JP2004277521A - 塗料組成物及び塗装鋼材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、(1)環境負荷を低減するために、有機溶剤使用量を低減し、可能であれば有機溶剤を用いない、(2)工期短縮を図るため、硬化時間を速くするという特性を有する塗料組成物及びこれを用いた塗装鋼材を提供する。
【解決手段】下記一般構造式(1)で表されるエポキシ基を有するシランカップリング剤と、下記一般構造式(2)で表されるアミン系シランカップリング剤とを、エポキシ当量:アミン当量=1:0.95〜1.05の範囲で混合したシランカップリング剤100質量部に対し、水を1〜40質量部、亜鉛系金属粉末を200〜900質量部含有することを特徴とする塗料組成物及びこれを用いた塗装鋼材である。
Cn H2n+1O)3 Si(CH2 )m OCH(O)CH2 … (1)
但し、n、mは3n+m≦15を満たす正数
(Ck H2k+1O)3 Si(CH2 )lNH2 … (2)
但しk、lは3k+l≦15を満たす正数
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般構造式(1)で表されるエポキシ基を有するシランカップリング剤と、下記一般構造式(2)で表されるアミン系シランカップリング剤とを、エポキシ当量:アミン当量=1:0.95〜1.05の範囲で混合したシランカップリング剤100質量部に対し、水を1〜40質量部、亜鉛系金属粉末を200〜900質量部含有することを特徴とする塗料組成物及びこれを用いた塗装鋼材である。
Cn H2n+1O)3 Si(CH2 )m OCH(O)CH2 … (1)
但し、n、mは3n+m≦15を満たす正数
(Ck H2k+1O)3 Si(CH2 )lNH2 … (2)
但しk、lは3k+l≦15を満たす正数
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料組成物及びこれを用いた塗装鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジンクリッチペイントは、亜鉛粉末を乾燥質量で70質量%以上含有する樹脂塗料であり、防食性の高い塗料として広く用いられている。無機ジンクリッチペイントは、硬化後の塗膜に細孔が多いため、上塗りをする前に、細孔を埋めるミストコート処理が要求されるので、工程が増え、有機溶剤をより多く使用し、結露した鋼面では、塗装密着性が悪くなる、という欠点がある。また、空気中の水分によって硬化するため、硬化時間は気象の影響を大きく受ける。有機ジンクリッチペイントは、ミストコートが不要で、硬化速度も無機ジンクリッチペイントのように湿度の影響を受けないが、有機溶剤の使用量が多く、耐食性が無機ジンクリッチペイントよりも劣る。
【0003】
特開平10−46058号公報(特許文献1)では、ファスナー等の縫製された被覆製品用に、環境に負荷の大きいクロメート処理をせずに、耐食性を有する水希釈性の被覆組成物が開示されている。これは、亜鉛粉末、シランカップリング剤、高沸点有機液体、増粘剤を含むもので、約204〜343℃で5分以上の焼付を前提としている。しかし、鋼構造物用の鋼材は、一般に大きく、塗料の焼付が困難なため、大気中の自然乾燥により硬化(常温硬化)する必要があり、大型鋼構造材には適用できない。また、特許文献1の被覆組成物には、長期保存を可能にするため、水が含まれていないので、加水分解は、空気中の水分による。
【0004】
【引用文献】
(1)特許文献1(特開平10−46058号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決し、(1)環境負荷を低減するために、有機溶剤使用量を低減し、可能であれば有機溶剤を用いない、(2)工期短縮を図るため、硬化時間を速くする、という特性を有する塗料組成物及びこれを用いた塗装鋼材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)下記一般構造式(1)で表されるエポキシ基を有するシランカップリング剤と、下記一般構造式(2)で表されるアミン系シランカップリング剤とを、エポキシ当量:アミン当量=1:0.95〜1.05の範囲で混合したシランカップリング剤100質量部に対し、水を1〜40質量部、亜鉛系金属粉末を200〜900質量部含有することを特徴とする塗料組成物。
