JP2004262514A - 包装装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】後ろ折込板がフィルムを被包装物の下側に折り込む際に被包装物が前後に大きくずれることが抑えられ、且つ載置部材に接触するフィルムが載置部材によって拘束されることが抑えられる包装装置を提供する。
【解決手段】包装装置は、緊張保持させたフィルムに下方から被包装物を押し上げ、フィルムの周縁部を被包装物の下側へと折り込む包装装置であって、載置部材311等と、左右折込板と、後ろ折込板とを備える。左右折込板および後ろ折込板は、フィルムの周縁部を左右/前後に被包装物の下側へと折り込ませる。載置部材311等は、前後バネに抗して傾倒するものであって、左右折込板が入り込んだときにも被包装物を支え続ける中央列の載置部材341〜345を有している。これらの中央列の載置部材341〜345は、他の列の載置部材311等に較べて、前後バネのバネ強さが強い。
【選択図】 図5
【解決手段】包装装置は、緊張保持させたフィルムに下方から被包装物を押し上げ、フィルムの周縁部を被包装物の下側へと折り込む包装装置であって、載置部材311等と、左右折込板と、後ろ折込板とを備える。左右折込板および後ろ折込板は、フィルムの周縁部を左右/前後に被包装物の下側へと折り込ませる。載置部材311等は、前後バネに抗して傾倒するものであって、左右折込板が入り込んだときにも被包装物を支え続ける中央列の載置部材341〜345を有している。これらの中央列の載置部材341〜345は、他の列の載置部材311等に較べて、前後バネのバネ強さが強い。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装装置、特に、緊張保持させたフィルムに下方から被包装物を押し上げフィルムの周縁部を被包装物の下側へと折り込む包装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡スチロールなどを使ったトレーに収納された生鮮食料品等の被包装物をストレッチフィルムによって包装する装置が、ストレッチ包装装置として知られている。このストレッチ包装装置では、所定の幅を有するストレッチフィルムをトレーの大小に応じて所定長さ寸法に切断するとともに、フィルムの幅方向の両側縁部を上下のベルト等から成る一対のフィーダにより保持しながらフィルムを包装ステーションに搬送し、包装ステーションでフィルム包装を施す。包装ステーションでは、搬送されてきて緊張保持されているフィルムに対してトレーに収納された商品(以下、被包装物という。)を押し上げ、被包装物をフィルムに密着させた状態でフィルムの周縁部を被包装物の下側に折り込む。具体的には、左右の折込部材がフィルムの周縁部の左右部分を被包装物の下側に折り込み、後ろ折込部材がフィルムの周縁部の後側部分を被包装物の下側に折り込み、最後に、被包装物をプッシャーで前方に押し出してフィルムの周縁部の前側部分を相対的に被包装物の下側へと折り込む。このようにして、被包装物をストレッチフィルムで包んだ後、被包装物の下に折り込まれたフィルムをヒートシールして包装を完了させる。
【0003】
このような包装装置であって、フィルムの周縁部を被包装物の下側に折り込むときに被包装物を支持する複数の載置部材が順に倒れるものが、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の包装機では、左右に配置されている載置部材が左右および前後に倒れるように構成されるとともに、中央に配置されている載置部材が後ろ折込部材によって前に倒れるように構成されている。また、載置部材には、傾倒状態を上面が水平な状態に戻すためのバネが設けられている。すなわち、それぞれの載置部材は、バネに抗して少なくとも前に傾倒するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−69769号公報(第1図、第3図、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような包装装置では、後ろ折込部材がフィルムの周縁部の後側部分を被包装物の下側に折り込む途中に、後ろ折込部材から作用する力により、被包装物が前にずれてしまう恐れがある。特に、被包装物を支えている載置部材の前後方向の倒れに抗する前後バネのバネ力が弱いと、後ろ折込部材の勢いによっては被包装物の前へのズレが大きくなり、被包装物やフィルムに傷がついたり、フィルムの折り込み量が不十分になったりする可能性がある。
【0006】
しかし、載置部材の前後方向の倒れに抗する前後バネのバネ力を一律に強くすると、被包装物を支えた状態で後ろ折込部材から直接的に力の作用を受ける中央の載置部材、および、後ろ折込部材に引っ張られるフィルムから力の作用を受ける他の載置部材が、ともに前に倒れ難くなる。そうなると、後ろ折込部材が被包装物の下側に入り込む際に、フィルムに接触してフィルムから力を受けることになる載置部材がそのフィルムを比較的強く拘束するようになり、特に前後でフィルムをクランプしている場合には、フィルム張力が大きくなってフィルムが損傷する恐れが高くなる。
【0007】
本発明の課題は、前後方向折込部材(後ろ折込部材など)がフィルムを被包装物の下側に折り込む際に被包装物が前後に大きくずれることが抑えられ、且つ載置部材に接触するフィルムが載置部材によって拘束されることが抑えられる包装装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る包装装置は、緊張保持させたフィルムに下方から被包装物を押し上げ、フィルムの周縁部を被包装物の下側へと折り込む包装装置であって、リフト機構と、左右方向折込部材と、前後方向折込部材とを備えている。リフト機構は、被包装物が載せられる複数の載置部材を有しており、被包装物を昇降させる。左右方向折込部材は、被包装物がフィルムを押し上げた状態において、被包装物と載置部材との間に入り込み、フィルムの周縁部を左右方向に被包装物の下側へと折り込ませる。前後方向折込部材は、被包装物がフィルムを押し上げた状態において、被包装物と載置部材との間に入り込み、フィルムの周縁部を前後方向に被包装物の下側へと折り込ませる。また、リフト機構の複数の載置部材は、少なくとも前後方向に力が作用したときに前後バネに抗して傾倒するものであって、左右方向折込部材が入り込んだときにも被包装物を支え続ける第1載置部材群を有している。そして、第1載置部材群のうち少なくとも1つの載置部材から成る特定載置部材群は、他の載置部材に較べて、前後方向の傾倒に対して抗する前後バネのバネ強さが強い。
【0009】
ここでは、左右方向折込部材が被包装物の下側に入ってきた後も、第1載置部材群の載置部材が、被包装物を支える状態を維持する。そして、前後方向折込部材がフィルムを被包装物の下側に折り込むときには、前後方向折込部材からの力を直接受けて第1載置部材群の載置部材が傾倒するとともに、前後方向折込部材に引っ張られるフィルムによって他の載置部材の一部も傾倒することがある。ここで、第1載置部材群のうち少なくとも1つの載置部材から成る特定載置部材群の前後バネのバネ強さを他の載置部材に較べて強くしているため、その強い前後バネを持ち被包装物を支える特定載置部材群の載置部材によって、前後方向折込部材が入り込んでくるときにフィルムを介した前後方向折込部材からの力によって被包装物の位置が前後に大きくずれることが抑えられる。また、特定載置部材群の載置部材以外の載置部材は比較的弱いバネ強さの前後バネが傾倒に抗することになるため、それらの載置部材に接触したフィルムが載置部材に強く拘束されてしまうことがなくなり、前後でフィルムをクランプしている場合にも、フィルム張力が大きくなってフィルムが損傷してしまう恐れが少なくなる。
【0010】
請求項2に係る包装装置は、請求項1に記載の包装装置であって、特定載置部材群は、第1載置部材群の中で前後方向折込部材によって最後に傾倒する載置部材のみから成る。
ここでは、最後に傾倒する1つの載置部材の前後バネのバネ強さを強くし、残りの載置部材については比較的前後バネのバネ強さを弱く設定しているため、前後方向折込部材が入り込んでくるときに載置部材が過剰にフィルムを拘束することがより抑えられる。また、最後に傾倒するまで被包装物を支え続ける1つの載置部材から成る特定載置部材群が存在するため、前後方向折込部材が入り込んでくるときにフィルム等からの力によって被包装物の位置が前後に大きくずれることも抑えられる。
【0011】
なお、請求項2における特定載置部材群の載置部材は、例えば、前後方向折込部材が被包装物の後ろから被包装物の前端まで被包装物の下側に入り込む部材である場合には、第1載置部材群の中で一番前に位置する載置部材となる。
請求項3に係る包装装置は、請求項1に記載の包装装置であって、特定載置部材群は、複数の載置部材から成っており、前後方向折込部材により傾倒する順序が遅いほど前後バネのバネ強さが強くなっている。
【0012】
ここでは、複数の載置部材から成る特定載置部材群によって被包装物の位置が前後に大きくずれることを確実に抑えているとともに、傾倒する順序が早いものについては、倒れた後には被包装物の位置ズレ抑制に寄与しないことを考慮して、傾倒する順序の遅いものに較べて前後バネのバネ強さを弱くしている。このように、ここでは、被包装物の位置ズレ抑制と、前後方向折込部材が入り込んでくるときに載置部材が過剰にフィルムを拘束することの抑制とを、バランスよく実現することが容易となる。
【0013】
請求項4に係る包装装置は、請求項1に記載の包装装置であって、特定載置部材群は、左右方向の中央の列にある載置部材全てから成る。
ここでは、左右方向の中央列にある載置部材全てが、特定載置部材群であり、左右方向折込部材が入り込んだときにも被包装物を支え続ける第1載置部材群に属する。そして、中央列の載置部材が全て強いバネ強さの前後バネを持っているため、被包装物が前後のいずれの位置にあるときにも、いずれかの載置部材によって確実に被包装物の前後方向の位置ズレが抑制されることになる。
【0014】
なお、左右方向の中央の列にある載置部材全ては、一律に同じバネ強さの前後バネを持っていてもよいし、互いの前後バネのバネ強さに違いがあってもよい。
請求項5に係る包装装置は、請求項1から4のいずれかに記載の包装装置であって、前後方向折込部材は、被包装物の一端からその下側に入り込み被包装物の他端の近傍まで移動する。
【0015】
ここでは、被包装物の一端から他端の近傍まで前後方向折込部材が入り込んで移動するため、前後方向折込部材の動きによって被包装物の前後位置がずれやすい傾向にあるが、傾倒に対して抗する前後バネのバネ強さが他の載置部材に較べて強い特定載置部材群が存在するため、被包装物の位置ズレが抑制される。
請求項6に係る包装装置は、請求項1から5のいずれかに記載の包装装置であって、被包装物移動機構をさらに備えている。被包装物移動機構は、前後方向折込部材がフィルムの周縁部の後側部分を被包装物の下側へと折り込ませた後に、被包装物を移動させて、フィルムの周縁部の前側部分を被包装物の下側へと折り込ませる。
【0016】
ここでは、左右方向折込部材によるフィルム周縁部の被包装物の下側への折り込みが行われ、前後方向折込部材によるフィルム周縁部後側部分の被包装物の下側への折り込みが行われ、最後に被包装物移動機構によって被包装物が動かされてフィルム周縁部前側部分の被包装物の下側への折り込みが行われる。すなわち、フィルム周縁部後側部分の被包装物の下側への折り込みと、フィルム周縁部前側部分の被包装物の下側への折り込みとは、同時には行われず、時間的にずれて行われる。したがって、前後方向折込部材によるフィルム周縁部後側部分の被包装物の下側への折り込み時には、被包装物に対して前側への荷重が主として作用することになり、被包装物の位置が前にずれる恐れがあるが、ここでは特定載置部材群を存在させているため、被包装物の位置ズレが抑制される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態に係るフィルム横送り型のストレッチ包装装置を、図1に示す。この包装装置1は、緊張保持させたストレッチフィルムFに対してトレーTに載せた生鮮食料品等の商品Gを押し上げ(図10,図11参照)、フィルムFの周縁部をトレーTの下側に折り込むことによって、トレーTおよび商品Gから成る被包装物のフィルム包装を行う装置である。また、この包装装置1は、フィルム包装機能に加えて、計量機能やラベル貼付による値付け機能を兼ね備えている。
【0018】
<装置の全体概略>
図1および図2に示すように、包装装置1は、計量搬入機構2と、包装ステーション3と、ロール支持機構4と、フィルム送り出し機構5と、フィルム搬送機構6と、折り込み機構7と、加熱機構82とを備えている。
