JP2004268804A - 減速比可変式動力舵取り装置 - Google Patents

減速比可変式動力舵取り装置 Download PDF

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義治 稲熊
Susumu Honaga
進 穂永
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Abstract

【課題】サーボ弁装置から低圧の作動油が遊星歯車室に流入するようにし、遊星歯車機構を油漬けにして潤滑性を良好にし、減速比可変式動力舵取り装置の耐久性を向上する。
【解決手段】ハンドルに連結されたハンドル側シャフトは、ハンドルに作用する操舵力を油圧サーボ装置により増幅され、且つステアリングギヤにより減速されて操向車輪に伝達される。ハンドル側シャフトの回転はモータにより回転制御されるキャリアの回転に応じて遊星歯車機構により変速されてステアリングギヤに伝達され、動力舵取り装置としての減速比が変更される。油圧サーボ装置のサーボ弁装置が収納された弁収納孔と遊星歯車機構が収納された遊星歯車室との間のシール部材を削除したので、低圧の作動油が弁収納孔から遊星歯車室内に流入して遊星歯車機構を油漬けにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドルの回転をステアリングギヤにより減速し、且つハンドルに作用する操舵入力を油圧サーボ装置により増幅して操向車輪に伝達する動力舵取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハンドルの切り角が小さいときはステアリングギヤの減速比を小さくしてハンドルの切れをよくし、切り角が大きくなると操作が楽なように減速比を大きくすることがある。また、ハンドルの切り角と減速比の関係を上述の関係と逆にしてハンドルの切り角が小さいときにステアリングギヤの減速比を大きくしてハンドルの中立安定性をよくすることがある。さらに、車庫入れ等では減速比をかなり小さくしてハンドルの回し角度を少なくすることが望まれている。これらに対応するために、ハンドルの回転をステアリングギヤにより減速し、且つハンドルに作用する操舵入力を油圧サーボ装置により増幅して操向車輪に伝達する動力舵取り装置において、ハンドルに連結されたハンドル側シャフトとサーボ弁装置の入力軸との回転比を可変にした減速比可変式動力舵取り装置が特開昭60−209362号公報に記載されている。
【0003】
この従来装置では、ハンドル側シャフトおよびサーボ弁装置の入力軸であるギヤ側シャフトがハウジングに軸受により軸承され、ハンドル側シャフトはギヤ側シャフトの軸穴にピン止めされたトーションバーにより芯だしされてこれに同軸に支承されている。ハンドル側シャフトには第1サンギヤがスプライン結合され、ギヤ側シャフトには第1サンギヤと歯数が異なる第2サンギヤがスプライン結合されている。そして、第1および第2サンギヤに夫々噛合する第1および第2プラネタリギヤが形成された遊星体が支持軸に回転可能に支承され、該支持軸の両端がキャリアに支持されている。該キャリアはハンドル側シャフトおよびギヤ側シャフトに回転可能に支承され、キャリア外周に刻設されたウォームギヤに噛合するウォームがモータにより回転されることによりハンドル側シャフトとギヤ側シャフトとの回転比が遊星歯車機構により変えられるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−209362号公報(第2,3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記減速比可変式動力舵取り装置では、サーボ弁装置を収納する弁収納孔と遊星歯車機構が収納される遊星歯車室との間をシール部材により液密的にシールし、遊星歯車機構の潤滑をグリースで行っていた。しかしながら、グリースによる潤滑ではギヤ歯面、ギヤ軸受部の潤滑が不十分になり、耐久性に問題が生じることがある。また、シール部材およびその嵌合孔の加工に費用を要し、且つシール部材の分だけ装置の長手寸法が長くなる。
