JP2004261753A - オイルミスト除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でオイルミスト除去効率を向上させ、小型化、軽量化及び低コスト化に寄与する。
【解決手段】吸気口2から吸い込まれ、オイルミストを含んだ空気は、主フィルタ部7を構成するニッケルメタルフィルタによって、オイルミストの殆どを除去され、主フィルタ部7によっても除去されなかった僅かなオイルミストも、送風機5において遠心力によって加速されて、空気は急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流しても、オイルミストはその慣性によって、装置箱体15の内壁面の吸着領域8aに衝突して吸着され、確実に除去される。したがって、簡易な構成でありながら、オイルミスト除去効率を向上させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】吸気口2から吸い込まれ、オイルミストを含んだ空気は、主フィルタ部7を構成するニッケルメタルフィルタによって、オイルミストの殆どを除去され、主フィルタ部7によっても除去されなかった僅かなオイルミストも、送風機5において遠心力によって加速されて、空気は急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流しても、オイルミストはその慣性によって、装置箱体15の内壁面の吸着領域8aに衝突して吸着され、確実に除去される。したがって、簡易な構成でありながら、オイルミスト除去効率を向上させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、オイルミスト除去装置に係り、例えば工作機械から発するオイルミストを除去し、清浄な空気を排出するのに好適なオイルミスト除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図22に示すように、工場の建物101内には、多数台の切削用機械等の工作機械102が配置される。例えば、切削用機械103は、図23及び図24に示すように、鋼鉄等の金属からなる加工物104を保持する主軸台105や心押台106及び切削具107が設けられていると共に、切削時に鉱物油を主成分とする油性切削剤(以下、オイルという)を供給するためのオイル供給装置108や清浄装置109が付設される。
オイル供給装置108は、オイルタンク110と、オイルを切削位置に供給するオイルポンプ111やオイル噴出管112等とからなる。オイル噴出管112から加工物に供給されたオイルはミスト状となり、空気中の水蒸気と混在して気状媒体(以下、空気という)となる。
【0003】
この空気をこのまま建物101内に放出すると、建物101内が汚染されるため、該空気は清浄装置109を介して外に排出される。清浄装置109は、空気の流路上に配置された多孔構造のニッケルメタルフィルタを用いたフィルタ部113a,113bを有し、オイルミスト等を含んだ空気が、フィルタ部113a,113bによって除去され、例えばフィルタ部113a,113bによって捕捉されたオイルミストは凝集して油分として落下し、オイル貯留部114に貯留される。
清浄装置109は、図22に示すように、工作機械102毎に配置され、それぞれダクト115が連結され、ダクト115を集束ダクト116を介して電気集塵機117側に連結される。
各工作機械102側から発生し、清浄装置109によってオイルミスト等が除去された上記空気は、全て電気集塵機117に導入され、清浄装置109によって除去しきれなかった主としてヒュームを除去され、清浄化された空気が排出される。
【0004】
しかしながら、この清浄装置109は、工作機械102毎に工作機械102の設置箇所に据え付けられ、さらに、それぞれダクト115が連結され、電気集塵機117によってヒューム等を除去して、屋外に排出されるように構成されているので、電気集塵機117の運転を開始すると、使用していない工作機械102に対応した清浄装置109からも空気を吸い込むので、無駄な電力を消費することになり、維持するために無用なコストがかかるという問題があった。さらに、規模が大きくなるので、導入時にコストが嵩むという問題があった。
【0005】
また、例えば工作機械102の配置換えや、別の種類の工作機械102を導入する場合には、ダクト115を敷設し直したり、電気集塵機117のモータの容量を変更したりしなければならない場合があり、改修時等に融通が利かないという問題があった。
このため、オイルミストを含んだ空気を吸い込み、フィルタ等を介してオイルミストを除去して、清浄な空気を排出するオイルミスト除去装置を、例えば工作機械の近傍に設置し、ダクトを廃するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【0006】
【特許文献1】
特開2002−113316号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術でも、オイルミスト除去装置は、予め決められた位置に固定されているので、例えば工作機械の近くで別の作業をする場合に、汚染された空気を確実に吸い込ませたいときでも、最適な位置に移動させて用いることができず、使い勝手が悪いという問題があった。このように、オイルミスト除去効率を維持しつつ小型化及び軽量化を達成することは困難であるという問題があった。
【0008】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成でオイルミスト除去効率を向上させることができると共に、小型化、軽量化及び低コスト化に寄与することができ、かつ、簡単に移動させて手軽に使用することができるオイルミスト除去装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、吸気口から空気を吸引し、該空気中に含まれるオイルミストを除去した後、排気口から清浄な空気を排気するオイルミスト除去装置に係り、前記吸気口から吸い込まれた前記空気を遠心方向に圧送する送風機と、少なくとも前記送風機の上流側に配置されて前記オイルミストを捕捉して除去するための第1のフィルタ部と、前記送風機の吐出口近傍に配置され、前記送風機から遠心方向に吐き出された空気を吹き付けられて、前記第1のフィルタ部によっても除去されなかった前記オイルミストを捕捉して除去するための第2のフィルタ部とを備えてなることを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のオイルミスト除去装置に係り、前記第1のフィルタ部は、多孔体フィルタを有してなることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のオイルミスト除去装置に係り、前記送風機は、複数の羽根が環状に並べられた羽根車を有すると共に、該羽根車の軸心が前記吸気口の中心軸線と概略共通する態様で、取り付けられてなる遠心型送風機であって、運転時は、前記羽根車の軸心方向から前記空気を取り入れ、取り入れた前記空気に旋回流を与え、発生した遠心力によって、前記羽根と羽根との間から、旋回する前記空気を前記羽根車の外周方向に圧送する構成とされていることを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載のオイルミスト除去装置に係り、前記第2のフィルタ部は、前記送風機、前記第1及び第2のフィルタ部を収納する装置箱体の内壁面に沿って前記送風機の側縁部を囲むように配置され、前記オイルミストを吸着する吸着体を有してなると共に、前記第2のフィルタ部によって前記オイルミストが除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて前記排気口へ向かって通流する構成になされていることを特徴としている。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のオイルミスト除去装置に係り、前記吸着体は、前記装置箱体の内壁面に沿って摺動可能に配置された長尺なシート状部材からなり、巻取手段によって巻き取られることによって、前記吸着体のうちオイルミスト吸着済の部分が回収されると共に、前記吸着体のうちオイルミスト未吸着の部分が供給手段から供給されて、前記送風機から遠心方向に吐き出された空気に晒されるように配置されるように構成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のオイルミスト除去装置に係り、前記第2のフィルタ部は、前記吸着体の前記オイルミストを吸着した部分を、前記巻取手段によって巻き取る前に清掃する清掃手段を有することを特徴としている。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1、2又は3記載のオイルミスト除去装置に係り、前記排気口は、前記送風機、前記第1及び第2のフィルタ部を収納する装置箱体の前記送風機の吐出口近傍に設けられていると共に、前記第2のフィルタ部は、前記排気口の上流側に配置された集塵フィルタを有してなることを特徴としている。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項2乃至7のいずれか1に記載のオイルミスト除去装置に係り、前記多孔体フィルタの一部又は全部の領域への前記空気の流入を停止することによって、前記オイルミストの凝集体である液又は滴の流下又は落下を促進させて、目詰り状態の前記多孔体フィルタを再生するためのフィルタ再生手段を有することを特徴としている。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出する目詰り検出手段を備え、該目詰り検出手段が、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出すると、前記多孔体フィルタの一部又は全部の領域への前記空気の流入を停止させることを特徴としている。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のオイルミスト除去装置に係り、前記目詰り検出手段は、前記送風機の負荷電流を計測する電流計測手段を有し、該電流計測手段による計測結果に基づいて、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出することを特徴としている。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項8、9又は10記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記送風機をオフとすることによって、前記オイルミストの凝集体である液又は滴の流下又は落下を促進させて、目詰り状態の前記多孔体フィルタを再生することを特徴としている。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記送風機がオンとなった後に、予め設定された第1の基準時間が経過すると、前記送風機をオフとし、前記送風機がオフとなった後、予め設定された第2の基準時間が経過すると、前記送風機をオンとする構成になされていることを特徴としている。
【0021】
請求項13記載の発明は、請求項8、9又は10記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記多孔体フィルタの上流側に配置され、前記多孔体フィルタの上流側の所定の領域からの前記空気の流入を制限する流入制限手段を有してなることを特徴としている。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項13記載のオイルミスト除去装置に係り、前記流入制限手段は、前記多孔体フィルタの上流側に配置された遮蔽体と、該遮蔽体を前記多孔体フィルタの上流側の面に沿って周期的に又は必要に応じて変位させる遮蔽体駆動手段とを有してなっていることを特徴としている。
【0023】
請求項15記載の発明は、請求項14記載のオイルミスト除去装置に係り、前記遮蔽体は、略矩形状の板状部材からなり、前記遮蔽体駆動手段は、前記遮蔽体を前記多孔体フィルタの上流側の面に沿って変位させることを特徴としている。
【0024】
請求項16記載の発明は、請求項14記載のオイルミスト除去装置に係り、前記遮蔽体は、略扇形状の板状部材からなり、前記遮蔽体駆動手段は、前記遮蔽板を前記多孔体フィルタの上流側の面に沿って前記吸気口の中心軸の周りに回転運動させることを特徴としている。
【0025】
請求項17記載の発明は、請求項14、15又は16記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記目詰り検出手段が、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出すると、前記遮蔽体駆動手段を制御して、前記遮蔽体を変位させて、前記多孔体フィルタのうち、目詰り状態に至っていない領域に、前記空気が流入されるようにすることを特徴としている。
【0026】
請求項18記載の発明は、請求項2乃至17のいずれか1に記載のオイルミスト除去装置に係り、前記多孔体フィルタ及び/又は前記送風機の下方に配置され、前記多孔体フィルタによって捕捉された前記オイルミストが凝集して、流下又は落下する液又は滴を受けて貯える貯留部を備えたことを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
