JP2004264222A - 回転角度センサ用磁気マーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】円盤型磁気マーカ(70)や半月型磁気マーカ(20)の形状を各種変形することにより、例えば、±60°の広い角度範囲にわたって高精度な直線性を得られる回転角度センサを提供する。
【解決手段】軸(O)及びその軸(O)との回動を自在にする枢支部と、前記軸(O)に付設して一体をなす磁気マーカ(10)と、前記枢支部に配設され前記磁気マーカ(10)との角度に応じた電気信号を生成する感磁素子(1)と、を備えた回転角度センサにおいて、軸断面形状が紡錘型の磁性部材であり、前記軸(O)から直角方向に張り出した突端部(11),(12)に磁極(N),(S)を設けたことを特徴とする回転角度センサ用磁気マーカである。
【選択図】 図1
【解決手段】軸(O)及びその軸(O)との回動を自在にする枢支部と、前記軸(O)に付設して一体をなす磁気マーカ(10)と、前記枢支部に配設され前記磁気マーカ(10)との角度に応じた電気信号を生成する感磁素子(1)と、を備えた回転角度センサにおいて、軸断面形状が紡錘型の磁性部材であり、前記軸(O)から直角方向に張り出した突端部(11),(12)に磁極(N),(S)を設けたことを特徴とする回転角度センサ用磁気マーカである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータとステータに配設された磁気マーカと感磁素子との組み合わせにより角度の変化を検出するように構成された回転角度センサにおける磁気マーカの形状に関する。具体的には、精度の要求されるクレーンのアームを動かすレバーの回転角度を磁気的に非接触で検知して電気信号に変換する用途に好適である。
【0002】
【従来の技術】
この種の技術として特許文献1がある。この従来例には、十分な検出角度範囲において、回転角度と磁束密度の測定値との直線性(リニアリティ)を良好に保ち、回転角度の計測精度を向上させるものである。すなわち、回転軸と同心円上にスリーブが固定され、回転軸はスリーブ内を貫通し、スリーブには、磁束密度を測定する一対のホール素子が取り付けられている。スリーブの周囲には磁石及び磁性部材から作られた磁気回路が設けられ、磁気回路は回転軸に固定され、回転軸が回転すると回転する。ホール素子はこのときの磁束密度の変化を測定し出力する。磁性部材の間に設けられた隙間により、隙間近辺の磁束密度が低下させることにより、回転角度と磁束密度の測定値の直線性を向上可能にした回転角度センサに関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−122810号公報
【0004】
図7に沿って他の従来例を説明する。図7は従来の円盤型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図である。円盤型磁気マーカ70は、原点Oを中心とする被測定軸(以下、「軸O」ともいう)に付加して一体となり回転動作するように配設されている。
【0005】
ここでは、円盤型磁気マーカ70とホールIC1との相対的な位置関係を角度で特定できれば説明できるので、図7においては、説明の便宜上、円盤型磁気マーカ70を図面上で静止させ、軸Oを中心として枢支部7(軌跡と共通の符号)が回動自在であり、枢支部7に配設されたホールIC1が、原点Oを中心とするX−Y座標で軌跡7(枢支部と共通の符号)に沿って衛星動作するアウターロータ形態で説明している。このことは、後述説明に用いる図1〜2も同様である。
【0006】
円盤型磁気マーカ70は、直径の両端部を形成する外周上の点71と点72が概ねN極とS極を形成しているが、棒磁石のようにN−Sの磁極がそれぞれの極点に集中しているわけではない。このように磁性部材が円盤型の場合、その直径が2〜3mmと微小であるため、着磁形態が精密でなく、しかも尖っていない場所に磁極を形成するので、点71,72はピンポイントの磁極にならず、点71,72を中心とした近辺に、円盤型磁気マーカ70の上半分がN極、下半分がS極に分かれる程度に、大まかな磁極を形成している。
【0007】
従って、磁力線74〜79がY軸を中心とする45°〜135°の範囲内で、点71,72の近辺からまばらに発生している。そして、X軸上が無磁界部のため、X軸を中心とする±45°と135°〜225°(以下、90°〜270°の範囲内における説明は省略する)の範囲内で、磁力線74〜79(以下、磁力線77〜79に関する説明も省略する)は、円盤型磁気マーカ70に出入することなく、原点Oを中心とする同心円を描いて円盤型磁気マーカ70の周回軌道上を周回している。
【0008】
なお、磁力線74〜79は説明の便宜上、模式的に図解したに過ぎず、鉄粉又は磁針を用いての厳密な検証に基づくものではない。このことは、後述説明に用いる図1〜2においても同様である。
【0009】
ホールIC1はその性質上、図7における±45°の範囲外、すなわち磁束密度の急増する磁極の点71,72近辺では、出力が激変するのでON−OFF動作には適するが、角度変化に対する出力の直線性は期待できない。従って、原点Oを中心とする同心円を描いた磁力線74〜76が、円盤型磁気マーカ70の周回軌道上を安定して周回している±45°の範囲で、回転角度センサを機能させるように用いている。
