JP2004277643A - Elパネル用水性インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ELパネルに筆記または塗布した描線が長時間発光を持続しつつその発光強度も維持されるELパネル用水性インキ組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも水と着色剤とイオン性物質と高沸点水溶性有機溶剤とを含有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも水と着色剤とイオン性物質と高沸点水溶性有機溶剤とを含有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペン、マーキングペン等の筆記具用インキや、印刷インキ、及びインクジェットインキ等に使用され、特にエレクトロルミネッセンスパネル(electroluminescence panel;以降、単に「ELパネル」と称する。)に筆記・印刷等するのに用いられる水性インキ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、描線が発光するインキとしては、蛍光増白剤を含有し描線に紫外線を照射することにより発光するインキ(例えば、特許文献1参照。)や、蓄光物質を含有し太陽光等を照射することにより発光を持続するインキ(例えば、特許文献2,3参照。)、等が知られていた。
しかし、蛍光増白剤を含有し紫外線で発光するインキは、紫外線を発光するのに大きな電力を消費するだけでなく簡単に持ち運ぶことが困難であるし、また、蓄光物質を含有するインキの発光は、励起状態から基底状態へ戻る際のリン光であるため明るい場所では発光を確認することができず、暗いところでも経時的に発光が弱くなってしまうので通常24時間程度で目視で確認できないくらいになってしまう等の問題があった。
最近になって、その新たな手段として、特許文献4に記載されるようなELパネルを用いた発光装置が提案された。このEL発光装置は、局部可変シート状部材とその裏面全体に密接された導電性シートからなる裏面電極層が備えられており、その局部可変シート状部材を加圧、溶融などの物理的または溶剤等の溶解による化学的操作により所望の発光パターンを選択的に発光させられる仕組みになっている。従って、ユーザーが任意に描線を描いた部分を発光させることが可能であるが、通電しない状態では描線に色がないので描線が判り難く、書き換えが容易でなかった。
そこで、通常の市販されている水性マーキングペン等を用いてELパネル表面に描線を描くことにより、水性インキの導電性程度でも描線が発光する特定の種類のELパネルが提案されている。
しかし、通常の市販されている筆記具等に用いられる水性インキ中には、ELパネルを長時間にわたって発光させられることが可能なほどの導電性物質や水溶性有機溶剤を含有していないため、水分等の揮発により描線の導電性が早期に低下ないし消滅してしまい、比較的短い時間で発光しなくなってしまうという問題点があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−86362号公報
【特許文献2】
特開平11−236524号公報
【特許文献3】
特開2000−109740号公報
【特許文献4】
特開2002−329584号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するものであり、ELパネルに筆記または塗布した描線が長時間発光を持続しつつ、且つその発光強度も維持することが可能なELパネル用水性インキ組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明第1発明のELパネル用インキ組成物は、少なくとも水と着色剤とイオン性物質と高沸点水溶性有機溶剤とを必須成分として含有することを特徴としたものである(請求項1)。
【0006】
前記必須成分のうち、水及び着色剤のみを含有するインキ組成物の場合、通常、含有している着色剤中に多少の不純物が存在し、それにより導電性を有するため、該インキ組成物を用いたマーキングペン等でELパネル表面に描かれた描線も筆記直後は導電性を有し発光するが、水は比較的短時間で揮発(蒸発)してしまうため、描線も比較的短時間で導電性を喪失してしまい、その結果、描線が短時間で発光しなくなってしまう。
【0007】
また、前記必須成分のうち、高沸点水溶性有機溶剤を欠く水と着色剤とイオン性物質(但し、後述する塩化ラウリルトリメチルアンモニウムまたは塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムを除く。)のみを含有するインキ組成物の場合も、同様に水が比較的短時間で揮発してしまうため、描線が比較的短時間で導電性を喪失して短時間で発光しなくなってしまう。
【0008】
更に、前記必須成分のうちイオン性物質を欠いた、水と着色剤および高沸点水溶性有機溶剤のみを含有するインキ組成物を用いたマーキングペン等でELパネルの表面に描かれた描線は、高沸点水溶性有機溶剤の効果により長時間発光を続けるものの、非導電性である高沸点水溶性有機溶剤を含有するのでインク中に含まれる導電性物質の絶対量が少なくなってしまうため、発光強度が低下してしまう。
【0009】
しかし、水と着色剤に加えてイオン性物質及び高沸点水溶性有機溶剤の両方を含有するインキ組成物では、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、描かれた描線が高い発光強度を維持しつつ発光の持続時間を長くできることが本発明に係る研究により新たに見出された。
【0010】
また、本発明の目的を達成する第2発明に係るELパネル用インキ組成物は、少なくとも水と着色剤と塩化ラウリルトリメチルアンモニウムとを必須成分として含有することを特徴としたものである(請求項2)。
塩化ラウリルトリメチルアンモニウムはイオン性物質であるが、水に塩化ラウリルトリメチルアンモニウムを添加した場合は、高沸点水溶性有機溶剤を添加しなくても、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、描かれた描線が高い発光強度を維持しつつ発光の持続時間を充分に長くできることが本発明に係る研究により新たに見出された。
【0011】
更に、本発明の目的を達成する第3発明に係るELパネル用インキ組成物は、少なくとも水と着色剤と塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムとを必須成分として含有することを特徴としたものである(請求項3)。
この場合も、高沸点水溶性有機溶剤を添加しなくても、これを用いたマーキングペン等でELパネルに筆記等すると、描かれた描線が高い発光強度を維持しつつ発光の持続時間を充分に長くできることが、本発明に係る研究により新たに見出された。
塩化カルシウム(臨海湿度 約30%(25度))及び塩化マグネシウム(臨界湿度 約35%(25度))は潮解性を有し臨界湿度が低いため、通常の湿度であれば空気中の水分を吸収してべとべとした状態となり、水分を保持した塩化カルシウムや塩化マグネシウムが電離し導電性を有するため描線の発光状態を持続できる。ちなみに、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウム以外にも、臨界湿度が比較的低いものは同様の効果を期待することができる。
