JP2004272116A - 波長分散補償器及び光伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光サーキュレータを必要としない波長分散補償器を提供する。
【解決手段】シングルモードファイバ12aからの光は2芯コリメータ21から平行光となって出射されて偏向プリズム22に入射する。偏向プリズム22から出射した平行光はラインフォーカスレンズ14の平面側の約半分の領域に垂直に入射し、ラインフォーカスレンズ14、VIPA素子15、焦点レンズ16の約半分の領域を通過して自由曲面ミラー17に当てられて波長分散が補償され、焦点レンズ16、VIPA素子15、ラインフォーカスレンズ14、及び偏向プリズム22のいずれもシングルモードファイバ12aからの光が通過していない残りの領域を通過し、平行光として2芯コリメータ21に入射する。2芯コリメータ21に入射したこの平行光はコリメートレンズ13によって集束され、シングルモードファイバ12bに入射する。
【選択図】 図1
【解決手段】シングルモードファイバ12aからの光は2芯コリメータ21から平行光となって出射されて偏向プリズム22に入射する。偏向プリズム22から出射した平行光はラインフォーカスレンズ14の平面側の約半分の領域に垂直に入射し、ラインフォーカスレンズ14、VIPA素子15、焦点レンズ16の約半分の領域を通過して自由曲面ミラー17に当てられて波長分散が補償され、焦点レンズ16、VIPA素子15、ラインフォーカスレンズ14、及び偏向プリズム22のいずれもシングルモードファイバ12aからの光が通過していない残りの領域を通過し、平行光として2芯コリメータ21に入射する。2芯コリメータ21に入射したこの平行光はコリメートレンズ13によって集束され、シングルモードファイバ12bに入射する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信技術に関し、特に、光ファイバを通じて光信号を伝送する際に生じる波長分散を修正して元の光信号に戻す波長分散補償の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述の技術に関し、例えば特許文献1に開示されている、光透過性を有する平行平板の両面に反射膜をコーティングしたVIPA(Virtually Imaged Phased Array )素子や、特許文献2に開示されている、屈折率の異なる層を組み合わせて形成した光分散補償素子などを使用した波長分散補償器がある。
【0003】
ここで、VIPA素子を用いた従来の波長分散補償器の構成について、図2を参照しながら説明する。なお、図2(a)はこの従来の波長分散補償器の構成を示す斜視図であり、図2(b)は(a)における光サーキュレータ11以外の構成を上方から見た図である。
【0004】
図2において、光サーキュレータ11は3つのポートを有しており、ポートAに入射させた光はポートBから出力され、ポートBから入射した光はポートCから出力される。
【0005】
シングルモードファイバ12はその一端が光サーキュレータ11のポートBに接続されており、その他端がコリメートレンズ13の焦点に配置されている。つまり、光サーキュレータ11のポートBから出力された光はシングルモードファイバ12を経てコリメートレンズ13へ向けて放射され、また、コリメートレンズ13によって集束された光はシングルモードファイバ12を経て光サーキュレータ11のポートBに入射する。
【0006】
コリメートレンズ13は、シングルモードファイバ12から入射した発散光を平行光にしてラインフォーカスレンズ14に入射させ、またラインフォーカスレンズ14から入射した平行光を集束光にしてシングルモードファイバ12に入射させる。
【0007】
ラインフォーカスレンズ14は平凸のシリンドリカルレンズであり、コリメートレンズ13から入射した平行光をVIPA素子15の面上で直線状に集束させ、また、VIPA素子15の面上の直線から放射される発散光を平行光にしてコリメートレンズ13に入射させる。
【0008】
VIPA素子15は、ラインフォーカスレンズ13によって直線状に集束させた光を第一の面に入射させるとその内部で多重反射を生じさせ、その裏面である第二面から平行光である光束を出射する。但し、VIPA素子15の内部で生じるこの多重反射の作用により、この光束の出射の角度がその光の波長によって異なるものとなる(角分散)。また、光の波長が異なる平行光束をその波長に応じた角度でVIPA素子15の第二の面側から入射させると、その波長に関わらず一様である発散光がVIPA素子15の第一の面上の直線から放射される。
【0009】
焦点レンズ16は、VIPA素子15の第二の面から出射された光束を集束させて自由曲面ミラー17に当て、自由曲面ミラー17によって反射された光をその波長に応じた光束としてVIPA素子15の第二の面に入射させる。但し、焦点レンズ16によって自由曲面ミラー17の表面に光束を集束させたときの焦点の位置はVIPA素子15から焦点レンズ16に入射させる光束の入射角度、すなわちその光束の波長によって異なることとなる。
【0010】
自由曲面ミラー17は、焦点レンズ16によって集束させた光を集光レンズ16へと反射させるミラーである。但し、自由曲面ミラー17は、光の波長によらず略一定の波長分散を与えるような形状部分をその中央部に有しており、かつVIPA素子15の角分散方向に対して実質的に垂直な方向(図2に示されている矢印の方向)に対してはその位置により徐々に異なる波長分散を与える形状を有している。従って、図2に示されている矢印の方向に自由曲面ミラー17の位置を移動させて光サーキュレータ11のポートAに入射させた光に生じている波長分散についての逆特性が得られるように自由曲面ミラー17を位置させることにより、その波長分散の補償された光が光サーキュレータ11のポートCから出力される。
