JP2004270630A - エンジン用スロットルボディ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン用スロットルボディ装置において,吸気道内の吸気温度を敏感且つ正確に検出し得るようにする。
【解決手段】スロットルボディSの吸気道2に開口する検出孔15に配設される吸気温センサ8を,感温素子12と,それを包むように保持してスロットルボディSに取り付けられるセンサ本体14とで構成したスロットルボディ装置において,検出孔15に挿入される遮蔽筒17をスロットルボディSに取り付ける一方,センサ本体14を,感温素子12を保持するニードル状の検出部14aと,この検出部14aの基端に一体に連なる,検出部14aより大径の支持部14bとで構成し,その支持部14bを遮蔽筒17に支持させると共に,検出部14aを,その周囲に断熱層A1を存して遮蔽筒17内に配置し,感温素子12を遮蔽筒17から突出させて吸気道2に臨ませた。
【選択図】 図1
【解決手段】スロットルボディSの吸気道2に開口する検出孔15に配設される吸気温センサ8を,感温素子12と,それを包むように保持してスロットルボディSに取り付けられるセンサ本体14とで構成したスロットルボディ装置において,検出孔15に挿入される遮蔽筒17をスロットルボディSに取り付ける一方,センサ本体14を,感温素子12を保持するニードル状の検出部14aと,この検出部14aの基端に一体に連なる,検出部14aより大径の支持部14bとで構成し,その支持部14bを遮蔽筒17に支持させると共に,検出部14aを,その周囲に断熱層A1を存して遮蔽筒17内に配置し,感温素子12を遮蔽筒17から突出させて吸気道2に臨ませた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,エンジンの吸気ポートに連なっていてスロットルバルブにより開閉される吸気道を有するスロットルボディに,前記吸気道に開口する検出孔を設け,この検出孔に配設されて前記吸気道内の吸気温度を検出する吸気温センサを,前記吸気道に臨ませる感温素子と,この感温素子を包むように保持してスロットルボディに取り付けられるセンサ本体とで構成した,エンジン用スロットルボディ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝるエンジン用スロットルボディ装置は,例えば下記特許文献1に開示されるように,既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平2002−349397号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかゝるエンジン用スロットルボディ装置では,吸気温センサのセンサ本体は,感温素子を収容した有底円筒状のハウジングにエポキシ樹脂等をポッティングして構成されているので,必然的に比較的大径となって熱容量が大きく,吸気温の変化に対する感温性が鈍い。その上,上記センサ本体は,スロットルボディの検出孔に単に挿入され,検出孔の内周面と直接対向しているので,エンジンからスロットルボディに伝達した高熱が輻射によりセンサ本体に伝達することで,スロットルボディの温度の影響を受け易く,吸気道内の吸気温度を正確に検出することが困難であった。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,吸気道内の吸気温度を敏感
且つ正確に検出することができる,前記エンジン用スロットルボディ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,エンジンの吸気ポートに連なっていてスロットルバルブにより開閉される吸気道を有するスロットルボディに,前記吸気道に開口する検出孔を設け,この検出孔に配設されて前記吸気道内の吸気温度を検出する吸気温センサを,前記吸気道に臨ませる感温素子と,この感温素子を包むように保持してスロットルボディに取り付けられるセンサ本体とで構成した,エンジン用スロットルボディ装置において,少なくとも一部が前記検出孔に挿入される遮蔽筒を前記スロットルボディに取り付ける一方,前記センサ本体を,前記感温素子を先端部で保持するニードル状の検出部と,この検出部の基端に一体に連なる,検出部より大径の支持部とで構成し,その支持部を前記遮蔽筒に支持させると共に,前記検出部を,その周囲に第1断熱層を存して前記遮蔽筒内に配置し,前記検出部の先端を前記遮蔽筒から突出させて前記吸気道に臨ませたこと第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,ニードル状の検出部は熱容量が極めて小さく,吸気温度の変化を鋭敏に反応することができる。しかも検出部は,これを覆う遮蔽筒によってスロットルボディからの輻射熱から遮断され,また遮蔽筒からの熱伝導も第1断熱層によって遮断され,したがってスロットルボディの温度の影響を受けることが極めて少なく,吸気温度を常に正確に検出することができる。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記第1断熱層を空気層とすると共に,前記遮蔽筒の先端部に,前記検出部の外周面に接触して該検出部を支持する突起を形成したことを第2の特徴とする。
【0009】
この第2の特徴によれば,第1断熱層を安価に得ることができる。またニードル状の検出部は,突起を介して遮蔽筒に支持されることになるため,検出部の支持強度を高めことができ,その際,該突起の相手部材に対する接触面積を極力小さく設定すれば,該突起から検出部への熱伝導を極力抑えることができる。
【0010】
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記遮蔽筒の外周面と前記検出孔の内周面との間に第2断熱層を形成したことを第3の特徴とする。
【0011】
