JP2004277351A - キラル分割用イオン性液体 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規なキラル分割用イオン性液体を提供する。
【解決手段】陽イオン中に極性基を有するキラルなイオン性液体を用いる。
【選択図】 図2
【解決手段】陽イオン中に極性基を有するキラルなイオン性液体を用いる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキラル分割用イオン性液体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、キラル化合物の単離方法として、不斉合成法とラセミ状態で合成したうえでキラル分割する方法が用いられている。ラセミ状態からの分割方法は結晶化法、クロマトグラフィーを用いる方法、酵素を用いる方法、包接化合物法に分類される。これらの方法は対象物質の特定化、非効率的、環境への影響といった問題を抱えている。
【0003】イオン性液体は触媒機能を有する反応溶媒として有機合成反応において注目されている。また、その電気伝導性の高さから電解質としても関心を集めている。
【0004】陽イオン中に非極性基のみを含むキラルなイオン性液体はあるが、陽イオン中に極性基を有する光学活性なイオン性液体は無い。また、分子中、特に陽イオン中に極性基を有するが水と相分離するイオン性液体も無い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の如く、不斉合成法は対象物質が限定されており全ての物質について可能ではない。ラセミ状態からの分割法は非効率的であり環境への影響といった問題を抱えている。
【0006】陽イオン中に非極性基のみを含むキラルなイオン性液体では、分割すべき目的物質との間に水素結合を始めとする相互作用が生じないため、キラル認識は難しくキラル分割も困難である。
【0007】分子中、特に陽イオン中に極性基を導入したこれまでのイオン性液体は水と混合するため水からの抽出には用いることができない。
【0008】本発明は、斯かる実情に鑑み、様々な化合物を対象とした効率的で好環境的なキラル分割の手段として陽イオン中に極性基を有するキラルなイオン性液体を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はキラル分割用イオン性液体はイオン性液体の性質を持ち、陽イオン中に極性基を有するキラルなキラル分割を目的とした物質にかかるものである。
【0010】本発明で言うイオン性液体とは、陽イオンと陰イオンの組み合わせから構成される塩であり、その融点はおよそ100℃以下で室温(およそ25℃)程度では蒸気圧はほぼ0に等しく、200℃から300℃の高温状態においても安定な液体として保たれる高沸点な熱安定性物質である。また、その腐食性は大変低く、高い比熱容量を持ち、粘性は比較的低く、高イオン伝導性であり、引火性、可燃性がない安全な物質である.
【0011】本発明の光学分割用イオン性液体は陽イオン中に極性基を有するキラルな物質であるため目的とする物質と水素結合を始めとする相互作用が生じ、選択的認識によるキラル分割が可能となる。
【0012】キラル分割の方法としては水と相分離する性質を生かし液液抽出ができる。また、陽イオン中に極性基を有するキラルなイオン性液体であれば、室温で固体であったり水と混合しても温度やpHの調整や水と相分離するキラルではないイオン性液体や有機溶媒と混ぜることにより水と相分離する状態になるならば、極性基の作用により液液抽出は可能である。更にこの光学分割用イオン性液体と相分離する物質であればその中に溶解した化合物とイオン性液体の極性基が相互作用すれば光学分割は可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のキラル分割用イオン性液体の構成は上記の通り,陽イオンと陰イオンの組み合わせからなるものである。
【0014】本発明にかかる陽イオン種はヘテロ原子を含む化合物の分子内に正電荷を有する化学種である。
【0015】ヘテロ原子として窒素を含む場合、アンモニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。窒素を含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、ピロリドン環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリドン環、ヒダントイン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、ピラゾリドン環、テルラゾール環、テルラゾリジン環、イソテルラゾール環、イソテルラゾリジン環、セレナゾール環、イソセレナゾール環、イソセレナゾリジン環、チアゾール環、チアゾリジン環、イソチアゾール環、イソチアゾリジン環、イソチアゾリドン環、オキサゾリジン環、イソオキサゾール環、イソオキサゾリジン環、イソオキサゾリドン環、フラザン環、トリアゾール環、テトラゾール環、トリアジン環、テトラジン環、オキザジン環、チアジン環、インダゾール環、トリアゾリジン環、ピペリジン環、ピペリジル環、ピペリドン環、ピペリドン環、ピリジン環、ピリジル環、ピラジン環、ピペラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チオモルホリン環、チオモルホリノ環、モルホリン環、モルホリノ環、ピロリジン環、ピロリジジン環、1H−1−ピリンジン環、1−ピリンダン環、1H−2−ピリンジン環、2−ピリンダン、インドリンジン、インドリジジン、イソインドール環、イソインドリン環、インドール環、インドリン環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、イソキノリル環、イソキノロン環、キノリン環、キノリル環、キノロン環、2,7−ナフチリジン環、2,6−ナフチリジン環、フタラジン環、1,8−ナフチリジン環、1,7−ナフチリジン環、1,6−ナフチリジン環、1,6−ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾセレナジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾリン環、フェナゾン環、キヌクリジン環、カルバゾール環、β−カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、1,7−フェナントロリン環、1,8−フェナントロリン環、1,9−フェナントロリン環、1,10−フェナントロリン環、2,8−フェナントロリン環、2,9−フェナントロリン環、2,10−フェナントロリン環、3,9−フェナントロリン環、3,10−フェナントロリン環、4,10−フェナントロリン環、フェナジン環、フェノテルラジン環、フェノセレナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アンチリジン環、テベニジン環、キンドリン環、キニンドリン環、アクリンドリン環、フタロペリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環などから選ばれる複素環を有する化合物である。
