JP2004264273A - 導体位置検査装置及び導体位置検査方法 - Google Patents
導体位置検査装置及び導体位置検査方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004264273A JP2004264273A JP2003102228A JP2003102228A JP2004264273A JP 2004264273 A JP2004264273 A JP 2004264273A JP 2003102228 A JP2003102228 A JP 2003102228A JP 2003102228 A JP2003102228 A JP 2003102228A JP 2004264273 A JP2004264273 A JP 2004264273A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductor
- sensor
- sensor plate
- inspection
- detection signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01B—MEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
- G01B7/00—Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01B—MEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
- G01B7/00—Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques
- G01B7/28—Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques for measuring contours or curvatures
- G01B7/287—Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques for measuring contours or curvatures using a plurality of fixed, simultaneously operating transducers
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01B—MEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
- G01B7/00—Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques
- G01B7/14—Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques for measuring distance or clearance between spaced objects or spaced apertures
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
Abstract
【課題】検査対象が導体である場合に、非接触で有りながら検査対象がどの位置にあるかを精度良く検出することのできる導体位置検査装置を提供する。
【解決手段】交流信号が印加された検査対象導電体520に給電部510から交流検査信号を供給し、導電体520近傍にほぼ並行して2枚のセンサ板570,580を配設し、それぞれのセンサ板よりの検出信号を引算器550で減算し、割算器560で一方センサ板よりの検出値を減算結果で割算して一方センサ板よりの検出値を正規化し、両センサ板よりの相対的な検出信号値比率を検出してセンサ板と導電体520間の距離に対応した検出結果をXとして得る。
【選択図】 図1
【解決手段】交流信号が印加された検査対象導電体520に給電部510から交流検査信号を供給し、導電体520近傍にほぼ並行して2枚のセンサ板570,580を配設し、それぞれのセンサ板よりの検出信号を引算器550で減算し、割算器560で一方センサ板よりの検出値を減算結果で割算して一方センサ板よりの検出値を正規化し、両センサ板よりの相対的な検出信号値比率を検出してセンサ板と導電体520間の距離に対応した検出結果をXとして得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、交流信号が印加された検査対象導体との距離を検出可能な導体位置検査装置及び導体位置検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年は量産製品の製造工程はほとんど自動制御化されてきており、製品の位置決め制御、あるいは位置決め結果の判定制御が製品の製造原価や製品の信頼性にも大きな影響を与えている。これは各種機器の移動部品の位置決め制御についても同様である。
【0003】
従来の位置決め制御、あるいは位置決め結果の判定制御の一例として、位置決め部位の近傍に対象部品等が接触したことを検知するセンサを備えることがもっとも一般的であった。これらの方法は、対象部品の強度が十分センサの接触に耐えられる強度を有している等のセンサの接触が問題のない場合に限定される。
【0004】
このため、検査対象の強度が十分でない場合や、センサの接触により製品の信頼性が損なわれるようなものでは接触センサの使用ができない。
【0005】
このような検査対象に対しては、検査対象に非接触で位置検出を行う必要がある。このため、例えば、検査対象に光を照射し、検査対象から反射してくる光を検出して検査対象の位置決めを判定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光学的なセンサでは検査対象まで光が到達する必要があった。このため、センサと検査対象の間に他の部材などが有った場合には正確な検出ができなかった。
【0007】
また、この点を解決するために検査対象に磁石を設け、この磁石よりの磁力線を検出して位置検出を行うものも有った。しかし、この方法ではどうしても十分な精度が確保できなかった。
【0008】
更に、いずれの場合であっても、位置検出ができるのは、特定の限られた位置への到達が検出できるのみであり、検査対象に非接触で所定の範囲内のどの位置に位置しているかは検出できなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたもので、検査対象が導体である場合に、非接触で有りながら検査対象がどの位置にあるかを精度良く検出することのできる導体位置検査装置を提供することを目的とする。
【0010】
係る目的を達成する一手段として例えば以下の構成を備える。
【0011】
即ち、交流信号が印加された検査対象導体との距離を検出可能な導体位置検査装置において、前記検査対象導体に交流検査信号を供給する供給手段と、前記検査対象導体近傍にほぼ並行して設けられた少なくとも2枚のセンサ板と、前記それぞれのセンサ板よりの相対的な検出信号値比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
そして例えば、前記センサ板は、共に前記検査対象導体と静電結合状態で前記検査導体一方面に所定距離離間して平行に位置決めされ、前記検出手段は、前記センサ板よりの検出信号値の差分といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出することを特徴とする。
【0013】
また例えば、前記センサ板は、前記検査対象導体を挟み、センサ板間に位置する前記検査対象導体と静電結合状態となるよう位置決めされ、前記検出手段は、前記センサ板よりの検出信号値の加算値といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出することを特徴とする。
