JP2004270558A - 燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】LPGのように気化しやすい液体燃料も高温下で安定した液体の状態で噴射させ、且つ高温再始動生を良好なものとする。
【解決手段】燃料ポンプで加圧した液体燃料の供給管路3と余剰燃料を燃料タンクに戻す戻し管路6との間に、吸気マニホルド枝管毎に設置した燃料噴射弁4に供給管路3の液体燃料を導入する導入管路12と余剰燃料を戻し管路6に導入をする送出管路16を燃料噴射弁4毎に個別に設けた個別燃料噴射系17を互いに独立して並列設置し、液体燃料のエンジン熱による温度上昇を低減するとともに、エンジン停止後の気相燃料発生領域を狭くした。
【選択図】 図2
【解決手段】燃料ポンプで加圧した液体燃料の供給管路3と余剰燃料を燃料タンクに戻す戻し管路6との間に、吸気マニホルド枝管毎に設置した燃料噴射弁4に供給管路3の液体燃料を導入する導入管路12と余剰燃料を戻し管路6に導入をする送出管路16を燃料噴射弁4毎に個別に設けた個別燃料噴射系17を互いに独立して並列設置し、液体燃料のエンジン熱による温度上昇を低減するとともに、エンジン停止後の気相燃料発生領域を狭くした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体燃料を吸気管に噴射してエンジンに供給する燃料噴射装置、詳しくはLPGのように気化しやすい燃料を高温時においても安定した液体の状態で噴射することができるとともに、高温再始動性が良好な燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体燃料であるガソリンを吸気管に燃料噴射弁を用いて計量噴射しエンジンに供給するシステムは、図3に示すように燃料タンク51に貯留されている液体燃料Fを燃料ポンプ52で加圧し、供給管路53より燃料ギャラリ(または燃料レール)54に送ってエンジン56の吸気管である吸気マニホルド各枝管に設置した燃料噴射弁55に分配するようになっており、燃料噴射弁55から枝管に噴射される液体燃料Fは圧力調整器57で所定圧力に調整される。また、燃料噴射弁55から噴射されなかった余剰燃料は戻し管路58を通って燃料タンク51に戻される。
【0003】
以上の燃料噴射装置は例えば特開昭56−132454号公報、特開昭58−32964号公報に記載されているように周知である。 一方、ガソリンに代えてLPGを液体のまま燃料噴射弁より各枝管に噴射しエンジンに供給するものにおいても、例えば実開昭61−138860号公報、実開昭62−87162号公報、特開昭63−18172号公報に記載されているように、基本的に前記ガソリンと同じ燃料噴射装置を使用している。
【0004】
図4(A)、(B)は図3に示した燃料ギャラリ54の内で、現在一般的に使用されているものを説明する図であって、各枝管に設置した燃料噴射弁55を取り付けてそれらの燃料入口を個別に開口させた分室58を導管59によって直列接続し、一段目の分室58に供給管路53を接続するとともに最終段の分室58に戻し管路57を接続したものである。 燃料ポンプ52で加圧した液体燃料Fは一段目の分室58から最終段の分室58に向かって流れながら燃料噴射弁55より各枝管に噴射させられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の燃料ギャラリ54は、エンジン56に接近させて各枝管に設置した燃料噴射弁55の燃料入口を分室58に開口させているために、エンジン56に接近した個所に配備されたものとなっており、加えて分室58は液体燃料が一段目の分室58から最終段の分室58へと順次流れながら燃料噴射弁55から噴射されるように直列に配備されている。
【0006】
このため、四個または六個の燃料噴射弁55が一列に配備される多気筒エンジンにおいては、燃料ギャラリ54が長大且つ大容量のものとなる。従って、液体燃料Fが一段目の分室58から最終段の分室58に至る間にエンジン熱で次第に加熱され最終段側の液体燃料Fおよび燃料噴射弁55は一段目よりもかなり高温となり、高温の余剰燃料が戻ることによって燃料タンク51の液体燃料温度が上昇する。
