JP2004270186A - 衛生洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノズル部30とノズルカバー200Sとの間には空間210が形成され、ノズル部30の先端とノズルカバー200Sの下端との間には外部(便器600内の空間)と空間210とを連通する隙間211が形成されている。ノズル洗浄時にノズル部30のノズル洗浄孔24dから噴出されるノズル洗浄用蒸気は矢印Qの方向に流れ、空間210に流れ込むとともに空間210内に充満する。これにより、空間210内の蒸気圧(蒸気量)が飽和蒸気圧(飽和蒸気量)を超えるとノズル洗浄用蒸気が湯気STとなる。また、空間210内から隙間211を通じて外部に流れ出るノズル洗浄用蒸気の蒸気圧が外部の飽和蒸気圧より高いため、ノズル洗浄用蒸気が湯気STとなる。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置においては、衛生洗浄装置自体の衛生状態を確保するため、各種機能が案出されてきた。例えば、人体の局部を洗浄する洗浄ノズル(以下、人体洗浄ノズルと呼ぶ。)をさらに洗浄する機能等である。
【0003】
人体洗浄ノズルを洗浄する機能によれば、人体の局部の洗浄により人体洗浄ノズル自体に付着する汚れが洗浄される。これにより、使用者は、清潔な人体洗浄ノズルから噴出される洗浄水で局部を洗浄することができる。
【0004】
ところで、一般に、人体洗浄ノズルは衛生洗浄装置のケーシング内部に設けられるため、使用者は実際に人体洗浄ノズルが洗浄されているのかまたは実際に人体洗浄ノズルの洗浄が行われていることを知ることができず、人体洗浄ノズルの洗浄を行った場合であっても人体洗浄ノズルが清潔に保たれているという十分な安心感を得ることができなかった。
【0005】
これに対し、局部洗浄用のノズル装置の洗浄水噴出端をクリーニングする衛生洗浄装置であって、そのクリーニング過程を使用者に報知する衛生洗浄装置がある(特許文献1参照)。
【0006】
この場合、ノズル装置のクリーニング時にその旨が液晶画面に表示されたり、スピーカにより音声出力されたりするので、使用者は、ノズル装置が洗浄されていることを認識することができる。
【0007】
【特許文献1】
特許2795359号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の衛生洗浄装置は、ノズル装置のクリーニングを使用者に報知するための液晶画面やスピーカを必要とし、複雑な構成となっている。また、使用者は、ノズル装置のクリーニングが行われている旨を認識することはできるがどのようにクリーニングが行われているかを認識することはできない。
【0009】
本発明の目的は、簡単な構成で人体洗浄ノズル装置の衛生状態を確保しつつ使用者に十分な安心感を与えることが可能な衛生洗浄装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
従来の課題を解決するために、本発明に係る衛生洗浄装置は、給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、洗浄水を人体に噴出する人体洗浄ノズル装置と、蒸気を噴出することにより前記人体洗浄ノズル装置を洗浄するノズル洗浄装置と、ノズル洗浄装置から噴出される蒸気を視覚的または聴覚的に顕在化させる顕在化手段とを備えるものである。
【0011】
本発明に係る衛生洗浄装置においては、人体洗浄ノズル装置により給水源から供給される洗浄水が人体に噴出される。また、ノズル洗浄装置から蒸気が噴出されることにより人体洗浄ノズル装置が洗浄される。そして、顕在化手段によりノズル洗浄装置から噴出される蒸気が視覚的または聴覚的に顕在化される。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、洗浄水を人体に噴出する人体洗浄ノズル装置と、蒸気を噴出することにより人体洗浄ノズル装置を洗浄するノズル洗浄装置と、ノズル洗浄装置から噴出される蒸気を視覚的または聴覚的に顕在化させる顕在化手段とを備えたものである。
【0013】
本発明に係る衛生洗浄装置においては、人体洗浄ノズル装置により給水源から供給される洗浄水が人体に噴出される。また、ノズル洗浄装置から蒸気が噴出されることにより人体洗浄ノズル装置が洗浄される。そして、顕在化手段によりノズル洗浄装置から噴出される蒸気が視覚的または聴覚的に顕在化される。
【0014】
このように、蒸気により人体洗浄ノズル装置が洗浄されるので、人体洗浄ノズル装置に付着した汚れが容易に除去されるとともに、除菌効果が得られる。
【0015】
また、使用者は、高温での洗浄動作が継続していることを容易に認識することができる。それにより、高温での洗浄動作の継続中に、使用者が誤って高温の蒸気に触れること、誤って高温の人体洗浄ノズル装置に触れることおよび誤って高温の人体洗浄ノズル装置から洗浄水を噴出させることが防止される。したがって、簡単な構成で安全性を確保しつつ人体洗浄ノズル装置を清潔に保つことができる。
【0016】
また、ノズル洗浄装置から噴出される蒸気が視覚的または聴覚的に顕在化されることにより、使用者は蒸気の発生を認識することができるので、衛生的であるという安心感を得ることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生洗浄装置の構成において、顕在化手段は、ノズル洗浄装置を部分的に取り囲むケーシングと、ノズル洗浄装置からケーシング内に噴出された蒸気を視認可能にケーシングから排出する蒸気排出部とを含むものである。
【0018】
この場合、ノズル洗浄装置による蒸気での洗浄時にノズル洗浄装置からケーシング内に噴出された蒸気が、蒸気排出部から排出される。これにより、蒸気排出部から排出される蒸気が湯気として視覚的に顕在化されるので、使用者は、透明部を視認することにより高温での洗浄動作が継続していることを容易に認識することができる。また、蒸気の発生を知らせる報知手段が必要でないので構成が容易となっている。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の衛生洗浄装置の構成において、顕在化手段は、ノズル洗浄装置を部分的に取り囲むケーシングと、ケーシングの少なくとも一部に設けられた透明部とを含むものである。
【0020】
この場合、ノズル洗浄装置による蒸気での洗浄時に透明部の設けられたケーシングの内部でノズル洗浄装置から噴出される蒸気が湯気または曇りとして視覚的に顕在化されるので、使用者は、透明部を視認することにより高温での洗浄動作が継続していることを容易に認識することができる。また、蒸気の発生を知らせる報知手段が必要でないので構成が容易となっている。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の衛生洗浄装置の構成において、顕在化手段は、ノズル洗浄装置から噴出される蒸気に起因する音を発生する音発生手段を含むものである。
【0022】
この場合、音発生手段によりノズル洗浄装置から噴出される蒸気に起因する音が発生される。これにより、ノズル洗浄装置による蒸気での洗浄時にノズル洗浄装置から噴出される蒸気が音として聴覚的に顕在化されるので、使用者は、高温での洗浄動作が継続していることを容易に認識することができる。また、蒸気の発生を知らせる報知手段が必要でないので構成が容易となっている。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の衛生洗浄装置の構成において、音発生手段は、時間的に変化する音を発生するものである。この場合、使用者は、時間的に変化する音を聞くことにより蒸気の発生を容易に認識することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の衛生洗浄装置の構成において、音発生手段は、略一定の音を発生するものである。この場合、使用者は、時間的に略一定の音を聞くことにより、耳障り感を感じることなく蒸気の発生を容易に認識することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載の衛生洗浄装置の構成において、ノズル洗浄装置は、蒸気を発生する蒸気発生手段を含み、音発生手段は、蒸気発生手段により発生された蒸気を噴出するとともに蒸気の噴出音を発生する噴出孔を形成する噴出孔形成部材を含むものである。
