JP2004262026A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な処理により画像形成時間を短時間に予測することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】予測部84は、履歴記憶部82に記憶されているバンドコマンドサイズ及び画像形成時間と、一頁全体の画像を形成するために未処理となっているバンドのコマンドサイズとを用いて残りの画像形成時間を予測し、比較部86は、予測部84からの残りの画像形成時間と給紙時間テーブル87からの給紙時間とを比較し、残りの画像形成時間が給紙時間以下になった場合、用紙搬送部32へ給紙指示を発行する。
【選択図】 図3
【解決手段】予測部84は、履歴記憶部82に記憶されているバンドコマンドサイズ及び画像形成時間と、一頁全体の画像を形成するために未処理となっているバンドのコマンドサイズとを用いて残りの画像形成時間を予測し、比較部86は、予測部84からの残りの画像形成時間と給紙時間テーブル87からの給紙時間とを比較し、残りの画像形成時間が給紙時間以下になった場合、用紙搬送部32へ給紙指示を発行する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成して画像を形成する画像形成装置に関し、例えば、プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ、PDA(携帯情報端末)、プリンタ、複写機等の画像を形成する機器では、画像の基本的な要素(形状、模様等)を特定するプリミティブなコマンドである中間言語のコマンドを定義し、これらのプリミティブなコマンドを解釈して実行することによって所望の画像を生成している。
【0003】
例えば、OS(Operating System)としてWindows(登録商標)がインストールされたパーソナルコンピュータでは、GDI(Graphics Device Interface)と呼ばれる描画インターフェースに対してアクセスすることにより、中間言語のコマンドが生成され、グラフィックチップ又はメインCPU(中央演算処理装置)等により中間言語のコマンドが解釈及び処理され、対応する画像が形成される。
【0004】
また、プリンタ及び複写機においては、PDL(Page Description Language)を用いて画像データが既述され、この画像データが各社により定義されている中間言語のコマンドに変換され、その後、Windows(登録商標)と同様にグラフィックチップ又はメインCPU等により中間言語のコマンドが解釈され、対応する画像が形成される。
【0005】
ここで、上記のプリンタ及び複写機においては、電子写真方式を採用し、ドラム上に形成した画像を一定速度で用紙に転写しているため、画像形成時間が長くなり、用紙の搬送速度に追いつかなくなって異常画像が出力されないように、通常は画像形成が完了してから用紙の搬送を開始している。
【0006】
一方、プリンタ及び複合機の高機能化に伴って使用可能な用紙のサイズ及び種類が増加し、機器本体に多数のカセットが設けられる傾向にある。この場合、各カセットから転写部までの距離が長くなるため、用紙の搬送時間に長時間を要し、機器の生産性が低下する。このため、用紙の搬送を早めに開始することにより、用紙の実質的な搬送時間を短縮して機器の生産性を向上する画像処理装置が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−100474号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように中間言語を用いて画像を形成する場合、画像形成時間は形成する画像の複雑さに依存し、この画像の複雑さには上限が無く、ユーザがより複雑な画像の形成を要求する場合、画像形成に長時間を要することになる。また、画像の高解像度化およびカラー化に伴い、中間言語のコマンドの処理時間が増大しており、グラフィックチップ及びメインCPUの高性能化にもかかわらず、画像形成時間に数分以上を要する場合も存在する。
【0009】
したがって、画像形成時間を予測することなく、画像形成が完了する前に用紙の搬送を早めに開始すると、画像形成が完了する前に用紙が転写部に達してしまい、画像形成が完了するまで転写部の直前に用紙を長時間停止しなけらばならない。この場合、給紙及び搬送用のモータ並びに種々のローラ等を起動及び停止させなければならず、不要な騒音が発生するとともに、機器の耐久性を低下させる。
【0010】
さらに、複合機ではプリンタ機能に優先してコピー機能を実行する場合があり、プリンタ機能により先に給紙された用紙が転写部の手前で停止していると、本来優先処理されるべきコピー機能が実行できないことになる。
【0011】
一方、中間言語のコマンドを詳細に解析することにより画像形成時間を予測して用紙を搬送することも考えられるが、複雑な画像ではコマンド数が非常に多くなるため、詳細な解析に要する時間が無視できなくなり、逆に給紙開始が遅れて機器の生産性が低下することになる。
【0012】
本発明の目的は、簡便な処理により画像形成時間を短時間に予測することができる画像形成装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置は、所定の言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成して画像を形成する画像形成手段と、中間言語のコマンドのサイズを算出する算出手段と、算出手段により算出された未処理コマンドのサイズを基に画像形成手段による画像形成時間を予測する予測手段とを備えるものである。
【0014】
本発明に係る画像形成装置においては、所定の言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成して画像を形成する際に、中間言語のコマンドのサイズが算出され、算出された未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間が予測される。
【0015】
ここで、中間言語の一つのコマンドの処理の複雑さは、当該コマンドのメモリ上の格納サイズと相関があるため、算出された未処理コマンドのサイズは画像形成時間に比例し、未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間を予測するという簡便な処理により画像形成時間を短時間に予測することができる。
【0016】
上記画像形成装置は、コマンドの基準サイズと、当該基準サイズのコマンドを用いて画像形成手段により画像を形成した場合の画像形成時間となる基準時間とを予め記憶する初期データ記憶手段をさらに備え、予測手段は、算出手段により算出された未処理コマンドのサイズと、初期データ記憶手段に記憶されている基準サイズ及び基準時間とを基に画像形成手段による画像形成時間を予測することが好ましい。
【0017】
この場合、コマンドの基準サイズと、当該基準サイズのコマンドを用いて画像を形成した場合の画像形成時間となる基準時間とが予め記憶され、記憶されている基準サイズ及び基準時間を基準に未処理コマンドのサイズに対応する画像形成時間を予測することができるので、履歴となる画像形成時間を記憶していない場合でも、画像形成時間を短時間に予測することができる。
【0018】
上記画像形成装置は、画像形成手段の画像形成時間を計測する計測手段と、画像形成手段により画像を形成したときに、算出手段により算出されたコマンドのサイズと、計測手段により計測された画像形成時間とを記憶する履歴記憶手段とをさらに備え、予測手段は、算出手段により算出された未処理コマンドのサイズと、履歴記憶手段に記憶されているコマンドのサイズ及び画像形成時間とを基に画像形成手段による画像形成時間を予測することが好ましい。
【0019】
この場合、画像形成手段により画像を形成したときに、算出されたコマンドのサイズと、計測された画像形成時間とが記憶され、記憶されているコマンドのサイズ及び画像形成時間とを基準に未処理コマンドのサイズに対応する画像形成時間を予測することができるので、実際に発生した履歴に応じて画像形成時間を正確に予測することができる。
【0020】
上記画像形成装置は、画像形成手段により画像が形成される用紙を、当該用紙を貯蔵する貯蔵部から画像形成手段の画像形成位置まで搬送する搬送手段をさらに備え、搬送手段は、予測手段により予測された画像形成時間に応じて用紙の搬送タイミングを変更することが好ましい。
【0021】
この場合、予測された画像形成時間に応じて用紙の搬送タイミングを変更することができるので、画像形成時間に適した搬送タイミングで用紙を搬送することができ、機器の生産性を向上することができる。
【0022】