計量搬入機構2は、本体1aの正面中央部に設けられている。包装ステーション3は、本体1a内に形成される空間である。ロール支持機構4は、本体1aの両側部に配設されており、それぞれフィルムロールRを保持する。フィルム送り出し機構5は、フィルムロールRから引き出されたフィルムFを上方に送り出す。フィルム搬送機構6は、フィルム送り出し機構5からフィルムFを受け取り、包装ステーション3へとフィルムFを搬送する。折り込み機構7は、包装ステーション3に搬送されたフィルムFによって、被包装物を包み込む。加熱機構82は、折り込み機構7により被包装物の下側に折り込まれ重なったフィルムFに対して、熱を加えてヒートシールを施す。
【0019】
また、本体1aの上部には、表示パネル94、操作キー95などを備えたコンピュータから成る制御部9が配置されている。この制御部9は、上記の各機構の作動を制御するとともに、計量搬入機構2により計量された商品Gの重量を示す信号に基づいて商品Gの価格の算出等を行い、商品Gの重量や価格等をラベルに印字するラベルプリンター10やラベル発行機11の作動を制御している。表示パネル94は、タッチパネル式のディスプレイであり、パネル上に操作ボタンも配される。また、コンピュータ内には記憶部96(図8参照)も収められており、記憶部96には、表示パネル94や操作キー95などから入力された、あるいは外部の装置から転送されたフィルムFに関するデータおよび被包装物に関するデータが記憶されている。
【0020】
なお、この包装装置1で使用するフィルムロールRは、所定の幅寸法とされたストレッチフィルムFが多重に巻き付けられているものである。
<計量搬入機構>
計量搬入機構2は、図示は省略するが、トレーTに収納された食品等の商品Gの重量を計量する計量器と、一対のローラ間に張設された複数の搬入ベルトとを有している。搬入ベルトには搬送用の突起が設けられており、計量器上(搬入ベルト上方)に商品Gを収容したトレーTを図9に示すように載置すれば、商品Gの重量が計量器により計量された後、トレーTが搬入ベルトの突起に押されて、包装ステーション3のリフト機構30(後述)の支持ベース33a,33b上に送られる(図10参照)。
【0021】
<包装ステーション>
包装ステーション3は、本体1a内にあって、計量が終わったトレーT内の商品Gに一連のフィルム包装処理を施す空間である。この包装ステーション3では、フィルム搬送機構6によってストレッチフィルムFが張られ、張られたフィルムFに対してリフト機構30がトレーTおよび商品Gを突き上げる(図11参照)。そして、折り込み機構7の折込板76〜78や前折込棒79がフィルムFを突き上げた状態のトレーTの下側へとフィルムFの周囲の部分を折り込むことによって、トレーTおよび商品GがフィルムFで覆われた状態となる。
【0022】
この包装ステーション3の下部には、トレーTの底面を支持してトレーTおよび商品Gを上方に移動させるためのリフト機構30が設けられている。
[リフト機構]
リフト機構30は、図3〜図5に示すように、主として、支持ベース33a,33bと、支持ベース33a,33b上に固定された合計33個の載置部材311〜314,321〜325,331〜335,341〜345,351〜355,361〜365,371〜374と、支持ベース33a,33bを上下移動させるラックピニオン機構34とから構成されている。ラックピニオン機構34では、ギアボックスを介してサーボモータからの回転を出力する出力軸に固定されるピニオンが、そのピニオンに噛合するラックを上下させる。これにより、ラック上部に固定される支持ベース33aが上下移動する。
【0023】
2つの支持ベース33a,33bは、前後に配置されており、大きなトレーTを包装する際には連結され、小さなトレーTを包装する際には切り離される。
載置部材311等は、後述するように前後バネ28のバネ強さが載置部材によって異なるという違いはあるものの、基本的な構造は全て同じとなっている。ここでは、載置部材311を例にとって構造の説明を行う。
【0024】
載置部材311は、図6および図7に示すように、主として、ヘッド21と、固定ポスト22と、左右回動軸23と、前後回動軸24と、左右バネ27と、前後バネ28とから構成されている。
ヘッド21は、上面がトレーTを載置する載置面となっており、固定ポスト22に対して前後および左右に回動して倒れることができる。
【0025】
固定ポスト22は、ヘッド21の下方に配置されており、下部が支持ベース33aに固定されている。
左右回動軸23は、図6の太線の2点鎖線の矢印A1で示すようにヘッド21が垂直状態から左右一方向に約90度の回動が可能になるように、ヘッド21を固定ポスト22に軸支する。
【0026】
前後回動軸24は、図7の太線の2点鎖線の矢印A2で示すようにヘッド21が垂直状態から前方向に約90度の回動が可能になるように、ヘッド21を固定ポスト22に軸支する。
したがって、左右回動軸23と前後回動軸24とは、平面的に直交している。また、図6および図7に示すように、左右回動軸23の中心23aと前後回動軸24の中心24aとは、互いの高さ位置が寸法Hだけずれている。後述するように、ヘッド21は、左右折込板76,77からの力を受けて左右回動軸23を中心に回動して左右一方向に倒れ、後ろ折込板78からの力を受けて前後回動軸24を中心に回動して前方に倒れる。ここで、左右回動軸23の中心23aと前後回動軸24の中心24aとが寸法Hだけ高さ方向にずれて配置されているため、左右折込板76,77の高さ方向の中心(図6の中心線77a参照)と左右回動軸23の中心23aとの高さ方向距離L1は、後ろ折込板78の高さ方向の中心(図7の中心線78a参照)と前後回動軸24の中心24aとの高さ方向距離L2に近い値となっている。左右折込板76,77と後ろ折込板78とが高さ方向にずれて配置されているため、もし前後回動軸24の中心24aが左右回動軸23の中心23aと同じ高さ位置にあるとすれば、後ろ折込板78の高さ方向の中心と前後回動軸24の中心24aとの高さ方向距離が図7に示す距離L2よりも大きくなって、ヘッド21の前方への倒れの回動半径が大きくなり、載置部材311等を前後方向に密に配置できなくなる。しかし、ここでは載置部材311等のヘッド21の前方への倒れの回動半径が比較的小さな値に抑えられているため、載置部材311等の前後方向の配置間隔を小さくすることができている(図5参照)。
【0027】
なお、ヘッド21が左右回動軸23および前後回動軸24を中心にそれぞれ約90度だけ回動可能であるため、左右および前後の両方から力を受けた場合には、ヘッド21は斜めに倒れることもある。具体的には、図5において点線で示す範囲が、本包装装置1において載置部材311等のヘッド21が倒れる可能性のある平面的な範囲となる。
【0028】
ただし、中央列にある載置部材341〜345については、左右折込板76,77が届かない範囲にあるため、原則として左右方向に倒れることはなく、前方だけに倒れることになる。しかし、トレーTの載置位置などの関係で重量バランスが崩れて中央の載置部材341〜345が左右に倒れると、包装に不具合が生じる恐れもある。これに鑑み、ここでは、中央の載置部材341〜345については、ヘッド21が左右に倒れることを防止するリング(図示せず)を装着して、ヘッド21が左右には倒れず前にだけ倒れる構造としている。
【0029】
図6および図7に示す左右バネ27は、図6太線の2点鎖線の矢印A1で示すようにヘッド21が垂直状態から左右一方向に回動するときに、その回動に抗するバネである。すなわち、左右バネ27は、ヘッド21が左右方向に倒れたときにヘッド21を図6の実線で示す垂直状態に戻すようにバネ力を作用させるものである。この左右バネ27は、弦巻状のバネであり、左右回転軸23の周りに巻き付いている。
【0030】
図6および図7に示す前後バネ28は、図7の太線の2点鎖線の矢印A2で示すようにヘッド21が垂直状態から前方に回動するときに、その回動に抗するバネである。すなわち、前後バネ28は、ヘッド21が前方に倒れたときにヘッド21を図7の実線で示す垂直状態に戻すようにバネ力を作用させるものである。この前後バネ28は、弦巻状のバネであり、前後回転軸24の周りに巻き付いている。
【0031】
そして、左右バネ27のバネ強さは、原則として、前後バネ28のバネ強さよりも強く設定されている。すなわち、ヘッド21は、原則として、左右に倒れるときには強いバネ反力を受け、前に倒れるときには弱いバネ反力を受けることになる。但し、左右方向の中央の列(中央列)にある5つの載置部材341〜345については、左右バネ27のバネ強さは他の載置部材311等と同じであるが、前後バネ28のバネ強さは、他の載置部材311等の前後バネ28のバネ強さよりも強く設定されている。具体的には、中央列の載置部材341〜345の前後バネ28のバネ強さは、自身および他の載置部材311等の左右バネ27のバネ強さよりも強く設定されている。
【0032】
なお、前後バネ28のバネ強さが特別に強く設定されている中央列の載置部材341〜345は、左右折込板76,77がトレーTの下側に入り込んだときにもトレーTを支え続けるものである。左右折込板76,77は、中央列の載置部材341〜345の手前までしか移動してこない(図16および図17参照)。
以上をまとめると、載置部材311等に採用されているバネは3種類あり、中央列の載置部材341〜345の前後バネ28が一番バネ強さが強く、全ての載置部材311等の左右バネ27が次にバネ強さが強く、左右それぞれ3列の載置部材311〜314,321〜325,331〜335,351〜355,361〜365,371〜374の前後バネ28が最もバネ強さが弱くなっている。
【0033】
[押さえ機構]
また、包装ステーション3の上部には、リフト機構30によってトレーTおよび商品Gが突き上げられて止まったときにトレーTや商品Gが姿勢を崩して転倒することを抑える役割を果たす押さえ機構(図示せず)が配置されている。この押さえ機構は、排出プッシャー80によってトレーTを排出台83に押し出しながらトレーTの下に折り込まれたフィルムFを加熱ローラ112によってヒートシールする際に、商品GおよびトレーTを加熱ローラ112に押しつける役割も果たす。
【0034】
<ロール支持機構>
フィルムロールRを支持するロール支持機構4は、図2に示すように、本体1aの両側部に概ね対称に設けられている。ロール支持機構4は、主としてロールバー4aから構成されている。
ロールバー4aは、フィルムロールRを挿通させ、ホルダー等でフィルムロールRを保持することができる。また、ロールバー4aは、それぞれ本体1aに回転自在に支持されており、1つのフィルムロール駆動モータ4bによって駆動されるようになっている。フィルムロール駆動モータ4bは正逆回転が可能であり、正回転時に一方のロール支持機構4を、逆回転時に他方のロール支持機構4を駆動する。
【0035】
<フィルム送り出し機構>
フィルム送り出し機構5は、フィルムロールRから引き出されたフィルムFを後述するフィルム搬送機構6の一対のフィーダユニット61,62に受け渡すための機構である。このフィルム送り出し機構5は、図2に示すように、主として、繰り出しローラ51と、繰り出しローラ51を回す繰り出しモータ52と、フィルム差し込み板ユニット53と、フィルム差し込み板ユニット53を上下移動させるフィルム差し込み板駆動モータ54とから構成されている。
【0036】
繰り出しローラ51は、ロール支持機構4に保持されたフィルムロールRの斜め上方、フィルムロールRよりも外側に配置されるローラであって、フィルムロールRの長手方向に沿って延びている。この繰り出しローラ51は、ベルトを介して繰り出しモータ52と連結されており、繰り出しモータ52の作動によって回転する。
【0037】
フィルム差し込み板ユニット53は、主として2枚の板部材57,58から構成されており、図2に示すように、ロール支持機構4に支持されたフィルムロールRの上方に配置されている。
フィルム差し込み板駆動モータ54は、上記のフィルム差し込み板ユニット53を上下に移動させるために配備されており、リンク機構を介してフィルム差し込み板ユニット53を上下移動させる。
【0038】
<フィルム搬送機構>
フィルム搬送機構6は、フィルムロールRから上記フィルム送り出し機構5によって繰り出されたフィルムFを受け取って、包装ステーション3の中央部分に搬送し、さらにフィルムFを緊張保持する。このフィルム搬送機構6は、主として、第1フィーダユニット61と、第2フィーダユニット62と、第1フィーダ移動ユニット63と、第2フィーダ移動ユニット64と、フィーダ駆動ユニット65とから構成されている。
【0039】
第1フィーダユニット61は装置1の正面から見て手前側に、第2フィーダユニット62は装置1の正面から見て向こう側に配置されている(図3および図4参照)。これらの第1および第2フィーダユニット61,62は、横送りされるフィルムFの前後の両側部(手前側および向こう側の側部)を上下のベルトで挟み、フィーダ駆動ユニット65の作動によってフィルムFを搬送する。
【0040】