この第3の特徴によれば,検出部とスロットルボディとの間には第1及び第2断熱層が二重に形成されることになり,これらによって,スロットルボディから検出部への熱の遮断を効果的に行うことができて,検出部による吸気温度の検出精度を,より高めることができる。
【0012】
さらにまた本発明は,第3の特徴に加えて,前記第2断熱層を空気層としたことを第4の特徴とする。
【0013】
この第4の特徴によれば,第2断熱層を安価に得ることができる。
【0014】
さらにまた本発明は,第4の特徴に加えて,前記遮蔽筒を,前記検出孔に嵌合する大径部と,前記第2断熱層を介して前記検出孔の内周面に対向する小径部とで構成したことを第5の特徴とする。
【0015】
この第5の特徴によれば,検出孔に挿入される遮蔽筒は,スロットルボディに片持ちで支持されるも,その支持強度は高く,振動を生じ難く,検出部を確実に支持することができる。
【0016】
さらにまた本発明は,第4の特徴に加えて,前記遮蔽筒の,前記第2断熱層を介して前記検出孔の内周面に対向する部分を,前記吸気道側に向かって小径となる截頭円錐状に形成したことを第6の特徴とする。
【0017】
この第6の特徴によれば,検出孔に挿入される遮蔽筒は,スロットルボディに片持ちで支持されるも,遮蔽筒の剛性が高く,その振動を効果的に抑えることができる。
【0018】
さらにまた本発明は,第1〜第6の特徴の何れかに加えて,前記スロットルボディには,前記スロットルバルブを迂回するように前記吸気道に接続される,アイドル吸気量調整用のバイパスを形成し,前記検出部の先端部をこのバイパスを通して前記吸気道に臨ませたことを第7の特徴とする。
【0019】
この第7の特徴によれば,エンジンのアイドリングでは,第2断熱層である空気層がバイパスを流れるアイドル吸気により換気され,その断熱効果を高めることができ,その上,検出部は,バイパスを流れるアイドル吸気との接触が良好であるから,アイドル吸気温度を正確に検出することができる。
【0020】
さらにまた本発明は,第7の特徴に加えて,前記検出孔を,前記バイパスの一部で構成したことを第8の特徴とする。
【0021】
この第8の特徴によれば,検出孔がバイパスの一部を構成することで,検出孔の分,バイパスの加工工数が減り,コストの低減に寄与し得る。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
【0023】
図1は本発明の実施例に係るスロットルボディ装置の縦断面図,図2は図1の2−2線断面図,図3は図2の3−3線断面図である。
【0024】
先ず,図1において,エンジンEに接続されるスロットルボディSは,エンジンEの吸気ポート1に連なる吸気道2を有しており,この吸気道2を横断してスロットルボディSに回転自在に支承されるバルブ軸3に,吸気道2を開閉するバタフライ型のスロットルバルブ4が取り付けられる。
【0025】
図1及び図2に示すように,スロットルボディSの一側面にボルト5により接合される合成樹脂製のセンサボックス6には,スロットルバルブ4の開度を検出するスロットルセンサ7,吸気道2内の吸気温度を検出する吸気温センサ8,並びにスロットルバルブ4より下流の吸気道2内の圧力,即ちブースト圧力を検出するブースト圧センサ9が収容,保持され,センサボックス6の開放面は蓋板10で閉鎖される。
【0026】
吸気温センサ8は,サーミスタ等からなる感温素子12及びそれに連なる導線13と,これらを包んで保持するように成形される合成樹脂製のセンサ本体14とで構成される。その際,特に,センサ本体14には,感温素子12と導線13の大部分を保持する,極力小径に形成されたニードル状の検出部14aと,この検出部14aの,感温素子12と反対側の基端に一体に連結して導線13の他の部分を保持する,検出部14aより大径の支持部14bとが設けられ,これら検出部14a及び支持部14bの連結部には,放射状に延びる複数の補強リブ14cが形成される。また支持部14bの外端には位置決めフランジ14dが一体に形成される。スロットルボディSには,スロットルバルブ4より上流の吸気道2に開口する検出孔15がバルブ軸3と平行に穿設され,この検出孔15に上記吸気温センサ8が配設される。
【0027】
吸気温センサ8は,センサボックス6に一体に形成された遮蔽筒17に取り付けられる。この遮蔽筒17は,センサボックス6の底壁6aから該ボックス6内方へ延びる内向き筒部17aと,同底壁6aから外方に延びて検出孔15に挿入され,先端を吸気道2の手前で終わらせる外向き筒部17bとからなっており,外向き筒部17bの先端部内周面には,その周方に等間隔に並んで半径方内方へ突出して複数の突起18,18…が形成される。
【0028】
また外向き筒部17bは,センサボックス6の底壁6aに直接連結して検出孔15に嵌合する大径部17b1 と,この大径部17b1 に環状段部を介して連なる小径部17b2 とからなっており,その大径部17b1 の外周面に密接するシール部材19がスロットルボディS及びセンサボックス6間に介装される。また小径部17b2 は,吸気道2側の先端に向かって小径となる截頭円錐状をなしている。
【0029】
而して,上記内向き筒部17aに前記センサ本体14の支持部14bが圧入して固定されると共に,内向き筒部17aの外端面にセンサ本体14の位置決めフランジ14dが当接配置される。またセンサ本体14の検出部14aは,内向き筒部17aから外向き筒部17bを貫通して,先端部即ち感温素子12を吸気道2に臨ませるように配置される。その際,検出部14aと外向き筒部17bの内周面との間には,筒状の第1空気層A1が形成され,また外向き筒部17bと検出孔15の内周面との間には筒状の第2空気層A2が形成される。
【0030】
検出部14aの先端部は,その外周面に実質上点接触する前記突起18,18…によって支持される。
【0031】
図2に明示するように,センサボックス6の一側面にはカプラ20が一体に形成されており,このカプラ20に保持されるカプラ端子21に,前記センサ本体14の支持部14bから引き出された導線13が接続される。図示はしないが,カプラ20には,また,スロットルセンサ7及びブースト圧センサ9にそれぞれ対応するカプラ端子が設けられる。
