgf としたとき、上記各式により、ねじ山のリード角Gは1/15より大きくなる。また、式N=S0 /I0 により、ねじ山のピッチI0 (またはねじ山のリード角G)を大きくしていくと回転数Nが小さくなり1以下になる。ここで、定電流形同期電動機を低速回転用とし、ピストン2の押圧力を一定に維持しながらそのピストン2が所定のストロークで往復動し、FFM1の容量を小さく設計するには、ねじ山のリード角Gが1/20〜1/10の範囲で、かつ回転子の回転数Nが1〜4回/secの範囲になるように設定することが好ましい。
【0032】
したがって、本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したように、内ねじナット21と案内用ロッド5とがねじ機構によって連結されているので、FFM1の負荷変動を最小にしてポンプ効率のよい運転を行うことができる。
【0033】
図6および図7に示す定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したスクリュー式ボルト6および内ねじナット21に代えて、永久磁石23および磁石固定枠24の内面から中心に向かう方向に所定角度傾斜G0 した傾斜板22aを有している。この傾斜板は、図に示すようにリング状をなしており、傾斜板22aの中心を貫通する貫通穴22bを有する円筒状の回転子鉄心22の軸端部に一体化されている。傾斜板22aの一部を挟み込んでいる一対のローラー54が、軸53を介して案内用ロッド55に取り付けられている。この案内用ロッド55が、円周方向に等間隔に、三本設けられており、したがってそれぞれのローラー54が図7に示すXa 点、Xb 点、Xc 点の三個所で傾斜板22aに係合している。したがって傾斜板22aを矢印e方向に回転させることにより、各案内用ロッド55がそれぞれ矢印A1 ,B1 ,C1 方向に往復動するようになっている。換言すれば、各案内用ロッド55は、ローラー54が傾斜板22aの一部を挟み込んでいるので、回転方向には相対移動自在でかつ軸線方向に一体化するように、傾斜板22aに連結されている。
【0034】
図8および図9に示すように、位相が周方向に120度ずれた位置のXa 点、Xb 点、Xc 点に配置された各案内用ロッド55は、回転子鉄心22の矢印e方向の回転により、それぞれ矢印A1 ,B1 ,C1 方向に往復動する。
【0035】
ここで、案内用リング51の案内径dは2S0 /πG0 となる。これは、案内用リング51の半回転で案内用ロッド55をピストン2のストロークS0 だけ移動させ、後の半回転で元に戻すためである。この案内用リング51の案内径dがボルトの歯径db と一致すれば、案内用リング51の回転により、ピストン2は案内用ロッド55を介してストロークS0 の往復動を行うことができる。したがって、d=db 、db =0.2480×m×p×(ATの平方根)、上記G0 =2S0 /πdとすれば角度G0 を求められる。
【0036】
図9および図10には上述した速度起電力E0 の正弦波形を示している。この図では、La 点、Lb 点、Lc 点が正弦波形のピーク値(最大値)となっている。なお、曲線ua は、Xa 点に配置された案内用ロッド55が所定ストロークで往復動した場合の速度起電力を示す正弦波形であり、曲線ub は、Xb 点に配置された案内用ロッド55が所定ストロークで往復動した場合の速度起電力を示す正弦波形であり、曲線uc は、Xc 点に配置された案内用ロッド55が所定ストロークで往復動した場合の速度起電力を示す正弦波形である。
【0037】
ここで、曲線ua ,ub ,uc は、直線u1 ,u2 に接するLa 点、Lb 点、Lc 点の各間隔が狭いほど案内用ロッド55のストロークに対するピストン2のストロークが略一定になる。
【0038】
したがって、本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、このように各案内用ロッド55が配置されているので、各案内用ロッド55の動圧が脈動せずにピストン2の押圧力を略一定に保つことができ、FFM1の負荷変動を最小にしてポンプ効率のよい運転を行うことができる。
【0039】
図11および図12に示す定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したスクリュー式ボルト6および内ねじナット21に代えて、永久磁石23および磁石固定枠24の内面から中心に向かう方向に対して傾斜角G0 をもち、外周面に凹部60を形成した円板状の揺動板61と、揺動板61の平面上に配置され、上記傾斜角G0 をもつ傾斜板22aを有し、傾斜板22aの中心を貫通する貫通穴22bを有する円筒状の回転子鉄心22と、貫通穴22bに挿入され、案内用リング61を傾斜板22aを介して保持する止め具63と、凹部60に連結され、リング状の突出部64で保持し、回転子鉄心22を矢印e方向に回転させた場合に、先端部65aが傾斜板22aに接し、Xa 点、Xb 点、Xc 点(3個所)でそれぞれ矢印a2 ,b2 ,c2 方向に往復動する3つの案内用ロッド65とを備えている。なお、B0 点とB3 点とは揺動板61と傾斜板22aとの中心を通る軸線上で一致している。
【0040】
図11および図12に示すように、位相が周方向に120度ずれた位置のXa 点、Xb 点、Xc 点に配置された各案内用ロッド65は、傾斜板22aを有する回転子鉄心22の矢印e方向の回転により、それぞれa2 方向、b2 方向、c2 方向に往復動する。
【0041】
