JP2004264158A - 自動車用電流センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車において複数の導体を流れる電流が複数の導体としての電線101、102、103の周りに作る磁場を検知することによって電流を計測する自動車用電流センサにおいて,基板Bに互いに直交関係となるように隣り合う3つの導体およびマグネト・インピーダンス素子21、22、23が配設され、隣り合う3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23に対して順次切換えてパルス通電するパルス発生器241と、これに同期して得られる複数の磁気信号を処理し順次時系列に出力するサンプルホールド回路242とから成る1つの信号処理回路24を備えている自動車用電流センサ。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車において複数の導体を流れる電流が複数の導体の周りに作る磁場を検知することによって電流を計測する自動車用電流センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気自動車やハイブリッドカーなどで三相モータが使用され、制御技術の高度化とともに高精度な電流センサのニーズが高まっている。また、自動車部品は高精度であることと合わせて近年の省エネルギー志向の要求により各装置・部品が小型、軽量、低消費電力、合わせて低コストであることを同時に兼ね備える必要がある。
【0003】
自動車用の電流センサは、電流が流れる導体の電流バーを、中心位置を取り囲むようにΩ形状に形成し、中心部に磁気検出素子であるホール素子を配置し、導体の電流バーを流れる電流を前記ホール素子の出力に基づき検出するものであり、前記磁気検出素子であるホール素子の感度を補うために磁性体より成る集磁体から成る集磁手段を用いるものであった(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また自動車における分岐導体用電流検出装置は、電源等からの電流を分配して複数の機器に供給するための分岐導体の隣り合う導体の間にそれぞれ磁電変換素子であるホール素子を配設し、複数の磁電変換素子から出力される信号に基づいて複数の導体をそれぞれ流れる電流を演算処理回路によって演算するものであった(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−257867号公報(第3−4頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−153894号公報(第7−10頁、第1図〜第4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の自動車用の電流センサは、電流が流れる導体の中心位置を取り囲むようにΩ形状に形成した電流バーの中心部に配置した前記磁気検出素子であるホール素子の感度を補うために磁性体から成る集磁体から成る集磁手段を用いるものであるので、電流と出力の関係から、集磁手段を構成する集磁体としての磁性体の特性により非線形となり得る性質を帯びているため、高精度な計測に適していないという問題があった。
【0007】
また電流が流れる導体の中心位置を取り囲むようにΩ形状に形成した電流バーを用いるものであるとともに、集磁体としての磁性体を用いるものであるので、部品点数が多くなり、複雑で大型化し、製作コストも高くなるため、トータルコストも高くなるという問題があった。
【0008】
さらに三相電流等の複数の電流を同時に検知するとき、高精度の電流計測のためには、互いの電流による磁界の影響を排除する必要がある。
【0009】
また自動車における分岐導体用電流検出装置は、前記分岐導体の隣り合う導体の間にそれぞれ磁電変換素子であるホール素子を配設し、複数の磁電変換素子から出力される信号に基づいて複数の導体をそれぞれ流れる電流を演算処理回路によって演算するものであるので、1つの磁電変換素子に対して隣り合う導体を流れる電流による磁場が作用するものであるため、複数の電子回路によって前記演算処理回路を構成し演算を行うか、プログラムに従い中央処理装置(コンピュータ)によって演算を行う必要があり、装置が複雑且つ大型化し、消費電力が増え、コストがアップするという問題があった。
【0010】
そこで本発明者は、自動車において複数の導体を流れる電流が複数の導体の周りに作る磁場を検知することによって電流を計測する自動車用電流センサにおいて,基板に互いに直交関係となるように配設された隣り合うマグネト・インピーダンス素子に対して順次切換えてパルス通電するとともに、これに同期して得られる複数の磁気信号を処理し順次時系列に出力するという本発明の技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、隣り合うマグネト・インピーダンス素子の導体を流れる電流による磁場の影響を解消するため、高精度な計測を可能にし、信号処理をシンプルにし、シンプル且つ小型化を可能にし、消費電力を低減し、コストダウンを可能にするという目的を達成する本発明に到達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1に記載の第1発明)の自動車用電流センサは、