【0026】
この場合、蒸気発生手段により蒸気が発生され、噴出孔形成部材で形成された噴出孔により発生された蒸気が噴出され、蒸気の噴出音が発生される。
【0027】
これにより、使用者は、報知手段を用いることなく蒸気の噴出音によりノズル洗浄装置からの蒸気の噴出を認識することができる。また、蒸気の発生を知らせる報知手段が必要でないので構成が容易となっている。
【0028】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の衛生洗浄装置の構成において、蒸気発生手段は、発熱体と、発熱体に電力を供給する電力供給手段と、発熱体により加熱された洗浄水が流動する管路とを含むものである。
【0029】
この場合、電力供給手段により発熱体に電力が供給され、発熱体により加熱された洗浄水が管路により流動される。
【0030】
これにより、管路内の洗浄水が加熱されると、管路内に圧力変動が生じ、ノズル洗浄装置から噴出される洗浄水または蒸気の圧力、流量および流速が変化する。ノズル洗浄装置から蒸気が噴出される場合、蒸気により発生する音が時間的に変動する。その結果、使用者は時間的に変動する音を聞くことにより蒸気の発生を容易に認識することができる。
【0031】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の衛生洗浄装置の構成において、蒸気発生手段は、発熱体に供給される電力を時間的に変化させる電力制御手段をさらに含むものである。
【0032】
この場合、電力制御手段により発熱体に供給される電力が時間的に変化される。これにより、発熱体により加熱される洗浄水の膨張率が変化するので、ノズル洗浄装置から噴出される洗浄水または蒸気の圧力、流量および流速が時間的に変化する。したがって、使用者は時間的に変化する音を聞くことにより蒸気の発生を容易に認識することができる。
【0033】
また、電力制御手段により発熱体に供給される電力を容易に調整できるので、使用者は自己の嗜好に応じた音を容易に得ることができる。
【0034】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の衛生洗浄装置の構成において、蒸気発生手段の下流に設けられ、管路の断面積よりも大きな断面積を有する圧力変動緩衝手段を含むものである。
【0035】
この場合、蒸気発生手段の下流に設けられた圧力変動緩衝手段により、管路内で時間的に変動した洗浄水の圧力、流量および流速が緩衝される。したがって、ノズル洗浄装置から噴出される蒸気の圧力、流量および流速が略一定となり、蒸気により発生する音が略一定に保たれる。その結果、使用者は、略一定の音を聞くことにより、耳障り感を感じることなく蒸気の発生を容易に認識することができる。
【0036】
請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれかに記載の衛生洗浄装置の構成において、音発生手段は、蒸気発生手段に供給される洗浄水の流量を制御する流量制御手段をさらに含むものである。
【0037】
この場合、流量制御手段により蒸気発生手段に供給される洗浄水の流量が制御される。これにより、ノズル洗浄装置から噴出される洗浄水または蒸気の圧力、流量および流速が制御される。ノズル洗浄装置から噴出される蒸気により発生する噴出音は、その流速および流量により変化する。したがって、使用者は流量制御手段により蒸気発生手段に供給される洗浄水の流量を制御することで、自己の嗜好に応じた音を容易に得ることができるとともに蒸気の発生を容易に認識することができる。
【0038】
請求項12に記載の発明は、請求項7〜11のいずれかに記載の衛生洗浄装置の構成において、流量制御手段は、ノズル洗浄装置に供給される洗浄水の流量を時間的に変化させるものである。
【0039】
この場合、流量制御手段によりノズル洗浄装置に供給される洗浄水の流量が時間的に変化される。これにより、ノズル洗浄装置から噴出される洗浄水または蒸気の圧力、流量および流速が時間的に変化する。したがって、使用者は時間的に変化する音を聞くことにより蒸気の発生を容易に認識することができる。また、電力制御手段により発熱体に供給される電力を容易に調整できるので、使用者は自己の嗜好に応じた音を容易に得ることができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例に係る衛生浄装置について図1〜図16に基づき説明する。
【0041】
図1は本発明の一実施例に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。図1に示すように、便器600上に衛生洗浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管に接続されており、便器600内に洗浄水を供給する。
【0042】
衛生洗浄装置100は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。
【0043】
本体部200には、便座部400および蓋部500が開閉自在に取り付けられる。さらに、本体部200には、ノズル部30を含む洗浄水供給機構と着座センサ51とが設けられるとともに、制御部が内蔵されている。着座センサ51は、赤外線を用いて便座部400上に使用者の有無を検知する。
【0044】
本体部200の制御部は、着座センサ51からの信号および後述する遠隔操作装置300により送信される信号に基づいて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、本体部200の制御部は、便座部400に内蔵されたヒータ(図示せず)、本体部200に設けられた脱臭装置(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御も行う。
【0045】
図2は、図1の遠隔操作装置の一例を示す模式的平面図である。遠隔操作装置300は、表示パネル301、調整スイッチ302、おしりスイッチ303、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307およびノズル洗浄スイッチ309を備える。
【0046】
使用者により調整スイッチ302、おしりスイッチ303、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307およびノズル洗浄スイッチ309が押下操作される。それにより、遠隔操作装置300は、後述する衛生洗浄装置100の本体部200に設けられた制御部に所定の信号を無線送信する。本体部200の制御部は、遠隔操作装置300より無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
【0047】
例えば、使用者が、おしりスイッチ303またはビデスイッチ306を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30が移動して洗浄水が噴出する。停止スイッチ305を押下操作することによりノズル部30からの洗浄水の噴出が停止する。
【0048】
また、ノズル洗浄スイッチ309を押下操作することにより、後述するノズル部30のおしりノズルおよびビデノズルが洗浄される(以下、ノズル洗浄と呼ぶ)。ノズル洗浄動作の詳細については後述する。乾燥スイッチ307を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置100の温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。
【0049】
調整スイッチ302は水勢調整スイッチ302a,302bを含む。使用者が、水勢調整スイッチ302a,302bを押下操作することにより、ノズル部30より噴出される洗浄水の圧力が変化する。また、水勢調整スイッチ302a,302bの押下操作に伴って表示パネル301の棒グラフ状の点灯表示が変化する。
【0050】