【0016】ヘテロ原子としてリンを含む場合、ホスホニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。リンを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、ホスフィンドリジン環、イソホスフィンドール環、ホスフィンドール環、ホスフィノリジン環、イソホスフィノリン環、ホスフィノリン環、ホスファントリジン環、アクリドホスフィン環、ホスファントレン環、フェノキサホスフィニン環、フェノキサホスフィン環、フェノホスファジニン環、フェノホスファジン環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0017】ヘテロ原子としてヒ素を含む場合、アルソニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。ヒ素を含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、アルシンドリジン環、イソアルシンドール環、アルシンドール環、アルシノリジン環、イソアルシノリン環、アルシノリン環、アルサントリジン環、アクリドアルシン環、アルサントレン環、ゲノキサルシニン環、フェノキサルシン環、フェナルサジニン環、フェナルサジン環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0018】ヘテロ原子としてイオウを含む場合、スルファニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。イオウを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、チオフェン環、チエニル環、テニル環、チオピラン環、チオピリリウム環、イソチオクロメン環、イソチオクロマン環、チオクロメン環、レンチオニン環、チオナフテン環、チオファントレン環、チオクロマン環、チオフラビリウム環、チオキサンテン環、チオキサンチリウム環、チアントレン環、フェノキサチイン環等、また陽イオンであるチオクロメニリウム環やイソチオクロメニリウム環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0019】ヘテロ原子として酸素を含む場合、オキソニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。酸素を含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、イソベンゾフラン環、ベンゾフラン環、イソクロメン環、クロメン環、キサンテン環、オキサントレン環等、また陽イオンであるクロメニリウム環、イソクロメニリウム環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0020】ヘテロ原子としてセレンを含む場合、セレノニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。セレンを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、セレノフェン環、セレノピラン環、イソセレノクロメン環、セレノクロメン環、セレノキサンテン環、セレナントレン環、フェノキサセレニン環等、また陽イオンであるセレノピリリウム環、イソセレノクロメニリウム環、セレノクロメニリウム環、セレノキサンチリウム環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0021】ヘテロ原子としてテルルを含む場合、テルロニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。テルルを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、テルロフェン環、テルロピラン環、イソテルロクロメン環、テルロクロメン環、テルロキサンテン環、テルラントレン環、フェノキサテルリン環等、また陽イオンであるテルロピラン環、イソテルロクロメニリウム環、テルロクロメニリウム環、テルロキサンチリウム環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0022】ヘテロ原子としてアンチモンを含む場合、スチボニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。アンチモンを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、スチバトレン環、フェノキサスチビニン環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0023】イオン性液体を形成する際には、これらの鎖式化合物または基本複素環に含まれるヘテロ原子が電荷を帯びるか、もしくは環全体に電荷が非局在化して対イオンとの間にイオン結合が生じることにより安定化する。
【0024】鎖式化合物または基本複素環には任意構造の置換基の結合が可能であるが、本発明でのイオン性液体では陽イオン中に一個以上の極性基を有し、かつ不斉構造を取る必要がある。この不斉構造は基本複素環中に含まれる事もあり、それ以外に含まれる事もある。
【0025】本発明にかかる陽イオンの構造としては、窒素、リン、ヒ素、アンチモンにおいては一般式(1)
【0026】
【化1】
【0027】または、一般式(2)
【0028】
【化2】
【0029】(式中、Eは窒素、リン、ヒ素、アンチモンのいずれかを表し、R1、R2、R3、R4、R5は構成中に極性基を含む同一または異なるアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基を表す。但し、(1)の場合R1、R2、R3、R4のいずれか1つ以上の構成中に極性基が含まれれば残りの構成中には極性基は含まなくても構わない。)で表される。
【0030】酸素、イオウ、セレン、テルルにおいては一般式(3)
【0031】
【化3】
【0032】または、一般式(4)
【0033】
【化4】
【0034】(式中、Chは酸素、イオウ、セレン、テルルのいづれかを表し、R1、R2、R3、R4、は構成中に極性基を含む同一または異なるアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基を表す。但し、(3)の場合R1、R2、R3、R4のいずれか1つ以上の構成中に極性基が含まれれば残りの構成中には極性基は含まなくても構わない。)で表される。