また、第1フィーダユニット61は第1フィーダ移動ユニット63の作動により、第2フィーダユニット62は第2フィーダ移動ユニット64の作動によって、それぞれフィルム幅方向(図3および図4の左右方向)に移動するように構成されている。それぞれのフィーダユニット61,62は、フィルム幅方向に沿って延びるスライドシャフト66,67によって、2カ所でフィルム幅方向に移動自在に支持されている。
【0041】
なお、図3および図4では図示していないが、第1および第2フィーダユニット61,62は、複数のクランプ61a,62a(図14〜図17参照)を有している。これらのクランプ61a,62aは、ソレノイドによって作動し、フィルムFの把持および把持の解除を行うものである。クランプ61a,62aは、左右折込板76,77および後ろ折込板78によってフィルムFの周縁部をトレーTの下側へと折り込ませるときの初期において、主としてフィルムFの前後の端部を把持する役割を果たす(図14,図15参照)。
【0042】
[カッター機構]
また、フィルム搬送機構6のフィルム搬送方向前側には、カッター機構69が配備されている。カッター機構69は、フィルム送り出し機構5からフィルム搬送機構6へと受け渡されたフィルムFがフィルム搬送機構6で所定量だけ搬送された後に、両機構5,6間においてフィルムFを切断するために設けられている。カッター機構69は、フィルム幅よりも長い切断刃69aを有し、この切断刃69aをアクチュエータで移動させることによりフィルムFを切断する。
【0043】
なお、カッター機構69も、正面右側のフィルムロールRからフィルムFが繰り出されるときのためのものと、正面左側のフィルムロールRからフィルムFが繰り出されるときのためのものとの2セットが配備されている(図2参照)。
<折り込み機構>
折り込み機構7は、図2および図3に示すように、主として、左右折込板76,77と、後ろ折込板78と、前折込棒79と、排出プッシャー80とから構成されている。
【0044】
左右折込板76,77は、フィルムFの周縁部の左右部分(フィルム搬送方向の両端部近傍部分)をトレーTの下側に折り込むもので、図示しないモータおよびタイミングベルトによって左右方向に水平移動が可能である。具体的には、左右折込板76,77は、図11に示すようにリフト機構30が被包装物をフィルムFに押し上げた状態において、トレーTと載置部材311等との間に入り込み、フィルムFの周縁部を左右方向にトレーTの下側へと折り込ませる。
【0045】
後ろ折込板78は、フィルムFの周縁部の後側部分をトレーTの下側に折り込むもので、図示しないモータおよびタイミングベルトによって前後方向に水平移動が可能である。この後ろ折込板78は、左右折込板76,77よりも上側に配置されており、平面的に左右折込板76,77に重なりながらフィルムFをトレーTの下側に折り込むことができる。具体的には、後ろ折込板78は、リフト機構30が被包装物をフィルムFに押し上げた状態において、左右折込板76,77よりも高い位置においてトレーTと載置部材311等との間に入り込み、フィルムFの周縁部を前後方向にトレーTの下側へと折り込ませる。
【0046】
前折込棒79は、トレーTを排出台83に向けて押し出す排出プッシャー80によるトレーTの排出時において、フィルムFの周縁部の前側部分(第1フィーダユニット61側の側部近傍部分)がトレーTの下側に折り込まれるように、図3等に示すように配置されている。
排出プッシャー80は、図2に示すように、上述の押さえ機構(図示せず)と干渉しないよう、左右に2分割されている。排出プッシャー80は、図示しないモータおよびタイミングベルトによって前後方向に水平移動が可能である。後述するように、排出プッシャー80は、後ろ折込板78がフィルムFの周縁部の後側部分をトレーTの下側へと折り込ませた後に、トレーTを前方に移動させて、フィルムFの周縁部の前側部分を前折込棒79によって相対的にトレーTの下側へと折り込ませる(図12,図13参照)。
【0047】
<加熱機構>
加熱機構82は、図3に示すように、加熱ローラ112や、その前後の搬送ローラなどから構成されている。
<制御部>
本体1aの上部に配される制御部9は、図8に示すように構成されており、各機構2,5,6,30,7,82,10,11の各動作を制御する。制御部9は、CPU91、ROM92、RAM93、タッチパネル式の表示パネル94、操作キー95などを有しており、また各種データが保存される記憶部96とつながっている。主電源スイッチ16、ヒータ電源スイッチ17、非常停止スイッチ18などからの入力も、制御部9に伝達される。
【0048】
記憶部96には、フィルムデータファイル96aと、商品データファイル96bと、トレーデータファイル96cとが収納されている。フィルムデータファイル96aには、複数種類のフィルムFの性状に関するデータが、フィルムFの種類ごとに記憶されている。商品データファイル96bには、商品Gの単価データや商品Gの性状に関するデータが、商品Gの種類ごとに記憶されている。トレーデータファイル96cには、トレーTの性状に関するデータが、トレーTの種類ごとに記憶されている。
【0049】
<包装装置の動作概略>
次に、上記のような構成を持つ包装装置1の概略動作を説明する。
本装置1では、オペレータが商品Gを収容したトレーTを計量搬入機構2の計量器上に載せると、計量値が安定して計量が完了するのを待って、搬入ベルトが動き出す。この搬入ベルトの動きに従って搬入ベルトに固定されている突起が移動し、商品Gを載せたトレーTをリフト機構30の載置部材上に押し出す(図9,図10参照)。
【0050】
一方、フィルムロールRからフィルム送り出し機構5によりフィルム搬送機構6へと受け渡されたフィルムFは、カッター機構69の切断刃69aにより切断され1枚の長方形状のフィルムFになって、リフト機構30の上方まで両フィーダユニット61,62によって運ばれている。そして、リフト機構30の上方において、図10に示すフィルムFは、各クランプ61a,62aの作動によりフィルムFの周縁部の前後端を強く把持された状態となっている。
【0051】
そして、このように周縁部、特に前後端を強く把持されたフィルムFに対して、リフト機構30が商品GおよびトレーTを押し上げる(図11参照)。すると、前後端を強く把持されているフィルムFは、伸張して商品GおよびトレーTの上部を覆う。
この状態において、左右折込板76,77、および、それに続いて動き出す後ろ折込板78が、トレーTの下側に水平移動してくる。そして、適当なタイミングで第2フィーダユニット62のクランプ62aがフィルムFの保持を解除し、フィルムFの周縁部の左右部分および後側部分がトレーTの下側に折り込まれる。続いて、図12に示すように排出プッシャー80がトレーTを排出台83側に押し出すと、折り込まれていなかったフィルムFの周縁部の前側部分(正面側の部分)が前折込棒79に当たり、排出台83側へのトレーTの移動にしたがってトレーTの下側に折り込まれていく。なお、第1フィーダユニット61のクランプ61aは、このときにフィルムFの把持を解除する。また、この移動中に、トレーTの下側に折り込まれたフィルムFが加熱ローラ112によりヒートシールされ、図13に示す位置に排出されたときには、商品GおよびトレーT全体をフィルムFが覆いヒートシールされた包装完了の状態となる。
【0052】
さらに、ラベル貼付を含む処理を選択している場合には、計量値に基づいて算出される商品の値段や重量などがラベルプリンター10によりラベルに印字され、そのラベルがラベル発行機11により包装済みの商品GおよびトレーTに貼付される。
<フィルムの周縁部のトレー下側への折り込み動作の詳細>
次に、第1および第2フィーダユニット61,62の各クランプ61a,62aによって保持されているフィルムFをトレーTの下側に折り込むフィルム折り込み動作について、図14〜図17を用いて詳しく説明する。
【0053】
図14(a),(b)は、リフト機構30によってトレーTが後ろ折込板78および左右折込板76,77よりも上方に持ち上げられたときの状態を表している。図14(a)は正面から、図14(b)は側面から見たときの状態を表す。ここでは、フィルムFがある程度伸張しており、トレーT内の商品はピンと張られたフィルムFで上方を覆われた状態となっている。
【0054】
この図14(a),(b)に示す状態までトレーTが持ち上げられると、左右折込板76,77および後ろ折込板78がトレーTの下方の空間に向かって水平移動してくる。前述のように、左右折込板76,77よりも後ろ折込板78が上側にあるため、平面的に左右折込板76,77および後ろ折込板78が重なるようにトレーTの下側に入り込むことになる。
【0055】
そして、図15(a),(b)に示すように、左右折込板76,77がフィルムFを中央に向けて押し始め、続いて、後ろ折込板78がフィルムFを前方へ押し始める。後ろ折込板78がフィルムFを前方へ押し始めると、図15(b)において白抜きの矢印A11で示すように、第2フィーダユニット62が少し前方に移動し、フィルムFに過剰な張力が作用することを抑える。
【0056】
また、図15(b)に示すように、前後方向においては、載置部材311等のうち後側にある載置部材325,335,345,355,365のヘッド21が倒れ始める。このときには第2フィーダユニット62のクランプ62aがフィルムFの後端を把持し続けているが、ヘッド21が倒れ始める5つの載置部材325,335,345,355,365のうち4つの載置部材325,335,355,365については前後バネ28のバネ強さが弱く、トータルとして大きな抵抗なく載置部材325,335,345,355,365のヘッド21が倒れる。このため、後ろ折込板78と載置部材325,335,345,355,365とにフィルムFが強く挟まれ、後ろ折込板78の移動によって過剰な張力がフィルムFに作用してフィルムFが破れるといった不具合が少なくなっている。
【0057】
さらに、図15(a)に示すように、左右方向においては、左右の外側の2列にある載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374のヘッド21が倒れ始める。クランプ61a,62aは主としてフィルムFの前後端を把持しており、フィルムFの左右の端部は殆ど把持されていないが、ここではヘッド21が倒れ始める載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374を含む全載置部材311等の左右バネ27が比較的強いバネ強さを有しているため、倒れながらフィルムFに接触する載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374のヘッド21は、フィルムFを比較的強く拘束することになる。そして、載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374が比較的強くフィルムFを拘束した状態において左右折込板76,77が内側に進むため、トレーTを覆うフィルムFの張りが緩んで包装後に見栄えが悪くなることが少なくなる。すなわち、フィルムFに接触しながらフィルムFを比較的強く拘束することになる載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374は、フィルムFの張りが緩む方向ではなく、フィルムFの張りが向上する方向に影響を及ぼす。
【0058】
次に、所定の位置まで左右折込板76,77および後ろ折込板78が進んでくると、第2フィーダユニット62のクランプ62aによるフィルム把持が解除される。この後、さらに左右折込板76,77および後ろ折込板78が移動して、図16に示す状態を経由して、図17に示す状態へと移行する。図17に示すように、後ろ折込板78が中央列の前端の載置部材341を倒すぐらいまで前方に進んでくると、排出プッシャー80が図17(b)の白抜きの矢印A12に示すように前方に移動してくるとともに、リフト機構30が載置部材311等を固定している支持ベース33a,33bを図17(b)の白抜きの矢印A13に示すように下降させ始める。
【0059】
その後、後ろ折込板78がトレーTの前端まで移動し、排出プッシャー80が上述のようにトレーTを前方の排出台83に押し出す(図13参照)。
<本実施形態の包装装置の特徴>
(1)
包装装置1では、左右折込板76,77と後ろ折込板78とが異なる高さ位置において被包装物のトレーTと載置部材311等との間に入り込んで、フィルムFの周縁部をトレーTの下側に折り込む。そして、フィルムFに対して被包装物を押し上げる際にトレーTが載るリフト機構30の複数の載置部材311等は、左右折込板76,77からの力を受けて左右回動軸23を中心に傾倒するとともに、後ろ折込板78からの力を受けて前後回動軸24を中心に傾倒する。
【0060】
