JP2004271934A - プロジェクタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】奥行寸法の小さい薄型のプロジェクタ装置を提供する。
【解決手段】プロジェクタ装置は、ライトバルブ10及び投写レンズ11を含む光学ユニット1と、光学ユニット1からの投写光をスクリーン4に向けて反射する双曲面ミラー2とを備える。双曲面ミラー2を用いることにより、光学ユニット1の投写光への干渉を回避しつつ、画角ω1を大きくすることができる。その結果、スクリーン4と双曲面ミラー2の最遠端との距離(すなわち、プロジェクタ装置の機構部分を除く奥行寸法D)を短縮することができ、プロジェクタ装置の薄型化を実現することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】プロジェクタ装置は、ライトバルブ10及び投写レンズ11を含む光学ユニット1と、光学ユニット1からの投写光をスクリーン4に向けて反射する双曲面ミラー2とを備える。双曲面ミラー2を用いることにより、光学ユニット1の投写光への干渉を回避しつつ、画角ω1を大きくすることができる。その結果、スクリーン4と双曲面ミラー2の最遠端との距離(すなわち、プロジェクタ装置の機構部分を除く奥行寸法D)を短縮することができ、プロジェクタ装置の薄型化を実現することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、透過型のスクリーンに画像を投影するプロジェクタ装置に関し、より詳細には、スクリーンの背後に反射ミラーを備えたプロジェクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ライトバルブを用いて変調した光を透過型スクリーンに背面から投写するプロジェクタ装置が知られている。この種のプロジェクタ装置では、奥行寸法(すなわち、スクリーンに直交する方向の寸法)を小さくすることで薄型化を実現するため、スクリーンの背後に平面ミラーを設け、この平面ミラーにより投写光を一旦反射させてスクリーンに投写するよう構成されている。また、2枚の反射ミラーを設けることにより、プロジェクタ装置の更なる薄型化を図っているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−327048号公報(第2−4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1枚の平面ミラーを用いたプロジェクタ装置では、平面ミラーのスクリーンに対する傾斜が大きいと、スクリーンから平面ミラーの最遠端までの距離が増加するため奥行寸法を小さくすることができず、逆に平面ミラーをスクリーンに対して平行に近づけると、投写光学系を含む光学ユニットの投写光への干渉(ケラレ)が生じる。そのため、プロジェクタ装置の薄型化には限界がある。また、2枚の平面ミラーを用いた場合でも同様の問題があり、プロジェクタ装置の薄型化における効果は、1枚の平面ミラーを用いた場合と大差ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、奥行寸法が小さい薄型のプロジェクタ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るプロジェクタ装置は、光源を含み、照明光を射出する照明光学系と、前記照明光学系からの照明光を画像信号に応じて変調するライトバルブと、前記ライトバルブにより変調された光を投写する投写光学系とを有する光学ユニットと、双曲面をなす凸状の反射面を有し、前記光学ユニットからの投写光を前記反射面により反射する反射ミラーと、反射ミラーからの反射光が投写されるスクリーンとを備えて構成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1であるプロジェクタ装置の基本構成を示す側断面図である。プロジェクタ装置は、画像情報に応じて変調した光を投写する光学ユニット1と、光学ユニット1からの投写光を反射する双曲面ミラー(反射ミラー)2と、双曲面ミラー2の反射光が投写される透過型のスクリーン4とを備えている。スクリーン4は、水平方向(紙面に直交する方向)に長軸を有し、垂直方向(図中上下方向)に短軸を有する略矩形状である。以下の説明では、スクリーン4上で定義される水平方向及び垂直方向をそれぞれX方向及びZ方向とする。また、スクリーン4に対して直交する方向をY方向とする。尚、Z方向は、鉛直方向と略一致しているものとする。
【0008】
双曲面ミラー2は、反射面(双曲面をなす凸面)を光学ユニット1及びスクリーン4側に向けて配置されている。また、双曲面ミラー2は、上方にいくほどスクリーン4に近づくように配置されている。光学ユニット1は、双曲面ミラー2の下方に配置されており、双曲面ミラー2に向けてZ方向に光を投写するよう構成されている。
【0009】
光学ユニット1及び双曲面ミラー2は、筐体5に収容されている。スクリーン4は、筐体5の一面に形成された開口部に嵌め込まれている。以下の説明では、筐体5のスクリーン4側(図中左側)を前方とし、その反対側を後方とする。筐体5は、スクリーン4をはめ込む開口部が形成された前板51と、この前板51に対向配置された背板52と、これら前板51及び背板52の下側及び上側にそれぞれ形成された底板53及び天板54とを備えている。天板54の後方側は、双曲面ミラー2に沿って傾斜した傾斜板55となっている。
【0010】
図2は、光学ユニット1の構成要素の配列を示す図である。光学ユニット1は、光源1aと、光源1aからの出射光を投写レンズ11(後述)の射出瞳内に入射させるための照明レンズ1bと、照明レンズ1bからの射出光(すなわち照明光)を画像情報に応じて変調するライトバルブ10と、ライトバルブ10により変調された光を上方に反射する折り返しミラー1cと、折り返しミラー1cからの反射光を投写する投写レンズ(投写光学系)11とを備えている。光源1a及び照明レンズ1bは、照明光学系を構成している。光源1aから折り返しミラー1cに至る各構成要素は、スクリーン4の水平軸と平行に、すなわちX方向に配列されている。また、投写レンズ11の光軸3の方向は、Z方向と略一致している。尚、図1においては、光源1aから折り返しミラー1cまでの各構成要素については、図示を省略している。
【0011】