【0032】
再び図1において,センサボックス6には,ブースト圧センサ9の検出部が臨むダンパ室22と,このダンパ室22を第2の検出孔23を介して吸気道2に連通するオリフィス24とが形成される。第2の検出孔23はスロットルバルブ4より下流の吸気道2に開口するようにスロットルボディSに穿設されている。エンジンEの運転中,ブースト圧力は脈動するものであるが,その脈動を上記オリフィス24及びダンパ室22により減衰することにより,安定してブースト圧力をブースト圧センサ9に検出させることができる。
【0033】
図1〜図3に示すように,スロットルボディSには,スロットルバルブ4を迂回して,吸気道2を吸気ポート1に連通するバイパス25が設けられる。具体的には,バイパス25は,前記検出孔15の,吸気道2への開口端から中間部までの一部と,この検出孔15の中間部に開口するようにスロットルボディSに穿設される横孔26と,この横孔26を吸気ポート1に連通するようにスロットルボディSに穿設される縦孔27とから構成される。結局,検出部14aの,遮蔽筒17から突出した先端部は,バイパス25の入口を貫通して吸気道2に臨むことになる。横孔26の加工口はボール栓28で閉塞される。
【0034】
スロットルボディSには,また,横孔26と交差する弁孔30と,それに同軸で連なるねじ孔31とが形成され,アイドル調節スクリュー32の弁部32aが弁孔30に摺動可能に嵌合されると共に,そのねじ部32bがねじ孔31に螺合される。またねじ孔31には,ねじ部32bの妄動を防ぐ回り止めばね33が収納される。而して,ねじ部32bを左右に回転して,弁部32aを進退させれば,バイパス25の有効流路面積を加減して,エンジンEのアイドル吸気量を調整することができる。
【0035】
尚,図1中,符号34はバルブ軸3の軸受孔とセンサボックス6との間をシールするシール部材,35は第2の検出孔23及びオリフィス24の連通部周りをシールするシール部材である。
【0036】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0037】
エンジンEの運転中,スロットルセンサ7はスロットルバルブ4の開度を,吸気温センサ8は吸気道2内の吸気温度を,またブースト圧センサ9はエンジンEのブースト圧力をそれぞれ検出して,それぞれに対応する信号を図示しない電子制御ユニットに伝達し,電子制御ユニットは,それらの情報に基づいて燃料噴射弁その他のエンジンEの付属機器を制御する。
【0038】
ところで,吸気温センサ8の,感温素子12及び導線13を包むようにして保持するセンサ本体14は,感温素子12と導線13の大部分を保持するニードル状の検出部14aと,前記導線13の他の部分を保持する,検出部14aより大径の支持部14bとを有し,その検出部14aの先端が検出孔15から吸気道2に臨むように配置されるので,ニードル状の検出部14aは熱容量が極めて小く,吸気温度の変化を敏感に反応することができる。
【0039】
しかも検出孔15内の上記検出部14aは,遮蔽筒17の外向き筒部17bにより第1空気層A1を介して覆われているから,該外向き筒部17bによりスロットルボディSからの輻射熱から遮断され,また第1空気層A1により遮蔽筒17からの熱伝導も遮断される。さらに上記外向き筒部17bと検出孔15の内周面との間には第2空気層A2が形成されているから,第2空気層A2によりスロットルボディSから外向き筒部17bへの熱伝導も遮断される。その結果,検出部14aは,スロットルボディSの温度の影響を受けることが極めて少なく,吸気温度を常に正確に検出することができる。
【0040】
第1及び第2空気層A1,A2による検出部14aに対する断熱は,特別な断熱材を用いた断熱層に比してコストの面で有利である。
【0041】
ニードル状に形成される上記検出部14aは,それ自体では強度が低いが,検出部14aの基端に連なる大径の支持部14bが,スロットルボディSに取り付けられるセンサボックス6と一体の遮蔽筒17に支持され,また検出部14aの先端寄り外周面が遮蔽筒17の外向き筒部17b先端部に複数の突起18,18…を介して支持されるので,検出部14aの支持強度を高めることができ,スロットルボディSが受ける衝撃力に耐えることができる。
【0042】
ところで,上記突起18,18…は,検出部14aの外周面に実質的に点接触するものであるから,これら突起18,18…を介して遮蔽筒17から検出部14aに伝達される熱は極めて少ない。
【0043】
また検出部14aは,バイパス25の入口を通って吸気道2に先端を臨ませているから,エンジンEのアイドリング時には,検出部14aは,バイパス25を流れるアイドル吸気によく接触することができ,したがってそのアイドル吸気温度をも正確に検出することができる。
【0044】
遮蔽筒17の外向き筒部17bは,センサボックス6に連結して検出孔15に嵌合する大径部17b1 と,この大径部17b1 に環状段部を介して連なる小径部17b2 とからなっているから,外向き筒部17bの支持形式が片持ちであっても,外向き筒部17bの支持強度は高く,したがって振動を生じ難く,検出部14aを確実に支持することができる。さらに外向き筒部17bの小径部17b2 は,先端に向かって小径となる截頭円錐状をなしているから,小径部17b2 の剛性は高く,その振動を効果的に抑えることができる。
【0045】
検出孔15は,バイパス25の一部の構成に関与しているので,エンジンEのアイドリング時,バイパス25を流れる空気が第1空気層A1の空気を流動させることになり,遮蔽筒17延いては検出部14aに対する第2空気層A2の断熱効果を高めることができる。
【0046】
しかも検出孔15がバイパス25の一部を構成することは,検出孔15の分,バイパス25の加工工数が減り,コストの低減に寄与し得る。