(Cn H2n+1O)3 Si(CH2 )m OCH(O)CH2 … (1)
但し、n、mは3n+m≦15を満たす正数
(Ck H2k+1O)3 Si(CH2 )lNH2 … (2)
但しk、lは3k+1≦15を満たす正数
(2)ブラスト処理をした鋼材表面に、少なくとも前記(1)記載の塗料組成物を、乾燥膜厚で5〜200μm塗布・乾燥してなる塗装鋼材にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に至った基礎概念をまず説明する。無機ジンクリッチペイントは、無機系バインダー組成物に亜鉛粉末を混合したものであり、密着性に優れ、また、硬化後塗膜には、細孔が多く存在し、これが電気的パスとなり、亜鉛粉末の犠牲防食作用を十分に発揮できる。しかし、細孔があると、上塗り塗装をした時に、上塗り塗膜に泡が発生するため、最表層の細孔を塞ぐ必要がある(ミストコート処理)。一方、有機ジンクリッチペイントは、エポキシ系樹脂に亜鉛粉末を混合したものであり、細孔が無いため、ミストコート処理を必要としないが、亜鉛粉末の犠牲防食作用は、無機ジンクリッチペイントより劣る。
【0008】
そこで、有機ジンクリッチペイントと無機ジンクリッチペイントの両方の特長を備えたバインダー組成物を模索した結果、シリカの無機骨格に有機樹脂を導入すると、細孔の密度が無機ジンクリッチペイントと有機ジンクリッチペイントの中間になり、さらにシランカップリング剤の加水分解重合反応を促進する水を添加することにより、硬化速度を早めることを見出した。さらに、加水分解に必要な水を溶解するシランカップリング剤を選定することにより、無溶剤タイプを実現し、本発明に至った。本発明では、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アミン系シランカップリング剤、亜鉛系金属粉末、水を発明の必須要件とし、必要に応じて、塗料添加物を添加したものである。
【0009】
一般に、シランカップリング剤とは、ケイ素原子に結合した官能基Cj H2j−1O−(jは正数)を有するものを言う。
本発明で用いるエポキシ基を有するシランカップリング剤は、一般構造式(1)において、n、mが大きくなると、物質は使用環境温度で固体になり、無溶剤塗料液を呈さなくなるため、3n+m≦15を満たす正数という制限を設けたが、3−グリシドキシプロピルエトキシ(メトキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルメチルエトキシ(メトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、等が例示できる。
【0010】
本発明で用いるアミン系シランカップリング剤は、アミノ基(−NH2 )あるいはイミノ基(>NH)の導入により、N−H結合を有するもので、エポキシ樹脂の硬化剤として作用し、3−アミノプロピルトリエトキシ(メトキシ)シラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシ(メトキシ)シラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシ(エトキシ)シラン、等が例示できる。エポキシ基と硬化官能基(アミン)との反応が、従来の無機ジンクリッチペイントの無機的性質に有機樹脂的性質を付与し、細孔を減少させ、ミストコートを不要にしている。一般構造式(2)において、k、lが大きくなると、物質は使用環境温度で固体になり、無溶剤塗料液を呈さなくなるため、3k+l≦15を満たす正数という制限を設けた。
【0011】
シランカップリング剤は、加水分解により、重合反応をするシラノール基を生成するので、水が必要である。加水分解は、空気中の水分でも起きるが、水を添加することにより、加水分解の反応速度を増大させ、加熱することなく、短時間で塗膜を硬化させることができる。通常のシランカップリング剤は、水と相溶性がないため、アルコール等の有機溶剤を加えて、相溶させなければならない。本発明の大きな特徴の一つは、アミン系シランカップリング剤が水溶性であることを利用し、有機溶剤の介在なしで、水を相溶させたことである。これにより、無溶剤かつ速硬化性が実現した。
