JP2004264439A - 偏波保持光ファイバ - Google Patents
偏波保持光ファイバ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004264439A JP2004264439A JP2003053339A JP2003053339A JP2004264439A JP 2004264439 A JP2004264439 A JP 2004264439A JP 2003053339 A JP2003053339 A JP 2003053339A JP 2003053339 A JP2003053339 A JP 2003053339A JP 2004264439 A JP2004264439 A JP 2004264439A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pores
- polarization maintaining
- optical fiber
- refractive index
- core portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/02295—Microstructured optical fibre
- G02B6/02314—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes
- G02B6/02319—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes characterised by core or core-cladding interface features
- G02B6/02338—Structured core, e.g. core contains more than one material, non-constant refractive index distribution in core, asymmetric or non-circular elements in core unit, multiple cores, insertions between core and clad
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/02295—Microstructured optical fibre
- G02B6/02314—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes
- G02B6/02319—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes characterised by core or core-cladding interface features
- G02B6/02333—Core having higher refractive index than cladding, e.g. solid core, effective index guiding
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/024—Optical fibres with cladding with or without a coating with polarisation maintaining properties
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/02295—Microstructured optical fibre
- G02B6/02314—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes
- G02B6/02342—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes characterised by cladding features, i.e. light confining region
- G02B6/02347—Longitudinal structures arranged to form a regular periodic lattice, e.g. triangular, square, honeycomb unit cell repeated throughout cladding
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/02295—Microstructured optical fibre
- G02B6/02314—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes
- G02B6/02342—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes characterised by cladding features, i.e. light confining region
- G02B6/02357—Property of longitudinal structures or background material varies radially and/or azimuthally in the cladding, e.g. size, spacing, periodicity, shape, refractive index, graded index, quasiperiodic, quasicrystals
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/02295—Microstructured optical fibre
- G02B6/02314—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes
- G02B6/02342—Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes characterised by cladding features, i.e. light confining region
- G02B6/02371—Cross section of longitudinal structures is non-circular
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/24—Coupling light guides
- G02B6/255—Splicing of light guides, e.g. by fusion or bonding
- G02B6/2551—Splicing of light guides, e.g. by fusion or bonding using thermal methods, e.g. fusion welding by arc discharge, laser beam, plasma torch
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
Abstract
【課題】偏波保持特性及び光増幅特性を維持しつつ、他の光ファイバと融着接続した際の接続損失を低減する。
【解決手段】多孔部16内側の光伝搬領域14に光が閉じこめられるフォトニッククリスタルファイバ10とする。光伝搬領域14内に形成されるコア部12に、希土類元素からなる第1の添加物(エルビウム)と、屈折率を光伝搬領域14の屈折率よりも増大させるための第2の添加物(ゲルマニウム)とを添加する。コア部12の断面形状を楕円形とする。
【選択図】図1
【解決手段】多孔部16内側の光伝搬領域14に光が閉じこめられるフォトニッククリスタルファイバ10とする。光伝搬領域14内に形成されるコア部12に、希土類元素からなる第1の添加物(エルビウム)と、屈折率を光伝搬領域14の屈折率よりも増大させるための第2の添加物(ゲルマニウム)とを添加する。コア部12の断面形状を楕円形とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の細孔を有する多孔部を備えた偏波保持光ファイバに関し、特に、融着接続による損失を低減する対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、単一モード光ファイバとして、単一の偏波のみを伝搬させて偏波を安定して保持させる偏波保持光ファイバが一般的に知られている。この種の偏波保持光ファイバとして、例えば特許文献1に開示されているように、コアの両側に屈折率の低い部位を作るために中空のトンネルを開口した、いわゆるサイドトンネル型が公知となっている。すなわち、このサイドトンネル型の偏波保持光ファイバでは、一対のトンネルをコアの両側に開口することにより、光ファイバの軸方向に対し垂直な断面における縦方向と横方向とで屈折率分布を変えるようにしている。
【0003】
