JP2004271450A - 接線力センサ及びステアリングホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】接線力を高精度に検出できる接線力センサを得る。
【解決手段】接線力センサ24では、上リム部及び下リム部に固定された一対の支持部26によって把持部28がステアリングホイールに支持されており、把持部28が把持されて回転操作されることで、各支持部26、上リム部及び下リム部が回転されて、車両が操舵される。ここで、把持部28と各支持部26との間に作用する荷重を薄型荷重検出素子32が検出するため、ステアリングホイールに作用する接線方向への接線力を薄型荷重検出素子32によって直接高精度に検出できる。さらに、支持部26に対する把持部28の軸周りの回転を回転防止ピン30によって阻止したため、把持部28、各支持部26、上リム部または下リム部に捩れ力が作用しても、接線力の検出において捩れ力の影響を受けることを防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】接線力センサ24では、上リム部及び下リム部に固定された一対の支持部26によって把持部28がステアリングホイールに支持されており、把持部28が把持されて回転操作されることで、各支持部26、上リム部及び下リム部が回転されて、車両が操舵される。ここで、把持部28と各支持部26との間に作用する荷重を薄型荷重検出素子32が検出するため、ステアリングホイールに作用する接線方向への接線力を薄型荷重検出素子32によって直接高精度に検出できる。さらに、支持部26に対する把持部28の軸周りの回転を回転防止ピン30によって阻止したため、把持部28、各支持部26、上リム部または下リム部に捩れ力が作用しても、接線力の検出において捩れ力の影響を受けることを防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接線力を検出する接線力センサ及びこの接線力センサを備えたステアリングホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵装置としては、所謂操舵角力計が設けられたステアリングホイールがある。このステアリングホイールでは、操舵角力計の変位計や歪ゲージがステアリングシャフト(ステアリングホイールの回転中心軸)に直に取り付けられており、これにより、ステアリングホイールの操舵角と操舵トルク(接線力(ステアリングホイールの外周部に作用する接線方向への荷重)のトルク)とが計測される(図11参照)。
【0003】
ところで、一般にステアリングホイールでは、操舵感評価におけるすっきり感評価が、所謂立ち上がりトルク(操舵角が0度の位置からの操舵初期における操舵トルク)を最重要視して、判断される。具体的には、立ち上がりトルクが線形である場合には、すっきり感評価が良くなる。
【0004】
しかしながら、上述の如く操舵角力計はステアリングシャフトに取り付けられている。このため、操舵角力計は、ステアリングホイールの外周部に作用する接線力を直接計測するものではなく、操舵角力計は操舵トルク(接線力)を高精度に計測できない。これにより、操舵角力計で操舵トルクを計測しても、立ち上がりトルクを種類の異なるステアリングホイール間(例えば図11のA車のステアリングホイールとB車のステアリングホイールとの間)で比較することが困難であるという問題がある(図11の枠C内参照)。
【0005】
また、せん断力(ずれ)を計測するセンサとしては、歪ゲージが内設されたせん断計測センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。このせん断計測センサは、計測対象の表面に設置されており、せん断計測センサの表面は計測対象の表面に作用するせん断力を受ける。これにより、せん断計測センサ(歪ゲージ)が計測対象の表面に作用するせん断力を計測する構成である。
【0006】
しかしながら、このようなせん断計測センサでは、計測対象が操作等されて計測対象に捩れ力が作用した場合には、せん断力の計測が捩れ力の影響を受けてしまうという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−136970公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、接線力を高精度に検出できる接線力センサ及びステアリングホイールを得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の接線力センサは、把持部と、前記把持部の端面と対向する対向面を備え、前記把持部の端面と前記対向面との間に間隙が形成され、該間隙の間で前記把持部が操舵時のステアリングホイールの回転運動における略接線方向に移動可能とされるように、前記把持部の両端部を前記ステアリングホイールに支持する一対の支持部と、前記把持部の端面の各々と前記支持部の対向面の各々との間に作用する荷重を検出する荷重検出部と、を備えている。
【0010】
請求項1に記載の接線力センサでは、一対の支持部によって把持部の両端部がステアリングホイールに支持されており、把持部の端面の各々と支持部の対向面の各々とが対向している。また、把持部の端面と支持部の対向面との間に間隙が形成されて、この間隙の間で把持部が操舵時のステアリングホイールの回転運動における略接線方向に移動可能とされている。
【0011】
ここで、把持部の端面の各々と支持部の対向面の各々との間に作用する荷重が、荷重検出部により検出される。このため、ステアリングホイールを操舵した際にステアリングホイールに作用する接線方向への荷重すなわち接線力を荷重検出部によって直接高精度に検出することができる。
【0012】
請求項2に記載の接線力センサは、請求項1に記載の接線力センサにおいて、前記荷重検出部を前記把持部の端面及び前記支持部の対向面のいずれか一方に貼着したことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の接線力センサでは、荷重検出部を把持部の端面及び支持部の対向面のいずれか一方に貼着したため、荷重検出部を把持部の端面と支持部の対向面との間に確実に保持することができる。
【0014】