したがって、本発明の定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したように、揺動板61と案内用ロッド65とが連結されているので、FFM1の負荷変動を最小にしてポンプ効率のよい運転を行うことができる。
【0042】
図13および図14に示す定電流形同期電動機式ピストンポンプは、上述したスクリュー式ボルト6、内ねじナット21に代えて、円筒状のシリンダ2b の内周面に接する円筒状のピストン2を軸線方向に移動させることにより流体を加圧して吐出し、または減圧して吸入するピストンポンプ70と、両端に各々ピストン2b を設けた案内用ロッド71と、案内用ロッド71の中央で一体化された突起状の案内子71aと、案内用ロッド71および案内子71aと別体回転する回転子73と、案内用ロッド71を支持し、かつ回転部74で回転子73を自在回転させる円環形軸受75とを備えている。ここで、回転子73は、回転部74に両端を支持された円筒状の界磁鉄心76と、回転部74に界磁鉄心76を連結する連結円管77と、永久磁石23および磁石固定枠24の内面から中心に向かう方向に対してリード角G0 をもつ溝78aが内周面に形成され、溝78aを案内子71aの端部71bに螺合する案内用円管78とを備えている。なお、この実施例ではピストンポンプ70は6個であり、円環形軸受75が回転子73を支持しているので、この例における支持鉄枠11は上述の図1および図2に示したものと異なり、複数のピストンポンプ70を固定する形状(例えばフランジ穴、ねじ穴の数や大きさ等を変更した形状)となる。
【0043】
図15は、案内子71aと溝78aとが螺合する状態を示している。ここで、界磁鉄心76の内側に固定して取り付けられる案内用円管78は、案内子71aを介して案内用ロッド71を動かすので耐摩耗性の高い鋼材が用いられる他に、傾斜した案内面80が軸心に対して常に直角になるように仕上げられたものが用いられる。また、図16は、図15に示す案内用円管78に溝79を形成せずに案内用ロッド71に溝91を形成するとともに案内用円管78に案内子92を形成して、溝91と案内子92とが螺合する状態を示している。ここで、界磁鉄心76の内側に固定して取り付けられる案内用円管78は、案内子92を介して案内用ロッド71を動かすので耐摩耗性の高い鋼材が用いられる他に、傾斜した案内面93が軸心に対して常に直角になるように仕上げられたものが用いられる。
【0044】
上記説明したピストンポンプ3,70は、気体だけでなく液体を加圧させることができ、ピストンポンプ3,70からFFM1の内部へ気体、液体等が浸入しないように案内用ロッド5,55,65,71の外周面にシール材を接触させた構成となっている。また、ピストン2は、シリンダ内面に接する外周面にシール部(たとえば樹脂成形されたリップ部、オーリング等)を備えてもよい。さらに、このシール部には、ラバーグリースなどの潤滑材を塗布してもよい。そして、ピストン2に押圧された密閉空間内の流体は、配管内に流出する。シリンダ2a (またはシリンダ2b )は、内周面にピストン2の外周面の動摩擦抵抗を小さくするようコーティングしてもよい。
【0045】
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、この発明における電力変換装置や転流装置に用いられる電気回路は、上記のフリップ・フロップ回路やトランジスタなどの無接点素子を用いたものに以外のものであってよく、要は、直流の一定電流を交番電流に変換して電気コイルに給電し、また転流制御できるものであればよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、回転子で生じたトルクが軸線方向の推力に変化され、その推力によってピストンが軸線方向に駆動され、その結果、ピストンを低速で往復動させる場合でも定電流の速度起電力によってピストンのストローク速度に関係なく一定の回転力が得られ、転流制御だけで加速・等速・減速・停止・逆転が行われ、回転子の構成が簡単で軽量になり、ひいては動力伝達効率が高められてピストンを高いポンプ効率で運転でき、小型化が容易となる。
【0047】
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、前記めねじ部とおねじ部材とによるネジ機構によって、回転子に生じるトルクを軸線方向の推力に変換し、案内用ロッドおよびこれに連結されているピストンを軸線方向に駆動でき、また、回転子を往復回転させることによりピストンを往復動させることができる。さらに、そのネジ機構におけるネジピッチを大きくすることにより、回転子が一回転もしくはそれ以下の回転角度で、案内用ロッドおよびピストンのストロークを必要十分なものとすることができる。
【0048】
さらに、請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、斜板部材における中心を外れた所定の一箇所の軸線方向で位置と斜板部材の回転角度との関係が、サイン曲線で表される関係となるため、当該一箇所に連結されている案内用ロッドが、斜板部材の回転によって軸線方向に往復動し、その結果、回転子の連続した回転によってピストンを連続的に前後動させることができる。
【0049】
またさらに、請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得られる他に、各案内用ロッドおよびそれぞれに連結されたピストンを駆動する推力が電動機の負荷となるが、その案内用ロッドが等間隔に三本、配置されているので、負荷の変動がなく、効率を向上させることができる。
【0050】
