JP2004277193A - ハニカム成形体及びこれから得られる炭化珪素質ハニカム構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂を主成分として可塑性があり、成形性が良好で炭化珪素ハニカムを製造するに適した成形体を提供する。 また、安価で耐熱衝撃性が良好な炭化珪素ハニカムを提供する。
【解決手段】シリコン粉末、熱硬化性樹脂、その他の粉末、成形助剤を炭化後、Si/Cモル比が0.01以上、1.0未満になるように配合したハニカム成形体。上記ハニカム成形体を熱硬化、炭化、反応焼結、溶融シリコン含浸することによって得られるSi/SiCモル比が1.0以下の炭化珪素質ハニカム構造体。
【選択図】 なし
【解決手段】シリコン粉末、熱硬化性樹脂、その他の粉末、成形助剤を炭化後、Si/Cモル比が0.01以上、1.0未満になるように配合したハニカム成形体。上記ハニカム成形体を熱硬化、炭化、反応焼結、溶融シリコン含浸することによって得られるSi/SiCモル比が1.0以下の炭化珪素質ハニカム構造体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒担体やフィルタなどに用いられる耐熱衝撃性に優れた炭化珪素質ハニカム構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
触媒担体やフィルタに使用する多孔質炭化珪素質材料の製法としては次の方法がある。
【0003】
(1)炭化珪素微粉にB、C、Al等の焼結助剤を添加して1900℃〜2400℃で焼成する方法。炭化珪素の粒径や焼結助剤の量を調節して気孔率を調整する。 (特許文献1参照)。
(2)炭化珪素粉と炭素粉又は炭素バインダとシリコン粉末を成形し、1900℃〜2400℃で焼成する方法。(特許文献2参照)
(3)炭素材料を一酸化珪素ガスと反応させて炭化珪素とする方法。(特許文献3参照)
(4)高分子発泡体に炭化珪素を含んだスラリーを付着させてから高分子発泡体を加熱消失させ、1900℃〜2300℃で焼結する方法(特許文献4参照)
(5)多孔質構造体に炭素源となる樹脂とシリコン粉末を含んだスラリーを含浸し、炭化、反応焼結後、溶融シリコンを含浸する方法(特許文献5参照)
(6)有機質シート材料でハニカムを形作り、炭化後ハニカムの内外面に化学蒸着法により炭化珪素微粒子を析出被着させる方法(特許文献6参照)
【0004】
【特許文献1】特許第2672545号公報(第1頁、発明の詳細な説明)
【特許文献2】特開昭48―39515号公報(第1頁、特許請求の範囲)
【特許文献3】特開昭55―109287号公報(第1頁、特許請求の範囲)
【特許文献4】特開昭58―122016号公報(第1頁、特許請求の範囲)
【特許文献5】特開2001―226174号公報(第2頁、特許請求の範囲)
【特許文献6】特開平8―188489号公報第2頁、特許請求の範囲)
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(1)の炭化珪素焼結体は耐熱性と熱伝導性が良好なためDPF(Diesel Particulate Filter)として使用されているが、耐熱衝撃性が低く、捕集した炭素を燃焼除去する再生時の熱応力で破損し易いため、分割・接合して使用されている。また、一般的なハニカム材料であるコージェライトと違い粘土成分がないため隔壁の薄いハニカムは成形が難しい。
【0006】
(2)の方法は古くから行われている方法であり、多孔質の炭化珪素が得られるが、(1)の方法と同様の問題がある。
【0007】
(3)の方法は炭素ハニカムを作るのが困難なことと、一酸化珪素との反応温度が高く、大量生産には不向きである。
【0008】
(4)、(5)の方法は原材料が安く耐熱衝撃性も良好な反面、隔壁の厚さが0.5mm以下のハニカム状の発泡体や多孔質構造体を製造することが困難であり、更にその表面にスラリーをコーティングするため、薄い隔壁のハニカムを得ることは極めて困難である。
【0009】
(6)の方法は反応ガスの流れによって膜厚が変わりやすく、化学蒸着法では高価になる問題もある。
【0010】
本発明は、樹脂を主成分とするため可塑性があり、成形性が良好で炭化珪素ハニカムを製造するに適した成形体を提供するものである。
また、本発明は、安価で耐熱衝撃性が良好な炭化珪素ハニカムを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シリコン粉末、熱硬化性樹脂、その他の粉末、成形助剤を炭化後、Si/Cモル比が0.01以上、1.0未満になるように配合したハニカム成形体に関する。