【0006】
本発明は、係る従来の不具合を解消するためになされたもので、サーボ弁装置から低圧の作動油が遊星歯車室に流入するようにし、遊星歯車機構を油漬けにして潤滑性を良好にし、減速比可変式動力舵取り装置の耐久性を向上することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、ハンドルの回転をステアリングギヤにより減速し、且つハンドルに作用する操舵力を油圧サーボ装置により増幅して操向車輪に伝達する動力舵取り装置にして、前記ハンドルに連結されたハンドル側シャフトと、前記ステアリングギヤに連結されたギヤ側シャフトとをハウジングに中心軸線上で回転可能に軸承し、該両シャフトの対向する軸端部に歯数が僅かに異なる第1および第2サンギヤを設け、該第1および第2サンギヤに夫々噛合して一体回転する第1および第2プラネタリギヤを支承するキャリアを前記中心軸線回りに回転可能に支承して遊星歯車機構を構成し、該キャリアをモータにより回転駆動して減速比を変える減速比可変式動力舵取り装置において、前記油圧サーボ装置のサーボ弁装置が収納される弁収納孔と前記遊星歯車機構が収納される遊星歯車室とを前記ハウジングに隣接して形成し、該弁収納孔と遊星歯車室との間をシールしないで前記遊星歯車機構を前記油圧サーボ弁装置の作動油で潤滑することである。
【0008】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記ハンドル側シャフトを前記サーボ弁装置を介して前記ハンドルに連結し、前記ハウジングに形成されたステアリングギヤを収納するギヤ室と前記遊星歯車室との間をシール部材により液密的にシールしたことである。
【0009】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記ギヤ側シャフトを前記サーボ弁装置を介して前記ステアリングギヤに連結し、前記ハウジングに形成された前記ステアリングギヤを収納するギヤ室と前記弁収納孔との間をシール部材により液密的にシールしたことである。
【0010】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記モータの出力軸に連結され前記キャリアに回転を伝達する駆動軸の両端を前記ハウジングに前駆遊星歯車室内で軸承し、前記遊星歯車室内と前記モータとの間をシール部材により液密的にシールしたしたことある。
【0011】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明において、ハンドルに作用する操舵力は油圧サーボ装置により増幅され、且つステアリングギヤにより減速されて操向車輪に伝達される。ハンドルに連結されたハンドル側シャフトの回転はモータにより回転制御されるキャリアの回転に応じて遊星歯車機構により変速されてステアリングギヤに伝達され、動力舵取り装置としての減速比が変更される。油圧サーボ装置のサーボ弁装置が収納された弁収納孔と遊星歯車機構が収納された遊星歯車室との間のシール部材を削除したので、低圧の作動油が弁収納孔から遊星歯車室内に流入して遊星歯車機構を油漬けにし、ギヤ歯面、ギヤ軸受部の潤滑を確実に行うことができ、摩擦、磨耗を低減して耐久性を向上することができる。さらに、遊星歯車機構を油漬けにすることにより、歯車の噛み合い騒音を低減することができる。また、シール部材およびその嵌合孔の加工の削除によりコストが低減するとともに装置の長手寸法を短縮することができる。
【0012】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、ハンドル側シャフトをサーボ弁装置を介してハンドルに連結し、サーボ弁装置から作動油が流入する遊星歯車室とステアリングギヤを収納するギヤ室との間をシール部材により液密的にシールしたので、作動油とステアリングギヤを潤滑するグリースとが混ざることがない。
