JP2004275052A - 加熱調理を施した食品の冷凍方法 - Google Patents

加熱調理を施した食品の冷凍方法 Download PDF

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Mai Hashino
真衣 橋野
Hideki Fukui
秀樹 福井
Yoshiko Yasunobu
淑子 安信
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Abstract

【課題】加熱調理を施した食品を、冷凍及び冷凍保存後に解凍した時の食感を改善し、作りたてのおいしさにできるだけ近い状態で再現する。
【解決手段】加熱調理を施した食品1を、熱伝導性が良く、熱収縮による応力変化に耐えうる強度がある材質からなる冷却プレート3に載置し、送風手段4と、冷却プレート3と送風手段4とを冷却する冷却手段5の働きにより、加熱調理をした食品1の温度が60℃から0℃になるまでの冷却速度が1℃/分を下限として冷却され、0℃から−5℃になるまでの最大氷結晶生成帯を通過する時の凍結速度が0.1℃/分を下限として凍結され、食品1を裸の状態で冷凍させることにより解凍時の食感を改善させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱調理を施した食品の冷凍方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、女性の社会進出などを背景に、家庭で調理に費やすことができる時間が減少傾向にある。それに伴い、調理済みのお惣菜を購入したり、調理済みの料理の宅配を注文する等の中食利用機会が多くなっているのが現状である。しかしながら、家庭での手作りの食品をいつでも作りたてのおいしい状態で食べたいというニーズは根強いものがある。
【0003】
そこで、例えば週末などで調理に費やせる時間が比較的あるときに多めに作り、それを冷蔵庫で保存したものを、例えば平日などで調理に費やせる時間が少ないときに食卓に出すこともしばしばある。その際の保存方法には様々な種類があるが、加熱調理済み食品の保存温度については常温もしくは冷蔵温度以下が望ましく、保存温度により保存できる期間が限定される。加熱調理済み食品の種類にもよるが、常温では約半日から1日以内、冷蔵温度では約2から3日、冷凍温度では約1から3ヶ月程度の保存期間である。
【0004】
冷凍保存は、保存期間が長いため必要時に必要量だけ食べることができて便利である上、たくさんの種類の食品を作りだめすることができるため省家事に繋がることから、家庭で加熱済み食品をホームフリージングする機会も多くある。しかしながら、従来の加熱調理済み食品の冷凍方法としては、茹でる・煮る・炊く・蒸す・焼く・炒める・煎る・揚げるなどの加熱調理をした直後は60℃から200℃である食品温度を室温程度になるまで冷蔵庫外で冷却した後、冷凍耐性のあるフィルムで包装するかもしくは冷凍耐性のある容器に収納して冷凍する方法が一般的であった。
【0005】
また、近年の家庭用冷凍冷蔵庫の中には、食品温度が100℃以下であれば熱いまま急冷・急凍することができる機能を搭載している機種があり、その機能を使用する時は、食品温度が100℃以下になれば耐熱性と冷凍耐性のあるフィルムで包装するか、もしくは耐熱性と冷凍耐性のある容器に収納した状態で急速凍結する方法もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記一般的な冷凍方法では、加熱調理をした食品温度が室温に冷却されるまでにかかる待ち時間が存在するという課題があった。また、食品の温度が室温に冷却されるまでの時間が長いとその間に食品中の水分含量の多いところから少ないところへの水分移動がおこり、例えば揚げた食品のように衣と中の具の水分量に差があるものや、デンプン性食品にみられるように食品内部と表面部で水分量に差がある食品については食感が悪くなるという課題があった。
【0007】
また、食品の温度が室温に冷却されるまでの時間が長いとその間に食品中の水分が熱による湯気として空気中に蒸発するために、食品自体の含有する水分が少なくなり乾燥することで食感が悪くなり、食品周囲に皺や亀裂の発生、つやがなくなり、変色するなどの影響により外観が悪くなるという課題があった。
【0008】
また、冷凍時に、0℃から−5℃までの凍結速度が緩慢であると食品内にできた氷の結晶の体積が増え細胞膜と細胞壁が破れて細胞破壊が生じ、解凍した時に食感に弾力がなくなったり、破壊された細胞内部の水分が外部へ流出することでドリップ量が多くなるために食感が悪くなったりするという課題があった。