請求項3に記載の接線力センサは、請求項1または請求項2に記載の接線力センサにおいて、前記把持部の軸回りの回転を阻止する阻止手段を設けたことを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の接線力センサでは、阻止手段が把持部の軸回りの回転を阻止するため、把持部や支持部に捩れ力が作用しても、捩れ力の影響を荷重検出部が受けることが防止される。これにより、接線力の検出において捩れ力の影響を受けることを防止できる。
【0016】
請求項4に記載の接線力センサは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の接線力センサにおいて、前記把持部に対する把持力を検出する検出部を前記把持部の側面に設けたことを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の接線力センサでは、把持部の側面に設けられた検出部が把持部に対する把持力を検出するため、接線力と併せて把持力をも検出することができる。
【0018】
請求項5に記載のステアリングホイールは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の接線力センサを備えている。
【0019】
請求項5に記載のステアリングホイールでも、上記と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図2には、本発明の接線力センサを備えて構成された実施の形態に係るステアリングホイール10が正面図にて示されている。
【0021】
本実施の形態に係るステアリングホイール10は、車両に設けられたものであり、かつ、操舵感計測用のものである。
【0022】
ステアリングホイール10は、中央において円柱状のボス部14を備えており、ボス部14は車両の図示しないステアリングシャフト(ステアリングホイール10の回転中心軸)に固定されている。ボス部14には複数の操舵角力計16が設けられており、操舵角力計16によりステアリングホイール10の操舵角(回転角)が検出(計測)される。
【0023】
ボス部14には、長板状のスポーク部18が所定数(本実施の形態では3つ)接続されており、所定数のスポーク部18はそれぞれボス部14から右斜め上方、左斜め上方及び下方へ延伸している。
【0024】
ボス部14からそれぞれ右斜め上方及び左斜め上方へ延伸する各スポーク部18の延伸先端には、上リム部20が接続されており、上リム部20は、円柱部材を円弧状に湾曲させて構成されて、ステアリングホイール10外周の上部を構成している。ボス部14から下方へ延伸するスポーク部18の延伸先端には、下リム部22が接続されており、下リム部22は、円柱部材を円弧状に湾曲させて構成されて、ステアリングホイール10外周の下部を構成している。ここで、上リム部20及び下リム部22が回転されることで、所定数のスポーク部18、ボス部14及びステアリングシャフトが回転されて、車両が操舵される。
【0025】
上リム部20の右端と下リム部22の右端との間及び上リム部20の左端と下リム部22の左端との間には、それぞれ略円柱状の接線力センサ24が設けられている。
【0026】
図1に示す如く、各接線力センサ24の上部及び下部にはそれぞれ有底円筒状の支持部26が設けられており、各支持部26の底壁は、支持部26の周壁から外側へ突出して、この突出部分(フランジ部)が固定部26Aとされている。各接線力センサ24の上側における支持部26の固定部26Aは、それぞれ上リム部20の右端及び左端に、ボルト27によって固定されている。各接線力センサ24の下側における支持部26の固定部26Aは、それぞれ下リム部22の右端及び左端に、ボルト27によって固定されている。これにより、各接線力センサ24では、上側の支持部26と下側の支持部26とが互いに対向する方向へ開口している。また、各支持部26の内部側における底面は、後述する把持部28の端面に対向する対向面26Bとされている。
【0027】
接線力センサ24には、把持部28が設けられており、把持部28は、略円柱状(棒状)に形成されて、その両端部がそれぞれ上側の支持部26内及び下側の支持部26内に嵌合されている。これにより、把持部28の各端面が各支持部26の対向面26Bと対向した状態で、把持部28の両端部が上側の支持部26及び下側の支持部26によってステアリングホイール10(上リム部20及び下リム部22)に支持されている。なお、把持部28は両端縁部28A以外が一様な円柱状とされており、これにより、把持部28は操作者の手指や掌に馴染むようにされている。
【0028】
各支持部26の周壁には、阻止手段としての棒状の回転防止ピン30が、支持部26の周壁を貫通し、先端が把持部28の周面(側面)に当接するように、固定されており、各回転防止ピン30が把持部28の周面を押圧することで、把持部28の軸周りの回転が阻止されている。
【0029】
把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間には間隙が形成されており、これにより、把持部28は、この間隙の間(上側の支持部26(対向面26B)と下側の支持部26(対向面26B)との間)で、把持部28の軸方向(操舵時のステアリングホイール10の回転運動における略接線方向)へ移動可能とされている。
【0030】
把持部28の両端縁部28Aは、それぞれ径が他の部位に比較して小さくされた円柱状の小径部とされており、把持部28における上側の小径部の上端面全体及び下側の小径部の下端面全体には、それぞれ荷重検出部としての薄型荷重検出素子32が配置されている。薄型荷重検出素子32は、把持部28の端面または支持部26の対向面26Bに接着(貼着)されて、把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間に圧縮されない状態で隙間なく(ガタなく)介在されている(挟まれている)。なお、薄型荷重検出素子32が把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間に保持された状態を維持できるならば、薄型荷重検出素子32を把持部28の端面及び支持部26の対向面26Bに接着しない構成としてもよい。
【0031】