【0013】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、ギヤ側シャフトをサーボ弁装置を介してステアリングギヤに連結し、サーボ弁装置を収納する弁収納孔とステアリングギヤを収納するギヤ室との間をシール部材により液密的にシールしたので、作動油とステアリングギヤを潤滑するグリースとが混ざることがない。
【0014】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、モータの出力軸に連結されてキャリアに回転を伝達する駆動軸の両端をハウジングに遊星歯車室内で軸承し、遊星歯車室とモータとの間をシールしたので、油圧サーボ弁から遊星歯車室に流入した作動油がモータ側に流出することがない。
【0015】
【実施の形態】
以下本発明の第1の実施形態に係る減速比可変式動力舵取り装置を図面に基づいて説明する。図1,2において、減速比可変式動力舵取り装置1は、油圧サーボ装置2のサーボ弁装置3の入力軸4にハンドル5の回転が伝達され、サーボ弁装置3の出力軸の回転が遊星歯車機構6により変速されてラックピニオン機構7のピニオン軸に伝達される。これにより、ハンドル5の回転がステアリングギヤであるラックピニオン機構7により減速され、且つハンドル5に作用する操舵力が油圧サーボ装置2により増幅されて操向車輪8に伝達される。
【0016】
アッパーハウジング9とロアーハウジング10はボルトにより結合されてハウジングを構成している。アッパーハウジング9には弁収納孔9aが形成され、該弁収納孔9aにサーボ弁装置3が収納され、サーボ弁装置3の出力軸であるハンドル側シャフト11がアッパーハウジング9の弁収納孔9aのロアーハウジング10側開口端部に一箇所で軸受12により中心軸線O回りに回転可能に軸承されている。ロアーハウジング10にはギア室10aが形成され、該ギヤ室10aにステアリングギヤであるラックピニオン機構7が収納されている。ラックピニオン機構7のピニオン軸であるギヤ側シャフト13は、中心軸線O方向に離間した二個所で軸受14,15によりロアーハウジング10に中心軸線O回りに回転可能に軸承されている。
【0017】
サーボ弁装置3の入力軸4にはロータリ弁18が形成されている。アッパーハウジング9に形成された弁収納孔9aには、ハンドル側シャフト11に回転連結されたスリーブ20が中心軸線O回りに回転可能に嵌合され、スリーブ20に形成された弁孔21にロータリ弁18が中心軸線O回りに回転可能に嵌合されている。ロータリ弁18、スリーブ20等によりサーボ弁装置3が構成され、ロータリ弁18とスリーブ20との相対回転に応じてシリンダ装置30の左右室に夫々連通されたポートA,Bが、油圧ポンプ22およびタンク23に夫々接続されたポートP,Tに接続されるようになっている。入力軸4およびハンドル側シャフト11はトーションバー24の両端部に夫々結合され、ハンドル5に操舵入力が作用されずに入力軸4が自由状態のとき、ポートP,Tが連通されてポートA,Bに油圧が生じない中立位置にロータリ弁18がスリーブ20に対して相対的に回転位置決めされる。ポートTは弁収納孔9aの上端部に開口され、入力軸4にはトーションバー24が隙間を持って挿通する貫通穴4aが軸線上に穿設されるとともに、貫通穴4aに開口する連通穴4b,4cが軸線方向に離間して半径方向に穿設されている。これによりポートTは弁収納孔9aの上端部、連通穴4b、貫通穴4aおよび連通穴4cを通ってロータリ弁18に連通されている。
【0018】
ロアーハウジング10のアッパーハウジング9側には、サーボ弁装置3が収納された弁収納孔9aと隣接して遊星歯車機構6が収納される遊星歯車室10bが形成されている。弁収納孔9aと遊星歯車室10bとの間が従来のようにシール部材によりシールされていないので、遊星歯車室10bは弁収納室9aのロアーハウジング10側開口部、入力軸4の軸線穴4a、連通穴4b、弁収納孔9aの上端部を介してポートTに連通される。これにより、遊星歯車室10bにサーボ弁装置3から低圧の作動油が流入し遊星歯車機構6を油漬けにする。遊星歯車室10bに流入した作動油がギヤ室10aに流入するのを防止するために、遊星歯車室10bとギヤ室10aとの間はシール部材17により液密的にシールされている。また、弁収納孔9aと遊星歯車室10bとの間に従来設けられていたシール部材が削除されるので、装置の長手寸法は短縮している。