【0009】
一方、加熱後の食品温度が100℃以下であれば庫内に入れて急速凍結できる冷蔵庫については、食品温度が60℃以上の熱い状態のままフィルムで包装したり容器に収納したりするため食品から放出される水蒸気が容器内に充満し、食品表面に水蒸気が付着し、水蒸気が冷凍されて霜が形成され、解凍した時に水っぽく食感が悪くなるという課題があった。
【0010】
また、熱い食品からでる水蒸気が冷蔵庫の庫内に充満すると他の食品に対して品質低下や菌の増加、腐敗などの悪影響を及ぼし、かつ冷気循環経路への霜つきが発生し故障や能力低下の原因となるため、熱い食品の包装及び収納は密閉するのが原則であるが、密閉していることで、食品に直接冷気があたらず緩慢冷凍になってしまうという欠点があった。
【0011】
いずれの方法で冷凍した加熱調理済み食品についても、解凍した時に食感が悪くなりおいしくないというのが現状であり、冷凍すると作りたてのおいしさはなくなりまずくなるというものであった。
【0012】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、手間がかからず、短時間で、解凍した時にできるだけ作りたてに近いおいしさを再現することができる冷凍方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1記載の冷蔵庫の発明は、加熱調理を施した食品の温度が60℃から0℃になるまでの冷却速度が1℃/分を下限として冷却される冷却工程と、前記冷却工程で冷却された前記加熱調理を施した食品の温度が0℃から−5℃までの最大氷結晶生成帯を通過する時の凍結速度が0.1℃/分を下限として凍結する凍結工程とからなり、前記食品を裸の状態で冷凍させることにより解凍時の食感を改善させるものである。
【0014】
請求項1記載の発明では、加熱調理を施した食品は、食品の温度が60℃から0℃になるまでが1℃/分以上の速度で冷却するので、食品の冷却中に食品内部の水分が湯気として空気中に蒸発する量を少なくできる。
【0015】
また、加熱調理を施した食品は、食品の温度が60℃から0℃に冷却される間に蒸発した水蒸気が水として食品周囲に付着するのを防止できる。
【0016】
また、加熱調理を施した食品は、食品の温度が60℃から0℃になるまでが1℃/分以上の速度で冷却するので、食品の部分によって含有水分量に差がある場合において、水分量の多い部分から水分量の少ない部分に水分移動が生じる量を少なくできる。
【0017】
また、加熱調理を施した食品は、食品の温度が0℃から−5℃になるまでが0.1℃/分以上の速度で冷凍するので、凍結時に食品内にできる氷の結晶が体積膨張することによる破壊を抑制する。
【0018】
以上のことから、食品の含有水分量を作りたてに近い状態で、かつ食品中の水分移動も少なく、かつ凍結による細胞破壊を抑制した状態で、加熱調理を施した食品を冷凍できることとなる。
【0019】
また、請求項2記載の冷凍方法の発明は、請求項1記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品を開口面のある容器に載置して凍結させるものである。
【0020】
請求項2記載の発明では、加熱調理を施した食品を、開口面のある容器に載置して凍結するので、冷却するための循環空気が容器の開口面から食品と直接熱交換でき、効率的に冷却することができる。このことから、開口面のある容器に載置した加熱調理を施した食品についても、食品の温度が60℃から0℃になるまでが1℃/分以上の速度で冷却するので、食品の冷却中に食品内部の水分が湯気として空気中に蒸発される量を少なくできる。
【0021】
また、開口面のある容器に載置した加熱調理を施した食品は、食品の温度が60℃から0℃になるまでが1℃/分以上の速度で冷却するので、食品の部分によって含有水分量に差がある場合において、水分量の多い部分から水分量の少ない部分に水分移動が生じる量を少なくできる。
【0022】
また、開口面のある容器に載置した加熱調理を施した食品は、食品の温度が0℃から−5℃になるまでが0.1℃/分以上の速度で冷凍するので、凍結した時に食品内にできる氷の結晶が体積膨張することによる破壊を抑制する。
【0023】
また、加熱調理を施した食品を開口面のある容器に載置することで、凍結後の取り扱いが容易で、保存と解凍がしやすい。
【0024】
以上のことから、食品の含有水分量を作りたてに近い状態で、かつ食品中の水分移動も少なく、かつ凍結による細胞破壊を抑制した状態で、開口面のある容器に載置した加熱調理を施した食品を冷凍できることとなる。
【0025】