画像形成手段は、ページ記述言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像をバンド単位で生成して画像データに応じた画像を形成し、算出手段は、中間言語のコマンドのサイズをバンド単位で算出することが好ましい。
【0023】
この場合、ページ記述言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像をバンド単位で生成して画像データに応じた画像が形成される際、中間言語のコマンドのサイズをバンド単位で正確に算出することができ、正確な未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間をより正確に予測することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態による画像形成装置の一例としてデジタル複合機について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるデジタル複合機の機械的構成を主に示す側面概略図である。
【0025】
デジタル複合機1は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、及びコピー機能等の複合機能を備えたデジタル方式の複写機である。デジタル複合機1では、上記の各機能を組み合わせて種々の機能が実現される。
【0026】
デジタル複合機1は、本体部200と、本体部200の左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上方に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0027】
操作部400は、タッチパネル401、スタートキー402及びテンキー403等を備える。タッチパネル401は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。スタートキー402は、ユーザがコピー実行指令等を入力するために用いられ、テンキー403は、コピー部数等を入力するために用いられる。
【0028】
原稿給送部600は、原稿載置部601、原稿排出部602、給紙ローラ603及び原稿搬送部604等を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501等を備える。給紙ローラ603は、原稿載置部601にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部604は、繰り出される原稿を1枚ずつ順にスキャナ501上に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部602に排出される。
【0029】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置205、現像装置206、定着ローラ207、排出口208、及び排出トレイ209等を備える。
【0030】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置205は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム204に静電潜像を形成する。現像装置206は、所定の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0031】
一方、給紙ローラ202は、用紙が収納された貯蔵部となる給紙カセット201から用紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された用紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ207は、転写されたトナー像を加熱して用紙に定着させる。その後、用紙は、本体部200の排出口208から用紙後処理部300に搬入される。また、用紙は、必要に応じて排出トレイ209へも排出される。
【0032】
用紙後処理部300は、搬入口301、用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ用紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0033】
図2は、図1に示すデジタル複合機1の電気的構成を主に示すブロック図である。デジタル複合機1は、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51、ファクシミリ通信部61、ネットワークI/F(インターフェース)部71、パラレルI/F部72、シリアルI/F部73及びHDD(ハードディスクドライブ)74を備える。
【0034】
スキャナ部11、画像処理部21、制御部41、操作パネル部51及びネットワークI/F部71は、図1に示す操作部400、原稿読み取り部500及び原稿給送部600に相当し、これらの各部によりスキャナ機能が実現される。スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51及びファクシミリ通信部61は、図1に示す本体部200、操作部400、原稿読み取り部500及び原稿給送部600に相当し、これらの各部によりファクシミリ機能が実現される。画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51、ネットワークI/F部71及びパラレルI/F部72は、図1に示す本体部200及び操作部400に相当し、これらの各部によりプリンタ機能が実現される。スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51及びネットワークI/F部71は、図1に示す本体部200、用紙後処理部300、操作部400、原稿読み取り部500及び原稿給送部600に相当し、これらの各部によりコピー機能が実現される。
【0035】
操作パネル部51は、図1に示すタッチパネル401等から構成されるタッチパネル部52、及び図1に示すスタートキー402及びテンキー403等から構成される操作キー部53を含む。操作パネル部51は、ユーザがスキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する操作を行うために使用され、ユーザによる操作指令等を制御部41に与える。タッチパネル部52は、タッチパネルとLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成され、種々の操作画面、例えば、コピー機能実行時には、原稿サイズ、コピーサイズ、印刷部数等に関する情報を表示するとともに、ユーザが当該部分をタッチすることにより種々の操作指令を入力するための操作ボタン等を表示する。操作キー部53は、ユーザがコピー実行指令等を入力するために用いられる。
【0036】
制御部41は、スキャナコントローラ42、ファクシミリコントローラ43、プリンタコントローラ44及びコピーコントローラ45として機能する。制御部41は、マイクロコンピュータ及び専用のハードウエア回路等から構成され、装置全体の動作を制御する。スキャナコントローラ42は、スキャナ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。ファクシミリコントローラ43は、ファクシミリ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。プリンタコントローラ44は、プリンタ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。コピーコントローラ45は、コピー機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。
【0037】
スキャナ部11は、図1に示すスキャナ501を構成する露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含む。スキャナ部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部21へ出力する。
【0038】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を含む。画像処理部21は、読み取られた画像データを必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理し、処理された画像データを画像メモリ24に記憶したり、プリンタ部31、ファクシミリ通信部61又はネットワークI/F部71等へ出力する。補正部22は、読み取られた画像データに対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0039】
