JP2004276654A - 車両用照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両ドアの解錠、施錠等の動作の際に照明灯を点灯させる車両用照明装置において、電源として特別の常時電源を必要とすることなく、また配線が容易な車両用照明装置を提供すること。
【解決手段】ドアロックアクチュエータ10の解錠、施錠等の動作時において、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bのうちの高電位となる一端Aから電流が流入する入力端末T1と、その動作時に低電位となる他端Bへ電流が流出する出力端末T2と、照明灯LEDと、コンデンサCとを備える照明灯駆動回路30を有し、照明灯駆動回路30は、ドアロックアクチュエータ10の動作時において入力端末T1に流入した電流によって照明灯LEDを点灯すると共にコンデンサCに電荷を充電し、ドアロックアクチュエータ10の動作が終了した後においてはコンデンサCから放電される電流によって照明灯LEDを点灯する。
【選択図】図1
【解決手段】ドアロックアクチュエータ10の解錠、施錠等の動作時において、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bのうちの高電位となる一端Aから電流が流入する入力端末T1と、その動作時に低電位となる他端Bへ電流が流出する出力端末T2と、照明灯LEDと、コンデンサCとを備える照明灯駆動回路30を有し、照明灯駆動回路30は、ドアロックアクチュエータ10の動作時において入力端末T1に流入した電流によって照明灯LEDを点灯すると共にコンデンサCに電荷を充電し、ドアロックアクチュエータ10の動作が終了した後においてはコンデンサCから放電される電流によって照明灯LEDを点灯する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアロックアクチュエータの解錠及び施錠の両方又は一方の動作に伴って照明灯を点灯させる車両用照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両ドアを解錠、施錠等をする際にドア周りを照らすドアランプ、座席の足元を照らすフットランプ、サイドステップを照らすランプやキーランプ等の車両用照明灯を点灯させると、その車両の利用者にとって便利である。そこで、現在、車両ドアのドアロックシステムにドアロック制御ユニットがドアロックアクチュエータの動作を制御する方式が採用されてきているところから、ドアロック制御回路がドアロックアクチュエータを制御して解錠、施錠等の動作をさせる際に、車両用ランプを点灯させる手法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「自動車のサイドステップの足元用照明装置」が開示されている。この足元用照明装置は、ドアロック用のリモコンから発信されたドアロックの解錠信号を受信した受信装置がこの解錠信号をドアロック制御回路に伝えると、このドアロック制御回路は、モータ(ドアロックアクチュエータ)に電力を与えるリレーを作動させてモータを回転させてドアロックを解錠すると共に足元用照明ランプを点灯させる電力を供給するリレーを作動させて足元用照明ランプを点灯するように構成されている。そしてこの足元照明装置は足元用照明ランプを所定時間点灯させるためにタイマーが作動するように構成されている。
【0004】
この特許文献1においては、車両ドアの解錠、施錠等に際して足元用照明ランプを点灯させる照明装置に関して、ドアロックの解錠及び施錠動作のための電源とは別に照明灯を点灯させるための常時電源が用いられ、またドアロックの解錠、施錠等の動作の際、所定時間点灯させるためにタイマが用いられる手法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−157511号公報(特許請求の範囲、2頁2欄39行〜3頁3欄1行)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしドアロックの解除、施錠等の動作時に、ドアの周りを照らすドアランプ、座席の足元のフットランプ、キーランプ、サイドステップのフットランプ等の車両用ランプを点灯させる照明装置において、照明灯のための常時電源を必要とする構成とすると、その常時電源への配線やアースが必要となる。また照明装置を設置する付近に常時電源がないと、常時電源と接続するための配線が複雑になる。また照明装置の設置場所によっては配線の作業が困難となる。またタイマーを用いて一定時間照明灯を点灯させた後に消灯させる場合には、タイマーのための回路やドアロックアクチュエータの解錠や施錠等の動作を検知するための回路が必要となり、それだけ照明装置の回路が複雑になり、やはり設置場所によっては配線の作業が困難となる。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、上記問題を解決し、車両ドアの解錠、施錠等の動作の際に車両用照明灯を点灯させる車両用照明装置であって、照明灯を点灯させるための電源として特別の常時電源を必要とすることなく、また設置するための配線が容易な車両用照明装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の車両用照明装置は、車両ドアのドアロックアクチュエータの電気回路から電気を得て、前記ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方又は一方の動作に伴って照明灯を点灯する車両用照明装置であって、前記ドアロックアクチュエータの前記動作時において前記ドアロックアクチュエータの電気回路の両端のうちの高電位となる一端から電流が流入する入力端末と、前記動作時において前記電気回路の両端のうちの低電位となる他端へ電流が流出する出力端末と、照明灯と、コンデンサとを備える照明灯駆動回路を有し、前記照明灯駆動回路は、前記ドアロックアクチュエータの前記動作時において前記入力端末に流入した電流によって前記照明灯を点灯すると共に前記コンデンサに電荷を充電し、前記ドアロックアクチュエータの前記動作が終了した後においては前記コンデンサから放電される電流によって前記照明灯を点灯することを特徴とする車両用照明装置である(請求項1)。
以下本発明の車両用照明装置(以下、適宜「本照明装置」と略す。)を詳細に説明する。
【0009】
本照明装置は、車両ドアのドアロックアクチュエータの電気回路から電気を得て、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作のいずれの動作にも伴って照明灯を点灯するか、あるいはドアロックアクチュエータの解錠動作に伴って照明灯を点灯するか、あるいはドアロックチュエータの施錠動作に伴って照明灯を点灯する照明装置である。つまり本照明装置は、これら3つの場合のいずれであってもよい。
【0010】
ここで、本照明装置が用いられるドアロックアクチュエータの解錠及び施錠の動作を制御するシステムの要部を図4、図5を参照しつつ説明する。但し、本照明装置が用いられるドアロックアクチュエータは、ここで説明するドアロック制御システムのドアロックアクチュエータに限定されるものではない。広く、解錠や施錠動作時においてドアロックアクチュエータの電気回路の両端に電位差を生じるものであれば本照明装置を用いることができる。
つまり、ここではリモコンでドアロックの解除信号や施錠信号が与えられるドアロック制御ユニットとドアロックアクチュエータの例を用いて説明するが、本照明装置はドアロックアクチュエータの電気回路の両端の電位差を利用して照明灯を点灯させる装置であるので、ドアロックアクチュエータの制御がリモコン作動方式に対してだけでなく、制御がリモコン作動方式でないドアロックアクチュエータに対してももちろん利用可能である。要はドアロックの解錠や施錠動作時において電気回路の両端に電位差を生じるドアロックアクチュエータであれば、ドアロックアクチュエータを制御するシステムのあり方に依存することなく、本照明装置を用いることができる。なお、以下に用いる図4、図5については、同種の要素、部位については、同じ符号を使用した。
【0011】
図4に示すドアロック制御ユニット20は、ドアロックの解錠信号及び施錠信号を発信するリモコン22とリモコン22からの解錠信号及び施錠信号を受信してドアロックアクチュエータ10の解錠動作及び施錠動作を制御する本体部21とを備えている。そしてこの本体部21は、アンテナANと2つのリレーRL1、RL2とを備えている。本体部21は、アンテナANで解錠信号等を受信するとリレーRL1、RL2を作動するように構成されている。そして第1リレーRL1とドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端のうちの一端Aとが接続され、第2リレーRL2と電気回路の両端のうちの他端Bとが接続されている。2つのリレーRL1、RL2のいずれかが作動すると、モータMを内蔵するドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bに電位差が与えられて、ドアロックアクチュエータ10が解錠動作や施錠動作を行うように構成されている。
【0012】
国産車においては、2つのリレーRL1、RL2が作動しておらずドアロックアクチュエータ10が動作していないときは、通常、図4に示すように本体部21の2つのリレーRL1、RL2が共にアースに繋がっている状態にしておいて、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bは共にマイナス(−)とすることで、ドアロックアクチュエータ10が動作しないようにしている。
【0013】
この状態において、リモコン21から信号が入ると、第1リレーRL1または第2リレーRL2のいずれかが作動する。そうするとドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bに電位差が生じて、ドアロックアクチュエータ10が解錠動作又は施錠動作をする。例えば図4において、電気回路の一端Aが高電位となり他端Bが低電位となるときにドアロックアクチュエータ10が解錠するように構成されている場合には、第2リレーRL2を一定時間、概ね200msから2sの間作動させて、第1リレーRL1をアースに繋がっているままの状態にしておく。第2リレーRL2が作動すると、電気回路の一端Aは電源+Bに繋って高電位となり、アースに繋がったままの他端Bは低電位となって、ドアロックアクチュエータ10に解錠動作をさせることができる。そして一定時間が経過すると、第2リレー2が元に戻り、ドアロックアクチュエータ10の両端A、Bの電位差はなくなって、ドアロックアクチュエータ10の解錠動作は停止する。この場合ドアロック(図示しない)は解錠状態となっている。
【0014】
次にドアロックアクチュエータ10に施錠動作をさせる場合には、今度は第1リレーRL1を一定時間作動させる。第1リレーRL1が作動すると、電気回路の他端Bは電源+Bに繋がって高電位となり、アースに繋がった電気回路の一端Aは低電位となって、ドアロックアクチュエータ10に施錠動作をさせることができる。そして一定時間経過して第1リレーRL1の作動が停止して元に戻ると、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bの電位差はなくなり、ドアロックアクチュエータ10の施錠動作は停止する。この場合ドアロック(図示しない)は施錠状態となっている。
