JP2004276501A - 筆記具 - Google Patents

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Takashi Isoda
隆史 磯田
Kazuaki Matsumoto
一明 松本
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Abstract

【目的】インク用液体の透明性という特異性を用いつつ、組立工程に負担を掛けない、あるいは表示媒体の差し替えが可能な筆記具を提供する。
【構成】筒状の軸部材(80)と、その軸部材(80)の一端へ固定され、先端から濃色インクを滲出させるペン先部材(10)と、前記軸部材(80)において、前記ペン先部材(10)の先端から吐出されるインクが濃色となる当該インクの主体を構成するインク用液体を収納するインク用液体収納部(81)とを備える。軸部材(80)の筒側面のうちインク用液体が収納されるインク用液体収納部(81)を透明な透明窓(82)とし、インク用液体収納部(81)の内部空間において、前記透明窓部(82)に表示媒体(39)を位置させるための表示媒体設置部材(30)とを備える。表示媒体設置部材(30)には軸部材(80)におけるペン先部材(10)と反対側を開放した開口部(31a)と、その開口部(31a)からペン先部材(10)側に向かって形成した表示媒体収納空間(31)と形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、先端から有色インクを滲出させる筆記具において、有色インクを形成するインク用液体と着色剤とを別々に収納し、その透明なインク用液体を用いて、新たな視認性を持たせた筆記に関するものである。
【0002】
【先行技術】
関連する先行技術としては、特開2001−260586号を抽出した。この文献には、有色インクを形成するインク用液体と着色剤とを別々に収納し、その透明なインク用液体の中に、液体非溶解物を混入したことを特徴としている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−260586号公報
【0004】
上記の文献によれば、透明なインク用液体の中に液体非溶解物が浮沈するので、見た感じが非常に面白く、宣伝広告効果の高い筆記具を提供できる、とある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した技術では、以下のような問題点があった。
まず、液体非溶解物はインク用液体の中に存在させるため、媒体としてある程度細かいものを採用しなければならず、判読可能な文字や図形を表すことは困難であった。
また、液体非溶解物はインク用液体に浸っていても劣化しない、という条件が必要であったり、インク用液体が消費されて少なくなったりすると、媒体を目視しにくくなるという欠点もあった。
【0006】
更に、インク用液体は筆記などの使用時や持ち運び時に漏れてはならない密閉性が要求される。組立工程においてインク用液体の中に液体非溶解物を組み込まなければならないため、液体非溶解物を混入しない場合のインク用液体を用いた筆記具に比べて、組立工程が複雑となっていた。
【0007】
本発明が解決すべき課題は、組立工程に負担を掛けることなく、特異で視認性に優れた表示媒体を備えた筆記具を提供することにある。
ここで、請求項1および請求項6記載の発明の目的は、インク用液体の透明性という特異性を用いつつ、先行技術よりも大きな表示媒体の挿入が可能な筆記具を提供することである。
また、請求項2から請求項5のいずれかに記載の発明の目的は、組立工程に負担を掛けない、あるいは表示媒体の差し替えが可能な筆記具を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するためのものであり、インク用液体収納部と表示媒体の収納部とを別々に形成することで、同目的を達成する。
【0009】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、 筒状の軸部材(80)と、 その軸部材(80)の一端へ固定され、先端から濃色インクを滲出させるペン先部材(10)と、 前記軸部材(80)において、前記ペン先部材(10)の先端から吐出されるインクが濃色となる当該インクの主体を構成するインク用液体を収納するインク用液体収納部(81)とを備えるとともに、 軸部材(80)の筒側面のうちインク用液体が収納されるインク用液体収納部(81)の少なくとも一部を透明な透明窓(82)とし、 インク用液体収納部(81)の内部空間において、前記透明窓部(82)に表示媒体(39)を位置させるための表示媒体設置部材(30)とを備え、その表示媒体設置部材(30)における透明窓部(82)に該当する箇所は透明に形成した筆記具に係る。