一方、例えば特許文献2に開示されているように、ファイバの中心軸方向に延びる多数の細孔を有する多孔部と、この多孔部に囲まれ、中実状に形成された領域からなる光伝搬領域とを備えた、いわゆるフォトニッククリスタルファイバ(以下、PCFという)が公知となっている。上記公報に開示されたPCFでは、光増幅作用又は非線形光学効果を高めるべく、光伝搬領域の一部に希土類元素又はゲルマニウム(Ge)の何れか一方だけをドープしてコア部としている。そして、コア部に希土類元素をドープすることにより、誘導放出を利用した光増幅作用を起こさせ、又はGeをドープすることにより誘導ラマン散乱を利用した光増幅作用を起こさせるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−333539号公報
【特許文献2】
特開2002−55239号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記前者の従来のものでは、他の光ファイバと融着接続した際にコア両側のトンネルがつぶれてしまうので、このトンネルのつぶれが原因となって偏波特性が劣化してしまう虞があった。
【0006】
一方、上記後者の従来のものでは、他の光ファイバと融着接続した際に多孔部の細孔がつぶれてしまうので、光増幅作用を維持することはできるとしても、接続損失が増大してしまい、場合によっては導波構造自体がなくなってしまう虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、偏波保持光ファイバの構造に改良を施すことにより、その偏波保持特性及び光増幅特性を維持しつつ、他の光ファイバと融着接続した際の接続損失を低減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、偏波保持光ファイバにおいて、コア部に希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を増大させるための第2の添加物との双方を添加するようにしたものである。
【0009】
具体的に、請求項1の発明は、光が伝搬する光伝搬領域内にコア部が形成される一方、上記光伝搬領域の周囲にファイバ中心軸方向に延びる多数の細孔を有する多孔部が形成され、上記コア部には、希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を上記光伝搬領域の屈折率よりも増大させるための第2の添加物とが添加され、上記コア部又は多孔部の少なくとも一方により、偏波保持するための偏波保持手段が構成されている。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、偏波保持手段は、コア部に近接する細孔のうち該コア部を挟むように配置される一対の細孔が、他の細孔とは形態が異なる偏波保持用細孔として形成された多孔部により構成されている。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、偏波保持手段は、断面形状が長円形又は楕円形に形成されたコア部により構成されている。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1又は3の発明において、多孔部の細孔は、一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配列され、細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比は、0.42よりも小さい。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項2の発明において、偏波保持用細孔を除いた多孔部の細孔は、一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配列され、上記細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比は、0.42よりも小さい。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1から3の何れか1項の発明において、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差は0.5%以上である。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項1から3の何れか1項の発明において、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差は1.5%以上である。
【0016】
すなわち、請求項1の発明では、光伝搬領域内のコア部には、希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を増大させるための第2の添加物との双方が添加されているため、コア部の屈折率は、第2の添加物が添加されることで光伝搬領域の屈折率よりも増大しており、たとえ他の光ファイバと接続された融着接続部において多孔部の細孔が潰れたとしても導波構造を確保することができる。そして、導波構造が確保されることで偏波保持手段による偏波保持特性を維持することができる。
【0017】
また、コア部に希土類元素からなる第1の添加物が添加されているので、導波構造が確保されることで、誘導放出を利用した光増幅作用を発揮させることができる。したがって、本発明では、他の光ファイバと融着接続した際にも導波構造を確保して偏波保持特性及び光増幅特性を確保しつつ、融着接続による損失を低減することができる。
【0018】
また、請求項2の発明では、コア部に近接する多孔部の細孔のうち該コア部を挟むように配置される一対の細孔を、他の細孔とは形態が異なる偏波保持用細孔として形成することにより偏波保持手段を構成したために、この偏波保持用細孔によって確実に偏波保持特性を発揮させることができる。
【0019】
また、請求項3の発明では、コア部の断面形状を長円形又は楕円形とすることにより偏波保持手段を構成したために、このコア部の断面構造によって偏波保持特性が発揮され、融着接続によって多孔部の細孔がつぶれた場合でも偏波保持特性の劣化を確実に抑制することができる。
【0020】
また、請求項4の発明では、多孔部の細孔を一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配置するとともに、この細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どのような波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0021】
また、請求項5の発明では、偏波保持用細孔以外の多孔部の細孔を一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配置するとともに、この細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どのような波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0022】
また、請求項6の発明では、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差を0.5%以上としたので、高複屈折特性が得られて偏波特性を安定させることができる。つまり、モード複屈折率は、上記比屈折率差の増大に伴って増大する傾向にあり、比屈折率差が0.5%未満の場合には、モード複屈折率が低いばかりでなく、比屈折率差に対するモード複屈折率の変化が大きいために、偏波特性を安定させるのは困難である。これに対し、比屈折率差が0.5%以上の範囲では、比屈折率差に対するモード複屈折率の変化の割合が小さく、またモード複屈折率自体も大きい。したがって、上記比屈折率差を0.5%以上とすることにより、高複屈折特性が得られて偏波特性を安定させることができる。
【0023】
しかも、上記比屈折率差を0.5%以上とすることにより、高効率の増幅特性を得ることができるとともに増幅特性を安定させることができる。つまり、増幅効率は、上記比屈折率差の増大に伴って増大する傾向にあり、比屈折率差が0.5%未満の場合には、増幅効率が低いばかりでなく、比屈折率差に対する増幅効率の変化が大きいために、増幅特性を安定させるのは困難である。これに対し、比屈折率差が0.5%以上の範囲では、比屈折率差に対する増幅効率の変化の割合が小さく、また増幅効率自体も高い。したがって、上記比屈折率差を0.5%以上とすることにより、高効率の増幅特性が得られるとともに、増幅特性を安定させることができる。
【0024】
したがって、請求項6に係る発明によれば、安定した偏波特性及び高増幅特性を得ることができる。
【0025】