◇第1実施例
図1は、この発明の第1実施例であるオイルミスト除去装置の概略構成を示す模式断面図、図2は、同オイルミスト除去装置の概略構成を示す斜視図、図3は同オイルミスト除去装置の概略構成を示す正面図、図4は、同オイルミスト除去装置の概略構成を示す背面図、図5は、同オイルミスト除去装置の送風機の構成を示す斜視図、図6は、同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図、また、図7は、同オイルミスト除去装置の主フィルタ部の多孔性フィルタの機能を説明するための模式図である。
【0028】
この例のオイルミスト除去装置は、例えば工場の建物内に配置される切削機や溶接機等の工作機械の近傍の床面上や作業台上に配置され、工作機械で発生したオイルミストを除去して清浄な空気を排出するために用いられる。
このオイルミスト除去装置1は、図1乃至図4に示すように、吸気口2から吸い込まれた汚れた空気から、切削機等の工作機械の使用に伴って発生したオイルミストを除去するフィルタ部3と、空気を吸い込んで排気口4から清浄な空気を排出するための送風機5と、例えば送風機5へ電力を供給して運転させるための制御ユニット6とを備えてなっている。
【0029】
フィルタ3は、送風機5の上流側に配置され、吸気口2から吸い込まれた空気から、オイルミストを除去する主フィルタ部(第1のフィルタ部)7と、送風機5の下流側に配置され、主フィルタ部7においても除去されなかったオイルミストを除去する補助除去部(第2のフィルタ部)8とを有している。
主フィルタ部7は、空気に含まれるオイルミスト等を捕集する例えば3枚の多孔体フィルタ9,9,9と、多孔体フィルタ9,9,9によって捕集されたオイルミストの凝集体を貯留するオイル貯留部11と、オイル貯留部11の底部に取り付けられ、オイル貯留部11に溜まったオイルを排出するためのオイル排出部12とを有してなっている。
【0030】
多孔体フィルタ9としては、公知のニッケルメタルフィルタ(日本重化学工業株式会社製)の単品が採用されている。ニッケルメタルフィルタは、多孔構造のものからなり、発泡ウレタンにニッケル粉末を含浸し、これらを燒結してなるポーラスな固体状体からなっている。
このニッケルメタルフィルタは、油脂分、油煙、水蒸気等を効率的に除去する機能を有し、圧力損失も小さい特徴を有している。
【0031】
補助除去部8は、装置箱体(ケーシング)15の内壁面のうち、送風機5の側縁部を囲むように配置されて、オイルミストを吸着する吸着領域8aからなり、空気中のオイルミストが送風機5において遠心力によって加速されて直接吹き付けられる。ここで、オイルミストはその慣性によって、吸着領域8aに衝突して吸着されるが、オイルミストが除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流する。
【0032】
送風機5は、図5に示すように、複数の羽根18a,18a,…が放射状に並べられた羽根車18と、この羽根車18を駆動するモータ19とを有してなる遠心型のターボ送風機であって、羽根車18及びモータ19の軸心が吸気口2の中心軸線と概略共通する態様で、装置箱体15に取り付けられている。
なお、この例では、羽根車18の羽根18aの羽根形は、羽根出口(吐出口)の方向が回転方向に対して後向きの後向き羽根とされ、空気は回転方向に対して斜め後方に吹き出される。
【0033】
次に、図6及び図7を参照して、この例のオイルミスト除去装置1の動作について説明する。
まず、工作機械側から発するオイルミストを含む空気Aは、送風機5の運転により、図6に示すように、吸気口2からオイルミスト除去部3の主フィルタ部7に導入される。
主フィルタ部7では、図7に示すように、多孔体フィルタ9を構成するニッケルメタルフィルタ9aに、例えば、オイルミストP1と水蒸気P2とが混合された空気Aがニッケルメタルフィルタに当ると、ニッケルメタルフィルタ9aが多孔で極めて大きな表面積を有するため、オイルミストP1は殆ど捕獲され、殆ど水蒸気P2のみがニッケルメタルフィルタ9aを通過して進むこととなる。なお、ニッケルメタルフィルタ9aで捕集されたオイルミストP1は、回収側に送られる。
【0034】
多孔体フィルタ9内で分離されたオイルミストP1は、図6に示すように、凝集して油分Qとなって流化してオイル貯留部11に貯留される。この油分Qは、例えば、工作機械が不使用中であって、送風機5が運転を休止しているときに、オイル排出部12を操作することによって、オイル貯留部11から排出される。多孔体フィルタ9を通過した空気Aには、オイルミストP2が殆ど含まれてない。多孔体フィルタ9でオイルミストP1が殆ど除去された空気Aは、送風機5の中心部(羽根車18の内周部)に流入し、羽根車18の各羽根18aに押されて旋回し、羽根18aと羽根18aとの隙間から羽根車18外周方向に圧送される。
【0035】
ここで、主フィルタ部7においても除去しきれなかった僅かなオイルミストP1は、送風機5において遠心力によって吸着領域8aへ向けて加速される。そして、オイルミストP1はその慣性によって、吸着領域8aに衝突し吸着され、オイルミストP1が除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流し、排気口4からは清浄な空気Cが排出される。
また、制御ユニット6が工作機械の発するオイルミストP1等の発生量に応じて送風機5の吸引力を変化させ、最も効果的なオイルミスト除去が行われる。
【0036】
このように、この第1実施例の構成によれば、吸気口2から吸い込まれ、オイルミストP1を含んだ空気は、主フィルタ部7を構成するニッケルメタルフィルタによって、オイルミストP1の殆どを除去され、主フィルタ部7によっても除去されなかった僅かなオイルミストP1も、送風機5において遠心力によって加速されて、空気は急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流しても、オイルミストP1はその慣性によって、吸着領域8aに衝突して吸着され、確実に除去される。
したがって、簡易な構成でありながら、オイルミスト除去効率を向上させることができ、小型化、軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
また、必要なときに必要な場所へ簡単に移動させて手軽に使用することができ、使い勝手を良好とすることができ、例えば、工場の設備の増設を含む改修等にも柔軟に対処することができる。
【0037】
◇第2実施例
図8は、この発明の第2実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図、また、図9は、同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
この例の装置構成が、上記した第1実施例のそれと大きく異なるところは、オイルミストを吸着する吸着シートを送風機5の側縁部を囲むように配置して補助除去部を構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0038】
この例のオイルミスト除去装置1Aのフィルタ部3Aは、図8に示すように、送風機5の上流側に配置され、吸気口2から吸い込まれた空気から、オイルミストを除去する主フィルタ部7と、送風機5の下流側に配置され、主フィルタ部7においても除去されなかったオイルミストを除去する補助除去部(第2のフィルタ部)8Aとを有している。
【0039】
補助除去部8Aは、オイルミストを吸着する例えば織布からなる長尺な吸着シート(吸着体)14が、装置箱体(ケーシング)15の内壁に取り付けられたシート保持部16によって保持されて送風機5の側縁部を囲むように配置されてなっている。
吸着シート14は、例えば高分子材料から作られた糸を平織りにしてなり、空気中のオイルミスト等が送風機5において遠心力によって加速されて直接吹き付けられる位置に配置されている。ここで、オイルミストはその慣性によって、吸着シート14に埋め込まれるが、空気は、オイルミストが除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流する。
【0040】
次に、図9を参照して、この例のオイルミスト除去装置1Aの動作について説明する。
まず、工作機械側から発するオイルミストを含む空気Aは、送風機5の運転により、図9に示すように、吸気口2からフィルタ部3の主フィルタ部7に導入され、主フィルタ部7の多孔体フィルタ9内で分離されたオイルミストP1は、凝集して油分Qとなって流化してオイル貯留部11に貯留される。
多孔体フィルタ9を通過した空気Aには、オイルミストP1が殆ど含まれてない。多孔体フィルタ9でオイルミストP1が殆ど除去された空気Aは、送風機5の中心部(羽根車18の内周部)に流入し、羽根車18の各羽根18aに押されて旋回し、羽根18aと羽根18aとの隙間から羽根車18外周方向に圧送される。
【0041】
ここで、主フィルタ部7においても除去しきれなかった僅かなオイルミストP1は、送風機5において遠心力によって吸着シート14へ向けて加速される。そして、オイルミストP1はその慣性によって、吸着シート14に衝突し埋め込まれ、オイルミストP1が除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流し、排気口4からは清浄な空気Cが排出される。
また、制御ユニット6が工作機械の発するオイルミストP1の発生量に応じて送風機5の吸引力を変化させ、最も効果的なオイルミスト除去が行われる。
【0042】
このように、この第2実施例の構成によれば、吸気口2から吸い込まれ、オイルミストP1を含んだ空気は、主フィルタ部7を構成するニッケルメタルフィルタによってオイルミストP1の殆どを除去され、主フィルタ部7によっても除去されなかった僅かなオイルミストP1も、送風機5において遠心力によって加速されて、空気は急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流しても、オイルミストP1はその慣性によって吸着シート14に衝突して埋め込まれ、確実に除去される。
したがって、簡易な構成でありながら、オイルミスト除去効率を一段と向上させることができ、小型化、軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
【0043】
◇第3実施例
図10は、この発明の第3実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
この例の装置構成が、上記した第2実施例のそれと大きく異なるところは、補助除去部が、吸着シートのうちオイルミスト吸着済の部分を巻き取って回収するシート巻取部と、吸着シートのうちオイルミスト未吸着の部分を供給するシート供給部とを備えた点である。
これ以外の構成は、上述した第2実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0044】
この例のオイルミスト除去装置1Bの補助除去部(第2のフィルタ部)8Bは、図10に示すように、オイルミストを吸着する長尺な吸着シート(吸着体)14Bと、吸着シート14Bを保持し、送風機5の側縁部を囲むように配置させるためのシート保持部16Bと、吸着シート14Bのうちオイルミスト吸着済の部分を、巻き取りモータ21aによって巻取軸の周りに巻き取って回収するシート巻取部(巻取手段)21と、吸着シート14Bのうちオイルミスト未吸着の部分を供給するシート供給部(供給手段)22とを有している。
シート保持部16Bは、吸着シート14Aの両側端を支持するための一対の外形が円環状で断面コの字状の支持部材23,23からなり、下部に吸着シート14Bを引き出すための切欠き部24が設けられ、取付部材25,25,25によって、装置箱体15Bの内壁に取り付けられている。
所定の時間が経過すると、制御ユニットによって制御されて、シート巻取部21が吸着シート14Bを巻き取って、オイルミスト吸着済の汚れた部分を回収し、シート供給部22から供給された未吸着の部分が、送風機5から圧送され、主フィルタ部7によっても除去しきれなかったオイルミストを含む空気に晒される。
【0045】
このように、この第3実施例の構成によれば、第2実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、常に、供給部22から、吸着シート14Bのオイルミスト未吸着の部分が供給されて、空気に晒されるので、オイルミストの除去効率を一段と向上させることができる。
また、制御ユニットの制御によって、シート巻取部21が吸着シート14Bを自動的に巻き取り、シート供給部22から吸着シート14Bのオイルミスト未吸着の部分が供給されるので、保守管理を容易とすることができる。
【0046】
◇第4実施例
図11は、この発明の第4実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
この例の装置構成が、上記した第3実施例のそれと大きく異なるところは、回収前の吸着シートをクリーニングするためのクリーニング装置を備えた点である。
これ以外の構成は、上述した第3実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0047】