【0015】
なお外国車においてはドアロックアクチュエータが動作していない場合は、通常、図5に示すように、本体部21の第1リレーRL1及び第2リレーRL2が共に電源+Bに繋がって、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bを共にプラス(+)とすることで、ドアロックアクチュエータ10が動作しないようにしている。この場合において、例えば、電気回路の一端Aが高電位となり他端Bが低電位となるときに、ドアロックアクチュエータ10が解錠動作をするように構成されている場合には、第2リレーRL2は電源+Bに繋がっているままの状態にしておき、第1リレーRL1を作動させる。第1リレーRL1が作動すると、電気回路の他端Bがアースに繋って低電位となり、電源+Bに繋がったAの部位が高電位となって、ドアロックアクチュエータ10に解錠動作をさせることができる。ドアロックアクチュエータ10の施錠動作をさせる場合には、第1リレーRL1を電源+Bに繋がっているままの状態にしておき、第2リレーRL2を作動させることになる。
【0016】
このように、ドアロックアクチュエータの電気回路の両端の一端が高電位となって他端が低電位となることで、ドアロックアクチュエータの解錠動作や施錠動作が行われる。この場合、電気回路の両端の電位差は、先に説明したように、解錠動作の場合と施錠動作の場合とでは反転している。即ち電気回路の両端のうちの一端に着目すると、その一端が解錠動作の時に高電位とすると施錠動作の時は低電位となっており、その他端は解錠動作の時に低電位となって施錠動作の時は高電位となっている。
【0017】
本照明装置は、ドアロックアクチュエータが解錠動作や施錠動作を行う際にドアロックアクチュエータの電気回路の両端に生じるこの電位差を利用する装置である。従って、上述したように、解錠動作時や施錠動作時において電気回路の両端に電位差が生じるドアロックアクチュエータであれば、ドアロックアクチュエータの制御がリモコン作動であるか否かを問うものではない。
本照明装置の照明灯駆動回路は、入力端末と出力端末という二つの端末を備えることで、解錠動作及び施錠動作の両方または一方の動作時に、ドアロックアクチュエータの電気回路の両端に生じる電位差を利用して、ドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が流れ込むようにしている。なおここで端末とは照明灯駆動回路に流れ込む電流の出入口をいい、入力端末は照明灯駆動回路に流れ込む電流の入口の役割を果たし、出力端末は照明灯駆動回路から流れ出す電流の出口の役割を果たすものである。
【0018】
本照明装置においては、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方又は一方の動作時にドアロックアクチュエータの電気回路の両端のうちの高電位となる一端と2つの端末のうちの一方の端末が繋がるようにし、両端のうちの低電位となる他端と2つの端末のうちの他方の端末とが繋がるようにすることで、ドアロックアクチュエータがその動作をする時に一方の端末をドアロックアクチュエータの電気回路の高電位となる一端から照明灯駆動回路に電流が流れ込む入口即ち入力端末とし、他方の端末を照明灯駆動回路からドアロックアクチュエータの電気回路の低電位となる他端へ電流が流れ出す出口即ち出力端末とすることができる。このようにして、ドアロックアクチュエータの動作時にドアロックアクチュエータの電気回路から本照明装置の照明灯駆動回路に電流が流れ込むようにすることができる。
【0019】
上述したように、ドアロックアクチュエータの電気回路の両端の電位差は、通常、解錠動作時と施錠動作時とでは反転するので、電気回路の両端に繋がった照明灯駆動回路の二つの端末の電位差も反転する。即ち解錠動作時に高電位となる端末は施錠動作時には低電位となるというように反転する。そこで、本照明装置においては電気回路の両端の電位差が反転することを利用して、解錠動作時及び施錠動作時の両方の時にドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流を流れ込むように構成して、解錠動作及び施錠動作のいずれの動作にも伴って照明灯を点灯させるように構成することができる。この場合には解錠動作時の出力端末が施錠動作時の入力端末となり、解錠動作時の入力端末は施錠動作時の出力端末となるというように反転することになる。
【0020】
また、本照明装置においては、解錠動作時にのみドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が流れ込むように構成してドアロックアクチュエータの解錠動作にのみ伴って照明灯を点灯させることも、また施錠動作動作時にのみドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が流れ込むように構成してドアロックアクチュエータの施錠動作にのみ伴って照明灯を点灯させることもできる。この場合には2つの端末は入力端末及び出力端末の役割を反転させないように構成すればよい。
【0021】
ドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流を流入させる場合、電流の流れる方向を制御する整流回路素子を適切に用いることで照明灯駆動回路に流れる電流に方向性を与えて、ドアロックアクチュエータの電気回路から本照明装置の照明灯駆動回路に流れ込む電流を制御することができる。例えば整流回路素子であるダイオードのアノード側を一方の端末に向けて照明灯駆動回路に取り付けることで、その一方の端末からのみ照明灯駆動回路に電流が流れ込むようにすることができる。この場合には、その一方の端末が入力端末となる。このような電流の流れる方向を制御する整流回路素子としては、例えばダイオードを挙げることができるが、この回路素子に限定されるものではない。また複数の回路素子を組み合わせて構成することも可能である。例えばブリッジ回路を設けて電流の流れる方向を制御することもできる。
【0022】
本照明装置の照明灯駆動回路は照明灯とコンデンサを備えており、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方又は一方の動作時において入力端末に流入した電流によって照明灯を点灯すると共にコンデンサに電荷を充電するように構成されている。例えば、入力端末と出力端末の間に照明灯とコンデンサとが並列関係になるように設けることで、ドアロックアクチュエータの電気回路から本照明装置の照明灯駆動回路に流れ込んだ電流で照明灯を点灯しつつ、同時にコンデンサに電荷が充電することができる。
【0023】
そして、本照明装置の照明灯駆動回路は、ドアロックアクチュエータの動作が終了した後においては電荷を充電したコンデンサから放電される電流によって照明灯を点灯するように構成されている。即ちドアロックアクチュエータの電気回路の両端の電位差がなくなってドアロックアクチュエータの動作が終了したときには、もはやドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が入らなくなる。そこで今度はコンデンサに充電された電荷を利用して、コンデンサから電流を放電させることで照明灯をしばらくの間点灯させるように本照明装置は構成されている。コンデンサに充電された電荷が消費されて照明灯を点灯させることができなくなると、照明灯は自動的に消灯することになる。
【0024】
なおコンデンサから放電される電流で照明灯を点灯させるには、放電された電流が照明灯を通電するようには照明灯駆動回路を構成すればよい。電気回路にコンデンサから放電される電流が電気回路に流れ出さないように、電流の流れる方向を制御する整流回路素子を設けて照明灯駆動回路を構成することができる。この回路素子は先に述べた電気回路から照明灯駆動回路に流れ込む電流を制御する回路素子とを兼ねることができる。つまり1つの回路素子で電流が流れ込む入力端末を決定し、またこの入力端末から電流が流出しないようにすることができる。このような回路素子としては例えばダイオードを挙げることができるが、この回路素子に限定されるものではない。また複数の回路素子を組み合わせて構成することも可能である。
【0025】
本照明装置に用いる照明灯は通電して点灯する照明灯であれば、特に限定はなく、電球、発光ダイオード等を用いることができる。この場合、ドアロックアクチュエータの解錠動作や施錠動作時にコンデンサに充電された電荷によって、照明灯の点灯を持続させるので、コンデンサに充電された電荷で点灯が持続する照明灯を選択して用いることができる。なおこの場合、コンデンサに充電される電荷の量を考慮すると、低電流で発光する照明灯を用いることが好ましい。例えば、低電流、低電圧で発光する発光ダイオードが好ましい。
【0026】
本照明装置に用いるコンデンサとして、照明灯を発光させるのに必要な電力に応じて、電荷を速く充電できるコンデンサを用いることが好ましい。例えば高容量電解コンデンサや低インピーダンス電気二重層コンデンサ等を用いることができる。但しこれらに限定されるものではなく、ドアロックアクチュエータの解錠動作や施錠動作の時間、本照明装置の照明灯駆動回路に流れ込む電流の大きさ、照明灯を点灯させるのに必要な電流の大きさ、照明灯を点灯させ続ける時間等を考慮して適切なコンデンサを用いることができる。この場合、照明灯が点灯して消灯するまでの時間は、ドアロックアクチュエータの解錠動作時にコンデンサに充電された電荷が多ければそれだけ長くなり、照明灯を発光させるのに必要な電流が大きいとそれだけ短くなる。
【0027】
コンデンサに充電された電荷を用いて、例えば発光ダイオードを発光させる場合、コンデンサの充電された電荷が消費されてコンデンサの電圧が照明灯を点灯させる順電圧に近づくと、照明灯が薄暗く点灯するということが継続することということが生じる。本発明の車両用照明装置の照明灯駆動回路は、コンデンサに充電された電荷を強制放電させる強制放電手段を備えることが好ましい(請求項2)。このように強制放電手段を備えることで、例えば発光ダイオードからなる照明灯が薄暗く継続的に点灯することを防止することができる。
【0028】
この強制放電手段はどのように構成しても良いが、照明灯駆動回路の簡便さの観点からはコンデンサに対して並列接続された抵抗器を用いて構成することができる。この強制放電手段として用いる抵抗器としては、発光ダイオード等の照明灯の順電圧を考慮して、適切な抵抗値のものを選択して使用することできる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明の車両用照明装置の実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1の車両用照明装置(以下適宜「照明装置」と略す。)は、ドアロックアクチュエータの解錠動作のみに伴って照明灯が点灯する照明装置である。図1は、ドアロック制御ユニットの本体部21、ドアロックアクチュエータ10および本実施例の照明装置の照明灯駆動回路(以下、適宜「駆動回路」と略す。)30を示した図である。ドアロック制御ユニットのリモコンは省略してある。なお図1に用いる符号については、図4及び図5に示したドアロックアクチュエータ及びドアロック制御ユニットと同種の要素については、同じ符号を用いた。