以下、本発明の一実施例に係る衛生洗浄装置100の本体部200について説明を行う。図3は本発明の一実施例に係る衛生洗浄装置100の本体部200の構成を示す模式図である。
【0051】
図3に示す本体部200は、制御部4、分岐水栓5、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10、熱交換器11、温度センサ12a,12b,12c、着座センサ51、ポンプ13、切替弁14、瞬間加熱装置33およびノズル部30を含む。また、ノズル部30は、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3を含み、瞬間加熱装置33は、サーミスタ33a、サーミスタ33bおよび温度ヒューズ(図示せず)を備える。
【0052】
図3に示すように、水道配管201に分岐水栓5が介挿される。また、分岐水栓5と熱交換器11との間に接続される配管202に、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10および温度センサ12aが順に介挿されている。さらに、熱交換器11と切替弁14との間に接続される配管203に、温度センサ12bおよびポンプ13が介挿されている。
【0053】
まず、水道配管201を流れる浄水が、洗浄水として分岐水栓5によりストレーナ6に供給される。ストレーナ6により洗浄水に含まれるごみや不純物等が除去される。次に、逆止弁7により配管202内における洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁8により配管202内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。
【0054】
また、ポンプ13と切替弁14との間にはリリーフ管204が接続され、止水電磁弁9と流量センサ10との間には、逃がし水配管205が接続されている。リリーフ配管204には、リリーフ弁206が介挿されている。リリーフ弁206は、配管203の特にポンプ13の下流側の圧力が所定値を超えると開成し、異常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止する。
【0055】
一方、定流量弁8によって流量が調節され供給される洗浄水のうちポンプ13で吸引されない洗浄水を逃がし水配管205から放出する。これにより、水道供給圧に左右されることなくポンプ13には所定の背圧が作用することになる。
【0056】
次いで、流量センサ10は、配管202内を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部4に測定流量値を与える。また、温度センサ12aは、配管202内を流れる洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
【0057】
続いて、熱交換器11は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、配管202を通して供給された洗浄水を所定の温度に加熱する。温度センサ12bは、熱交換器11により所定の温度に加熱された洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
【0058】
ポンプ13は、熱交換器11により加熱された洗浄水を制御部4により与えられる制御信号に基づいて、切替弁14に圧送する。切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、ノズル部30のおしりノズル1、ビデノズル2および瞬間加熱装置33のいずれか1つに洗浄水を供給する。
【0059】
ノズル部30のおしりノズル1またはビデノズル2に洗浄水が供給された場合、おしりノズル1またはビデノズル2より洗浄水が噴出される。一方、瞬間加熱装置33に洗浄水が供給された場合、瞬間加熱装置33により洗浄水が加熱され、加熱された洗浄水または加熱により発生した蒸気がノズル洗浄用ノズル3に供給される。
【0060】
以下、瞬間加熱装置33により加熱された洗浄水をノズル洗浄用高温水と呼び、瞬間加熱装置33の加熱により発生する蒸気をノズル洗浄用蒸気と呼ぶ。
【0061】
ノズル洗浄用ノズル3からノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気がおしりノズル1またはビデノズル2に噴出される。なお、瞬間加熱装置33においては、サーミスタ33a、サーモスタット33bおよび温度ヒューズにより洗浄水の過熱が防止される。
【0062】
ノズル洗浄用ノズル3には温度センサ12cが取り付けられている。温度センサ12cは、ノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。これにより、制御部4は瞬間加熱装置33およびノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気の過熱を防止する。
【0063】
おしりノズル1およびビデノズル2より噴出される洗浄水の流量ならびにノズル洗浄用ノズル3より噴出されるノズル洗浄用高温水およびノズル洗浄用蒸気の流量は、切替弁14により調整される。
【0064】
制御部4は、図1の遠隔操作装置300から無線送信される信号、流量センサ10から与えられる測定流量値および温度センサ12a,12b,12cから与えられる温度測定値に基づき止水電磁弁9、熱交換器11、ポンプ13、切替弁14および瞬間加熱装置33に対して制御信号を与える。
【0065】
図4(a)は切替弁14の縦断面図であり、図4(b)は図4(a)の切替弁14のA−A線断面図であり、図4(c)は図4(a)の切替弁14のB−B線断面図であり、図4(d)は図4(a)の切替弁14のC−C線断面図である。
【0066】
図4に示す切替弁14は、モータ141、内筒142および外筒143により構成される。
【0067】
外筒143内に内筒142が挿入され、モータ141の回転軸が内筒142に取り付けられている。モータ141は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて回転動作を行う。モータ141が回転することにより内筒142が回転する。
【0068】
図4(a),(b),(c),(d)に示すように、外筒143の一端には、洗浄水入口143aが設けられ、側部の対向する位置に洗浄水出口143b,143cが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143cと異なる位置に洗浄水出口143dが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143c,143dと異なる位置に洗浄水出口143eが設けられている。内筒142の互いに異なる位置に孔142e,142f,142gが設けられている。孔142e,142fの周辺には、図4(b),(c)に示すように、曲線および直線で構成される面取り部が形成され、孔142gの周辺には、図4(d)に示すように、直線で構成される面取り部が形成されている。
【0069】
内筒142の回転により、孔142eが外筒143の洗浄水出口143bまたは143cと対向可能になっており、孔142fが外筒143の洗浄水出口143dと対向可能になっており、孔142gが外筒143の洗浄水出口143eと対向可能になっている。
【0070】
洗浄水入口143aには、図3の配管203が接続され、洗浄水出口143bには、ビデノズル2が接続され、洗浄水出口143cには、おしりノズル1の第1の流路が接続され、洗浄水出口143dには、おしりノズルの第2の流路が接続され、洗浄水出口143eには、ノズル洗浄用ノズル3が接続されている。
【0071】
図5は図4の切替弁14の動作を示す断面図である。
図5(a)〜(f)は切替弁14のモータ141がそれぞれ0度、90度、135度、180度、225度および270度回転した状態を示す。
【0072】
まず、図5(a)に示すように、モータ141を回転させない(0度)場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W1で示すように洗浄水出口143bから流出する。