【0047】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,外向き筒部17bの先端に形成した突起18,18…は,検出部14aの外周面側に形成することもできる。また上記実施例では,バイパス25の出口をエンジンEの吸気ポート1に開口させているが,これを吸気道2の下流部分に開口させることもできる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,エンジンの吸気ポートに連なっていてスロットルバルブにより開閉される吸気道を有するスロットルボディに,前記吸気道に開口する検出孔を設け,この検出孔に配設されて前記吸気道内の吸気温度を検出する吸気温センサを,前記吸気道に臨ませる感温素子と,この感温素子を包むように保持してスロットルボディに取り付けられるセンサ本体とで構成した,エンジン用スロットルボディ装置において,少なくとも一部が前記検出孔に挿入される遮蔽筒を前記スロットルボディに取り付ける一方,前記センサ本体を,前記感温素子を先端部で保持するニードル状の検出部と,この検出部の基端に一体に連なる,検出部より大径の支持部とで構成し,その支持部を前記遮蔽筒に支持させると共に,前記検出部を,その周囲に第1断熱層を存して前記遮蔽筒内に配置し,前記検出部の先端を前記遮蔽筒から突出させて前記吸気道に臨ませたので,ニードル状の検出部は熱容量が極めて小さく,吸気温度の変化を鋭敏に反応することができる。しかも検出部は,これを覆う遮蔽筒によってスロットルボディからの輻射熱から遮断され,また遮蔽筒からの熱伝導も第1断熱層によって遮断され,したがってスロットルボディの温度の影響を受けることが極めて少なく,吸気温度を常に正確に検出することができる。
【0049】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記第1断熱層を空気層とすると共に,前記遮蔽筒の先端部に,前記検出部の外周面に接触して該検出部を支持する突起を形成したので,第1断熱層を安価に得ることができる。またニードル状の検出部は,突起を介して遮蔽筒に支持されることになるため,検出部の支持強度を高めことができ,その際,該突起の相手部材に対する接触面積を極力小さく設定すれば,該突起から検出部への熱伝達を極力抑えることができる。
【0050】
さらに本発明の第3の特徴によれば,第1又は第2の特徴に加えて,前記遮蔽筒の外周面と前記検出孔の内周面との間に第2断熱層を形成したので,検出部とスロットルボディとの間には第1及び第2断熱層が二重に形成されることになり,これらによって,スロットルボディから検出部への熱の遮断を効果的に行うことができて,検出部による吸気温度の検出精度を,より高めることができる。
【0051】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,第3の特徴に加えて,前記第2断熱層を空気層としたので,第2断熱層を安価に得ることができる。
【0052】
さらにまた本発明の第5の特徴によれば,第4の特徴に加えて,前記遮蔽筒を,前記検出孔に嵌合する大径部と,前記第2断熱層を介して前記検出孔の内周面に対向する小径部とで構成したので,検出孔に挿入される遮蔽筒は,スロットルボディに片持ちで支持されるも,その支持強度は高く,振動を生じ難く,検出部を確実に支持することができる。
【0053】
さらにまた本発明の第6の特徴によれば,第4の特徴に加えて,前記遮蔽筒の,前記第2断熱層を介して前記検出孔の内周面に対向する部分を,前記吸気道側に向かって小径となる截頭円錐状に形成したので,検出孔に挿入される遮蔽筒は,スロットルボディに片持ちで支持されるも,遮蔽筒の剛性が高く,その振動を効果的に抑えることができる。
【0054】
さらにまた本発明の第7の特徴によれば,第1〜第6の特徴の何れかに加えて,前記スロットルボディには,前記スロットルバルブを迂回するように前記吸気道に接続される,アイドル吸気量調整用のバイパスを形成し,前記検出部の先端部をこのバイパスを通して前記吸気道に臨ませたので,エンジンのアイドリングでも,検出部は,バイパスを流れるアイドル吸気によく接触して,その吸気温度を的確に検出することができる。
【0055】
さらにまた本発明の第8の特徴によれば,第7の特徴に加えて,前記検出孔を,前記バイパスの一部で構成したので,検出孔がバイパスの一部を構成することで,検出孔の分,バイパスの加工工数が減り,コストの低減に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るスロットルボディ装置の縦断面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【符号の説明】
A1・・・・第1断熱層(第1空気層)
A2・・・・第2断熱層(第2空気層)
E・・・・・エンジン
S・・・・・スロットルボディ
1・・・・・吸気ポート
2・・・・・吸気道
4・・・・・スロットルバルブ
8・・・・・吸気温センサ
12・・・・感温素子
14・・・・センサ本体
14a・・・検出部
14b・・・支持部
15・・・・検出孔
17・・・・遮蔽筒
17a・・・内向き筒部
17b・・・外向き筒部
17b1 ・・大径部
17b2 ・・小径部
25・・・・バイパス
【発明の属する技術分野】
本発明は,エンジンの吸気ポートに連なっていてスロットルバルブにより開閉される吸気道を有するスロットルボディに,前記吸気道に開口する検出孔を設け,この検出孔に配設されて前記吸気道内の吸気温度を検出する吸気温センサを,前記吸気道に臨ませる感温素子と,この感温素子を包むように保持してスロットルボディに取り付けられるセンサ本体とで構成した,エンジン用スロットルボディ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝるエンジン用スロットルボディ装置は,例えば下記特許文献1に開示されるように,既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平2002−349397号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかゝるエンジン用スロットルボディ装置では,吸気温センサのセンサ本体は,感温素子を収容した有底円筒状のハウジングにエポキシ樹脂等をポッティングして構成されているので,必然的に比較的大径となって熱容量が大きく,吸気温の変化に対する感温性が鈍い。その上,上記センサ本体は,スロットルボディの検出孔に単に挿入され,検出孔の内周面と直接対向しているので,エンジンからスロットルボディに伝達した高熱が輻射によりセンサ本体に伝達することで,スロットルボディの温度の影響を受け易く,吸気道内の吸気温度を正確に検出することが困難であった。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,吸気道内の吸気温度を敏感