薄型荷重検出素子32は、高分子薄膜に形成された導電性抵抗体を主原料とする電気抵抗変化型の荷重検出素子(半導体ロードセルや圧電型荷重素子)で構成されて、所謂直線性等の精度が良好な特性を有している(図5参照)。ここで、薄型荷重検出素子32は、ステアリングホイール10が回転操作されて把持部28が接線方向に移動する際に把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間に作用する接線力(ステアリングホイール10(把持部28)に作用する接線方向(回転操作方向)における荷重であり、操作者の手指、掌及び手腕(特に上腕)が感じる抵抗力に相当する)を検出(計測)する。
【0032】
図3に示す如く、薄型荷重検出素子32は、ダミー抵抗34、36、38と共にブリッジ回路40を構成するように接続されている。ダミー抵抗34とダミー抵抗36との間は接地されると共に、薄型荷重検出素子32とダミー抵抗38との間には所定の電圧が印加されており、薄型荷重検出素子32とダミー抵抗34との間及びダミー抵抗36とダミー抵抗38との間からブリッジ回路40の出力電圧が出力される。図4に示す如く、ブリッジ回路40の出力電圧は、検出回路を構成する増幅器42(増幅回路)及びA/D変換器44(波形処理回路)更にはインターフェース46を経て、パーソナルコンピュータ48に記憶される。
【0033】
把持部28の軸方向中央における周面(側面)には、表側(運転席側)の周方向中央及び裏側(反運転席側)の周方向中央において、それぞれ検出部としての薄型荷重検出素子50が接着されている。薄型荷重検出素子50は、薄型荷重検出素子32と同様に構成されており、薄型荷重検出素子50は、把持部28が回転操作される際に把持部28に対する操作者の把持力(押圧力であり、操作者がステアリングホイール10を把持して操舵している際に手指や掌が感じる手応えに相当する)を検出(計測)する。
【0034】
薄型荷重検出素子50は、薄型荷重検出素子32と同様に、ダミー抵抗34、36、38と共にブリッジ回路52(図4参照)を構成するように接続されている(図3参照)。ダミー抵抗34とダミー抵抗36との間は接地されると共に、薄型荷重検出素子50とダミー抵抗38との間には所定の電圧が印加されており、薄型荷重検出素子50とダミー抵抗34との間及びダミー抵抗36とダミー抵抗38との間からブリッジ回路52の出力電圧が出力される。図4に示す如く、ブリッジ回路52の出力電圧は、ブリッジ回路40の出力電圧と同様に、検出回路を構成する増幅器42(増幅回路)及びA/D変換器44(波形処理回路)更にはインターフェース46を経て、パーソナルコンピュータ48に記憶される構成である。
【0035】
以上の構成のステアリングホイール10では、上リム部20及び下リム部22の左右両端に支持部26が固定されており、右側の一対の支持部26及び左側の一対の支持部26によって、それぞれ把持部28の両端部がステアリングホイール10に支持されている。これにより、各把持部28の各端面と各支持部26の対向面26Bとが対向しており、把持部28が把持された状態で回転操作されることで、各支持部26、上リム部20及び下リム部22が回転される。このため、所定数のスポーク部18、ボス部14及びステアリングシャフトが回転されて、車両が操舵される。そして、操舵に応じて接線力検出信号、把持力検出信号、及び操舵角検出信号が得られる。
【0036】
このため、図6に示す如く、ステアリングホイール10では、操舵角(操舵角力計16の検出値)が0度の位置からの操舵初期における接線力を、種類の異なるステアリングホイール10間(例えば図6のA車のステアリングホイール10とB車のステアリングホイール10との間)で良好に比較することができる(図6の枠C内参照)。これにより、立ち上がりトルク(前記操舵初期における操舵トルク(接線力のトルク))を種類の異なるステアリングホイール10間で良好に比較することができ、操舵感評価におけるすっきり感評価を良好に行うことができる。
【0037】
しかも、薄型荷重検出素子32は直線性等の精度が良好な特性を有しているので、接線力を一層高精度に検出することができる。
【0038】
さらに、薄型荷重検出素子32は、把持部28における径が他の部位に比較して小さくされた小径部である端縁部28Aに配置されるため、薄型荷重検出素子32の面積が小さくなる。このため、薄型荷重検出素子32に作用する単位面積当たりの接線力が大きくなる。しかも、把持部28の端面全体が薄型荷重検出素子32で覆われているため、薄型荷重検出素子32に接線力が作用して圧縮された際でも、把持部28の端面が支持部26の対向面26Bに接触することが阻止される。これにより、接線力を更に一層高精度に検出することができる。
【0039】
また、把持部28の周面が各支持部26に固定された回転防止ピン30に押圧されることで、各支持部26に対する把持部28の軸周りの回転が阻止されている。このため、各把持部28、各支持部26、上リム部20及び下リム部22の少なくとも1つに捩れ力が作用しても、この捩れ力の影響を薄型荷重検出素子32が受けることが防止される。これにより、接線力の検出において捩れ力の影響を受けることを防止できる。
【0040】
さらに、薄型荷重検出素子32毎に接線力が検出される。これにより、図7に示す如く、右上の薄型荷重検出素子32が検出した接線力(図7では「接線右上」と表示)、右下の薄型荷重検出素子32が検出した接線力(図7では「接線右下」と表示)、左上の薄型荷重検出素子32が検出した接線力(図7では「接線左上」と表示)、及び、左下の薄型荷重検出素子32が検出した接線力(図7では「接線左下」と表示)を、別々に検出することができる。
【0041】
また、薄型荷重検出素子32を把持部28の端面または支持部26のこの端面と対向する対向面26Bに接着したため、薄型荷重検出素子32を把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間に確実に保持することができる。
【0042】
さらにまた、把持部28の周面に設けられた薄型荷重検出素子50が、把持部28が回転操作される際における把持部28に対する把持力を検出する。このため、接線力と併せて把持力をも検出することができる。
【0043】
しかも、薄型荷重検出素子50も同様に直線性等の精度が良好な特性を有しているので、把持力を高精度に検出することができる。
【0044】
