JP2004274400A - 監視カメラ装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】画策判定の正確性を高め、警備員の不必要な緊急出動を極力少なくすることができる監視カメラ装置を提供する。
【構成】マイクロコンピュータ13は、撮像画像の解析によってスプレー塗布や袋などでカメラ視野が奪われたと判断(異常判定)し、更に、温度物体検出部14において温度物体の移動を検出したとき、或いは、振動検出部15から地震ではないとする振動情報を得たとき、或いは、距離検出部16の出力により、例えば、物体がカメラの前方50cm以内に存在していると判断したとき、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。
【選択図】 図2
【構成】マイクロコンピュータ13は、撮像画像の解析によってスプレー塗布や袋などでカメラ視野が奪われたと判断(異常判定)し、更に、温度物体検出部14において温度物体の移動を検出したとき、或いは、振動検出部15から地震ではないとする振動情報を得たとき、或いは、距離検出部16の出力により、例えば、物体がカメラの前方50cm以内に存在していると判断したとき、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、監視カメラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀行や店舗などにおいて、監視カメラ装置を設置することで防犯を図ることが多くなってきている。その一方で、店舗内等に侵入しようとする者も後を絶たず、例えば、侵入者が監視カメラ装置に対して塗料スプレーを噴霧することによりレンズやレンズカバーに塗料を付着させて撮像を困難にさせたり、監視カメラ装置に布などを被せることで撮像を困難にさせることが行なわれている。このように、侵入者が自分の顔や容姿を認識されないように監視カメラに対する動作を行うことをここでは画策という。
【0003】
上記画策の検出判定方法として種々の方法が提案されている。例えば、撮像映像の周波数成分を検出し、高い周波数成分が存在する場合は通常映像と判断し、高い周波数成分が消失したときには画策が行なわれたと判断するものがある。また、例えば、監視カメラ或いは監視カメラに接続されている機器において画像処理を施すものがある。具体的には撮像映像を複数に分割した各エリアごとの撮像映像の輝度値積分処理(当該処理はアイリスや逆行補正に利用されている)を利用し、この積分値を監視する方法がある。例えばスプレーによって塗料をレンズに付着させるときには、積分値は少しずつ(スプレーの噴霧の仕方によるが)変化する。このような変化に対して閾値を設定し、この閾値を境に画策であるかどうかの判定を行なう。また、布等によってレンズが覆われた場合は、上記スプレーによる場合よりも積分値は急激に変化することになる。これについても積分値に対する閾値や変化量に対する閾値を設定して画策判定を行なうことができる。また、画像処理による他の判定手法として以下のものも考えられる。例えば、各画素の輝度情報からヒストグラムを作成し、自動或いは手動で閾値を確定し、画像を2 値化し、大まかな輝度変化から画策か通常か判断する方法、各画素毎の輝度が予め設定した閾値を上回る(或いは下回る)部分を全部積算し、各フィールドの輝度の分布を判断材料とする方法などが考えられる。更には、撮像映像のぶれ(侵入者が監視カメラを棒などでつついたときに生じる)によって画策判定を行うことも考えられる。そして、画策であると判定したときは、アラームなどの警報を出力するようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−160975号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記撮像画像に基づく画策判定処理では、スプレーによるレンズへの塗料付着や布でレンズを覆うなどの画策が本当に生じたのかどうかを高い正確性で判断することはできず、不確実な画策判定でその度に警備員が緊急出動することとなれば、多大な出動コストが生じることになる。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、画策判定の正確性を高め、警備員の不必要な緊急出動を極力少なくすることができる監視カメラ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の監視カメラ装置は、上記の課題を解決するために、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、撮像方向上の物体との距離を検出する距離検出手段とを備え、前記異常判定に加えて物体距離検出情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、撮像方向上のピント調整困難距離上の物体の存在を検出する検出手段とを備え、前記異常判定に加えて物体有無情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0009】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、温度物体の動きを検出する温度物体検出手段とを備え、前記異常判定に加えて温度物体動き情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像のぶれに基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