また、本発明は、上記ハニカム成形体を熱硬化、炭化、反応焼結、溶融シリコン含浸することによって得られるSi/SiCモル比が1.0以下の炭化珪素質ハニカム構造体に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のハニカム成形体は炭化により、シリコン粉末を包む熱硬化性樹脂が炭化した薄い膜状の組織を形成し、反応焼結後シリコン粉末は消滅して気孔を形成する。Si/Cのモル比を1.0未満にすることにより反応焼結後に炭素を残存させて溶融シリコンの浸透性を良くするとともに、シリコンによりハニカム構造体の強度も向上することができる。
【0013】
本発明において、ハニカム成形体のSi/Cモル比は0.01以上、1.0未満であり、0.5〜0.8の範囲が好ましい。Si/Cモル比が0.01未満では反応に与るシリコンが不足し、1.0以上では溶融シリコンと反応する炭素が少なくなるため、良好な炭化珪素ハニカム構造体を得ることは難しい。
一方、炭化珪素質ハニカムのSi/SiCモル比は1.0以下であり、0.1〜0.4の範囲が好ましい。Si/SiCモル比が1.0を超えると気孔率が小さくなり、耐熱性も低下する。
【0014】
ハニカム成形体に用いられるシリコン粉末は特に規定しないが、不純物が少なく、粒径が小さいほど好ましい。熱硬化性樹脂は、成形体を炭化する際の変形を防止するために加えるものであり、成形後硬化するものであれば特に規定しないが、炭素収率が高いもの、例えばフェノールレジン、フランレジンのようなものが好ましい。その他の粉末としては炭素粉末、炭化珪素粉末などが挙げられ、必要に応じて加える。成形助剤としては、バインダ効果のあるもの、炭素収率の極めて低いもの、可塑性の大きいもの、およびこれらの効果・性質を発揮するものの溶媒などで、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エポキシ樹脂、アクリルエマルジョン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、水、エタノール、ワックスエマルジョン、界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されない。ハニカムを成形する方法としては、シートを成形してハニカムを形成する方法、押出成形法等が一般的であるが、これらに限定されない。
【0015】
炭化珪素質ハニカム構造体は、ハニカム成形体を室温から150℃前後に加熱して硬化する。そして不活性ガス雰囲気中あるいは炭素含有ガス雰囲気中で1000℃前後で炭化し、更に1400℃前後でシリコンと炭素を反応させて炭化珪素と炭素の混合物とする。そして真空中融点以上の温度で溶融シリコンを含浸させることによって得られるものである。Si/SiCモル比はハニカム成形体のSi/Cモル比と溶融シリコンの含浸量によってコントロールできる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
実施例1
平均粒径3.5μmのシリコン粉末100重量部とフェノールレジン170重量部(炭素:85重量部)にアセトン適量を添加して混合後、乾燥し、更にメチルセルロース27重量部、水54重量部、ステアリン酸エマルジョン5重量部を配合し、ニーダーで混練後、真空脱気し、スクリュータイプの押出機で成形し、外径30mm、長さ50mm、セルの壁厚0.3mm、セル密度31個/cm2のハニカム成形体を得た。このハニカム成形体のSi/Cモル比は0.5であった。
【0018】
実施例2
実施例1のハニカム成形体を室温から150℃まで昇温してフェノールレジンを硬化した。次にCOガス雰囲気で室温から900℃まで昇温して成形助剤を除去するとともにフェノールレジンを炭化し、更に1450℃に昇温してシリコンと炭素を反応させた。次に真空中1500℃で溶融シリコンを含浸し、残留する炭素を珪化し、炭化珪素質ハニカムを得た。このハニカムは変形がなく、Si/SiCモル比は0.16、気孔率は65%であった。また、1000℃から室温の水中に投下してもクラックは認められなかった。
【0019】
実施例3
平均粒径3.5μmのシリコン粉末100重量部とフェノールレジン107重量部(炭素:53.5重量部)にアセトン適量を添加して混合後、乾燥し、更にメチルセルロース20重量部、水40重量部、ステアリン酸エマルジョン2重量部を配合し、ニーダーで混練後真空脱気し、スクリュータイプの押出機で成形し、外径30mm、長さ50mm、セルの壁厚0.3mm、セル密度31個/cm2のハニカム成形体を得た。このハニカム成形体のSi/Cモル比は0.8であった。