また、請求項3記載の冷凍方法の発明は、請求項1または2記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品を載置する開口面のある容器は良熱伝導性の材質で形成されるものであり、冷却するための循環空気が開口面から食品と直接熱交換するのに加え、開口面以外への熱伝導が向上することにより食品周囲全体から効率よく冷凍することができる。
【0026】
また、請求項4記載の冷凍方法の発明は、請求項1から3のいずれか一項記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品を載置した容器の開口面に対して−20℃以下の冷気を強制的に吐出させるものであり、冷却するための循環空気が低温になる程、食品を効率良く冷凍することができる。
【0027】
また、請求項5記載の冷凍方法の発明は、請求項1から3のいずれか一項記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品または前記食品を載置した容器の一部分を冷却プレートに接触させるものであり、固体熱伝導により冷却能力を向上させることができ、食品を効率よく冷凍することができる。
【0028】
また、請求項6記載の冷凍方法の発明は、請求項1記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品を多数の通気口を設けた載置板に載置し、食品載置部分の底面に冷気が循環することにより、食品載置部分がフラットな形状でない食品についても食品周囲から効率良く冷凍することができる。
【0029】
また、請求項7記載の冷凍方法の発明は、請求項1から5のいずれか一項記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品は90%以上が糊化した状態の澱粉を主成分とするものであり、冷却条件および冷凍条件により含有水分量に差がでやすい成分であり、結果としておいしさに差異が生じやすい食品についても食品の含有水分量を作りたてに近い状態で、かつ食品中の水分移動も少なく、かつ凍結による細胞破壊を抑制した状態で、加熱調理を施した食品を冷凍できることとなる。
【0030】
また、請求項8記載の冷凍方法の発明は、請求項1から6のいずれか一項記載の発明に加えて、加熱調理は120℃から200℃の油で揚げる調理であり、加熱調理の中でも最も高温で調理されるために、例えばコロッケや天麩羅などのように、食品の周囲は水分量が5%程度の衣で形成され、食品の内部は水分量が80%以上の具で形成され、食品の部分で水分量に大きな差があり、食品の内部から周囲に水分が移動しやすい食品についても食品の含有水分量を作りたてに近い状態で、食品を冷凍できることとなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による加熱調理を施した食品の冷凍方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0032】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の冷凍方法を行うための概略構成図であり、図2は同実施の形態の冷凍方法を実施したときの食品の温度変化を示す特性図であり、図3は同実施の形態の比較例1を実施した時の食品の温度変化を示す特性図であり、図4は同実施の形態の比較例2を実施した時の食品の温度変化を示す特性図である。
【0033】
図1において、1は加熱調理を施した食品であり、2は加熱調理を施した食品1を載置する開口面を有した容器である。3は熱伝導性が良く、熱収縮による応力変化に耐えうる強度がある材質からなる冷却プレートであり、4は例えば冷凍サイクルにより冷却された蒸発器で冷却された冷却空気を送風する冷気循環ファンと天面吐出風路からなる送風手段であり、5は例えば冷凍サイクルに接続されている冷却配管からなる冷却手段であり、冷却プレート3と送風手段4を介して容器2に載置した加熱調理を施した食品1を冷却する。
【0034】
本実施の形態では、加熱調理を施した食品1として炊きたてのご飯を使用している。
【0035】
次に本実施の形態の加熱食品を施した食品の冷凍方法を説明する。
【0036】
まず、米3合を冷水で速やかにとぎ、適量の水を加えて炊飯器を使用して炊飯し、炊きあがり終了直後に速やかに炊きあがったご飯1全体を大きくかき混ぜ、そのご飯1を、耐熱性及び冷凍耐性があり、上面の蓋を外した容器2に200gずつ載置した。次に直ちにご飯1を載置した容器2を冷却プレート3に載置し、図2の破線に示すように冷却プレート3の設定温度を−30℃、送風手段4の吐出風路から吐出される吐出冷気が−30℃とした。
【0037】