【0012】
エポキシ基を有するシランカップリング剤とアミン系シランカップリング剤は、1:1の当量比で混合すると、それぞれの官能基が過不足無く反応、消費され、有機樹脂骨格を形成する。ここでいう当量とは、エポキシ基を有するシランカップリングのエポキシ当量あるいはアミン系シランカップリング剤のアミノ価とイミン価の合計値である.しかし、厳密に1:1に混合することは困難なので、その許容範囲を1:0.95〜1.05に規定した。この範囲から外れるほど、塗料の硬化速度が長くなる傾向がある。
【0013】
水の量は、少なすぎると、塗装ムラが目立ち、シラノール重合を促進せず、また、溶解度を超すと、塗料液が分離し、均一にならないので、シランカップリング剤100質量部に対して、0〜40質量部の水が必要である。シランカップリング剤の加水分解に必要な水の理論量は、バインダー中の全アルコキシ基のモル数と等しいモル量であるが、加水分解速度、水の溶解度、塗装後の水の損失量、亜鉛系粉末の分散性、塗料粘度等を考慮し、予備塗装によって水の量を設定することが奨められる。
【0014】
亜鉛系金属粉末は、亜鉛が主成分の金属粉末で、これにより犠牲防食が発現される。ここでいう主成分とは、亜鉛含有量が50質量%を超えることを意味する。通常は、製造上不可避の元素を若干含む亜鉛粉末を用いるが、マグネシウム、アルミ、シリコン等の元素が添加された亜鉛合金粉末であってもよい。また、分散性向上、ぬれ性向上のために粉末表面に表面処理を施してもよい。亜鉛系金属粉末の粒径に対する個数頻度分布は、3〜10μmにピークのあるものが好ましい。亜鉛系金属粉末の含有量は、バインダー100質量部に対して900質量部を超えると、バインダーが少な過ぎるため、塗料液を呈さなくなるか、あるいは塗膜がもろくなるので、900質量部以下とした。一方、ジンクリッチ塗料組成物の規格品は、混合塗料中の加熱残分が70質量%以上でなくてはならないので、バインダー100質量部に対して、亜鉛系金属粉末を200質量部以上、好ましくは270〜500質量部を含有させることが奨められる。
【0015】
本発明の塗料組成物に、さらに、アルカリ性物質、重合反応触媒、顔料、分散剤、湿潤剤、沈澱防止剤、増粘剤から選ばれる1種以上を、用途、塗装法、使用環境に応じて含有させてもよい。
ここでいう、アルカリ性物質は、その飽和水溶液がアルカリ性(常温で7より大きいpH)を示す物質であり、亜鉛末や基材の腐食を抑制し、シランカップリング剤の加水分解反応も促進する。酸化亜鉛、酸化マグネシウム、金属アミン塩等が例示できるが、これに限定するものではない。
【0016】
重合反応触媒は、シランカップリング剤の加水分解縮重合反応あるいはエポキシ基開環重合反応を促進させるものであり、アンモニア、3級アミンが例示できるが、用いるシランカップリング剤の種類、ポットライフに応じて、適切な量を添加することが奨められる。
顔料は、塗膜の意匠性、耐候性、堅牢性等を向上するために添加するもので、カーボン、金属酸化物、アルカリ金属以外の珪酸塩等が挙げられるが、限定するものではない。
【0017】
乾燥剤は、シランカップリング剤の有機樹脂成分に脂肪酸が導入された場合に、重合反応を促進する目的で、0.01〜1%(金属石鹸の場合の金属の質量%)を目安に添加することが可能で、金属石鹸乾燥剤、塩類乾燥剤、有機乾燥剤が例示できる。
分散剤は、亜鉛末、顔料等の微粒子を液中に分散させて、安定な懸濁液を作るために添加され、解コウ剤、保護コロイド、凝結防止剤を含むものをいい、アルキルアミンリン酸塩、第四級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示できる。
【0018】
乳化剤は、エマルジョンの安定化のために添加されるものをいい、ポリグリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が例示できる。
湿潤剤は、顔料がビヒクルに濡れる時の作用を増大させるために添加され、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が例示できる。
消泡剤は、泡の発生を防ぐために添加され、オクチルアルコール、リン酸ブチル、シリコーン等が例示できる。
