JP2004269122A - 給送装置、記録装置及び液体噴射装置 - Google Patents

給送装置、記録装置及び液体噴射装置 Download PDF

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Yasuharu Harada
泰晴 原田
Shinichiro Yoshikawa
真一朗 吉川
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Abstract

【課題】課題は、手差しトレイに確実に被記録媒体をセット可能な給送装置、記録装置及び液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】被記録媒体Pを手差し給送可能な手差しトレイ60と、手差しトレイ60の下流側に配置され、当該手差しトレイ60にセットされた被記録媒体Pを下流側に給送する給送手段25と、を備える給送装置であって、前記手差しトレイ60上部であって給送手段25上流側近傍には被記録媒体Pを給送手段給送作用位置に案内させる第2ガイド部材82が形成されており、この第2ガイド部材82上流側には被記録媒体Pを当該第2ガイド部材82に向けて案内させる第1ガイド部材81が構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給送装置、記録装置及び液体噴射装置に関する。
より詳しくは、本発明はインク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録媒体(被噴射媒体)に記録を実行する(液体を付着させる)インクジェットプリンタなどの記録装置(液体噴射装置)に具備される給送装置、該給送装置を具備した記録装置及び液体噴射装置に関するものである。
【0002】
なお液体噴射装置とは、インクジェット式の記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに換えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含むものである。
【0003】
液体噴射ヘッドとして前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0004】
【従来の技術】
記録装置及び液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」という。)は、被記録媒体(液体噴射媒体)の一例である印刷用紙(以下、「用紙」という。)を記録実行手段(液体噴射実行手段)の一例である記録ヘッド下に向けて給送し、この記録ヘッドから液体の一例であるインクを吐出させることにより、当該用紙に記録(印刷)を実行するものである。
【0005】
印刷対象である用紙は、給紙トレイに複数枚スタックできるように構成されており、前記プリンタには、記録実行前にこの給紙トレイから用紙を1枚ずつ下流側に向けて給送する給送装置(給紙装置)が備え付けられている。
【0006】
この給送装置には、用紙を複数枚支持する用紙セット部と、高摩擦材で形成され、この用紙セット部にセットされた用紙を下流側に給送する給送ローラが設けられている。さらに同一の給送ローラを利用して手差し給紙する手差し給紙部が、前記用紙セット部の上部に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
このように手差し給紙部を備える給送装置においては、手差し給紙部にセットされるべき用紙が給送ローラに当接して正確にセットできなかったり、当接によってその先端に変形をきたしたりするなど用紙のセット性に問題があった。特に用紙に上反りなどの癖があるものでは、より一層手差し給紙部へのセットが困難であった。また、用紙先端が給送ローラに当接した位置をセット位置として誤認されると、給送ローラが回動しても充分に給送力を付与できないために、この用紙を給送できなくなるなどの不具合があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−68535号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような実情に鑑みなされたものであって、その課題は、手差しトレイに確実に被記録媒体をセット可能な給送装置、記録装置及び液体噴射装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、被記録媒体を手差し給送可能な手差しトレイと、前記手差しトレイの下流側に配置され、当該手差しトレイにセットされた被記録媒体を下流側に給送する給送手段と、を備える給送装置であって、前記手差しトレイ上部であって前記給送手段上流側近傍には被記録媒体を給送手段給送作用位置に案内させる第2ガイド部材が形成されており、この第2ガイド部材上流側には被記録媒体を当該第2ガイド部材に向けて案内させる第1ガイド部材が構成されていることを特徴とする。
【0011】
手差しトレイにセットされる被記録媒体が上反りなどの癖がついたものである場合には適切にセットできずに給送不能となってしまうことがある。また、給送手段給送作用位置に被記録媒体がセットされる前の位置を手差しセット位置とユーザーが誤認してしまうと、この被記録媒体を給送できなくなるなどの不具合を生じることがある。
【0012】
しかし本発明によれば、手差しトレイ上部であって給送手段上流側近傍には被記録媒体を給送手段給送作用位置に案内させる第2ガイド部材が形成されており、この第2ガイド部材上流側には被記録媒体を当該第2ガイド部材に向けて案内させる第1ガイド部材が構成されているので、手差しトレイにセットされる被記録媒体は、まず第1ガイド部材によって第2ガイド部材に向けて確実に案内される。そして次に、この第2ガイド部材によって正規セット位置である給送手段給送作用位置まで案内される。すなわち、手差しトレイにセットされる被記録媒体の軌跡が常に規制され、被記録媒体に生じた上反りなどの癖の影響を受けることなく確実に給送手段給送作用位置に被記録媒体をセットできる。また、給送手段給送作用位置までの空間部においてふらつきなどを生じることなく正規セット位置に向けて確実に案内される。従って、被記録媒体を下流側に手差しするだけで、これを給送手段給送作用位置に確実、かつ、容易にセットすることができ、操作性(被記録媒体のセット性)が高い。