【0035】極性基としてはアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、シアノ基、メルカプト基、ニトロ基などが挙げられる。アルキル基としては母体鎖や側鎖の構成中に極性基を含む事ができる分岐を有する若しくは有しないアルキル基であり、母体鎖の炭素数としては1〜8程度が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。アルキル基の母体鎖を例示すればメチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、ベンジルなどが挙げられる。フルオロアルキル基としては母体鎖や側鎖の構成中に極性基を含む事ができる分岐を有する若しくは有しないフルオロアルキル基であり、母体鎖の炭素数としては1〜8程度が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。フルオロアルキル基の母体鎖を例示すればトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ナノフルオロブチル基などが挙げられる。アリール基としては構成中に極性基を含む事ができるアリール基であり、フェニル基または極性基や前記アルキル基、フルオロアルキル基の置換したフェニル基などが挙げられる。
【0036】本発明にかかる陰イオン種としては、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、テトラクロロアルミネート、クロライド、ブロマイド、ヨージド、スルホネート、HnFn+1 − (n=2,3)で示される2.3HF、ヘキサフルオロニボレート、ヘキサフルオロタンタレート、ヘキサフルオロシラレート、一般式(5)、Sb nF5n+1 − (5)
(式中、nは自然数。)で示されるフッ化アンチモン類、一般式(6)、
RCOO−(6)
(式中、Rは分枝を有する若しくは有しなく、尚且つ構成中に極性基を有する若しくは有しないアルキル基、フルオロアルキル基を表す。)で表されるカルボキシレート、一般式(7)、RSO3 −(7)
(式中、Rは分枝を有する若しくは有しなく、尚且つ構成中に極性基を有する若しくは有しないアルキル基、フルオロアルキル基を表す。)で表されるアルカンスルホネート、一般式(8)、(RSO2)2N−(8)
(式中、Rは分枝を有する若しくは有しなく、尚且つ構成中に極性基を有する若しくは有しないアルキル基、フルオロアルキル基を表す。但し二個のRが繋がっていても構わない。)で表されるビスアルカンスルホニルイミド、錯イオンなどである。
【0037】一般式(6)で表されるカルボキシレートとしてはRの炭素数が1〜10程度が好ましく、例示するとアセテート、プロピオネート、トリフルオロアセテート、ペンタフルオロプロパネート、ヘプタフルオロブタネート、ノナフルオロペンタネート等が挙げられる。
【0038】一般式(7)で表されるアルカンスルホネートとしてはRの炭素数が1〜10程度が好ましく、例示するとメタンスルホネート、エタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
【0039】一般式(8)で表されるビスアルカンスルホニルイミドとしてはRの炭素数が1〜10程度が好ましく、例示するとビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、ビス(ウンデカフルオロペンタンスルホニル)イミド、(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、(トリフルオロメタンスルホニル)(ヘプラフルオロプロパンスルホニル)イミド、(トリフルオロメタンスルホニル)(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、ビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)イミド、(トリフルオロメタンスルホニル)(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)イミド、一般式(9)
【0040】
【化5】
【0041】(式中、nは2〜10の整数を表す。)で表される化合物などが例示できる。
【0042】上記陰イオン種としては上記のうち、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、フルオロカルボキシレート、フルオロアルカンスルホネート、ビス(フルオロアルカンスルホニル)イミドが好ましく、ヘキサフルオロホスフェート、パーフルオロアルカンスルホネート、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドがより好ましい。
【0043】本発明のイオン性液体を例示するならば、一般式(10)
【0044】
【化6】
【0045】(式中、R2は一般式(2)における意味と同じ、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8は一価の基を表す。A−は陰イオンを表す。)で表されるイソキノリン誘導体が挙げられる。R2は上述した基が好ましい。この場合R2中に極性基と不斉構造が含まれる。R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立にアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基または水素原子、フッ素原子などを示す。アルキル基としては母体鎖や側鎖の構成中に極性基を含む事もできる分岐を有する若しくは有しないアルキル基であり、母体鎖の炭素数としては1〜6程度が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。アルキル基の母体鎖を例示すればメチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、ベンジルなどが挙げられる。フルオロアルキル基としては母体鎖や側鎖の構成中に極性基を含む事もできる分岐を有する若しくは有しないフルオロアルキル基であり、母体鎖の炭素数としては1〜8程度が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。フルオロアルキル基の母体鎖を例示すればトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ナノフルオロブチル基などが挙げられる。アリール基としては構成中に極性基を含む事もできるアリール基であり、フェニル基または極性基や前記アルキル基、フルオロアルキル基の置換したフェニル基などが挙げられ、ヘテロ基としてはピリジル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、ピリミジル基、イミダゾリル基、ピロリル基、ピロリニル基、ピロリジル基及びこれらの水素原子が前記アルキル基、フロオロアルキル基などに置換した基を挙げることができる。