尚、ここでは、ライトバルブ10として、例えば透過型の液晶表示装置からなる透過型のライトバルブを用いているが、デジタル・マイクロミラー・デバイス(Digital Micro−mirror Device)等からなる反射型のライトバルブを用いることも可能である。
【0012】
図3は、双曲面ミラー2の構成及び作用を説明するための模式図である。双曲面ミラー2は、投写レンズ11からの投写光をスクリーン4に向けて反射するものである。双曲面ミラー2は、中心軸Cを中心とした双曲面(いわゆる回転双曲面)Eの一部をなしている。投写レンズ11からの投写光は、双曲面ミラー2により反射され、この双曲面ミラー2のパワーにより更に発散光となってスクリーン4に投写される。スクリーン4のZ方向の画角(縦方向画角とする。)をω1とすると、双曲面ミラー2での発散作用のため、投写レンズ11における縦方向画角ω2は、ω1よりも小さくなる。
【0013】
光学ユニット1及び双曲面ミラー4を含む光学系を考えると、その瞳位置P1は、双曲面ミラー2の第1焦点と一致している。また、投写レンズ11の瞳位置P2は、双曲面ミラー2の第2焦点と一致している。スクリーン4側から光線追跡すると、スクリーン4の各像高における主光線は、双曲面ミラー2の第1焦点(瞳位置P1)に向かい、その手前で双曲面ミラー2により反射され、双曲面の幾何学的性質により第2焦点(投写レンズ11の瞳位置P2)に無収差で収束する。
【0014】
尚、双曲面ミラー2の第1焦点(P1)及び第2焦点(P2)は、上記の中心軸C上に位置しているため、双曲面ミラー2の配置を決定することにより中心軸Cの方向を決定し、更に双曲面ミラー2のパワーを決定することにより中心軸C上の第2焦点(P2)の位置を決定する。双曲面ミラー2の配置及び第2焦点(P2)の位置は、光学ユニット1の投写光への干渉を避け、且つ、できるだけ縦方向画角ω1を大きくできるように決定する。
【0015】
このように構成することで、縦方向画角ω1を大きくすることができ、その結果、スクリーン4から双曲面ミラー2の後端(最遠端)21までのY方向の距離Dを小さくすることができる。この距離Dは、プロジェクタ装置の図示しない機構部分を除いた(すなわち光学的な構成要素のみを抽出した)奥行寸法を意味する。この奥行寸法Dを小さくすることにより、プロジェクタ装置の全体的な薄型化を実現することができる。スクリーン4のZ方向寸法をHとすると、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、D<0.5Hとなるよう構成されている。
【0016】
スクリーン4から瞳位置P1までの距離(投写距離)T、奥行寸法D及び縦方向画角ω1,ω2の具体的な数値例は、以下のとおりである。尚、投写距離T及び奥行寸法Dは、スクリーン100のZ方向寸法Hとの比で表す。スクリーン4のアスペクト比は4:3とする。
T 0.58H
D 0.49H
ω1 81.6°
ω2 32.9°
【0017】
このように、光学ユニット1の投写光への干渉を回避しつつ、縦方向画角ω1を大きくすることで、プロジェクタ装置の奥行寸法Dを小さくすることができる。また、投写レンズ11の縦方向画角ω2を比較的小さく抑えることができるため、投写レンズ11を含む光学系の設計負担を軽減することができる。
【0018】
図4は、実施の形態1に係るプロジェクタ装置により発生する歪曲を示す図である。実施の形態1では、双曲面ミラー2を用いることにより、図4に示すように上下に非対称な扇形状の歪曲が発生する。この歪曲は、投写レンズ11でこれと逆の歪曲を発生させ、あるいは電気的処理によりライトバルブ10からの出射光に逆の歪曲を発生させることにより補正することができる。
【0019】
次に、実施の形態1の効果について、図5乃至図7に示す各比較例との対比により説明する。図5(A)は、投写レンズLにより直接スクリーン100に画像を投写するよう構成した比較例を示す。図5(B)は、図5(A)に示した比較例における縦方向画角ωと奥行き寸法Dとの関係を示す。尚、奥行き寸法Dは、スクリーン100から、投写レンズLを含む光学ユニット101の最遠端までの距離とする。図5(B)によれば、奥行き寸法Dは0.58H〜1.2Hの範囲にあるが、縦方向画角ωが大きすぎると光学系(投写レンズL等)の設計が困難になるため、現実的に実現可能な奥行き寸法Dは0.8H以上となる。
【0020】
図6(A)及び(B)は、平面ミラー102を用いた比較例を示す。図6(A)に示すように、縦方向画角ωを90°以上とした場合、図示しない投写レンズの瞳位置P2を平面ミラー102からスクリーン100までの光路中に位置させなければならず、投写レンズを含む光学ユニット(図示せず)の陰がスクリーン100上に表示されてしまう。一方、図6(B)に示すように、縦方向画角ωを90°未満にした場合、投写レンズを含む光学ユニットを光路外に配置することは可能になるが、奥行寸法D(スクリーン100から平面ミラー102の後端102aまでの距離)が大きくなる。例えば、縦方向画角ωを60°とし、平面ミラー102の射出光軸に対する角度θを55°とすると、奥行寸法Dは0.5Hとなる。
【0021】
図7(A)乃至(C)は、2枚の平面ミラー103,104を用いた比較例を示す。この比較例では、図7(A)に示すように、図6(B)よりも画角ωを小さくすることで2枚の平面ミラー103,104の配置を可能にしているが、このような構成では、奥行寸法D(スクリーン100から平面ミラー103の後端103aまでの距離)が大きくなる。一方、図7(B)に示すように、図6(B)と同一の奥行寸法Dを実現しようとすると、平面ミラー102の射出光軸に対する角度θが大きくなるため、投写レンズ(図示せず)の瞳位置P2をスクリーン100よりも前方に設けなければならず、光学系を構成することが事実上不可能になる。さらに、図7(C)に示すように、縦方向画角ωを大きくすることで奥行寸法Dを小さくすると、瞳位置P2が投写光の光路に接近し過ぎるため、投写レンズを含む光学ユニット(図示せず)の投写光への干渉が生じてしまう。このように、2枚の平面ミラー103,104を用いた場合も、奥行寸法Dの低減における効果は、一枚の平面ミラーを用いた場合(図6(B))と大差ない。
【0022】
これに対し、実施の形態1によれば、図3に示したように双曲面ミラー2を用いることにより、縦方向画角ω1を60°よりも大きくして奥行寸法Dを小さくすることができ、同時に、光学ユニット1の投写光への干渉を防止することができる。その結果、プロジェクタ装置の薄型化が可能になる。