【0013】
また、本発明の第2の態様は、前記第1の態様において、前記第1ガイド部材の上流側には被記録媒体を略水平姿勢で載置する被記録媒体載置面が設けられており、被記録媒体は、前記被記録媒体載置面に沿って手差しされ、前記第1ガイド部材によって下流側上方にガイドされて前記第2ガイド部材に至り、当該第2ガイド部材によって下流側下方にガイドされて前記給送手段給送作用位置にセットされるように構成されていることを特徴とする。本発明によれば、請求項1と同様の作用効果が得られる。
【0014】
また、本発明の第3の態様は、前記第2の態様において、前記手差しトレイ下部には、被記録媒体を略水平姿勢で複数枚セット可能に構成された被記録媒体給送用カセットが配設されており、前記第1ガイド部材及び前記被記録媒体載置面は、前記被記録媒体給送用カセットの蓋部に構成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、第1ガイド部材は、被記録媒体給送用カセットの蓋部に構成されているので、この被記録媒体給送用カセット蓋部の上面(すなわち、被記録媒体載置面)に沿って被記録媒体を手差しすることにより、当該被記録媒体を確実に第1ガイド部材へと導入させることができる。すなわち、被記録媒体給送用カセットの蓋部に被記録媒体給送用カセットの蓋部と、手差しトレイにセットされる被記録媒体の載置面とを兼用させることができる。また、特別の構成を用いることなく容易に第1ガイド部材を設けることができるので部材数及びコストの低減を図ることができる。
【0016】
また、本発明の第4の態様は、前記第3の態様において、前記被記録媒体給送用カセットの蓋部は、透視可能素材より形成されており、かつ、被記録媒体給送用カセットの本体部に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、被記録媒体給送用カセットの蓋部は透視可能素材より形成されているので、被記録媒体給送用カセットにセットされた被記録媒体の有無や残存量等を容易に確認することができる。また、被記録媒体給送用カセットの蓋部は、被記録媒体給送用カセットの本体部に対して着脱自在に構成されているので、蓋部を取り外すことにより容易に被記録媒体を本体部にセットすることができるとともに、また、取り付けることにより塵埃などの浸入を阻止することができる。さらに、セットした被記録媒体に不具合が生じたことを容易に確認でき、これを確実に処理することが可能である。
【0018】
また、本発明の第5の態様は、前記第1から第4のいずれかの態様において、前記第2ガイド部材の形成位置は、被記録媒体の給送方向において、前記給送手段の配置位置と一致するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、第2ガイド部材の形成位置は、被記録媒体の給送方向において、給送手段の配置位置と一致するように構成されているので、第2ガイド部材によってガイドされる被記録媒体を確実に給送手段給送作用位置に案内させることができる。
【0020】
また、本発明の第6の態様は、前記第5の態様において、前記第2ガイド部材は、サブフレームに一体成形されていることを特徴とする。本発明によれば、サブフレームの形成工程で第2ガイド部材を成形することができ、部材数及びコストの低減を図ることができる。
【0021】
また、本発明の第7の態様は、被記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記第1から第6のいずれかの態様に記載の給送装置を具備していることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の第8の態様は、被噴射媒体を手差し給送可能な手差しトレイと、前記手差しトレイの下流側に配置され、当該手差しトレイにセットされた被噴射媒体を下流側に給送する給送手段と、を備える液体噴射装置であって、前記手差しトレイ上部であって前記給送手段上流側近傍には被噴射媒体を給送手段給送作用位置に案内させる第2ガイド部材が形成されており、この第2ガイド部材上流側には被噴射媒体を当該第2ガイド部材に向けて案内させる第1ガイド部材が構成されていることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の「給送装置」を具備した「記録装置」及び「液体噴射装置」の一実施形態であるインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」という。)1の構成について図面に沿って説明する。
ここで、図1はプリンタの外観斜視図であり、図2はプリンタの外観を構成するカバー体を取り外した状態における外観斜視図であり、図3はプリンタの用紙搬送経路の説明に供する側断面概略図であり、図4はプリンタの用紙搬送経路の説明に供する平面図であり、図5はプリンタの給紙部を示す要部斜視図であり、図6はホッパへの用紙セット状態を示す給紙部の側面図であり、図7は手差しトレイ回動状態を示す給紙部の側面図であり、図8から図13は手差しトレイへの用紙の手差しセットから給送までの一連の動作の説明に供する給紙部の側面図であり、図14及び図15は用紙排出経路の説明に供する要部側断面図である。
【0024】
図1において、「被記録媒体」及び「被噴射媒体」の一例としての印刷用紙(以下、「用紙」という。)Pにインク滴を吐出することによって記録(印刷)を行うプリンタ1は、装置本体部2と、この装置本体部2の下にオプション給紙ユニット(以下、「OPTユニット」という。)3とを連結可能に構成されている。装置本体部2は給紙部、記録部、排紙部等(詳細は後述)を有し、一方、OPTユニット3は、上部の装置本体部2に向けてセットされた用紙Pを1枚ずつ給紙する給紙部(図示せず)を備えている。