自動車において複数の導体を流れる電流が複数の導体の周りに作る磁場を検知することによって電流を計測する自動車用電流センサにおいて,
基板に互いに直交関係となるように隣り合う導体およびマグネト・インピーダンス素子が配設され、
隣り合うマグネト・インピーダンス素子に対して順次切換えてパルス通電するパルス発生器と、これに同期して得られる複数の磁気信号を処理し順次時系列に出力する1つの信号処理回路を備えている
ものである。
【0012】
本発明(請求項2に記載の第2発明)の自動車用電流センサは、
前記第1発明において、
前記3つのマグネト・インピーダンス素子と1組の信号処理回路がパッケージに収蔵されている。
ものである。
【0013】
本発明(請求項3に記載の第3発明)の自動車用電流センサは、
前記第2発明において、
前記3つのマグネト・インピーダンス素子が、アモルファスワイヤと該アモルファスワイヤの回りに巻装された検知コイルとから成り、
前記1個の信号処理回路が、前記3つのマグネト・インピーダンス素子を交互に切換えてパルス通電するパルスジェネレータと、これに同期して得られる3つの磁気信号を交互に所定の時間保持することにより時系列で出力するサンプルホールド回路からなる1組の電子回路である
ものである。
【0014】
本発明(請求項4に記載の第4発明)の自動車用電流センサは、
前記第3発明において、
前記検知コイルと前記1組の電子回路とが、同一の基板上に形成されている
ものである。
【0015】
【発明の作用および効果】
上記構成より成る第1発明の自動車用電流センサは、自動車において複数の導体を流れる電流が複数の導体の周りに作る磁場を検知することによって電流を計測する自動車用電流センサにおいて,1つの信号処理回路の前記パルス発生器が、基板に互いに直交関係となるように配設された隣り合うマグネト・インピーダンス素子の導体に対して順次切換えてパルス通電するとともに、これに同期して得られる複数の磁気信号を処理し順次時系列に出力するので、直交関係の隣り合うマグネト・インピーダンス素子の導体を流れる電流による磁場の影響を解消するとともに、一方のマグネト・インピーダンス素子がパルス通電され動作している時には他方のマグネト・インピーダンス素子はパルス通電されていないため動作していないことから、互いに他方のマグネト・インピーダンス素子のパルス通電に伴う動作による電磁的影響を受けないため、高精度の電流検出を可能にするとともに、電子回路における同時信号処理をすることはないため、消費電力の低減を可能にし、処理回路をシンプルにするという効果を奏する。
【0016】
上記構成より成る第2発明の自動車用電流センサは、前記第1発明において、前記3つのマグネト・インピーダンス素子と1組の信号処理回路がパッケージに収蔵されているので、周囲磁場および周囲磁場の変動の影響を受けず、安定な計測を可能にするとともに、パッケージ化により電流センサの感度設定、装着が容易で安定な計測を可能にするという効果を奏する。
【0017】
上記構成より成る第3発明の自動車用電流センサは、前記第2発明において、前記3つのマグネト・インピーダンス素子が、アモルファスワイヤにパルス電流が印加されたときの周囲磁場を該アモルファスワイヤの回りに巻装された検知コイルによって電圧が誘起され、前記1個の信号処理回路としての電子回路が、前記3つのマグネト・インピーダンス素子を交互に切換えてパルス通電するパルスジェネレータのパルス通電に同期して前記サンプルホールド回路が得られる3つの磁気信号を交互に所定の時間保持することにより時系列で出力するので、高感度の検出を可能にし、信号処理および処理回路をシンプルにするという効果を奏する。
【0018】
上記構成より成る第4発明の自動車用電流センサは、前記第3発明において、前記3つの検知コイルと前記1組の電子回路とが、同一の基板上に形成されているので、2つのセンサの特性を揃えることが出来るため、精度の高い測定を可能にするとともに、センサを小さくし、高感度化を可能にし、処理回路もシンプルにし、全体として小型化して、重量および消費電力を低減するという効果を奏する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0020】
(第1実施形態)
本第1実施形態の自動車用電流センサは、図1および図2に示されるように自動車において複数の導体を流れる電流が複数の導体としての電線100(101、102、103)の周りに作る磁場を検知することによって電流を計測する自動車用電流センサにおいて,基板Bに互いに直交関係となるように隣り合う3つの導体およびマグネト・インピーダンス素子21、22、23が配設され、隣り合う3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23に対して順次切換えてパルス通電するパルス発生器241と、これに同期して得られる複数の磁気信号を処理し順次時系列に出力するサンプルホールド回路242とから成る1つの信号処理回路24を備えているものである。