【0023】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、双曲面ミラー2により投写レンズ11からの投写光を反射してスクリーン4に投写するよう構成したので、縦方向画角ω1を大きくしつつ、投写光の光路から比較的離れた位置に瞳位置P2を位置させることができる。これにより、光学ユニット1の投写光への干渉を防止しつつ、奥行寸法Dを小さくしてプロジェクタ装置を薄型化することが可能になる。特に、奥行寸法Dがスクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足するような、従来実現できなかった薄型のプロジェクタ装置を実現することができる。
【0024】
さらに、双曲面ミラー2による発散作用を利用して縦方向画角ω1を大きくすることができるため、投写レンズ11の縦方向画角ω2は比較的小さくて済み、その結果、投写レンズ11を含む光学系の設計負担を軽減することができる。また、投写レンズ11を含む光学ユニット1を双曲面ミラー2の下方に配置することにより、光学ユニット1が双曲面ミラー2よりも後方に突出しない構成が可能になり、プロジェクタ装置の薄型化に一層資することができる。
【0025】
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2に係るプロジェクタ装置の側断面図である。図8において、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付す。本実施の形態では、実施の形態1よりも縦方向画角ω1を大きくし、投写レンズ11の光軸3をZ方向に対して傾斜させ、投写レンズ11の瞳位置P2をスクリーン4側にさらに接近させている。これにより、投写レンズ11を含む光学ユニット1は、スクリーン4の下端41の近傍に配置される。この実施の形態2においても、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、スクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足する。
【0026】
スクリーン4から瞳位置P1までの距離(投写距離)T、奥行寸法D、縦方向画角ω1及び投写レンズ11の縦方向画角ω2の具体的な数値例を以下に示す。
T 0.38H
D 0.33H
ω1 105°
ω2 29.7°
【0027】
以上説明したように、この実施の形態2によれば、実施の形態1よりもさらに縦方向画角ω1を大きくすることができ、従ってプロジェクタ装置の奥行寸法Dをさらに小さくし、より薄型のプロジェクタ装置を得ることができる。
【0028】
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係るプロジェクタ装置の側断面図である。図9において、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付す。実施の形態3に係るプロジェクタ装置は、それぞれがスクリーン4、双曲面ミラー2及び光学ユニット1を含む複数の筐体6を上下に積み重ねて構成される。各筐体6において、投写レンズ11を含む光学ユニット1は、実施の形態1と同様、双曲面ミラー2の下方に配置されており、投写レンズ11の光軸3の方向はZ方向と略一致している。この実施の形態3においても、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、スクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足する。
【0029】
各筐体6は、前面がスクリーン4により構成されている。各筐体6は、さらに、スクリーン4に対向配置された背板62、並びにこれらの下側及び上側にそれぞれ形成された底板63及び天板64を備えている。底板61は、Y方向における略中央部に段差63cを有しており、この段差63cよりも前側の部分63aが高く、後側の部分63bが低くなるよう構成されている。段差63cと後側部分63bと背板62とに囲まれた領域に、投写レンズ11を含む光学ユニット1が収容されている。スクリーン4は、底板63の前側部分63aと天板64との間で保持されている。底板63の前側部分63aの下方で且つ段差63cの前方には、凹部Bが形成されている。
【0030】
各筐体6の天板64は、Y方向における略中央部に段差64cを有しており、この段差64cよりも前側の部分64aが高く、後側の部分64bが低くなるよう構成されている。天板64の前側部分64aと段差64cとスクリーン4の上部とにより、略台形状のYZ断面を有する突出部Aが形成されている。
【0031】
2つの筐体6を上下に積み重ねてプロジェクタ装置を構成するときには、下側の筐体6の突出部Aが、上側の筐体6の凹部Bに収容される。これにより、上下の筐体6に取り付けられた2つのスクリーン4を、ほぼ隙間なく組み合わせることができる。なお、図10では、筐体6を上下2段に積み重ねたものを示したが、筐体6を3段以上積み重ねてもよい。このように構成された筐体6を、必要な個数だけ上下、左右若しくは上下左右に組み合わせることにより、マルチビジョンを構成することができる。
【0032】
以上説明したように、この実施の形態3によれば、筐体6のスクリーン4の下側に形成される凹部Bに、別の筐体6の上側に形成される突出部Aが係合するよう構成したので、筐体6内の無駄なスペースを減少させ、複数のスクリーン4を隙間なく組み合わせたマルチビジョンを構成することできる。
【0033】
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4に係るプロジェクタ装置の側断面図である。図10において、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付す。実施の形態4では、投写レンズ11の瞳位置P2を、光学ユニット1の投写光への干渉を生じない範囲で双曲面ミラー2に接近させ、且つ光学ユニット1をスクリーン4の下端41よりも上方に配置している。投写レンズ11の光軸3は、Z方向に対して傾斜している。
【0034】
すなわち、実施の形態4に係るプロジェクタ装置では、光学的な構成要素(光学ユニット1及び双曲面ミラー2)が、Z方向においてスクリーン4の下端41と上端42との間に位置している。尚、筐体5の形状は実施の形態1とほぼ同様だが、筐体5の前面はスクリーン4により構成されている。この実施の形態4においても、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、スクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足する。