【0012】
また、本発明に用いられる前記イオン性物質としては、非イオン性を除いた、即ち陰イオン性または陽イオン性または両性のいずれかの界面活性剤であることが好ましい(請求項4)。
界面活性剤は一般的に、湿潤剤、浸透剤、起泡剤、消泡剤、乳化剤、分散剤、可溶化剤、洗浄剤、潤滑剤、帯電防止剤、防錆剤、疎水化剤、殺菌剤、凝集剤などとしての作用効果があることが知られており、界面活性剤が本願発明における作用効果を発現する理由としては、帯電防止剤としての作用効果に基づくものと考えられる。帯電防止効果とは、非導電性表面に蓄積しやすい電子(静電気)を、帯電防止剤が形成する表面伝導層が表面の電気抵抗を低下させ、それにより拡散可能な表面積が増加し、表面電荷が減少することによって表面の帯電が緩和されることに起因している。すなわち、界面活性剤が帯電防止効果を発現する理由としては、▲1▼界面活性剤がイオン性を有し、▲2▼イオン性の界面活性剤は、その分子分極によって、分極の強い水を引きつけ吸湿性を有することによって電離状態になり、表面の導電性が発現するものと思われる。
この様に、イオン性を有する界面活性剤は水溶液中で電離してイオンとなるため、インキの導電性が高くなりELパネルの表面に描いた描線の発光が良好なものとなるが、非イオン性の界面活性剤ではインキ中で電離せず導電性が得られないため、ELパネル上の描線は発光しない。
さらに界面活性剤を使用したインキでは、ELパネル面と描線との間の界面張力が減少し、ELパネル表面に対する描線の濡れ性が向上するので、ELパネル面が描線を弾くようなことがなく、容易に筆記が可能となる利点もある。
なお、本発明に係る第2発明の構成要件である塩化ラウリルトリメチルアンモニウムは、いわゆる陽イオン性界面活性剤に分類される物質で、塩化物イオンとの電気陰性度の差が大きいため、分子分極が大きくなり、そのために分極した水分子を引きつける能力が強いため、水溶性有機溶剤を添加する必要もなく、所望の性能を出現したものと考えられる。
【0013】
更に、本発明に用いられる前記高沸点水溶性有機溶剤としては、グリセリン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ポリエチレングリコール,トリエタノールアミンより選択された1種または2種以上を含有したものであることが好ましい(請求項5)。
これらの高沸点水溶性有機溶剤は、ある程度の吸湿性を有するため、蒸発し難い上に大気中の水分を吸収することもでき、その結果、これらの高沸点水溶性有機溶剤を添加したインキ組成物を用いたマーキングペン等で描いた描線は、より長時間発光することが可能となる。
【0014】
また、本発明のインキ組成物に用いられる前記着色剤としては、顔料であることが好ましい(請求項6)。何故なら、ELパネルの表面に描かれた描線は一定期間経過後に発光しなくなるので、従来の黒板、ホワイトボード等と同様に、描かれた描線を消して再筆記、再描画できることが好ましいと考えられるところ、着色剤が顔料であれば、描線がELパネルに浸透することはなく、容易に描線を消すことができるからである。一方、着色剤として染料を用いると、染料がELパネルに浸透することもあり、描線を消すことが困難になるので好ましくない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の態様を詳細に説明する。
始めに、本発明に使用するELパネルの基本的な構造、及び発光の原理について説明する。
図1は本発明に用いるELパネルの断面構造を示し、図2はELパネルにおける電極の平面構造を示す。
【0016】
図中の符号1は発光層を、2は絶縁層を、3は電極を、そして4は絶縁性基材フィルムをそれぞれ示す。
ELパネルAは、銅やアルミニウム等の導線性材料を用いて略櫛歯形(例えば、電極幅0.3〜0.5mm、スリット幅0.1〜0.2mm)に形成された第1電極3aと第2電極3bの2つの電極を、互いに櫛歯が交互となるように電気的に分離してPET(ポリエチレンテレフタレート)やポリイミド等からなる絶縁性基材フィルム4上に配置させ、その上面にチタン酸バリウム等の無機粒子を含む絶縁体層2とフッ素系バインダーを含む蛍光体発光層1を積層させて構成されている。
そして、第1電極3aおよび第2電極3bの電極端子3a’,3b’に所定の交流電圧(150V程度)を印加すると、両電極間3a,3bにある蛍光体が暗所で目視できる程度にわずかに発光する。この際、ELパネルAの表面、すなわち発光層1の表面に導電性のあるインキ5を塗布すると、発光層1にある蛍光体に電界がかかり、描線下部の蛍光体発光層1が発光するため描画させたインキ5が光っているように見えるものである。
【0017】
本発明に係るELパネル用インキ組成物は、基本的に、少なくとも水と着色剤とイオン性物質と高沸点水溶性有機溶剤とを必須成分として含有する。
このうち、本発明に係る水は、脱イオンされたイオン交換水であることが好ましい。脱イオンされていない水は、例えば金属陽イオンやハロゲン陰イオン等の溶存イオンを含んでおり、これらの溶存イオンと本発明のELパネル用インキ組成物の別の必須成分であるイオン性物質との作用により析出物が生成すると、インキ詰まり等の原因になるからである。
【0018】
また、本明細書でいうイオン性物質とは、概して水に溶けてイオン化する物質をいう。従って、具体的には、塩化カルシウム、塩化カリウム等の金属塩、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム等のアンモニウム塩であってもよい。
【0019】
本発明に係るイオン性物質としては、陰イオン性または陽イオン性または両性のいずれかの界面活性剤であることが好ましい。非イオン性の界面活性剤は、イオン性を有しないため、ELパネル用インキ組成物に使用しても発光の効果がほとんどない。ここで本明細書でいう界面活性剤とは、液体の表面張力、若しくは液−液間又は液−固間の界面張力を減少させる物質であって、分子内に親水基と親油基(疎水基)とを有する物質をいう。この中で陰イオン性界面活性剤としては、大きく分類してカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等があり、具体的には石けん、N−アシルアミノスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸塩などがある。より具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムナトリウム、オレイン酸カリウム、ヤシ脂肪酸カリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等がある。
また、陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、複素環四級アンモニウム塩等があり、具体的にはジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等がある。
更に、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アルキルアミンオキサイドなどがあり、具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルアミノ酸酢酸ベタイン、ラウリルジメテルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0020】
