JP2004270772A - 締結具 - Google Patents
締結具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004270772A JP2004270772A JP2003060818A JP2003060818A JP2004270772A JP 2004270772 A JP2004270772 A JP 2004270772A JP 2003060818 A JP2003060818 A JP 2003060818A JP 2003060818 A JP2003060818 A JP 2003060818A JP 2004270772 A JP2004270772 A JP 2004270772A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pin
- grommet
- head
- fastener
- insertion hole
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Dowels (AREA)
Abstract
【課題】取り外しがどの角度からでも可能な締結具の提供。
【解決手段】グロメット1とピン2の2部品から成り、グロメット1は、上面に凹部3を有するフランジ部4と拡開可能な脚部5を備え、フランジ部4の中央から脚部5の内部にかけて挿入孔6を形成すると共に、脚部5の対向する内壁面に係止部7を形成し、ピン2は、上面に操作溝8を有する頭部9と上記挿入孔6に挿入される軸部10を備え、軸部10の途中に上記係止部7が係止するネジ面11を形成した締結具であって、上記ピン2の頭部9周面に工具先端が係合する係合面12を形成して、該係合面12に係合した工具先端で、ピン2をグロメット1の挿入孔6から引き抜けるように構成したことにより、ピン2を上方からでも側方からでも取り外すことが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】グロメット1とピン2の2部品から成り、グロメット1は、上面に凹部3を有するフランジ部4と拡開可能な脚部5を備え、フランジ部4の中央から脚部5の内部にかけて挿入孔6を形成すると共に、脚部5の対向する内壁面に係止部7を形成し、ピン2は、上面に操作溝8を有する頭部9と上記挿入孔6に挿入される軸部10を備え、軸部10の途中に上記係止部7が係止するネジ面11を形成した締結具であって、上記ピン2の頭部9周面に工具先端が係合する係合面12を形成して、該係合面12に係合した工具先端で、ピン2をグロメット1の挿入孔6から引き抜けるように構成したことにより、ピン2を上方からでも側方からでも取り外すことが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グロメットとピンの2部品から成り、少なくとも、2枚のパネル材を一方向からワンタッチで締結できる締結具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種締結具は、具体的には図示しないが、いずれも合成樹脂で一体成形されたグロメットとピンの2部品から成り、前者のグロメットは、上面に凹部を有するフランジ部と拡開可能な脚部を備え、フランジ部の中央から脚部の内部にかけて後述するピンの軸部を挿入する挿入孔を形成すると共に、脚部の対向する内壁面にピンの軸部に付与されたネジ面に係止する一対の係止爪を形成してなり、後者のピンは、上面に操作溝を有する頭部と上記挿入孔に挿入される軸部を備え、軸部の途中にネジ面を形成する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、実際の使用に際しては、グロメットにピンを仮止め状態に保持する状態を得て、当該グロメットを2枚のパネル材に予め穿設されている取付孔に装着して、後は、グロメットのフランジ部が有する凹部内にピンの頭部が収容されるまで、仮止め状態にあるピンをグロメットの挿入孔内に完全に押し込むと、ピンのネジ面にグロメットの脚部に形成された一対の係止爪が係止すると同時に、グロメットの脚部が外方に拡開されるので、これにより、2枚のパネル材が締結固定されることとなる。
【0004】
又、2枚のパネル材の締結固定状態を解除する場合には、ピンの頭部が有する操作溝内にドライバー等の工具先端を差し込んで、ピンをグロメット側の挿入孔内で所定方向に回転させると、ピンが後退して仮止め状態まで復帰して、グロメットの脚部が元の平行な状態に戻るので、ピンをグロメットと一緒に取付孔から取り外すことにより、2枚のパネル材の締結固定状態を簡単に解除することが可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−274218号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、従来の締結具にあって、パネル材の締結固定状態を解除する場合には、その作業は、ピンの頭部が有する操作溝内に工具先端を上方から差し込まなければならないので、仮に、締結具の直上に障害物が存在すると、頭部の操作溝内に工具先端を巧く差し込むことができなくなって、締結固定状態を解除することが頗る困難となってしまう恐れがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、斯かる従来の締結具が抱える課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1記載の発明は、グロメットとピンの2部品から成り、グロメットは、上面に凹部を有するフランジ部と拡開可能な脚部を備え、フランジ部の中央から脚部の内部にかけて挿入孔を形成すると共に、脚部の対向する内壁面に係止部を形成し、ピンは、上面に操作溝を有する頭部と上記挿入孔に挿入される軸部を備え、軸部の途中に上記係止部が係止するネジ面を形成した締結具であって、上記ピンの頭部周面に工具先端が係合する係合面を形成して、該係合面に係合した工具先端で、ピンをグロメットの挿入孔から引き抜ける構成を採用した。