【0010】
一般的に、ホールIC(素子)が磁気マーカの無磁界部を基準点とし、その前後の所定ストローク範囲に限れば、二者の相対位置変化に対する出力の直線性が得られる現象は周知である。
【0011】
図8は、円盤型磁気マーカを備えた回転角度センサにおける±45°範囲の直線性(%Vin)グラフであり、横軸に回転角度、縦軸に直線性(%Vin)をプロットしている。図8からも読み取れるようにが1%Vinを超えることがあり、実用的な直線性は期待できない。
【0012】
そのため、±45°の範囲外でも直線性を維持できるようにホール素子を増やした従来例もあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、磁束密度を検出するために2個で一対のホール素子等を必要とする従来例ではコストアップするという欠点があった。
そこで、本発明は、ホール素子等の感磁素子を1個で済ませて、なお広範囲な回転角度、特に±50°を超える角度に対しても安定かつ直線性の良い回転角度センサを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、円盤型磁気マーカ70の形状を各種変形し、より広い角度範囲にわたって実用的かつ高精度な直線性を得られるようにした。すなわち、請求項1に係る発明は、軸(O)及びその軸(O)との回動を自在にする枢支部(7)と、前記軸(O)に付設して一体をなす磁気マーカ(10)と、前記枢支部(7)に配設され前記磁気マーカ(10)との角度に応じた電気信号を生成する感磁素子(1)と、を備えた回転角度センサにおいて、軸断面形状が紡錘型の磁性部材であり、前記軸(O)から直角方向に張り出した突端部(11),(12)に磁極(N),(S)を設けたことを特徴とする回転角度センサ用磁気マーカである。
【0015】
このようにしたことにより、紡錘型磁気マーカ(10)の突端部(11),(12)に磁極(N),(S)を集結し、紡錘型磁気マーカ(10)における磁極(N),(S)以外の外周を形成する大直径の円弧(13),(14)の外側を取り巻く磁力線(31),(32),(33)を、±60°の広角度にわたって安定させるので、直線性を保証する角度範囲を±60°にまで拡大できる。
【0016】
又、請求項2に係る発明は、前記磁性部材は半月型の中間素材(2)を組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1に記載の回転角度センサ用磁気マーカである。
【0017】
又、請求項3に係る発明は、前記中間素材(2)は鋭角(3)及びその補角をなす鈍角(4)からなる複数の扇形の磁性部材を組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転角度センサ用磁気マーカである。
【0018】
又、請求項4に係る発明は、複数の前記中間素材(2)の弧状部(5)を外向きに対称とし前記鋭角(3)と鈍角(4)を斜向かいに並べて積層することにより前記紡錘型を構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の回転角度センサ用磁気マーカである。
【0019】
請求項2〜4の発明のように、既存の切削加工機械を用いて素材から切り出すことにより、前記紡錘型磁気マーカ(10)の製品寸法が2〜3mm程度の微細な磁性部材を焼成する以前の段階としては、必要十分な紡錘型に形成することができる。従って、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【0020】
又、請求項5に係る発明は、前記紡錘型の磁性部材の中心に前記軸(19)と嵌着するための軸孔(17)を穿設したことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の回転角度センサ用磁気マーカである。このように軸孔(17)を設けた磁気マーカ(16)の場合、被測定軸(18)の軸芯と磁気マーカ(16)の軸芯を精密に揃えられて狂わないので、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明による一実施例について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態を示す紡錘型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図であり、紡錘型磁気マーカ(以下、「磁気マーカ」ともいう)10は、その突端11,12の間隔よりも大きな直径(半径)を有する円弧13,14により左右対称の形状に構成された紡錘型の永久磁石である。
【0022】
すなわち、軸断面形状を紡錘型にした磁性部材による永久磁石から磁気マーカ10は構成され、軸Oから直角方向に張り出した突端部11,12に磁極N,Sを設けている。
【0023】
磁気マーカ10は、軸O(原点と共通の符号)に付設され一体的に回転動作する。そして、図7により前述したように、説明の便宜上、磁気マーカ10を図面上で静止させ、軸Oを中心として枢支部7(軌跡と共通の符号)が回動自在であり、枢支部7に配設されたホールIC1が、原点Oを中心とするX−Y座標で軌跡7(枢支部と共通の符号)に沿って衛星動作するアウターロータ形態で説明している。
【0024】