【0019】
沈澱防止剤は、亜鉛系金属粉末、顔料等がビヒクルから分離して、容器の底部に沈澱する現象を防止するために添加されるもので、アルミニウムステアレート、シリカゲル等が例示できる。
増粘剤は、塗料の粘ちょう度を増し、保護コロイドの役割を演ずる添加剤をいう。塗料においては、粘度増加の目的だけではなく、ヌレや分散性をよくし、沈澱防止、流れ止めの役割も果し、金属石鹸、けい酸質、ベントナイト等が例示できる。
【0020】
塗装方法は、限定するものではないが、エアレス塗装、刷毛塗り、ローラー塗装が推奨される。しかし、当該発明品の塗料の硬化時間は、一般に水が多いほど速く、ポットライフも短くなるため、場合によっては、通常のエアレス塗装等の塗装手段の使用が困難になる。その場合、塗装直前に水を添加・混合するために、スタテック・ミキサーを用いることが奨められる。
【0021】
本発明の塗料組成物は、通常、亜鉛等のめっきが困難な、構造物に用いる厚板、大径鋼管、条鋼等に、めっきの代替として塗装される。ブラスト処理は、現場で簡便に確実に鋼材表面の酸化物層、スケールを除去できる手段であり、サンドブラスト、ショットブラスト等が例示できる。表面調製の程度は、鋼面の赤錆、黒錆、その他のスケールを除去したレベル(Sa21/2以上)でなくてはならない。ブラスト処理によって、フレッシュな表面が得られ、この上に塗装することにより、信頼性の高い当該発明品を得ることができる。
【0022】
推奨される塗装膜厚は、長期耐久性が要求される塗装系には70〜80μm(乾燥膜厚、以下同じ)、一次防錆(ショッププライマー)として用いる場合は10〜20μmであるが、これに限定するものではない。一次防錆は、塗膜が薄い分、防食性も低下することを前提に、在庫品を短期的に防錆するため等に用いられるが、それでも5μm未満になると、防錆効果が実用的では無くなるので、5μm以上に規定した。また、200μmを超えると、耐久性に対するコストパフォーマンスが悪くなるため、200μm以下とした。
【0023】
さらに、本発明の塗料組成物塗膜の上に、さらに他の塗装を行なうことにより、防食性・意匠性を高めることができる。塗装仕様は、目的、コスト、環境に応じて決定すべきものであるが、一例として、当該発明の塗料75μm、エポキシ樹脂塗料60μm×2層、フッ素樹脂塗料あるいはポリウレタン樹脂塗料を25〜30μm×2層が挙げられる。
【0024】
【実施例】
エポキシ基を有するシランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルエトキシシラン、アミンであるシランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシランを、1:1の当量比で混合した(以下、バインダーと称す)。これに、表1に示すように、所定量の水と亜鉛金属粉末を配合・混合し、さらに、添加物として、珪酸マグネシウム粉末を亜鉛粉末に対して2質量%添加して、塗料組成物を調合した。Sa21/2にブラスト処理した普通鋼に、調合した塗料組成物を乾燥膜厚で200μm、75μm、10μmとなるようにそれぞれ塗装した。当該発明品に対する比較として、同様に、従来品としてエチルシリケート系の無機ジンクリッチ塗料を200μm、75μm、10μm塗装した。
【0025】
定期的に塗装面のセロハンテープ剥離を行ない、セロハンテープに塗料・塗膜が付かなくなった時間を求め、硬化時間とした。硬化後、塗膜外観を観察した。200μm、75μmを塗装したサンプルに対して、塗膜硬化後、JIS K 5553に準拠して、SST試験を360時間行ない、耐食性試験とした。クロスカット部の赤錆発生を観察し、赤錆が見られたものに×、見られないものに○を、表中に記した。10μmを塗装したサンプル対して、SST試験を行ない、8時間おきに観察し、赤錆の発生時間を測定した。