【0014】
また、交流信号が印加された検査対象導体との距離を検出可能な導体位置検査装置における導体位置検査であって、前記検査対象導体近傍にほぼ並行して少なくとも2枚のセンサ板を設け、前記それぞれのセンサ板よりの相対的な検出信号値比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出する導体位置検査方法とすることを特徴とする。
【0015】
そして例えば、前記センサ板は前記検査対象導体と静電結合状態で2枚ほぼ平行に所定距離離間して位置決めされ、前記センサ板よりの検出信号値の差分といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体位置検査方法とすることを特徴とする。
【0016】
また例えば、前記センサ板は、前記検査対象導体を挟み、センサ板間に位置する前記検査対象導体と静電結合状態となるよう位置決めされ、前記センサ板よりの検出信号値の加算値といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出する導体位置検査方法とすることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る一実施の形態例を詳細に説明する。
【0018】
本実施の形態例の導体位置検査装置は、検査信号(例えば交流信号)が供給された検査対象と静電結合させることができる、少なくとも2枚の導電体で形成したセンサ板を備え、該センサ板で検出する検査対象よりの検出検査信号の比率を求め、求めた比率から検査対象の位置を判別している。
【0019】
〔第1の実施の形態例〕
まず図1を参照して本発明に係る一発明の実施の形態例を詳細に説明する。図1は本発明に係る一発明の実施の形態例の導体位置検査装置の構成を説明するための図である。
【0020】
図1において、510は検査対象の導電体に供給する検査信号を供給する給電部であり、例えば1KHz以上で20Vp−pの交流信号を発信して導電体520に供給する。なお、以下の説明では検査信号として上記仕様の交流信号を対象とするが、本実施の形態例は以上の例に限定されるものではなく任意の信号を用いることができる。
【0021】
520は検査対象の少なくとも一部は導電材料で構成されている導電体であり、基板上に配設された導電性パターンなどのほか、線材、金属片など、任意の導体が対象となる。530はセンサ板a570よりの検出信号レベルを測定するレベル測定部A、540はセンサ板b580よりの検出信号レベルを測定するレベル測定部Bである。
【0022】
レベル測定部A530、レベル測定部B540は、例えば一定時間内のピークを検出して測定レベルとしてもよく、同じタイミング時の両センサ板a570、センサ板b580の検出レベルを測定レベルとしても良い。
【0023】
550はレベル測定部A530の測定レベルとレベル測定部B540の測定レベルとの差分(減算結果)を求める引算器、560はレベル測定部B540よりの測定値を引算器550の引算結果で割り算する割算器である。
【0024】
また、570は導電材料で形成されたセンサ板a、580は導電材料で形成されたセンサ板bである。センサ板a570とセンサ板b580とは互いにほぼ並行状態に位置決め維持されている。
【0025】
以上の構成を備える本実施の形態例の検査対象の導電体位置の測定方法を説明する。
【0026】
センサ板と導電体との間が静電結合された状態であれば、センサ板での検出信号はセンサ板からの距離に反比例する信号が検出される。しかしながら、実際の装置に応用しようとしても、ノイズの影響などが無視できず、また、導電体に供給される信号の強度を正確に把握することは非常に困難であり、検出状態によっても測定結果が大きな影響を受ける。この結果、今まではこの静電容量を利用した距離測定はほとんど行われていなかった。
【0027】
本願発明者は、以上の点に鑑みて、導電体への給電条件の影響を軽減すると共に、センサ板における検出状態の影響も併せて軽減し、検査条件によらず安定した位置検出が可能な導電体位置の測定装置を提供するため、図1に示す構成を発明したのである。
【0028】
即ち、レベル測定部A530の測定結果をVa、レベル測定部B540の測定結果をVbとすると、(1/Va)はセンサ板a570と導電体520との距離に比例する量となり、(1/Vb)はセンサ板b580と導電体520との距離に比例した量となる。
【0029】
即ち、導電体に遠い方のセンサ板b580から導電体520までの距離から近い方のセンサ板a570から導電体520間での距離を減ずると、センサ板a570とセンサ板b580間での距離dとなるから、このセンサ板間の距離dは(1/Vb)−(1/Va)に比例したものとなると考えられ、(1/Vb)−(1/Va)∝dが成り立つ。
【0030】
この(1/Vb)−(1/Va)の逆数1/{(1/Vb)−(1/Va)}は、dに相当する測定時点での測定電圧レベルと考えることができ、Va/〔1/{(1/Vb)−(1/Va)}〕を求めることはVaがdを元に正規化することに相当し、この逆数は導電体520までの距離に比例した値とすることができる。
【0031】
即ち、1/〈Va/〔1/{(1/Vb)−(1/Va)}〕〉は導電体520までの距離に比例した値となり、式を整理すると、
となる。図1の引算器550と割算器560でこの式を実現しており、割算器560の出力Xはセンサ板a570より導電体520までの距離に比例した値となる。
【0032】
しかもこのXの値は、センサ板a570とセンサ板b580のそれぞれの検出信号レベルの相対的な値を基準としているため、例えば導電体52に誘導される検査信号値の変動などがあっても、その影響を相殺することができる。
【0033】
また、センサ側の各回路間の駆動条件などに変動があっても、やはりその影響を相殺することができ、信頼性の高い、センサ板と導電体520間の距離に対応した測定結果を得ることができる。
【0034】
従って、予め、導電体とセンサ板間の距離に対応した基準となる測定結果を得ておけば、測定時の検出したX値と基準となる測定結果を比較していけば、精度の高い検出結果が得られる。
【0035】
なお、以上の説明において、センサ板b580と導電体520との間にはセンサ板a570が位置しているが、レベル測定部A530に接続されているセンサ板a570はハイインピーダンス状態であり、センサ板b580での検出信号レベルがセンサ板a570の影響で減少することはあっても、その割合に変化はなく、図1の構成とすればその影響を相殺でき、測定結果に誤差が生じることもない。
【0036】
即ち、図1の測定装置によれば、センサ板と導電体520の間に導電材料や誘電材料、絶縁材等の種々のものが介在していたとしても、これらのものが接地に対し低インピーダンスのシールド状態に無い限り、センサ板と導電体520間の距離に対応した測定結果Xを得ることができ、他方面の機器に適用できる。
【0037】
更に、導電体に給電される検査信号レベルが変動しても、検出結果の割合比に変化が無いため、給電方法に制約が無い。給電方法の中では、例えば導電体520に直接給電部を接続して検査信号を給電することがもっとも変動無く安定した検査信号となる。
【0038】
他に、非接触で、例えば電磁誘導により検査信号を給電しても良い。電磁誘導で検査信号を給電した場合には、給電結果が一定ではなく、導電体に給電される検査信号量は大きく変動することもある。しかし、このような場合であっても検査結果に大きな変動はない。
【0039】
同様に、導電体と接続された他方端部と給電部とを静電結合状態として給電することもできる。例えば、導電体が基板上に配設された導電パターンである場合には他方端部と静電結合で検査信号を給電したり、あるいは、端部を誘導子構成として電磁誘導により検査信号を給電しても良い。
【0040】