【0073】
次に、図5(b)に示すように、モータ141が内筒142を90度回転させた場合には、内筒142の孔142gの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143eに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2で示すように洗浄水出口143eから流出する。
【0074】
次いで、図5(c)に示すように、モータ141が内筒142を135度回転させた場合には、内筒142の孔142gの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143eに対向するとともに、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2および矢印W3で示すように洗浄水出口143c,143eから流出する。
【0075】
次に、図5(d)に示すように、モータ141が内筒142を180度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W3で示すように洗浄水出口143cから流出する。
【0076】
次に、図5(e)に示すように、モータ141が内筒142を225度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143cに対向するとともに、内筒142の孔142fの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W3および矢印W4で示すように洗浄水出口143c,143dから流出する。
【0077】
また、図5(f)に示すように、モータ141が内筒142を270度回転させた場合には、内筒142の孔142fの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W4で示すように洗浄水出口143dから流出する。
【0078】
以上のように、制御部4からの制御信号に基づいてモータ141が回転することにより内筒142の孔142e,142f,142gのいずれかが外筒143の洗浄水出口143b〜143eに対向し、洗浄水入口143aから流入した洗浄水が洗浄水出口143b〜143eのいずれかから流出する。
【0079】
図6は図5の切替弁14の洗浄水出口143c,143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量および洗浄水出口143eからノズル洗浄用ノズル3に流出する洗浄水の流量を示す図である。
【0080】
図6の横軸はモータ141の回転角度を示し、縦軸は洗浄水出口143b〜143eから流出する洗浄水の流量を示す。また、実線Q1が洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量の変化を示し、一点鎖線Q2が洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量の変化を示し、二点鎖線Q3が洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量の変化を示し、破線Q4が洗浄水出口143eから瞬間加熱装置33を介して、ノズル洗浄用ノズル3に流出する洗浄水の流量の変化を示す。
【0081】
例えば、図6に示すように、モータ141が回転しない場合(0度)、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度が大きくなるとともに洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3が減少し、洗浄水出口143eからノズル洗浄用ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4が増加する。
【0082】
次いで、モータ141が90度回転した場合、洗浄水出口143eからノズル洗浄用ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143eからノズル洗浄用ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4が減少し、洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1が増加する。
【0083】
続いて、モータ141が180度回転した場合、洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1が減少し、洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2が増加する。
【0084】
さらに、モータ141が270度回転した場合、洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2が減少し、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3が増加する。
【0085】
以上のように、制御部4が切替弁14のモータ141の回転角度を制御することにより洗浄水出口143b〜143eから流出する洗浄水の流量を制御することができる。さらに、切替弁14のモータ141の回転角度がいかなる場合でも、洗浄水出口142e,142f,142gのいずれかまたはそれらの周囲の面取り部(凹部)が洗浄水出口143b〜143eのいずれかに対向するので、洗浄水の流路が閉塞されず、洗浄水入口143aから供給された洗浄水は、洗浄水出口143b〜143eのいずれかから流出される。
【0086】
図7は、瞬間加熱装置33の構造を示す一部切り欠き断面図である。図7において、瞬間加熱装置33は、ケーシング504、シーズヒータ505、熱伝導体506、配管510、サーミスタ33a、サーモスタット33bおよび温度ヒューズ33cを含む。
【0087】
ケーシング504は略直方体形状を有する。ケーシング504内には配管510とシーズヒータ505とが長手方向に延びるように所定の間隔をおいて併設されており、各々の両端部はケーシング504の両端面から外部へ突出している。
【0088】
ケーシング504内において、配管510およびシーズヒータ505は熱伝導体506に覆われている。シーズヒータ505は電熱線を内蔵し、電力が供給されることにより発熱する。
【0089】
上述のノズル洗浄時においては、図4の切替弁14の洗浄水出口143eから供給される洗浄水が給水口511から配管510内へ導入される。
【0090】
シーズヒータ505に電力が供給されると、シーズヒータ505により発生する熱が熱伝導体506を通じて配管510に伝達される。これにより、配管510内に導入された洗浄水が加熱され、ノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気が排出口512から排出される。
【0091】
ここで、図7において配管510の給水口511側を瞬間加熱装置33の上流側とし、排出口512側を瞬間加熱装置33の下流側とすると、サーミスタ33aおよびサーモスタット33bは瞬間加熱装置33の下流側に設けられている。また、温度ヒューズ33cはケーシング504の側面に設けられている。
【0092】
なお、本実施例において、サーミスタ33a、サーモスタット33bおよび温度ヒューズ33cは、各々動作基準温度が異なる。それにより、3段階の過熱防止の調整を行うことができる。さらに、サーミスタ33a、サーモスタット33bおよび温度ヒューズ33cの、いずれか1つが故障しても、残りの2つにより過熱が防止される。
【0093】
サーミスタ33aは、シーズヒータ505に取り付けられ、シーズヒータ505の温度を検知する。制御部4は、サーミスタ33aから与えられるシーズヒータ505の温度を判定し、過熱状態にある場合、シーズヒータ505の温度を低下させるように制御を行う。
【0094】
サーモスタット33bは、配管510内を流通する洗浄水の温度を検知可能に取り付けられる。配管510内を流通する洗浄水の温度がサーモスタット33bの動作基準温度を超過した場合、サーモスタット33bは、シーズヒータ505の電力供給を遮断するように動作する。