前記界面活性剤は、本発明の水性インキ組成物中に5〜30重量%含有されることが好ましい。5重量%より少ないと界面活性剤による発光の効果や濡れ性向上の効果が極めて小さくなってしまい、30重量%より多いとインキ組成物が増粘してしまい、筆記具用等のインキ組成物として適さなくなってしまう。
【0021】
また、本明細書でいう高沸点水溶性有機溶剤とは、概ね沸点が水の沸点である100℃より高温であって、水90重量部に対して10重量部以上可溶なものをいう。具体的には、例えばグリセリン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ポリエチレングリコール,トリエタノールアミンなどがあり、それらの1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
前記高沸点水溶性有機溶剤は、本発明の水性インキ組成物中に10〜40重量%の範囲で含有されることが好ましい。10重量%より少ないと高沸点水溶性有機溶剤の効果をほとんど発揮しえなくなり、40重量%より多いとインキ組成物が増粘してしまい、筆記具用等のインキ組成物として適さなくなってしまう上に、当該高沸点水溶性有機溶剤がパネル表面に塗布されたコーティングを溶かしてしまうおそれが生じる。
【0023】
ただし、前記イオン性物質が塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムまたは塩化ラウリルトリメチルアンモニウムである場合には、本発明の水性インキ組成物中に前記高沸点水溶性有機溶剤を添加しなくても、該水性インキ組成物を用いて描かれた描線は高い発光強度を維持しつつ、発光の持続時間を充分に長くすることができる。
【0024】
また、本発明に係る水性インキ組成物は、インクに着色させるために従来公知の水溶性の染料及び/または顔料を用いることができる。
具体的には、染料としては例えば、カラーインデックス(以降C.I.)Direct Black 17,同19,同38,同154、C.I.Direct Yellow 1,同4,同12,同29、C.I.Direct Orange 6,同8,同26,同29、C.I.Direct Red 1,同2,同4,同13、C.I.Direct Blue 2,同6,同15,同78,同87等の直接染料、C.I.Acid Black 2,同31、C.I.Acid Yellow 3,同17,同23,同73、C.I.Acid Orange 10,C.I.Acid Red 13,同14,同18,同27,同52,同73,同87,同92、C.I.Acid Blue 1,同9,同74,同90等酸性染料及びC.I.Basic Yellow 2,同3、C.I.Basic Red 1,同2,同8,同12、C.I.Basic Violet 1,同3,同10、C.I.Basic Blue 5,同9,同26等塩基性染料等の水溶性染料を用いることができる。
顔料としては、水系媒体に分散可能な顔料である水分散性顔料の全てが使用可能であって、例えば、カーボンブラック、金属粉顔料等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、キナクドリン系等の有機顔料、蛍光顔料等を用いることができる。
これらのうち、染料はELパネルに浸透しやすいため、一度描線をELパネルに描くと、その描線を消すことは困難となる。一方、顔料はELパネルに浸透しないため、その描線を容易に消すことが可能なる。従って、本発明の水性インキ組成物を用いたマーキングペン等でELパネル上に筆記された描線の消しやすさの点から、顔料を用いることが好ましい。
【0025】
その他に、本発明に係る水性インキ組成物には、インキ材料として通常用いられる防腐剤、防錆剤、分散樹脂、乾燥抑制剤、pH調整剤、固着樹脂、粘度調整剤等の添加剤を必要に応じて用いることができる。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を具体的な実施例により更に詳細に説明する。
<実施例1>
【表1】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性赤色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0027】
<実施例2>
【表2】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性黄色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている直液式水性マーキングペン(蛍光スパーキー1、ゼブラ社製、商品名)と同様にインキタンクに充填した後、バルブ組み込み済み先端カバーを装着し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0028】
<実施例3>
【表3】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性蛍光桃色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を濾紙で濾過した後、ピエゾ素子を使用したインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−700C、商品名)のインキとして、インクタンクに充填し、インクジェットプリンター用インクカートリッジを作成した。
【0029】
<実施例4>
【表4】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性青色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を用いて通常の凸版印刷機でELパネルに印刷を行った。
【0030】
<実施例5>
【表5】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性青色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0031】
<実施例6>
【表6】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性緑色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている直液式水性マーキングペン(蛍光スパーキー1、ゼブラ社製、商品名)と同様にインキタンクに充填した後、バルブ組み込み済み先端カバーを装着し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0032】
<実施例7>
【表7】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性赤紫色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0033】
<実施例8>
【表8】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性蛍光橙色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている直液式水性マーキングペン(蛍光スパーキー1、ゼブラ社製、商品名)と同様にインキタンクに充填した後、バルブ組み込み済み先端カバーを装着し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0034】