【0046】これらのうち、好適なものを挙げると、一般式(11)、
【0047】
【化7】
【0048】(式中、R2は一般式(2)における意味と同じ、A−は陰イオンを表す。)で表されるイソキノリン類似体が挙げられる。R2は極性基と不斉構造を含むアルキル基あるいはフルオロアルキル基が好ましい。またその炭素数は6以下が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。アルキル基の母体鎖を例示すればメチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、ベンジルなどが挙げられる。フルオロアルキル基の母体鎖を例示すればトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ナノフルオロブチル基などが挙げられる。R2に含まれる極性基としてはアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、シアノ基、メルカプト基、ニトロ基などが挙げられる。
【0049】陰イオンは一般式(6)や(8)で表される陰イオンやヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、テトラクロロアルミネートなどが挙げられる。これらのうち、フルオロカルボキシレート、フルオロアルカンスルホネート、ビス(フルオロアルカンスルホニル)イミドが好ましく、特にヘキサフルオロホスフェート、パーフルオロアルカンスルホネート、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドがより好ましい。
【0050】本発明のイオン性液体の製造方法は限定されないが、次に例示として説明する。最初に上記したヘテロ原子を含む化合物のヘテロ原子部分をアルキル化剤と反応させて陽イオン化し塩とする。アルキル化剤としてはヘテロ原子部に導入する置換基のハロゲン化物が代表的だが、前記一般式(1)〜(4)におけるR1〜R5に対応する公知のアルキル化剤を選ぶ事ができる。次に塩中の陰イオンをハロゲンイオンや硫酸イオンから、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウムなどを添加し陰イオン交換によってビストリフルオロメタンスルホン酸イミド体にする事ができる。また、それぞれの陰イオン交換はそれぞれの対応するナトリウム、カリウム、リチウム、銀等との塩と反応させる事により得られる。また陰イオン種に対応する酸の対応するアルキルエステルを用いてアルキル化する事によっても直接イオン性液体を得る事ができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例を第1図と第2図を参照しながら具体的に説明する。なお、本実施例は本発明の代表的な例を示したものであり、これによって本発明が限定されるものではなく、本発明の思想の範囲での変更は本発明の実施態様である。
【0052】〔実施例〕イソキノリン5.0g(0.039mol)に(R)−(−)−3クロロ1,2−プロパンジオール5.2g(0.047mol)を加え5時間還流した。この反応液を水で希釈し、クロロホルムで洗浄し、水相を減圧留去したところ残渣7.2g(0.030mol)を得た。これを水に溶解し、10g(0.036mol)のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを加えたところ、水相とイオン性液体相に分離した。水で3回洗浄しイオン性液体相をメタノールで希釈し、活性炭処理により不純物を除去した。これを減圧留去後さらに60℃で1晩減圧下で乾燥し目的物6.0gを得た。
【0053】旋光度:[α]D 20−21°
1HNMR(CD3OD,300MHz):δ3.64(1H,q,J=6.0,5.4Hz), 3.80(1H,q,J=4.65,6.6Hz), 4.13(1H,m), 4.75(1H,q,J=8.4,5.0Hz) , 5.02(1H,q,J=3.0,10.5Hz), 8.15(1H,t,J=7.5Hz), 8.32(2H,m), 8.52−8.54(2H,m,), 8.69(1H,d,J=6.0Hz), 9.86(1H, s)
【0054】IR(γ): 1350.41 1196.13 cm− 1 (S=O)
【0055】〔分割例〕実施例で得られたキラル分割用イオン性液体1.9gに0.01M DL−チロシン水溶液1mlを加え、25℃で17時間攪拌させた。図1で表したようにキラル分割用イオン性液体処理前の水相(DL−チロシン水溶液)のHPLCチャートではD体の面積を1とした時、L体の面積は0.95であった。しかし図2で表したようにキラル分割用イオン性液体処理後の水相のHPLCチャートではD体の面積は、分割前のD体の面積を1とした時、1と全く減少せず、L体のみが0.77と減少した。この事はキラル分割用イオン性液体相にL体のみが18%移動した事を示す。
こうしてL体のみの選択的キラル分割が可能となった。尚、この抽出操作を数回繰り返す事により、水相から完全にL体が取り除かれD体のみを得る事も可能である。
【0056】尚、本発明のキラル分割用イオン性液体は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0057】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜8記載のキラル分割用イオン性液体によれば、様々な化合物を対象とした効率的で好環境的なキラル分割という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す、キラル分割用イオン性液体処理前の水相(DL−チロシン水溶液)のHPLCチャート。尚、分析条件はHPLCカラム:SUMICHIRAL OA−6100(SCAS)、移動相:2mmol/L硫酸銅(II) in水/アセトニトリル(90:10)、25℃。面積比はD体:L体=1:0.95
【図2】本発明の実施例を示す、キラル分割用イオン性液体処理後の水相のHPLCチャート。尚、分析条件はHPLCカラム:SUMICHIRAL OA−6100(SCAS)、移動相:2mmol/L硫酸銅(II) in水/アセトニトリル(90:10)、25℃。面積比はD体:L体=1:0.77(この場合の図1のD体の面積:図2のD体の面積=1:1)。
【発明の属する技術分野】本発明はキラル分割用イオン性液体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、キラル化合物の単離方法として、不斉合成法とラセミ状態で合成したうえでキラル分割する方法が用いられている。ラセミ状態からの分割方法は結晶化法、クロマトグラフィーを用いる方法、酵素を用いる方法、包接化合物法に分類される。これらの方法は対象物質の特定化、非効率的、環境への影響といった問題を抱えている。