段とを備え、前記異常判定に加えて振動が地震によるものではないとする判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段と、撮像方向上の物体との距離を検出する距離検出手段とを備え、前記異常判定又は地震ではないとする判定に加えて物体距離検出情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段と、撮像方向上のピント調整困難距離上の物体の存在を検出する検出手段とを備え、前記異常判定又は地震ではないとする判定に加えて物体有無情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0013】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段と、温度物体の動きを検出する温度物体検出手段とを備え、前記異常判定又は地震ではないとする判定に加えて温度物体動き情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態における監視カメラ装置を図1乃至図3に基づいて説明する。
【0015】
図1は監視カメラ装置1を示した説明図である。監視カメラ装置1は、カメラ本体部1a、撮像方向制御装置(パン/チルト機構)1b、及びI/Oインターフェイス部1c等を備えて成る。これらの各要素は、例えば、カメラ本体部1aのマイクロコンピュータ13(図2参照)によって制御される。撮像方向制御装置1bは、カメラ本体部1aにおけるパン/チルト制御を行なう装置であり、図示しないモータなどのアクチュエータを備えて構成されている。撮像方向制御装置1bのアクチュエータへの駆動制御信号は、例えばマイクロコンピュータ13から与えられる。カメラ本体部1aにて撮影された映像はビデオカセットレコーダ(VCR)2に記録され、モニタ3において表示される。また、図示しない通信部を備えており、所定の条件が満たされたときに、警備センターなどに通報するようになっている。
【0016】
図2はカメラ本体部1aを示したブロック図である。レンズ機構11は、レンズの他、合焦状態を形成するために前記レンズの位置調整を行なうフォーカス制御部、絞り調節を行なう絞り部などを備える。
【0017】
画像処理部12は、CCD12a、A/D変換回路12b、画像解析部12cなどを備えて成る。CCD12aは、前記レンズ機構11を経た被写体の映像光を受け、電気信号に変換して出力する。A/D変換回路12bは映像信号をディジタル映像信号に変換する。画像解析部12cはディジタル映像信号に基づいて異常判定(画策判定)のための解析処理を行う。この撮像画像の解析処理については、従来例で述べたように各種の解析処理が存在しており、どの解析処理とするかについては何ら限定するものではない。
【0018】
温度物体検出部14は、赤外線センサ14aと、A/D変換回路14bと、センサ解析部14cとを備えて成り、温度物体の動きを検出したときに、マイクロコンピュータ13にそのことを通知するようになっている。
【0019】
振動検出部15は、振動センサ15aと、A/D変換回路15bと、センサ解析部15cとを備える。センサ解析部15cは、図示しない不揮発性メモリを備えており、このメモリに定常的な振動情報(例えば、近くをトラックなどが通ったときに生じる振動パターン、振動が生じる時間幅情報、振動が生じてから納まるまでの変化パターン等)を記録している。そして、センサ解析部15cは振動センサ15aにて検出されA/D変換回路15bでディジタル信号化された振動データと、前記定常的な振動情報とを比較し、振動が地震によるものなのかどうかを判定する。地震によるものではない振動であると検出したときには、マイクロコンピュータ13にそのことを通知する。
【0020】
距離検出部16は、レーザ測距部16aと、A/D変換回路16bと、センサ解析部16cとを備える。距離検出部16は撮像方向上の物体との距離を示す情報をマイクロコンピュータ13に供給するようにしてもよいし、センサ解析部16cにより、カメラ本体部1aの撮像方向上のピント調整困難距離上に物体が存在するかどうかを解析し、ピント調整困難距離上に物体が存在すると判断したときにマイクロコンピュータ13に通知するようにしてもよい。距離検出はレーザ(赤外線レーザ)等に限らず、LED(発光ダイオード)を用いたもの、超音波を用いたものなどでもよく、また、距離測定手法(反射光や反射波が得られるまでの時間測定、三角測量手法等)についても限定されるものではない。また、距離検出部16とは別にレンズ表面やレンズカバーの表面(かかる位置もピント調整困難距離に相当する)に物体が存在するかどうかを検出する手段を備え、レンズ表面やレンズカバーに物体が付着したのかどうかを確実に検出できるようにしておくのがよい。
【0021】
マイクロコンピュータ13は、基本的には撮像画像の解析によって異常判定を行う。そして、この異常判定だけで報知(通報)処理を行うのではなく、以下に示すごとく、温度物体検出部14、振動検出部15、及び距離検出部16等の出力を加味して報知(通報)処理を行う。
【0022】
▲1▼マイクロコンピュータ13は、撮像画像の解析によってスプレー塗布や袋などでカメラ視野が奪われたと判断(異常判定)し、更に、温度物体検出部14において温度物体の移動を検出したとき、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。
【0023】
