JP2004273795A - 部品リペア装置および部品リペア方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた局所加熱性を損なうことなく、不良部品周辺の基板焼損をなくすことができる部品リペア装置および部品リペア方法を提供する。
【解決手段】部品リペア装置100であって、プリント基板4上の指定された位置に存在する不良部品に対して、光吸収材を塗布するための塗布部10と、光を照射するための加熱部6と、不良部品を除去する動作および代替部品を搭載する動作のうちのいずれかを行なうための部品吸着部18と、指定された位置に対して対応する動作を実行可能なように位置決めするためのX−Yステージ2と、制御信号を出力するための制御部22とを備え、制御部22は、電子部品の配置情報と不良部品特定情報とを格納するための記憶部23と、不良部品特定情報に基づいて、制御信号を生成するための制御信号生成部21とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】部品リペア装置100であって、プリント基板4上の指定された位置に存在する不良部品に対して、光吸収材を塗布するための塗布部10と、光を照射するための加熱部6と、不良部品を除去する動作および代替部品を搭載する動作のうちのいずれかを行なうための部品吸着部18と、指定された位置に対して対応する動作を実行可能なように位置決めするためのX−Yステージ2と、制御信号を出力するための制御部22とを備え、制御部22は、電子部品の配置情報と不良部品特定情報とを格納するための記憶部23と、不良部品特定情報に基づいて、制御信号を生成するための制御信号生成部21とを含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光加熱装置を用いた、部品リペア装置の構成および部品リペア装置を用いた部品リペア方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光加熱装置を用いて、チップ部品の除去および半田付けを行なう場合において、たとえば、従来例として、基板の焦げや半田付け状態などを人手などによって監視しなくても、常に安定且つ最適な半田付けを行なうことができる半田付け装置、並びにその制御方法について、以下のような構成が公知である(たとえば、特許文献1参照)。すなわち、この従来例では、半田付け部分に塗布された半田ペーストに光ビームを集光照射する光源と、光源の光ビームを制御する光ビーム・コントローラと、光ビームによって加熱溶融する半田ペーストを含む半田付け部分全体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カラーカメラと、カメラによる画像から検出した半田ペーストからの反射光のレベルと予め設定しておいた反射光のレベルとの比較により半田溶融検出信号を出力する画像処理部と、半田溶融検出信号に基づいて光ビーム・コントローラに熱源制御信号を出力するパソコンとを備える半田付け装置の構成が開示されている。
【0003】
また、レーザ光を照射して電子部品を加熱して半田付けを行なう半田付け装置については、以下のような構成が公知の技術である。
【0004】
図5は、レーザ光による半田付け装置200の構成の一例を示す概略図である。
【0005】
図5を参照して、半田付け装置200は、電子部品30が搭載されているプリント基板26を固定し、水平面上のX−Y平面における、X軸方向とY軸方向の位置決めをするためのX−Yステージ24と、電子部品30にレーザ光を照射して加熱するための加熱部28と、X−Yステージ24の動作の制御と加熱部28の出力のON/OFFの制御とを行なうための制御部32とを備える。
【0006】
現在市販されているレーザ半田付け装置は、レーザ光の集光径をφ300〜500μm程度に小さくして、半田電極部のみを1箇所ずつ加熱している。そのため、周囲の基板表面や隣接する部品へ熱ダメージを与えることなく、半田リフローを行なっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−7251号公報明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の半田付け装置200を用いた半田付けを行なう方法については、公知の技術であるが、仮に半田付け装置200をリペア作業に用いる場合、半田付け装置200は、以下に説明するような問題点を有していることが見出された。
【0009】
以下に、半田付け装置200を用いて、半田付けにより実装された部品のリペアを行なう動作について説明する。
【0010】
図6は、図5に示す半田付け装置200を用いて、半田36に加熱部28により光を照射して加熱するときの加熱部分の拡大図である。
【0011】
図6を参照して、電子部品30は、プリント基板26上の電極板34に半田36により固定されている。
【0012】
レーザ光による半田付け方法における部品の除去を行なう手順として、まず、制御部32は、X−Yステージ24による位置決めをさせる。そして、制御部32は、X−Yステージ24を調整することにより、加熱部28より出射された光が集光される位置まで、電子部品30の電極部34を移動させる。その後、制御部32は、加熱部28により出射されたレーザ光を光学レンズ(図示せず)を用いてφ300〜500μm程度に集光させる。制御部32は、電子部品30の電極部34を半田36が溶融する温度になるまで局所的に加熱させる。半田36の溶融により、電子部品30は、電極板34から除去が可能となる。
【0013】
半田付けにより実装された部品のリペアを行なう場合、不良部品が有する複数電極のうち1箇所しか加熱できないため、2以上の箇所が半田付けされた不良部品を、プリント基板から取り外すことは困難である。そのため、レーザ半田付け装置をリペア用途で利用するには、ある程度集光径を大きくして部品全体を加熱する必要がある。しかしプリント基板上には様々な形状や大きさの部品が実装されており、集光径は実装されている部品のうち、最も大きな部品サイズに合わせることになる。このようにして設定された集光径のレーザを用いて、集光径よりも小さい部品を加熱した場合、レーザ光の一部はプリント基板の表面を照射することとなる。
【0014】