【0019】
ハンドル側シャフト11は遊星歯車室10bに延在し、軸端に小径部11aが突出されている。ギヤ側シャフト13のハンドル側シャフト11と対抗する軸端には軸受穴13aが穿設され、この軸受穴13aに小径部11aがニードル軸受16により回転可能に支承されている。このように、ハンドル側シャフト11およびギヤ側シャフト13の対向する軸端部は半径方向荷重を支承する軸受を介在して中心軸線O回りに高い同心性を確保して高剛性で相対回転可能に嵌合されている。
【0020】
ギヤ側シャフト13の軸端部には摺動穴13bが軸受穴13aに連続して穿設され、摺動穴13bに摩擦体45が摺動可能に嵌合され、この摩擦体45が圧縮スプリング46のばね力によりハンドル側シャフト11の小径部11aの端面に押圧されている。このように、ハンドル側シャフト11とギヤ側シャフト13との間に相対回転に対して抵抗となる摩擦体45が介在される。
【0021】
ロアーハウジング10の遊星歯車室10bには、遊星歯車機構6およびモータ51により回転駆動される回転体33が並んで収納されている。ハンドル側シャフト11およびギヤ側シャフト13の対向する軸端部には、遊星歯車機構6の歯数が僅かに異なる第1および第2サンギヤ34,35が夫々一体に設けられている。ギヤ側シャフト13およびハンドル側シャフト11にプレート36a,36bが遊嵌され、プレート36a,36bには円周上略等角度間隔に配置された複数個(例えば3個)の遊星体37が、プレート36a,36bに両端を支持された支承軸38によりブッシュ39を介して夫々回転可能に支承されている。各遊星体37には第1および第2サンギヤ34,35に夫々噛合して一体回転する第1および第2プラネタリギヤ40,41が同軸線上に一体に形成されている。プレート36a,36b、支承軸38等により第1および第2プラネタリギヤ40,41を支承するキャリア36が構成されている。第1および第2サンギヤ34,35、第1および第2プラネタリギヤ40,41の歯数は、一例として、20,21,21,20とした。遊星歯車室10bの底部には、回転体33がキャリア36と並んでギヤ側シャフト13に軸受42により中心軸線O回りに回転可能に支承されている。回転体33の遊星歯車室10b側端部の内周面およびプレート36aの内周面にはスプラインが刻設され、両スプラインが環状連結体47の外周面に刻設されたスプラインと噛合して回転体33の回転がプレート36aに伝達される。
【0022】
図3に示すように回転体33の外周にはウォームホイール43が刻設され、ウォームホイール43は駆動軸48に設けられたウォーム44と遊星歯車室10b内で噛合している。駆動軸48は両端を軸受49,50によりロアーハウジング10に中心軸線Oと直角な軸線回りに回転可能に軸承され、モータ51の出力軸に回転連結されている。駆動軸48のモータ51側の端部には軸受49の遊星歯車室側にシール部材52が嵌合され遊星歯車室10bとモータ51との間を液密的にシールしている。ロアーハウジング10の軸受50側には雄ねじ部材53が外部から遊星歯車室10b内に突出するように螺合され、雄ねじ部材53により軸受50の外輪を押圧部材54を介して押圧し軸受にプリロードを付与するようになっている。雄ねじ部材53はプリロードの付与後にワッシャ55を介在してナット56によりロックされる。ワッシャ55はシール機能を有するものであり、遊星歯車室10bをハウジング外部から液密的にシールする。
【0023】
モータ側をシールするオイルシール52の組付位置は、図3に示す軸受49の内側に配置する他に、軸受49とオイルシール52の位置を入れ替えて、軸受49の外側に配置してもよい。また、図3のように駆動軸48とハウジング10との間に配置するのではなく、モータ軸とハウジング10の間に配置することもできる。
【0024】
ギヤ側シャフト13には軸受14,15間でピニオン25が形成され、ピニオン25に噛合するラック26が刻設されたラック軸27がロアーハウジング10に摺動可能に装架されている。図2に示すようにロアーハウジング10にはシリンダチューブ28が固定され、シリンダチューブ28にラック軸27に固定されたピストン29が嵌合してシリンダ装置30が構成されている。ラック軸27の両突出端にタイロッドを介してナックルアームがボールジョイントにより連結され、ラック軸27の軸動により操向車輪8が偏向される。