【0011】
VIPA素子を用いた従来の波長分散補償器は以上のように構成されており、自由曲面ミラー17の位置をVIPA素子15の角分散方向に対して実質的に垂直な方向(図2に示されている矢印の方向)に移動させることにより異なる補償特性を提供できる可変型の波長分散補償器となっている。
【0012】
なお、このようなVIPA素子を用いた波長分散補償器の詳細は例えば特許文献3に開示されている。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第6028706号明細書
【特許文献2】
特開2001−305338号公報
【特許文献3】
特開2002−258207号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の波長分散補償器の構成では入力光と出力光とを分離するための光サーキュレータ11が必要であった。そのため、光サーキュレータ11の挿入損失が生じてしまう上に、波長分散補償器全体のコストを押し上げる要因のひとつともなっていた。また、光サーキュレータ11の使用により光の入出力方向が単方向に制限されてしまうため、例えば単一の光ファイバによる双方向通信を行う場合であっても、波長分散補償器を上り信号用と下り信号用とで1回路ずつ設けなければならず、煩雑であった。
【0015】
また、特許文献2に開示されている、屈折率の異なる層を組み合わせて形成した光分散補償素子を使用した波長分散補償器であっても光サーキュレータを用いる必要があるため、上述したものと同様の問題を抱えていた。
【0016】
以上の問題を鑑み、光サーキュレータを必要としない波長分散補償器を提供することが本発明が解決しようとする課題である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様のひとつである波長分散補償器は、入射した平行光である信号光の波長分散特性の補償を行って該信号光の入射経路とは異なる経路である出射経路から該補償後の信号光を平行光として出射させる波長分散補償手段と、少なくとも2つの光入出力路を有し、該光入出力路の各々から入射させた信号光を平行光に変換して出射させるコリメート手段と、該コリメート手段の有する第一の光入出力路に入射させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて該波長分散補償手段に入射させ、該波長分散補償手段から出射した平行光である該補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第二の光入出力路から該補償のされた信号光が出射されるように該コリメート手段に入射させる光偏向手段と、を有するように構成することによって前述した課題を解決する。
【0018】
ここで、この光偏向手段は、一体形成された偏向プリズムであってもよい。
上記の構成によれば、波長分散特性の補償前の信号光の経路と当該補償後の信号光の経路とが波長分散補償器内で異なっているので、高価である光サーキュレータを用いることなく入力光と出力光とを分離することができる。従って、光サーキュレータによって生じる損失が無くなる。
【0019】
なお、上述した本発明に係る波長分散補償器において、波長分散補償手段は、
平行光を直線状に集束させるラインフォーカスレンズと、第一と第二の反射膜に入射させ該第一と第二の反射膜間で該ラインフォーカスレンズからの光と多重反射することで直線状に集束させた光を入射させると該光の波長に応じて異なる出射角度で該光を出射させる光素子と、該光素子から出射した光を集光させる集光レンズと、該集光レンズで集光させた光を反射するときに、該光の入射角に応じて異なる波長分散を該光に与えるように該光の反射面が形成されている自由曲面ミラーと、を有して構成されていてもよい。
【0020】
この構成は、前述したVIPA素子を用いた波長分散補償器を波長分散補償手段として使用するものである。
なお、この構成において、自由曲面ミラーの位置を移動させるミラー位置移動手段を更に有し、該ミラー位置移動手段によって該自由曲面ミラーの位置を移動させたときには、前述した集光レンズで集光させた光を反射するときに与えられる波長分散が変化するように該自由曲面ミラーの前記反射面が形成されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、入力された信号光の波長分散の補償特性を可変することのできる波長分散補償器を提供することができる。
また、前述した本発明に係る波長分散補償器において、波長分散補償手段は、出射経路から平行光である信号光を入射させると、入射経路から前述した補償後の信号光を平行光として出射し、光偏向手段は、前述したコリメート手段の有する第二の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて該波長分散補償手段の出射経路に入射させると共に、該波長分散補償手段の入射経路から出射した平行光である前述した補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第一の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させるように構成されていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、1回路の波長分散補償器のみで単一の光ファイバによる双方向通信を行う場合における光の波長分散特性の補償を双方向で行うことができる。