加熱する部品毎、あるいは、プリント基板の表面と部品とでは、レーザ発振波長の光に対する反射率の違いにより、同じレーザパワーで同じ時間だけ加熱しても上昇する温度は、異なってくる。そのため、プリント基板の表面におけるレーザ発振波長の光に対する反射率が部品の反射率より小さい場合、同じレーザパワーで同じ時間だけ加熱するとき、プリント基板の表面は、部品よりも急速に加熱され、プリント基板を焼損することがある。
【0015】
このような課題を回避する方法として、レーザ発振器から出力された光を光学レンズの組み合わせにより集光径を可変することが考えられるが、多様な部品サイズおよび部品形状に対応してその都度集光径を調整し、基板表面にレーザ光が照射されないようにしながら部品全体を加熱するのは困難である。
【0016】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、優れた局所加熱性を損なうことなく、不良部品周辺の基板焼損をなくすことができる部品リペア装置および部品リペア装置を用いた部品リペア方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明のある局面にかかる部品リペア装置は、基板上の複数の部品のうち、制御信号により指定された位置に存在する不良部品に対して、光吸収材を付着するための付着手段と、制御信号に応じて、指定された位置に光を照射するための光照射手段と、制御信号に応じて、光が照射された不良部品を指定された位置から除去する動作および代替部品を指定された位置に搬送して搭載する動作のいずれかを行なうための搬送手段と、制御信号に応じて、付着手段、光照射手段および搬送手段の各々を、指定された位置に対して対応する動作を実行可能なように位置決めするための位置決め手段と、制御信号を出力するための制御手段とを備え、制御手段は、基板上に実装される部品の配置に関する配置情報と不良部品を特定するための不良部品特定情報とを格納するための記憶手段と、不良部品特定情報に基づいて、不良部品を除去して、代替部品に交換する動作をさせるように指示する制御信号を生成するための制御信号生成手段とを含む。
【0018】
好ましくは、光吸収材は、基板の材料および実装される部品よりも低い反射率を有する。
【0019】
好ましくは、光吸収材は、240℃以上の耐熱温度を有する。
この発明のある局面に係る部品リペア方法は、基板上に実装された複数の部品の中から、不良部品を検出するステップと、検出される不良部品を特定するための不良部品特定情報を記憶装置に記憶するステップと、記憶装置から読み出された不良部品特定情報に基づいて、不良部品との位置決めを行ない、不良部品に対して、光吸収材を付着するステップと、不良部品に光を照射するステップと、光が照射された不良部品を基板上から除去するステップと、記憶装置から読み出された不良部品特定情報に基づいて、不良部品が除去された位置に代替部品を搬送して搭載するステップと、代替部品に光吸収材を付着するステップと、代替部品に光を照射するステップとを備える。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一の構成部分には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについて詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態における部品リペア装置100の構成の概略を示す図である。
【0022】
図1を参照して、部品リペア装置100は、水平面上のX−Y平面における、X軸方向とY軸方向の位置決めをするためのX−Yステージ2と、電子部品8と、電子部品8が搭載されているプリント基板4と、電子部品8に光を照射して加熱するための加熱部6と、電子部品8の上面に光吸収材として用いる黒体塗料16を塗布するための塗布部10と、塗布部10に圧縮空気を供給するための圧空供給部12と、塗布部10と圧空供給部12とをつなぐためのエアホース14と、電子部品8を真空吸着するための部品吸着部18と、部品吸着部18に負圧を供給するための負圧発生部20と、部品リペア装置100の動作を制御するための制御部22とを備える。
【0023】
制御部22は、制御信号を生成するための制御信号生成部21と、プリント基板4上に実装される複数の電子部品の配置に関する配置情報および不良部品を特定するための情報を記憶するための記憶部23とを含む。
【0024】
制御部22は、記憶部23に記憶された不良部品を特定するための情報と電子部品の配置情報に基づいて、リペア作業するための制御信号を制御信号生成部21にて生成する。そして、制御部22は、制御信号生成部21において生成された制御信号を各部に出力する。
【0025】
加熱部6は、たとえば、発振波長808nmの半導体レーザを用いる。加熱部6は、制御部22から出力された制御信号により、光加熱の出力のON/OFF制御を受ける。半導体レーザには、集光サイズを300μm程度まで小さくすることが可能なレーザ光を照射するレーザ発振器を用いる。なお、加熱部6としては、電子部品8全体を加熱可能で、かつ、周辺部品を加熱しないのであればレーザ発振器に限定されない。
【0026】
塗布部10は、黒体塗料16を一時保管しておく塗料保管部10aを含む。制御信号に応じて、圧空供給部12より、エアホース14を通じて圧縮空気が塗布部10内を通過すると、その塗布部10と塗料保管部10a間に圧力差が生じる。その圧力差により、塗料保管部10aから黒体塗料16が吸い出される。黒体塗料16は、塗布部10の先端より霧状に噴出される。
【0027】
部品吸着部18は、制御部22からの制御信号に応じて、加熱部6により加熱された不良部品を吸着してプリント基板4上から除去する動作を行なう。または、部品吸着部18は、吸着により、代替部品を不良部品が除去された位置に搬送して搭載する動作を行なう。
【0028】
X−Yステージ2は、制御部22からの制御信号に応じて、加熱部6、塗布部10および部品吸着部18の各々を、不良部品に対して行なう動作が実行可能なように位置決めを行なう。ただし、位置決めは、X−Yステージに特に限定されない。たとえば、加熱部6、塗布部10および部品吸着部18を移動させることにより、不良部品に対しての位置決めを行なってもよい。
【0029】
また、光吸収材として用いる黒体塗料16は、電子部品8の接合に用いられている半田融点以上の耐熱温度を有していることが望ましい。黒体塗料16は、シリコーン樹脂塗料またはチタン系セラミックス樹脂塗料を使用することにより、400℃以上の耐熱性を持たせることが可能となる。放射率に関しては、基板表面の放射率は、200℃付近において0.9前後である。そして、前述したシリコーン樹脂塗料またはチタン系セラミックス樹脂塗料に耐熱グラファイト等を混合し0.94〜0.98の放射率を持たせて使用する。ただし、光吸収材は、前述した耐熱温度と放射率の条件を併せ持つ場合は、特に限定されない。