周知の感磁素子であるホールIC1は枢支部7に配設され、磁気マーカ10との角度に応じた電気信号を生成する。磁気マーカ10が発生する磁場のN〜S勾配に基づき、磁気マーカ10とホールIC1との二者の相対位置に応じて比例する直線的な電気信号を、ホールIC1が出力することにより回転角度センサを構成している。
【0025】
紡錘型磁気マーカ10の場合は、円盤型磁気マーカ70(図7)とは異なり、突端部11,12に磁極N,Sを集結させられるので、紡錘型磁気マーカ10における磁極N,Sである突端部11,12以外の外周を形成する大直径の円弧13,14の外側を取り巻く磁力線31,32,33を、±60°の広角度にわたって安定させる。このことは、磁力線31,32,33が磁極N,Sである突端部11,12に出入する以外は、原点Oを中心とする同心円状に形成されていることで説明される。
【0026】
一般的に、磁気マーカの両磁極付近では極端に磁場が強くなり、ホールIC(素子)との組み合わせにより、変化位置に関する比例検出は困難になる代わりに、二者択一的な識別機能が強調されるので、スイッチ動作する位置センサとして有効な領域である。
【0027】
このような理由で、磁極N,Sである突端部11,12であるY軸に近づくような超広角度にわたる角度の比例検出はできず、逆に磁気マーカの無磁界部であるX軸を基準点として、その前後の所定範囲内に限れば、ホールICと磁気マーカとの相対位置変化に対する出力の直線性が得られることは周知である。
【0028】
ここで、ホールIC1が、軌跡7に沿って±60°の範囲で角度変化した場合、+60°で強いN極の磁場を検出し、±0°で無磁界、−60°で強いS極の磁場を検出する。この時、磁気マーカ10が発生する磁場のN〜S勾配は角度変化に比例して直線的である。
従って、角度範囲±60°にまで拡大された範囲にわたり回転角度センサの直線性を保証できる。
【0029】
紡錘型磁気マーカ10は、従来例として図7に示した円盤型磁気マーカ70に比べ、細長いので棒磁石に近い着磁形態となり、その突端11,12には、より極点に集中した磁極が形成されている。従って、磁力線31〜33は円弧13,14のうち突端11,12により近い表面から発生する。
【0030】
これにより、図1からも読み取れるように、X軸を中心とする±60°の範囲内で、磁力線31〜33は、紡錘型磁気マーカ10に出入することなく、原点Oを中心とする同心円を描くように安定して紡錘型磁気マーカ10の周回軌道上を取り巻いている。
【0031】
ホールIC1はその性質上、図1における±60°の範囲外、すなわち磁束密度の急変する磁極の突端11,12近辺での出力は不安定であり、角度変化に対する出力の直線性は期待できない。その代わり、原点Oを中心とする同心円を描くように、紡錘型磁気マーカ10の周回軌道上を、安定して取り巻いている磁力線31〜33は±60°の範囲で、精密に直線性を維持して回転角度センサを機能させる。
【0032】
図2は半月型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図であり、半月型磁気マーカ20のN極21とS極22とそこから発生する磁力線34〜36の形態を明示している。半月型磁気マーカ20は、従来例として図7に示した円盤型磁気マーカ70に比べて、細長いので棒磁石に近い着磁形態となり、そのN極21とS極22は、より極点に集中した磁極が形成されている。
【0033】
従って、図2からも読み取れるように、X軸を中心とする±50°の範囲内では、磁力線34〜36が、半月型磁気マーカ20に出入することなく、原点Oを中心とする同心円を描くように、半月型磁気マーカ20の周回軌道上を安定して取り巻いており、±50°の範囲で、精密に直線性を維持して回転角度センサを機能させる。
【0034】
なお、半月型磁気マーカ20の場合、半月型の直径の両端部より幾分か扇型を狭めた位置に、磁極としてN極21とS極22を形成するので、図1に示した紡錘型磁気マーカ10を使用したものに比べると直線性を保証できる範囲が狭くなる欠点が残る。
【0035】
図3(a)は被測定軸に紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサの平面図であり、同図(b)はその側面図、(c)は紡錘体の成形方法の一例である。図3において、板状の紡錘型磁気マーカ10は被測定軸15に軸心を揃えて接着される。
【0036】
なお、ホールIC1が固定され、紡錘型磁気マーカ10を接着された被測定軸15が回転する構造に限らず、その逆にホールIC1が回転する構造でも良い。そのことは、本発明の実施形態の全てにわたり、ロータとステータの何れか一方に磁気マーカを、残る他方にホールICを配設しても構わない。
【0037】
同図(c)に示すように、磁気マーカ10用の磁性部材は半月型の中間素材2を組み合わせて構成され、中間素材2は鋭角3及びその補角をなす鈍角4の中心角からなる複数の扇形の磁性部材を組み合わせて構成されている。
【0038】
そして、複数の中間素材2の弧状部5を外向きに対称とし鋭角3と鈍角4を斜向かいに並べて積層することにより紡錘型磁気マーカ10を構成している。
【0039】
このように、既存の切削加工機械を用いて素材から切り出すことにより、紡錘型磁気マーカ10の製品寸法が2〜3mm程度の微細な磁性部材を焼成する以前の段階としては、必要十分な紡錘型に形成することができる。
【0040】