【0095】
最後に、温度ヒューズ33cは、ケーシング504に密着固定されている。ケーシング504の温度が温度ヒューズ33cの動作基準温度を超過した場合、温度ヒューズ33cが溶断することによりシーズヒータ505への電力供給が遮断される。
【0096】
以上のサーミスタ33a、サーモスタット33bおよび温度ヒューズ33cの働きにより、シーズヒータ505による洗浄水の過熱およびシーズヒータ505自体の過熱が防止される。
【0097】
なお、本実施例に係る瞬間加熱装置33においては、洗浄水の加熱手段としてシーズヒータ505を用いるが、これに限らず、マイカヒータ、セラミックヒータ、またはプリントヒータ等を用いてもよい。
【0098】
さらに、サーミスタ33a、サーモスタット33bおよび温度ヒューズ33cの各々が瞬間加熱装置33の過熱を防止しているが、サーミスタ33aまたはサーモスタット33bを制御部4と接続することにより、制御部4がサーミスタ33aまたはサーモスタット33bの温度測定値に基づいてシーズヒータ505の温度をフィードバック制御またはフィードフォワード制御してもよい。
【0099】
図8は、ノズル部30の一部を示す外観斜視図である。図8においては、円筒形状を有するおしりノズル1とビデノズル2とが隣接するように平行に設けられており、ノズル1およびビデノズル2の先端上部を覆うようにノズル洗浄用ノズル3が取り付けられている。
【0100】
ノズル洗浄用ノズル3の後端にはチューブ3tが接続されており、チューブ3tは瞬間加熱装置33の排出口512に接続される。これにより、瞬間加熱装置33からノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気がチューブ3tを通じてノズル洗浄用ノズル3に供給される。
【0101】
図9はおしりノズルから人体の被洗浄面に向けて洗浄水が噴出される場合のノズル部の模式的断面図であり、図10はノズル洗浄用ノズルからノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気が噴出される場合のノズル部の模式的断面図である。
【0102】
図9および図10において、ノズル部30は、その全体または一部が本体部200のケーシング内に収容されている。
【0103】
以下、おしりノズル1による人体の局部の洗浄をおしり洗浄と呼ぶ。
おしりノズル1は、ピストン20、シリンダ21およびスプリング23から構成されている。シリンダ21の後端面には洗浄水入口24aが設けられ、側部には洗浄水入口24bが設けられている。ピストン20の内部には第1の流路20aおよび第2の流路20bが形成され、ピストン20の先端部の上面には噴出孔25が設けられている。
【0104】
おしり洗浄の開始時にシリンダ21の洗浄水入口24bから洗浄水が供給される。これにより、図9に示すように、シリンダ21内に設けられたピストン20がスプリング23の弾性力に抗して本体部200のケーシング外部へ突出する。
【0105】
その後、シリンダ21の洗浄水入口24a,24bから洗浄水が供給される。これにより、洗浄水入口24aから供給された洗浄水がピストン20の第1の流路20aへ導入され、回転力が与えられつつ噴出孔25より噴出される。また、洗浄水入口24bから供給された洗浄水がピストン20の第2の流路20bへ導入され、噴出孔25より噴出される。
【0106】
このように、第1の流路20aから噴出孔25へ送られる洗浄水には回転力が与えられるので、噴出孔25から人体の被洗浄面に向けて噴出される洗浄水は広がり角度を有する。上述の切替弁14を用いて第1の流路20a内の洗浄水の流量と第2の流路20b内の洗浄水の流量との比を調整することにより、噴出孔25から噴出される洗浄水の広がり角度を調整することができる。
【0107】
おしり洗浄の終了時においては、シリンダ21の洗浄水入口24a,24bへの洗浄水の供給が停止される。それにより、図10に示すように、ピストン20がスプリング23の弾性力によりシリンダ21内に収納される。この場合、ピストン20は、スプリング23の弾性力によりシリンダ21内に収納された状態で保持されるので本体部200から突出しない。
【0108】
ノズル洗浄用ノズル3の後端面には洗浄水入口24cが設けられ、おしりノズル1の噴出孔25および上述のビデノズル2の噴出孔と対向するようにノズル洗浄用ノズル3の先端下面側にノズル洗浄孔24dが設けられている。ノズル洗浄用ノズル3の内部には、洗浄水入口24cとノズル洗浄孔24dとを連通する流路24eが形成されている。上述のように、洗浄水入口24cはチューブ3t(図8)を介して瞬間加熱装置33の排出口512に接続される。
【0109】
ノズル洗浄時においては、瞬間加熱装置33からノズル洗浄用ノズル3の洗浄水入口24cにノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気が供給される。それにより、図10に示すようにノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気が、流路24eを通じてノズル洗浄孔24dから矢印J1の方向に噴出される。
【0110】
ノズル洗浄用ノズル3のノズル洗浄孔24dから噴出されるノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気は、おしりノズル1の噴出孔25およびビデノズル2の噴出孔の周辺に噴出される。それにより、ノズル1の噴出孔25またはビデノズル2の噴出孔の周囲に付着した汚れがノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気により剥離され、便器600内に流される。その結果、おしりノズル1の噴出孔25およびビデノズル2の噴出孔の周辺の除菌および洗浄等が行われる。
【0111】
図11は、図1の衛生洗浄装置を蓋部を開いた状態を示す模式的平面図である。図11に示すように、衛生洗浄装置100の蓋部500を開いた場合、使用者は本体部200、便座部400および便器600を視認することができる。 ここで、ノズル部30を覆う本体部200のケーシング200aの一部をノズルカバー200Sと呼ぶ。
【0112】
ノズル洗浄時において、図3のノズル部30の全体は図10に示すようにノズルカバー200S内に収納されている。したがって、使用者はノズル洗浄時にノズル部30を視認することができない。
【0113】
図12は、ノズル洗浄時に発生する湯気を使用者に視認させる構成の一例を示す模式図である。図12(a)にノズル部30およびノズルカバー200Sの模式的な断面が示され、図12(b)にノズル洗浄時に衛生洗浄装置100を上方から見た場合の外観が示されている。
【0114】
図12(a)に示すように、ノズル部30とノズルカバー200Sとの間には空間210が形成され、ノズル部30の先端とノズルカバー200Sの下端との間には外部(便器600内の空間)と空間210とを連通する隙間211が形成されている。
【0115】
ノズル洗浄時において、ノズル部30のノズル洗浄孔24dから噴出されるノズル洗浄用蒸気は矢印Qの方向に流れる。
【0116】
ノズル洗浄用蒸気は、空間210に流れ込むとともに空間210内に充満する。これにより、空間210内の蒸気圧(蒸気量)が飽和蒸気圧(飽和蒸気量)を超えるとノズル洗浄用蒸気が湯気STとなる。また、空間210内の温度がやや上昇する。それにより、空間210内から隙間211を通じて外部に流れ出るノズル洗浄用蒸気の蒸気圧が外部の飽和蒸気圧より高いため、ノズル洗浄用蒸気が湯気STとなる。
【0117】
ここで、湯気STとは、飽和蒸気圧を超えた環境下で蒸気の一部が小さい水滴(液体)に変化して、視覚的に顕在化されたものである。
【0118】
図12(b)に示すように、使用者は蓋部500を開くことによりノズルカバー200Sから放出される湯気STを視認することができる。
【0119】