【0003】イオン性液体は触媒機能を有する反応溶媒として有機合成反応において注目されている。また、その電気伝導性の高さから電解質としても関心を集めている。
【0004】陽イオン中に非極性基のみを含むキラルなイオン性液体はあるが、陽イオン中に極性基を有する光学活性なイオン性液体は無い。また、分子中、特に陽イオン中に極性基を有するが水と相分離するイオン性液体も無い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の如く、不斉合成法は対象物質が限定されており全ての物質について可能ではない。ラセミ状態からの分割法は非効率的であり環境への影響といった問題を抱えている。
【0006】陽イオン中に非極性基のみを含むキラルなイオン性液体では、分割すべき目的物質との間に水素結合を始めとする相互作用が生じないため、キラル認識は難しくキラル分割も困難である。
【0007】分子中、特に陽イオン中に極性基を導入したこれまでのイオン性液体は水と混合するため水からの抽出には用いることができない。
【0008】本発明は、斯かる実情に鑑み、様々な化合物を対象とした効率的で好環境的なキラル分割の手段として陽イオン中に極性基を有するキラルなイオン性液体を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はキラル分割用イオン性液体はイオン性液体の性質を持ち、陽イオン中に極性基を有するキラルなキラル分割を目的とした物質にかかるものである。
【0010】本発明で言うイオン性液体とは、陽イオンと陰イオンの組み合わせから構成される塩であり、その融点はおよそ100℃以下で室温(およそ25℃)程度では蒸気圧はほぼ0に等しく、200℃から300℃の高温状態においても安定な液体として保たれる高沸点な熱安定性物質である。また、その腐食性は大変低く、高い比熱容量を持ち、粘性は比較的低く、高イオン伝導性であり、引火性、可燃性がない安全な物質である.
【0011】本発明の光学分割用イオン性液体は陽イオン中に極性基を有するキラルな物質であるため目的とする物質と水素結合を始めとする相互作用が生じ、選択的認識によるキラル分割が可能となる。
【0012】キラル分割の方法としては水と相分離する性質を生かし液液抽出ができる。また、陽イオン中に極性基を有するキラルなイオン性液体であれば、室温で固体であったり水と混合しても温度やpHの調整や水と相分離するキラルではないイオン性液体や有機溶媒と混ぜることにより水と相分離する状態になるならば、極性基の作用により液液抽出は可能である。更にこの光学分割用イオン性液体と相分離する物質であればその中に溶解した化合物とイオン性液体の極性基が相互作用すれば光学分割は可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のキラル分割用イオン性液体の構成は上記の通り,陽イオンと陰イオンの組み合わせからなるものである。
【0014】本発明にかかる陽イオン種はヘテロ原子を含む化合物の分子内に正電荷を有する化学種である。
【0015】ヘテロ原子として窒素を含む場合、アンモニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。窒素を含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、ピロリドン環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリドン環、ヒダントイン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、ピラゾリドン環、テルラゾール環、テルラゾリジン環、イソテルラゾール環、イソテルラゾリジン環、セレナゾール環、イソセレナゾール環、イソセレナゾリジン環、チアゾール環、チアゾリジン環、イソチアゾール環、イソチアゾリジン環、イソチアゾリドン環、オキサゾリジン環、イソオキサゾール環、イソオキサゾリジン環、イソオキサゾリドン環、フラザン環、トリアゾール環、テトラゾール環、トリアジン環、テトラジン環、オキザジン環、チアジン環、インダゾール環、トリアゾリジン環、ピペリジン環、ピペリジル環、ピペリドン環、ピペリドン環、ピリジン環、ピリジル環、ピラジン環、ピペラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チオモルホリン環、チオモルホリノ環、モルホリン環、モルホリノ環、ピロリジン環、ピロリジジン環、1H−1−ピリンジン環、1−ピリンダン環、1H−2−ピリンジン環、2−ピリンダン、インドリンジン、インドリジジン、イソインドール環、イソインドリン環、インドール環、インドリン環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、イソキノリル環、イソキノロン環、キノリン環、キノリル環、キノロン環、2,7−ナフチリジン環、2,6−ナフチリジン環、フタラジン環、1,8−ナフチリジン環、1,7−ナフチリジン環、1,6−ナフチリジン環、1,6−ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾセレナジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾリン環、フェナゾン環、キヌクリジン環、カルバゾール環、β−カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、1,7−フェナントロリン環、1,8−フェナントロリン環、1,9−フェナントロリン環、1,10−フェナントロリン環、2,8−フェナントロリン環、2,9−フェナントロリン環、2,10−フェナントロリン環、3,9−フェナントロリン環、3,10−フェナントロリン環、4,10−フェナントロリン環、フェナジン環、フェノテルラジン環、フェノセレナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アンチリジン環、テベニジン環、キンドリン環、キニンドリン環、アクリンドリン環、フタロペリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環などから選ばれる複素環を有する化合物である。