また、請求項7の発明では、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差を1.5%以上としたので、偏波特性及び増幅特性を更に向上することができる。つまり、上記比屈折率差を1.5%以上とすることにより、一般のPANDA(Polarization−maintaining AND Absorption−reducing)型の光ファイバと同等のモード複屈折率を達成できる。また、比屈折率差を1.5%以上とすることにより、ポンプ光の光エネルギを信号光のエネルギに非常に高効率に変換できるために、増幅特性をさらに高効率の状態に安定させることができる。したがって、本発明によれば、PANDA型の光ファイバと同等以上の偏波特性を安定して得ることができるともに、増幅特性を非常に高効率の状態に安定させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバ10は、多数の細孔16aが形成された多孔部16と、この多孔部16の内側に中実状に形成された光伝搬領域14と、この光伝搬領域14内に形成されたコア部12と、上記多孔部16の周囲に中実状に形成された被覆部18とを備え、全体として石英からなるPCFに構成されている。
【0028】
上記多孔部16の各細孔16aは、ファイバ中心軸方向に沿ってその全体に亘って連続して延びており、これらはファイバ横断面内において一定間隔の孔ピッチΛをあけて規則的に、具体的には、互いに隣接する各細孔16aが正三角形をなすように三角格子パターンに配列されている。このように細孔16aが三角格子パターンに配置されてフォトニック結晶構造が形成されている。
【0029】
上記多孔部16の三角格子パターンは、細孔16aの孔ピッチΛに対する細孔16aの直径dの比d/Λが0.42よりも小さくなるように孔ピッチΛ及び細孔16aの直径dが設定されている。尚、この孔ピッチΛとは、隣接する細孔16aの中心間距離を表している。
【0030】
上記光伝搬領域14は、上記多孔部16によって囲まれたファイバ中心軸上に形成されるものである。つまり、この光伝搬領域14は、ファイバ中心軸上に細孔16aを設けないことで、その周囲の細孔16aによって囲まれる中実状の部位により形成されている。そして、上記多孔部16がフォトニック結晶構造に形成されることで、その実効屈折率が純石英のそれよりも低いものとなっており、このことで、多孔部16によって囲まれた光伝搬領域14に光が閉じ込められるようになっている。
【0031】
上記コア部12は、ファイバ中心軸上に位置し、横断面形状が楕円形に形成されている。このコア部12には、第1の添加物として例えばエルビウム(Er)がドープされるとともに、第2の添加物として例えばゲルマニウム(Ge)が添加されている。上記第1の添加物は、希土類元素からなるものであるために、コア部12にこの第1の添加物を添加することにより、コア部12での光増幅作用を高めることができる。一方、コア部12に第2の添加物が添加されることにより、コア部12の屈折率はその周囲の光伝搬領域14の屈折率よりも大きくなっている。例えば本実施形態では、光伝搬領域14に対するコア部12の比屈折率差Δは約1.5%とされている。尚、上記第1の添加物は、ネオジウム(Nd)、イッテリビウム(Yb)等であってもよく、またこれらとErとを組み合わせたものであってもよい。また、第2の添加物はアルミニウム(Al)等であってもよく、またGeとAlとの組み合わせであってもよい。
【0032】
上記コア部12の断面形状が楕円形に形成されることにより、本実施形態に係る偏波保持光ファイバ10の偏波保持手段が構成されている。尚、コア部12の断面形状は長円形であってもよい。
【0033】
上記被覆部18は、光伝搬領域14及び多孔部16を被覆保護する機能を果たす。
【0034】
本実施形態では、光伝搬領域14内のコア部12には、希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を増大させるための第2の添加物との双方が添加されている。このため、コア部12の屈折率は、第2の添加物が添加されることで光伝搬領域14の屈折率よりも増大しており、たとえ図外の他の光ファイバと融着接続されて多孔部16の細孔16aがつぶれたとしても導波構造を確保することができる。そして、導波構造が確保されることで上記偏波保持手段による偏波保持特性を維持することができる。そして、コア部12に希土類元素からなる第1の添加物が添加されているので、導波構造が確保されることで、誘導放出を利用した光増幅作用を発揮させることができる。したがって、他の光ファイバと融着接続した際にも導波構造を確保して偏波保持特性及び光増幅特性を確保しつつ、融着接続による損失を低減することができる。
【0035】
また、多孔部16の細孔16aの孔ピッチに対する該細孔16aの直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どんな波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、この結果、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0036】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態では、多孔部16の細孔16aを三角格子パターンに配列するとともに、コア部12を楕円形断面としたが、これに限られるものではない。例えば、コア部12を上記実施形態同様に断面楕円形状とした場合でも、図9に示すように、三角格子中の2点に跨ってコア部12を形成するようにしてもよい。このようなコア部12を有する光ファイバを作製するためには、コア部12を中心軸部分に備えた石英ロッド(図示せず)を2本合わせるとともに、これら石英ロッドの周りに石英キャピラリ(図示せず)を最密状に束ね、これを筒状の石英パイプ(図示せず)に挿入して加熱延伸することにより作製することができる。
【0037】
また、図10に示すように、コア部12に近接する細孔16aのうち該コア部12を挟むように配置される一対の細孔を、他の細孔16aよりも大きく且つ楕円形状に形成して偏波保持用細孔16bとして構成するようにしてもよい。こうすることで、多孔部16により光ファイバ10の偏波保持手段を構成することができる。この場合においてコア部12の断面形状は、円形、楕円形又は長円のいずれであってもよい。コア部12の断面形状を楕円形又は長円とした場合には、このコア部12によっても偏波保持手段が構成されることとなる。
【0038】
また、図11に示すように、多孔部16の細孔16aを四角格子パターンに配列するとともに、この四角格子の互いに隣接する2点に跨る楕円形状のコア部12を形成し、細孔16aのうちコア部12の両側に隣接する一対の細孔を他の細孔16aよりも大きく形成するとともに断面を楕円形状又は長円形状とし、偏波保持用細孔16bとして構成してもよい。この構成では、コア部12及び多孔部16によって偏波保持手段が構成されることとなる。
【0039】
また、上記実施形態では、偏波保持光ファイバ10をPCFに構成したが、これに限られるものではなく、要は、多孔部16に多数の細孔16aが形成されていて、この多孔部16に囲まれる領域に光が閉じ込められて光伝搬領域14が形成される構成であればよい。
【0040】
【実施例】
次に、具体的に行った実験及び解析について説明する。
【0041】
<実験1>
実験1に用いた偏波保持光ファイバ10は、上記実施形態のものと同様の構成、即ちコア部12にEr及びGeがドープされ、多孔部16がフォトニック結晶構造とされている。この光ファイバ10は、外径が125μm、細孔16aの直径dが2μm、細孔16aの孔ピッチΛが5μm、孔ピッチに対する細孔16aの直径d/Λが、d/Λ=0.4のものである。そして、この偏波保持光ファイバ10に、1.55μmの波長の光を伝送させた。
【0042】
このとき、出射端面において図3に示すようなニアフィールドパターンが観測された。この図3に示すニアフィールドパターンは基本モードのものであり、すなわち、それはシングルモード動作していることを意味するものである。したがって、本実施形態に係る偏波保持光ファイバ10では、多孔部16の細孔16aによって光が閉じ込められ、且つシングルモード動作することが確認された。したがって、どんな波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、この結果、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0043】
<実験2>
次に、上記実験1に用いた偏波保持光ファイバ10を他のシングルモード光ファイバSMFと接続し、このときの接続損失を測定する実験を行った。この実験では、まず図4(a)に示すように、長さ1mの偏波保持光ファイバ10を、波長1.55μmの光を出射する光源21と、この光のパワーを測定する光パワーメータ23とに接続し、この光のパワーを参照光のパワーとして測定した。このとき、光パワーメータ23によって検出された参照光のパワーP1は−10.2dBmであった。次に、図4(b)に示すように、上記偏波保持光ファイバ10とシングルモード光ファイバSMFとを融着接続し、この融着接続された光ファイバを上記光源21と光パワーメータ23とに接続した。そして、上記同様に波長1.55μmの光を出射した。このとき、モニタ(図示省略)による側面観察により、図5に模式的に示すように、融着接続部において多孔部16の細孔16aが潰れているにもかかわらず、両光ファイバ10,SMF間でそのコア部を光が伝搬している様子が確認された。このとき光パワーメータ23により検出された光のパワーP2は−11.2dBmであった。この上記両光ファイバ10,SMFの融着接続損失Lossは以下の通りであり、