【0030】
たとえば、光吸収材は、シリコーン樹脂塗料またはチタン系セラミックス樹脂塗料等を使用してもよい。この光吸収材は、240℃以上の耐熱温度を有している。すなわち、電子部品8が半田融点付近まで加熱されても、光吸収材が電子部品8の表面から剥離しない。その結果、部品温度に影響を受けないため、安定した光加熱特性が得られる。
【0031】
たとえば、光吸収材として、ジャパンセンサー株式会社製高温黒体塗料JSC−3号(放射率0.94、耐熱温度1,500℃)、オキツモ株式会社製THI−1B(放射率0.94、耐熱温度500℃)、オキツモ株式会社製チタン系セラミックス樹脂塗料TYR−1171(耐熱温度600℃)、オキツモ株式会社製グラファイトコート(放射率0.98、耐熱温度450℃)などを適用してもよい。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態における部品リペア装置100において、プリント基板4に実装不良である電子部品8のリペアを行なう動作を示すフローチャートである。
【0033】
図2を参照して、複数の電子部品が搭載されたプリント基板4は、リフロー工程の完了後に、基板検査機(図示せず)に投入される(ステップS01)。
【0034】
基板検査機において、プリント基板4の表面に実装された複数の電子部品のうちの指定された位置に存在する電子部品8について、位置ずれや半田ブリッジなどの実装不良がないかどうかが判定される(ステップS02)。
【0035】
ステップS02において、実装不良と判断された不良部品について、プリント基板4上の不良部品を特定するための不良部品特定情報が基板検査機に含まれる記憶部(図示せず)に記憶される(ステップS03)。ただし、不良部品特定情報は、特に限定されないが、たとえば、不良部品の位置情報または、不良部品の種類情報、あるいは、電子部品の通し番号等である。
【0036】
ステップS02において、検査された電子部品が実装不良でない場合、基板検査機に含まれる制御部(図示せず)は、処理をステップS04に移動させる。
【0037】
そして、基板検査機の制御部は、プリント基板4に実装された全ての電子部品について、不良判定が完了したかどうかの判断をする(ステップS04)。
【0038】
ステップS04において、すべての電子部品についての不良判定が完了していない場合、基板検査機の制御部は、別の電子部品についての不良判定を継続する。
【0039】
ステップS04において、すべての電子部品についての不良判定が完了している場合、基板検査機の制御部は、ステップS03において記憶された不良部品特定情報を、部品リペア装置100に送信する。部品リペア装置100に含まれる制御部22は、不良部品特定情報を記憶部23に記憶させる。そして、プリント基板4が部品リペア装置100のX−Yステージ2上に載せられる。制御部22は、不良部品特定情報に基づいて、X−Yステージ2の調整により、塗布部10と不良部品との位置決めをさせる。そして、制御部22は、塗布部10により、不良部品の上面に対して、黒体塗料16を塗布させる。
【0040】
制御部22は、上述のように不良部品と塗布部10とを位置決めした後に、プリント基板4上のすべての不良部品の上面に対して、塗布部10により、黒体塗料16を塗布させる(ステップS05)。
【0041】
つづいて、制御部22は、不良部品特定情報に基づいて、塗布された不良部品のうちの電子部品8を選択して、リペア作業を行なう。制御部22は、X−Yステージ2の調整により、加熱部6から照射される光の照射位置とリペアを行なう電子部品8とを位置決めさせる(ステップS06)。
【0042】
次に、制御部22は、加熱部6の出力をONにする(ステップS07)。そして、制御部22は、レーザ光を電子部品8に照射させる。加熱部6から出射した光は、電子部品8の上面に塗布された黒体塗料16に吸収されて発熱する。そして、電子部品8は、熱伝達により加熱される。電子部品8の電極部の半田が融点に達したときに、制御部22は、部品吸着部18を電子部品8の直上に移動した後に降下させて、電子部品8をプリント基板4上から除去させる。ここで、電子部品8を除去する際の部品吸着部18の降下時の先端位置とレーザ光の照射中心位置は、あらかじめ調整されているものとする。
【0043】
制御部22は、電子部品8が除去されたプリント基板4上の電極部に半田ペースト供給装置(図示せず)により半田ペーストを供給させる。そして、部品吸着部18の先端に電子部品8と同じ種類の新たな電子部品(図示せず)を選択して吸着した後、制御部22は、部品吸着部18により、新たな電子部品をプリント基板4上に搭載させる(ステップS08)。
【0044】
つづいて、制御部22は、X−Yステージ2の調整により、プリント基板4に搭載された新たな電子部品と塗布部10の先端とを位置決めをさせる。そして、制御部22は、塗布部10により、新たな電子部品の上面に黒体塗料16を塗布させる(ステップS09)。
【0045】
次に、制御部22は、X−Yステージ2の調整により、加熱部6と新たな電子部品との位置決めをさせる。そして、制御部22は、加熱部6の出力をONすることにより、レーザ光を新たな電子部品に照射させて半田付けを行なう(ステップS10)。
【0046】
制御部22は、不良部品特定情報に基づいて、プリント基板4上のすべての不良部品のリペアが完了しているかの判断を行なう(ステップS11)。
【0047】
ステップS11において、不良部品のリペアが完了している場合、制御部22は、リペア工程を完了する。
【0048】
一方、ステップS11において、不良部品のリペアが完了していない場合、制御部22は、処理をステップ06に戻す。そして、記憶部23に記憶された不良部品特定情報に含まれる別の不良部品の情報に基づいて、制御部22は、不良部品のリペア作業を開始させる。
【0049】
以上の実施の形態によれば、レーザ光を用いて、電子部品の局所加熱を行なう場合において、電子部品に比べ基板表面のレーザ光反射率が低い場合でも、基板表面と同じ、または、基板表面以下の反射率を有する塗料を不良部品の表面に塗布することにより、基板表面と不良部品の昇温時間の差を軽減できる。そのため、基板表面の焼損を防止することが可能となる。