【0025】
次に、上記第1の実施形態の作動について説明する。ハンドル5が回されると、ロータリ弁18とスリーブ20がトーションバー24を捩って相対回転され、油圧ポンプ22から供給された圧油がハンドル5の回転方向に応じてポートAまたはBからシリンダ装置30のシリンダ左室28aまたは右室28bに供給され、ラック軸27が軸動されて操向車輪8が偏向される。このとき、ハンドル側シャフト11が回転されると、ギヤ側シャフト13はキャリア36の回転に応じて遊星歯車機構6により変速されて回転される。キャリア36がハンドル5と同方向に回転されると、その回転数に応じてギヤ側シャフトとハンドル側シャフト11との回転比が増大され、ステアリングギヤの減速比を減少する方向に作用し、動力舵取り装置全体としての減速比が小さくなる。キャリア36がハンドル5と逆方向に回転されると、動力舵取り装置全体としての減速比が大きくなる。そして、ハンドル5が切られると、図略の電子制御装置は動力舵取り装置全体としての減速比が車両の走行状態に最適な減速比となるように、モータ51の回転方向、回転数を演算してモータ51を回転駆動する。ギヤ側シャフト13が遊星歯車機構6を介してハンドル側シャフト11により回転されるとき、摩擦体45が圧縮スプリング46のばね力により小径部11aに押圧されているので、ハンドル側シャフト11とギヤ側シャフト13との相対回転に対して抵抗となり、ギヤのバックラッシによる遊びを軽減し、操舵感を向上し、且つハンドル中立時の剛性を上げる。
【0026】
このとき、サーボ弁装置3のロータリ弁8から、入力軸4の連通穴4c、軸線穴4a、連通穴4bおよびポートTを経由してタンクに戻る低圧の作動油の一部が軸線穴4aを通って弁収納孔9aの開口端部から遊星歯車室10b内に流入し、遊星歯車機構6を油漬けにする。これにより、遊星歯車機構6のギヤ歯面、ギヤ軸受部の潤滑が確実に行われ、摩擦、磨耗が低減して耐久性が向上する。さらに、遊星歯車機構6が油漬けにされるので、歯車の噛み合い騒音が低減する。遊星歯車室10bとギア室10aとの間はシール部材17によりシールされているので、作動油がギヤ室10a内に流入することはない。
【0027】
上記実施形態では、第1および第2サンギヤ34,35に遊嵌されたプレート36a,36bに複数の遊星体37を支承軸38により円周上略等角度間隔に支承してキャリア36を構成し、各遊星体37に形成した第1および第2プラネタリギヤ40,41を第1および第2サンギヤ34,35に夫々噛合してキャリア36を回転可能に支承しているが、キャリアをハウジングに軸受により回転可能に支承し、該キャリアに1個または複数個の遊星体を支承するようにしてもよい。
【0028】
次に、ギヤ側シャフトをサーボ弁装置の入力軸とすることにより遊星歯車機構をサーボ弁装置3の前段に配置した第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と遊星歯車機構の配置位置が異なるだけで他の構成は同様であるので、同一構成部分には同一の参照番号を付して詳細説明を省略する。図4において、アッパーハウジング57、ミドルハウジング58およびロアーハウジング59がお互いに結合されてハウジングが構成され、アッパーハウジング57にハンドル側シャフト60が中心軸線O上で回転可能に軸承され、アッパーハウジング57とミドルハウジング58との結合部分に形成された遊星歯車室61内に遊星歯車機構62が収納され、ミドルハウジング58にギヤ側シャフト63が中心軸線O上で回転可能に軸承されている。油圧サーボ装置2のサーボ弁装置3の入力軸であるギヤ側シャフト63にはロータリ弁18が形成されている。ミドルハウジング58に形成された弁収納孔19には、ラックピニオン機構7のピニオン軸64に回転連結されたスリーブ20が回転可能に嵌合され、スリーブ20に形成された弁孔21にロータリ弁18が回転可能に嵌合されている。