【0025】
このプリンタ1は、「被記録媒体給送用カセット」の一例として装置本体部2に給紙トレイ200を、OPTユニット3に給紙トレイ300を有し、双方の給紙トレイに複数枚(本実施形態では、それぞれ普通紙500枚程度)の用紙Pを略水平姿勢として積層状態でセットできるようになっている。そして、装置本体部2の側においては、給紙トレイ200が装置本体部2に対して着脱可能に設けられている。また、給紙トレイ200の上部には用紙Pを手差しでセットして給送可能な手差しトレイ60が構成されている。OPTユニット3の側においては、給紙トレイ300がOPTユニット3に対して着脱可能に設けられており、OPTユニット3から取り外した状態で用紙Pのセットが可能となっている。
【0026】
プリンタ1は、記録の行われた用紙Pを排出する排出部として装置本体部2の上部に、記録面を下向きにして用紙Pを装置前方側に向けて排出するフェイスダウン(以下、「Fd」と略称する。)用紙排出口400と、これとは別に記録面を上向きにして装置後方側に向けて排出するフェイスアップ(以下、「Fu」と略称する。)用紙排出口500とを有している。
【0027】
Fd用紙排出口400の側においては、装置手前側に設けられた回動軸を中心にして回動することにより、装置手前側に向けて開くことのできるカバー450が設けられている。図1は、このカバー450を開いた状態を示すものであり、このように開いた状態において、カバー450はFd用紙排出口400から排出される用紙Pをスタックする排紙スタッカとして機能する。また、閉じた状態においては、装置上部の外観を構成するとともに装置内部への塵埃等の浸入を防止する機能を果たす。他方のFu用紙排出口500の側においては、排紙スタッカ550が傾斜姿勢で設けられていて、Fu用紙排出口500から排出された用紙Pは、この排紙スタッカ550上に傾斜姿勢で順次積層される。
【0028】
また、装置本体部2の上部には、用紙搬送経路を開放可能な開閉蓋410が設けられている。これにより、用紙搬送経路において紙ジャムなどの不具合が生じた場合に適切に処理できるようになっている。
【0029】
続いて、図2は、プリンタ1の外観を構成するカバー体を取り外した状態を示すものである。図2において、装置本体部2の上部前方側には、インクカートリッジ132をプリンタ1の幅方向(後述する記録ヘッド10の主走査方向)に複数個(本実施形態では4個)セットするためのカートリッジ取付フレーム130が設けられている。本実施形態に係るプリンタ1においては、このカートリッジ取付フレーム130にブラック色、シアン色、マゼンダ色、イエロー色の、計4個のインクカートリッジ132を着脱可能に装着できるようになっている。このインクカートリッジ132は、プリンタ1の外観を構成するカートリッジカバー138(図1参照)を開放させることで露呈されるように構成され、カートリッジカバー138を開放した状態において装置前方側から後方側に向けて差し込むようにして装着可能となり、装置前方側に引き出すことで取り外すことができるようになっている。そして、各インクカートリッジ132のインクは図示しないインクチューブを介して、後述する記録ヘッド10からインク滴として吐出される。
【0030】
次に、図3を参照しながらプリンタ1の用紙搬送経路について概説する。なお図3において右手側が装置前方側、左手側が装置後方側である。
プリンタ1は、装置下部前方側から装置上部後方側に向けて斜めに用紙Pを搬送する用紙搬送経路を有し、傾斜した搬送経路上において用紙Pに記録を行い、記録の行われた用紙Pを斜め上方(装置前方側又は装置後方側)に向けて排出する構成を有している。また、プリンタ1は、用紙Pの表面と裏面との両面にインクジェット記録を行うべく、表面に記録の行われた用紙Pを反転させ、そして再び記録部8へと搬送するための両面記録用の反転経路を有している。
【0031】
より詳しくは、プリンタ1の用紙搬送経路は、給紙部7と、記録部8と、フェイスダウン(Fd)排出部5と、フェイスアップ(Fu)排出部6と、用紙反転部4と、から大略構成される。なお、図3での図示及び説明を省略するが、給紙部7の下には上述したOPTユニット3が装着されることにより、記録部8へと用紙を給紙する給紙部が更に追加される。
【0032】
以下、本実施形態に係るプリンタの構成部ごとに説明する。なお、ここでは用紙反転部4についての説明は省略する。さらに、以下では用紙搬送経路の上流側を「上流側」と言い、用紙搬送経路の下流側を「下流側」と言うこととする。
【0033】
[給紙部]
ここで、給紙部7の構成について図3から図12を参照しつつ説明する。なお、図4においては手前側が装置前方側、奥手側が装置後方側であり、図6から図12においては右手側が装置前方側、左手側が装置後方側である。
給紙部7は、手差しトレイ60と、「被記録媒体給送用カセット」の一例としての給紙トレイ200と、ホッパ203と、ガイド部材50と、「給送手段」の一例としてのピックアップローラ25と、給紙ローラ21と、リバースローラ23とを有している。
【0034】
給紙トレイ200の上部には手差しトレイ60が配設されており、用紙Pを手差しで給送できるようになっている。この手差しトレイ60は、上流側の手差しトレイ本体部61と、下流側の可撓性部材からなるルミナー100により構成されている。このルミナー100は、図6に示す如く、手差しトレイ本体部61の下流端部からピックアップローラ25より下流側であり、かつ、ホッパ203または当該手差しトレイ60にセットされる用紙P先端位置より上流側まで延在して設けられている。すなわち、ホッパ203のピックアップローラ25に対する圧接によってこのホッパ203と接触する箇所であり、また、手差しトレイ60またはホッパ203にセットされた用紙P先端位置に対応する箇所にルミナー100が配設されている。また、ピックアップローラ25とは接触することがないように、その周囲は切欠されている(図5参照)。なお、可撓性部材であるルミナー100の可撓性の程度は、ルミナー100の素材、厚み、手差しトレイ本体部61下流端部から先端までの長さなどにより適宜調整することができる。