【0023】
なお、光信号を光伝送路で伝送させる光伝送装置であって、該光信号の伝送経路中に前述した本発明に係る波長分散補償器を設けた光伝送装置であっても、本発明に係る波長分散補償器と同様の作用・効果を奏する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を実施する波長分散補償器の構成を示す図であり、VIPA素子を用いて波長分散の補償を行う可変型の波長分散補償器である。この波長分散補償器は、例えば、光伝送ネットワークで光ファイバ等の光伝送路を通じて光信号を伝送させる光伝送装置などに使用されるものである。
【0025】
なお、図1(a)はこの波長分散補償器の構成を示す斜視図であり、図1(b)は(a)に示した構成を上方から見た図である。
図1を図2と比較すると分かるように、図1に示す本発明を実施する波長分散補償器は、図2に示した従来の構成から光サーキュレータ11を削除し、その代わりに2芯コリメータ21と偏向プリズム22とを設けた点に大きな違いがある。
【0026】
図1において、2芯コリメータ21には2本のシングルモードファイバ12a及び12bが接続されており、これらは2芯コリメータ21の内部で例えば1000μmの間隔で平行に配置されている。2芯コリメータ21は、シングルモードファイバ12a又は12bによって伝送されてきた光を、2芯コリメータ21内に備えられているコリメートレンズ13によって平行光として出射させる。なお、ここで、シングルモードファイバ12aの端部がコリメートレンズ13の焦点の位置から光の進行方向に対して横方向にわずかに偏った位置(図1(b)においては焦点の位置から上方向にわずかに偏った位置)に配置されているため、コリメートレンズ13から出射される平行光は、コリメートレンズ13に対して垂直の方向からわずかに傾いた方向に進行する。
【0027】
偏向プリズム22は、コリメートレンズ13から例えば700mm離れた位置に配置され、2芯コリメータ21から出射されるシングルモードファイバ12aからの光の進む向きを偏向させ、その偏向させた平行光を平凸のシリンドリカルレンズであるラインフォーカスレンズ14の平面側の約半分の領域(図1(b)においてはラインフォーカスレンズ14の下半分の領域)に垂直に入射させる。
【0028】
ラインフォーカスレンズ14、VIPA素子15、焦点レンズ16、及び自由曲面ミラー17はいずれも図2に示した従来の波長分散補償器に用いられていたものと同様のものである。
【0029】
次に、この図1に示した構成によって光の波長分散が補償される様子を説明する。
今、シングルモードファイバ12aによって伝送されてきた光は2芯コリメータ21から平行光となって出射される。この平行光を偏向プリズム22に入射させると、偏向プリズム22から出射した平行光はラインフォーカスレンズ14の平面側の約半分の領域に垂直に入射する。ラインフォーカスレンズ14はこの平行光をVIPA素子15の第一の面上の約半分の領域(図1(b)においてはVIPA素子15の第一の面上の下半分の領域)で直線状に集束させる。
【0030】
VIPA素子15の第一の面に入射した光は前述したその内部で多重反射され、その裏面である第二の面の約半分の領域(図1(b)においてはVIPA素子15の第二の面の下半分の領域)から光の波長によって異なる出射角度で出射して焦点レンズ16の約半分の領域(図1(b)においては焦点レンズ16の下半分の領域)に入射する。
【0031】
焦点レンズ16はこの入射した光を集束させて自由曲面ミラー17に当てる。その後、この光は自由曲面ミラー17で反射されることによってその光に生じている波長分散が補償され、焦点レンズ16においてシングルモードファイバ12aからの光が通過していない残りの領域(図1(b)においては焦点レンズ16の上半分の領域)に戻される。
【0032】
焦点レンズ16のこの残りの領域を通過した光は、その後VIPA素子15、ラインフォーカスレンズ14、及び偏向プリズム22のいずれもシングルモードファイバ12aからの光が通過していない残りの領域(図1(b)においてはVIPA素子15、ラインフォーカスレンズ14、及び偏向プリズム22の上半分の領域)を通過し、平行光として2芯コリメータ21に入射する。なお、このときの平行光の2芯コリメータ21への入射の角度は、コリメートレンズ13に対して垂直の方向からわずかに傾いた方向となる。
【0033】
その後、2芯コリメータ21に入射したこの平行光はコリメートレンズ13によって集束され、コリメートレンズ13の焦点の位置から光の進行方向に対して横方向にわずかに偏った位置(図1(b)においては焦点の位置から下方向にわずかに偏った位置)に端部が配置されているシングルモードファイバ12bに入射する。
【0034】
以上のようにして、シングルモードファイバ12aによって伝送されてきた光は、その波長分散特性が補償されてシングルモードファイバ12bに出力される。この結果、図2に示した従来の波長分散補償器では必須であった光サーキュレータ11が削除されるので、光サーキュレータ11を光が往復で計2回することによって生じていた約1.0dBの挿入損失(約0.5dB×2)が改善される。
【0035】
なお、本実施形態においては、一体形成された偏向プリズム22を用いて、シングルモードファイバ12aからの光の進行方向の偏向と、ラインフォーカスレンズ14からの光をシングルモードファイバ12bへ入射させるための偏向を行わせていたが、これらの偏向を別体の偏向プリズムで行うようにしてもよい。また、偏向プリズム22とラインフォーカスレンズ14とを一体形成するようにしてもよい。
【0036】