200μm、75μm塗布したサンプルに、さらにエポキシ樹脂塗料を20μm上塗りし、上塗り塗装面の外観を観察した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明により、環境負荷を低減したジンクリッチ塗料組成物が提供できる共に、この塗料組成物を用いることにより、短時間で塗工作業を完了することができ、しかも、得られる塗膜はミストコート処理を必要とせず、耐食性、上塗り塗装性に優れた塗装鋼材を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料組成物及びこれを用いた塗装鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジンクリッチペイントは、亜鉛粉末を乾燥質量で70質量%以上含有する樹脂塗料であり、防食性の高い塗料として広く用いられている。無機ジンクリッチペイントは、硬化後の塗膜に細孔が多いため、上塗りをする前に、細孔を埋めるミストコート処理が要求されるので、工程が増え、有機溶剤をより多く使用し、結露した鋼面では、塗装密着性が悪くなる、という欠点がある。また、空気中の水分によって硬化するため、硬化時間は気象の影響を大きく受ける。有機ジンクリッチペイントは、ミストコートが不要で、硬化速度も無機ジンクリッチペイントのように湿度の影響を受けないが、有機溶剤の使用量が多く、耐食性が無機ジンクリッチペイントよりも劣る。
【0003】
特開平10−46058号公報(特許文献1)では、ファスナー等の縫製された被覆製品用に、環境に負荷の大きいクロメート処理をせずに、耐食性を有する水希釈性の被覆組成物が開示されている。これは、亜鉛粉末、シランカップリング剤、高沸点有機液体、増粘剤を含むもので、約204〜343℃で5分以上の焼付を前提としている。しかし、鋼構造物用の鋼材は、一般に大きく、塗料の焼付が困難なため、大気中の自然乾燥により硬化(常温硬化)する必要があり、大型鋼構造材には適用できない。また、特許文献1の被覆組成物には、長期保存を可能にするため、水が含まれていないので、加水分解は、空気中の水分による。
【0004】
【引用文献】
(1)特許文献1(特開平10−46058号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決し、(1)環境負荷を低減するために、有機溶剤使用量を低減し、可能であれば有機溶剤を用いない、(2)工期短縮を図るため、硬化時間を速くする、という特性を有する塗料組成物及びこれを用いた塗装鋼材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)下記一般構造式(1)で表されるエポキシ基を有するシランカップリング剤と、下記一般構造式(2)で表されるアミン系シランカップリング剤とを、エポキシ当量:アミン当量=1:0.95〜1.05の範囲で混合したシランカップリング剤100質量部に対し、水を1〜40質量部、亜鉛系金属粉末を200〜900質量部含有することを特徴とする塗料組成物。
(Cn H2n+1O)3 Si(CH2 )m OCH(O)CH2 … (1)
但し、n、mは3n+m≦15を満たす正数
(Ck H2k+1O)3 Si(CH2 )lNH2 … (2)
但しk、lは3k+1≦15を満たす正数
(2)ブラスト処理をした鋼材表面に、少なくとも前記(1)記載の塗料組成物を、乾燥膜厚で5〜200μm塗布・乾燥してなる塗装鋼材にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に至った基礎概念をまず説明する。無機ジンクリッチペイントは、無機系バインダー組成物に亜鉛粉末を混合したものであり、密着性に優れ、また、硬化後塗膜には、細孔が多く存在し、これが電気的パスとなり、亜鉛粉末の犠牲防食作用を十分に発揮できる。しかし、細孔があると、上塗り塗装をした時に、上塗り塗膜に泡が発生するため、最表層の細孔を塞ぐ必要がある(ミストコート処理)。一方、有機ジンクリッチペイントは、エポキシ系樹脂に亜鉛粉末を混合したものであり、細孔が無いため、ミストコート処理を必要としないが、亜鉛粉末の犠牲防食作用は、無機ジンクリッチペイントより劣る。
【0008】
そこで、有機ジンクリッチペイントと無機ジンクリッチペイントの両方の特長を備えたバインダー組成物を模索した結果、シリカの無機骨格に有機樹脂を導入すると、細孔の密度が無機ジンクリッチペイントと有機ジンクリッチペイントの中間になり、さらにシランカップリング剤の加水分解重合反応を促進する水を添加することにより、硬化速度を早めることを見出した。さらに、加水分解に必要な水を溶解するシランカップリング剤を選定することにより、無溶剤タイプを実現し、本発明に至った。本発明では、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アミン系シランカップリング剤、亜鉛系金属粉末、水を発明の必須要件とし、必要に応じて、塗料添加物を添加したものである。