【0035】
また、手差しトレイ60には用紙Pの幅方向(図6における紙面前後方向)にスライド移動可能に構成され、セットされた用紙Pの側辺を規制するエッジガイド62が設けられている。これにより手差しトレイ60にセットされた用紙Pは、その一側辺を固定側エッジガイドとして機能する図示しないサイドフレームにあてがわれ、他側辺をこのエッジガイド62によって規制されることにより精度良く位置決めされ、その姿勢を維持したまま給送される。なお、このエッジガイド62は、図5に示す如く、偏倚して設けられたピックアップローラ25と反対側に設けられている。すなわち、ピックアップローラ25が設けられている側がセットされる用紙Pの基準となるようになっている。また、このエッジガイド62には、手差しトレイ本体部61の用紙載置面61aと略平行なガイド板62aが一体成形されている。
【0036】
また、本実施形態に係る手差しトレイ60は、図6に示す如く、手差しトレイ本体部61の用紙載置面61aに沿って突出形成された一対の回動軸63及びスライド軸64によってサイドフレーム(図示せず)に取り付けられている。回動軸63は手差しトレイ60を側視して円形に形成され、手差しトレイ本体部61の下流側位置に設けられ、当該手差しトレイ60の用紙載置面に対して略垂直方向(図6において上下方向)に延びる長穴に形成された軸受穴73によって支持されている。このような構成により、回動軸63が軸受穴73中を移動することで手差しトレイ60をその軸受穴73方向に変位させることができる。
【0037】
一方、スライド軸64は手差しトレイ60を側視して略長方形に形成され、手差しトレイ本体部61の上流側位置に設けられ、当該手差しトレイ本体部61の用紙載置面61aに対して略垂直方向(図6において上下方向)に延びる長穴に形成されたスライド穴74によって支持されている。このような構成により、スライド軸64がスライド穴74中を移動することで手差しトレイ60を、回動軸63を支点として回動させることができる。これにより、図7に示す如く、手差しトレイ60を持ち上げることで当該手差しトレイ60の下、すなわちホッパ203上の空間を大きく確保することができ、ホッパ203への用紙Pのセットを容易に行うことができるようになるとともに、セットした用紙Pに不具合が生じた場合に適切な処理ができるようになっている。なお、通常時では手差しトレイ60の自重により回動軸63及びスライド軸64は、軸受穴73及びスライド穴74の下端に位置決めされている(図6参照)。
【0038】
給紙トレイ200は、装置本体部2に対して着脱自在に取り付けられる係合手段(図示せず)を有する給紙トレイ本体部55と、給紙トレイ蓋部57とから構成されている。給紙トレイ本体部55は、図6に示す如く、ホッパ203にセットされた用紙Pの後端側を支持する。そして、用紙Pの前後方向にスライド移動可能に構成され、用紙P後辺をガイドするバックストッパー206(図5参照)と用紙P側辺をガイドするサイドストッパー207(図5参照)とで用紙Pを規制することにより精度良く位置決めしている。また、給紙トレイ本体部55の後端部は装置手前側に開放可能に構成されている。
【0039】
一方、給紙トレイ蓋部57は、給紙トレイ本体部55に対してその上方から着脱自在に構成されている。また、透視可能な素材から形成されており、給紙トレイ200にセットされた用紙Pの有無、用紙残存量などを給紙トレイ蓋部57を外すことなく確認できるようになっているとともに、塵埃などの浸入を阻止する。また、この給紙トレイ蓋部57を取り外すことにより用紙Pを容易にセットできるようになる。従って、セットした用紙Pに紙ジャムなどの不具合が生じたときにこれを確認して適切な処理をすることができるようになっている。
【0040】
また、給紙トレイ蓋部57は、図6に示す如く、手差しトレイ60の上流側近傍に配置されており、これらで手差しトレイ60にセットされる用紙Pの載置面を構成している。すなわち、手差しトレイ60と給紙トレイ蓋部57とが連続となるように配設されている。従って、給紙トレイ蓋部57は、給紙トレイ200の蓋部として機能するだけでなく、手差しトレイ60にセットされる用紙Pの載置面、すなわち手差しペパーサポートとしても機能するようになっている。
【0041】
そして、給紙トレイ蓋部57の最下流側(すなわち、手差しトレイ60の近傍)には、手差しトレイ60にセットされる用紙Pの幅方向(主走査方向)の全体に渡って構成され、用紙Pを第2ガイド部材82に向けて案内する第1ガイド部材81が形成されている。この第1ガイド部材81は給紙トレイ蓋部57に一体成形されており、その下流側上方に延びる傾斜面によって手差しされる用紙Pを手差しトレイ本体部61から浮かび上がらせて第2ガイド部材82に向けて案内するように構成されている。すなわち、第1ガイド部材81は、給紙トレイ蓋部57の上面に沿って手差しされた用紙Pの進行方向をその下流側上方に延びる傾斜面によって変え、第2ガイド部材82に向けてガイドするものである。
【0042】
第2ガイド部材82は、手差しトレイ60の上部に配置されたサブフレーム1bに一体成形されており、第1ガイド部材81によって案内された用紙Pをその表面に沿わせ、更に下流側のピックアップローラ25の給送作用位置(すなわち、ピックアップローラ25の下)まで案内するように構成されている。この第2ガイド部材82は、図4に示す如く、ピックアップローラ25の上流側近傍であり、かつ、用紙Pの給送方向(いわゆる、副走査方向。図4において上下方向。)の形成位置がピックアップローラ25の配置位置と一致するように構成されている。このような構成により、手差しトレイ60にセットされる用紙Pを確実にピックアップローラ25の下にガイドすることができる。
【0043】
このような構成により、手差しされる用紙Pは、給紙トレイ蓋部57の上面(用紙載置面)から第1ガイド部材81に至り、この第1ガイド部材によって積極的に第2ガイド部材82に向けて案内される。そして第2ガイド部材82によってピックアップローラ25下に導入されるようになっている。すなわち、用紙Pは、手差しトレイ60とサブフレーム1bとの間の空間でふらつきを生じることなく、ほぼ同一の軌跡を描いて手差しセットされる。従って、例えば、用紙Pに上反りなどの癖がついたものであってもその影響を受けることなく、これを手差しトレイ60の正規セット位置まで確実に案内させることができる。