そして、請求項5の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、直流の一定電流を転流して矩形波状の交番電流を生成し、かつ交番電流を固定子側の電機子コイルに給電する電力変換装置が設けられ、永久磁石界磁部材の回転位置を検出する位置検出装置が設けられ、同期をとりながら転流を行うことによって回転子の回転速度を転流制御で変換する転流装置が設けられているので、定電流形同期電動機を定速回転させることができ、耐久性が高く堅牢な構造とすることができ、かつ動力変換装置のみの交換が容易な構造とすることにより永続的に使用することができる。
【0051】
またそして、請求項6の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、動力変換装置が密封され、その動力変換装置の摺動部分を潤滑油で潤滑する潤滑機構が設けられているので、効率よくピストンポンプを作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の対象となる定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すFFMの構成を示す断面図である。
【図3】この発明の対象となるFFMをコンバータ回路に接続した結線を示す回路図である。
【図4】この発明の対象となる電機子コイルと永久磁石との関係を示す線図である。
【図5】この発明の対象となる円筒形支持枠および永久磁石片を示す斜視図である。
【図6】図1に示す装置以外の実施例の定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成を示す配置図である。
【図7】図6に示す案内リングと案内用ロッドとの配置を示す配置図である。
【図8】図6に示す案内リングおよび案内用ロッドを示す斜視図である。
【図9】図6に示す案内リングの往復動を示す概念図である。
【図10】この発明の対象となるFFMの起電力波形を示す図である。
【図11】図1に示す装置以外の実施例の定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成を示す配置図である。
【図12】図11に示す案内リングおよび案内用ロッドを示す斜視図である。
【図13】図1に示す装置以外の実施例の定電流形同期電動機式ピストンポンプの構成を示す配置図である。
【図14】図13に示すFFMの構成を示す断面図である。
【図15】図13に示す案内子および案内用円管を示す概念図である。
【図16】図15に示す構成以外の実施例の案内子および左右案内用ロッドを示す概念図である。
【符号の説明】
1…フィリップ・フロップ・モータ、 2…ピストン、 5…案内用ロッド、6…スクリュー式ボルト、 6a…おねじ部、 3,70…ピストンポンプ、7…回転子、 8…制御回路(電力変換装置)、 9…電機子コイル、 11…ステータ、 21…内ねじナット、 21a…めねじ部、 23…永久磁石(永久磁石界磁部材)、 31…コンバータ回路(交流ー直流変換装置)、 35…位置検出装置、 36…転流装置。
Claims (6)
- 固定子側に電機子コイルを、回転子側に永久磁石界磁部材をそれぞれ備え、かつ定電流電源で駆動される同期電動機式ピストンポンプにおいて、
前記電機子コイルの内周側で前記回転子を収容している中空部に、前記回転子の回転動作を軸線方向の運動に変換する動力変換装置が設けられ、かつ前記動力変換装置による軸線方向の運動をピストンに伝達してそのピストンを駆動する伝動機構が設けられていることを特徴とする定電流形同期電動機式ピストンポンプ。 - 前記動力変換装置が、前記回転子の内部に回転子の中心軸線を中心として形成されためねじ部と、そのめねじ部に螺合するおねじ部材とを有し、前記伝動機構がそのおねじ部材と前記ピストンとを連結する案内用ロッドを有することを特徴とする請求項1に記載の定電流形同期電動機式ピストンポンプ。
- 前記動力変換装置が、前記回転子と一体に回転し、かつ回転子の中心軸線に対して傾斜して配置された斜板部材を有し、前記伝動機構が、前記中心軸線と平行な方向に前後動可能に保持されるとともに一端部が前記斜板部材の中心から外れた箇所に回転方向に対しては相対移動自在でかつ軸線方向に対しては一体に連結された案内用ロッドを有し、その案内用ロッドが前記ピストンに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の定電流形同期電動機式ピストンポンプ。
- 前記案内用ロッドが、前記中心軸線を中心とした円周方向に三本、等間隔に配置され、かつ各案内用ロッドのそれぞれが個別にピストンに連結されていることを特徴とする請求項3に記載の定電流形同期電動機式ピストンポンプ。
- 直流の一定電流を転流して矩形波状の交番電流を生成し、かつ前記交番電流を固定子側の電機子コイルに給電する電力変換装置が設けられ、前記永久磁石界磁部材の回転位置を検出する位置検出装置が設けられ、同期をとりながら転流を行うことによって回転子の回転速度を転流制御で変換する転流装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の定電流形同期電動機式ピストンポンプ。
- 前記動力変換装置が密封され、その動力変換装置の摺動部分を潤滑油で潤滑する潤滑機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の定電流形同期電動機式ピストンポンプ。
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