【0010】
(用語説明)
「濃色インク」とは、線を描いた場合に描いた箇所が識別可能な濃さを備えているという趣旨である。
「ペン先部材(10)」とは、例えば、筆記具がボールペンである場合には、ボールペンチップをいい、また、筆記具がフェルトペンである場合には、フェルトからなる筆記用尖端をいい、また、筆記具がサインペン(マーカーペン)である場合には、繊維束体からなる筆記用尖端をいい、また、筆記具が万年筆である場合には、ペン先をいい、また、筆記具がニードルペンである場合には、細い管状の筆記用尖端をいう。なお、筆記具は、これらに限定されるものではないので、ペン先部材(10)も、これらに限定されるものではない。
【0011】
「インク用液体」は、透明であるが、半透明、有色透明を含む。インク用液体の成分などについては、発明の実施の形態において説明する。
「透明窓」は、半透明、有色透明を含む。軸部材(80)またはインク用液体収納部(81)の全体を透明な材質にて均一に形成することにより透明窓としても機能させることができる。
「表示媒体」とは、文字、図形、記号などを示した媒体である。表示媒体の大きさについては、微細片や粉末状にする必要がなく、紙や樹脂製などのシート状の媒体、板状や棒状の媒体などが採用できる。販売促進や告知広告などの媒体としても、消費者の個人的な使用(例えば自分の名前など)のための媒体としても利用可能である。
「表示媒体設置部材(30)における透明窓部(82)に該当する箇所」についても、透明としているが、ここにおいても半透明、有色透明を含む。また、「透明窓部(82)に該当する箇所」のみならず、表示媒体設置部材(30) の全体を均一に透明として形成することも可能である。
【0012】
インク用液体を用いてペン先部材(10)の先端から濃色インクを滲み出させる構造としては、主に、吸着芯機構、バルブ機構、吸着芯機構とバルブ機構との組合せ、化学変化機構などがある。
「吸着芯機構」は、インク用液体とそのインク用液体を着色する着色剤を別々に収納した着色剤収納部との間に、インク用液体を着色剤収納部へ誘導するものの着色剤がインク用液体の収納部方向へ拡散する着色剤を捕捉する着色剤吸着芯を備えたものである。インク用液体の収納部に対しては、その収納部内の圧力の増減を防止するための圧力調整部(いわゆるコレクター)を備える。
「バルブ機構」は、インク用液体を着色する着色剤とインク用液体とを遮断するためのバルブ部材とを備え、そのバルブ部材は、インク用液体の収納部と着色剤との間に位置させ、インク用液体の収納部に対しては、その収納部内の圧力の増減を防止するための圧力調整部(いわゆるコレクター)を備えたものである。
「化学変化機構」は、溶解時には無色又は極淡色であって乾燥時に呈色するインク組成物を、軸部材へ収納しておくものである。前記インク組成物としては、呈色性電子供与性化合物および顕色剤の組合せによって達成する。詳しくは、特開2002−188033号に開示されている。
【0013】
(作用)
筒状の軸部材(80)を握り、ペン先部材(10)を紙上にて走らせると、インクの主体を構成するインク用液体を収納するインク用液体収納部(81)からインク用液体が供給され、濃色インクにて筆記が可能である。すなわち、インク用液体を透明窓部(82)にて視認できる一方、筆記すればインク用液体と異なる色の有色インクがペン先部材(10)から滲出するので、筆記具ユーザへ外観と使用感とが一致しない特異な感覚を与えることができる。例えば、無色のインク用液体を視認していたにもかかわらず青色インクによる筆記描線を得たり、薄赤色のインク用液体を視認していたにもかかわらず黒色インクによる筆記描線を得たりする。
軸部材(80)の筒側面のうちインク用液体が収納されるインク用液体収納部(81)の少なくとも一部が透明な透明窓(82)にて形成されており、インク用液体収納部(81)の内部空間においては、前記透明窓部(82)に表示媒体(39)を位置させるための表示媒体設置部材(30)が存在する。したがって、表示媒体設置部材(30)の表示媒体(39)は、透明窓部(82)およびインク用液体を介して目視されることとなる。そのため、その表示媒体(39)は、奇抜な印象を受ける媒体となり、印象に残りやすい。
【0014】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の筆記具を限定したものであり、