【0044】
ホッパ203は、積層状態で給紙トレイ200(図1参照)にセットされる複数枚の用紙Pの先端側を略水平姿勢で支持し、ピックアップローラ25との圧接点から上流側に設けられた回動軸203aを中心にして揺動することにより、ホッパ駆動手段(図示せず)によってピックアップローラ25に対して圧接及び離間動作可能に構成されている。この圧接動作によりホッパ203または手差しトレイ60にセットされた用紙Pをピックアップローラ25に押圧させることができる。すなわち、ホッパ203は、給紙トレイ200にセットされた用紙Pをピックアップローラ25に押圧させる手段と、手差しトレイ60にセットされた用紙Pをピックアップローラ25に押圧させる手段とを兼用するように構成されている。従って、手差しトレイ60にセットされた用紙Pをピックアップローラ25に押圧させるための手段を別に設けることを要しないため、装置構成を簡易にすることが可能である。
【0045】
また、ピックアップローラ25と接触する箇所には、「摩擦部材」の一例であるコルク部材204が設けられており、ホッパ203にセットされた用紙Pをその摩擦作用によって保持しているとともに、給送動作時には用紙Pをこのコルク部材204とピックアップローラ25とで狭持することにより、重送されようとする用紙Pを規制する。さらに、図示するようにコルク部材204をホッパ203の下流側(すなわち、ホッパ203にセットされる用紙Pの先端側)に設けたことにより、種々のサイズの用紙Pに対応させることができる。
【0046】
ホッパ203の下流側には用紙Pの幅方向(主走査方向)に長く形成された側面視略「への字形」のガイド部材50が設けられている。このガイド部材50には、ホッパ203または手差しトレイ60にセットされる用紙Pの先端が当接することによって位置決めされる、略垂直な当接面50aが構成されている。これにより用紙Pをホッパ203または手差しトレイ60にセットする場合にその位置決めを容易に行うことができ、操作性(セット性)を高めることができる。また、この当接面50aはその下流側に位置し、給送される用紙Pをガイドするガイド面50bと連続して設けられているとともに、用紙P幅方向(主走査方向)に所定の間隔をもって形成されたリブ51が、当接面50aからガイド面50bまで連続して構成されている。このような構成により、用紙Pをリブ51に沿ってスムーズに給送させることができる。
【0047】
ピックアップローラ25は、手差しトレイ60の下流側上方であって、図4または図5に示す如く偏倚した位置に配設されている。また、円柱状に形成され、その外周面が高摩擦材(例えば、ゴム材)によって構成されている。このピックアップローラ25は、ホッパ203が揺動することにより該ホッパ203上にセットされた最上位の用紙Pと接触し、この接触状態で回動することにより用紙Pを下流側の給紙ローラ21及びリバースローラ23に向けて送り出す。また、手差しトレイ60に用紙Pがセットされている場合には、ホッパ203の揺動によってこの用紙Pと接触し、この接触状態で回動することにより、手差しトレイ60にセットされた用紙Pを下流側に向けて送り出す。すなわち、手差しトレイ60またはホッパ203にセットされて静止状態にある用紙Pに給送力を与え、給送動作を開始させるものである。
【0048】
すなわち、本実施形態のプリンタ1は、ホッパ203にセットされた用紙Pをピックアップローラ25によって給送する通常給送経路と、手差しトレイ60にセットされた用紙Pをピックアップローラ25によって給送する手差し給送経路とを有しており、手差しトレイ60にセットされた用紙Pがホッパ203にセットされた用紙Pより優先的に給送されるように構成されている。ここで、「通常給送経路」における「通常」とは、手差しトレイ60に用紙Pをセットしない限りにおいて使用されるものであり、また使用頻度が大であることによる。従って、例えばホッパ203にセットされている用紙Pと異なる用紙Pに記録(印刷)したい場合に、その異なる用紙Pを手差し給送経路を経て給送させることができ、利便性が高い。
【0049】
ピックアップローラ25の下流側近傍であって、図4または図5に示す如く偏倚した位置に給紙ローラ21及びこの給紙ローラ21に対置したリバースローラ23が配設されている。すなわち、ピックアップローラ25、給紙ローラ21及びリバースローラ23は、用紙Pの給送方向の構成位置がそれぞれ一致するように配設されている。そして、給紙ローラ21及びリバースローラ23は、通常給送経路または手差し給送経路を経て給送された用紙Pをガイド部材50のガイド面50bに沿わせて斜め下流側上方に向けて給送する。そして、上述したピックアップローラ25と同様に円柱状に形成され、それらの外周面は高摩擦材(例えば、ゴム材)によって構成されている。また、給紙ローラ21の回動軸21aには回転板24が設けられ、幅広の用紙Pを給送する場合にその上面に接触することにより浮き上がりを規制している。
【0050】
給紙ローラ21は用紙Pを下流側に給送する回転方向(図6において時計方向)に回転駆動され、一方、リバースローラ23は用紙Pを上流側に戻すような回転方向(図6において時計方向)に回転駆動可能に構成されている。ピックアップローラ25によって送り出された用紙Pは、給紙ローラ21とリバースローラ23との間で狭持された状態で給紙ローラ21が回転することにより、最上位の用紙Pが次位以降の用紙Pから分離され、最上位の用紙(すなわち、1枚の用紙)のみがガイド面50bに沿って斜め下流側上方に向けて給送されて搬送駆動ローラ28に至る。すなわち、用紙Pはホッパ203または手差しトレイ60に支持された略水平姿勢から、湾曲姿勢となって下流側に給送される。
【0051】