ここで、もし左右回動軸23と前後回動軸24とが同じ高さ位置にあるとすれば、左右折込板76,77と後ろ折込板78とが異なる高さ位置にあることから、左右回動軸23を中心とする傾倒の回動半径と前後回動軸24を中心とする傾倒の回動半径とを共に小さくセットすることが難しくなる。
しかしながら、包装装置1では、左右回動軸23の高さ位置と前後回動軸24の高さ位置とを異ならせているため、左右回動軸23を中心とする傾倒の回動半径と前後回動軸24を中心とする傾倒の回動半径とを共に小さくセットすることができている。
【0061】
具体的には、図6および図7に示すように、後ろ折込板78が左右折込板76,77よりも上側に位置していることに対応させて、前後回動軸24を左右回動軸23よりも上側に位置させている。このため、載置部材311等のヘッド21の前への回動半径が比較的小さな値に抑えられ、載置部材311等の前後方向の配置間隔を小さくすることができている。
【0062】
(2)
包装装置1では、第1および第2フィーダユニット61,62の複数のクランプ61a,62aによって、フィルムFの左右の端部よりもフィルムFの前後の端部が主として把持されている。したがって、フィルムFに対してリフト機構30が被包装物を押し上げると、前後方向にフィルム張力を確保することは容易だが、左右方向にフィルム張力を確保することが難しくなる。
【0063】
しかし、包装装置1では、左右折込板76,77からの力で左右回動軸23を中心に傾倒するときの載置部材311等のヘッド21の倒れ難さを決める左右バネ27が比較的バネ強さが強く、載置部材311等のヘッド21に接触するフィルムFの載置部材311等のヘッド21による拘束の度合いが強くなるため、左右折込板76,77がフィルムFをトレーTの下側に折り込む際に、フィルムFが載置部材311等のヘッド21や左右折込板76,77に引きずられる形で張力を増すようになる。これにより、フィルムFの左右の端部が殆ど把持されない包装装置1であっても、包装後のフィルムFの左右方向の張り具合を確保することができている。
【0064】
一方、後ろ折込板78がトレーTの下側に入り込み始め、載置部材325,335,345,355,365のヘッド21が倒れ始めるときには、第2フィーダユニット62のクランプ62aがフィルムFの後端を把持し続けているが、原則として載置部材311等の前後バネ28のバネ強さが弱く設定されているため、特別な載置部材345を除く載置部材325,335,355,365のヘッド21は大きな抵抗なく倒れる。このため、後ろ折込板78と載置部材325,335,345,355,365とにフィルムFが強く挟まれ、後ろ折込板78の移動によって過剰な張力がフィルムFに作用してフィルムFが破れるといった不具合が少なくなっている。
【0065】
このように、包装装置1では、左右折込板76,77からの力で左右回動軸23を中心に傾倒するときの載置部材311等のヘッド21の倒れ難さを決める左右バネ27と、後ろ折込板78からの力で前後回動軸24を中心に傾倒するときの載置部材311等のヘッド21の倒れ難さを決める前後バネ28とで、バネ強さを変えている。載置部材311等のヘッド21の倒れ難さは、載置部材311等に接触するフィルムFの載置部材311等のヘッド21による拘束の度合いに影響を及ぼすので、適切に決めてやることによって包装後のフィルムFの張り具合を向上させることができる。そして、包装装置1では、左右バネ27のバネ強さと前後バネ28のバネ強さとを個々に適切に設定することによって、左右および前後のそれぞれのフィルムFの把持状態などが異なる包装装置1において、左右方向のフィルムFの張り具合と前後方向のフィルムFの張り具合とを共に適切な状態に持っていくようにしている。
【0066】
(3)
上記のように、包装装置1では、原則として載置部材311等の前後バネ28のバネ強さを左右バネ27よりも弱く設定して、包装後の左右前後のフィルムFの張り具合の向上を図っている。しかし、下記のような効果を狙い、中央列の載置部材341〜345については、特別に前後バネ28のバネ強さを左右バネ27よりも強く設定している。
【0067】
包装装置1では、左右折込板76,77がトレーTの下側に入ってきた後も、中央列の載置部材341〜345はトレーTを支える状態を維持する。そして、後ろ折込板78がフィルムFをトレーTの下側に折り込むときには、後ろ折込板78からの力を直接受けて中央列の載置部材341〜345や幾つかの他の載置部材が前に傾倒するとともに、後ろ折込板78に引っ張られるフィルムFによって、その他の載置部材の一部も左右に傾倒しながら前に傾倒する。
【0068】
ここで、中央列の載置部材341〜345については、それらの前後バネ28のバネ強さを他の載置部材311等に較べて強くしている。このため、その強い前後バネ28を持ちトレーTを支える中央列の載置部材341〜345によって、後ろ折込板78が入り込んでくるときにフィルムFを介した後ろ折込板78からの力によって被包装物の位置が前後に大きくずれることが抑えられている。
【0069】
もちろん、このように中央列の載置部材341〜345の前後バネ28をバネ強さの強いものにしているため、後ろ折込板78がトレーTの下側に入ってくるときに載置部材341〜345のヘッド21によるフィルムFの拘束度合いが若干高まるが、その他の載置部材311等については比較的弱いバネ強さの前後バネ28を組み込んでいるため、トータルとしては大きな抵抗なく載置部材325,335,345,355,365のヘッド21が倒れることになる。したがって、第2フィーダユニット62のクランプ62aがフィルムFの後端を把持していても、フィルム張力が過剰に大きくなってフィルムFが損傷してしまう不具合は殆ど発生しない。
【0070】
<本実施形態の包装装置の変形例>
(A)
上記包装装置1はフィルム横送り型のストレッチ包装装置であるが、本発明は、フィルム縦送り(前後送り)型の青果などを包装対象とするストレッチ包装装置に対しても適用することができる。
【0071】
(B)
上記包装装置1では、図6および図7に示すように、後ろ折込板78が左右折込板76,77よりも上側に配置されていることに合わせ、前後回動軸24を左右回動軸23よりも上側に配置している。しかし、本発明を左右折込板が後ろ折込板よりも上側に位置する包装装置に適用する場合には、左右回動軸を前後回動軸よりも上側に配置することになる。
【0072】
この場合には、左右折込板が後ろ折込板よりも上側に位置するため、もし左右回動軸と前後回動軸とが同じ高さ位置にあるとすれば、左右回動軸を中心とする傾倒の回動半径が不要に大きくなってしまうことが想定される。しかし、左右回動軸を前後回動軸よりも上側に位置させることによって、左右回動軸を中心とする傾倒の回動半径が比較的小さな寸法となり、載置部材の左右方向の間隔を小さく抑えることができるようになる。
【0073】
(C)
上記包装装置1では、中央列の載置部材341〜345は、全て同じバネ強さを持つ前後バネ28を備えている。しかし、中央列の載置部材341〜345それぞれの前後バネ28は、バネ強さに差異があってもよい。
例えば、中央列の載置部材341〜345は、載置部材345、載置部材344、載置部材343、載置部材342、載置部材341の順番に後ろ折込板78から力を受けてヘッド21が倒れる。傾倒する順序が早いものについては、ヘッド21が倒れた後には被包装物の位置ズレ抑制に寄与しない。これに鑑み、載置部材341〜345について、ヘッド21が倒れる順番が遅いものほど前後バネ28のバネ強さが強くなるようにしてもよい。こうした場合にも、載置部材341〜345によって被包装物の位置が前後に大きくずれることが抑えられるとともに、後ろ折込板78が入り込んでくるときに載置部材345などが過剰にフィルムFを拘束することが抑えられるようになる。すなわち、中央列の載置部材341〜345それぞれの前後バネ28のバネ強さに適切に差異を設けることによって、後ろ折込板78がフィルムFの周縁部の後端部分をトレーTの下側に折り込む際の被包装物の前方へのズレの抑制と、後ろ折込板78がトレーTの下側に入り込むときにフィルムFに過剰な張力がかかることの抑制とを、バランスよく実現することができる。
【0074】
(D)
上記包装装置1では、中央列の載置部材341〜345全てについて、前後バネ28のバネ強さを強く設定している。
しかし、後ろ折込板78がフィルムFの周縁部の後端部分をトレーTの下側に折り込む際の被包装物の前方へのズレの抑制と、後ろ折込板78がトレーTの下側に入り込むときにフィルムFに過剰な張力がかかることの抑制とのバランスを考慮した上で、例えば、中央列の一番前にある載置部材341の前後バネ28のバネ強さだけを強く設定し、載置部材342〜345を含む残りの載置部材311等については一律に弱いバネ強さを持つ前後バネ28を装備させてもよい。
【0075】
(E)
上記包装装置1では、中央列の載置部材341〜345について前後バネ28のバネ強さを他の載置部材311等よりも強く設定しているが、必要に応じて、さらに中央列のすぐ横に位置する左右列の幾つかの載置部材についても、前後バネ28のバネ強さを強く設定することが考えられる。
【0076】
(F)
上記包装装置1では、トレーTの載置位置などの関係で重量バランスが崩れて中央の載置部材341〜345が左右に倒れると包装に不具合が生じる恐れもあることを考慮して、中央の載置部材341〜345については、ヘッド21が左右に倒れることを防止するリングを装着して、ヘッド21が左右には倒れず前にだけ倒れる構造としている。
【0077】
これに対し、製造コストが大きく増加しないのであれば、中央の載置部材341〜345を他の載置部材311等と全く異なる構造として、物理的に左右には倒れず前だけに倒れる構造とすることも考えられる。このときには、中央の載置部材341〜345については、回動軸およびバネを1組備えればよい。
【0078】
【発明の効果】
本発明では、第1載置部材群のうち少なくとも1つの載置部材から成る特定載置部材群の前後バネのバネ強さを他の載置部材に較べて強くしているため、その強い前後バネを持ち被包装物を支える特定載置部材群の載置部材によって、前後方向折込部材が入り込んでくるときにフィルムを介した前後方向折込部材からの力によって被包装物の位置が前後に大きくずれることが抑えられる。また、特定載置部材群の載置部材以外の載置部材は比較的弱いバネ強さの前後バネが傾倒に抗することになるため、それらの載置部材に接触したフィルムが載置部材に強く拘束されてしまうことがなくなり、前後でフィルムをクランプしている場合にも、フィルム張力が大きくなってフィルムが損傷してしまう恐れが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である包装装置の外観斜視図。
【図2】包装装置内部の正面概略図。
【図3】図2のIII−III矢視概略図。
【図4】図3のIV−IV矢視概略図。
【図5】リフト機構のリフトヘッド配置図。
【図6】載置部材の正面図。
【図7】載置部材の側面図。
【図8】制御部のブロック構成図。
【図9】包装装置の動作説明図。
【図10】包装装置の動作説明図。
【図11】包装装置の動作説明図。
【図12】包装装置の動作説明図。
【図13】包装装置の動作説明図。
【図14】折り込み動作説明図。
【図15】折り込み動作説明図。
【図16】折り込み動作説明図。
【図17】折り込み動作説明図。
【符号の説明】
1 包装装置
21 ヘッド
22 固定ポスト
24 前後回動軸
28 前後バネ
30 リフト機構
76,77 左右折込板(左右方向折込部材)
78 後ろ折込板(前後方向折込部材)
80 排出プッシャー(被包装物移動機構)
311〜314 載置部材
321〜325 載置部材
331〜335 載置部材
341〜345 中央列の載置部材(第1載置部材群;特定載置部材群)
351〜355 載置部材
361〜365 載置部材
371〜374 載置部材
F フィルム
T トレー(被包装物)
G 商品(被包装物)
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装装置、特に、緊張保持させたフィルムに下方から被包装物を押し上げフィルムの周縁部を被包装物の下側へと折り込む包装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡スチロールなどを使ったトレーに収納された生鮮食料品等の被包装物をストレッチフィルムによって包装する装置が、ストレッチ包装装置として知られている。このストレッチ包装装置では、所定の幅を有するストレッチフィルムをトレーの大小に応じて所定長さ寸法に切断するとともに、フィルムの幅方向の両側縁部を上下のベルト等から成る一対のフィーダにより保持しながらフィルムを包装ステーションに搬送し、包装ステーションでフィルム包装を施す。包装ステーションでは、搬送されてきて緊張保持されているフィルムに対してトレーに収納された商品(以下、被包装物という。)を押し上げ、被包装物をフィルムに密着させた状態でフィルムの周縁部を被包装物の下側に折り込む。具体的には、左右の折込部材がフィルムの周縁部の左右部分を被包装物の下側に折り込み、後ろ折込部材がフィルムの周縁部の後側部分を被包装物の下側に折り込み、最後に、被包装物をプッシャーで前方に押し出してフィルムの周縁部の前側部分を相対的に被包装物の下側へと折り込む。このようにして、被包装物をストレッチフィルムで包んだ後、被包装物の下に折り込まれたフィルムをヒートシールして包装を完了させる。