以上の構成による位置検出方法によれば、どのような給電方法であっても、また例え給電効率に変動があっても、あるいは雑音成分が重畳していても、それらの影響を受けない測定結果が得られる。
【0041】
〔第2の実施の形態例〕
以上の説明は、検査対象である導電体520の一方側面近傍に2枚のセンサ板をほぼ並行状態に位置決めして配置し、センサ板と導電体520との距離を測定する例を説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、導電体520を挟んで導電体の両側面にセンサ板を配設しても、第1の実施の形態例と同様に導電体の位置を測定することができる。
【0042】
、導電体520を挟んで導電体の両側面にセンサ板を配設した本発明に係る第2の実施の形態例を図2を参照して以下に説明する。図1は本発明に係る第2の実施の形態例の導体位置検査装置の構成を説明するための図である。図2おいて、上述した図1に示す構成と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。
【0043】
図2において、510は給電部であり、例えば1KHz以上で20Vp−pの交流信号を発信して導電体520に供給する。520は検査対象の導電体、530はセンサ板a570よりの検出信号レベルを測定するレベル測定部A、540はセンサ板b580よりの検出信号レベルを測定するレベル測定部Bである。
【0044】
560はレベル測定部B540よりの測定値を引算器590の加算結果で割り算する割算器、570は導電材料で形成されたセンサ板a、580は導電材料で形成されたセンサ板bである。
【0045】
第2の実施の形態例では、検査対象の導電体520は、互いに対向して配設されている2枚のセンサ板a570とセンサ板b580との間に挟まれた状態で位置決めされる。即ち、センサ板a570とセンサ板b580の間に導電体520が入ってきたときにその入ってきた位置を検出することが可能に構成されている。
【0046】
590はレベル測定部A530の測定レベルとレベル測定部B540の測定レベルとを加算する加算器である。
【0047】
以上の構成を備える第2の実施の形態例の検査対象の導電体位置の測定方法を説明する。第2の実施の形態例においても、センサ板と導電体との間が静電結合された状態であれば、センサ板での検出信号はセンサ板からの距離に反比例する信号が検出される。
【0048】
第2の実施の形態例では、センサ板間の距離dは、センサ板a570と導電体520のまでの距離とセンサ板b580と導電体520までの距離を合わせた(加えた)距離と考えることが妥当であり、このセンサ板間の距離dは(1/Va)+(1/Vb)に比例したものとなると考えられ、(1/Va)+(1/Vb)∝dが成り立つ。
【0049】
この(1/Va)+(1/Vb)の逆数1/{(1/Va)+(1/Vb)}は、dに相当する測定時点での測定電圧レベルと考えることができ、Va/〔1/{(1/Va)+(1/Vb)}〕を求めることはVaがdを元に正規化することに相当し、この逆数はセンサ板a570と導電体520までの距離に比例した値とすることができる。
【0050】
即ち、
となる。図2の加算器590と割算器560でこの式を実現しており、割算器560の出力Xはセンサ板a570より導電体520までの距離に比例した値となる。
【0051】
しかもこのXの値は、センサ板a570とセンサ板b580のそれぞれの検出信号レベルの相対的な値を基準としているため、例えば導電体52に誘導される検査信号値の変動などがあっても、その影響を相殺することができる。
【0052】
また、センサ側の各回路間の駆動条件などに変動があっても、やはりその影響を相殺することができ、信頼性の高い、センサ板と導電体520間の距離に対応した測定結果を得ることができる。
【0053】
従って、第1の実施の形態例と同様に、予め、導電体とセンサ板間の距離に対応した基準となる測定結果を得ておけば、測定時の検出したX値と基準となる測定結果を比較していけば、精度の高い検出結果が得られる。
【0054】
【実施例】
以下図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。以上の第1の実施の形態例及び第2の実施の形態例で説明したように、導電体に非接触で、しかも導電体への給電レベルの変動に影響されることなく、センサ板と導電体520までの距離を高い信頼性を持って測定することができる。
【0055】
導電体の一方側のみにしかセンサ板を配設できない場合であっても上述した第1の実施の形態例によれば、確実な位置検出ができる。また、導電体の両側にセンサ板を配置できる場合であれば第2の実施の形態例によれば高精度での位置検出が可能となる。導電体の互いに直交する両側面にそれぞれ図2に示すセンサ板を位置決めしてセンサ板よりの距離を測定することにより、導電体に2次元での位置測定が可能となる。更にこのセンサ板の構成に加え、導電体の縦方向端部に図1に示すセンサ板を配設することにより3次元での位置測定も可能となる。
【0056】
3次元位置測定を実現した本発明に係る一実施例を図3を参照して以下に説明する。図3は本発明に係る一実施例を説明するための図である。
【0057】
図3において、20a,20bはY方向位置を検出するためのY軸センサ板、30a,30bはX方向位置を検出するためのX軸センサ板、40a,40bはZ方向位置を検出するためのZ軸センサ板である。
【0058】
これらのセンサ板で囲まれた中に検査信号が供給された導電体が位置決めされてくると、導電体の3次元位置を測定することになる。
【0059】
111〜116はセンサ板(20a,20b,30a,30b,40a,40b)よりの検出信号を増幅する増幅器A〜F、121〜126はセンサ板(20a,20b,30a,30b,40a,40b)よりの検出信号のピーク値を検出するためのピーク検出回路A〜Fである。
【0060】
131はX軸センサ板30a,30bよりの検出ピーク信号を入力し、その検出値を(Vx1+Vx2)して加算するX軸加算回路、132はY軸センサ板20a,20bよりの検出ピーク信号を入力しその検出値を(Vy1+Vy2)して加算するY軸加算回路、133はZ軸センサ板40a,40bよりの検出ピーク信号を入力しその差分(Vz1−Vz2)を出力するZ軸減算回路である。
【0061】
141はX軸加算回路131の出力と、一方のX軸センサ板(例えば30b)よりの検出ピーク信号値を入力し、X軸加算回路131よりのX軸加算信号(Vx1+Vx2)を分母とし、一方のX軸センサ板(例えば30b)よりのピーク検出信号(Vx2)を分子とする{Vx2/(Vx1+Vx2)}を求めるX軸割算回路である。
【0062】
X軸割算回路141の出力は、X軸センサ板30a,30bの検出信号の相対変化を表しており、給電部より導電体に印加される(給電される)交流信号の強度変化の影響を相殺することができる。この結果、X軸割算回路141の出力はセンサ板で囲まれた位置検出領域中のX軸方向の位置に直接対応した信号レベルとなるため、X軸割算回路141の出力より各センサ板で囲まれた中に搬送されてくる導電体のX軸方向位置を非接触で検知できる。
【0063】
142はY軸加算回路132よりの出力と、一方のY軸センサ板(例えば20b)よりの検出ピーク信号値を入力し、Y軸加算回路132よりのY軸加算信号(Vy1+Vy2)を分母とし、一方のY軸センサ板(例えば20b)よりのピーク検出信号(Vy2)を分子とする{Vy2/(Vy1+Vy2)}を求めるY軸割算回路である。
【0064】
Y軸割算回路142の出力は、Y軸センサ板20a,20bの検出信号の相対変化を表しており、給電部より導電体に印加される(給電される)交流信号の強度変化の影響を相殺することができる。この結果、Y軸割算回路142の出力は、位置検出領域内のY軸方向の位置に直接対応した信号レベルとなるため、Y軸割算回路142の出力より位置検出領域内に装着される導電体のY軸方向位置を非接触で検知できる。
【0065】