また、リバースローラ23は給紙ローラ21に圧接した状態(図3の状態)と、給紙ローラ21から離間した状態とをとり得るように構成されている。そして、用紙Pを上流側に戻す方向に回転することにより重送されようとする次位以降の用紙Pを確実に規制し、最上位の用紙Pのみを下流側に給紙する。そして、リバースローラ23は、用紙Pの先端が搬送駆動ローラ28と搬送従動ローラ29とに狭持された後は搬送駆動ローラ28による用紙Pの搬送動作を阻害しないように、つまり搬送負荷(バックテンション)を与えることがないように、給紙ローラ21から離間する。
【0052】
ここで、手差し給送経路を経る用紙Pの給送動作について図8から図13を参照しつつ説明する。なお、ここでは1枚の用紙Pを手差しトレイ60にセットする場合について説明する。
【0053】
手差しされる用紙Pは、給紙トレイ蓋部57の上面(用紙載置面)に沿って下流側(図8において左手側)に向けて押し込まれる。そして、その用紙Pの先端が第1ガイド部材81に達すると、第1ガイド部材81の下流側上方に延びる傾斜面に沿って、図8に示す如く、手差しトレイ本体部61から浮かび上がりつつ第2ガイド部材82に向けて案内される(すなわち、用紙Pを第2ガイド部材82に積極的に当接させるために、用紙Pは第1ガイド部材81によって下流側上方にガイドされて第2ガイド部材82に向けられる。)。そして、図9に示す如く用紙P先端が第2ガイド部材82に当接すると、今度はこの第2ガイド部材82の下流側下方に延びる表面に接触しつつ同方向にガイドされてピックアップローラ25下に導入される。このとき図10に示す如く用紙P先端がルミナー100に当接するが、このルミナー100は上述したように可撓性部材から構成されているので用紙Pの当接により撓み変形し、用紙Pの手差し動作を妨げることがないようになっている。そして、用紙Pがピックアップローラ25下に案内され、その先端がガイド部材50の当接面50aに当接することにより位置決めされる(図11参照)。この当接状態でエッジガイド62をスライド移動させて用紙Pの側辺を規制することにより、精度良く位置決めされる。
【0054】
なお、手差しトレイ60にセットされる用紙Pが比較的剛性の大きいものである場合には、用紙Pが手差しトレイ本体部61の載置面61aに載置された状態(図11に示す状態)において、用紙Pの後端、すなわち手差しトレイ本体部61より上流側(装置前方側)が給紙トレイ蓋部57から浮き上がる。そのため手差しトレイ60に所望するものと異なる用紙Pをセットしてしまった場合などにその用紙Pを容易に取り除くことができ、利便性が高い。
【0055】
次に、当該手差しトレイ60にセットされた用紙Pの給送動作について説明する。まず、ホッパ203がピックアップローラ25に対して圧接動作し、用紙Pがコルク部材204とピックアップローラ25とで狭持される。この狭持状態でピックアップローラ25が該用紙Pを下流側に給送する方向(図12において時計方向)に回転駆動することにより給送され始め、斜め上方に延びるガイド部材50のガイド面50bに沿って下流側(給紙ローラ21及びリバースローラ23に向けて)に給送される。そして、給紙ローラ21とリバースローラ23とのニップ点に至り、給紙ローラ21が用紙Pを下流側に給送する回転方向(図13において時計方向)へ回転駆動することにより、図13に示す如く、ガイド部材50のガイド面50bに沿いつつ更に下流側に向けて給送される。
【0056】
[記録部]
次に、記録部7の構成について図3及び図4を参照しつつ説明する。
給紙部7の下流側に設けられた記録部8は、搬送駆動ローラ28と、搬送従動ローラ29と、「液体噴射ヘッド」の一例としての記録ヘッド10と、プラテン20と、排紙駆動ローラ32と、排紙従動ローラ33と、排紙補助ローラ35a,35bとを有している。
【0057】
搬送駆動ローラ28は図示しない駆動モータによって回転駆動され、搬送従動ローラ29は搬送駆動ローラ28に接して従動回転する。搬送従動ローラ29は、図4に示すように1つの搬送従動ローラホルダ26の下流側(図4における上側)に2つ、自由回転可能に軸支されている。また、搬送従動ローラホルダ26は、主走査方向(図4の左右方向)に4つ配設されている。
【0058】
さらに、搬送従動ローラホルダ26において搬送従動ローラ29の下流側近傍には、ガイドローラ30が自由回転可能に軸支されている。このガイドローラ30は、用紙Pのプラテン20からの浮き上がりを防止する機能を果たすものであり、これにより用紙Pと記録ヘッド10との距離が安定し、適切な記録品質を得ることが可能となる。
【0059】
搬送駆動ローラ28の下流側には、記録ヘッド10と、プラテン20とが傾斜姿勢で上下に対向するように設けられている。ここで、記録部8における用紙搬送経路は図3に示すように傾斜角を有し、本実施形態においては、水平面に対して約60°の傾斜角を有するように用紙搬送経路が構成されている。従って、プラテン20と記録ヘッド10とは、図示するように傾斜姿勢で設けられている。記録ヘッド10はキャリッジ11の下部に設けられ、このキャリッジ11は主走査方向(図3の紙面表裏方向)に延びるキャリッジガイド軸13に取り付けられ、このキャリッジガイド軸13によってガイドされながら主走査方向に往復移動する。
【0060】
プラテン20には、図4に示すように、副走査方向(すなわち、用紙搬送方向。図4の上下方向。)に延びるリブ20aが主走査方向に所定の間隔をおいて形成されている。そして、用紙Pはこのリブ20aによって記録ヘッド10との距離が規制される。また、プラテン20には、隣接するリブ20aの間に用紙Pのサイズ(幅寸法)を検出するための主走査方向に延びる長孔20bが形成されている。そして、キャリッジ11のプラテン20との対向面には、プラテン20に向けて放射する光の反射成分を検出する光センサ(図示せず)が設けられていて、用紙Pとプラテン20との反射率差を利用して用紙Pの幅寸法を検出することができるようになっている。しかし、用紙Pとプラテン20との反射率差が小さい場合には、用紙Pの幅寸法を適切に検出することができない場合がある。このような場合に本実施形態では、光を長孔20bに向けて放射するように構成し、これによって用紙Pの幅寸法をより一層正確に検出できるようにしている。
【0061】