【0003】
このような包装装置であって、フィルムの周縁部を被包装物の下側に折り込むときに被包装物を支持する複数の載置部材が順に倒れるものが、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の包装機では、左右に配置されている載置部材が左右および前後に倒れるように構成されるとともに、中央に配置されている載置部材が後ろ折込部材によって前に倒れるように構成されている。また、載置部材には、傾倒状態を上面が水平な状態に戻すためのバネが設けられている。すなわち、それぞれの載置部材は、バネに抗して少なくとも前に傾倒するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−69769号公報(第1図、第3図、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような包装装置では、後ろ折込部材がフィルムの周縁部の後側部分を被包装物の下側に折り込む途中に、後ろ折込部材から作用する力により、被包装物が前にずれてしまう恐れがある。特に、被包装物を支えている載置部材の前後方向の倒れに抗する前後バネのバネ力が弱いと、後ろ折込部材の勢いによっては被包装物の前へのズレが大きくなり、被包装物やフィルムに傷がついたり、フィルムの折り込み量が不十分になったりする可能性がある。
【0006】
しかし、載置部材の前後方向の倒れに抗する前後バネのバネ力を一律に強くすると、被包装物を支えた状態で後ろ折込部材から直接的に力の作用を受ける中央の載置部材、および、後ろ折込部材に引っ張られるフィルムから力の作用を受ける他の載置部材が、ともに前に倒れ難くなる。そうなると、後ろ折込部材が被包装物の下側に入り込む際に、フィルムに接触してフィルムから力を受けることになる載置部材がそのフィルムを比較的強く拘束するようになり、特に前後でフィルムをクランプしている場合には、フィルム張力が大きくなってフィルムが損傷する恐れが高くなる。
【0007】
本発明の課題は、前後方向折込部材(後ろ折込部材など)がフィルムを被包装物の下側に折り込む際に被包装物が前後に大きくずれることが抑えられ、且つ載置部材に接触するフィルムが載置部材によって拘束されることが抑えられる包装装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る包装装置は、緊張保持させたフィルムに下方から被包装物を押し上げ、フィルムの周縁部を被包装物の下側へと折り込む包装装置であって、リフト機構と、左右方向折込部材と、前後方向折込部材とを備えている。リフト機構は、被包装物が載せられる複数の載置部材を有しており、被包装物を昇降させる。左右方向折込部材は、被包装物がフィルムを押し上げた状態において、被包装物と載置部材との間に入り込み、フィルムの周縁部を左右方向に被包装物の下側へと折り込ませる。前後方向折込部材は、被包装物がフィルムを押し上げた状態において、被包装物と載置部材との間に入り込み、フィルムの周縁部を前後方向に被包装物の下側へと折り込ませる。また、リフト機構の複数の載置部材は、少なくとも前後方向に力が作用したときに前後バネに抗して傾倒するものであって、左右方向折込部材が入り込んだときにも被包装物を支え続ける第1載置部材群を有している。そして、第1載置部材群のうち少なくとも1つの載置部材から成る特定載置部材群は、他の載置部材に較べて、前後方向の傾倒に対して抗する前後バネのバネ強さが強い。
【0009】
ここでは、左右方向折込部材が被包装物の下側に入ってきた後も、第1載置部材群の載置部材が、被包装物を支える状態を維持する。そして、前後方向折込部材がフィルムを被包装物の下側に折り込むときには、前後方向折込部材からの力を直接受けて第1載置部材群の載置部材が傾倒するとともに、前後方向折込部材に引っ張られるフィルムによって他の載置部材の一部も傾倒することがある。ここで、第1載置部材群のうち少なくとも1つの載置部材から成る特定載置部材群の前後バネのバネ強さを他の載置部材に較べて強くしているため、その強い前後バネを持ち被包装物を支える特定載置部材群の載置部材によって、前後方向折込部材が入り込んでくるときにフィルムを介した前後方向折込部材からの力によって被包装物の位置が前後に大きくずれることが抑えられる。また、特定載置部材群の載置部材以外の載置部材は比較的弱いバネ強さの前後バネが傾倒に抗することになるため、それらの載置部材に接触したフィルムが載置部材に強く拘束されてしまうことがなくなり、前後でフィルムをクランプしている場合にも、フィルム張力が大きくなってフィルムが損傷してしまう恐れが少なくなる。
【0010】
請求項2に係る包装装置は、請求項1に記載の包装装置であって、特定載置部材群は、第1載置部材群の中で前後方向折込部材によって最後に傾倒する載置部材のみから成る。
ここでは、最後に傾倒する1つの載置部材の前後バネのバネ強さを強くし、残りの載置部材については比較的前後バネのバネ強さを弱く設定しているため、前後方向折込部材が入り込んでくるときに載置部材が過剰にフィルムを拘束することがより抑えられる。また、最後に傾倒するまで被包装物を支え続ける1つの載置部材から成る特定載置部材群が存在するため、前後方向折込部材が入り込んでくるときにフィルム等からの力によって被包装物の位置が前後に大きくずれることも抑えられる。
【0011】
なお、請求項2における特定載置部材群の載置部材は、例えば、前後方向折込部材が被包装物の後ろから被包装物の前端まで被包装物の下側に入り込む部材である場合には、第1載置部材群の中で一番前に位置する載置部材となる。
請求項3に係る包装装置は、請求項1に記載の包装装置であって、特定載置部材群は、複数の載置部材から成っており、前後方向折込部材により傾倒する順序が遅いほど前後バネのバネ強さが強くなっている。
【0012】
ここでは、複数の載置部材から成る特定載置部材群によって被包装物の位置が前後に大きくずれることを確実に抑えているとともに、傾倒する順序が早いものについては、倒れた後には被包装物の位置ズレ抑制に寄与しないことを考慮して、傾倒する順序の遅いものに較べて前後バネのバネ強さを弱くしている。このように、ここでは、被包装物の位置ズレ抑制と、前後方向折込部材が入り込んでくるときに載置部材が過剰にフィルムを拘束することの抑制とを、バランスよく実現することが容易となる。
【0013】
請求項4に係る包装装置は、請求項1に記載の包装装置であって、特定載置部材群は、左右方向の中央の列にある載置部材全てから成る。
ここでは、左右方向の中央列にある載置部材全てが、特定載置部材群であり、左右方向折込部材が入り込んだときにも被包装物を支え続ける第1載置部材群に属する。そして、中央列の載置部材が全て強いバネ強さの前後バネを持っているため、被包装物が前後のいずれの位置にあるときにも、いずれかの載置部材によって確実に被包装物の前後方向の位置ズレが抑制されることになる。
【0014】
なお、左右方向の中央の列にある載置部材全ては、一律に同じバネ強さの前後バネを持っていてもよいし、互いの前後バネのバネ強さに違いがあってもよい。
請求項5に係る包装装置は、請求項1から4のいずれかに記載の包装装置であって、前後方向折込部材は、被包装物の一端からその下側に入り込み被包装物の他端の近傍まで移動する。
【0015】
ここでは、被包装物の一端から他端の近傍まで前後方向折込部材が入り込んで移動するため、前後方向折込部材の動きによって被包装物の前後位置がずれやすい傾向にあるが、傾倒に対して抗する前後バネのバネ強さが他の載置部材に較べて強い特定載置部材群が存在するため、被包装物の位置ズレが抑制される。
請求項6に係る包装装置は、請求項1から5のいずれかに記載の包装装置であって、被包装物移動機構をさらに備えている。被包装物移動機構は、前後方向折込部材がフィルムの周縁部の後側部分を被包装物の下側へと折り込ませた後に、被包装物を移動させて、フィルムの周縁部の前側部分を被包装物の下側へと折り込ませる。
【0016】
ここでは、左右方向折込部材によるフィルム周縁部の被包装物の下側への折り込みが行われ、前後方向折込部材によるフィルム周縁部後側部分の被包装物の下側への折り込みが行われ、最後に被包装物移動機構によって被包装物が動かされてフィルム周縁部前側部分の被包装物の下側への折り込みが行われる。すなわち、フィルム周縁部後側部分の被包装物の下側への折り込みと、フィルム周縁部前側部分の被包装物の下側への折り込みとは、同時には行われず、時間的にずれて行われる。したがって、前後方向折込部材によるフィルム周縁部後側部分の被包装物の下側への折り込み時には、被包装物に対して前側への荷重が主として作用することになり、被包装物の位置が前にずれる恐れがあるが、ここでは特定載置部材群を存在させているため、被包装物の位置ズレが抑制される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態に係るフィルム横送り型のストレッチ包装装置を、図1に示す。この包装装置1は、緊張保持させたストレッチフィルムFに対してトレーTに載せた生鮮食料品等の商品Gを押し上げ(図10,図11参照)、フィルムFの周縁部をトレーTの下側に折り込むことによって、トレーTおよび商品Gから成る被包装物のフィルム包装を行う装置である。また、この包装装置1は、フィルム包装機能に加えて、計量機能やラベル貼付による値付け機能を兼ね備えている。
【0018】
<装置の全体概略>
図1および図2に示すように、包装装置1は、計量搬入機構2と、包装ステーション3と、ロール支持機構4と、フィルム送り出し機構5と、フィルム搬送機構6と、折り込み機構7と、加熱機構82とを備えている。
計量搬入機構2は、本体1aの正面中央部に設けられている。包装ステーション3は、本体1a内に形成される空間である。ロール支持機構4は、本体1aの両側部に配設されており、それぞれフィルムロールRを保持する。フィルム送り出し機構5は、フィルムロールRから引き出されたフィルムFを上方に送り出す。フィルム搬送機構6は、フィルム送り出し機構5からフィルムFを受け取り、包装ステーション3へとフィルムFを搬送する。折り込み機構7は、包装ステーション3に搬送されたフィルムFによって、被包装物を包み込む。加熱機構82は、折り込み機構7により被包装物の下側に折り込まれ重なったフィルムFに対して、熱を加えてヒートシールを施す。
【0019】
また、本体1aの上部には、表示パネル94、操作キー95などを備えたコンピュータから成る制御部9が配置されている。この制御部9は、上記の各機構の作動を制御するとともに、計量搬入機構2により計量された商品Gの重量を示す信号に基づいて商品Gの価格の算出等を行い、商品Gの重量や価格等をラベルに印字するラベルプリンター10やラベル発行機11の作動を制御している。表示パネル94は、タッチパネル式のディスプレイであり、パネル上に操作ボタンも配される。また、コンピュータ内には記憶部96(図8参照)も収められており、記憶部96には、表示パネル94や操作キー95などから入力された、あるいは外部の装置から転送されたフィルムFに関するデータおよび被包装物に関するデータが記憶されている。
【0020】
なお、この包装装置1で使用するフィルムロールRは、所定の幅寸法とされたストレッチフィルムFが多重に巻き付けられているものである。
<計量搬入機構>
計量搬入機構2は、図示は省略するが、トレーTに収納された食品等の商品Gの重量を計量する計量器と、一対のローラ間に張設された複数の搬入ベルトとを有している。搬入ベルトには搬送用の突起が設けられており、計量器上(搬入ベルト上方)に商品Gを収容したトレーTを図9に示すように載置すれば、商品Gの重量が計量器により計量された後、トレーTが搬入ベルトの突起に押されて、包装ステーション3のリフト機構30(後述)の支持ベース33a,33b上に送られる(図10参照)。
【0021】
<包装ステーション>
包装ステーション3は、本体1a内にあって、計量が終わったトレーT内の商品Gに一連のフィルム包装処理を施す空間である。この包装ステーション3では、フィルム搬送機構6によってストレッチフィルムFが張られ、張られたフィルムFに対してリフト機構30がトレーTおよび商品Gを突き上げる(図11参照)。そして、折り込み機構7の折込板76〜78や前折込棒79がフィルムFを突き上げた状態のトレーTの下側へとフィルムFの周囲の部分を折り込むことによって、トレーTおよび商品GがフィルムFで覆われた状態となる。
【0022】