且つ正確に検出することができる,前記エンジン用スロットルボディ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,エンジンの吸気ポートに連なっていてスロットルバルブにより開閉される吸気道を有するスロットルボディに,前記吸気道に開口する検出孔を設け,この検出孔に配設されて前記吸気道内の吸気温度を検出する吸気温センサを,前記吸気道に臨ませる感温素子と,この感温素子を包むように保持してスロットルボディに取り付けられるセンサ本体とで構成した,エンジン用スロットルボディ装置において,少なくとも一部が前記検出孔に挿入される遮蔽筒を前記スロットルボディに取り付ける一方,前記センサ本体を,前記感温素子を先端部で保持するニードル状の検出部と,この検出部の基端に一体に連なる,検出部より大径の支持部とで構成し,その支持部を前記遮蔽筒に支持させると共に,前記検出部を,その周囲に第1断熱層を存して前記遮蔽筒内に配置し,前記検出部の先端を前記遮蔽筒から突出させて前記吸気道に臨ませたこと第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,ニードル状の検出部は熱容量が極めて小さく,吸気温度の変化を鋭敏に反応することができる。しかも検出部は,これを覆う遮蔽筒によってスロットルボディからの輻射熱から遮断され,また遮蔽筒からの熱伝導も第1断熱層によって遮断され,したがってスロットルボディの温度の影響を受けることが極めて少なく,吸気温度を常に正確に検出することができる。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記第1断熱層を空気層とすると共に,前記遮蔽筒の先端部に,前記検出部の外周面に接触して該検出部を支持する突起を形成したことを第2の特徴とする。
【0009】
この第2の特徴によれば,第1断熱層を安価に得ることができる。またニードル状の検出部は,突起を介して遮蔽筒に支持されることになるため,検出部の支持強度を高めことができ,その際,該突起の相手部材に対する接触面積を極力小さく設定すれば,該突起から検出部への熱伝導を極力抑えることができる。
【0010】
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記遮蔽筒の外周面と前記検出孔の内周面との間に第2断熱層を形成したことを第3の特徴とする。
【0011】
この第3の特徴によれば,検出部とスロットルボディとの間には第1及び第2断熱層が二重に形成されることになり,これらによって,スロットルボディから検出部への熱の遮断を効果的に行うことができて,検出部による吸気温度の検出精度を,より高めることができる。
【0012】
さらにまた本発明は,第3の特徴に加えて,前記第2断熱層を空気層としたことを第4の特徴とする。
【0013】
この第4の特徴によれば,第2断熱層を安価に得ることができる。
【0014】
さらにまた本発明は,第4の特徴に加えて,前記遮蔽筒を,前記検出孔に嵌合する大径部と,前記第2断熱層を介して前記検出孔の内周面に対向する小径部とで構成したことを第5の特徴とする。
【0015】
この第5の特徴によれば,検出孔に挿入される遮蔽筒は,スロットルボディに片持ちで支持されるも,その支持強度は高く,振動を生じ難く,検出部を確実に支持することができる。
【0016】
さらにまた本発明は,第4の特徴に加えて,前記遮蔽筒の,前記第2断熱層を介して前記検出孔の内周面に対向する部分を,前記吸気道側に向かって小径となる截頭円錐状に形成したことを第6の特徴とする。
【0017】
この第6の特徴によれば,検出孔に挿入される遮蔽筒は,スロットルボディに片持ちで支持されるも,遮蔽筒の剛性が高く,その振動を効果的に抑えることができる。
【0018】
さらにまた本発明は,第1〜第6の特徴の何れかに加えて,前記スロットルボディには,前記スロットルバルブを迂回するように前記吸気道に接続される,アイドル吸気量調整用のバイパスを形成し,前記検出部の先端部をこのバイパスを通して前記吸気道に臨ませたことを第7の特徴とする。
【0019】
この第7の特徴によれば,エンジンのアイドリングでは,第2断熱層である空気層がバイパスを流れるアイドル吸気により換気され,その断熱効果を高めることができ,その上,検出部は,バイパスを流れるアイドル吸気との接触が良好であるから,アイドル吸気温度を正確に検出することができる。
【0020】
さらにまた本発明は,第7の特徴に加えて,前記検出孔を,前記バイパスの一部で構成したことを第8の特徴とする。
【0021】
この第8の特徴によれば,検出孔がバイパスの一部を構成することで,検出孔の分,バイパスの加工工数が減り,コストの低減に寄与し得る。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
【0023】
図1は本発明の実施例に係るスロットルボディ装置の縦断面図,図2は図1の2−2線断面図,図3は図2の3−3線断面図である。
【0024】
先ず,図1において,エンジンEに接続されるスロットルボディSは,エンジンEの吸気ポート1に連なる吸気道2を有しており,この吸気道2を横断してスロットルボディSに回転自在に支承されるバルブ軸3に,吸気道2を開閉するバタフライ型のスロットルバルブ4が取り付けられる。