【0020】
実施例4
実施例3のハニカム成形体を室温から150℃まで昇温してフェノールレジンを硬化した。次にCOガス雰囲気で室温から900℃まで昇温して成形助剤を除去するとともにフェノールレジンを炭化し、更に1450℃に昇温してシリコンと炭素を反応させた。次に真空中1500℃で溶融シリコンを含浸し、残留する炭素を珪化し、炭化珪素質ハニカムを得た。このハニカムは変形がなく、Si/SiCモル比は0.3、気孔率は70%であった。また、1000℃から室温の水中に投下してもクラックは認められなかった。
【0021】
比較例1
平均粒径3.5μmのシリコン粉末100重量部、カーボンブラック85重量部、メチルセルロース19重量部、水38重量部、ステアリン酸エマルジョン4重量部を配合し、ニーダーで混練後真空脱気し、スクリュータイプの押出機で成形し、外径30mm、長さ50mm、セルの壁厚0.3mm、セル密度31個/cm2のハニカム成形体を得た。このハニカム成形体のSi/Cモル比は0.5であった。
【0022】
比較例2
比較例1のハニカム成形体を室温から150℃まで昇温して硬化した。次にCOガス雰囲気で室温から900℃まで昇温して炭化し、更に1450℃に昇温してシリコンと炭素を反応させた。この時点でハニカム成形体に自立強度がなく変形した。
【0023】
比較例3
平均粒径25μmのα型炭化珪素粉100重量部、平均粒径1.5μmの炭化ホウ素0.6重量部、メチルセルロース10重量部、水20重量部、ステアリン酸エマルジョン2重量部を配合し、ニーダーで混練後真空脱気し、スクリュータイプの押出機で成形し、外径30mm、長さ50mm、セルの壁厚0.3mm、セル密度31個/cm2のハニカム成形体を得た。この成形体を乾燥後アルゴンガス雰囲気で2200℃2時間焼成した。このハニカムは気孔率は60%であり、1000℃から室温の水中に投下するとバラバラに破損した。
【0024】
比較例4
従来の方法(4)(5)(6)については実施例と同様のハニカム基材を作ることができなかった。
【0025】
【発明の効果】
本発明で得られるハニカム成形体は、樹脂を主成分とするため可塑性があり、成形性が良好であり、炭化珪素質ハニカムを製造するのに好適な材料である。
また、本発明で得られる炭化珪素質ハニカム構造体は、安価で耐熱衝撃性が良好なものであり、触媒担体やフィルタに好適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒担体やフィルタなどに用いられる耐熱衝撃性に優れた炭化珪素質ハニカム構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
触媒担体やフィルタに使用する多孔質炭化珪素質材料の製法としては次の方法がある。
【0003】
(1)炭化珪素微粉にB、C、Al等の焼結助剤を添加して1900℃〜2400℃で焼成する方法。炭化珪素の粒径や焼結助剤の量を調節して気孔率を調整する。 (特許文献1参照)。
(2)炭化珪素粉と炭素粉又は炭素バインダとシリコン粉末を成形し、1900℃〜2400℃で焼成する方法。(特許文献2参照)
(3)炭素材料を一酸化珪素ガスと反応させて炭化珪素とする方法。(特許文献3参照)
(4)高分子発泡体に炭化珪素を含んだスラリーを付着させてから高分子発泡体を加熱消失させ、1900℃〜2300℃で焼結する方法(特許文献4参照)
(5)多孔質構造体に炭素源となる樹脂とシリコン粉末を含んだスラリーを含浸し、炭化、反応焼結後、溶融シリコンを含浸する方法(特許文献5参照)
(6)有機質シート材料でハニカムを形作り、炭化後ハニカムの内外面に化学蒸着法により炭化珪素微粒子を析出被着させる方法(特許文献6参照)
【0004】
【特許文献1】特許第2672545号公報(第1頁、発明の詳細な説明)
【特許文献2】特開昭48―39515号公報(第1頁、特許請求の範囲)
【特許文献3】特開昭55―109287号公報(第1頁、特許請求の範囲)
【特許文献4】特開昭58―122016号公報(第1頁、特許請求の範囲)
【特許文献5】特開2001―226174号公報(第2頁、特許請求の範囲)
【特許文献6】特開平8―188489号公報第2頁、特許請求の範囲)