【0035】
以上説明したように、この実施の形態4によれば、正面(すなわち、図中矢印Fで示す方向)から見るとスクリーン4以外のものが殆ど見えない、非常にコンパクトな構成のプロジェクタ装置を実現することができる。また、この実施の形態4における筐体5を上下及び左右に複数組み合わせると、それぞれの筐体5に取り付けられたスクリーン4をほぼ隙間なく組み合わせることができるため、マルチビジョンを構成することが可能になる。
【0036】
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係るプロジェクタ装置の側断面図である。図12は、実施の形態5に係るプロジェクタ装置を後方から(図11における矢印R方向から)見た概略図である。図11及び図12において、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付す。実施の形態5では、図12に示すように、光学ユニット1が、双曲面ミラー2の下方に、投写レンズ11の光軸がX方向を向くように配置されている。投写レンズ11の射出側(図12中左側)には、平面ミラーよりなる折り返しミラー7が設けられている。折り返しミラー7は、投写レンズ11からの投写光を双曲面ミラー2に向けて反射し、その光路を約90°折り曲げるものである。
【0037】
図11に示すように、光学ユニット1は、スクリーン4の下端41よりも上方に配置されている。これにより、プロジェクタ装置の光学的な構成要素(双曲面ミラー2、折り返しミラー7及び光学ユニット1)は、Z方向においてスクリーン4の下端41と上端42との間に位置することになる。また、折り返しミラー7及び光学ユニット1は、投写光との干渉を生じない範囲でスクリーン4に接近して配置されている。この実施の形態5においても、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、スクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足する。
【0038】
以上説明したように、この実施の形態5によれば、折り返しミラー7を用いることにより、プロジェクタ装置の光学的な構成要素をZ方向においてスクリーン4の下端41と上端42との間に収容することができるため、正面(すなわち、図11中矢印Fで示す方向)から見ると、スクリーン4以外のものが殆ど見えない、非常にコンパクトな構成のプロジェクタ装置が得られる。加えて、実施の形態4に比較して縦方向画角ω1を大きくすることができるため、プロジェクタ装置の一層の薄型化を実現することができる。
【0039】
さらに、この実施の形態5における筐体5を上下及び左右に複数組み合わせると、それぞれの筐体5に取り付けられたスクリーン4をほぼ隙間なく組み合わせることができるため、マルチビジョンを構成することができる。
【0040】
なお、上述した各実施の形態では、スクリーン4への投写光は、スクリーン4に対して直交する方向に投写されていたが、スクリーン4に対して傾斜した方向に投写光が投写されるようにしてもよい。また、光学ユニット1の構成は、図2に示した構成に限らず、投写レンズ11の代わりにミラー等を用いてもよい。
【0041】
また、上記各実施の形態では、説明の便宜上、「上」及び「下」という表現を用いたが、これはプロジェクタ装置の使用時における向きを限定するものではない。すなわち、各実施の形態に係るプロジェクタ装置は、どのような向きで使用してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は、双曲面状の反射ミラーにより投写光を反射してスクリーンに投写するよう構成したので、光学ユニットの投写光への干渉を回避しつつ画角を大きくし、これによりプロジェクタ装置の奥行寸法を小さくすることができる。その結果、より薄型のプロジェクタ装置を実現することができる。また、反射ミラーにおける発散作用を利用して画角を大きくすることができるため、投写光学系における画角が比較的小さくて済み、その結果、投写光学系の設計負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るプロジェクタ装置の光学ユニットの一例を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るプロジェクタ装置の双曲面ミラーの形状を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1において生じる歪曲の例を模式的に示した図である。
【図5】この発明の実施の形態1に対する比較例であり、ミラーを用いない構成例を説明するための模式図である。
【図6】この発明の実施の形態1に対する比較例であり、1枚の平面ミラーを用いた構成例を説明するための模式図である。
【図7】この発明の実施の形態1に対する比較例であり、2枚の平面ミラーを用いた構成例を説明するための模式図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図11】この発明の実施の形態5に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図12】この発明の実施の形態5に係るプロジェクタ装置を後方から見た概略図である。
【符号の説明】
1 光学ユニット、 2 双曲面ミラー、 3 光軸、 4 スクリーン、 5,6 筐体、 7 折り返しミラー、 10 ライトバルブ、 11 投写レンズ、 41 下端、 42 上端、 51,61 前板、 52,62 底板、 53,63 背板、 54,64 天板。
【発明の属する技術分野】