【0030】
図1に示したドアロック制御ユニットの本体部21は、ドアロックが施錠状態にあるときの第1リレーRL1、第2リレーRL2の状態を示したものである。つまりこの状態においては、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bは共にアースに繋がっており、マイナス(−)の状態である。つまり「課題を解決する手段」の欄において、図4で示したドアロック制御回路の本体部21と同じ構成である。
【0031】
本実施例の照明装置の駆動回路30は以下のように構成されている。この駆動回路30は、入力端末としての第1端末T1、電流の逆流防止用のダイオードD、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、照明灯としての発光ダイオードLED、充電用のコンデンサC、強制放電手段としての第3抵抗器R3、出力端末としての第2端末T2とを備えている。そして本実施例の照明装置においては、ドアロックアクチュエータ10の解錠作動時に電気回路の両端のうち高電位となる一端Aには第1端末T1が繋がり、そして両端のうち低電位になる他端Bには第2端末T2が繋がるようにして用いられる。
【0032】
図1に示すように、第1端末T1、ダイオードD、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第2端末T2という順に直列に接続されている。従って、第1端末T1が高電位で第2端末T2が低電位というように第1端末T1と第2端末T2との間に電圧が印加されると、端1端末T1、ダイオードD、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第2端末T2というように電流が流れる回路が構成される。この場合、発光ダイオードLEDは、この電流が流れる方向に電流が流れるように接続されている。ダイオードDはアノード側を第1端末T1に向けて直列接続されている。従ってこの駆動回路30においては第1端末T1にのみ電流が流れ込むように設定されている。つまり言い換えれば本実施例の照明装置の駆動回路30は、ドアロックアクチュエータ10の解錠動作時にのみ電流がドアロックアクチュエータ10の電気回路から駆動回路30に流れ込むように設定されており、第1端末T1は入力端末となり、第2端末T2は出力端末となる。
【0033】
本実施例の駆動回路30においては、第2抵抗器R2と発光ダイオードLEDのペアに対して、コンデンサCが並列に接続されている。ドアロックアクチュエータ10の解錠動作時には、第1端末T1、ダイオードD、第1抵抗器R1、コンデンサC、第2端末T2というように電流が流れる回路も構成され、端1端末T1に流入した電流によってコンデンサCに電荷が充電されるようになっている。なおこのコンデンサCには、高容量電解コンデンサや低インピーダンス電気二重層コンデンサ等を使用することができる。また本実施例の駆動回路30には、コンデンサCに充電された電荷を強制的に放電させる強制的放電手段としての第3抵抗器R3が更にコンデンサCに対して並列に接続されている。
【0034】
本実施例の照明装置の駆動回路30の動作を説明する。図示しないリモコンからの解錠信号をドアロック制御ユニットの本体部21が備えるアンテナANが受信しすると、第2リレーRL2が作動する。第2リレーRL2が作動して第2リレーRL2が電源+Bに繋がると、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の一端Aが高電位となり、他端Bが低電位となる。その結果、ドアロックアクチュエータ10のモータMが駆動して、ドアロックアクチュエータ10の解錠動作が行われる。
【0035】
この解錠動作の際、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の高電位となった一端Aに繋がった第1端末T1は、電気回路の低電位となった他端Bに繋がった第2端末T2よりも高電位となり、2つの端末T1、T2の間に電圧が印加されて、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の一端Aから第1端末T1に電流が流れ込む。そして、ダイオードD、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第2端末T2と電流が流れることで、発光ダイオードLEDが通電して点灯する。また、第1端末T1、ダイオードD、第1抵抗器R1、コンデンサC、第2端末T2というように電流が流れ、コンデンサCに電荷が充電される。
【0036】
第2リレーRL2の作動時間が経過して、第2リレーが図1に示したアースと繋がっている状態即ちオフに戻ると、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bには電位差がなくなり、ドアロックアクチュエータ10の電気回路から第1端末T1に電流が流れ込まなくなる。そうするとコンデンサCに充電された電荷が放電されて、第2抵抗器R2、発光ダイオードLEDと電流が流れて、発光ダイオードLEDを続けて点灯させる。そしてこのコンデンサCに充電された電荷が放電され消費されてしまうと、自動的に発光ダイオードLEDは消灯する。この場合、ダイオードDはコンデンサCに充電された電荷が第1端末T1を通って、ドアロックアクチュエータ10の電気回路に流れ出さないようにする逆流防止の役割も果して、コンデンサCから放電された電流が発光ダイオードLEDを流れるようにしている。
【0037】
なお本実施例においては、第1端末T1に流入した電流は、第1抵抗器R1を経て、コンデンサCを流れるように構成されている。この第1抵抗器R1によって、コンデンサCに流れる電流の大きさを制限することができる。コンデンサCは、上述したように低インピーダンスのものを用いて瞬時に電気を充電することが好ましいので、第1抵抗器R1を備えることで駆動回路30に流れ込む電流の量を制限して、ドアロック制御ユニット21が有する第1リレーRL1および第2リレーRL2の接点を保護することができる。この場合、第1抵抗器R1の抵抗値は、第3抵抗器R3及び第2抵抗器R2と発光ダイオードLEDのペアのいずれ抵抗値に対しても十分に小さく、第2リレーRL2の作動時間内においてコンデンサCが充電不足にならないことを考慮して設定することができる。
【0038】
例えば、ドアロックアクチュエータ10の電源+Bの電圧が12Vの場合に、第1抵抗器R1の抵抗値を1Ωと設定すると、この駆動回路30に入る電流は12A以下に制限することができる。そしてコンデンサCが10000μFの場合にはコンデンサCの充電時間が概ね100msとなる。ドアロックアクチュエータを駆動するためのドアロック制御ユニットの本体部21が備えるリレーRL1、RL2の作動時間は一般的に概ね500ms程度であるので、リレー保護とリレーの作動時間内での充電を両立させることができる。このようにコンデンサCが充電している時においても、このコンデンサCに対して並列関係にある第2抵抗器R2と発光ダイオードLEDのペアにも電流が流れており、発光ダイオードLEDは点灯している。
【0039】
また本実施例の照明装置の駆動回路30は、発光ダイオードLEDに電流が流れる際に、第2抵抗器R2を経て発光ダイオードLEDを通電するように構成されている。第1端末T1と第2端末T2との電位差が発光ダイオードLEDの順電圧よりも高くても、このように発光ダイオードLEDに対して直列に接続した第2抵抗器R2を備えることで、発光ダイオードLEDに流れる電流を制限することができ、発光ダイオードLEDの破壊を防止することができる。なお本実施例においては、発光ダイオードLEDに流れる突入電流を制限するために第2抵抗器R2を備えているが、抵抗器に代えて、定電流ダイオード(Current Regulative Diode)に用いることも可能である。
【0040】
発光ダイオードLEDに流れる電流の値は、(コンデンサCの電圧−発光ダイオードLEDの順電圧)/第2抵抗器R2の抵抗値となり、コンデンサCの放電による電圧低下とともに減少していく。そしてこのコンデンサCの電圧が発光ダイオードLEDの順電圧に近づくと、発光ダイオードLEDに流れる電流は大幅に減少して発光ダイオードLEDの点灯によるコンデンサCの放電率も大幅に減少する。このため、コンデンサCから放電した電流を発光ダイオードLEDの点灯のためだけに用いた場合には、コンデンサCの電圧が発光ダイオードLEDの順電圧に近づくとだらだらと薄暗く点灯を続けてしまう。
【0041】
そこで本実施例においては、コンデンサCに対して第3抵抗器R3が並列に接続されている。この第3抵抗器R3に流れる電流の値は、コンデンサCの電圧/第3抵抗器R3の抵抗値となる。したがって、コンデンサCの電圧が発光ダイオードLEDの順電圧付近にまで低下しても、第3抵抗器R3によって強制放電が行われて、発光ダイオードLEDがだらだら薄暗く点灯し続けてしまうことを防止することができる。なお、本実施例においては、先に説明したようにドアロックアクチュエータ10の電源が12Vとする場合には、この第3抵抗器R3としては、概ね抵抗値が1kΩ〜100kΩのものを用いることができる。
【0042】
なおドアロックアクチュエータの施錠動作時においては、ドアロックアクチュエータの電気回路の一端Aが低電位となり、他端Bが高電位となる。しかし本実施例の駆動回路30においては、ダイオードDの存在によって第2端末T2から電流が流れ込むことはない。従って発光ダイオードLEDが点灯することはない。また発光ダイオードLEDは電流の流れる方向が決まっているので、その点においても施錠動作時に点灯することはない。
【0043】
本実施例では、照明装置の駆動回路30を流れる電流が逆流することを防止するコンデンサDを第1端末と第1抵抗器R1の間に備えている。但し逆流防止用のコンデンサの位置は本実施例のコンデンサDが設置された位置に限定されない。例えば、他の回路素子を介在させずに第2端末T2に繋がる位置に第2端末T2に電流が流れるような方向に向けてコンデンサを設置することもできる。
【0044】
なお、本実施例の駆動回路30の第1端末T1と第2端末T2とが繋がるドアロックアクチュエータ30の電気回路の両端A、Bを反対にすることによって、本照明装置をドアロックの施錠動作に伴って照明灯を点灯させる車両用照明装置とすることができる。また本実施例の照明装置は、ドアロック制御ユニットの本体部が「課題を解決するための手段」の欄の図5に示したようなドアロック制御ユニットの本体部21においても用いることができる。この場合においても、ドアロックアクチュエータが解錠動作をする場合において、ドアロックアクチュエータの電気回路の高電位となる一端に第1端末T1を接続し、低電位となる他端に第2端末T2を接続して用いることができる。この場合、図5において解錠動作時に第1リレーRL1が作動して第1リレーRL1がアースと繋がるように設定されているときは、図5の解錠動作時に高電位となる一端Aに第1端末T1を接続し、低電位となる他端Bに第2端末T2を接続して用いることができる。