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(1)の炭化珪素焼結体は耐熱性と熱伝導性が良好なためDPF(Diesel Particulate Filter)として使用されているが、耐熱衝撃性が低く、捕集した炭素を燃焼除去する再生時の熱応力で破損し易いため、分割・接合して使用されている。また、一般的なハニカム材料であるコージェライトと違い粘土成分がないため隔壁の薄いハニカムは成形が難しい。
【0006】
(2)の方法は古くから行われている方法であり、多孔質の炭化珪素が得られるが、(1)の方法と同様の問題がある。
【0007】
(3)の方法は炭素ハニカムを作るのが困難なことと、一酸化珪素との反応温度が高く、大量生産には不向きである。
【0008】
(4)、(5)の方法は原材料が安く耐熱衝撃性も良好な反面、隔壁の厚さが0.5mm以下のハニカム状の発泡体や多孔質構造体を製造することが困難であり、更にその表面にスラリーをコーティングするため、薄い隔壁のハニカムを得ることは極めて困難である。
【0009】
(6)の方法は反応ガスの流れによって膜厚が変わりやすく、化学蒸着法では高価になる問題もある。
【0010】
本発明は、樹脂を主成分とするため可塑性があり、成形性が良好で炭化珪素ハニカムを製造するに適した成形体を提供するものである。
また、本発明は、安価で耐熱衝撃性が良好な炭化珪素ハニカムを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シリコン粉末、熱硬化性樹脂、その他の粉末、成形助剤を炭化後、Si/Cモル比が0.01以上、1.0未満になるように配合したハニカム成形体に関する。
また、本発明は、上記ハニカム成形体を熱硬化、炭化、反応焼結、溶融シリコン含浸することによって得られるSi/SiCモル比が1.0以下の炭化珪素質ハニカム構造体に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のハニカム成形体は炭化により、シリコン粉末を包む熱硬化性樹脂が炭化した薄い膜状の組織を形成し、反応焼結後シリコン粉末は消滅して気孔を形成する。Si/Cのモル比を1.0未満にすることにより反応焼結後に炭素を残存させて溶融シリコンの浸透性を良くするとともに、シリコンによりハニカム構造体の強度も向上することができる。
【0013】
本発明において、ハニカム成形体のSi/Cモル比は0.01以上、1.0未満であり、0.5〜0.8の範囲が好ましい。Si/Cモル比が0.01未満では反応に与るシリコンが不足し、1.0以上では溶融シリコンと反応する炭素が少なくなるため、良好な炭化珪素ハニカム構造体を得ることは難しい。
一方、炭化珪素質ハニカムのSi/SiCモル比は1.0以下であり、0.1〜0.4の範囲が好ましい。Si/SiCモル比が1.0を超えると気孔率が小さくなり、耐熱性も低下する。
【0014】
ハニカム成形体に用いられるシリコン粉末は特に規定しないが、不純物が少なく、粒径が小さいほど好ましい。熱硬化性樹脂は、成形体を炭化する際の変形を防止するために加えるものであり、成形後硬化するものであれば特に規定しないが、炭素収率が高いもの、例えばフェノールレジン、フランレジンのようなものが好ましい。その他の粉末としては炭素粉末、炭化珪素粉末などが挙げられ、必要に応じて加える。成形助剤としては、バインダ効果のあるもの、炭素収率の極めて低いもの、可塑性の大きいもの、およびこれらの効果・性質を発揮するものの溶媒などで、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エポキシ樹脂、アクリルエマルジョン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、水、エタノール、ワックスエマルジョン、界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されない。ハニカムを成形する方法としては、シートを成形してハニカムを形成する方法、押出成形法等が一般的であるが、これらに限定されない。
【0015】
炭化珪素質ハニカム構造体は、ハニカム成形体を室温から150℃前後に加熱して硬化する。そして不活性ガス雰囲気中あるいは炭素含有ガス雰囲気中で1000℃前後で炭化し、更に1400℃前後でシリコンと炭素を反応させて炭化珪素と炭素の混合物とする。そして真空中融点以上の温度で溶融シリコンを含浸させることによって得られるものである。Si/SiCモル比はハニカム成形体のSi/Cモル比と溶融シリコンの含浸量によってコントロールできる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