ギヤ側シャフト63およびピニオン軸64はトーションバー24の両端部に夫々結合され、ハンドル5に操舵入力が作用されずにギヤ側シャフト63が自由状態のとき、ポートP,Tが連通されてポートA,Bに油圧が生じない中立位置にロータリ弁18がスリーブ20に対して相対的に回転位置決めされる。ポートTは弁収納孔19の上端部に開口され、ギヤ側シャフト63にはトーションバー24が隙間を持って挿通する貫通穴63aが軸線上に穿設されるとともに、貫通穴63aに開口する連通穴63b,63cが軸線方向に離間して半径方向に穿設されている。これによりポートTは弁収納孔19の上端部、連通穴63b、貫通穴63aおよび連通穴63cを通ってロータリ弁18に連通されている。弁収納孔19と遊星歯車室61との間が従来のようにシール部材によりシールされていないので、遊星歯車室61は弁収納室19のアッパーハウジング57側の開口端部を介してポートTに連通される。これにより、遊星歯車室61にサーボ弁装置3から低圧の作動油が流入し遊星歯車機構62を油漬けにする。弁収納孔19と遊星歯車室61との間に従来設けられていたシール部材が削除されるので、装置の長手寸法は短縮している。また、弁収納室19の下端部分から作動油がラックピニオン機構7を収納するギヤ室59aに流入するのを防止するために、弁収納室19とギヤ室59aとの間はシール部材66により液密的にシールされている。ピニオン軸64はラックピニオン機構7を介して走行車輪8に連結されている。
【0029】
ハンドル側シャフト60およびギヤ側シャフト63の対向する軸端部には、遊星歯車機構62の歯数が僅かに異なる第1および第2サンギヤ67,68が夫々一体に設けられている。第1および第2サンギヤ67,68の対向する側面間にはキャリア69が配置され、キャリア69は両側面から円筒状に突出した軸受部69aでギヤハウジングに遊星歯車室61内で軸受70により中心軸線O回りに回転可能に支承されている。キャリア69には、単数もしくは複数(例えば円周上3個)の遊星体71が夫々中央部分で軸受ブッシュ74により回転可能に支承されている。各遊星体71のキャリア69の両側面から突出した両端部には、第1および第2サンギヤ67,68に夫々噛合して一体回転する第1および第2プラネタリギヤ72,73が同軸線上に一体に形成されている。キャリア69には大径部に大歯車75が形成され、この大歯車75と噛合する小歯車76が設けられた駆動軸78が遊星歯車室61内でハウジングに中心軸線Oと平行に回転可能に両端を軸受により軸承されている。アッパーハウジング57にはモータ77が中心軸線Oと平行に固定され、その出力軸が駆動軸78に回転連結されている。駆動軸78のモータ77側の端部にはシール部材79が嵌合され遊星歯車室61とモータ77との間を液密的にシールしている。
【0030】
上記第2の実施形態においては、ハンドル2が回されてハンドル側シャフト60が回転されると、ギヤ側シャフト63は遊星歯車機構62により変速されて回転される。キャリア69がハンドル2と同方向に回転されると、その回転数に応じて回転比が増大され、ステアリングギヤの減速比を減少する方向に作用し、動力舵取り装置全体としての減速比が小さくなる。キャリア69がハンドル2と逆方向に回転されると、動力舵取り装置全体としての減速比が大きくなる。
【0031】
ギヤ側シャフト63が遊星歯車機構62により変速されて回転されると、ロータリ弁18とスリーブ20がトーションバー24を捩って相対回転され、ポンプ22から供給された圧油がハンドル2の回転方向に応じてAまたはBポートからシリンダ装置30の左室28aまたは右室28bに供給され、ラック軸27が軸動されて操向車輪8が偏向される。
【0032】
このとき、サーボ弁装置3のロータリ弁8から、ギヤ側シャフト63の連通穴63c、軸線穴63a、連通穴63bおよびポートTを経由してタンクに戻る低圧の作動油の一部が弁収納孔19の開口端部から遊星歯車室61内に流入し、遊星歯車機構62を油漬けにする。弁収納室19とギア室59aとの間はシール部材66によりシールされているので、作動油がギヤ室59a内に流入することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る減速比可変式動力舵取り装置の縦断面図。