さらに、薄型荷重検出素子50毎に把持力が検出される。これにより、図8に示す如く、操作者の右手による右側の把持部28の押し力または引き力(図8では「右手」と表示)、及び、操作者の左手による左側の把持部28の押し力または引き力(図8では「左手」と表示)を、別々に検出することができる。なお、把持部28の押し力または引き力は、把持部28の表側の薄型荷重検出素子50の検出値から把持部28の裏側の薄型荷重検出素子50の検出値を引いた差引値(図8では「差引荷重」と表示)から求められ、差引値がプラスであれば差引値の大きさの押し力が把持部28に作用していることになり、差引値がマイナスであれば差引値の絶対値の大きさの引き力が把持部28に作用していることになる。
【0045】
なお、本実施の形態では、把持部28の周面を回転防止ピン30が押圧することで支持部26に対する把持部28の軸周りの回転を阻止した構成としたが、例えば支持部(操舵部材)を非円形(楕円形や多角形)の有底の筒状とすると共にこれに対応して把持部(移動部材)の少なくとも支持部嵌合部分を非円形(楕円形や多角形)の柱状とすることで、把持部を支持部と軸周りの回転が阻止される状態に嵌合した構成としてもよい。
【0046】
さらに、本実施の形態では、接線力センサ24(把持部28を含む)が湾曲されない構成としたが、図9に示す第1変形例に係るステアリングホイール60(操舵装置)の如く、接線力センサ62(把持部及び一対の支持部を含む)が上リム部20及び下リム部22と同様に円弧状に湾曲された構成としてもよい。
【0047】
また、本実施の形態では、ステアリングホイール10が円弧状に湾曲された上リム部20及び下リム部22を有する構成としたが、ステアリングホイール(操舵装置)を他のタイプのもの(例えば図10に示す第2変形例に係るステアリングホイール70)にしてもよい。
【0048】
ここで、図10に示すステアリングホイール70では、ボス部14に長板状のスポーク部72が4つ接続されており、4つのスポーク部72はそれぞれボス部14から右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方及び左斜め下方へ延伸している。
【0049】
ボス部14から右斜め上方及び右斜め下方へ延伸する各スポーク部72の延伸先端には、それぞれ右リム部74が接続されると共に、ボス部14から左斜め上方及び左斜め下方へ延伸する各スポーク部72の延伸先端には、それぞれ左リム部76が接続されており、各右リム部74及び各左リム部76は、それぞれ円柱状とされて上下方向に平行に配置されている。さらに、一対の右リム部74間及び一対の左リム部76間には、それぞれ接線力センサ24が設けられている。
【0050】
さらに、本実施の形態(第1変形例及び第2変形例を含む)では、本発明を車両のステアリングホイールに適用した例について説明したが、本発明を車両以外の操舵装置(例えば、船、航空機、遊技機等の操舵装置)に適用してもよい。
【0051】
【発明の効果】
請求項1に記載の接線力センサでは、把持部の端面と支持部の対向面との間に作用する荷重が荷重検出部によって検出されるため、接線力を直接高精度に検出することができる。
【0052】
請求項2に記載の接線力センサでは、荷重検出部を把持部の端面及び支持部の対向面のいずれか一方に貼着したため、荷重検出部を把持部の端面と支持部の対向面との間に確実に保持することができる。
【0053】
請求項3に記載の接線力センサでは、阻止手段が把持部の軸回りの回転を阻止するため、把持部や支持部に捩れ力が作用しても、接線力の検出において捩れ力の影響を受けることを防止できる。
【0054】
請求項4に記載の接線力センサでは、検出部が把持部に対する把持力を検出するため、接線力と併せて把持力をも検出することができる。
【0055】
請求項5に記載のステアリングホイールでも、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおける接線力センサを示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールを示す概略的な正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおける薄型荷重検出素子が構成するブリッチ回路を詳細に示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおける接線力検出構造及び把持力検出構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおける薄型荷重検出素子の特性(作用荷重と出力電圧との関係)を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおいて車両走行中に操舵角力計により検出されたステアリングホイールの操舵角と接線力センサにより検出された接線力との関係をA車とB車とのステアリングホイールについて示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおいてステアリングホイールの操舵時間と各接線力センサにより検出された接線力との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおいてステアリングホイールの操舵時間とステアリングホイールの表側及び裏側の把持力センサにより検出された差引荷重との関係を右側の把持部と左側の把持部とについて示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態の第1変形例に係るステアリングホイールを示す正面図である。
【図10】本発明の実施の形態の第2変形例に係るステアリングホイールを示す正面図である。
【図11】従来のステアリングホイールにおいて車両走行中に操舵角力計により検出されたステアリングホイールの操舵角と操舵トルクとの関係をA車とB車とのステアリングホイールについて示すグラフである。
【符号の説明】
10 ステアリングホイール
24 接線力センサ
26 支持部
26A 対向面
28 把持部
30 回転防止ピン(阻止手段)
32 薄型荷重検出素子(荷重検出部)
50 薄型荷重検出素子(検出部)
60 ステアリングホイール
62 接線力センサ
70 ステアリングホイール
【発明の属する技術分野】