X軸割算回路141の出力とY軸割算回路142の出力より位置検出領域内への導電体のX−Y方向の装着位置(二次元位置)を非接触で検知できる。
【0066】
更に、143はZ軸減算回路133よりのZ軸差分信号(Vz1−Vz2)を分母とし、Z軸センサ板40bよりの検出信号(Vz2)を分子とする{Vz2/(Vz1−Vz2)}を求めるZ軸割算回路である。
【0067】
Z軸割算回路143の出力は、Z軸センサ板40a,40bの検出信号の相対変化を表しており、給電部より導電体に印加される(給電される)信号の強度変化の影響を相殺することができる。この結果、Z軸割算回路143の出力は、導電体のそれぞれのZ軸センサ板40a,40bよりの距離に比例した信号レベルとなるため、Z軸割算回路143の出力より導電体が位置検出領域内にどれだけ入り込んだかを非接触で検知できる。
【0068】
以上の回路構成としたのは、X軸センサ板、Y軸センサ板では、X又はYをnとすると
が成り立ち、Z軸センサ板では
が成り立つからである。
【0069】
本実施例においては、Z軸センサ40bは、導電体からみてZ軸センサ40aの裏側に位置するが、Z軸センサ板40a,40bは共にハイインピーダンス状態に維持されているため、Z軸センサ40bにおける導電体よりの交流信号の検出値は多少Z軸センサ40aの影響を受けても、導電体よりの交流信号の影響がZ軸センサ板40aで遮断されてしまうことはなく、確実に一定レベルの値が検出できる。この結果、Z軸センサ40aとZ軸センサ40bの検出値の相対的な関係は導電体の位置検出領域内の位置のみで定まる。
【0070】
以上の構成におけるX,Y,Zの検査結果の例を図4に示す。図4は本実施例の検出結果例を説明するための図である。
【0071】
図4に示す測定例は、X−Yセンサ板を図3に示す様に箱形に位置決め配置し、Z軸センサを底面に配置した場合の測定結果である。図4に示す様に、センサ板で囲まれた中に導体が入り込んできた場合にその位置に固有の検出結果が得られる。
【0072】
このため、例えば、導体がセンサ板で囲まれた中のどの位置にあるかを導体に非接触で判定できる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、検査対象が導体である場合に、非接触で有りながら検査対象がどの位置にあるかを精度良く検出することのできる導体位置検査装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一発明の実施の形態例の導体位置検査装置の構成を説明するための図である。
【図2】本発明に係る第2の実施の形態例の導体位置検査装置の構成を説明するための図である。
【図3】本発明に係る一実施例を説明するための図である。
【図4】本実施例の検出結果例を説明するための図である。
【符号の説明】
20a,20b X軸センサ板
30a,30b Y軸センサ板
40a,40b Z軸センサ板
111〜116 増幅器A〜F
121〜126 ピーク検出回路A〜F
131 X軸加算回路
132 Y軸加算回路
133 Z軸差分回路
141 X軸割算回路
142 Y軸割算回路
143 Z軸割算回路
510 給電部
520 導電体
530 レベル測定部A
540 レベル測定部B
550 引算器
560 割算器
570 センサ板a
580 センサ板b
【産業上の利用分野】
本発明は、交流信号が印加された検査対象導体との距離を検出可能な導体位置検査装置及び導体位置検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年は量産製品の製造工程はほとんど自動制御化されてきており、製品の位置決め制御、あるいは位置決め結果の判定制御が製品の製造原価や製品の信頼性にも大きな影響を与えている。これは各種機器の移動部品の位置決め制御についても同様である。
【0003】
従来の位置決め制御、あるいは位置決め結果の判定制御の一例として、位置決め部位の近傍に対象部品等が接触したことを検知するセンサを備えることがもっとも一般的であった。これらの方法は、対象部品の強度が十分センサの接触に耐えられる強度を有している等のセンサの接触が問題のない場合に限定される。
【0004】
このため、検査対象の強度が十分でない場合や、センサの接触により製品の信頼性が損なわれるようなものでは接触センサの使用ができない。
【0005】
このような検査対象に対しては、検査対象に非接触で位置検出を行う必要がある。このため、例えば、検査対象に光を照射し、検査対象から反射してくる光を検出して検査対象の位置決めを判定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光学的なセンサでは検査対象まで光が到達する必要があった。このため、センサと検査対象の間に他の部材などが有った場合には正確な検出ができなかった。
【0007】
また、この点を解決するために検査対象に磁石を設け、この磁石よりの磁力線を検出して位置検出を行うものも有った。しかし、この方法ではどうしても十分な精度が確保できなかった。
【0008】
更に、いずれの場合であっても、位置検出ができるのは、特定の限られた位置への到達が検出できるのみであり、検査対象に非接触で所定の範囲内のどの位置に位置しているかは検出できなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたもので、検査対象が導体である場合に、非接触で有りながら検査対象がどの位置にあるかを精度良く検出することのできる導体位置検査装置を提供することを目的とする。
【0010】
係る目的を達成する一手段として例えば以下の構成を備える。
【0011】
即ち、交流信号が印加された検査対象導体との距離を検出可能な導体位置検査装置において、前記検査対象導体に交流検査信号を供給する供給手段と、前記検査対象導体近傍にほぼ並行して設けられた少なくとも2枚のセンサ板と、前記それぞれのセンサ板よりの相対的な検出信号値比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
そして例えば、前記センサ板は、共に前記検査対象導体と静電結合状態で前記検査導体一方面に所定距離離間して平行に位置決めされ、前記検出手段は、前記センサ板よりの検出信号値の差分といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出することを特徴とする。
【0013】
また例えば、前記センサ板は、前記検査対象導体を挟み、センサ板間に位置する前記検査対象導体と静電結合状態となるよう位置決めされ、前記検出手段は、前記センサ板よりの検出信号値の加算値といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出することを特徴とする。
【0014】
また、交流信号が印加された検査対象導体との距離を検出可能な導体位置検査装置における導体位置検査であって、前記検査対象導体近傍にほぼ並行して少なくとも2枚のセンサ板を設け、前記それぞれのセンサ板よりの相対的な検出信号値比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出する導体位置検査方法とすることを特徴とする。
【0015】
そして例えば、前記センサ板は前記検査対象導体と静電結合状態で2枚ほぼ平行に所定距離離間して位置決めされ、前記センサ板よりの検出信号値の差分といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体位置検査方法とすることを特徴とする。
【0016】
また例えば、前記センサ板は、前記検査対象導体を挟み、センサ板間に位置する前記検査対象導体と静電結合状態となるよう位置決めされ、前記センサ板よりの検出信号値の加算値といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出する導体位置検査方法とすることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る一実施の形態例を詳細に説明する。