【0050】
なお、以上、部品リペア装置100の動作について説明したが、ステップS05において、塗布部10による不良部品への黒体塗料16の塗布は、リペア装置100の代わりに基板検査機において行なってもよい。
【0051】
図3は、プリント基板4に実装された電子部品8に光吸収材を塗布せずに加熱部6により加熱させた場合のプリント基板4と、電子部品8の加熱温度を示すレーザ加熱温度測定結果のグラフである。
【0052】
図3を参照して、加熱部6によるレーザは、発振波長808nmのレーザ発振器を使用する。そして、プリント基板4の表面およびチップコンデンサを同じレーザパワーで加熱させる。グラフは、熱電対を用いて、プリント基板4およびチップコンデンサの温度を測定した結果である。20秒間レーザ加熱した場合、プリント基板4の表面は、250℃まで加熱される。それに対して、チップコンデンサは、175℃までしか加熱されない。その結果、加熱されたプリント基板4の表面とチップコンデンサとの間には、目標温度に達するまでの時間に差が生じる。そのため、チップコンデンサが半田融点の220℃付近に達するまでレーザ加熱し続けると、プリント基板4の表面は、基板の耐熱温度を超えて加熱される。その結果、プリント基板4の表面は、焼損にいたる。
【0053】
図4は、プリント基板4に実装された電子部品8に光吸収材を塗布して加熱部6により加熱させた場合のプリント基板4と、電子部品8の加熱温度を示すレーザ加熱温度測定結果のグラフである。
【0054】
図4を参照して、本発明の実施形態においては、光吸収材を電子部品8の表面に付着させる。そして、同じレーザパワーでプリント基板4の表面およびチップコンデンサを加熱させる。グラフは、図3と同様に、熱電対を用いて、プリント基板4およびチップコンデンサの温度を測定した結果である。20秒間レーザ加熱した場合、プリント基板4の表面は、図3と同様に250℃まで加熱される。それに対して、チップコンデンサは、約240℃まで加熱される。その結果、加熱されたプリント基板4の表面とチップコンデンサとは、ほぼ同時間に目標温度に達する。そのため、プリント基板4の表面は、基板の耐熱温度を超える前にチップコンデンサが半田融点の220℃付近に達する。
【0055】
電子部品8の昇温速度を基板表面の昇温速度と同等、もしくは、プリント基板4の昇温速度よりも速くすることにより、レーザ光による局所加熱において、電子部品8が半田融点に達する前にプリント基板4が焼損してしまう問題を解決することができる。
【0056】
以上の説明のとおり、本発明によれば、レーザ光をリペア用途で利用する際には、集光径をプリント基板に実装されている部品のうちの最も大きな部品サイズに合わせて設定する。このとき、レーザの集光径よりも小さい部品を加熱および除去する場合、レーザ光の基板表面に照射されることとなる。このようにプリント基板の表面がレーザ光により加熱されるような場合であっても、リペアを行なう電子部品に対して、光吸収材を塗布することによって、プリント基板を焼損させることなく、リペア作業を行なうことができる。
【0057】
また、多様な部品サイズおよび部品形状の電子部品に対して、リペア作業を行なう際には、電子部品毎に、集光径を調整する必要がないため、集光のための光学系変更の工数およびコストを削減することができる。
【0058】
そして、光吸収材を電子部品に塗布して、基板表面と電子部品の昇温速度の差を低減することにより、電子部品のリフロー時間を短縮できる。
【0059】
さらに、不良部品に光吸収材を付着することにより、不良個所の視認性を高め、修理作業を効率的に行なうことが可能となる。
【0060】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0061】
【発明の効果】
プリント基板上の指定された位置に存在する不良部品に対して、光吸収材を付着するための付着手段により光吸収材を付着させることにより、レーザ光による局所加熱において、電子部品が半田融点に達する前のプリント基板の焼損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における部品リペア装置100の構成の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における部品リペア装置100において、プリント基板4に実装不良である電子部品8のリペアを行なう動作を示すフローチャートである。
【図3】プリント基板4に実装された電子部品8に光吸収材を塗布せずに加熱部6により加熱させた場合のプリント基板4と、電子部品8の加熱温度を示すレーザ加熱温度測定結果のグラフである。
【図4】プリント基板4に実装された電子部品8に光吸収材を塗布して加熱部6により加熱させた場合のプリント基板4と、電子部品8の加熱温度を示すレーザ加熱温度測定結果のグラフである。
【図5】レーザ光による半田付け装置200の構成の一例を示す概略図である。
【図6】図5に示す半田付け装置200を用いて、半田36に加熱部28により光を照射して加熱するときの加熱部分の拡大図である。
【符号の説明】
2 X−Yステージ、4 プリント基板、6 加熱部、8 電子部品、10 塗布部、10a 塗料保管部、12 圧空供給部、14 エアホース、16 黒体塗料、18 部品吸着部、20 負圧発生部、21 制御信号生成部、22 制御部、23 記憶部、24 X−Yステージ、26 プリント基板、28 加熱部、30 電子部品、32 制御部、34 電極部、36 半田、100 部品リペア装置、200 半田付け装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光加熱装置を用いた、部品リペア装置の構成および部品リペア装置を用いた部品リペア方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光加熱装置を用いて、チップ部品の除去および半田付けを行なう場合において、たとえば、従来例として、基板の焦げや半田付け状態などを人手などによって監視しなくても、常に安定且つ最適な半田付けを行なうことができる半田付け装置、並びにその制御方法について、以下のような構成が公知である(たとえば、特許文献1参照)。すなわち、この従来例では、半田付け部分に塗布された半田ペーストに光ビームを集光照射する光源と、光源の光ビームを制御する光ビーム・コントローラと、光ビームによって加熱溶融する半田ペーストを含む半田付け部分全体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カラーカメラと、カメラによる画像から検出した半田ペーストからの反射光のレベルと予め設定しておいた反射光のレベルとの比較により半田溶融検出信号を出力する画像処理部と、半田溶融検出信号に基づいて光ビーム・コントローラに熱源制御信号を出力するパソコンとを備える半田付け装置の構成が開示されている。