表示媒体(39)を着脱自在とするために、表示媒体設置部材(30)には軸部材(80)におけるペン先部材(10)と反対側を開放した開口部(31a)と、その開口部(31a)からペン先部材(10)側に向かって形成した表示媒体収納空間(31)と形成した筆記具に係る。
開口部(31a)には、請求項3にて限定するように、その開口部(31a)に対して着脱自在な開閉蓋(33)を備えていてもよいし、表示媒体(39)が表示媒体設置部材(30)に固定されたり、開口部(31a)を閉塞するような構造を備えていてもよい。
【0015】
(作用)
表示媒体設置部材(30)には、軸部材(80)におけるペン先部材(10)と反対側が開口部(31a)として開放されており、その開口部(31a)から表示媒体(39)を着脱することができる。このため、予め筆記具の組立工程にて表示媒体(39)を入れずに組立工程後に挿入することも可能であるし、予め組立工程にて組み込んでおくものの後で差し替えることも可能である。
【0016】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の筆記具を限定したものであり、
開口部(31a)に対して着脱自在な開閉蓋(33)と、 その開閉蓋(33)における表示媒体設置空間(31)側において表示媒体(39)を固定する媒体固定部(34)とを備えた筆記具に係る。
【0017】
(作用)
着脱可能な表示媒体(39)は、媒体固定部(34)を用いて固定してから表示媒体設置空間(31)に位置させる。すると、表示媒体(39)を組み入れる際の作業が簡易となる。また、表示媒体(39)が表示媒体設置空間(31)において安定しており、見やすい媒体となる。
【0018】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の筆記具を限定したものであり、
透明窓(82)は、表示媒体設置空間(31)内の表示媒体(39)に対して凸レンズ効果を奏する構造とした筆記具に係る。
「凸レンズ効果を奏する構造」とは、光の屈折によって表示媒体(39)を拡大させる構造であり、軸部材(80)における透明窓(82)の部位を、断面凸レンズ形状としたり、軸部材(80)とは別に設けた断面凸レンズ形状の部材を透明窓(82)へ固定(例えば貼付)することとしてもよい。
【0019】
(作用)
透明窓(82)に凸レンズ効果を奏する構造を採用したので、表示媒体設置空間(31)内の表示媒体(39)が拡大されて目視できる。このため、表示媒体(39)に表示された文字や図形は、拡大されて強調される。換言すれば、表示媒体(39)に表示する文字や図形は小さくてもよい。
【0020】
(請求項5)
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の筆記具を限定したものであり、
透明窓(82)に対して、表示媒体設置空間(31)内の表示媒体(39)に対して変則表示効果を奏する変則表示構造(83)を備えた筆記具に係る。
「変則表示効果を奏する変則表示構造」とは、例えばプリズムのような形状、錯覚を起こさせるような形状、特殊な色彩を呈することによって表示媒体(39)が例えば三次元的に見える構造などである。この変則表示構造(83)を着脱自在に形成することによりバリエーションを広げることもできる。
【0021】
(作用)
透明窓(82)には変則表示効果を奏する変則表示構造が採用されているので、表示媒体設置空間(31)内の表示媒体(39)が変則的に目視される。このため、表示媒体(39)に表示された文字や図形が印象的なものとなる。
【0022】
(請求項6)
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の筆記具を限定したものであり、
軸部材(80)を扁平形の筒体とするとともに、 当該筒体の一端へ固定するペン先部材(10,10)を二本とし、 各ペン先部材(10,10)の先端から滲み出る濃色インクは異なる色彩とした筆記具に係る。
【0023】
(作用)
軸部材(80)をペン先部材(10,10)が二本固定可能な扁平形の筒体としたので、一本のペン先部材を固定している軸部材(80)に比べて大きく形成することが不自然ではない。このため、表示媒体設置空間(31)および表示媒体(39)の表示面積を大きく形成しやすい。