【0018】
本実施の形態例の導体位置検査装置は、検査信号(例えば交流信号)が供給された検査対象と静電結合させることができる、少なくとも2枚の導電体で形成したセンサ板を備え、該センサ板で検出する検査対象よりの検出検査信号の比率を求め、求めた比率から検査対象の位置を判別している。
【0019】
〔第1の実施の形態例〕
まず図1を参照して本発明に係る一発明の実施の形態例を詳細に説明する。図1は本発明に係る一発明の実施の形態例の導体位置検査装置の構成を説明するための図である。
【0020】
図1において、510は検査対象の導電体に供給する検査信号を供給する給電部であり、例えば1KHz以上で20Vp−pの交流信号を発信して導電体520に供給する。なお、以下の説明では検査信号として上記仕様の交流信号を対象とするが、本実施の形態例は以上の例に限定されるものではなく任意の信号を用いることができる。
【0021】
520は検査対象の少なくとも一部は導電材料で構成されている導電体であり、基板上に配設された導電性パターンなどのほか、線材、金属片など、任意の導体が対象となる。530はセンサ板a570よりの検出信号レベルを測定するレベル測定部A、540はセンサ板b580よりの検出信号レベルを測定するレベル測定部Bである。
【0022】
レベル測定部A530、レベル測定部B540は、例えば一定時間内のピークを検出して測定レベルとしてもよく、同じタイミング時の両センサ板a570、センサ板b580の検出レベルを測定レベルとしても良い。
【0023】
550はレベル測定部A530の測定レベルとレベル測定部B540の測定レベルとの差分(減算結果)を求める引算器、560はレベル測定部B540よりの測定値を引算器550の引算結果で割り算する割算器である。
【0024】
また、570は導電材料で形成されたセンサ板a、580は導電材料で形成されたセンサ板bである。センサ板a570とセンサ板b580とは互いにほぼ並行状態に位置決め維持されている。
【0025】
以上の構成を備える本実施の形態例の検査対象の導電体位置の測定方法を説明する。
【0026】
センサ板と導電体との間が静電結合された状態であれば、センサ板での検出信号はセンサ板からの距離に反比例する信号が検出される。しかしながら、実際の装置に応用しようとしても、ノイズの影響などが無視できず、また、導電体に供給される信号の強度を正確に把握することは非常に困難であり、検出状態によっても測定結果が大きな影響を受ける。この結果、今まではこの静電容量を利用した距離測定はほとんど行われていなかった。
【0027】
本願発明者は、以上の点に鑑みて、導電体への給電条件の影響を軽減すると共に、センサ板における検出状態の影響も併せて軽減し、検査条件によらず安定した位置検出が可能な導電体位置の測定装置を提供するため、図1に示す構成を発明したのである。
【0028】
即ち、レベル測定部A530の測定結果をVa、レベル測定部B540の測定結果をVbとすると、(1/Va)はセンサ板a570と導電体520との距離に比例する量となり、(1/Vb)はセンサ板b580と導電体520との距離に比例した量となる。
【0029】
即ち、導電体に遠い方のセンサ板b580から導電体520までの距離から近い方のセンサ板a570から導電体520間での距離を減ずると、センサ板a570とセンサ板b580間での距離dとなるから、このセンサ板間の距離dは(1/Vb)−(1/Va)に比例したものとなると考えられ、(1/Vb)−(1/Va)∝dが成り立つ。
【0030】
この(1/Vb)−(1/Va)の逆数1/{(1/Vb)−(1/Va)}は、dに相当する測定時点での測定電圧レベルと考えることができ、Va/〔1/{(1/Vb)−(1/Va)}〕を求めることはVaがdを元に正規化することに相当し、この逆数は導電体520までの距離に比例した値とすることができる。
【0031】
即ち、1/〈Va/〔1/{(1/Vb)−(1/Va)}〕〉は導電体520までの距離に比例した値となり、式を整理すると、
となる。図1の引算器550と割算器560でこの式を実現しており、割算器560の出力Xはセンサ板a570より導電体520までの距離に比例した値となる。
【0032】
しかもこのXの値は、センサ板a570とセンサ板b580のそれぞれの検出信号レベルの相対的な値を基準としているため、例えば導電体52に誘導される検査信号値の変動などがあっても、その影響を相殺することができる。
【0033】
また、センサ側の各回路間の駆動条件などに変動があっても、やはりその影響を相殺することができ、信頼性の高い、センサ板と導電体520間の距離に対応した測定結果を得ることができる。
【0034】
従って、予め、導電体とセンサ板間の距離に対応した基準となる測定結果を得ておけば、測定時の検出したX値と基準となる測定結果を比較していけば、精度の高い検出結果が得られる。
【0035】
なお、以上の説明において、センサ板b580と導電体520との間にはセンサ板a570が位置しているが、レベル測定部A530に接続されているセンサ板a570はハイインピーダンス状態であり、センサ板b580での検出信号レベルがセンサ板a570の影響で減少することはあっても、その割合に変化はなく、図1の構成とすればその影響を相殺でき、測定結果に誤差が生じることもない。
【0036】
即ち、図1の測定装置によれば、センサ板と導電体520の間に導電材料や誘電材料、絶縁材等の種々のものが介在していたとしても、これらのものが接地に対し低インピーダンスのシールド状態に無い限り、センサ板と導電体520間の距離に対応した測定結果Xを得ることができ、他方面の機器に適用できる。
【0037】
更に、導電体に給電される検査信号レベルが変動しても、検出結果の割合比に変化が無いため、給電方法に制約が無い。給電方法の中では、例えば導電体520に直接給電部を接続して検査信号を給電することがもっとも変動無く安定した検査信号となる。
【0038】
他に、非接触で、例えば電磁誘導により検査信号を給電しても良い。電磁誘導で検査信号を給電した場合には、給電結果が一定ではなく、導電体に給電される検査信号量は大きく変動することもある。しかし、このような場合であっても検査結果に大きな変動はない。
【0039】
同様に、導電体と接続された他方端部と給電部とを静電結合状態として給電することもできる。例えば、導電体が基板上に配設された導電パターンである場合には他方端部と静電結合で検査信号を給電したり、あるいは、端部を誘導子構成として電磁誘導により検査信号を給電しても良い。
【0040】
以上の構成による位置検出方法によれば、どのような給電方法であっても、また例え給電効率に変動があっても、あるいは雑音成分が重畳していても、それらの影響を受けない測定結果が得られる。
【0041】
〔第2の実施の形態例〕
以上の説明は、検査対象である導電体520の一方側面近傍に2枚のセンサ板をほぼ並行状態に位置決めして配置し、センサ板と導電体520との距離を測定する例を説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、導電体520を挟んで導電体の両側面にセンサ板を配設しても、第1の実施の形態例と同様に導電体の位置を測定することができる。
【0042】
、導電体520を挟んで導電体の両側面にセンサ板を配設した本発明に係る第2の実施の形態例を図2を参照して以下に説明する。図1は本発明に係る第2の実施の形態例の導体位置検査装置の構成を説明するための図である。図2おいて、上述した図1に示す構成と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。
【0043】
図2において、510は給電部であり、例えば1KHz以上で20Vp−pの交流信号を発信して導電体520に供給する。520は検査対象の導電体、530はセンサ板a570よりの検出信号レベルを測定するレベル測定部A、540はセンサ板b580よりの検出信号レベルを測定するレベル測定部Bである。