【0007】
このような状態が続くと、供給管路53より燃料ギャラリ54に送られる液体燃料Fが次第に高温となり、液体燃料FがLPGの場合は殊に最終段側で気化しやすい状態を生じ、エンジン運転中に気化することがあると気相燃料が燃料噴射弁55から噴射されてエンジン運転性や排気状態を著しく悪化する。 また、エンジン停止後のエンジンルーム内温度が上昇した状態での高温再始動時に燃料ギャラリ54に気相燃料が発生しているとベーパロックによる再始動不良の問題を生じ、そのために再始動にあたって燃料ポンプ52を長い時間運転し燃料ギャラリ54および燃料噴射弁55の燃料入口を液相の液体燃料Fに入れ替える必要があるなど、高温再始動性がよくないという不都合を伴う心配が大きい。
【0008】
本発明は従来の燃料ギャラリがもっている、液体燃料を気化させやすいためにエンジン運転性や排気状態を悪化させたり、高温再始動性に悪影響を与えたりする心配がある、という前記課題を解決するためになされたものであって、LPGのように気化しやすい燃料についても高温時に安定した液体の状態で噴射することができるとともに、高温再始動性が良好な燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
燃料タンクの液体燃料を燃料ポンプで加圧し圧力調整器で所定圧力に調整してエンジンの吸気マニホルド各枝管に設置した燃料噴射弁より噴射するとともに、余剰燃料を燃料タンクに戻すものとした前記従来の燃料噴射装置の殊に燃料ギャラリがもっている前述の問題点を解決するために、燃料ポンプから延びる供給管路の液体燃料を燃料噴射弁に導入する送入管路と、余剰燃料を燃料タンクに至る戻し管路に導入する送出管路とを燃料噴射弁毎に個別に設け;送入管路、燃料噴射弁および送出管路からなる個別燃料噴射系を互いに独立して並列設置した;ことをもって第一発明とした。
【0010】
また、前記従来の燃料噴射装置がもっている前述の問題点を解決するために、前記第一発明のものに加えて送入管路のそれぞれに供給管路へ向かって閉じる逆止弁を設けた;ことをもって第二発明とした。
【0011】
このような第一発明および第二発明によると、供給管路の液体燃料が各送入管路を通る並列流となって各燃料噴射弁に導入されるため、一段目側の燃料噴射弁と最終段側の燃料噴射弁との間の燃料温度差がなくなり、高温度に加熱されることのない液体燃料が燃料噴射弁から噴射され且つ燃料タンクに戻ることとなる。その結果、液体燃料を気化させる心配なく安定した液体の状態で噴射することができるとともに、燃料タンクの液体燃料温度上昇が抑制される。 また、送入管路を任意に長くできるので供給管路をエンジンから遠ざけて設置し、エンジン停止後の気相燃料発生領域を狭くして高温再始動性を改善することができる。
【0012】
殊に、第二発明によるとエンジン停止後に燃料噴射弁付近に気相燃料が発生しても逆止弁によって供給管路への逆流が防止され、高温再始動性を更に良好なものとすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、図1および図2において、燃料タンク1の液体燃料Fは電動機駆動の燃料ポンプ2で加圧され、供給管路3を通ってエンジン7の吸気マニホルド枝管8のそれぞれに設置した燃料噴射弁4に送られ、エンジン7の運転状態に応じて計量噴射させられるとともに、エンジン7に供給されなかった余剰燃料は戻し管路6を通って燃料タンク1に戻されるようになっている。戻し管路6には燃料噴射弁4から噴射される液体燃料Fを所定圧力に調整する圧力調整器9が設置されている。
【0014】
供給管路3の終端部にはこれと一体形成または別体形成された管状の分配室11が設けられており、エンジン7の気筒数と同じ個数、本実施の形態では四個の燃料噴射弁4のそれぞれの燃料入口5に接続開口させた送入管路12が分配室11から分岐させて設けられている。 一方、戻し管路6の始端部にはこれと一体形成または別体形成された管状の集合室15が設けられている。この集合室15は燃料噴射弁4の上方に配置され、それぞれの燃料入口5に開口して上方へ延びる送出管路16を接続させている。
【0015】