【0025】
図1及び図2に示すように,スロットルボディSの一側面にボルト5により接合される合成樹脂製のセンサボックス6には,スロットルバルブ4の開度を検出するスロットルセンサ7,吸気道2内の吸気温度を検出する吸気温センサ8,並びにスロットルバルブ4より下流の吸気道2内の圧力,即ちブースト圧力を検出するブースト圧センサ9が収容,保持され,センサボックス6の開放面は蓋板10で閉鎖される。
【0026】
吸気温センサ8は,サーミスタ等からなる感温素子12及びそれに連なる導線13と,これらを包んで保持するように成形される合成樹脂製のセンサ本体14とで構成される。その際,特に,センサ本体14には,感温素子12と導線13の大部分を保持する,極力小径に形成されたニードル状の検出部14aと,この検出部14aの,感温素子12と反対側の基端に一体に連結して導線13の他の部分を保持する,検出部14aより大径の支持部14bとが設けられ,これら検出部14a及び支持部14bの連結部には,放射状に延びる複数の補強リブ14cが形成される。また支持部14bの外端には位置決めフランジ14dが一体に形成される。スロットルボディSには,スロットルバルブ4より上流の吸気道2に開口する検出孔15がバルブ軸3と平行に穿設され,この検出孔15に上記吸気温センサ8が配設される。
【0027】
吸気温センサ8は,センサボックス6に一体に形成された遮蔽筒17に取り付けられる。この遮蔽筒17は,センサボックス6の底壁6aから該ボックス6内方へ延びる内向き筒部17aと,同底壁6aから外方に延びて検出孔15に挿入され,先端を吸気道2の手前で終わらせる外向き筒部17bとからなっており,外向き筒部17bの先端部内周面には,その周方に等間隔に並んで半径方内方へ突出して複数の突起18,18…が形成される。
【0028】
また外向き筒部17bは,センサボックス6の底壁6aに直接連結して検出孔15に嵌合する大径部17b1 と,この大径部17b1 に環状段部を介して連なる小径部17b2 とからなっており,その大径部17b1 の外周面に密接するシール部材19がスロットルボディS及びセンサボックス6間に介装される。また小径部17b2 は,吸気道2側の先端に向かって小径となる截頭円錐状をなしている。
【0029】
而して,上記内向き筒部17aに前記センサ本体14の支持部14bが圧入して固定されると共に,内向き筒部17aの外端面にセンサ本体14の位置決めフランジ14dが当接配置される。またセンサ本体14の検出部14aは,内向き筒部17aから外向き筒部17bを貫通して,先端部即ち感温素子12を吸気道2に臨ませるように配置される。その際,検出部14aと外向き筒部17bの内周面との間には,筒状の第1空気層A1が形成され,また外向き筒部17bと検出孔15の内周面との間には筒状の第2空気層A2が形成される。
【0030】
検出部14aの先端部は,その外周面に実質上点接触する前記突起18,18…によって支持される。
【0031】
図2に明示するように,センサボックス6の一側面にはカプラ20が一体に形成されており,このカプラ20に保持されるカプラ端子21に,前記センサ本体14の支持部14bから引き出された導線13が接続される。図示はしないが,カプラ20には,また,スロットルセンサ7及びブースト圧センサ9にそれぞれ対応するカプラ端子が設けられる。
【0032】
再び図1において,センサボックス6には,ブースト圧センサ9の検出部が臨むダンパ室22と,このダンパ室22を第2の検出孔23を介して吸気道2に連通するオリフィス24とが形成される。第2の検出孔23はスロットルバルブ4より下流の吸気道2に開口するようにスロットルボディSに穿設されている。エンジンEの運転中,ブースト圧力は脈動するものであるが,その脈動を上記オリフィス24及びダンパ室22により減衰することにより,安定してブースト圧力をブースト圧センサ9に検出させることができる。
【0033】
図1〜図3に示すように,スロットルボディSには,スロットルバルブ4を迂回して,吸気道2を吸気ポート1に連通するバイパス25が設けられる。具体的には,バイパス25は,前記検出孔15の,吸気道2への開口端から中間部までの一部と,この検出孔15の中間部に開口するようにスロットルボディSに穿設される横孔26と,この横孔26を吸気ポート1に連通するようにスロットルボディSに穿設される縦孔27とから構成される。結局,検出部14aの,遮蔽筒17から突出した先端部は,バイパス25の入口を貫通して吸気道2に臨むことになる。横孔26の加工口はボール栓28で閉塞される。
【0034】
スロットルボディSには,また,横孔26と交差する弁孔30と,それに同軸で連なるねじ孔31とが形成され,アイドル調節スクリュー32の弁部32aが弁孔30に摺動可能に嵌合されると共に,そのねじ部32bがねじ孔31に螺合される。またねじ孔31には,ねじ部32bの妄動を防ぐ回り止めばね33が収納される。而して,ねじ部32bを左右に回転して,弁部32aを進退させれば,バイパス25の有効流路面積を加減して,エンジンEのアイドル吸気量を調整することができる。
【0035】
尚,図1中,符号34はバルブ軸3の軸受孔とセンサボックス6との間をシールするシール部材,35は第2の検出孔23及びオリフィス24の連通部周りをシールするシール部材である。
【0036】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0037】
エンジンEの運転中,スロットルセンサ7はスロットルバルブ4の開度を,吸気温センサ8は吸気道2内の吸気温度を,またブースト圧センサ9はエンジンEのブースト圧力をそれぞれ検出して,それぞれに対応する信号を図示しない電子制御ユニットに伝達し,電子制御ユニットは,それらの情報に基づいて燃料噴射弁その他のエンジンEの付属機器を制御する。
【0038】