すなわち、融着接続損失Lossは1.0(dB)であった。
【0044】
<実験3>
実験3では、光伝搬領域14に対するコア部12の比屈折率差Δを種々変化させたときのモード屈折率差Bを測定した。このモード複屈折率Bとは、x偏波とy偏波のそれぞれに対する実効屈折率neffxとneffyとの差、すなわち、
B=neffx−neffy=(βx/k−βy/k) ・・・式(1)
で表される。ただし、βx、βyは伝搬定数、kは波数2π/λである。
【0045】
図6に示すように、モード複屈折率Bは、比屈折率差Δが増大するのに伴い、次第に増大する傾向にある。具体的に、比屈折率差Δの増大に伴ってモード屈折率差Bは急激に増大するが、この比屈折率差Δが0.5%以上となるとモード複屈折率Bの増加割合が次第に低減し、勾配が緩やかになる。つまり、この範囲内では、比屈折率差Δに対するモード複屈折率Bの変化割合が小さい。したがって、比屈折率差Δを0.5%以上とすることにより、高複屈折特性が得られて偏波特性を安定させることができる。
【0046】
そして、比屈折率差Δが1.5%以上では、比屈折率差Δに対するモード複屈折率Bの変化割合が僅かとなる。また、比屈折率差Δが1.5%のときに、一般のPANDA型の光ファイバのモード複屈折率B(約3×10−4)と同等の値となっている。したがって、比屈折率差Δを1.5%以上とすることにより、PANDA型の光ファイバと同等以上の偏波特性を安定して得ることができる。
【0047】
<実験4>
実験4では、比屈折率差Δに対する光増幅特性の評価を行う実験を行った。この光増幅特性は、エネルギー変換効率(a.u.(オートコリレーションユニット))により評価した。
【0048】
ここで、エネルギー変換効率について説明する。光のパワーは光の波長で表されると考えてよいので、入力したポンプ光の波長と、増幅されて出力された信号光である出射光の波長との比率を取れば、これが光のパワーの限界の変換率となるので、これを最大変換効率とする。すなわち、最大変換効率は、出射光の波長に対するポンプ光の波長の百分率と言うことができ、
最大変換効率(%)=(ポンプ光の波長)/(出射光の波長)×100
との関係式により最大変換効率を規定することができる。例えば、波長1.55μmの信号光に対して波長1.48μmのポンプ光を入力し、出射光の波長を測定する。そして、この出射光の波長が1.55μmであったときには、1.48μmのポンプ光波長が全て1.55μmの信号光波長に変換されたと言うことができ、このとき信号光は最大変換効率で増幅されたとすることができる。
【0049】
一方、ポンプ光のパワーに対する出射光のパワーの百分率を変換効率として定義することができる。すなわち、
変換効率(%)=(出射光のパワー)/(ポンプ光のパワー)×100
との関係式が成立する。そして、上記変換効率と最大変換効率との比を取り、これをエネルギー変換効率としている。すなわち、
エネルギー変換効率=(変換効率)/(最大変換効率)
との関係式が成立する。そして、このエネルギー変換効率を比屈折率差Δに対する相関を取って図7に示している。
【0050】
この図から明らかなように、エネルギー変換効率は、比屈折率差Δの増大に伴い、次第に増大する傾向にある。具体的に、比屈折率差Δの増大に伴ってエネルギー変換効率は急激に増大するが、この比屈折率差Δが0.5%以上となるとエネルギー変換効率の増加割合が次第に低減し、勾配が緩やかになる。つまり、比屈折率差Δが0.5%でエネルギー変換効率が飽和し始めていると考えられる。そして、比屈折率差Δが1.5%以上の範囲では、エネルギー変換効率はほぼ1となる。
【0051】
上記実験3及び4から明らかなように、比屈折率差Δを0.5%以上とすることにより、安定した偏波特性を得ることができるとともに、安定した高効率の増幅特性を得ることができる。そして、比屈折率差Δを1.5%以上とすることにより、一般のPANDA型光ファイバと同等の偏波特性を得ることができるとともに、増幅特性をさらに高効率の状態に安定させることができる。
【0052】
<実験5>
実験5では、信号光にポンプ光を入射したときの利得を測定した。図8は、1.48μmのポンプ光を入力したときに得られた利得を示している。このポンプ光はレーザーダイオード(図示省略)発信による後方励起方式によって入力した。尚、ポンプパワーは100mWとした。この結果、1540nm以上の波長において−5dBmの入力信号光に対し、出力信号光は15dBmであり、利得は20dBとなった。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果が得られる。すなわち、請求項1の発明の偏波保持光ファイバでは、コア部に希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を増大させるための第2の添加物との双方が添加されているので、他の光ファイバと接続されて多孔部の細孔が潰れても導波構造を確保できる。したがって、本発明によれば、他の光ファイバと融着接続した際にも導波構造を確保して偏波保持特性及び光増幅特性を確保しつつ、融着接続による損失を低減することができる。
【0054】
また、請求項2の発明によれば、コア部に近接する多孔部の細孔のうち該コア部を挟むように配置される一対の細孔を、他の細孔とは形態が異なる偏波保持用細孔として形成することにより偏波保持手段を構成するようにしたために、この偏波保持用細孔によって確実に偏波保持特性を発揮させることができる。
【0055】
また、請求項3の発明によれば、コア部の断面形状を長円形又は楕円形とすることにより偏波保持手段を構成したために、このコア部の断面構造によって偏波保持特性が発揮され、融着接続によって多孔部の細孔がつぶれた場合でも偏波保持特性の劣化を確実に抑制することができる。
【0056】
また、請求項4の発明によれば、多孔部の細孔を一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配置するとともに、この細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どのような波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0057】
また、請求項5の発明では、偏波保持用細孔以外の多孔部の細孔を一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配置するとともに、この細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どのような波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0058】
また、請求項6の発明によれば、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差を0.5%以上としたので、安定した偏波特性及び高増幅特性を得ることができる。
【0059】
また、請求項7の発明によれば、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差を1.5%以上としたので、PANDA型の光ファイバと同等以上の偏波特性を安定して得ることができるともに、増幅特性を非常に高効率の状態に安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバの端面の要部を示す拡大図である。
【図3】実験1で観測されたニアフィールドパターンを示す図である。
【図4】接続損失を測定する実験装置を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバとシングルモード光ファイバとを融着接続した状態で観察された導波状況を示す概念図である。
【図6】比屈折率差Δとモード複屈折率Bとの相関関係を示す特性図である。
【図7】比屈折率差Δとエネルギー変換効率との相関関係を示す特性図である。
【図8】本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバの利得を示す特性図である。
【図9】その他の実施形態に係る偏波保持光ファイバの図2相当図である。
【図10】その他の実施形態に係る偏波保持光ファイバの図2相当図である。
【図11】その他の実施形態に係る偏波保持光ファイバの図2相当図である。
【符号の説明】
12 コア部
14 光伝搬領域
16 多孔部
16a 細孔
16b 偏波保持用細孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の細孔を有する多孔部を備えた偏波保持光ファイバに関し、特に、融着接続による損失を低減する対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、単一モード光ファイバとして、単一の偏波のみを伝搬させて偏波を安定して保持させる偏波保持光ファイバが一般的に知られている。この種の偏波保持光ファイバとして、例えば特許文献1に開示されているように、コアの両側に屈折率の低い部位を作るために中空のトンネルを開口した、いわゆるサイドトンネル型が公知となっている。すなわち、このサイドトンネル型の偏波保持光ファイバでは、一対のトンネルをコアの両側に開口することにより、光ファイバの軸方向に対し垂直な断面における縦方向と横方向とで屈折率分布を変えるようにしている。