【0009】
一般に、シランカップリング剤とは、ケイ素原子に結合した官能基Cj H2j−1O−(jは正数)を有するものを言う。
本発明で用いるエポキシ基を有するシランカップリング剤は、一般構造式(1)において、n、mが大きくなると、物質は使用環境温度で固体になり、無溶剤塗料液を呈さなくなるため、3n+m≦15を満たす正数という制限を設けたが、3−グリシドキシプロピルエトキシ(メトキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルメチルエトキシ(メトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、等が例示できる。
【0010】
本発明で用いるアミン系シランカップリング剤は、アミノ基(−NH2 )あるいはイミノ基(>NH)の導入により、N−H結合を有するもので、エポキシ樹脂の硬化剤として作用し、3−アミノプロピルトリエトキシ(メトキシ)シラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシ(メトキシ)シラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシ(エトキシ)シラン、等が例示できる。エポキシ基と硬化官能基(アミン)との反応が、従来の無機ジンクリッチペイントの無機的性質に有機樹脂的性質を付与し、細孔を減少させ、ミストコートを不要にしている。一般構造式(2)において、k、lが大きくなると、物質は使用環境温度で固体になり、無溶剤塗料液を呈さなくなるため、3k+l≦15を満たす正数という制限を設けた。
【0011】
シランカップリング剤は、加水分解により、重合反応をするシラノール基を生成するので、水が必要である。加水分解は、空気中の水分でも起きるが、水を添加することにより、加水分解の反応速度を増大させ、加熱することなく、短時間で塗膜を硬化させることができる。通常のシランカップリング剤は、水と相溶性がないため、アルコール等の有機溶剤を加えて、相溶させなければならない。本発明の大きな特徴の一つは、アミン系シランカップリング剤が水溶性であることを利用し、有機溶剤の介在なしで、水を相溶させたことである。これにより、無溶剤かつ速硬化性が実現した。
【0012】
エポキシ基を有するシランカップリング剤とアミン系シランカップリング剤は、1:1の当量比で混合すると、それぞれの官能基が過不足無く反応、消費され、有機樹脂骨格を形成する。ここでいう当量とは、エポキシ基を有するシランカップリングのエポキシ当量あるいはアミン系シランカップリング剤のアミノ価とイミン価の合計値である.しかし、厳密に1:1に混合することは困難なので、その許容範囲を1:0.95〜1.05に規定した。この範囲から外れるほど、塗料の硬化速度が長くなる傾向がある。
【0013】
水の量は、少なすぎると、塗装ムラが目立ち、シラノール重合を促進せず、また、溶解度を超すと、塗料液が分離し、均一にならないので、シランカップリング剤100質量部に対して、0〜40質量部の水が必要である。シランカップリング剤の加水分解に必要な水の理論量は、バインダー中の全アルコキシ基のモル数と等しいモル量であるが、加水分解速度、水の溶解度、塗装後の水の損失量、亜鉛系粉末の分散性、塗料粘度等を考慮し、予備塗装によって水の量を設定することが奨められる。
【0014】
亜鉛系金属粉末は、亜鉛が主成分の金属粉末で、これにより犠牲防食が発現される。ここでいう主成分とは、亜鉛含有量が50質量%を超えることを意味する。通常は、製造上不可避の元素を若干含む亜鉛粉末を用いるが、マグネシウム、アルミ、シリコン等の元素が添加された亜鉛合金粉末であってもよい。また、分散性向上、ぬれ性向上のために粉末表面に表面処理を施してもよい。亜鉛系金属粉末の粒径に対する個数頻度分布は、3〜10μmにピークのあるものが好ましい。亜鉛系金属粉末の含有量は、バインダー100質量部に対して900質量部を超えると、バインダーが少な過ぎるため、塗料液を呈さなくなるか、あるいは塗膜がもろくなるので、900質量部以下とした。一方、ジンクリッチ塗料組成物の規格品は、混合塗料中の加熱残分が70質量%以上でなくてはならないので、バインダー100質量部に対して、亜鉛系金属粉末を200質量部以上、好ましくは270〜500質量部を含有させることが奨められる。