【0016】ヘテロ原子としてリンを含む場合、ホスホニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。リンを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、ホスフィンドリジン環、イソホスフィンドール環、ホスフィンドール環、ホスフィノリジン環、イソホスフィノリン環、ホスフィノリン環、ホスファントリジン環、アクリドホスフィン環、ホスファントレン環、フェノキサホスフィニン環、フェノキサホスフィン環、フェノホスファジニン環、フェノホスファジン環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0017】ヘテロ原子としてヒ素を含む場合、アルソニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。ヒ素を含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、アルシンドリジン環、イソアルシンドール環、アルシンドール環、アルシノリジン環、イソアルシノリン環、アルシノリン環、アルサントリジン環、アクリドアルシン環、アルサントレン環、ゲノキサルシニン環、フェノキサルシン環、フェナルサジニン環、フェナルサジン環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0018】ヘテロ原子としてイオウを含む場合、スルファニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。イオウを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、チオフェン環、チエニル環、テニル環、チオピラン環、チオピリリウム環、イソチオクロメン環、イソチオクロマン環、チオクロメン環、レンチオニン環、チオナフテン環、チオファントレン環、チオクロマン環、チオフラビリウム環、チオキサンテン環、チオキサンチリウム環、チアントレン環、フェノキサチイン環等、また陽イオンであるチオクロメニリウム環やイソチオクロメニリウム環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0019】ヘテロ原子として酸素を含む場合、オキソニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。酸素を含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、イソベンゾフラン環、ベンゾフラン環、イソクロメン環、クロメン環、キサンテン環、オキサントレン環等、また陽イオンであるクロメニリウム環、イソクロメニリウム環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0020】ヘテロ原子としてセレンを含む場合、セレノニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。セレンを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、セレノフェン環、セレノピラン環、イソセレノクロメン環、セレノクロメン環、セレノキサンテン環、セレナントレン環、フェノキサセレニン環等、また陽イオンであるセレノピリリウム環、イソセレノクロメニリウム環、セレノクロメニリウム環、セレノキサンチリウム環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0021】ヘテロ原子としてテルルを含む場合、テルロニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。テルルを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、テルロフェン環、テルロピラン環、イソテルロクロメン環、テルロクロメン環、テルロキサンテン環、テルラントレン環、フェノキサテルリン環等、また陽イオンであるテルロピラン環、イソテルロクロメニリウム環、テルロクロメニリウム環、テルロキサンチリウム環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0022】ヘテロ原子としてアンチモンを含む場合、スチボニウムイオンを含む鎖式化合物や複素環式化合物が電荷を持った化学種である。アンチモンを含む複素環式化合物の基本骨格としては中性の複素環式化合物として表すと、スチバトレン環、フェノキサスチビニン環等から選ばれる複素環を有する化合物である。
【0023】イオン性液体を形成する際には、これらの鎖式化合物または基本複素環に含まれるヘテロ原子が電荷を帯びるか、もしくは環全体に電荷が非局在化して対イオンとの間にイオン結合が生じることにより安定化する。
【0024】鎖式化合物または基本複素環には任意構造の置換基の結合が可能であるが、本発明でのイオン性液体では陽イオン中に一個以上の極性基を有し、かつ不斉構造を取る必要がある。この不斉構造は基本複素環中に含まれる事もあり、それ以外に含まれる事もある。
【0025】本発明にかかる陽イオンの構造としては、窒素、リン、ヒ素、アンチモンにおいては一般式(1)
【0026】
【化1】
【0027】または、一般式(2)
【0028】
【化2】
【0029】(式中、Eは窒素、リン、ヒ素、アンチモンのいずれかを表し、R1、R2、R3、R4、R5は構成中に極性基を含む同一または異なるアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基を表す。但し、(1)の場合R1、R2、R3、R4のいずれか1つ以上の構成中に極性基が含まれれば残りの構成中には極性基は含まなくても構わない。)で表される。
【0030】酸素、イオウ、セレン、テルルにおいては一般式(3)
【0031】
【化3】
【0032】または、一般式(4)
【0033】
【化4】
【0034】(式中、Chは酸素、イオウ、セレン、テルルのいづれかを表し、R1、R2、R3、R4、は構成中に極性基を含む同一または異なるアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基を表す。但し、(3)の場合R1、R2、R3、R4のいずれか1つ以上の構成中に極性基が含まれれば残りの構成中には極性基は含まなくても構わない。)で表される。
【0035】極性基としてはアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、シアノ基、メルカプト基、ニトロ基などが挙げられる。アルキル基としては母体鎖や側鎖の構成中に極性基を含む事ができる分岐を有する若しくは有しないアルキル基であり、母体鎖の炭素数としては1〜8程度が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。アルキル基の母体鎖を例示すればメチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、ベンジルなどが挙げられる。フルオロアルキル基としては母体鎖や側鎖の構成中に極性基を含む事ができる分岐を有する若しくは有しないフルオロアルキル基であり、母体鎖の炭素数としては1〜8程度が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。フルオロアルキル基の母体鎖を例示すればトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ナノフルオロブチル基などが挙げられる。アリール基としては構成中に極性基を含む事ができるアリール基であり、フェニル基または極性基や前記アルキル基、フルオロアルキル基の置換したフェニル基などが挙げられる。