本発明は、接線力を検出する接線力センサ及びこの接線力センサを備えたステアリングホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵装置としては、所謂操舵角力計が設けられたステアリングホイールがある。このステアリングホイールでは、操舵角力計の変位計や歪ゲージがステアリングシャフト(ステアリングホイールの回転中心軸)に直に取り付けられており、これにより、ステアリングホイールの操舵角と操舵トルク(接線力(ステアリングホイールの外周部に作用する接線方向への荷重)のトルク)とが計測される(図11参照)。
【0003】
ところで、一般にステアリングホイールでは、操舵感評価におけるすっきり感評価が、所謂立ち上がりトルク(操舵角が0度の位置からの操舵初期における操舵トルク)を最重要視して、判断される。具体的には、立ち上がりトルクが線形である場合には、すっきり感評価が良くなる。
【0004】
しかしながら、上述の如く操舵角力計はステアリングシャフトに取り付けられている。このため、操舵角力計は、ステアリングホイールの外周部に作用する接線力を直接計測するものではなく、操舵角力計は操舵トルク(接線力)を高精度に計測できない。これにより、操舵角力計で操舵トルクを計測しても、立ち上がりトルクを種類の異なるステアリングホイール間(例えば図11のA車のステアリングホイールとB車のステアリングホイールとの間)で比較することが困難であるという問題がある(図11の枠C内参照)。
【0005】
また、せん断力(ずれ)を計測するセンサとしては、歪ゲージが内設されたせん断計測センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。このせん断計測センサは、計測対象の表面に設置されており、せん断計測センサの表面は計測対象の表面に作用するせん断力を受ける。これにより、せん断計測センサ(歪ゲージ)が計測対象の表面に作用するせん断力を計測する構成である。
【0006】
しかしながら、このようなせん断計測センサでは、計測対象が操作等されて計測対象に捩れ力が作用した場合には、せん断力の計測が捩れ力の影響を受けてしまうという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−136970公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、接線力を高精度に検出できる接線力センサ及びステアリングホイールを得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の接線力センサは、把持部と、前記把持部の端面と対向する対向面を備え、前記把持部の端面と前記対向面との間に間隙が形成され、該間隙の間で前記把持部が操舵時のステアリングホイールの回転運動における略接線方向に移動可能とされるように、前記把持部の両端部を前記ステアリングホイールに支持する一対の支持部と、前記把持部の端面の各々と前記支持部の対向面の各々との間に作用する荷重を検出する荷重検出部と、を備えている。
【0010】
請求項1に記載の接線力センサでは、一対の支持部によって把持部の両端部がステアリングホイールに支持されており、把持部の端面の各々と支持部の対向面の各々とが対向している。また、把持部の端面と支持部の対向面との間に間隙が形成されて、この間隙の間で把持部が操舵時のステアリングホイールの回転運動における略接線方向に移動可能とされている。
【0011】
ここで、把持部の端面の各々と支持部の対向面の各々との間に作用する荷重が、荷重検出部により検出される。このため、ステアリングホイールを操舵した際にステアリングホイールに作用する接線方向への荷重すなわち接線力を荷重検出部によって直接高精度に検出することができる。
【0012】
請求項2に記載の接線力センサは、請求項1に記載の接線力センサにおいて、前記荷重検出部を前記把持部の端面及び前記支持部の対向面のいずれか一方に貼着したことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の接線力センサでは、荷重検出部を把持部の端面及び支持部の対向面のいずれか一方に貼着したため、荷重検出部を把持部の端面と支持部の対向面との間に確実に保持することができる。
【0014】
請求項3に記載の接線力センサは、請求項1または請求項2に記載の接線力センサにおいて、前記把持部の軸回りの回転を阻止する阻止手段を設けたことを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の接線力センサでは、阻止手段が把持部の軸回りの回転を阻止するため、把持部や支持部に捩れ力が作用しても、捩れ力の影響を荷重検出部が受けることが防止される。これにより、接線力の検出において捩れ力の影響を受けることを防止できる。
【0016】
請求項4に記載の接線力センサは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の接線力センサにおいて、前記把持部に対する把持力を検出する検出部を前記把持部の側面に設けたことを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の接線力センサでは、把持部の側面に設けられた検出部が把持部に対する把持力を検出するため、接線力と併せて把持力をも検出することができる。
【0018】
請求項5に記載のステアリングホイールは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の接線力センサを備えている。
【0019】
請求項5に記載のステアリングホイールでも、上記と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図2には、本発明の接線力センサを備えて構成された実施の形態に係るステアリングホイール10が正面図にて示されている。
【0021】
本実施の形態に係るステアリングホイール10は、車両に設けられたものであり、かつ、操舵感計測用のものである。
【0022】
ステアリングホイール10は、中央において円柱状のボス部14を備えており、ボス部14は車両の図示しないステアリングシャフト(ステアリングホイール10の回転中心軸)に固定されている。ボス部14には複数の操舵角力計16が設けられており、操舵角力計16によりステアリングホイール10の操舵角(回転角)が検出(計測)される。