また、軸部材(80)およびインク用液体収納部(81)を共通としているにも関わらず、軸部材(80)に固定された各ペン先部材(10,10)の先端から滲み出る濃色インクは異なる色彩であるので、筆記してみた場合には不思議さを提供できる。その上で表示媒体(39)を目視できるので、表示媒体(39)に表示された文字や図形が印象的なものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態および図1乃至図8に基づいて、更に詳しく説明する。
【0025】
(図1)
図1に示すのは、平筒状の軸部材80と、その軸部材80の一端へ固定され、先端から濃色インクを滲出させる二本のペン先部材10,10と、前記軸部材80において、前記ペン先部材10の先端から吐出されるインクが濃色となる当該インクの主体を構成するインク用液体を収納するインク用液体収納部81とを備えた筆記具である。各ペン先部材10,10の先端から滲み出る濃色インクは異なる色彩としており、以下、「扁平型二色ペン」と称することとする。
【0026】
軸部材80におけるペン先部材10,10の反対側は、開口している。また、軸部材80の筒側面は、インク用液体が収納されるインク用液体収納部81を全て透明な材質にて形成することにより、その表裏面は表示媒体設置部材30を視認するための透明窓82としている。
インク用液体としては、従来インクのビヒクル、例えば、水、水溶性有機溶剤、潤滑剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、乾燥防止剤、増粘剤、またはエマルジョンなどを適宜配合することによって調整する。極めて少量の染料又は顔料を溶解又は分散させることによって、有色透明又は有色半透明のインク用液体を調整することもできる。
水、水溶性有機溶剤、潤滑剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、乾燥防止剤、増粘剤、またはエマルジョンについては、特開2001−260586号などに開示されたものと同等であり、記載を省略する。
【0027】
前記インク用液体収納部81の内部空間において、前記透明窓部82に表示媒体39を位置させるための表示媒体設置部材30とを備えている。この表示媒体設置部材30は、ペン先部材10,10とは反対側を開口して開口部31aとしており、表示媒体39を内装するとともに透明な材質にて形成された平筒状の表示媒体収納空間31と、その表示媒体収納空間31を軸部材80に対して開口部31a側にて固定する密閉蓋32と、開口部31aに対して着脱自在な蓋部33とを備えている。
【0028】
この蓋部33を開口部31aから外して表示媒体39を表示媒体収納空間31へ挿入する。すると、表示媒体設置部材30およびインク用液体収納部81は透明な材質なので、表示媒体39を目視することができる。表示媒体39としては、宣伝広告目的の法人名や商品名を施したいわゆる「名入れ」として使用する。
ペン先部材10,10には、それを保護するためのキャップ90を備えている。このキャップ90は、ペン先部材10,10を覆うとともに軸部材80に係合する平筒状をなしたキャップ本体91と、筆記具として胸ポケットなどに挟むためのクリップ92とから形成されている。
【0029】
(図2)
図2には、扁平型二色ペンを図1とは別角度から示している。軸部材80に対しては、インクの主体を構成する透明なインク用液体をインク用液体収納部81に収納してから、表示媒体収納空間31を固定している。すなわち、密閉蓋32を用いて開口部31a側にて固定し、インク用液体がインク用液体収納部81から漏れ出さないようにしている。
【0030】
一方、蓋部33は、表示媒体収納空間31の開口部31aに対して着脱自在であり、表示媒体39を後から入れたり、差し替えたりすることができる。すなわち、扁平型二色ペンの組立工程と表示媒体39の組み込み作業とは独立させることができる。インク用液体とともにインク用液体収納部81へ予め表示媒体39を組み込む場合に比べて、組立工程での負担が小さく、表示媒体39の差し替えも可能である。
【0031】
(図3)
図3には、組上がった状態を斜視図にて示している。扁平型二色ペンであるため、表示媒体39の面積を大きく取ることができることと、透明なインク用液体の中に表示媒体39が浮いているように見せることができるので、人目を引きやすく、また印象深い。また、二色のうちの一方を主に使ったとしてもインク用液体が共通であるので、一方だけが書けなくなるという事態は回避できる。
【0032】
(図4)
図4には、全体の断面図を示している。軸部材80の内方に表示媒体収納空間31が位置し、その表示媒体収納空間31と軸部材80との間を透明なインク用液体が満たしているのである。表示媒体39は、表示媒体収納空間31の内方に位置しているものの、軸部材80、インク用液体および表示媒体収納空間31の全てが透明であるので、目視することができる。