プリンタ部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置205、現像装置206等から構成される画像形成部33、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部34、及び図1に示す定着ローラ207等から構成される定着部35を含む。プリンタ部31は、スキャナ部11により読み取られた原稿データ、ネットワークI/F部71を介してLAN(Local Area Network)によりクライアントPC(パーソナルコンピュータ)等から送信された印刷データ、ファクシミリ通信部61を用いて外部のファクシミリ装置等から受信したファクスデータ等の画像データを用いて画像を用紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は用紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を用紙に転写し、定着部35はトナー像を用紙に定着させて画像を形成する。
【0040】
ファクシミリ通信部61は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部61は、スキャナ部11によって読み取られた原稿の画像データを電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・符号化し、受信した画像データを伸長・復号化する。変復調部は、圧縮・符号化された画像データを音声信号に変調したり、受信した信号(音声信号)を画像データに復調する。NCUは、送受信先となるファクシミリ装置等との電話回線による接続を制御する。
【0041】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェース(10/100Base−TX)等を用い、LANを介して接続されたクライアントPC等に対する種々のデータの送受信を制御し、例えば、クライアントPC等から送信された印刷データ等を受信する。パラレルI/F部72は、高速双方向パラレルインターフェイス(IEEE1284準拠)等を用い、複数の信号線を用いて複数ビット単位でデータを送信するパラレル伝送により外部機器等から印刷データ等を受信等する。シリアルI/F部73は、シリアルインターフェイス(RS−232C)等を用い、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送により外部機器等から種々のデータ等を受信等する。
【0042】
HDD74は、スキャナ部11によって読み取られた画像データ及び当該画像データに設定されている出力形式等の種々のデータ等を記憶する。HDD74に記憶されている画像データは、デジタル複合機1内部で使用されるだけでなく、必要に応じて、ネットワークI/F部71を介してクライアントPC等から確認したり、クライアントPC等の所定のフォルダへ転送される。
【0043】
上記のように、デジタル複合機1においては、プリンタ機能を実行する際に画像処理部21及び画像形成部33等による画像形成処理が実行され、この画像形成処理において以下に説明するように中間言語(描画プリミティブコマンド)が使用される。
【0044】
プリンタ機能を用いる場合、例えば、クライアントPC等からPDLを用いて記述された画像データが受信され、この画像データがプリンタ機能に専用に用いられる中間言語に変換される。このように、中間言語を用いることにより、新たなPDLのサポート要求に対してコアとなる内部構造を変更する必要性が減少し、ソフトウェアの保守性が向上する。
【0045】
また、中問言語への変換により処理を一旦完結させ、それ以降の中間言語の処理と次頁のPDLの解析処理とを独立して処理することができるので、制御部41に搭載された専用描画処理機構による並列処理が可能になり、処理を高速化することができる。さらに、中間言語に変換しない場合に必要となる1頁分の画像データサイズに対応する空き容量が画像メモリ24上にない場合でも、次頁以降のPDLの解析処理を進めることができるので、印刷のスループットを向上することができる。
【0046】
上記の中間言語の生成単位としては、1頁の画像全体を複数の矩形領域に分割した帯状のバンドと呼ばれるブロックが使用される。中間言語を処理する時点でメモリが不足していた場合には、以前に展開が完了しているバンドを圧縮して空きメモリを確保し、処理を続行する。このように適切なバンドサイズで処理を行うことにより、画像領域全体を不要に圧縮して逆に全体の処理が遅くなることを防ぐことができる。例えば、バンド処理していなければ、数キロバイトのメモリ不足に対しても頁全体を圧縮する処理が必要となり、計算資源を余計に費やしてしまうだけでなく、その圧縮画像の伸張処理にも計算資源が必要とされる。
【0047】
また、中間言語の処理時間は、厳密には各コマンドによって指定される内容に依存し、例えば、BiTBLT(BiT Block Transfer)と呼ばれる文字を描画先に貼り付ける処理時間と、線を描画するベクタコマンドの処理時間とは異なる。しかしながら、一つのコマンドの処理の複雑さは、一般的に、コマンドのメモリ上の格納サイズと相関がある。
【0048】
例えば、ベクタ画像において水平線を引くコマンドの場合、開始点の座標とその長さの3パラメータが必要となり、矩形領域を塗りつぶすベクタコマンドの場合、矩形領域の一点の座標と縦横のサイズの4パラメータが必要となり、台形を描画する場合、2つの斜辺の傾きがさらに必要となる。また、BiTBLTのように画像形成に別の画像データを必要とする場合、そのデータを指定するためのパラメータも必要となる。
【0049】
このように、各コマンドのサイズは、当該コマンドの処理の複雑さやデータハンドリング量の多さと相関がある。ただし、パラメータ数と処理時間とには線形関係はなく、パラメータ数と処理時間とを直接関係付けることはできない。また、同じパラメータ数であっても、例えば、水平線を引くコマンドの場合、長さ1の水平線を引く場合と長さ100の水平線を引く場合とでは、処理時間は当然異なる。しかしながら、最も極端な場合であっても、それらの描画サイズの違いは高々バンドのサイズ内に限られる。
【0050】
ここで、本発明は、例えば、ユーザがデジタル複合機1を用いてコピー処理したい場合に、先行していたプリントジョブによって待たされるのを防ぐという、少なくとも人間が体感できる秒単位の生産性に関するものである。この用途においては、高々バンド内で変動するパラメータの数値自体の影響は小さく、コマンドのパラメータの内容よりもコマンドの総数が秒単位の描画時間を大きく左右する。
【0051】
また、通常、ユーザが生成する画像には制限がなく、画像の複雑さにも上限がない。ここで、画像の複雑さは、見た目の複雑さと直接の相関はなく、その画像を形成するために使用されるコマンドの数の多さや各コマンドを実行するための処理ステップ数の多さと相関がある。このように、画像を生成するために使用される中間言語のコマンド数にも限りがなく、中間言語のコマンド数が主に処理時間との相関を有し、中間言語のコマンドのメモリ上の格納サイズが処理時間を主に決定するということができる。
【0052】
したがって、プリンタコントローラ44により中間言語のコマンドのメモリ上の格納サイズを基準に画像形成時間を以下のようにして予測することができる。図3は、図2に示すプリンタコントローラ44の詳細な構成を示すブロック図である。図3に示すプリンタコントローラ44は、コマンドサイズ算出部81、履歴記憶部82、時間計測部83、予測部84、初期データ記憶部85、比較部86及び給紙時間テーブル87として機能する。
【0053】
PDLで記述された画像データから中間言語のコマンドをバンド単位で生成し、生成された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成するときに、コマンドサイズ算出部81は、画像メモリ24を参照して各バンドに対応する中間言語のコマンドのメモリ上のサイズすなわちバンドコマンドサイズを算出し、各バンドコマンドサイズを履歴記憶部82へ出力するとともに、未処理コマンドのバンドコマンドサイズを予測部84へ出力する。ここで、中間言語のコマンドのメモリ上のサイズは、既知の情報であり、簡便な算術演算により算出することができる。
【0054】
時間計測部83は、コマンドサイズ算出部81によりそのサイズが算出された各バンドの画像形成時間を計測する。ここで、画像形成時間とは、中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成する時間をいうものとする。なお、メモリを節約するために、生成した画像データを圧縮して画像メモリ24に保持している場合、画像データを伸張しながら感光体ドラム204上に画像を形成することになるが、伸張処理は画像の展開量に対して処理時間が安定しているため、伸張処理に要するワースト時間を容易に算出することができ、このワースト時間も考慮して画像形成時間を予測するようにしてもよい。