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1を前提として、ピンのネジ面とグロメットの係止部とがピンの軸線方向に線接触状態をもって係止する構成を採用した。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1乃至請求項2を前提として、グロメットの脚部はスリットを有し、該スリットはグロメットの係止部側からフランジ部側まで伸び、その延長線上の挿入孔の内壁面にピンの軸部に形成された凹溝に係入する仮止め用突起を形成する構成を採用した。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3を前提として、グロメットの係止部は爪状を呈し、ピンのネジ面にグロメットの係止部が係止した状態において、当該爪状の係止部の先端角度とピンのネジ山の角度が略同一である構成を採用した。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4を前提として、グロメットのフランジ部が有する凹部にピンの頭部が収納された時には、凹部の周面と頭部の周面間に工具先端を差し込める環状の隙間を有する構成を採用した。
【0012】
依って、請求項1記載の発明にあっては、締結具の直上に何らの障害物が存在しない場合には、従来と同様に、ピンの頭部が有する操作溝に工具先端を上方から差し込んで、ピンを所定方向に回転させるだけで、パネル材同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるが、仮に、締結具の直上に障害物が存在する場合には、今度は、側方から、ピンの頭部周面に形成されている係合面に工具先端を係合させて、ピンをグロメットの挿入孔から強制的に引き抜いても、やはり、パネル材同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるので、従来締結具のもつ締結力を低下させることなく、締結具の取り外しがどの方向からでも行なえることとなる。
【0013】
請求項2記載の発明にあっては、ピンのネジ面とグロメットの係止部とがピンの軸線方向に線接触状態をもって係止することとなるので、ピンを側方から引き抜く場合には、ピンがグロメット側に食い込むことがなくなり、小さな力で引き抜くことが可能となる。請求項3記載の発明にあっては、スリットの延長線上の挿入孔の内壁面にピンの凹溝に係入する仮止め用突起を設けたので、例え、グロメット自体が永久変形したとしても、グロメットにピンを確実に仮止めできる。
【0014】
請求項4記載の発明にあっては、ピンのネジ面にグロメットの係止部が係止した状態において、爪状の係止部の先端角度とピンのネジ山の角度が略同一となるように設定されているので、ピンを側方から引き抜く場合には、両者間に相対的な滑り現象が発生して、ピンを引き抜く時に必要とする力が小さくなり、ピンを工具先端で容易に引き抜くことが可能となる。請求項5記載の発明にあっては、凹部の周面と頭部の周面間に工具先端を差し込める環状の隙間を形成したので、ピンを側方から引き抜く場合には、その作業性が頗る良好となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する好適な実施の形態に基づいて詳述すれば、該実施の形態に係る締結具も、従来と同様に、図1乃至図3に示す如く、いずれも合成樹脂で一体成形されたグロメット1とピン2の2部品から成り、前者のグロメット1は、上面に凹部3を有するフランジ部4と拡開可能な脚部5を備え、フランジ部4の中央から脚部5の内部にかけて後述するピン2の軸部10を挿入する挿入孔6を形成すると共に、脚部5の対向する内壁面にピン2の軸部10に付与されたネジ面11に係止する係止部たる一対の係止爪7を形成し、後者のピン2は、上面に操作溝8を有する頭部9と上記挿入孔6に挿入される軸部10を備え、軸部10の途中にネジ面11を形成する構成となっている。
【0016】
そして、本実施の形態にあっては、斯かる構成を前提として、まず、上記ピン2の頭部9周面にマイナスドライバー等の工具先端が係合する傾斜状の係合面12を周方向に連続して形成する一方、当該頭部9を収納するグロメット1のフランジ部4が有する凹部3を一回り大きめに形成して、グロメット1の挿入孔6にピン2の軸部10が完全に押し込まれた時には、当該一回り大きな凹部3の周面と頭部9の係合面12を形成する周面間に工具先端を差し込める環状の隙間13を画成する構成を採用している。
【0017】
又、グロメット1に関しては、図2にも示す如く、その脚部5をフランジ部4からスリット14を挟んで対向する状態に延出して、該各脚部5の先端をU字状の連結壁15を介して連結すると共に、各脚部5の対向する内壁面に先端が先細り状を呈して内方に突出する一対の係止爪7を形成して、当該各係止爪7をピン2の軸部10に形成されたネジ面11に係止する構成を採用しているが、本実施の形態にあっては、係止爪7の先端を単独で内方に積極的に突出させなくとも、脚部5の内壁面の一部を内方に膨出させて、該膨出壁の角部を係止爪7として利用することも実施に応じ任意である。
【0018】
しかし、いずれにしても、係止爪7の係止縁端を全巾に亘り直線状となして、軸部10のネジ面11にピン2の軸線方向に線接触状態をもって係止させると共に、内方に先細り状態をもって突出する係止爪7を利用する場合でも、膨出壁の角部を係止爪7として利用する場合でも、ピン2のネジ面11にグロメット1の係止爪7が係止した状態においては、その先端角度を後述するピン2のネジ面11のネジ山の角度と略同一となるように設定するものとする。
【0019】