分配室11およびこれより分岐させた送入管路12は燃料噴射弁4に液体燃料Fを分配導入する分配器10を構成し、集合室15およびこれに接続した送出管路16は燃料噴射弁4で噴射されなかった余剰燃料を戻し管路6に合流導入する集合器14を構成する。
【0016】
また、燃料噴射弁4とそのそれぞれに接続した送入管路12および送出管路16とは、供給管路3と戻し管路6との間に互いに独立して並列設置された個別燃料噴射系17を構成している。 更に、本実施の形態では送入管路12のそれぞれに分配室11へ向かって閉じるように働く逆止弁13が設置されている。
【0017】
このような実施の形態において、エンジン7が運転されているとき燃料ポンプ2で加圧した燃料タンク1の液体燃料Fは供給管路3を通ってその終端部の分配室11から各送入管路12に分岐し並列流となって各燃料噴射弁4の燃料入口5に流入し、圧力調整器9で所定圧力に調整されてエンジン7の運転状態に応じたデューテイサイクル信号で開閉動作する燃料噴射弁4より枝管8に噴射させられる。 エンジン7に供給されなかった液体燃料Fは余剰燃料として送出管路16から集合室15に入り、戻し管路6を通って燃料タンク1に戻る。
【0018】
本実施の形態によると、液体燃料Fは燃料噴射弁4に順次にではなく並列流となって同様に導入されるので、分配室11の入口側の一段目燃料噴射弁4と終端側の四段目燃料噴射弁4との間の燃料温度差がなく、且つ燃料噴射弁4のそれぞれから余剰燃料が送出管路16を並列流となって集合室15に入り燃料タンク1に戻るので、エンジン7およびその周辺が高温であっても液体燃料Fは高温度に加熱されることなく安定した液体の状態で燃料噴射弁4から噴射され、且つ余剰燃料は高温度に加熱されない状態で燃料タンク1に戻り、その内部の液体燃料温度上昇が抑制される。
【0019】
また、送入管路12は任意の長さとすることができるので、分配室11をエンジン7から充分に離れた場所に設置し、或いはエンジン7との間に断熱材を配置するなど、エンジン7の熱的影響を受けにくくすることが容易になる。 そして、このことによりエンジン7が停止してその周辺温度が上昇した場合、気相燃料を発生する心配のある領域が燃料噴射弁4付近の狭い範囲となり、気相燃料が発生している状態での高温再始動時に燃料ポンプ2を運転して個別燃料噴射系17から気相燃料を排出し液体燃料Fに入れ替えるのに要する時間が短縮され、高温再始動性が改善される。
【0020】
この場合、本実施の形態では戻し管路6の始端部である集合室15を燃料噴射弁4の上方に配置し、余剰燃料の送出管路16を縦方向に延在させているので、気相燃料の排出がきわめて円滑且つ短時間で行なわれ、ベーパロックによる再始動不良が解消されるばかりか、液体燃料Fへの入れ替えがきわめて短時間で行なわれ高温再始動性を良好なものとすることができる。
【0021】
更に、本実施の形態においては送入管路12のそれぞれに供給管路3の終端側である分配室11へ向かって閉じる逆止弁13を設置している。 この逆止弁13はエンジン7の熱的影響を最も受けやすい燃料噴射弁4およびその付近に充満している液体燃料Fがエンジン停止後に高温に加熱されて高圧となったとき、高温高圧の液体燃料Fが供給管路3へと逆流することを防止するものであり、従って逆止弁13の下流側で気相燃料が発生してもこれが供給管路3に入ることが防止される。 また、高温高圧となった液体燃料Fは戻し管路6を通って燃料タンク1に放出されるが、その量は少量であるので燃料タンク1の液体燃料温度を大幅に上昇させる心配はない。 そして、高温再始動時に燃料ポンプ1を運転すると、気相燃料は逆止弁13の下流側領域に発生しているだけであるので速やかに排出され、高温再始動性を更に良好なものとすることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、吸気マニホルド枝管毎に設置した燃料噴射弁を互いに独立して供給管路と戻し管路との間に並列設置した個別燃料噴射系とした本発明によると、LPGのように気化しやすい液体燃料を高温時に加熱することなく安定した液体の状態で噴射し、エンジン運転性や排気状態を良好に維持することができるとともに、高温度の余剰燃料が戻ることによる燃料タンクの液体燃料温度上昇が抑制されるものである。 また、エンジン停止後の温度上昇による気相燃料発生領域を狭くして良好な高温再始動性を得ることができるものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す配置図。