このように、本実施例に係る衛生洗浄装置100においては、ノズル洗浄用蒸気によるノズル洗浄時にノズル洗浄用ノズル3より噴出されるノズル洗浄用蒸気が湯気STとして視覚的に顕在化されるので、使用者は高温での洗浄動作が継続していることを容易に認識することができる。それにより、高温でのノズル洗浄動作の継続中に、使用者が誤って高温のノズル洗浄用蒸気に触れること、誤って高温のおしりノズル1およびビデノズル2に触れることならびに誤って高温のおしりノズル1およびビデノズル2から洗浄水を噴出させることが防止される。
【0120】
したがって、簡単な構成で安全性を確保しつつおしりノズル1およびビデノズル2を清潔に保つことができる。また、使用者は、ノズル洗浄用ノズル3から噴出されるノズル洗浄用蒸気が湯気として視覚的に顕在化されるので、ノズル洗浄用蒸気の発生によるノズル部30の除菌および洗浄動作を認識することができる。これにより、使用者はノズル部30が衛生的であるという安心感を得ることができる。
【0121】
また、使用者は湯気STの発生によりノズル洗浄用ノズル3からのノズル洗浄用蒸気の噴出を認識するので、ノズル洗浄用蒸気の発生を知らせる報知手段が必要とされず構成が容易となっている。
【0122】
一方、本実施例に係る衛生洗浄装置100は、使用者に対しノズル洗浄用蒸気による高温でのノズル洗浄動作を認識させるために以下の構成を有してもよい。
【0123】
図13は、ノズル洗浄時に発生する湯気を使用者に視認させる構成の他の例を示す模式図である。
【0124】
図13の構成では、図12のノズルカバー200Sに変えて、透明な素材からなる透明ノズルカバー200tが設けられるとともに、便座部400のケーシングの一部が透明な素材により形成されている。この便座部400のケーシングの一部を透明ケーシング400tと呼ぶ。
【0125】
ここで、透明ノズルカバー200tおよび透明ケーシング400tは、後述の湯気および湯気により発生する曇りを外部から視認できる程度の透過率を有する。
【0126】
図13(a)にノズル部30および透明ノズルカバー200tの模式的な断面が示され、図13(b)にノズル洗浄時に衛生洗浄装置100を上方から見た場合の外観が示されている。
【0127】
図13(a)に示すように、ノズル部30と透明ノズルカバー200tとの間には空間210が形成され、ノズル部30の先端と透明ノズルカバー200tの下端との間には外部(便器600内の空間)と空間210とを連通する隙間211が形成されている。
【0128】
ノズル洗浄時において、ノズル部30のノズル洗浄孔24dから噴出されるノズル洗浄用蒸気は矢印Qの方向に流れる。
【0129】
ノズル洗浄用蒸気は、空間210に流れ込むとともに空間210内に充満する。これにより、空間210内の蒸気圧が飽和蒸気圧を超えるとノズル洗浄用蒸気が湯気STとなる。また、空間210内の蒸気圧が飽和蒸気圧を超えることにより、空間210を形成する透明ノズルカバー200tの内面に曇りが生じる。
【0130】
上述のように湯気STは、飽和蒸気圧を超えた環境下で蒸気の一部が小さい水滴に変化して、視覚的に顕在化されたものである。また、透明ノズルカバー200tの曇りは、透明ノズルカバー200tの内面に水滴化した水蒸気の一部が付着することにより水蒸気の一部が視覚的に顕在化されたものである。
【0131】
図13(b)に示すように、使用者は、蓋部500を開くことにより透明ノズルカバー200tを介して空間210内に充満した湯気STおよび透明ノズルカバー200t内面に発生する曇りを視認することができる。
【0132】
また、図13(b)に示すように、本例では便座部400のケーシングの一部が透明ケーシング400tにより形成されているので、使用者は図13(a)の空間210に充満する湯気STおよび透明ノズルカバー200t内面に発生する曇りをより広い範囲で視認することができる。
【0133】
以上のように、使用者は、ノズル洗浄時に透明ケーシング400tおよび透明ノズルカバー200tを介して、湯気STおよび透明ノズルカバー200tの曇りとして視覚的に顕在化されたノズル洗浄用蒸気を視認することができる。したがって、ノズル洗浄用蒸気の発生によるノズル部30の除菌および洗浄動作を容易に認識することができる。これにより、使用者はノズル部3が衛生的であるという安心感を得ることができる。
【0134】
本実施例に係る衛生洗浄装置100は、ノズル洗浄用蒸気によるノズル洗浄時に音を発生する。以下、ノズル洗浄時にノズル部30から発生する音を蒸気音と呼ぶ。
【0135】
蒸気音は、空気力学的な原理に基づき発生する。空気力学的な原理に基づき発生する音は、一般に空力音と呼ばれる。空力音としては、例えば、風の中の電線により発生する音や、ジェットエンジンのジェット噴流により発生するジェット騒音等がある。
【0136】
空力音は、空気中の圧力変動により音波が励起され、励起された音波が空気中を伝搬することにより発生する。空気中の圧力変動は、流体である空気中に置かれた円柱の下流に発生するカルマン渦またはジェット噴流と周囲の空気との間に発生する乱流等により発生される。したがって、空力音の大きさは空気中に発生する圧力変動の状態に依存する。なお、空力音の大きさは圧力変動のみならず、流体の微小部分の局所的な回転の強さを表す量である渦度にも依存している。
【0137】
例えば、カルマン渦に基づく空気中の圧力変動は、カルマン渦を形成する流体(空気)の速度に応じて変化し、速度が増加するにつれて大きくなる。これにより、空力音は流体速度が増加することにより大きくなる。
【0138】
本実施例に係る蒸気音は、ノズル洗浄孔24dより噴出されるノズル洗浄用蒸気の流速に依存する。
【0139】
例えば、上述の瞬間加熱装置33に約0.25l/sの洗浄水が供給されている場合に、加熱されない洗浄水が内径約3.0mmの流路24eを通過する流速を0.15m/sとすると、100℃のノズル洗浄用蒸気が流路24eを通過する流速は約247m/sである。このように速い流速のノズル洗浄用蒸気がノズル洗浄孔24dから噴出されることにより蒸気音(空力音)が発生する。
【0140】
瞬間加熱装置33に一定量の洗浄水が送られる場合、加熱により発生したノズル洗浄用蒸気の温度が上昇し、流体(洗浄水)の体積が膨張する。これにより、流路24eを通過するノズル洗浄用蒸気の流速は加熱されない洗浄水に比べて大きくなる。また、ノズル洗浄用蒸気は、加熱される温度により体積膨張率が変化し、高温になるほどノズル洗浄用蒸気の体積が膨張する。したがって、蒸気音はノズル洗浄用蒸気の温度が上昇することにより大きくなる。
【0141】
本実施例に係る衛生洗浄装置100においては、人が聴覚により認識可能な音量および人が不快に感じることのない音量を実現すべく、流路24eを通過するノズル洗浄用蒸気の流速を約10〜300m/sの範囲内とすることが好ましい。
【0142】
また、上記では蒸気音の音量がノズル洗浄用蒸気により変化するとしているが、蒸気音の発生にはノズル洗浄用ノズル3の構造、振動および共鳴の要素も含まれるので、これらを考慮した上で蒸気音の発生状態を調整することが好ましい。
【0143】
このように、本実施例に係る衛生洗浄装置100においては、ノズル洗浄用蒸気によるノズル洗浄時にノズル洗浄用ノズル3より噴出されるノズル洗浄用蒸気が音として聴覚的に顕在化されるので、使用者は高温での洗浄動作が継続していることを容易に認識することができる。それにより、高温でのノズル洗浄動作の継続中に、使用者が誤って高温のノズル洗浄用蒸気に触れること、誤って高温のおしりノズル1およびビデノズル2に触れることならびに誤って高温のおしりノズル1およびビデノズル2から洗浄水を噴出させることが防止される。
【0144】
したがって、簡単な構成で安全性を確保しつつおしりノズル1およびビデノズル2を清潔に保つことができる。また、使用者は、ノズル洗浄用ノズル3から噴出されるノズル洗浄用蒸気が音として聴覚的に顕在化されるので、ノズル洗浄用蒸気の発生によるノズル部30の除菌および洗浄動作を認識することができる。これにより、使用者はノズル部30が衛生的であるという安心感を得ることができる。
【0145】
また、使用者は蒸気音によりノズル洗浄用ノズル3からのノズル洗浄用蒸気の噴出を認識するので、ノズル洗浄用蒸気の発生を知らせる報知手段が必要とされず構成が容易となっている。
【0146】
図14は、図7の瞬間加熱装置から排出される洗浄水の排出態様の一例を説明するための説明図である。
【0147】