【0044】
560はレベル測定部B540よりの測定値を引算器590の加算結果で割り算する割算器、570は導電材料で形成されたセンサ板a、580は導電材料で形成されたセンサ板bである。
【0045】
第2の実施の形態例では、検査対象の導電体520は、互いに対向して配設されている2枚のセンサ板a570とセンサ板b580との間に挟まれた状態で位置決めされる。即ち、センサ板a570とセンサ板b580の間に導電体520が入ってきたときにその入ってきた位置を検出することが可能に構成されている。
【0046】
590はレベル測定部A530の測定レベルとレベル測定部B540の測定レベルとを加算する加算器である。
【0047】
以上の構成を備える第2の実施の形態例の検査対象の導電体位置の測定方法を説明する。第2の実施の形態例においても、センサ板と導電体との間が静電結合された状態であれば、センサ板での検出信号はセンサ板からの距離に反比例する信号が検出される。
【0048】
第2の実施の形態例では、センサ板間の距離dは、センサ板a570と導電体520のまでの距離とセンサ板b580と導電体520までの距離を合わせた(加えた)距離と考えることが妥当であり、このセンサ板間の距離dは(1/Va)+(1/Vb)に比例したものとなると考えられ、(1/Va)+(1/Vb)∝dが成り立つ。
【0049】
この(1/Va)+(1/Vb)の逆数1/{(1/Va)+(1/Vb)}は、dに相当する測定時点での測定電圧レベルと考えることができ、Va/〔1/{(1/Va)+(1/Vb)}〕を求めることはVaがdを元に正規化することに相当し、この逆数はセンサ板a570と導電体520までの距離に比例した値とすることができる。
【0050】
即ち、
となる。図2の加算器590と割算器560でこの式を実現しており、割算器560の出力Xはセンサ板a570より導電体520までの距離に比例した値となる。
【0051】
しかもこのXの値は、センサ板a570とセンサ板b580のそれぞれの検出信号レベルの相対的な値を基準としているため、例えば導電体52に誘導される検査信号値の変動などがあっても、その影響を相殺することができる。
【0052】
また、センサ側の各回路間の駆動条件などに変動があっても、やはりその影響を相殺することができ、信頼性の高い、センサ板と導電体520間の距離に対応した測定結果を得ることができる。
【0053】
従って、第1の実施の形態例と同様に、予め、導電体とセンサ板間の距離に対応した基準となる測定結果を得ておけば、測定時の検出したX値と基準となる測定結果を比較していけば、精度の高い検出結果が得られる。
【0054】
【実施例】
以下図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。以上の第1の実施の形態例及び第2の実施の形態例で説明したように、導電体に非接触で、しかも導電体への給電レベルの変動に影響されることなく、センサ板と導電体520までの距離を高い信頼性を持って測定することができる。
【0055】
導電体の一方側のみにしかセンサ板を配設できない場合であっても上述した第1の実施の形態例によれば、確実な位置検出ができる。また、導電体の両側にセンサ板を配置できる場合であれば第2の実施の形態例によれば高精度での位置検出が可能となる。導電体の互いに直交する両側面にそれぞれ図2に示すセンサ板を位置決めしてセンサ板よりの距離を測定することにより、導電体に2次元での位置測定が可能となる。更にこのセンサ板の構成に加え、導電体の縦方向端部に図1に示すセンサ板を配設することにより3次元での位置測定も可能となる。
【0056】
3次元位置測定を実現した本発明に係る一実施例を図3を参照して以下に説明する。図3は本発明に係る一実施例を説明するための図である。
【0057】
図3において、20a,20bはY方向位置を検出するためのY軸センサ板、30a,30bはX方向位置を検出するためのX軸センサ板、40a,40bはZ方向位置を検出するためのZ軸センサ板である。
【0058】
これらのセンサ板で囲まれた中に検査信号が供給された導電体が位置決めされてくると、導電体の3次元位置を測定することになる。
【0059】
111〜116はセンサ板(20a,20b,30a,30b,40a,40b)よりの検出信号を増幅する増幅器A〜F、121〜126はセンサ板(20a,20b,30a,30b,40a,40b)よりの検出信号のピーク値を検出するためのピーク検出回路A〜Fである。
【0060】
131はX軸センサ板30a,30bよりの検出ピーク信号を入力し、その検出値を(Vx1+Vx2)して加算するX軸加算回路、132はY軸センサ板20a,20bよりの検出ピーク信号を入力しその検出値を(Vy1+Vy2)して加算するY軸加算回路、133はZ軸センサ板40a,40bよりの検出ピーク信号を入力しその差分(Vz1−Vz2)を出力するZ軸減算回路である。
【0061】
141はX軸加算回路131の出力と、一方のX軸センサ板(例えば30b)よりの検出ピーク信号値を入力し、X軸加算回路131よりのX軸加算信号(Vx1+Vx2)を分母とし、一方のX軸センサ板(例えば30b)よりのピーク検出信号(Vx2)を分子とする{Vx2/(Vx1+Vx2)}を求めるX軸割算回路である。
【0062】
X軸割算回路141の出力は、X軸センサ板30a,30bの検出信号の相対変化を表しており、給電部より導電体に印加される(給電される)交流信号の強度変化の影響を相殺することができる。この結果、X軸割算回路141の出力はセンサ板で囲まれた位置検出領域中のX軸方向の位置に直接対応した信号レベルとなるため、X軸割算回路141の出力より各センサ板で囲まれた中に搬送されてくる導電体のX軸方向位置を非接触で検知できる。
【0063】
142はY軸加算回路132よりの出力と、一方のY軸センサ板(例えば20b)よりの検出ピーク信号値を入力し、Y軸加算回路132よりのY軸加算信号(Vy1+Vy2)を分母とし、一方のY軸センサ板(例えば20b)よりのピーク検出信号(Vy2)を分子とする{Vy2/(Vy1+Vy2)}を求めるY軸割算回路である。
【0064】
Y軸割算回路142の出力は、Y軸センサ板20a,20bの検出信号の相対変化を表しており、給電部より導電体に印加される(給電される)交流信号の強度変化の影響を相殺することができる。この結果、Y軸割算回路142の出力は、位置検出領域内のY軸方向の位置に直接対応した信号レベルとなるため、Y軸割算回路142の出力より位置検出領域内に装着される導電体のY軸方向位置を非接触で検知できる。
【0065】
X軸割算回路141の出力とY軸割算回路142の出力より位置検出領域内への導電体のX−Y方向の装着位置(二次元位置)を非接触で検知できる。
【0066】
更に、143はZ軸減算回路133よりのZ軸差分信号(Vz1−Vz2)を分母とし、Z軸センサ板40bよりの検出信号(Vz2)を分子とする{Vz2/(Vz1−Vz2)}を求めるZ軸割算回路である。
【0067】
Z軸割算回路143の出力は、Z軸センサ板40a,40bの検出信号の相対変化を表しており、給電部より導電体に印加される(給電される)信号の強度変化の影響を相殺することができる。この結果、Z軸割算回路143の出力は、導電体のそれぞれのZ軸センサ板40a,40bよりの距離に比例した信号レベルとなるため、Z軸割算回路143の出力より導電体が位置検出領域内にどれだけ入り込んだかを非接触で検知できる。
【0068】
以上の回路構成としたのは、X軸センサ板、Y軸センサ板では、X又はYをnとすると
が成り立ち、Z軸センサ板では
が成り立つからである。
【0069】