この例のオイルミスト除去装置1Cの補助除去部(第2のフィルタ部)8Cは、図11に示すように、オイルミストを吸着する例えば合成樹脂製のシート状部材からなる長尺な吸着シート(吸着体)14Cと、吸着シート14Cを保持し、送風機5の側縁部を囲むように配置させるためのシート保持部16Cと、吸着シート14Cのうちオイルミスト吸着済の部分を、巻き取りモータ21aによって巻取軸の周りに巻き取って回収するシート巻取部21と、吸着シート14Cのうちオイルミスト未吸着の部分を供給するシート供給部22と、回収前の吸着シート14Cをクリーニングするためのクリーニング装置(清掃手段)27とを有している。
【0048】
このように、この第4実施例の構成によれば、第3実施例と同様の効果を得ることができる。
加えて、クリーニング装置27を有しているので、吸着シート14Cを回収して全部巻き取った後も、吸着シート14Cを再利用することができる。
【0049】
◇第5実施例
図12は、この発明の第5実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
この例の装置構成が、上記した第2実施例のそれと大きく異なるところは、排気口を送風機の側縁部を囲むように装置箱体に形成し、排気口の上流側に吸着シートに代えて集塵フィルタを設けた点である。
これ以外の構成は、上述した第2実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0050】
この例のオイルミスト除去装置1Dは、図12に示すように、吸気口2から吸い込まれた汚れた空気から、切削機等の工作機械の使用に伴って発生したオイルミストを除去するフィルタ部3Dと、空気を吸い込んで排気口4Dから清浄な空気を排出するための送風機5と、例えば送風機5へ電力を供給して運転させるための制御ユニットとを備えてなっている。ここで、排気口4Dは、送風機5の側縁部を取り囲むように、装置箱体15Dに形成されている。
フィルタ部3Dは、上述した主フィルタ部(第1のフィルタ部)7と、送風機5の下流側に配置され、主フィルタ部7においても除去されなかった主としてオイルミストを除去する補助除去部(第2のフィルタ部)8Dとを有している。
【0051】
補助除去部8Dは、オイルミスト等を捕捉し除去する例えば不織布からなる長尺な集塵フィルタ14Dが、装置箱体15Dの内壁に取り付けられたフィルタ保持部16Dによって保持されて送風機5の側縁部を囲むように配置されてなっている。
集塵フィルタ14Dは、空気中のオイルミスト等が送風機5において遠心力によって加速されて直接吹き付けられる位置に配置されている。ここで、オイルミスト等を含む空気が、排気口4Dの近傍の集塵フィルタ14Dを通過する際にオイルミスト等は、この集塵フィルタ14Dによって捕捉され除去される。
【0052】
このように、この第5実施例の構成によれば、第2実施例と略同一の効果を得ることができる。
【0053】
◇第6実施例
図13は、この発明の第6実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図、また、図14は、同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
この例の装置構成が、上記した第2実施例のそれと大きく異なるところは、送風機を所定の時間間隔で間欠運転するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第2実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0054】
この例のオイルミスト除去装置の制御ユニット(フィルタ再生手段の一部)6Eは、図13に示すように、構成各部を所定のプログラムにしたがって制御する制御部31と、制御部31が処理する各種プログラムやデータを記憶した記憶部32と、計時回路33とを有している。
この制御ユニット6Eは、図14に示すように、予め設定され送風機5を運転させる運転時間taと、休止させる休止時間tbとに基づいて、送風機5の運転/休止を交互に繰り返すように制御する。
上記運転時間ta及び休止時間tbは、工作機械から発生するオイルミストの発生量や、多孔体フィルタのオイルミスト捕捉能力等に基づいて、設定される。
運転時間ta中に、時間の経過と共に、多孔体フィルタ9は、オイルミストを捕捉することによって次第に目詰りを起こし、図14に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R1からR2まで低下する。
【0055】
これは、空気の流れによって、オイルミストの凝集液が分断状態となっているため、流下し難くなっているからであると考えられる。
制御ユニット6Eは、運転時間ta経過すると、送風機5を休止時間tb休止させる。この休止時間tb中に多孔体フィルタ9に捕捉されたオイルミストの凝集液は、空気の流れが停止することで、流下が促進されて、オイル貯留部11に集められる。
これは、分断状態となっていたオイルミストの凝集液が、表面張力の作用によって、互いにくっつき合って、重力の作用を受けて流下が促進されるものと考えられる。このようにして、オイル貯留部11内に次第に油分が溜まる。
【0056】
このように、この第6実施例の構成によれば、第2実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、送風機5に休止時間を設けることによって、多孔体フィルタ9を再生して、常に所定の捕集効率を維持することができる。
【0057】
◇第7実施例
図15は、この発明の第7実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
この例の装置構成が、上記した第6実施例のそれと大きく異なるところは、第6実施例では、一定時間間隔で送風機を一定時間休止させたのに対して、電流計によって送風機の負荷電流を計測し、この計測結果に基づいて、送風機をオン/オフするように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第6実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0058】
この例のオイルミスト除去装置の制御ユニット6Fは、図15に示すように、構成各部を所定のプログラムにしたがって制御する制御部41と、制御部41が処理する各種プログラムやデータを記憶した記憶部42と、送風機5の負荷電流を計測するための電流計(目詰り検出手段)43とを有している。
制御部41は、電流計43によって計測された電流値を一定時間積算して平均値を算出し、前回の平均値よりも所定量低下したならば、所定の休止時間送風機5を休止させる。
【0059】
このように、この第7実施例の構成によれば、第6実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、計測した電流値に基づいて、送風機5をオン/オフするので、的確に多孔体フィルタ9の捕捉効率の低下を検知して、運転状態に合わせて常に高い捕集効率を維持することができる。
【0060】
◇第8実施例
図16は、この発明の第8実施例であるオイルミスト除去装置の構成を一部破断面して示す正面図、図17は、同オイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図、また、図18及び図19は、同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
この例の装置構成が、上記した第6実施例のそれと大きく異なるところは、第6実施例では、送風機をオフとすることによって多孔体フィルタを再生したのに対して、遮蔽板を多孔体フィルタの上流側の面に沿って周期的に往復運動させることによって多孔体フィルタを再生するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第6実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0061】
この例のオイルミスト除去装置1Gは、図16に示すように、吸気口2から吸い込まれた汚れた空気から、切削機等の工作機械の使用に伴って発生したオイルミストを除去するフィルタ部3と、空気を吸い込んで排気口4から清浄な空気を排出するための送風機5と、例えば送風機5へ電力を供給して運転させるための制御ユニット(フィルタ再生手段の一部)6Gと、吸気口2とオイルミスト除去部3の主フィルタ部7との間に設けられ、空気の主フィルタ部7への流入箇所を制限する空気流入制限部(フィルタ再生手段の一部、空気流入制限手段)44とを備えてなっている。
フィルタ部3は、送風機5の上流側に配置され、吸気口2から吸い込まれた空気から、オイルミストを除去する主フィルタ部7と、送風機5の下流側に配置され、主フィルタ部7においても除去されなかった主としてオイルミストを除去する補助除去部8とを有している。
【0062】
空気流入制限部44は、図16に示すように、幅方向(この例では水平方向)に沿って変位可能に主フィルタ部7の空気流入側に配置され、主フィルタ部7の多孔体フィルタ9の幅(すなわち、略吸気口2の開口の幅)wの略1/4(w/4)に設定された矩形状の遮蔽板45と、遮蔽板45の例えば下部に取り付けられ雌ねじが螺設された孔部46aを有する保持部材46と、遮蔽板45の例えば上部に取り付けられ孔部47aを有する保持部材47と、保持部材46の孔部46aに挿入され孔部46aの雌ねじと螺合する雄ねじが螺設された棒状の送りねじ48と、保持部材47の孔部47aに挿入され遮蔽板45を水平方向に沿って案内するための案内棒49と、制御ユニット6Fの制御によって送りねじ48を回転駆動させる駆動モータ51とを有している。
【0063】
制御ユニット6Gは、図17に示すように、構成各部を所定のプログラムに従って制御する制御部52と、制御部52が処理する各種プログラムやデータを記憶した記憶部53と、計時回路54とを有している。
この制御ユニット6Fは、図18及び図19に示すように、送風機5を運転させながら、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45を移動させ、主フィルタ部7への空気の流入が遮断される箇所を順次変更する。
まず、遮蔽板45は、時刻tが(t0<t<t1)の間は、図19(a)に示すように、オイルミスト除去装置1Fの正面側から見て最右端に配置される。時間の経過と共に、多孔体フィルタ9は、オイルミストを捕捉することによって次第に目詰りを起こし、経過時間Δta(=t1−t0)後には、図18に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R3からR4まで低下する。
【0064】
制御ユニット6Gは、時刻tが(t=t1)となると、図19(b)に示すように、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45を距離w/4だけ左方へ移動させる。これにより、図18に示すように、空気の流量Rは流量R4からR3まで回復する。
この場合も、経過時間Δtb(=t2−t1)後には、同図に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R3からR4まで低下する。
【0065】
制御ユニット6Gは、時刻tが(t=t2)となると、図19(c)に示すように、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45をさらに距離w/4だけ左方へ移動させる。これにより、図18に示すように、空気の流量Rは流量R4からR3まで回復する。
この場合も、経過時間Δtc(=t3−t2)後には、同図に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R3からR4まで低下する。
【0066】
制御ユニット6Gは、時刻tが(t=t3)となると、図19(d)に示すように、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45をさらに距離w/4だけ左方へ移動させる。これにより、図18に示すように、空気の流量Rは流量R4からR3まで回復する。
この場合も、経過時間Δtd(=t4−t3)後には、同図に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R3からR4まで低下する。
【0067】
制御ユニット6Gは、時刻tが(t=t4)となると、図19(a)に示すように、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45を、最右端に移動させ、以降、上述した動作を繰り返し実行する。
ここで、多孔体フィルタ9のうち、主として、空気の流入が遮蔽板45によって遮断された部位からは、多孔体フィルタ9に捕捉されたオイルミストの凝集液は、空気の流入が遮断されることで、流下が促進されて、オイル貯留部11に集められる。
なお、この例では、(Δta=Δtb=Δtc=Δtd)とされ、工作機械から発生するオイルミストの発生量や、多孔体フィルタのオイルミスト捕捉能力等に基づいて、設定される。
【0068】
このように、この第8実施例の構成によれば、第6実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、送風機5の運転を継続させながら、多孔体フィルタ9の再生を同時に行うことができるので、工作機械を使用していて、オイルミストの除去が必要なときでも、多孔体フィルタ9の目詰り箇所を再生しながら、常に高い捕集効率を維持することができる。