【0003】
一方、例えば特許文献2に開示されているように、ファイバの中心軸方向に延びる多数の細孔を有する多孔部と、この多孔部に囲まれ、中実状に形成された領域からなる光伝搬領域とを備えた、いわゆるフォトニッククリスタルファイバ(以下、PCFという)が公知となっている。上記公報に開示されたPCFでは、光増幅作用又は非線形光学効果を高めるべく、光伝搬領域の一部に希土類元素又はゲルマニウム(Ge)の何れか一方だけをドープしてコア部としている。そして、コア部に希土類元素をドープすることにより、誘導放出を利用した光増幅作用を起こさせ、又はGeをドープすることにより誘導ラマン散乱を利用した光増幅作用を起こさせるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−333539号公報
【特許文献2】
特開2002−55239号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記前者の従来のものでは、他の光ファイバと融着接続した際にコア両側のトンネルがつぶれてしまうので、このトンネルのつぶれが原因となって偏波特性が劣化してしまう虞があった。
【0006】
一方、上記後者の従来のものでは、他の光ファイバと融着接続した際に多孔部の細孔がつぶれてしまうので、光増幅作用を維持することはできるとしても、接続損失が増大してしまい、場合によっては導波構造自体がなくなってしまう虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、偏波保持光ファイバの構造に改良を施すことにより、その偏波保持特性及び光増幅特性を維持しつつ、他の光ファイバと融着接続した際の接続損失を低減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、偏波保持光ファイバにおいて、コア部に希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を増大させるための第2の添加物との双方を添加するようにしたものである。
【0009】
具体的に、請求項1の発明は、光が伝搬する光伝搬領域内にコア部が形成される一方、上記光伝搬領域の周囲にファイバ中心軸方向に延びる多数の細孔を有する多孔部が形成され、上記コア部には、希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を上記光伝搬領域の屈折率よりも増大させるための第2の添加物とが添加され、上記コア部又は多孔部の少なくとも一方により、偏波保持するための偏波保持手段が構成されている。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、偏波保持手段は、コア部に近接する細孔のうち該コア部を挟むように配置される一対の細孔が、他の細孔とは形態が異なる偏波保持用細孔として形成された多孔部により構成されている。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、偏波保持手段は、断面形状が長円形又は楕円形に形成されたコア部により構成されている。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1又は3の発明において、多孔部の細孔は、一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配列され、細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比は、0.42よりも小さい。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項2の発明において、偏波保持用細孔を除いた多孔部の細孔は、一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配列され、上記細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比は、0.42よりも小さい。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1から3の何れか1項の発明において、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差は0.5%以上である。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項1から3の何れか1項の発明において、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差は1.5%以上である。
【0016】
すなわち、請求項1の発明では、光伝搬領域内のコア部には、希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を増大させるための第2の添加物との双方が添加されているため、コア部の屈折率は、第2の添加物が添加されることで光伝搬領域の屈折率よりも増大しており、たとえ他の光ファイバと接続された融着接続部において多孔部の細孔が潰れたとしても導波構造を確保することができる。そして、導波構造が確保されることで偏波保持手段による偏波保持特性を維持することができる。
【0017】
また、コア部に希土類元素からなる第1の添加物が添加されているので、導波構造が確保されることで、誘導放出を利用した光増幅作用を発揮させることができる。したがって、本発明では、他の光ファイバと融着接続した際にも導波構造を確保して偏波保持特性及び光増幅特性を確保しつつ、融着接続による損失を低減することができる。
【0018】
また、請求項2の発明では、コア部に近接する多孔部の細孔のうち該コア部を挟むように配置される一対の細孔を、他の細孔とは形態が異なる偏波保持用細孔として形成することにより偏波保持手段を構成したために、この偏波保持用細孔によって確実に偏波保持特性を発揮させることができる。
【0019】
また、請求項3の発明では、コア部の断面形状を長円形又は楕円形とすることにより偏波保持手段を構成したために、このコア部の断面構造によって偏波保持特性が発揮され、融着接続によって多孔部の細孔がつぶれた場合でも偏波保持特性の劣化を確実に抑制することができる。
【0020】
また、請求項4の発明では、多孔部の細孔を一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配置するとともに、この細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どのような波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0021】
また、請求項5の発明では、偏波保持用細孔以外の多孔部の細孔を一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配置するとともに、この細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どのような波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0022】
また、請求項6の発明では、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差を0.5%以上としたので、高複屈折特性が得られて偏波特性を安定させることができる。つまり、モード複屈折率は、上記比屈折率差の増大に伴って増大する傾向にあり、比屈折率差が0.5%未満の場合には、モード複屈折率が低いばかりでなく、比屈折率差に対するモード複屈折率の変化が大きいために、偏波特性を安定させるのは困難である。これに対し、比屈折率差が0.5%以上の範囲では、比屈折率差に対するモード複屈折率の変化の割合が小さく、またモード複屈折率自体も大きい。したがって、上記比屈折率差を0.5%以上とすることにより、高複屈折特性が得られて偏波特性を安定させることができる。
【0023】
しかも、上記比屈折率差を0.5%以上とすることにより、高効率の増幅特性を得ることができるとともに増幅特性を安定させることができる。つまり、増幅効率は、上記比屈折率差の増大に伴って増大する傾向にあり、比屈折率差が0.5%未満の場合には、増幅効率が低いばかりでなく、比屈折率差に対する増幅効率の変化が大きいために、増幅特性を安定させるのは困難である。これに対し、比屈折率差が0.5%以上の範囲では、比屈折率差に対する増幅効率の変化の割合が小さく、また増幅効率自体も高い。したがって、上記比屈折率差を0.5%以上とすることにより、高効率の増幅特性が得られるとともに、増幅特性を安定させることができる。
【0024】
したがって、請求項6に係る発明によれば、安定した偏波特性及び高増幅特性を得ることができる。
【0025】