従来の締結具において、締結時に、ピンのネジ面110とグロメットの係止爪70が係止した状態では、図12に示す如く、点接触状態をもって係止することとなるので、ピンを強制的に引き抜き方向に引っ張ると、係止爪70の先端がネジ面110に食い込むため、それが引き抜き方向に抵抗力となって働き、ピンを引き抜く時に大きな力が必要となる原因となっている。
これに対し、本実施の形態の下では、図4に示す如く、係止爪7の先端角度をネジ面11のネジ山を画成する角度と略同一となすことによって、軸線方向に線接触状態をもって係止することとなり、係止爪7の先端がネジ面11に食い込むことを防止すると共に、両者間に相対的な滑り現象を発生させられるので、ピン2を引き抜く時の力を減少させることが可能となり、マイナスドライバー等の工具先端でピン2の頭部9の係合面12を抉って、ピン2を容易に引き抜くことができる。
【0020】
又、工具先端がピン2の頭部9の係合面12に浅く引っ掛かったとしても、ピン2を引き抜く力が小さくて済むため、工具先端によって、頭部9を破損させることなく、ピン2を引き抜くことができる。更に、係止爪7の係止縁端を全巾に亘り直線状となしているため、係止爪7とネジ面11との実際の接触範囲は、ネジ山を画成するネジ面11上で、ピン2の頭部9と向い合う側に存在して、ネジ面11上に投影されたピン2の中心軸を長手方向の中心軸とする微小な巾の矩形となる。
【0021】
更に、ピン2に関しては、その軸部10の途中に上記各係止爪7と係止するネジ面11を形成するものであるが、図4に示す如く、当該ネジ面11を画成するネジ山の頭部9側斜面と先端側斜面を等しく60°となして、隣接するネジ山全体の角度を鈍角な120°に設定すると共に、ネジ面11から続く頭部9側に凹溝16を形成して、該凹溝16に上記グロメット1の脚部5を分割するスリット14の延長線上の挿入孔6の内壁面に形成された仮止め用突起17を係入して、ピン2をグロメット1に対して仮止めできる構成となっている。尚、脚部5を分割するスリット14は、グロメット1の係止爪7側からフランジ部4側まで伸びている。
【0022】
従って、取り付けや取り外しの際には、グロメット1とピン2とが分離することがないので、作業性が向上すると共に、特に、取り外しの際には、その効果が顕著となる。本実施の形態に係る締結具は、締結具の周囲に障害物があったり、手が入るスペースがなかったりした場合にも、取り外すことができるものであるが、従来のものでは、グロメットとピンが分離してしまい、回収するために時間を浪費するばかりか、作業者の精神的なストレスを与えることとなる。他方、本実施の形態に係る締結具は、上記した仮止め状態により、取り外した締結具を落としても、グロメット1とピン2が一体となって落ちた場所にそのまま留まるので、容易に回収できて、時間の浪費が少なくなる上に、作業者に無用のストレスを与えることがない。
【0023】
依って、斯かる構成の締結具を用いて、今仮に、2枚のパネル材P1・P2同士を締結固定する場合には、図5に示す如く、まず、グロメット1側の仮止め用突起17がピン2側の凹溝16に係入するまで、グロメット1側の挿入孔6にピン2の軸部10を挿入すると、これにより、ピン2がグロメット1に仮止めされるので、斯かる状態を得て、2枚のパネル材P1・P2に予め穿設されている取付孔H1・H2にグロメット1の脚部5を装着して、その後、グロメット1のフランジ部4に形成された凹部3にピン2の頭部9が収納されるまで、ピン2の軸部10を挿入孔6内に完全に押し込むと、図6に示す如く、凹溝16から仮止め用突起17が外れる一方、今度は、一対の係止爪7が対応するネジ面11に係止すると同時に、各脚部5が外方に拡開するので、これにより、2枚のパネル材P1・P2が一方向からワンタッチで締結固定されることとなる。
【0024】
そして、2枚のパネル材P1・P2の締結固定状態を解除する必要が生じた時に、図7に示す如く、締結具の直上に障害物18が存在しない場合には、従来と同様に、ピン2の頭部9が有する操作溝8にプラスドライバー等の工具先端19を上方から差し込んで、ピン2を所定方向に回転させて、ピン2を仮止め状態に復帰させるか或いは完全に抜き取れば、脚部5が元の平行する状態に戻って取付孔H1・H2から外せるので、これにより、パネル材P1・P2同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となる。
【0025】
又、逆に、図8に示す如く、締結具の直上に障害物18が存在する場合には、今度は、側方から、ピン2の頭部9周面に形成されている係合面12にマイナスドライバー等の工具先端19を係合させて、ピン2をグロメット1の挿入孔6から強制的に引き抜いても、やはり、パネル材P1・P2同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるので、いずれにしても、本実施の形態にあっては、従来締結具のもつ締結力を低下させることなく、締結具の取り外しがどの方向からでも行なえることとなるので、作業性は頗る向上する。
【0026】
又、特に、ピン2を側方から引き抜く場合には、凹部3の周面と頭部9の周面間に差込用の隙間13が画成されているので、工具先端19を係合面12に容易に係合させることが可能となると共に、ピン2のネジ面11とグロメット1の係止爪7がピン2の軸線方向に線接触状態をもって係止しているので、ピン2を引き抜く場合には、小さな力で引き抜けると共に、且つ、係止爪7の先端角度とピン2のネジ山の角度が略同一であるので、両者間に相対的な滑り現象が発生して、ピン2を工具先端19で梃子の原理を利用して容易に引き抜けることとなる。
【0027】
次に、本願品と従来品におけるピンの引き抜く時に必要とする力の具体的な数値を図9に示す。これらの数値は、ロードセル荷重試験機で測定したもので、2部品を締結固定した締結具のピンを軸線方向に沿って取り外し方向に引っ張り、その引張力を測定して引抜力としての数値を得た。尚、引抜力の単位はNである。図9の最下欄に示すように、3回の測定の平均値を比較すると、本願品のピン引抜力は従来品の30%(=23.70÷78.45)であることから、本願品は従来品の30%の力で引き抜けることが判明した。