このときのご飯1の温度は図2の実線に示すように、初期温度が約90℃で、2℃/分の冷却速度で約40分後に0℃に達し、約0.25℃/分の凍結速度で約60分後に−5℃に達し、約80分後に−20℃に到達した。次に直ちにご飯1を載置した容器2に蓋をし、約−20℃で1ヶ月間冷凍保存した。次に1ヶ月間冷凍保存したご飯1を収納した容器2を電子レンジのターンテーブル中央に載置し、600Wのマイクロ波を180秒間照射した。
【0038】
本実施の形態の加熱調理を施した食品の冷凍方法で冷凍したご飯を解凍したものは、炊きたてのご飯を基準として、ご飯のおいしさの指標となる糊化度、水分量を測定し、また官能試験を行った。(表1)に示すように糊化度は99%であり、官能評価は0.2であり、水分含量は84%であり、炊きたてのご飯とほぼ同じ程度の、おいしいものであった。
【0039】
【表1】
Figure 2004275052
【0040】
比較例1(冷ましてから冷凍)として、実施の形態1の場合と同様に、米3合を冷水で速やかにとぎ、適量の水を加えて炊飯器を使用して炊飯し、炊きあがり終了直後に速やかに炊きあがったご飯1全体を大きくかき混ぜ、そのご飯1を、上蓋を外した、耐熱性及び冷凍耐性があり電子レンジでも使用が可能なポリプロピレンの材質の容器2に200gずつ載置した。容器2の蓋を外したまま、温度が約25℃の部屋に放置しご飯1の温度が約25℃になるまで自然に冷ました。
【0041】
この時のご飯の温度は図3の実線に示すように、初期温度が約90℃で約160分後に25℃に達し、直ちにご飯1を載置した容器2に蓋をし、庫内温度が約−20℃の冷凍室に入れて、0.4℃/分の冷却速度で約180分後に0℃に達し、約0.05℃/分の凍結速度で約280分後に−5℃に達し、約350分後に−20℃に到達し、そのまま−20℃で1ヶ月間冷凍保存した。次にご飯1を収納した容器2を電子レンジのターンテーブル中央に載置し、600Wのマイクロ波を180秒間照射した。
【0042】
比較例1の加熱調理を施した食品の冷凍方法で冷凍したご飯を解凍したものは、炊きたてのご飯を基準として、ご飯のおいしさの指標となる糊化度、水分量を測定し、また官能試験を行った。(表1)に示すように糊化度は78%であり、官能評価は−2.3であり、水分含量は62%であり、炊きたてのご飯とは明らかにおいしさが劣っていた。ご飯の食感がパサついており、しっとり感ともっちり感にかけるものであった。またご飯の表面が乾燥してつやがなく、若干黄色っぽく変色していた。
【0043】
比較例2(熱いまま蓋をして冷凍)として、実施の形態1の場合と同様に、米3合を冷水で速やかにとぎ、適量の水を加えて炊飯器を使用して炊飯し、炊きあがり終了直後に速やかに炊きあがったご飯1全体を大きくかき混ぜ、そのご飯1を耐熱性及び冷凍耐性があり電子レンジでも使用が可能なポリプロピレンの材質の容器2に200gずつ載置し、直ちに蓋をして密閉した。次にご飯1を収納した容器2を庫内温度が−20℃の冷凍室に入れて冷凍した。
【0044】
この時のご飯の温度は図4の実線に示すように、初期温度が約90℃で、0.67℃/分の冷却速度で約110分後に0℃に達し、約0.06℃/分の凍結速度で約190分後に−5℃に達し、約220分後に−20℃に到達し、そのまま−20℃で1ヶ月間冷凍保存した。次にご飯1を収納した容器2を電子レンジのターンテーブル中央に載置し、600Wのマイクロ波を180秒間照射した。
【0045】
比較例2の加熱調理を施した食品の冷凍方法で冷凍したご飯を解凍したものは、炊きたてのご飯を基準として、ご飯のおいしさの指標となる糊化度、水分量を測定し、また官能試験を行った。(表1)に示すように糊化度は86%であり、官能評価は−1.1であり、水分含量は71%であり、比較例1よりは若干おいしいものの、炊きたてのご飯とは明らかにおいしさが劣っていた。比較例1と同様にご飯の食感がパサついており、しっとり感ともっちり感にかけるものであった。またご飯の表面が乾燥して皴がよっており、若干黄色っぽく変色していた。
【0046】
このことから実施の形態1の加熱調理を施した食品の冷凍方法で冷凍したご飯を解凍したものは、炊きたてのご飯と同程度のおいしさが復活し、比較例1と比較例2で冷凍および解凍したご飯は、本実施の形態で得られたものに比べて、明らかにおいしさが劣化しているものであった。
【0047】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2の加熱調理を施した食品の冷凍方法を行うための概略構成図であり、図6は同実施の形態の冷凍方法を実施したときの食品の温度変化を示す特性図であり、図7は同実施の形態の比較例1を実施した時の食品の温度変化を示す特性図である。なお、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0048】