この包装ステーション3の下部には、トレーTの底面を支持してトレーTおよび商品Gを上方に移動させるためのリフト機構30が設けられている。
[リフト機構]
リフト機構30は、図3〜図5に示すように、主として、支持ベース33a,33bと、支持ベース33a,33b上に固定された合計33個の載置部材311〜314,321〜325,331〜335,341〜345,351〜355,361〜365,371〜374と、支持ベース33a,33bを上下移動させるラックピニオン機構34とから構成されている。ラックピニオン機構34では、ギアボックスを介してサーボモータからの回転を出力する出力軸に固定されるピニオンが、そのピニオンに噛合するラックを上下させる。これにより、ラック上部に固定される支持ベース33aが上下移動する。
【0023】
2つの支持ベース33a,33bは、前後に配置されており、大きなトレーTを包装する際には連結され、小さなトレーTを包装する際には切り離される。
載置部材311等は、後述するように前後バネ28のバネ強さが載置部材によって異なるという違いはあるものの、基本的な構造は全て同じとなっている。ここでは、載置部材311を例にとって構造の説明を行う。
【0024】
載置部材311は、図6および図7に示すように、主として、ヘッド21と、固定ポスト22と、左右回動軸23と、前後回動軸24と、左右バネ27と、前後バネ28とから構成されている。
ヘッド21は、上面がトレーTを載置する載置面となっており、固定ポスト22に対して前後および左右に回動して倒れることができる。
【0025】
固定ポスト22は、ヘッド21の下方に配置されており、下部が支持ベース33aに固定されている。
左右回動軸23は、図6の太線の2点鎖線の矢印A1で示すようにヘッド21が垂直状態から左右一方向に約90度の回動が可能になるように、ヘッド21を固定ポスト22に軸支する。
【0026】
前後回動軸24は、図7の太線の2点鎖線の矢印A2で示すようにヘッド21が垂直状態から前方向に約90度の回動が可能になるように、ヘッド21を固定ポスト22に軸支する。
したがって、左右回動軸23と前後回動軸24とは、平面的に直交している。また、図6および図7に示すように、左右回動軸23の中心23aと前後回動軸24の中心24aとは、互いの高さ位置が寸法Hだけずれている。後述するように、ヘッド21は、左右折込板76,77からの力を受けて左右回動軸23を中心に回動して左右一方向に倒れ、後ろ折込板78からの力を受けて前後回動軸24を中心に回動して前方に倒れる。ここで、左右回動軸23の中心23aと前後回動軸24の中心24aとが寸法Hだけ高さ方向にずれて配置されているため、左右折込板76,77の高さ方向の中心(図6の中心線77a参照)と左右回動軸23の中心23aとの高さ方向距離L1は、後ろ折込板78の高さ方向の中心(図7の中心線78a参照)と前後回動軸24の中心24aとの高さ方向距離L2に近い値となっている。左右折込板76,77と後ろ折込板78とが高さ方向にずれて配置されているため、もし前後回動軸24の中心24aが左右回動軸23の中心23aと同じ高さ位置にあるとすれば、後ろ折込板78の高さ方向の中心と前後回動軸24の中心24aとの高さ方向距離が図7に示す距離L2よりも大きくなって、ヘッド21の前方への倒れの回動半径が大きくなり、載置部材311等を前後方向に密に配置できなくなる。しかし、ここでは載置部材311等のヘッド21の前方への倒れの回動半径が比較的小さな値に抑えられているため、載置部材311等の前後方向の配置間隔を小さくすることができている(図5参照)。
【0027】
なお、ヘッド21が左右回動軸23および前後回動軸24を中心にそれぞれ約90度だけ回動可能であるため、左右および前後の両方から力を受けた場合には、ヘッド21は斜めに倒れることもある。具体的には、図5において点線で示す範囲が、本包装装置1において載置部材311等のヘッド21が倒れる可能性のある平面的な範囲となる。
【0028】
ただし、中央列にある載置部材341〜345については、左右折込板76,77が届かない範囲にあるため、原則として左右方向に倒れることはなく、前方だけに倒れることになる。しかし、トレーTの載置位置などの関係で重量バランスが崩れて中央の載置部材341〜345が左右に倒れると、包装に不具合が生じる恐れもある。これに鑑み、ここでは、中央の載置部材341〜345については、ヘッド21が左右に倒れることを防止するリング(図示せず)を装着して、ヘッド21が左右には倒れず前にだけ倒れる構造としている。
【0029】
図6および図7に示す左右バネ27は、図6太線の2点鎖線の矢印A1で示すようにヘッド21が垂直状態から左右一方向に回動するときに、その回動に抗するバネである。すなわち、左右バネ27は、ヘッド21が左右方向に倒れたときにヘッド21を図6の実線で示す垂直状態に戻すようにバネ力を作用させるものである。この左右バネ27は、弦巻状のバネであり、左右回転軸23の周りに巻き付いている。
【0030】
図6および図7に示す前後バネ28は、図7の太線の2点鎖線の矢印A2で示すようにヘッド21が垂直状態から前方に回動するときに、その回動に抗するバネである。すなわち、前後バネ28は、ヘッド21が前方に倒れたときにヘッド21を図7の実線で示す垂直状態に戻すようにバネ力を作用させるものである。この前後バネ28は、弦巻状のバネであり、前後回転軸24の周りに巻き付いている。
【0031】
そして、左右バネ27のバネ強さは、原則として、前後バネ28のバネ強さよりも強く設定されている。すなわち、ヘッド21は、原則として、左右に倒れるときには強いバネ反力を受け、前に倒れるときには弱いバネ反力を受けることになる。但し、左右方向の中央の列(中央列)にある5つの載置部材341〜345については、左右バネ27のバネ強さは他の載置部材311等と同じであるが、前後バネ28のバネ強さは、他の載置部材311等の前後バネ28のバネ強さよりも強く設定されている。具体的には、中央列の載置部材341〜345の前後バネ28のバネ強さは、自身および他の載置部材311等の左右バネ27のバネ強さよりも強く設定されている。
【0032】
なお、前後バネ28のバネ強さが特別に強く設定されている中央列の載置部材341〜345は、左右折込板76,77がトレーTの下側に入り込んだときにもトレーTを支え続けるものである。左右折込板76,77は、中央列の載置部材341〜345の手前までしか移動してこない(図16および図17参照)。
以上をまとめると、載置部材311等に採用されているバネは3種類あり、中央列の載置部材341〜345の前後バネ28が一番バネ強さが強く、全ての載置部材311等の左右バネ27が次にバネ強さが強く、左右それぞれ3列の載置部材311〜314,321〜325,331〜335,351〜355,361〜365,371〜374の前後バネ28が最もバネ強さが弱くなっている。
【0033】
[押さえ機構]
また、包装ステーション3の上部には、リフト機構30によってトレーTおよび商品Gが突き上げられて止まったときにトレーTや商品Gが姿勢を崩して転倒することを抑える役割を果たす押さえ機構(図示せず)が配置されている。この押さえ機構は、排出プッシャー80によってトレーTを排出台83に押し出しながらトレーTの下に折り込まれたフィルムFを加熱ローラ112によってヒートシールする際に、商品GおよびトレーTを加熱ローラ112に押しつける役割も果たす。
【0034】
<ロール支持機構>
フィルムロールRを支持するロール支持機構4は、図2に示すように、本体1aの両側部に概ね対称に設けられている。ロール支持機構4は、主としてロールバー4aから構成されている。
ロールバー4aは、フィルムロールRを挿通させ、ホルダー等でフィルムロールRを保持することができる。また、ロールバー4aは、それぞれ本体1aに回転自在に支持されており、1つのフィルムロール駆動モータ4bによって駆動されるようになっている。フィルムロール駆動モータ4bは正逆回転が可能であり、正回転時に一方のロール支持機構4を、逆回転時に他方のロール支持機構4を駆動する。
【0035】
<フィルム送り出し機構>
フィルム送り出し機構5は、フィルムロールRから引き出されたフィルムFを後述するフィルム搬送機構6の一対のフィーダユニット61,62に受け渡すための機構である。このフィルム送り出し機構5は、図2に示すように、主として、繰り出しローラ51と、繰り出しローラ51を回す繰り出しモータ52と、フィルム差し込み板ユニット53と、フィルム差し込み板ユニット53を上下移動させるフィルム差し込み板駆動モータ54とから構成されている。
【0036】
繰り出しローラ51は、ロール支持機構4に保持されたフィルムロールRの斜め上方、フィルムロールRよりも外側に配置されるローラであって、フィルムロールRの長手方向に沿って延びている。この繰り出しローラ51は、ベルトを介して繰り出しモータ52と連結されており、繰り出しモータ52の作動によって回転する。
【0037】
フィルム差し込み板ユニット53は、主として2枚の板部材57,58から構成されており、図2に示すように、ロール支持機構4に支持されたフィルムロールRの上方に配置されている。
フィルム差し込み板駆動モータ54は、上記のフィルム差し込み板ユニット53を上下に移動させるために配備されており、リンク機構を介してフィルム差し込み板ユニット53を上下移動させる。
【0038】
<フィルム搬送機構>
フィルム搬送機構6は、フィルムロールRから上記フィルム送り出し機構5によって繰り出されたフィルムFを受け取って、包装ステーション3の中央部分に搬送し、さらにフィルムFを緊張保持する。このフィルム搬送機構6は、主として、第1フィーダユニット61と、第2フィーダユニット62と、第1フィーダ移動ユニット63と、第2フィーダ移動ユニット64と、フィーダ駆動ユニット65とから構成されている。
【0039】
第1フィーダユニット61は装置1の正面から見て手前側に、第2フィーダユニット62は装置1の正面から見て向こう側に配置されている(図3および図4参照)。これらの第1および第2フィーダユニット61,62は、横送りされるフィルムFの前後の両側部(手前側および向こう側の側部)を上下のベルトで挟み、フィーダ駆動ユニット65の作動によってフィルムFを搬送する。
【0040】
また、第1フィーダユニット61は第1フィーダ移動ユニット63の作動により、第2フィーダユニット62は第2フィーダ移動ユニット64の作動によって、それぞれフィルム幅方向(図3および図4の左右方向)に移動するように構成されている。それぞれのフィーダユニット61,62は、フィルム幅方向に沿って延びるスライドシャフト66,67によって、2カ所でフィルム幅方向に移動自在に支持されている。
【0041】
なお、図3および図4では図示していないが、第1および第2フィーダユニット61,62は、複数のクランプ61a,62a(図14〜図17参照)を有している。これらのクランプ61a,62aは、ソレノイドによって作動し、フィルムFの把持および把持の解除を行うものである。クランプ61a,62aは、左右折込板76,77および後ろ折込板78によってフィルムFの周縁部をトレーTの下側へと折り込ませるときの初期において、主としてフィルムFの前後の端部を把持する役割を果たす(図14,図15参照)。
【0042】
[カッター機構]
また、フィルム搬送機構6のフィルム搬送方向前側には、カッター機構69が配備されている。カッター機構69は、フィルム送り出し機構5からフィルム搬送機構6へと受け渡されたフィルムFがフィルム搬送機構6で所定量だけ搬送された後に、両機構5,6間においてフィルムFを切断するために設けられている。カッター機構69は、フィルム幅よりも長い切断刃69aを有し、この切断刃69aをアクチュエータで移動させることによりフィルムFを切断する。
【0043】
なお、カッター機構69も、正面右側のフィルムロールRからフィルムFが繰り出されるときのためのものと、正面左側のフィルムロールRからフィルムFが繰り出されるときのためのものとの2セットが配備されている(図2参照)。
<折り込み機構>
折り込み機構7は、図2および図3に示すように、主として、左右折込板76,77と、後ろ折込板78と、前折込棒79と、排出プッシャー80とから構成されている。
【0044】
左右折込板76,77は、フィルムFの周縁部の左右部分(フィルム搬送方向の両端部近傍部分)をトレーTの下側に折り込むもので、図示しないモータおよびタイミングベルトによって左右方向に水平移動が可能である。具体的には、左右折込板76,77は、図11に示すようにリフト機構30が被包装物をフィルムFに押し上げた状態において、トレーTと載置部材311等との間に入り込み、フィルムFの周縁部を左右方向にトレーTの下側へと折り込ませる。
【0045】