【0003】
また、レーザ光を照射して電子部品を加熱して半田付けを行なう半田付け装置については、以下のような構成が公知の技術である。
【0004】
図5は、レーザ光による半田付け装置200の構成の一例を示す概略図である。
【0005】
図5を参照して、半田付け装置200は、電子部品30が搭載されているプリント基板26を固定し、水平面上のX−Y平面における、X軸方向とY軸方向の位置決めをするためのX−Yステージ24と、電子部品30にレーザ光を照射して加熱するための加熱部28と、X−Yステージ24の動作の制御と加熱部28の出力のON/OFFの制御とを行なうための制御部32とを備える。
【0006】
現在市販されているレーザ半田付け装置は、レーザ光の集光径をφ300〜500μm程度に小さくして、半田電極部のみを1箇所ずつ加熱している。そのため、周囲の基板表面や隣接する部品へ熱ダメージを与えることなく、半田リフローを行なっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−7251号公報明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の半田付け装置200を用いた半田付けを行なう方法については、公知の技術であるが、仮に半田付け装置200をリペア作業に用いる場合、半田付け装置200は、以下に説明するような問題点を有していることが見出された。
【0009】
以下に、半田付け装置200を用いて、半田付けにより実装された部品のリペアを行なう動作について説明する。
【0010】
図6は、図5に示す半田付け装置200を用いて、半田36に加熱部28により光を照射して加熱するときの加熱部分の拡大図である。
【0011】
図6を参照して、電子部品30は、プリント基板26上の電極板34に半田36により固定されている。
【0012】
レーザ光による半田付け方法における部品の除去を行なう手順として、まず、制御部32は、X−Yステージ24による位置決めをさせる。そして、制御部32は、X−Yステージ24を調整することにより、加熱部28より出射された光が集光される位置まで、電子部品30の電極部34を移動させる。その後、制御部32は、加熱部28により出射されたレーザ光を光学レンズ(図示せず)を用いてφ300〜500μm程度に集光させる。制御部32は、電子部品30の電極部34を半田36が溶融する温度になるまで局所的に加熱させる。半田36の溶融により、電子部品30は、電極板34から除去が可能となる。
【0013】
半田付けにより実装された部品のリペアを行なう場合、不良部品が有する複数電極のうち1箇所しか加熱できないため、2以上の箇所が半田付けされた不良部品を、プリント基板から取り外すことは困難である。そのため、レーザ半田付け装置をリペア用途で利用するには、ある程度集光径を大きくして部品全体を加熱する必要がある。しかしプリント基板上には様々な形状や大きさの部品が実装されており、集光径は実装されている部品のうち、最も大きな部品サイズに合わせることになる。このようにして設定された集光径のレーザを用いて、集光径よりも小さい部品を加熱した場合、レーザ光の一部はプリント基板の表面を照射することとなる。
【0014】
加熱する部品毎、あるいは、プリント基板の表面と部品とでは、レーザ発振波長の光に対する反射率の違いにより、同じレーザパワーで同じ時間だけ加熱しても上昇する温度は、異なってくる。そのため、プリント基板の表面におけるレーザ発振波長の光に対する反射率が部品の反射率より小さい場合、同じレーザパワーで同じ時間だけ加熱するとき、プリント基板の表面は、部品よりも急速に加熱され、プリント基板を焼損することがある。
【0015】
このような課題を回避する方法として、レーザ発振器から出力された光を光学レンズの組み合わせにより集光径を可変することが考えられるが、多様な部品サイズおよび部品形状に対応してその都度集光径を調整し、基板表面にレーザ光が照射されないようにしながら部品全体を加熱するのは困難である。
【0016】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、優れた局所加熱性を損なうことなく、不良部品周辺の基板焼損をなくすことができる部品リペア装置および部品リペア装置を用いた部品リペア方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明のある局面にかかる部品リペア装置は、基板上の複数の部品のうち、制御信号により指定された位置に存在する不良部品に対して、光吸収材を付着するための付着手段と、制御信号に応じて、指定された位置に光を照射するための光照射手段と、制御信号に応じて、光が照射された不良部品を指定された位置から除去する動作および代替部品を指定された位置に搬送して搭載する動作のいずれかを行なうための搬送手段と、制御信号に応じて、付着手段、光照射手段および搬送手段の各々を、指定された位置に対して対応する動作を実行可能なように位置決めするための位置決め手段と、制御信号を出力するための制御手段とを備え、制御手段は、基板上に実装される部品の配置に関する配置情報と不良部品を特定するための不良部品特定情報とを格納するための記憶手段と、不良部品特定情報に基づいて、不良部品を除去して、代替部品に交換する動作をさせるように指示する制御信号を生成するための制御信号生成手段とを含む。
【0018】
好ましくは、光吸収材は、基板の材料および実装される部品よりも低い反射率を有する。
【0019】
好ましくは、光吸収材は、240℃以上の耐熱温度を有する。