本実施例においては、Z軸センサ40bは、導電体からみてZ軸センサ40aの裏側に位置するが、Z軸センサ板40a,40bは共にハイインピーダンス状態に維持されているため、Z軸センサ40bにおける導電体よりの交流信号の検出値は多少Z軸センサ40aの影響を受けても、導電体よりの交流信号の影響がZ軸センサ板40aで遮断されてしまうことはなく、確実に一定レベルの値が検出できる。この結果、Z軸センサ40aとZ軸センサ40bの検出値の相対的な関係は導電体の位置検出領域内の位置のみで定まる。
【0070】
以上の構成におけるX,Y,Zの検査結果の例を図4に示す。図4は本実施例の検出結果例を説明するための図である。
【0071】
図4に示す測定例は、X−Yセンサ板を図3に示す様に箱形に位置決め配置し、Z軸センサを底面に配置した場合の測定結果である。図4に示す様に、センサ板で囲まれた中に導体が入り込んできた場合にその位置に固有の検出結果が得られる。
【0072】
このため、例えば、導体がセンサ板で囲まれた中のどの位置にあるかを導体に非接触で判定できる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、検査対象が導体である場合に、非接触で有りながら検査対象がどの位置にあるかを精度良く検出することのできる導体位置検査装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一発明の実施の形態例の導体位置検査装置の構成を説明するための図である。
【図2】本発明に係る第2の実施の形態例の導体位置検査装置の構成を説明するための図である。
【図3】本発明に係る一実施例を説明するための図である。
【図4】本実施例の検出結果例を説明するための図である。
【符号の説明】
20a,20b X軸センサ板
30a,30b Y軸センサ板
40a,40b Z軸センサ板
111〜116 増幅器A〜F
121〜126 ピーク検出回路A〜F
131 X軸加算回路
132 Y軸加算回路
133 Z軸差分回路
141 X軸割算回路
142 Y軸割算回路
143 Z軸割算回路
510 給電部
520 導電体
530 レベル測定部A
540 レベル測定部B
550 引算器
560 割算器
570 センサ板a
580 センサ板b
Claims (6)
- 交流信号が印加された検査対象導体との距離を検出可能な導体位置検査装置において、
前記検査対象導体に交流検査信号を供給する供給手段と、
前記検査対象導体近傍にほぼ並行して設けられた少なくとも2枚のセンサ板と、
前記それぞれのセンサ板よりの相対的な検出信号値比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出する検出手段とを備えることを特徴とする導体位置検査装置。 - 前記センサ板は、共に前記検査対象導体と静電結合状態で前記検査導体一方面に所定距離離間して平行に位置決めされ、
前記検出手段は、前記センサ板よりの検出信号値の差分といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出することを特徴とする請求項1記載の導体位置検査装置。 - 前記センサ板は、前記検査対象導体を挟み、センサ板間に位置する前記検査対象導体と静電結合状態となるよう位置決めされ、
前記検出手段は、前記センサ板よりの検出信号値の加算値といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出することを特徴とする請求項1記載の導体位置検査装置。 - 交流信号が印加された検査対象導体との距離を検出可能な導体位置検査装置における導体位置検査であって、
前記センサ板を共に前記検査対象導体と静電結合状態で前記検査導体一方面に所定距離離間して平行に位置決めし、前記それぞれのセンサ板よりの相対的な検出信号値比率を検出して前記センサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出することを特徴とする導体位置検査方法。 - 前記センサ板は前記検査対象導体と静電結合状態で2枚ほぼ平行に所定距離離間して位置決めされ、前記センサ板よりの検出信号値の差分といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出することを特徴とする請求項4記載の導体位置検査方法。
- 前記センサ板は、前記検査対象導体を挟み、センサ板間に位置する前記検査対象導体と静電結合状態となるよう位置決めされ、前記センサ板よりの検出信号値の加算値といずれかのセンサ板よりの検出信号値との比率を検出してセンサ板に対する前記検査対象導体の位置を検出することを特徴とする請求項4記載の導体位置検査方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003102228A JP2004264273A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 導体位置検査装置及び導体位置検査方法 |
US10/547,084 US20070073512A1 (en) | 2003-02-28 | 2004-02-27 | Conductior position inspection apparatus and conductor position inspection method |
KR1020057015907A KR20050104405A (ko) | 2003-02-28 | 2004-02-27 | 도체 위치 검사 장치 및 도체 위치 검사 방법 |
CNA2004800044269A CN1751220A (zh) | 2003-02-28 | 2004-02-27 | 导体位置检查装置及导体位置检查方法 |
PCT/JP2004/002349 WO2004076967A1 (ja) | 2003-02-28 | 2004-02-27 | 導体位置検査装置及び導体位置検査方法 |
TW093105086A TWI243521B (en) | 2003-02-28 | 2004-02-27 | Inspecting apparatus of conductor position and inspecting method of conductor position |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003102228A JP2004264273A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 導体位置検査装置及び導体位置検査方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004264273A true JP2004264273A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=32923697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003102228A Withdrawn JP2004264273A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 導体位置検査装置及び導体位置検査方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20070073512A1 (ja) |
JP (1) | JP2004264273A (ja) |
KR (1) | KR20050104405A (ja) |
CN (1) | CN1751220A (ja) |
TW (1) | TWI243521B (ja) |
WO (1) | WO2004076967A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005011070A1 (ja) * | 2003-07-25 | 2005-02-03 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | 端子の挿入量検査装置 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4121420B2 (ja) * | 2003-06-02 | 2008-07-23 | 住友電装株式会社 | ハーネスチェッカー及びハーネスチェック方法 |