また、請求項7の発明では、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差を1.5%以上としたので、偏波特性及び増幅特性を更に向上することができる。つまり、上記比屈折率差を1.5%以上とすることにより、一般のPANDA(Polarization−maintaining AND Absorption−reducing)型の光ファイバと同等のモード複屈折率を達成できる。また、比屈折率差を1.5%以上とすることにより、ポンプ光の光エネルギを信号光のエネルギに非常に高効率に変換できるために、増幅特性をさらに高効率の状態に安定させることができる。したがって、本発明によれば、PANDA型の光ファイバと同等以上の偏波特性を安定して得ることができるともに、増幅特性を非常に高効率の状態に安定させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバ10は、多数の細孔16aが形成された多孔部16と、この多孔部16の内側に中実状に形成された光伝搬領域14と、この光伝搬領域14内に形成されたコア部12と、上記多孔部16の周囲に中実状に形成された被覆部18とを備え、全体として石英からなるPCFに構成されている。
【0028】
上記多孔部16の各細孔16aは、ファイバ中心軸方向に沿ってその全体に亘って連続して延びており、これらはファイバ横断面内において一定間隔の孔ピッチΛをあけて規則的に、具体的には、互いに隣接する各細孔16aが正三角形をなすように三角格子パターンに配列されている。このように細孔16aが三角格子パターンに配置されてフォトニック結晶構造が形成されている。
【0029】
上記多孔部16の三角格子パターンは、細孔16aの孔ピッチΛに対する細孔16aの直径dの比d/Λが0.42よりも小さくなるように孔ピッチΛ及び細孔16aの直径dが設定されている。尚、この孔ピッチΛとは、隣接する細孔16aの中心間距離を表している。
【0030】
上記光伝搬領域14は、上記多孔部16によって囲まれたファイバ中心軸上に形成されるものである。つまり、この光伝搬領域14は、ファイバ中心軸上に細孔16aを設けないことで、その周囲の細孔16aによって囲まれる中実状の部位により形成されている。そして、上記多孔部16がフォトニック結晶構造に形成されることで、その実効屈折率が純石英のそれよりも低いものとなっており、このことで、多孔部16によって囲まれた光伝搬領域14に光が閉じ込められるようになっている。
【0031】
上記コア部12は、ファイバ中心軸上に位置し、横断面形状が楕円形に形成されている。このコア部12には、第1の添加物として例えばエルビウム(Er)がドープされるとともに、第2の添加物として例えばゲルマニウム(Ge)が添加されている。上記第1の添加物は、希土類元素からなるものであるために、コア部12にこの第1の添加物を添加することにより、コア部12での光増幅作用を高めることができる。一方、コア部12に第2の添加物が添加されることにより、コア部12の屈折率はその周囲の光伝搬領域14の屈折率よりも大きくなっている。例えば本実施形態では、光伝搬領域14に対するコア部12の比屈折率差Δは約1.5%とされている。尚、上記第1の添加物は、ネオジウム(Nd)、イッテリビウム(Yb)等であってもよく、またこれらとErとを組み合わせたものであってもよい。また、第2の添加物はアルミニウム(Al)等であってもよく、またGeとAlとの組み合わせであってもよい。
【0032】
上記コア部12の断面形状が楕円形に形成されることにより、本実施形態に係る偏波保持光ファイバ10の偏波保持手段が構成されている。尚、コア部12の断面形状は長円形であってもよい。
【0033】
上記被覆部18は、光伝搬領域14及び多孔部16を被覆保護する機能を果たす。
【0034】
本実施形態では、光伝搬領域14内のコア部12には、希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を増大させるための第2の添加物との双方が添加されている。このため、コア部12の屈折率は、第2の添加物が添加されることで光伝搬領域14の屈折率よりも増大しており、たとえ図外の他の光ファイバと融着接続されて多孔部16の細孔16aがつぶれたとしても導波構造を確保することができる。そして、導波構造が確保されることで上記偏波保持手段による偏波保持特性を維持することができる。そして、コア部12に希土類元素からなる第1の添加物が添加されているので、導波構造が確保されることで、誘導放出を利用した光増幅作用を発揮させることができる。したがって、他の光ファイバと融着接続した際にも導波構造を確保して偏波保持特性及び光増幅特性を確保しつつ、融着接続による損失を低減することができる。
【0035】
また、多孔部16の細孔16aの孔ピッチに対する該細孔16aの直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どんな波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、この結果、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0036】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態では、多孔部16の細孔16aを三角格子パターンに配列するとともに、コア部12を楕円形断面としたが、これに限られるものではない。例えば、コア部12を上記実施形態同様に断面楕円形状とした場合でも、図9に示すように、三角格子中の2点に跨ってコア部12を形成するようにしてもよい。このようなコア部12を有する光ファイバを作製するためには、コア部12を中心軸部分に備えた石英ロッド(図示せず)を2本合わせるとともに、これら石英ロッドの周りに石英キャピラリ(図示せず)を最密状に束ね、これを筒状の石英パイプ(図示せず)に挿入して加熱延伸することにより作製することができる。
【0037】
また、図10に示すように、コア部12に近接する細孔16aのうち該コア部12を挟むように配置される一対の細孔を、他の細孔16aよりも大きく且つ楕円形状に形成して偏波保持用細孔16bとして構成するようにしてもよい。こうすることで、多孔部16により光ファイバ10の偏波保持手段を構成することができる。この場合においてコア部12の断面形状は、円形、楕円形又は長円のいずれであってもよい。コア部12の断面形状を楕円形又は長円とした場合には、このコア部12によっても偏波保持手段が構成されることとなる。
【0038】
また、図11に示すように、多孔部16の細孔16aを四角格子パターンに配列するとともに、この四角格子の互いに隣接する2点に跨る楕円形状のコア部12を形成し、細孔16aのうちコア部12の両側に隣接する一対の細孔を他の細孔16aよりも大きく形成するとともに断面を楕円形状又は長円形状とし、偏波保持用細孔16bとして構成してもよい。この構成では、コア部12及び多孔部16によって偏波保持手段が構成されることとなる。
【0039】
また、上記実施形態では、偏波保持光ファイバ10をPCFに構成したが、これに限られるものではなく、要は、多孔部16に多数の細孔16aが形成されていて、この多孔部16に囲まれる領域に光が閉じ込められて光伝搬領域14が形成される構成であればよい。
【0040】
【実施例】
次に、具体的に行った実験及び解析について説明する。
【0041】
<実験1>
実験1に用いた偏波保持光ファイバ10は、上記実施形態のものと同様の構成、即ちコア部12にEr及びGeがドープされ、多孔部16がフォトニック結晶構造とされている。この光ファイバ10は、外径が125μm、細孔16aの直径dが2μm、細孔16aの孔ピッチΛが5μm、孔ピッチに対する細孔16aの直径d/Λが、d/Λ=0.4のものである。そして、この偏波保持光ファイバ10に、1.55μmの波長の光を伝送させた。
【0042】
このとき、出射端面において図3に示すようなニアフィールドパターンが観測された。この図3に示すニアフィールドパターンは基本モードのものであり、すなわち、それはシングルモード動作していることを意味するものである。したがって、本実施形態に係る偏波保持光ファイバ10では、多孔部16の細孔16aによって光が閉じ込められ、且つシングルモード動作することが確認された。したがって、どんな波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、この結果、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0043】
<実験2>
次に、上記実験1に用いた偏波保持光ファイバ10を他のシングルモード光ファイバSMFと接続し、このときの接続損失を測定する実験を行った。この実験では、まず図4(a)に示すように、長さ1mの偏波保持光ファイバ10を、波長1.55μmの光を出射する光源21と、この光のパワーを測定する光パワーメータ23とに接続し、この光のパワーを参照光のパワーとして測定した。このとき、光パワーメータ23によって検出された参照光のパワーP1は−10.2dBmであった。次に、図4(b)に示すように、上記偏波保持光ファイバ10とシングルモード光ファイバSMFとを融着接続し、この融着接続された光ファイバを上記光源21と光パワーメータ23とに接続した。そして、上記同様に波長1.55μmの光を出射した。このとき、モニタ(図示省略)による側面観察により、図5に模式的に示すように、融着接続部において多孔部16の細孔16aが潰れているにもかかわらず、両光ファイバ10,SMF間でそのコア部を光が伝搬している様子が確認された。このとき光パワーメータ23により検出された光のパワーP2は−11.2dBmであった。この上記両光ファイバ10,SMFの融着接続損失Lossは以下の通りであり、