ところで,吸気温センサ8の,感温素子12及び導線13を包むようにして保持するセンサ本体14は,感温素子12と導線13の大部分を保持するニードル状の検出部14aと,前記導線13の他の部分を保持する,検出部14aより大径の支持部14bとを有し,その検出部14aの先端が検出孔15から吸気道2に臨むように配置されるので,ニードル状の検出部14aは熱容量が極めて小く,吸気温度の変化を敏感に反応することができる。
【0039】
しかも検出孔15内の上記検出部14aは,遮蔽筒17の外向き筒部17bにより第1空気層A1を介して覆われているから,該外向き筒部17bによりスロットルボディSからの輻射熱から遮断され,また第1空気層A1により遮蔽筒17からの熱伝導も遮断される。さらに上記外向き筒部17bと検出孔15の内周面との間には第2空気層A2が形成されているから,第2空気層A2によりスロットルボディSから外向き筒部17bへの熱伝導も遮断される。その結果,検出部14aは,スロットルボディSの温度の影響を受けることが極めて少なく,吸気温度を常に正確に検出することができる。
【0040】
第1及び第2空気層A1,A2による検出部14aに対する断熱は,特別な断熱材を用いた断熱層に比してコストの面で有利である。
【0041】
ニードル状に形成される上記検出部14aは,それ自体では強度が低いが,検出部14aの基端に連なる大径の支持部14bが,スロットルボディSに取り付けられるセンサボックス6と一体の遮蔽筒17に支持され,また検出部14aの先端寄り外周面が遮蔽筒17の外向き筒部17b先端部に複数の突起18,18…を介して支持されるので,検出部14aの支持強度を高めることができ,スロットルボディSが受ける衝撃力に耐えることができる。
【0042】
ところで,上記突起18,18…は,検出部14aの外周面に実質的に点接触するものであるから,これら突起18,18…を介して遮蔽筒17から検出部14aに伝達される熱は極めて少ない。
【0043】
また検出部14aは,バイパス25の入口を通って吸気道2に先端を臨ませているから,エンジンEのアイドリング時には,検出部14aは,バイパス25を流れるアイドル吸気によく接触することができ,したがってそのアイドル吸気温度をも正確に検出することができる。
【0044】
遮蔽筒17の外向き筒部17bは,センサボックス6に連結して検出孔15に嵌合する大径部17b1 と,この大径部17b1 に環状段部を介して連なる小径部17b2 とからなっているから,外向き筒部17bの支持形式が片持ちであっても,外向き筒部17bの支持強度は高く,したがって振動を生じ難く,検出部14aを確実に支持することができる。さらに外向き筒部17bの小径部17b2 は,先端に向かって小径となる截頭円錐状をなしているから,小径部17b2 の剛性は高く,その振動を効果的に抑えることができる。
【0045】
検出孔15は,バイパス25の一部の構成に関与しているので,エンジンEのアイドリング時,バイパス25を流れる空気が第1空気層A1の空気を流動させることになり,遮蔽筒17延いては検出部14aに対する第2空気層A2の断熱効果を高めることができる。
【0046】
しかも検出孔15がバイパス25の一部を構成することは,検出孔15の分,バイパス25の加工工数が減り,コストの低減に寄与し得る。
【0047】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,外向き筒部17bの先端に形成した突起18,18…は,検出部14aの外周面側に形成することもできる。また上記実施例では,バイパス25の出口をエンジンEの吸気ポート1に開口させているが,これを吸気道2の下流部分に開口させることもできる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,エンジンの吸気ポートに連なっていてスロットルバルブにより開閉される吸気道を有するスロットルボディに,前記吸気道に開口する検出孔を設け,この検出孔に配設されて前記吸気道内の吸気温度を検出する吸気温センサを,前記吸気道に臨ませる感温素子と,この感温素子を包むように保持してスロットルボディに取り付けられるセンサ本体とで構成した,エンジン用スロットルボディ装置において,少なくとも一部が前記検出孔に挿入される遮蔽筒を前記スロットルボディに取り付ける一方,前記センサ本体を,前記感温素子を先端部で保持するニードル状の検出部と,この検出部の基端に一体に連なる,検出部より大径の支持部とで構成し,その支持部を前記遮蔽筒に支持させると共に,前記検出部を,その周囲に第1断熱層を存して前記遮蔽筒内に配置し,前記検出部の先端を前記遮蔽筒から突出させて前記吸気道に臨ませたので,ニードル状の検出部は熱容量が極めて小さく,吸気温度の変化を鋭敏に反応することができる。しかも検出部は,これを覆う遮蔽筒によってスロットルボディからの輻射熱から遮断され,また遮蔽筒からの熱伝導も第1断熱層によって遮断され,したがってスロットルボディの温度の影響を受けることが極めて少なく,吸気温度を常に正確に検出することができる。
【0049】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記第1断熱層を空気層とすると共に,前記遮蔽筒の先端部に,前記検出部の外周面に接触して該検出部を支持する突起を形成したので,第1断熱層を安価に得ることができる。またニードル状の検出部は,突起を介して遮蔽筒に支持されることになるため,検出部の支持強度を高めことができ,その際,該突起の相手部材に対する接触面積を極力小さく設定すれば,該突起から検出部への熱伝達を極力抑えることができる。
【0050】
さらに本発明の第3の特徴によれば,第1又は第2の特徴に加えて,前記遮蔽筒の外周面と前記検出孔の内周面との間に第2断熱層を形成したので,検出部とスロットルボディとの間には第1及び第2断熱層が二重に形成されることになり,これらによって,スロットルボディから検出部への熱の遮断を効果的に行うことができて,検出部による吸気温度の検出精度を,より高めることができる。