【0033】
軸部材80について詳述すると、ペン先部材10の先端から滲み出る有色インクの一部を構成する透明インク用液体を収納する筒状の部材である。透明インク用液体を有色インクへ着色する着色剤20が必要であり、それはペン先部材10とインク用液体収納部81との間に位置させている。
更に、着色剤20とインク用液体収納部81との間には、インク用液体収納部81内の透明インク用液体への着色剤20の混入を規制するための規制部材40が配置されている。この規制部材40とは、着色剤20におけるインク用液体収納部81側に位置させた活性炭41と、その活性炭41におけるインク用液体収納部81側に位置させた繊維芯42である。インク用液体収納部81内の圧力変化を調整するため、コレクター60が圧入されており、ペン先部材10から繊維芯42までの部材は、そのコレクター60の内方に位置させている。
【0034】
着色剤吸着芯41とは、着色剤20を捕獲・吸着させるための部材である。最も一般的には、活性炭を主材とした粉末状や繊維状のものを多孔質体とし、例えば棒状体に形成する。活性炭を主材とした多孔質体は、製造が容易で、形状設計が自在であり、着色剤の捕捉にも優れている。活性炭の他には、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、高分子物質などがある。
【0035】
「着色剤20」については、前述のインク用液体へ添加して有色インクを生成するためのものである。例えば、従来のインクの染料又は顔料を用いることができる。これにより、固形状又は高濃度の液状の着色剤20を調整することができる。また、例えば、従来のインクのビヒクルに、極めて多量の染料又は顔料を溶解又は分散させることによって、高濃度の液状の着色剤20を調整することもできる。着色剤20をどのように調整するかは、着色剤20のインク用液体への添加形態などに依存する。
また、着色剤20としての染料には、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、蛍光染料、又は食用染料などを用いることができる。また、着色剤20としての顔料には、例えば、無機系顔料、有機系顔料、無機系蛍光顔料、又は有機系蛍光顔料などを用いることができる。直接染料、酸性染料、塩基性染料、蛍光染料、又は食用染料、無機系顔料、有機系顔料、無機系蛍光顔料、又は有機系蛍光顔料については、特開2001−260586号などに開示されたものと同等であり、記載を省略する。
なお、着色剤20が固体である場合には、単なる小さな塊状の他、リング状、レンコン状などの形状を適宜選択する。
【0036】
液体収納部81は、ペン先部材10側にはインク用液体が流れるものの、後端は閉塞させている。また、その液体収納部81に対しては、その液体収納部81内の圧力の増減を防止するための圧力調整部をペン先部材10側に備えている。この圧力調整部を、一般に「コレクター」といい、加圧時には害のないスペースへ溢れさせて調整しつつ負圧時には空気を流入させるものである。ABSなどの合成樹脂を材料として成形されたものであり、従来の技術と変わらないので、詳しい説明は省略する。コレクター60の色は、二つとも同じ、例えば白色とすることにより、各ペン先部材10,10の先端から滲み出る濃色インクは異なる色彩であることを際だたせている。
【0037】
(図5)
図5には、第二の実施形態を示している。第一の実施形態と異なる主な点は、軸部材80を丸筒とした点、その軸部材80にはひとつのペン先部材10しか固定していない点、開閉蓋33には表示媒体39を固定するための媒体固定部34を備えた点である。媒体固定部34は、表示媒体39が薄板状をなしている場合などにおいて、その表示媒体39を挟み込む構造である。このような構造を採用すれば、表示媒体39の組み込み作業が効率化されるとともに、筆記具の使用時にも表示媒体39が安定している。
【0038】
(図6)
図6には、第二の実施形態の変形例を示している。すなわち、媒体固定部34として挟み込む構造ではなく、巻きバネを採用したものである。これによれば、筆記具の使用時に表示媒体39が巻きバネにて支えているものの揺れることとなり、目を引きやすい。
【0039】
(図7)
図7には、表示媒体設置空間31内の表示媒体39に対して凸レンズ効果を奏する透明窓82を採用している。このように構成することによって、表示媒体39に表している文字や図形を拡大して強調することができる。