このように、焼成及び着磁する以前の段階で、素材から切り出した複数の磁性材料を合体して紡錘型の原形を整えてから炉で焼成した複数の紡錘体6を着磁装置(図示せず)に並べて同時に着磁処理している。
従って、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【0041】
ただし、前述した紡錘体の成形方法は、切削研磨加工機械の都合により、直接に紡錘型の形状を完成させることが困難であるために、既存の工作機械を用いて製造するための製造技術を示しているに過ぎない。従って、紡錘体を効率良く製造する方法が他にもあれば、それでも構わない。
【0042】
図4は、軸孔17を設けて被測定軸18との精密結合できる紡錘型磁気マーカ16を備えた回転角度センサであり(a)はその平面図、(b)はその側面図である。軸孔17は被測定軸18のくびれ部(「軸」ともいう)19に嵌入され、芯合わせ専用の冶具等を用いなくとも軸心を精密に揃えて組立てることができる。
【0043】
このように、紡錘型の磁性部材の中心に軸19と嵌着するための軸孔17を穿設した磁気マーカ16の場合、被測定軸18の軸芯と磁気マーカ16の軸芯を精密に揃えることが容易にできるので、ばらつき無い回転角度センサを大量生産できる。
又、製造後は、これらの軸心が狂わないので、正確な動作性能を維持できる。
【0044】
図5は紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサ(±45°限定の超高精度タイプ)における±45°の直線性(%Vin)グラフであり、図8と同様に、横軸に回転角度、縦軸に直線性(%Vin)をプロットしている。図5からも読み取れるように±45°の範囲外では直線性が0.4%Vinを超えることが無く、高度な直線性が得られることを確認できた。
【0045】
図6は紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサ(±60°の汎用タイプ)における±60°の直線性(%Vin)グラフであり、図5,8と同様に、横軸に回転角度、縦軸に直線性(%Vin)をプロットしている。図6からも読み取れるように±60°の範囲外では直線性が0.6%Vinを超えることが無く、高度な直線性を得られることを確認できた。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、紡錘型磁気マーカの突端部に磁極を集結し、紡錘型磁気マーカにおける磁極以外の外周を形成する大直径の円弧の外側を取り巻く磁力線を、±60°の広角度にわたって安定させるので、直線性を保証する角度範囲を±60°にまで拡大できる。
【0047】
又、請求項2〜4の発明によれば、既存の切削加工機械を用いて素材から切り出すことにより、紡錘型磁気マーカの製品寸法が2〜3mm程度の微細な磁性部材を焼成する以前の段階としては、必要十分な紡錘型に形成することができる。
従って、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【0048】
又、請求項5に係る発明によれば、被測定軸の軸芯と磁気マーカの軸芯が精密に揃って狂わないので、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す紡錘型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図である。
【図2】半月型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図である。
【図3】(a)は被測定軸に紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサの平面図、(b)はその側面図、(c)は紡錘体の成形方法の一例である。
【図4】軸孔を設けて被測定軸との精密結合できる紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサであり(a)はその平面図、(b)はその側面図である。
【図5】紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサ(±45°限定の超高精度タイプ)における±45°範囲の直線性グラフである。
【図6】紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサ(±60°の汎用タイプ)における±60°範囲の直線性グラフである。
【図7】従来の円盤型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図である。
【図8】従来の円盤型磁気マーカを備えた回転角度センサにおける±45°範囲の直線性グラフである。
【符号の説明】
1 ホールIC
2 半月型の中間素材
3 鋭角の中心角
4 鈍角の中心角
5 弧状部
6 紡錘体
7 枢支部、軌道
10,16 紡錘型磁気マーカ
11,12 突端部
13,14 円弧
15 被測定軸
17 軸孔
18 被測定軸
19 軸のくびれ部
20 半月型磁気マーカ
21 N極
22 S極
31〜36 磁力線
70 円盤型磁気マーカ
N,S 磁極
O 軸