▲2▼マイクロコンピュータ3は、撮像画像にぶれが生じたときに異常判定を行う場合においては、振動検出部15から地震による振動か或いは地震によらない振動かの情報を取得し、地震によらない振動であるときに、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。地震によらない振動としては、先述したごとく、棒でカメラをこずいたときの振動の他、重機で建物を破壊するときに生じる振動などがある。なお、地震であると判定したときには、監視カメラ装置のシステムリセットを行う。
【0024】
▲3▼マイクロコンピュータ3は、撮像画像の解析によってスプレー塗布や袋などでカメラ視野が奪われたと判断(異常判定)し、更に、距離検出部16の出力により、例えば、物体がカメラの前方50cm以内に存在していると判断したとき、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。また、距離検出部16がカメラ本体部1aの撮像方向上のピント調整困難距離上に物体が存在するかどうかの解析を行うものである場合において、ピント調整困難距離上に物体が存在するとの通知を受けたときに、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。また、距離検出部16とは別にレンズ表面やレンズカバーの表面(レンズ表面やレンズカバーの表面もピント調整困難距離に相当する)に物体が存在するかどうかを検出する手段を備える場合において、レンズ表面やレンズカバーに物体が付着したことを示す通知を受けたときに、画策であると判定し、報知(通報)処理を行うようになっていてもよい。
【0025】
なお、上記の実施例では、撮像画像の解析による異常判定を前提とする処理を示したが、図3に示すように、カメラの振動にもとづく異常判定と撮像画像の解析による異常判定とを並列的に扱うこととし、以下に述べるように、温度物体検出部14、距離検出部16等の出力を加味して報知(通報)処理を行うようになっていてもよい。
【0026】
▲1▼マイクロコンピュータ13は、たとえ撮像画像の解析による異常判定がなされなくても、振動検出部(図3では振動センサと記している)15によって地震以外の振動であるとの通知を受けたときで、且つ、温度物体検出部(図3では赤外線センサと記している)14において温度物体の移動を検出したとき(図3において「異常あり」)、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。
【0027】
▲2▼マイクロコンピュータ3は、たとえ撮像画像の解析による異常判定がなされなくても、振動検出部(図3では振動センサと記している)15によって地震以外の振動であるとの通知を受けたときで、且つ、距離検出部(図3ではレーザセンサと記している)16の出力により、例えば、物体がカメラの前方50cm以内に存在していると判断したとき(図3において「異常あり」)、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。また、距離検出部16がカメラ本体部1aの撮像方向上のピント調整困難距離上に物体が存在するかどうかの解析を行うものである場合において、ピント調整困難距離上に物体が存在するとの通知を受けたときに(図3において「異常あり」)、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。また、距離検出部16とは別にレンズ表面やレンズカバーの表面(レンズ表面やレンズカバーの表面もピント調整困難距離に相当する)に物体が存在するかどうかを検出する手段を備える場合において、レンズ表面やレンズカバーに物体が付着したことを示す通知を受けたときに(図3において「異常あり」)、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。
【0028】
なお、マイクロコンピュータ3は、振動検出部15によって地震以外の振動であるとの通知を受けたときで、且つ、温度物体検出部14において温度物体の移動を検出し、且つ、距離検出部の出力に物体を検出したときに、画策であると判定し、報知(通報)処理を行うようになっていてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、画策判定の正確性を高め、警備員の不必要な緊急出動を極力少なくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の監視カメラ装置を示した説明図である。
【図2】図1の監視カメラ装置のカメラ本体部を示したブロック図である。
【図3】監視カメラ装置の処理内容を示した説明図である。
【符号の説明】
1 監視カメラ装置
2 VCR
3 モニタ
11 レンズ機構
12 画像処理部
13 マイクロコンピュータ
14 温度物体検出部
15 振動検出部
16 距離検出部
【産業上の利用分野】
この発明は、監視カメラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀行や店舗などにおいて、監視カメラ装置を設置することで防犯を図ることが多くなってきている。その一方で、店舗内等に侵入しようとする者も後を絶たず、例えば、侵入者が監視カメラ装置に対して塗料スプレーを噴霧することによりレンズやレンズカバーに塗料を付着させて撮像を困難にさせたり、監視カメラ装置に布などを被せることで撮像を困難にさせることが行なわれている。このように、侵入者が自分の顔や容姿を認識されないように監視カメラに対する動作を行うことをここでは画策という。
【0003】