ところで、図1に示す構成の入出力間の対称性を考慮すれば明らかなように、この本発明に係る波長分散補償器ではシングルモードファイバ12bによって伝送されてきた光の波長分散特性を補償してシングルモードファイバ12aに出力することもできる。つまり、この波長分散補償器は、1回路のみで単一の光ファイバによる双方向通信を行う場合における光の波長分散特性の補償を双方向で行うことができる。
【0037】
(付記1) 入射した平行光である信号光の波長分散特性の補償を行って該信号光の入射経路とは異なる経路である出射経路から該補償後の信号光を平行光として出射させる波長分散補償手段と、
少なくとも2つの光入出力路を有し、該光入出力路の各々から入力させた信号光を平行光に変換して出射させるコリメート手段と、
前記コリメート手段の有する第一の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて前記波長分散補償手段に入射させ、該波長分散補償手段から出射した平行光である前記補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第二の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させる光偏向手段と、
を有することを特徴とする波長分散補償器。
【0038】
(付記2) 前記光偏向手段は、一体形成された偏向プリズムであることを特徴とする付記1に記載の波長分散補償器。
(付記3) 前記波長分散補償手段は、
平行光を直線状に集束させるラインフォーカスレンズと、
第一と第二の反射膜に入射させ該第一と第二の反射膜間で該ラインフォーカスレンズからの光と多重反射することで直線状に集束させた光を入射させると該光の波長に応じて異なる出射角度で該光を出射させる光素子と、
前記光素子から出射した光を集光させる集光レンズと、
前記集光レンズで集光させた光を反射するときに、該光の入射角に応じて異なる波長分散を該光に与えるように該光の反射面が形成されている自由曲面ミラーと、
を有して構成されていることを特徴とする付記1に記載の波長分散補償器。
【0039】
(付記4) 前記自由曲面ミラーの位置を移動させるミラー位置移動手段を更に有し、
前記ミラー位置移動手段によって前記自由曲面ミラーの位置を移動させたときには、前記集光レンズで集光させた光を反射するときに与えられる波長分散が変化するように該自由曲面ミラーの前記反射面が形成されている、
ことを特徴とする付記3に記載の波長分散補償器。
【0040】
(付記5) 前記波長分散補償手段は、前記出射経路から平行光である信号光を入射させると、前記入射経路から前記補償後の信号光を平行光として出射し、
前記光偏向手段は、前記コリメート手段の有する第二の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて前記波長分散補償手段の前記出射経路に入射させると共に、該波長分散補償手段の前記入射経路から出射した平行光である前記補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第一の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させる、
ことを特徴とする付記1に記載の波長分散補償器。
【0041】
(付記6) 光信号を光伝送路で伝送させる光伝送装置であって、
前記光信号の伝送経路中に付記1から5までのうちのいずれか1項に記載の波長分散補償器を設けたことを特徴とする光伝送装置。
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る波長分散補償器は、入射した平行光である信号光の波長分散特性の補償を行って該信号光の入射経路とは異なる経路である出射経路から該補償後の信号光を平行光として出射させる波長分散補償手段と、少なくとも2つの光入出力路を有し、該光入出力路の各々から入力させた信号光を平行光に変換して出射させるコリメート手段と、該コリメート手段の有する第一の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて該波長分散補償手段に入射させ、該波長分散補償手段から出射した平行光である該補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第二の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させる光偏向手段と、を有するように構成することにより、高価な光サーキュレータを必要としない波長分散補償器を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する波長分散補償器の構成を示す図である。
【図2】VIPA素子を用いた従来の波長分散補償器の構成を示す図である。
【符号の説明】
11 光サーキュレータ
12、12a、12b シングルモードファイバ
13 コリメートレンズ
14 ラインフォーカスレンズ
15 VIPA素子
16 焦点レンズ
17 自由曲面ミラー
21 2芯コリメータ
22 偏向プリズム
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信技術に関し、特に、光ファイバを通じて光信号を伝送する際に生じる波長分散を修正して元の光信号に戻す波長分散補償の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述の技術に関し、例えば特許文献1に開示されている、光透過性を有する平行平板の両面に反射膜をコーティングしたVIPA(Virtually Imaged Phased Array )素子や、特許文献2に開示されている、屈折率の異なる層を組み合わせて形成した光分散補償素子などを使用した波長分散補償器がある。