図5において3は熱伝導性が良く、熱収縮による応力変化に耐えうる強度がある材質からなる冷却プレートであり、冷却プレート3の上部に送風手段4から送られる冷気が循環でき、冷却プレート3の上には加熱調理を施した食品を載置することができる載置板6が載置されている。加熱調理を施した食品1をこの載置板に載置すると、送風手段4から送られる冷気が直接もしくは冷却プレート3を介して、周囲全体からむらなく効率よく食品1を冷却する。
【0049】
本実施の形態では、加熱調理を施した食品1として揚げたてのコロッケを使用している。
【0050】
次に本実施の形態の加熱調理を施した食品の冷凍方法を説明する。
【0051】
実施の形態2では、加熱調理を施した食品1として株式会社加ト吉の冷凍コロッケを所定の方法で調理したものを使用している。冷凍コロッケは−20℃の冷凍室で安定させ、冷凍室から取り出して速やかに180℃の油で3分間揚げ調理を行ったものを、コロッケ1とした。揚げ調理が終了した直後に速やかに揚げたコロッケ1を載置板6に載置し、図6の破線に示すように冷却プレート3の設定温度を−30℃、送風手段4の吐出風路から吐出される吐出冷気が−30℃とした。
【0052】
このときのコロッケ1の温度は図6の実線に示すように、初期温度が約160℃で、6℃/分の冷却速度で約20分後に0℃に達し、約0.5℃/分の凍結速度で約30分後に−5℃に達し、約35分後に−20℃に到達した。次に直ちにコロッケ1を載置板から取出し、ポリプロピレンの材質の密閉袋に収納し、約−20℃で1ヶ月間冷凍保存した。次に1ヶ月間冷凍保存したコロッケ1を密閉袋から取り出し、皿の上に載せて、電子レンジのターンテーブル中央に載置し、600Wのマイクロ波を70秒間照射した。
【0053】
本実施の形態の冷凍方法で冷凍したコロッケ1を解凍したものは、揚げたてのコロッケ1を基準として、コロッケのおいしさの指標となる水分量を衣と具についてそれぞれ測定し、また官能試験を行った。(表2)に示すように衣の水分含量は4%であり、具の水分含量は87%であり、官能評価は−0.2であり、揚げたてのコロッケ1は衣の水分含量が3%であり、具の水分含量が88%であり、官能評価は0であったので、揚げたてのコロッケ1よりは若干食感が劣るものの、ほぼ同じ程度の、おいしいものであった。
【0054】
【表2】
Figure 2004275052
【0055】
比較例1(冷ましてから冷凍)として、実施の形態1の場合と同様に、コロッケ1は市販の冷凍コロッケを180℃の油で3分揚げたコロッケを使用した。冷凍コロッケは−20℃の冷凍室で安定させ、冷凍室から取り出して速やかに揚げ調理に供した。揚げ調理が終了した直後に速やかに揚げたコロッケ1を高さのある網の上に載置して、温度が約25℃の部屋に放置し、コロッケ1の温度が約25℃になるまで自然に冷ました。
【0056】
この時のコロッケ1の温度は図7の実線に示すように、初期温度が約160℃で約180分後に25℃に達し、直ちにコロッケ1をポリプロピレンの材質の密閉袋に収納をし、庫内温度が約−20℃の冷凍室に入れて、0.75℃/分の冷却速度で約200分後に0℃に達し、約0.13℃/分の凍結速度で約240分後に−5℃に達し、約280分後に−20℃に到達し、そのまま−20℃で1ヶ月間冷凍保存した。次にコロッケ1を収納した密閉袋から取り出し、皿の上に載せて、電子レンジのターンテーブル中央に載置し、600Wのマイクロ波を70秒間照射した。
【0057】
比較例1の加熱調理を施した食品の冷凍方法で冷凍したコロッケ1を解凍したものは、揚げたてのコロッケ1を基準として、コロッケのおいしさの指標となる水分量を衣と具についてそれぞれ測定し、また官能試験を行った。(表2)に示すように衣の水分含量は21%であり、具の水分含量は76%であり、官能評価は−2.7であり、揚げたてのコロッケ1とは明らかにおいしさが劣化するものであった。コロッケの衣のサクサク感がまったく損なわれ、ベットリとした油っぽい食感であり、具の食感は分離して水っぽい食感がする一方、舌触りが悪くパサパサしていた。
【0058】
このことから実施の形態2の加熱調理を施した食品の冷凍方法で冷凍したコロッケ1を解凍したものは、揚げたてのコロッケ1と同程度のおいしさが復活し、比較例1で冷凍および解凍したコロッケ1は、本実施の形態で得られたものに比べて、明らかにおいしさが劣化しているものであった。
【0059】
なお、実施の形態1と2において、食品の種類と容器の収納形態及び材質は、これに限定されるものではない。