【0055】
履歴記憶部82は、コマンドサイズ算出部81により算出された各バンドコマンドサイズと、時間計測部83により計測された各バンドの画像形成時間とを対応付けて記憶する。履歴記憶部82は、基本的に各情報を頁単位で取り扱い、例えば、図4に示すバンドコマンドサイズ及び画像形成時間が記憶される。
【0056】
初期データ記憶部85は、コマンドの基準サイズと、当該基準サイズのコマンドを用いて画像を形成した場合の画像形成時間となる基準時間とが予め記憶されている。なお、初期データ記憶部85に記憶される基準サイズ及び基準時間としては、上記の例に特に限定されず、履歴記憶部82に記憶されている以前の頁のバンドコマンドサイズ及び画像形成時間を用いてもよい。
【0057】
予測部84は、履歴記憶部82に記憶されているコマンドサイズ及び画像形成時間と、コマンドサイズ算出部81から出力される、一頁全体の画像を形成するために未処理となっているコマンドサイズとを用いて残りの画像形成時間を予測する。具体的には、予測部84は、コマンドサイズ算出部81からの未処理コマンドサイズと履歴記憶部82のコマンドサイズとを比較して比例計算により履歴記憶部82の画像形成時間から残りの画像形成時間を予測し、予測した画像形成時間を比較部86へ出力する。例えば、未処理コマンドサイズが100の場合、履歴記憶部82のコマンドサイズが20で、この画像形成時間が1秒のとき、予測部84は残りの画像形成時間を5秒と予測する。
【0058】
なお、1頁目の最初のバンドのように、コマンドサイズ及び画像形成時間が履歴記憶部82にまだ記憶されていない場合、予測部84は、初期データ記憶部85に予め記憶されている基準サイズ及び基準時間と、未処理となっているコマンドサイズとを用いて残りの画像形成時間を予測する。
【0059】
給紙時間テーブル87は、各給紙カセット201から転写部34すなわち転写ローラ203まで用紙を搬送するために必要となる給紙時間を給紙カセットごとにテーブル形式で予め記憶している。給紙時間テーブル87は、ユーザ又は装置自体により給紙カセットが指定されると、指定された給紙カセットを特定する給紙カセット指示を受け付け、記憶している給紙時間の中から、指定された給紙カセットから転写部34までの給紙時間を抽出して比較部86へ出力する。
【0060】
比較部86は、予測部84からの残りの画像形成時間と給紙時間テーブル87からの給紙時間とを比較し、残りの画像形成時間が給紙時間以下になった場合、用紙搬送部32へ給紙指示を発行する。なお、予測部84からの残りの画像形成時間と給紙時間テーブル87からの給紙時間とには、ある程度の誤差が含まれている可能性があるため、残りの画像形成時間から所定のマージン値を減算して比較するようにしてもよい。また、誤差が微小の場合、転写部34において用紙を一時停止して誤差による生産性の低下を防止するようにしてもよい。
【0061】
本実施の形態では、画像処理部21及び画像形成部33が画像形成手段の一例に相当し、コマンドサイズ算出部81が算出手段の一例に相当し、予測部84が予測手段の一例に相当し、初期データ記憶部85が初期データ記憶手段の一例に相当し、時間計測部83が計測手段の一例に相当し、履歴記憶部82が履歴記憶手段の一例に相当し、用紙搬送部32が搬送手段の一例に相当する。
【0062】
次に、上記のように構成されたプリンタコントローラ44による画像形成時間予測処理について説明する。図5は、図3に示すプリンタコントローラ44による画像形成時間予測処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0063】
まず、ユーザ又は装置自体により給紙カセットが指定されると、ステップS1において、給紙時間テーブル87は、給紙カセット指示を受け付け、記憶している給紙時間の中から、指定された給紙カセットから転写部34までの給紙時間を比較部86へ出力する。次に、ステップS2において、比較部86は、給紙指示を既に行ったか否かを判断し、給紙指示済みの場合はステップS7へ処理を移行し、給紙指示がまだ行われていない場合はステップS3へ処理を移行する。
【0064】
給紙指示がまだ行われていない場合、ステップS3において、コマンドサイズ算出部81は、残りの全バンドのコマンドのメモリ上のサイズを算出する。次に、ステップS4において、予測部84は、履歴記憶部82に記憶されているコマンドサイズ及び画像形成時間と、一頁全体の画像を形成するために未処理となっているコマンドサイズとを用いて残りの画像形成時間を予測する。
【0065】
次に、ステップS5において、比較部86は、予測部84からの残りの画像形成時間が給紙時間テーブル87からの給紙時間以下になったか否かを判断し、画像形成時間が給紙時間以下になっている場合、ステップS6において、給紙指示を発行し、画像形成時間が給紙時間以下になっていない場合、処理をステップS7へ移行する。
【0066】
給紙指示が発行済みの場合(ステップS2でYes)、画像形成時間が給紙時間以下になっていない場合(ステップS5でNo)、又はステップS6の処理の終了後、ステップS7において、比較部86は、画像処理部21及び画像形成部33に次の1バンド分の画像を形成させる。次に、ステップS8において、比較部86は、画像形成部33が全バンド分の画像すなわち1頁の画像の形成を完了したか否かを判断し、全バンド分の画像の形成が完了していない場合、処理をステップS2へ移行して以降の処理を継続し、全バンド分の画像の形成が完了している場合、ステップS9に処理を移行する。
【0067】
全バンド分の画像の形成が完了している場合、ステップS9において、比較部86は、給紙指示を既に行ったか否かを判断し、給紙指示がまだ行われていない場合はステップS10において給紙指示を発行して処理を終了し、給紙指示済みの場合は処理をそのまま終了する。ここで、ステップS9の処理は、最後のバンドの画像形成時間が非常に長い場合に給紙指示を発行するための処理である。
【0068】
上記のように、本実施の形態では、未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間を予測するという簡便な処理により画像形成時間を予測することができ、予測された画像形成時間に応じて用紙の搬送タイミングを決定しているので、画像形成時間に適した搬送タイミングで用紙を搬送することができ、デジタル複合機1の生産性を向上することができる。
【0069】
なお、上記の説明ではバンド単位で中間言語のコマンドのサイズを算出したが、この例に特に限定されず、バンドサイズより細かい単位でコマンドのサイズを算出したり、複数のバンドごとにコマンドのサイズを算出するようにしてもよい。また、中間言語に変換される言語はPDLに特に限定されず、他の言語を用いてもよい。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成して画像を形成する際に、中間言語のコマンドのサイズを算出し、算出された未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間を予測しているので、簡便な処理により画像形成時間を短時間に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるデジタル複合機の機械的構成を主に示す側面概略図である。
【図2】図1に示すデジタル複合機の電気的構成を主に示すブロック図である。
【図3】図2に示すプリントコントローラの詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す履歴記憶部に記憶されるバンドコマンドサイズ及び画像形成時間の一例を示す図である。
【図5】図3に示すプリントコントローラによる画像形成時間予測処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタル複合機
21 画像処理部
31 プリンタ部
32 用紙搬送部
33 画像形成部
41 制御部
44 プリンタコントローラ
81 コマンドサイズ算出部
82 履歴記憶部
83 時間計測部
84 予測部
85 初期データ記憶部
86 比較部
87 給紙時間テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成して画像を形成する画像形成装置に関し、例えば、プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ、PDA(携帯情報端末)、プリンタ、複写機等の画像を形成する機器では、画像の基本的な要素(形状、模様等)を特定するプリミティブなコマンドである中間言語のコマンドを定義し、これらのプリミティブなコマンドを解釈して実行することによって所望の画像を生成している。
【0003】