上記画策の検出判定方法として種々の方法が提案されている。例えば、撮像映像の周波数成分を検出し、高い周波数成分が存在する場合は通常映像と判断し、高い周波数成分が消失したときには画策が行なわれたと判断するものがある。また、例えば、監視カメラ或いは監視カメラに接続されている機器において画像処理を施すものがある。具体的には撮像映像を複数に分割した各エリアごとの撮像映像の輝度値積分処理(当該処理はアイリスや逆行補正に利用されている)を利用し、この積分値を監視する方法がある。例えばスプレーによって塗料をレンズに付着させるときには、積分値は少しずつ(スプレーの噴霧の仕方によるが)変化する。このような変化に対して閾値を設定し、この閾値を境に画策であるかどうかの判定を行なう。また、布等によってレンズが覆われた場合は、上記スプレーによる場合よりも積分値は急激に変化することになる。これについても積分値に対する閾値や変化量に対する閾値を設定して画策判定を行なうことができる。また、画像処理による他の判定手法として以下のものも考えられる。例えば、各画素の輝度情報からヒストグラムを作成し、自動或いは手動で閾値を確定し、画像を2 値化し、大まかな輝度変化から画策か通常か判断する方法、各画素毎の輝度が予め設定した閾値を上回る(或いは下回る)部分を全部積算し、各フィールドの輝度の分布を判断材料とする方法などが考えられる。更には、撮像映像のぶれ(侵入者が監視カメラを棒などでつついたときに生じる)によって画策判定を行うことも考えられる。そして、画策であると判定したときは、アラームなどの警報を出力するようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−160975号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記撮像画像に基づく画策判定処理では、スプレーによるレンズへの塗料付着や布でレンズを覆うなどの画策が本当に生じたのかどうかを高い正確性で判断することはできず、不確実な画策判定でその度に警備員が緊急出動することとなれば、多大な出動コストが生じることになる。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、画策判定の正確性を高め、警備員の不必要な緊急出動を極力少なくすることができる監視カメラ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の監視カメラ装置は、上記の課題を解決するために、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、撮像方向上の物体との距離を検出する距離検出手段とを備え、前記異常判定に加えて物体距離検出情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、撮像方向上のピント調整困難距離上の物体の存在を検出する検出手段とを備え、前記異常判定に加えて物体有無情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0009】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、温度物体の動きを検出する温度物体検出手段とを備え、前記異常判定に加えて温度物体動き情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像のぶれに基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段とを備え、前記異常判定に加えて振動が地震によるものではないとする判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段と、撮像方向上の物体との距離を検出する距離検出手段とを備え、前記異常判定又は地震ではないとする判定に加えて物体距離検出情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段と、撮像方向上のピント調整困難距離上の物体の存在を検出する検出手段とを備え、前記異常判定又は地震ではないとする判定に加えて物体有無情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0013】
また、この発明の監視カメラ装置は、撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段と、温度物体の動きを検出する温度物体検出手段とを備え、前記異常判定又は地震ではないとする判定に加えて温度物体動き情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態における監視カメラ装置を図1乃至図3に基づいて説明する。
【0015】
図1は監視カメラ装置1を示した説明図である。監視カメラ装置1は、カメラ本体部1a、撮像方向制御装置(パン/チルト機構)1b、及びI/Oインターフェイス部1c等を備えて成る。これらの各要素は、例えば、カメラ本体部1aのマイクロコンピュータ13(図2参照)によって制御される。撮像方向制御装置1bは、カメラ本体部1aにおけるパン/チルト制御を行なう装置であり、図示しないモータなどのアクチュエータを備えて構成されている。撮像方向制御装置1bのアクチュエータへの駆動制御信号は、例えばマイクロコンピュータ13から与えられる。カメラ本体部1aにて撮影された映像はビデオカセットレコーダ(VCR)2に記録され、モニタ3において表示される。また、図示しない通信部を備えており、所定の条件が満たされたときに、警備センターなどに通報するようになっている。