また、本実施例においては、リモコンで作動するドアロック制御ユニットに接続されたドアロックアクチュエータ10の例を示したが、ドアロックアクチュエータを制御するドアロック制御ユニットの方式に関しては限定はなく、リモコンで作動するものでなくてもよい。
【0045】
(実施例2)
実施例2の車両用照明装置は、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方の動作に伴って照明灯が点灯する照明装置である。図2は、本実施例の照明装置の駆動回路を示した図である。図1とは異なり、ドアロックアクチュエータを示していない。なお、図2においては、図1で示した駆動回路と同種の要素については同一の符号を用いた。
【0046】
本実施例の照明装置の駆動回路は以下のように構成されている。この駆動回路は、第1端末T1、4つのダイオード即ち第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、第3ダイオードD3、第4ダイオードD4、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、照明灯としての発光ダイオードLED、充電用のコンデンサC、強制放電手段としての第3抵抗器R3、第2端末T2とを備えている。本実施例の照明装置においては、第1端末T1と第2端末T2は、図示しないドアロックアクチュエータの電気回路の両端いずれかにそれぞれ繋がるようにすればよい。つまり第1端末T1をドアロックアクチュエータの電気回路の両端のうちの一端に繋いだ場合には、第2端末T2は電気回路の両端のうちの他端に繋げばよい。つまりドアロックアクチュエータの解錠及び施錠時のいずれの場合においても、その電気回路の両端のうちの高電位となった一端から電流が本実施例の駆動回路30に入力されるように構成されている。
【0047】
本実施例の駆動回路において、第1端末T1が高電位で第2端末が低電位となる場合には、第1端末T1、第2接続点Y、第2ダイオードD2、第1接続点X、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第3接続点Z、第3ダイオードD3、第4接続点W、第2端末T2というように電流が流れるように構成されている。また第1端末T1が低電位で第2端末が高電位となる場合には、第2端末T2、第4接続点W、第1ダイオードD1、第1接続点X、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第3接続点Z、第4ダイオードD4、第2接続点Y、第1端末T1というように電流が流れるように構成されている。発光ダイオードLEDは、このように電流が流れる方向に電流が流れるように接続されている。本実施例においては、第1から第4の4つのダイオードD1、D2、D3及びD4によっていわゆるブリッジ回路が形成され、第1端末T1及び第2端末T2の高い電位となった方の端末から駆動回路に電流が流入するように構成されている。従って本実施例の駆動回路においては、第1端末T1及び第2端末T2は、ドアロックアクチュエータの解錠動作の時と施錠動作の時とでは、出力端末及び入力端末としての地位を反転することになる。
【0048】
ここでブリッジ回路の4つの接続点のうちの第1接続点Xと第3接続点Zに着目すると、本実施例の駆動回路は、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の動作時において第1端末T1及び第2端末T2のどちらが高電位となろうと、第1接続点Xが高電位となり第3接続点Zが低電位となるように構成されている。従って本実施例の駆動回路においては第1接続点X、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第3接続点Zというように電流が流れる回路が構成されている。
【0049】
また本実施例の駆動回路においては、第2抵抗器R2と発光ダイオードLEDのペアに対して、実施例1と同様に、充電用のコンデンサCが並列に接続されている。従って第1端末T1及び第2端末T2のどちらから本実施例の駆動回路に電流が流れ込もうと、第1接続点X、第1抵抗器R1、コンデンサC、第3接続点Zというように電流が流れる回路も構成され、本実施例の駆動回路に流入した電流によってコンデンサCに電荷が充電されるようになっている。更に本実施例の駆動回路には、実施例1と同様に、コンデンサCに充電された電荷を強制的に放電させる強制的放電手段として、第3抵抗器R3が更にコンデンサCに対して並列に接続されている。
【0050】
本実施例の照明装置の駆動回路の動作を説明する。図示しないドアロックアクチュエータの解錠動作又は施錠動作が行われると、本実施例の駆動回路の第1端末T1と第2端末T2のうちのいずれか一方の端末から流れ込んだ電流は、第1接続点Xを通って、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第3接続点Z、他方の端末と電流が流れることで、発光ダイオードLEDが通電して点灯する。また、第1接続点X、第1抵抗器R1、コンデンサC、第3接続点Xというように電流が流れ、コンデンサCに電荷が充電される。
【0051】
ドアロックアクチュエータの電気回路の両端に電位差がなくってその電気回路から電流が流れ込まなくなると、実施例1と同様に、コンデンサCに充電された電荷が放電されて、第2抵抗器R2、発光ダイオードLEDと電流が流れて、発光ダイオードLEDを続けて点灯させる。そしてこのコンデンサCに充電された電荷が放電され消費されてしまうと、自動的に発光ダイオードLEDは消灯する。この場合、第1ダイオードD1と第2ダイオードD2はコンデンサCに充電された電荷が第1端末T1か第2端末T2のいずれかを通って、ドアロックアクチュエータの電気回路に流れ出さないようにする逆流防止の役割も果たしている。
【0052】
なお、本実施例の駆動回路は、実施例1の駆動回路と同様に、図示しないドアロック制御ユニットのリレーの接点を保護するために第1抵抗器R1を、また発光ダイオードLEDを流れる電流の量を制限するために第2抵抗器R2を、更にコンデンサCに充電された電荷を強制的に放電するために第3抵抗器R3を有している。第1抵抗器R1、第2抵抗器R2及び第3抵抗器R3はそれぞれ実施例1の駆動回路の第1抵抗器R1、第2抵抗器R2及び第3抵抗器R3と基本的には同じように動作し、同じ機能、役割を有している。従って第1抵抗器R1、第2抵抗器R2及び第3抵抗器R3は、実施例1において第1抵抗器R1、第2抵抗器R2及び第3抵抗器R3についてした説明と基本的には同じことを言うことができる。従って第2抵抗器R2については、抵抗器に代えて、定電流ダイオード(Current Regulative Diode)に用いることも可能である。
【0053】
本実施例においては、ドアロックアクチュエータの解錠動作時及び施錠動作時のいずれの場合にも、ドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が流れ込んで、これらの動作に伴って発光ダイオードLEDをしばらくの間発光させることができる。
【0054】
(実施例3)
実施例3の車両用照明装置は、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方の動作に伴って照明灯が点灯する照明装置である。図3は、本実施例の照明装置の駆動回路を示した図である。図2と同様に、ドアロックアクチュエータを示していない。なお、図3においては、図1及び図2で示した駆動回路と同種の要素については同一の符号を用いた。
【0055】
本実施例の照明装置の照明灯駆動回路は、実施例2の照明灯駆動回路を変形したものであって、以下に述べる異なる点を除けば、基本的には、実施例2の照明装置の照明灯駆動回路と同種の要素を用いて同じように構成されている。実施例2の照明灯駆動回路と異なる点は、照明灯として実施例2の駆動回路では発光ダイオードを用いていたのに対して、本実施例の駆動回路では電球LAを用いたこと、電流LAを用いたことに伴い照明灯に流れ込む電流の量を制限する第2抵抗器とコンデンサに充電された電荷を強制的に放電する手段である第3抵抗器を備えていないことである。他の点は、実施例2の駆動回路と同一である。即ちこの駆動回路は、第1端末T1、4つのダイオード即ち第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、第3ダイオードD3、第4ダイオードD4、第1抵抗器R1、照明灯としての電球LA、充電用のコンデンサC、第2端末T2とを備えている。
【0056】
照明灯として、実施例3では電球LAを用いたので、電球LAの消費電力が発光ダイオードと比較すると大きいことから、電球LAに流れ込む電流の量を制御する第2抵抗器、また照明灯が薄暗く長く続くことを防止するためにコンデンサCに充電された電荷を強制的に放電する第3抵抗器を用いる必要性に乏しいので、実施例3の駆動回路では、第2抵抗器及び第3抵抗器を有していない。実施例2の照明灯駆動回路において、第2抵抗器及び第3抵抗器を有していた動作を除けば、基本的には、実施例3の照明灯駆動回路が行う動作は、実施例2の照明灯駆動回路の動作と同一であるので、その説明は第2抵抗器及び第3抵抗器の説明を除いて、実施例2において行った説明を同一である。
【0057】
なお、本発明の車両用照明装置は、上述した3つの実施例に限定されるものではない。請求項に記載された発明の範囲内で、種々の変形、改良を施した形態で実施することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の車両用照明装置は、ドアロックアクチュエータに接続して用いることができるので、配線の作業が容易となる。
また本発明の車両用照明装置は、ドアロックアクチュエータへの配線以外の配線は必要ないので、常時電源の通っていないドアにでも簡単に設置することが可能となる。
更に、本発明の車両用照明装置は、タイマーなどを用いることなく、点灯したランプを消灯させることができるので、それだけ複雑な回路を必要としなくなる。
また本発明の車両用照明装置を車両に装着することで、ドアの解錠動作及び施錠動作の両方又は一方の動作に伴い、車両の周りや車両の室内の任意の場所、例えばドア周り、サイドステップ、座席の足元や鍵穴の周り等を明るくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用照明装置の実施例1を示した図である。
【図2】実施例2の照明灯駆動回路を示した図である。
【図3】実施例3の照明灯駆動回路を示した図である。
【図4】国産車におけるドアロックアクチュエータを制御するシステムの概略を示した図である。
【図5】外国車におけるドアロックアクチュエータを制御するシステムの概略を示した図である。
【符号の簡単な説明】
10:ドアロックアクチュエータ
M:モータ
20:ドアロック制御回路
21:リモコン
22:ドアロック制御回路の本体部
RL1:第1リレー RL2:第2リレー
30:実施例1の車両用照明装置の照明灯駆動回路
T1:第1端末 T2:第2端末
D:ダイオード
D1:第1ダイオード D2:第2ダイオード
D3:第3ダイオード D4:第4ダイオード
R1:第1抵抗器 R2:第2抵抗器
R3:第3抵抗器
LED:発光ダイオード
C:コンデンサ
LA:電球