【0023】
ボス部14には、長板状のスポーク部18が所定数(本実施の形態では3つ)接続されており、所定数のスポーク部18はそれぞれボス部14から右斜め上方、左斜め上方及び下方へ延伸している。
【0024】
ボス部14からそれぞれ右斜め上方及び左斜め上方へ延伸する各スポーク部18の延伸先端には、上リム部20が接続されており、上リム部20は、円柱部材を円弧状に湾曲させて構成されて、ステアリングホイール10外周の上部を構成している。ボス部14から下方へ延伸するスポーク部18の延伸先端には、下リム部22が接続されており、下リム部22は、円柱部材を円弧状に湾曲させて構成されて、ステアリングホイール10外周の下部を構成している。ここで、上リム部20及び下リム部22が回転されることで、所定数のスポーク部18、ボス部14及びステアリングシャフトが回転されて、車両が操舵される。
【0025】
上リム部20の右端と下リム部22の右端との間及び上リム部20の左端と下リム部22の左端との間には、それぞれ略円柱状の接線力センサ24が設けられている。
【0026】
図1に示す如く、各接線力センサ24の上部及び下部にはそれぞれ有底円筒状の支持部26が設けられており、各支持部26の底壁は、支持部26の周壁から外側へ突出して、この突出部分(フランジ部)が固定部26Aとされている。各接線力センサ24の上側における支持部26の固定部26Aは、それぞれ上リム部20の右端及び左端に、ボルト27によって固定されている。各接線力センサ24の下側における支持部26の固定部26Aは、それぞれ下リム部22の右端及び左端に、ボルト27によって固定されている。これにより、各接線力センサ24では、上側の支持部26と下側の支持部26とが互いに対向する方向へ開口している。また、各支持部26の内部側における底面は、後述する把持部28の端面に対向する対向面26Bとされている。
【0027】
接線力センサ24には、把持部28が設けられており、把持部28は、略円柱状(棒状)に形成されて、その両端部がそれぞれ上側の支持部26内及び下側の支持部26内に嵌合されている。これにより、把持部28の各端面が各支持部26の対向面26Bと対向した状態で、把持部28の両端部が上側の支持部26及び下側の支持部26によってステアリングホイール10(上リム部20及び下リム部22)に支持されている。なお、把持部28は両端縁部28A以外が一様な円柱状とされており、これにより、把持部28は操作者の手指や掌に馴染むようにされている。
【0028】
各支持部26の周壁には、阻止手段としての棒状の回転防止ピン30が、支持部26の周壁を貫通し、先端が把持部28の周面(側面)に当接するように、固定されており、各回転防止ピン30が把持部28の周面を押圧することで、把持部28の軸周りの回転が阻止されている。
【0029】
把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間には間隙が形成されており、これにより、把持部28は、この間隙の間(上側の支持部26(対向面26B)と下側の支持部26(対向面26B)との間)で、把持部28の軸方向(操舵時のステアリングホイール10の回転運動における略接線方向)へ移動可能とされている。
【0030】
把持部28の両端縁部28Aは、それぞれ径が他の部位に比較して小さくされた円柱状の小径部とされており、把持部28における上側の小径部の上端面全体及び下側の小径部の下端面全体には、それぞれ荷重検出部としての薄型荷重検出素子32が配置されている。薄型荷重検出素子32は、把持部28の端面または支持部26の対向面26Bに接着(貼着)されて、把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間に圧縮されない状態で隙間なく(ガタなく)介在されている(挟まれている)。なお、薄型荷重検出素子32が把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間に保持された状態を維持できるならば、薄型荷重検出素子32を把持部28の端面及び支持部26の対向面26Bに接着しない構成としてもよい。
【0031】
薄型荷重検出素子32は、高分子薄膜に形成された導電性抵抗体を主原料とする電気抵抗変化型の荷重検出素子(半導体ロードセルや圧電型荷重素子)で構成されて、所謂直線性等の精度が良好な特性を有している(図5参照)。ここで、薄型荷重検出素子32は、ステアリングホイール10が回転操作されて把持部28が接線方向に移動する際に把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間に作用する接線力(ステアリングホイール10(把持部28)に作用する接線方向(回転操作方向)における荷重であり、操作者の手指、掌及び手腕(特に上腕)が感じる抵抗力に相当する)を検出(計測)する。
【0032】
図3に示す如く、薄型荷重検出素子32は、ダミー抵抗34、36、38と共にブリッジ回路40を構成するように接続されている。ダミー抵抗34とダミー抵抗36との間は接地されると共に、薄型荷重検出素子32とダミー抵抗38との間には所定の電圧が印加されており、薄型荷重検出素子32とダミー抵抗34との間及びダミー抵抗36とダミー抵抗38との間からブリッジ回路40の出力電圧が出力される。図4に示す如く、ブリッジ回路40の出力電圧は、検出回路を構成する増幅器42(増幅回路)及びA/D変換器44(波形処理回路)更にはインターフェース46を経て、パーソナルコンピュータ48に記憶される。
【0033】
把持部28の軸方向中央における周面(側面)には、表側(運転席側)の周方向中央及び裏側(反運転席側)の周方向中央において、それぞれ検出部としての薄型荷重検出素子50が接着されている。薄型荷重検出素子50は、薄型荷重検出素子32と同様に構成されており、薄型荷重検出素子50は、把持部28が回転操作される際に把持部28に対する操作者の把持力(押圧力であり、操作者がステアリングホイール10を把持して操舵している際に手指や掌が感じる手応えに相当する)を検出(計測)する。
【0034】