【図2】図1における本発明の主要部分を示す斜視図。
【図3】従来例を示す配置図。
【図4】図3における燃料ギャラリの(A)は縦断面図、(B)は横断面図。
【符号の説明】
1 燃料タンク、 2 燃料ポンプ、 3 供給管路、 4 燃料噴射弁、 6 戻し管路、 7 エンジン、 8 吸気マニホルド枝管、 9 圧力調整器、 10 分配器、 11 分配室、 12 送入管路、 13 逆止弁、 14 集合器、 15 集合室、 16 送出管路、 17 個別燃料噴射系
【発明の属する技術分野】
本発明は液体燃料を吸気管に噴射してエンジンに供給する燃料噴射装置、詳しくはLPGのように気化しやすい燃料を高温時においても安定した液体の状態で噴射することができるとともに、高温再始動性が良好な燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体燃料であるガソリンを吸気管に燃料噴射弁を用いて計量噴射しエンジンに供給するシステムは、図3に示すように燃料タンク51に貯留されている液体燃料Fを燃料ポンプ52で加圧し、供給管路53より燃料ギャラリ(または燃料レール)54に送ってエンジン56の吸気管である吸気マニホルド各枝管に設置した燃料噴射弁55に分配するようになっており、燃料噴射弁55から枝管に噴射される液体燃料Fは圧力調整器57で所定圧力に調整される。また、燃料噴射弁55から噴射されなかった余剰燃料は戻し管路58を通って燃料タンク51に戻される。
【0003】
以上の燃料噴射装置は例えば特開昭56−132454号公報、特開昭58−32964号公報に記載されているように周知である。 一方、ガソリンに代えてLPGを液体のまま燃料噴射弁より各枝管に噴射しエンジンに供給するものにおいても、例えば実開昭61−138860号公報、実開昭62−87162号公報、特開昭63−18172号公報に記載されているように、基本的に前記ガソリンと同じ燃料噴射装置を使用している。
【0004】
図4(A)、(B)は図3に示した燃料ギャラリ54の内で、現在一般的に使用されているものを説明する図であって、各枝管に設置した燃料噴射弁55を取り付けてそれらの燃料入口を個別に開口させた分室58を導管59によって直列接続し、一段目の分室58に供給管路53を接続するとともに最終段の分室58に戻し管路57を接続したものである。 燃料ポンプ52で加圧した液体燃料Fは一段目の分室58から最終段の分室58に向かって流れながら燃料噴射弁55より各枝管に噴射させられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の燃料ギャラリ54は、エンジン56に接近させて各枝管に設置した燃料噴射弁55の燃料入口を分室58に開口させているために、エンジン56に接近した個所に配備されたものとなっており、加えて分室58は液体燃料が一段目の分室58から最終段の分室58へと順次流れながら燃料噴射弁55から噴射されるように直列に配備されている。
【0006】
このため、四個または六個の燃料噴射弁55が一列に配備される多気筒エンジンにおいては、燃料ギャラリ54が長大且つ大容量のものとなる。従って、液体燃料Fが一段目の分室58から最終段の分室58に至る間にエンジン熱で次第に加熱され最終段側の液体燃料Fおよび燃料噴射弁55は一段目よりもかなり高温となり、高温の余剰燃料が戻ることによって燃料タンク51の液体燃料温度が上昇する。
【0007】
このような状態が続くと、供給管路53より燃料ギャラリ54に送られる液体燃料Fが次第に高温となり、液体燃料FがLPGの場合は殊に最終段側で気化しやすい状態を生じ、エンジン運転中に気化することがあると気相燃料が燃料噴射弁55から噴射されてエンジン運転性や排気状態を著しく悪化する。 また、エンジン停止後のエンジンルーム内温度が上昇した状態での高温再始動時に燃料ギャラリ54に気相燃料が発生しているとベーパロックによる再始動不良の問題を生じ、そのために再始動にあたって燃料ポンプ52を長い時間運転し燃料ギャラリ54および燃料噴射弁55の燃料入口を液相の液体燃料Fに入れ替える必要があるなど、高温再始動性がよくないという不都合を伴う心配が大きい。