【0069】
◇第9実施例
図20は、この発明の第9実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
この例の装置構成が、上記した第8実施例のそれと大きく異なるところは、第8実施例では、一定時間間隔で遮蔽板を往復運動させたのに対して、電流計によって送風機の負荷電流を計測し、この計測結果に基づいて、遮蔽板を往復運動させるように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第8実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0070】
この例のオイルミスト除去装置の制御ユニット6Hは、図20に示すように、構成各部を所定のプログラムにしたがって制御する制御部55と、制御部55が処理する各種プログラムやデータを記憶した記憶部56と、送風機5の負荷電流を計測するための電流計(目詰り検出手段)57とを有している。
制御部55は、電流計57によって計測された電流値を一定時間積算して平均値を算出し、前回の平均値よりも所定量低下したならば、駆動モータ51を制御して、例えば、遮蔽板45が最左端に配置されている以外の場合は遮蔽板45を距離w/4だけ左方へ移動させ、遮蔽板45が最左端に配置されている場合は遮蔽板45を最右端に移動させる。
【0071】
このように、この第9実施例の構成によれば、第8実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、計測した電流値に基づいて、遮蔽板45を移動させるので、的確に多孔体フィルタ9の捕捉効率の低下を検知して、運転状態に合わせて常に高い捕集効率を維持することができる。
【0072】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られたものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、工場等で用いる場合について述べたが、これに限らず、例えば、焼肉店等の飲食店や、一般家庭において使用しても良い。
また、第1のフィルタ部としての主フィルタ部において、多孔体フィルタ9に限らず、繊維性のフィルタを用いても良い。また、多孔体フィルタ9は、3枚に限らず、2枚以下でも4枚以上でも良い。送風機5の下流側にも多孔体フィルタを配置するようにしても良い。
また、送風機の羽根形は、前向き羽根に限らず、半径向き羽根形でも良いし、後ろ向き羽根でも良い。また、送風機は、1台と限らず、複数台配置するようにしても良い。
【0073】
また、送風機5の例えば下流側に、図21に示すような電気集塵ユニットを配置するようにしても良い。ここで、オイルミストが除去され、電気集塵ユニットに導入された空気Cは、ニードル電極先端のイオン化部61に当ると、空気C内の酸素がプラスイオンとなり、これに例えばヒュームP4等が付着しプラスの微粒子体P5を形成する。
この微粒子体P5は、マイナス電位の集塵電極62に直接付着するとともに、中心のプラス電位の対応電極63に跳ね飛ばされて、集塵電極62に付着する。したがって、ヒュームP4等は、集塵電極62で捕獲され、清浄空気Dが排出される。
【0074】
また、例えば第2実施例で、吸着シート14の繊維材料は、中空繊維等を用いても良い。また、平織りに限らず多数の空隙部を有する綾織りでも良いし、朱子織りでも良い。また、例えば、紙製の不織布を用いても良いし、ポリウレタン発泡体等の多孔質の発泡体を用いるようにしても良い。また、単に粘着テープを用いても良い。
【0075】
また、第4実施例で、吸着シート14Cを無端状として、クリーニング装置27を通過させて使用するようにしても良い。
また、第8実施例で、遮蔽板は、矩形状に限らず、例えば扇形の板状部材を用いて、吸気口の中心軸の周りに回転させるようにしても良い。
また、第8実施例で、遮蔽体として、板状部材に代えてフィルム状部材を無端状として回転させて用いるようにしても良い。ここで、このフィルム状部材を清掃するクリーニング装置を付加しても良い。
また、第8実施例で、遮蔽板の幅を多孔体フィルタの幅の略1/4に設定する場合について述べたが、1/4とは限らず、例えば、1/5でも、1/2でも良い。
また、第8実施例で、遮蔽板の全部を多孔体フィルタの配置された領域外に移動可能なようにして、必要に応じて多孔体フィルタの全面を用いるように構成しても良い。
また、吸気口2と主フィルタ部7との間に、例えば鉛直方向に平行な軸の周りに回動可能に複数の羽根板(ルーバ)を設けて、多孔体フィルタの一部又は全部の領域への空気の流入を停止または制限することが可能なようにしても良い。ここで、吸気口2の全ての領域に亘って羽根板を配置し、全ての羽根板を同時に全開状態としたり全閉状態としても良いし、第8実施例で、遮蔽板を変位させたのに代えて、時間的に全開状態又は全閉状態とする羽根板を変更するようにしても良い。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のオイルミスト除去装置によれば、吸気口から吸い込まれ、オイルミストを含んだ空気は、第1のフィルタ部によって、オイルミストの殆どを除去され、第1のフィルタ部によっても除去されなかった僅かなオイルミストも、送風機において遠心力によって加速されて、第2のフィルタ部に衝突して、確実に除去される。
したがって、簡易な構成でありながら、オイルミスト除去効率を向上させることができ、小型化、軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
また、必要なときに必要な場所へ簡単に移動させて手軽に使用することができ、使い勝手を良好とすることができ、例えば、工場の設備の増設を含む改修等にも柔軟に対処することができる。
【0077】
また、第2のフィルタ部によってオイルミストが除去された空気が、急激に流れの方向を変化させて排気口へ向かって通流するように構成することによって、空気は急激に流れの方向を変化させて排気口へ向かって通流しても、送風機において遠心力によって加速されたオイルミストは、その慣性によって第2のフィルタ部に衝突し、一段と確実に除去される。
また、吸着体を、巻取手段によって巻き取って、オイルミスト吸着済の部分を回収し、オイルミスト未吸着の部分を供給手段から供給し、送風機から遠心方向に吐き出された空気に晒すように構成することによって、オイルミストの除去効率を一段と向上させることができる。ここで、吸着体のオイルミストを吸着した部分を、巻取手段によって巻き取る前に清掃手段によって清掃することによって、吸着体を回収して全部巻き取った後も、吸着体を再利用することができる。
【0078】
また、フィルタ再生手段を用いて、必要に応じて多孔体フィルタの一部又は全部の領域への空気の流入を停止することによって、多孔体フィルタを再生して、常に所定の捕集効率を維持することができる。ここで、目詰り検出手段を用いて、多孔体フィルタの目詰り状態が検出されたときに、空気の流入を停止させることによって、的確に多孔体フィルタの捕捉効率の低下を検知して、運転状態に合わせて常に高い捕集効率を維持することができる。また、多孔体フィルタの上流側の面に沿って変位可能な遮蔽体を設けて空気の流入を停止させることによって、送風機の運転を継続させながら、多孔体フィルタの再生を同時に行い、常に高い効率でオイルミストの捕集を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例であるオイルミスト除去装置の概略構成を示す模式断面図である。
【図2】同オイルミスト除去装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】同オイルミスト除去装置の概略構成を示す正面図である。
【図4】同オイルミスト除去装置の概略構成を示す背面図である。
【図5】同オイルミスト除去装置の送風機の構成を示す斜視図である。
【図6】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図7】同オイルミスト除去装置の主フィルタ部の多孔性フィルタの機能を説明するための模式図である。
【図8】この発明の第2実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
【図9】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図10】この発明の第3実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
【図11】この発明の第4実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
【図12】この発明の第5実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
【図13】この発明の第6実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図14】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図15】この発明の第7実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図16】この発明の第8実施例であるオイルミスト除去装置の構成を一部破断面して示す正面図である。
【図17】同オイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図18】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図19】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図20】この発明の第9実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図21】この発明の第1実施例の変形例であるオイルミスト除去装置を構成する電気集塵ユニットの機能を説明するための説明図である。
【図22】従来技術を説明するための説明図である。
【図23】従来技術を説明するための説明図である。
【図24】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1G オイルミスト除去装置
2 吸気口
3,3C オイルミスト除去部
4,4C 排気口
5 送風機
6,6E,6F,6G,6H 制御ユニット(フィルタ再生手段の一部)
7 主フィルタ部(第1のフィルタ部)
8,8A,8B,8C 補助除去部(第2のフィルタ部)
8a 吸着領域
9 多孔体フィルタ
11 オイル貯留部
12 オイル排出部
14,14A 吸着シート(吸着体)
14C 集塵フィルタ
15 装置箱体
18 羽根車
18a 羽根
21 シート巻取部(巻取手段)
22 シート供給部(供給手段)
27 クリーニング部(清掃手段)
43,57 電流計(目詰り検出手段)
44 空気流入制限部(フィルタ再生手段の一部、空気流入制限手段)
45 遮蔽板(遮蔽体)
【発明の属する技術分野】
この発明は、オイルミスト除去装置に係り、例えば工作機械から発するオイルミストを除去し、清浄な空気を排出するのに好適なオイルミスト除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図22に示すように、工場の建物101内には、多数台の切削用機械等の工作機械102が配置される。例えば、切削用機械103は、図23及び図24に示すように、鋼鉄等の金属からなる加工物104を保持する主軸台105や心押台106及び切削具107が設けられていると共に、切削時に鉱物油を主成分とする油性切削剤(以下、オイルという)を供給するためのオイル供給装置108や清浄装置109が付設される。
オイル供給装置108は、オイルタンク110と、オイルを切削位置に供給するオイルポンプ111やオイル噴出管112等とからなる。オイル噴出管112から加工物に供給されたオイルはミスト状となり、空気中の水蒸気と混在して気状媒体(以下、空気という)となる。
【0003】
この空気をこのまま建物101内に放出すると、建物101内が汚染されるため、該空気は清浄装置109を介して外に排出される。清浄装置109は、空気の流路上に配置された多孔構造のニッケルメタルフィルタを用いたフィルタ部113a,113bを有し、オイルミスト等を含んだ空気が、フィルタ部113a,113bによって除去され、例えばフィルタ部113a,113bによって捕捉されたオイルミストは凝集して油分として落下し、オイル貯留部114に貯留される。
清浄装置109は、図22に示すように、工作機械102毎に配置され、それぞれダクト115が連結され、ダクト115を集束ダクト116を介して電気集塵機117側に連結される。
各工作機械102側から発生し、清浄装置109によってオイルミスト等が除去された上記空気は、全て電気集塵機117に導入され、清浄装置109によって除去しきれなかった主としてヒュームを除去され、清浄化された空気が排出される。
【0004】