薄型荷重検出素子50は、薄型荷重検出素子32と同様に、ダミー抵抗34、36、38と共にブリッジ回路52(図4参照)を構成するように接続されている(図3参照)。ダミー抵抗34とダミー抵抗36との間は接地されると共に、薄型荷重検出素子50とダミー抵抗38との間には所定の電圧が印加されており、薄型荷重検出素子50とダミー抵抗34との間及びダミー抵抗36とダミー抵抗38との間からブリッジ回路52の出力電圧が出力される。図4に示す如く、ブリッジ回路52の出力電圧は、ブリッジ回路40の出力電圧と同様に、検出回路を構成する増幅器42(増幅回路)及びA/D変換器44(波形処理回路)更にはインターフェース46を経て、パーソナルコンピュータ48に記憶される構成である。
【0035】
以上の構成のステアリングホイール10では、上リム部20及び下リム部22の左右両端に支持部26が固定されており、右側の一対の支持部26及び左側の一対の支持部26によって、それぞれ把持部28の両端部がステアリングホイール10に支持されている。これにより、各把持部28の各端面と各支持部26の対向面26Bとが対向しており、把持部28が把持された状態で回転操作されることで、各支持部26、上リム部20及び下リム部22が回転される。このため、所定数のスポーク部18、ボス部14及びステアリングシャフトが回転されて、車両が操舵される。そして、操舵に応じて接線力検出信号、把持力検出信号、及び操舵角検出信号が得られる。
【0036】
このため、図6に示す如く、ステアリングホイール10では、操舵角(操舵角力計16の検出値)が0度の位置からの操舵初期における接線力を、種類の異なるステアリングホイール10間(例えば図6のA車のステアリングホイール10とB車のステアリングホイール10との間)で良好に比較することができる(図6の枠C内参照)。これにより、立ち上がりトルク(前記操舵初期における操舵トルク(接線力のトルク))を種類の異なるステアリングホイール10間で良好に比較することができ、操舵感評価におけるすっきり感評価を良好に行うことができる。
【0037】
しかも、薄型荷重検出素子32は直線性等の精度が良好な特性を有しているので、接線力を一層高精度に検出することができる。
【0038】
さらに、薄型荷重検出素子32は、把持部28における径が他の部位に比較して小さくされた小径部である端縁部28Aに配置されるため、薄型荷重検出素子32の面積が小さくなる。このため、薄型荷重検出素子32に作用する単位面積当たりの接線力が大きくなる。しかも、把持部28の端面全体が薄型荷重検出素子32で覆われているため、薄型荷重検出素子32に接線力が作用して圧縮された際でも、把持部28の端面が支持部26の対向面26Bに接触することが阻止される。これにより、接線力を更に一層高精度に検出することができる。
【0039】
また、把持部28の周面が各支持部26に固定された回転防止ピン30に押圧されることで、各支持部26に対する把持部28の軸周りの回転が阻止されている。このため、各把持部28、各支持部26、上リム部20及び下リム部22の少なくとも1つに捩れ力が作用しても、この捩れ力の影響を薄型荷重検出素子32が受けることが防止される。これにより、接線力の検出において捩れ力の影響を受けることを防止できる。
【0040】
さらに、薄型荷重検出素子32毎に接線力が検出される。これにより、図7に示す如く、右上の薄型荷重検出素子32が検出した接線力(図7では「接線右上」と表示)、右下の薄型荷重検出素子32が検出した接線力(図7では「接線右下」と表示)、左上の薄型荷重検出素子32が検出した接線力(図7では「接線左上」と表示)、及び、左下の薄型荷重検出素子32が検出した接線力(図7では「接線左下」と表示)を、別々に検出することができる。
【0041】
また、薄型荷重検出素子32を把持部28の端面または支持部26のこの端面と対向する対向面26Bに接着したため、薄型荷重検出素子32を把持部28の端面と支持部26の対向面26Bとの間に確実に保持することができる。
【0042】
さらにまた、把持部28の周面に設けられた薄型荷重検出素子50が、把持部28が回転操作される際における把持部28に対する把持力を検出する。このため、接線力と併せて把持力をも検出することができる。
【0043】
しかも、薄型荷重検出素子50も同様に直線性等の精度が良好な特性を有しているので、把持力を高精度に検出することができる。
【0044】
さらに、薄型荷重検出素子50毎に把持力が検出される。これにより、図8に示す如く、操作者の右手による右側の把持部28の押し力または引き力(図8では「右手」と表示)、及び、操作者の左手による左側の把持部28の押し力または引き力(図8では「左手」と表示)を、別々に検出することができる。なお、把持部28の押し力または引き力は、把持部28の表側の薄型荷重検出素子50の検出値から把持部28の裏側の薄型荷重検出素子50の検出値を引いた差引値(図8では「差引荷重」と表示)から求められ、差引値がプラスであれば差引値の大きさの押し力が把持部28に作用していることになり、差引値がマイナスであれば差引値の絶対値の大きさの引き力が把持部28に作用していることになる。
【0045】
なお、本実施の形態では、把持部28の周面を回転防止ピン30が押圧することで支持部26に対する把持部28の軸周りの回転を阻止した構成としたが、例えば支持部(操舵部材)を非円形(楕円形や多角形)の有底の筒状とすると共にこれに対応して把持部(移動部材)の少なくとも支持部嵌合部分を非円形(楕円形や多角形)の柱状とすることで、把持部を支持部と軸周りの回転が阻止される状態に嵌合した構成としてもよい。
【0046】
さらに、本実施の形態では、接線力センサ24(把持部28を含む)が湾曲されない構成としたが、図9に示す第1変形例に係るステアリングホイール60(操舵装置)の如く、接線力センサ62(把持部及び一対の支持部を含む)が上リム部20及び下リム部22と同様に円弧状に湾曲された構成としてもよい。
【0047】
また、本実施の形態では、ステアリングホイール10が円弧状に湾曲された上リム部20及び下リム部22を有する構成としたが、ステアリングホイール(操舵装置)を他のタイプのもの(例えば図10に示す第2変形例に係るステアリングホイール70)にしてもよい。
【0048】
ここで、図10に示すステアリングホイール70では、ボス部14に長板状のスポーク部72が4つ接続されており、4つのスポーク部72はそれぞれボス部14から右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方及び左斜め下方へ延伸している。
