JP2004263661A - 内燃機関の排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関のシリンダから排気される排気ガスに還元剤を噴射するインジェクタを有する、内燃機関の排気ガス浄化装置において、インジェクタの噴射口の詰まりを確実に防止できる構成を提供する。
【解決手段】インジェクタ110は、還元剤(炭化水素)の噴射口111と、当該噴射口111に還元剤を供給する供給経路112と、を備える。当該供給経路112の中途には、エアポンプ120からの圧縮空気を導入する、空気供給経路114が接続される。インジェクタ110は、還元剤の噴射口111から還元剤を噴射した直後に、同一の噴射口111から空気が噴射されるように、ECU80によって制御される。
【選択図】 図2
【解決手段】インジェクタ110は、還元剤(炭化水素)の噴射口111と、当該噴射口111に還元剤を供給する供給経路112と、を備える。当該供給経路112の中途には、エアポンプ120からの圧縮空気を導入する、空気供給経路114が接続される。インジェクタ110は、還元剤の噴射口111から還元剤を噴射した直後に、同一の噴射口111から空気が噴射されるように、ECU80によって制御される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のシリンダから排気される排気ガスに還元剤を噴射するインジェクタを有する、内燃機関の排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンから直接排出される排気には窒素酸化物(以下、NOx)が含まれているが、このNOxは大気汚染物質であり、浄化してから大気中に排出する必要がある。
【0003】
排気中のNOxを浄化する技術としては、炭化水素(以下、HC)等を還元剤として、還元触媒でNOxを浄化することが行われている。ここで、HCはエンジンの排気中にも含まれているがその量は少なく、還元触媒の還元効率が悪い。このため、エンジンの排気中にインジェクタで還元剤(例えば、エンジン燃料やアルコール等)を供給してHCの量を増やし、還元触媒の還元効率を向上させることが行われている。
【0004】
しかし、排気浄化装置のインジェクタの先端は、高温のエンジン排気に直接さらされる形となる。また、還元剤の気化を促進して還元効率の向上を図る観点からは、温度の高い排気ガス中に還元剤を添加することが望ましく、そのためインジェクタは、温度が低下する前の排気ガスが存在する、排気バルブの近傍に配置されることが一般である。
【0005】
この結果、インジェクタの噴射口の部分は相当の高温となり、噴射しきれず噴射口の周囲に付着した還元剤の残滓が炭化して噴射口が詰まり、所望のタイミングで還元剤が噴射できなくなるおそれがある。
また、排気ガスに含まれるパティキュレートが噴射口周囲に付着して噴射口が詰まるおそれもあり、これも、還元剤の噴射ができなくなるトラブルの原因となってしまう。
【0006】
この問題を解決するものとして、特許文献1に開示される技術がある。この技術は、インジェクタ(110)のノズル(112)の周囲の小穴(45a)から、エアポンプ(120)の圧縮空気を送り込み、エアージェットとして噴出させるものである。これにより、インジェクタ(110)のノズル(112)近傍を浄却するとともに、ノズル(112)に付着するパティキュレートを吹き飛ばすことで、インジェクタ(110)の目詰まりを防止できる。
【0007】
【特許文献1】
実開平6−28218号公報(図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、還元剤の残滓は噴射口の周囲よりも噴射口の内部に溜まることが多く、また、パティキュレートが噴射口の内部に入り込む可能性も否定できない。この場合、エアージェットを周囲から噴射しても噴射口の奥に入り込んだ還元剤やパティキュレートを吹き飛ばすことは困難であり、噴射口が詰まるトラブルを完全に回避することはできなかった。
【0009】
また、噴射口の近傍にウォータージャケットを設置する構成や、噴射口の部分に直接排気ガスが当たらないように壁部を設ける構成も知られているが、これによっても噴射口近傍の冷却効果は不十分なことが多く、還元剤の残滓が炭化することを確実に防止できるものとは言えなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、内燃機関のシリンダから排気される排気ガスに還元剤を噴射するインジェクタを有する、内燃機関の排気ガス浄化装置であって、前記インジェクタは、還元剤の噴射口と、当該噴射口に還元剤を供給する供給経路と、当該供給経路の中途に接続する空気供給経路と、を少なくとも備えるものである。