【0028】
又、本願品と従来品における締結力の具体的な数値を図10に示す。これらの数値も、ロードセル荷重試験機で測定したもので、締結具で締結固定した2部品を締結具の軸線方向に引っ張り、その引張力を測定して締結力としての数値を得た。尚、締結力の単位もNである。図10の最下欄に示すように、3回の測定の平均値を比較すると、その差は2.3Nであり、当該値は、従来品の0.3%(=2.3÷763.3)に過ぎず、測定誤差の範囲内と言えるので、本願品の締結力は従来品と同等であることが判明した。
以上の測定結果から明らかな如く、本実施の形態に係る締結具は、いずれの方向からも取り外しが容易にでき、ピンを引き抜く時の引抜力が従来品と比較して軽減できると共に、締結具として必要な締結力は従来品と同等である。
【0029】
尚、上記した実施の形態にあっては、ピン2の頭部9周面にマイナスドライバー等の工具先端が係合する傾斜状の係合面12を形成したものであるが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、図11に示す如く、ピン2の頭部9周面に段付きの係合面12を連続して形成しても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、上記構成の採用により、締結具の直上に何らの障害物が存在しない場合には、従来と同様に、ピンの頭部が有する操作溝に工具先端を上方から差し込んで、ピンを所定方向に回転させるだけで、パネル材同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるが、仮に、締結具の直上に障害物が存在する場合には、今度は、側方から、ピンの頭部周面に形成されている係合面に工具先端を係合させて、ピンをグロメットの挿入孔から強制的に引き抜いても、やはり、パネル材同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるので、従来締結具のもつ締結力を低下させることなく、締結具の取り外しがどの方向からでも行なえることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る締結具を分解して示す斜視図である。
【図2】(A)(B)はグロメットを異なる角度から示す断面図である。
【図3】ピンの断面図である。
【図4】ネジ山と係止爪の先端角度の関係を示す要部説明図である。
【図5】締結具の仮止め状態を示す断面図である。
【図6】締結具を用いて2枚のパネル材を締結固定した状態を示す断面図である。
【図7】ピンを上方より回転させる状態を示す説明図である。
【図8】ピンを側方より引き抜く状態を示す説明図である。
【図9】本願品と従来品の引抜力を比較した図表である。
【図10】本願品と従来品の締結力を比較した図表である。
【図11】ピンの頭部側に形成される係合面の他例を示す要部正面図である。
【図12】従来の締結具におけるネジ山と係止爪の先端角度の関係を示す要部説明図である。
【符号の説明】
1 グロメット
2 ピン
3 凹部
4 フランジ部
5 脚部
6 挿通孔
7 係止爪(係止部)
8 操作溝
9 頭部
10 軸部
11 ネジ面
12 係合面
13 隙間
14 スリット
15 連結壁
16 凹溝
17 仮止め用突起
18 障害物
19 工具先端
P1 パネル材
P2 パネル材
H1 取付孔
H2 取付孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、グロメットとピンの2部品から成り、少なくとも、2枚のパネル材を一方向からワンタッチで締結できる締結具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種締結具は、具体的には図示しないが、いずれも合成樹脂で一体成形されたグロメットとピンの2部品から成り、前者のグロメットは、上面に凹部を有するフランジ部と拡開可能な脚部を備え、フランジ部の中央から脚部の内部にかけて後述するピンの軸部を挿入する挿入孔を形成すると共に、脚部の対向する内壁面にピンの軸部に付与されたネジ面に係止する一対の係止爪を形成してなり、後者のピンは、上面に操作溝を有する頭部と上記挿入孔に挿入される軸部を備え、軸部の途中にネジ面を形成する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、実際の使用に際しては、グロメットにピンを仮止め状態に保持する状態を得て、当該グロメットを2枚のパネル材に予め穿設されている取付孔に装着して、後は、グロメットのフランジ部が有する凹部内にピンの頭部が収容されるまで、仮止め状態にあるピンをグロメットの挿入孔内に完全に押し込むと、ピンのネジ面にグロメットの脚部に形成された一対の係止爪が係止すると同時に、グロメットの脚部が外方に拡開されるので、これにより、2枚のパネル材が締結固定されることとなる。
【0004】
又、2枚のパネル材の締結固定状態を解除する場合には、ピンの頭部が有する操作溝内にドライバー等の工具先端を差し込んで、ピンをグロメット側の挿入孔内で所定方向に回転させると、ピンが後退して仮止め状態まで復帰して、グロメットの脚部が元の平行な状態に戻るので、ピンをグロメットと一緒に取付孔から取り外すことにより、2枚のパネル材の締結固定状態を簡単に解除することが可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−274218号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、従来の締結具にあって、パネル材の締結固定状態を解除する場合には、その作業は、ピンの頭部が有する操作溝内に工具先端を上方から差し込まなければならないので、仮に、締結具の直上に障害物が存在すると、頭部の操作溝内