<比較例1>
【表9】
イオン性物質を含まない上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性赤色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を濾紙で濾過した後、ピエゾ素子を使用したインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−700C、商品名)のインキとして、インクタンクに充填し、インクジェットプリンター用インクカートリッジを作成した。
【0035】
<比較例2>
【表10】
高沸点水溶性有機溶剤を含まない上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性蛍光桃色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0036】
<比較例3>
【表11】
実施例5のインキ原料のうち塩化ラウリルトリメチルアンモニウムを含有するコータミン24Pを除いた上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性青色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ株式会社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー株式会社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0037】
<比較例4>
【表12】
非イオン性の界面活性剤を用いた上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性赤紫色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0038】
(試験方法)
上記実施例及び比較例で作成した水性マーキングペン(実施例1,2,5〜8,比較例2〜4)、または水性インクカートリッジ(実施例3,比較例1)により、若しくは水性インキ組成物を用いて凸版印刷機により(実施例4)、ELパネル(日本電子ライト社製 青色発光無機ELパネル)に手書き筆記または印刷した後、ELパネルに通電し描線の発光状態及び持続時間を確認した。
【0039】
(評価結果)
【表13】
発光状態の説明
◎ :強い発光状態を持続
○ :徐々に弱くなったが発光状態を持続
× :描線が1分以内に発光しなくなった
− :発光時間の確認できず
【0040】
上記の評価結果から理解されるように、比較例1はイオン性物質を、また比較例3は塩化ラウリルトリメチルアンモニウムまたは塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムを含まないため、ELパネルの描線がすぐに発光しなくなった。また、比較例2は有機溶剤を含まないため描線の水分の揮発と共に描線が発光しなくなり、比較例4は界面活性剤がイオン性を有していないため、ELパネルの描線がすぐに発光しなくなった。
対して、実施例1〜8はELパネルの描線の発光状態や時間に違いは見られるものの、長時間の発光持続性が認められ、本発明の効果が実証された。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の第1発明に係るELパネル用水性インキ組成物(請求項1)は、少なくとも水と着色剤とイオン性物質及び高沸点水溶性有機溶剤を含有することで、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、描かれた描線が高い発光強度を維持しつつ発光の持続時間を充分に長くすることができる。
【0042】
また、本発明の第2、第3発明に係るELパネル用水性インキ組成物(請求項2,3)は、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムまたは塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムを含有することで、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、高沸点水溶性有機溶剤を含有しなくても高い発光強度を維持しつつ発光持続時間を長くすることができる。
【0043】
更に、請求項4記載の発明に係るELパネル用水性インキ組成物によれば、イオン性物質として界面活性剤を添加することで、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、ELパネル表面で描線が弾かれることなく容易に筆記または印刷が可能となるので、ELパネル上で筆記または描線の膜厚が均一となり良好な発光状態が得られる。
【0044】
また、請求項5記載の発明に係るELパネル用水性インキ組成物によれば、高沸点水溶性有機溶剤を、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエタノールアミンより選択した1種または2種以上とすることで、発光時間を更に長くすることができる。
【0045】
更に、請求項6記載の発明に係るELパネル用水性インキ組成物によれば、着色剤を顔料とすることで、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等しても、描線がELパネルに浸透することがなく、容易に描線を消すことが可能となる。
そして、本発明に係る水性インキ組成物中の着色剤の色と発光色が異なっていれば、これを用いたマーキングペン等で筆記等されたELパネルの表面に描かれた描線は、ELパネルの通電をオン・オフにすることでその色が変化するので、装飾・強調等の効果をも有することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるELパネルの模式断面図。
【図2】ELパネルに組み込まれている電極の平面構造を説明する図。
【符号の説明】
1………発光層 2………絶縁層
3a……第1電極 3a’……第1電極端子
3b……第2電極 3b’……第2電極端子
4………基材フィルム 5………インキ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペン、マーキングペン等の筆記具用インキや、印刷インキ、及びインクジェットインキ等に使用され、特にエレクトロルミネッセンスパネル(electroluminescence panel;以降、単に「ELパネル」と称する。)に筆記・印刷等するのに用いられる水性インキ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、描線が発光するインキとしては、蛍光増白剤を含有し描線に紫外線を照射することにより発光するインキ(例えば、特許文献1参照。)や、蓄光物質を含有し太陽光等を照射することにより発光を持続するインキ(例えば、特許文献2,3参照。)、等が知られていた。
しかし、蛍光増白剤を含有し紫外線で発光するインキは、紫外線を発光するのに大きな電力を消費するだけでなく簡単に持ち運ぶことが困難であるし、また、蓄光物質を含有するインキの発光は、励起状態から基底状態へ戻る際のリン光であるため明るい場所では発光を確認することができず、暗いところでも経時的に発光が弱くなってしまうので通常24時間程度で目視で確認できないくらいになってしまう等の問題があった。