【0012】
請求項2においては、前記空気供給経路には、当該内燃機関の過給機からの空気が供給されるものである。
【0013】
請求項3においては、前記インジェクタは、その前記噴射口から還元剤を噴射した直後に、前記空気供給経路からの空気を前記噴射口から噴射するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る内燃機関の全体的な構成を示した説明図、図2は炭化水素を添加するインジェクタの構成を示す断面図である。
図3はインジェクタが炭化水素を噴射する様子を示した断面図、図4はインジェクタが空気を噴射する様子を示した断面図である。
【0015】
図1に示すディーゼル式の内燃機関1は、シリンダブロック10及びシリンダヘッド20を備えるとともに、前記シリンダヘッド20内部に設けられている吸気ポート32に連通させる吸気マニホールド30と、同じくシリンダヘッド20内部に設けられている排気ポート42に連通させる排気マニホールド40と、を備えている。
【0016】
シリンダブロック10に形成されている複数のシリンダ室には、吸気マニホールド30から吸気ポート32を介して空気が供給されるとともに、主噴射装置により燃料が噴射され、燃焼が行われる。燃焼を終えた排ガスは、排気ポート42から排気マニホールド40を介して排気される。
【0017】
排気マニホールド40においては、前記シリンダ室の数(気筒数)だけ分岐した分岐管40a〜40dが、一本の排気管45に集約される構成になっている。還元触媒60は、この排気管45の管路の中途に配設される。
【0018】
還元触媒60は、多孔質セラミック構造体に、NOx吸蔵還元触媒を組み合わせたものである。本実施形態では還元触媒60は、排気ガス中のパティキュレートを捕集するための図示しないフィルタと組み合わせて用いられる。
【0019】
インジェクタ110は還元触媒60の上流側に配置され、内燃機関の燃料ポンプ70からHC(具体的には、エンジン燃料)の供給を受けて、排気マニホールド40内の排気ガスにHCを添加する。インジェクタ110は、排気ガス中のHC濃度を増大させて、排気ガス中に含まれるNOxを前記還元触媒60で還元しやすいようなHC濃度となるよう調整する役割を果たす。インジェクタ110の詳細な構成は後述する。
【0020】
EGRパイプ50は、排気マニホールド40に連通する吸入口52と、吸気マニホールド30に連通する吐出口54を備える。このEGRパイプ50は、排気ガスの一部を吸気系に還流させて燃焼ガスの温度を下げ、NOxの生成を抑制する役割を果たす。
【0021】
排気マニホールド40の管壁には穴47が設けられ、この穴47に、前記インジェクタ110が挿入される。このインジェクタ110は、HCの噴射口111と、当該噴射口111に連通しながら延設される供給経路112と、を備えている。供給経路112の上流側にはバルブ113を備えており、このバルブ113は、ECU80からの制御信号に基づいて開弁し、図3に示すように、燃料ポンプ70からのHCを、供給経路112及び噴射口111を介して排気マニホールド40の管路内に霧化させながら噴射する。
【0022】
前記バルブ113の詳細な構成は図示しないが、前記ECU80に電気的に接続されるソレノイドバルブとされている。ただし、プランジャー等を備えてインジェクタ110自体が還元剤に噴射圧力を与えるように構成することもでき、この場合は、前記燃料ポンプ70を省略することができる。
【0023】
インジェクタ110からのHCの噴射量は、前記バルブ113の開弁時間によって調節可能である。ECU80は、排気ガス中のNOx濃度を計測するためのセンサ等からの信号に基づいて、前記バルブ113の開弁時間を制御する。
【0024】
そして本実施形態では、前記供給経路112の中途に空気供給経路114が接続されている。また、内燃機関の適宜の位置にはエアポンプ120が設置されており、このエアポンプ120の吐出側が前記供給経路112に接続される。また、供給経路112には開閉弁115が設けられており、この開閉弁115の開弁動作によって、図4に示すように、エアポンプ120からの圧縮空気が供給経路112へ導入され、噴射口111から噴射される。
【0025】
このように本実施形態では、圧縮空気がHCの供給経路112を通って、HCが噴射される噴射口と同一の噴射口(噴射口111)から噴射される形となるので、噴射し切れずに噴射口111の内部に付着して残っているHCを、排気マニホールド40の管路内に確実に吹き飛ばすことができる。従って、HCが噴射口111の内部に残って炭化して詰まることを、確実に防止できる。