【0036】本発明にかかる陰イオン種としては、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、テトラクロロアルミネート、クロライド、ブロマイド、ヨージド、スルホネート、HnFn+1 − (n=2,3)で示される2.3HF、ヘキサフルオロニボレート、ヘキサフルオロタンタレート、ヘキサフルオロシラレート、一般式(5)、Sb nF5n+1 − (5)
(式中、nは自然数。)で示されるフッ化アンチモン類、一般式(6)、
RCOO−(6)
(式中、Rは分枝を有する若しくは有しなく、尚且つ構成中に極性基を有する若しくは有しないアルキル基、フルオロアルキル基を表す。)で表されるカルボキシレート、一般式(7)、RSO3 −(7)
(式中、Rは分枝を有する若しくは有しなく、尚且つ構成中に極性基を有する若しくは有しないアルキル基、フルオロアルキル基を表す。)で表されるアルカンスルホネート、一般式(8)、(RSO2)2N−(8)
(式中、Rは分枝を有する若しくは有しなく、尚且つ構成中に極性基を有する若しくは有しないアルキル基、フルオロアルキル基を表す。但し二個のRが繋がっていても構わない。)で表されるビスアルカンスルホニルイミド、錯イオンなどである。
【0037】一般式(6)で表されるカルボキシレートとしてはRの炭素数が1〜10程度が好ましく、例示するとアセテート、プロピオネート、トリフルオロアセテート、ペンタフルオロプロパネート、ヘプタフルオロブタネート、ノナフルオロペンタネート等が挙げられる。
【0038】一般式(7)で表されるアルカンスルホネートとしてはRの炭素数が1〜10程度が好ましく、例示するとメタンスルホネート、エタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
【0039】一般式(8)で表されるビスアルカンスルホニルイミドとしてはRの炭素数が1〜10程度が好ましく、例示するとビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、ビス(ウンデカフルオロペンタンスルホニル)イミド、(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、(トリフルオロメタンスルホニル)(ヘプラフルオロプロパンスルホニル)イミド、(トリフルオロメタンスルホニル)(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、ビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)イミド、(トリフルオロメタンスルホニル)(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)イミド、一般式(9)
【0040】
【化5】
【0041】(式中、nは2〜10の整数を表す。)で表される化合物などが例示できる。
【0042】上記陰イオン種としては上記のうち、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、フルオロカルボキシレート、フルオロアルカンスルホネート、ビス(フルオロアルカンスルホニル)イミドが好ましく、ヘキサフルオロホスフェート、パーフルオロアルカンスルホネート、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドがより好ましい。
【0043】本発明のイオン性液体を例示するならば、一般式(10)
【0044】
【化6】
【0045】(式中、R2は一般式(2)における意味と同じ、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8は一価の基を表す。A−は陰イオンを表す。)で表されるイソキノリン誘導体が挙げられる。R2は上述した基が好ましい。この場合R2中に極性基と不斉構造が含まれる。R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立にアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基または水素原子、フッ素原子などを示す。アルキル基としては母体鎖や側鎖の構成中に極性基を含む事もできる分岐を有する若しくは有しないアルキル基であり、母体鎖の炭素数としては1〜6程度が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。アルキル基の母体鎖を例示すればメチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、ベンジルなどが挙げられる。フルオロアルキル基としては母体鎖や側鎖の構成中に極性基を含む事もできる分岐を有する若しくは有しないフルオロアルキル基であり、母体鎖の炭素数としては1〜8程度が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。フルオロアルキル基の母体鎖を例示すればトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ナノフルオロブチル基などが挙げられる。アリール基としては構成中に極性基を含む事もできるアリール基であり、フェニル基または極性基や前記アルキル基、フルオロアルキル基の置換したフェニル基などが挙げられ、ヘテロ基としてはピリジル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、ピリミジル基、イミダゾリル基、ピロリル基、ピロリニル基、ピロリジル基及びこれらの水素原子が前記アルキル基、フロオロアルキル基などに置換した基を挙げることができる。
【0046】これらのうち、好適なものを挙げると、一般式(11)、
【0047】
【化7】
【0048】(式中、R2は一般式(2)における意味と同じ、A−は陰イオンを表す。)で表されるイソキノリン類似体が挙げられる。R2は極性基と不斉構造を含むアルキル基あるいはフルオロアルキル基が好ましい。またその炭素数は6以下が好ましく、この母体鎖中にエーテル結合やチオエーテル結合を含んでも構わない。アルキル基の母体鎖を例示すればメチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、ベンジルなどが挙げられる。フルオロアルキル基の母体鎖を例示すればトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ナノフルオロブチル基などが挙げられる。R2に含まれる極性基としてはアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、シアノ基、メルカプト基、ニトロ基などが挙げられる。