後ろ折込板78は、フィルムFの周縁部の後側部分をトレーTの下側に折り込むもので、図示しないモータおよびタイミングベルトによって前後方向に水平移動が可能である。この後ろ折込板78は、左右折込板76,77よりも上側に配置されており、平面的に左右折込板76,77に重なりながらフィルムFをトレーTの下側に折り込むことができる。具体的には、後ろ折込板78は、リフト機構30が被包装物をフィルムFに押し上げた状態において、左右折込板76,77よりも高い位置においてトレーTと載置部材311等との間に入り込み、フィルムFの周縁部を前後方向にトレーTの下側へと折り込ませる。
【0046】
前折込棒79は、トレーTを排出台83に向けて押し出す排出プッシャー80によるトレーTの排出時において、フィルムFの周縁部の前側部分(第1フィーダユニット61側の側部近傍部分)がトレーTの下側に折り込まれるように、図3等に示すように配置されている。
排出プッシャー80は、図2に示すように、上述の押さえ機構(図示せず)と干渉しないよう、左右に2分割されている。排出プッシャー80は、図示しないモータおよびタイミングベルトによって前後方向に水平移動が可能である。後述するように、排出プッシャー80は、後ろ折込板78がフィルムFの周縁部の後側部分をトレーTの下側へと折り込ませた後に、トレーTを前方に移動させて、フィルムFの周縁部の前側部分を前折込棒79によって相対的にトレーTの下側へと折り込ませる(図12,図13参照)。
【0047】
<加熱機構>
加熱機構82は、図3に示すように、加熱ローラ112や、その前後の搬送ローラなどから構成されている。
<制御部>
本体1aの上部に配される制御部9は、図8に示すように構成されており、各機構2,5,6,30,7,82,10,11の各動作を制御する。制御部9は、CPU91、ROM92、RAM93、タッチパネル式の表示パネル94、操作キー95などを有しており、また各種データが保存される記憶部96とつながっている。主電源スイッチ16、ヒータ電源スイッチ17、非常停止スイッチ18などからの入力も、制御部9に伝達される。
【0048】
記憶部96には、フィルムデータファイル96aと、商品データファイル96bと、トレーデータファイル96cとが収納されている。フィルムデータファイル96aには、複数種類のフィルムFの性状に関するデータが、フィルムFの種類ごとに記憶されている。商品データファイル96bには、商品Gの単価データや商品Gの性状に関するデータが、商品Gの種類ごとに記憶されている。トレーデータファイル96cには、トレーTの性状に関するデータが、トレーTの種類ごとに記憶されている。
【0049】
<包装装置の動作概略>
次に、上記のような構成を持つ包装装置1の概略動作を説明する。
本装置1では、オペレータが商品Gを収容したトレーTを計量搬入機構2の計量器上に載せると、計量値が安定して計量が完了するのを待って、搬入ベルトが動き出す。この搬入ベルトの動きに従って搬入ベルトに固定されている突起が移動し、商品Gを載せたトレーTをリフト機構30の載置部材上に押し出す(図9,図10参照)。
【0050】
一方、フィルムロールRからフィルム送り出し機構5によりフィルム搬送機構6へと受け渡されたフィルムFは、カッター機構69の切断刃69aにより切断され1枚の長方形状のフィルムFになって、リフト機構30の上方まで両フィーダユニット61,62によって運ばれている。そして、リフト機構30の上方において、図10に示すフィルムFは、各クランプ61a,62aの作動によりフィルムFの周縁部の前後端を強く把持された状態となっている。
【0051】
そして、このように周縁部、特に前後端を強く把持されたフィルムFに対して、リフト機構30が商品GおよびトレーTを押し上げる(図11参照)。すると、前後端を強く把持されているフィルムFは、伸張して商品GおよびトレーTの上部を覆う。
この状態において、左右折込板76,77、および、それに続いて動き出す後ろ折込板78が、トレーTの下側に水平移動してくる。そして、適当なタイミングで第2フィーダユニット62のクランプ62aがフィルムFの保持を解除し、フィルムFの周縁部の左右部分および後側部分がトレーTの下側に折り込まれる。続いて、図12に示すように排出プッシャー80がトレーTを排出台83側に押し出すと、折り込まれていなかったフィルムFの周縁部の前側部分(正面側の部分)が前折込棒79に当たり、排出台83側へのトレーTの移動にしたがってトレーTの下側に折り込まれていく。なお、第1フィーダユニット61のクランプ61aは、このときにフィルムFの把持を解除する。また、この移動中に、トレーTの下側に折り込まれたフィルムFが加熱ローラ112によりヒートシールされ、図13に示す位置に排出されたときには、商品GおよびトレーT全体をフィルムFが覆いヒートシールされた包装完了の状態となる。
【0052】
さらに、ラベル貼付を含む処理を選択している場合には、計量値に基づいて算出される商品の値段や重量などがラベルプリンター10によりラベルに印字され、そのラベルがラベル発行機11により包装済みの商品GおよびトレーTに貼付される。
<フィルムの周縁部のトレー下側への折り込み動作の詳細>
次に、第1および第2フィーダユニット61,62の各クランプ61a,62aによって保持されているフィルムFをトレーTの下側に折り込むフィルム折り込み動作について、図14〜図17を用いて詳しく説明する。
【0053】
図14(a),(b)は、リフト機構30によってトレーTが後ろ折込板78および左右折込板76,77よりも上方に持ち上げられたときの状態を表している。図14(a)は正面から、図14(b)は側面から見たときの状態を表す。ここでは、フィルムFがある程度伸張しており、トレーT内の商品はピンと張られたフィルムFで上方を覆われた状態となっている。
【0054】
この図14(a),(b)に示す状態までトレーTが持ち上げられると、左右折込板76,77および後ろ折込板78がトレーTの下方の空間に向かって水平移動してくる。前述のように、左右折込板76,77よりも後ろ折込板78が上側にあるため、平面的に左右折込板76,77および後ろ折込板78が重なるようにトレーTの下側に入り込むことになる。
【0055】
そして、図15(a),(b)に示すように、左右折込板76,77がフィルムFを中央に向けて押し始め、続いて、後ろ折込板78がフィルムFを前方へ押し始める。後ろ折込板78がフィルムFを前方へ押し始めると、図15(b)において白抜きの矢印A11で示すように、第2フィーダユニット62が少し前方に移動し、フィルムFに過剰な張力が作用することを抑える。
【0056】
また、図15(b)に示すように、前後方向においては、載置部材311等のうち後側にある載置部材325,335,345,355,365のヘッド21が倒れ始める。このときには第2フィーダユニット62のクランプ62aがフィルムFの後端を把持し続けているが、ヘッド21が倒れ始める5つの載置部材325,335,345,355,365のうち4つの載置部材325,335,355,365については前後バネ28のバネ強さが弱く、トータルとして大きな抵抗なく載置部材325,335,345,355,365のヘッド21が倒れる。このため、後ろ折込板78と載置部材325,335,345,355,365とにフィルムFが強く挟まれ、後ろ折込板78の移動によって過剰な張力がフィルムFに作用してフィルムFが破れるといった不具合が少なくなっている。
【0057】
さらに、図15(a)に示すように、左右方向においては、左右の外側の2列にある載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374のヘッド21が倒れ始める。クランプ61a,62aは主としてフィルムFの前後端を把持しており、フィルムFの左右の端部は殆ど把持されていないが、ここではヘッド21が倒れ始める載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374を含む全載置部材311等の左右バネ27が比較的強いバネ強さを有しているため、倒れながらフィルムFに接触する載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374のヘッド21は、フィルムFを比較的強く拘束することになる。そして、載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374が比較的強くフィルムFを拘束した状態において左右折込板76,77が内側に進むため、トレーTを覆うフィルムFの張りが緩んで包装後に見栄えが悪くなることが少なくなる。すなわち、フィルムFに接触しながらフィルムFを比較的強く拘束することになる載置部材311〜314,321〜325,361〜365,371〜374は、フィルムFの張りが緩む方向ではなく、フィルムFの張りが向上する方向に影響を及ぼす。
【0058】
次に、所定の位置まで左右折込板76,77および後ろ折込板78が進んでくると、第2フィーダユニット62のクランプ62aによるフィルム把持が解除される。この後、さらに左右折込板76,77および後ろ折込板78が移動して、図16に示す状態を経由して、図17に示す状態へと移行する。図17に示すように、後ろ折込板78が中央列の前端の載置部材341を倒すぐらいまで前方に進んでくると、排出プッシャー80が図17(b)の白抜きの矢印A12に示すように前方に移動してくるとともに、リフト機構30が載置部材311等を固定している支持ベース33a,33bを図17(b)の白抜きの矢印A13に示すように下降させ始める。
【0059】
その後、後ろ折込板78がトレーTの前端まで移動し、排出プッシャー80が上述のようにトレーTを前方の排出台83に押し出す(図13参照)。
<本実施形態の包装装置の特徴>
(1)
包装装置1では、左右折込板76,77と後ろ折込板78とが異なる高さ位置において被包装物のトレーTと載置部材311等との間に入り込んで、フィルムFの周縁部をトレーTの下側に折り込む。そして、フィルムFに対して被包装物を押し上げる際にトレーTが載るリフト機構30の複数の載置部材311等は、左右折込板76,77からの力を受けて左右回動軸23を中心に傾倒するとともに、後ろ折込板78からの力を受けて前後回動軸24を中心に傾倒する。
【0060】
ここで、もし左右回動軸23と前後回動軸24とが同じ高さ位置にあるとすれば、左右折込板76,77と後ろ折込板78とが異なる高さ位置にあることから、左右回動軸23を中心とする傾倒の回動半径と前後回動軸24を中心とする傾倒の回動半径とを共に小さくセットすることが難しくなる。
しかしながら、包装装置1では、左右回動軸23の高さ位置と前後回動軸24の高さ位置とを異ならせているため、左右回動軸23を中心とする傾倒の回動半径と前後回動軸24を中心とする傾倒の回動半径とを共に小さくセットすることができている。
【0061】
具体的には、図6および図7に示すように、後ろ折込板78が左右折込板76,77よりも上側に位置していることに対応させて、前後回動軸24を左右回動軸23よりも上側に位置させている。このため、載置部材311等のヘッド21の前への回動半径が比較的小さな値に抑えられ、載置部材311等の前後方向の配置間隔を小さくすることができている。
【0062】
(2)
包装装置1では、第1および第2フィーダユニット61,62の複数のクランプ61a,62aによって、フィルムFの左右の端部よりもフィルムFの前後の端部が主として把持されている。したがって、フィルムFに対してリフト機構30が被包装物を押し上げると、前後方向にフィルム張力を確保することは容易だが、左右方向にフィルム張力を確保することが難しくなる。
【0063】
しかし、包装装置1では、左右折込板76,77からの力で左右回動軸23を中心に傾倒するときの載置部材311等のヘッド21の倒れ難さを決める左右バネ27が比較的バネ強さが強く、載置部材311等のヘッド21に接触するフィルムFの載置部材311等のヘッド21による拘束の度合いが強くなるため、左右折込板76,77がフィルムFをトレーTの下側に折り込む際に、フィルムFが載置部材311等のヘッド21や左右折込板76,77に引きずられる形で張力を増すようになる。これにより、フィルムFの左右の端部が殆ど把持されない包装装置1であっても、包装後のフィルムFの左右方向の張り具合を確保することができている。
【0064】
一方、後ろ折込板78がトレーTの下側に入り込み始め、載置部材325,335,345,355,365のヘッド21が倒れ始めるときには、第2フィーダユニット62のクランプ62aがフィルムFの後端を把持し続けているが、原則として載置部材311等の前後バネ28のバネ強さが弱く設定されているため、特別な載置部材345を除く載置部材325,335,355,365のヘッド21は大きな抵抗なく倒れる。このため、後ろ折込板78と載置部材325,335,345,355,365とにフィルムFが強く挟まれ、後ろ折込板78の移動によって過剰な張力がフィルムFに作用してフィルムFが破れるといった不具合が少なくなっている。
【0065】