【0026】
また、排気ガス中のパティキュレートが噴射口111内に侵入した場合でも、前記噴射口111から空気が噴射されることで、噴射口111の外へ確実に吹き飛ばすことができ、この意味でも、噴射口111の詰まりを確実に防止することができる。
【0027】
また、前記バルブ113及び開閉弁115は前記ECU80に電気的に接続されており、本実施形態ではECU80は、バルブ113が開弁してHCを噴射し、HCを所定の量噴射した後は、バルブ113を閉弁させ、それと同時に(あるいは、僅かな時間をおいて)開閉弁115を開弁するよう制御される。
【0028】
この制御の結果、HCが噴射口111から噴射された直後のタイミングで圧縮空気が当該噴射口111から噴射されるから、噴射口111に残ったHCの残滓が炭化する前に、圧縮空気で確実に吹き飛ばすことができる。従って、噴射口111の詰まりは一層確実に防止される。
【0029】
なお、過給機付きのエンジンの場合は、エアポンプ120の代わりに、当該過給機からの圧縮空気を前記空気供給経路114に導く構成としても良い。
即ち、過給機付きのエンジンは、エンジンからの排気をタービンの羽根に導いてタービンを駆動し、タービンに備えられる遠心式コンプレッサを回して吸入空気を圧縮しながら燃焼室に送り込むのが一般の構成であるが、当該コンプレッサによって圧縮された空気の一部を、適宜の経路を介して前記空気供給経路114に送り込む構成とするのである。
この場合はエアポンプ120が不要となるので、構成が簡素化され、製造コストを低減できる利点がある。
【0030】
以上に本実施形態の排気ガス浄化装置を説明したが、本発明の技術的範囲は以上の実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以下に示すような様々な変容が可能である。
【0031】
(1)本実施形態のインジェクタ110は、エンジン燃料を還元剤として排気マニホールド40に噴射する構成としているが、還元剤としては、アルコール等の他の炭化水素を用いることが可能である。また炭化水素以外にも、尿素など、他のものを還元剤として使用することが可能である。
【0032】
(2)本実施形態のインジェクタ110は、排気マニホールド40の合流部近傍に単一で配置する構成としているが、還元触媒60より上流側である限り、配置位置はこれに限定されない。例えば、それぞれの排気ポート42近傍にインジェクタ110を配置すれば、より高温の排気ガスに還元剤を添加できることとなって、還元剤の気化・拡散が促進されて還元効率を向上させることができる。
【0033】
(3)本実施形態では排気ガス浄化装置をディーゼルエンジンに適用したものであるが、本発明は、火花点火式エンジンを含め、内燃機関一般に適用することが可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0035】
即ち、請求項1に示すように、内燃機関のシリンダから排気される排気ガスに還元剤を噴射するインジェクタを有する、内燃機関の排気ガス浄化装置であって、前記インジェクタは、還元剤の噴射口と、当該噴射口に還元剤を供給する供給経路と、当該供給経路の中途に接続する空気供給経路と、を少なくとも備えるので、
還元剤の噴射口と同一の噴射口から空気が噴射される構成となるので、噴射口の内部に還元剤の残滓や排気ガスのパティキュレートが付着した場合でも、空気を噴射することで確実に除去することができる。従って、噴射口の詰まりを防止でき、噴射口から還元剤が噴射できないトラブルを回避できる。
【0036】
請求項2に示すように、前記空気供給経路には、当該内燃機関の過給機からの空気が供給されるので、
前記噴射口から空気を噴射するための噴射圧力を与える特別の構成を不要とでき、構成を簡素化することができる。
【0037】
請求項3に示すように、前記インジェクタは、その前記噴射口から還元剤を噴射した直後に、前記空気供給経路からの空気を前記噴射口から噴射するので、
前記噴射口の内部に還元剤の残滓が付着した場合でも、それが高温で炭化する前に、空気で吹き飛ばして除去できる。従って、噴射口内で還元剤が炭化して詰まることを一層確実に防止でき、噴射口から還元剤が噴射できないトラブルを確実に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の全体的な構成を示した説明図。
【図2】炭化水素を添加するインジェクタの構成を示す断面図。
【図3】インジェクタが炭化水素を噴射する様子を示した断面図。
【図4】インジェクタが空気を噴射する様子を示した断面図。
【符号の説明】
1 内燃機関
40 排気マニホールド
60 還元触媒
80 ECU