この発明のある局面に係る部品リペア方法は、基板上に実装された複数の部品の中から、不良部品を検出するステップと、検出される不良部品を特定するための不良部品特定情報を記憶装置に記憶するステップと、記憶装置から読み出された不良部品特定情報に基づいて、不良部品との位置決めを行ない、不良部品に対して、光吸収材を付着するステップと、不良部品に光を照射するステップと、光が照射された不良部品を基板上から除去するステップと、記憶装置から読み出された不良部品特定情報に基づいて、不良部品が除去された位置に代替部品を搬送して搭載するステップと、代替部品に光吸収材を付着するステップと、代替部品に光を照射するステップとを備える。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一の構成部分には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについて詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態における部品リペア装置100の構成の概略を示す図である。
【0022】
図1を参照して、部品リペア装置100は、水平面上のX−Y平面における、X軸方向とY軸方向の位置決めをするためのX−Yステージ2と、電子部品8と、電子部品8が搭載されているプリント基板4と、電子部品8に光を照射して加熱するための加熱部6と、電子部品8の上面に光吸収材として用いる黒体塗料16を塗布するための塗布部10と、塗布部10に圧縮空気を供給するための圧空供給部12と、塗布部10と圧空供給部12とをつなぐためのエアホース14と、電子部品8を真空吸着するための部品吸着部18と、部品吸着部18に負圧を供給するための負圧発生部20と、部品リペア装置100の動作を制御するための制御部22とを備える。
【0023】
制御部22は、制御信号を生成するための制御信号生成部21と、プリント基板4上に実装される複数の電子部品の配置に関する配置情報および不良部品を特定するための情報を記憶するための記憶部23とを含む。
【0024】
制御部22は、記憶部23に記憶された不良部品を特定するための情報と電子部品の配置情報に基づいて、リペア作業するための制御信号を制御信号生成部21にて生成する。そして、制御部22は、制御信号生成部21において生成された制御信号を各部に出力する。
【0025】
加熱部6は、たとえば、発振波長808nmの半導体レーザを用いる。加熱部6は、制御部22から出力された制御信号により、光加熱の出力のON/OFF制御を受ける。半導体レーザには、集光サイズを300μm程度まで小さくすることが可能なレーザ光を照射するレーザ発振器を用いる。なお、加熱部6としては、電子部品8全体を加熱可能で、かつ、周辺部品を加熱しないのであればレーザ発振器に限定されない。
【0026】
塗布部10は、黒体塗料16を一時保管しておく塗料保管部10aを含む。制御信号に応じて、圧空供給部12より、エアホース14を通じて圧縮空気が塗布部10内を通過すると、その塗布部10と塗料保管部10a間に圧力差が生じる。その圧力差により、塗料保管部10aから黒体塗料16が吸い出される。黒体塗料16は、塗布部10の先端より霧状に噴出される。
【0027】
部品吸着部18は、制御部22からの制御信号に応じて、加熱部6により加熱された不良部品を吸着してプリント基板4上から除去する動作を行なう。または、部品吸着部18は、吸着により、代替部品を不良部品が除去された位置に搬送して搭載する動作を行なう。
【0028】
X−Yステージ2は、制御部22からの制御信号に応じて、加熱部6、塗布部10および部品吸着部18の各々を、不良部品に対して行なう動作が実行可能なように位置決めを行なう。ただし、位置決めは、X−Yステージに特に限定されない。たとえば、加熱部6、塗布部10および部品吸着部18を移動させることにより、不良部品に対しての位置決めを行なってもよい。
【0029】
また、光吸収材として用いる黒体塗料16は、電子部品8の接合に用いられている半田融点以上の耐熱温度を有していることが望ましい。黒体塗料16は、シリコーン樹脂塗料またはチタン系セラミックス樹脂塗料を使用することにより、400℃以上の耐熱性を持たせることが可能となる。放射率に関しては、基板表面の放射率は、200℃付近において0.9前後である。そして、前述したシリコーン樹脂塗料またはチタン系セラミックス樹脂塗料に耐熱グラファイト等を混合し0.94〜0.98の放射率を持たせて使用する。ただし、光吸収材は、前述した耐熱温度と放射率の条件を併せ持つ場合は、特に限定されない。
【0030】
たとえば、光吸収材は、シリコーン樹脂塗料またはチタン系セラミックス樹脂塗料等を使用してもよい。この光吸収材は、240℃以上の耐熱温度を有している。すなわち、電子部品8が半田融点付近まで加熱されても、光吸収材が電子部品8の表面から剥離しない。その結果、部品温度に影響を受けないため、安定した光加熱特性が得られる。
【0031】
たとえば、光吸収材として、ジャパンセンサー株式会社製高温黒体塗料JSC−3号(放射率0.94、耐熱温度1,500℃)、オキツモ株式会社製THI−1B(放射率0.94、耐熱温度500℃)、オキツモ株式会社製チタン系セラミックス樹脂塗料TYR−1171(耐熱温度600℃)、オキツモ株式会社製グラファイトコート(放射率0.98、耐熱温度450℃)などを適用してもよい。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態における部品リペア装置100において、プリント基板4に実装不良である電子部品8のリペアを行なう動作を示すフローチャートである。
【0033】
図2を参照して、複数の電子部品が搭載されたプリント基板4は、リフロー工程の完了後に、基板検査機(図示せず)に投入される(ステップS01)。
【0034】
基板検査機において、プリント基板4の表面に実装された複数の電子部品のうちの指定された位置に存在する電子部品8について、位置ずれや半田ブリッジなどの実装不良がないかどうかが判定される(ステップS02)。
【0035】
ステップS02において、実装不良と判断された不良部品について、プリント基板4上の不良部品を特定するための不良部品特定情報が基板検査機に含まれる記憶部(図示せず)に記憶される(ステップS03)。ただし、不良部品特定情報は、特に限定されないが、たとえば、不良部品の位置情報または、不良部品の種類情報、あるいは、電子部品の通し番号等である。
【0036】
ステップS02において、検査された電子部品が実装不良でない場合、基板検査機に含まれる制御部(図示せず)は、処理をステップS04に移動させる。
【0037】
そして、基板検査機の制御部は、プリント基板4に実装された全ての電子部品について、不良判定が完了したかどうかの判断をする(ステップS04)。
【0038】