【0049】陰イオンは一般式(6)や(8)で表される陰イオンやヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、テトラクロロアルミネートなどが挙げられる。これらのうち、フルオロカルボキシレート、フルオロアルカンスルホネート、ビス(フルオロアルカンスルホニル)イミドが好ましく、特にヘキサフルオロホスフェート、パーフルオロアルカンスルホネート、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドがより好ましい。
【0050】本発明のイオン性液体の製造方法は限定されないが、次に例示として説明する。最初に上記したヘテロ原子を含む化合物のヘテロ原子部分をアルキル化剤と反応させて陽イオン化し塩とする。アルキル化剤としてはヘテロ原子部に導入する置換基のハロゲン化物が代表的だが、前記一般式(1)〜(4)におけるR1〜R5に対応する公知のアルキル化剤を選ぶ事ができる。次に塩中の陰イオンをハロゲンイオンや硫酸イオンから、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウムなどを添加し陰イオン交換によってビストリフルオロメタンスルホン酸イミド体にする事ができる。また、それぞれの陰イオン交換はそれぞれの対応するナトリウム、カリウム、リチウム、銀等との塩と反応させる事により得られる。また陰イオン種に対応する酸の対応するアルキルエステルを用いてアルキル化する事によっても直接イオン性液体を得る事ができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例を第1図と第2図を参照しながら具体的に説明する。なお、本実施例は本発明の代表的な例を示したものであり、これによって本発明が限定されるものではなく、本発明の思想の範囲での変更は本発明の実施態様である。
【0052】〔実施例〕イソキノリン5.0g(0.039mol)に(R)−(−)−3クロロ1,2−プロパンジオール5.2g(0.047mol)を加え5時間還流した。この反応液を水で希釈し、クロロホルムで洗浄し、水相を減圧留去したところ残渣7.2g(0.030mol)を得た。これを水に溶解し、10g(0.036mol)のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを加えたところ、水相とイオン性液体相に分離した。水で3回洗浄しイオン性液体相をメタノールで希釈し、活性炭処理により不純物を除去した。これを減圧留去後さらに60℃で1晩減圧下で乾燥し目的物6.0gを得た。
【0053】旋光度:[α]D 20−21°
1HNMR(CD3OD,300MHz):δ3.64(1H,q,J=6.0,5.4Hz), 3.80(1H,q,J=4.65,6.6Hz), 4.13(1H,m), 4.75(1H,q,J=8.4,5.0Hz) , 5.02(1H,q,J=3.0,10.5Hz), 8.15(1H,t,J=7.5Hz), 8.32(2H,m), 8.52−8.54(2H,m,), 8.69(1H,d,J=6.0Hz), 9.86(1H, s)
【0054】IR(γ): 1350.41 1196.13 cm− 1 (S=O)
【0055】〔分割例〕実施例で得られたキラル分割用イオン性液体1.9gに0.01M DL−チロシン水溶液1mlを加え、25℃で17時間攪拌させた。図1で表したようにキラル分割用イオン性液体処理前の水相(DL−チロシン水溶液)のHPLCチャートではD体の面積を1とした時、L体の面積は0.95であった。しかし図2で表したようにキラル分割用イオン性液体処理後の水相のHPLCチャートではD体の面積は、分割前のD体の面積を1とした時、1と全く減少せず、L体のみが0.77と減少した。この事はキラル分割用イオン性液体相にL体のみが18%移動した事を示す。
こうしてL体のみの選択的キラル分割が可能となった。尚、この抽出操作を数回繰り返す事により、水相から完全にL体が取り除かれD体のみを得る事も可能である。
【0056】尚、本発明のキラル分割用イオン性液体は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0057】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜8記載のキラル分割用イオン性液体によれば、様々な化合物を対象とした効率的で好環境的なキラル分割という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す、キラル分割用イオン性液体処理前の水相(DL−チロシン水溶液)のHPLCチャート。尚、分析条件はHPLCカラム:SUMICHIRAL OA−6100(SCAS)、移動相:2mmol/L硫酸銅(II) in水/アセトニトリル(90:10)、25℃。面積比はD体:L体=1:0.95
【図2】本発明の実施例を示す、キラル分割用イオン性液体処理後の水相のHPLCチャート。尚、分析条件はHPLCカラム:SUMICHIRAL OA−6100(SCAS)、移動相:2mmol/L硫酸銅(II) in水/アセトニトリル(90:10)、25℃。面積比はD体:L体=1:0.77(この場合の図1のD体の面積:図2のD体の面積=1:1)。
Claims (8)
- キラル分割に用いられる事を特徴とするイオン性液体。
- 抽出による光学異性体分割に用いられる請求項1に記載のイオン性液体。
- キラル分子から構成される請求項1および2に記載のイオン性液体。
- 陽イオン中に極性基を有する請求項1に記載のイオン性液体。
- 抽出によるキラル分割に用いられる請求項4に記載のイオン性液体。
- 極性基を有するキラルな陽イオンを構成成分に含む請求項1あるいは請求項4に記載のイオン性液体。
- 水と相分離する請求項5および6に記載のイオン性液体。
- 水酸基、アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基を有する請求項7に記載のイオン性液体。
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CN102010283A (zh) * | 2010-11-11 | 2011-04-13 | 嘉兴学院 | 一种制备阴离子手性离子液体的方法 |
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- 2003-03-17 JP JP2003071730A patent/JP2004277351A/ja active Pending
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