図14(a)に示すように、ノズル洗浄の開始時に配管510の給水口511には所定の圧力Pcで洗浄水が供給される。ここで、瞬間加熱装置33のシーズヒータ505が発熱しない場合、給水口511から配管510内に導入された洗浄水は排出口512から所定の圧力Pcで排出される。
【0148】
図14(b)に示すように、瞬間加熱装置33のシーズヒータ505が発熱すると、配管510内の洗浄水は配管510の受熱部(配管510と熱伝導体506との接触部)から熱Hを受ける。そして、熱を受けた洗浄水は配管510の受熱部を中心に上流側および下流側へ(矢印Fの方向)瞬間的に膨張する。これにより、配管510内の洗浄水の圧力が増加する。
【0149】
その後、ノズル洗浄用ノズル3から洗浄水が配管510内で増加した圧力により噴出される。これにより、配管510内の圧力が減少する。これらの動作が繰り返されることによりノズル洗浄用ノズル3から噴出される洗浄水の圧力、流量および流速が周期的に変動する。
【0150】
なお、配管510内の洗浄水の圧力変動を大きくするためには、配管510の管経をできるだけ小さくすることが望ましい。
【0151】
図14(c)に排出口512より排出される洗浄水の圧力変動が示されている。横軸は時間を示し、縦軸は圧力を示す。図14(c)によれば、排出口512より排出される洗浄水の圧力は、圧力Pcよりも高い圧力Poを中心に変動している。
【0152】
この場合、ノズル洗浄用ノズル3より噴出される洗浄水の圧力、流量および流速が周期的に変動することにより、ノズル洗浄用ノズル3からノズル洗浄用蒸気が噴出される場合に発生する蒸気音が周期的に変動する。
【0153】
したがって、使用者は、周期的に変動する蒸気音を聞くことによりノズル洗浄用蒸気の発生を容易に認識することができる。そして、ノズル洗浄用蒸気によるノズル洗浄時にノズル部30の除菌および洗浄動作を認識することができるとともに、高温でのノズル洗浄動作の継続中に、使用者が誤って高温のノズル洗浄用蒸気に触れること、誤って高温のおしりノズル1およびビデノズル2に触れることならびに誤って高温のおしりノズル1およびビデノズル2から洗浄水を噴出させることが防止される。
【0154】
一方、本実施例に係る衛生洗浄装置100は、使用者に対しノズル洗浄の状態を周期的な変動のない蒸気音により認識させるために以下の構成を有してもよい。
【0155】
図15は、図7の瞬間加熱装置から排出される洗浄水の排出態様の他の例を説明するための説明図である。
【0156】
図15(a)に示す本実施例に係る衛生洗浄装置100は、配管510の下流側に圧力緩衝部520が設けられている。
【0157】
図15(a)に示すように、ノズル洗浄の開始時に配管510の給水口511には所定の圧力Pcで洗浄水が供給される。そこで、瞬間加熱装置33のシーズヒータ505が発熱すると、配管510内の洗浄水は配管510の受熱部(配管510と熱伝導体506との接触部)から熱Hを受ける。そして、熱を受けた洗浄水は配管510の受熱部を中心に上流側および下流側へ(矢印Fの方向)瞬間的に膨張する。これにより、配管510内の洗浄水の圧力が増加する。
【0158】
その後、排出口512から圧力緩衝部520内に洗浄水が配管510内で増加した圧力により排出される。
【0159】
これにより、配管510内の圧力が減少する。これらの動作が繰り返されることにより排出口512から圧力緩衝部520内に排出される洗浄水の圧力、流量および流速が周期的に変動する。
【0160】
しかしながら、所定の容積を有する圧力緩衝部520内においては、洗浄水の圧力変動および流量変動が緩衝されるので、圧力緩衝部520の排出口521から排出される洗浄水は、周期的な変動のない一定の圧力および一定の流量に保たれる。
【0161】
図15(b)に排出口521より排出される洗浄水の圧力変動が示されている。横軸は時間を示し、縦軸は圧力を示す。図15(b)によれば、排出口512より排出される洗浄水の圧力は、圧力Pcよりも高い圧力Poで一定である。
【0162】
この場合、ノズル部30のノズル洗浄用ノズル3から噴出される洗浄水の圧力、流量および流速が一定に保たれる。それにより、ノズル洗浄用ノズル3からノズル洗浄用蒸気が噴出される場合に発生する蒸気音が常に一定となる。
【0163】
したがって、使用者は、周期的な変動のない蒸気音を聞くことにより耳障り感を感じることなくノズル洗浄用蒸気の発生を容易に認識することができる。
【0164】
図16は、ノズル洗浄時に図10のノズル洗浄用ノズルより噴出される洗浄水の温度変化を示すグラフである。図16において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。ノズル洗浄用ノズル3より噴出される洗浄水の温度変化が曲線Jに示されている。
【0165】
本例において、ノズル洗浄時に図4の切替弁14を介して図7の瞬間加熱装置33に供給される洗浄水の流量は一定であり、瞬間加熱装置33に供給される電力は一定であるものとする。
【0166】
使用者が図2の遠隔操作装置300のノズル洗浄スイッチ309を押下操作することにより、切替弁14を介して瞬間加熱装置33に洗浄水が送られ、ノズル洗浄が開始される。これにより、所定時間J1、常温C1の洗浄水がノズル部30のノズル洗浄用ノズル3より噴出される。
【0167】
所定時間の経過後、瞬間加熱装置33に電力が供給される。これにより、洗浄水が加熱されてノズル洗浄用高温水となる(期間J2)。その後、洗浄水は沸点C2を超えることによりノズル洗浄用蒸気となる(期間J3)。
【0168】
そして、使用者が図2の遠隔操作装置300の停止スイッチ305を押下操作することにより、瞬間加熱装置33に供給される電力が遮断される。これにより、瞬間加熱装置33に流れる洗浄水の温度が低下し、洗浄水は再びノズル洗浄用高温水となり(期間J4)、常温C1に戻る(期間J5)。
【0169】
最後に、切替弁14により瞬間加熱装置33への洗浄水の供給が遮断され、ノズル洗浄が終了する。
【0170】
以上より、本実施例に係る衛生洗浄装置100は、期間J3に蒸気音を発生する。これにより、使用者はノズル洗浄用蒸気によるノズル洗浄時にノズル部30の除菌および洗浄動作を認識することができる。したがって、高温でのノズル洗浄動作の継続中に、使用者が誤って高温のノズル洗浄用蒸気に触れること、誤って高温のおしりノズル1およびビデノズル2に触れることならびに誤って高温のおしりノズル1およびビデノズル2から洗浄水を噴出させることが防止される。
【0171】
また、ノズル洗浄時にノズル洗浄用ノズル3より噴出される洗浄水が、常温の洗浄水、ノズル洗浄用高温水、ノズル洗浄用蒸気、ノズル洗浄用高温水および常温の洗浄水の順に変化するとノズル1の噴出孔25またはビデノズル2の噴出孔の周囲に付着した汚れがノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気により剥離され、便器600内に流される。したがって、おしりノズル1の噴出孔25およびビデノズル2の噴出孔周辺の除菌および洗浄が確実に行われる。
【0172】
図16の例においては、ノズル洗浄時に切替弁14を介して図7の瞬間加熱装置33に供給される洗浄水の流量は一定であるとしているが、切替弁14により瞬間加熱装置33に供給される洗浄水の流量を変化させてもよい。以下の説明において、瞬間加熱装置33には図15の圧力緩衝部520が取り付けられていないものとする。
【0173】
この場合、切替弁14を調整することにより、瞬間加熱装置33により加熱される洗浄水の昇温状態を変化させることができる。これにより、ノズル洗浄用ノズル3から噴出されるノズル洗浄用蒸気の温度が変化すると、ノズル洗浄用蒸気の温度に応じて蒸気音が変化する。したがって、使用者の嗜好に応じて蒸気音が調整される。
【0174】
また、切替弁14により瞬間加熱装置33へ供給する洗浄水の流量を時間的に変動させた場合、ノズル洗浄用ノズル3から噴出されるノズル洗浄用高温水およびノズル洗浄用蒸気の噴出形態を時間的に変動させることができる。ノズル洗浄用蒸気の噴出形態が時間的に変動すると、それに応じて蒸気音が時間的に変動する。この場合、使用者は、時間的に変動する蒸気音を聞くことによりノズル洗浄用蒸気の発生を容易に認識することができる。
【0175】