【0008】
本発明は従来の燃料ギャラリがもっている、液体燃料を気化させやすいためにエンジン運転性や排気状態を悪化させたり、高温再始動性に悪影響を与えたりする心配がある、という前記課題を解決するためになされたものであって、LPGのように気化しやすい燃料についても高温時に安定した液体の状態で噴射することができるとともに、高温再始動性が良好な燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
燃料タンクの液体燃料を燃料ポンプで加圧し圧力調整器で所定圧力に調整してエンジンの吸気マニホルド各枝管に設置した燃料噴射弁より噴射するとともに、余剰燃料を燃料タンクに戻すものとした前記従来の燃料噴射装置の殊に燃料ギャラリがもっている前述の問題点を解決するために、燃料ポンプから延びる供給管路の液体燃料を燃料噴射弁に導入する送入管路と、余剰燃料を燃料タンクに至る戻し管路に導入する送出管路とを燃料噴射弁毎に個別に設け;送入管路、燃料噴射弁および送出管路からなる個別燃料噴射系を互いに独立して並列設置した;ことをもって第一発明とした。
【0010】
また、前記従来の燃料噴射装置がもっている前述の問題点を解決するために、前記第一発明のものに加えて送入管路のそれぞれに供給管路へ向かって閉じる逆止弁を設けた;ことをもって第二発明とした。
【0011】
このような第一発明および第二発明によると、供給管路の液体燃料が各送入管路を通る並列流となって各燃料噴射弁に導入されるため、一段目側の燃料噴射弁と最終段側の燃料噴射弁との間の燃料温度差がなくなり、高温度に加熱されることのない液体燃料が燃料噴射弁から噴射され且つ燃料タンクに戻ることとなる。その結果、液体燃料を気化させる心配なく安定した液体の状態で噴射することができるとともに、燃料タンクの液体燃料温度上昇が抑制される。 また、送入管路を任意に長くできるので供給管路をエンジンから遠ざけて設置し、エンジン停止後の気相燃料発生領域を狭くして高温再始動性を改善することができる。
【0012】
殊に、第二発明によるとエンジン停止後に燃料噴射弁付近に気相燃料が発生しても逆止弁によって供給管路への逆流が防止され、高温再始動性を更に良好なものとすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、図1および図2において、燃料タンク1の液体燃料Fは電動機駆動の燃料ポンプ2で加圧され、供給管路3を通ってエンジン7の吸気マニホルド枝管8のそれぞれに設置した燃料噴射弁4に送られ、エンジン7の運転状態に応じて計量噴射させられるとともに、エンジン7に供給されなかった余剰燃料は戻し管路6を通って燃料タンク1に戻されるようになっている。戻し管路6には燃料噴射弁4から噴射される液体燃料Fを所定圧力に調整する圧力調整器9が設置されている。
【0014】
供給管路3の終端部にはこれと一体形成または別体形成された管状の分配室11が設けられており、エンジン7の気筒数と同じ個数、本実施の形態では四個の燃料噴射弁4のそれぞれの燃料入口5に接続開口させた送入管路12が分配室11から分岐させて設けられている。 一方、戻し管路6の始端部にはこれと一体形成または別体形成された管状の集合室15が設けられている。この集合室15は燃料噴射弁4の上方に配置され、それぞれの燃料入口5に開口して上方へ延びる送出管路16を接続させている。
【0015】
分配室11およびこれより分岐させた送入管路12は燃料噴射弁4に液体燃料Fを分配導入する分配器10を構成し、集合室15およびこれに接続した送出管路16は燃料噴射弁4で噴射されなかった余剰燃料を戻し管路6に合流導入する集合器14を構成する。
【0016】
また、燃料噴射弁4とそのそれぞれに接続した送入管路12および送出管路16とは、供給管路3と戻し管路6との間に互いに独立して並列設置された個別燃料噴射系17を構成している。 更に、本実施の形態では送入管路12のそれぞれに分配室11へ向かって閉じるように働く逆止弁13が設置されている。