【0016】
図2はカメラ本体部1aを示したブロック図である。レンズ機構11は、レンズの他、合焦状態を形成するために前記レンズの位置調整を行なうフォーカス制御部、絞り調節を行なう絞り部などを備える。
【0017】
画像処理部12は、CCD12a、A/D変換回路12b、画像解析部12cなどを備えて成る。CCD12aは、前記レンズ機構11を経た被写体の映像光を受け、電気信号に変換して出力する。A/D変換回路12bは映像信号をディジタル映像信号に変換する。画像解析部12cはディジタル映像信号に基づいて異常判定(画策判定)のための解析処理を行う。この撮像画像の解析処理については、従来例で述べたように各種の解析処理が存在しており、どの解析処理とするかについては何ら限定するものではない。
【0018】
温度物体検出部14は、赤外線センサ14aと、A/D変換回路14bと、センサ解析部14cとを備えて成り、温度物体の動きを検出したときに、マイクロコンピュータ13にそのことを通知するようになっている。
【0019】
振動検出部15は、振動センサ15aと、A/D変換回路15bと、センサ解析部15cとを備える。センサ解析部15cは、図示しない不揮発性メモリを備えており、このメモリに定常的な振動情報(例えば、近くをトラックなどが通ったときに生じる振動パターン、振動が生じる時間幅情報、振動が生じてから納まるまでの変化パターン等)を記録している。そして、センサ解析部15cは振動センサ15aにて検出されA/D変換回路15bでディジタル信号化された振動データと、前記定常的な振動情報とを比較し、振動が地震によるものなのかどうかを判定する。地震によるものではない振動であると検出したときには、マイクロコンピュータ13にそのことを通知する。
【0020】
距離検出部16は、レーザ測距部16aと、A/D変換回路16bと、センサ解析部16cとを備える。距離検出部16は撮像方向上の物体との距離を示す情報をマイクロコンピュータ13に供給するようにしてもよいし、センサ解析部16cにより、カメラ本体部1aの撮像方向上のピント調整困難距離上に物体が存在するかどうかを解析し、ピント調整困難距離上に物体が存在すると判断したときにマイクロコンピュータ13に通知するようにしてもよい。距離検出はレーザ(赤外線レーザ)等に限らず、LED(発光ダイオード)を用いたもの、超音波を用いたものなどでもよく、また、距離測定手法(反射光や反射波が得られるまでの時間測定、三角測量手法等)についても限定されるものではない。また、距離検出部16とは別にレンズ表面やレンズカバーの表面(かかる位置もピント調整困難距離に相当する)に物体が存在するかどうかを検出する手段を備え、レンズ表面やレンズカバーに物体が付着したのかどうかを確実に検出できるようにしておくのがよい。
【0021】
マイクロコンピュータ13は、基本的には撮像画像の解析によって異常判定を行う。そして、この異常判定だけで報知(通報)処理を行うのではなく、以下に示すごとく、温度物体検出部14、振動検出部15、及び距離検出部16等の出力を加味して報知(通報)処理を行う。
【0022】
▲1▼マイクロコンピュータ13は、撮像画像の解析によってスプレー塗布や袋などでカメラ視野が奪われたと判断(異常判定)し、更に、温度物体検出部14において温度物体の移動を検出したとき、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。
【0023】
▲2▼マイクロコンピュータ3は、撮像画像にぶれが生じたときに異常判定を行う場合においては、振動検出部15から地震による振動か或いは地震によらない振動かの情報を取得し、地震によらない振動であるときに、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。地震によらない振動としては、先述したごとく、棒でカメラをこずいたときの振動の他、重機で建物を破壊するときに生じる振動などがある。なお、地震であると判定したときには、監視カメラ装置のシステムリセットを行う。
【0024】
▲3▼マイクロコンピュータ3は、撮像画像の解析によってスプレー塗布や袋などでカメラ視野が奪われたと判断(異常判定)し、更に、距離検出部16の出力により、例えば、物体がカメラの前方50cm以内に存在していると判断したとき、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。また、距離検出部16がカメラ本体部1aの撮像方向上のピント調整困難距離上に物体が存在するかどうかの解析を行うものである場合において、ピント調整困難距離上に物体が存在するとの通知を受けたときに、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。また、距離検出部16とは別にレンズ表面やレンズカバーの表面(レンズ表面やレンズカバーの表面もピント調整困難距離に相当する)に物体が存在するかどうかを検出する手段を備える場合において、レンズ表面やレンズカバーに物体が付着したことを示す通知を受けたときに、画策であると判定し、報知(通報)処理を行うようになっていてもよい。
【0025】
なお、上記の実施例では、撮像画像の解析による異常判定を前提とする処理を示したが、図3に示すように、カメラの振動にもとづく異常判定と撮像画像の解析による異常判定とを並列的に扱うこととし、以下に述べるように、温度物体検出部14、距離検出部16等の出力を加味して報知(通報)処理を行うようになっていてもよい。
【0026】