なお、詳しい図示は省略するが、凸レンズ効果を奏する構造が図7のように部分的に決まっている場合には、表示媒体39の透明窓82に対する位置関係が決定されていること望ましい。このため、図5に示したような媒体固定部34や、開閉蓋33と軸部材80との位置関係を決定するためのいわゆる「バカよけ」を採用していることが望ましい。
【0040】
(図8)
図8には、透明窓82の変形例を示している。
図8[A]には、表示媒体39が何重にも見えるような変則表示構造83を、透明窓部分に採用している。また、図8[B]には、透明窓部分に、オプション化された凸レンズ構造の変則表示構造83を張り付け固定するものである。
【0041】
図8[A]に示した変則表示構造83は、「表示媒体が何重にも見えるような変則表示構造」に限られない。表示媒体の文字や図形を印象づけるという目的が達成できればよい。たとえば、凹レンズのように小さく見える構造でもよいし、プリズムのような構造でもよい。
図8[B]に示した変則表示構造83もまた、凸レンズ構造に限られない。表示媒体との組合せによって適切なものを提供するようにすることも可能である。
【0042】
図示は省略するが、図1〜図4に示した表示媒体設置空間31や図5〜図6に示した表示媒体設置空間31を、凸レンズ構造や変則表示構造を採用することもできる。また、表示媒体設置空間31の色彩についても、表示媒体39を視認可能な透明であれば有色透明であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
請求項1および請求項6記載の発明によれば、インク用液体の透明性という特異性を用いつつ、先行技術よりも大きな表示媒体の挿入が可能な筆記具を提供することができた。
また、請求項2から請求項5のいずれかに記載の発明によれば、組立工程に負担を掛けない、あるいは表示媒体の差し替えが可能な筆記具を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態を示す組立斜視図である。
【図2】第一の実施形態の主要部を示す組立斜視図である。
【図3】第一の実施形態の全体を示す斜視図である。
【図4】第一の実施形態の全体を示す断面図である。
【図5】第二の実施形態を示す組立斜視図である。
【図6】第二の実施形態の変形例を示す組立斜視図である。
【図7】第三の実施形態を示す斜視図および断面図である。
【図8】透明窓の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ペン先部材
20 着色剤
30 表示媒体設置部材
31 表示媒体収納空間 31a 開口部
32 密閉蓋 33 開閉蓋
34 媒体固定部 39 表示媒体
40 規制部材 41 活性炭
42 繊維芯
60 コレクター
80 軸部材 81 インク用液体収納部
82 透明窓 83 変速表示構造
90 キャップ 91 キャップ本体
92 クリップ

Claims (6)

  1. 筒状の軸部材と、その軸部材の一端へ固定され、先端から濃色インクを滲出させるペン先部材と、
    前記軸部材において、前記ペン先部材の先端から吐出されるインクが濃色となる当該インクの主体を構成するインク用液体を収納するインク用液体収納部とを備えるとともに、
    軸部材の筒側面のうちインク用液体が収納されるインク用液体収納部の少なくとも一部を透明な透明窓とし、
    前記インク用液体収納部の内部空間において、前記透明窓部に表示媒体を位置させるための表示媒体設置部材とを備え、その表示媒体設置部材における透明窓部に該当する箇所は透明に形成した筆記具。
  2. 表示媒体を着脱自在とするために、表示媒体設置部材には軸部材におけるペン先部材と反対側を開放した開口部と、その開口部からペン先部材側に向かって形成した表示媒体収納空間と形成した請求項1記載の筆記具。
  3. 開口部に対して着脱自在な開閉蓋と、その開閉蓋における表示媒体設置空間側において表示媒体を固定する媒体固定部とを備えた請求項2に記載の筆記具。
  4. 透明窓は、表示媒体設置空間内の表示媒体に対して凸レンズ効果を奏する構造とした請求項1から請求項3のいずれかに記載の筆記具。
  5. 透明窓に対して、表示媒体設置空間内の表示媒体に対して変則表示効果を奏する変則表示構造を備えた請求項1から請求項4のいずれかに記載の筆記具。
  6. 軸部材を扁平形の筒体とするとともに、当該筒体の一端へ固定するペン先部材を二本とし、
    各ペン先部材の先端から滲み出る濃色インクは異なる色彩とした請求項1から請求項5のいずれかに記載の筆記具。
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