【0017】
このような実施の形態において、エンジン7が運転されているとき燃料ポンプ2で加圧した燃料タンク1の液体燃料Fは供給管路3を通ってその終端部の分配室11から各送入管路12に分岐し並列流となって各燃料噴射弁4の燃料入口5に流入し、圧力調整器9で所定圧力に調整されてエンジン7の運転状態に応じたデューテイサイクル信号で開閉動作する燃料噴射弁4より枝管8に噴射させられる。 エンジン7に供給されなかった液体燃料Fは余剰燃料として送出管路16から集合室15に入り、戻し管路6を通って燃料タンク1に戻る。
【0018】
本実施の形態によると、液体燃料Fは燃料噴射弁4に順次にではなく並列流となって同様に導入されるので、分配室11の入口側の一段目燃料噴射弁4と終端側の四段目燃料噴射弁4との間の燃料温度差がなく、且つ燃料噴射弁4のそれぞれから余剰燃料が送出管路16を並列流となって集合室15に入り燃料タンク1に戻るので、エンジン7およびその周辺が高温であっても液体燃料Fは高温度に加熱されることなく安定した液体の状態で燃料噴射弁4から噴射され、且つ余剰燃料は高温度に加熱されない状態で燃料タンク1に戻り、その内部の液体燃料温度上昇が抑制される。
【0019】
また、送入管路12は任意の長さとすることができるので、分配室11をエンジン7から充分に離れた場所に設置し、或いはエンジン7との間に断熱材を配置するなど、エンジン7の熱的影響を受けにくくすることが容易になる。 そして、このことによりエンジン7が停止してその周辺温度が上昇した場合、気相燃料を発生する心配のある領域が燃料噴射弁4付近の狭い範囲となり、気相燃料が発生している状態での高温再始動時に燃料ポンプ2を運転して個別燃料噴射系17から気相燃料を排出し液体燃料Fに入れ替えるのに要する時間が短縮され、高温再始動性が改善される。
【0020】
この場合、本実施の形態では戻し管路6の始端部である集合室15を燃料噴射弁4の上方に配置し、余剰燃料の送出管路16を縦方向に延在させているので、気相燃料の排出がきわめて円滑且つ短時間で行なわれ、ベーパロックによる再始動不良が解消されるばかりか、液体燃料Fへの入れ替えがきわめて短時間で行なわれ高温再始動性を良好なものとすることができる。
【0021】
更に、本実施の形態においては送入管路12のそれぞれに供給管路3の終端側である分配室11へ向かって閉じる逆止弁13を設置している。 この逆止弁13はエンジン7の熱的影響を最も受けやすい燃料噴射弁4およびその付近に充満している液体燃料Fがエンジン停止後に高温に加熱されて高圧となったとき、高温高圧の液体燃料Fが供給管路3へと逆流することを防止するものであり、従って逆止弁13の下流側で気相燃料が発生してもこれが供給管路3に入ることが防止される。 また、高温高圧となった液体燃料Fは戻し管路6を通って燃料タンク1に放出されるが、その量は少量であるので燃料タンク1の液体燃料温度を大幅に上昇させる心配はない。 そして、高温再始動時に燃料ポンプ1を運転すると、気相燃料は逆止弁13の下流側領域に発生しているだけであるので速やかに排出され、高温再始動性を更に良好なものとすることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、吸気マニホルド枝管毎に設置した燃料噴射弁を互いに独立して供給管路と戻し管路との間に並列設置した個別燃料噴射系とした本発明によると、LPGのように気化しやすい液体燃料を高温時に加熱することなく安定した液体の状態で噴射し、エンジン運転性や排気状態を良好に維持することができるとともに、高温度の余剰燃料が戻ることによる燃料タンクの液体燃料温度上昇が抑制されるものである。 また、エンジン停止後の温度上昇による気相燃料発生領域を狭くして良好な高温再始動性を得ることができるものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す配置図。
【図2】図1における本発明の主要部分を示す斜視図。
【図3】従来例を示す配置図。
【図4】図3における燃料ギャラリの(A)は縦断面図、(B)は横断面図。
【符号の説明】