【0021】
本第1実施形態における電流を磁電変換素子で検出する原理について、図1を用いて説明する。電線100を流れる電流が紙面に直角に厚さ方向へ流れると、この電線100を中心として磁界Hが右回りで発生し、その大きさは以下の数1で示されるように電線と磁電変換素子との距離rの逆数に比例する。
【数1】
したがってこの磁界に沿う方向すなわち電線100と磁電変換素子200の感度軸を直角に設定すると電流に対応する信号を得ることができる。
【0022】
本第1実施形態における三相電流検出用の自動車用電流センサは、図2(A)に示すごとく例えばドライバDによるパワーステアリング用の三相モータMの駆動電流の電流測定例について説明する。
【0023】
3つの電流路101、102、103(以下電線と表現する)の電流がそれぞれ発生する磁場を磁電変換素子として3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23からなるマグネト・インピーダンス磁気検出器20で検出するものであり、3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23がそれぞれ対応する電流以外の磁界を検出することによる誤差の混入を防ぐために各素子の感度軸方向が互いに直角になるよう配置することで磁気コアを用いずに三相相互の信号の干渉を防ぐとともに、低消費電力型とするため21、22、23の各素子を順番に切換えてパルス電流を印加し、またそれらの検出信号の処理を1つの信号処理回路24で切換えて行う。
【0024】
次に三相の電流を互いの磁気干渉がなく検出できる原理を説明する。本第1実施形態においては、図2(A)に示すように三相それぞれのマグネト・インピーダンス素子21、22、23の感度軸方向すなわち素子の軸方向が互いに直角となるべく基板Bに配設されている。
【0025】
また各マグネト・インピーダンス素子21、22、23に三相の各電流による磁場を与えるために図2(A)のごとく平面的に見て電線101、102、103とそれぞれ対応するマグネト・インピーダンス素子21、22、23とを所定の距離rを隔てて直交させる。この各マグネト・インピーダンス素子と前記電線との距離の関係を図2(B)における断面図のrで示す。
【0026】
ここで各電流によって発生される磁場は、電線101、102、103を中心とする同心円であり、かつ電線に直交する面内に存在するためその面方向を図2(A)の点線の矢印Hu、Hv、Hwで表すと、各磁場はそれぞれ該当する素子とは同方向、それ以外とは直角方向となる。このため各マグネト・インピーダンス素子は同方向の磁場のみを検知し、直角方向の磁場は検知しないので他相の磁場を検出することはなく、互いの干渉もないのである。
【0027】
実装上においては、図2(B)に示されるように電線101、102、103とマグネト・インピーダンス素子21、22、23とは、前記のごとく所定の距離rを隔てて配設設定される。
【0028】
本第1実施形態においては、このマグネト・インピーダンス素子21、22、23と電線101、102、103との距離rは、大となるほど前記数1で示したごとくマグネト・インピーダンス素子が受ける磁場Hが減少するので、電流の計測感度が下がるが、測定できる電流容量を拡大できる。
【0029】
また本第1実施形態においては、これとは逆にrを小さくすることで検出感度を上昇させ微小電流の計測を可能にすることができる。すなわちこのrを変更可能にすることで、従来のセンサにおいては見られない1つの電流センサで計測範囲を可変することを実現できるものである。
【0030】
マグネト・インピーダンス素子は、アモルファスワイヤの周囲に検出コイルが巻回されたものであり、このアモルファスワイヤにパルス電流を通電すると周囲の磁場の軸方向成分に対応する電圧が検出コイルに瞬間的に誘起される。この検出コイルに誘起された電圧をサンプルホールド回路で信号処理することで磁場信号を得るものである。
【0031】
本第1実施形態においては、電線101、102、103の3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23に対する前記パルス発生器241によるパルス電流の印加と前記サンプルホールド回路242による前記誘起電圧の信号処理を1つの信号処理回路24で順次切換えて、時系列処理をすることで電気回路の小規模化と低消費電力化をはかっている。
【0032】