に工具先端を巧く差し込むことができなくなって、締結固定状態を解除することが頗る困難となってしまう恐れがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、斯かる従来の締結具が抱える課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1記載の発明は、グロメットとピンの2部品から成り、グロメットは、上面に凹部を有するフランジ部と拡開可能な脚部を備え、フランジ部の中央から脚部の内部にかけて挿入孔を形成すると共に、脚部の対向する内壁面に係止部を形成し、ピンは、上面に操作溝を有する頭部と上記挿入孔に挿入される軸部を備え、軸部の途中に上記係止部が係止するネジ面を形成した締結具であって、上記ピンの頭部周面に工具先端が係合する係合面を形成して、該係合面に係合した工具先端で、ピンをグロメットの挿入孔から引き抜ける構成を採用した。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1を前提として、ピンのネジ面とグロメットの係止部とがピンの軸線方向に線接触状態をもって係止する構成を採用した。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1乃至請求項2を前提として、グロメットの脚部はスリットを有し、該スリットはグロメットの係止部側からフランジ部側まで伸び、その延長線上の挿入孔の内壁面にピンの軸部に形成された凹溝に係入する仮止め用突起を形成する構成を採用した。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3を前提として、グロメットの係止部は爪状を呈し、ピンのネジ面にグロメットの係止部が係止した状態において、当該爪状の係止部の先端角度とピンのネジ山の角度が略同一である構成を採用した。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4を前提として、グロメットのフランジ部が有する凹部にピンの頭部が収納された時には、凹部の周面と頭部の周面間に工具先端を差し込める環状の隙間を有する構成を採用した。
【0012】
依って、請求項1記載の発明にあっては、締結具の直上に何らの障害物が存在しない場合には、従来と同様に、ピンの頭部が有する操作溝に工具先端を上方から差し込んで、ピンを所定方向に回転させるだけで、パネル材同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるが、仮に、締結具の直上に障害物が存在する場合には、今度は、側方から、ピンの頭部周面に形成されている係合面に工具先端を係合させて、ピンをグロメットの挿入孔から強制的に引き抜いても、やはり、パネル材同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるので、従来締結具のもつ締結力を低下させることなく、締結具の取り外しがどの方向からでも行なえることとなる。
【0013】
請求項2記載の発明にあっては、ピンのネジ面とグロメットの係止部とがピンの軸線方向に線接触状態をもって係止することとなるので、ピンを側方から引き抜く場合には、ピンがグロメット側に食い込むことがなくなり、小さな力で引き抜くことが可能となる。請求項3記載の発明にあっては、スリットの延長線上の挿入孔の内壁面にピンの凹溝に係入する仮止め用突起を設けたので、例え、グロメット自体が永久変形したとしても、グロメットにピンを確実に仮止めできる。
【0014】
請求項4記載の発明にあっては、ピンのネジ面にグロメットの係止部が係止した状態において、爪状の係止部の先端角度とピンのネジ山の角度が略同一となるように設定されているので、ピンを側方から引き抜く場合には、両者間に相対的な滑り現象が発生して、ピンを引き抜く時に必要とする力が小さくなり、ピンを工具先端で容易に引き抜くことが可能となる。請求項5記載の発明にあっては、凹部の周面と頭部の周面間に工具先端を差し込める環状の隙間を形成したので、ピンを側方から引き抜く場合には、その作業性が頗る良好となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する好適な実施の形態に基づいて詳述すれば、該実施の形態に係る締結具も、従来と同様に、図1乃至図3に示す如く、いずれも合成樹脂で一体成形されたグロメット1とピン2の2部品から成り、前者のグロメット1は、上面に凹部3を有するフランジ部4と拡開可能な脚部5を備え、フランジ部4の中央から脚部5の内部にかけて後述するピン2の軸部10を挿入する挿入孔6を形成すると共に、脚部5の対向する内壁面にピン2の軸部10に付与されたネジ面11に係止する係止部たる一対の係止爪7を形成し、後者のピン2は、上面に操作溝8を有する頭部9と上記挿入孔6に挿入される軸部10を備え、軸部10の途中にネジ面11を形成する構成となっている。
【0016】
そして、本実施の形態にあっては、斯かる構成を前提として、まず、上記ピン2の頭部9周面にマイナスドライバー等の工具先端が係合する傾斜状の係合面12を周方向に連続して形成する一方、当該頭部9を収納するグロメット1のフランジ部4が有する凹部3を一回り大きめに形成して、グロメット1の挿入孔6にピン2の軸部10が完全に押し込まれた時には、当該一回り大きな凹部3の周面と頭部9の係合面12を形成する周面間に工具先端を差し込める環状の隙間13を画成する構成を採用している。
【0017】
又、グロメット1に関しては、図2にも示す如く、その脚部5をフランジ部4からスリット14を挟んで対向する状態に延出して、該各脚部5の先端をU字状の連結壁15を介して連結すると共に、各脚部5の対向する内壁面に先端が先細り状を呈して内方に突出する一対の係止爪7を形成して、当該各係止爪7をピン2の軸部10に形成されたネジ面11に係止する構成を採用しているが、本実施の形態にあっては、係止爪7の先端を単独で内方に積極的に突出させなくとも、脚部5の内壁面の一部を内方に膨出させて、該膨出壁の角部を係止爪7として利用することも実施に応じ任意である。