この発明は、透過型のスクリーンに画像を投影するプロジェクタ装置に関し、より詳細には、スクリーンの背後に反射ミラーを備えたプロジェクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ライトバルブを用いて変調した光を透過型スクリーンに背面から投写するプロジェクタ装置が知られている。この種のプロジェクタ装置では、奥行寸法(すなわち、スクリーンに直交する方向の寸法)を小さくすることで薄型化を実現するため、スクリーンの背後に平面ミラーを設け、この平面ミラーにより投写光を一旦反射させてスクリーンに投写するよう構成されている。また、2枚の反射ミラーを設けることにより、プロジェクタ装置の更なる薄型化を図っているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−327048号公報(第2−4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1枚の平面ミラーを用いたプロジェクタ装置では、平面ミラーのスクリーンに対する傾斜が大きいと、スクリーンから平面ミラーの最遠端までの距離が増加するため奥行寸法を小さくすることができず、逆に平面ミラーをスクリーンに対して平行に近づけると、投写光学系を含む光学ユニットの投写光への干渉(ケラレ)が生じる。そのため、プロジェクタ装置の薄型化には限界がある。また、2枚の平面ミラーを用いた場合でも同様の問題があり、プロジェクタ装置の薄型化における効果は、1枚の平面ミラーを用いた場合と大差ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、奥行寸法が小さい薄型のプロジェクタ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るプロジェクタ装置は、光源を含み、照明光を射出する照明光学系と、前記照明光学系からの照明光を画像信号に応じて変調するライトバルブと、前記ライトバルブにより変調された光を投写する投写光学系とを有する光学ユニットと、双曲面をなす凸状の反射面を有し、前記光学ユニットからの投写光を前記反射面により反射する反射ミラーと、反射ミラーからの反射光が投写されるスクリーンとを備えて構成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1であるプロジェクタ装置の基本構成を示す側断面図である。プロジェクタ装置は、画像情報に応じて変調した光を投写する光学ユニット1と、光学ユニット1からの投写光を反射する双曲面ミラー(反射ミラー)2と、双曲面ミラー2の反射光が投写される透過型のスクリーン4とを備えている。スクリーン4は、水平方向(紙面に直交する方向)に長軸を有し、垂直方向(図中上下方向)に短軸を有する略矩形状である。以下の説明では、スクリーン4上で定義される水平方向及び垂直方向をそれぞれX方向及びZ方向とする。また、スクリーン4に対して直交する方向をY方向とする。尚、Z方向は、鉛直方向と略一致しているものとする。
【0008】
双曲面ミラー2は、反射面(双曲面をなす凸面)を光学ユニット1及びスクリーン4側に向けて配置されている。また、双曲面ミラー2は、上方にいくほどスクリーン4に近づくように配置されている。光学ユニット1は、双曲面ミラー2の下方に配置されており、双曲面ミラー2に向けてZ方向に光を投写するよう構成されている。
【0009】
光学ユニット1及び双曲面ミラー2は、筐体5に収容されている。スクリーン4は、筐体5の一面に形成された開口部に嵌め込まれている。以下の説明では、筐体5のスクリーン4側(図中左側)を前方とし、その反対側を後方とする。筐体5は、スクリーン4をはめ込む開口部が形成された前板51と、この前板51に対向配置された背板52と、これら前板51及び背板52の下側及び上側にそれぞれ形成された底板53及び天板54とを備えている。天板54の後方側は、双曲面ミラー2に沿って傾斜した傾斜板55となっている。
【0010】
図2は、光学ユニット1の構成要素の配列を示す図である。光学ユニット1は、光源1aと、光源1aからの出射光を投写レンズ11(後述)の射出瞳内に入射させるための照明レンズ1bと、照明レンズ1bからの射出光(すなわち照明光)を画像情報に応じて変調するライトバルブ10と、ライトバルブ10により変調された光を上方に反射する折り返しミラー1cと、折り返しミラー1cからの反射光を投写する投写レンズ(投写光学系)11とを備えている。光源1a及び照明レンズ1bは、照明光学系を構成している。光源1aから折り返しミラー1cに至る各構成要素は、スクリーン4の水平軸と平行に、すなわちX方向に配列されている。また、投写レンズ11の光軸3の方向は、Z方向と略一致している。尚、図1においては、光源1aから折り返しミラー1cまでの各構成要素については、図示を省略している。
【0011】
尚、ここでは、ライトバルブ10として、例えば透過型の液晶表示装置からなる透過型のライトバルブを用いているが、デジタル・マイクロミラー・デバイス(Digital Micro−mirror Device)等からなる反射型のライトバルブを用いることも可能である。
【0012】
図3は、双曲面ミラー2の構成及び作用を説明するための模式図である。双曲面ミラー2は、投写レンズ11からの投写光をスクリーン4に向けて反射するものである。双曲面ミラー2は、中心軸Cを中心とした双曲面(いわゆる回転双曲面)Eの一部をなしている。投写レンズ11からの投写光は、双曲面ミラー2により反射され、この双曲面ミラー2のパワーにより更に発散光となってスクリーン4に投写される。スクリーン4のZ方向の画角(縦方向画角とする。)をω1とすると、双曲面ミラー2での発散作用のため、投写レンズ11における縦方向画角ω2は、ω1よりも小さくなる。
【0013】
光学ユニット1及び双曲面ミラー4を含む光学系を考えると、その瞳位置P1は、双曲面ミラー2の第1焦点と一致している。また、投写レンズ11の瞳位置P2は、双曲面ミラー2の第2焦点と一致している。スクリーン4側から光線追跡すると、スクリーン4の各像高における主光線は、双曲面ミラー2の第1焦点(瞳位置P1)に向かい、その手前で双曲面ミラー2により反射され、双曲面の幾何学的性質により第2焦点(投写レンズ11の瞳位置P2)に無収差で収束する。
【0014】
尚、双曲面ミラー2の第1焦点(P1)及び第2焦点(P2)は、上記の中心軸C上に位置しているため、双曲面ミラー2の配置を決定することにより中心軸Cの方向を決定し、更に双曲面ミラー2のパワーを決定することにより中心軸C上の第2焦点(P2)の位置を決定する。双曲面ミラー2の配置及び第2焦点(P2)の位置は、光学ユニット1の投写光への干渉を避け、且つ、できるだけ縦方向画角ω1を大きくできるように決定する。
【0015】