すなわち、一つのマグネト・インピーダンス素子がパルス通電され動作している時にはその他のマグネト・インピーダンス素子はパルス通電されていないため動作していないことから、互いに他方のマグネト・インピーダンス素子のパルス通電に伴う動作による電磁的影響を受けないため、高精度の電流検出を可能にするとともに、電子回路における同時信号処理をすることはないため、消費電力の低減を可能にし、処理回路をシンプルにするという効果を奏する。
【0033】
また、従来の電流センサと異なり前記3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23と信号処理回路を同一基板Bに配設するとともに、1つの絶縁材料からなるパッケージPに収納し、該パッケージPの側面に電極を取り付けることでプリント基板などに容易に取り付けられるようにし、かつ計測するべき電線とは別体とするシステムとした。これにより基板に設けた電線と前記マグネト・インピーダンス素子との距離rを変更可能にすることで感度調整可能にした。
【0034】
(第2実施形態)
本第2実施形態の自動車用電流センサは、上述の図1に示される対応構成をさらに具体的にしたもので、図3を用いて説明する。
【0035】
3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23は長さ2mmのアモルファスワイヤ11,13,15からなりそれぞれの周囲には検出コイル12,14、16が巻回されてなり、各軸方向が互いに直角となるべく配設されている。アモルファスワイヤ11,13,15は、信号処理回路10のパルスジェネレータ241の出力端子P1、P3、P5に接続されており、検出コイル12,14、16はアナログ電子スイッチS1、S2、S3の制御端子に接続されている。
【0036】
前記パルスジェネレータ241は、繰返し周波数が3MHzでパルス幅が数十ns(ナノ秒)でかつ所定の位相差で同期する2つのパルス列を発生する。そして端子P1、P2の組とP3、P4の組およびP5、P6の組からそれぞれ3.3μs (マイクロ秒)の期間づつ順次切換えて3MHz のパルス列を出力する。また、出力端子P8はこのパルス列を3.3μs ごとに交互に切換えるときの同期信号が出力される。
【0037】
たとえばP1からパルスが出力されるとマグネト・インピーダンス素子21のアモルファスワイヤ11にパルス電流が流れ、磁場の大きさに対応した電圧が検出コイル12に瞬間的に誘起する。このとき、P1と同期するP2のパルスがアナログ電子スイッチS1の制御端子に加えられると数十ns期間” 閉” となり前記マグネト・インピーダンス素子21の検出コイル12の電圧がコンデンサCに記憶される。アナログ電子スイッチS1、S2、S3とコンデンサCおよび増幅器Aはサンプルホールド回路242を形成しており、増幅器AはコンデンサCが記憶した電圧を出力端子P7から出力する。このパルスは3MHz の繰り返しであるからこの頻度で電流の計測結果が更新される。
【0038】
しかしながら前述のようにP1とP2の組とP3とP4の組およびP5とP6の組から3.3μs期間ごとにパルス列が順次切換えられて出力されるので、増幅器Aの出力は、前記マグネト・インピーダンス素子21、22、23の順に各電流に対応する電圧が出力されることになる。すなわち前記マグネト・インピーダンス素子21、22、23の各電流信号は間欠的である。
【0039】
以上のごとく本第2実施形態の自動車用電流センサは、磁電変換素子である3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23を互いに直角に配設することで、他相の干渉を防ぐことができ、またマグネト・インピーダンス素子はホール素子や磁気抵抗素子などの磁電変換素子に比べて高感度のため磁性材料からなる集磁体を用いる必要が無いので、計測値が非線形になることもなく精度のよい電流計測を実現するものである。
【0040】
また本第2実施形態は、この電流センサの信号処理回路24は3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23にパルス電流を間欠的に与えまた信号処理も切換えで1つの電子回路で行うため低消費電力の三相電流センサを実現することができた。
【0041】
(第3実施形態)
第3実施形態の自動車用電流センサは、図4の断面図に示されるように3つのマグネト・インピーダンス素子21、22、23を互いに直角に配列するとともに、信号処理回路24を同一の基板Bに配設されるとともに、1つのパッケージP内に収納し、側面に配線用の電極Lを設ける構造とすることで、すでに配線されている電気回路の電線部を切断することなく所定の距離に配設するのみで簡単に電流計測を可能とするものである。
【0042】
さらに第3実施形態の自動車用電流センサは、図4に示されるようにマグネト・インピーダンス素子21、22、23と信号処理回路24とが配設された同一の基板Bが配設される前記パッケージPの底面Fと計測対象の電線101、102、103との間に絶縁材料からなる所定の厚さのスペーサSを挟着することにより、電流計測感度の設定および変更調整を安定かつ迅速に行うことができるという効果をもたらす。