【0003】
ここで、VIPA素子を用いた従来の波長分散補償器の構成について、図2を参照しながら説明する。なお、図2(a)はこの従来の波長分散補償器の構成を示す斜視図であり、図2(b)は(a)における光サーキュレータ11以外の構成を上方から見た図である。
【0004】
図2において、光サーキュレータ11は3つのポートを有しており、ポートAに入射させた光はポートBから出力され、ポートBから入射した光はポートCから出力される。
【0005】
シングルモードファイバ12はその一端が光サーキュレータ11のポートBに接続されており、その他端がコリメートレンズ13の焦点に配置されている。つまり、光サーキュレータ11のポートBから出力された光はシングルモードファイバ12を経てコリメートレンズ13へ向けて放射され、また、コリメートレンズ13によって集束された光はシングルモードファイバ12を経て光サーキュレータ11のポートBに入射する。
【0006】
コリメートレンズ13は、シングルモードファイバ12から入射した発散光を平行光にしてラインフォーカスレンズ14に入射させ、またラインフォーカスレンズ14から入射した平行光を集束光にしてシングルモードファイバ12に入射させる。
【0007】
ラインフォーカスレンズ14は平凸のシリンドリカルレンズであり、コリメートレンズ13から入射した平行光をVIPA素子15の面上で直線状に集束させ、また、VIPA素子15の面上の直線から放射される発散光を平行光にしてコリメートレンズ13に入射させる。
【0008】
VIPA素子15は、ラインフォーカスレンズ13によって直線状に集束させた光を第一の面に入射させるとその内部で多重反射を生じさせ、その裏面である第二面から平行光である光束を出射する。但し、VIPA素子15の内部で生じるこの多重反射の作用により、この光束の出射の角度がその光の波長によって異なるものとなる(角分散)。また、光の波長が異なる平行光束をその波長に応じた角度でVIPA素子15の第二の面側から入射させると、その波長に関わらず一様である発散光がVIPA素子15の第一の面上の直線から放射される。
【0009】
焦点レンズ16は、VIPA素子15の第二の面から出射された光束を集束させて自由曲面ミラー17に当て、自由曲面ミラー17によって反射された光をその波長に応じた光束としてVIPA素子15の第二の面に入射させる。但し、焦点レンズ16によって自由曲面ミラー17の表面に光束を集束させたときの焦点の位置はVIPA素子15から焦点レンズ16に入射させる光束の入射角度、すなわちその光束の波長によって異なることとなる。
【0010】
自由曲面ミラー17は、焦点レンズ16によって集束させた光を集光レンズ16へと反射させるミラーである。但し、自由曲面ミラー17は、光の波長によらず略一定の波長分散を与えるような形状部分をその中央部に有しており、かつVIPA素子15の角分散方向に対して実質的に垂直な方向(図2に示されている矢印の方向)に対してはその位置により徐々に異なる波長分散を与える形状を有している。従って、図2に示されている矢印の方向に自由曲面ミラー17の位置を移動させて光サーキュレータ11のポートAに入射させた光に生じている波長分散についての逆特性が得られるように自由曲面ミラー17を位置させることにより、その波長分散の補償された光が光サーキュレータ11のポートCから出力される。
【0011】
VIPA素子を用いた従来の波長分散補償器は以上のように構成されており、自由曲面ミラー17の位置をVIPA素子15の角分散方向に対して実質的に垂直な方向(図2に示されている矢印の方向)に移動させることにより異なる補償特性を提供できる可変型の波長分散補償器となっている。
【0012】
なお、このようなVIPA素子を用いた波長分散補償器の詳細は例えば特許文献3に開示されている。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第6028706号明細書
【特許文献2】
特開2001−305338号公報
【特許文献3】
特開2002−258207号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の波長分散補償器の構成では入力光と出力光とを分離するための光サーキュレータ11が必要であった。そのため、光サーキュレータ11の挿入損失が生じてしまう上に、波長分散補償器全体のコストを押し上げる要因のひとつともなっていた。また、光サーキュレータ11の使用により光の入出力方向が単方向に制限されてしまうため、例えば単一の光ファイバによる双方向通信を行う場合であっても、波長分散補償器を上り信号用と下り信号用とで1回路ずつ設けなければならず、煩雑であった。
【0015】
また、特許文献2に開示されている、屈折率の異なる層を組み合わせて形成した光分散補償素子を使用した波長分散補償器であっても光サーキュレータを用いる必要があるため、上述したものと同様の問題を抱えていた。
【0016】