【0051】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,第3の特徴に加えて,前記第2断熱層を空気層としたので,第2断熱層を安価に得ることができる。
【0052】
さらにまた本発明の第5の特徴によれば,第4の特徴に加えて,前記遮蔽筒を,前記検出孔に嵌合する大径部と,前記第2断熱層を介して前記検出孔の内周面に対向する小径部とで構成したので,検出孔に挿入される遮蔽筒は,スロットルボディに片持ちで支持されるも,その支持強度は高く,振動を生じ難く,検出部を確実に支持することができる。
【0053】
さらにまた本発明の第6の特徴によれば,第4の特徴に加えて,前記遮蔽筒の,前記第2断熱層を介して前記検出孔の内周面に対向する部分を,前記吸気道側に向かって小径となる截頭円錐状に形成したので,検出孔に挿入される遮蔽筒は,スロットルボディに片持ちで支持されるも,遮蔽筒の剛性が高く,その振動を効果的に抑えることができる。
【0054】
さらにまた本発明の第7の特徴によれば,第1〜第6の特徴の何れかに加えて,前記スロットルボディには,前記スロットルバルブを迂回するように前記吸気道に接続される,アイドル吸気量調整用のバイパスを形成し,前記検出部の先端部をこのバイパスを通して前記吸気道に臨ませたので,エンジンのアイドリングでも,検出部は,バイパスを流れるアイドル吸気によく接触して,その吸気温度を的確に検出することができる。
【0055】
さらにまた本発明の第8の特徴によれば,第7の特徴に加えて,前記検出孔を,前記バイパスの一部で構成したので,検出孔がバイパスの一部を構成することで,検出孔の分,バイパスの加工工数が減り,コストの低減に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るスロットルボディ装置の縦断面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【符号の説明】
A1・・・・第1断熱層(第1空気層)
A2・・・・第2断熱層(第2空気層)
E・・・・・エンジン
S・・・・・スロットルボディ
1・・・・・吸気ポート
2・・・・・吸気道
4・・・・・スロットルバルブ
8・・・・・吸気温センサ
12・・・・感温素子
14・・・・センサ本体
14a・・・検出部
14b・・・支持部
15・・・・検出孔
17・・・・遮蔽筒
17a・・・内向き筒部
17b・・・外向き筒部
17b1 ・・大径部
17b2 ・・小径部
25・・・・バイパス
Claims (8)
- エンジン(E)の吸気ポート(1)に連なっていてスロットルバルブ(4)により開閉される吸気道(2)を有するスロットルボディ(S)に,前記吸気道(2)に開口する検出孔(15)を設け,この検出孔(15)に配設されて前記吸気道(2)内の吸気温度を検出する吸気温センサ(8)を,前記吸気道(2)に臨ませる感温素子(12)と,この感温素子(12)を包むように保持してスロットルボディ(S)に取り付けられるセンサ本体(14)とで構成した,エンジン用スロットルボディ装置において,
少なくとも一部が前記検出孔(15)に挿入される遮蔽筒(17)を前記スロットルボディ(S)に取り付ける一方,前記センサ本体(14)を,前記感温素子(12)を先端部で保持するニードル状の検出部(14a)と,この検出部(14a)の基端に一体に連なる,検出部(14a)より大径の支持部(14b)とで構成し,その支持部(14b)を前記遮蔽筒(17)に支持させると共に,前記検出部(14a)を,その周囲に第1断熱層(A1)を存して前記遮蔽筒(17)内に配置し,前記検出部(14a)の先端を前記遮蔽筒(17)から突出させて前記吸気道(2)に臨ませたことを特徴とする,エンジン用スロットルボディ装置。 - 請求項1記載のエンジン用スロットルボディ装置において,前記第1断熱層を空気層(A1)とすると共に,前記遮蔽筒(17)及び検出部(14a)の相対向する周面の一方には,他方の周面に接する突起(18)を形成したことを特徴とする,エンジン用スロットルボディ装置。
- 請求項1又は2記載のエンジン用スロットルボディ装置において,
前記遮蔽筒(17)の外周面と前記検出孔(15)の内周面との間に第2断熱層(A2)を形成したことを特徴とする,エンジン用スロットルボディ装置。 - 請求項3記載のエンジン用スロットルボディ装置において,前記第2断熱層を空気層(A2)としたことを特徴とする,エンジン用スロットルボディ装置。
- 請求項4記載のエンジン用スロットルボディ装置において,前記遮蔽筒(17)を,前記検出孔(15)に嵌合する大径部(17b1 )と,前記第2断熱層(A2)を介して前記検出孔(15)の内周面に対向する小径部(17b2 )とで構成したことを特徴とする,エンジン用スロットルボディ装置。
- 請求項4記載のエンジン用スロットルボディ装置において,前記遮蔽筒(17)の,前記第2断熱層(A2)を介して前記検出孔(15)の内周面に対向する部分を,前記吸気道(2)側に向かって小径となる截頭円錐状に形成したことを特徴とする,エンジン用スロットルボディ装置。
- 請求項1〜6の何れかに記載のエンジン用スロットルボディ装置において,
前記スロットルボディ(S)には,前記スロットルバルブ(4)を迂回するように前記吸気道(2)に接続される,アイドル吸気量調整用のバイパス(25)を形成し,前記検出部(15)の先端部をこのバイパス(25)を通して前記吸気道(2)に臨ませたことを特徴とする,エンジン用スロットルボディ装置。 - 請求項7記載のエンジン用スロットルボディ装置において,前記検出孔(15)を,前記バイパス(25)の一部で構成したことを特徴とする,エンジン用スロットルボディ装置。
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-
2003
- 2003-03-11 JP JP2003065175A patent/JP2004270630A/ja not_active Withdrawn
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