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアロックアクチュエータの解錠及び施錠の両方又は一方の動作に伴って照明灯を点灯させる車両用照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両ドアを解錠、施錠等をする際にドア周りを照らすドアランプ、座席の足元を照らすフットランプ、サイドステップを照らすランプやキーランプ等の車両用照明灯を点灯させると、その車両の利用者にとって便利である。そこで、現在、車両ドアのドアロックシステムにドアロック制御ユニットがドアロックアクチュエータの動作を制御する方式が採用されてきているところから、ドアロック制御回路がドアロックアクチュエータを制御して解錠、施錠等の動作をさせる際に、車両用ランプを点灯させる手法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「自動車のサイドステップの足元用照明装置」が開示されている。この足元用照明装置は、ドアロック用のリモコンから発信されたドアロックの解錠信号を受信した受信装置がこの解錠信号をドアロック制御回路に伝えると、このドアロック制御回路は、モータ(ドアロックアクチュエータ)に電力を与えるリレーを作動させてモータを回転させてドアロックを解錠すると共に足元用照明ランプを点灯させる電力を供給するリレーを作動させて足元用照明ランプを点灯するように構成されている。そしてこの足元照明装置は足元用照明ランプを所定時間点灯させるためにタイマーが作動するように構成されている。
【0004】
この特許文献1においては、車両ドアの解錠、施錠等に際して足元用照明ランプを点灯させる照明装置に関して、ドアロックの解錠及び施錠動作のための電源とは別に照明灯を点灯させるための常時電源が用いられ、またドアロックの解錠、施錠等の動作の際、所定時間点灯させるためにタイマが用いられる手法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−157511号公報(特許請求の範囲、2頁2欄39行〜3頁3欄1行)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしドアロックの解除、施錠等の動作時に、ドアの周りを照らすドアランプ、座席の足元のフットランプ、キーランプ、サイドステップのフットランプ等の車両用ランプを点灯させる照明装置において、照明灯のための常時電源を必要とする構成とすると、その常時電源への配線やアースが必要となる。また照明装置を設置する付近に常時電源がないと、常時電源と接続するための配線が複雑になる。また照明装置の設置場所によっては配線の作業が困難となる。またタイマーを用いて一定時間照明灯を点灯させた後に消灯させる場合には、タイマーのための回路やドアロックアクチュエータの解錠や施錠等の動作を検知するための回路が必要となり、それだけ照明装置の回路が複雑になり、やはり設置場所によっては配線の作業が困難となる。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、上記問題を解決し、車両ドアの解錠、施錠等の動作の際に車両用照明灯を点灯させる車両用照明装置であって、照明灯を点灯させるための電源として特別の常時電源を必要とすることなく、また設置するための配線が容易な車両用照明装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の車両用照明装置は、車両ドアのドアロックアクチュエータの電気回路から電気を得て、前記ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方又は一方の動作に伴って照明灯を点灯する車両用照明装置であって、前記ドアロックアクチュエータの前記動作時において前記ドアロックアクチュエータの電気回路の両端のうちの高電位となる一端から電流が流入する入力端末と、前記動作時において前記電気回路の両端のうちの低電位となる他端へ電流が流出する出力端末と、照明灯と、コンデンサとを備える照明灯駆動回路を有し、前記照明灯駆動回路は、前記ドアロックアクチュエータの前記動作時において前記入力端末に流入した電流によって前記照明灯を点灯すると共に前記コンデンサに電荷を充電し、前記ドアロックアクチュエータの前記動作が終了した後においては前記コンデンサから放電される電流によって前記照明灯を点灯することを特徴とする車両用照明装置である(請求項1)。
以下本発明の車両用照明装置(以下、適宜「本照明装置」と略す。)を詳細に説明する。
【0009】
本照明装置は、車両ドアのドアロックアクチュエータの電気回路から電気を得て、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作のいずれの動作にも伴って照明灯を点灯するか、あるいはドアロックアクチュエータの解錠動作に伴って照明灯を点灯するか、あるいはドアロックチュエータの施錠動作に伴って照明灯を点灯する照明装置である。つまり本照明装置は、これら3つの場合のいずれであってもよい。
【0010】
ここで、本照明装置が用いられるドアロックアクチュエータの解錠及び施錠の動作を制御するシステムの要部を図4、図5を参照しつつ説明する。但し、本照明装置が用いられるドアロックアクチュエータは、ここで説明するドアロック制御システムのドアロックアクチュエータに限定されるものではない。広く、解錠や施錠動作時においてドアロックアクチュエータの電気回路の両端に電位差を生じるものであれば本照明装置を用いることができる。
つまり、ここではリモコンでドアロックの解除信号や施錠信号が与えられるドアロック制御ユニットとドアロックアクチュエータの例を用いて説明するが、本照明装置はドアロックアクチュエータの電気回路の両端の電位差を利用して照明灯を点灯させる装置であるので、ドアロックアクチュエータの制御がリモコン作動方式に対してだけでなく、制御がリモコン作動方式でないドアロックアクチュエータに対してももちろん利用可能である。要はドアロックの解錠や施錠動作時において電気回路の両端に電位差を生じるドアロックアクチュエータであれば、ドアロックアクチュエータを制御するシステムのあり方に依存することなく、本照明装置を用いることができる。なお、以下に用いる図4、図5については、同種の要素、部位については、同じ符号を使用した。
【0011】
図4に示すドアロック制御ユニット20は、ドアロックの解錠信号及び施錠信号を発信するリモコン22とリモコン22からの解錠信号及び施錠信号を受信してドアロックアクチュエータ10の解錠動作及び施錠動作を制御する本体部21とを備えている。そしてこの本体部21は、アンテナANと2つのリレーRL1、RL2とを備えている。本体部21は、アンテナANで解錠信号等を受信するとリレーRL1、RL2を作動するように構成されている。そして第1リレーRL1とドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端のうちの一端Aとが接続され、第2リレーRL2と電気回路の両端のうちの他端Bとが接続されている。2つのリレーRL1、RL2のいずれかが作動すると、モータMを内蔵するドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bに電位差が与えられて、ドアロックアクチュエータ10が解錠動作や施錠動作を行うように構成されている。
【0012】
国産車においては、2つのリレーRL1、RL2が作動しておらずドアロックアクチュエータ10が動作していないときは、通常、図4に示すように本体部21の2つのリレーRL1、RL2が共にアースに繋がっている状態にしておいて、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bは共にマイナス(−)とすることで、ドアロックアクチュエータ10が動作しないようにしている。
【0013】
この状態において、リモコン21から信号が入ると、第1リレーRL1または第2リレーRL2のいずれかが作動する。そうするとドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bに電位差が生じて、ドアロックアクチュエータ10が解錠動作又は施錠動作をする。例えば図4において、電気回路の一端Aが高電位となり他端Bが低電位となるときにドアロックアクチュエータ10が解錠するように構成されている場合には、第2リレーRL2を一定時間、概ね200msから2sの間作動させて、第1リレーRL1をアースに繋がっているままの状態にしておく。第2リレーRL2が作動すると、電気回路の一端Aは電源+Bに繋って高電位となり、アースに繋がったままの他端Bは低電位となって、ドアロックアクチュエータ10に解錠動作をさせることができる。そして一定時間が経過すると、第2リレー2が元に戻り、ドアロックアクチュエータ10の両端A、Bの電位差はなくなって、ドアロックアクチュエータ10の解錠動作は停止する。この場合ドアロック(図示しない)は解錠状態となっている。
【0014】
次にドアロックアクチュエータ10に施錠動作をさせる場合には、今度は第1リレーRL1を一定時間作動させる。第1リレーRL1が作動すると、電気回路の他端Bは電源+Bに繋がって高電位となり、アースに繋がった電気回路の一端Aは低電位となって、ドアロックアクチュエータ10に施錠動作をさせることができる。そして一定時間経過して第1リレーRL1の作動が停止して元に戻ると、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bの電位差はなくなり、ドアロックアクチュエータ10の施錠動作は停止する。この場合ドアロック(図示しない)は施錠状態となっている。
【0015】
なお外国車においてはドアロックアクチュエータが動作していない場合は、通常、図5に示すように、本体部21の第1リレーRL1及び第2リレーRL2が共に電源+Bに繋がって、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bを共にプラス(+)とすることで、ドアロックアクチュエータ10が動作しないようにしている。この場合において、例えば、電気回路の一端Aが高電位となり他端Bが低電位となるときに、ドアロックアクチュエータ10が解錠動作をするように構成されている場合には、第2リレーRL2は電源+Bに繋がっているままの状態にしておき、第1リレーRL1を作動させる。第1リレーRL1が作動すると、電気回路の他端Bがアースに繋って低電位となり、電源+Bに繋がったAの部位が高電位となって、ドアロックアクチュエータ10に解錠動作をさせることができる。ドアロックアクチュエータ10の施錠動作をさせる場合には、第1リレーRL1を電源+Bに繋がっているままの状態にしておき、第2リレーRL2を作動させることになる。
【0016】
このように、ドアロックアクチュエータの電気回路の両端の一端が高電位となって他端が低電位となることで、ドアロックアクチュエータの解錠動作や施錠動作が行われる。この場合、電気回路の両端の電位差は、先に説明したように、解錠動作の場合と施錠動作の場合とでは反転している。即ち電気回路の両端のうちの一端に着目すると、その一端が解錠動作の時に高電位とすると施錠動作の時は低電位となっており、その他端は解錠動作の時に低電位となって施錠動作の時は高電位となっている。