【0015】
本発明の塗料組成物に、さらに、アルカリ性物質、重合反応触媒、顔料、分散剤、湿潤剤、沈澱防止剤、増粘剤から選ばれる1種以上を、用途、塗装法、使用環境に応じて含有させてもよい。
ここでいう、アルカリ性物質は、その飽和水溶液がアルカリ性(常温で7より大きいpH)を示す物質であり、亜鉛末や基材の腐食を抑制し、シランカップリング剤の加水分解反応も促進する。酸化亜鉛、酸化マグネシウム、金属アミン塩等が例示できるが、これに限定するものではない。
【0016】
重合反応触媒は、シランカップリング剤の加水分解縮重合反応あるいはエポキシ基開環重合反応を促進させるものであり、アンモニア、3級アミンが例示できるが、用いるシランカップリング剤の種類、ポットライフに応じて、適切な量を添加することが奨められる。
顔料は、塗膜の意匠性、耐候性、堅牢性等を向上するために添加するもので、カーボン、金属酸化物、アルカリ金属以外の珪酸塩等が挙げられるが、限定するものではない。
【0017】
乾燥剤は、シランカップリング剤の有機樹脂成分に脂肪酸が導入された場合に、重合反応を促進する目的で、0.01〜1%(金属石鹸の場合の金属の質量%)を目安に添加することが可能で、金属石鹸乾燥剤、塩類乾燥剤、有機乾燥剤が例示できる。
分散剤は、亜鉛末、顔料等の微粒子を液中に分散させて、安定な懸濁液を作るために添加され、解コウ剤、保護コロイド、凝結防止剤を含むものをいい、アルキルアミンリン酸塩、第四級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示できる。
【0018】
乳化剤は、エマルジョンの安定化のために添加されるものをいい、ポリグリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が例示できる。
湿潤剤は、顔料がビヒクルに濡れる時の作用を増大させるために添加され、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が例示できる。
消泡剤は、泡の発生を防ぐために添加され、オクチルアルコール、リン酸ブチル、シリコーン等が例示できる。
【0019】
沈澱防止剤は、亜鉛系金属粉末、顔料等がビヒクルから分離して、容器の底部に沈澱する現象を防止するために添加されるもので、アルミニウムステアレート、シリカゲル等が例示できる。
増粘剤は、塗料の粘ちょう度を増し、保護コロイドの役割を演ずる添加剤をいう。塗料においては、粘度増加の目的だけではなく、ヌレや分散性をよくし、沈澱防止、流れ止めの役割も果し、金属石鹸、けい酸質、ベントナイト等が例示できる。
【0020】
塗装方法は、限定するものではないが、エアレス塗装、刷毛塗り、ローラー塗装が推奨される。しかし、当該発明品の塗料の硬化時間は、一般に水が多いほど速く、ポットライフも短くなるため、場合によっては、通常のエアレス塗装等の塗装手段の使用が困難になる。その場合、塗装直前に水を添加・混合するために、スタテック・ミキサーを用いることが奨められる。
【0021】
本発明の塗料組成物は、通常、亜鉛等のめっきが困難な、構造物に用いる厚板、大径鋼管、条鋼等に、めっきの代替として塗装される。ブラスト処理は、現場で簡便に確実に鋼材表面の酸化物層、スケールを除去できる手段であり、サンドブラスト、ショットブラスト等が例示できる。表面調製の程度は、鋼面の赤錆、黒錆、その他のスケールを除去したレベル(Sa21/2以上)でなくてはならない。ブラスト処理によって、フレッシュな表面が得られ、この上に塗装することにより、信頼性の高い当該発明品を得ることができる。
【0022】
推奨される塗装膜厚は、長期耐久性が要求される塗装系には70〜80μm(乾燥膜厚、以下同じ)、一次防錆(ショッププライマー)として用いる場合は10〜20μmであるが、これに限定するものではない。一次防錆は、塗膜が薄い分、防食性も低下することを前提に、在庫品を短期的に防錆するため等に用いられるが、それでも5μm未満になると、防錆効果が実用的では無くなるので、5μm以上に規定した。また、200μmを超えると、耐久性に対するコストパフォーマンスが悪くなるため、200μm以下とした。