しかしながら、この清浄装置109は、工作機械102毎に工作機械102の設置箇所に据え付けられ、さらに、それぞれダクト115が連結され、電気集塵機117によってヒューム等を除去して、屋外に排出されるように構成されているので、電気集塵機117の運転を開始すると、使用していない工作機械102に対応した清浄装置109からも空気を吸い込むので、無駄な電力を消費することになり、維持するために無用なコストがかかるという問題があった。さらに、規模が大きくなるので、導入時にコストが嵩むという問題があった。
【0005】
また、例えば工作機械102の配置換えや、別の種類の工作機械102を導入する場合には、ダクト115を敷設し直したり、電気集塵機117のモータの容量を変更したりしなければならない場合があり、改修時等に融通が利かないという問題があった。
このため、オイルミストを含んだ空気を吸い込み、フィルタ等を介してオイルミストを除去して、清浄な空気を排出するオイルミスト除去装置を、例えば工作機械の近傍に設置し、ダクトを廃するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【0006】
【特許文献1】
特開2002−113316号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術でも、オイルミスト除去装置は、予め決められた位置に固定されているので、例えば工作機械の近くで別の作業をする場合に、汚染された空気を確実に吸い込ませたいときでも、最適な位置に移動させて用いることができず、使い勝手が悪いという問題があった。このように、オイルミスト除去効率を維持しつつ小型化及び軽量化を達成することは困難であるという問題があった。
【0008】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成でオイルミスト除去効率を向上させることができると共に、小型化、軽量化及び低コスト化に寄与することができ、かつ、簡単に移動させて手軽に使用することができるオイルミスト除去装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、吸気口から空気を吸引し、該空気中に含まれるオイルミストを除去した後、排気口から清浄な空気を排気するオイルミスト除去装置に係り、前記吸気口から吸い込まれた前記空気を遠心方向に圧送する送風機と、少なくとも前記送風機の上流側に配置されて前記オイルミストを捕捉して除去するための第1のフィルタ部と、前記送風機の吐出口近傍に配置され、前記送風機から遠心方向に吐き出された空気を吹き付けられて、前記第1のフィルタ部によっても除去されなかった前記オイルミストを捕捉して除去するための第2のフィルタ部とを備えてなることを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のオイルミスト除去装置に係り、前記第1のフィルタ部は、多孔体フィルタを有してなることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のオイルミスト除去装置に係り、前記送風機は、複数の羽根が環状に並べられた羽根車を有すると共に、該羽根車の軸心が前記吸気口の中心軸線と概略共通する態様で、取り付けられてなる遠心型送風機であって、運転時は、前記羽根車の軸心方向から前記空気を取り入れ、取り入れた前記空気に旋回流を与え、発生した遠心力によって、前記羽根と羽根との間から、旋回する前記空気を前記羽根車の外周方向に圧送する構成とされていることを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載のオイルミスト除去装置に係り、前記第2のフィルタ部は、前記送風機、前記第1及び第2のフィルタ部を収納する装置箱体の内壁面に沿って前記送風機の側縁部を囲むように配置され、前記オイルミストを吸着する吸着体を有してなると共に、前記第2のフィルタ部によって前記オイルミストが除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて前記排気口へ向かって通流する構成になされていることを特徴としている。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のオイルミスト除去装置に係り、前記吸着体は、前記装置箱体の内壁面に沿って摺動可能に配置された長尺なシート状部材からなり、巻取手段によって巻き取られることによって、前記吸着体のうちオイルミスト吸着済の部分が回収されると共に、前記吸着体のうちオイルミスト未吸着の部分が供給手段から供給されて、前記送風機から遠心方向に吐き出された空気に晒されるように配置されるように構成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のオイルミスト除去装置に係り、前記第2のフィルタ部は、前記吸着体の前記オイルミストを吸着した部分を、前記巻取手段によって巻き取る前に清掃する清掃手段を有することを特徴としている。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1、2又は3記載のオイルミスト除去装置に係り、前記排気口は、前記送風機、前記第1及び第2のフィルタ部を収納する装置箱体の前記送風機の吐出口近傍に設けられていると共に、前記第2のフィルタ部は、前記排気口の上流側に配置された集塵フィルタを有してなることを特徴としている。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項2乃至7のいずれか1に記載のオイルミスト除去装置に係り、前記多孔体フィルタの一部又は全部の領域への前記空気の流入を停止することによって、前記オイルミストの凝集体である液又は滴の流下又は落下を促進させて、目詰り状態の前記多孔体フィルタを再生するためのフィルタ再生手段を有することを特徴としている。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出する目詰り検出手段を備え、該目詰り検出手段が、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出すると、前記多孔体フィルタの一部又は全部の領域への前記空気の流入を停止させることを特徴としている。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のオイルミスト除去装置に係り、前記目詰り検出手段は、前記送風機の負荷電流を計測する電流計測手段を有し、該電流計測手段による計測結果に基づいて、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出することを特徴としている。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項8、9又は10記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記送風機をオフとすることによって、前記オイルミストの凝集体である液又は滴の流下又は落下を促進させて、目詰り状態の前記多孔体フィルタを再生することを特徴としている。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記送風機がオンとなった後に、予め設定された第1の基準時間が経過すると、前記送風機をオフとし、前記送風機がオフとなった後、予め設定された第2の基準時間が経過すると、前記送風機をオンとする構成になされていることを特徴としている。
【0021】
請求項13記載の発明は、請求項8、9又は10記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記多孔体フィルタの上流側に配置され、前記多孔体フィルタの上流側の所定の領域からの前記空気の流入を制限する流入制限手段を有してなることを特徴としている。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項13記載のオイルミスト除去装置に係り、前記流入制限手段は、前記多孔体フィルタの上流側に配置された遮蔽体と、該遮蔽体を前記多孔体フィルタの上流側の面に沿って周期的に又は必要に応じて変位させる遮蔽体駆動手段とを有してなっていることを特徴としている。
【0023】
請求項15記載の発明は、請求項14記載のオイルミスト除去装置に係り、前記遮蔽体は、略矩形状の板状部材からなり、前記遮蔽体駆動手段は、前記遮蔽体を前記多孔体フィルタの上流側の面に沿って変位させることを特徴としている。
【0024】
請求項16記載の発明は、請求項14記載のオイルミスト除去装置に係り、前記遮蔽体は、略扇形状の板状部材からなり、前記遮蔽体駆動手段は、前記遮蔽板を前記多孔体フィルタの上流側の面に沿って前記吸気口の中心軸の周りに回転運動させることを特徴としている。
【0025】
請求項17記載の発明は、請求項14、15又は16記載のオイルミスト除去装置に係り、前記フィルタ再生手段は、前記目詰り検出手段が、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出すると、前記遮蔽体駆動手段を制御して、前記遮蔽体を変位させて、前記多孔体フィルタのうち、目詰り状態に至っていない領域に、前記空気が流入されるようにすることを特徴としている。
【0026】
請求項18記載の発明は、請求項2乃至17のいずれか1に記載のオイルミスト除去装置に係り、前記多孔体フィルタ及び/又は前記送風機の下方に配置され、前記多孔体フィルタによって捕捉された前記オイルミストが凝集して、流下又は落下する液又は滴を受けて貯える貯留部を備えたことを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
◇第1実施例
図1は、この発明の第1実施例であるオイルミスト除去装置の概略構成を示す模式断面図、図2は、同オイルミスト除去装置の概略構成を示す斜視図、図3は同オイルミスト除去装置の概略構成を示す正面図、図4は、同オイルミスト除去装置の概略構成を示す背面図、図5は、同オイルミスト除去装置の送風機の構成を示す斜視図、図6は、同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図、また、図7は、同オイルミスト除去装置の主フィルタ部の多孔性フィルタの機能を説明するための模式図である。
【0028】
この例のオイルミスト除去装置は、例えば工場の建物内に配置される切削機や溶接機等の工作機械の近傍の床面上や作業台上に配置され、工作機械で発生したオイルミストを除去して清浄な空気を排出するために用いられる。
このオイルミスト除去装置1は、図1乃至図4に示すように、吸気口2から吸い込まれた汚れた空気から、切削機等の工作機械の使用に伴って発生したオイルミストを除去するフィルタ部3と、空気を吸い込んで排気口4から清浄な空気を排出するための送風機5と、例えば送風機5へ電力を供給して運転させるための制御ユニット6とを備えてなっている。
【0029】
フィルタ3は、送風機5の上流側に配置され、吸気口2から吸い込まれた空気から、オイルミストを除去する主フィルタ部(第1のフィルタ部)7と、送風機5の下流側に配置され、主フィルタ部7においても除去されなかったオイルミストを除去する補助除去部(第2のフィルタ部)8とを有している。
主フィルタ部7は、空気に含まれるオイルミスト等を捕集する例えば3枚の多孔体フィルタ9,9,9と、多孔体フィルタ9,9,9によって捕集されたオイルミストの凝集体を貯留するオイル貯留部11と、オイル貯留部11の底部に取り付けられ、オイル貯留部11に溜まったオイルを排出するためのオイル排出部12とを有してなっている。
【0030】
多孔体フィルタ9としては、公知のニッケルメタルフィルタ(日本重化学工業株式会社製)の単品が採用されている。ニッケルメタルフィルタは、多孔構造のものからなり、発泡ウレタンにニッケル粉末を含浸し、これらを燒結してなるポーラスな固体状体からなっている。
このニッケルメタルフィルタは、油脂分、油煙、水蒸気等を効率的に除去する機能を有し、圧力損失も小さい特徴を有している。
【0031】
補助除去部8は、装置箱体(ケーシング)15の内壁面のうち、送風機5の側縁部を囲むように配置されて、オイルミストを吸着する吸着領域8aからなり、空気中のオイルミストが送風機5において遠心力によって加速されて直接吹き付けられる。ここで、オイルミストはその慣性によって、吸着領域8aに衝突して吸着されるが、オイルミストが除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流する。
【0032】
送風機5は、図5に示すように、複数の羽根18a,18a,…が放射状に並べられた羽根車18と、この羽根車18を駆動するモータ19とを有してなる遠心型のターボ送風機であって、羽根車18及びモータ19の軸心が吸気口2の中心軸線と概略共通する態様で、装置箱体15に取り付けられている。
なお、この例では、羽根車18の羽根18aの羽根形は、羽根出口(吐出口)の方向が回転方向に対して後向きの後向き羽根とされ、空気は回転方向に対して斜め後方に吹き出される。
【0033】
次に、図6及び図7を参照して、この例のオイルミスト除去装置1の動作について説明する。
まず、工作機械側から発するオイルミストを含む空気Aは、送風機5の運転により、図6に示すように、吸気口2からオイルミスト除去部3の主フィルタ部7に導入される。