すなわち、融着接続損失Lossは1.0(dB)であった。
【0044】
<実験3>
実験3では、光伝搬領域14に対するコア部12の比屈折率差Δを種々変化させたときのモード屈折率差Bを測定した。このモード複屈折率Bとは、x偏波とy偏波のそれぞれに対する実効屈折率neffxとneffyとの差、すなわち、
B=neffx−neffy=(βx/k−βy/k) ・・・式(1)
で表される。ただし、βx、βyは伝搬定数、kは波数2π/λである。
【0045】
図6に示すように、モード複屈折率Bは、比屈折率差Δが増大するのに伴い、次第に増大する傾向にある。具体的に、比屈折率差Δの増大に伴ってモード屈折率差Bは急激に増大するが、この比屈折率差Δが0.5%以上となるとモード複屈折率Bの増加割合が次第に低減し、勾配が緩やかになる。つまり、この範囲内では、比屈折率差Δに対するモード複屈折率Bの変化割合が小さい。したがって、比屈折率差Δを0.5%以上とすることにより、高複屈折特性が得られて偏波特性を安定させることができる。
【0046】
そして、比屈折率差Δが1.5%以上では、比屈折率差Δに対するモード複屈折率Bの変化割合が僅かとなる。また、比屈折率差Δが1.5%のときに、一般のPANDA型の光ファイバのモード複屈折率B(約3×10−4)と同等の値となっている。したがって、比屈折率差Δを1.5%以上とすることにより、PANDA型の光ファイバと同等以上の偏波特性を安定して得ることができる。
【0047】
<実験4>
実験4では、比屈折率差Δに対する光増幅特性の評価を行う実験を行った。この光増幅特性は、エネルギー変換効率(a.u.(オートコリレーションユニット))により評価した。
【0048】
ここで、エネルギー変換効率について説明する。光のパワーは光の波長で表されると考えてよいので、入力したポンプ光の波長と、増幅されて出力された信号光である出射光の波長との比率を取れば、これが光のパワーの限界の変換率となるので、これを最大変換効率とする。すなわち、最大変換効率は、出射光の波長に対するポンプ光の波長の百分率と言うことができ、
最大変換効率(%)=(ポンプ光の波長)/(出射光の波長)×100
との関係式により最大変換効率を規定することができる。例えば、波長1.55μmの信号光に対して波長1.48μmのポンプ光を入力し、出射光の波長を測定する。そして、この出射光の波長が1.55μmであったときには、1.48μmのポンプ光波長が全て1.55μmの信号光波長に変換されたと言うことができ、このとき信号光は最大変換効率で増幅されたとすることができる。
【0049】
一方、ポンプ光のパワーに対する出射光のパワーの百分率を変換効率として定義することができる。すなわち、
変換効率(%)=(出射光のパワー)/(ポンプ光のパワー)×100
との関係式が成立する。そして、上記変換効率と最大変換効率との比を取り、これをエネルギー変換効率としている。すなわち、
エネルギー変換効率=(変換効率)/(最大変換効率)
との関係式が成立する。そして、このエネルギー変換効率を比屈折率差Δに対する相関を取って図7に示している。
【0050】
この図から明らかなように、エネルギー変換効率は、比屈折率差Δの増大に伴い、次第に増大する傾向にある。具体的に、比屈折率差Δの増大に伴ってエネルギー変換効率は急激に増大するが、この比屈折率差Δが0.5%以上となるとエネルギー変換効率の増加割合が次第に低減し、勾配が緩やかになる。つまり、比屈折率差Δが0.5%でエネルギー変換効率が飽和し始めていると考えられる。そして、比屈折率差Δが1.5%以上の範囲では、エネルギー変換効率はほぼ1となる。
【0051】
上記実験3及び4から明らかなように、比屈折率差Δを0.5%以上とすることにより、安定した偏波特性を得ることができるとともに、安定した高効率の増幅特性を得ることができる。そして、比屈折率差Δを1.5%以上とすることにより、一般のPANDA型光ファイバと同等の偏波特性を得ることができるとともに、増幅特性をさらに高効率の状態に安定させることができる。
【0052】
<実験5>
実験5では、信号光にポンプ光を入射したときの利得を測定した。図8は、1.48μmのポンプ光を入力したときに得られた利得を示している。このポンプ光はレーザーダイオード(図示省略)発信による後方励起方式によって入力した。尚、ポンプパワーは100mWとした。この結果、1540nm以上の波長において−5dBmの入力信号光に対し、出力信号光は15dBmであり、利得は20dBとなった。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果が得られる。すなわち、請求項1の発明の偏波保持光ファイバでは、コア部に希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を増大させるための第2の添加物との双方が添加されているので、他の光ファイバと接続されて多孔部の細孔が潰れても導波構造を確保できる。したがって、本発明によれば、他の光ファイバと融着接続した際にも導波構造を確保して偏波保持特性及び光増幅特性を確保しつつ、融着接続による損失を低減することができる。
【0054】
また、請求項2の発明によれば、コア部に近接する多孔部の細孔のうち該コア部を挟むように配置される一対の細孔を、他の細孔とは形態が異なる偏波保持用細孔として形成することにより偏波保持手段を構成するようにしたために、この偏波保持用細孔によって確実に偏波保持特性を発揮させることができる。
【0055】
また、請求項3の発明によれば、コア部の断面形状を長円形又は楕円形とすることにより偏波保持手段を構成したために、このコア部の断面構造によって偏波保持特性が発揮され、融着接続によって多孔部の細孔がつぶれた場合でも偏波保持特性の劣化を確実に抑制することができる。
【0056】
また、請求項4の発明によれば、多孔部の細孔を一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配置するとともに、この細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どのような波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0057】
また、請求項5の発明では、偏波保持用細孔以外の多孔部の細孔を一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配置するとともに、この細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比を0.42よりも小さくするようにしたので、どのような波長のポンプ光を入力してもシングルモードで導波することができ、より高効率な光増幅作用を発揮させることができる。
【0058】
また、請求項6の発明によれば、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差を0.5%以上としたので、安定した偏波特性及び高増幅特性を得ることができる。
【0059】
また、請求項7の発明によれば、光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差を1.5%以上としたので、PANDA型の光ファイバと同等以上の偏波特性を安定して得ることができるともに、増幅特性を非常に高効率の状態に安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバの端面の要部を示す拡大図である。
【図3】実験1で観測されたニアフィールドパターンを示す図である。
【図4】接続損失を測定する実験装置を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバとシングルモード光ファイバとを融着接続した状態で観察された導波状況を示す概念図である。
【図6】比屈折率差Δとモード複屈折率Bとの相関関係を示す特性図である。
【図7】比屈折率差Δとエネルギー変換効率との相関関係を示す特性図である。
【図8】本発明の実施形態に係る偏波保持光ファイバの利得を示す特性図である。
【図9】その他の実施形態に係る偏波保持光ファイバの図2相当図である。
【図10】その他の実施形態に係る偏波保持光ファイバの図2相当図である。
【図11】その他の実施形態に係る偏波保持光ファイバの図2相当図である。
【符号の説明】
12 コア部
14 光伝搬領域
16 多孔部
16a 細孔
16b 偏波保持用細孔
Claims (7)
- 光が伝搬する光伝搬領域内にコア部が形成される一方、
上記光伝搬領域の周囲にファイバ中心軸方向に延びる多数の細孔を有する多孔部が形成され、
上記コア部には、希土類元素からなる第1の添加物と屈折率を上記光伝搬領域の屈折率よりも増大させるための第2の添加物とが添加され、
上記コア部又は多孔部の少なくとも一方により、偏波保持するための偏波保持手段が構成されている