【0018】
しかし、いずれにしても、係止爪7の係止縁端を全巾に亘り直線状となして、軸部10のネジ面11にピン2の軸線方向に線接触状態をもって係止させると共に、内方に先細り状態をもって突出する係止爪7を利用する場合でも、膨出壁の角部を係止爪7として利用する場合でも、ピン2のネジ面11にグロメット1の係止爪7が係止した状態においては、その先端角度を後述するピン2のネジ面11のネジ山の角度と略同一となるように設定するものとする。
【0019】
従来の締結具において、締結時に、ピンのネジ面110とグロメットの係止爪70が係止した状態では、図12に示す如く、点接触状態をもって係止することとなるので、ピンを強制的に引き抜き方向に引っ張ると、係止爪70の先端がネジ面110に食い込むため、それが引き抜き方向に抵抗力となって働き、ピンを引き抜く時に大きな力が必要となる原因となっている。
これに対し、本実施の形態の下では、図4に示す如く、係止爪7の先端角度をネジ面11のネジ山を画成する角度と略同一となすことによって、軸線方向に線接触状態をもって係止することとなり、係止爪7の先端がネジ面11に食い込むことを防止すると共に、両者間に相対的な滑り現象を発生させられるので、ピン2を引き抜く時の力を減少させることが可能となり、マイナスドライバー等の工具先端でピン2の頭部9の係合面12を抉って、ピン2を容易に引き抜くことができる。
【0020】
又、工具先端がピン2の頭部9の係合面12に浅く引っ掛かったとしても、ピン2を引き抜く力が小さくて済むため、工具先端によって、頭部9を破損させることなく、ピン2を引き抜くことができる。更に、係止爪7の係止縁端を全巾に亘り直線状となしているため、係止爪7とネジ面11との実際の接触範囲は、ネジ山を画成するネジ面11上で、ピン2の頭部9と向い合う側に存在して、ネジ面11上に投影されたピン2の中心軸を長手方向の中心軸とする微小な巾の矩形となる。
【0021】
更に、ピン2に関しては、その軸部10の途中に上記各係止爪7と係止するネジ面11を形成するものであるが、図4に示す如く、当該ネジ面11を画成するネジ山の頭部9側斜面と先端側斜面を等しく60°となして、隣接するネジ山全体の角度を鈍角な120°に設定すると共に、ネジ面11から続く頭部9側に凹溝16を形成して、該凹溝16に上記グロメット1の脚部5を分割するスリット14の延長線上の挿入孔6の内壁面に形成された仮止め用突起17を係入して、ピン2をグロメット1に対して仮止めできる構成となっている。尚、脚部5を分割するスリット14は、グロメット1の係止爪7側からフランジ部4側まで伸びている。
【0022】
従って、取り付けや取り外しの際には、グロメット1とピン2とが分離することがないので、作業性が向上すると共に、特に、取り外しの際には、その効果が顕著となる。本実施の形態に係る締結具は、締結具の周囲に障害物があったり、手が入るスペースがなかったりした場合にも、取り外すことができるものであるが、従来のものでは、グロメットとピンが分離してしまい、回収するために時間を浪費するばかりか、作業者の精神的なストレスを与えることとなる。他方、本実施の形態に係る締結具は、上記した仮止め状態により、取り外した締結具を落としても、グロメット1とピン2が一体となって落ちた場所にそのまま留まるので、容易に回収できて、時間の浪費が少なくなる上に、作業者に無用のストレスを与えることがない。
【0023】
依って、斯かる構成の締結具を用いて、今仮に、2枚のパネル材P1・P2同士を締結固定する場合には、図5に示す如く、まず、グロメット1側の仮止め用突起17がピン2側の凹溝16に係入するまで、グロメット1側の挿入孔6にピン2の軸部10を挿入すると、これにより、ピン2がグロメット1に仮止めされるので、斯かる状態を得て、2枚のパネル材P1・P2に予め穿設されている取付孔H1・H2にグロメット1の脚部5を装着して、その後、グロメット1のフランジ部4に形成された凹部3にピン2の頭部9が収納されるまで、ピン2の軸部10を挿入孔6内に完全に押し込むと、図6に示す如く、凹溝16から仮止め用突起17が外れる一方、今度は、一対の係止爪7が対応するネジ面11に係止すると同時に、各脚部5が外方に拡開するので、これにより、2枚のパネル材P1・P2が一方向からワンタッチで締結固定されることとなる。
【0024】
そして、2枚のパネル材P1・P2の締結固定状態を解除する必要が生じた時に、図7に示す如く、締結具の直上に障害物18が存在しない場合には、従来と同様に、ピン2の頭部9が有する操作溝8にプラスドライバー等の工具先端19を上方から差し込んで、ピン2を所定方向に回転させて、ピン2を仮止め状態に復帰させるか或いは完全に抜き取れば、脚部5が元の平行する状態に戻って取付孔H1・H2から外せるので、これにより、パネル材P1・P2同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となる。
【0025】
又、逆に、図8に示す如く、締結具の直上に障害物18が存在する場合には、今度は、側方から、ピン2の頭部9周面に形成されている係合面12にマイナスドライバー等の工具先端19を係合させて、ピン2をグロメット1の挿入孔6から強制的に引き抜いても、やはり、パネル材P1・P2同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるので、いずれにしても、本実施の形態にあっては、従来締結具のもつ締結力を低下させることなく、締結具の取り外しがどの方向からでも行なえることとなるので、作業性は頗る向上する。
【0026】