【0023】
さらに、本発明の塗料組成物塗膜の上に、さらに他の塗装を行なうことにより、防食性・意匠性を高めることができる。塗装仕様は、目的、コスト、環境に応じて決定すべきものであるが、一例として、当該発明の塗料75μm、エポキシ樹脂塗料60μm×2層、フッ素樹脂塗料あるいはポリウレタン樹脂塗料を25〜30μm×2層が挙げられる。
【0024】
【実施例】
エポキシ基を有するシランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルエトキシシラン、アミンであるシランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシランを、1:1の当量比で混合した(以下、バインダーと称す)。これに、表1に示すように、所定量の水と亜鉛金属粉末を配合・混合し、さらに、添加物として、珪酸マグネシウム粉末を亜鉛粉末に対して2質量%添加して、塗料組成物を調合した。Sa21/2にブラスト処理した普通鋼に、調合した塗料組成物を乾燥膜厚で200μm、75μm、10μmとなるようにそれぞれ塗装した。当該発明品に対する比較として、同様に、従来品としてエチルシリケート系の無機ジンクリッチ塗料を200μm、75μm、10μm塗装した。
【0025】
定期的に塗装面のセロハンテープ剥離を行ない、セロハンテープに塗料・塗膜が付かなくなった時間を求め、硬化時間とした。硬化後、塗膜外観を観察した。200μm、75μmを塗装したサンプルに対して、塗膜硬化後、JIS K 5553に準拠して、SST試験を360時間行ない、耐食性試験とした。クロスカット部の赤錆発生を観察し、赤錆が見られたものに×、見られないものに○を、表中に記した。10μmを塗装したサンプル対して、SST試験を行ない、8時間おきに観察し、赤錆の発生時間を測定した。200μm、75μm塗布したサンプルに、さらにエポキシ樹脂塗料を20μm上塗りし、上塗り塗装面の外観を観察した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明により、環境負荷を低減したジンクリッチ塗料組成物が提供できる共に、この塗料組成物を用いることにより、短時間で塗工作業を完了することができ、しかも、得られる塗膜はミストコート処理を必要とせず、耐食性、上塗り塗装性に優れた塗装鋼材を提供できる。
Claims (2)
- 下記一般構造式(1)で表されるエポキシ基を有するシランカップリング剤と、下記一般構造式(2)で表されるアミン系シランカップリング剤とを、エポキシ当量:アミン当量=1:0.95〜1.05の範囲で混合したシランカップリング剤100質量部に対し、水を1〜40質量部、亜鉛系金属粉末を200〜900質量部含有することを特徴とする塗料組成物。
(Cn H2n+1O)3 Si(CH2 )m OCH(O)CH2 … (1)
但し、n、mは3n+m≦15を満たす正数
(Ck H2k+1O)3 Si(CH2 )lNH2 … (2)
但しk、lは3k+1≦15を満たす正数 - ブラスト処理をした鋼材表面に、少なくとも請求項1記載の塗料組成物を、乾燥膜厚で5〜200μm塗布・乾燥してなる塗装鋼材。
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JP2011246636A (ja) * | 2010-05-28 | 2011-12-08 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 水性シロキサン塗料組成物及びその製造方法、表面処理剤、表面処理鋼材並びに塗装鋼材 |
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2003
- 2003-03-14 JP JP2003069134A patent/JP2004277521A/ja not_active Withdrawn
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