【図2】図1のII−II線に沿って切断した断面図。
【図3】回転体をウォーム機構を介してモータに連結した部分を示す図。
【図4】第2の実施形態に係る減速比可変式動力舵取り装置の縦断面図。
【符号の説明】
1…減速比可変式動力舵取り装置、2…油圧サーボ装置、3…サーボ弁装置、4,60…入力軸、4a,63a…軸線穴、4b,4c,63b,63c…連通穴、5…ハンドル、6,62…遊星歯車機構、7…ラックピニオン機構(ステアリングギヤ)、8…操向車輪、9,57…アッパーハウジング、9a,19…弁収納室、10,59…ロアーハウジング、10a,59a…ギヤ室、10b,61…遊星歯車室、11,60…ハンドル側シャフト、12,14,15,42…軸受、13,63…ギヤ側シャフト、16…ニードル軸受、17,52,66,79…シール部材、18…ロータリ弁、22…油圧ポンプ、24…トーションバー、27…ラック軸、30…シリンダ装置、33…回転体、34,35,67,68…第1および第2サンギヤ、36,69…キャリア、37,71…遊星体、38…支承軸、40,41,72,73…第1および第2プラネタリギヤ、43…ウォームホイール、44…ウォーム、45…摩擦体、46…圧縮スプリング、48,78…駆動軸、51,77…モータ、55…ワッシャ、75…大歯車、76…小歯車、A,B,P,T…ポート。

Claims (4)

  1. ハンドルの回転をステアリングギヤにより減速し、且つハンドルに作用する操舵力を油圧サーボ装置により増幅して操向車輪に伝達する動力舵取り装置にして、前記ハンドルに連結されたハンドル側シャフトと、前記ステアリングギヤに連結されたギヤ側シャフトとをハウジングに中心軸線上で回転可能に軸承し、該両シャフトの対向する軸端部に歯数が僅かに異なる第1および第2サンギヤを設け、該第1および第2サンギヤに夫々噛合して一体回転する第1および第2プラネタリギヤを支承するキャリアを前記中心軸線回りに回転可能に支承して遊星歯車機構を構成し、該キャリアをモータにより回転駆動して減速比を変える減速比可変式動力舵取り装置において、前記油圧サーボ装置のサーボ弁装置が収納される弁収納孔と前記遊星歯車機構が収納される遊星歯車室とを前記ハウジングに隣接して形成し、該弁収納孔と遊星歯車室との間をシールしないで前記遊星歯車機構を前記油圧サーボ弁装置から前記遊星歯車室に流入した低圧の作動油で潤滑することを特徴とする減速比可変式動力舵取り装置。
  2. 請求項1において、前記ハンドル側シャフトを前記サーボ弁装置を介して前記ハンドルに連結し、前記ハウジングに形成されたステアリングギヤを収納するギヤ室と前記遊星歯車室との間をシール部材により液密的にシールしたことを特徴とする減速比可変式動力舵取り装置。
  3. 請求項1において、前記ギヤ側シャフトを前記サーボ弁装置を介して前記ステアリングギヤに連結し、前記ハウジングに形成された前記ステアリングギヤを収納するギヤ室と前記弁収納孔との間をシール部材により液密的にシールしたことを特徴とする減速比可変式動力舵取り装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記モータの出力軸に連結され前記キャリアに回転を伝達する駆動軸の両端を前記ハウジングに前駆遊星歯車室内で軸承し、前記遊星歯車室内と前記モータとの間をシール部材により液密的にシールしたしたことを特徴とする減速比可変式動力舵取り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015504021A (ja) * 2012-01-10 2015-02-05 テッドライブ ステアリング システムズ ゲーエムベーハー 角度差センサを有するパワーステアリング装置
KR102672723B1 (ko) * 2022-06-10 2024-06-07 에이치엘만도 주식회사 차량의 조향 시스템

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