又、特に、ピン2を側方から引き抜く場合には、凹部3の周面と頭部9の周面間に差込用の隙間13が画成されているので、工具先端19を係合面12に容易に係合させることが可能となると共に、ピン2のネジ面11とグロメット1の係止爪7がピン2の軸線方向に線接触状態をもって係止しているので、ピン2を引き抜く場合には、小さな力で引き抜けると共に、且つ、係止爪7の先端角度とピン2のネジ山の角度が略同一であるので、両者間に相対的な滑り現象が発生して、ピン2を工具先端19で梃子の原理を利用して容易に引き抜けることとなる。
【0027】
次に、本願品と従来品におけるピンの引き抜く時に必要とする力の具体的な数値を図9に示す。これらの数値は、ロードセル荷重試験機で測定したもので、2部品を締結固定した締結具のピンを軸線方向に沿って取り外し方向に引っ張り、その引張力を測定して引抜力としての数値を得た。尚、引抜力の単位はNである。図9の最下欄に示すように、3回の測定の平均値を比較すると、本願品のピン引抜力は従来品の30%(=23.70÷78.45)であることから、本願品は従来品の30%の力で引き抜けることが判明した。
【0028】
又、本願品と従来品における締結力の具体的な数値を図10に示す。これらの数値も、ロードセル荷重試験機で測定したもので、締結具で締結固定した2部品を締結具の軸線方向に引っ張り、その引張力を測定して締結力としての数値を得た。尚、締結力の単位もNである。図10の最下欄に示すように、3回の測定の平均値を比較すると、その差は2.3Nであり、当該値は、従来品の0.3%(=2.3÷763.3)に過ぎず、測定誤差の範囲内と言えるので、本願品の締結力は従来品と同等であることが判明した。
以上の測定結果から明らかな如く、本実施の形態に係る締結具は、いずれの方向からも取り外しが容易にでき、ピンを引き抜く時の引抜力が従来品と比較して軽減できると共に、締結具として必要な締結力は従来品と同等である。
【0029】
尚、上記した実施の形態にあっては、ピン2の頭部9周面にマイナスドライバー等の工具先端が係合する傾斜状の係合面12を形成したものであるが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、図11に示す如く、ピン2の頭部9周面に段付きの係合面12を連続して形成しても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、上記構成の採用により、締結具の直上に何らの障害物が存在しない場合には、従来と同様に、ピンの頭部が有する操作溝に工具先端を上方から差し込んで、ピンを所定方向に回転させるだけで、パネル材同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるが、仮に、締結具の直上に障害物が存在する場合には、今度は、側方から、ピンの頭部周面に形成されている係合面に工具先端を係合させて、ピンをグロメットの挿入孔から強制的に引き抜いても、やはり、パネル材同士の締結固定状態を簡単に解除することが可能となるので、従来締結具のもつ締結力を低下させることなく、締結具の取り外しがどの方向からでも行なえることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る締結具を分解して示す斜視図である。
【図2】(A)(B)はグロメットを異なる角度から示す断面図である。
【図3】ピンの断面図である。
【図4】ネジ山と係止爪の先端角度の関係を示す要部説明図である。
【図5】締結具の仮止め状態を示す断面図である。
【図6】締結具を用いて2枚のパネル材を締結固定した状態を示す断面図である。
【図7】ピンを上方より回転させる状態を示す説明図である。
【図8】ピンを側方より引き抜く状態を示す説明図である。
【図9】本願品と従来品の引抜力を比較した図表である。
【図10】本願品と従来品の締結力を比較した図表である。
【図11】ピンの頭部側に形成される係合面の他例を示す要部正面図である。
【図12】従来の締結具におけるネジ山と係止爪の先端角度の関係を示す要部説明図である。
【符号の説明】
1 グロメット
2 ピン
3 凹部
4 フランジ部
5 脚部
6 挿通孔
7 係止爪(係止部)
8 操作溝
9 頭部
10 軸部
11 ネジ面
12 係合面
13 隙間
14 スリット
15 連結壁
16 凹溝
17 仮止め用突起
18 障害物
19 工具先端
P1 パネル材
P2 パネル材
H1 取付孔
H2 取付孔
Claims (5)
- グロメットとピンの2部品から成り、グロメットは、上面に凹部を有するフランジ部と拡開可能な脚部を備え、フランジ部の中央から脚部の内部にかけて挿入孔を形成すると共に、脚部の対向する内壁面に係止部を形成し、ピンは、上面に操作溝を有する頭部と上記挿入孔に挿入される軸部を備え、軸部の途中に上記係止部が係止するネジ面を形成した締結具であって、上記ピンの頭部周面に工具先端が係合する係合面を形成して、該係合面に係合した工具先端で、ピンをグロメットの挿入孔から引き抜けるように構成したことを特徴とする締結具。
- ピンのネジ面とグロメットの係止部とがピンの軸線方向に線接触状態をもって係止することを特徴とする請求項1記載の締結具。
- グロメットの脚部はスリットを有し、該スリットはグロメットの係止部側からフランジ部側まで伸び、その延長線上の挿入孔の内壁面にピンの軸部に形成された凹溝に係入する仮止め用突起を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の締結具。
- グロメットの係止部は爪状を呈し、ピンのネジ面にグロメットの係止部が係止した状態において、当該爪状の係止部の先端角度とピンのネジ山の角度が略同一であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の締結具。