例えば、OS(Operating System)としてWindows(登録商標)がインストールされたパーソナルコンピュータでは、GDI(Graphics Device Interface)と呼ばれる描画インターフェースに対してアクセスすることにより、中間言語のコマンドが生成され、グラフィックチップ又はメインCPU(中央演算処理装置)等により中間言語のコマンドが解釈及び処理され、対応する画像が形成される。
【0004】
また、プリンタ及び複写機においては、PDL(Page Description Language)を用いて画像データが既述され、この画像データが各社により定義されている中間言語のコマンドに変換され、その後、Windows(登録商標)と同様にグラフィックチップ又はメインCPU等により中間言語のコマンドが解釈され、対応する画像が形成される。
【0005】
ここで、上記のプリンタ及び複写機においては、電子写真方式を採用し、ドラム上に形成した画像を一定速度で用紙に転写しているため、画像形成時間が長くなり、用紙の搬送速度に追いつかなくなって異常画像が出力されないように、通常は画像形成が完了してから用紙の搬送を開始している。
【0006】
一方、プリンタ及び複合機の高機能化に伴って使用可能な用紙のサイズ及び種類が増加し、機器本体に多数のカセットが設けられる傾向にある。この場合、各カセットから転写部までの距離が長くなるため、用紙の搬送時間に長時間を要し、機器の生産性が低下する。このため、用紙の搬送を早めに開始することにより、用紙の実質的な搬送時間を短縮して機器の生産性を向上する画像処理装置が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−100474号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように中間言語を用いて画像を形成する場合、画像形成時間は形成する画像の複雑さに依存し、この画像の複雑さには上限が無く、ユーザがより複雑な画像の形成を要求する場合、画像形成に長時間を要することになる。また、画像の高解像度化およびカラー化に伴い、中間言語のコマンドの処理時間が増大しており、グラフィックチップ及びメインCPUの高性能化にもかかわらず、画像形成時間に数分以上を要する場合も存在する。
【0009】
したがって、画像形成時間を予測することなく、画像形成が完了する前に用紙の搬送を早めに開始すると、画像形成が完了する前に用紙が転写部に達してしまい、画像形成が完了するまで転写部の直前に用紙を長時間停止しなけらばならない。この場合、給紙及び搬送用のモータ並びに種々のローラ等を起動及び停止させなければならず、不要な騒音が発生するとともに、機器の耐久性を低下させる。
【0010】
さらに、複合機ではプリンタ機能に優先してコピー機能を実行する場合があり、プリンタ機能により先に給紙された用紙が転写部の手前で停止していると、本来優先処理されるべきコピー機能が実行できないことになる。
【0011】
一方、中間言語のコマンドを詳細に解析することにより画像形成時間を予測して用紙を搬送することも考えられるが、複雑な画像ではコマンド数が非常に多くなるため、詳細な解析に要する時間が無視できなくなり、逆に給紙開始が遅れて機器の生産性が低下することになる。
【0012】
本発明の目的は、簡便な処理により画像形成時間を短時間に予測することができる画像形成装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置は、所定の言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成して画像を形成する画像形成手段と、中間言語のコマンドのサイズを算出する算出手段と、算出手段により算出された未処理コマンドのサイズを基に画像形成手段による画像形成時間を予測する予測手段とを備えるものである。
【0014】
本発明に係る画像形成装置においては、所定の言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成して画像を形成する際に、中間言語のコマンドのサイズが算出され、算出された未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間が予測される。
【0015】
ここで、中間言語の一つのコマンドの処理の複雑さは、当該コマンドのメモリ上の格納サイズと相関があるため、算出された未処理コマンドのサイズは画像形成時間に比例し、未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間を予測するという簡便な処理により画像形成時間を短時間に予測することができる。
【0016】
上記画像形成装置は、コマンドの基準サイズと、当該基準サイズのコマンドを用いて画像形成手段により画像を形成した場合の画像形成時間となる基準時間とを予め記憶する初期データ記憶手段をさらに備え、予測手段は、算出手段により算出された未処理コマンドのサイズと、初期データ記憶手段に記憶されている基準サイズ及び基準時間とを基に画像形成手段による画像形成時間を予測することが好ましい。
【0017】
この場合、コマンドの基準サイズと、当該基準サイズのコマンドを用いて画像を形成した場合の画像形成時間となる基準時間とが予め記憶され、記憶されている基準サイズ及び基準時間を基準に未処理コマンドのサイズに対応する画像形成時間を予測することができるので、履歴となる画像形成時間を記憶していない場合でも、画像形成時間を短時間に予測することができる。
【0018】
上記画像形成装置は、画像形成手段の画像形成時間を計測する計測手段と、画像形成手段により画像を形成したときに、算出手段により算出されたコマンドのサイズと、計測手段により計測された画像形成時間とを記憶する履歴記憶手段とをさらに備え、予測手段は、算出手段により算出された未処理コマンドのサイズと、履歴記憶手段に記憶されているコマンドのサイズ及び画像形成時間とを基に画像形成手段による画像形成時間を予測することが好ましい。
【0019】
この場合、画像形成手段により画像を形成したときに、算出されたコマンドのサイズと、計測された画像形成時間とが記憶され、記憶されているコマンドのサイズ及び画像形成時間とを基準に未処理コマンドのサイズに対応する画像形成時間を予測することができるので、実際に発生した履歴に応じて画像形成時間を正確に予測することができる。
【0020】
上記画像形成装置は、画像形成手段により画像が形成される用紙を、当該用紙を貯蔵する貯蔵部から画像形成手段の画像形成位置まで搬送する搬送手段をさらに備え、搬送手段は、予測手段により予測された画像形成時間に応じて用紙の搬送タイミングを変更することが好ましい。
【0021】
この場合、予測された画像形成時間に応じて用紙の搬送タイミングを変更することができるので、画像形成時間に適した搬送タイミングで用紙を搬送することができ、機器の生産性を向上することができる。
【0022】
画像形成手段は、ページ記述言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像をバンド単位で生成して画像データに応じた画像を形成し、算出手段は、中間言語のコマンドのサイズをバンド単位で算出することが好ましい。
【0023】
この場合、ページ記述言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像をバンド単位で生成して画像データに応じた画像が形成される際、中間言語のコマンドのサイズをバンド単位で正確に算出することができ、正確な未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間をより正確に予測することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態による画像形成装置の一例としてデジタル複合機について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるデジタル複合機の機械的構成を主に示す側面概略図である。
【0025】
デジタル複合機1は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、及びコピー機能等の複合機能を備えたデジタル方式の複写機である。デジタル複合機1では、上記の各機能を組み合わせて種々の機能が実現される。
【0026】
デジタル複合機1は、本体部200と、本体部200の左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上方に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0027】