▲1▼マイクロコンピュータ13は、たとえ撮像画像の解析による異常判定がなされなくても、振動検出部(図3では振動センサと記している)15によって地震以外の振動であるとの通知を受けたときで、且つ、温度物体検出部(図3では赤外線センサと記している)14において温度物体の移動を検出したとき(図3において「異常あり」)、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。
【0027】
▲2▼マイクロコンピュータ3は、たとえ撮像画像の解析による異常判定がなされなくても、振動検出部(図3では振動センサと記している)15によって地震以外の振動であるとの通知を受けたときで、且つ、距離検出部(図3ではレーザセンサと記している)16の出力により、例えば、物体がカメラの前方50cm以内に存在していると判断したとき(図3において「異常あり」)、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。また、距離検出部16がカメラ本体部1aの撮像方向上のピント調整困難距離上に物体が存在するかどうかの解析を行うものである場合において、ピント調整困難距離上に物体が存在するとの通知を受けたときに(図3において「異常あり」)、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。また、距離検出部16とは別にレンズ表面やレンズカバーの表面(レンズ表面やレンズカバーの表面もピント調整困難距離に相当する)に物体が存在するかどうかを検出する手段を備える場合において、レンズ表面やレンズカバーに物体が付着したことを示す通知を受けたときに(図3において「異常あり」)、画策であると判定し、報知(通報)処理を行う。
【0028】
なお、マイクロコンピュータ3は、振動検出部15によって地震以外の振動であるとの通知を受けたときで、且つ、温度物体検出部14において温度物体の移動を検出し、且つ、距離検出部の出力に物体を検出したときに、画策であると判定し、報知(通報)処理を行うようになっていてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、画策判定の正確性を高め、警備員の不必要な緊急出動を極力少なくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の監視カメラ装置を示した説明図である。
【図2】図1の監視カメラ装置のカメラ本体部を示したブロック図である。
【図3】監視カメラ装置の処理内容を示した説明図である。
【符号の説明】
1 監視カメラ装置
2 VCR
3 モニタ
11 レンズ機構
12 画像処理部
13 マイクロコンピュータ
14 温度物体検出部
15 振動検出部
16 距離検出部
Claims (7)
- 撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、撮像方向上の物体との距離を検出する距離検出手段とを備え、前記異常判定に加えて物体距離検出情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする監視カメラ装置。
- 撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、撮像方向上のピント調整困難距離上の物体の存在を検出する検出手段とを備え、前記異常判定に加えて物体有無情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする監視カメラ装置。
- 撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、温度物体の動きを検出する温度物体検出手段とを備え、前記異常判定に加えて温度物体動き情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする監視カメラ装置。
- 撮像画像のぶれに基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段とを備え、前記異常判定に加えて振動が地震によるものではないとする判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする監視カメラ装置。
- 撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段と、撮像方向上の物体との距離を検出する距離検出手段とを備え、前記異常判定又は地震ではないとする判定に加えて物体距離検出情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする監視カメラ装置。
- 撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段と、撮像方向上のピント調整困難距離上の物体の存在を検出する検出手段とを備え、前記異常判定又は地震ではないとする判定に加えて物体有無情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする監視カメラ装置。
- 撮像画像に基づいて異常判定を行う手段と、カメラの振動を検出してそれが地震によるものかどうかを判断する地震判断手段と、温度物体の動きを検出する温度物体検出手段とを備え、前記異常判定又は地震ではないとする判定に加えて温度物体動き情報に基づく異常判定がなされることを報知の要件とするように構成されたことを特徴とする監視カメラ装置。
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