110 インジェクタ
111 噴射口
112 供給経路
114 空気供給経路
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のシリンダから排気される排気ガスに還元剤を噴射するインジェクタを有する、内燃機関の排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンから直接排出される排気には窒素酸化物(以下、NOx)が含まれているが、このNOxは大気汚染物質であり、浄化してから大気中に排出する必要がある。
【0003】
排気中のNOxを浄化する技術としては、炭化水素(以下、HC)等を還元剤として、還元触媒でNOxを浄化することが行われている。ここで、HCはエンジンの排気中にも含まれているがその量は少なく、還元触媒の還元効率が悪い。このため、エンジンの排気中にインジェクタで還元剤(例えば、エンジン燃料やアルコール等)を供給してHCの量を増やし、還元触媒の還元効率を向上させることが行われている。
【0004】
しかし、排気浄化装置のインジェクタの先端は、高温のエンジン排気に直接さらされる形となる。また、還元剤の気化を促進して還元効率の向上を図る観点からは、温度の高い排気ガス中に還元剤を添加することが望ましく、そのためインジェクタは、温度が低下する前の排気ガスが存在する、排気バルブの近傍に配置されることが一般である。
【0005】
この結果、インジェクタの噴射口の部分は相当の高温となり、噴射しきれず噴射口の周囲に付着した還元剤の残滓が炭化して噴射口が詰まり、所望のタイミングで還元剤が噴射できなくなるおそれがある。
また、排気ガスに含まれるパティキュレートが噴射口周囲に付着して噴射口が詰まるおそれもあり、これも、還元剤の噴射ができなくなるトラブルの原因となってしまう。
【0006】
この問題を解決するものとして、特許文献1に開示される技術がある。この技術は、インジェクタ(110)のノズル(112)の周囲の小穴(45a)から、エアポンプ(120)の圧縮空気を送り込み、エアージェットとして噴出させるものである。これにより、インジェクタ(110)のノズル(112)近傍を浄却するとともに、ノズル(112)に付着するパティキュレートを吹き飛ばすことで、インジェクタ(110)の目詰まりを防止できる。
【0007】
【特許文献1】
実開平6−28218号公報(図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、還元剤の残滓は噴射口の周囲よりも噴射口の内部に溜まることが多く、また、パティキュレートが噴射口の内部に入り込む可能性も否定できない。この場合、エアージェットを周囲から噴射しても噴射口の奥に入り込んだ還元剤やパティキュレートを吹き飛ばすことは困難であり、噴射口が詰まるトラブルを完全に回避することはできなかった。
【0009】
また、噴射口の近傍にウォータージャケットを設置する構成や、噴射口の部分に直接排気ガスが当たらないように壁部を設ける構成も知られているが、これによっても噴射口近傍の冷却効果は不十分なことが多く、還元剤の残滓が炭化することを確実に防止できるものとは言えなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、内燃機関のシリンダから排気される排気ガスに還元剤を噴射するインジェクタを有する、内燃機関の排気ガス浄化装置であって、前記インジェクタは、還元剤の噴射口と、当該噴射口に還元剤を供給する供給経路と、当該供給経路の中途に接続する空気供給経路と、を少なくとも備えるものである。
【0012】
請求項2においては、前記空気供給経路には、当該内燃機関の過給機からの空気が供給されるものである。
【0013】
請求項3においては、前記インジェクタは、その前記噴射口から還元剤を噴射した直後に、前記空気供給経路からの空気を前記噴射口から噴射するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る内燃機関の全体的な構成を示した説明図、図2は炭化水素を添加するインジェクタの構成を示す断面図である。
図3はインジェクタが炭化水素を噴射する様子を示した断面図、図4はインジェクタが空気を噴射する様子を示した断面図である。
【0015】
図1に示すディーゼル式の内燃機関1は、シリンダブロック10及びシリンダヘッド20を備えるとともに、前記シリンダヘッド20内部に設けられている吸気ポート32に連通させる吸気マニホールド30と、同じくシリンダヘッド20内部に設けられている排気ポート42に連通させる排気マニホールド40と、を備えている。
【0016】