X,Y 軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータとステータに配設された磁気マーカと感磁素子との組み合わせにより角度の変化を検出するように構成された回転角度センサにおける磁気マーカの形状に関する。具体的には、精度の要求されるクレーンのアームを動かすレバーの回転角度を磁気的に非接触で検知して電気信号に変換する用途に好適である。
【0002】
【従来の技術】
この種の技術として特許文献1がある。この従来例には、十分な検出角度範囲において、回転角度と磁束密度の測定値との直線性(リニアリティ)を良好に保ち、回転角度の計測精度を向上させるものである。すなわち、回転軸と同心円上にスリーブが固定され、回転軸はスリーブ内を貫通し、スリーブには、磁束密度を測定する一対のホール素子が取り付けられている。スリーブの周囲には磁石及び磁性部材から作られた磁気回路が設けられ、磁気回路は回転軸に固定され、回転軸が回転すると回転する。ホール素子はこのときの磁束密度の変化を測定し出力する。磁性部材の間に設けられた隙間により、隙間近辺の磁束密度が低下させることにより、回転角度と磁束密度の測定値の直線性を向上可能にした回転角度センサに関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−122810号公報
【0004】
図7に沿って他の従来例を説明する。図7は従来の円盤型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図である。円盤型磁気マーカ70は、原点Oを中心とする被測定軸(以下、「軸O」ともいう)に付加して一体となり回転動作するように配設されている。
【0005】
ここでは、円盤型磁気マーカ70とホールIC1との相対的な位置関係を角度で特定できれば説明できるので、図7においては、説明の便宜上、円盤型磁気マーカ70を図面上で静止させ、軸Oを中心として枢支部7(軌跡と共通の符号)が回動自在であり、枢支部7に配設されたホールIC1が、原点Oを中心とするX−Y座標で軌跡7(枢支部と共通の符号)に沿って衛星動作するアウターロータ形態で説明している。このことは、後述説明に用いる図1〜2も同様である。
【0006】
円盤型磁気マーカ70は、直径の両端部を形成する外周上の点71と点72が概ねN極とS極を形成しているが、棒磁石のようにN−Sの磁極がそれぞれの極点に集中しているわけではない。このように磁性部材が円盤型の場合、その直径が2〜3mmと微小であるため、着磁形態が精密でなく、しかも尖っていない場所に磁極を形成するので、点71,72はピンポイントの磁極にならず、点71,72を中心とした近辺に、円盤型磁気マーカ70の上半分がN極、下半分がS極に分かれる程度に、大まかな磁極を形成している。
【0007】
従って、磁力線74〜79がY軸を中心とする45°〜135°の範囲内で、点71,72の近辺からまばらに発生している。そして、X軸上が無磁界部のため、X軸を中心とする±45°と135°〜225°(以下、90°〜270°の範囲内における説明は省略する)の範囲内で、磁力線74〜79(以下、磁力線77〜79に関する説明も省略する)は、円盤型磁気マーカ70に出入することなく、原点Oを中心とする同心円を描いて円盤型磁気マーカ70の周回軌道上を周回している。
【0008】
なお、磁力線74〜79は説明の便宜上、模式的に図解したに過ぎず、鉄粉又は磁針を用いての厳密な検証に基づくものではない。このことは、後述説明に用いる図1〜2においても同様である。
【0009】
ホールIC1はその性質上、図7における±45°の範囲外、すなわち磁束密度の急増する磁極の点71,72近辺では、出力が激変するのでON−OFF動作には適するが、角度変化に対する出力の直線性は期待できない。従って、原点Oを中心とする同心円を描いた磁力線74〜76が、円盤型磁気マーカ70の周回軌道上を安定して周回している±45°の範囲で、回転角度センサを機能させるように用いている。
【0010】
一般的に、ホールIC(素子)が磁気マーカの無磁界部を基準点とし、その前後の所定ストローク範囲に限れば、二者の相対位置変化に対する出力の直線性が得られる現象は周知である。
【0011】
図8は、円盤型磁気マーカを備えた回転角度センサにおける±45°範囲の直線性(%Vin)グラフであり、横軸に回転角度、縦軸に直線性(%Vin)をプロットしている。図8からも読み取れるようにが1%Vinを超えることがあり、実用的な直線性は期待できない。
【0012】
そのため、±45°の範囲外でも直線性を維持できるようにホール素子を増やした従来例もあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、磁束密度を検出するために2個で一対のホール素子等を必要とする従来例ではコストアップするという欠点があった。
そこで、本発明は、ホール素子等の感磁素子を1個で済ませて、なお広範囲な回転角度、特に±50°を超える角度に対しても安定かつ直線性の良い回転角度センサを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、円盤型磁気マーカ70の形状を各種変形し、より広い角度範囲にわたって実用的かつ高精度な直線性を得られるようにした。すなわち、請求項1に係る発明は、軸(O)及びその軸(O)との回動を自在にする枢支部(7)と、前記軸(O)に付設して一体をなす磁気マーカ(10)と、前記枢支部(7)に配設され前記磁気マーカ(10)との角度に応じた電気信号を生成する感磁素子(1)と、を備えた回転角度センサにおいて、軸断面形状が紡錘型の磁性部材であり、前記軸(O)から直角方向に張り出した突端部(11),(12)に磁極(N),(S)を設けたことを特徴とする回転角度センサ用磁気マーカである。