ステップS04において、すべての電子部品についての不良判定が完了していない場合、基板検査機の制御部は、別の電子部品についての不良判定を継続する。
【0039】
ステップS04において、すべての電子部品についての不良判定が完了している場合、基板検査機の制御部は、ステップS03において記憶された不良部品特定情報を、部品リペア装置100に送信する。部品リペア装置100に含まれる制御部22は、不良部品特定情報を記憶部23に記憶させる。そして、プリント基板4が部品リペア装置100のX−Yステージ2上に載せられる。制御部22は、不良部品特定情報に基づいて、X−Yステージ2の調整により、塗布部10と不良部品との位置決めをさせる。そして、制御部22は、塗布部10により、不良部品の上面に対して、黒体塗料16を塗布させる。
【0040】
制御部22は、上述のように不良部品と塗布部10とを位置決めした後に、プリント基板4上のすべての不良部品の上面に対して、塗布部10により、黒体塗料16を塗布させる(ステップS05)。
【0041】
つづいて、制御部22は、不良部品特定情報に基づいて、塗布された不良部品のうちの電子部品8を選択して、リペア作業を行なう。制御部22は、X−Yステージ2の調整により、加熱部6から照射される光の照射位置とリペアを行なう電子部品8とを位置決めさせる(ステップS06)。
【0042】
次に、制御部22は、加熱部6の出力をONにする(ステップS07)。そして、制御部22は、レーザ光を電子部品8に照射させる。加熱部6から出射した光は、電子部品8の上面に塗布された黒体塗料16に吸収されて発熱する。そして、電子部品8は、熱伝達により加熱される。電子部品8の電極部の半田が融点に達したときに、制御部22は、部品吸着部18を電子部品8の直上に移動した後に降下させて、電子部品8をプリント基板4上から除去させる。ここで、電子部品8を除去する際の部品吸着部18の降下時の先端位置とレーザ光の照射中心位置は、あらかじめ調整されているものとする。
【0043】
制御部22は、電子部品8が除去されたプリント基板4上の電極部に半田ペースト供給装置(図示せず)により半田ペーストを供給させる。そして、部品吸着部18の先端に電子部品8と同じ種類の新たな電子部品(図示せず)を選択して吸着した後、制御部22は、部品吸着部18により、新たな電子部品をプリント基板4上に搭載させる(ステップS08)。
【0044】
つづいて、制御部22は、X−Yステージ2の調整により、プリント基板4に搭載された新たな電子部品と塗布部10の先端とを位置決めをさせる。そして、制御部22は、塗布部10により、新たな電子部品の上面に黒体塗料16を塗布させる(ステップS09)。
【0045】
次に、制御部22は、X−Yステージ2の調整により、加熱部6と新たな電子部品との位置決めをさせる。そして、制御部22は、加熱部6の出力をONすることにより、レーザ光を新たな電子部品に照射させて半田付けを行なう(ステップS10)。
【0046】
制御部22は、不良部品特定情報に基づいて、プリント基板4上のすべての不良部品のリペアが完了しているかの判断を行なう(ステップS11)。
【0047】
ステップS11において、不良部品のリペアが完了している場合、制御部22は、リペア工程を完了する。
【0048】
一方、ステップS11において、不良部品のリペアが完了していない場合、制御部22は、処理をステップ06に戻す。そして、記憶部23に記憶された不良部品特定情報に含まれる別の不良部品の情報に基づいて、制御部22は、不良部品のリペア作業を開始させる。
【0049】
以上の実施の形態によれば、レーザ光を用いて、電子部品の局所加熱を行なう場合において、電子部品に比べ基板表面のレーザ光反射率が低い場合でも、基板表面と同じ、または、基板表面以下の反射率を有する塗料を不良部品の表面に塗布することにより、基板表面と不良部品の昇温時間の差を軽減できる。そのため、基板表面の焼損を防止することが可能となる。
【0050】
なお、以上、部品リペア装置100の動作について説明したが、ステップS05において、塗布部10による不良部品への黒体塗料16の塗布は、リペア装置100の代わりに基板検査機において行なってもよい。
【0051】
図3は、プリント基板4に実装された電子部品8に光吸収材を塗布せずに加熱部6により加熱させた場合のプリント基板4と、電子部品8の加熱温度を示すレーザ加熱温度測定結果のグラフである。
【0052】
図3を参照して、加熱部6によるレーザは、発振波長808nmのレーザ発振器を使用する。そして、プリント基板4の表面およびチップコンデンサを同じレーザパワーで加熱させる。グラフは、熱電対を用いて、プリント基板4およびチップコンデンサの温度を測定した結果である。20秒間レーザ加熱した場合、プリント基板4の表面は、250℃まで加熱される。それに対して、チップコンデンサは、175℃までしか加熱されない。その結果、加熱されたプリント基板4の表面とチップコンデンサとの間には、目標温度に達するまでの時間に差が生じる。そのため、チップコンデンサが半田融点の220℃付近に達するまでレーザ加熱し続けると、プリント基板4の表面は、基板の耐熱温度を超えて加熱される。その結果、プリント基板4の表面は、焼損にいたる。
【0053】
図4は、プリント基板4に実装された電子部品8に光吸収材を塗布して加熱部6により加熱させた場合のプリント基板4と、電子部品8の加熱温度を示すレーザ加熱温度測定結果のグラフである。
【0054】
図4を参照して、本発明の実施形態においては、光吸収材を電子部品8の表面に付着させる。そして、同じレーザパワーでプリント基板4の表面およびチップコンデンサを加熱させる。グラフは、図3と同様に、熱電対を用いて、プリント基板4およびチップコンデンサの温度を測定した結果である。20秒間レーザ加熱した場合、プリント基板4の表面は、図3と同様に250℃まで加熱される。それに対して、チップコンデンサは、約240℃まで加熱される。その結果、加熱されたプリント基板4の表面とチップコンデンサとは、ほぼ同時間に目標温度に達する。そのため、プリント基板4の表面は、基板の耐熱温度を超える前にチップコンデンサが半田融点の220℃付近に達する。
【0055】
電子部品8の昇温速度を基板表面の昇温速度と同等、もしくは、プリント基板4の昇温速度よりも速くすることにより、レーザ光による局所加熱において、電子部品8が半田融点に達する前にプリント基板4が焼損してしまう問題を解決することができる。
【0056】