シリンダブロック10に形成されている複数のシリンダ室には、吸気マニホールド30から吸気ポート32を介して空気が供給されるとともに、主噴射装置により燃料が噴射され、燃焼が行われる。燃焼を終えた排ガスは、排気ポート42から排気マニホールド40を介して排気される。
【0017】
排気マニホールド40においては、前記シリンダ室の数(気筒数)だけ分岐した分岐管40a〜40dが、一本の排気管45に集約される構成になっている。還元触媒60は、この排気管45の管路の中途に配設される。
【0018】
還元触媒60は、多孔質セラミック構造体に、NOx吸蔵還元触媒を組み合わせたものである。本実施形態では還元触媒60は、排気ガス中のパティキュレートを捕集するための図示しないフィルタと組み合わせて用いられる。
【0019】
インジェクタ110は還元触媒60の上流側に配置され、内燃機関の燃料ポンプ70からHC(具体的には、エンジン燃料)の供給を受けて、排気マニホールド40内の排気ガスにHCを添加する。インジェクタ110は、排気ガス中のHC濃度を増大させて、排気ガス中に含まれるNOxを前記還元触媒60で還元しやすいようなHC濃度となるよう調整する役割を果たす。インジェクタ110の詳細な構成は後述する。
【0020】
EGRパイプ50は、排気マニホールド40に連通する吸入口52と、吸気マニホールド30に連通する吐出口54を備える。このEGRパイプ50は、排気ガスの一部を吸気系に還流させて燃焼ガスの温度を下げ、NOxの生成を抑制する役割を果たす。
【0021】
排気マニホールド40の管壁には穴47が設けられ、この穴47に、前記インジェクタ110が挿入される。このインジェクタ110は、HCの噴射口111と、当該噴射口111に連通しながら延設される供給経路112と、を備えている。供給経路112の上流側にはバルブ113を備えており、このバルブ113は、ECU80からの制御信号に基づいて開弁し、図3に示すように、燃料ポンプ70からのHCを、供給経路112及び噴射口111を介して排気マニホールド40の管路内に霧化させながら噴射する。
【0022】
前記バルブ113の詳細な構成は図示しないが、前記ECU80に電気的に接続されるソレノイドバルブとされている。ただし、プランジャー等を備えてインジェクタ110自体が還元剤に噴射圧力を与えるように構成することもでき、この場合は、前記燃料ポンプ70を省略することができる。
【0023】
インジェクタ110からのHCの噴射量は、前記バルブ113の開弁時間によって調節可能である。ECU80は、排気ガス中のNOx濃度を計測するためのセンサ等からの信号に基づいて、前記バルブ113の開弁時間を制御する。
【0024】
そして本実施形態では、前記供給経路112の中途に空気供給経路114が接続されている。また、内燃機関の適宜の位置にはエアポンプ120が設置されており、このエアポンプ120の吐出側が前記供給経路112に接続される。また、供給経路112には開閉弁115が設けられており、この開閉弁115の開弁動作によって、図4に示すように、エアポンプ120からの圧縮空気が供給経路112へ導入され、噴射口111から噴射される。
【0025】
このように本実施形態では、圧縮空気がHCの供給経路112を通って、HCが噴射される噴射口と同一の噴射口(噴射口111)から噴射される形となるので、噴射し切れずに噴射口111の内部に付着して残っているHCを、排気マニホールド40の管路内に確実に吹き飛ばすことができる。従って、HCが噴射口111の内部に残って炭化して詰まることを、確実に防止できる。
【0026】
また、排気ガス中のパティキュレートが噴射口111内に侵入した場合でも、前記噴射口111から空気が噴射されることで、噴射口111の外へ確実に吹き飛ばすことができ、この意味でも、噴射口111の詰まりを確実に防止することができる。
【0027】
また、前記バルブ113及び開閉弁115は前記ECU80に電気的に接続されており、本実施形態ではECU80は、バルブ113が開弁してHCを噴射し、HCを所定の量噴射した後は、バルブ113を閉弁させ、それと同時に(あるいは、僅かな時間をおいて)開閉弁115を開弁するよう制御される。
【0028】
この制御の結果、HCが噴射口111から噴射された直後のタイミングで圧縮空気が当該噴射口111から噴射されるから、噴射口111に残ったHCの残滓が炭化する前に、圧縮空気で確実に吹き飛ばすことができる。従って、噴射口111の詰まりは一層確実に防止される。
【0029】
なお、過給機付きのエンジンの場合は、エアポンプ120の代わりに、当該過給機からの圧縮空気を前記空気供給経路114に導く構成としても良い。