このように構成することで、縦方向画角ω1を大きくすることができ、その結果、スクリーン4から双曲面ミラー2の後端(最遠端)21までのY方向の距離Dを小さくすることができる。この距離Dは、プロジェクタ装置の図示しない機構部分を除いた(すなわち光学的な構成要素のみを抽出した)奥行寸法を意味する。この奥行寸法Dを小さくすることにより、プロジェクタ装置の全体的な薄型化を実現することができる。スクリーン4のZ方向寸法をHとすると、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、D<0.5Hとなるよう構成されている。
【0016】
スクリーン4から瞳位置P1までの距離(投写距離)T、奥行寸法D及び縦方向画角ω1,ω2の具体的な数値例は、以下のとおりである。尚、投写距離T及び奥行寸法Dは、スクリーン100のZ方向寸法Hとの比で表す。スクリーン4のアスペクト比は4:3とする。
T 0.58H
D 0.49H
ω1 81.6°
ω2 32.9°
【0017】
このように、光学ユニット1の投写光への干渉を回避しつつ、縦方向画角ω1を大きくすることで、プロジェクタ装置の奥行寸法Dを小さくすることができる。また、投写レンズ11の縦方向画角ω2を比較的小さく抑えることができるため、投写レンズ11を含む光学系の設計負担を軽減することができる。
【0018】
図4は、実施の形態1に係るプロジェクタ装置により発生する歪曲を示す図である。実施の形態1では、双曲面ミラー2を用いることにより、図4に示すように上下に非対称な扇形状の歪曲が発生する。この歪曲は、投写レンズ11でこれと逆の歪曲を発生させ、あるいは電気的処理によりライトバルブ10からの出射光に逆の歪曲を発生させることにより補正することができる。
【0019】
次に、実施の形態1の効果について、図5乃至図7に示す各比較例との対比により説明する。図5(A)は、投写レンズLにより直接スクリーン100に画像を投写するよう構成した比較例を示す。図5(B)は、図5(A)に示した比較例における縦方向画角ωと奥行き寸法Dとの関係を示す。尚、奥行き寸法Dは、スクリーン100から、投写レンズLを含む光学ユニット101の最遠端までの距離とする。図5(B)によれば、奥行き寸法Dは0.58H〜1.2Hの範囲にあるが、縦方向画角ωが大きすぎると光学系(投写レンズL等)の設計が困難になるため、現実的に実現可能な奥行き寸法Dは0.8H以上となる。
【0020】
図6(A)及び(B)は、平面ミラー102を用いた比較例を示す。図6(A)に示すように、縦方向画角ωを90°以上とした場合、図示しない投写レンズの瞳位置P2を平面ミラー102からスクリーン100までの光路中に位置させなければならず、投写レンズを含む光学ユニット(図示せず)の陰がスクリーン100上に表示されてしまう。一方、図6(B)に示すように、縦方向画角ωを90°未満にした場合、投写レンズを含む光学ユニットを光路外に配置することは可能になるが、奥行寸法D(スクリーン100から平面ミラー102の後端102aまでの距離)が大きくなる。例えば、縦方向画角ωを60°とし、平面ミラー102の射出光軸に対する角度θを55°とすると、奥行寸法Dは0.5Hとなる。
【0021】
図7(A)乃至(C)は、2枚の平面ミラー103,104を用いた比較例を示す。この比較例では、図7(A)に示すように、図6(B)よりも画角ωを小さくすることで2枚の平面ミラー103,104の配置を可能にしているが、このような構成では、奥行寸法D(スクリーン100から平面ミラー103の後端103aまでの距離)が大きくなる。一方、図7(B)に示すように、図6(B)と同一の奥行寸法Dを実現しようとすると、平面ミラー102の射出光軸に対する角度θが大きくなるため、投写レンズ(図示せず)の瞳位置P2をスクリーン100よりも前方に設けなければならず、光学系を構成することが事実上不可能になる。さらに、図7(C)に示すように、縦方向画角ωを大きくすることで奥行寸法Dを小さくすると、瞳位置P2が投写光の光路に接近し過ぎるため、投写レンズを含む光学ユニット(図示せず)の投写光への干渉が生じてしまう。このように、2枚の平面ミラー103,104を用いた場合も、奥行寸法Dの低減における効果は、一枚の平面ミラーを用いた場合(図6(B))と大差ない。
【0022】
これに対し、実施の形態1によれば、図3に示したように双曲面ミラー2を用いることにより、縦方向画角ω1を60°よりも大きくして奥行寸法Dを小さくすることができ、同時に、光学ユニット1の投写光への干渉を防止することができる。その結果、プロジェクタ装置の薄型化が可能になる。
【0023】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、双曲面ミラー2により投写レンズ11からの投写光を反射してスクリーン4に投写するよう構成したので、縦方向画角ω1を大きくしつつ、投写光の光路から比較的離れた位置に瞳位置P2を位置させることができる。これにより、光学ユニット1の投写光への干渉を防止しつつ、奥行寸法Dを小さくしてプロジェクタ装置を薄型化することが可能になる。特に、奥行寸法Dがスクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足するような、従来実現できなかった薄型のプロジェクタ装置を実現することができる。
【0024】
さらに、双曲面ミラー2による発散作用を利用して縦方向画角ω1を大きくすることができるため、投写レンズ11の縦方向画角ω2は比較的小さくて済み、その結果、投写レンズ11を含む光学系の設計負担を軽減することができる。また、投写レンズ11を含む光学ユニット1を双曲面ミラー2の下方に配置することにより、光学ユニット1が双曲面ミラー2よりも後方に突出しない構成が可能になり、プロジェクタ装置の薄型化に一層資することができる。
【0025】
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2に係るプロジェクタ装置の側断面図である。図8において、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付す。本実施の形態では、実施の形態1よりも縦方向画角ω1を大きくし、投写レンズ11の光軸3をZ方向に対して傾斜させ、投写レンズ11の瞳位置P2をスクリーン4側にさらに接近させている。これにより、投写レンズ11を含む光学ユニット1は、スクリーン4の下端41の近傍に配置される。この実施の形態2においても、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、スクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足する。