以上の問題を鑑み、光サーキュレータを必要としない波長分散補償器を提供することが本発明が解決しようとする課題である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様のひとつである波長分散補償器は、入射した平行光である信号光の波長分散特性の補償を行って該信号光の入射経路とは異なる経路である出射経路から該補償後の信号光を平行光として出射させる波長分散補償手段と、少なくとも2つの光入出力路を有し、該光入出力路の各々から入射させた信号光を平行光に変換して出射させるコリメート手段と、該コリメート手段の有する第一の光入出力路に入射させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて該波長分散補償手段に入射させ、該波長分散補償手段から出射した平行光である該補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第二の光入出力路から該補償のされた信号光が出射されるように該コリメート手段に入射させる光偏向手段と、を有するように構成することによって前述した課題を解決する。
【0018】
ここで、この光偏向手段は、一体形成された偏向プリズムであってもよい。
上記の構成によれば、波長分散特性の補償前の信号光の経路と当該補償後の信号光の経路とが波長分散補償器内で異なっているので、高価である光サーキュレータを用いることなく入力光と出力光とを分離することができる。従って、光サーキュレータによって生じる損失が無くなる。
【0019】
なお、上述した本発明に係る波長分散補償器において、波長分散補償手段は、
平行光を直線状に集束させるラインフォーカスレンズと、第一と第二の反射膜に入射させ該第一と第二の反射膜間で該ラインフォーカスレンズからの光と多重反射することで直線状に集束させた光を入射させると該光の波長に応じて異なる出射角度で該光を出射させる光素子と、該光素子から出射した光を集光させる集光レンズと、該集光レンズで集光させた光を反射するときに、該光の入射角に応じて異なる波長分散を該光に与えるように該光の反射面が形成されている自由曲面ミラーと、を有して構成されていてもよい。
【0020】
この構成は、前述したVIPA素子を用いた波長分散補償器を波長分散補償手段として使用するものである。
なお、この構成において、自由曲面ミラーの位置を移動させるミラー位置移動手段を更に有し、該ミラー位置移動手段によって該自由曲面ミラーの位置を移動させたときには、前述した集光レンズで集光させた光を反射するときに与えられる波長分散が変化するように該自由曲面ミラーの前記反射面が形成されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、入力された信号光の波長分散の補償特性を可変することのできる波長分散補償器を提供することができる。
また、前述した本発明に係る波長分散補償器において、波長分散補償手段は、出射経路から平行光である信号光を入射させると、入射経路から前述した補償後の信号光を平行光として出射し、光偏向手段は、前述したコリメート手段の有する第二の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて該波長分散補償手段の出射経路に入射させると共に、該波長分散補償手段の入射経路から出射した平行光である前述した補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第一の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させるように構成されていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、1回路の波長分散補償器のみで単一の光ファイバによる双方向通信を行う場合における光の波長分散特性の補償を双方向で行うことができる。
【0023】
なお、光信号を光伝送路で伝送させる光伝送装置であって、該光信号の伝送経路中に前述した本発明に係る波長分散補償器を設けた光伝送装置であっても、本発明に係る波長分散補償器と同様の作用・効果を奏する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を実施する波長分散補償器の構成を示す図であり、VIPA素子を用いて波長分散の補償を行う可変型の波長分散補償器である。この波長分散補償器は、例えば、光伝送ネットワークで光ファイバ等の光伝送路を通じて光信号を伝送させる光伝送装置などに使用されるものである。
【0025】
なお、図1(a)はこの波長分散補償器の構成を示す斜視図であり、図1(b)は(a)に示した構成を上方から見た図である。
図1を図2と比較すると分かるように、図1に示す本発明を実施する波長分散補償器は、図2に示した従来の構成から光サーキュレータ11を削除し、その代わりに2芯コリメータ21と偏向プリズム22とを設けた点に大きな違いがある。
【0026】
図1において、2芯コリメータ21には2本のシングルモードファイバ12a及び12bが接続されており、これらは2芯コリメータ21の内部で例えば1000μmの間隔で平行に配置されている。2芯コリメータ21は、シングルモードファイバ12a又は12bによって伝送されてきた光を、2芯コリメータ21内に備えられているコリメートレンズ13によって平行光として出射させる。なお、ここで、シングルモードファイバ12aの端部がコリメートレンズ13の焦点の位置から光の進行方向に対して横方向にわずかに偏った位置(図1(b)においては焦点の位置から上方向にわずかに偏った位置)に配置されているため、コリメートレンズ13から出射される平行光は、コリメートレンズ13に対して垂直の方向からわずかに傾いた方向に進行する。
【0027】
偏向プリズム22は、コリメートレンズ13から例えば700mm離れた位置に配置され、2芯コリメータ21から出射されるシングルモードファイバ12aからの光の進む向きを偏向させ、その偏向させた平行光を平凸のシリンドリカルレンズであるラインフォーカスレンズ14の平面側の約半分の領域(図1(b)においてはラインフォーカスレンズ14の下半分の領域)に垂直に入射させる。