このように、包装装置1では、左右折込板76,77からの力で左右回動軸23を中心に傾倒するときの載置部材311等のヘッド21の倒れ難さを決める左右バネ27と、後ろ折込板78からの力で前後回動軸24を中心に傾倒するときの載置部材311等のヘッド21の倒れ難さを決める前後バネ28とで、バネ強さを変えている。載置部材311等のヘッド21の倒れ難さは、載置部材311等に接触するフィルムFの載置部材311等のヘッド21による拘束の度合いに影響を及ぼすので、適切に決めてやることによって包装後のフィルムFの張り具合を向上させることができる。そして、包装装置1では、左右バネ27のバネ強さと前後バネ28のバネ強さとを個々に適切に設定することによって、左右および前後のそれぞれのフィルムFの把持状態などが異なる包装装置1において、左右方向のフィルムFの張り具合と前後方向のフィルムFの張り具合とを共に適切な状態に持っていくようにしている。
【0066】
(3)
上記のように、包装装置1では、原則として載置部材311等の前後バネ28のバネ強さを左右バネ27よりも弱く設定して、包装後の左右前後のフィルムFの張り具合の向上を図っている。しかし、下記のような効果を狙い、中央列の載置部材341〜345については、特別に前後バネ28のバネ強さを左右バネ27よりも強く設定している。
【0067】
包装装置1では、左右折込板76,77がトレーTの下側に入ってきた後も、中央列の載置部材341〜345はトレーTを支える状態を維持する。そして、後ろ折込板78がフィルムFをトレーTの下側に折り込むときには、後ろ折込板78からの力を直接受けて中央列の載置部材341〜345や幾つかの他の載置部材が前に傾倒するとともに、後ろ折込板78に引っ張られるフィルムFによって、その他の載置部材の一部も左右に傾倒しながら前に傾倒する。
【0068】
ここで、中央列の載置部材341〜345については、それらの前後バネ28のバネ強さを他の載置部材311等に較べて強くしている。このため、その強い前後バネ28を持ちトレーTを支える中央列の載置部材341〜345によって、後ろ折込板78が入り込んでくるときにフィルムFを介した後ろ折込板78からの力によって被包装物の位置が前後に大きくずれることが抑えられている。
【0069】
もちろん、このように中央列の載置部材341〜345の前後バネ28をバネ強さの強いものにしているため、後ろ折込板78がトレーTの下側に入ってくるときに載置部材341〜345のヘッド21によるフィルムFの拘束度合いが若干高まるが、その他の載置部材311等については比較的弱いバネ強さの前後バネ28を組み込んでいるため、トータルとしては大きな抵抗なく載置部材325,335,345,355,365のヘッド21が倒れることになる。したがって、第2フィーダユニット62のクランプ62aがフィルムFの後端を把持していても、フィルム張力が過剰に大きくなってフィルムFが損傷してしまう不具合は殆ど発生しない。
【0070】
<本実施形態の包装装置の変形例>
(A)
上記包装装置1はフィルム横送り型のストレッチ包装装置であるが、本発明は、フィルム縦送り(前後送り)型の青果などを包装対象とするストレッチ包装装置に対しても適用することができる。
【0071】
(B)
上記包装装置1では、図6および図7に示すように、後ろ折込板78が左右折込板76,77よりも上側に配置されていることに合わせ、前後回動軸24を左右回動軸23よりも上側に配置している。しかし、本発明を左右折込板が後ろ折込板よりも上側に位置する包装装置に適用する場合には、左右回動軸を前後回動軸よりも上側に配置することになる。
【0072】
この場合には、左右折込板が後ろ折込板よりも上側に位置するため、もし左右回動軸と前後回動軸とが同じ高さ位置にあるとすれば、左右回動軸を中心とする傾倒の回動半径が不要に大きくなってしまうことが想定される。しかし、左右回動軸を前後回動軸よりも上側に位置させることによって、左右回動軸を中心とする傾倒の回動半径が比較的小さな寸法となり、載置部材の左右方向の間隔を小さく抑えることができるようになる。
【0073】
(C)
上記包装装置1では、中央列の載置部材341〜345は、全て同じバネ強さを持つ前後バネ28を備えている。しかし、中央列の載置部材341〜345それぞれの前後バネ28は、バネ強さに差異があってもよい。
例えば、中央列の載置部材341〜345は、載置部材345、載置部材344、載置部材343、載置部材342、載置部材341の順番に後ろ折込板78から力を受けてヘッド21が倒れる。傾倒する順序が早いものについては、ヘッド21が倒れた後には被包装物の位置ズレ抑制に寄与しない。これに鑑み、載置部材341〜345について、ヘッド21が倒れる順番が遅いものほど前後バネ28のバネ強さが強くなるようにしてもよい。こうした場合にも、載置部材341〜345によって被包装物の位置が前後に大きくずれることが抑えられるとともに、後ろ折込板78が入り込んでくるときに載置部材345などが過剰にフィルムFを拘束することが抑えられるようになる。すなわち、中央列の載置部材341〜345それぞれの前後バネ28のバネ強さに適切に差異を設けることによって、後ろ折込板78がフィルムFの周縁部の後端部分をトレーTの下側に折り込む際の被包装物の前方へのズレの抑制と、後ろ折込板78がトレーTの下側に入り込むときにフィルムFに過剰な張力がかかることの抑制とを、バランスよく実現することができる。
【0074】
(D)
上記包装装置1では、中央列の載置部材341〜345全てについて、前後バネ28のバネ強さを強く設定している。
しかし、後ろ折込板78がフィルムFの周縁部の後端部分をトレーTの下側に折り込む際の被包装物の前方へのズレの抑制と、後ろ折込板78がトレーTの下側に入り込むときにフィルムFに過剰な張力がかかることの抑制とのバランスを考慮した上で、例えば、中央列の一番前にある載置部材341の前後バネ28のバネ強さだけを強く設定し、載置部材342〜345を含む残りの載置部材311等については一律に弱いバネ強さを持つ前後バネ28を装備させてもよい。
【0075】
(E)
上記包装装置1では、中央列の載置部材341〜345について前後バネ28のバネ強さを他の載置部材311等よりも強く設定しているが、必要に応じて、さらに中央列のすぐ横に位置する左右列の幾つかの載置部材についても、前後バネ28のバネ強さを強く設定することが考えられる。
【0076】
(F)
上記包装装置1では、トレーTの載置位置などの関係で重量バランスが崩れて中央の載置部材341〜345が左右に倒れると包装に不具合が生じる恐れもあることを考慮して、中央の載置部材341〜345については、ヘッド21が左右に倒れることを防止するリングを装着して、ヘッド21が左右には倒れず前にだけ倒れる構造としている。
【0077】
これに対し、製造コストが大きく増加しないのであれば、中央の載置部材341〜345を他の載置部材311等と全く異なる構造として、物理的に左右には倒れず前だけに倒れる構造とすることも考えられる。このときには、中央の載置部材341〜345については、回動軸およびバネを1組備えればよい。
【0078】
【発明の効果】
本発明では、第1載置部材群のうち少なくとも1つの載置部材から成る特定載置部材群の前後バネのバネ強さを他の載置部材に較べて強くしているため、その強い前後バネを持ち被包装物を支える特定載置部材群の載置部材によって、前後方向折込部材が入り込んでくるときにフィルムを介した前後方向折込部材からの力によって被包装物の位置が前後に大きくずれることが抑えられる。また、特定載置部材群の載置部材以外の載置部材は比較的弱いバネ強さの前後バネが傾倒に抗することになるため、それらの載置部材に接触したフィルムが載置部材に強く拘束されてしまうことがなくなり、前後でフィルムをクランプしている場合にも、フィルム張力が大きくなってフィルムが損傷してしまう恐れが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である包装装置の外観斜視図。
【図2】包装装置内部の正面概略図。
【図3】図2のIII−III矢視概略図。
【図4】図3のIV−IV矢視概略図。
【図5】リフト機構のリフトヘッド配置図。
【図6】載置部材の正面図。
【図7】載置部材の側面図。
【図8】制御部のブロック構成図。
【図9】包装装置の動作説明図。
【図10】包装装置の動作説明図。
【図11】包装装置の動作説明図。
【図12】包装装置の動作説明図。
【図13】包装装置の動作説明図。
【図14】折り込み動作説明図。
【図15】折り込み動作説明図。
【図16】折り込み動作説明図。
【図17】折り込み動作説明図。
【符号の説明】
1 包装装置
21 ヘッド
22 固定ポスト
24 前後回動軸
28 前後バネ
30 リフト機構
76,77 左右折込板(左右方向折込部材)
78 後ろ折込板(前後方向折込部材)
80 排出プッシャー(被包装物移動機構)
311〜314 載置部材
321〜325 載置部材
331〜335 載置部材
341〜345 中央列の載置部材(第1載置部材群;特定載置部材群)
351〜355 載置部材
361〜365 載置部材
371〜374 載置部材
F フィルム
T トレー(被包装物)
G 商品(被包装物)
Claims (6)
- 緊張保持させたフィルムに下方から被包装物を押し上げ、前記フィルムの周縁部を前記被包装物の下側へと折り込む包装装置であって、
前記被包装物が載せられる複数の載置部材を有し、前記被包装物を昇降させるリフト機構と、
前記被包装物が前記フィルムを押し上げた状態において、前記被包装物と前記載置部材との間に入り込み、前記フィルムの周縁部を左右方向に前記被包装物の下側へと折り込ませる左右方向折込部材と、
前記被包装物が前記フィルムを押し上げた状態において、前記被包装物と前記載置部材との間に入り込み、前記フィルムの周縁部を前後方向に前記被包装物の下側へと折り込ませる前後方向折込部材と、
を備え、
前記複数の載置部材は、少なくとも前後方向に力が作用したときに前後バネに抗して傾倒するものであり、前記左右方向折込部材が入り込んだときにも前記被包装物を支え続ける第1載置部材群を有しており、
前記第1載置部材群のうち少なくとも1つの載置部材から成る特定載置部材群は、他の載置部材に較べて、前記前後バネのバネ強さが強い、
包装装置。 - 前記特定載置部材群は、前記第1載置部材群の中で前記前後方向折込部材によって最後に傾倒する1つの載置部材のみから成る、
請求項1に記載の包装装置。 - 前記特定載置部材群は、複数の載置部材から成っており、前記前後方向折込部材により傾倒する順序が遅いほど前記前後バネのバネ強さが強くなっている、
請求項1に記載の包装装置。 - 前記特定載置部材群は、左右方向の中央の列にある載置部材全てから成る、
請求項1に記載の包装装置。 - 前記前後方向折込部材は、前記被包装物の一端からその下側に入り込み前記被包装物の他端の近傍まで移動する、
請求項1から4のいずれかに記載の包装装置。 - 前記前後方向折込部材が前記フィルムの周縁部の後側部分を前記被包装物の下側へと折り込ませた後に、前記被包装物を前に移動させて、前記フィルムの周縁部の前側部分を前記被包装物の下側へと折り込ませる被包装物移動機構、
をさらに備えた、請求項1から5のいずれかに記載の包装装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003055415A JP2004262514A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 包装装置 |
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JP2003055415A JP2004262514A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 包装装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE202015104073U1 (de) | 2014-08-06 | 2015-10-30 | Ishida Co., Ltd. | Streckverpackungsmaschine |
-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003055415A patent/JP2004262514A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE202015104073U1 (de) | 2014-08-06 | 2015-10-30 | Ishida Co., Ltd. | Streckverpackungsmaschine |
US9938028B2 (en) | 2014-08-06 | 2018-04-10 | Ishida Co., Ltd. | Stretch packaging machine |
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