【0060】
なお、実施の形態1と2において、温度、時間の数値は、これに限定されるものではない。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明は、加熱調理を施した食品の温度が60℃から0℃になるまでの冷却速度が1℃/分を下限として冷却したので、食品の冷却中に食品内部の水分が湯気として空気中に蒸発する量を少なくできるため、食品の含有水分量を維持することができ、それぞれの食品に適した例えば、サクサク、カリカリ、しっとり、もっちりなどの食感をできるだけ作りたてのおいしい状態で維持することができる。
【0062】
また、食品の周囲の水分が蒸発することがないので、食品の周囲も変色がなく、皴がよらずにきれいな外観で維持することができる。
【0063】
また、食品中から水分が蒸発することがないので、食品の周囲に霜がつかず、水っぽい食感になることがなく、おいしい状態で保つことができる。
【0064】
また、食品の部分によって含有水分量に差がある場合においては、水分量の多い部分から水分量の少ない部分に水分移動が生じる量を少なくできるため、水分量の多い部分については例えばしっとりした食感を保持し、パサパサした食感になることなく、水分量の少ない部分については例えばカリカリした食感を保持し、ベタつくことなく、食品の部分によって水分量が異なることでのおいしさが維持される。
【0065】
また、食品の温度が0℃から−5℃になるまでが0.1℃/分以上の速度で冷凍するので、凍結時に食品内にできる氷の結晶が体積膨張することによる破壊を抑制するため、解凍した時に細胞破壊から生じる食感の劣化やドリップ発生による分離した食感になることがない。
【0066】
また、請求項2に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法は、請求項1記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品を開口面のある容器に載置して冷凍するので、冷却するための循環空気が容器の開口面から食品と直接熱交換でき、効率的に冷却することができる。また、加熱調理を施した食品を冷凍耐性および耐熱性のある容器に載置すれば、凍結後の取り扱いが容易で、保存と解凍がしやすい。
【0067】
また、請求項3に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法の発明は、請求項1または2に記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品を載置する開口面のある容器は良熱伝導性の材質で形成されるものであり、冷却するための循環空気が開口面から食品と直接熱交換するのに加え、開口面以外への熱伝導が向上することにより食品周囲全体から効率よく冷凍することができる。
【0068】
これにより食品の冷却速度と凍結速度が速くなることで、食品含有水分の保持と水分移動の抑制、細胞破壊の抑制効果が得られることから、解凍時につくりたてのおいしさが再現できることとなる。また、周囲全体からムラなく冷却されることにより、均一な状態で食品を冷凍することが可能となる。
【0069】
また、請求項4に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品を載置した容器の開口面に対して−20℃以下の冷気を強制的に吐出させるものであり、冷却するための循環空気が低温になる程、食品を効率良く冷凍することができる。
【0070】
また、請求項5に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品または前記食品を載置した容器の一部分を冷却プレートに接触させるものであり、固体熱伝導により冷却能力を向上させることができ、食品を効率よく冷凍することができる。
【0071】
また、請求項6に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品を多数の通気口を設けた載置板に載置し、食品載置部分の底面に冷気が循環することにより、食品載置部分がフラットな形状でなく、例えば底面が湾曲している食品や凸凹がある食品、球の食品などについても食品周囲全体から効率良く冷凍することができる。
【0072】
また、請求項7に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明に加えて、加熱調理を施した食品は90%以上が糊化した状態の澱粉を主成分とするものであり、冷却条件および冷凍条件により含有水分量に差がでやすい成分であり、結果としておいしさに差異が生じやすい食品についても食品の含有水分量を作りたてに近い状態で、かつ食品中の水分移動も少なく、かつ凍結による細胞破壊を抑制した状態で、加熱調理を施した食品を冷凍できることとなる。