【0028】
ラインフォーカスレンズ14、VIPA素子15、焦点レンズ16、及び自由曲面ミラー17はいずれも図2に示した従来の波長分散補償器に用いられていたものと同様のものである。
【0029】
次に、この図1に示した構成によって光の波長分散が補償される様子を説明する。
今、シングルモードファイバ12aによって伝送されてきた光は2芯コリメータ21から平行光となって出射される。この平行光を偏向プリズム22に入射させると、偏向プリズム22から出射した平行光はラインフォーカスレンズ14の平面側の約半分の領域に垂直に入射する。ラインフォーカスレンズ14はこの平行光をVIPA素子15の第一の面上の約半分の領域(図1(b)においてはVIPA素子15の第一の面上の下半分の領域)で直線状に集束させる。
【0030】
VIPA素子15の第一の面に入射した光は前述したその内部で多重反射され、その裏面である第二の面の約半分の領域(図1(b)においてはVIPA素子15の第二の面の下半分の領域)から光の波長によって異なる出射角度で出射して焦点レンズ16の約半分の領域(図1(b)においては焦点レンズ16の下半分の領域)に入射する。
【0031】
焦点レンズ16はこの入射した光を集束させて自由曲面ミラー17に当てる。その後、この光は自由曲面ミラー17で反射されることによってその光に生じている波長分散が補償され、焦点レンズ16においてシングルモードファイバ12aからの光が通過していない残りの領域(図1(b)においては焦点レンズ16の上半分の領域)に戻される。
【0032】
焦点レンズ16のこの残りの領域を通過した光は、その後VIPA素子15、ラインフォーカスレンズ14、及び偏向プリズム22のいずれもシングルモードファイバ12aからの光が通過していない残りの領域(図1(b)においてはVIPA素子15、ラインフォーカスレンズ14、及び偏向プリズム22の上半分の領域)を通過し、平行光として2芯コリメータ21に入射する。なお、このときの平行光の2芯コリメータ21への入射の角度は、コリメートレンズ13に対して垂直の方向からわずかに傾いた方向となる。
【0033】
その後、2芯コリメータ21に入射したこの平行光はコリメートレンズ13によって集束され、コリメートレンズ13の焦点の位置から光の進行方向に対して横方向にわずかに偏った位置(図1(b)においては焦点の位置から下方向にわずかに偏った位置)に端部が配置されているシングルモードファイバ12bに入射する。
【0034】
以上のようにして、シングルモードファイバ12aによって伝送されてきた光は、その波長分散特性が補償されてシングルモードファイバ12bに出力される。この結果、図2に示した従来の波長分散補償器では必須であった光サーキュレータ11が削除されるので、光サーキュレータ11を光が往復で計2回することによって生じていた約1.0dBの挿入損失(約0.5dB×2)が改善される。
【0035】
なお、本実施形態においては、一体形成された偏向プリズム22を用いて、シングルモードファイバ12aからの光の進行方向の偏向と、ラインフォーカスレンズ14からの光をシングルモードファイバ12bへ入射させるための偏向を行わせていたが、これらの偏向を別体の偏向プリズムで行うようにしてもよい。また、偏向プリズム22とラインフォーカスレンズ14とを一体形成するようにしてもよい。
【0036】
ところで、図1に示す構成の入出力間の対称性を考慮すれば明らかなように、この本発明に係る波長分散補償器ではシングルモードファイバ12bによって伝送されてきた光の波長分散特性を補償してシングルモードファイバ12aに出力することもできる。つまり、この波長分散補償器は、1回路のみで単一の光ファイバによる双方向通信を行う場合における光の波長分散特性の補償を双方向で行うことができる。
【0037】
(付記1) 入射した平行光である信号光の波長分散特性の補償を行って該信号光の入射経路とは異なる経路である出射経路から該補償後の信号光を平行光として出射させる波長分散補償手段と、
少なくとも2つの光入出力路を有し、該光入出力路の各々から入力させた信号光を平行光に変換して出射させるコリメート手段と、
前記コリメート手段の有する第一の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて前記波長分散補償手段に入射させ、該波長分散補償手段から出射した平行光である前記補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第二の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させる光偏向手段と、
を有することを特徴とする波長分散補償器。
【0038】
(付記2) 前記光偏向手段は、一体形成された偏向プリズムであることを特徴とする付記1に記載の波長分散補償器。
(付記3) 前記波長分散補償手段は、
平行光を直線状に集束させるラインフォーカスレンズと、
第一と第二の反射膜に入射させ該第一と第二の反射膜間で該ラインフォーカスレンズからの光と多重反射することで直線状に集束させた光を入射させると該光の波長に応じて異なる出射角度で該光を出射させる光素子と、
前記光素子から出射した光を集光させる集光レンズと、
前記集光レンズで集光させた光を反射するときに、該光の入射角に応じて異なる波長分散を該光に与えるように該光の反射面が形成されている自由曲面ミラーと、
を有して構成されていることを特徴とする付記1に記載の波長分散補償器。
【0039】
(付記4) 前記自由曲面ミラーの位置を移動させるミラー位置移動手段を更に有し、