【0043】
また、電流測定のために新たに電気回路を製作する場合でも前記マグネト・インピーダンス素子21、22、23に対して直角となるように直線の電流路を設けるのみでよく、製作コストも安価になる。
【0044】
さらに本第3実施形態は、パッケージ化により周囲磁場および周囲磁場の変動の影響を受けず、安定な計測を可能にするとともに、電流センサの感度設定、装着が容易で安定な計測を可能にする効果をもたらす。
【0045】
【実施例】
以下上述の実施形態の自動車用電流センサにおいて、用いることが出来る磁気検出器の実施例につき、図面を用いて説明する。
【0046】
(実施例)
本実施例の磁気検出器は、図5に示されるように自動車分野における適用を考慮して、小型化するとともに高感度化したもので、以下図5ないし図7を用いて説明する。
【0047】
前記磁気検出器2を構成するマグネト・インピーダンス素子21、22、23の基板100の大きさは、幅0.5mm、高さ0.5mmとし、長手方向の長さを3mmとし、感磁体210、220、230は、CoFeSiB系合金を使った直径30μmまたは30μmであって3mm以下の長さのアモルファスワイヤである。 電磁コイル211、221、231は、 前記基板1の長手方向に形成した溝100Gの溝面100Sに形成されたコイルの片側211A、221A、231Aと、溝100Gに対向する溝上面112(樹脂の上面)に形成された残り片側のコイル211B、221B、231Bの2層構造により形成したものである。
【0048】
前記溝面111および溝上面112に形成されるコイルの片側211A、221A、231Aおよび残り片側のコイル211B、221B、231Bは、図5および図6に示されるように電極配線基板100の長手方向に形成された溝100Gの溝上面112よりある程度広い範囲にコイルを構成する導電性の磁性金属薄膜を蒸着により形成し、形成された金属薄膜が螺旋状に残るように間隙部を構成する導電性金属薄膜部を選択エッチング手法により除去することにより、コイルの全体の長手方向の長さを1.5mmまたは2mmの長さに亘り形成される。なお図6において、図5のA−A′断面にかかわらず、理解の便のために溝100Gの全面の4面にロの字状にコイルが形成されている状態を示した。
【0049】
電磁コイル211、221、231の円相当内径(高さと幅で形成される溝断面積と同一面積となる円の直径)は、200μmまたは100μm以下であるのが望ましいので、66μmに一例として設定した。 電磁コイル211、221、231の1ターン当たりの(単位長さ当たり)の捲線間隔は100μm/巻以下であるのが望ましいので、一例として50μm/巻に設定されている。
【0050】
素子基板100の長さとして3mmを採用して前記マグネト・インピーダンス素子21、22、23のアモルファスワイヤ210、220、230および電磁コイル211、221、231が、一つの全体基板B(図2(A))にマウントされ、前記磁気検出器21、22、23の両端に配設した電極を介して接続された前記信号処理回路としての電子回路24も前記全体基板B上にマウントされ、かかる電子回路24からのセンサ出力を横軸が外部磁場と縦軸が出力電圧を示す図7に示す。
【0051】
本実施例の磁気検出器は、自動車分野における適用を考慮して、小型化、薄型化、小容積化(幅0.5mm、高さ0.5mmとし、長手方向の長さを3mm)を実現しながら、図7から明らかなように40ガウス(G)で0.2Vのフルスケールまでリニアな出力が得られ、リニアな測定および高感度な測定を実現するものである。
【0052】
また本実施例の磁気検出器は、前記マグネト・インピーダンス素子21、22、23および電磁コイル211、221、231が、前記全体基板B上にマウントされ、前記磁気検出器21、22、23の両端に配設した電極を介して接続された前記電子回路24も同一全体基板B上にマウントされ、同一パッケージ内に配設されるので、3つのセンサの特性を揃えることが出来るため、精度の高い測定を可能にするとともに、センサを小さくし、高感度化を可能にし、処理回路もシンプルにし、全体として小型化して、重量および消費電力を低減するという効果を奏する。
【0053】
本実施例の磁気検出器は、自動車分野における適用を考慮して上述のように小型化、薄型化、小容積(幅0.5mm、高さ0.5mm、長手方向の長さ3mm)を実現しながら、図7から明らかなように40ガウス(G)で0.2Vのフルスケールまでリニアな出力が得られ、リニアな測定および高感度な測定を実現するものである。
【0054】
また本実施例の磁気検出器は、マグネト・インピーダンス素子としてアモルファスワイヤを採用したので、アモルファスワイヤの本来の性質上、120℃の温度環境でも安定な動作が可能なため、自動車における120℃の温度環境でも安定な動作が可能であり、自動車用の回転体の回転数検出に適するという効果を奏するものである。
【0055】