最近になって、その新たな手段として、特許文献4に記載されるようなELパネルを用いた発光装置が提案された。このEL発光装置は、局部可変シート状部材とその裏面全体に密接された導電性シートからなる裏面電極層が備えられており、その局部可変シート状部材を加圧、溶融などの物理的または溶剤等の溶解による化学的操作により所望の発光パターンを選択的に発光させられる仕組みになっている。従って、ユーザーが任意に描線を描いた部分を発光させることが可能であるが、通電しない状態では描線に色がないので描線が判り難く、書き換えが容易でなかった。
そこで、通常の市販されている水性マーキングペン等を用いてELパネル表面に描線を描くことにより、水性インキの導電性程度でも描線が発光する特定の種類のELパネルが提案されている。
しかし、通常の市販されている筆記具等に用いられる水性インキ中には、ELパネルを長時間にわたって発光させられることが可能なほどの導電性物質や水溶性有機溶剤を含有していないため、水分等の揮発により描線の導電性が早期に低下ないし消滅してしまい、比較的短い時間で発光しなくなってしまうという問題点があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−86362号公報
【特許文献2】
特開平11−236524号公報
【特許文献3】
特開2000−109740号公報
【特許文献4】
特開2002−329584号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するものであり、ELパネルに筆記または塗布した描線が長時間発光を持続しつつ、且つその発光強度も維持することが可能なELパネル用水性インキ組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明第1発明のELパネル用インキ組成物は、少なくとも水と着色剤とイオン性物質と高沸点水溶性有機溶剤とを必須成分として含有することを特徴としたものである(請求項1)。
【0006】
前記必須成分のうち、水及び着色剤のみを含有するインキ組成物の場合、通常、含有している着色剤中に多少の不純物が存在し、それにより導電性を有するため、該インキ組成物を用いたマーキングペン等でELパネル表面に描かれた描線も筆記直後は導電性を有し発光するが、水は比較的短時間で揮発(蒸発)してしまうため、描線も比較的短時間で導電性を喪失してしまい、その結果、描線が短時間で発光しなくなってしまう。
【0007】
また、前記必須成分のうち、高沸点水溶性有機溶剤を欠く水と着色剤とイオン性物質(但し、後述する塩化ラウリルトリメチルアンモニウムまたは塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムを除く。)のみを含有するインキ組成物の場合も、同様に水が比較的短時間で揮発してしまうため、描線が比較的短時間で導電性を喪失して短時間で発光しなくなってしまう。
【0008】
更に、前記必須成分のうちイオン性物質を欠いた、水と着色剤および高沸点水溶性有機溶剤のみを含有するインキ組成物を用いたマーキングペン等でELパネルの表面に描かれた描線は、高沸点水溶性有機溶剤の効果により長時間発光を続けるものの、非導電性である高沸点水溶性有機溶剤を含有するのでインク中に含まれる導電性物質の絶対量が少なくなってしまうため、発光強度が低下してしまう。
【0009】
しかし、水と着色剤に加えてイオン性物質及び高沸点水溶性有機溶剤の両方を含有するインキ組成物では、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、描かれた描線が高い発光強度を維持しつつ発光の持続時間を長くできることが本発明に係る研究により新たに見出された。
【0010】
また、本発明の目的を達成する第2発明に係るELパネル用インキ組成物は、少なくとも水と着色剤と塩化ラウリルトリメチルアンモニウムとを必須成分として含有することを特徴としたものである(請求項2)。
塩化ラウリルトリメチルアンモニウムはイオン性物質であるが、水に塩化ラウリルトリメチルアンモニウムを添加した場合は、高沸点水溶性有機溶剤を添加しなくても、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、描かれた描線が高い発光強度を維持しつつ発光の持続時間を充分に長くできることが本発明に係る研究により新たに見出された。
【0011】
更に、本発明の目的を達成する第3発明に係るELパネル用インキ組成物は、少なくとも水と着色剤と塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムとを必須成分として含有することを特徴としたものである(請求項3)。
この場合も、高沸点水溶性有機溶剤を添加しなくても、これを用いたマーキングペン等でELパネルに筆記等すると、描かれた描線が高い発光強度を維持しつつ発光の持続時間を充分に長くできることが、本発明に係る研究により新たに見出された。
塩化カルシウム(臨海湿度 約30%(25度))及び塩化マグネシウム(臨界湿度 約35%(25度))は潮解性を有し臨界湿度が低いため、通常の湿度であれば空気中の水分を吸収してべとべとした状態となり、水分を保持した塩化カルシウムや塩化マグネシウムが電離し導電性を有するため描線の発光状態を持続できる。ちなみに、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウム以外にも、臨界湿度が比較的低いものは同様の効果を期待することができる。
【0012】
また、本発明に用いられる前記イオン性物質としては、非イオン性を除いた、即ち陰イオン性または陽イオン性または両性のいずれかの界面活性剤であることが好ましい(請求項4)。
界面活性剤は一般的に、湿潤剤、浸透剤、起泡剤、消泡剤、乳化剤、分散剤、可溶化剤、洗浄剤、潤滑剤、帯電防止剤、防錆剤、疎水化剤、殺菌剤、凝集剤などとしての作用効果があることが知られており、界面活性剤が本願発明における作用効果を発現する理由としては、帯電防止剤としての作用効果に基づくものと考えられる。帯電防止効果とは、非導電性表面に蓄積しやすい電子(静電気)を、帯電防止剤が形成する表面伝導層が表面の電気抵抗を低下させ、それにより拡散可能な表面積が増加し、表面電荷が減少することによって表面の帯電が緩和されることに起因している。すなわち、界面活性剤が帯電防止効果を発現する理由としては、▲1▼界面活性剤がイオン性を有し、▲2▼イオン性の界面活性剤は、その分子分極によって、分極の強い水を引きつけ吸湿性を有することによって電離状態になり、表面の導電性が発現するものと思われる。
この様に、イオン性を有する界面活性剤は水溶液中で電離してイオンとなるため、インキの導電性が高くなりELパネルの表面に描いた描線の発光が良好なものとなるが、非イオン性の界面活性剤ではインキ中で電離せず導電性が得られないため、ELパネル上の描線は発光しない。
さらに界面活性剤を使用したインキでは、ELパネル面と描線との間の界面張力が減少し、ELパネル表面に対する描線の濡れ性が向上するので、ELパネル面が描線を弾くようなことがなく、容易に筆記が可能となる利点もある。