- グロメットのフランジ部が有する凹部にピンの頭部が収納された時には、凹部の周面と頭部の周面間に工具先端を差し込める環状の隙間を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の締結具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003060818A JP2004270772A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 締結具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003060818A JP2004270772A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 締結具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004270772A true JP2004270772A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33123209
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003060818A Pending JP2004270772A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 締結具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004270772A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101020100B1 (ko) * | 2008-09-30 | 2011-03-09 | 에스제이아이 주식회사 | 패스너 |
JP5364198B1 (ja) * | 2012-11-05 | 2013-12-11 | 第一工業株式会社 | 椅子用リベットおよび椅子 |
CN112128199B (zh) * | 2019-06-24 | 2024-05-31 | 施耐德电器工业公司 | 具有附接面板的电气外壳 |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003060818A patent/JP2004270772A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101020100B1 (ko) * | 2008-09-30 | 2011-03-09 | 에스제이아이 주식회사 | 패스너 |
JP5364198B1 (ja) * | 2012-11-05 | 2013-12-11 | 第一工業株式会社 | 椅子用リベットおよび椅子 |
CN112128199B (zh) * | 2019-06-24 | 2024-05-31 | 施耐德电器工业公司 | 具有附接面板的电气外壳 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4657458A (en) | Anchor nut for threaded member | |
US2730154A (en) | Self-locking fastener having longitudinal spring key detent means | |
EP1223354B1 (en) | Fastener | |
US3816882A (en) | Clamping units for use in packaging | |
WO2011089650A1 (ja) | 締結部品及び締結構造 | |
JP2003232318A (ja) | ファスナー | |
US6050766A (en) | Two part slip-on nut | |
US2882780A (en) | Snap-in stud with deformable plastic engaging means | |
US7124900B2 (en) | Hanger for tool | |
JP2004270772A (ja) | 締結具 | |
WO2011030693A1 (ja) | 取付バンド | |
US20190145452A1 (en) | Quick- disconnect fastening system | |
US7151220B1 (en) | Fast set screw device for non-metallic boxes | |
JP2546686Y2 (ja) | 固定クリップ | |
GB2244318A (en) | Screw-threadable nuts and bolts | |
EP1671749A1 (en) | Ratchetable open-ended wrench | |
JP2000283132A (ja) | クリップ | |
KR200284237Y1 (ko) | 볼트와 너트의 이탈방지장치 | |
CN216199681U (zh) | 防滑脱快速拆装紧固装置 | |
GB2313168A (en) | Security fasteners | |
WO1998000645A1 (en) | Nut | |
JP2004116077A (ja) | 手摺りの連結構造 | |
JPH08135630A (ja) | 物品結合具 | |
JPS6318815Y2 (ja) | ||
US20110000345A1 (en) | Single-bit retractable screwdriver |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050729 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070524 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070605 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071016 |