【0015】
このようにしたことにより、紡錘型磁気マーカ(10)の突端部(11),(12)に磁極(N),(S)を集結し、紡錘型磁気マーカ(10)における磁極(N),(S)以外の外周を形成する大直径の円弧(13),(14)の外側を取り巻く磁力線(31),(32),(33)を、±60°の広角度にわたって安定させるので、直線性を保証する角度範囲を±60°にまで拡大できる。
【0016】
又、請求項2に係る発明は、前記磁性部材は半月型の中間素材(2)を組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1に記載の回転角度センサ用磁気マーカである。
【0017】
又、請求項3に係る発明は、前記中間素材(2)は鋭角(3)及びその補角をなす鈍角(4)からなる複数の扇形の磁性部材を組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転角度センサ用磁気マーカである。
【0018】
又、請求項4に係る発明は、複数の前記中間素材(2)の弧状部(5)を外向きに対称とし前記鋭角(3)と鈍角(4)を斜向かいに並べて積層することにより前記紡錘型を構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の回転角度センサ用磁気マーカである。
【0019】
請求項2〜4の発明のように、既存の切削加工機械を用いて素材から切り出すことにより、前記紡錘型磁気マーカ(10)の製品寸法が2〜3mm程度の微細な磁性部材を焼成する以前の段階としては、必要十分な紡錘型に形成することができる。従って、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【0020】
又、請求項5に係る発明は、前記紡錘型の磁性部材の中心に前記軸(19)と嵌着するための軸孔(17)を穿設したことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の回転角度センサ用磁気マーカである。このように軸孔(17)を設けた磁気マーカ(16)の場合、被測定軸(18)の軸芯と磁気マーカ(16)の軸芯を精密に揃えられて狂わないので、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明による一実施例について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態を示す紡錘型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図であり、紡錘型磁気マーカ(以下、「磁気マーカ」ともいう)10は、その突端11,12の間隔よりも大きな直径(半径)を有する円弧13,14により左右対称の形状に構成された紡錘型の永久磁石である。
【0022】
すなわち、軸断面形状を紡錘型にした磁性部材による永久磁石から磁気マーカ10は構成され、軸Oから直角方向に張り出した突端部11,12に磁極N,Sを設けている。
【0023】
磁気マーカ10は、軸O(原点と共通の符号)に付設され一体的に回転動作する。そして、図7により前述したように、説明の便宜上、磁気マーカ10を図面上で静止させ、軸Oを中心として枢支部7(軌跡と共通の符号)が回動自在であり、枢支部7に配設されたホールIC1が、原点Oを中心とするX−Y座標で軌跡7(枢支部と共通の符号)に沿って衛星動作するアウターロータ形態で説明している。
【0024】
周知の感磁素子であるホールIC1は枢支部7に配設され、磁気マーカ10との角度に応じた電気信号を生成する。磁気マーカ10が発生する磁場のN〜S勾配に基づき、磁気マーカ10とホールIC1との二者の相対位置に応じて比例する直線的な電気信号を、ホールIC1が出力することにより回転角度センサを構成している。
【0025】
紡錘型磁気マーカ10の場合は、円盤型磁気マーカ70(図7)とは異なり、突端部11,12に磁極N,Sを集結させられるので、紡錘型磁気マーカ10における磁極N,Sである突端部11,12以外の外周を形成する大直径の円弧13,14の外側を取り巻く磁力線31,32,33を、±60°の広角度にわたって安定させる。このことは、磁力線31,32,33が磁極N,Sである突端部11,12に出入する以外は、原点Oを中心とする同心円状に形成されていることで説明される。
【0026】
一般的に、磁気マーカの両磁極付近では極端に磁場が強くなり、ホールIC(素子)との組み合わせにより、変化位置に関する比例検出は困難になる代わりに、二者択一的な識別機能が強調されるので、スイッチ動作する位置センサとして有効な領域である。
【0027】
このような理由で、磁極N,Sである突端部11,12であるY軸に近づくような超広角度にわたる角度の比例検出はできず、逆に磁気マーカの無磁界部であるX軸を基準点として、その前後の所定範囲内に限れば、ホールICと磁気マーカとの相対位置変化に対する出力の直線性が得られることは周知である。
【0028】