操作部400は、タッチパネル401、スタートキー402及びテンキー403等を備える。タッチパネル401は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。スタートキー402は、ユーザがコピー実行指令等を入力するために用いられ、テンキー403は、コピー部数等を入力するために用いられる。
【0028】
原稿給送部600は、原稿載置部601、原稿排出部602、給紙ローラ603及び原稿搬送部604等を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501等を備える。給紙ローラ603は、原稿載置部601にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部604は、繰り出される原稿を1枚ずつ順にスキャナ501上に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部602に排出される。
【0029】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置205、現像装置206、定着ローラ207、排出口208、及び排出トレイ209等を備える。
【0030】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置205は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム204に静電潜像を形成する。現像装置206は、所定の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0031】
一方、給紙ローラ202は、用紙が収納された貯蔵部となる給紙カセット201から用紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された用紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ207は、転写されたトナー像を加熱して用紙に定着させる。その後、用紙は、本体部200の排出口208から用紙後処理部300に搬入される。また、用紙は、必要に応じて排出トレイ209へも排出される。
【0032】
用紙後処理部300は、搬入口301、用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ用紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0033】
図2は、図1に示すデジタル複合機1の電気的構成を主に示すブロック図である。デジタル複合機1は、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51、ファクシミリ通信部61、ネットワークI/F(インターフェース)部71、パラレルI/F部72、シリアルI/F部73及びHDD(ハードディスクドライブ)74を備える。
【0034】
スキャナ部11、画像処理部21、制御部41、操作パネル部51及びネットワークI/F部71は、図1に示す操作部400、原稿読み取り部500及び原稿給送部600に相当し、これらの各部によりスキャナ機能が実現される。スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51及びファクシミリ通信部61は、図1に示す本体部200、操作部400、原稿読み取り部500及び原稿給送部600に相当し、これらの各部によりファクシミリ機能が実現される。画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51、ネットワークI/F部71及びパラレルI/F部72は、図1に示す本体部200及び操作部400に相当し、これらの各部によりプリンタ機能が実現される。スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51及びネットワークI/F部71は、図1に示す本体部200、用紙後処理部300、操作部400、原稿読み取り部500及び原稿給送部600に相当し、これらの各部によりコピー機能が実現される。
【0035】
操作パネル部51は、図1に示すタッチパネル401等から構成されるタッチパネル部52、及び図1に示すスタートキー402及びテンキー403等から構成される操作キー部53を含む。操作パネル部51は、ユーザがスキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する操作を行うために使用され、ユーザによる操作指令等を制御部41に与える。タッチパネル部52は、タッチパネルとLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成され、種々の操作画面、例えば、コピー機能実行時には、原稿サイズ、コピーサイズ、印刷部数等に関する情報を表示するとともに、ユーザが当該部分をタッチすることにより種々の操作指令を入力するための操作ボタン等を表示する。操作キー部53は、ユーザがコピー実行指令等を入力するために用いられる。
【0036】
制御部41は、スキャナコントローラ42、ファクシミリコントローラ43、プリンタコントローラ44及びコピーコントローラ45として機能する。制御部41は、マイクロコンピュータ及び専用のハードウエア回路等から構成され、装置全体の動作を制御する。スキャナコントローラ42は、スキャナ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。ファクシミリコントローラ43は、ファクシミリ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。プリンタコントローラ44は、プリンタ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。コピーコントローラ45は、コピー機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。
【0037】
スキャナ部11は、図1に示すスキャナ501を構成する露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含む。スキャナ部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部21へ出力する。
【0038】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を含む。画像処理部21は、読み取られた画像データを必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理し、処理された画像データを画像メモリ24に記憶したり、プリンタ部31、ファクシミリ通信部61又はネットワークI/F部71等へ出力する。補正部22は、読み取られた画像データに対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0039】
プリンタ部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置205、現像装置206等から構成される画像形成部33、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部34、及び図1に示す定着ローラ207等から構成される定着部35を含む。プリンタ部31は、スキャナ部11により読み取られた原稿データ、ネットワークI/F部71を介してLAN(Local Area Network)によりクライアントPC(パーソナルコンピュータ)等から送信された印刷データ、ファクシミリ通信部61を用いて外部のファクシミリ装置等から受信したファクスデータ等の画像データを用いて画像を用紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は用紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を用紙に転写し、定着部35はトナー像を用紙に定着させて画像を形成する。
【0040】
ファクシミリ通信部61は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部61は、スキャナ部11によって読み取られた原稿の画像データを電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・符号化し、受信した画像データを伸長・復号化する。変復調部は、圧縮・符号化された画像データを音声信号に変調したり、受信した信号(音声信号)を画像データに復調する。NCUは、送受信先となるファクシミリ装置等との電話回線による接続を制御する。