ことを特徴とする偏波保持光ファイバ。 - 請求項1において、
偏波保持手段は、コア部に近接する細孔のうち該コア部を挟むように配置される一対の細孔が、他の細孔とは形態が異なる偏波保持用細孔として形成された多孔部により構成されている
ことを特徴とする偏波保持光ファイバ。 - 請求項1において、
偏波保持手段は、断面形状が長円形又は楕円形に形成されたコア部により構成されている
ことを特徴とする偏波保持光ファイバ。 - 請求項1又は3において、
多孔部の細孔は、一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配列され、
細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比は、0.42よりも小さい
ことを特徴とする偏波保持光ファイバ。 - 請求項2において、
偏波保持用細孔を除いた多孔部の細孔は、一定間隔の孔ピッチをあけて規則的に配列され、
上記細孔の孔ピッチに対する該細孔の直径の比は、0.42よりも小さい
ことを特徴とする偏波保持光ファイバ。 - 請求項1から3の何れか1項において、
光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差は0.5%以上である
ことを特徴とする偏波保持光ファイバ。 - 請求項1から3の何れか1項において、
光伝搬領域に対するコア部の比屈折率差は1.5%以上である
ことを特徴とする偏波保持光ファイバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003053339A JP2004264439A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 偏波保持光ファイバ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003053339A JP2004264439A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 偏波保持光ファイバ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004264439A true JP2004264439A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33117970
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003053339A Pending JP2004264439A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 偏波保持光ファイバ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004264439A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1866680A2 (en) * | 2005-03-30 | 2007-12-19 | Corning Incorporated | Optical systems utilizing optical fibers transmitting high power signal and a method of operating such systems |
CN104216043A (zh) * | 2014-07-31 | 2014-12-17 | 合肥工业大学 | 光子晶体光纤偏振分束器 |
CN108415121A (zh) * | 2018-05-07 | 2018-08-17 | 上海理工大学 | 一种高双折射双芯光子晶体光纤偏振分束器 |
KR20190054599A (ko) * | 2017-11-14 | 2019-05-22 | 광주과학기술원 | 편광 유지 광섬유 |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003053339A patent/JP2004264439A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1866680A2 (en) * | 2005-03-30 | 2007-12-19 | Corning Incorporated | Optical systems utilizing optical fibers transmitting high power signal and a method of operating such systems |
JP2008535248A (ja) * | 2005-03-30 | 2008-08-28 | コーニング インコーポレイテッド | 大パワー信号伝送光ファイバを利用する光学系及びそのような光学系の動作方法 |
EP1866680A4 (en) * | 2005-03-30 | 2009-06-17 | Corning Inc | OPTICAL SYSTEMS WITH A HIGH-PERFORMANCE SIGNAL TRANSMITTING OPTICAL FIBERS AND METHOD FOR OPERATING SUCH SYSTEMS |
CN104216043A (zh) * | 2014-07-31 | 2014-12-17 | 合肥工业大学 | 光子晶体光纤偏振分束器 |
KR20190054599A (ko) * | 2017-11-14 | 2019-05-22 | 광주과학기술원 | 편광 유지 광섬유 |
KR102119712B1 (ko) | 2017-11-14 | 2020-06-05 | 광주과학기술원 | 편광 유지 광섬유 |
CN108415121A (zh) * | 2018-05-07 | 2018-08-17 | 上海理工大学 | 一种高双折射双芯光子晶体光纤偏振分束器 |
CN108415121B (zh) * | 2018-05-07 | 2024-04-16 | 上海理工大学 | 一种高双折射双芯光子晶体光纤偏振分束器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6794310B2 (ja) | マルチコアエルビウムドープファイバアンプ | |
US10067289B2 (en) | Single mode propagation in fibers and rods with large leakage channels | |
JP4243327B2 (ja) | フォトニックバンドギャップファイバ及びファイバ増幅器 | |
JP4593695B2 (ja) | 単一モード光ファイバー | |
US7046432B2 (en) | Optical fiber coupling arrangement | |
JP6306624B2 (ja) | シングルモード動作を維持したままクラッド吸収を増加させたダブルクラッドの利得をもたらすファイバ | |
US7526165B2 (en) | Optical coupler devices, methods of their production and use | |
JP5238509B2 (ja) | フォトニックバンドギャップファイバ | |
JP2009032910A (ja) | 光ファイバレーザ用光ファイバ及びその製造方法、並びに光ファイバレーザ | |
JP2016197248A (ja) | マルチコアファイバへの低損失接続のための技術およびデバイス | |
JP2004529494A (ja) | 低屈折率クラッドを有する光波長フィルタ装置 | |
JP2005005717A (ja) | クラッディング励起光ファイバ利得装置 | |
US7978947B2 (en) | Photonic bandgap fiber | |
CN105009387B (zh) | 光子带隙光纤、以及使用光子带隙光纤的光纤激光装置 | |
JP4588113B2 (ja) | フォトニックバンドギャップファイバ | |
US6470127B2 (en) | Photonic band-gap light-emitting fibers | |
JP4947853B2 (ja) | 希土類元素ドープファイバ | |
JP2010003895A (ja) | ファイバレーザ用光ファイバ及びファイバレーザ | |
JP6026885B2 (ja) | ドープされたファイバを実装する光源、当該光源用ファイバ、および、当該ファイバの製造方法 | |
JP2010003896A (ja) | ファイバレーザ用光ファイバ及びファイバレーザ | |
JP2009129989A (ja) | ファイバレーザ用光ファイバ及びその製造方法、並びにファイバレーザ | |
JP2004264439A (ja) | 偏波保持光ファイバ | |
JP2002185063A (ja) | 希土類元素添加光ファイバ及びそれを用いた光デバイス | |
JP2001326404A (ja) | 希土類添加光ファイバ | |
JP2016157973A (ja) | シングルモード動作を維持したままクラッド吸収を増加させた利得をもたらすファイバ |