【0026】
スクリーン4から瞳位置P1までの距離(投写距離)T、奥行寸法D、縦方向画角ω1及び投写レンズ11の縦方向画角ω2の具体的な数値例を以下に示す。
T 0.38H
D 0.33H
ω1 105°
ω2 29.7°
【0027】
以上説明したように、この実施の形態2によれば、実施の形態1よりもさらに縦方向画角ω1を大きくすることができ、従ってプロジェクタ装置の奥行寸法Dをさらに小さくし、より薄型のプロジェクタ装置を得ることができる。
【0028】
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係るプロジェクタ装置の側断面図である。図9において、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付す。実施の形態3に係るプロジェクタ装置は、それぞれがスクリーン4、双曲面ミラー2及び光学ユニット1を含む複数の筐体6を上下に積み重ねて構成される。各筐体6において、投写レンズ11を含む光学ユニット1は、実施の形態1と同様、双曲面ミラー2の下方に配置されており、投写レンズ11の光軸3の方向はZ方向と略一致している。この実施の形態3においても、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、スクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足する。
【0029】
各筐体6は、前面がスクリーン4により構成されている。各筐体6は、さらに、スクリーン4に対向配置された背板62、並びにこれらの下側及び上側にそれぞれ形成された底板63及び天板64を備えている。底板61は、Y方向における略中央部に段差63cを有しており、この段差63cよりも前側の部分63aが高く、後側の部分63bが低くなるよう構成されている。段差63cと後側部分63bと背板62とに囲まれた領域に、投写レンズ11を含む光学ユニット1が収容されている。スクリーン4は、底板63の前側部分63aと天板64との間で保持されている。底板63の前側部分63aの下方で且つ段差63cの前方には、凹部Bが形成されている。
【0030】
各筐体6の天板64は、Y方向における略中央部に段差64cを有しており、この段差64cよりも前側の部分64aが高く、後側の部分64bが低くなるよう構成されている。天板64の前側部分64aと段差64cとスクリーン4の上部とにより、略台形状のYZ断面を有する突出部Aが形成されている。
【0031】
2つの筐体6を上下に積み重ねてプロジェクタ装置を構成するときには、下側の筐体6の突出部Aが、上側の筐体6の凹部Bに収容される。これにより、上下の筐体6に取り付けられた2つのスクリーン4を、ほぼ隙間なく組み合わせることができる。なお、図10では、筐体6を上下2段に積み重ねたものを示したが、筐体6を3段以上積み重ねてもよい。このように構成された筐体6を、必要な個数だけ上下、左右若しくは上下左右に組み合わせることにより、マルチビジョンを構成することができる。
【0032】
以上説明したように、この実施の形態3によれば、筐体6のスクリーン4の下側に形成される凹部Bに、別の筐体6の上側に形成される突出部Aが係合するよう構成したので、筐体6内の無駄なスペースを減少させ、複数のスクリーン4を隙間なく組み合わせたマルチビジョンを構成することできる。
【0033】
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4に係るプロジェクタ装置の側断面図である。図10において、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付す。実施の形態4では、投写レンズ11の瞳位置P2を、光学ユニット1の投写光への干渉を生じない範囲で双曲面ミラー2に接近させ、且つ光学ユニット1をスクリーン4の下端41よりも上方に配置している。投写レンズ11の光軸3は、Z方向に対して傾斜している。
【0034】
すなわち、実施の形態4に係るプロジェクタ装置では、光学的な構成要素(光学ユニット1及び双曲面ミラー2)が、Z方向においてスクリーン4の下端41と上端42との間に位置している。尚、筐体5の形状は実施の形態1とほぼ同様だが、筐体5の前面はスクリーン4により構成されている。この実施の形態4においても、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、スクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足する。
【0035】
以上説明したように、この実施の形態4によれば、正面(すなわち、図中矢印Fで示す方向)から見るとスクリーン4以外のものが殆ど見えない、非常にコンパクトな構成のプロジェクタ装置を実現することができる。また、この実施の形態4における筐体5を上下及び左右に複数組み合わせると、それぞれの筐体5に取り付けられたスクリーン4をほぼ隙間なく組み合わせることができるため、マルチビジョンを構成することが可能になる。
【0036】
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係るプロジェクタ装置の側断面図である。図12は、実施の形態5に係るプロジェクタ装置を後方から(図11における矢印R方向から)見た概略図である。図11及び図12において、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付す。実施の形態5では、図12に示すように、光学ユニット1が、双曲面ミラー2の下方に、投写レンズ11の光軸がX方向を向くように配置されている。投写レンズ11の射出側(図12中左側)には、平面ミラーよりなる折り返しミラー7が設けられている。折り返しミラー7は、投写レンズ11からの投写光を双曲面ミラー2に向けて反射し、その光路を約90°折り曲げるものである。
【0037】
図11に示すように、光学ユニット1は、スクリーン4の下端41よりも上方に配置されている。これにより、プロジェクタ装置の光学的な構成要素(双曲面ミラー2、折り返しミラー7及び光学ユニット1)は、Z方向においてスクリーン4の下端41と上端42との間に位置することになる。また、折り返しミラー7及び光学ユニット1は、投写光との干渉を生じない範囲でスクリーン4に接近して配置されている。この実施の形態5においても、プロジェクタ装置の奥行寸法Dは、スクリーン4のZ方向寸法Hに対し、D<0.5Hの関係を満足する。