【0041】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェース(10/100Base−TX)等を用い、LANを介して接続されたクライアントPC等に対する種々のデータの送受信を制御し、例えば、クライアントPC等から送信された印刷データ等を受信する。パラレルI/F部72は、高速双方向パラレルインターフェイス(IEEE1284準拠)等を用い、複数の信号線を用いて複数ビット単位でデータを送信するパラレル伝送により外部機器等から印刷データ等を受信等する。シリアルI/F部73は、シリアルインターフェイス(RS−232C)等を用い、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送により外部機器等から種々のデータ等を受信等する。
【0042】
HDD74は、スキャナ部11によって読み取られた画像データ及び当該画像データに設定されている出力形式等の種々のデータ等を記憶する。HDD74に記憶されている画像データは、デジタル複合機1内部で使用されるだけでなく、必要に応じて、ネットワークI/F部71を介してクライアントPC等から確認したり、クライアントPC等の所定のフォルダへ転送される。
【0043】
上記のように、デジタル複合機1においては、プリンタ機能を実行する際に画像処理部21及び画像形成部33等による画像形成処理が実行され、この画像形成処理において以下に説明するように中間言語(描画プリミティブコマンド)が使用される。
【0044】
プリンタ機能を用いる場合、例えば、クライアントPC等からPDLを用いて記述された画像データが受信され、この画像データがプリンタ機能に専用に用いられる中間言語に変換される。このように、中間言語を用いることにより、新たなPDLのサポート要求に対してコアとなる内部構造を変更する必要性が減少し、ソフトウェアの保守性が向上する。
【0045】
また、中問言語への変換により処理を一旦完結させ、それ以降の中間言語の処理と次頁のPDLの解析処理とを独立して処理することができるので、制御部41に搭載された専用描画処理機構による並列処理が可能になり、処理を高速化することができる。さらに、中間言語に変換しない場合に必要となる1頁分の画像データサイズに対応する空き容量が画像メモリ24上にない場合でも、次頁以降のPDLの解析処理を進めることができるので、印刷のスループットを向上することができる。
【0046】
上記の中間言語の生成単位としては、1頁の画像全体を複数の矩形領域に分割した帯状のバンドと呼ばれるブロックが使用される。中間言語を処理する時点でメモリが不足していた場合には、以前に展開が完了しているバンドを圧縮して空きメモリを確保し、処理を続行する。このように適切なバンドサイズで処理を行うことにより、画像領域全体を不要に圧縮して逆に全体の処理が遅くなることを防ぐことができる。例えば、バンド処理していなければ、数キロバイトのメモリ不足に対しても頁全体を圧縮する処理が必要となり、計算資源を余計に費やしてしまうだけでなく、その圧縮画像の伸張処理にも計算資源が必要とされる。
【0047】
また、中間言語の処理時間は、厳密には各コマンドによって指定される内容に依存し、例えば、BiTBLT(BiT Block Transfer)と呼ばれる文字を描画先に貼り付ける処理時間と、線を描画するベクタコマンドの処理時間とは異なる。しかしながら、一つのコマンドの処理の複雑さは、一般的に、コマンドのメモリ上の格納サイズと相関がある。
【0048】
例えば、ベクタ画像において水平線を引くコマンドの場合、開始点の座標とその長さの3パラメータが必要となり、矩形領域を塗りつぶすベクタコマンドの場合、矩形領域の一点の座標と縦横のサイズの4パラメータが必要となり、台形を描画する場合、2つの斜辺の傾きがさらに必要となる。また、BiTBLTのように画像形成に別の画像データを必要とする場合、そのデータを指定するためのパラメータも必要となる。
【0049】
このように、各コマンドのサイズは、当該コマンドの処理の複雑さやデータハンドリング量の多さと相関がある。ただし、パラメータ数と処理時間とには線形関係はなく、パラメータ数と処理時間とを直接関係付けることはできない。また、同じパラメータ数であっても、例えば、水平線を引くコマンドの場合、長さ1の水平線を引く場合と長さ100の水平線を引く場合とでは、処理時間は当然異なる。しかしながら、最も極端な場合であっても、それらの描画サイズの違いは高々バンドのサイズ内に限られる。
【0050】
ここで、本発明は、例えば、ユーザがデジタル複合機1を用いてコピー処理したい場合に、先行していたプリントジョブによって待たされるのを防ぐという、少なくとも人間が体感できる秒単位の生産性に関するものである。この用途においては、高々バンド内で変動するパラメータの数値自体の影響は小さく、コマンドのパラメータの内容よりもコマンドの総数が秒単位の描画時間を大きく左右する。
【0051】
また、通常、ユーザが生成する画像には制限がなく、画像の複雑さにも上限がない。ここで、画像の複雑さは、見た目の複雑さと直接の相関はなく、その画像を形成するために使用されるコマンドの数の多さや各コマンドを実行するための処理ステップ数の多さと相関がある。このように、画像を生成するために使用される中間言語のコマンド数にも限りがなく、中間言語のコマンド数が主に処理時間との相関を有し、中間言語のコマンドのメモリ上の格納サイズが処理時間を主に決定するということができる。
【0052】
したがって、プリンタコントローラ44により中間言語のコマンドのメモリ上の格納サイズを基準に画像形成時間を以下のようにして予測することができる。図3は、図2に示すプリンタコントローラ44の詳細な構成を示すブロック図である。図3に示すプリンタコントローラ44は、コマンドサイズ算出部81、履歴記憶部82、時間計測部83、予測部84、初期データ記憶部85、比較部86及び給紙時間テーブル87として機能する。
【0053】
PDLで記述された画像データから中間言語のコマンドをバンド単位で生成し、生成された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成するときに、コマンドサイズ算出部81は、画像メモリ24を参照して各バンドに対応する中間言語のコマンドのメモリ上のサイズすなわちバンドコマンドサイズを算出し、各バンドコマンドサイズを履歴記憶部82へ出力するとともに、未処理コマンドのバンドコマンドサイズを予測部84へ出力する。ここで、中間言語のコマンドのメモリ上のサイズは、既知の情報であり、簡便な算術演算により算出することができる。
【0054】
時間計測部83は、コマンドサイズ算出部81によりそのサイズが算出された各バンドの画像形成時間を計測する。ここで、画像形成時間とは、中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成する時間をいうものとする。なお、メモリを節約するために、生成した画像データを圧縮して画像メモリ24に保持している場合、画像データを伸張しながら感光体ドラム204上に画像を形成することになるが、伸張処理は画像の展開量に対して処理時間が安定しているため、伸張処理に要するワースト時間を容易に算出することができ、このワースト時間も考慮して画像形成時間を予測するようにしてもよい。
【0055】
履歴記憶部82は、コマンドサイズ算出部81により算出された各バンドコマンドサイズと、時間計測部83により計測された各バンドの画像形成時間とを対応付けて記憶する。履歴記憶部82は、基本的に各情報を頁単位で取り扱い、例えば、図4に示すバンドコマンドサイズ及び画像形成時間が記憶される。
【0056】
初期データ記憶部85は、コマンドの基準サイズと、当該基準サイズのコマンドを用いて画像を形成した場合の画像形成時間となる基準時間とが予め記憶されている。なお、初期データ記憶部85に記憶される基準サイズ及び基準時間としては、上記の例に特に限定されず、履歴記憶部82に記憶されている以前の頁のバンドコマンドサイズ及び画像形成時間を用いてもよい。
【0057】
予測部84は、履歴記憶部82に記憶されているコマンドサイズ及び画像形成時間と、コマンドサイズ算出部81から出力される、一頁全体の画像を形成するために未処理となっているコマンドサイズとを用いて残りの画像形成時間を予測する。具体的には、予測部84は、コマンドサイズ算出部81からの未処理コマンドサイズと履歴記憶部82のコマンドサイズとを比較して比例計算により履歴記憶部82の画像形成時間から残りの画像形成時間を予測し、予測した画像形成時間を比較部86へ出力する。例えば、未処理コマンドサイズが100の場合、履歴記憶部82のコマンドサイズが20で、この画像形成時間が1秒のとき、予測部84は残りの画像形成時間を5秒と予測する。
【0058】
なお、1頁目の最初のバンドのように、コマンドサイズ及び画像形成時間が履歴記憶部82にまだ記憶されていない場合、予測部84は、初期データ記憶部85に予め記憶されている基準サイズ及び基準時間と、未処理となっているコマンドサイズとを用いて残りの画像形成時間を予測する。