なお、本発明に係る第2発明の構成要件である塩化ラウリルトリメチルアンモニウムは、いわゆる陽イオン性界面活性剤に分類される物質で、塩化物イオンとの電気陰性度の差が大きいため、分子分極が大きくなり、そのために分極した水分子を引きつける能力が強いため、水溶性有機溶剤を添加する必要もなく、所望の性能を出現したものと考えられる。
【0013】
更に、本発明に用いられる前記高沸点水溶性有機溶剤としては、グリセリン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ポリエチレングリコール,トリエタノールアミンより選択された1種または2種以上を含有したものであることが好ましい(請求項5)。
これらの高沸点水溶性有機溶剤は、ある程度の吸湿性を有するため、蒸発し難い上に大気中の水分を吸収することもでき、その結果、これらの高沸点水溶性有機溶剤を添加したインキ組成物を用いたマーキングペン等で描いた描線は、より長時間発光することが可能となる。
【0014】
また、本発明のインキ組成物に用いられる前記着色剤としては、顔料であることが好ましい(請求項6)。何故なら、ELパネルの表面に描かれた描線は一定期間経過後に発光しなくなるので、従来の黒板、ホワイトボード等と同様に、描かれた描線を消して再筆記、再描画できることが好ましいと考えられるところ、着色剤が顔料であれば、描線がELパネルに浸透することはなく、容易に描線を消すことができるからである。一方、着色剤として染料を用いると、染料がELパネルに浸透することもあり、描線を消すことが困難になるので好ましくない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の態様を詳細に説明する。
始めに、本発明に使用するELパネルの基本的な構造、及び発光の原理について説明する。
図1は本発明に用いるELパネルの断面構造を示し、図2はELパネルにおける電極の平面構造を示す。
【0016】
図中の符号1は発光層を、2は絶縁層を、3は電極を、そして4は絶縁性基材フィルムをそれぞれ示す。
ELパネルAは、銅やアルミニウム等の導線性材料を用いて略櫛歯形(例えば、電極幅0.3〜0.5mm、スリット幅0.1〜0.2mm)に形成された第1電極3aと第2電極3bの2つの電極を、互いに櫛歯が交互となるように電気的に分離してPET(ポリエチレンテレフタレート)やポリイミド等からなる絶縁性基材フィルム4上に配置させ、その上面にチタン酸バリウム等の無機粒子を含む絶縁体層2とフッ素系バインダーを含む蛍光体発光層1を積層させて構成されている。
そして、第1電極3aおよび第2電極3bの電極端子3a’,3b’に所定の交流電圧(150V程度)を印加すると、両電極間3a,3bにある蛍光体が暗所で目視できる程度にわずかに発光する。この際、ELパネルAの表面、すなわち発光層1の表面に導電性のあるインキ5を塗布すると、発光層1にある蛍光体に電界がかかり、描線下部の蛍光体発光層1が発光するため描画させたインキ5が光っているように見えるものである。
【0017】
本発明に係るELパネル用インキ組成物は、基本的に、少なくとも水と着色剤とイオン性物質と高沸点水溶性有機溶剤とを必須成分として含有する。
このうち、本発明に係る水は、脱イオンされたイオン交換水であることが好ましい。脱イオンされていない水は、例えば金属陽イオンやハロゲン陰イオン等の溶存イオンを含んでおり、これらの溶存イオンと本発明のELパネル用インキ組成物の別の必須成分であるイオン性物質との作用により析出物が生成すると、インキ詰まり等の原因になるからである。
【0018】
また、本明細書でいうイオン性物質とは、概して水に溶けてイオン化する物質をいう。従って、具体的には、塩化カルシウム、塩化カリウム等の金属塩、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム等のアンモニウム塩であってもよい。
【0019】
本発明に係るイオン性物質としては、陰イオン性または陽イオン性または両性のいずれかの界面活性剤であることが好ましい。非イオン性の界面活性剤は、イオン性を有しないため、ELパネル用インキ組成物に使用しても発光の効果がほとんどない。ここで本明細書でいう界面活性剤とは、液体の表面張力、若しくは液−液間又は液−固間の界面張力を減少させる物質であって、分子内に親水基と親油基(疎水基)とを有する物質をいう。この中で陰イオン性界面活性剤としては、大きく分類してカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等があり、具体的には石けん、N−アシルアミノスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸塩などがある。より具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムナトリウム、オレイン酸カリウム、ヤシ脂肪酸カリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等がある。
また、陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、複素環四級アンモニウム塩等があり、具体的にはジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等がある。
更に、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アルキルアミンオキサイドなどがあり、具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルアミノ酸酢酸ベタイン、ラウリルジメテルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0020】
前記界面活性剤は、本発明の水性インキ組成物中に5〜30重量%含有されることが好ましい。5重量%より少ないと界面活性剤による発光の効果や濡れ性向上の効果が極めて小さくなってしまい、30重量%より多いとインキ組成物が増粘してしまい、筆記具用等のインキ組成物として適さなくなってしまう。
【0021】
また、本明細書でいう高沸点水溶性有機溶剤とは、概ね沸点が水の沸点である100℃より高温であって、水90重量部に対して10重量部以上可溶なものをいう。具体的には、例えばグリセリン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ポリエチレングリコール,トリエタノールアミンなどがあり、それらの1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
前記高沸点水溶性有機溶剤は、本発明の水性インキ組成物中に10〜40重量%の範囲で含有されることが好ましい。10重量%より少ないと高沸点水溶性有機溶剤の効果をほとんど発揮しえなくなり、40重量%より多いとインキ組成物が増粘してしまい、筆記具用等のインキ組成物として適さなくなってしまう上に、当該高沸点水溶性有機溶剤がパネル表面に塗布されたコーティングを溶かしてしまうおそれが生じる。
【0023】
ただし、前記イオン性物質が塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムまたは塩化ラウリルトリメチルアンモニウムである場合には、本発明の水性インキ組成物中に前記高沸点水溶性有機溶剤を添加しなくても、該水性インキ組成物を用いて描かれた描線は高い発光強度を維持しつつ、発光の持続時間を充分に長くすることができる。