【0017】
本照明装置は、ドアロックアクチュエータが解錠動作や施錠動作を行う際にドアロックアクチュエータの電気回路の両端に生じるこの電位差を利用する装置である。従って、上述したように、解錠動作時や施錠動作時において電気回路の両端に電位差が生じるドアロックアクチュエータであれば、ドアロックアクチュエータの制御がリモコン作動であるか否かを問うものではない。
本照明装置の照明灯駆動回路は、入力端末と出力端末という二つの端末を備えることで、解錠動作及び施錠動作の両方または一方の動作時に、ドアロックアクチュエータの電気回路の両端に生じる電位差を利用して、ドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が流れ込むようにしている。なおここで端末とは照明灯駆動回路に流れ込む電流の出入口をいい、入力端末は照明灯駆動回路に流れ込む電流の入口の役割を果たし、出力端末は照明灯駆動回路から流れ出す電流の出口の役割を果たすものである。
【0018】
本照明装置においては、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方又は一方の動作時にドアロックアクチュエータの電気回路の両端のうちの高電位となる一端と2つの端末のうちの一方の端末が繋がるようにし、両端のうちの低電位となる他端と2つの端末のうちの他方の端末とが繋がるようにすることで、ドアロックアクチュエータがその動作をする時に一方の端末をドアロックアクチュエータの電気回路の高電位となる一端から照明灯駆動回路に電流が流れ込む入口即ち入力端末とし、他方の端末を照明灯駆動回路からドアロックアクチュエータの電気回路の低電位となる他端へ電流が流れ出す出口即ち出力端末とすることができる。このようにして、ドアロックアクチュエータの動作時にドアロックアクチュエータの電気回路から本照明装置の照明灯駆動回路に電流が流れ込むようにすることができる。
【0019】
上述したように、ドアロックアクチュエータの電気回路の両端の電位差は、通常、解錠動作時と施錠動作時とでは反転するので、電気回路の両端に繋がった照明灯駆動回路の二つの端末の電位差も反転する。即ち解錠動作時に高電位となる端末は施錠動作時には低電位となるというように反転する。そこで、本照明装置においては電気回路の両端の電位差が反転することを利用して、解錠動作時及び施錠動作時の両方の時にドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流を流れ込むように構成して、解錠動作及び施錠動作のいずれの動作にも伴って照明灯を点灯させるように構成することができる。この場合には解錠動作時の出力端末が施錠動作時の入力端末となり、解錠動作時の入力端末は施錠動作時の出力端末となるというように反転することになる。
【0020】
また、本照明装置においては、解錠動作時にのみドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が流れ込むように構成してドアロックアクチュエータの解錠動作にのみ伴って照明灯を点灯させることも、また施錠動作動作時にのみドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が流れ込むように構成してドアロックアクチュエータの施錠動作にのみ伴って照明灯を点灯させることもできる。この場合には2つの端末は入力端末及び出力端末の役割を反転させないように構成すればよい。
【0021】
ドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流を流入させる場合、電流の流れる方向を制御する整流回路素子を適切に用いることで照明灯駆動回路に流れる電流に方向性を与えて、ドアロックアクチュエータの電気回路から本照明装置の照明灯駆動回路に流れ込む電流を制御することができる。例えば整流回路素子であるダイオードのアノード側を一方の端末に向けて照明灯駆動回路に取り付けることで、その一方の端末からのみ照明灯駆動回路に電流が流れ込むようにすることができる。この場合には、その一方の端末が入力端末となる。このような電流の流れる方向を制御する整流回路素子としては、例えばダイオードを挙げることができるが、この回路素子に限定されるものではない。また複数の回路素子を組み合わせて構成することも可能である。例えばブリッジ回路を設けて電流の流れる方向を制御することもできる。
【0022】
本照明装置の照明灯駆動回路は照明灯とコンデンサを備えており、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方又は一方の動作時において入力端末に流入した電流によって照明灯を点灯すると共にコンデンサに電荷を充電するように構成されている。例えば、入力端末と出力端末の間に照明灯とコンデンサとが並列関係になるように設けることで、ドアロックアクチュエータの電気回路から本照明装置の照明灯駆動回路に流れ込んだ電流で照明灯を点灯しつつ、同時にコンデンサに電荷が充電することができる。
【0023】
そして、本照明装置の照明灯駆動回路は、ドアロックアクチュエータの動作が終了した後においては電荷を充電したコンデンサから放電される電流によって照明灯を点灯するように構成されている。即ちドアロックアクチュエータの電気回路の両端の電位差がなくなってドアロックアクチュエータの動作が終了したときには、もはやドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が入らなくなる。そこで今度はコンデンサに充電された電荷を利用して、コンデンサから電流を放電させることで照明灯をしばらくの間点灯させるように本照明装置は構成されている。コンデンサに充電された電荷が消費されて照明灯を点灯させることができなくなると、照明灯は自動的に消灯することになる。
【0024】
なおコンデンサから放電される電流で照明灯を点灯させるには、放電された電流が照明灯を通電するようには照明灯駆動回路を構成すればよい。電気回路にコンデンサから放電される電流が電気回路に流れ出さないように、電流の流れる方向を制御する整流回路素子を設けて照明灯駆動回路を構成することができる。この回路素子は先に述べた電気回路から照明灯駆動回路に流れ込む電流を制御する回路素子とを兼ねることができる。つまり1つの回路素子で電流が流れ込む入力端末を決定し、またこの入力端末から電流が流出しないようにすることができる。このような回路素子としては例えばダイオードを挙げることができるが、この回路素子に限定されるものではない。また複数の回路素子を組み合わせて構成することも可能である。
【0025】
本照明装置に用いる照明灯は通電して点灯する照明灯であれば、特に限定はなく、電球、発光ダイオード等を用いることができる。この場合、ドアロックアクチュエータの解錠動作や施錠動作時にコンデンサに充電された電荷によって、照明灯の点灯を持続させるので、コンデンサに充電された電荷で点灯が持続する照明灯を選択して用いることができる。なおこの場合、コンデンサに充電される電荷の量を考慮すると、低電流で発光する照明灯を用いることが好ましい。例えば、低電流、低電圧で発光する発光ダイオードが好ましい。
【0026】
本照明装置に用いるコンデンサとして、照明灯を発光させるのに必要な電力に応じて、電荷を速く充電できるコンデンサを用いることが好ましい。例えば高容量電解コンデンサや低インピーダンス電気二重層コンデンサ等を用いることができる。但しこれらに限定されるものではなく、ドアロックアクチュエータの解錠動作や施錠動作の時間、本照明装置の照明灯駆動回路に流れ込む電流の大きさ、照明灯を点灯させるのに必要な電流の大きさ、照明灯を点灯させ続ける時間等を考慮して適切なコンデンサを用いることができる。この場合、照明灯が点灯して消灯するまでの時間は、ドアロックアクチュエータの解錠動作時にコンデンサに充電された電荷が多ければそれだけ長くなり、照明灯を発光させるのに必要な電流が大きいとそれだけ短くなる。
【0027】
コンデンサに充電された電荷を用いて、例えば発光ダイオードを発光させる場合、コンデンサの充電された電荷が消費されてコンデンサの電圧が照明灯を点灯させる順電圧に近づくと、照明灯が薄暗く点灯するということが継続することということが生じる。本発明の車両用照明装置の照明灯駆動回路は、コンデンサに充電された電荷を強制放電させる強制放電手段を備えることが好ましい(請求項2)。このように強制放電手段を備えることで、例えば発光ダイオードからなる照明灯が薄暗く継続的に点灯することを防止することができる。
【0028】
この強制放電手段はどのように構成しても良いが、照明灯駆動回路の簡便さの観点からはコンデンサに対して並列接続された抵抗器を用いて構成することができる。この強制放電手段として用いる抵抗器としては、発光ダイオード等の照明灯の順電圧を考慮して、適切な抵抗値のものを選択して使用することできる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明の車両用照明装置の実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1の車両用照明装置(以下適宜「照明装置」と略す。)は、ドアロックアクチュエータの解錠動作のみに伴って照明灯が点灯する照明装置である。図1は、ドアロック制御ユニットの本体部21、ドアロックアクチュエータ10および本実施例の照明装置の照明灯駆動回路(以下、適宜「駆動回路」と略す。)30を示した図である。ドアロック制御ユニットのリモコンは省略してある。なお図1に用いる符号については、図4及び図5に示したドアロックアクチュエータ及びドアロック制御ユニットと同種の要素については、同じ符号を用いた。
【0030】
図1に示したドアロック制御ユニットの本体部21は、ドアロックが施錠状態にあるときの第1リレーRL1、第2リレーRL2の状態を示したものである。つまりこの状態においては、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bは共にアースに繋がっており、マイナス(−)の状態である。つまり「課題を解決する手段」の欄において、図4で示したドアロック制御回路の本体部21と同じ構成である。
【0031】
本実施例の照明装置の駆動回路30は以下のように構成されている。この駆動回路30は、入力端末としての第1端末T1、電流の逆流防止用のダイオードD、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、照明灯としての発光ダイオードLED、充電用のコンデンサC、強制放電手段としての第3抵抗器R3、出力端末としての第2端末T2とを備えている。そして本実施例の照明装置においては、ドアロックアクチュエータ10の解錠作動時に電気回路の両端のうち高電位となる一端Aには第1端末T1が繋がり、そして両端のうち低電位になる他端Bには第2端末T2が繋がるようにして用いられる。
【0032】