【0059】
給紙時間テーブル87は、各給紙カセット201から転写部34すなわち転写ローラ203まで用紙を搬送するために必要となる給紙時間を給紙カセットごとにテーブル形式で予め記憶している。給紙時間テーブル87は、ユーザ又は装置自体により給紙カセットが指定されると、指定された給紙カセットを特定する給紙カセット指示を受け付け、記憶している給紙時間の中から、指定された給紙カセットから転写部34までの給紙時間を抽出して比較部86へ出力する。
【0060】
比較部86は、予測部84からの残りの画像形成時間と給紙時間テーブル87からの給紙時間とを比較し、残りの画像形成時間が給紙時間以下になった場合、用紙搬送部32へ給紙指示を発行する。なお、予測部84からの残りの画像形成時間と給紙時間テーブル87からの給紙時間とには、ある程度の誤差が含まれている可能性があるため、残りの画像形成時間から所定のマージン値を減算して比較するようにしてもよい。また、誤差が微小の場合、転写部34において用紙を一時停止して誤差による生産性の低下を防止するようにしてもよい。
【0061】
本実施の形態では、画像処理部21及び画像形成部33が画像形成手段の一例に相当し、コマンドサイズ算出部81が算出手段の一例に相当し、予測部84が予測手段の一例に相当し、初期データ記憶部85が初期データ記憶手段の一例に相当し、時間計測部83が計測手段の一例に相当し、履歴記憶部82が履歴記憶手段の一例に相当し、用紙搬送部32が搬送手段の一例に相当する。
【0062】
次に、上記のように構成されたプリンタコントローラ44による画像形成時間予測処理について説明する。図5は、図3に示すプリンタコントローラ44による画像形成時間予測処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0063】
まず、ユーザ又は装置自体により給紙カセットが指定されると、ステップS1において、給紙時間テーブル87は、給紙カセット指示を受け付け、記憶している給紙時間の中から、指定された給紙カセットから転写部34までの給紙時間を比較部86へ出力する。次に、ステップS2において、比較部86は、給紙指示を既に行ったか否かを判断し、給紙指示済みの場合はステップS7へ処理を移行し、給紙指示がまだ行われていない場合はステップS3へ処理を移行する。
【0064】
給紙指示がまだ行われていない場合、ステップS3において、コマンドサイズ算出部81は、残りの全バンドのコマンドのメモリ上のサイズを算出する。次に、ステップS4において、予測部84は、履歴記憶部82に記憶されているコマンドサイズ及び画像形成時間と、一頁全体の画像を形成するために未処理となっているコマンドサイズとを用いて残りの画像形成時間を予測する。
【0065】
次に、ステップS5において、比較部86は、予測部84からの残りの画像形成時間が給紙時間テーブル87からの給紙時間以下になったか否かを判断し、画像形成時間が給紙時間以下になっている場合、ステップS6において、給紙指示を発行し、画像形成時間が給紙時間以下になっていない場合、処理をステップS7へ移行する。
【0066】
給紙指示が発行済みの場合(ステップS2でYes)、画像形成時間が給紙時間以下になっていない場合(ステップS5でNo)、又はステップS6の処理の終了後、ステップS7において、比較部86は、画像処理部21及び画像形成部33に次の1バンド分の画像を形成させる。次に、ステップS8において、比較部86は、画像形成部33が全バンド分の画像すなわち1頁の画像の形成を完了したか否かを判断し、全バンド分の画像の形成が完了していない場合、処理をステップS2へ移行して以降の処理を継続し、全バンド分の画像の形成が完了している場合、ステップS9に処理を移行する。
【0067】
全バンド分の画像の形成が完了している場合、ステップS9において、比較部86は、給紙指示を既に行ったか否かを判断し、給紙指示がまだ行われていない場合はステップS10において給紙指示を発行して処理を終了し、給紙指示済みの場合は処理をそのまま終了する。ここで、ステップS9の処理は、最後のバンドの画像形成時間が非常に長い場合に給紙指示を発行するための処理である。
【0068】
上記のように、本実施の形態では、未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間を予測するという簡便な処理により画像形成時間を予測することができ、予測された画像形成時間に応じて用紙の搬送タイミングを決定しているので、画像形成時間に適した搬送タイミングで用紙を搬送することができ、デジタル複合機1の生産性を向上することができる。
【0069】
なお、上記の説明ではバンド単位で中間言語のコマンドのサイズを算出したが、この例に特に限定されず、バンドサイズより細かい単位でコマンドのサイズを算出したり、複数のバンドごとにコマンドのサイズを算出するようにしてもよい。また、中間言語に変換される言語はPDLに特に限定されず、他の言語を用いてもよい。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成して画像を形成する際に、中間言語のコマンドのサイズを算出し、算出された未処理コマンドのサイズを基に画像形成時間を予測しているので、簡便な処理により画像形成時間を短時間に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるデジタル複合機の機械的構成を主に示す側面概略図である。
【図2】図1に示すデジタル複合機の電気的構成を主に示すブロック図である。
【図3】図2に示すプリントコントローラの詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す履歴記憶部に記憶されるバンドコマンドサイズ及び画像形成時間の一例を示す図である。
【図5】図3に示すプリントコントローラによる画像形成時間予測処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタル複合機
21 画像処理部
31 プリンタ部
32 用紙搬送部
33 画像形成部
41 制御部
44 プリンタコントローラ
81 コマンドサイズ算出部
82 履歴記憶部
83 時間計測部
84 予測部
85 初期データ記憶部
86 比較部
87 給紙時間テーブル
Claims (5)
- 所定の言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像を生成して画像を形成する画像形成手段と、
前記中間言語のコマンドのサイズを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された未処理コマンドのサイズを基に前記画像形成手段による画像形成時間を予測する予測手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記コマンドの基準サイズと、当該基準サイズのコマンドを用いて前記画像形成手段により画像を形成した場合の画像形成時間となる基準時間とを予め記憶する初期データ記憶手段をさらに備え、
前記予測手段は、前記算出手段により算出された未処理コマンドのサイズと、前記初期データ記憶手段に記憶されている基準サイズ及び基準時間とを基に前記画像形成手段による画像形成時間を予測することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段の画像形成時間を計測する計測手段と、
前記画像形成手段により画像を形成したときに、前記算出手段により算出されたコマンドのサイズと、前記計測手段により計測された画像形成時間とを記憶する履歴記憶手段とをさらに備え、
前記予測手段は、前記算出手段により算出された未処理コマンドのサイズと、前記履歴記憶手段に記憶されているコマンドのサイズ及び画像形成時間とを基に前記画像形成手段による画像形成時間を予測することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段により画像が形成される用紙を、当該用紙を貯蔵する貯蔵部から前記画像形成手段の画像形成位置まで搬送する搬送手段をさらに備え、
前記搬送手段は、前記予測手段により予測された画像形成時間に応じて用紙の搬送タイミングを変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、ページ記述言語で記述された画像データを中間言語に変換し、変換された中間言語のコマンドに応じてビットマップ画像をバンド単位で生成して画像データに応じた画像を形成し、
前記算出手段は、前記中間言語のコマンドのサイズをバンド単位で算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
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