以上の説明のとおり、本発明によれば、レーザ光をリペア用途で利用する際には、集光径をプリント基板に実装されている部品のうちの最も大きな部品サイズに合わせて設定する。このとき、レーザの集光径よりも小さい部品を加熱および除去する場合、レーザ光の基板表面に照射されることとなる。このようにプリント基板の表面がレーザ光により加熱されるような場合であっても、リペアを行なう電子部品に対して、光吸収材を塗布することによって、プリント基板を焼損させることなく、リペア作業を行なうことができる。
【0057】
また、多様な部品サイズおよび部品形状の電子部品に対して、リペア作業を行なう際には、電子部品毎に、集光径を調整する必要がないため、集光のための光学系変更の工数およびコストを削減することができる。
【0058】
そして、光吸収材を電子部品に塗布して、基板表面と電子部品の昇温速度の差を低減することにより、電子部品のリフロー時間を短縮できる。
【0059】
さらに、不良部品に光吸収材を付着することにより、不良個所の視認性を高め、修理作業を効率的に行なうことが可能となる。
【0060】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0061】
【発明の効果】
プリント基板上の指定された位置に存在する不良部品に対して、光吸収材を付着するための付着手段により光吸収材を付着させることにより、レーザ光による局所加熱において、電子部品が半田融点に達する前のプリント基板の焼損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における部品リペア装置100の構成の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における部品リペア装置100において、プリント基板4に実装不良である電子部品8のリペアを行なう動作を示すフローチャートである。
【図3】プリント基板4に実装された電子部品8に光吸収材を塗布せずに加熱部6により加熱させた場合のプリント基板4と、電子部品8の加熱温度を示すレーザ加熱温度測定結果のグラフである。
【図4】プリント基板4に実装された電子部品8に光吸収材を塗布して加熱部6により加熱させた場合のプリント基板4と、電子部品8の加熱温度を示すレーザ加熱温度測定結果のグラフである。
【図5】レーザ光による半田付け装置200の構成の一例を示す概略図である。
【図6】図5に示す半田付け装置200を用いて、半田36に加熱部28により光を照射して加熱するときの加熱部分の拡大図である。
【符号の説明】
2 X−Yステージ、4 プリント基板、6 加熱部、8 電子部品、10 塗布部、10a 塗料保管部、12 圧空供給部、14 エアホース、16 黒体塗料、18 部品吸着部、20 負圧発生部、21 制御信号生成部、22 制御部、23 記憶部、24 X−Yステージ、26 プリント基板、28 加熱部、30 電子部品、32 制御部、34 電極部、36 半田、100 部品リペア装置、200 半田付け装置。
Claims (4)
- 基板上の複数の部品のうち、制御信号により指定された位置に存在する不良部品に対して、光吸収材を付着するための付着手段と、
前記制御信号に応じて、前記指定された位置に光を照射するための光照射手段と、
前記制御信号に応じて、前記光が照射された前記不良部品を前記指定された位置から除去する動作および代替部品を前記指定された位置に搬送して搭載する動作のいずれかを行なうための搬送手段と、
前記制御信号に応じて、前記付着手段、前記光照射手段および前記搬送手段の各々を、前記指定された位置に対して対応する動作を実行可能なように位置決めするための位置決め手段と、
前記制御信号を出力するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記基板上に実装される部品の配置に関する配置情報と前記不良部品を特定するための不良部品特定情報とを格納するための記憶手段と、
前記不良部品特定情報に基づいて、前記不良部品を除去して、前記代替部品に交換する動作をさせるように指示する前記制御信号を生成するための制御信号生成手段とを含む、部品リペア装置。 - 前記光吸収材は、前記基板の材料および前記実装される部品よりも低い反射率を有する、請求項1記載の部品リペア装置。
- 前記光吸収材は、240℃以上の耐熱温度を有する、請求項2記載の部品リペア装置。
- 基板上に実装された複数の部品の中から、不良部品を検出するステップと、
検出される前記不良部品を特定するための不良部品特定情報を記憶装置に記憶するステップと、
前記記憶装置から読み出された前記不良部品特定情報に基づいて、前記不良部品との位置決めを行ない、前記不良部品に対して、光吸収材を付着するステップと、
前記不良部品に光を照射するステップと、
前記光が照射された前記不良部品を基板上から除去するステップと、
前記記憶装置から読み出された前記不良部品特定情報に基づいて、前記不良部品が除去された位置に代替部品を搬送して搭載するステップと、
前記代替部品に前記光吸収材を付着するステップと、
前記代替部品に前記光を照射するステップとを備える、部品リペア方法。
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JP2009057470A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 黒体塗料及び温度測定方法並びに残留応力低減方法 |
JP2012186398A (ja) * | 2011-03-08 | 2012-09-27 | Nippon Avionics Co Ltd | 接合装置 |
US9257395B2 (en) | 2013-06-26 | 2016-02-09 | Sony Corporation | Semiconductor device |
CN113130346A (zh) * | 2019-12-31 | 2021-07-16 | Tcl集团股份有限公司 | 一种电子元件修理装置和方法 |
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2003
- 2003-03-10 JP JP2003062955A patent/JP2004273795A/ja not_active Withdrawn
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