キャリッジ11は、本実施形態においてはインクカートリッジを搭載せず、インクカートリッジ取付フレーム130に装着されたインクカートリッジ132から、インクチューブ(図示せず)を介して記録ヘッド10へとインクが供給されるように構成されている。また、各色のインクカートリッジ132には、インクの色などの固定情報の他、インク残量などの変動情報の各インクカートリッジに関する情報を記憶したチップ135が装着されており、主走査方向に往復移動するキャリッジ11に設けられたアンテナ基板19との間で信号の交換を行っている。これにより、チップ135に記憶された各種情報をプリンタ1の制御部(図示せず)へと伝達できるようになっている。
【0062】
記録ヘッド10の下流側には、回転駆動される排紙駆動ローラ32と、該排紙駆動ローラ32に接して従動回転する排紙従動ローラ33とが設けられている。そして、記録ヘッド10によって記録の行われた用紙Pは、排紙駆動ローラ32の回転によって下流側へ排紙される。また、排紙従動ローラ33の上流側には、排紙補助ローラ35a,35bが設けられていて、これにより、用紙Pのプラテン20からの浮き上がりがより一層防止される。なお、排紙従動ローラ33と、排紙補助ローラ35a,35bとは、インク滴が吐出された用紙Pの記録面と接触するため、記録面と点接触する歯付きローラによって構成されている。
【0063】
ここで、排紙駆動ローラ32及び排紙従動ローラ33は、図4に示すように主走査方向の配置位置が、リブ20aの形成位置と一致するように設けられている。さらに、補助ローラ35bの主走査方向の配置位置は、隣接する2つのリブ20aのほぼ中間となるように設けられ、かつ、用紙Pの記録面と接触する接触点がリブ20aの上面よりもやや下に位置するように構成されている。このような構成により、用紙Pがインク滴を吸収することにより膨潤しても、その伸び分が隣接するリブ20aの間に逃げ、結果として用紙Pには規則的な波打ち状態(コックリング)が形成される。すなわち、リブ20aの位置で山となり、補助ローラ35bの位置で谷となる波打ち状態が形成され、これによって用紙Pと記録ヘッド10との距離が著しく不均一となるといった不具合を防止している。
【0064】
[排出部]
次に、記録の行われた用紙Pを排出する排出部について図3、図14及び図15を参照しつつ説明する。本実施形態に係るプリンタ1は、用紙Pをフェイスダウン(Fd)用紙排出口400から排出させるフェイスダウン(Fd)排出部5と、フェイスアップ(Fu)用紙排出口500から排出させるフェイスアップ(Fu)排出部6とを有している。まず、フェイスダウン(Fd)排出部5から説明する。
【0065】
[フェイスダウン(Fd)排出部]
記録部8の下流側に設けられたFd排出部5は、屈曲ローラ37と、Fd排出駆動ローラ41と、Fd排出従動ローラ43と、を備えている。排紙駆動ローラ32の下流側には、該排紙駆動ローラ32によって記録部8から排紙された用紙Pを、フェイスダウン(Fd)経路またはフェイスアップ(Fu)経路のいずれかに切り替えるFd/Fu切替部材90が設けられている。Fd経路は用紙PをFd用紙排出口400から排出するための用紙搬送経路であり、Fu経路はFu用紙排出口500から排出するための用紙搬送経路である。
Fd/Fu切替部材90は、揺動軸90aを中心にして、用紙搬送経路を側視して揺動可能(図3の時計方向及び反時計方向)に設けられ、揺動することにより、記録部8から排紙された用紙Pの進行方向を切り替える。
【0066】
図14は、Fd/Fu切替部材90が、記録部8から排紙された用紙Pの進行方向をFd経路に切り替えた状態を示している。記録部8から排紙された用紙P先端は、Fd/Fu切替部材90に形成された滑らかな湾曲面90bに当接する。そして、用紙P先端は、湾曲面90bと、該湾曲面90bの下流側に設けられた外側ガイド部材91とに接しながら進み、やがてFd排出駆動ローラ41とFd排出従動ローラ43とによって狭持される。Fd排出駆動ローラ41はゴムローラからなり、図示しない駆動手段によって回転駆動され、一方のFd排出従動ローラ43は歯付きローラからなり、Fd排出駆動ローラ41に接して従動回転する。そして、Fd排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、Fd排出口400(図1参照)から装置前方(矢印「Fd」で示す方向)に向けて記録の行われた用紙Pが排出される。
【0067】
用紙Pが上記Fd経路を進行して排出される場合には、用紙Pは記録面を内側にして略U字形の形状に湾曲させられて排出される。従って、Fd経路を進行して排出される場合には、排紙スタッカ450(図1参照)に積重される用紙Pは、記録(印刷)した順に順序良く積み重ねられる。
【0068】
[フェイスアップ(Fu)排出部]
次に、フェイスアップ(Fu)排出部6について説明する。このFu排出部6は、記録部8の下流側であって装置本体部2の後方側(図3の左側)に設けられており、Fu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47とを備えている。用紙PがFu経路を進行して排出される場合には、Fd/Fu切替部材90は、図14に示す状態から揺動軸90aを中心として反時計方向に揺動することにより、図15に示すように、記録部8から排紙された用紙Pが斜め上方(図15の左上方向)に真っ直ぐに進む用紙搬送経路が形成される。そして記録部8から排紙された用紙Pは、Fu排出駆動ローラ45とFu排出従動ローラ47とによって狭持される。
【0069】
そして、Fu排出駆動ローラ45が回転駆動することにより、Fu用紙排出口500(図1参照)から装置後方(矢印「Fu」で示す方向)に向けて排出される。なお、Fu排出従動ローラ47は歯付きローラからなり、ゴムローラによって形成されたFu排出駆動ローラ45に接して従動回動するように構成されている。また、Fu排出従動ローラ47の下流側近傍には歯付きローラからなるFu排出補助ローラ49が設けられ、Fu排出駆動ローラ45による用紙Pの排出動作を補助する。また、このとき屈曲ローラ37は、用紙Pの記録面の、Fd/Fu切替部材90への接触を防止する機能を果たす。