図1に示すように、第1端末T1、ダイオードD、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第2端末T2という順に直列に接続されている。従って、第1端末T1が高電位で第2端末T2が低電位というように第1端末T1と第2端末T2との間に電圧が印加されると、端1端末T1、ダイオードD、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第2端末T2というように電流が流れる回路が構成される。この場合、発光ダイオードLEDは、この電流が流れる方向に電流が流れるように接続されている。ダイオードDはアノード側を第1端末T1に向けて直列接続されている。従ってこの駆動回路30においては第1端末T1にのみ電流が流れ込むように設定されている。つまり言い換えれば本実施例の照明装置の駆動回路30は、ドアロックアクチュエータ10の解錠動作時にのみ電流がドアロックアクチュエータ10の電気回路から駆動回路30に流れ込むように設定されており、第1端末T1は入力端末となり、第2端末T2は出力端末となる。
【0033】
本実施例の駆動回路30においては、第2抵抗器R2と発光ダイオードLEDのペアに対して、コンデンサCが並列に接続されている。ドアロックアクチュエータ10の解錠動作時には、第1端末T1、ダイオードD、第1抵抗器R1、コンデンサC、第2端末T2というように電流が流れる回路も構成され、端1端末T1に流入した電流によってコンデンサCに電荷が充電されるようになっている。なおこのコンデンサCには、高容量電解コンデンサや低インピーダンス電気二重層コンデンサ等を使用することができる。また本実施例の駆動回路30には、コンデンサCに充電された電荷を強制的に放電させる強制的放電手段としての第3抵抗器R3が更にコンデンサCに対して並列に接続されている。
【0034】
本実施例の照明装置の駆動回路30の動作を説明する。図示しないリモコンからの解錠信号をドアロック制御ユニットの本体部21が備えるアンテナANが受信しすると、第2リレーRL2が作動する。第2リレーRL2が作動して第2リレーRL2が電源+Bに繋がると、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の一端Aが高電位となり、他端Bが低電位となる。その結果、ドアロックアクチュエータ10のモータMが駆動して、ドアロックアクチュエータ10の解錠動作が行われる。
【0035】
この解錠動作の際、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の高電位となった一端Aに繋がった第1端末T1は、電気回路の低電位となった他端Bに繋がった第2端末T2よりも高電位となり、2つの端末T1、T2の間に電圧が印加されて、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の一端Aから第1端末T1に電流が流れ込む。そして、ダイオードD、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第2端末T2と電流が流れることで、発光ダイオードLEDが通電して点灯する。また、第1端末T1、ダイオードD、第1抵抗器R1、コンデンサC、第2端末T2というように電流が流れ、コンデンサCに電荷が充電される。
【0036】
第2リレーRL2の作動時間が経過して、第2リレーが図1に示したアースと繋がっている状態即ちオフに戻ると、ドアロックアクチュエータ10の電気回路の両端A、Bには電位差がなくなり、ドアロックアクチュエータ10の電気回路から第1端末T1に電流が流れ込まなくなる。そうするとコンデンサCに充電された電荷が放電されて、第2抵抗器R2、発光ダイオードLEDと電流が流れて、発光ダイオードLEDを続けて点灯させる。そしてこのコンデンサCに充電された電荷が放電され消費されてしまうと、自動的に発光ダイオードLEDは消灯する。この場合、ダイオードDはコンデンサCに充電された電荷が第1端末T1を通って、ドアロックアクチュエータ10の電気回路に流れ出さないようにする逆流防止の役割も果して、コンデンサCから放電された電流が発光ダイオードLEDを流れるようにしている。
【0037】
なお本実施例においては、第1端末T1に流入した電流は、第1抵抗器R1を経て、コンデンサCを流れるように構成されている。この第1抵抗器R1によって、コンデンサCに流れる電流の大きさを制限することができる。コンデンサCは、上述したように低インピーダンスのものを用いて瞬時に電気を充電することが好ましいので、第1抵抗器R1を備えることで駆動回路30に流れ込む電流の量を制限して、ドアロック制御ユニット21が有する第1リレーRL1および第2リレーRL2の接点を保護することができる。この場合、第1抵抗器R1の抵抗値は、第3抵抗器R3及び第2抵抗器R2と発光ダイオードLEDのペアのいずれ抵抗値に対しても十分に小さく、第2リレーRL2の作動時間内においてコンデンサCが充電不足にならないことを考慮して設定することができる。
【0038】
例えば、ドアロックアクチュエータ10の電源+Bの電圧が12Vの場合に、第1抵抗器R1の抵抗値を1Ωと設定すると、この駆動回路30に入る電流は12A以下に制限することができる。そしてコンデンサCが10000μFの場合にはコンデンサCの充電時間が概ね100msとなる。ドアロックアクチュエータを駆動するためのドアロック制御ユニットの本体部21が備えるリレーRL1、RL2の作動時間は一般的に概ね500ms程度であるので、リレー保護とリレーの作動時間内での充電を両立させることができる。このようにコンデンサCが充電している時においても、このコンデンサCに対して並列関係にある第2抵抗器R2と発光ダイオードLEDのペアにも電流が流れており、発光ダイオードLEDは点灯している。
【0039】
また本実施例の照明装置の駆動回路30は、発光ダイオードLEDに電流が流れる際に、第2抵抗器R2を経て発光ダイオードLEDを通電するように構成されている。第1端末T1と第2端末T2との電位差が発光ダイオードLEDの順電圧よりも高くても、このように発光ダイオードLEDに対して直列に接続した第2抵抗器R2を備えることで、発光ダイオードLEDに流れる電流を制限することができ、発光ダイオードLEDの破壊を防止することができる。なお本実施例においては、発光ダイオードLEDに流れる突入電流を制限するために第2抵抗器R2を備えているが、抵抗器に代えて、定電流ダイオード(Current Regulative Diode)に用いることも可能である。
【0040】
発光ダイオードLEDに流れる電流の値は、(コンデンサCの電圧−発光ダイオードLEDの順電圧)/第2抵抗器R2の抵抗値となり、コンデンサCの放電による電圧低下とともに減少していく。そしてこのコンデンサCの電圧が発光ダイオードLEDの順電圧に近づくと、発光ダイオードLEDに流れる電流は大幅に減少して発光ダイオードLEDの点灯によるコンデンサCの放電率も大幅に減少する。このため、コンデンサCから放電した電流を発光ダイオードLEDの点灯のためだけに用いた場合には、コンデンサCの電圧が発光ダイオードLEDの順電圧に近づくとだらだらと薄暗く点灯を続けてしまう。
【0041】
そこで本実施例においては、コンデンサCに対して第3抵抗器R3が並列に接続されている。この第3抵抗器R3に流れる電流の値は、コンデンサCの電圧/第3抵抗器R3の抵抗値となる。したがって、コンデンサCの電圧が発光ダイオードLEDの順電圧付近にまで低下しても、第3抵抗器R3によって強制放電が行われて、発光ダイオードLEDがだらだら薄暗く点灯し続けてしまうことを防止することができる。なお、本実施例においては、先に説明したようにドアロックアクチュエータ10の電源が12Vとする場合には、この第3抵抗器R3としては、概ね抵抗値が1kΩ〜100kΩのものを用いることができる。
【0042】
なおドアロックアクチュエータの施錠動作時においては、ドアロックアクチュエータの電気回路の一端Aが低電位となり、他端Bが高電位となる。しかし本実施例の駆動回路30においては、ダイオードDの存在によって第2端末T2から電流が流れ込むことはない。従って発光ダイオードLEDが点灯することはない。また発光ダイオードLEDは電流の流れる方向が決まっているので、その点においても施錠動作時に点灯することはない。
【0043】
本実施例では、照明装置の駆動回路30を流れる電流が逆流することを防止するコンデンサDを第1端末と第1抵抗器R1の間に備えている。但し逆流防止用のコンデンサの位置は本実施例のコンデンサDが設置された位置に限定されない。例えば、他の回路素子を介在させずに第2端末T2に繋がる位置に第2端末T2に電流が流れるような方向に向けてコンデンサを設置することもできる。
【0044】
なお、本実施例の駆動回路30の第1端末T1と第2端末T2とが繋がるドアロックアクチュエータ30の電気回路の両端A、Bを反対にすることによって、本照明装置をドアロックの施錠動作に伴って照明灯を点灯させる車両用照明装置とすることができる。また本実施例の照明装置は、ドアロック制御ユニットの本体部が「課題を解決するための手段」の欄の図5に示したようなドアロック制御ユニットの本体部21においても用いることができる。この場合においても、ドアロックアクチュエータが解錠動作をする場合において、ドアロックアクチュエータの電気回路の高電位となる一端に第1端末T1を接続し、低電位となる他端に第2端末T2を接続して用いることができる。この場合、図5において解錠動作時に第1リレーRL1が作動して第1リレーRL1がアースと繋がるように設定されているときは、図5の解錠動作時に高電位となる一端Aに第1端末T1を接続し、低電位となる他端Bに第2端末T2を接続して用いることができる。
また、本実施例においては、リモコンで作動するドアロック制御ユニットに接続されたドアロックアクチュエータ10の例を示したが、ドアロックアクチュエータを制御するドアロック制御ユニットの方式に関しては限定はなく、リモコンで作動するものでなくてもよい。
【0045】
(実施例2)
実施例2の車両用照明装置は、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方の動作に伴って照明灯が点灯する照明装置である。図2は、本実施例の照明装置の駆動回路を示した図である。図1とは異なり、ドアロックアクチュエータを示していない。なお、図2においては、図1で示した駆動回路と同種の要素については同一の符号を用いた。
【0046】
本実施例の照明装置の駆動回路は以下のように構成されている。この駆動回路は、第1端末T1、4つのダイオード即ち第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、第3ダイオードD3、第4ダイオードD4、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、照明灯としての発光ダイオードLED、充電用のコンデンサC、強制放電手段としての第3抵抗器R3、第2端末T2とを備えている。本実施例の照明装置においては、第1端末T1と第2端末T2は、図示しないドアロックアクチュエータの電気回路の両端いずれかにそれぞれ繋がるようにすればよい。つまり第1端末T1をドアロックアクチュエータの電気回路の両端のうちの一端に繋いだ場合には、第2端末T2は電気回路の両端のうちの他端に繋げばよい。つまりドアロックアクチュエータの解錠及び施錠時のいずれの場合においても、その電気回路の両端のうちの高電位となった一端から電流が本実施例の駆動回路30に入力されるように構成されている。
【0047】