【0073】
また、澱粉を主体とする食品は主食となりやすい食品が多く、その食品をおいしく冷凍することができれば、毎日繰り返し行われる調理が軽減され、省家事に繋がる。また、主食をおいしく冷凍して、いつでも必要時に必要量だけ食べることができることは、大変うれしいことである。
【0074】
また、請求項8に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明に加えて、加熱調理は120℃から200℃の油で揚げる調理であり、加熱調理の中でも最も高温で調理されるために、例えばコロッケや天麩羅などのように、食品の周囲は水分量が5%程度の衣で形成され、食品の内部は水分量が80%以上の具で形成され、食品の部分で水分量に大きな差があり、食品の内部から周囲に水分が移動しやすい食品についても食品の含有水分量を作りたてに近い状態で、食品を冷凍できることとなる。
【0075】
また、揚げ調理は油の後片付けが面倒な調理の代表であり、家庭でつくった揚げ物をおいしく冷凍することができれば、省家事にも繋がる。忙しい朝に作る弁当のおかずや、帰宅が遅くなった時の夕食に大変重宝される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の加熱調理をした食品の冷凍方法の概略構成図
【図2】同実施の形態の加熱調理をした食品の冷凍方法の特性図
【図3】同実施の形態の比較例1の加熱調理をした食品の特性図
【図4】同実施の形体の比較例2の加熱調理を施した食品の冷凍時の温度変化と冷凍設定温度の変化を示す特性図
【図5】本発明の実施の形態2の加熱調理をした食品の冷凍方法の概略構成図
【図6】同実施の形体の加熱調理をした食品の特性図
【図7】同実施の形体の比較例1の加熱調理をした食品の特性図
【符号の説明】
1 加熱調理を施した食品
2 容器
3 冷却プレート
4 送風手段
5 冷却手段
6 載置板

Claims (8)

  1. 加熱調理を施した食品の温度が60℃から0℃になるまでの冷却速度が1℃/分を下限として冷却される冷却工程と、前記冷却工程で冷却された前記加熱調理を施した食品の温度が0℃から−5℃になるまでの最大氷結晶生成帯を通過する時の凍結速度が0.1℃/分を下限として凍結する凍結工程とからなり、前記食品を裸の状態で冷凍させることにより解凍時の食感を改善させることを特徴とする加熱調理を施した食品の冷凍方法。
  2. 加熱調理を施した食品を開口面のある容器に載置して冷凍させることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法。
  3. 加熱調理を施した食品を載置する開口面のある容器は良熱伝導性の材質で形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法。
  4. 加熱調理を施した食品を載置した容器の開口面に対して−20℃以下の冷気を強制的に吐出させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法。
  5. 加熱調理を施した食品または前記食品を載置した容器の一部分を固体熱伝導で前記食品及び前記食品を載置した容器への熱伝導を促進させる冷却プレートに接触させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法。
  6. 加熱調理を施した食品を多数の通気口を設けた載置板に載置し、前記食品載置部分の底面からも冷気が循環することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法。
  7. 加熱調理を施した食品は澱粉を主成分とし、前記澱粉の90%以上が糊化していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法。
  8. 前記加熱調理は120℃から200℃の油で揚げる調理であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の加熱調理を施した食品の冷凍方法。
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CN104055380A (zh) * 2014-07-09 2014-09-24 安徽康成工业产品设计有限公司 一种插入式快速冷却装置

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