前記ミラー位置移動手段によって前記自由曲面ミラーの位置を移動させたときには、前記集光レンズで集光させた光を反射するときに与えられる波長分散が変化するように該自由曲面ミラーの前記反射面が形成されている、
ことを特徴とする付記3に記載の波長分散補償器。
【0040】
(付記5) 前記波長分散補償手段は、前記出射経路から平行光である信号光を入射させると、前記入射経路から前記補償後の信号光を平行光として出射し、
前記光偏向手段は、前記コリメート手段の有する第二の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて前記波長分散補償手段の前記出射経路に入射させると共に、該波長分散補償手段の前記入射経路から出射した平行光である前記補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第一の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させる、
ことを特徴とする付記1に記載の波長分散補償器。
【0041】
(付記6) 光信号を光伝送路で伝送させる光伝送装置であって、
前記光信号の伝送経路中に付記1から5までのうちのいずれか1項に記載の波長分散補償器を設けたことを特徴とする光伝送装置。
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る波長分散補償器は、入射した平行光である信号光の波長分散特性の補償を行って該信号光の入射経路とは異なる経路である出射経路から該補償後の信号光を平行光として出射させる波長分散補償手段と、少なくとも2つの光入出力路を有し、該光入出力路の各々から入力させた信号光を平行光に変換して出射させるコリメート手段と、該コリメート手段の有する第一の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて該波長分散補償手段に入射させ、該波長分散補償手段から出射した平行光である該補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第二の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させる光偏向手段と、を有するように構成することにより、高価な光サーキュレータを必要としない波長分散補償器を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する波長分散補償器の構成を示す図である。
【図2】VIPA素子を用いた従来の波長分散補償器の構成を示す図である。
【符号の説明】
11 光サーキュレータ
12、12a、12b シングルモードファイバ
13 コリメートレンズ
14 ラインフォーカスレンズ
15 VIPA素子
16 焦点レンズ
17 自由曲面ミラー
21 2芯コリメータ
22 偏向プリズム
Claims (5)
- 入射した平行光である信号光の波長分散特性の補償を行って該信号光の入射経路とは異なる経路である出射経路から該補償後の信号光を平行光として出射させる波長分散補償手段と、
少なくとも2つの光入出力路を有し、該光入出力路の各々から入力させた信号光を平行光に変換して出射させるコリメート手段と、
前記コリメート手段の有する第一の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて前記波長分散補償手段に入射させ、該波長分散補償手段から出射した平行光である前記補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第二の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させる光偏向手段と、
を有することを特徴とする波長分散補償器。 - 前記光偏向手段は、一体形成された偏向プリズムであることを特徴とする請求項1に記載の波長分散補償器。
- 前記波長分散補償手段は、
平行光を直線状に集束させるラインフォーカスレンズと、
第一と第二の反射膜に入射させ該第一と第二の反射膜間で該ラインフォーカスレンズからの光と多重反射することで直線状に集束させた光を入射させると該光の波長に応じて異なる出射角度で該光を出射させる光素子と、
前記光素子から出射した光を集光させる集光レンズと、
前記集光レンズで集光させた光を反射するときに、該光の入射角に応じて異なる波長分散を該光に与えるように該光の反射面が形成されている自由曲面ミラーと、
を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の波長分散補償器。 - 前記波長分散補償手段は、前記出射経路から平行光である信号光を入射させると、前記入射経路から前記補償後の信号光を平行光として出射し、
前記光偏向手段は、前記コリメート手段の有する第二の光入出力路に入力させて該コリメート手段によって平行光に変換された信号光の進行方向を偏向させて前記波長分散補償手段の前記出射経路に入射させると共に、該波長分散補償手段の前記入射経路から出射した平行光である前記補償のされた信号光の進行方向を偏向させて該コリメート手段の有する第一の光入出力路から該補償のされた信号光が出力されるように該コリメート手段に入射させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の波長分散補償器。 - 光信号を光伝送路で伝送させる光伝送装置であって、
前記光信号の伝送経路中に請求項1から4までのうちのいずれか1項に記載の波長分散補償器を設けたことを特徴とする光伝送装置。
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071120 |