【0049】
ボス部14から右斜め上方及び右斜め下方へ延伸する各スポーク部72の延伸先端には、それぞれ右リム部74が接続されると共に、ボス部14から左斜め上方及び左斜め下方へ延伸する各スポーク部72の延伸先端には、それぞれ左リム部76が接続されており、各右リム部74及び各左リム部76は、それぞれ円柱状とされて上下方向に平行に配置されている。さらに、一対の右リム部74間及び一対の左リム部76間には、それぞれ接線力センサ24が設けられている。
【0050】
さらに、本実施の形態(第1変形例及び第2変形例を含む)では、本発明を車両のステアリングホイールに適用した例について説明したが、本発明を車両以外の操舵装置(例えば、船、航空機、遊技機等の操舵装置)に適用してもよい。
【0051】
【発明の効果】
請求項1に記載の接線力センサでは、把持部の端面と支持部の対向面との間に作用する荷重が荷重検出部によって検出されるため、接線力を直接高精度に検出することができる。
【0052】
請求項2に記載の接線力センサでは、荷重検出部を把持部の端面及び支持部の対向面のいずれか一方に貼着したため、荷重検出部を把持部の端面と支持部の対向面との間に確実に保持することができる。
【0053】
請求項3に記載の接線力センサでは、阻止手段が把持部の軸回りの回転を阻止するため、把持部や支持部に捩れ力が作用しても、接線力の検出において捩れ力の影響を受けることを防止できる。
【0054】
請求項4に記載の接線力センサでは、検出部が把持部に対する把持力を検出するため、接線力と併せて把持力をも検出することができる。
【0055】
請求項5に記載のステアリングホイールでも、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおける接線力センサを示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールを示す概略的な正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおける薄型荷重検出素子が構成するブリッチ回路を詳細に示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおける接線力検出構造及び把持力検出構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおける薄型荷重検出素子の特性(作用荷重と出力電圧との関係)を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおいて車両走行中に操舵角力計により検出されたステアリングホイールの操舵角と接線力センサにより検出された接線力との関係をA車とB車とのステアリングホイールについて示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおいてステアリングホイールの操舵時間と各接線力センサにより検出された接線力との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態に係るステアリングホイールにおいてステアリングホイールの操舵時間とステアリングホイールの表側及び裏側の把持力センサにより検出された差引荷重との関係を右側の把持部と左側の把持部とについて示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態の第1変形例に係るステアリングホイールを示す正面図である。
【図10】本発明の実施の形態の第2変形例に係るステアリングホイールを示す正面図である。
【図11】従来のステアリングホイールにおいて車両走行中に操舵角力計により検出されたステアリングホイールの操舵角と操舵トルクとの関係をA車とB車とのステアリングホイールについて示すグラフである。
【符号の説明】
10 ステアリングホイール
24 接線力センサ
26 支持部
26A 対向面
28 把持部
30 回転防止ピン(阻止手段)
32 薄型荷重検出素子(荷重検出部)
50 薄型荷重検出素子(検出部)
60 ステアリングホイール
62 接線力センサ
70 ステアリングホイール
Claims (5)
- 把持部と、
前記把持部の端面と対向する対向面を備え、前記把持部の端面と前記対向面との間に間隙が形成され、該間隙の間で前記把持部が操舵時のステアリングホイールの回転運動における略接線方向に移動可能とされるように、前記把持部の両端部を前記ステアリングホイールに支持する一対の支持部と、
前記把持部の端面の各々と前記支持部の対向面の各々との間に作用する荷重を検出する荷重検出部と、
を備えた接線力センサ。 - 前記荷重検出部を前記把持部の端面及び前記支持部の対向面のいずれか一方に貼着した請求項1記載の接線力センサ。
- 前記把持部の軸回りの回転を阻止する阻止手段を設けた請求項1または請求項2記載の接線力センサ。
- 前記把持部に対する把持力を検出する検出部を前記把持部の側面に設けた請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の接線力センサ。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の接線力センサを備えたステアリングホイール。
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JP2008164421A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Kyowa Electron Instr Co Ltd | ステアリング操作力計 |
WO2008133099A1 (ja) * | 2007-04-20 | 2008-11-06 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | 操舵操作力検出装置 |
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2003
- 2003-03-11 JP JP2003065373A patent/JP2004271450A/ja active Pending
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