切替弁14による瞬間加熱装置33への洗浄水の供給量の調整は制御部4により行われるので、制御部4の電気的制御により容易に蒸気音が調整される。それにより、使用者は自己の嗜好に応じた蒸気音を容易に得ることができる。
【0176】
さらに、図16の例においては、ノズル洗浄時に図7の瞬間加熱装置33に供給される電力は一定であるとしているが、制御部4により瞬間加熱装置33に供給される電力を変化させてもよい。以下の説明において、瞬間加熱装置33には図15の圧力緩衝部520が取り付けられていないものとする。
【0177】
この場合、瞬間加熱装置33に供給される電力を調整することにより、瞬間加熱装置33から排出される洗浄水の排出態様を変化させることができる。これにより、ノズル洗浄用ノズル部3から噴出されるノズル洗浄用蒸気の温度が変化すると、ノズル洗浄用蒸気の温度に応じて瞬間加熱装置33から排出される洗浄水の流量および流速が変化し、蒸気音が変化する。これは、洗浄水の膨張率の変化が温度に依存するために生じる。このように、使用者の嗜好に応じて蒸気音が調整される。
【0178】
また、瞬間加熱装置33に供給される電力を時間的に変動させた場合、ノズル洗浄用ノズル3から噴出されるノズル洗浄用高温水およびノズル洗浄用蒸気の噴出形態を時間的に変動させることができる。ノズル洗浄用蒸気の噴出形態が時間的に変動すると、それに応じて蒸気音が時間的に変動する。この場合、使用者は、時間的に変動する蒸気音を聞くことによりノズル洗浄用蒸気の発生を容易に認識することができる。
【0179】
以上のように、瞬間加熱装置33に供給される電力の調整は、制御部4により行われるので、制御部4の電気的制御により容易に蒸気音が調整される。それにより、使用者は自己の嗜好に応じた蒸気音を容易に得ることができる。
【0180】
本実施例に係る衛生洗浄装置においては、おしりノズル1およびビデノズル2が人体洗浄ノズル装置に相当し、ノズル洗浄用ノズル3がノズル洗浄装置に相当し、ケーシング200a、ノズルカバー200S、透明ノズルカバー200tおよびノズル洗浄用ノズル3が顕在化手段に相当し、ケーシング200aおよびノズルカバー200Sがケーシングに相当し、隙間211が蒸気排出部に相当し、透明ノズルカバー200tが透明部に相当する。
【0181】
また、ノズル洗浄用ノズル3が音発生手段に相当し、蒸気音が音および蒸気の噴出音に相当し、瞬間加熱装置33が蒸気発生手段に相当し、ノズル洗浄用蒸気が蒸気に相当する。
【0182】
さらに、シーズヒータ505および熱伝導体506が発熱体に相当し、制御部4が電力供給手段および電力制御手段に相当し、ノズル洗浄用ノズル3が噴出孔形成部材に相当し、ノズル洗浄孔24dが噴出孔に相当し、配管510が管路に相当し、圧力緩衝部520が圧力変動緩衝手段に相当し、切替弁14が流量制御手段に相当する。
【0183】
【発明の効果】
本発明に係る衛生洗浄装置においては、人体洗浄ノズル装置により給水源から供給される洗浄水が人体に噴出される。また、ノズル洗浄装置から蒸気が噴出されることにより人体洗浄ノズル装置が洗浄される。そして、顕在化手段によりノズル洗浄装置から噴出される蒸気が視覚的または聴覚的に顕在化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図
【図2】図1の遠隔操作装置の一例を示す模式的平面図
【図3】本発明の一実施例に係る衛生洗浄装置の本体部の構成を示す模式図
【図4】(a)は切替弁の縦断面図、(b)は(a)の切替弁のA−A線断面図、(c)は(a)の切替弁のB−B線断面図、(d)は(a)の切替弁のC−C線断面図
【図5】図4の切替弁の動作を示す断面図
【図6】図5の切替弁の洗浄水出口からおしりノズルに流出する洗浄水の流量、洗浄水出口からビデノズルに流出する洗浄水の流量および洗浄水出口からノズル洗浄用ノズルに流出する洗浄水の流量を示す図
【図7】瞬間加熱装置33の構造を示す一部切り欠き断面図
【図8】ノズル部の一部を示す外観斜視図
【図9】おしりノズルから人体の被洗浄面に向けて洗浄水が噴出される場合のノズル部の模式的断面図であり
【図10】ノズル洗浄用ノズルからノズル洗浄用高温水またはノズル洗浄用蒸気が噴出される場合のノズル部の模式的断面図
【図11】図1の衛生洗浄装置を蓋部を開いた状態を示す模式的平面図
【図12】ノズル洗浄時に発生する湯気を使用者に視認させる構成の一例を示す模式図
【図13】ノズル洗浄時に発生する湯気を使用者に視認させる構成の他の例を示す模式図
【図14】図7の瞬間加熱装置から排出される洗浄水の排出態様の一例を説明するための説明図
【図15】図7の瞬間加熱装置から排出される洗浄水の排出態様の他の例を説明するための説明図
【図16】ノズル洗浄時に図10のノズル洗浄用ノズルより噴出される洗浄水の温度変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 おしりノズル
2 ビデノズル
3 ノズル洗浄用ノズル
4 制御部
14 切替弁
33 瞬間加熱装置
200a ケーシング
200S ノズルカバー
200t 透明ノズルカバー
211 隙間
505 シーズヒータ
506 熱伝導体
510 配管
520 圧力緩衝部
Claims (12)
- 給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、
前記洗浄水を人体に噴出する人体洗浄ノズル装置と、
蒸気を噴出することにより前記人体洗浄ノズル装置を洗浄するノズル洗浄装置と、
前記ノズル洗浄装置から噴出される蒸気を視覚的または聴覚的に顕在化させる顕在化手段とを備えたことを特徴とする衛生洗浄装置。 - 前記顕在化手段は、
前記ノズル洗浄装置を部分的に取り囲むケーシングと、
前記ノズル洗浄装置から前記ケーシング内に噴出された蒸気を視認可能に前記ケーシングから排出する蒸気排出部とを含むことを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。 - 前記顕在化手段は、
前記ノズル洗浄装置を部分的に取り囲むケーシングと、
前記ケーシングの少なくとも一部に設けられた透明部とを含むことを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。 - 前記顕在化手段は、
前記ノズル洗浄装置から噴出される蒸気に起因する音を発生する音発生手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衛生洗浄装置。 - 前記音発生手段は、時間的に変化する音を発生することを特徴とする請求項4記載の衛生洗浄装置。
- 前記音発生手段は、略一定の音を発生することを特徴とする請求項4記載の衛生洗浄装置。
- 前記ノズル洗浄装置は、蒸気を発生する蒸気発生手段を含み、
前記音発生手段は、
前記蒸気発生手段により発生された蒸気を噴出するとともに蒸気の噴出音を発生する噴出孔を形成する噴出孔形成部材を含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の衛生洗浄装置。 - 前記蒸気発生手段は、
発熱体と、
前記発熱体に電力を供給する電力供給手段と、
前記発熱体により加熱された洗浄水が流動する管路とを含むことを特徴とする請求項7記載の衛生洗浄装置。 - 前記蒸気発生手段は、
前記発熱体に供給される電力を時間的に変化させる電力制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項8記載の衛生洗浄装置。 - 前記蒸気発生手段の下流に設けられ、前記管路の断面積よりも大きな断面積を有する圧力変動緩衝手段を含むことを特徴とする請求項8記載の衛生洗浄装置。
- 前記音発生手段は、
前記蒸気発生手段に供給される洗浄水の流量を制御する流量制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の衛生洗浄装置。 - 前記流量制御手段は、前記ノズル洗浄装置に供給される洗浄水の流量を時間的に変化させることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
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