【0070】
用紙PがFu経路を進行して排出される場合には、用紙Pに湾曲状態が形成されず、記録面を上にして記録部8からほぼ真っ直ぐに排出される。従って、上記Fu経路を利用することにより、厚手の用紙やコシの強い用紙でも無理なく記録を行い、かつ、適切に排出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るインクジェットプリンタの外観斜視図。
【図2】同プリンタの外観斜視図。
【図3】同プリンタの用紙搬送経路を示す側断面概略図。
【図4】同プリンタの用紙搬送経路を示す平面図。
【図5】同プリンタの給紙部を示す要部斜視図。
【図6】ホッパに用紙をセットした状態を示す給紙部の側面図。
【図7】手差しトレイ回動状態を示す給紙部の側面図。
【図8】手差しトレイへの用紙セット動作を示す給紙部の側面図。
【図9】手差しトレイへの用紙セット動作を示す給紙部の側面図。
【図10】手差しトレイへの用紙セット動作を示す給紙部の側面図。
【図11】手差しトレイへの用紙セット動作を示す給紙部の側面図。
【図12】手差し給紙経路を経る用紙給送動作を示す給紙部の側面図。
【図13】手差し給紙経路を経る用紙給送動作を示す給紙部の側面図。
【図14】同プリンタの用紙搬送経路を示す要部拡大側断面図。
【図15】同プリンタの用紙搬送経路を示す要部拡大側断面図。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、 2 装置本体部、
3 オプション給紙ユニット、 4 用紙反転部、
5 フェイスダウン排出部、 6 フェイスアップ排出部、7 給紙部、
8 記録部、 10 記録ヘッド、 11 キャリッジ、
13 キャリッジガイド軸、 19 アンテナ基板、 20 プラテン、
21 給紙ローラ、 23 リバースローラ、 24 回転板、
25 ピックアップローラ、26 搬送従動ローラホルダ、
28 搬送駆動ローラ、29 搬送従動ローラ、 30 ガイドローラ、
32 排紙駆動ローラ、 33 排紙従動ローラ、
35a,35b 排紙補助ローラ、 37 屈曲ローラ、
41 Fd排出駆動ローラ、 43 Fd排出従動ローラ、
45 Fu排出駆動ローラ、 47 Fu排出従動ローラ、
49 Fu排出補助ローラ、 50 ガイド部材、 51 リブ、
55 給紙トレイ本体部、 57 給紙トレイ蓋部、
60 給紙トレイ、 61 手差しトレイ本体部、 62 エッジガイド、
63 回動軸、 64 スライド軸、 73 軸受穴、 74 スライド穴、
81 第1ガイド部材、 82 第2ガイド部材、
90 Fd/Fu切替部材、 91 外側ガイド部材、 100 ルミナー
130 カートリッジ取付フレーム、 132 インクカートリッジ、
135 チップ、 138 カートリッジカバー、 200 給紙トレイ、
203 ホッパ、 204 コルク部材、 206 バックストッパー、
207 サイドストッパー、 300 給紙トレイ、
400 Fd用紙排出口、 410 開閉蓋、 450 カバー、
500 Fu用紙排出口、 550 排紙スタッカ、 P 用紙

Claims (8)

  1. 被記録媒体を手差し給送可能な手差しトレイと、前記手差しトレイの下流側に配置され、当該手差しトレイにセットされた被記録媒体を下流側に給送する給送手段と、を備える給送装置であって、
    前記手差しトレイ上部であって前記給送手段上流側近傍には被記録媒体を給送手段給送作用位置に案内させる第2ガイド部材が形成されており、この第2ガイド部材上流側には被記録媒体を当該第2ガイド部材に向けて案内させる第1ガイド部材が構成されていることを特徴とする、給送装置。
  2. 請求項1において、前記第1ガイド部材の上流側には被記録媒体を略水平姿勢で載置する被記録媒体載置面が設けられており、
    被記録媒体は、前記被記録媒体載置面に沿って手差しされ、前記第1ガイド部材によって下流側上方にガイドされて前記第2ガイド部材に至り、当該第2ガイド部材によって下流側下方にガイドされて前記給送手段給送作用位置にセットされるように構成されていることを特徴とする、給送装置。
  3. 請求項2において、前記手差しトレイ下部には、被記録媒体を略水平姿勢で複数枚セット可能に構成された被記録媒体給送用カセットが配設されており、
    前記第1ガイド部材及び前記被記録媒体載置面は、前記被記録媒体給送用カセットの蓋部に構成されていることを特徴とする、給送装置。
  4. 請求項3において、前記被記録媒体給送用カセットの蓋部は、透視可能素材より形成されており、かつ、被記録媒体給送用カセットの本体部に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする、給送装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記第2ガイド部材の形成位置は、被記録媒体の給送方向において、前記給送手段の配置位置と一致するように構成されていることを特徴とする、給送装置。
  6. 請求項5において、前記第2ガイド部材は、サブフレームに一体成形されていることを特徴とする、給送装置。
  7. 被記録媒体に記録を行う記録装置であって、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の給送装置を具備していることを特徴とする、記録装置。
  8. 被噴射媒体を手差し給送可能な手差しトレイと、前記手差しトレイの下流側に配置され、当該手差しトレイにセットされた被噴射媒体を下流側に給送する給送手段と、を備える液体噴射装置であって、
    前記手差しトレイ上部であって前記給送手段上流側近傍には被噴射媒体を給送手段給送作用位置に案内させる第2ガイド部材が形成されており、この第2ガイド部材上流側には被噴射媒体を当該第2ガイド部材に向けて案内させる第1ガイド部材が構成されていることを特徴とする、液体噴射装置。
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