主フィルタ部7では、図7に示すように、多孔体フィルタ9を構成するニッケルメタルフィルタ9aに、例えば、オイルミストP1と水蒸気P2とが混合された空気Aがニッケルメタルフィルタに当ると、ニッケルメタルフィルタ9aが多孔で極めて大きな表面積を有するため、オイルミストP1は殆ど捕獲され、殆ど水蒸気P2のみがニッケルメタルフィルタ9aを通過して進むこととなる。なお、ニッケルメタルフィルタ9aで捕集されたオイルミストP1は、回収側に送られる。
【0034】
多孔体フィルタ9内で分離されたオイルミストP1は、図6に示すように、凝集して油分Qとなって流化してオイル貯留部11に貯留される。この油分Qは、例えば、工作機械が不使用中であって、送風機5が運転を休止しているときに、オイル排出部12を操作することによって、オイル貯留部11から排出される。多孔体フィルタ9を通過した空気Aには、オイルミストP2が殆ど含まれてない。多孔体フィルタ9でオイルミストP1が殆ど除去された空気Aは、送風機5の中心部(羽根車18の内周部)に流入し、羽根車18の各羽根18aに押されて旋回し、羽根18aと羽根18aとの隙間から羽根車18外周方向に圧送される。
【0035】
ここで、主フィルタ部7においても除去しきれなかった僅かなオイルミストP1は、送風機5において遠心力によって吸着領域8aへ向けて加速される。そして、オイルミストP1はその慣性によって、吸着領域8aに衝突し吸着され、オイルミストP1が除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流し、排気口4からは清浄な空気Cが排出される。
また、制御ユニット6が工作機械の発するオイルミストP1等の発生量に応じて送風機5の吸引力を変化させ、最も効果的なオイルミスト除去が行われる。
【0036】
このように、この第1実施例の構成によれば、吸気口2から吸い込まれ、オイルミストP1を含んだ空気は、主フィルタ部7を構成するニッケルメタルフィルタによって、オイルミストP1の殆どを除去され、主フィルタ部7によっても除去されなかった僅かなオイルミストP1も、送風機5において遠心力によって加速されて、空気は急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流しても、オイルミストP1はその慣性によって、吸着領域8aに衝突して吸着され、確実に除去される。
したがって、簡易な構成でありながら、オイルミスト除去効率を向上させることができ、小型化、軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
また、必要なときに必要な場所へ簡単に移動させて手軽に使用することができ、使い勝手を良好とすることができ、例えば、工場の設備の増設を含む改修等にも柔軟に対処することができる。
【0037】
◇第2実施例
図8は、この発明の第2実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図、また、図9は、同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
この例の装置構成が、上記した第1実施例のそれと大きく異なるところは、オイルミストを吸着する吸着シートを送風機5の側縁部を囲むように配置して補助除去部を構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0038】
この例のオイルミスト除去装置1Aのフィルタ部3Aは、図8に示すように、送風機5の上流側に配置され、吸気口2から吸い込まれた空気から、オイルミストを除去する主フィルタ部7と、送風機5の下流側に配置され、主フィルタ部7においても除去されなかったオイルミストを除去する補助除去部(第2のフィルタ部)8Aとを有している。
【0039】
補助除去部8Aは、オイルミストを吸着する例えば織布からなる長尺な吸着シート(吸着体)14が、装置箱体(ケーシング)15の内壁に取り付けられたシート保持部16によって保持されて送風機5の側縁部を囲むように配置されてなっている。
吸着シート14は、例えば高分子材料から作られた糸を平織りにしてなり、空気中のオイルミスト等が送風機5において遠心力によって加速されて直接吹き付けられる位置に配置されている。ここで、オイルミストはその慣性によって、吸着シート14に埋め込まれるが、空気は、オイルミストが除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流する。
【0040】
次に、図9を参照して、この例のオイルミスト除去装置1Aの動作について説明する。
まず、工作機械側から発するオイルミストを含む空気Aは、送風機5の運転により、図9に示すように、吸気口2からフィルタ部3の主フィルタ部7に導入され、主フィルタ部7の多孔体フィルタ9内で分離されたオイルミストP1は、凝集して油分Qとなって流化してオイル貯留部11に貯留される。
多孔体フィルタ9を通過した空気Aには、オイルミストP1が殆ど含まれてない。多孔体フィルタ9でオイルミストP1が殆ど除去された空気Aは、送風機5の中心部(羽根車18の内周部)に流入し、羽根車18の各羽根18aに押されて旋回し、羽根18aと羽根18aとの隙間から羽根車18外周方向に圧送される。
【0041】
ここで、主フィルタ部7においても除去しきれなかった僅かなオイルミストP1は、送風機5において遠心力によって吸着シート14へ向けて加速される。そして、オイルミストP1はその慣性によって、吸着シート14に衝突し埋め込まれ、オイルミストP1が除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流し、排気口4からは清浄な空気Cが排出される。
また、制御ユニット6が工作機械の発するオイルミストP1の発生量に応じて送風機5の吸引力を変化させ、最も効果的なオイルミスト除去が行われる。
【0042】
このように、この第2実施例の構成によれば、吸気口2から吸い込まれ、オイルミストP1を含んだ空気は、主フィルタ部7を構成するニッケルメタルフィルタによってオイルミストP1の殆どを除去され、主フィルタ部7によっても除去されなかった僅かなオイルミストP1も、送風機5において遠心力によって加速されて、空気は急激に流れの方向を変化させて排気口4へ向かって通流しても、オイルミストP1はその慣性によって吸着シート14に衝突して埋め込まれ、確実に除去される。
したがって、簡易な構成でありながら、オイルミスト除去効率を一段と向上させることができ、小型化、軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
【0043】
◇第3実施例
図10は、この発明の第3実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
この例の装置構成が、上記した第2実施例のそれと大きく異なるところは、補助除去部が、吸着シートのうちオイルミスト吸着済の部分を巻き取って回収するシート巻取部と、吸着シートのうちオイルミスト未吸着の部分を供給するシート供給部とを備えた点である。
これ以外の構成は、上述した第2実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0044】
この例のオイルミスト除去装置1Bの補助除去部(第2のフィルタ部)8Bは、図10に示すように、オイルミストを吸着する長尺な吸着シート(吸着体)14Bと、吸着シート14Bを保持し、送風機5の側縁部を囲むように配置させるためのシート保持部16Bと、吸着シート14Bのうちオイルミスト吸着済の部分を、巻き取りモータ21aによって巻取軸の周りに巻き取って回収するシート巻取部(巻取手段)21と、吸着シート14Bのうちオイルミスト未吸着の部分を供給するシート供給部(供給手段)22とを有している。
シート保持部16Bは、吸着シート14Aの両側端を支持するための一対の外形が円環状で断面コの字状の支持部材23,23からなり、下部に吸着シート14Bを引き出すための切欠き部24が設けられ、取付部材25,25,25によって、装置箱体15Bの内壁に取り付けられている。
所定の時間が経過すると、制御ユニットによって制御されて、シート巻取部21が吸着シート14Bを巻き取って、オイルミスト吸着済の汚れた部分を回収し、シート供給部22から供給された未吸着の部分が、送風機5から圧送され、主フィルタ部7によっても除去しきれなかったオイルミストを含む空気に晒される。
【0045】
このように、この第3実施例の構成によれば、第2実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、常に、供給部22から、吸着シート14Bのオイルミスト未吸着の部分が供給されて、空気に晒されるので、オイルミストの除去効率を一段と向上させることができる。
また、制御ユニットの制御によって、シート巻取部21が吸着シート14Bを自動的に巻き取り、シート供給部22から吸着シート14Bのオイルミスト未吸着の部分が供給されるので、保守管理を容易とすることができる。
【0046】
◇第4実施例
図11は、この発明の第4実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
この例の装置構成が、上記した第3実施例のそれと大きく異なるところは、回収前の吸着シートをクリーニングするためのクリーニング装置を備えた点である。
これ以外の構成は、上述した第3実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0047】
この例のオイルミスト除去装置1Cの補助除去部(第2のフィルタ部)8Cは、図11に示すように、オイルミストを吸着する例えば合成樹脂製のシート状部材からなる長尺な吸着シート(吸着体)14Cと、吸着シート14Cを保持し、送風機5の側縁部を囲むように配置させるためのシート保持部16Cと、吸着シート14Cのうちオイルミスト吸着済の部分を、巻き取りモータ21aによって巻取軸の周りに巻き取って回収するシート巻取部21と、吸着シート14Cのうちオイルミスト未吸着の部分を供給するシート供給部22と、回収前の吸着シート14Cをクリーニングするためのクリーニング装置(清掃手段)27とを有している。
【0048】
このように、この第4実施例の構成によれば、第3実施例と同様の効果を得ることができる。
加えて、クリーニング装置27を有しているので、吸着シート14Cを回収して全部巻き取った後も、吸着シート14Cを再利用することができる。
【0049】
◇第5実施例
図12は、この発明の第5実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
この例の装置構成が、上記した第2実施例のそれと大きく異なるところは、排気口を送風機の側縁部を囲むように装置箱体に形成し、排気口の上流側に吸着シートに代えて集塵フィルタを設けた点である。
これ以外の構成は、上述した第2実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0050】
この例のオイルミスト除去装置1Dは、図12に示すように、吸気口2から吸い込まれた汚れた空気から、切削機等の工作機械の使用に伴って発生したオイルミストを除去するフィルタ部3Dと、空気を吸い込んで排気口4Dから清浄な空気を排出するための送風機5と、例えば送風機5へ電力を供給して運転させるための制御ユニットとを備えてなっている。ここで、排気口4Dは、送風機5の側縁部を取り囲むように、装置箱体15Dに形成されている。
フィルタ部3Dは、上述した主フィルタ部(第1のフィルタ部)7と、送風機5の下流側に配置され、主フィルタ部7においても除去されなかった主としてオイルミストを除去する補助除去部(第2のフィルタ部)8Dとを有している。
【0051】
補助除去部8Dは、オイルミスト等を捕捉し除去する例えば不織布からなる長尺な集塵フィルタ14Dが、装置箱体15Dの内壁に取り付けられたフィルタ保持部16Dによって保持されて送風機5の側縁部を囲むように配置されてなっている。
集塵フィルタ14Dは、空気中のオイルミスト等が送風機5において遠心力によって加速されて直接吹き付けられる位置に配置されている。ここで、オイルミスト等を含む空気が、排気口4Dの近傍の集塵フィルタ14Dを通過する際にオイルミスト等は、この集塵フィルタ14Dによって捕捉され除去される。
【0052】
このように、この第5実施例の構成によれば、第2実施例と略同一の効果を得ることができる。
【0053】
◇第6実施例
図13は、この発明の第6実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図、また、図14は、同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
この例の装置構成が、上記した第2実施例のそれと大きく異なるところは、送風機を所定の時間間隔で間欠運転するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第2実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0054】
この例のオイルミスト除去装置の制御ユニット(フィルタ再生手段の一部)6Eは、図13に示すように、構成各部を所定のプログラムにしたがって制御する制御部31と、制御部31が処理する各種プログラムやデータを記憶した記憶部32と、計時回路33とを有している。