【0024】
また、本発明に係る水性インキ組成物は、インクに着色させるために従来公知の水溶性の染料及び/または顔料を用いることができる。
具体的には、染料としては例えば、カラーインデックス(以降C.I.)Direct Black 17,同19,同38,同154、C.I.Direct Yellow 1,同4,同12,同29、C.I.Direct Orange 6,同8,同26,同29、C.I.Direct Red 1,同2,同4,同13、C.I.Direct Blue 2,同6,同15,同78,同87等の直接染料、C.I.Acid Black 2,同31、C.I.Acid Yellow 3,同17,同23,同73、C.I.Acid Orange 10,C.I.Acid Red 13,同14,同18,同27,同52,同73,同87,同92、C.I.Acid Blue 1,同9,同74,同90等酸性染料及びC.I.Basic Yellow 2,同3、C.I.Basic Red 1,同2,同8,同12、C.I.Basic Violet 1,同3,同10、C.I.Basic Blue 5,同9,同26等塩基性染料等の水溶性染料を用いることができる。
顔料としては、水系媒体に分散可能な顔料である水分散性顔料の全てが使用可能であって、例えば、カーボンブラック、金属粉顔料等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、キナクドリン系等の有機顔料、蛍光顔料等を用いることができる。
これらのうち、染料はELパネルに浸透しやすいため、一度描線をELパネルに描くと、その描線を消すことは困難となる。一方、顔料はELパネルに浸透しないため、その描線を容易に消すことが可能なる。従って、本発明の水性インキ組成物を用いたマーキングペン等でELパネル上に筆記された描線の消しやすさの点から、顔料を用いることが好ましい。
【0025】
その他に、本発明に係る水性インキ組成物には、インキ材料として通常用いられる防腐剤、防錆剤、分散樹脂、乾燥抑制剤、pH調整剤、固着樹脂、粘度調整剤等の添加剤を必要に応じて用いることができる。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を具体的な実施例により更に詳細に説明する。
<実施例1>
【表1】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性赤色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0027】
<実施例2>
【表2】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性黄色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている直液式水性マーキングペン(蛍光スパーキー1、ゼブラ社製、商品名)と同様にインキタンクに充填した後、バルブ組み込み済み先端カバーを装着し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0028】
<実施例3>
【表3】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性蛍光桃色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を濾紙で濾過した後、ピエゾ素子を使用したインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−700C、商品名)のインキとして、インクタンクに充填し、インクジェットプリンター用インクカートリッジを作成した。
【0029】
<実施例4>
【表4】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性青色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を用いて通常の凸版印刷機でELパネルに印刷を行った。
【0030】
<実施例5>
【表5】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性青色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0031】
<実施例6>
【表6】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性緑色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている直液式水性マーキングペン(蛍光スパーキー1、ゼブラ社製、商品名)と同様にインキタンクに充填した後、バルブ組み込み済み先端カバーを装着し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0032】
<実施例7>
【表7】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性赤紫色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0033】
<実施例8>
【表8】
上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性蛍光橙色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている直液式水性マーキングペン(蛍光スパーキー1、ゼブラ社製、商品名)と同様にインキタンクに充填した後、バルブ組み込み済み先端カバーを装着し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0034】
<比較例1>
【表9】
イオン性物質を含まない上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性赤色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を濾紙で濾過した後、ピエゾ素子を使用したインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−700C、商品名)のインキとして、インクタンクに充填し、インクジェットプリンター用インクカートリッジを作成した。
【0035】
<比較例2>
【表10】
高沸点水溶性有機溶剤を含まない上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性蛍光桃色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0036】
<比較例3>
【表11】
実施例5のインキ原料のうち塩化ラウリルトリメチルアンモニウムを含有するコータミン24Pを除いた上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性青色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を、市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ株式会社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー株式会社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0037】