1 燃料タンク、 2 燃料ポンプ、 3 供給管路、 4 燃料噴射弁、 6 戻し管路、 7 エンジン、 8 吸気マニホルド枝管、 9 圧力調整器、 10 分配器、 11 分配室、 12 送入管路、 13 逆止弁、 14 集合器、 15 集合室、 16 送出管路、 17 個別燃料噴射系
Claims (4)
- 燃料タンクの液体燃料を燃料ポンプで加圧し圧力調整器で所定圧力に調整してエンジンの吸気マニホルド各枝管に設置した燃料噴射弁より噴射するとともに、余剰燃料を前記燃料タンクに戻す燃料噴射装置において、
前記燃料ポンプから延びる供給管路の液体燃料を前記燃料噴射弁に導入する送入管路と、余剰燃料を前記燃料タンクに至る戻し管路に導入する送出管路とが前記燃料噴射弁毎に個別に設けられ、
前記送入管路、燃料噴射弁および送出管路からなる個別燃料噴射系が互いに独立して並列設置されている、
ことを特徴とする燃料噴射装置。 - 燃料タンクの液体燃料を燃料ポンプで加圧し圧力調整器で所定圧力に調整してエンジンの吸気マニホルド各枝管に設置した燃料噴射弁より噴射するとともに、余剰燃料を前記燃料タンクに戻す燃料噴射装置において、
前記燃料ポンプから延びる供給管路の液体燃料を前記燃料噴射弁に導入する送入管路と、余剰燃料を前記燃料タンクに至る戻し管路に導入する送出管路とが前記燃料噴射弁毎に個別に設けられ、
前記送入管路、燃料噴射弁および送出管路からなる個別燃料噴射系が互いに独立して並列設置されているとともに、
前記送入管路のそれぞれに前記供給管路へ向かって閉じる逆止弁が設けられている、
ことを特徴とする燃料噴射装置。 - 前記戻し管路の始端部が前記燃料噴射弁の上方に配置され、前記送出管路が縦方向に延びて前記始端部に接続されている請求項1または2に記載した燃料噴射装置。
- 前記供給管路の終端部に分配室が設けられて前記送入管路を分岐させているとともに、前記戻し管路の始端部に集合室が設けられて前記送出管路を接続させており、前記分配室および送入管路は前記燃料噴射弁に液体燃料を分配導入する分配器を構成するとともに、前記集合室および送出管路は前記燃料噴射弁で噴射されなかった余剰燃料を前記戻し管路に合流導入する集合器を構成し、液体燃料および余剰燃料が前記個別燃料噴射系を並列流となって流れるものとされている請求項1または2に記載した燃料噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003062822A JP2004270558A (ja) | 2003-03-10 | 2003-03-10 | 燃料噴射装置 |
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JP2003062822A JP2004270558A (ja) | 2003-03-10 | 2003-03-10 | 燃料噴射装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004270558A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100672193B1 (ko) | 2004-10-13 | 2007-01-19 | 씨멘스 오토모티브 주식회사 | 엘피아이 차량의 연료 제어 장치 |
JP2010265907A (ja) * | 2010-07-30 | 2010-11-25 | Sanoh Industrial Co Ltd | フューエルインジェクションレール |
JP2010281330A (ja) * | 2010-07-30 | 2010-12-16 | Sanoh Industrial Co Ltd | フューエルインジェクションレール |
CN102493902A (zh) * | 2011-12-05 | 2012-06-13 | 北京理工大学 | 一种用于氢内燃机的轨压波动控制装置 |
-
2003
- 2003-03-10 JP JP2003062822A patent/JP2004270558A/ja active Pending
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