【0038】
以上説明したように、この実施の形態5によれば、折り返しミラー7を用いることにより、プロジェクタ装置の光学的な構成要素をZ方向においてスクリーン4の下端41と上端42との間に収容することができるため、正面(すなわち、図11中矢印Fで示す方向)から見ると、スクリーン4以外のものが殆ど見えない、非常にコンパクトな構成のプロジェクタ装置が得られる。加えて、実施の形態4に比較して縦方向画角ω1を大きくすることができるため、プロジェクタ装置の一層の薄型化を実現することができる。
【0039】
さらに、この実施の形態5における筐体5を上下及び左右に複数組み合わせると、それぞれの筐体5に取り付けられたスクリーン4をほぼ隙間なく組み合わせることができるため、マルチビジョンを構成することができる。
【0040】
なお、上述した各実施の形態では、スクリーン4への投写光は、スクリーン4に対して直交する方向に投写されていたが、スクリーン4に対して傾斜した方向に投写光が投写されるようにしてもよい。また、光学ユニット1の構成は、図2に示した構成に限らず、投写レンズ11の代わりにミラー等を用いてもよい。
【0041】
また、上記各実施の形態では、説明の便宜上、「上」及び「下」という表現を用いたが、これはプロジェクタ装置の使用時における向きを限定するものではない。すなわち、各実施の形態に係るプロジェクタ装置は、どのような向きで使用してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は、双曲面状の反射ミラーにより投写光を反射してスクリーンに投写するよう構成したので、光学ユニットの投写光への干渉を回避しつつ画角を大きくし、これによりプロジェクタ装置の奥行寸法を小さくすることができる。その結果、より薄型のプロジェクタ装置を実現することができる。また、反射ミラーにおける発散作用を利用して画角を大きくすることができるため、投写光学系における画角が比較的小さくて済み、その結果、投写光学系の設計負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るプロジェクタ装置の光学ユニットの一例を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るプロジェクタ装置の双曲面ミラーの形状を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1において生じる歪曲の例を模式的に示した図である。
【図5】この発明の実施の形態1に対する比較例であり、ミラーを用いない構成例を説明するための模式図である。
【図6】この発明の実施の形態1に対する比較例であり、1枚の平面ミラーを用いた構成例を説明するための模式図である。
【図7】この発明の実施の形態1に対する比較例であり、2枚の平面ミラーを用いた構成例を説明するための模式図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図11】この発明の実施の形態5に係るプロジェクタ装置の側断面図である。
【図12】この発明の実施の形態5に係るプロジェクタ装置を後方から見た概略図である。
【符号の説明】
1 光学ユニット、 2 双曲面ミラー、 3 光軸、 4 スクリーン、 5,6 筐体、 7 折り返しミラー、 10 ライトバルブ、 11 投写レンズ、 41 下端、 42 上端、 51,61 前板、 52,62 底板、 53,63 背板、 54,64 天板。
Claims (9)
- 光源を含み、照明光を射出する照明光学系と、前記照明光学系からの照明光を画像信号に応じて変調するライトバルブと、前記ライトバルブにより変調された光を投写する投写光学系とを有する光学ユニットと、
双曲面をなす凸状の反射面を有し、前記光学ユニットからの投写光を前記反射面により反射する反射ミラーと、
反射ミラーからの反射光が投写されるスクリーンと
を備えたことを特徴とするプロジェクタ装置。 - 前記投写光学系と前記反射ミラーとを含む光学系の瞳位置は、前記反射ミラーの前記双曲面の第1焦点と一致していることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ装置。
- 前記投写光学系の瞳位置は、前記反射ミラーの前記双曲面の第2焦点と一致していることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロジェクタ装置。
- 前記スクリーンは、その面において水平軸及び垂直軸が規定され、且つ前記垂直軸の方向に寸法Hを有し、
前記反射ミラー及び前記光学ユニットが、前記スクリーンから、前記スクリーンに直交する方向において距離Dの範囲内に配置され、
前記寸法Hと前記距離Dとが
D<0.5H
を満足することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載のプロジェクタ装置。 - 前記光学ユニットは、前記反射ミラーの下方に配置されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載のプロジェクタ装置。
- 前記光学ユニット、前記反射ミラー及び前記スクリーンが取り付けられた複数の前記筐体を、少なくとも上下に組み合わせることにより、マルチビジョンを構成することを特徴とする請求項5に記載のプロジェクタ装置。
- 各筐体は、前記スクリーンの上側に、前記スクリーンの上端を収容する突出部を有し、前記スクリーンの下側に、他の筐体の前記突出部を収容可能な凹部を有することを特徴とする請求項6に記載のプロジェクタ装置。
- 前記光学ユニット及び前記反射ミラーが、鉛直方向において、前記スクリーンの下端と上端との間に位置していることを特徴とする請求項5から7までのいずれかに記載のプロジェクタ装置。
- 前記光学ユニットは、前記反射ミラーの下方に配置されると共に、略水平方向に光を投写するよう構成され、
前記光学ユニットの射出側に、前記光学ユニットからの投写光を前記反射ミラーに向けて反射する折り返しミラーをさらに備えたことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載のプロジェクタ装置。
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