本実施例の駆動回路において、第1端末T1が高電位で第2端末が低電位となる場合には、第1端末T1、第2接続点Y、第2ダイオードD2、第1接続点X、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第3接続点Z、第3ダイオードD3、第4接続点W、第2端末T2というように電流が流れるように構成されている。また第1端末T1が低電位で第2端末が高電位となる場合には、第2端末T2、第4接続点W、第1ダイオードD1、第1接続点X、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第3接続点Z、第4ダイオードD4、第2接続点Y、第1端末T1というように電流が流れるように構成されている。発光ダイオードLEDは、このように電流が流れる方向に電流が流れるように接続されている。本実施例においては、第1から第4の4つのダイオードD1、D2、D3及びD4によっていわゆるブリッジ回路が形成され、第1端末T1及び第2端末T2の高い電位となった方の端末から駆動回路に電流が流入するように構成されている。従って本実施例の駆動回路においては、第1端末T1及び第2端末T2は、ドアロックアクチュエータの解錠動作の時と施錠動作の時とでは、出力端末及び入力端末としての地位を反転することになる。
【0048】
ここでブリッジ回路の4つの接続点のうちの第1接続点Xと第3接続点Zに着目すると、本実施例の駆動回路は、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の動作時において第1端末T1及び第2端末T2のどちらが高電位となろうと、第1接続点Xが高電位となり第3接続点Zが低電位となるように構成されている。従って本実施例の駆動回路においては第1接続点X、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第3接続点Zというように電流が流れる回路が構成されている。
【0049】
また本実施例の駆動回路においては、第2抵抗器R2と発光ダイオードLEDのペアに対して、実施例1と同様に、充電用のコンデンサCが並列に接続されている。従って第1端末T1及び第2端末T2のどちらから本実施例の駆動回路に電流が流れ込もうと、第1接続点X、第1抵抗器R1、コンデンサC、第3接続点Zというように電流が流れる回路も構成され、本実施例の駆動回路に流入した電流によってコンデンサCに電荷が充電されるようになっている。更に本実施例の駆動回路には、実施例1と同様に、コンデンサCに充電された電荷を強制的に放電させる強制的放電手段として、第3抵抗器R3が更にコンデンサCに対して並列に接続されている。
【0050】
本実施例の照明装置の駆動回路の動作を説明する。図示しないドアロックアクチュエータの解錠動作又は施錠動作が行われると、本実施例の駆動回路の第1端末T1と第2端末T2のうちのいずれか一方の端末から流れ込んだ電流は、第1接続点Xを通って、第1抵抗器R1、第2抵抗器R2、発光ダイオードLED、第3接続点Z、他方の端末と電流が流れることで、発光ダイオードLEDが通電して点灯する。また、第1接続点X、第1抵抗器R1、コンデンサC、第3接続点Xというように電流が流れ、コンデンサCに電荷が充電される。
【0051】
ドアロックアクチュエータの電気回路の両端に電位差がなくってその電気回路から電流が流れ込まなくなると、実施例1と同様に、コンデンサCに充電された電荷が放電されて、第2抵抗器R2、発光ダイオードLEDと電流が流れて、発光ダイオードLEDを続けて点灯させる。そしてこのコンデンサCに充電された電荷が放電され消費されてしまうと、自動的に発光ダイオードLEDは消灯する。この場合、第1ダイオードD1と第2ダイオードD2はコンデンサCに充電された電荷が第1端末T1か第2端末T2のいずれかを通って、ドアロックアクチュエータの電気回路に流れ出さないようにする逆流防止の役割も果たしている。
【0052】
なお、本実施例の駆動回路は、実施例1の駆動回路と同様に、図示しないドアロック制御ユニットのリレーの接点を保護するために第1抵抗器R1を、また発光ダイオードLEDを流れる電流の量を制限するために第2抵抗器R2を、更にコンデンサCに充電された電荷を強制的に放電するために第3抵抗器R3を有している。第1抵抗器R1、第2抵抗器R2及び第3抵抗器R3はそれぞれ実施例1の駆動回路の第1抵抗器R1、第2抵抗器R2及び第3抵抗器R3と基本的には同じように動作し、同じ機能、役割を有している。従って第1抵抗器R1、第2抵抗器R2及び第3抵抗器R3は、実施例1において第1抵抗器R1、第2抵抗器R2及び第3抵抗器R3についてした説明と基本的には同じことを言うことができる。従って第2抵抗器R2については、抵抗器に代えて、定電流ダイオード(Current Regulative Diode)に用いることも可能である。
【0053】
本実施例においては、ドアロックアクチュエータの解錠動作時及び施錠動作時のいずれの場合にも、ドアロックアクチュエータの電気回路から照明灯駆動回路に電流が流れ込んで、これらの動作に伴って発光ダイオードLEDをしばらくの間発光させることができる。
【0054】
(実施例3)
実施例3の車両用照明装置は、ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方の動作に伴って照明灯が点灯する照明装置である。図3は、本実施例の照明装置の駆動回路を示した図である。図2と同様に、ドアロックアクチュエータを示していない。なお、図3においては、図1及び図2で示した駆動回路と同種の要素については同一の符号を用いた。
【0055】
本実施例の照明装置の照明灯駆動回路は、実施例2の照明灯駆動回路を変形したものであって、以下に述べる異なる点を除けば、基本的には、実施例2の照明装置の照明灯駆動回路と同種の要素を用いて同じように構成されている。実施例2の照明灯駆動回路と異なる点は、照明灯として実施例2の駆動回路では発光ダイオードを用いていたのに対して、本実施例の駆動回路では電球LAを用いたこと、電流LAを用いたことに伴い照明灯に流れ込む電流の量を制限する第2抵抗器とコンデンサに充電された電荷を強制的に放電する手段である第3抵抗器を備えていないことである。他の点は、実施例2の駆動回路と同一である。即ちこの駆動回路は、第1端末T1、4つのダイオード即ち第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、第3ダイオードD3、第4ダイオードD4、第1抵抗器R1、照明灯としての電球LA、充電用のコンデンサC、第2端末T2とを備えている。
【0056】
照明灯として、実施例3では電球LAを用いたので、電球LAの消費電力が発光ダイオードと比較すると大きいことから、電球LAに流れ込む電流の量を制御する第2抵抗器、また照明灯が薄暗く長く続くことを防止するためにコンデンサCに充電された電荷を強制的に放電する第3抵抗器を用いる必要性に乏しいので、実施例3の駆動回路では、第2抵抗器及び第3抵抗器を有していない。実施例2の照明灯駆動回路において、第2抵抗器及び第3抵抗器を有していた動作を除けば、基本的には、実施例3の照明灯駆動回路が行う動作は、実施例2の照明灯駆動回路の動作と同一であるので、その説明は第2抵抗器及び第3抵抗器の説明を除いて、実施例2において行った説明を同一である。
【0057】
なお、本発明の車両用照明装置は、上述した3つの実施例に限定されるものではない。請求項に記載された発明の範囲内で、種々の変形、改良を施した形態で実施することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の車両用照明装置は、ドアロックアクチュエータに接続して用いることができるので、配線の作業が容易となる。
また本発明の車両用照明装置は、ドアロックアクチュエータへの配線以外の配線は必要ないので、常時電源の通っていないドアにでも簡単に設置することが可能となる。
更に、本発明の車両用照明装置は、タイマーなどを用いることなく、点灯したランプを消灯させることができるので、それだけ複雑な回路を必要としなくなる。
また本発明の車両用照明装置を車両に装着することで、ドアの解錠動作及び施錠動作の両方又は一方の動作に伴い、車両の周りや車両の室内の任意の場所、例えばドア周り、サイドステップ、座席の足元や鍵穴の周り等を明るくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用照明装置の実施例1を示した図である。
【図2】実施例2の照明灯駆動回路を示した図である。
【図3】実施例3の照明灯駆動回路を示した図である。
【図4】国産車におけるドアロックアクチュエータを制御するシステムの概略を示した図である。
【図5】外国車におけるドアロックアクチュエータを制御するシステムの概略を示した図である。
【符号の簡単な説明】
10:ドアロックアクチュエータ
M:モータ
20:ドアロック制御回路
21:リモコン
22:ドアロック制御回路の本体部
RL1:第1リレー RL2:第2リレー
30:実施例1の車両用照明装置の照明灯駆動回路
T1:第1端末 T2:第2端末
D:ダイオード
D1:第1ダイオード D2:第2ダイオード
D3:第3ダイオード D4:第4ダイオード
R1:第1抵抗器 R2:第2抵抗器
R3:第3抵抗器
LED:発光ダイオード
C:コンデンサ
LA:電球
Claims (2)
- 車両ドアのドアロックアクチュエータの電気回路から電気を得て、前記ドアロックアクチュエータの解錠動作及び施錠動作の両方又は一方の動作に伴って照明灯を点灯する車両用照明装置であって、
前記ドアロックアクチュエータの前記動作時において前記ドアロックアクチュエータの電気回路の両端のうちの高電位となる一端から電流が流入する入力端末と、前記動作時において前記電気回路の両端のうちの低電位となる他端へ電流が流出する出力端末と、照明灯と、コンデンサとを備える照明灯駆動回路を有し、
前記照明灯駆動回路は、前記ドアロックアクチュエータの前記動作時において前記入力端末に流入した電流によって前記照明灯を点灯すると共に前記コンデンサに電荷を充電し、前記ドアロックアクチュエータの前記動作が終了した後においては前記コンデンサから放電される電流によって前記照明灯を点灯することを特徴とする車両用照明装置。 - 前記照明灯駆動回路は、前記コンデンサに充電された電荷を強制放電させる強制放電手段を備える請求項1記載の車両用照明装置。
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JP2003067416A JP2004276654A (ja) | 2003-03-13 | 2003-03-13 | 車両用照明装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008074207A (ja) * | 2006-09-20 | 2008-04-03 | Murakami Corp | 配線構造 |
WO2013129069A1 (ja) * | 2012-03-02 | 2013-09-06 | 浜松ホトニクス株式会社 | X線照射源及びx線照射装置 |
-
2003
- 2003-03-13 JP JP2003067416A patent/JP2004276654A/ja active Pending
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