さらに本実施例の磁気検出器は、マグネト・インピーダンス素子をより高感度な磁気センサとするために、検出コイルとしての電磁コイル211、221の円相当内径の半径を200μmまたは100μm以下にするのが望ましい、本実施例においては一例として66μmに設定し、極めて小としてアモルファスワイヤと検出コイルとの電磁結合を大きくすることに対して有効であるとともに、センサの薄型化および小容量化にとっても有効である。
【0056】
また本実施例の磁気検出器は、前記3つのマグネト・インピーダンス素子および信号処理回路を1つの基板にマウント(装荷)することにより、小型かつ取り扱いを容易にすることができ、さらにマグネト・インピーダンス素子が高感度のため回転体とのギャップを1mm以上に大きくしても安定な磁気計測ができるので自動車に取り付ける際に精密な組付け作業を必要としないので生産コストを抑制するという非常に大きな効果を奏する。
【0057】
さらに本実施例においては、3つのマグネト・インピーダンス素子を所定の精度で管理された自動機で製作するとともに、3つのマグネト・インピーダンス素子をそれぞれ駆動するIC回路からなるパルスジェネレータの3つのドライバー回路の駆動特性およびそれぞれに対応するサンプルホールド回路の3つのアナログスイッチのスイッチ特性を同一とするため、それぞれ近接した場所に回路を形成するようにマスク設計を行い、3つのマグネト・インピーダンス素子の特性を互いに等しくなるようにしたので、3つのマグネト・インピーダンス素子の特性を互いに等しくすることが出来るものである。
【0058】
本実施例においては、基板100の大きさは、幅0.5mm、高さ0.5mmとし、長手方向の長さを3mmとし、アモルファスワイヤの長さは3mm以下であることから、上述した図7から明らかなように40ガウスで0.2Vのフルスケールまでリニヤーな出力が得られるため、従来ヒステリシス特性や非直線特性を無くするためにアモルファスワイヤにもう一つのコイルを設けてこれにフィードバック電流を流したり、バイアス電流を流したりするフィードバック技術の必要性を解消するものである。これにより常時直流電流を流すことが不要となり低消費電力化が可能となった。またバイアスコイルを省略できマグネト・インピーダンス素子をシンプル化するものである。
【0059】
上述の実施形態は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の自動車用電流センサにおける計測原理を説明するための説明図である。
【図2】本第1実施形態の自動車用電流センサを示す平面図および側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態の自動車用電流センサを示すブロック回路図である。
【図4】本発明の第3実施形態の自動車用電流センサを示す側面図である。
【図5】本発明の実施例における磁気検出器を示す平面図である。
【図6】本実施例における磁気検出器を示す図5中A−A′線に沿う横断面図である。
【図7】本実施例における磁気検出器の外部磁場と出力電圧の関係を示す線図である。図である。
【符号の説明】
100(101、102、103) 電線
B 基板
21、22、23 マグネト・インピーダンス素子
24 信号処理回路
241 パルス発生器
242 サンプルホールド回路
Claims (4)
- 自動車において複数の導体を流れる電流が複数の導体の周りに作る磁場を検知することによって電流を計測する自動車用電流センサにおいて、
基板に互いに直交関係となるように隣り合う導体およびマグネト・インピーダンス素子が配設され、
隣り合うマグネト・インピーダンス素子に対して順次切換えてパルス通電するパルス発生器と、これに同期して得られる複数の磁気信号を処理し順次時系列に出力する1つの信号処理回路を備えている
ことを特徴とする自動車用電流センサ。 - 請求項1において、
前記3つのマグネト・インピーダンス素子と1組の信号処理回路がパッケージに収蔵されている
ことを特徴とする自動車用電流センサ。 - 請求項2において、
前記3つのマグネト・インピーダンス素子が、アモルファスワイヤと該アモルファスワイヤの回りに巻装された検知コイルとから成り、
前記1個の信号処理回路が、前記3つのマグネト・インピーダンス素子を交互に切換えてパルス通電するパルスジェネレータと、これに同期して得られる3つの磁気信号を交互に所定の時間保持することにより時系列で出力するサンプルホールド回路からなる1組の電子回路である
ことを特徴とする自動車用電流センサ。 - 請求項3において、
前記検知コイルと前記1組の電子回路とが、同一の基板上に形成されている
ことを特徴とする自動車用電流センサ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2003-02-28 JP JP2003055028A patent/JP2004264158A/ja active Pending
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