ここで、ホールIC1が、軌跡7に沿って±60°の範囲で角度変化した場合、+60°で強いN極の磁場を検出し、±0°で無磁界、−60°で強いS極の磁場を検出する。この時、磁気マーカ10が発生する磁場のN〜S勾配は角度変化に比例して直線的である。
従って、角度範囲±60°にまで拡大された範囲にわたり回転角度センサの直線性を保証できる。
【0029】
紡錘型磁気マーカ10は、従来例として図7に示した円盤型磁気マーカ70に比べ、細長いので棒磁石に近い着磁形態となり、その突端11,12には、より極点に集中した磁極が形成されている。従って、磁力線31〜33は円弧13,14のうち突端11,12により近い表面から発生する。
【0030】
これにより、図1からも読み取れるように、X軸を中心とする±60°の範囲内で、磁力線31〜33は、紡錘型磁気マーカ10に出入することなく、原点Oを中心とする同心円を描くように安定して紡錘型磁気マーカ10の周回軌道上を取り巻いている。
【0031】
ホールIC1はその性質上、図1における±60°の範囲外、すなわち磁束密度の急変する磁極の突端11,12近辺での出力は不安定であり、角度変化に対する出力の直線性は期待できない。その代わり、原点Oを中心とする同心円を描くように、紡錘型磁気マーカ10の周回軌道上を、安定して取り巻いている磁力線31〜33は±60°の範囲で、精密に直線性を維持して回転角度センサを機能させる。
【0032】
図2は半月型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図であり、半月型磁気マーカ20のN極21とS極22とそこから発生する磁力線34〜36の形態を明示している。半月型磁気マーカ20は、従来例として図7に示した円盤型磁気マーカ70に比べて、細長いので棒磁石に近い着磁形態となり、そのN極21とS極22は、より極点に集中した磁極が形成されている。
【0033】
従って、図2からも読み取れるように、X軸を中心とする±50°の範囲内では、磁力線34〜36が、半月型磁気マーカ20に出入することなく、原点Oを中心とする同心円を描くように、半月型磁気マーカ20の周回軌道上を安定して取り巻いており、±50°の範囲で、精密に直線性を維持して回転角度センサを機能させる。
【0034】
なお、半月型磁気マーカ20の場合、半月型の直径の両端部より幾分か扇型を狭めた位置に、磁極としてN極21とS極22を形成するので、図1に示した紡錘型磁気マーカ10を使用したものに比べると直線性を保証できる範囲が狭くなる欠点が残る。
【0035】
図3(a)は被測定軸に紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサの平面図であり、同図(b)はその側面図、(c)は紡錘体の成形方法の一例である。図3において、板状の紡錘型磁気マーカ10は被測定軸15に軸心を揃えて接着される。
【0036】
なお、ホールIC1が固定され、紡錘型磁気マーカ10を接着された被測定軸15が回転する構造に限らず、その逆にホールIC1が回転する構造でも良い。そのことは、本発明の実施形態の全てにわたり、ロータとステータの何れか一方に磁気マーカを、残る他方にホールICを配設しても構わない。
【0037】
同図(c)に示すように、磁気マーカ10用の磁性部材は半月型の中間素材2を組み合わせて構成され、中間素材2は鋭角3及びその補角をなす鈍角4の中心角からなる複数の扇形の磁性部材を組み合わせて構成されている。
【0038】
そして、複数の中間素材2の弧状部5を外向きに対称とし鋭角3と鈍角4を斜向かいに並べて積層することにより紡錘型磁気マーカ10を構成している。
【0039】
このように、既存の切削加工機械を用いて素材から切り出すことにより、紡錘型磁気マーカ10の製品寸法が2〜3mm程度の微細な磁性部材を焼成する以前の段階としては、必要十分な紡錘型に形成することができる。
【0040】
このように、焼成及び着磁する以前の段階で、素材から切り出した複数の磁性材料を合体して紡錘型の原形を整えてから炉で焼成した複数の紡錘体6を着磁装置(図示せず)に並べて同時に着磁処理している。
従って、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【0041】
ただし、前述した紡錘体の成形方法は、切削研磨加工機械の都合により、直接に紡錘型の形状を完成させることが困難であるために、既存の工作機械を用いて製造するための製造技術を示しているに過ぎない。従って、紡錘体を効率良く製造する方法が他にもあれば、それでも構わない。
【0042】
図4は、軸孔17を設けて被測定軸18との精密結合できる紡錘型磁気マーカ16を備えた回転角度センサであり(a)はその平面図、(b)はその側面図である。軸孔17は被測定軸18のくびれ部(「軸」ともいう)19に嵌入され、芯合わせ専用の冶具等を用いなくとも軸心を精密に揃えて組立てることができる。
【0043】
このように、紡錘型の磁性部材の中心に軸19と嵌着するための軸孔17を穿設した磁気マーカ16の場合、被測定軸18の軸芯と磁気マーカ16の軸芯を精密に揃えることが容易にできるので、ばらつき無い回転角度センサを大量生産できる。
又、製造後は、これらの軸心が狂わないので、正確な動作性能を維持できる。
【0044】