実施例1
平均粒径3.5μmのシリコン粉末100重量部とフェノールレジン170重量部(炭素:85重量部)にアセトン適量を添加して混合後、乾燥し、更にメチルセルロース27重量部、水54重量部、ステアリン酸エマルジョン5重量部を配合し、ニーダーで混練後、真空脱気し、スクリュータイプの押出機で成形し、外径30mm、長さ50mm、セルの壁厚0.3mm、セル密度31個/cm2のハニカム成形体を得た。このハニカム成形体のSi/Cモル比は0.5であった。
【0018】
実施例2
実施例1のハニカム成形体を室温から150℃まで昇温してフェノールレジンを硬化した。次にCOガス雰囲気で室温から900℃まで昇温して成形助剤を除去するとともにフェノールレジンを炭化し、更に1450℃に昇温してシリコンと炭素を反応させた。次に真空中1500℃で溶融シリコンを含浸し、残留する炭素を珪化し、炭化珪素質ハニカムを得た。このハニカムは変形がなく、Si/SiCモル比は0.16、気孔率は65%であった。また、1000℃から室温の水中に投下してもクラックは認められなかった。
【0019】
実施例3
平均粒径3.5μmのシリコン粉末100重量部とフェノールレジン107重量部(炭素:53.5重量部)にアセトン適量を添加して混合後、乾燥し、更にメチルセルロース20重量部、水40重量部、ステアリン酸エマルジョン2重量部を配合し、ニーダーで混練後真空脱気し、スクリュータイプの押出機で成形し、外径30mm、長さ50mm、セルの壁厚0.3mm、セル密度31個/cm2のハニカム成形体を得た。このハニカム成形体のSi/Cモル比は0.8であった。
【0020】
実施例4
実施例3のハニカム成形体を室温から150℃まで昇温してフェノールレジンを硬化した。次にCOガス雰囲気で室温から900℃まで昇温して成形助剤を除去するとともにフェノールレジンを炭化し、更に1450℃に昇温してシリコンと炭素を反応させた。次に真空中1500℃で溶融シリコンを含浸し、残留する炭素を珪化し、炭化珪素質ハニカムを得た。このハニカムは変形がなく、Si/SiCモル比は0.3、気孔率は70%であった。また、1000℃から室温の水中に投下してもクラックは認められなかった。
【0021】
比較例1
平均粒径3.5μmのシリコン粉末100重量部、カーボンブラック85重量部、メチルセルロース19重量部、水38重量部、ステアリン酸エマルジョン4重量部を配合し、ニーダーで混練後真空脱気し、スクリュータイプの押出機で成形し、外径30mm、長さ50mm、セルの壁厚0.3mm、セル密度31個/cm2のハニカム成形体を得た。このハニカム成形体のSi/Cモル比は0.5であった。
【0022】
比較例2
比較例1のハニカム成形体を室温から150℃まで昇温して硬化した。次にCOガス雰囲気で室温から900℃まで昇温して炭化し、更に1450℃に昇温してシリコンと炭素を反応させた。この時点でハニカム成形体に自立強度がなく変形した。
【0023】
比較例3
平均粒径25μmのα型炭化珪素粉100重量部、平均粒径1.5μmの炭化ホウ素0.6重量部、メチルセルロース10重量部、水20重量部、ステアリン酸エマルジョン2重量部を配合し、ニーダーで混練後真空脱気し、スクリュータイプの押出機で成形し、外径30mm、長さ50mm、セルの壁厚0.3mm、セル密度31個/cm2のハニカム成形体を得た。この成形体を乾燥後アルゴンガス雰囲気で2200℃2時間焼成した。このハニカムは気孔率は60%であり、1000℃から室温の水中に投下するとバラバラに破損した。
【0024】
比較例4
従来の方法(4)(5)(6)については実施例と同様のハニカム基材を作ることができなかった。
【0025】
【発明の効果】
本発明で得られるハニカム成形体は、樹脂を主成分とするため可塑性があり、成形性が良好であり、炭化珪素質ハニカムを製造するのに好適な材料である。
また、本発明で得られる炭化珪素質ハニカム構造体は、安価で耐熱衝撃性が良好なものであり、触媒担体やフィルタに好適である。
Claims (2)
- シリコン粉末、熱硬化性樹脂、その他の粉末、成形助剤を炭化後Si/Cモル比が0.01以上、1.0未満になるように配合したハニカム成形体。
- 請求項1のハニカム成形体を熱硬化、炭化、反応焼結、溶融シリコン含浸することによって得られるSi/SiCモル比が1.0以下の炭化珪素質ハニカム構造体。
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