この制御ユニット6Eは、図14に示すように、予め設定され送風機5を運転させる運転時間taと、休止させる休止時間tbとに基づいて、送風機5の運転/休止を交互に繰り返すように制御する。
上記運転時間ta及び休止時間tbは、工作機械から発生するオイルミストの発生量や、多孔体フィルタのオイルミスト捕捉能力等に基づいて、設定される。
運転時間ta中に、時間の経過と共に、多孔体フィルタ9は、オイルミストを捕捉することによって次第に目詰りを起こし、図14に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R1からR2まで低下する。
【0055】
これは、空気の流れによって、オイルミストの凝集液が分断状態となっているため、流下し難くなっているからであると考えられる。
制御ユニット6Eは、運転時間ta経過すると、送風機5を休止時間tb休止させる。この休止時間tb中に多孔体フィルタ9に捕捉されたオイルミストの凝集液は、空気の流れが停止することで、流下が促進されて、オイル貯留部11に集められる。
これは、分断状態となっていたオイルミストの凝集液が、表面張力の作用によって、互いにくっつき合って、重力の作用を受けて流下が促進されるものと考えられる。このようにして、オイル貯留部11内に次第に油分が溜まる。
【0056】
このように、この第6実施例の構成によれば、第2実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、送風機5に休止時間を設けることによって、多孔体フィルタ9を再生して、常に所定の捕集効率を維持することができる。
【0057】
◇第7実施例
図15は、この発明の第7実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
この例の装置構成が、上記した第6実施例のそれと大きく異なるところは、第6実施例では、一定時間間隔で送風機を一定時間休止させたのに対して、電流計によって送風機の負荷電流を計測し、この計測結果に基づいて、送風機をオン/オフするように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第6実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0058】
この例のオイルミスト除去装置の制御ユニット6Fは、図15に示すように、構成各部を所定のプログラムにしたがって制御する制御部41と、制御部41が処理する各種プログラムやデータを記憶した記憶部42と、送風機5の負荷電流を計測するための電流計(目詰り検出手段)43とを有している。
制御部41は、電流計43によって計測された電流値を一定時間積算して平均値を算出し、前回の平均値よりも所定量低下したならば、所定の休止時間送風機5を休止させる。
【0059】
このように、この第7実施例の構成によれば、第6実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、計測した電流値に基づいて、送風機5をオン/オフするので、的確に多孔体フィルタ9の捕捉効率の低下を検知して、運転状態に合わせて常に高い捕集効率を維持することができる。
【0060】
◇第8実施例
図16は、この発明の第8実施例であるオイルミスト除去装置の構成を一部破断面して示す正面図、図17は、同オイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図、また、図18及び図19は、同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
この例の装置構成が、上記した第6実施例のそれと大きく異なるところは、第6実施例では、送風機をオフとすることによって多孔体フィルタを再生したのに対して、遮蔽板を多孔体フィルタの上流側の面に沿って周期的に往復運動させることによって多孔体フィルタを再生するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第6実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0061】
この例のオイルミスト除去装置1Gは、図16に示すように、吸気口2から吸い込まれた汚れた空気から、切削機等の工作機械の使用に伴って発生したオイルミストを除去するフィルタ部3と、空気を吸い込んで排気口4から清浄な空気を排出するための送風機5と、例えば送風機5へ電力を供給して運転させるための制御ユニット(フィルタ再生手段の一部)6Gと、吸気口2とオイルミスト除去部3の主フィルタ部7との間に設けられ、空気の主フィルタ部7への流入箇所を制限する空気流入制限部(フィルタ再生手段の一部、空気流入制限手段)44とを備えてなっている。
フィルタ部3は、送風機5の上流側に配置され、吸気口2から吸い込まれた空気から、オイルミストを除去する主フィルタ部7と、送風機5の下流側に配置され、主フィルタ部7においても除去されなかった主としてオイルミストを除去する補助除去部8とを有している。
【0062】
空気流入制限部44は、図16に示すように、幅方向(この例では水平方向)に沿って変位可能に主フィルタ部7の空気流入側に配置され、主フィルタ部7の多孔体フィルタ9の幅(すなわち、略吸気口2の開口の幅)wの略1/4(w/4)に設定された矩形状の遮蔽板45と、遮蔽板45の例えば下部に取り付けられ雌ねじが螺設された孔部46aを有する保持部材46と、遮蔽板45の例えば上部に取り付けられ孔部47aを有する保持部材47と、保持部材46の孔部46aに挿入され孔部46aの雌ねじと螺合する雄ねじが螺設された棒状の送りねじ48と、保持部材47の孔部47aに挿入され遮蔽板45を水平方向に沿って案内するための案内棒49と、制御ユニット6Fの制御によって送りねじ48を回転駆動させる駆動モータ51とを有している。
【0063】
制御ユニット6Gは、図17に示すように、構成各部を所定のプログラムに従って制御する制御部52と、制御部52が処理する各種プログラムやデータを記憶した記憶部53と、計時回路54とを有している。
この制御ユニット6Fは、図18及び図19に示すように、送風機5を運転させながら、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45を移動させ、主フィルタ部7への空気の流入が遮断される箇所を順次変更する。
まず、遮蔽板45は、時刻tが(t0<t<t1)の間は、図19(a)に示すように、オイルミスト除去装置1Fの正面側から見て最右端に配置される。時間の経過と共に、多孔体フィルタ9は、オイルミストを捕捉することによって次第に目詰りを起こし、経過時間Δta(=t1−t0)後には、図18に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R3からR4まで低下する。
【0064】
制御ユニット6Gは、時刻tが(t=t1)となると、図19(b)に示すように、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45を距離w/4だけ左方へ移動させる。これにより、図18に示すように、空気の流量Rは流量R4からR3まで回復する。
この場合も、経過時間Δtb(=t2−t1)後には、同図に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R3からR4まで低下する。
【0065】
制御ユニット6Gは、時刻tが(t=t2)となると、図19(c)に示すように、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45をさらに距離w/4だけ左方へ移動させる。これにより、図18に示すように、空気の流量Rは流量R4からR3まで回復する。
この場合も、経過時間Δtc(=t3−t2)後には、同図に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R3からR4まで低下する。
【0066】
制御ユニット6Gは、時刻tが(t=t3)となると、図19(d)に示すように、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45をさらに距離w/4だけ左方へ移動させる。これにより、図18に示すように、空気の流量Rは流量R4からR3まで回復する。
この場合も、経過時間Δtd(=t4−t3)後には、同図に示すように、主フィルタ部7を通過した空気の流量Rが流量R3からR4まで低下する。
【0067】
制御ユニット6Gは、時刻tが(t=t4)となると、図19(a)に示すように、駆動モータ51を制御して、遮蔽板45を、最右端に移動させ、以降、上述した動作を繰り返し実行する。
ここで、多孔体フィルタ9のうち、主として、空気の流入が遮蔽板45によって遮断された部位からは、多孔体フィルタ9に捕捉されたオイルミストの凝集液は、空気の流入が遮断されることで、流下が促進されて、オイル貯留部11に集められる。
なお、この例では、(Δta=Δtb=Δtc=Δtd)とされ、工作機械から発生するオイルミストの発生量や、多孔体フィルタのオイルミスト捕捉能力等に基づいて、設定される。
【0068】
このように、この第8実施例の構成によれば、第6実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、送風機5の運転を継続させながら、多孔体フィルタ9の再生を同時に行うことができるので、工作機械を使用していて、オイルミストの除去が必要なときでも、多孔体フィルタ9の目詰り箇所を再生しながら、常に高い捕集効率を維持することができる。
【0069】
◇第9実施例
図20は、この発明の第9実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
この例の装置構成が、上記した第8実施例のそれと大きく異なるところは、第8実施例では、一定時間間隔で遮蔽板を往復運動させたのに対して、電流計によって送風機の負荷電流を計測し、この計測結果に基づいて、遮蔽板を往復運動させるように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第8実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0070】
この例のオイルミスト除去装置の制御ユニット6Hは、図20に示すように、構成各部を所定のプログラムにしたがって制御する制御部55と、制御部55が処理する各種プログラムやデータを記憶した記憶部56と、送風機5の負荷電流を計測するための電流計(目詰り検出手段)57とを有している。
制御部55は、電流計57によって計測された電流値を一定時間積算して平均値を算出し、前回の平均値よりも所定量低下したならば、駆動モータ51を制御して、例えば、遮蔽板45が最左端に配置されている以外の場合は遮蔽板45を距離w/4だけ左方へ移動させ、遮蔽板45が最左端に配置されている場合は遮蔽板45を最右端に移動させる。
【0071】
このように、この第9実施例の構成によれば、第8実施例と略同一の効果を得ることができる。
加えて、計測した電流値に基づいて、遮蔽板45を移動させるので、的確に多孔体フィルタ9の捕捉効率の低下を検知して、運転状態に合わせて常に高い捕集効率を維持することができる。
【0072】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られたものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、工場等で用いる場合について述べたが、これに限らず、例えば、焼肉店等の飲食店や、一般家庭において使用しても良い。
また、第1のフィルタ部としての主フィルタ部において、多孔体フィルタ9に限らず、繊維性のフィルタを用いても良い。また、多孔体フィルタ9は、3枚に限らず、2枚以下でも4枚以上でも良い。送風機5の下流側にも多孔体フィルタを配置するようにしても良い。
また、送風機の羽根形は、前向き羽根に限らず、半径向き羽根形でも良いし、後ろ向き羽根でも良い。また、送風機は、1台と限らず、複数台配置するようにしても良い。
【0073】
また、送風機5の例えば下流側に、図21に示すような電気集塵ユニットを配置するようにしても良い。ここで、オイルミストが除去され、電気集塵ユニットに導入された空気Cは、ニードル電極先端のイオン化部61に当ると、空気C内の酸素がプラスイオンとなり、これに例えばヒュームP4等が付着しプラスの微粒子体P5を形成する。
この微粒子体P5は、マイナス電位の集塵電極62に直接付着するとともに、中心のプラス電位の対応電極63に跳ね飛ばされて、集塵電極62に付着する。したがって、ヒュームP4等は、集塵電極62で捕獲され、清浄空気Dが排出される。
【0074】
また、例えば第2実施例で、吸着シート14の繊維材料は、中空繊維等を用いても良い。また、平織りに限らず多数の空隙部を有する綾織りでも良いし、朱子織りでも良い。また、例えば、紙製の不織布を用いても良いし、ポリウレタン発泡体等の多孔質の発泡体を用いるようにしても良い。また、単に粘着テープを用いても良い。
【0075】
また、第4実施例で、吸着シート14Cを無端状として、クリーニング装置27を通過させて使用するようにしても良い。
また、第8実施例で、遮蔽板は、矩形状に限らず、例えば扇形の板状部材を用いて、吸気口の中心軸の周りに回転させるようにしても良い。