図5は紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサ(±45°限定の超高精度タイプ)における±45°の直線性(%Vin)グラフであり、図8と同様に、横軸に回転角度、縦軸に直線性(%Vin)をプロットしている。図5からも読み取れるように±45°の範囲外では直線性が0.4%Vinを超えることが無く、高度な直線性が得られることを確認できた。
【0045】
図6は紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサ(±60°の汎用タイプ)における±60°の直線性(%Vin)グラフであり、図5,8と同様に、横軸に回転角度、縦軸に直線性(%Vin)をプロットしている。図6からも読み取れるように±60°の範囲外では直線性が0.6%Vinを超えることが無く、高度な直線性を得られることを確認できた。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、紡錘型磁気マーカの突端部に磁極を集結し、紡錘型磁気マーカにおける磁極以外の外周を形成する大直径の円弧の外側を取り巻く磁力線を、±60°の広角度にわたって安定させるので、直線性を保証する角度範囲を±60°にまで拡大できる。
【0047】
又、請求項2〜4の発明によれば、既存の切削加工機械を用いて素材から切り出すことにより、紡錘型磁気マーカの製品寸法が2〜3mm程度の微細な磁性部材を焼成する以前の段階としては、必要十分な紡錘型に形成することができる。
従って、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【0048】
又、請求項5に係る発明によれば、被測定軸の軸芯と磁気マーカの軸芯が精密に揃って狂わないので、正確な角度センサを、ばらつき無く容易に大量生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す紡錘型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図である。
【図2】半月型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図である。
【図3】(a)は被測定軸に紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサの平面図、(b)はその側面図、(c)は紡錘体の成形方法の一例である。
【図4】軸孔を設けて被測定軸との精密結合できる紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサであり(a)はその平面図、(b)はその側面図である。
【図5】紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサ(±45°限定の超高精度タイプ)における±45°範囲の直線性グラフである。
【図6】紡錘型磁気マーカを備えた回転角度センサ(±60°の汎用タイプ)における±60°範囲の直線性グラフである。
【図7】従来の円盤型磁気マーカとホールICを用いた回転角度センサにおける磁力線に関連した動作説明図である。
【図8】従来の円盤型磁気マーカを備えた回転角度センサにおける±45°範囲の直線性グラフである。
【符号の説明】
1 ホールIC
2 半月型の中間素材
3 鋭角の中心角
4 鈍角の中心角
5 弧状部
6 紡錘体
7 枢支部、軌道
10,16 紡錘型磁気マーカ
11,12 突端部
13,14 円弧
15 被測定軸
17 軸孔
18 被測定軸
19 軸のくびれ部
20 半月型磁気マーカ
21 N極
22 S極
31〜36 磁力線
70 円盤型磁気マーカ
N,S 磁極
O 軸
X,Y 軸
Claims (5)
- 軸(O)及びその軸(O)との回動を自在にする枢支部(7)と、
前記軸(O)に付設して一体をなす磁気マーカ(10)と、
前記枢支部(7)に配設され前記磁気マーカ(10)との角度に応じた電気信号を生成する感磁素子(1)と、を備えた回転角度センサにおいて、
軸断面形状が紡錘型の磁性部材であり、前記軸(O)から直角方向に張り出した突端部(11),(12)に磁極(N),(S)を設けたことを特徴とする回転角度センサ用磁気マーカ。 - 前記磁性部材は半月型の中間素材(2)を組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1に記載の回転角度センサ用磁気マーカ。
- 前記中間素材(2)は鋭角(3)及びその補角をなす鈍角(4)からなる複数の扇形の磁性部材を組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転角度センサ用磁気マーカ。
- 複数の前記中間素材(2)の弧状部(5)を外向きに対称とし前記鋭角(3)と鈍角(4)を斜向かいに並べて積層することにより前記紡錘型を構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の回転角度センサ用磁気マーカ。
- 前記紡錘型の磁性部材の中心に前記軸(19)と嵌着するための軸孔(17)を穿設したことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の回転角度センサ用磁気マーカ。
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