即ち、過給機付きのエンジンは、エンジンからの排気をタービンの羽根に導いてタービンを駆動し、タービンに備えられる遠心式コンプレッサを回して吸入空気を圧縮しながら燃焼室に送り込むのが一般の構成であるが、当該コンプレッサによって圧縮された空気の一部を、適宜の経路を介して前記空気供給経路114に送り込む構成とするのである。
この場合はエアポンプ120が不要となるので、構成が簡素化され、製造コストを低減できる利点がある。
【0030】
以上に本実施形態の排気ガス浄化装置を説明したが、本発明の技術的範囲は以上の実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以下に示すような様々な変容が可能である。
【0031】
(1)本実施形態のインジェクタ110は、エンジン燃料を還元剤として排気マニホールド40に噴射する構成としているが、還元剤としては、アルコール等の他の炭化水素を用いることが可能である。また炭化水素以外にも、尿素など、他のものを還元剤として使用することが可能である。
【0032】
(2)本実施形態のインジェクタ110は、排気マニホールド40の合流部近傍に単一で配置する構成としているが、還元触媒60より上流側である限り、配置位置はこれに限定されない。例えば、それぞれの排気ポート42近傍にインジェクタ110を配置すれば、より高温の排気ガスに還元剤を添加できることとなって、還元剤の気化・拡散が促進されて還元効率を向上させることができる。
【0033】
(3)本実施形態では排気ガス浄化装置をディーゼルエンジンに適用したものであるが、本発明は、火花点火式エンジンを含め、内燃機関一般に適用することが可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0035】
即ち、請求項1に示すように、内燃機関のシリンダから排気される排気ガスに還元剤を噴射するインジェクタを有する、内燃機関の排気ガス浄化装置であって、前記インジェクタは、還元剤の噴射口と、当該噴射口に還元剤を供給する供給経路と、当該供給経路の中途に接続する空気供給経路と、を少なくとも備えるので、
還元剤の噴射口と同一の噴射口から空気が噴射される構成となるので、噴射口の内部に還元剤の残滓や排気ガスのパティキュレートが付着した場合でも、空気を噴射することで確実に除去することができる。従って、噴射口の詰まりを防止でき、噴射口から還元剤が噴射できないトラブルを回避できる。
【0036】
請求項2に示すように、前記空気供給経路には、当該内燃機関の過給機からの空気が供給されるので、
前記噴射口から空気を噴射するための噴射圧力を与える特別の構成を不要とでき、構成を簡素化することができる。
【0037】
請求項3に示すように、前記インジェクタは、その前記噴射口から還元剤を噴射した直後に、前記空気供給経路からの空気を前記噴射口から噴射するので、
前記噴射口の内部に還元剤の残滓が付着した場合でも、それが高温で炭化する前に、空気で吹き飛ばして除去できる。従って、噴射口内で還元剤が炭化して詰まることを一層確実に防止でき、噴射口から還元剤が噴射できないトラブルを確実に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の全体的な構成を示した説明図。
【図2】炭化水素を添加するインジェクタの構成を示す断面図。
【図3】インジェクタが炭化水素を噴射する様子を示した断面図。
【図4】インジェクタが空気を噴射する様子を示した断面図。
【符号の説明】
1 内燃機関
40 排気マニホールド
60 還元触媒
80 ECU
110 インジェクタ
111 噴射口
112 供給経路
114 空気供給経路
Claims (3)
- 内燃機関のシリンダから排気される排気ガスに還元剤を噴射するインジェクタを有する、内燃機関の排気ガス浄化装置であって、
前記インジェクタは、
還元剤の噴射口と、
当該噴射口に還元剤を供給する供給経路と、
当該供給経路の中途に接続する空気供給経路と、
を少なくとも備えることを特徴とする、内燃機関の排気ガス浄化装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置であって、
前記空気供給経路には、当該内燃機関の過給機からの空気が供給されることを特徴とする、内燃機関の排気ガス浄化装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置であって、
前記インジェクタは、その前記噴射口から還元剤を噴射した直後に、前記空気供給経路からの空気を前記噴射口から噴射することを特徴とする、内燃機関の排気ガス浄化装置。
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