また、第8実施例で、遮蔽体として、板状部材に代えてフィルム状部材を無端状として回転させて用いるようにしても良い。ここで、このフィルム状部材を清掃するクリーニング装置を付加しても良い。
また、第8実施例で、遮蔽板の幅を多孔体フィルタの幅の略1/4に設定する場合について述べたが、1/4とは限らず、例えば、1/5でも、1/2でも良い。
また、第8実施例で、遮蔽板の全部を多孔体フィルタの配置された領域外に移動可能なようにして、必要に応じて多孔体フィルタの全面を用いるように構成しても良い。
また、吸気口2と主フィルタ部7との間に、例えば鉛直方向に平行な軸の周りに回動可能に複数の羽根板(ルーバ)を設けて、多孔体フィルタの一部又は全部の領域への空気の流入を停止または制限することが可能なようにしても良い。ここで、吸気口2の全ての領域に亘って羽根板を配置し、全ての羽根板を同時に全開状態としたり全閉状態としても良いし、第8実施例で、遮蔽板を変位させたのに代えて、時間的に全開状態又は全閉状態とする羽根板を変更するようにしても良い。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のオイルミスト除去装置によれば、吸気口から吸い込まれ、オイルミストを含んだ空気は、第1のフィルタ部によって、オイルミストの殆どを除去され、第1のフィルタ部によっても除去されなかった僅かなオイルミストも、送風機において遠心力によって加速されて、第2のフィルタ部に衝突して、確実に除去される。
したがって、簡易な構成でありながら、オイルミスト除去効率を向上させることができ、小型化、軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
また、必要なときに必要な場所へ簡単に移動させて手軽に使用することができ、使い勝手を良好とすることができ、例えば、工場の設備の増設を含む改修等にも柔軟に対処することができる。
【0077】
また、第2のフィルタ部によってオイルミストが除去された空気が、急激に流れの方向を変化させて排気口へ向かって通流するように構成することによって、空気は急激に流れの方向を変化させて排気口へ向かって通流しても、送風機において遠心力によって加速されたオイルミストは、その慣性によって第2のフィルタ部に衝突し、一段と確実に除去される。
また、吸着体を、巻取手段によって巻き取って、オイルミスト吸着済の部分を回収し、オイルミスト未吸着の部分を供給手段から供給し、送風機から遠心方向に吐き出された空気に晒すように構成することによって、オイルミストの除去効率を一段と向上させることができる。ここで、吸着体のオイルミストを吸着した部分を、巻取手段によって巻き取る前に清掃手段によって清掃することによって、吸着体を回収して全部巻き取った後も、吸着体を再利用することができる。
【0078】
また、フィルタ再生手段を用いて、必要に応じて多孔体フィルタの一部又は全部の領域への空気の流入を停止することによって、多孔体フィルタを再生して、常に所定の捕集効率を維持することができる。ここで、目詰り検出手段を用いて、多孔体フィルタの目詰り状態が検出されたときに、空気の流入を停止させることによって、的確に多孔体フィルタの捕捉効率の低下を検知して、運転状態に合わせて常に高い捕集効率を維持することができる。また、多孔体フィルタの上流側の面に沿って変位可能な遮蔽体を設けて空気の流入を停止させることによって、送風機の運転を継続させながら、多孔体フィルタの再生を同時に行い、常に高い効率でオイルミストの捕集を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例であるオイルミスト除去装置の概略構成を示す模式断面図である。
【図2】同オイルミスト除去装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】同オイルミスト除去装置の概略構成を示す正面図である。
【図4】同オイルミスト除去装置の概略構成を示す背面図である。
【図5】同オイルミスト除去装置の送風機の構成を示す斜視図である。
【図6】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図7】同オイルミスト除去装置の主フィルタ部の多孔性フィルタの機能を説明するための模式図である。
【図8】この発明の第2実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
【図9】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図10】この発明の第3実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
【図11】この発明の第4実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
【図12】この発明の第5実施例であるオイルミスト除去装置の構成を示す模式断面図である。
【図13】この発明の第6実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図14】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図15】この発明の第7実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図16】この発明の第8実施例であるオイルミスト除去装置の構成を一部破断面して示す正面図である。
【図17】同オイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図18】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図19】同オイルミスト除去装置の動作を説明するための説明図である。
【図20】この発明の第9実施例であるオイルミスト除去装置の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図21】この発明の第1実施例の変形例であるオイルミスト除去装置を構成する電気集塵ユニットの機能を説明するための説明図である。
【図22】従来技術を説明するための説明図である。
【図23】従来技術を説明するための説明図である。
【図24】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1G オイルミスト除去装置
2 吸気口
3,3C オイルミスト除去部
4,4C 排気口
5 送風機
6,6E,6F,6G,6H 制御ユニット(フィルタ再生手段の一部)
7 主フィルタ部(第1のフィルタ部)
8,8A,8B,8C 補助除去部(第2のフィルタ部)
8a 吸着領域
9 多孔体フィルタ
11 オイル貯留部
12 オイル排出部
14,14A 吸着シート(吸着体)
14C 集塵フィルタ
15 装置箱体
18 羽根車
18a 羽根
21 シート巻取部(巻取手段)
22 シート供給部(供給手段)
27 クリーニング部(清掃手段)
43,57 電流計(目詰り検出手段)
44 空気流入制限部(フィルタ再生手段の一部、空気流入制限手段)
45 遮蔽板(遮蔽体)
Claims (18)
- 吸気口から空気を吸引し、該空気中に含まれるオイルミストを除去した後、排気口から清浄な空気を排気するオイルミスト除去装置であって、
前記吸気口から吸い込まれた前記空気を遠心方向に圧送する送風機と、少なくとも前記送風機の上流側に配置されて前記オイルミストを捕捉して除去するための第1のフィルタ部と、前記送風機の吐出口近傍に配置され、前記送風機から遠心方向に吐き出された空気を吹き付けられて、前記第1のフィルタ部によっても除去されなかった前記オイルミストを捕捉して除去するための第2のフィルタ部とを備えてなることを特徴とするオイルミスト除去装置。 - 前記第1のフィルタ部は、多孔体フィルタを有してなることを特徴とする請求項1記載のオイルミスト除去装置。
- 前記送風機は、複数の羽根が環状に並べられた羽根車を有すると共に、該羽根車の軸心が前記吸気口の中心軸線と概略共通する態様で、取り付けられてなる遠心型送風機であって、運転時は、前記羽根車の軸心方向から前記空気を取り入れ、取り入れた前記空気に旋回流を与え、発生した遠心力によって、前記羽根と羽根との間から、旋回する前記空気を前記羽根車の外周方向に圧送する構成とされていることを特徴とする請求項1又は2記載のオイルミスト除去装置。
- 前記第2のフィルタ部は、前記送風機、前記第1及び第2のフィルタ部を収納する装置箱体の内壁面に沿って前記送風機の側縁部を囲むように配置され、前記オイルミストを吸着する吸着体を有してなると共に、前記第2のフィルタ部によって前記オイルミストが除去された空気は、急激に流れの方向を変化させて前記排気口へ向かって通流する構成になされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のオイルミスト除去装置。
- 前記吸着体は、前記装置箱体の内壁面に沿って摺動可能に配置された長尺なシート状部材からなり、巻取手段によって巻き取られることによって、前記吸着体のうちオイルミスト吸着済の部分が回収されると共に、前記吸着体のうちオイルミスト未吸着の部分が供給手段から供給されて、前記送風機から遠心方向に吐き出された空気に晒されるように配置されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載のオイルミスト除去装置。
- 前記第2のフィルタ部は、前記吸着体の前記オイルミストを吸着した部分を、前記巻取手段によって巻き取る前に清掃する清掃手段を有することを特徴とする請求項5記載のオイルミスト除去装置。
- 前記排気口は、前記送風機、前記第1及び第2のフィルタ部を収納する装置箱体の前記送風機の吐出口近傍に設けられていると共に、前記第2のフィルタ部は、前記排気口の上流側に配置された集塵フィルタを有してなることを特徴とする請求項1、2又は3記載のオイルミスト除去装置。
- 前記多孔体フィルタの一部又は全部の領域への前記空気の流入を停止することによって、前記オイルミストの凝集体である液又は滴の流下又は落下を促進させて、目詰り状態の前記多孔体フィルタを再生するためのフィルタ再生手段を有することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1に記載のオイルミスト除去装置。
- 前記フィルタ再生手段は、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出する目詰り検出手段を備え、
該目詰り検出手段が、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出すると、前記多孔体フィルタの一部又は全部の領域への前記空気の流入を停止させることを特徴とする請求項8記載のオイルミスト除去装置。 - 前記目詰り検出手段は、前記送風機の負荷電流を計測する電流計測手段を有し、該電流計測手段による計測結果に基づいて、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出することを特徴とする請求項9記載のオイルミスト除去装置。
- 前記フィルタ再生手段は、前記送風機をオフとすることによって、前記オイルミストの凝集体である液又は滴の流下又は落下を促進させて、目詰り状態の前記多孔体フィルタを再生することを特徴とする請求項8、9又は10記載のオイルミスト除去装置。
- 前記フィルタ再生手段は、前記送風機がオンとなった後に、予め設定された第1の基準時間が経過すると、前記送風機をオフとし、前記送風機がオフとなった後、予め設定された第2の基準時間が経過すると、前記送風機をオンとする構成になされていることを特徴とする請求項11記載のオイルミスト除去装置。
- 前記フィルタ再生手段は、前記多孔体フィルタの上流側に配置され、前記多孔体フィルタの上流側の所定の領域からの前記空気の流入を制限する流入制限手段を有してなることを特徴とする請求項8、9又は10記載のオイルミスト除去装置。
- 前記流入制限手段は、前記多孔体フィルタの上流側に配置された遮蔽体と、該遮蔽体を前記多孔体フィルタの上流側の面に沿って周期的に又は必要に応じて変位させる遮蔽体駆動手段とを有してなっていることを特徴とする請求項13記載のオイルミスト除去装置。
- 前記遮蔽体は、略矩形状の板状部材からなり、前記遮蔽体駆動手段は、前記遮蔽体を前記多孔体フィルタの上流側の面に沿って変位させることを特徴とする請求項14記載のオイルミスト除去装置。
- 前記遮蔽体は、略扇形状の板状部材からなり、前記遮蔽体駆動手段は、前記遮蔽板を前記多孔体フィルタの上流側の面に沿って前記吸気口の中心軸の周りに回転運動させることを特徴とする請求項14記載のオイルミスト除去装置。
- 前記フィルタ再生手段は、前記目詰り検出手段が、前記多孔体フィルタの目詰り状態を検出すると、前記遮蔽体駆動手段を制御して、前記遮蔽体を変位させて、前記多孔体フィルタのうち、目詰り状態に至っていない領域に、前記空気が流入されるようにすることを特徴とする請求項14、15又は16記載のオイルミスト除去装置。
- 前記多孔体フィルタ及び/又は前記送風機の下方に配置され、前記多孔体フィルタによって捕捉された前記オイルミストが凝集して、流下又は落下する液又は滴を受けて貯える貯留部を備えたことを特徴とする請求項2乃至17のいずれか1に記載のオイルミスト除去装置。
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