US10408875B2 (en) | 2016-06-15 | 2019-09-10 | Advanced Semiconductor Engineering, Inc. | Testing system, method for testing an integrated circuit and a circuit board including the same |
TWI650568B (zh) * | 2017-11-03 | 2019-02-11 | 日月光半導體製造股份有限公司 | 用於測試積體電路及包括該積體電路之電路板之測試系統、方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5636002A (en) * | 1979-08-31 | 1981-04-09 | Hiromi Ogasawara | Fine displacement detector |
JPS5821104A (ja) * | 1981-07-30 | 1983-02-07 | Fuji Electric Co Ltd | 変位測定装置 |
GB2249981B (en) * | 1990-10-08 | 1994-05-18 | Sg Kabushiki Kaisha | Method for checking a spot welded portion and spot welding machine |
JP3098635B2 (ja) * | 1992-09-30 | 2000-10-16 | 新光電気工業株式会社 | 形状検査方法と形状検査装置 |
JP2001108402A (ja) * | 1999-10-06 | 2001-04-20 | Murata Mfg Co Ltd | 位置検出装置 |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003102228A patent/JP2004264273A/ja not_active Withdrawn
-
2004
- 2004-02-27 TW TW093105086A patent/TWI243521B/zh active
- 2004-02-27 CN CNA2004800044269A patent/CN1751220A/zh active Pending
- 2004-02-27 US US10/547,084 patent/US20070073512A1/en not_active Abandoned
- 2004-02-27 KR KR1020057015907A patent/KR20050104405A/ko not_active Application Discontinuation
- 2004-02-27 WO PCT/JP2004/002349 patent/WO2004076967A1/ja active Application Filing
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005011070A1 (ja) * | 2003-07-25 | 2005-02-03 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | 端子の挿入量検査装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20070073512A1 (en) | 2007-03-29 |
WO2004076967A1 (ja) | 2004-09-10 |
CN1751220A (zh) | 2006-03-22 |
TW200427158A (en) | 2004-12-01 |
TWI243521B (en) | 2005-11-11 |
KR20050104405A (ko) | 2005-11-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5378994A (en) | Non-contact capacitance based image sensing method and system | |
JP2940815B2 (ja) | 導体回路基板の検査方法およびその検査装置 | |
US9784596B2 (en) | Method, sensor, and printed circuit board for sensing position or motion of a shaft | |
US9410999B2 (en) | Contactless capacitive distance sensor | |
EP2975417B1 (en) | Measurement device and mounting unit | |
US20200278190A1 (en) | Method for Increasing the Position Measurement Accuracy using Inductive Position Sensor | |
ATE38284T1 (de) | Vorrichtung und verfahren zum dynamischen kontaktlosen messen kleiner abstaende. | |
JP2018200196A (ja) | 隙間センサおよび隙間測定方法 | |
JP4394980B2 (ja) | 基板検査装置及び基板検査方法 | |
US7275015B2 (en) | Method and device for determining motion parameters of a conductive, profiled surface | |
JP5533169B2 (ja) | 検査装置 | |
JP2004264273A (ja) | 導体位置検査装置及び導体位置検査方法 | |
JP2004264272A (ja) | 導電体検査装置及び導電体検査方法 | |
CN103217611B (zh) | 绝缘检查装置及绝缘检查方法 | |
US6236198B1 (en) | Method and device for non-contact measurement of electrically conductive material | |
KR101264765B1 (ko) | 도전 패턴 검사 장치 | |
JP2006064551A (ja) | 検査装置及び検査方法並びに検査装置用センサ | |
CN100449253C (zh) | 厚度和电导率的电磁测量方法与装置 | |
EP0876581B1 (en) | Inductive device for determining measures and positions of measuring objects of electrically conductive material | |
JP4410033B2 (ja) | 静電容量測定方法、回路基板検査方法、静電容量測定装置および回路基板検査装置 | |
JPS63169513A (ja) | 塗膜厚測定装置 | |
JPH02176515A (ja) | 塗装膜厚測定装置 | |
JPH02276906A (ja) | 反り検査装置 | |
JPH08261733A (ja) | 電子部品の検査方法 | |
JP2009222493A (ja) | 処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060222 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20081002 |