<比較例4>
【表12】
非イオン性の界面活性剤を用いた上記インキ原料を撹拌機を用いて撹拌混合し、水性赤紫色インキ組成物を得た。得られたインキ組成物を市販されている中綿水性マーキングペン(蛍光オプテックス1、ゼブラ社製、商品名)と同様にポリエステル繊維束中綿に充填した後、軸筒に装填し、ポリエステルペン先(テイボー社製)とキャップを装着して水性マーキングペンを作成した。
【0038】
(試験方法)
上記実施例及び比較例で作成した水性マーキングペン(実施例1,2,5〜8,比較例2〜4)、または水性インクカートリッジ(実施例3,比較例1)により、若しくは水性インキ組成物を用いて凸版印刷機により(実施例4)、ELパネル(日本電子ライト社製 青色発光無機ELパネル)に手書き筆記または印刷した後、ELパネルに通電し描線の発光状態及び持続時間を確認した。
【0039】
(評価結果)
【表13】
発光状態の説明
◎ :強い発光状態を持続
○ :徐々に弱くなったが発光状態を持続
× :描線が1分以内に発光しなくなった
− :発光時間の確認できず
【0040】
上記の評価結果から理解されるように、比較例1はイオン性物質を、また比較例3は塩化ラウリルトリメチルアンモニウムまたは塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムを含まないため、ELパネルの描線がすぐに発光しなくなった。また、比較例2は有機溶剤を含まないため描線の水分の揮発と共に描線が発光しなくなり、比較例4は界面活性剤がイオン性を有していないため、ELパネルの描線がすぐに発光しなくなった。
対して、実施例1〜8はELパネルの描線の発光状態や時間に違いは見られるものの、長時間の発光持続性が認められ、本発明の効果が実証された。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の第1発明に係るELパネル用水性インキ組成物(請求項1)は、少なくとも水と着色剤とイオン性物質及び高沸点水溶性有機溶剤を含有することで、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、描かれた描線が高い発光強度を維持しつつ発光の持続時間を充分に長くすることができる。
【0042】
また、本発明の第2、第3発明に係るELパネル用水性インキ組成物(請求項2,3)は、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムまたは塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムを含有することで、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、高沸点水溶性有機溶剤を含有しなくても高い発光強度を維持しつつ発光持続時間を長くすることができる。
【0043】
更に、請求項4記載の発明に係るELパネル用水性インキ組成物によれば、イオン性物質として界面活性剤を添加することで、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等すると、ELパネル表面で描線が弾かれることなく容易に筆記または印刷が可能となるので、ELパネル上で筆記または描線の膜厚が均一となり良好な発光状態が得られる。
【0044】
また、請求項5記載の発明に係るELパネル用水性インキ組成物によれば、高沸点水溶性有機溶剤を、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエタノールアミンより選択した1種または2種以上とすることで、発光時間を更に長くすることができる。
【0045】
更に、請求項6記載の発明に係るELパネル用水性インキ組成物によれば、着色剤を顔料とすることで、これを用いたマーキングペン等でELパネルの表面に筆記等しても、描線がELパネルに浸透することがなく、容易に描線を消すことが可能となる。
そして、本発明に係る水性インキ組成物中の着色剤の色と発光色が異なっていれば、これを用いたマーキングペン等で筆記等されたELパネルの表面に描かれた描線は、ELパネルの通電をオン・オフにすることでその色が変化するので、装飾・強調等の効果をも有することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるELパネルの模式断面図。
【図2】ELパネルに組み込まれている電極の平面構造を説明する図。
【符号の説明】
1………発光層 2………絶縁層
3a……第1電極 3a’……第1電極端子
3b……第2電極 3b’……第2電極端子
4………基材フィルム 5………インキ
Claims (6)
- 少なくとも水と着色剤とイオン性物質と高沸点水溶性有機溶剤とを含有することを特徴とするELパネル用水性インキ組成物。
- 少なくとも水と着色剤と塩化ラウリルトリメチルアンモニウムとを含有することを特徴とするELパネル用水性インキ組成物。
- 少なくとも水と着色剤と塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムとを含有することを特徴とするELパネル用水性インキ組成物。
- 前記イオン性物質が、陰イオン性または陽イオン性または両性のいずれかの界面活性剤である請求項1記載のELパネル用水性インキ組成物。
- 前記高沸点水溶性有機溶剤が、グリセリン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ポリエチレングリコール,トリエタノールアミンより選択された1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または4記載のELパネル用水性インク組成物。
- 前記着色剤が顔料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のELパネル用水性インキ組成物。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003073692A Pending JP2004277643A (ja) | 2003-03-18 | 2003-03-18 | Elパネル用水性インキ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004277643A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI414567B (zh) * | 2005-12-01 | 2013-11-11 | Sakura Color Prod Corp | 書寫文具用水性消色性墨水組成物 |
-
2003
- 2003-03-18 JP JP2003073692A patent/JP2004277643A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI414567B (zh) * | 2005-12-01 | 2013-11-11 | Sakura Color Prod Corp | 書寫文具用水性消色性墨水組成物 |
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